JP2019084778A - 立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置 - Google Patents

立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019084778A
JP2019084778A JP2017216089A JP2017216089A JP2019084778A JP 2019084778 A JP2019084778 A JP 2019084778A JP 2017216089 A JP2017216089 A JP 2017216089A JP 2017216089 A JP2017216089 A JP 2017216089A JP 2019084778 A JP2019084778 A JP 2019084778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dimensional
curing
dimensional object
producing
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017216089A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6954017B2 (ja
Inventor
政樹 渡邉
Masaki Watanabe
政樹 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2017216089A priority Critical patent/JP6954017B2/ja
Publication of JP2019084778A publication Critical patent/JP2019084778A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6954017B2 publication Critical patent/JP6954017B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】複数の異なる樹脂が組み合わさった複雑な立体形状の立体造形物を簡便かつ効率良く製造できる立体造形物の製造方法の提供。【解決手段】立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する層形成工程と、立体造形用材料層の所定領域に対して、互いに異なる3種類以上の重合性化合物を含む3種類以上の硬化用液体を吐出する吐出工程と、を複数回繰り返す立体造形物の製造方法であって、立体造形用材料層上に3種類以上の硬化用液体を吐出して形成したドットA〜Cが互いに隣接し合っており、かつ一の硬化用液体を吐出して形成したドットが他の硬化用液体を吐出して形成したドットと隣接している領域Dが少なくとも1箇所存在するように配置される立体造形物の製造方法。【選択図】図1B

Description

本発明は、立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置に関する。
現在、樹脂を用いた製品は多岐に渡り、例えば、ディスプレイや光学レンズのように一定の透明性が要求される部品、自動車や航空機で検討されている軽量化を目的とした金属代替としての部品などが挙げられる。
これらの樹脂は、軽量化や機能調整(物性調整)に対しては金属・セラミックスより有効である。その機能調整の自由度の高さから、例えば、ゴム弾性を示す樹脂パーツと高靱性を示す樹脂パーツのように異なる物性を示す樹脂同士を組み合わせて活用するマルチマテリアル化などが行われている。
このようなマルチマテリアル化で問題となるのは異種樹脂同士の接合であり、樹脂同士の接合方法としては、例えば、溶接加工法、接着法、溶着法などが挙げられる。
溶接加工法は、同種の樹脂同士であれば様々な用途に耐えうる強固な接合を実現できる。
接着法としては、化学反応による接着やモノマーの重合による接着などが挙げられる。
また、溶着法では、主材を溶解する溶剤を用いる。
本発明は、複数の異なる樹脂が組み合わさった複雑な立体形状の立体造形物を簡便かつ効率良く製造できる立体造形物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段としての本発明の立体造形物の製造方法は、立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する層形成工程と、
立体造形用材料層の所定領域に対して、互いに異なる3種類以上の重合性化合物を含む3種以上の硬化用液体を吐出する吐出工程と、
を複数回繰り返す立体造形物の製造方法であって、
立体造形用材料層上に3種以上の硬化用液体を吐出して形成したドットが互いに隣接し合っており、かつ一の硬化用液体を吐出して形成したドットが他の硬化用液体を吐出して形成したドットと隣接している領域が少なくとも1箇所存在するように配置される。
本発明によると、複数の異なる樹脂が組み合わさった複雑な立体形状の立体造形物を簡便かつ効率良く製造できる立体造形物の製造方法を提供することができる。
図1Aは、本発明の立体造形物の製造方法の原理の一例を説明する図である。 図1Bは、本発明の立体造形物の製造方法の原理の一例を説明する図である。 図2は、本発明の立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の立体造形物の製造装置の他の一例を示す概略図である。
(立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置)
本発明の立体造形物の製造方法は、立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する層形成工程と、立体造形用材料層の所定領域に対して、互いに異なる3種類以上の重合性化合物を含む3種類以上の硬化用液体を吐出する吐出工程と、を複数回繰り返す立体造形物の製造方法であって、
立体造形用材料層上に3種類以上の硬化用液体を吐出して形成したドットが互いに隣接し合っており、かつ一の硬化用液体を吐出して形成したドットが他の硬化用液体を吐出して形成したドットと隣接している領域が少なくとも1箇所存在するように配置され、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の立体造形物の製造装置は、立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する層形成手段と、立体造形用材料層の所定領域に対して、互いに異なる3種類以上の重合性化合物を含む3種類以上の硬化用液体を吐出する吐出手段と、を有する立体造形物の製造装置であって、
立体造形用材料層上に3種類以上の硬化用液体を吐出して形成したドットが互いに隣接し合っており、かつ一の硬化用液体を吐出して形成したドットが他の硬化用液体を吐出して形成したドットと隣接している領域が少なくとも1箇所存在するように配置され、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の立体造形物の製造方法は、本発明で用いられる立体造形物の製造装置を用いて好適に実施することができ、層形成工程は、層形成手段により好適に実施することができ、硬化用液体の吐出工程は、硬化用液体の吐出手段により好適に実施することができ、その他の工程は、その他の手段により好適に実施することができる。
本明細書において、「立体造形物」には、「積層造形物」も含まれる。
従来の溶接加工法では、基本的な分子骨格が異なる樹脂同士の場合は、それぞれの樹脂が互いに非相溶であるため、溶融しても交じり合うことはない。そこで、本発明の立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置は、マルチマテリアル化を実現するためには、互いに交じり合いやすい樹脂同士を選定する必要があり、所望の機能を有する樹脂同士を自由に組み合わせるという点では難しいという知見に基づくものである。
また、従来の接着法では、溶接加工法と同じく、既にバルクとして存在する異種の樹脂成形体同士を接着する場合、それぞれの成形体に対して相性のよい接着剤を選定する必要がある。また、寸法精度が要求されるパーツを作る場合、接着剤の存在により接合部位を起点に精度が悪化しやすく、所望の機能を有する樹脂同士を自由に組み合わせること、及び、所望の精度を有するパーツを作るという点では接着法にも課題があるという知見に基づくものである。
また、従来の溶着法では、主剤を溶解する溶剤を用いると、耐薬品性の高い樹脂同士を接合する際は、溶着が困難であるという知見に基づくものである。
本発明の立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置は、図1A及び図1Bに示すように、立体造形用材料層に、互いに異なる3種類の重合化合物A、B、Cを含む3種類の硬化用液体を吐出する。すると、立体造形用材料層上に3種類の硬化用液体を吐出して形成したドットA、B、Cが互いに隣接し合っており、かつ一の硬化用液体を吐出して形成したドットと他の硬化用液体を吐出して形成したドットとが隣接している領域Dを有するように配置される。
