以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。
図1は、実施形態の浴室ユニット10を示す斜視図である。浴室ユニット10は、浴槽12と、浴槽12に隣り合う位置に設けられる洗い場床14と、浴室空間を内部に画定する複数の浴室壁部16とを備える。浴室ユニット10は、この他にも、浴室空間に配置される水栓装置18、吐水装置20、一次側ホース22、二次側ホース24及び機能ユニット26を備える。
図2は、浴室ユニット10に用いられる水路を示す構成図である。浴室ユニット10は、水栓装置18から吐水装置20に至る給水路28を有する。給水路28の途中には機能ユニット26のカートリッジ62(後述する)が設けられる。給水路28は、機能ユニット26に設けられる一次側通水路30、二次側通水路32、バイパス通水路34を有する。一次側通水路30は、カートリッジ62より上流側に設けられ、一次側ホース22から原水が供給される。二次側通水路32は、カートリッジ62より下流側に設けられ、二次側ホース24に原水や改質水を供給する。バイパス通水路34は、カートリッジ62の改質部70(後述する)を迂回している。本実施形態のバイパス通水路34は、一次側通水路30の途中位置で分岐したうえで二次側通水路32の途中位置で合流する。
図3は、機能ユニット26を周辺構造とともに示す正面図である。水栓装置18は、入浴者による流量操作部18aに対する操作を通じて、給水路28に供給される水の流量を調整可能である。本実施形態の水栓装置18は、入浴者による温度操作部18bに対する操作を通じて、給水路28に供給される水の温度も調整可能である。
吐水装置20は、給水路28から供給される水を吐き出すためのものである。本実施形態の吐水装置20は、浴室壁部16に対して可動であるシャワーヘッドであるが、カラン等でもよい。本実施形態の吐水装置20は、後述する機能部品36に支持されるシャワーフック40に着け外し可能に設けられる。
一次側ホース22や二次側ホース24は可撓性がある。一次側ホース22は水栓装置18と機能ユニット26を接続し、二次側ホース24は機能ユニット26と吐水装置20を接続する。
機能ユニット26は、主に、浴室用機能部品36と、改質ユニット38を備える。機能部品36は、浴室に関連する機能を発揮するためのものである。この「機能」とは、本実施形態では浴室用物品40や入浴者の荷重を受けることである。本実施形態での浴室用物品40とはシャワーフックである(図1も参照)。本実施形態の機能部品36は、シャワーフックや入浴者の荷重を受けるとともにシャワーフックをスライド可能に支持するスライドバーである。機能部品36は、水栓装置18から分離しており、水栓装置18との間で一次側ホース22や浴室壁部16を介してのみ繋がっている。
図4は、機能ユニット26の一部を示す側面図である。本実施形態の機能部品36は、前述の荷重を受ける機能を発揮するための長尺部42と、浴室壁部16に長尺部42を支持させる支持部44、46とを有する。本実施形態の長尺部42は鉛直方向に沿って延びるように設けられる。支持部44、46は、浴室壁部16から突き出るように設けられ、その浴室壁部16にビス等の固定具を用いて固定される。機能部品36は、浴室壁部16に直接に固定されることになる。本実施形態の支持部44、46には、長尺部42に繋がる上側支持部44(第1支持部)と、上側支持部44とは長尺部42の長手方向の異なる箇所で長尺部42に繋がる下側支持部46(第2支持部)とが含まれる。
本実施形態の機能部品36は、長尺部42の少なくとも一部を構成するバー部材48と、上側支持部44を構成する上側ブラケット50と、下側支持部46を構成する下側ブラケット52とを有する。各ブラケット50、52やバー部材48は互いに別体である。
バー部材48は、浴室用物品40又は入浴者の荷重を受けるための受け部材となる。この荷重は、浴室用物品40や入浴者から直接に受け部材に付与される。バー部材48は直線状に延びる例を示すが、その一部が曲線状に延びていてもよい。バー部材48は長手方向に沿って中空部が設けられる中空構造である例を示すが、中実構造でもよい。
上側ブラケット50や下側ブラケット52は、浴室壁部16に受け部材を支持させるための支持部材となり、浴室壁部16に直接に固定される。本実施形態の受け部材は支持部材を介して浴室壁部16に固定されることになる。
バー部材48は、少なくとも中間部が浴室壁部16から隙間を空けて配置される。バー部材48は、複数の長手方向で異なる箇所が浴室壁部16に直接又は支持部材を介して支持される。本実施形態のバー部材48は、その長手方向の両端部が支持部材を介して浴室壁部16に支持される。
図5は、機能ユニット26の一部を模式的に示す側面断面図である。下側ブラケット52には、前述の一次側通水路30、二次側通水路32、バイパス通水路34が形成される。下側ブラケット52は、これら通水路30、32、34が形成される水路形成部材54となる。
