JP2019079629A - 電源システム - Google Patents

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裕紀 小泉
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Abstract

【課題】車両の電気負荷に電力を供給するために用いられる鉛バッテリの劣化を精度良く判定できる電源システムを提供すること。【解決手段】電源システムは、車両の電気負荷に電力を供給する鉛バッテリと、鉛バッテリの状態に関する値を取得するバッテリセンサユニットと、バッテリセンサユニットによって取得された値に基づいて鉛バッテリの劣化を判定するECUと、を備える。バッテリセンサユニットは、鉛バッテリの温度の値及び鉛バッテリのSOCの値を取得し、ECUは、バッテリセンサユニットによる温度取得値及びSOCに基づいて鉛バッテリのサルフェーション劣化に起因する劣化を判定する。【選択図】図8

Description

本発明は、電源システムに関する。より詳しくは、車両の電気負荷に電力を供給する鉛バッテリを備える電源システムに関する。
車両には、エアコン、ライト、及びナビゲーションシステム等の車両補機に電力を供給するために鉛バッテリが搭載される。また車両には、発電機が搭載されており、例えばエンジンの動力を利用して発電機を駆動し、適宜鉛バッテリを充電することも可能となっている。
鉛バッテリはその使用態様に応じて劣化するところ、この鉛バッテリの充放電を効率的に制御するためには、その劣化度合いを適切に判定する必要がある。特許文献1には、鉛バッテリの劣化を判定する装置が示されている。鉛バッテリの内部抵抗は、劣化の進行と共に増加する傾向があることから、特許文献1の装置では、鉛バッテリの電流や電圧に基づいてその内部抵抗値を算出し、この内部抵抗値に基づいて劣化を判定する。
特開2016−109639号公報
しかしながら内部抵抗だけでは鉛バッテリの劣化度合いを精度良く特定することができない。また鉛バッテリは、様々な要因によって劣化が進行し、鉛バッテリの寿命を長くするために行うべき対処の具体的な内容は劣化要因によって異なるが、内部抵抗だけでは劣化要因を特定することができない。このため、内部抵抗とは別のパラメータで鉛バッテリの劣化を判定することが求められていた。
本発明は、車両の電気負荷に電力を供給するために用いられる鉛バッテリの劣化を精度良く判定できる電源システムを提供することを目的とする。
(1)本発明の電源システム(例えば、後述の電源システムS)は、車両(例えば、後述の車両V)の電気負荷(例えば、後述の第1電気負荷51、第2電気負荷52)に電力を供給する鉛バッテリ(例えば、後述のバッテリ3)と、前記鉛バッテリの状態に関する値を取得するバッテリ状態取得装置(例えば、後述のバッテリセンサユニット6)と、前記バッテリ状態取得装置によって取得された値に基づいて前記鉛バッテリの劣化を判定するバッテリ劣化判定装置(例えば、後述のECU7)と、を備え、前記バッテリ状態取得装置は、前記鉛バッテリの温度の値及び前記鉛バッテリの充電率の値を取得し、前記バッテリ劣化判定装置は、前記バッテリ状態取得装置による温度取得値及び充電率取得値に基づいて前記鉛バッテリの劣化を判定することを特徴とする。
(2)この場合、前記バッテリ劣化判定装置は、前記鉛バッテリの温度及び充電率の組み合わせと当該鉛バッテリの劣化進行度合いを示す劣化パラメータ(例えば、後述のサルフェーション劣化度)の単位時間当たりの増加分とを関連付ける関連付け手段を備え、前記温度取得値及び前記充電率取得値を前記関連付け手段に入力して得られる単位時間当たりの増加分を積算することによって前記劣化パラメータの値を算出し、当該劣化パラメータの値に基づいて前記鉛バッテリの劣化を判定することが好ましい。
(3)この場合、前記電源システムは、前記鉛バッテリに接続された発電機(例えば、後述のACG21)と、当該発電機を制御する発電機制御装置(例えば、後述のECU7)と、を備え、前記発電機制御装置は、前記バッテリ劣化判定装置によって前記鉛バッテリが劣化したと判定された場合には、前記鉛バッテリが満充電になるように前記発電機を制御することが好ましい。
(4)この場合、前記劣化パラメータは、前記鉛バッテリのサルフェーションに起因する劣化進行度合いを示すパラメータであることが好ましい。
(5)この場合、前記バッテリ状態取得装置は、前記車両が走行可能状態になってから走行不可状態になるまでの走行可能時及び前記車両が走行不可状態になってから走行可能状態になるまでのソーク時における前記鉛バッテリの温度及び充電率の値を取得することが好ましい。
(6)本発明の電源システム(例えば、後述の電源システムS)は、車両(例えば、後述の車両V)の電気負荷(例えば、後述の第1電気負荷51、第2電気負荷52)に電力を供給する鉛バッテリ(例えば、後述のバッテリ3)と、前記電気負荷に対し前記鉛バッテリと並列に接続された発電機(例えば、後述のACG21)と、前記鉛バッテリの充電率が目標充電率になるように当該発電機の発電電圧を制御する発電機制御装置(例えば、後述のECU7)と、前記鉛バッテリの状態に関する値を取得するバッテリ状態取得装置(例えば、後述のバッテリセンサユニット6)と、前記バッテリ状態取得装置によって取得された値に基づいて前記鉛バッテリの劣化を判定するバッテリ劣化判定装置(例えば、後述のECU7)と、を備え、前記バッテリ状態取得装置は、前記鉛バッテリの初期状態の電池容量に対する現在の電池容量の割合に相当する劣化度(例えば、後述のSOH)の値を取得し、前記バッテリ劣化判定装置は、前記バッテリ状態取得装置による劣化度取得値に基づいて前記鉛バッテリの劣化を判定し、前記発電機制御装置は、前記バッテリ劣化判定装置によって前記鉛バッテリが劣化したと判定された場合には、前記鉛バッテリが劣化したと判定される前よりも前記目標充電率を高くすることを特徴とする。
