以下に、本発明の実施の形態にかかる電力管理装置および電力管理方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる電力管理装置1の構成を示す図である。電力管理装置1の発電部11で発電された電力は、予め定められている契約に基づいて、電気事業者に買い取ってもらうことができる。
ここで、電力の買取制度について説明する。電力の買取制度には、固定価格買取制度(以下、FIT(Feed−in Tariff)という)と、太陽光発電の余剰電力買取制度とがある。
FITは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーを用いて発電された電力を電気事業者に買い取らせる制度であり、2012年7月1日に開始された。電力の買取価格は、発電にかかる費用、設備利用率、発電事業者の利益などに基づいて算定される。近年は、発電にかかる費用が低減しており、電気事業者による電力の買取価格は、ユーザが電気事業者から購入する電力の価格よりも安くなっている。また、住宅用等に設置される10kW未満の設備において、FITにより定められている買取期間は、10年である。
また、太陽光発電の余剰電力買取制度は、太陽光により発電された電力が、自宅等で消費される電力を上回った場合、当該上回った電力である余剰電力を電気事業者に買い取ってもらう制度である。
具体的には、太陽光発電の余剰電力買取制度において、電気事業者による買取価格は、10年間固定で1kWhあたり42円等である。固定の買取期間が終了した後は、電気事業者による買取価格は、電気事業者と発電事業者との契約で決まり、1kWhあたり10円等が予想されている。
このようにして、FITおよび太陽光発電の余剰電力買取制度が終了した場合、電気事業者による電力の買取価格は、低下することが予想される。
ここで、電気事業者に支払う電気料金Xは、(1)式に示すように、基本料金a1と、電気事業者から購入する電力に基づいて算出される電力量料金a2と、電気事業者に電力を売ったことにより得られる金額a3とに基づいて算出される。
X=a1+a2−a3・・・(1)
つまり、基本料金a1および電力量料金a2が変わらない場合、金額a3が低下すると、電気料金Xが増加することになる。
また、電力量料金a2は、(2)式に示すように、使用した電力量b1に1kWあたりの料金単価b2を乗算して算出される。
a2=b1×b2 ・・・(2)
ここで、料金単価b2は、電気料金のプランによって異なる。電気料金のプランには、例えば、電力の料金単価が24時間変わらずに一定である一定プラン、第1の時間帯の電力の料金単価が第2の時間帯の電力の料金単価よりも安価に設定されており、時間帯によって電力の料金単価が変動する変動プランなどがある。第1の時間帯とは、例えば、1時から7時までの時間帯である。また、第2の時間帯とは、例えば、7時から翌日の1時までの時間帯である。また、本発明の実施の形態1は、変動プランが選択された場合を想定して説明する。
本発明にかかる電力管理装置1は、FITおよび太陽光発電の余剰電力買取制度のうち少なくとも一方が終了し、電気事業者に電力を売ったことにより得られる金額が低下しても、電気事業者から購入する電力に基づいて算出される電力量料金を抑制することにより、電気事業者に支払う電気料金を抑制することを目的にしている。以下に、電力管理装置1の具体的な構成と動作とについて説明する。
電力管理装置1は、太陽光などの再生可能エネルギーを用いて発電する発電部11と、発電部11で発電された直流電圧を交流電圧に変換するパワーコンディショナ12と、電力を負荷3に供給する分電盤13とを備える。電力管理装置1は、蓄電池15の充電および放電を制御する充放電部14と、電力を蓄電する蓄電池15と、分電盤13と電力系統2との間の受電点に配置され、受電点に流れる電流を計測するセンサ16とを備える。受電点とは、電力系統2から電力を受電する地点をいう。受電点は、電気事業者とユーザの財産分界点になる。
発電部11は、再生可能エネルギーの一例である太陽光を電力に変換する太陽電池と、太陽電池が接続されている接続箱とを備える。太陽電池は、複数の太陽電池モジュールから構成されており、太陽光を受光できるように、住宅の屋根等に設置される。
一個の太陽電池モジュールの仕様は、例えば、電力値が250Wであり、電圧値が27.1Vであり、電流値が9.25Aである。太陽電池は、例えば、当該太陽電池モジュール16個が8直列2並列の電気回路にて構成される。当該構成の場合、太陽電池の仕様は、電圧値が216.8Vであり、電流値が18.5Aであり、電力値が4kWである。なお、太陽電池モジュールを8直列2並列に構成する電気回路は図示しない接続箱にて行われ、太陽電池で発電された電力をパワーコンディショナ12に供給する。
パワーコンディショナ12は、発電部11で発電された直流電圧を電力系統2から供給される交流電圧と同じ電圧および周波数に変換し、変換した交流電圧を分電盤13に供給する。
ここで、パワーコンディショナ12の具体的な構成と動作とについて説明する。図2は、パワーコンディショナ12の構成を示す図である。
パワーコンディショナ12は、発電部11で発電された直流電圧を予め定められた直流電圧に変換するコンバータ121と、コンバータ121から供給された直流電圧を交流電圧に変換するインバータ122と、コンバータ121およびインバータ122を制御する第1制御部123とを備える。パワーコンディショナ12は、コンバータ121と発電部11との間に設置され、電力を計測するセンサ124と、インバータ122と分電盤13との間に設置され、電力を計測するセンサ125と、インバータ122とセンサ125との間に設置され、閉状態と開状態とを切り替える連系リレー126とを備える。図2は、連系リレー126が閉状態になっている様子を示している。
センサ124は、発電部11からコンバータ121に供給される電力を計測する。第1制御部123は、センサ124で計測された電力に基づいて、発電部11から供給される直流電圧がインバータ122に適した直流電圧に変換されるようにコンバータ121を制御する。なお、インバータ122に適した直流電圧とは、インバータ122の定格電圧である。
センサ125は、インバータ122から分電盤13に供給される電力を計測する。第1制御部123は、センサ125で計測された電力に基づいて、コンバータ121から供給される直流電圧が電力系統2から供給される交流電圧と同じ電圧および周波数に変換されるようにインバータ122を制御する。
また、第1制御部123は、単独運転を防止する機能を有している。単独運転とは、事故などで電気事業者の発電設備から電力系統2が切り離されているときに、発電部11から電力系統2に電力が供給されている状態の運転のことである。
以下に、連系リレー126の動作の制御について説明する。第1制御部123は、センサ125で計測される電流および電圧を監視し、電力系統2から供給されている電力に異常を検出した場合、連系リレー126を閉状態から開状態に切り替えるように制御する。異常を検出した場合とは、例えば、電力系統2から供給されている電力の周波数が予め定められている値よりも上昇または下降したことを検出した場合、過電圧または不足電圧を検出した場合、停電を検出した場合などである。
連系リレー126が閉状態となって発電部11が電力系統2に接続されている状態は、並列と称される。連系リレー126が開状態となって発電部11が電力系統2から切り離されている状態は、解列と称される。連系リレー126を閉状態から開状態に切り替えることにより、単独運転を防止することができる。
つぎに、分電盤13の動作について説明する。分電盤13は、パワーコンディショナ12、充放電部14、または、電力系統2から供給された電力を負荷3に供給する。なお、負荷3は、テレビ、冷蔵庫、エアコン等が該当する。
また、負荷3ごとに電力の供給元が決められていてもよい。負荷3は、例えば、負荷3a,3b,3cにより構成されているものとする。なお、負荷3a,3b,3cは、異なる種類の負荷であるとする。例えば、分電盤13は、パワーコンディショナ12または充放電部14から供給される電力を負荷3aと負荷3bとに供給し、電力系統2から供給される電力を負荷3cに供給する。
また、分電盤13は、蓄電池15を充電する場合には、パワーコンディショナ12または電力系統2から供給された電力を充放電部14に供給する。充放電部14は、パワーコンディショナ12または電力系統2から供給された電力で蓄電池15を充電する。