図6は、機能ユニット26の一部の斜視図である。水路形成部材54は、一次側ホース22が接続される第1ホース接続部54aと、二次側ホース24が接続される第2ホース接続部54bとを有する。本実施形態の第1ホース接続部54aは機能部品36の下側支持部46の下面部に設けられ、第2ホース接続部54bは下側支持部46の側面部に設けられる。
図2、図5に示すように、機能部品36は、水路形成部材54に組み込まれる水路切替機構56を有する。水路切替機構56は、水栓装置18から一次側通水路30に送られる原水の通水先を、改質水供給経路と原水供給経路の何れかに切り替えるためのものである。本実施形態の改質水供給経路は矢印Laを辿る経路であり、一次側通水路30、カートリッジ62の改質部70、二次側通水路32を経由する。改質水供給経路は、カートリッジ62の改質部70により生成された改質水を吐水装置20に供給可能である。本実施形態の原水供給経路は矢印Lbを辿る経路であり、一次側通水路30、バイパス通水路34、二次側通水路32を経由する。原水供給経路は、水栓装置18から送られる原水を吐水装置20に供給可能である。
水路切替機構56は、切替弁58と、切替弁58を用いて原水の通水先を切り替えるために操作される操作部材60とを有する。切替弁58は三方弁等であり、操作部材60はプッシュスイッチ、回転ハンドル等である。
改質ユニット38は、機能部品36と一体化されており、カートリッジ62と、ケーシング64とを有する。本実施形態の改質ユニット38は、機能部品36から突出するようにケーシング64が設けられる点に一つの特徴がある。以下、ケーシング64の突出方向をPaという。
カートリッジ62は、受け部材48の外部に配置される。本実施形態のカートリッジ62は、水路形成部材54の外部にも配置されている。
カートリッジ62は、給水路28を流れる原水を改質可能であり、その原水を改質することで改質水を生成する。本明細書での「改質」とは、物理変化や化学変化を経て、特定の成分を原水から除去又は原水に付与することで、原水の組成や性質を変化させることをいう。物理変化を経る場合とは、たとえば、吸着による特定成分の除去、溶解による特定成分の付与である。化学変化を経る場合とは、たとえば、化学反応や電気分解による特定成分の除去や付与である。本実施形態のカートリッジ62は、残留塩素の除去により原水を浄化可能であり、その原水を浄化することで改質水として浄水を生成する。
図2、図5に示すように、本実施形態のカートリッジ62は、ケーシング64の突出方向Paに延びる長尺状をなす。カートリッジ62は、一次側内部水路66と、二次側内部水路68と、改質部70と、ハウジング72と、を有する。
一次側内部水路66は、給水路28のカートリッジ62より上流側の上流側水路から送られる水を受けるためのものである。ここでの上流側水路とは、本実施形態では機能部品36の一次側通水路30である。二次側内部水路68は、給水路28のカートリッジ62より下流側の下流側水路に水を送るためのものである。ここでの下流側水路とは、本実施形態では機能部品36の二次側通水路32である。ハウジング72は、一次側内部水路66、二次側内部水路68が内部に設けられ、改質部70を内部に収容する。
改質部70は、一次側内部水路66に送られた原水を二次側内部水路68に通すことができる。本実施形態の改質部70は、一次側内部水路66と二次側内部水路68を隔てており、透水性及び定形性を持つ素材を用いて構成される。改質部70は、一次側内部水路66から二次側内部水路68に原水を通すことで原水を改質可能である。本実施形態の改質部70は、原水を浄化可能な素材を用いて構成される。この素材は、たとえば、活性炭、中空糸膜、亜硫酸カルシウム、アスコルビン酸等である。
本実施形態の改質部70は筒状をなしており、その内側に一次側内部水路66が形成される。本実施形態のハウジング72も筒状をなしており、ハウジング72と改質部70の間に二次側内部水路68が形成される。本実施形態の改質部70の基端部には筒状の継手部材74が設けられ、その継手部材74の内側にも一次側内部水路66が形成される。
ケーシング64は、カートリッジ62を収容する収容空間76を有し、カートリッジ62を保護する。ケーシング64は、ケーシング64の外部の浴室空間に露出する改質ユニット38の最外表面を形成する。本実施形態のケーシング64は、ケーシング64の突出方向Paに延びる筒状であって、先端部が底部になるとともに基端部に開口部64aが設けられる有底筒状をなす。本実施形態のケーシング64の開口部64aは上向きに開いている。カートリッジ62は、ケーシング64の収容空間76に嵌め込まれている。
