JP2019083155A - 端子付き電線の製造方法及び製造システム - Google Patents

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Shinya Warashina
伸哉 藁科
泰徳 鍋田
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Abstract

【課題】電線の芯線束の太さにかかわらず超音波接合処理によって単線化された芯線束を精度良く成形することが可能な端子付き電線の製造方法を提供すること。【解決手段】この製造方法は、複数の導体芯線12が束ねられた芯線束13を有する電線10に端子20が圧着された端子付き電線1の製造方法であり、芯線束13に対して温度調整処理を施すことによって芯線束が所定の目標温度を有するように予備調温を行う第1工程と、予備調温を経た芯線束に対して超音波接合処理を施すことによって複数の導体芯線12が互いに接合された接合芯線13Aを形成する第2工程と、接合芯線13Aに端子20を圧着する第3工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の導体芯線が束ねられた芯線束を有する電線に端子が圧着された端子付き電線の製造方法、及び、そのような端子付き電線を製造する製造システム、に関する。
従来から、電線の許容電流を高めつつ曲げ強度を向上させる等の観点から、複数の導体芯線が束ねられた芯線束(例えば、撚り線)を有する電線が提案されている。このような芯線束(撚り線)に端子を圧着させた場合、芯線束の外周部に位置する導体芯線は端子に直接接触して電気的に接続されるものの、芯線束の中央部に位置する導体芯線は外周部に位置する導体を介して端子に電気的に接続されることになる。そのため、芯線束と端子との間の全体的な導電性を向上させるためには、導体芯線と端子との間の導電性(外周部の導電性)に加え、導体芯線同士の間の導電性(中央部の導電性)を向上させることが望ましい。
一方、近年、銅に比べて軽量かつ低コストであること等を理由に、アルミニウム及びアルミニウム合金等が導体芯線の材料として用いられる場合がある。ところが、この場合、導体芯線の表面に自然形成される酸化皮膜(酸化アルミニウム)の絶縁性が高いため、上述した導電性(外周部の導電性・中央部の導電性)を向上させるための様々な工夫が求められる。
例えば、従来の端子付き電線の製造方法の一つ(以下「従来製法」という。)では、アルミニウム製の導体芯線からなる芯線束(撚り線)に対して超音波接合処理を施すことにより、導体芯線の表面の酸化皮膜を破壊しつつ導体芯線同士を互いに接合させ、芯線束を一体化(単線化)するようになっている。これにより、芯線束の外周部に位置する導体芯線も中央部に位置する導体芯線も、実質的に端子に直接接触することになる。その結果、このような単線化がなされない場合に比べ、中央部の導電性が向上する分、芯線束と端子との間の全体的な導電性が向上し得ることになる(例えば、特許文献1〜3を参照。)。
特開2016−115525号公報 特開2011−082127号公報 特開2009−231079号公報
発明者が行った実験等によれば、実際に従来製法によって芯線束を一体化(単線化)させる際、芯線束の太さが大きくなるにつれて(いわゆる太物電線において)、超音波接合処理を施した後の単線化された芯線束の寸法精度が低下する傾向があることが明らかになった。換言すると、芯線束が太いほど単線化された芯線束の形状のバラツキが大きくなることが明らかになった。なお、このバラツキは、単線化を施す処理を行う地域および季節等に起因する温度環境、単線化の前の芯線束(導体芯線)の撚り及び巻きの度合いの個体差、並びに、芯線束が太いほどスプリングバック(超音波接合処理の際の押圧力に対する反発力)が大きくなること等に起因する、と考えられる。
