JP2019079701A - 亜鉛負極二次電池用セパレータの製造方法及び亜鉛負極二次電池用セパレータ - Google Patents

亜鉛負極二次電池用セパレータの製造方法及び亜鉛負極二次電池用セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】金属イオン吸着剤及び又は層状複水酸化を含有すると共に、二次電池製造時の工程容易性を確保することのできる、亜鉛負極二次電池用セパレータの製造方法と、金属イオン吸着剤及び層状複水酸化を含有すると共に、二次電池の寿命性能の向上と自己放電の抑制をすることのできる、亜鉛負極二次電池用セパレータ、を提供する。【解決手段】金属イオン吸着剤及び又は層状複水酸化物を含む分散液を不織布に含浸させる含浸工程と、分散液を含浸した不織布を乾燥させる乾燥工程と、を備える、亜鉛負極二次電池用セパレータの製造方法と、当該亜鉛負極二次電池用セパレータを備える亜鉛負極二次電池。【選択図】図1

Description

本発明は、亜鉛負極二次電池用セパレータの製造方法及び亜鉛負極二次電池用セパレータに関する。
ニッケル亜鉛二次電池のサイクル耐久性向上技術として、負極に電解液保持能力の大きな含液材を圧入し、正極に合成樹脂の多孔性不織布と微多孔性合成樹脂フィルムを配設することが知られている(例えば、特許文献1)。同文献においては、亜鉛デンドライトによる電池機能低下抑制と電解液量が少量に限定された場合でも放電時に亜鉛活物質の利用率低下を抑制するべく、正極負極間のセパレータ構成の改良が記載されている。
リチウムイオン電池の短絡防止技術として、不純物金属トラップ素材(イモゴライト)層を添加することが知られている(例えば、参考文献1:日立化成株式会社テクニカルレポート55号(2013年1月))。同文献においては、リチウムイオン電池に含まれる不純物金属(Cu等)に起因する微短絡を抑制すべく、不純物金属トラップ素材(イモゴライト)層を正極活物質に添加することが記載されている。
ニッケル亜鉛二次電池用セパレータとして、ポリマーと無機化合物とを含むアニオン伝導膜を、不織布等に積層した積層体が知られている(例えば、特許文献2)。同文献においては、亜鉛デンドライトによる電池機能低下を抑制するべく、セパレータが層状複水酸化物を含み得ることが記載されている。
特開昭52−9836号公報 特開2015−95286号公報
ニッケル亜鉛電池に用いるニッケル正極は充放電サイクル、過放電及び過充電により、正極の導電助剤(Co等)または不純物金属が電解液内へと溶出し、溶出した金属がセパレータを介して負極に到達すると、負極の水素化電圧の低下や自己放電量の増加を引き起こす。このため、金属イオンを負極へ到達させない工夫が必要である。
更に、特許文献2のような積層体は、必然的にアシンメトリーな構造を有するため、二次電池中に表裏を決めて組み込む等の作業が必要である。このような作業は、二次電池の製造工程を徒に煩雑にしてしまう虞がある。
そこで本発明は、自己放電を抑制するための金属イオン吸着剤を含有すると共に、二次電池製造時の工程容易性を確保することのできる、亜鉛負極二次電池用セパレータの製造方法、及び亜鉛負極二次電池用セパレータを提供することを目的とする。
本発明は、金属イオン吸着剤を含む分散液を不織布に含浸させる含浸工程と、分散液を含浸した前記不織布を乾燥させる乾燥工程と、を備える、亜鉛負極二次電池用セパレータ(負極が亜鉛極である二次電池用セパレータ)の製造方法、を提供する。本発明によれば、二次電池製造時の工程容易性を確保することができるセパレータを製造できる。本発明により得られるセパレータは、不織布中に金属イオン吸着剤が分散して担持されたシンプルな構成であり、機能上も外観上もシンメトリーな構造を有している。したがって、二次電池中に組み込む際にセパレータの表裏に注意を払う必要がなく、二次電池の製造工程の煩雑化を抑制することができる。
本発明において、分散液中の金属イオン吸着剤の含有量が、分散液の全質量を基準として1〜99質量%であることが好ましい。これにより、良好な分散性、良好な含浸性、セパレータ作製方法の簡便性等をより達成し易くなるため、含浸工程をより好適に実施することができる。
本発明は、また、分散液中の層状複水酸化物の含有量が、分散液の全質量を基準として1〜99質量%であることが好ましい。これにより、良好な分散性、良好な含浸性、セパレータ作製方法の簡便性等をより達成し易くなるため、含浸工程をより好適に実施することができる。
本発明は、また、不織布と、該不織布中に担持された金属イオン吸着剤とを備える、亜鉛負極二次電池用セパレータを提供する。本発明によれば、二次電池中に組み込む際にセパレータの表裏に注意を払う必要がなく、二次電池の製造工程の煩雑化を抑制することができる。
本発明は、また、不織布と、該不織布中に担持された層状複水酸化物とを備える、亜鉛負極二次電池用セパレータを提供する。本発明によれば、二次電池中に組み込む際にセパレータの表裏に注意を払う必要がなく、二次電池の製造工程の煩雑化を抑制することができる。