(1)鉛バッテリの劣化要因の1つとして、サルフェーションの進行がある。すなわち鉛バッテリでは、放電時に電極の表面に発生した硫酸鉛は、充電時に電解液に溶け込むこととなるが、長期間にわたって充放電を繰り返すと、結晶化した硫酸鉛が硬質化し、充電しても電解液に溶け込まなくなってしまい、内部抵抗が増加したり有効表面積が減少したりしてしまう。後に図6A及び図6Bを参照して説明するように、鉛バッテリのサルフェーションはその製造時点から進行し始め、またサルフェーションの進行の速度は、鉛バッテリの温度及び充電率と相関がある。そこで本発明の電源システムでは、バッテリ状態取得装置は鉛バッテリの温度の値及び充電率の値を取得し、バッテリ劣化判定装置は、これら温度取得値及び充電率取得値に基づいて鉛バッテリの劣化を判定する。従って本発明の電源システムによれば、鉛バッテリの劣化を、サルフェーションに特化してその要因から精度良く判定することができる。
(2)本発明の電源システムでは、バッテリ劣化判定装置は、バッテリ状態取得装置による温度取得値及び充電率取得値を、鉛バッテリの温度及び充電率の組み合わせと劣化パラメータの単位時間当たりの増加分とを関連付ける関連付け手段に入力することにより劣化パラメータの単位時間当たりの増加分を算出し、さらにこの増加分を積算することによって劣化パラメータの値を算出し、この劣化パラメータの値に基づいて鉛バッテリの劣化を判定する。鉛バッテリのサルフェーションの進行の速度は、鉛バッテリの温度及び充電率と相関があるところ、本発明では単位時間毎に増加分を算出し、これを積算することによって劣化パラメータの値を算出することにより、鉛バッテリの劣化をさらに精度良く判定することができる。
(3)本発明の電源システムでは、バッテリの劣化判定装置によって鉛バッテリが劣化したと判定された場合には、鉛バッテリが満充電になるように発電機を制御する。鉛バッテリの電極の表面に発生する硫酸鉛は、これが結晶化し硬質化する前であれば充電することによって電解液に溶け込ませることができる。そこで本発明の電源システムでは、鉛バッテリが劣化したと判定された場合には、鉛バッテリを満充電にすることにより、電極に発生する硫酸鉛を、硬質化してしまう前に電解液に溶け込ますことができるので、これ以降の鉛バッテリのサルフェーションに起因する劣化の進行を遅らせ、ひいては鉛バッテリの寿命を長くすることができる。
(4)本発明の電源システムでは、劣化パラメータは、鉛バッテリのサルフェーションに起因する劣化進行度合いを示すパラメータとする。これにより、鉛バッテリの劣化、特にサルフェーションに起因する劣化の度合いを、劣化パラメータで適切に表すことができる。
(5)サルフェーションの進行は、鉛バッテリの充放電が積極的に行われる走行可能時だけでなく、鉛バッテリの充放電が積極的に行われないソーク時においても進行する。またサルフェーションの進行の速度は、上述のようにその温度及び充電率と相関があるところ、サルフェーションの進行度合いは、ソーク時に鉛バッテリが放置される環境の温度や充電率によっても変化する。そこで本発明の電源システムでは、バッテリ状態取得装置は、走行可能時だけでなくソーク時においても鉛バッテリの温度の値及び充電率の値を取得し、バッテリ劣化判定装置は、走行可能時における温度取得値及び充電率取得値とソーク時における温度取得値及び充電率取得値とに基づいて鉛バッテリの劣化を判定する。これにより、鉛バッテリの劣化をさらに精度良く判定することができる。
(6)サルフェーションが進行すると、内部抵抗が増加したり有効表面積が減少したりしてしまい、その分だけ鉛バッテリの電池容量が初期状態から減少してしまう。そこで本発明の電源システムでは、バッテリ状態取得装置は、鉛バッテリの初期状態の電池容量に対する現在の電池容量の割合に相当する劣化度の値を取得し、バッテリ劣化判定装置は、この劣化度取得値によって鉛バッテリの劣化を判定する。従って本発明の電源システムによれば、鉛バッテリの劣化を、サルフェーションに特化してその要因から精度良く判定することができる。さらに本発明の電源システムでは、鉛バッテリがサルフェーションに起因して劣化したと判定された場合には、発電機制御装置は、鉛バッテリの目標充電率を、劣化したと判定される前よりも高くする。これにより、鉛バッテリを積極的に充電させることができるので、放電によって発生する硫酸鉛を、これが硬質化してしまう前に電解液に溶け込ませることができるので、劣化判定以降の鉛バッテリのサルフェーションに起因する劣化の進行を遅らせ、ひいては鉛バッテリの寿命を長くすることができる。
本発明の一実施形態に係る電源システムとこの電源システムを搭載する車両の構成を示す図である。 バッテリの劣化の要因を模式的に示す図である。 正極格子腐食の劣化を進行させる要因を特定するために行った試験の結果を示す図である。 正極格子腐食に起因するバッテリの劣化を判定する具体的な手順を示すフローチャートである。 腐食量増加率算出テーブルの一例を示す図である。 正極格子腐食に起因する劣化を抑制するための劣化抑制アクションの具体的な手順を説明するための図である。 サルフェーション劣化を進行させる要因を特定するために行った試験の結果を示す図である。 サルフェーション劣化を進行させる要因を特定するために行った試験の結果を示す図である。 サルフェーション劣化に起因するバッテリの劣化を判定する具体的な手順を示すフローチャートである。 サルフェーション劣化度増加率算出テーブルの一例を示す図である。 サルフェーション劣化に起因する劣化を抑制するための劣化抑制アクションの具体的な手順を説明するための図である。 サルフェーション劣化に起因する劣化を抑制するための劣化抑制アクションの具体的な手順を説明するための図である。 正極活物質の軟化を加速させる要因を特定するために行った試験の結果を示す図である。 有効充放電量の値を算出する手順を説明するための図である。 劣化加速係数算出マップの一例を示す図である。 劣化加速係数算出マップの一例を示す図である。 劣化加速係数算出マップの一例を示す図である。 有効充放電量を用いた劣化抑制アクションの具体的な手順を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る電源システムSと、この電源システムSを搭載する車両Vの構成を示す図である。車両Vは、図示しない駆動輪を回転させる動力発生源として内燃機関1(以下、「エンジン1」という)を備える。