電線と端子の接続信頼性を向上する等の観点から、単線化後の芯線束の形状のバラツキは、出来る限り小さいことが望ましい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電線の芯線束の太さにかかわらず超音波接合処理によって芯線束を精度良く単線化することが可能な端子付き電線の製造方法、及び、製造システムを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る「端子付き電線の製造方法」は、下記(1)〜(3)を特徴としている。
(1)
複数の導体芯線が束ねられた芯線束を有する電線に端子が圧着された端子付き電線の製造方法であって、
前記芯線束に対して温度調整処理を施すことによって前記芯線束が所定の目標温度を有するように予備調温を行う第1工程と、
前記予備調温を経た前記芯線束に対して超音波接合処理を施すことによって前記複数の導体芯線が互いに接合された接合芯線を形成する第2工程と、
前記接合芯線に前記端子を圧着する第3工程と、を含む、
端子付き電線の製造方法であること。
(2)
上記(1)に記載の製造方法において、
前記温度調整処理が、
前記目標温度に対応した調温器を有する庫内に前記芯線束を保持する第1処理、及び、前記超音波接合処理を施すための圧子の温度を前記目標温度に対応させて調整すると共に前記圧子を前記芯線束に当接させる第2処理、の少なくとも一方によって行われる、
端子付き電線の製造方法であること。
(3)
上記(1)又は上記(2)に記載の製造方法において、
前記複数の導体芯線が、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている、
端子付き電線の製造方法であること。
上記(1)の構成の端子付き電線の製造方法によれば、電線の芯線束に対して超音波接合処理を施す前に、芯線束に対して予備調温が施される。発明者が行った実験等によれば、この予備調温によって芯線束の温度を超音波接合処理に適した温度(所定の目標温度)に調整すれば、予備調温を施さない場合に比べ、最終的な(超音波接合処理によって単線化された後の)芯線束の形状のバラツキを低減できることが明らかになった。換言すると、予備調温を適切に行うことにより、芯線束を精度良く単線化できることが明らかになった。
これは、超音波接合処理を行う環境(例えば、季節の違いによる気温の違い、地域の違いによる気温の違い等)によって芯線束の温度が異なっても、温度調整処理によって芯線束の温度が所定の目標温度を有するように予備調温されれば、超音波接合処理の際に芯線束に外部から与えられるエネルギのうちの実際に接合に供されるエネルギのバラツキ(例えば、芯線束の温度が目標温度よりも低い場合に芯線束の昇温に消費されるエネルギに起因するバラツキ)が小さくなることによる、と考えられる。
したがって、本構成の製造方法は、電線の芯線束の太さにかかわらず超音波接合処理によって芯線束を精度良く単線化することが可能である。
なお、上述した予備調温は、芯線束の温度が目標温度になるように加熱すること若しくは冷却すること、又は、加熱も冷却も不要な場合は意図的に何れも行わないこと、を含む。また、上述した目標温度は、導体芯線の太さ及び材質、芯線束に含まれる導体芯線の本数、及び、接合芯線に求められる寸法精度、及び、導体芯線の耐熱温度などに基づいて定められればよい。また、冷却による予備調温を行う場合、芯線束に結露が生じないように除湿することが好ましい。
上記(2)の構成の端子付き電線の製造方法によれば、芯線束の予備調温の手法として、調温器(例えば、ヒータ及びクーラ等)を有する庫内に芯線束を保持する手法(第1処理)、及び、超音波接合処理を施すための圧子(例えば、超音波振動するホーン)の温度を調整すると共にその圧子を芯線束に当接させる手法(第2処理)の少なくとも一方が採用される。これら手法により、例えば、工場設備に過度な設計変更を要することなく、芯線束の予備調温を行うことができる。
上記(3)の構成の端子付き電線の製造方法によれば、一般に用いられる銅製の導体芯線(銅線)に比べて表面に形成される酸化皮膜の絶縁性が大きいアルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体芯線(アルミニウム線)を用いるにあたり、上述した高精度の単線化による効果(電線と端子の接続信頼性の向上)を得られることになる。
前述した目的を達成するために、本発明に係る「端子付き電線の製造システム」は、下記(4)を特徴としている。