このように本発明においては、立体造形用材料と、互いに異なる3種類以上の重合性化合物を含む3種類以上の硬化用液体との相溶化により、従来のマテリアルジェッティング方式では具現化できない材料及び物性の立体造形物をマルチマテリアル造形することができる。
本発明の立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置は、層形成される立体造形用材料と、重合性化合物を含む硬化用液体との硬化反応を繰り返して立体造形物を造形するものである。したがって、立体造形用材料と硬化用液体が互いに相溶する場合は、立体造形用材料に対してIPN(相互進入網目)により硬化用液体をアロイ化させることができるため、所望の物性に制御できる。更に、硬化用液体は、インクジェットヘッドにより立体造形用材料層上にドット配置されるため、ドットレベルで物性を変えることができる。そうすることにより、力学的強度のみならず、透明性や電気特性など、様々な物性を1つのパーツ内で連続的に変化させることが可能となる。これは、異なる樹脂同士を組み合わせたマルチマテリアル化を、接合プロセスレスで実現できるため、接合に伴う寸法精度の悪化や生産性の向上が期待できる。
立体造形用材料層上に吐出される硬化用液体はドット配置されるが、これらドットは互いに隣接し合っていることが必要不可欠である。これらドットが互いに隣接していないと、硬化用液体で満たされない部位が立体造形物中に存在することになり、そこからクラックが入ることにより、所望の強度や形状が得られなくなる。また、このドットの隣接は積層方向(Z軸方向)に対しても、積層方向に対してドットが隣接していないと、積層間に硬化用液体で満たされない部位が存在することになり、層間剥離を起こす恐れがある。
また、層形成工程と吐出工程を繰り返すことにより得られる立体造形物中には、異なる3種類以上の重合性化合物を含む3種以上の硬化用液体が吐出して形成したドットと隣接している領域が少なくとも1箇所存在することが必要である。異なる種類の重合性化合物を含む硬化用液体が吐出して形成したドットを隣接させる場合は、互いに交互にドットを配置させることが好ましい。これは、交互にドットを配置させないと、互いに相溶性を示さない、あるいは、相溶性を示しても分子構造が大きく異なる場合、異なる樹脂同士の界面で相分離を起こしてしまい、得られる立体造形物が破損してしまう恐れがあるためである。また、重合性化合物の種類が2種類以下だと、互いに交互にドットを配置させたとしても、異なる樹脂同士の噛み合いが少なく、結果的に接合強度が弱くなるため所望の効果は得られにくい。
このようなドットの配置状態は、例えば、ドットを紙上にプリントアウトして、得られたドットの画像を光学顕微鏡で観察することにより、ドットがどのように配置しているのかを確認することができる。
複数の硬化用液体をドット配置する際、硬化用液体をどのような順番で吐出するかが重要である。例えば、互いに異なるインクを同じ場所に吐出する場合、反応速度が遅い方を先に吐出することが好ましい。反応速度が速い方を先に吐出すると、反応して硬化した領域の上に反応速度が遅い硬化用液体が溜まる。このため、先行して硬化した領域よりも下部への硬化用液体の浸透が不十分となり、層間剥離が生じたり、所望の均一物性が得られなくなる恐れがある。
また、浸透速度が異なる場合も同様に、浸透速度が遅い方を先に吐出することが好ましい。浸透速度が遅い方を先に吐出することで、その上に来る浸透速度の速い硬化用液体が層内で混合され、物性のグラデーションが具現化しやすいためである。浸透速度が速い方を先に吐出すると、浸透速度の遅い硬化用液体が先に吐出された硬化用液体と混合されず、層内で相分離した構造が得られてしまい、アロイ化による所望物性の発現ができなくなる。
硬化用液体が吐出された後は、層形成工程により新たな立体造形材料層が形成される。新たな層形成を行う際は、硬化用液体がまだ十分に硬化していないことが好ましい。硬化用液体が早い段階で硬化を終えてしまうと、新たな立体造形材料層が硬化する際、下の立体造形材料層と新たな立体造形材料層との間の接着力が不十分となり、層間剥離を起こす恐れがある。これら反応速度は、立体造形材料中に含まれる有機過酸化物の量や、硬化用液体中に含まれる第三級アミンの量により調整することが可能である。
<層形成工程及び層形成手段>
層形成工程は、立体造形材料を用いて立体造形用材料層を形成する工程であり、層形成手段により実施することができる。
<<立体造形用材料>>
立体造形用材料は、有機粒子並びに重合開始剤を含み、更に必要に応じてその他の材料を含有してなる。なお、立体造形用材料は、液体状態でもよいし、粉末状態でもよく、必要に応じて適宜選択することができる。立体造形用材料が液体状態である場合は、重合性化合物を更に含むことが好ましい。
−有機粒子−
有機粒子の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリメチルメタクリレート(以下、「PMMA」とも称することがある)、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリイソプレン、ポリエチレンオキサイド、ノボラック、ポリパラビニルフェノール、ニトロセルロース、ポリエピクロロヒドリン、メタクリル酸メチルを含む共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、無水シトラコン酸・スチレン共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、フッ化ビニリデン・ハロゲン化エチレン共重合体、及びエピクロロヒドリン・エチレンオキサイド共重合体などが挙げられる。それぞれのポリマーの重量平均分子量は、必要に応じて高いものから低いものまで扱うことができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機粒子の体積平均粒径(Dv)としては、立体造形用材料が液体(分散体)状態の場合は1μm未満が好ましい。液体状態における体積平均粒径(Dv)が1μm未満であると、分散されている有機粒子が沈降しにくく、形成されるスラリー層を均一にできる。一方、立体造形用材料が粉末状態の場合は1μm以上100μm以下が好ましい。粉末状態における体積平均粒径が、1μm以上であると、膨潤する速度を遅くでき、硬化用液体が下の層まで染み込まずに反応が終了することを防止できる。また、有機粒子の種類によらず流動性が向上でき、粉末搬送が良好であり、100μm以下であると、造形精度を向上できる。
体積平均粒径としては、公知の粒径測定装置、例えば、マルチサイザーIII(コールターカウンター社製)やFPIA−3000(シスメックス株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定できる。
−重合開始剤−
重合開始剤としては、例えば、過酸化物、第三級アミンなどが挙げられる。
立体造形用材料に過酸化物を含有させる場合、第三級アミンは硬化用液体に含有させることが好ましい。過酸化物と、第三級アミンとが、立体造形用材料と硬化用液体とに別々に含有させることで、立体造形用材料と硬化用液体とが混合された際に、ラジカル反応が開始される。そして、ポリマー化した重合性化合物と、有機粒子とのアロイ、あるいは、コンパウンドが得られる。このとき、光、及び熱等の外部エネルギーは不要であり、立体造形用材料と硬化用液体とを混合後、すぐにアロイ、あるいは、コンパウンドが得られるため、簡便かつ効率良く立体造形物を得られる点で有利である。
過酸化物としては、例えば、芳香族を有するジアシルパーオキサイド類や過安息香酸エステルのようなパーオキシエステルなどが挙げられる。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、m−トリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ベンゾイルパーイキサイド(BPO)が好ましい。
過酸化物の添加方法としては、特に制限はなく、均一に有機粒子及び/又は無機粒子と混在、或いは、有機粒子及び/又は無機粒子中に分散していればよい。過酸化物が常温固体であれば、有機粒子及び/又は無機粒子と混在させても、有機粒子及び/又は無機粒子中に分散させてもどちらでも構わない。一方、有機粒子及び/又は無機粒子と混在させる場合は、ヘンシェルミキサーやエアブローでの混合が好ましい。その際、装置の材質がステンレス鋼(SUS)であることが好ましい。
また、有機粒子を用いる場合は、有機粒子を乳化重合にて合成し、その中に適量の過酸化物を入れることでマスターバッチ化することができる。過酸化物が常温液体の場合は、有機粒子中に染み込ませることが必要であるが、適量を染み込ませることで、粉末の流動性の悪化を抑制して、粉末搬送ができなくなることを防止できる。