本発明において、金属イオン吸着剤の含有量が、セパレータの全質量を基準として1〜99質量%であることが好ましい。
本発明において、層状複水酸化物の含有量が、セパレータの全質量を基準として1〜99質量%であることが好ましい。
本発明のセパレータは、ニッケル亜鉛二次電池用セパレータとして好適に用いることができる。
本発明によれば、サイクルに伴う自己放電を抑制するための金属イオン吸着剤及び又は亜鉛のデンドライトを抑制するための層状複水酸化物を含有すると共に、二次電池製造時の工程容易性を確保することのできる、亜鉛負極二次電池用セパレータの製造方法、及び亜鉛負極二次電池用セパレータを提供することができる。
実施例及び比較例の充放電サイクル試験の結果を示す
本実施形態のセパレータは、亜鉛負極二次電池に組み込まれる亜鉛負極二次電池用セパレータである。まず、当該二次電池がニッケル亜鉛二次電池である場合を例にとり説明する。
[ニッケル亜鉛二次電池]
ニッケル亜鉛二次電池は、正極又は負極の一方の極としてニッケル(Ni)極と、正極又は負極の他方の極として亜鉛(Zn)極と、両極の間にセパレータと、さらにこれらが浸漬するアルカリ水溶液からなる電解液と、から少なくとも構成される。セパレータは正極と負極とを電気的に絶縁すると共に、微多孔を通じてOH-イオンを導通する役割を担う。ニッケル亜鉛二次電池の電池反応の一例を以下に示す(放電反応:右向き、充電反応:左向き)。
(正極)2NiOOH+2H2O+2e- → 2Ni(OH)2+2OH-
(負極)Zn+2OH-→Zn(OH)2+2e-
(全体)2NiOOH+Zn+2H2O → 2Ni(OH)2+Zn(OH)2
(ニッケル極)
ニッケル極は、集電体と、集電体上に、水酸化ニッケル粒子を主成分とする活物質、添加剤、結着剤等を含む活物質層とを備える。水酸化ニッケル粒子の原料となる水酸化ニッケルには、コバルト、亜鉛、カドミウム、マグネシウム、ジルコニウム等が固溶されていてもよい。また、水酸化ニッケル粒子の表面は、コバルト化合物等で被覆されていてもよい。
添加剤としては、金属コバルト、酸化コバルト、水酸化コバルト等のコバルト化合物、金属ニッケル、金属亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等の亜鉛化合物、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム化合物、希土類金属、希土類金属化合物、などが挙げられる。添加剤の添加量は、例えば活物質100質量部に対して、0.05〜30質量部とすることができる。
結着剤としては、親水性又は疎水性のポリマー等が挙げられる。より具体的には、結着剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸ナトリウム(SPA)等が挙げられる。また、結着剤として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素系ポリマーを用いることもできる。結着剤の添加量は、例えば活物質100質量部に対して、0.01〜1.0質量部とすることができる。
集電体としては、例えば、銅箔、電解銅箔、銅メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡銅、パンチング銅、真鍮等の銅合金、真鍮箔、真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡真鍮、パンチング真鍮、ニッケル箔、ニッケルメッシュ、耐食性ニッケル、ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)、パンチングニッケル、発泡ニッケル、金属亜鉛、耐食性金属亜鉛、亜鉛箔、亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)、鋼板、パンチング鋼板、銀箔などが挙げられる。これらの集電体材料には、Ni、Zn、Sn、Pb、Hg、Bi、In、Tl等の元素がさらに添加されていてもよく、また集電体材料表面にはNi、Zn、Sn、Pb、Hg、Bi、In、Tl等によるメッキが施されていてもよい。
(亜鉛極)
亜鉛極は、集電体と、集電体上に、亜鉛及び酸化亜鉛粒子を主成分とする活物質、添加剤、結着剤等を含む活物質層とを備える。
添加剤としては、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化タリウム等の亜鉛の還元電位より貴である金属酸化物、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の湿潤性の高い金属酸化物、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、フッ化カリウム、フッ化カルシウム等のフッ素化合物等が挙げられる。添加剤の添加量は、例えば活物質100質量部に対して、1〜20質量部とすることができる。