(4)
複数の導体芯線が束ねられた芯線束を有する電線に端子が圧着された端子付き電線の製造システムであって、
前記芯線束に対して温度調整処理を施すことによって前記芯線束が所定の目標温度を有するように予備調温を行う予備調温部と、
前記予備調温の後の前記芯線束に対して超音波接合処理を施すことによって前記複数の導体芯線が互いに接合された接合芯線を形成する超音波接合部と、
前記接合芯線に前記端子を圧着する端子圧着部と、を備えた、
端子付き電線の製造システムであること。
上記(4)の構成の端子付き電線の製造システムによれば、電線の芯線束に対して超音波接合処理を施す前に、芯線束に対して予備調温が施される。発明者が行った実験等によれば、この予備調温によって芯線束の温度を超音波接合処理に適した温度(所定の目標温度)に調整すれば、予備調温を施さない場合に比べ、最終的な(超音波接合処理によって単線化された後の)芯線束の形状のバラツキを低減できることが明らかになった。換言すると、予備調温を適切に行うことにより、芯線束を精度良く単線化できることが明らかになった。
したがって、本構成の製造システムは、電線の芯線束の太さにかかわらず超音波接合処理によって芯線束を精度良く単線化することが可能である。
本発明によれば、電線の芯線束の太さにかかわらず超音波接合処理によって芯線束を精度良く単線化することが可能な端子付き電線の製造方法、及び、製造システム、を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る端子付き電線の製造方法における端子圧着工程の前工程(予備調温、及び、超音波接合)の概略を説明する図であって、図1(a)〜図1(c)の各々は、電線の端部における斜視図である。 図2は、本発明の実施形態に係る端子付き電線の製造方法における端子圧着工程の概略を説明する図であって、図2(a)及び図2(b)の各々は、電線の端部における斜視図である。 図3は、電線の芯線束の形状の推移を説明する図であって、図3(a)は超音波接合が施された芯線束(接合芯線)の正面図、図3(b)は接合芯線の形状を説明する図である。 図4は、芯線束を超音波接合する超音波接合装置の概略図である。 図5は、電線に端子を圧着する端子圧着装置及び電線等の斜視図である。 図6は、予備調温の有無が単線化後の芯線束の幅のバラツキに及ぼす影響を示すグラフである。 図7は、本発明の他の実施形態に係る端子付き電線の製造方法における、芯線束を超音波接合する超音波接合装置の概略図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る端子付き電線の製造方法及び製造システムについて説明する。
<概要>
まず、概要について述べる。電線10への端子20の圧着に際し、導電性の向上等の観点から超音波接合装置30による超音波接合処理が行われ、端子圧着装置(アンビル40及びクリンパ50)による端子20の圧着処理が行われる。但し、本発明の実施形態では、超音波接合処理の前に、予備調温装置60により、電線10の芯線束13に対する予備調温が行われる。以下、これら装置の構成および作動等について、詳細に説明する。
まず、図1(a)に示すように、本実施形態に係る端子付き電線の製造方法においては、電線10の絶縁被覆11を皮剥きして複数の導体芯線12からなる芯線束13を露出させる。次いで、図1(b)に示すように、芯線束13に対して温度調整処理(詳細は後述される。)を施す。次いで、図1(c)に示すように、予備調温後の芯線束13に対して超音波接合処理(詳細は後述される。)を施し、隣接する導体芯線12が互いに接合した接合芯線13Aを形成する。
なお、図1(a)に示すように、電線10は、複数の導体芯線12が束ねられた断面円形状の芯線束13の外周を絶縁被覆11によって覆うように構成されている。本例では、導体芯線12は、アルミニウム又はアルミニウム合金製の非メッキ素線である。換言すると、電線10は、いわゆるアルミニウム電線またはアルミニウム合金電線である。
その後、図2(a)に示すように、接合芯線13Aを端子20の所定箇所に配置した後、図2(b)に示すように、端子20を接合芯線13A(及びその周辺の絶縁被覆11)に圧着する。以上の一連の工程を経て、端子付き電線1が製造される。