ケーシング64は、浴室壁部16に直接に固定されておらず、浴室壁部16から隙間78を空けて設けられる。この隙間78は、作業者の手を配置可能な寸法に設定され、たとえば、3cm以上の大きさに設定される。
図7は、改質ユニット38の一部の拡大図である。図8は、機能部品36から改質ユニット38を取り外した状態を示す図である。ケーシング64は、機能部品36の被接続部36aに着脱可能に接続される接続部64bを有する。機能部品36の被接続部36aは、水路形成部材54の一部からケーシング64の突出方向Paと同じ方向に突出する接続用突出部36bに設けられる。この接続用突出部36bは、機能部品36の長尺部42の下端部から突出しているとも捉えられる。ケーシング64の接続部64bは、ケーシング64の先端部とは突出方向Paの反対側の基端部に設けられる。これは、ケーシング64は、その基端部以外の箇所で機能部品36に接続されていないことを意味する。ケーシング64は、その先端部を含む箇所で機能部品36に接続されていないとも捉えられる。
カートリッジ62は、機能部品36の被取付部36c、36dに着脱可能に取り付けられる取付部62a、62bを有する。機能部品36の被取付部36c、36dは、水路形成部材54の接続用突出部36bに設けられる。カートリッジ62の取付部62a、62bは、カートリッジ62の基端部に設けられる。
本実施形態の取付部62a、62bには、一次側内部水路66を形成する第1内部水路形成部材に設けられる第1取付部62aと、二次側内部水路68を形成する第2内部水路形成部材に設けられる第2取付部62bとが含まれる。本実施形態での第1内部水路形成部材とは継手部材74であり、第2内部水路形成部材とはハウジング72である。
本実施形態の被取付部36c、36dには、第1取付部62aが取り付けられる第1被取付部36cと、第2取付部62bが取り付けられる第2被取付部36dとが含まれる。第1被取付部36cは、機能部品36の接続用突出部36bに形成される先端面から窪む凹部の内周部に設けられる。第2被取付部36dは、その接続用突出部36bの外周部であって、被接続部36aより先端側で被接続部36aより縮径した箇所に設けられる。
以上の機能ユニット26の効果を説明する。ケーシング64は、機能部品36に着脱可能に接続される。よって、カートリッジ62の交換にあたり、ケーシング64も交換できるようになる。このため、たとえば、新規のケーシング64の寸法の大型化により、新規のカートリッジ62の寸法も容易に大型化できる。この他にも、既存のケーシング64にない機能を新規のケーシング64に組み込める。この機能とは、たとえば、カートリッジ62の寿命を表示する機能である。このように、本実施形態の機能ユニット26によれば、カートリッジ62の交換に伴う対応の自由度を高められる。
また、ケーシング64は浴室壁部16に直接に固定されていないため、機能部品36からケーシング64を容易に離脱させることができる。よって、カートリッジ62の交換作業で良好な作業性を得られる。
また、機能部品36は浴室壁部16に固定され、その機能部品36に改質ユニット38が一体化される。よって、浴槽12や洗い場床14から浮いた位置に機能ユニット26全体が配置され、浴槽12や洗い場床14を利用するうえで機能ユニット26が邪魔になり難くなる。
図9は、機能部品36に改質ユニット38を装着する前の状態を示す断面図である。本実施形態によれば、機能部品36から改質ユニット38のケーシング64やカートリッジ62を取り外した状態で、改質ユニット38を取り扱えるようになる。よって、ケーシング64に収容した状態でカートリッジ62を運搬することで、その運搬時にもカートリッジ62をケーシング64により保護できる。
なお、ケーシング64の開口部64aは、ケーシング64の基端部に着脱可能に取り付けられる蓋部材80により閉じることができる。ケーシング64及びカートリッジ62は、ケーシング64から蓋部材80を取り外したとき、機能部品36に装着可能な状態になる。
ケーシング64は、機能部品36から突出するように設けられ、その基端部が機能部品36に着脱可能に接続される。よって、機能部品36に対するケーシング64の接続箇所がケーシング64の基端部のみとなる。このため、ケーシング64の機能部品36との接続箇所が複数ある場合と比べ、その接続箇所の削減により機能部品36との着脱作業での作業工数を削減でき、その着脱作業での作業性の向上を図れる。また、機能部品36との接続箇所の削減により、機能部品36との接続に要する構造の簡素化を図れる。
ケーシング64は、図8に示すように、上向きに開いた開口部64aを有する有底筒状をなす。よって、機能部品36からケーシング64を離脱させるとき、ケーシング64内に水が溜まっていても、その水が開口部64aからケーシング64の外部にこぼれ難くなる。このため、機能部品36からケーシング64やカートリッジ62を離脱させるとき、その周囲への水の飛散を防止でき、良好な作業性を得られる。