結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。結着剤の添加量は、例えば活物質100質量部に対して、0.5〜10質量部とすることができる。なお、亜鉛極においては、これらの結着剤に代えて、ポリエチレン、ポリプロピレン、酸化アルミニウム等から成るファイバー(繊維)を用いることもできる。
電解液としては、例えば、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ水溶液が挙げられる。
(セパレータ)
セパレータ(ニッケル亜鉛二次電池用セパレータ)としては、不織布と、該不織布中に担持された金属イオン吸着剤及び又は層状複水酸化物とを備える、本実施形態のセパレータが使用される。本実施形態のセパレータは金属イオン吸着剤を備えていることから、充放電サイクル、過放電及び過充電に伴う正極の導電助剤(Co等)または不純物金属が電解液内へと溶出された金属イオンの吸着性能を有する。すなわち、溶出した金属イオンがセパレータを介して負極に到達することを抑制することで、負極の水素化電圧の低下や自己放電量の増加を抑制することができる。
また、本実施形態のセパレータは層状複水酸化物を備えていることから、透過するアニオンの選択性を有する。すなわち、水酸化物イオン等のアニオンは当該セパレータを透過し易い一方で、アニオンであってもイオン半径の大きな、活物質に由来する金属含有イオン(Zn(OH)4 2-)等は当該セパレータを透過し難い。これにより、充放電による亜鉛極表面からの亜鉛デンドライトの成長を抑制することができる。
不織布としては、不織布に通常使用される繊維から加工されるものであれば特に制限されない。そのような繊維としては、セルロース繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維(ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等)、レーヨン繊維などが挙げられる。製造方法は特に限定されず、例えば繊維からフリースを形成し、形成したフリースを結合する工程を備える、一般的な方法が挙げられる。
不織布の厚さは、電池のオーミック抵抗低減、高エネルギー密度化等の観点から、5〜300μmとすることができる。ここでいう厚さは、膜厚計を用いて測定された異なる10点の厚さの平均値とする。
不織布の空隙率は、充放電反応に必要な電解液量の保持、電池反応時の物質移動等を容易にする観点から、10〜95体積%とすることができる。空隙率は、不織布の面積A(cm2)、厚さt(cm)、不織布の質量(g)、及び使用する繊維の密度M(g/cm3)から、下記式によって求めることができる。
空隙率(体積%)={1−B/(M×A×t)}×100
金属イオン吸着剤としては、経済性及び入手容易性に優れる化合物として、非晶質粘度鉱物、準晶質粘度鉱物、IXEPLAS−A1、IXEPLAS−A2、IXEPLAS−A1、IXEPLAS−B1(製品名、東亞合成株式会社製)等が挙げられる。
非晶質粘度鉱物、準晶質粘度鉱物としてはアルカリ電解液内で、金属イオンを吸着することができればよく、さらに吸着率が100%であるのが好ましい。また、比表面積が大きいものが吸着量、放出量が大きくなり好ましく、入手が容易で安価であれば尚好ましい。さらに鉄や銅など水素化電圧が小さく、ニッケル亜鉛電池の自己放電反応を加速させる金属を含まないものが好ましい。粘土鉱物の内、非晶質粘土鉱物であるイモゴライト、準晶質粘土鉱物であるアロフェンが特に上述した金属イオン吸着条件に適している。これら粘土鉱物の粒子は、アロフェンの粒子が直径3.0〜5.5nmの中空球状、イモゴライトの粒子が内径0.5〜1.20nm、外径1.0〜3.0nmのチューブ状をしており、粘土鉱物の中でも粒子サイズが小さく、比表面積が高い。また、上記粘度鉱物と比較して比表面積がやや劣るものの、カオリン鉱物やアルミ水酸化物といった粘土鉱物を用いることも可能である。平均粒子径は、例えば走査型電子顕微鏡(以下「SEM」と略記する。)を用いて、セパレータを直接観察することにより得ることができる。具体的には、100個の粒子について直径を測定し、測定値の平均値を平均粒子径とすることができる。
金属イオン吸着剤の散在している場所は正極板と負極板の間であり、例えば電解液中に散在していても、セパレータに固定されて散在していても、及び/または正極板の正極活物質の表面上に散在していてもよい。
層状複水酸化物としてはハイドロタルサイトが挙げられ、具体的には、例えば下記一般式(1)にて示されるハイドロタルサイト化合物が挙げられる。
[L2+ 1-x3+ x(OH)2x+[(An-x/n・mH2O]x- ・・・(1)