<詳細>
次いで、上記の各工程について、より詳細に述べる。
図1(b)に示すように、超音波接合処理の前に行われる温度調整処理に関し、予備調温装置60は、電線10の芯線束13を内部に収容して保持できるように構成されたカバー61と、カバー61の庫内の温度を調整可能な調温器62と、を有している。
カバー61は、芯線束13が保持される庫内からの熱の出入りを抑制する機能を有している。但し、カバー61は、庫内と外部とを完全に隔離する必要はなく、上述した熱の出入りを抑制できる範囲内で、芯線束13を収容する作業を容易にするための開口部などを有していてもよい。また、カバー61の庫内には、芯線束13を所定位置に保持するためのホルダ等(図示省略)が設けられていてもよい。
調温器62は、カバー61の庫内を温めるためのヒータ機能、及び、庫内を冷却するためのクーラ機能の一方または双方を有している。ヒータ機能を実現する装置として、例えば、電熱線、赤外線ランプ、ハロゲンランプ、及び、ファンヒータ等が挙げられる。また、クーラ機能を実現する装置として、例えば、ヒートポンプ式の冷却器(いわゆるエアコン等)、及び、ペルチェ素子などが挙げられる。予備調温装置60に設けられる調温器62は、例えば、本実施形態に係る製造システムが運用される地域および季節などの周辺環境を考慮し、ヒータ機能およびクーラ機能の何れか又は双方を有するように構成されればよい。
調温器62は、カバー61の庫内に保持された芯線束13の温度が所定の目標温度になるように、カバー61の庫内の温度を調整するようになっている。なお、芯線束13の目標温度は、導体芯線12の太さ及び材質、芯線束13に含まれる導体芯線12の本数、及び、接合芯線13Aに求められる寸法精度、及び、導体芯線12の耐熱温度などに基づいて定められればよい。また、クーラ機能を用いた冷却による予備調温を行う場合、芯線束13に結露が生じないように、カバー61の庫内を除湿することが好ましい。
次いで、図1(c)及び図3に示すように、温度調整処理の後に行われる超音波接合処理に関し、予備調温後の芯線束13を超音波接合した接合芯線13Aは、その軸線に直交する断面において矩形状の(幅X及び高さYを有する長方形状の)形状を有している。接合芯線13Aでは、芯線束13を構成する複数本の導体芯線12が超音波振動によって互いに接合されている。
図4を参照しながら、このような超音波接合処理を行う超音波接合装置30について説明する。図4に示すように、超音波接合装置30は、ホーン31と、固定されたサイドプレート32と、可動するスライドコア33と、アンビル34と、を備えている。ホーン31は、超音波発振器により、図中の紙面前後方向に超音波振動するようになっている。ホーン31の上面(芯線束13に接触する面)には、振動方向に直交する方向に延びる複数の凸条からなるローレット(図示省略)が形成されており、ホーン31の上面と芯線束13との間の滑りを抑制するようになっている。超音波接合装置30では、ホーン31、サイドプレート32、スライドコア33及びアンビル34によって画成される断面視矩形状の空間が接合処理室Vとされており、この接合処理室V内に配置した予備調温後の芯線束13の導体芯線12同士を超音波接合するようになっている。
サイドプレート32は、ホーン31の側部に配置されている。スライドコア33は、ホーン31の上面におけるサイドプレート32と対向する位置に配置されており、サイドプレート32に対して近接または離間する方向へ移動可能とされている。図4では、スライドコア33は、図中の矢印Aに示す向きに移動し、この向きに芯線束13を押圧している。
アンビル34は、ホーン31及びサイドプレート32の上方に配置されており、昇降することにより、ホーン31に対して近接または離間する方向へ移動可能とされている。図4では、アンビル34は、図中の矢印Bに示す向きに移動し、この向きに芯線束13を押圧している。