ケーシング64は、浴室用物品40の荷重を受けるための機能部品36に着脱可能に接続される。よって、カートリッジ62の交換作業で、機能部品36の分解を伴わないため、機能部品36により浴室用物品40の荷重を受けた状態を維持できる。言い換えると、機能部品36が支持している浴室用物品40の位置を変えることなくカートリッジ62を交換でき、良好な作業性を得られる。
ケーシング64は、浴室壁部16から隙間78を空けて設けられるため、その隙間78を作業空間として利用できる。よって、ケーシング64と浴室壁部16の間の隙間78に手を入れることで、ケーシング64の着脱作業をし易くなり、良好な作業性を得られる。
なお、本実施形態の機能ユニット26は、ケーシング64、カートリッジ62の他に、水路形成部材54や水路切替機構56が単一のユニットとして一体化されている。よって、カートリッジ62を用いた水の改質のみならず、水路切替機構56を用いた改質の有無の切り替えを単一のユニットにより実現できる。
次に、機能ユニット26の他の特徴を説明する。図7を参照する。機能部品36の第1被取付部36cとカートリッジ62の第1取付部62aの間は第1シール部材82によりシールされる。第1シール部材82は、一次側通水路30や一次側内部水路66から他の箇所への漏水を規制可能である。本実施形態の第1シール部材82は、一次側通水路30や一次側内部水路66と、二次側通水路32や二次側内部水路68との間での水の流通を規制可能である。機能部品36の第2被取付部36dとカートリッジ62の第2取付部62bの間は第2シール部材84によりシールされる。第2シール部材84は、二次側通水路32や二次側内部水路68から他の箇所への漏水を規制可能である。各シール部材82、84は、Oリング等の弾性体である。
ケーシング64の基端部には、水路形成部材54の一次側通水路30や二次側通水路32が通る単数の開口部64aが設けられる。本実施形態の給水路28は、ケーシング64の単数の開口部64aのみを通してケーシング64内を経由するように設けられる。ケーシング64には開口部64aとは他の箇所に給水路28が通る他の開口部が設けられないことになる。給水路28は、ケーシング64外からケーシング64内に至る往路部と、ケーシング64内からケーシング64外に至る復路部との両方が、ケーシング64の単数の開口部64aのみを通るように設けられるとも捉えられる。本実施形態での往路部は水路形成部材54の一次側通水路30であるが、改質ユニット38の一次側内部水路66でもよい。また、本実施形態の復路部は水路形成部材54の二次側通水路32であるが、改質ユニット38の二次側内部水路68でもよい。
かりに、ケーシング64に他の開口部を設けた場合、その開口部からの漏水を規制するために、カートリッジ62と他の部材の間に他のシール部材を用いる必要がある。この点、本実施形態によれば、ケーシング64の他の箇所に給水路28が通る開口部を設ける場合と比べ、カートリッジ62と他部材の間をシールするためのシール部材の個数を削減でき、カートリッジ62の構造の簡素化を図れる。
図5を参照する。ケーシング64は、浴室壁部16の法線方向Pbと交差する方向に突出するように設けられるとよい。ここでの法線方向Pbとは、浴室壁部16の内壁面を通る法線に沿った方向をいう。これにより、ケーシング64が法線方向Pbに沿って突出する場合と比べ、入浴者や他の物品との干渉が生じ難くなり、良好な使い勝手を得られる。この観点から、ケーシング64の突出方向Paの方向軸が浴室壁部16の内壁面を通る法線に対してなす角度をθとしたとき、その角度θは45°以上となるように設定されると好ましい。また、ケーシング64の突出方向Paは浴室壁部16と平行であるとより好ましい。ここでの平行とは、幾何学的に厳密に平行な場合の他に、ほぼ平行な場合が含まれる。
ケーシング64は、機能部品36の長尺部42の長手方向の延長上において、機能部品36から長尺部42の長手方向に突出するように設けられる。ケーシング64は、長尺部42の長手方向から見て、長尺部42と重なる位置に配置され、その長尺部42の長手方向と同じ方向に延びるように設けられるとも捉えられる。本実施形態のケーシング64は、長尺部42の端部から長手方向に突出するように設けられる。
これにより、機能部品36の長尺部42の長手方向と交差する方向にケーシング64が出っ張らなくなる。よって、機能部品36から他の方向に突出するようにケーシング64が設けられる場合より、入浴者や他の物品(たとえば、二次側ホース24)との干渉が生じ難くなり、良好な使い勝手を得られる。なお、ケーシング64の外周面は、機能部品36の長尺部42の外周面と面一をなすように設けられる。