また、パワーコンディショナ12から供給される電力が負荷3で消費される電力を上回り、余剰電力が発生した場合、分電盤13は、余剰電力を充放電部14に供給し、または、余剰電力を電力系統2に逆潮流させる。充放電部14は、余剰電力で蓄電池15を充電する。なお、余剰電力が発生した場合の動作の詳細については、後述する。
ここで、充放電部14の具体的な構成と動作とについて説明する。図2は、充放電部14の構成を示す図である。
充放電部14は、直流電圧を予め定められた直流電圧に変換する双方向コンバータ141と、双方向コンバータ141から供給された直流電圧を交流電圧に変換する、または、分電盤13から供給された交流電圧を直流電圧に変換する蓄電池用インバータ142とを備える。充放電部14は、第1の制御、第2の制御、第3の制御、および第4の制御により、蓄電池15の充放電を制御する第2制御部143を備える。
第1の制御とは、第1の時間帯において、電力系統2から供給される電力により蓄電池15に充電する制御である。第2の制御とは、第1の制御、後述する第3の制御、および後述する第4の制御の後、負荷3に電力を供給するために蓄電池15を放電する制御である。第3の制御とは、発電部11により発電された電力が負荷3で消費される電力を上回って余剰電力が発生した場合、当該余剰電力により蓄電池15に充電する制御である。第4の制御とは、第2の時間帯であって第3の制御の後、蓄電池15が規定の充電量に達していない場合、電力系統2から供給される電力により蓄電池15に充電する制御である。
また、第2制御部143は、第1の制御、第2の制御、および第4の制御において、電力系統2から受電する電力の閾値である受電電力設定値を超えないように蓄電池15の充放電を制御する。
ここで、受電電力設定値について説明する。受電電力設定値は、負荷3により消費される30分間の消費電力の平均値の最大値の予測値より小さい値であることが好ましい。詳細は、後述するが、基本料金の契約について、実量契約を前提にした場合、年間の受電電力の最大値より小さい値を受電電力設定値として設定することにより、基本料金を抑制することができる。
実量契約とは、過去一年間のピーク電力に基づいて基本料金が決定される契約をいう。ピーク電力とは、30分ごとの電気使用量のうち、月間で最も大きい値を2倍したものである。なお、30分ごとの電気使用量は、例えば、30分間の電気使用量の平均値により算出される。つまり、受電電力設定値を超えないように電力系統2から電力を受電することにより、基本料金の実量契約におけるピーク電力を受電電力設定値の2倍にすることができる。このように、ピーク電力を抑制することによって基本料金を抑制することができる。
充放電部14は、情報の設定を行う設定部144と、設定部144で設定された設定情報を記憶する記憶部145と、蓄電池15と双方向コンバータ141との間に設置され、電力を計測するセンサ146と、蓄電池用インバータ142と分電盤13との間に設置され、電力を計測するセンサ147とを備える。充放電部14は、蓄電池用インバータ142とセンサ147との間に設置され、閉状態と開状態とを切り替える連系リレー148と、外部に報知する報知部149とを備える。図2は、連系リレー148が閉状態になっている様子を示している。
設定部144は、例えば、情報を表示するディスプレイと、ユーザにより操作されるスイッチ部とを備える。ユーザは、ディスプレイに表示されている情報を確認しながらスイッチ部を操作して、設定情報を入力する。また、設定部144は、例えば、複数のスイッチ群から構成されるディップスイッチで構成されてもよい。当該構成の場合、ユーザは、ディップスイッチを操作することにより設定情報を入力する。また、設定部144は、例えば、通信機能を有するデバイスで構成されてもよい。当該構成の場合、設定部144は、通信機能を有するデバイスに接続されるパーソナルコンピュータなどの外部装置から送信されてきた設定情報を受け付ける。
設定情報には、受電電力設定値、第1時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻、および、第2時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻などが含まれている。なお、第1時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻とは、第1時間帯において電力系統2から供給される電力により蓄電池15に充電を始める時刻である。第2時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻とは、第2時間帯において電力系統2から供給される電力により蓄電池15に追加で充電を始める時刻である。
ここで、蓄電池15の放電の動作について説明する。センサ146は、蓄電池15から双方向コンバータ141に供給される電力を計測する。第2制御部143は、センサ146で計測された電力に基づいて、蓄電池15から放電される直流電圧が蓄電池用インバータ142に適した直流電圧に変換されるように双方向コンバータ141を制御する。蓄電池用インバータ142に適した直流電圧とは、蓄電池用インバータ142の定格電圧である。
センサ147は、蓄電池用インバータ142から分電盤13に供給される電力を計測する。第2制御部143は、センサ147で計測された電力に基づいて、双方向コンバータ141から供給される直流電圧が電力系統2から供給される交流電圧と同じ電圧および周波数に変換されるように蓄電池用インバータ142を制御する。
また、第2制御部143は、単独運転を防止する機能を有している。第2制御部143は、センサ147により計測される電流および電圧を監視し、電力系統2から供給されている電力に異常を検出した場合、連系リレー148を閉状態から開状態に切り替えるように制御する。異常を検出した場合とは、例えば、電力系統2から供給されている電力の周波数が予め定められている値よりも上昇または下降したことを検出した場合、過電圧または不足電圧を検出した場合、停電を検出した場合などである。連系リレー148を閉状態から開状態に切り替えることにより、単独運転を防止することができる。
つぎに、蓄電池15の充電の動作について説明する。センサ147は、分電盤13から蓄電池用インバータ142に供給される電力を計測する。第2制御部143は、センサ147により計測された電力に基づいて、分電盤13から供給される交流電圧が双方向コンバータ141に適した直流電圧に変換されるように蓄電池用インバータ142を制御する。なお、双方向コンバータ141に適した直流電圧とは、双方向コンバータ141の定格電圧である。
センサ146は、双方向コンバータ141から蓄電池15に供給される電力を計測する。第2制御部143は、センサ146により計測された電力に基づいて、蓄電池用インバータ142から供給される直流電圧が蓄電池15に適した直流電圧に変換されるように双方向コンバータ141を制御する。蓄電池15に適した直流電圧とは、蓄電池15の定格電圧である。なお、蓄電池用インバータ142が、蓄電池15に適した直流電圧を供給できれば、双方向コンバータ141を省略できる。
つぎに、蓄電池15の構成について説明する。蓄電池15は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、または、鉛蓄電池などの二次電池である。蓄電池15は、複数のセルから構成されている。一つのセルの電圧値は、例えば、1.2Vから3.8Vである。また、蓄電池15の容量は、任意に決定されるが、詳細は後述する。
ここで、電力管理装置1の動作について、図3、図4および図5を用いて説明する。図3、図4および図5の横軸は、時間を示す。また、図3、図4および図5の縦軸は、負荷3で消費される電力、パワーコンディショナ12から供給される電力、蓄電池15から放電される電力、蓄電池15に充電する電力、受電点の電力などを「kW」で示す。なお、受電点の電力は、正のときは、電力系統2から電力が流入する場合を示し、負のときは、電力系統2へ逆潮流する場合を示す。