過酸化物の含有量としては、有機粒子及び無機粒子の少なくともいずれか100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下が好ましく、1質量部以上3質量部以下がより好ましい。過酸化物の含有量が、1質量部以上であると、ラジカル反応が早く、所望の速度で立体造形物を得られ、力学的強度も向上できる。一方、過酸化物の含有量が、5質量部以下であると、過酸化物の塊の残存を抑制でき、均一に過酸化物が粒子中に分散でき、ラジカル反応時に破裂音や強度ムラの発生を防止できる。また、黄変を抑制できる。
重合開始剤の含有量としては、立体造形用材料100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下が好ましく、1質量部以上3質量部以下がより好ましい。重合開始剤の含有量が、1質量部以上であると、ラジカル反応が早く、所望の速度で立体造形物を得られ、力学的強度も向上できる。重合開始剤の含有量が、5質量部以下であると、過酸化物の塊の残存を抑制でき、均一に過酸化物が粒子中に分散でき、ラジカル反応時に破裂音や強度ムラの発生を防止できる。また、黄変を抑制できる。
−重合性化合物−
重合性化合物は、立体造形用材料が液体状態の場合に、立体造形用材料中に含まれることが好ましい。
重合性化合物としては、ある程度の粘度を有していれば目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル基を有する重合性化合物などが挙げられる。
ビニル基を有する重合性化合物としては、例えば、単官能重合性化合物、多官能重合性化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、増粘効果を付与するためにも、単官能重合性化合物、及び多官能重合性化合物を併用することが好ましい。単官能重合性化合物、及び多官能重合性化合物は、混合した状態でもよいし、互いに化学結合したオリゴマー状態でもよい。
−−単官能重合性化合物−−
単官能重合性化合物としては、例えば、単官能アクリル化合物、単官能メタクリル化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、単官能メタクリル化合物が好ましく、メチルメタクリレート骨格を有する単官能メタクリル化合物がより好ましい。
メチルメタクリレート骨格を有する単官能メタクリル化合物としては、例えば、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシアルキルメタクリレート(HAMA);テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破壊靱性等の兼ね合いの点から、メチルメタクリレート(MMA)と、ヒドロキシアルキルメタクリレート(HAMA)との併用が好ましく、メチルメタクリレート(MMA)と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)との併用がより好ましい。
−−多官能重合性化合物−−
多官能重合性化合物としては、例えば、多官能アクリル化合物、多官能メタクリル化合物などが挙げられる。これらの中でも、多官能メタクリル化合物が好ましく、メチルメタクリレート骨格を有する多官能メタクリル化合物がより好ましい。
メチルメタクリレート骨格を有する多官能メタクリル化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(Bis−GMA)などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、粘度の高いウレタンジメタクリレート(UDMA)、ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(Bis−GMA)が好ましく、ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(Bis−GMA)がより好ましい。
−その他の成分−
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動化剤、フィラーなどが挙げられる。立体造形用材料が粉末状態の場合、流動化剤を含むと立体造形用材料による層等を容易にかつ効率よく形成し得る点で好ましく、フィラーを含むと得られる硬化物に空隙等が生じ難くなる点で好ましい。
−立体造形用材料の物性−
立体造形用材料が液体状態である場合の粘度としては、25℃において、50mPa・s以上200mPa・s以下が好ましい。粘度が、50mPa・s以上200mPa・s以下であると、立体造形用材料の安定吐出が可能となり、造形物の寸法精度、及び力学的強度を向上できる。なお、粘度は、例えば、JIS−K7117に準拠して測定でき、また、B型回転粘度計(装置名:TVB−10M、東機産業株式会社製)を用いて、25℃で測定できる。
−立体造形用材料層の形成−
立体造形用材料を支持体上に配置させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、薄層に配置させる方法としては、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザー焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラ)などを用いる方法、立体造形用材料をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて薄層に拡げる方法、立体造形用材料層の表面を、押圧部材を用いて押圧して薄層に拡げる方法、公知の積層造形装置を用いる方法などが好適に挙げられる。
−支持体−
支持体としては、立体造形用材料を載置できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、立体造形用材料の載置面を有する台、特開2000−328106号公報の図2に記載の装置におけるベースプレート、などが挙げられる。支持体の表面として、立体造形用材料を載置する載置面は、例えば、平滑面であってもよいし、粗面であってもよく、また、平面であってもよいし、曲面であってもよい。
カウンター回転機構(カウンターローラ)、ブラシ乃至ブレード、押圧部材などを用いて、支持体上に立体造形用材料を薄層に載置させるには、例えば、以下のようにして行うことができる。即ち、例えば、外枠(「型」、「中空シリンダー」、「筒状構造体」などと称されることもある)内に、外枠の内壁に摺動しながら昇降可能に配置された支持体上に立体造形用材料を、カウンター回転機構(カウンターローラ))、ブラシ、ローラ又はブレード、押圧部材などを用いて載置させる。このとき、支持体として、外枠内を昇降可能なものを用いる場合には、支持体を外枠の上端開口部よりも少しだけ下方の位置に配し、即ち、立体造形用材料層の厚み分だけ下方に位置させておき、支持体上に立体造形用材料を載置させる。以上により、立体造形用材料を支持体上に薄層に載置させることができる。
なお、このようにして薄層に載置させた立体造形用材料に対し、硬化用液体を作用させると硬化が生ずる。ここで得られた薄層の硬化物上に、上記と同様にして、立体造形用材料を薄層に載置させ、この薄層に載置された立体造形用材料(層)に対し、硬化用液体を作用させると硬化が生ずる。このときの硬化は、薄層に載置された立体造形用材料(層)においてのみならず、その下に存在する、先に硬化して得られた薄層の硬化物との間でも生ずる。その結果、薄層に載置された立体造形用材料(層)の約2層分の厚みを有する硬化物(立体造形物、積層造形物)が得られる。
また、立体造形用材料を支持体上に薄層に載置させるには、公知の積層造形装置を用いて自動的にかつ簡便に行うこともできる。積層造形装置は、一般に、立体造形用材料を積層するためのリコーターと、立体造形用材料を支持体上に供給するための可動式供給槽と、立体造形用材料を薄層に載置し、積層するための可動式成形槽とを備える。積層造形装置は、供給槽を上昇させるか、成形槽を下降させるか、又はその両方によって、常に供給槽の表面は成形槽の表面よりもわずかに上昇させることができる。さらに、積層造形装置は、供給槽側からリコーターを用いて立体造形用材料を薄層に配置させることができ、リコーターを繰り返し移動させることにより、薄層の立体造形用材料を積層させることができる。
立体造形用材料層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、立体造形用材料が液体状態であれば、例えば、一層当たりの平均厚みで、10μm以上70μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下がより好ましい。平均厚みが、10μm以上であると、立体造形物が得られるまでに莫大な時間を要することがなく、70μm以下であると、立体造形物の寸法精度を向上できる。一方、立体造形用材料が粉末状態であれば、例えば、一層当たりの平均厚みで、10μm以上200μm以下が好ましく、50μm以上150μm以下がより好ましい。平均厚みが、10μm以上であると、立体造形物が得られるまでに莫大な時間を要することがなく、200μm以下であると、立体造形物の寸法精度を向上できる。なお、平均厚みは、公知の方法に従って測定できる。
<吐出工程及び吐出手段>