超音波接合装置30は、スライドコア33及びアンビル34を上述したように移動させることにより、接合処理室Vの幅および高さ(ひいては、芯線束13が接合された接合芯線13Aの幅Xおよび高さY)を調整することが可能となっている。このように接合処理室Vの幅および高さを調整することにより、所望の目標形状を有する接合芯線13Aを形成できるようになっている。
次いで、再び図2(a)を参照すると、端超音波接合処理の後に行われる接合芯線13Aと端子20との圧着処理に関し、端子20は、電気接続部21と、圧着接続部22とを有している。端子20は、例えば、銅または銅合金などの導電性金属材料からなる金属板をプレス加工することによって形成されている。
電気接続部21は、平板状の接続板部23を有しており、この接続板部23には、接続孔23aが形成されている。接続板部23は、例えば、接続孔23aに締結ボルトを挿通させて接続機器の端子台などに締結することにより、端子台に電気的に接続される。
圧着接続部22は、電気接続部21側から順に、導体圧着部24と、外被圧着部25と、を有している。導体圧着部24は、基底部26と、基底部26の両側部に形成された一対の導体圧着片27(圧着片)とを有している。基底部26には、接合芯線13Aが載置される。導体圧着片27は、接合芯線13Aを挟むように基底部26から延設されている。図2(b)に示すように、導体圧着部24は、一対の導体圧着片27を内側へ向けて湾曲させる(加締める)ことにより、電線10の接合芯線13Aに圧着される。これにより、端子20が電線10の芯線束13と導通接続されることになる。
外被圧着部25は、基底部28と、基底部28の両側部に形成された一対の外被圧着片29とを有している。外被圧着部25の基底部28は、導体圧着部24の基底部26から延在されている。基底部28には、電線10の絶縁被覆11が載置される。外被圧着片29は、基底部28から電線10の絶縁被覆11部分を挟むように延設されている。図2(b)に示すように、外被圧着部25は、一対の外被圧着片29を内側へ向けて湾曲させる(加締める)ことにより、電線10の絶縁被覆11の部分に圧着され且つ固定されることになる。
なお、上述した接合芯線13Aと端子20との圧着処理は、図5に示すような、一般的な端子圧着装置(アンビル40,クリンパ50)を用いて行われ得る。図5に示すように、アンビル40は、端子20及び接合芯線13Aの下方に配置され、クリンパ50は、端子20及び接合芯線13Aの上方に配置されている。クリンパ50は、アンビル40に対して相対的に上下方向へ移動可能となっている。
アンビル40は、その頂部に、下方へ向けて窪むように湾曲した支持面41を有している。端子20の圧着の際、この支持面41は、端子20の基底部26を支持することになる。具体的には、端子20の基底部26の外面が支持面41に当接することになる。クリンパ50は、幅方向の中央部に、アンビル40側へ突出する山形部51を有するアーチ溝52を備えている。アーチ溝52は、山形部51の両側に形成された二つの円弧面から構成されている。そして、クリンパ50を下降させてアンビル40に近接させると、端子20の導体圧着片27がアーチ溝52によって互いに近接する方向へ押圧されて内側に湾曲する(巻き込む)ように変形し、接合芯線13Aへの圧着がなされることになる。なお、上記同様、外被圧着片29に対するクリンパ(図示省略)を下降させることにより、外被圧着片29が絶縁被覆11に圧着されることになる。
<評価>
発明者は、上述した予備調温の効果を検討するための試験を行った。
具体的には、予備調温を行わないサンプル(常温。約20℃)と、予備調温を行ったサンプル(40℃及び70℃)と、を準備した。これらサンプルには、芯線束の径が10.30mm(50sq)である電線が用いられている。各サンプルに対し、超音波接合装置30のホーン31の振幅が90%、加圧が1.75バール、エネルギが2900Wsの条件下にて超音波接合処理が施された。
その結果を図6に示す。図6では、横軸に予備調温時の芯線束13の目標温度、縦軸に超音波接合処理後の接合芯線13Aの高さYが示されている。図6に示すように、予備調温を行っていないサンプル(図6のA群)に比べ、予備調温を行ったサンプル(図6のB群およびC群)の超音波接合処理後の高さYは、バラツキが小さいことが確認された(バラツキの大きさ:a>b>c)。更に、予備調温を行う際の目標温度が高いほど、バラツキが小さくなり、且つ、超音波接合処理後の高さYも小さくなることが確認された。なお、図6には示されていないが、予備調温を行う際の目標温度が高いほど、超音波接合に要する時間が短くなることも確認された。