なお、同様の効果を得るうえで、ケーシング64は、機能部品36の長尺部42の長手方向の延長上において、その長手方向に突出するように設けられていればよく、機能部品36の長尺部42以外の箇所から突出していてもよい。
図7を参照する。機能部品36には、カートリッジ62内に水が流出する一次側通水路30の水流出口30aが設けられる。本実施形態の水流出口30aは下向きに開いている。よって、機能部品36の被取付部36cからカートリッジ62を取り外したとき、誤操作により水栓装置18から給水路28に原水が供給されても、水流出口30aが上向きに開いている場合と比べ、その周囲への飛散を防止できる。
なお、機能部品36には、カートリッジ62内から水が流入する二次側通水路32の水流入口32aが設けられる。本実施形態の水流入口32aも下向きに開いている。詳しくは、本実施形態の水流出口30a及び水流入口32aは鉛直線に沿うように下向きに開いている。
図10は、図3の改質ユニット38の周辺構造の拡大図である。図5、図10に示すように、一次側ホース22は、ケーシング64と浴室壁部16の間の隙間78に配置される。一次側ホース22は、浴室壁部16の正面から見て、ケーシング64の奥側でケーシング64と重なる位置に配置される。この利点を説明する。
入浴者や他の物品が一次側ホース22に当たることで、一次側ホース22が浴室壁部16の法線方向Pbに意図せず動こうとしたときを考える。このとき、一次側ホース22の動きを浴室壁部16とケーシング64により拘束でき、一次側ホース22が大きく動いてしまうのを防止できる。また、浴室壁部16に近い箇所に一次側ホース22が配置されるレイアウトとなるため、浴室空間を利用するうえで一次側ホース22に入浴者が干渉し難くなり、良好な使い勝手を得られる。
図11は、図7の矢視Peから機能部品36の被接続部36aを見た図である。本図では、機能部品36から分離したケーシング64の接続部64bも併せて示す。図7、図11に示すように、ケーシング64の接続部64bと機能部品36の被接続部36aの一方にはガイド凹部86が設けられ、他方にはガイド凸部88が設けられる。本実施形態においてガイド凹部86は機能部品36、ガイド凸部88はケーシング64に設けられる。ガイド凹部86とガイド凸部88は、互いに接触することにより、機能部品36にケーシング64を着脱するときにケーシング64の動きをガイド可能なガイド機構を構成する。
ケーシング64の接続部64bは、ガイド機構によりガイドされることで、機能部品36の被接続部36aに第1着脱方向Pcでの動きを伴い着脱可能である。本実施形態での第1着脱方向Pcは、ケーシング64の突出方向Paに沿った方向である。第1着脱方向Pcの一方側(図中下側)は機能部品36からケーシング64が離脱するときにケーシング64が動く離脱方向となる。第1着脱方向Pcの他方側(図中上側)は機能部品36にケーシング64を装着するときにケーシング64が動く装着方向となる。
本実施形態のガイド凹部86はケーシング64の第1着脱方向Pcに沿って延びる第1溝状部86aと、第1溝状部86aの装着方向の末端部に連なり機能部品36の被接続部36a周りの周方向に延びる第2溝状部86bとを有する。
本実施形態のケーシング64の接続部64bは、ケーシング64の装着方向に動いてから、機能部品36の被接続部36a周りに回転することで、機能部品36の被接続部36aに装着可能である。これは、ガイド機構によりガイドされることで実現される。ガイド凸部88は、機能部品36に装着された状態にあるとき、ガイド凹部86の第2溝状部86b内に配置される。これにより、ガイド凹部86の第2溝状部86bの内壁面にガイド凸部88が当たることでケーシング64の離脱方向での変位が規制され、機能部品36に対する位置が保持される。
また、本実施形態のケーシング64の接続部64bは、機能部品36の被接続部36a周りの両側に回転させることで、機能部品36から離脱方向に離脱可能な離脱可能状態と、離脱方向に離脱不能な離脱不能状態とが切り替えられる。ガイド凸部88は、離脱可能状態にあるとき、ガイド凹部86の第1溝状部86aの末端部に配置され、離脱不能状態にあるとき、ガイド凹部86の第2溝状部86b内に配置される。
なお、ガイド凹部86には、第2溝状部86b内から第1溝状部86a内へのガイド凸部88の移動を規制するストッパ部86cが設けられる。本実施形態のストッパ部86cは第2溝状部86bの内壁面から突き出る凸部である。ガイド凸部88は機能部品36の被接続部36a周りに強く回転させることで、ガイド凸部88やストッパ部86cの弾性変形を伴い第2溝状部86b内を移動可能である。
カートリッジ62の取付部62a、62bは、機能部品36の被取付部36c、36dに第2着脱方向Pdでの動きを伴い着脱可能である。本実施形態の第2着脱方向Pdは、ケーシング64の突出方向Paに沿った方向、つまり、第1着脱方向Pcと同じ方向である。