吐出工程は、立体造形用材料層の所定領域に対して、互いに異なる3種類以上の重合性化合物を含む3種類以上の硬化用液体を吐出する工程であり、吐出手段により実施される。
<<硬化用液体>>
3種類以上の硬化用液体は、互いに異なる3種類以上の重合性化合物を含み、更に必要に応じて、重合開始剤、その他の材料を含有してなる。
硬化用液体は、立体造形用材料と反応性を示し、エネルギー線照射により硬化することが好ましい。
硬化用液体が吐出された立体造形用材料層は、次の層形成工程まで硬化しないことが好ましい。
−重合性化合物−
重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル基を有する重合性化合物などが挙げられる。
ビニル基を有する重合性化合物としては、単官能重合性化合物、多官能重合性化合物などが挙げられる。これらの中でも、単官能重合性化合物、及び多官能重合性化合物を併用することが好ましい。単官能重合性化合物、及び多官能重合性化合物は、混合した状態でもよいし、互いに化学結合したオリゴマー状態でもよい。
重合性化合物としては、アクリル/メタクリル化合物、スチレン化合物、イソプレン化合物、ハロゲン化ビニル化合物、ハロゲン化ビニリデン化合物、及びこれらの化合物の共重合体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
−−単官能重合性化合物−−
単官能重合性化合物としては、単官能アクリル化合物、単官能メタクリル化合物などが挙げられる。これらの中でも、単官能メタクリル化合物が好ましく、メチルメタクリレート骨格を有する単官能メタクリル化合物がより好ましい。
単官能重合性化合物としては、例えば、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシアルキルメタクリレート(HAMA);テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破壊靱性等の兼ね合いの点から、メチルメタクリレート(MMA)と、ヒドロキシアルキルメタクリレート(HAMA)との併用が好ましく、メチルメタクリレート(MMA)と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)との併用がより好ましい。
−−多官能重合性化合物−−
多官能重合性化合物としては、例えば、多官能アクリル化合物、多官能メタクリル化合物などが挙げられる。これらの中でも、多官能メタクリル化合物が好ましく、メチルメタクリレート骨格を有する多官能メタクリル化合物がより好ましい。
多官能重合性化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(Bis−GMA)、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、テトラエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(Bis−GMA)が好ましく、ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(Bis−GMA)がより好ましい。
−重合開始剤−
重合開始剤としては、立体造形用材料と同様のものを用いることができる。
立体造形用材料に重合開始剤として過酸化物が含有されている場合は、硬化用液体には、第三級アミンを含有することが好ましい。
第三級アミンとしては、芳香族基に直接窒素原子が置換した構造を有することが好ましく、トルイジン骨格を有することがより好ましい。
トルイジン骨格を有する第三級アミンとしては、例えば、N,N−ジメチル−p−トルイジン(DMPT)、N,N−ジエチル−p−トルイジン(DEPT)、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ジ(β−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、N,N−ジメチル−p−トルイジン(DMPT)、N,N−ジエチル−p−トルイジン(DEPT)が好ましく、N,N−ジメチル−p−トルイジン(DMPT)がより好ましい。
−着色剤−
硬化用液体は、更に着色剤を含むことが好ましい。硬化用液体が、更に着色剤を含むことにより、従来の紫外線を用いたバインダージェッティング方式では、着色剤を含むと紫外線の吸収や乱反射が生じ、造形できなくなる。一方、本発明では、問題なく造形できる。
着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、染料、顔料などが挙げられる。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用できる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用できる。
有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
−その他成分−
その他の成分としては、硬化用液体を吐出する手段の種類、使用頻度や含有量等の諸条件を考慮して適宜選択することができ、例えば、インクジェットプリンター等における液体吐出ヘッドへの目詰り等の影響を考慮して選択することができ、有機溶剤、粘度調整剤、安定化剤などが挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトンなどが挙げられる。これらの中でも、エタノールが好ましい。
硬化用液体は少なくとも4種類からなり、それぞれの硬化用液体の反応速度が異なるとき、反応速度の遅い硬化用液体から先に吐出することが好ましい。
互いに異なる少なくとも4種類からなる硬化用液体を同じ場所に吐出する場合、反応速度が遅い方を先に吐出した方が層間剥離しにくい。反応速度が速い方を先に吐出する場合、反応してしまった領域よりも下への別の硬化用液体の染込みが不十分になり、均一な物性を示す層ができなくなる。
硬化用液体の反応速度は、例えば、フーリエ変換遠赤外−中赤外分光装置を用いて測定することができる。具体的には、立体造形用材料と硬化用液体を混ぜてサンプルを調製した直後に、装置上にサンプルを設置し、反応させることによって発生する、或いは、無くなるピークの面積を経時で追うことにより反応速度を数値化して測定することができる。
硬化用液体は少なくとも4種類からなり、それぞれの硬化用液体の立体造形用材料層に対する浸透速度が異なるとき、浸透速度の遅い硬化用液体から先に吐出することが好ましい。
互いに異なる少なくとも4種類からなる硬化用液体を同じ場所に吐出する場合、浸透速度が遅い方を先に吐出した方が、その上に来る浸透速度の速い硬化用液体と層内で混合しやすくなり、物性グラデーションが具現化しやすいが、浸透速度が速い方を先に吐出すると、その上に来る浸透速度の遅い硬化用液体と層内で上手く混合できず、ムラができてしまうおそれがある。
硬化用液体の浸透速度は、例えば、透過X線で測定することができる。具体的には、立体造形用材料を敷いた槽の横からX線を照射し、硬化用液体を塗布した瞬間からの硬化用液体の挙動を経時で追うことによって浸透速度を測定できる。浸透速度の数値化は、所定時間経過したときのZ軸方向への硬化用液体の染み込み深さにより求めることができる。
−硬化用液体の物性−
硬化用液体の粘度としては、25℃において、4mPa・s以上20mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上8mPa・s以下がより好ましい。粘度が、4mPa・s以上20mPa・s以下であると、硬化用液体の安定吐出が可能となり、造形物の寸法精度、及び力学的強度を向上できる。なお、粘度は、例えば、JIS−K7117に準拠して測定でき、また、B型回転粘度計(装置名:TVB−10M、東機産業株式会社製)を用いて、25℃で測定できる。
硬化用液体の表面張力としては、50mN/m以下が好ましく、30mN/m以下がより好ましい。表面張力が50mN/m以下であると、硬化用液体の安定吐出が可能となり、造形物の寸法精度が良好であり、力学的強度も向上する。
硬化用液体を立体造形用材料層の所定領域に対する吐出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクジェット法、ディスペンサーなどが挙げられる。これらの中でも、解像度の高いドット制御が可能な点から、インクジェット法が好ましい。
ここで、図2に本発明の立体造形物の製造装置の一例を示す。この図2の立体造形物の製造装置は、造形側材料貯留槽1と供給側材料貯留槽2とを有する。これらの材料貯留槽は、それぞれ立体造形用材料を貯留し、上下に移動可能なステージ3を有し、該ステージ上に立体造形用材料からなる層を形成する。
造形側材料貯留槽1の上には、材料貯留槽内の立体造形用材料に向けて硬化用液体4を吐出するインクジェットヘッド5を有し、更に、供給側材料貯留槽2から造形側材料貯留槽1に立体造形用材料を供給すると共に、造形側材料貯留槽1の立体造形用材料層表面を均す、均し機構6(以下、「リコーター」と称することがある)を有する。