なお、記憶部145に記憶されている設定情報において、受電電力設定値は、2.4kWであり、第1時間帯は、1時から7時とし、第1時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻は、1時とし、第2時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻は、14時30分とする。蓄電池15の容量は、1.5kWhとする。発電部11を構成する太陽電池から出力される電力値は、4kWとする。また、太陽電池は、受光面が太陽光を直角に受けられる角度に設置することが好ましい。本発明の実施の形態1は、太陽電池は、例えば、真南に22度の角度で設置することにするが、当該例に限られない。
図3は、快晴の日に発電部11が発電する電力の変化などを示す図である。図3中の「P」は、受電電力設定値を示す。図3中の「T0」は、第1時間帯を示す。図3中の「A」は、負荷3で消費される電力の変化を示す波形である。以下では、当該波形は、消費電力波形Aという。消費電力波形Aは、4時に負荷3で消費される電力が少なくなり、また、6時から8時の時間帯および18時から21時30分の時間帯に負荷3で消費される電力が多くなることを示している。つまり、一日に2度のピーク負荷時が存在する。ピーク負荷時とは、負荷3で消費される電力が多く、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超過する時間をいう。なお、図3には、消費電力波形Aの一例を示しており、負荷3の使用状況などにより様々な形がある。
また、図3中の「B」は、発電部11で発電された電力の変化を示す波形である。以下では、当該波形は、発電電力波形Bという。発電電力波形Bは、6時から12時にかけて発電量が増加し、12時の発電量が一日のうちで最も多くなり、12時から18時にかけて発電量が減少することを示している。なお、図3に示す発電電力波形Bは、ある年の4月1日から4月30日までの快晴の日において発電部11により発電された電力を時間ごとに平均化したものである。
図3中の「C」は、第2制御部143による制御が行われていないときの電力の変化を示す波形である。以下では、当該波形は、第1電力波形Cという。第1電力波形Cは、消費電力波形Aから発電電力波形Bを減算したときの波形である。
第1電力波形Cは、6時から8時の時間帯および18時から21時30分の時間帯において、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超過しており、9時30分から15時までの時間帯では、余剰電力が電力系統2に逆潮流されることを示している。
図3中の「D」は、第2制御部143により受電電力設定値Pに基づいて蓄電池15の充電および放電を制御したときの電力の変化を示す波形である。以下では、当該波形は、第2電力波形Dという。
図3中の「E1」は、蓄電池15に充電される電力量を示している。以下では、当該電力量は、深夜充電電力量E1という。第2制御部143は、1時から2時の時間帯T1において、第1の制御を行う。すなわち、第2制御部143は、1時から2時の時間帯T1において、センサ16により計測される電流を監視し、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えないように、電力系統2から供給される電力で蓄電池15を充電させる。具体的には、深夜充電電力量E1が蓄電池15に充電される。なお、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えないようにするとは、瞬時の電力が受電電力設定値Pを超えないようにする必要はなく、30分の平均値が受電電力設定値Pを超えないようにすればよい。
図3中の「E2」は、蓄電池15から放電される電力量を示している。以下では、当該電力量は、朝放電電力量E2という。第2制御部143は、ピーク負荷時である6時から8時の時間帯T2において、第2の制御を行う。すなわち、第2制御部143は、ピーク負荷時である6時から8時の時間帯T2において、センサ16により計測される電流を監視し、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えないように、蓄電池15を放電させる。具体的には、朝放電電力量E2が蓄電池15から放電される。
なお、本実施の形態では、後述する第3の制御において、余剰電力で蓄電池15を充電するため、余剰電力が発生する前に蓄電池15を放電する必要がある。このため、第2の制御では、蓄電池15を放電する必要があるが、放電の制御は、上述の制御に限定されない。すなわち、第2の制御は、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えないようにする制御に限定されない。例えば、第2制御部143は、第2の制御において、第3の制御が行われる前に、一定期間一定量を蓄電池15から放電させてもよい。
図3中の「E3」は、蓄電池15に充電される電力量を示している。以下では、当該電力量は、余剰電力充電電力量E3という。第2制御部143は、9時30分から11時の時間帯T3において、第3の制御を行う。すなわち、第2制御部143は、9時30分から11時の時間帯T3において、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、余剰電力で蓄電池15を充電させる。具体的には、余剰電力充電電力量E3が蓄電池15に充電される。なお、9時30分から11時の時間帯T3は、一例であり、蓄電池15を規定の充電量にするのに必要な時間が設定される。既定の充電量とは、例えば、蓄電池15の充電容量の90パーセント以上の充電量である。
また、11時から15時の時間帯に生じた余剰電力は、電力系統2に逆潮流される。なお、余剰電力は、発電部11で発電された電力が負荷3で消費される電力を上回ったときに発生する。蓄電池15は、規定の充電量になるように制御される。よって、蓄電池15への充電は、一日に複数回行われる場合もある。
図3中の「E5」は、蓄電池15から放電される電力量を示している。以下では、当該電力量は、夜放電電力量E5という。第2制御部143は、ピーク負荷時である18時から21時30分の時間帯T5において、第2の制御を行う。すなわち、第2制御部143は、ピーク負荷時である18時から21時30分の時間帯T5において、センサ16により計測される電流を監視し、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えないように、蓄電池15を放電させる。具体的には、夜放電電力量E5が蓄電池15から放電される。
図4は、曇りの日に発電部11が発電する電力の変化などを示す図である。曇りの日は、快晴の日に比べて、発電部11が発電する電力が少なく、余剰電力の発生が少ない。なお、図4中の「P」、「T0」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E1」、「E2」、「E3」、「E5」は、上述した図3と同様であり、説明を省略する。また、発電電力波形Bは、9時から10時30分にかけて発電量が増加し、10時30分の発電量が一日のうちで最も多くなり、10時30分から18時にかけて発電量が減少することを示している。また、第1電力波形Cは、6時から8時の時間帯と、18時から21時30分の時間帯において、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超過しており、10時30分から11時30分までの時間帯では、余剰電力が電力系統2に逆潮流することを示している。
第2制御部143は、1時から2時の時間帯T1において、第1の制御を行う。すなわち、第2制御部143は、1時から2時の時間帯T1において、センサ16により計測される電流を監視し、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えないように、電力系統2から供給される電力で蓄電池15を充電させる。具体的には、深夜充電電力量E1が蓄電池15に充電される。
第2制御部143は、ピーク負荷時である6時から8時の時間帯T2において、第2の制御を行う。すなわち、第2制御部143は、ピーク負荷時である6時から8時の時間帯T2において、センサ16により計測される電流を監視し、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えたときに、蓄電池15を放電させる。具体的には、朝放電電力量E2が蓄電池15から放電される。