図8に示すように、本実施形態のケーシング64及びカートリッジ62は、ケーシング64内にカートリッジ62を収容した状態で機能部品36に装着可能に構成される。これを実現するため、本実施形態のケーシング64の第1着脱方向Pcとカートリッジ62の第2着脱方向Pdは同じ方向に設定される。本実施形態のケーシング64やカートリッジ62は、機能部品36に装着するとき、それらを着脱方向Pc、Pdの一方側となる装着方向(図中上向き)に動かしてから、ケーシング64を機能部品36の被接続部36a周りに回転させる。
これにより、カートリッジ62の交換作業で、ケーシング64の装着作業とカートリッジ62の装着作業を別々にせずともよくなり、良好な作業性を得られる。また、ケーシング64内にカートリッジ62を収容してから両者を機能部品36に装着することになる。よって、ケーシング64とカートリッジ62の間での異物の噛み込みの有無を手元で確認したうえで、両者を機能部品36に装着でき、その異物の混入を把握し易い利点がある。
図12は、機能部品36からケーシング64を離脱させる途中状態を示す図である。カートリッジ62のハウジング72には抜け止め部90が設けられる。本実施形態の抜け止め部90はハウジング72の外周部に突部として設けられる。抜け止め部90は、ケーシング64の係合部として機能するガイド凸部88と係合することにより、ケーシング64の開口部64aからのカートリッジ62の抜けを規制する。
機能部品36からケーシング64が離脱しようとしたとき、ケーシング64のガイド凸部88がカートリッジ62の抜け止め部90と係合することで、カートリッジ62もケーシング64から離脱可能となる。このとき、ケーシング64及びカートリッジ62は、ケーシング64内にカートリッジ62を収容した状態で機能部品36から離脱する。ケーシング64及びカートリッジ62は、ケーシング64内にカートリッジ62を収容した状態で機能部品36から離脱可能に構成されていると捉えられる。これにより、カートリッジ62の交換作業で、ケーシング64の離脱作業とカートリッジ62の離脱作業を別々にせずともよくなり、良好な作業性を得られる。
なお、カートリッジ62は、ケーシング64の開口部64aから抜き出す方向に強く引くことで、ケーシング64の弾性変形を伴い、ケーシング64の開口部64aから取り出し可能である。
図6に示すように、改質ユニット38は、カートリッジ62の寿命に関する寿命情報を表示可能な寿命情報表示部92を有する。本実施形態の寿命情報表示部92は、レベルメータにより構成される例を示すが、他のメータ、ディスプレイ、ランプ等により構成されてもよい。
寿命情報は、たとえば、カートリッジ62の残り寿命に関する情報である。この残り寿命情報は、たとえば、カートリッジ62の交換が必要と想定される所定の基準通水量に対する実通水量の割合を用いて表示される。この残り寿命情報は、たとえば、指針付メータ、レベルメータ等のメータを用いてアナログ表示又はデジタル表示されたり、数字や文字を用いてデジタル表示される。寿命情報は、この他にも、カートリッジ62の寿命の終期の到来を示す情報でもよい。この情報は、たとえば、カートリッジ62の実通水量が基準通水量を超えたときに、ランプを点灯させることで表示される。カートリッジ62の通水量は、たとえば、カートリッジ62の通水量を流量センサを用いて計測し、その計測値に基づき算出される。
寿命情報表示部92は、シャワーフック40がスライド可能な機能部品36のバー部材48(受け部材)とは異なる位置に設けられる。本実施形態の寿命情報表示部92は、ケーシング64の一部に浴室空間から視認可能に設けられる。よって、シャワーフック40(浴室用物品)により寿命情報表示部92が視認不能となる事態を避けられ、良好な使い勝手を得られる。
(その他)
次に、機能ユニット26に用いられる水路の態様を説明する。図13、図14は、機能部品36に対する一次側ホース22や二次側ホース24の接続位置を示す模式図である。欄の上段は一次側ホース22の接続位置、欄の下段は二次側ホース24の接続位置を示す。欄の上段と下段とは互いに組み合わせ可能な例を示す。
図13(a)では、機能部品36の下側支持部46に一次側ホース22が接続される例を示す。一次側ホース22は、浴室壁部16の裏側を経由せずに機能部品36に接続される。
図13(b)では、機能部品36の下側支持部46に二次側ホース24が接続される例を示す。機能ユニット26の一次側通水路30は機能部品36の下側支持部46、長尺部42を経由する。改質ユニット38の内部水路66、68はカートリッジ62(不図示)内を往復するように設けられる。機能ユニット26の二次側通水路32は、機能部品36の長尺部42、下側支持部46を経由する。