造形側材料貯留槽1の立体造形用材料上にインクジェットヘッド5から硬化用液体4を滴下する。このとき、硬化用液体4を滴下する位置は、最終的に造形したい立体形状を複数の平面層にスライスした二次元画像データ(スライスデータ)により決定される。
1層分の描画が終了した後、供給側材料貯留槽2のステージ3を上げ、造形側材料貯留槽1のステージ3を下げる。その差分の立体造形用材料を、均し機構6によって、造形側材料貯留槽1へと移動させる。
このようにして、先に描画した立体造形用材料層面上に、新たな立体造形用材料層が1層形成される。このときの材料層の1層当たりの平均厚みは、数十μm以上100μm以下程度である。
新たに形成された立体造形用材料層上に、更に2層目のスライスデータに基づく描画を行い、この一連のプロセスを繰り返して立体造形物が得られる。
図3に、本発明の立体造形物の製造装置の他の一例を示す。図3の立体造形物の製造装置は、原理的には図2と同じものであるが、立体造形用材料の供給機構が異なる。即ち、供給側材料貯留槽2は、造形側材料貯留槽1の上方に配されている。1層目の描画が終了すると、造形側材料貯留槽1のステージ3が所定量降下し、供給側材料貯留槽2が移動しながら、所定量の立体造形用材料を造形側材料貯留槽1に落下させ、新たな立体造形用材料層を形成する。その後、均し機構6で、立体造形用材料層を圧縮し、かさ密度を上げると共に、立体造形用材料層の高さを均一に均す。
図3に示す構成の積層造形装置によれば、2つの材料貯留槽を平面的に並べる図2の構成に比べて、装置をコンパクトにできる。
立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置によると、複数の異なる樹脂が組み合わさった複雑な立体形状の立体造形物を、簡便かつ効率良く造形でき、かつ造形後すぐに所望物性が発現し得る造形物を得ることができる。こうして得られた立体造形物は、異なる樹脂間で十分な接合強度を有し、かつ寸法精度に優れ、微細な凹凸、曲面なども再現できるので、美的外観にも優れ、高品質であり、各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(立体造形用材料の調製例1)
−立体造形用材料1の調製−
ポリメチルメタクリレート(PMMA、株式会社クラレ製)100質量部、及び過酸化ベンゾイル(BPO、東京化成工業株式会社製)1質量部をエアブローにより混合し、粉末状態の立体造形用材料1を調製した。
(立体造形用材料の調製例2)
−立体造形用材料2の調製−
立体造形用材料の調製例1において、ポリメチルメタクリレートを、ポリフッ化ビニリデン(Solvey社製、Solef9007)に代えた以外は、立体造形用材料の調製例1と同様にして、立体造形用材料2を調製した。
(立体造形用材料の調製例3)
−立体造形用材料3の調製−
立体造形用材料の調製例1において、ポリメチルメタクリレートを、ポリ塩化化ビニル(東ソー株式会社製、K75Z)に代えた以外は、立体造形用材料の調製例1と同様にして、立体造形用材料3を調製した。
(立体造形用材料の調製例4)
−立体造形用材料4の調製−
立体造形用材料の調製例1において、ポリメチルメタクリレートを、塩素化ポリ塩化ビニル(積水化学工業株式会社製、CPVC−HA)に代えた以外は、立体造形用材料の調製例1と同様にして、立体造形用材料4を調製した。
(立体造形用材料の調製例5)
−立体造形用材料5の調製−
立体造形用材料の調製例1において、ポリメチルメタクリレートを、塩素化ポリイソプレン(自社重合品)に代えた以外は、立体造形用材料の調製例1と同様にして、立体造形用材料5を調製した。
(立体造形用材料の調製例6)
−立体造形用材料6の調製−
立体造形用材料の調製例1において、ポリメチルメタクリレートを、ポリエチレンオキサイド(明成化学工業株式会社製、アルコックスR−150)に代えた以外は、立体造形用材料の調製例1と同様にして、立体造形用材料6を調製した。
(立体造形用材料の調製例7)
−立体造形用材料7の調製−
立体造形用材料の調製例1において、ポリメチルメタクリレートを、ポリパラビニルフェノール(丸善石油株式会社製、マルカリンカーM)に代えた以外は、立体造形用材料の調製例1と同様にして、立体造形用材料7を調製した。
(立体造形用材料の調製例8)
−立体造形用材料8の調製−
立体造形用材料の調製例1において、ポリメチルメタクリレートを、ニトロセルロース(稲畑産業株式会社製、DHX−120−170)に代えた以外は、立体造形用材料の調製例1と同様にして、立体造形用材料8を調製した。
(立体造形用材料の調製例9)
−立体造形用材料9の調製−
立体造形用材料の調製例1において、ポリメチルメタクリレートを、ポリエピクロロヒドリン(自社重合品)に代えた以外は、立体造形用材料の調製例1と同様にして、立体造形用材料9を調製した。
(立体造形用材料の調製例10)
−立体造形用材料10の調製−
立体造形用材料の調製例1において、ポリメチルメタクリレートを、フッ化ビニリデン・トリクロロエチレン共重合体(自社重合品)に代えた以外は、立体造形用材料の調製例1と同様にして、立体造形用材料10を調製した。
(立体造形用材料の調製例11)
−立体造形用材料11の調製−
立体造形用材料の調製例1において、過酸化ベンゾイルを無添加とした以外は、立体造形用材料の調製例1と同様にして、立体造形用材料11を調製した。
(立体造形用材料の調製例12)
−立体造形用材料12の調製−
ポリメチルメタクリレート(PMMA、株式会社クラレ製)100質量部と、過酸化ベンゾイル(BPO、東京化成工業株式会社製)1質量部を気流により混合し、スラリー状態の立体造形用材料12を調製した。
次に、調製した立体造形用材料1〜12の組成について、表1にまとめて示した。
(硬化用液体の調製例1)
−硬化用液体1の調製−
メチルメタクリレート(MMA、東京化成工業株式会社製)60質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、東京化成工業株式会社製)20質量部、及び多官能重合性化合物としてビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(Bis−GMA、シグマ アルドリッチ社製)20質量部、及び第三級アミンとしてN,N−ジメチル−p−トルイジン(DMPT、東京化成工業株式会社製)1.5質量部を混合し、硬化用液体1を調製した。
(硬化用液体の調製例2)
−硬化用液体2の調製−
酢酸ビニル(東京化成工業株式会社製)100質量部、及び第三級アミンとしてN,N−ジメチル−p−トルイジン(DMPT、東京化成工業株式会社製)1.5質量部を混合し、硬化用液体2を調製した。
(硬化用液体の調製例3)
−硬化用液体3の調製−
ラウリル酸ビニル(東京化成工業株式会社製)100質量部、及び第三級アミンとしてN,N−ジメチル−p−トルイジン(DMPT、東京化成工業株式会社製)1.5質量部を混合し、硬化用液体3を調製した。
(硬化用液体の調製例4)
−硬化用液体4の調製−
スチレン(東京化成工業株式会社製)100質量部、及び第三級アミンとしてN,N−ジメチル−p−トルイジン(DMPT、東京化成工業株式会社製)1.5質量部を混合し、硬化用液体4を調製した。
(硬化用液体の調製例5)
−硬化用液体5の調製−
メチルメタクリレート(MMA、東京化成工業株式会社製)60質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、東京化成工業株式会社製)20質量部、多官能重合性化合物としてビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(Bis−GMA、シグマ アルドリッチ社製)20質量部、第三級アミンとしてN,N−ジメチル−p−トルイジン(DMPT、東京化成工業株式会社製)1.5質量部、及び着色剤としてローダミン(富士フィルム株式会社製)0.5質量部を混合し、硬化用液体5を調製した。
次に、表2に立体造形物の製造条件について示し、表3に立体造形用材料について示し、表4〜表8に硬化用液体1〜5の組成、組み合わせる立体造形用材料に対する反応速度、浸透速度、着色剤の有無、及び吐出順について示した。
なお、硬化用液体の反応速度及び浸透速度は、以下のようにして測定した。
−反応速度−
硬化用液体の反応速度は、フーリエ変換遠赤外−中赤外分光装置を用いて、立体造形用材料と硬化用液体を混ぜてサンプルを調製した直後に、装置上にサンプルを設置し、反応させることによって発生する、或いは、無くなるピークの面積を経時で追うことにより反応速度を数値化して測定した。
表4〜表8中の反応速度は、1〜5の5段階で評価され、1が極めて遅い、2が遅い、3が普通、4が速い、5が極めて速い、をそれぞれ表す。
−浸透速度−
硬化用液体の浸透速度は、透過X線装置を用いて、立体造形用材料を敷いた槽の横からX線を照射し、硬化用液体を塗布した瞬間からの硬化用液体の挙動を経時で追うことにより浸透速度を測定した。浸透速度の数値化は、所定時間経過したときのZ軸方向への硬化用液体の染み込み深さから求めた。
表4〜表8中の浸透速度は、1〜5の5段階で評価され、1が極めて遅い、2が遅い、3が普通、4が速い、5が極めて速い、をそれぞれ表す。
(実施例1)
得られた立体造形用材料1と、表4〜表7に示す硬化用液体1〜4とを用いて、サイズ(長さ70mm×巾12mm)の形状印刷パターンにより、立体造形物1を以下のようにして製造した。