第2制御部143は、10時30分から11時30分の時間帯T3において、第3の制御を行う。すなわち、第2制御部143は、10時30分から11時30分の時間帯T3において、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、余剰電力で蓄電池15を充電させる。具体的には、余剰電力充電電力量E3が蓄電池15に充電される。
図4中の「E4」は、蓄電池15に充電される電力量を示している。以下では、当該電力量は、昼追加充電電力量E4という。第2制御部143は、14時30分から15時30分の時間帯T4において、第4の制御を行う。すなわち、第2制御部143は、14時30分から15時30分の時間帯T4において、センサ16により計測される電流を監視し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えないように、電力系統2から供給される電力で蓄電池15を充電させる。具体的には、昼追加充電電力量E4が蓄電池15に充電される。なお、上述した時間帯T4は一例であり、時間帯T4は、蓄電池15を規定の充電量にするのに必要な時間が設定される。
第2制御部143は、ピーク負荷時である18時から21時30分の時間帯T5において、第2の制御を行う。すなわち、第2制御部143は、ピーク負荷時である18時から21時30分の時間帯T5において、センサ16により計測される電流を監視し、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えたときに、蓄電池15を放電させる。具体的には、夜放電電力量E5が蓄電池15から放電される。
図5は、雨の日に発電部11が発電する電力の変化などを示す図である。雨の日は、快晴の日または曇りの日に比べて、発電部11が発電する電力が少なく、余剰電力の発生が少ない。なお、図5中の「P」、「T0」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E1」、「E2」、「E5」は、上述した図3と同様であり、また、図5中の「E4」は、上述した図4と同様であるので詳細な説明を省略する。また、発電電力波形Bは、一日を通して発電量が少ないことを示している。第1電力波形Cは、6時から8時30分の時間帯と、18時から21時30分の時間帯において、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超過していることを示している。
第2制御部143は、1時から2時の時間帯T1において、第1の制御を行う。すなわち、第2制御部143は、1時から2時の時間帯T1において、センサ16により計測される電流を監視し、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えないように、電力系統2から供給される電力で蓄電池15を充電させる。具体的には、深夜充電電力量E1が蓄電池15に充電される。
第2制御部143は、ピーク負荷時である6時から8時30分の時間帯T2において、第2の制御を行う。すなわち、第2制御部143は、ピーク負荷時である6時から8時30分の時間帯T2において、センサ16により計測される電流を監視し、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えたときに、蓄電池15を放電させる。具体的には、朝放電電力量E2が蓄電池15から放電される。
第2制御部143は、14時30分から16時30分の時間帯T4において、第4の制御を行う。すなわち、第2制御部143は、14時30分から16時30分の時間帯T4において、センサ16により計測される電流を監視し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えないように、電力系統2から供給される電力で蓄電池15を充電させる。具体的には、昼追加充電電力量E4が蓄電池15に充電される。
第2制御部143は、ピーク負荷時である18時から21時30分の時間帯T5において、第2の制御を行う。すなわち、第2制御部143は、ピーク負荷時である18時から21時30分の時間帯T5において、センサ16により計測される電流を監視し、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えたときに、蓄電池15を放電させる。具体的には、夜放電電力量E5が蓄電池15から放電される。
ここで、第2制御部143による蓄電池15の充電および放電を制御する動作の流れについて、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS1において、設定部144は、設定情報を受け付ける。記憶部145は、設定部144により受け付けた設定情報を記憶する。
設定情報とは、例えば、受電電力設定値と、第1時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻と、第2時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻とである。第1時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻は、例えば、1時である。第2時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻は、例えば、14時30分である。
ステップS2において、第2制御部143は、第1時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻が到来した場合、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えないように、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力で蓄電池15を充電させる。
例えば、第2制御部143は、第1時間帯において、センサ16により計測される電流を監視し、負荷3に供給される電力と蓄電池15の充電に必要となる電力との合計が、受電電力設定値Pを超えないように、電力系統2から供給される電力で蓄電池15を充電させる。以下では、ステップS2の工程を「深夜充電ステップ」という。
また、第2制御部143は、蓄電池15が規定の充電量に達した場合、現在の時刻が第1時間帯に含まれていても充電を停止する。
第2制御部143は、深夜充電ステップにより蓄電池15を充電した場合、充電の開始から終了するまでに要した充電時間および充電量などの情報を生成し、生成した情報を記憶部145に記憶する。
ステップS3において、第2制御部143は、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えたときに、蓄電池15を放電させる。蓄電池15から放電された電力は、分電盤13を介して負荷3に供給される。
例えば、第2制御部143は、負荷3で消費される電力が大きくなる朝の時間帯において、センサ16により計測される電流を監視し、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値Pを超えたときに、蓄電池15を放電させる。以下では、ステップS3の工程を「朝放電ステップ」という。
また、第2制御部143は、朝放電ステップにより蓄電池15を放電した場合、放電の開始から終了までに要した放電時間および放電量などの情報を生成し、生成した情報を記憶部145に記憶する。
また、第2制御部143は、センサ16により計測される電流を監視し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超過する場合、朝放電ステップを実行せず、報知部149に報知させる構成でもよい。
報知部149は、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超過することを音で出力するスピーカ、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超過することを文字情報などで表示するディスプレイなどで構成される。当該構成によれば、ユーザは、報知部149の報知によって、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超過することを知ることができる。