式(1)中、Lは2価の金属イオンを示し、具体的には、Mg2+、Fe2+、Zn2+、Ca2+、Ni2+、Co2+、Cu2+等が挙げられ、Qは3価の金属イオンを示し、具体的には、Al3+、Fe3+、Mn3+等が挙げられ、Aはn価のアニオンを示し、具体的には、OH-、SO4 2-、CO3 2-、NO3-等が挙げられる。また、同式中、xは0.2≦x≦0.33を満たし、mは0≦m≦3.5を満たす。
上記式(1)で示されるハイドロタルサイト化合物の中でも、経済性及び入手容易性に優れる化合物として、LがMg2+であり、QがAl3+であり、AがCO3 2-であるものが挙げられる。このようなハイドロタルサイト化合物としては、STABLACE
HR−1、STABLACE HR−7、STABLACE HR−P(製品名、堺化学工業株式会社)、DHT−4A、DHT−4A−2、DHT−4C、DHT−4H等(製品名、協和化学工業株式会社製)、IXE−700F(製品名、東亞合成株式会社製)等が挙げられる。
層状複水酸化物の平均粒子径は、後述する分散液中での良好な分散性と、不織布空隙への良好な充填性との観点から、0.3〜10μmとすることができる。平均粒子径は、例えば走査型電子顕微鏡(以下「SEM」と略記する。)を用いて、セパレータを直接観察することにより得ることができる。具体的には、100個の粒子について直径を測定し、測定値の平均値を平均粒子径とすることができる。
アニオンの選択性をより向上する観点で、上記式(1)で示されるハイドロタルサイト化合物を高温(例えば、500℃程度)にて焼成したものを用いることもできる。
不織布中の金属イオン吸着剤の含有量(担持量)は、金属イオン吸着性と充放電反応に必要な電解液量の保持との両立の観点から、セパレータの全質量を基準として1〜99質量%とすることができる。また、当該含有量は、セパレータの全体積を基準として1〜99体積%とすることができる。セパレータ中の金属イオン吸着剤の坦持量は、例えば熱天秤−質量分析(以下「TG−MS」と略記する。)、誘導結合プラズマ質量分析(以下「ICP−MS」と略記する。)等を用いて、不織布及び金属イオン吸着剤の質量を分離し、セパレータ中の金属イオン吸着剤の含有量を得ることができる。セパレータ中の金属イオン吸着剤が占める体積は、例えばSEMを用いて、セパレータを直接観察することにより得ることができる。具体的には、SEM画像内の不織布の繊維が占める割合と金属イオン吸着剤が占める割合から体積を算出し、SEM画像10枚当りに占める体積の平均値を金属イオン吸着剤の体積とすることができる。
不織布中の層状複水酸化物の含有量(担持量)は、アニオンの選択性と充放電反応に必要な電解液量の保持との両立の観点から、セパレータの全質量を基準として1〜99質量%とすることができる。また、当該含有量は、セパレータの全体積を基準として1〜99体積%とすることができる。セパレータ中の層状複水酸化物の坦持量は、例えば熱天秤−質量分析(以下「TG−MS」と略記する。)、誘導結合プラズマ質量分析(以下「ICP−MS」と略記する。)等を用いて、不織布及び層状複水酸化物の質量を分離し、セパレータ中の層状複水酸化物の含有量を得ることができる。セパレータ中の層状複水酸化物が占める体積は、例えばSEMを用いて、セパレータを直接観察することにより得ることができる。具体的には、SEM画像内の不織布の繊維が占める割合と層状複水酸化物が占める割合から体積を算出し、SEM画像10枚当りに占める体積の平均値を層状複水酸化物の体積とすることができる。
不織布中には、金属イオン吸着剤及び又は層状複水酸化物以外の化合物も担持され得る。主に正極及び負極活物質の製造時に使用する添加材であり、例えば、結着剤であるカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。これらの添加材の含有量は、セパレータの特性を阻害しない程度とすることができ、例えばセパレータの全質量を基準として0〜90質量%とすることができる。
また、ポリオレフィン系微多孔膜、ナイロン系微多孔膜、耐酸化性のイオン交換樹脂膜、セロハン系再生樹脂膜、無機−有機セパレータ等の他のセパレータを、本実施形態のセパレータと併用してもよい。この場合、例えば、正極及び負極をそれぞれ他のセパレータで挟み込み、これらを本実施形態のセパレータを介して積層する態様が挙げられる。他のセパレータ(例えば、親水性のポリオレフィン系微多孔膜)を併用することにより、例えば、負極の形態変化、凝集及びデンドライトの抑制、負極の導電性の向上等が達成され易くなるため、ニッケル亜鉛電池の充放電のサイクル寿命を延ばし易くなる。
[ニッケル亜鉛二次電池の製造方法]