図13(c)では、機能部品36の上側支持部44に二次側ホース24が接続される例を示す。本例では、機能部品36の二次側通水路32が図13(b)の例と異なり、機能部品36の長尺部42、上側支持部44を経由する。
図14(a)では、一次側ホース22は、浴室壁部16の裏側を経由して機能部品36の下側支持部46に接続される例を示す。図14(b)、図14(c)は、図13(b)、図13(c)と同様である。
以上、本発明の実施形態の例や変形例について詳細に説明した。前述した実施形態や変形例は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態や変形例の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して強調しているが、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。また、図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
機能部品36の「機能」は、浴室用物品40や入浴者の荷重を受けることである例を説明した。この浴室用物品40は、シャワーフックに限定されず、たとえば、シャワーヘッド、風呂蓋、ホース等でもよい。これらは、いずれも浴室壁部16に対して可動である浴室用物品40と捉えられる。機能部品36は、シャワーヘッドの荷重を受ける場合はシャワーフックとなり、風呂蓋の荷重を受ける場合は風呂蓋フックとなり、ホースの荷重を受ける場合はホースフックとなる。また、機能部品36の「機能」は、入浴者の荷重を受けることである場合、スライドバーの他にも、たとえば、単なる手すり等でもよい。また、機能部品36の「機能」は、浴室に関連する機能であって、水の改質とは別の機能を発揮するためのものであればよく、その具体例は前述の例に限定されない。
機能部品36の長尺部42は、その延びる方向に関して特に限定されず、水平方向に沿って延びるように設けられてもよい。機能部品36の支持部44、46はブラケット50、52が構成する例を説明したが、バー部材48が構成してもよい。
機能部品36の水路形成部材54は水路切替機構56を有しなくともよい。水路形成部材54の一次側通水路30の水流出口30aや二次側通水路32の水流入口32aは鉛直線に沿うように下向きに開いている例を説明した。この他にも、鉛直線に対して大きく傾斜して下向きに開いていてもよいし、上向きに開いていてもよい。
カートリッジ62は、ケーシング64に全体が収容される例を説明した。カートリッジ62は、少なくとも一部が収容されていればよく、その一部が機能部品36の内部に収容されていてもよい。
カートリッジ62は、ケーシング64の突出方向Paに延びる長尺状である例を説明したが、その形状は特に限定されない。また、ケーシング64は、カートリッジ62のハウジング72と別体である例を説明したが、ハウジング72を兼ねていてもよい。
カートリッジ62は、原水の改質態様として、原水の浄化を例に説明したが、これに限定されない。たとえば、美容成分、臭い成分、炭酸成分、水素成分の付与等でもよい。
ケーシング64は、機能部品36から突出するように設けられる例を説明したが、これに限定されない。また、ケーシング64は、機能部品36から突出するように設けられる場合でも、その基端部以外の複数箇所で機能部品36に接続されてもよい。また、ケーシング64は、ケーシング64の基端部とは異なる箇所に給水路28の通る開口部が設けられてもよい。
ケーシング64は、良好な使い勝手を得るため、機能部品36の長尺部42の延長上において、機能部品36から長尺部42の長手方向に下側に突出する例を説明した。この効果を得る観点から、長尺部42が鉛直方向に延びる場合、機能部品36から長尺部42の長手方向に上側に突出していてもよい。
ケーシング64は、浴室壁部16から隙間78を空けて設けられる例を説明した。ケーシング64は、浴室壁部16に直接に固定されていなければよく、浴室壁部16や機能部品36と接触していてもよい。また、この隙間78には、一次側ホース22ではなく、二次側ホース24が配置されていてもよい。
ケーシング64の第1着脱方向Pcはケーシング64の突出方向Paに沿った方向である例を説明したが、ケーシング64の突出方向Paと無関係に設定されてもよい。ケーシング64は、ケーシング64の第1着脱方向Pcでの動きと、機能部品36の被接続部36a周りでの回転とを伴い、機能部品36に着脱可能である例を説明した。ケーシング64は、第1着脱方向Pcでの動きを伴い着脱可能であればよく、回転の有無や他の動きの要否は特に問わない。
ケーシング64及びカートリッジ62は、ケーシング64内にカートリッジ62を収容した状態で機能部品36に装着可能かつ離脱可能である例を説明した。カートリッジ62とケーシング64は、機能部品36に別々に装着可能でもよいし、機能部品36から別々に離脱可能でもよい。