これは、芯線束13の温度があらかじめ調温(本例では、昇温)されることにより、超音波接合処理の際に芯線束13にホーン31から与えられるエネルギのうちの実際に接合に供されるエネルギが大きくなること(換言すると、芯線束13の昇温に消費されるエネルギが小さくなること)による、と考えられる。
よって、超音波接合処理を行う環境(例えば、季節の違いによる気温の違い、地域の違いによる気温の違い等)によって芯線束13の温度が異なっても、温度調整処理によって芯線束13の温度が超音波接合処理に適した目標温度を有するように予備調温されれば、超音波接合処理によって芯線束13を精度良く単線化することが可能であることが明らかになった。
なお、発明者が他の条件(芯線束13の径、超音波接合装置30の作動強度、予備調温の度合いが異なる条件)にて行った試験においても、本試験と実質的に同様の傾向が確認されている。
<作用・効果>
以上、本発明の実施形態に係る端子付き電線1の製造方法及び製造システムによれば、電線10の芯線束13に対して超音波接合処理を施す前に、芯線束13に対して予備調温が施される。この予備調温によって芯線束13の温度を超音波接合処理に適した温度に調整すれば、予備調温を施さない場合に比べ、最終的な(超音波接合処理によって単線化された後の)接合芯線13Aの形状のバラツキを低減できることが明らかになった。換言すると、予備調温を適切に行うことにより、芯線束を精度良く単線化できることが明らかになった。
したがって、本発明の実施形態に係る端子付き電線1の製造方法及び製造システムは、電線10の芯線束13の太さにかかわらず超音波接合処理によって単線化された芯線束13(即ち、接合芯線13A)を精度良く成形することが可能である。
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、予備調温装置60として、カバー61及び調温器62を備えた装置が用いられている。しかし、このような予備調温装置60に代えて、超音波接合装置30を構成する部材の一部(例えば、ホーン31)の温度を調整可能であるように超音波接合装置30を構成し、超音波接合装置30(の一部)が予備調温装置60を兼ねるように構成されてもよい。
例えば、図7に示すように、超音波接合装置30のホーン31を温めるためのヒータ機能、及び、ホーン31を冷却するためのクーラ機能の一方または双方を有する調温器63を、超音波接合装置30に追加することにより、上述した構成を実現できる。そして、超音波接合処理を開始する前に、加熱または冷却されたホーン31を芯線束13に当接させることにより、芯線束13の予備調温を行うことができる。これにより、カバー61及び調温器62を備えた予備調温装置60と同様の効果を得ることができる。
更に、上記実施形態では、電線10として、アルミニウム電線またはアルミニウム合金電線が使用されている。しかし、これに代えて、導体芯線12が銅または銅合金からなる電線(銅線)が用いられても良い。更に、端子20として、銅または銅合金から形成された端子に代えて、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成された端子が用いられても良い。
更に、上記実施形態では、端子20の電気接続部21は、平板状の接続板部23を有する。しかし、電気接続部21は、接続板部23に相当する部分が他の形状を有するように構成されてもよい。例えば、電気接続部21は、オス端子としてタブ状の形状の部分を有するように構成されてもよく、メス端子として箱状の形状の部分を有するように構成されてもよい。
ここで、上述した本発明に係る端子付き電線の製造方法及び製造システムの実施形態の特徴をそれぞれ以下(1)〜(4)に簡潔に纏めて列記する。
(1)
複数の導体芯線(12)が束ねられた芯線束(13)を有する電線(10)に端子(20)が圧着された端子付き電線(1)の製造方法であって、