(1)まず、図2に示した立体造形物の製造装置(ニイガタ株式会社製、粉末用冶具)を用いて、供給側材料貯留槽から造形側材料貯留槽に立体造形用材料1を移送させ、支持体上に平均厚みが100μmの立体造形用材料1からなる薄層を形成した。
(2)次に、形成した立体造形用材料1からなる薄層の表面に、表4〜表7に示す吐出順で硬化用液体1〜4を、インクジェットプリンター(株式会社リコー製、SG7100)を用いてノズルからそれぞれ付与(吐出)し、立体造形用材料1を硬化させた。
(3)次に、(1)及び(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、硬化した立体造形用材料1からなる薄層を順次積層していき、立体造形物1を製造した。得られた立体造形物1に対し、エアブローにより余分な立体造形用材料を除去したところ、型崩れを生ずることはなかった。得られた立体造形物1は樹脂界面での接合強度、及び寸法精度に優れていた。
次に、得られた立体造形物1について、以下のようにして、接合強度、寸法精度、生産性、及びマルチマテリアル化を評価した。結果を表9に示した。
<接合強度>
得られた立体造形物1について、卓上形精密万能試験機(装置名:AUTOGRAPH−AGS−J、株式会社島津製作所製)を用い、JIS−T−6501に準拠した三点曲げ強度試験により測定し、下記評価基準に基づいて、接合強度を評価した。なお、ここでは異なる樹脂同士の境界線に万能試験機のロードセルが当たるようにセッティングし、曲げ強度が強ければ接合強度が強いと定義して評価した。
[評価基準]
○:曲げ強度が80MPa以上
△:曲げ強度が50MPa以上80MPa未満
×:曲げ強度が50MPa未満
<寸法精度>
以下の基準により、立体造形物1の寸法精度を評価した。
[評価基準]
○:得られた立体造形物の表面が滑らかで美麗であり、反りも生じていない状態
△:得られた立体造形物の表面に若干の歪みと僅かに反りが生じている状態
×:得られた立体造形物の表面に歪みが生じており、激しく反りが生じている状態
<生産性>
以下の基準により、立体造形物1の生産性を評価した。
[評価基準]
○:造形10分間後でマルチマテリアル化した造形物が手で取り出せる状態
△:造形1時間経過してマルチマテリアル化した造形物が手で取り出せる状態
×:立体造形後2時間経過しても造形物が柔らかくて取り出せない状態
<マルチマテリアル化(物性傾斜)>
以下の基準により、立体造形物1のマルチマテリアル化の完成度を評価した。
[評価基準]
○:一方の端部ともう一方の端部で明らかに物性が異なる状態
×:全面に渡って物性差が見られない状態
(実施例2〜20及び比較例1)
実施例1において、表2に示す立体造形物の製造条件と、表3に示す立体造形用材料と、表4〜表8に示す硬化用液体との組合せに変更した以外は、実施例1と同様にして、立体造形物を作製し、評価した。結果を表9に示した。
(比較例2)
表3に示す立体造形用材料、及び表4に示す硬化用液体を用いて、異なる物性の立体物を互いに熱風で溶融させて溶接する溶接加工法により、立体造形物を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表9に示した。
(比較例3)
表3に示す立体造形用材料、及び表4に示す硬化用液体を用いて、異なる物性の立体物を互いに接着剤で接着させる接着法により、立体造形物を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表9に示した。
(比較例4)
表3に示す立体造形用材料、及び表4に示す硬化用液体を用いて、異なる物性の立体物を互いに超音波で溶着させる溶着法により、立体造形物を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表9に示した。
*吐出手段としてのIJ:インクジェットプリンター(株式会社リコー製、SG7100)
*実施例3では、紫外線を積算光量200mJ/cmの条件で付与した。
*実施例7のディスペンサーとしては、SUPER−JETディスペンサー(武蔵エンジニアリング株式会社製)を用いた。
*異なる組成の隣接ドット数は、それぞれの硬化用液体に異なる色を付与し、立体造形用材料を用いて形成した立体造形用材料層上に吐出したときの立体造形用材料層の表面を光学顕微鏡で観察することにより測定した。
*積層方向(Z軸方向)でのドットの隣接の有無は、それぞれの硬化用液体に異なる色を付与し、得られた造形物の断面を光学顕微鏡で観察することにより確認した。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する層形成工程と、
前記立体造形用材料層の所定領域に対して、互いに異なる3種類以上の重合性化合物を含む3種類以上の硬化用液体を吐出する吐出工程と、
を複数回繰り返す立体造形物の製造方法であって、
前記立体造形用材料層上に前記3種類以上の硬化用液体を吐出して形成したドットが互いに隣接し合っており、かつ一の硬化用液体を吐出して形成したドットが他の硬化用液体を吐出して形成したドットと隣接している領域が少なくとも1箇所存在するように配置されることを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<2> 前記硬化用液体を吐出して形成したドットが、積層方向(Z軸方向)に対しても互いに隣接している前記<1>に記載の立体造形物の製造方法である。
<3> 前記硬化用液体が、前記立体造形用材料と反応性を示す前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<4> 前記硬化用液体が、エネルギー線照射により硬化する前記<1>から<3>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<5> 硬化用液体が少なくとも4種類からなり、それぞれの前記硬化用液体の反応速度が異なるとき、反応速度の遅い前記硬化用液体から先に吐出する前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<6> 前記硬化用液体が少なくとも4種類からなり、それぞれの前記硬化用液体の前記立体造形用材料層に対する浸透速度が異なるとき、浸透速度の遅い前記硬化用液体から先に吐出する前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<7> 前記硬化用液体が吐出された前記立体造形用材料層が、次の層形成工程まで硬化しない前記<1>から<6>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<8> 前記硬化用液体が、インクジェットヘッドから吐出される前記<1>から<7>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<9> 前記重合性化合物が、ビニル基を有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<10> 前記重合性化合物が、アクリル/メタクリル化合物、スチレン化合物、イソプレン化合物、ハロゲン化ビニル化合物、ハロゲン化ビニリデン化合物、及び前記化合物の共重合体から選択される少なくとも1種である前記<1>から<9>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<11> 前記硬化用液体が、更に着色剤を含む前記<1>から<10>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<12> 前記立体造形用材料が、有機粒子を含む前記<1>から<11>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<13> 前記重合性化合物が、前記有機粒子に対して相溶性を示す前記<12>に記載の立体造形物の製造方法である。
<14> 前記有機粒子が、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリイソプレン、ポリエチレンオキサイド、ノボラック、ポリパラビニルフェノール、ニトロセルロース、ポリエピクロロヒドリン、メタクリル酸メチルを含む共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、無水シトラコン酸・スチレン共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、フッ化ビニリデン・ハロゲン化エチレン共重合体、及びエピクロロヒドリン・エチレンオキサイド共重合体から選択される少なくとも1種である前記<12>から<13>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<15> 前記立体造形用材料が、更に有機過酸化物を含む前記<12>から<14>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<16> 立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する層形成手段と、