また、記憶部145は、停止する負荷3が列挙されている停止リスト情報、または停止する負荷3の順番が列挙されている停止順番リスト情報を記憶する構成でもよい。例えば、停止順番リスト情報には、重要度の低い負荷3から順番に列挙されていてもよい。
当該構成の場合、第2制御部143は、センサ16により計測される電流を監視し、記憶部145に記憶されている停止リスト情報または停止順番リスト情報に基づいて、対象となる負荷3の駆動を停止させる。
具体的には、第2制御部143は、停止リスト情報を利用する場合には、停止リスト情報に列挙されているすべての負荷3の駆動を停止させる。また、第2制御部143は、停止順番リスト情報を利用する場合には、停止順番リスト情報に列挙されている順番に負荷3の駆動を停止させる。
よって、第2制御部143は、停止順番リスト情報を利用する場合には、停止リスト情報を利用する場合に比べて、停止させる負荷3の数を抑制することができる。
ステップS4において、第2制御部143は、発電部11で発電された電力が負荷3で消費される電力を上回って余剰電力が発生した場合、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、当該余剰電力で蓄電池15に充電させる。
例えば、第2制御部143は、太陽光の日射が強い時間帯において、パワーコンディショナ12から供給される交流電力が負荷3に供給される電力を上回って余剰電力が発生した場合に、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、余剰電力で蓄電池15を充電させる。以下では、ステップS4の工程を「余剰電力充電ステップ」という。
また、第2制御部143は、余剰電力充電ステップにより蓄電池15を充電した場合、充電を開始してから終了するまでに要した時間および充電量などの情報を生成し、生成した情報を記憶部145に記憶する。
ステップS5において、第2制御部143は、蓄電池15が規定の充電量に達していない場合には、第2時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻以降に、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超えないように、電力系統2から供給される電力で蓄電池15に充電させる。蓄電池15が規定の充電量に達していない場合とは、余剰電力の発生量が少なく、余剰電力によって蓄電池15が規定の充電量に達していない場合である。これは、雨または曇りのように太陽光の日射が弱く、余剰電力が少ないため、蓄電池15が規定の充電量に達しない場合が考えられる。また、蓄電池15が規定の充電量に達していない場合とは、余剰電力が発生せず、蓄電池15が規定の充電量に達していない場合である。これは、発電部11で発電された電力が負荷3で消費される電力を上回らずに余剰電力が発生せず、蓄電池15が規定の充電量に達しない場合が考えられる。
例えば、第2制御部143は、センサ16により計測される電流を監視し、負荷3に供給される電力と蓄電池15の充電に必要となる電力との合計からパワーコンディショナ12から供給される電力を減じた電力が、受電電力設定値を超えないように、電力系統2から供給される電力で蓄電池15を充電させる。以下では、ステップS5の工程を「昼追加充電ステップ」という。
また、第2制御部143は、昼追加充電ステップにより蓄電池15を充電した場合、充電の開始から終了までに要した充電時間および充電量などの情報を生成し、生成した情報を記憶部145に記憶する。
なお、第2制御部143は、蓄電池15が規定の充電量に達している場合には、昼追加充電ステップをスキップし、ステップS6に進む。
ステップS6において、第2制御部143は、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超えたときに、蓄電池15を放電させる。蓄電池15から放電された電力は、分電盤13を介して負荷3に供給される。
例えば、第2制御部143は、負荷3で消費される電力が大きくなる夜の時間帯において、センサ16により計測される電流を監視し、蓄電池用インバータ142と双方向コンバータ141とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超えたときに、蓄電池15を放電させる。以下では、ステップS6の工程を「夜放電ステップ」という。
また、第2制御部143は、夜放電ステップにより蓄電池15を放電した場合、放電の開始から終了までに要した放電時間および放電量などの情報を生成し、生成した情報を記憶部145に記憶する。
第2制御部143は、夜放電ステップが終了した場合、深夜充電ステップに戻り、深夜充電ステップから夜放電ステップまでを繰り返す。
このようにして、電力管理装置1は、深夜充電ステップ、余剰電力充電ステップまたは昼追加充電ステップにおいて、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超えないように蓄電池15を規定の充電量になるまで充電させ、朝放電ステップおよび夜放電ステップにおいて、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超えたときに蓄電池15を放電させる。
つまり、電力管理装置1は、負荷3で消費される電力が増加する前に蓄電池15を規定の充電量になるまで充電させ、また、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超えたときに蓄電池15を放電させるので、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超えた状態が継続しないため、電気事業者に支払う電気料金を抑制することができる。
ここで、蓄電池15の容量が決定される手順について説明する。蓄電池15の容量は、第2の制御により蓄電池15から放電される電力量を予測し、当該予測される電力量に基づいて決定される。例えば、蓄電池15の容量は、朝放電ステップにおける朝放電電力量E2と、夜放電ステップにおける夜放電電力量E5との多い方の容量に基づいて決定される。
本発明の実施の形態1は、蓄電池15のサイズを小さくして、蓄電池15の省スペース化を図り、電力管理装置1を安価に提供するために、蓄電池15の容量は少ないほうが好ましい。
朝放電電力量E2は、図5に示すように、雨の日が最も多く、約0.7kWhである。また、夜放電電力量E5は、天気による差はなく、約0.8kWhである。したがって、本発明の実施の形態1において、蓄電池15の容量は、夜放電電力量E5に基づいて決定される。
また、蓄電池15の容量c1は、(3)式に示すように、蓄電池15から放電される電力量である夜放電電力量E5と、充放電効率(η)と、放電深度(DOD(Depth Of Discharge))とに基づいて決定される。
c1=E5÷η÷DOD (Wh) ・・・(3)
充放電効率(η)は、蓄電池15の種類および性能と、双方向コンバータ141および蓄電池用インバータ142の電力変換効率にて決定される。具体的には、充放電効率(η)は、充電電力量と放電電力量の比率で表される。放電深度(DOD)は、定格容量に対する放電量の比により蓄電池15の放電状態を表す数値であり、JIS D0114に定義されている。
ここで、充放電効率(η)を「0.85」とし、放電深度(DOD)を「0.7」とすると、蓄電池15の容量c1は、(4)式のように算出される。なお、夜放電電力量E5は、上述したように、約0.8kWhである。
c1=0.8÷0.85÷0.7≒1.344 (kWh) ・・・(4)
よって、本発明の実施の形態1の場合には、蓄電池15の容量は、1.344kWhに決定される。なお、蓄電池15の経年劣化、蓄電池15の信頼性なども考慮して、蓄電池15の容量は余裕をもって、例えば、1.5kWhなどに決定されてもよい。
また、上述した充放電効率(η)の値および放電深度(DOD)の値は、一例であって、蓄電池15の種類および性能などにより決定される。