ケーシング64及びカートリッジ62を機能部品36から一体的に離脱可能に構成するため、抜け止め部90と係合部の組み合わせを用いる例を説明したが、そのための具体的手段は特に限定されない。たとえば、ケーシング64内へのカートリッジ62の圧入、ケーシング64内にカートリッジ62をロック可能なロック機構等を用いてもよい。
ケーシング64は、ガイド凹部86とガイド凸部88が構成するガイド機構を用いて、機能部品36に着脱可能に接続される例を説明したが、着脱可能に接続するための具体的構造は特に限定されない。たとえば、スナップフィット、磁力を用いて着脱可能に接続されてもよいし、ネジ、クリップ等を用いて着脱可能に接続されてもよい。
以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。以下、発明が解決しようとする課題に記載の態様を用いて説明する。
第2態様の浴室用機能ユニットは、第1態様において、前記ケーシングは、前記機能部品から突出するように設けられ、その基端部が前記機能部品に着脱可能に接続されてもよい。
この態様によれば、ケーシングの機能部品との接続箇所が複数ある場合と比べ、その接続箇所の削減により機能部品との着脱作業での作業性の向上を図れる。
第3態様の浴室用機能ユニットは、第2態様において、前記基端部には、前記給水路が通る開口部が設けられ、前記給水路は、前記開口部のみを通して前記ケーシングの外内を出入りするように設けられてもよい。
この態様によれば、ケーシングの他の箇所に給水部が通る開口部を設ける場合と比べ、カートリッジと他部材の間をシールするためのシール部材の個数を削減でき、カートリッジの構造の簡素化を図れる。
第4態様の浴室用機能ユニットは、第2態様または第3態様において、前記ケーシングは、前記浴室壁部の法線方向と交差する方向に突出するように設けられてもよい。
この態様によれば、ケーシングが法線方向に沿って突出する場合と比べ、入浴者や他の物品との干渉が生じ難くなり、良好な使い勝手を得られる。
第5態様の浴室用機能ユニットは、第2態様から第4態様のいずれかにおいて、前記機能部品は、長尺部を有し、前記ケーシングは、前記長尺部の長手方向の延長上において、前記機能部品から前記長手方向に突出するように設けられてもよい。
この態様によれば、機能部品から他の方向に突出するようにケーシングが設けられる場合より、入浴者や他の物品との干渉が生じ難くなり、良好な使い勝手を得られる。
第6態様の浴室用機能ユニットは、第1態様から第5態様のいずれかにおいて、前記ケーシングは、上向きに開いた開口部を有する有底筒状をなしてもよい。
この態様によれば、機能部品からケーシングを離脱させるとき、ケーシング内に水が溜まっていても、その水が開口部からケーシングの外部にこぼれ難くなる。
第7態様の浴室用機能ユニットは、第1態様から第6態様のいずれかにおいて、前記ケーシング及び前記カートリッジは、前記ケーシング内に前記カートリッジを収容した状態で前記機能部品に装着可能に構成されてもよい。
この態様によれば、カートリッジの交換作業で、ケーシングの装着作業とカートリッジの装着作業を別々にせずともよくなり、良好な作業性を得られる。
第8態様の浴室用機能ユニットは、第1態様から第7態様のいずれかにおいて、
前記ケーシング及び前記カートリッジは、前記ケーシング内に前記カートリッジを収容した状態で前記機能部品から離脱可能に構成される
この態様によれば、カートリッジの交換作業で、ケーシングの離脱作業とカートリッジの離脱作業を別々にせずともよくなり、良好な作業性を得られる。
第9態様の浴室用機能ユニットは、第1態様から第8態様のいずれかにおいて、前記機能部品は、浴室用物品又は入浴者の荷重を受けるためのものであってもよい。
第10態様の浴室用機能ユニットは、第1態様から第9態様のいずれかにおいて、前記ケーシングは、前記浴室壁部から隙間を空けて配置されてもよい。
この態様によれば、ケーシングと浴室壁部の間の隙間に手を入れることで、ケーシングのの着脱作業をし易くなり、良好な作業性を得られる。
第11態様の浴室用機能ユニットは、第10態様において、前記隙間には、前記機能部品に接続されるホースが配置されてもよい。
この態様によれば、浴室壁部とケーシングによりホースの意図しない動きを拘束でき、ホースが大きく動いてしまうのを防止できる。
第12態様の浴室用機能ユニットは、第1態様から第11態様のいずれかにおいて、前記機能部品は、前記給水路において前記カートリッジより上流側に設けられる一次側通水路を有し、前記カートリッジ内に水が流出する前記一次側通水路の水流出口は、下向きに開いていてもよい。
この態様によれば、機能部品からカートリッジを取り外したとき、誤操作により水栓装置から給水路に原水が供給されても、水流出口が上向きに開いている場合と比べ、その周囲への飛散を防止できる。