前記立体造形用材料層の所定領域に対して、互いに異なる3種類以上の重合性化合物を含む3種類以上の硬化用液体を吐出する吐出手段と、
を有する立体造形物の製造装置であって、
前記立体造形用材料層上に前記3種類以上の硬化用液体を吐出して形成したドットが互いに隣接し合っており、かつ一の硬化用液体を吐出して形成したドットが他の硬化用液体を吐出して形成したドットと隣接している領域が少なくとも1箇所存在するように配置されることを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<17> 前記硬化用液体を吐出して形成したドットが、積層方向(Z軸方向)に対しても互いに隣接している前記<16>に記載の立体造形物の製造装置である。
<18> 前記硬化用液体が、前記立体造形用材料と反応性を示す前記<16>から<17>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<19> 前記硬化用液体が、エネルギー線照射により硬化する前記<16>から<18>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<20> 前記硬化用液体が少なくとも4種類からなり、それぞれの前記硬化用液体の反応速度が異なるとき、反応速度の遅い前記硬化用液体から先に吐出する前記<16>から<19>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<21> 前記硬化用液体が少なくとも4種類からなり、それぞれの前記硬化用液体の前記立体造形用材料層に対する浸透速度が異なるとき、浸透速度の遅い前記硬化用液体から先に吐出する前記<16>から<19>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<22> 前記硬化用液体が吐出された前記立体造形用材料層が、次の層形成工程まで硬化しない前記<16>から<21>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<23> 前記硬化用液体が、インクジェットヘッドから吐出される前記<16>から<22>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<24> 前記重合性化合物が、ビニル基を有する前記<16>から<23>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<25> 前記重合性化合物が、アクリル/メタクリル化合物、スチレン化合物、イソプレン化合物、ハロゲン化ビニル化合物、ハロゲン化ビニリデン化合物、及び前記化合物の共重合体から選択される少なくとも1種である前記<16>から<24>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<26> 前記硬化用液体が、更に着色剤を含む前記<16>から<25>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<27> 前記立体造形用材料が、有機粒子を含む前記<16>から<26>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<28> 前記重合性化合物が、前記有機粒子に対して相溶性を示す前記<27>に記載の立体造形物の製造装置である。
<29> 前記有機粒子が、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリイソプレン、ポリエチレンオキサイド、ノボラック、ポリパラビニルフェノール、ニトロセルロース、ポリエピクロロヒドリン、メタクリル酸メチルを含む共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、無水シトラコン酸・スチレン共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、フッ化ビニリデン・ハロゲン化エチレン共重合体、及びエピクロロヒドリン・エチレンオキサイド共重合体から選択される少なくとも1種である前記<27>から<28>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<30> 前記立体造形用材料が、更に有機過酸化物を含む前記<27>から<29>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
前記<1>から<15>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法、及び<16>から<30>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
4 硬化用液体

Claims (16)

  1. 立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する層形成工程と、
    前記立体造形用材料層の所定領域に対して、互いに異なる3種類以上の重合性化合物を含む3種類以上の硬化用液体を吐出する吐出工程と、
    を複数回繰り返す立体造形物の製造方法であって、
    前記立体造形用材料層上に前記3種類以上の硬化用液体を吐出して形成したドットが互いに隣接し合っており、かつ一の硬化用液体を吐出して形成したドットが他の硬化用液体を吐出して形成したドットと隣接している領域が少なくとも1箇所存在するように配置されることを特徴とする立体造形物の製造方法。
  2. 前記硬化用液体を吐出して形成したドットが、積層方向(Z軸方向)に対しても互いに隣接している請求項1に記載の立体造形物の製造方法。
  3. 前記硬化用液体が、前記立体造形用材料と反応性を示す請求項1から2のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  4. 前記硬化用液体が、エネルギー線照射により硬化する請求項1から3のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  5. 前記硬化用液体が少なくとも4種類からなり、それぞれの前記硬化用液体の反応速度が異なるとき、反応速度の遅い前記硬化用液体から先に吐出する請求項1から4のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  6. 前記硬化用液体が少なくとも4種類からなり、それぞれの前記硬化用液体の前記立体造形用材料層に対する浸透速度が異なるとき、浸透速度の遅い前記硬化用液体から先に吐出する請求項1から4のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  7. 前記硬化用液体が吐出された前記立体造形用材料層が、次の層形成工程まで硬化しない請求項1から6のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  8. 前記硬化用液体が、インクジェットヘッドから吐出される請求項1から7のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  9. 前記重合性化合物が、ビニル基を有する請求項1から8のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  10. 前記重合性化合物が、アクリル/メタクリル化合物、スチレン化合物、イソプレン化合物、ハロゲン化ビニル化合物、ハロゲン化ビニリデン化合物、及び前記化合物の共重合体から選択される少なくとも1種である請求項1から9のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  11. 前記硬化用液体が、更に着色剤を含む請求項1から10のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  12. 前記立体造形用材料が、有機粒子を含む請求項1から11のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  13. 前記重合性化合物が、前記有機粒子に対して相溶性を示す請求項12に記載の立体造形物の製造方法。
  14. 前記有機粒子が、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリイソプレン、ポリエチレンオキサイド、ノボラック、ポリパラビニルフェノール、ニトロセルロース、ポリエピクロロヒドリン、メタクリル酸メチルを含む共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、無水シトラコン酸・スチレン共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、フッ化ビニリデン・ハロゲン化エチレン共重合体、及びエピクロロヒドリン・エチレンオキサイド共重合体から選択される少なくとも1種である請求項12から13のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  15. 前記立体造形用材料が、更に有機過酸化物を含む請求項12から14のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  16. 立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する層形成手段と、