電源システムSは、第1電気負荷51及び第2電気負荷52等の車両Vに搭載される負荷に接続されこれら負荷51,52に電力を供給するバッテリ3と、負荷51,52に対しバッテリ3と並列に接続されかつエンジン1の動力を利用して発電するオルタネータ21(以下、「ACG21」との略称を用いる)と、バッテリ3から供給される電力を用いてエンジン1を始動するスタータ23と、バッテリ3やACG21の直流電力を昇圧又は降圧し第2電気負荷52に供給するDCDCコンバータ53と、バッテリ3の状態を特定するための様々なパラメータの値を取得するバッテリセンサユニット6と、エンジン1、ACG21、スタータ23、及びバッテリ3等を制御する電子制御モジュールであるECU7と、運転者が車両Vを始動又は停止する際に操作するイグニッションスイッチ9と、を備える。
電気負荷51,52は、車両Vに搭載される様々な電子機器、例えばライト、エアコン、ナビゲーションシステム、電動パワーステアリング、及び音響機器等によって構成される。
ACG21は、エンジン1のクランク軸と図示しないベルトを介して接続されており、クランク軸によって回転駆動されることで発電する発電機である。ACG21によって発電される電力は、第1電気負荷51、第2電気負荷52、及びDCDCコンバータ53に供給され、これら電気負荷で消費される他、バッテリ3の充電に消費される。
ACG21は、レギュレータやロータコイル等によって構成されている。このACG2を制御する発電機制御装置としてのECU7は、レギュレータのスイッチをオン/オフ制御することによってロータコイルを流れる電流を調整し、ひいてはACG21による発電電圧を制御する。ECU7は、車両Vの走行中は、後述のバッテリセンサユニット6によって推定されるバッテリ3の充電率(バッテリ3の残容量の満充電容量に対する割合を百分率で表したものであり、以下では「SOC(State Of Charge)」ともいう)が、ECU7において設定される目標SOCに維持されるように、ACG21の発電電圧を制御する。
より具体的には、ECU7は、例えばバッテリ3のSOCが目標SOCよりも低くバッテリ3の充電が要求されている場合には、ACG21の発電電圧をバッテリ3の出力電圧よりも高く制御することにより、バッテリ3を充電しつつ、電気負荷51,52に必要な電力を供給する。またECU7は、例えばバッテリ3のSOCが目標SOCよりも高くバッテリ3の放電が要求されている場合には、ACG21の発電電圧をバッテリ3の出力電圧よりも低く制御することにより、バッテリ3から電気負荷51,52への放電を促す。以上のように、ECU7は、ACG21の発電電圧を制御することにより、バッテリ3の充電量及び放電量を制御し、バッテリ3のSOCを概ね目標SOCに維持する。
またECU7は、電気負荷51,52に含まれる電気負荷のうち特に消費電力が大きい特定電気負荷(具体的には、例えばエアコン)の作動要求が生じた場合には、この作動要求に応じるべくACG21の出力電圧をバッテリ3の出力電圧よりも高く定められた所定の設定電圧まで上昇させ、ACG21から上記特定電気負荷へ必要な電力を供給する。このため、特定電気負荷の作動時には、バッテリ3は強制的に充電される場合がある。
バッテリ3は、化学エネルギを電気エネルギに変換する放電、及び電気エネルギを化学エネルギに変換する充電の両方が可能である二次電池である。バッテリ3は、正極に二酸化鉛を用い、負極に海綿状の鉛を用い、電解液として希硫酸を用いた、所謂鉛蓄電池である。より具体的には、例えば、正極には、鉛又は鉛合金で構成された電極格子に二酸化鉛を活物質として塗りこんだものが用いられる。また例えば負極には、鉛又は鉛合金で構成された電極格子に鉛を活物質として塗りこんだものが用いられる。
バッテリセンサユニット6は、バッテリ3の状態を直接的に検出する複数のセンサ61,62,63と、これらセンサ61〜63の出力信号を処理することにより、バッテリ3の状態を特定するための複数のバッテリパラメータの値を算出するバッテリパラメータ演算部65と、を備える。
バッテリ電流センサ61は、バッテリ3を流れる電流に応じた検出信号をバッテリパラメータ演算部65へ送信する。バッテリ電圧センサ62は、バッテリ3の正負極間の端子間の電圧に応じた検出信号をバッテリパラメータ演算部65へ送信する。バッテリ温度センサ63は、バッテリ3の温度に応じた検出信号をバッテリパラメータ演算部65へ送信する。
バッテリパラメータ演算部65では、センサ61〜63からの検出信号を用いることにより、以下の手順によってバッテリ3のSOC[%]、充電量[Ah]、放電量[Ah]、放電深度[%]、バッテリ3の劣化度を示すSOH[%]、平均温度[℃]、最高温度[℃]、及び最低温度[℃]の値を算出し、これらの値をECU7へ送信する。
バッテリ3の充電量の値は、バッテリ電流センサ61によって検出されるバッテリ3へ流入する充電電流をバッテリパラメータ演算部65において、所定期間(例えば、イグニッションスイッチ9がオンにされてからオフにされるまでのドライビングサイクル)にわたり積算することによって算出される。またバッテリ3の放電量の値は、バッテリ電流センサ61によって検出されるバッテリ3から流出する放電電流をバッテリパラメータ演算部65において、所定期間(例えば、上記ドライビングサイクルや、イグニッションスイッチ9がオフにされてからオンにされるまでのソーク期間)にわたり積算することによって算出される。
バッテリパラメータ演算部65では、車両Vの走行中(すなわち、上記ソーク期間以外の期間)には、所定周期毎にバッテリ温度センサ63からの検出信号を取得し、これに平均処理を施すことによって所定期間(例えば、1時間)毎のバッテリ3の平均温度の値を算出する。またバッテリパラメータ演算部65では、車両Vのソーク期間中には、所定周期毎にバッテリ温度センサ63からの検出信号を取得することにより、ソーク期間における最高温度及び最低温度の値を算出する。