ニッケル極及び亜鉛極の製造方法は特に限定されず、例えば次のような方法が挙げられる。すなわち、活物質層を得るための各原料と水とを混練して活物質ペーストを調製し、これを集電体上に塗布する。この際、集電体として多孔質材料を用いた場合は、孔内にも活物質ペーストが充填される。その後、これを乾燥し、さらにローラプレスによる加圧成形を行うことにより、集電体上に活物質層を備える電極が得られる。なお、活物質ペーストのみを予め圧延してシート状に形成し、これを集電体に圧着して加圧成形した後、乾燥を行うことで、電極を得ることもできる。
セパレータは、金属イオン吸着剤及び又は層状複水酸化物を含む分散液を不織布に含浸させる含浸工程と、分散液を含浸した不織布を乾燥させる乾燥工程と、を備える方法により得ることができる。
分散液は、金属イオン吸着剤及び又は層状複水酸化物と、例えば、結着剤であるカルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキシド等と、を水に添加して攪拌することで調製することができる。攪拌には、例えば乳鉢、攪拌機 MAZWLA ZZ−2221(製品名、東京理化器械株式会社)、ハイビスミックス2P−1型(製品名、プライミクス株式会社)等の機器を使用することができる。
分散液中の金属イオン吸着剤の含有量は、良好な分散性の確保、良好な含浸性、セパレータ作製方法の簡便性等の観点から、分散液の全質量を基準として1〜99質量%とすることができる。
分散液中の層状複水酸化物の含有量は、良好な分散性の確保、良好な含浸性、セパレータ作製方法の簡便性等の観点から、分散液の全質量を基準として1〜99質量%とすることができる。
分散液中の上記結着剤の含有量は、良好な分散性、良好な含浸性等の観点から、分散液の全質量を基準として0〜90質量%とすることができる。
このようにして調製した分散液を20分間〜24時間減圧して分散液中の空気を除去(脱泡)した後、不織布全体に含浸させる。含浸時間は20分間〜24時間程度とすることができる。不織布へ分散液を均一に含浸させるために、減圧しながら含浸させてもよい。
分散液を含浸した不織布がその後乾燥されることにより、本実施形態のセパレータを得ることができる。乾燥温度及び乾燥時間は、セパレータ内の水分を完全に除去すると言う観点から、それぞれ35〜60℃、20分間〜24時間とすることができる。乾燥には、例えば小型高温チャンバーST−120B1(製品名、エスペック株式会社)等の機器を使用することができる。なお、このようにして得られるセパレータは、不織布中に層状複水酸化物が分散して担持されており、機能上も外観上もシンメトリーな構造を有している。したがって、二次電池中に組み込む際にセパレータの表裏に注意を払う必要がなく、二次電池の製造工程の煩雑化を抑制することができる。
上記により得られたニッケル極及び亜鉛極を、本実施形態のセパレータを介して交互に積層し、同極性の極板同士をストラップで連結させて極板群を作製する。この極板群を電槽内に配置して未化成のニッケル亜鉛二次電池とし、これに電解液を注入して放置後、所定の条件にて充電(化成処理)を行うことで、ニッケル亜鉛二次電池を得ることができる。
なお、必要に応じ、ニッケル亜鉛電池の充放電のサイクル寿命を延ばす観点から、例えば、正極及び負極を親水性のポリオレフィン系の微多孔膜で挟み込んでもよい。
[亜鉛空気電池]
以上、本実施形態のセパレータがニッケル亜鉛二次電池に組み込まれる場合を例にとり説明をしたが、特に正極についてはニッケル極に限定されるものではない。その他の正極としては、空気極が挙げられる。
空気極としては、亜鉛空気電池に使用される公知の空気極が挙げられる。空気極は、一般的に空気極触媒、電子伝導性材料等を含んでなる。なお、電子伝導性材料としても機能する空気極触媒を用いる場合には、空気極は、そのような電子伝導性材料でありかつ空気極触媒を含んでなるものであってもよい。
空気極触媒としては、亜鉛空気電池における正極として機能するものが挙げられ、酸素を正極活物質として利用可能な種々の空気極触媒が使用可能である。空気極触媒としては、黒鉛等の酸化還元触媒機能を有するカーボン系材料、白金、ニッケル等の酸化還元触媒機能を有する金属材料、ペロブスカイト型酸化物、二酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化コバルト、スピネル酸化物等の酸化還元触媒機能を有する無機酸化物材料などが挙げられる。空気極触媒の形状は特に限定されないが、例えば粒子形状とすることができる。空気極における空気極触媒の含有量としては、空気極の合計量に対して、5〜70体積%とすることができ、5〜60体積%としてもよく、5〜50体積%としてもよい。