ここで、受電電力設定値、第1時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻、および第2時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻の設定について説明する。受電電力設定値は、電気料金を抑制しつつ、蓄電池15の容量を小さくするために、適した値に設定されることが好ましい。また、第1時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻と、第2時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻とについても、電気料金を抑制できる時刻に設定されることが好ましい。
例えば、受電電力設定値が当該適した値よりも低く設定された場合には、電力系統2から供給される電力が少なくなるので、電気料金を抑制することができるが、蓄電池15から放電される電力量である朝放電電力量E2および夜放電電力量E5が多くなるため、容量の大きな蓄電池15が必要となる。
一方、受電電力設定値が当該適した値よりも高く設定された場合には、蓄電池15から放電される朝放電電力量E2および夜放電電力量E5が少なくなるため、蓄電池15の容量は小さいものでよいが、電力系統2から供給される電力が多くなり、電気料金の抑制が困難になる。
しかしながら、電力管理装置1を設置した時点では、過去の情報がないため、受電電力設定値、第1時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻、および第2時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻を適した値に設定することが困難である。
そこで、設定部144は、予め定めた期間における蓄電池15の充電および放電の結果に基づいて、受電電力設定値と、第1時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻と、第2時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻とを再設定する構成が考えられる。予め定めた期間とは、再設定を実行する期間であり、例えば、半年間または1年間などである。
上述したように、記憶部145には、深夜充電ステップにより蓄電池15に充電したときの充電時間および充電量などの情報、朝放電ステップにより蓄電池15を放電したときの放電時間および放電量などの情報、余剰電力充電ステップにより蓄電池15を充電したときの充電時間および充電量などの情報、昼追加充電ステップにより蓄電池15を充電したときの充電時間および充電量などの情報、夜放電ステップにより蓄電池15を放電したときの放電時間および放電量などの情報が記憶されている。
設定部144は、例えば、予め定めた期間における各ステップの情報を記憶部145から読み出し、読み出した情報を表示部または外部端末装置に出力する。ユーザは、表示部または外部端末装置に表示されている各ステップによる情報を閲覧して、受電電力設定値と、第1時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻と、第2時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻とを適した値に再設定する。
つぎに、本発明の実施の形態1を適用した場合に予想される電気料金と、本発明の実施の形態1を適用しない場合に予想される電気料金とについて、図7を用いて説明する。本発明の実施の形態1にかかる蓄電池15の充電および放電の制御を行った場合を実施例1に示す。また、本発明の実施の形態1にかかる蓄電池15の充電および放電の制御を行わなかった場合を比較例1および比較例2に示す。なお、比較例1における電気事業者との契約条件は、実施例1と同じである。また、比較例2における電気事業者との契約条件は、実施例1と異なる。実施例1、比較例1および比較例2では、蓄電池15の容量を1.5kWhとした。
図7は、実施例1、比較例1および比較例2におけるそれぞれの昼間消費電力量、夜間消費電力量、発電電力量、昼間購入電力量、夜間購入電力量、売電電力量、昼間購入電力量料金、夜間購入電力量料金、購入電力量料金合計、売電電力量料金、基本料金、電気料金を示す。
ここで、実施例1および比較例1における電気事業者との契約条件は、以下を想定する。
・料金プラン:時間帯別低圧契約
・基本料金:実量契約(450円/kW)
・電力量料金 昼間(7時から翌日の1時まで):25円33銭/kWh
夜間(1時から7時まで):17円46銭/kWh
・太陽光発電による余剰電力の電気事業者による購入額:10円/kWh
料金プランにおける時間帯別低圧契約とは、受電する時間により料金単価が異なる契約をいう。時間帯別低圧契約において、一般に深夜の料金単価は、昼間の電力量の料金単価に比べて安価である。
実施例1のピーク電力は、5kWとする。また、比較例1のピーク電力は、6kWとする。実施例1および比較例1の1kWあたりの料金単価は、450円とする。また、実施例1の受電電力設定値は、2.4kWであり、ピーク電力である5kWの1/2よりも小さい値である。
太陽光発電による余剰電力の購入額は、太陽光発電の余剰電力買取制度による買取期間が終了した後の購入額を想定している。
また、比較例2における電気事業者との契約条件は、以下を想定する。
・料金プラン:従量電灯契約
・基本料金:サービスブレーカまたは主開閉器契約(280円80銭/10A)
・電力量料金 月400kWhまで:23円40銭/kWh
月400kWh超:30円02銭/kWh
・太陽光発電による余剰電力の電気事業者による購入額:10円/kWh
料金プランにおける従量電灯契約とは、毎月の電気料金が電気の使用量によって決定される契約である。
基本料金におけるサービスブレーカまたは主開閉器契約とは、ユーザの申し出により利用可能な電流値を申告する契約である。サービスブレーカまたは主開閉器契約において、契約した電流値を超えた場合には、ブレーカ等が開放されて電力の供給が停止される。比較例2において、サービスブレーカまたは主開閉器契約における契約電流は、60Aとする。
比較例2のひと月あたりの基本料金は、280円80銭/10Aにより計算する。太陽光発電による余剰電力の購入額は、実施例1と同様に、太陽光発電の余剰電力買取制度による買取期間が終了した後の購入額を想定している。
なお、負荷3で消費される電力は、日ごとに変わり、また、季節によっても変わるものであり、一定ではない。実施例1、比較例1および比較例2において、説明を簡略化するため、負荷3で消費される電力は、1年間変化しないものとし、図3、図4および図5に示す消費電力波形Aに基づいて試算したものである。
ここで、図7に示す各項目について説明する。昼間消費電力量とは、7時から翌日の1時の間に負荷3で消費される1年間の電力量である。夜間消費電力量とは、1時から7時の間に負荷3で消費される1年間の電力量である。実施例1および比較例1において、契約条件により昼間と夜間において電力量料金が異なるため、1年間の昼間消費電力量は、「14,206kWh」とし、1年間の夜間消費電力量は、「3,807kWh」とした。また、比較例2において、昼間と夜間において電力量料金が異ならないため、1年間の消費電力量は、「18,013kWh」とした。
発電電力量とは、発電部11で発電される電力量である。実施例1、比較例1および比較例2の1年間の発電電力量は、それぞれ「4,484kWh」とした。実施例1において、発電電力量「4,484kWh」のうち、「1,030kWh」を電気事業者に売電し、「3,454kWh」を負荷3で消費するものとした。また、比較例1および比較例2において、発電電力量「4,484kWh」のうち、「1,313kWh」を電気事業者に売電し、「3,171kWh」を負荷3で消費するものとした。
昼間購入電力量とは、7時から翌日の1時の間に電気事業者から購入する電力量である。夜間購入電力量とは、1時から7時の間に電気事業者から購入する電力量である。実施例1の1年間の昼間購入電力量は、「10,547kWh」とした。また、実施例1の1年間の夜間購入電力量は、負荷3で消費される電力量と蓄電池15に充電するための電力量との合計で「4,017kWh」とした。
また、比較例1の1年間の昼間購入電力量は、昼間消費電力量「14,206kWh」から発電部11で発電された電力量のうち、負荷3で消費される電力量「3,171kWh」を減算することにより、「11,035kWh」である。また、比較例1の1年間の夜間購入電力量は、夜間消費電力量「3,807kWh」と同じである。