電流が流れていない時におけるバッテリ3のSOCの値は、バッテリパラメータ演算部65において、バッテリ電圧センサ62によって検出されるバッテリ3の開放電圧(OCV)から予め定められたSOC−OCVマップを検索することによって算出される。また電流が流れている時におけるバッテリ3のSOCの値は、バッテリパラメータ演算部65において、センサ61〜63からの検出信号を用いて既知のアルゴリズム(例えば、カルマンフィルタを用いたアルゴリズム等)により、バッテリ3の内部抵抗に起因して発生する電圧降下を考慮して算出される。
バッテリ3の放電深度とは、バッテリ3の放電容量に対する放電量の割合をいい、その値は、バッテリパラメータ演算部65において、バッテリ電流センサ61によって検出される充電電流及び放電電流の積算値を用いることによって適宜算出される。
またバッテリ3のSOHの値には、例えば、既知のアルゴリズムに基づいて推定したバッテリ3の容量維持率(バッテリ3の初期の容量に対する現在の容量の割合)の値や、バッテリ3の抵抗上昇率(バッテリ3の初期の内部抵抗に対する現在の内部抵抗の割合)の値が用いられる。
スタータ23は、バッテリ3から供給される電力によってエンジン1を始動させるセルモータである。ECU7は、運転者が車両Vを始動させるためにイグニッションスイッチ9をオンにしたときや、以下で説明するアイドリングストップ制御を行った後にエンジン1を再始動させる際には、バッテリ3からの電力をスタータ23に供給し、エンジン1を始動させる。
アイドリングストップ制御装置としてのECU7は、イグニッションスイッチ9がオンにされたた後、以下の自動停止条件(a)〜(e)の全てを満たす場合に、エンジン1を一時的に停止させるアイドリングストップ制御を実行する。
(a)イグニッションスイッチ9がオンであること。
(b)車速が0よりも僅かに大きく設定された開始速度以下であること。
(c)アクセルペダルの開度がほぼ0であること。
(d)ブレーキペダルが踏み込まれていること。
(e)バッテリセンサユニット6によって得られるバッテリ3のSOCが、所定の開始閾値以上であること。
またECU7は、上記アイドリングストップ制御を実行した後、以下の自動復帰条件(f)〜(h)の何れかが満たされた場合に、バッテリ3の電力を用いてスタータ23を駆動し、エンジン1を再始動させる。
(f)ブレーキペダルの踏み込みが解除されたこと。
(g)バッテリセンサユニット6によって得られるバッテリ3のSOCが、上記開始閾値よりも小さな値に設定された終了閾値以下であること。
(h)アイドリングストップ期間にバッテリセンサユニット6によって得られるバッテリ3の放電深度が、予め定められた許容放電深度を超えること。
ECU7は、センサの検出信号をA/D変換するI/Oインターフェース、各種制御プログラムやデータ等を記憶するRAMやROM、上記プログラムに従って各種演算処理を実行するCPU、及びCPUの演算処理結果に応じてエンジン1、ACG21、スタータ23、バッテリ3、及びDCDCコンバータ53等を駆動する駆動回路等で構成される。
以下では、ECU7によるバッテリ3の劣化判定制御の具体的な手順について説明する。
鉛蓄電池であるバッテリ3は、その製造時点(より具体的には、製造時点又は車両への搭載後、充放電を開始した時点)から劣化が進行し始めるため、バッテリ3で充放電できる電気量は製造時点から徐々に低下する。図2は、バッテリ3の劣化の要因を模式的に示す図である。図2に示すように、バッテリ3の劣化要因は、主として、正極格子腐食と、サルフェーション劣化と、活物質の軟化と、に分けられる。
正極格子腐食は、バッテリ3の正極格子の腐食が進行することをいう。正極格子の腐食が進行すると、バッテリ3における導電経路が破断し、内部抵抗が増加し、充放電量が減少する。
サルフェーション劣化は、バッテリ3の電極の表面に硫酸鉛が付着し、さらにこれが硬質化することをいう。バッテリ3は、放電時に電極の表面に硫酸鉛が発生するが、この硫酸鉛は、基本的には充電時に電解液に溶け込む。しかしながら長時間にわたり充放電を繰り返すと、電極に発生した硫酸鉛が結晶化し、硬質化してしまう。このため、サルフェーション劣化が過度に進行すると、バッテリ3の内部抵抗が増加したり電極の有効表面積が減少したりしてしまい、充放電量が減少する。
活物質軟化は、正極格子に塗りこんだ活物質が軟化することをいう。正極活物質の軟化が進行すると、活物質が部分的に脱離、収縮してしまい、バッテリ3の内部抵抗が増加し、充放電量が減少する。
以上のように、バッテリ3は主に3つの要因によって劣化が進行するが、これら3つの劣化が進行する要因はそれぞれ異なっている。またバッテリ3を所定の目標寿命(例えば、数年)まで延命させるためには、これら3つの劣化の進行を遅らせる必要があるが、各劣化を遅らせるための最適な劣化抑制アクションの具体的な内容は、劣化の要因によって異なる。そこでECU7では、バッテリセンサユニット6を用いて取得されるバッテリパラメータの値を用いて、各々異なるアルゴリズムによって正極格子腐食、サルフェーション劣化、及び活物質軟化の進行度合いを判定する。以下では、正極格子腐食、サルフェーション劣化、及び活物質軟化の順で、劣化の進行度合いを判定する具体的な手順と、劣化の進行を遅らせるために実行される劣化抑制アクションの具体的な手順とを説明する。
<正極格子腐食の劣化判定>
先ず、正極格子腐食の劣化を進行させる要因について、具体的に検討する。
図3は、正極格子腐食の劣化を進行させる要因を特定するために行った試験の結果を示す図である。この試験では、それぞれ仕様が異なる鉛蓄電池であるバッテリA,B,Cを準備し、各バッテリA〜Cをそれぞれ異なる温度環境下で、所定の試験時間にわたり充放電を繰り返し行った後、バッテリを分解し、正極格子のうち腐食した部分の質量を測定した。図3の横軸は、この試験における温度[℃]であり、縦軸は腐食量[質量%]である。ここで腐食量とは、新品時の正極格子の質量に対する腐食した部分の質量の割合をいう。すなわち、腐食量は、新品時には0[質量%]であり、その後劣化の進行によって徐々に増加する。