電子伝導性材料としては、導電性を有し、空気極触媒とセパレータとの間で電子伝導を可能とするものが挙げられる。電子伝導性材料としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類、鱗片状黒鉛のような天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等のグラファイト類、炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類、銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の金属粉末類、ポリフェニレン誘導体等の有機電子伝導性材料、これらの任意の混合物などが挙げられる。電子伝導性材料の形状は、粒子形状であってもよいし、その他の形状であってもよいが、空気極において厚さ方向に連続した相をもたらす形態で用いられるのが好ましい。例えば、電子伝導性材料は、多孔質材料であってもよい。また、電子伝導性材料は空気極触媒との混合物ないし複合体の形態であってもよく、前述したように電子伝導性材料としても機能する空気極触媒であってもよい。空気極における電子伝導性材料の含有量としては、空気極の合計量に対して、10〜80体積%とすることができ、15〜80体積%としてもよく、20〜80体積%としてもよい。
次に、下記の実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を何ら制限するものではない。
・実施例1
[ニッケル電極の作製]
多孔度95%1.6mmのスポンジ状ニッケル金属多孔体をロールプレスにより1.2mmまで調厚した。それに、平均径が20ミクロンのコバルト被覆水酸化ニッケル粉末88質量部、添加剤としてコバルト粉末8質量部、酸化コバルト2質量部、酸化亜鉛2質量部、カルボキシメチルセルロースの2質量%水溶液30質量部とを混合して作ったペースト状活物質を充填した。その後、80℃で60分乾燥し、その後ロールプレスにて0.66mmまで加圧成形して、ニッケル電極を作製した。
[亜鉛電極の作製]
酸化亜鉛粉末82質量部、亜鉛粉末10質量部、添加剤として酸化インジウム5質量部を混合した混合粉末に、PTFEを60質量%含有するPTFEディスパージョン(三井デュポンフロロケミカル社製商品名;テフロン31−JR(テフロンは登録商標))5質量部と水10質量部を加えて、乳鉢で剪断応力を加えながら15分間混練して混練物を得た。さらに水40質量部を加えて、15分間混練し活物質ペーストを得た。このペーストをローラで1.0mmまで圧延してシート化し、所定寸法に切り取った2枚のシートを集電体である0.1mmスズメッキ銅製パンチングメタルの両面に配し、加圧成形した後、乾燥して、0.4mmの亜鉛電極を作製した。
[イモゴライトの作製]
本実施例で用いたイモゴライトの製造方法を示す。濃度:700mmol/Lの塩化アルミニウム水溶液500mLに、濃度:350mmol/Lのオルトケイ酸ナトリウム水溶液500mLを加え、30分間攪拌した。この溶液に、濃度:1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を330mL加え、pH=6.1に調整した。pH調整した溶液を30分間攪拌後、遠心分離装置としてTOMY社製:Suprema23及びスタンダードロータNA−16を用い、回転速度:3,000回転/分で、5分間の遠心分離を行った。遠心分離後、上澄みを排出し、ゲル状沈殿物を純水に再分散させ、遠心分離前の容積に戻した。このような遠心分離による脱塩処理を3回行った。脱塩処理3回目の上澄み液排出後に得たゲル状沈殿物を、濃度が60g/Lとなるように純水に分散し、HORIBA社製:F−55及び電気伝導率セル:9382−10Dを用いて、常温(25℃)で、電気伝導率を測定したところ、1.3S/mであった。脱塩処理3回目の上澄み液排出後に得たゲル状沈殿物に、濃度:1mol/Lの塩酸を135mL加えてpH=3.5に調整し、30分間攪拌した。このときの溶液中のケイ素原子濃度及びアルミニウム原子濃度を、ICP発光分光装置:P−4010(株式会社日立製作所製)を用いて、常法により測定したところ、ケイ素原子濃度は213mmol/L、アルミニウム原子濃度は426mmol/Lであった。次に、この溶液を乾燥器に入れ、98℃で48時間(2日間)加熱した。加熱後溶液(アルミニウムケイ酸塩濃度47g/L)に、濃度:1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を188mL添加し、pH=9.1に調整した。pH調整により溶液中のアルミニウムケイ酸塩を凝集させ、上記同様の遠心分離でこの凝集体を沈殿させて、上澄み液を排出した。これに純水を添加して遠心分離前の容積に戻すという脱塩処理を3回行った。脱塩処理3回目の上澄み液排出後に得たゲル状沈殿物を、濃度が60g/Lとなるように純水に分散し、HORIBA社製:F−55及び電気伝導率セル:9382−10Dを用いて、常温(25℃)で電気伝導率を測定したところ、0.6S/mであった。脱塩処理3回目の上澄み液排出後に得たゲル状沈殿物を、60℃で16時間乾燥して30gのイモゴライトを得た。
[セパレータの作製]