また、比較例2の1年間の購入電力量は、比較例1と同じで、昼間購入電力量「11,035kWh」と夜間購入電力量「3,807kWh」を加算することにより、「14,842kWh」である。
売電電力量とは、発電部11で発電される電力量のうち、電気事業者に売電する電力量である。実施例1の1年間の売電電力量は、上述したように、「1,030kWh」である。比較例1および比較例2の1年間の売電電力量は、上述したように、「1,313kWh」である。
昼間購入電力量料金とは、7時から翌日の1時の間に使用した電力量に基づいて請求される電力量料金である。夜間購入電力量料金とは、1時から7時の間に使用した電力量に基づいて請求される電力量料金である。
実施例1の1年間の昼間購入電力量料金は、昼間購入電力量「10,547kWh」に昼間の電力量料金「25円33銭」を乗算することにより、約「267,156円」である。実施例1の1年間の夜間購入電力量料金は、夜間購入電力量「4,017kWh」に夜間の電力量料金「17円46銭」を乗算することにより、約「70,137円」である。
比較例1の1年間の昼間購入電力量料金は、昼間購入電力量「11,035kWh」に昼間の電力量料金「25円33銭」を乗算することにより、約「279,517円」である。比較例1の1年間の夜間購入電力量料金は、夜間購入電力量「3,807kWh」に夜間の電力量料金「17円46銭」を乗算することにより、約「66,470円」である。
比較例2において、月に400kWhまでの電気料金は、「23円40銭/kWh」により算出する。当該条件により算出される料金を昼間購入電力量料金とする。比較例2のひと月分の昼間購入電力量料金は、「400kWh」に「23円40銭/kWh」を乗算することにより、「9,360円」である。よって、比較例2の1年間の昼間購入電力量料金は、「9,360円×12か月=112,320円」である。
また、比較例2において、月に400kWhを超える電気料金は、「30円02銭/kWh」により算出する。当該条件により算出される料金を夜間購入電力量料金とする。比較例2の1年間の夜間購入電力量料金は、購入電力量「14,842kWh」から「4800kWh」を減算し、減算した電力量「10,042kWh」に「30円02銭/kWh」を乗算することにより、約「301,461円」である。
購入電力量料金合計とは、昼間購入電力量料金と夜間購入電力量料金との合計である。実施例1の1年間の購入電力量料金合計は、昼間購入電力量料金「267,156円」と夜間購入電力量料金「70,137円」との合計により、「337,293円」である。
比較例1の1年間の購入電力量料金合計は、昼間購入電力量料金「279,517円」と夜間購入電力量料金「66,470円」との合計により、「345,987円」である。
比較例2の1年間の購入電力量料金合計は、昼間購入電力量料金「112,320円」と夜間購入電力量料金「301,461円」との合計により、「413,781円」である。
売電電力量料金とは、電気事業者に売電する電力量の料金である。実施例1の1年間の売電電力量料金は、売電する電力量「1,030kWh」に太陽光発電による余剰電力の購入額「10円/kWh」を乗算することにより、「10,300円」である。比較例1および比較例2の1年間の売電電力量料金は、売電する電力量「1,313kWh」に太陽光発電による余剰電力の購入額「10円/kWh」を乗算することにより、「13,130円」である。
基本料金は、契約によって算出される料金である。実施例1および比較例1において、基本料金は、実量契約によって算出される。1kWあたりの単価は、450円である。実施例1のひと月の基本料金は、1kWあたりの単価「450円」にピーク電力「5kW」を乗算することにより、「2,250円」である。よって、実施例1の1年間の基本料金は、「2,250円×12か月=27,000円」である。
また、比較例1において、ピーク電力は、6kWとする。比較例1のひと月の基本料金は、1kWあたりの単価「450円」にピーク電力「6kW」を乗算することにより、「2,700円」である。よって、比較例1の1年間の基本料金は、「2,700円×12か月=32,400円」である。
比較例2において、基本料金は、サービスブレーカまたは主開閉器契約により算出する。10Aあたりの単価は、280円80銭である。比較例2のひと月の基本料金は、10Aあたりの単価「280円80銭」に「6A」を乗算することにより、「1,684.8円」である。よって、比較例2の1年間の基本料金は、「1,684.8円×12か月=20,218円」である。
実施例1の1年間の電気料金は、基本料金「27,000円」と購入電力量料金合計「337,293円」とを加算して、売電電力量料金「10,300円」を減算することにより、「353,993円」である。
比較例1の1年間の電気料金は、基本料金「32,400円」と購入電力量料金合計「345,987円」とを加算して、売電電力量料金「13,130円」を減算することにより、「365,257円」である。
比較例2の1年間の電気料金は、基本料金「20,218円」と購入電力量料金合計「413,781円」とを加算して、売電電力量料金「13,130円」を減算することにより、「420,869円」である。
ここで、実施例1と比較例1とを対比する。1年間の売電電力量料金は、比較例1の方が実施例1よりも「2,830円」高い。一方、1年間の基本料金は、実施例1の方が比較例1よりも「5,400円」安い。また、1年間の購入電力量料金合計は、実施例1の方が比較例1よりも「8,694円」安い。1年間の電気料金は、実施例1の方が比較例1よりも「11,264円」安い。
つぎに、実施例1と比較例2とを対比する。1年間の売電電力量料金は、比較例2の方が実施例1よりも「2,830円」高い。また、1年間の基本料金は、比較例2の方が実施例1よりも「6,782円」安い。一方、1年間の購入電力量料金合計は、実施例1の方が比較例2よりも「76,488円」安い。1年間の電気料金は、実施例2の方が比較例1よりも「66,876円」安い。
よって、本発明の実施の形態1にかかる実施例1は、比較例1および比較例2に比べて、電気料金を抑制することができる。
実施の形態2.
実施の形態1において、蓄電池15の充電および放電を制御する充放電部14を備える電力管理装置1の構成および動作について説明したが、実施の形態2は、充放電部14の機能を備えたパワーコンディショナ21によって蓄電池15の充電および放電を制御する電力管理装置4の構成と動作について説明する。以下では、実施の形態1にかかる電力管理装置1の構成と同一の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
図8は、本発明の実施の形態2にかかる電力管理装置4の構成を示す図である。電力管理装置4は、太陽光などの再生可能エネルギーに基づいて電力を発電する発電部11と、電力を負荷3に供給する分電盤13と、電力を蓄える蓄電池15と、分電盤13と電力系統2との間の受電点に配置され、受電点に流れる電流を計測するセンサ16とを備える。電力管理装置4は、発電部11で発電された直流電圧を電力系統2から供給される交流電圧と同じ電圧および周波数に変換し、変換した交流電圧を分電盤13に供給し、また、蓄電池15の充電および放電を制御するパワーコンディショナ21を備える。
ここで、パワーコンディショナ21の具体的な構成と動作とについて説明する。図9は、パワーコンディショナ21の構成を示す図である。
パワーコンディショナ21は、発電部11で発電された直流電圧を予め定められた直流電圧に変換するコンバータ121と、直流電圧を交流電圧に変換し、また、交流電圧を直流電圧に変換するインバータ151とを備える。パワーコンディショナ21は、コンバータ121と発電部11との間に設置され、電力を計測するセンサ124と、インバータ151と分電盤13との間に設置され、電力を計測するセンサ125と、インバータ151とセンサ125との間に設置され、閉状態と開状態とを切り替える連系リレー126とを備える。パワーコンディショナ21は、設定を行う設定部144と、設定部144により設定された設定情報を記憶する記憶部145と、蓄電池15と双方向コンバータ153との間に設置され、電力を計測するセンサ146と、外部に報知する報知部149と、コンバータ121およびインバータ151を制御する第3制御部152と、直流電圧を予め定められた直流電圧に変換する双方向コンバータ153とを備える。