図3に示すようにバッテリの種類によって差はあるものの、全種類のバッテリにおいて、腐食量は、バッテリの温度が高くなるほど速く増加することが明らかとなった。すなわち、正極格子腐食の劣化の進行度合いは、上記のように定義される腐食量によって定量的に評価でき、またこの腐食量はバッテリ3の温度と高い相関があると言える。そこでECU7は、バッテリセンサユニット6によって取得されるバッテリ3の温度に関するデータを用いることによって、バッテリ3の腐食量の値を推定し、さらにこの腐食量推定値に基づいてバッテリ3の正極格子腐食に起因する劣化を判定する。
図4は、正極格子腐食に起因するバッテリ3の劣化を判定する具体的な手順を示すフローチャートである。より具体的には、図4は、ECU7において正極格子腐食の進行度合いを示す腐食量推定値を算出する具体的な手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、イグニッションスイッチ9がオンにされてからその後イグニッションスイッチ9がオフにされるまで、所定の演算周期(例えば、1時間)毎にECU7において実行される。
S1では、ECU7は、エンジン1の始動開始直後であるか否か、すなわちイグニッションスイッチ9がオンにされた直後であるか否かを判定する。ECU7は、S1の判定結果がYESである場合S2に移り、NOである場合にはS5に移る。
S2〜S4では、ECU7は、前回イグニッションスイッチ9がオフにされてから今回イグニッションスイッチ9がオンにされるまでの直前のソーク期間における腐食量の増加分を推定する。より具体的には、ECU7は、バッテリセンサユニット6から直前のソーク期間におけるバッテリ3の最高温度値及び最低温度値を取得する。S3では、ECU7は、これら最高温度値及び最低温度値を用いて、直前のソーク期間におけるバッテリ3の平均温度を算出する(例えば、平均温度=(最高温度値+最低温度値)/2)。またECU7は、算出した平均温度を、バッテリ3の温度[℃]と腐食量の単位時間当たりの増加量に相当する腐食量増加率[ppm]とを関連付ける関連付け手段に入力することにより、腐食量増加率の値を算出する。
ここで関連付け手段としては、具体的には、バッテリ3の温度と、バッテリ3をこの温度で用いた場合における腐食量増加率との相関関係を規定したテーブル、マップ、演算式、及びニューラルネットワーク等が用いられる。
図5は、腐食量増加率算出テーブルの一例を示す図である。図5に示すように、腐食量増加率算出テーブルでは、バッテリ3の温度と、バッテリ3をこの温度で用いた場合における単位時間当たりの腐食量増加率との相関関係が規定されている。このような腐食量増加率算出テーブルは、電源システムSで用いられるバッテリ3と同種のバッテリに対し予め試験を行うことによって作成され、ECU7の記憶媒体に記憶されている。図3を参照して説明したように、正極格子の腐食は、バッテリ3の温度が高くなるほど速く進行する。このため、腐食量増加率は、バッテリ3の温度が高くなるほど大きな値に設定されている。すなわち、図5に示す例では、a01<a02<a03<…<a18<a19となっている。
図4に戻り、S4では、ECU7は、S3において腐食量増加率算出テーブル等を用いて算出された腐食量増加率に、直前のソーク期間を乗算することにより、この直前のソーク期間における腐食量の増加分[質量%]を算出し、S8に移る。
S5では、ECU7は、バッテリセンサユニット6から前回から今回の演算周期までの間における、走行中のバッテリ3の平均温度を取得する。
S6では、ECU7は、S5で取得した平均温度を、例えば図5に示す腐食量増加率算出テーブル等の関連付け手段に入力することにより、走行中における腐食量増加率を算出する。
S7では、ECU7は、S6において腐食量増加率算出テーブル等を用いて算出された腐食量増加率に、演算周期を乗算することにより、この演算周期における腐食量の増加分を算出する。
S8では、ECU7は、S4又はS7で算出された増加分を積算することにより、腐食量推定値を算出する。ECU7では、以上のような手順によって、バッテリ3の正極格子腐食の進行度合いを定量的に表す腐食量推定値を算出し、この腐食量推定値を用いることによってバッテリ3の劣化を判定する。より具体的には、ECU7は、算出した腐食量推定値と所定の閾値とを比較することによってバッテリ3の劣化を判定する。
<正極格子腐食の劣化抑制アクション>
次に、以上のような正極格子腐食に起因するバッテリ3の劣化を抑制するための劣化抑制アクションの具体的な手順について説明する。
図6は、劣化抑制アクションの具体的な手順を説明するための図である。図6において、横軸はバッテリ3の製造時点(より具体的には、製造時点又は車両への搭載後、充放電を開始した時点)から経過した時間[年]であり、縦軸は腐食量推定値[質量%]である。
上述のようにバッテリ3は、その製造時点から劣化が進行するため、腐食量の増加を止めることはできないが、以下で説明する劣化抑制アクションを適宜実行することにより、腐食量の増加速度を緩やかにすることは可能である。また上述のように、正極格子腐食は、バッテリ3の温度が高くなるほど速く進行する。そこでECU7では、上述のように算出した腐食量推定値が所定の閾値を超えた場合には、バッテリ3の正極格子腐食がある程度進行したと判断し、ACG21からバッテリ3へ流れる充電電流及びバッテリ3から電気負荷51,52へ流れる放電電流の両方又は何れかが、この劣化判定前よりも小さくなるようにACG21による発電電圧を制御する(正極格子腐食に対する劣化抑制アクション)。このように劣化判定後には、劣化判定前よりも充電電流又は放電電流が小さくなるように発電電圧を制御することにより、劣化判定後におけるバッテリ3の充放電に起因する発熱を抑制することができるので、これ以降のバッテリ3の腐食量推定値の増加を遅らせ、ひいてはバッテリ3の寿命を長くすることができる。
ここで、このような正極格子腐食に起因する劣化を抑制するための劣化抑制アクションを実行する好ましいタイミングについて説明する。先ず、バッテリ3の寿命を目標寿命まで延命することを目的とした場合、腐食量推定値は、所定の初期値から増加し、目標寿命が経過した時点でバッテリ3の寿命を表す所定の寿命判定閾値に到達することが理想であるといえる。すなわち、腐食量推定値は、図6において一点鎖線6aで示すように変化することが理想であるといえる。このため、腐食量推定値が、一点鎖線6aに示すようにバッテリ3の製造時点から経過した時間に応じて増加する閾値よりも大きくなった場合、すなわち、腐食量推定値が、図6においてハッチングで示す劣化領域6bに属する場合には、適宜正極格子腐食に対する劣化抑制アクションを実行し、腐食量推定値の増加を遅らせ、目標寿命に達する前に腐食量推定値が寿命判定閾値を超えないようにすることが好ましい。