カルボキシメチルセルロース0.09gと水7.7gを混合し、カルボキシメチルセルロース溶液を調製した。その後、イモゴライト1.5g、ポリテトラフルオロエチレン60%調整液6.5g、及び上記で調製したカルボキシメチルセルロース溶液を混合し、イモゴライト分散液を調製した。調製したハイドロタルサイト分散液は、その後脱泡のため20分間減圧され、分散液中の空気が除去された。
調製したイモゴライト分散液を、不織布VL−100(製品名、ニッポン高度紙工業株式会社製)に20分間含浸させた。その後、不織布を取り出し、小型高温チャンバーST−120B1(製品名、プライミクス株式会社)内に吊り下げて、50℃で20分間乾燥させた。これにより、不織布と、不織布中に担持されたイモゴライトとを備えるセパレータを得た。このようにして、表裏の区別をする必要のない、シンメトリーなセパレータを得た。
[ニッケル亜鉛二次電池の作製]
上記により得られたニッケル極1枚と及び亜鉛極2枚を、正極及び負極を親水化処理したポリプロピレン/ポリエチレンの微多孔膜で包んだ後、本実施形態のセパレータを介して交互に積層し、同極性の極板同士をスポット溶接で連結させて極板群を作製した。この極板群を電槽内に配置して未化成のニッケル亜鉛二次電池とし、これに電解液として水酸化リチウム1質量%を添加した水酸化カリウム30質量%水溶液を注入した後、24時間放置した。その後、15mA、15時間の条件で充電(化成処理)を行い、設計容量が約150mAhのニッケル亜鉛二次電池を作製した。
・実施例2
セパレータとして、ハイドロタルサイトを含浸させる不織布を用いたこと以外は、実施例と同様にしてニッケル亜鉛二次電池を作製した。
[セパレータの作製]
カルボキシメチルセルロース0.09gと水7.7gを混合し、カルボキシメチルセルロース溶液を調製した。その後、ハイドロタルサイト(STABLACE HR−1(製品名、堺化学工業株式会社))10.0g、ポリテトラフルオロエチレン60%調整液6.5g、及び上記で調製したカルボキシメチルセルロース溶液を混合し、ハイドロタルサイト分散液を調製した。分散液中のハイドロタルサイトの含有量は41.2質量%であった。調製したハイドロタルサイト分散液は、その後脱泡のため20分間減圧され、分散液中の空気が除去された。
調製したハイドロタルサイト分散液を、不織布VL−100(製品名、ニッポン高度紙工業株式会社製)に20分間含浸させた。その後、不織布を取り出し、小型高温チャンバーST−120B1(製品名、プライミクス株式会社)内に吊り下げて、50℃で20分間乾燥させた。これにより、不織布と、不織布中に担持されたハイドロタルサイトとを備えるセパレータを得た。セパレータ中のハイドロタルサイトの含有量は、セパレータの全質量を基準として56.1質量%であった。なお、含有量は、電子天秤GX−600(製品名、株式会社エー・アンド・デイ)により秤量した。このようにして、表裏の区別をする必要のない、シンメトリーなセパレータを得た。
・実施例3
セパレータとして、イモゴライト及びハイドロタルサイトを含浸させる不織布を用いたこと以外は、実施例と同様にしてニッケル亜鉛二次電池を作製した。
[セパレータの作製]
カルボキシメチルセルロース0.09gと水7.7gを混合し、カルボキシメチルセルロース溶液を調製した。その後、イモゴライト1.5g、ハイドロタルサイト(STABLACE HR−1(製品名、堺化学工業株式会社))8.5g、ポリテトラフルオロエチレン60%調整液6.5g、及び上記で調製したカルボキシメチルセルロース溶液を混合し、イモゴライト及びハイドロタルサイト分散液を調製した。分散液中のハイドロタルサイトの含有量は41.2質量%であった。調製したハイドロタルサイト分散液は、その後脱泡のため20分間減圧され、分散液中の空気が除去された。
調製したイモゴライト及びハイドロタルサイト分散液を、不織布VL−100(製品名、ニッポン高度紙工業株式会社製)に20分間含浸させた。その後、不織布を取り出し、小型高温チャンバーST−120B1(製品名、プライミクス株式会社)内に吊り下げて、50℃で20分間乾燥させた。これにより、不織布と、不織布中に担持されたハイドロタルサイトとを備えるセパレータを得た。セパレータ中のイモゴライトの含有量は、セパレータの全質量を基準として5.1質量%であった。セパレータ中のハイドロタルサイトの含有量は、セパレータの全質量を基準として47.7質量%であった。なお、含有量は、電子天秤GX−600(製品名、株式会社エー・アンド・デイ)により秤量した。このようにして、表裏の区別をする必要のない、シンメトリーなセパレータを得た。
・比較例
セパレータとして、イモゴライト及びハイドロタルサイトを含浸させない不織布を用いたこと以外は、実施例と同様にしてニッケル亜鉛二次電池を作製した。
[ニッケル亜鉛二次電池の自己放電性能の評価]
上記により得られたニッケル亜鉛二次電池の自己放電性能を確認するために、容量保存特性試験を実施した。容量保存特性試験の条件として、一定期間電池を開回路状態で保存し、保存前後の放電容量の維持率から自己放電性能を評価した。試験温度は25℃、保存期間は30日間、保存前後の放電容量の測定は放電電流が1Cの一定電流、放電終止電圧が1.1V、放電深度が100%、充電は充電電流が1C、充電電圧が1.9V、定電圧で4時間実施した。