前記芯線束(13)に対して温度調整処理を施すことによって前記芯線束が所定の目標温度を有するように予備調温を行う第1工程と、
前記予備調温を経た前記芯線束に対して超音波接合処理を施すことによって前記複数の導体芯線(12)が互いに接合された接合芯線(13A)を形成する第2工程と、
前記接合芯線(13A)に前記端子(20)を圧着する第3工程と、を含む、
端子付き電線の製造方法。
(2)
上記(1)に記載の製造方法において、
前記温度調整処理が、
前記目標温度に対応した調温器(62)を有する庫内に前記芯線束(13)を保持する第1処理、及び、前記超音波接合処理を施すための圧子(31)の温度を前記目標温度に対応させて調整すると共に前記圧子を前記芯線束(13)に当接させる第2処理、の少なくとも一方によって行われる、
端子付き電線の製造方法。
(3)
上記(1)又は上記(2)に記載の製造方法において、
前記複数の導体芯線(12)が、
アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている、
端子付き電線の製造方法。
(4)
複数の導体芯線(12)が束ねられた芯線束(13)を有する電線(10)に端子(20)が圧着された端子付き電線(1)の製造システムであって、
前記芯線束(13)に対して温度調整処理を施すことによって前記芯線束(13)が所定の目標温度を有するように予備調温を行う予備調温部(60)と、
前記予備調温の後の前記芯線束に対して超音波接合処理を施すことによって前記複数の導体芯線(12)が互いに接合された接合芯線(13A)を形成する超音波接合部(30)と、
前記接合芯線(13A)に前記端子(20)を圧着する端子圧着部(40,50)と、を備えた、
端子付き電線の製造システム。
1 端子付き電線
10 電線
11 絶縁被覆(絶縁層)
12 導体芯線
13 芯線束
13A 接合芯線
20 端子
30 超音波接合装置(超音波接合部)
40 アンビル(端子圧着部)
50 クリンパ(端子圧着部)
60 予備調温装置(予備調温部)
61 カバー
62 調温器

Claims (4)

  1. 複数の導体芯線が束ねられた芯線束を有する電線に端子が圧着された端子付き電線の製造方法であって、
    前記芯線束に対して温度調整処理を施すことによって前記芯線束が所定の目標温度を有するように予備調温を行う第1工程と、
    前記予備調温を経た前記芯線束に対して超音波接合処理を施すことによって前記複数の導体芯線が互いに接合された接合芯線を形成する第2工程と、
    前記接合芯線に前記端子を圧着する第3工程と、を含む、
    端子付き電線の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法において、
    前記温度調整処理が、
    前記目標温度に対応した調温器を有する庫内に前記芯線束を保持する第1処理、及び、前記超音波接合処理を施すための圧子の温度を前記目標温度に対応させて調整すると共に前記圧子を前記芯線束に当接させる第2処理、の少なくとも一方によって行われる、
    端子付き電線の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の製造方法において、
    前記複数の導体芯線が、
    アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている、
    端子付き電線の製造方法。
  4. 複数の導体芯線が束ねられた芯線束を有する電線に端子が圧着された端子付き電線の製造システムであって、
    前記芯線束に対して温度調整処理を施すことによって前記芯線束が所定の目標温度を有するように予備調温を行う予備調温部と、
    前記予備調温の後の前記芯線束に対して超音波接合処理を施すことによって前記複数の導体芯線が互いに接合された接合芯線を形成する超音波接合部と、
    前記接合芯線に前記端子を圧着する端子圧着部と、を備えた、
    端子付き電線の製造システム。
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