しかしながら正極格子腐食の進行速度は、バッテリ3の温度によって変化することから、季節によって変化すると考えられる。すなわち、腐食量推定値の増加速度は、一点鎖線6aに示すように年間を通して一定とはならない。そこでECU7では、季節ごとの温度変化を考慮して、例えば1年毎に腐食量推定値が劣化領域6bに属するか否かを判別することが好ましい。また、太破線6cに示すように、1年毎に腐食量推定値が劣化領域6bに属していた場合には、劣化抑制アクションを所定期間にわたって実行し、腐食量推定値の増加を遅らせ、目標寿命に達する前に腐食量推定値が寿命判定閾値を超えないようにすることが好ましい。
<サルフェーション劣化の劣化判定>
次に、サルフェーション劣化に起因するバッテリ3の劣化の進行度合いを判定する具体的な手順について説明する。先ず、サルフェーション劣化を進行させる要因について、具体的に検討する。
図7A及び図7Bは、サルフェーション劣化を進行させる要因を特定するために行った試験の結果を示す図である。図7Aは、3つの異なる温度環境下でバッテリを放置した場合における硫酸鉛量[質量%]の増加を示す図であり、図7Bは、3つの異なるSOCでバッテリを放置した場合における硫酸鉛量[質量%]の増加を示す図である。
図7A、図7Bに示すように、硫酸鉛量は、放置すると次第に増加する。また硫酸鉛量の増加速度は、バッテリ3の温度が高くなるほど速くなり、かつSOCが低くなるほど速くなる特性がある。すなわち、サルフェーション劣化の進行速度は、バッテリ3の温度が高くなるほどかつSOCが低くなるほど速くなる。そこでECU7は、バッテリセンサユニット6によって取得されるバッテリ3の温度及びSOCに関するデータを用いることによって、バッテリ3の硫酸鉛量と概ね比例関係にあると思われる無次元のサルフェーション劣化度の値を算出し、さらにこのサルフェーション劣化度の値に基づいてバッテリ3のサルフェーション劣化に起因する劣化を判定する。
図8は、サルフェーション劣化に起因するバッテリ3の劣化を判定する具体的な手順を示すフローチャートである。より具体的には、図8は、ECU7において上記サルフェーション劣化度の値を算出する具体的な手順を示すフローチャートである。図8のフローチャートは、イグニッションスイッチ9がオンにされてからその後イグニッションスイッチ9がオフにされるまで、所定の演算周期(例えば、1時間)毎にECU7において実行される。
S21では、ECU7は、後述のリフレッシュ充電が実行された直後であるか又はバッテリセンサユニット6から取得したバッテリ3のSOCが100%(すなわち、バッテリ3が満充電)であるか否かを判別する。S21の判別がYESである場合には、ECU7は、S22に移り、サルフェーション劣化度の値を初期値である0にリセットし、図8の処理を終了する。またS21の判別がNOである場合には、ECU7は、S23に移る。
S23は、ECU7は、エンジン1の始動開始直後であるか否か、すなわちイグニッションスイッチ9がオンにされた直後であるか否かを判定する。ECU7は、S23の判定結果がYESである場合にはS25に移り、NOである場合にはS27に移る。
S24〜S26では、ECU7は、前回イグニッションスイッチ9がオフにされてから今回イグニッションスイッチ9がオンにされるまでの直前のソーク期間におけるサルフェーション劣化度の増加分を推定する。より具体的には、ECU7は、バッテリセンサユニット6からソーク期間におけるバッテリ3の最高温度値及び最低温度値並びに平均SOCを取得する(S24)。S25では、ECU7は、これら最高温度値及び最低温度値を用いて、直前のソーク期間におけるバッテリ3の平均温度を算出する(例えば、平均温度=(最高温度値+最低温度値)/2)。またECU7は、算出した平均温度及び平均SOCの組み合わせを、バッテリ3の温度及びSOCの組み合わせとサルフェーション劣化度の単位時間当たりの増加量に相当するサルフェーション劣化度増加率とを関連付ける関連付け手段に入力することにより、サルフェーション劣化度増加率を算出する。
ここで関連付け手段としては、具体的には、バッテリ3の温度及びSOCの組み合わせと、バッテリ3をこの温度及びSOCの組み合わせで用いた場合におけるサルフェーション劣化度増加率との相関関係を規定したテーブル、マップ、演算式、及びニューラルネットワーク等が用いられる。
図9は、サルフェーション劣化度増加率算出テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、サルフェーション劣化度増加率算出テーブルでは、バッテリ3の温度及びSOCの組み合わせと、バッテリ3をこの温度及びSOCの組み合わせで用いた場合におけるサルフェーション劣化度の増加率との相関関係が規定されている。このようなサルフェーション劣化度増加率算出テーブルは、電源システムSで用いられるバッテリ3と同種のバッテリに対し予め試験を行うことによって作成され、ECU7の記憶媒体に記憶されている。図7A及び図7Bを参照して説明したように、サルフェーション劣化は、バッテリ3の温度が高くなるほど速く進行し、またバッテリ3のSOCが低くなるほど速く進行する。このため、サルフェーション劣化度増加率は、バッテリ3の温度が高くなるほど大きな値に設定され、またバッテリ3のSOCが低くなるほど大きな値に設定される。すなわち、図9に示す例では、b11<b12<…<b16、b21<b22<…<b26、…、b71<b72<…<b76となっており、かつb11<b21<…<b71、b12<b22<…<b72、…、b16<b26<…<b76となっている。
図8に戻り、S26では、ECU7は、S25においてサルフェーション劣化度増加率算出テーブル等を用いて算出されたサルフェーション劣化度増加率の値に、直前のソーク期間を乗算することにより、この直前のソーク期間におけるサルフェーション劣化度の増加分を算出し、S30に移る。