    前記立体造形用材料層の所定領域に対して、互いに異なる3種類以上の重合性化合物を含む3種類以上の硬化用液体を吐出する吐出手段と、
    を有する立体造形物の製造装置であって、
    前記立体造形用材料層上に前記3種類以上の硬化用液体を吐出して形成したドットが互いに隣接し合っており、かつ一の硬化用液体を吐出して形成したドットが他の硬化用液体を吐出して形成したドットと隣接している領域が少なくとも1箇所存在するように配置されることを特徴とする立体造形物の製造装置。
JP2017216089A 2017-11-09 2017-11-09 立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置 Active JP6954017B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017216089A JP6954017B2 (ja) 2017-11-09 2017-11-09 立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017216089A JP6954017B2 (ja) 2017-11-09 2017-11-09 立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019084778A true JP2019084778A (ja) 2019-06-06
JP6954017B2 JP6954017B2 (ja) 2021-10-27

Family

ID=66763812

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017216089A Active JP6954017B2 (ja) 2017-11-09 2017-11-09 立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6954017B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021002479A1 (ja) * 2019-07-04 2021-01-07 株式会社リコー 立体造形物の製造方法及び製造装置、並びに、立体造形用硬化液、及び立体造形用キット

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005059477A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Shiyoufuu:Kk 立体構造物製作装置
JP2015221515A (ja) * 2014-05-22 2015-12-10 株式会社ミマキエンジニアリング 立体物造形装置および立体物造形方法、並びに立体物
JP2017081153A (ja) * 2015-10-23 2017-05-18 株式会社リコー 立体造形材料セット、立体造形物の製造方法、及び歯科用補綴物の製造方法、立体造形物の製造装置
JP2017094625A (ja) * 2015-11-26 2017-06-01 セイコーエプソン株式会社 立体物造形装置、立体物造形方法、及び、立体物造形装置の制御プログラム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005059477A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Shiyoufuu:Kk 立体構造物製作装置
JP2015221515A (ja) * 2014-05-22 2015-12-10 株式会社ミマキエンジニアリング 立体物造形装置および立体物造形方法、並びに立体物
JP2017081153A (ja) * 2015-10-23 2017-05-18 株式会社リコー 立体造形材料セット、立体造形物の製造方法、及び歯科用補綴物の製造方法、立体造形物の製造装置
JP2017094625A (ja) * 2015-11-26 2017-06-01 セイコーエプソン株式会社 立体物造形装置、立体物造形方法、及び、立体物造形装置の制御プログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021002479A1 (ja) * 2019-07-04 2021-01-07 株式会社リコー 立体造形物の製造方法及び製造装置、並びに、立体造形用硬化液、及び立体造形用キット
JPWO2021002479A1 (ja) * 2019-07-04 2021-01-07

Also Published As

Publication number Publication date
JP6954017B2 (ja) 2021-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10406726B2 (en) Thixotropic, thermosetting resins for use in a material extrusion process in additive manufacturing
EP1512519B1 (en) A method and a system for solid freeform fabrication using non-reactive powder
CN107097416B (zh) 三维造形物的制造方法及其装置以及三维造形物
JP7031110B2 (ja) 立体造形用液体セット
JP6550727B2 (ja) 液状組成物、造形物および造形物の製造方法
TW201527064A (zh) 三維造形物之製造方法及三維造形物
US10391755B2 (en) Solid freeform fabrication material set, method of fabricating solid freeform object, method of fabricating dental prosthesis, and device for fabricating solid freeform object
JP6582485B2 (ja) 組成物、造形物の製造方法および造形物
US20160108259A1 (en) Three-dimensional shaping composition, method for producing three-dimensionally shaped article, and three-dimensionally shaped article
CN113423788A (zh) 使用经加强材料的积层制造
JP6862917B2 (ja) 三次元造形物製造用組成物および三次元造形物の製造方法
JP4432409B2 (ja) 三次元造形物の製造方法
JP2016098313A (ja) セルロース系材料、液状組成物、造形物および造形物の製造方法
JP6954017B2 (ja) 立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置
JP6825282B2 (ja) 立体造形材料セット、立体造形物の製造方法、及び歯科用補綴物の製造方法、立体造形物の製造装置
JP2009275097A (ja) 三次元造形用材料、及び、三次元造形物の製造方法
JP2005254583A (ja) 三次元造形物の製造方法
JP2005254521A (ja) 三次元造形物及び三次元造形物の製造方法
JP2016198929A (ja) 三次元造形物の製造方法および三次元造形物
CN106554467B (zh) 环氧基交联微球及其制备方法和应用
JP2016172418A (ja) 三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP6390236B2 (ja) 三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2005088432A (ja) 三次元造形物の製造方法及びこれに使用する製造装置
JP6488583B2 (ja) 三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP6844664B2 (ja) 三次元造形物の製造方法および三次元造形物製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210913

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6954017

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151