表1は、試験前後の放電容量の値から算出される自己放電率の結果を示す。自己放電率は以下のとおり算出した。
自己放電率(%)=(保存前での放電容量/30日後保存後の放電容量)×100
Figure 2019079701
なお、CAは、蓄電池の充放電の特性を表す単位である。CAにおけるCは、蓄電池の放電率を表す単位であり、Aは電流値を表すアンペア等の単位を示す。放電率は、電池容量に対する放電時の電流の相対的な比率である。電池容量は、放電させて放電終止までに取り出せる電気量を示し、単位はAh(アンペアアワー)等である。1Cは、公称容量値の容量を持つ単電池を定電流放電して、1時間で放電終了となる電流値を指す。1CAは、1Cの場合に実際に流れる電流値を示す。
実施例1では、30日後の放電容量が90%に維持されたのに対し、比較例1では放電容量が85%に維持された。このように、不織布にイモゴライトを含浸させたセパレータを用いると、自己放電が抑制されていた。すなわち、実施例において、ニッケル亜鉛電池の自己放電を抑制し、保存後の放電容量を維持できることが明らかとなった。
[ニッケル亜鉛二次電池のサイクル性能の評価]
上記により得られたニッケル亜鉛二次電池の性能を確認するために、充放電サイクル試験を実施した。充放電サイクル試験の条件として、試験温度は25℃、放電は放電電流が0.5Cの一定電流、放電終止電圧が1.1V、放電深度が100%、放電後休止が1時間、充電は充電電流が1C、充電電圧が1.9V、定電圧で4時間、充電後休止1時間のサイクル試験を実施した。また、25サイクル経過毎に16時間〜24時間の休止し、休止後1回目の放電容量を比較することで、休止中の自己放電率を測定した。
図1は、実施の形態の充放電サイクル試験の結果を示す。放電容量維持率は以下のとおり算出した。
放電容量維持率(%)=(各サイクル数での放電容量/初期の放電容量)×100
また、表2は、25サイクル経過毎に16時間〜24時間の休止の間の自己放電率の結果を示す。自己放電率は以下のとおり算出した。
自己放電率(%)=(休止前での放電容量/休止後1回目の放電容量)×100
Figure 2019079701
実施例2では、充放電サイクル試験を152サイクル行ったが、放電容量は90.1%が維持された。また、25サイクル毎の16時間〜24時間での自己放電率は最大で10.8%であった。このように、不織布にハイドロタルサイトを含浸させたセパレータを用いることで、放電容量の低下が抑制されていた。すなわち、実施例において、ニッケル亜鉛電池のサイクル寿命の向上が可能であることが明らかとなった。
実施例3では、同様に充放電サイクル試験を152サイクル行ったが、放電容量は98.6%が維持された。また、25サイクル毎の16時間〜24時間での自己放電率は最大で1.3%であった。このように、不織布にイモゴライト及びハイドロタルサイトを含浸させたセパレータを用いることで、放電容量の低下と自己放電が抑制されていた。すなわち、実施例において、ニッケル亜鉛電池のサイクル寿命の向上と自己放電の抑制が可能であることが明らかとなった。
比較例1では、同様に充放電サイクル試験を152サイクル行ったが、放電容量は50.2%まで低下した。また、25サイクル毎の16時間〜24時間での自己放電率は、150サイクル後の電池電圧が0.3V付近まで低下したことから、放電容量の測定はできなかった。但し、値直前の放電電気量から、自己放電率を算出すると48.7%であった。このように、不織布にイモゴライト及び又はハイドロタルサイトを含浸させないセパレータを用いることで、電池の放電容量の維持と自己放電の抑制ができないことが明らかとなった。

Claims (6)

  1. 金属イオン吸着剤及び又は層状複水酸化物を含む分散液を不織布に含浸させる含浸工程と、分散液を含浸した前記不織布を乾燥させる乾燥工程と、を備える、亜鉛負極二次電池用セパレータの製造方法。
  2. 分散液中の金属イオン吸着剤の含有量が、分散液の全質量を基準として1〜99質量%である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 分散液中の層状複水酸化物の含有量が、分散液の全質量を基準として1〜99質量%である、請求項1に記載の製造方法。
  4. 不織布と、該不織布中に担持されたと金属イオン吸着剤を備える、亜鉛負極二次電池用セパレータ。
  5. 不織布と、該不織布中に担持されたと層状複水酸化物を備える、亜鉛負極二次電池用セパレータ。
  6. ニッケル亜鉛二次電池用セパレータである、請求項4又は5に記載のセパレータ。
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