S27では、ECU7は、バッテリセンサユニット6から前回から今回の演算周期の間における、走行中のバッテリ3の平均温度及び平均SOCを取得する。
S28では、ECU7は、S27で取得した平均温度及び平均SOCの組み合わせを図9に示すサルフェーション劣化度増加率算出テーブル等の関連付け手段に入力することにより、走行中におけるサルフェーション劣化度増加率の値を算出する。
S29では、ECU7は、S28においてサルフェーション劣化度増加率算出テーブル等を用いて算出したサルフェーション劣化度増加率の値に、演算周期を乗算することにより、この演算周期におけるサルフェーション劣化度の増加分を算出する。
S30では、ECU7は、S26又はS29で算出された増加分を積算することにより、サルフェーション劣化度の値を算出する。ECU7では、以上のような手順によって、バッテリ3のサルフェーション劣化の進行度合いを0以上の正の値で定量的に表すサルフェーション劣化度の値を算出し、この値を用いることによってバッテリ3の劣化を判定する。より具体的には、ECU7は、算出したサルフェーション劣化度の値と所定の閾値とを比較することによってバッテリ3の劣化を判定する。
<サルフェーション劣化の劣化抑制アクション>
次に、以上のようなサルフェーション劣化に起因するバッテリ3の劣化を抑制するための劣化抑制アクションの具体的な手順について説明する。
図10は、サルフェーション劣化度を用いた劣化抑制アクションの具体的な手順を説明するための図である。図10において、横軸はバッテリ3の製造時点から経過した時間[日]であり、縦軸はサルフェーション劣化度(太実線)及びバッテリのSOC(太破線)である。
上述のようにサルフェーション劣化は、バッテリ3の電極の表面に硫酸鉛が付着し、さらにこれが硬質化することによって進行するが、硫酸鉛は、これが結晶化する前であれば充電を行うことによって電解液に溶け込ませることができる。そこでECU7では、図8を参照して説明した手順に従って算出したサルフェーション劣化度の値が、所定の閾値(例えば、1000)を超えた場合には、硫酸鉛の付着がある程度進行したと判断し、バッテリ3が満充電になるように(すなわち、SOCが100%になるように)ACG21の発電電圧を制御するリフレッシュ充電を実行する(サルフェーション劣化に対する劣化抑制アクション)。このようなリフレッシュ充電を行い、バッテリ3を強制的に充電することにより、電極に付着する硫酸鉛が結晶化する前に、これを電解液に積極的に溶け込ませることができる。これにより、硫酸鉛の結晶化を遅らせ、ひいてはバッテリ3の寿命を長くすることができる。
ところで上述のようにバッテリセンサユニット6では、バッテリ3のSOHを取得することも可能となっている。またバッテリ3のSOHは、サルフェーション劣化が進行すると低下すると考えられるため、このSOHも、上記サルフェーション劣化度と同様にサルフェーション劣化の進行度合いを示すパラメータとして用いることができる。そこでECU7は、バッテリセンサユニット6を利用して取得したSOHを用いてバッテリ3の劣化を判定する。
図11は、SOHを用いた劣化抑制アクションの具体的な手順を説明するための図である。図11において、横軸はバッテリ3の製造時点から経過した時間[年]であり、縦軸はSOH[%]である。
図11において一点鎖線11aで示すように、バッテリ3の寿命を目標寿命まで延命することを目的とした場合、SOHは、所定の初期値から減少し、目標寿命が経過した時点でバッテリ3の寿命を表す寿命判定閾値に到達することが理想であるといえる。このため、ECU7は、バッテリセンサユニット6を利用して取得したSOHが、一点鎖線11aに示すようにバッテリ3の製造時点から経過した時間に応じて減少する閾値よりも小さくなった場合、すなわちSOHが、図11においてハッチングで示す劣化領域11bに属する場合には、サルフェーション劣化の進行が目標寿命をまっとうするために定められた速度よりも速いと判断し、この劣化判定前よりもバッテリ3の目標SOCを高くする。これにより、バッテリ3のSOCは、劣化判定前よりも高く維持されるため、サルフェーション劣化度の増加速度を遅らせることができ、ひいてはバッテリ3の寿命を目標寿命まで延命することができる。またこのようにサルフェーション劣化度の増加速度を遅らせることにより、上述のようなリフレッシュ充電が実行される頻度を低下させることもできる。
<活物質軟化の劣化判定>
次に活物質軟化に起因する劣化の進行度合いを判定する具体的な手順について説明する。先ず、活物質軟化を加速させる要因について、具体的に検討する。
図12は、正極活物質の軟化を加速させる要因を特定するために行った試験の結果を示す図である。この試験では、それぞれ仕様が異なる鉛蓄電池であるバッテリA,B,Cを準備し、各バッテリA〜Cをそれぞれ異なる放電深度の下で充放電を繰り返し行うことにより、生涯充放電量[Ah]を測定した。なお、生涯充放電量とは、バッテリの寿命が尽きるまでの充電量[Ah]と放電量[Ah]との和をいう。またこの試験では、所定の大きさの電流で所定の時間にわたりバッテリから放電させた場合における、バッテリの電圧降下が所定値以上であった場合に、バッテリの寿命が尽きたと判断した。
一般的に鉛蓄電池は、充放電を繰り返すたびに正極活物質が軟化するため、生涯充放電量は有限である。また図12に示すように、バッテリの種類によって差はあるものの、全種類のバッテリにおいて、生涯充放電量は、放電深度が大きくなるほど少なくなることが明らかとなった。すなわち、正極活物質の軟化は、充放電量の増加とともに進行し、さらに放電深度が大きいほど加速することが明らかとなった。これはすなわち、正極活物質の軟化は、その充電量と放電量と放電深度とを用いることによって定量的に評価できることを意味する。そこでECU7は、バッテリセンサユニット6によって取得されるバッテリ3の充電量、放電量、及び放電深度に関するデータを用いることによって、正極活物質の軟化と概ね比例関係にあると思われる有効充放電量[Ah]の値を算出し、さらにこの有効充放電量の値に基づいてバッテリ3の正極活物質の軟化に起因する劣化を判定する。