ここで、インバータ151の動作について説明する。インバータ151は、実施の形態1にかかる電力管理装置1のインバータ122および蓄電池用インバータ142の動作を行う。
インバータ151は、コンバータ121から供給された直流電圧を交流電圧に変換し、変換した交流電圧を分電盤13に供給する。インバータ151は、双方向コンバータ153から供給された直流電圧を交流電圧に変換し、変換した交流電圧を分電盤13に供給する。また、インバータ151は、分電盤13から供給された交流電圧を直流電圧に変換し、変換した直流電圧を双方向コンバータ153に供給する。
つぎに、第3制御部152の動作について説明する。第3制御部152は、実施の形態1にかかる電力管理装置1の第1制御部123および第2制御部143の動作を行う。
第3制御部152は、センサ124により計測された電力に基づいて、発電部11から供給される直流電圧がインバータ151に適した直流電圧に変換されるようにコンバータ121を制御する。なお、インバータ151に適した直流電圧とは、インバータ151の定格電圧である。
第3制御部152は、センサ125により計測された電力に基づいて、コンバータ121から供給される直流電圧が電力系統2から供給される交流電圧と同じ電圧および周波数に変換されるようにインバータ151を制御する。
また、第3制御部152は、単独運転を防止する機能を有している。第3制御部152は、センサ125により計測される電流および電圧を監視し、電力系統2から供給されている電力に異常を検出した場合、連系リレー126を閉状態から開状態に切り替えるように制御する。異常を検出した場合とは、例えば、電力系統2から供給されている電力の周波数が予め定められている値よりも上昇または下降したことを検出した場合、過電圧または不足電圧を検出した場合、停電を検出した場合などである。
また、第3制御部152は、第1の制御、第2の制御、第3の制御、および第4の制御により、蓄電池15の充放電を制御する。
蓄電池15の放電の動作について説明する。第3制御部152は、センサ146により計測された電力に基づいて、蓄電池15から放電される直流電圧がインバータ151に適した直流電圧に変換されるように双方向コンバータ153を制御する。インバータ151に適した直流電圧とは、インバータ151の定格電圧である。
また、第3制御部152は、センサ125により計測された電力に基づいて、双方向コンバータ153から供給される直流電圧が電力系統2から供給される交流電圧と同じ電圧および周波数に変換されるようにインバータ151を制御する。
つぎに、蓄電池15の充電の動作について説明する。第3制御部152は、センサ125により計測された電力に基づいて、分電盤13から供給される交流電圧が双方向コンバータ153に適した直流電圧に変換されるようにインバータ151を制御する。なお、双方向コンバータ153に適した直流電圧とは、双方向コンバータ153の定格電圧である。
第3制御部152は、センサ146により計測された電力に基づいて、インバータ151から供給される直流電圧が蓄電池15に適した直流電圧に変換されるように双方向コンバータ153を制御する。蓄電池15に適した直流電圧とは、蓄電池15の定格電圧である。なお、インバータ151が、蓄電池15に適した直流電圧を供給できれば、双方向コンバータ153を省略できる。
ここで、電力管理装置4による深夜充電ステップ、朝放電ステップ、余剰電力充電ステップ、昼追加充電ステップ、および、夜放電ステップの動作について説明する。
深夜充電ステップにおいて、第3制御部152は、第1時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻が到来した場合、インバータ151と双方向コンバータ153とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超えないように、電力系統2から供給される電力で蓄電池15を充電させる。
具体的には、インバータ151は、電力系統2から供給される交流電圧を直流電圧に変換し、変換した直流電圧を双方向コンバータ153に供給する。双方向コンバータ153は、インバータ151から供給された直流電圧を蓄電池15の充電に適した直流電圧に変換し、変換した直流電圧で蓄電池15を充電する。
朝放電ステップにおいて、第3制御部152は、負荷3で消費される電力が大きくなる朝の時間帯において、インバータ151と双方向コンバータ153とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超えないように、蓄電池15を放電させる。
具体的には、双方向コンバータ153は、蓄電池15から放電される直流電圧をインバータ151に適した直流電圧に変換し、変換した直流電圧をインバータ151に供給する。インバータ151は、双方向コンバータ153から供給された直流電圧を電力系統2から供給される交流電圧と同じ電圧および周波数に変換し、変換した交流電圧を分電盤13に供給する。分電盤13は、インバータ151から供給された交流電圧を負荷3に供給する。
余剰電力充電ステップにおいて、第3制御部152は、太陽光の日射が強い時間帯に、パワーコンディショナ21から供給される交流電力が負荷3に供給する電力を上回って余剰電力が発生した場合に、コンバータ121と双方向コンバータ153とを制御し、余剰電力で蓄電池15を充電させる。
具体的には、コンバータ121は、発電部11で発電された直流電圧を双方向コンバータ153に適した直流電圧に変換し、変換した直流電圧を双方向コンバータ153に供給する。双方向コンバータ153は、コンバータ121から供給された直流電圧を蓄電池15の充電に適した直流電圧に変換し、変換した直流電圧で蓄電池15を充電する。
よって、電力管理装置4は、電力管理装置1のように発電部11で発電された直流電圧をインバータ122によって交流電圧に変換しないため、電力管理装置1に比べて、電力変換効率が向上する効果がある。
昼追加充電ステップにおいて、第3制御部152は、第2時間帯において蓄電池15に充電を始める時刻が到来した場合であって、蓄電池15が規定の充電量に達していない場合、インバータ151と双方向コンバータ153とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超えないように、電力系統2から供給される電力で蓄電池15を充電させる。
具体的には、インバータ151は、電力系統2から供給される交流電圧を直流電圧に変換し、変換した直流電圧を双方向コンバータ153に供給する。双方向コンバータ153は、インバータ151から供給された直流電圧を蓄電池15の充電に適した直流電圧に変換し、変換した直流電圧で蓄電池15を充電する。
夜放電ステップにおいて、第3制御部152は、負荷3で消費される電力が大きくなる夜の時間帯において、インバータ151と双方向コンバータ153とを制御し、電力系統2から供給される電力が受電電力設定値を超えないように、蓄電池15を放電させる。
具体的には、双方向コンバータ153は、蓄電池15から放電される直流電圧をインバータ151に適した直流電圧に変換し、変換した直流電圧をインバータ151に供給する。インバータ151は、双方向コンバータ153から供給された直流電圧を電力系統2から供給される交流電圧と同じ電圧および周波数に変換し、変換した交流電圧を分電盤13に供給する。分電盤13は、インバータ151から供給された交流電圧を負荷3に供給する。
また、電力管理装置1,4は、図3、図4、および図5に示すように、負荷3の消費電力のピーク負荷時が一日に2度存在する場合において、第1の制御、第2の制御、第3の制御、および第4の制御を行うことにより、電気料金を抑制する効果を発揮する。
なお、実施の形態1および実施の形態2において、太陽光を用いて発電された電力を利用する例を示したが、太陽光発電に限らず、風力、水力、地熱、バイオマスなどを用いて発電された電力を利用してもよい。
また、電力管理装置1,4は、住宅、店舗、事業所などに適用することができる。なお、大規模な工場などにおいて、発電設備の規模、および、蓄電池の容量が住宅などに比べて大きくなるが、電力管理装置1,4を適用することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。