図13は、ECU7において有効充放電量の値を算出する手順を説明するための図である。図13には、時刻t0から時刻t1までの間のあるドライビングサイクル(以下、「DC」と略記する)における積算電流の変化を示す図である。図13の上段には、充電電流を正とし放電電流を負として算出した積算電流の変化を示し、図13の下段には、正とした充電電流をのみを積算して得られる充電量(太実線)及び負とした放電電流のみを積算して得られる放電量(太破線)を示す。ECU7は、1つのDCが終了毎に、以下で定義する有効充放電量の増加分を算出するとともに、この増加分を積算することにより有効充放電量の値を算出する。
有効充放電量とは、充電量と放電量とを合せて得られる電気量を、放電深度に応じて補正して得られる電気量である。上述のように生涯充放電量は有限であり、またこの生涯充放電量は、放電深度が大きくなるほど少なくなる傾向がある。そこでECU7では、放電深度が生涯充放電量に与える影響を加味するため、上述のような有効充放電量を導入する。
ECU7は、1つのDCが終了する度に、バッテリセンサユニット6から、今回のDCに測定された放電深度の最大値である最大放電深度の値と、今回のDCにわたる充電量及び放電量の値と、SOHとを取得し、下記式(1)に従って有効充放電量の今回のDCにおける増加分を算出する。
有効充放電量の増加分[Ah]=
今回のDCにわたる充電量[Ah]+今回のDCにわたる放電量[Ah]
+今回のDCにおける最大放電深度[%]×今回のDCにおけるSOH[%]×(劣化加速係数−1) … (1)
上述のように、正極活物質の軟化は、バッテリ3が充放電を行う度に進行する。このため上記式(1)の右辺の第1項及び第2項に示すように、充電量及び放電量はそのまま有効充放電量の増加分として加算される。
また上述のように、正極活物質の軟化は、放電深度が大きいほど加速する特性がある。上記式(1)における右辺第3項は、このような特性を考慮して導入されたものであり、最大放電深度を用いて上記充電量及び放電量を合せた電気量を補正する補正項に相当する。またこの補正項における劣化加速係数とは、放電深度に応じて上記電気量を増加側に補正するための1以上の無次元の正の係数であり、その値は、今回のDCにおける最大放電深度を、最大放電深度と劣化加速係数とを関連付ける関連付け手段に入力することによって算出される。
ここで関連付け手段としては、具体的には、今回のDCにおける最大放電深度と、バッテリ3をこの最大放電深度で用いた場合における劣化加速係数との相関関係を規定したテーブル、マップ、演算式、及びニューラルネットワーク等が用いられる。
図14Aは、劣化加速係数算出マップの一例を示す図である。図14Aに示すように、劣化加速係数の値は、最大放電深度が大きくなるほど大きな値になるように設定される。図14Aに示す例では、最大放電深度が0〜c1の間では、正極活物質の軟化の速度に大きな差が認められなかったことから、劣化加速係数の値は1に設定される。また最大放電深度がc1からc2の間では、劣化加速係数の値はc2において1より大きなd1になるように増加し、最大放電深度がc2からc3の間では、劣化加速係数の値はd1に設定される。また最大放電深度がc3からc4の間では、劣化加速係数の値はc4においてd2になるように増加し、最大放電深度がc4以上である場合には、劣化加速係数の値はd2に設定される。なお、劣化加速係数算出マップの他の例を図14B及び図14Cに示す。劣化加速係数の値は、これら図14B及び図14Cに示すようなマップを用いて算出してもよい。
ECU7では、このような劣化加速係数を用いて有効充放電量の増加分を算出することにより、対象とするDCにおいて最大放電深度が大きくなるほど増加分を増加側に補正する。ECU7は、以上のような手順に従って1つのDC毎に有効充放電量の増加分を算出し、これを積算することによって有効充放電量の値を算出する。このようにして算出される有効充放電量は、DC毎の放電深度を加味した生涯充放電量に相当し、正極活物質の軟化の進行度合いを示すパラメータであるといえる。
<正極活物質軟化の劣化抑制アクション>
次に、以上のような正極活物質軟化に起因するバッテリ3の劣化を抑制するための劣化抑制アクションの具体的な手順について説明する。
図15は、有効充放電量を用いた劣化抑制アクションの具体的な手順を説明するための図である。図15において、横軸はバッテリ3の製造時点から経過した時間[年]であり、縦軸は有効充放電量[Ah]である。
上述のように、正極活物質軟化は、放電深度が大きくなるほど加速する特性がある。そこでECU7では、正極活物質軟化に起因するバッテリ3の劣化を抑制するための劣化抑制アクションとして、3種類の劣化抑制アクションを実行することが可能となっている。
先ず、アイドリングストップ制御における自動復帰条件には、「アイドリングストップ期間にバッテリセンサユニット6によって得られるバッテリ3の放電深度が、予め定められた許容放電深度を超えること」が含まれる(上述の自動復帰条件(h)参照)。そこでECU7は、有効充放電量の値が所定の閾値を超えた場合には、正極活物質軟化に起因する劣化がある程度進行したと判断し、この劣化判定前よりも自動復帰条件における許容放電深度を小さな値に設定する(正極活物質軟化に対する第1の劣化抑制アクション)。ECU7は、有効充放電量を用いた劣化判定時には、このような第1の劣化抑制アクションを実行することにより、バッテリ3の放電深度を小さくし、これにより有効充放電量の増加を遅らせ、ひいてはバッテリ3の寿命を目標寿命まで延命することができる。
またECU7は、有効充放電量の値が所定の閾値を超えた場合には、正極活物質軟化に起因する劣化がある程度進行したと判断し、この劣化判定前よりもバッテリ3の目標SOCを高く設定する(正極活物質軟化に対する第2の劣化抑制アクション)。目標SOCをこのように劣化判定前よりも高く設定すると、劣化判定後のバッテリ3のSOCは劣化判定前よりも高く維持されることとなる。一方、上述のように特定電気負荷の作動要求が生じた場合には、バッテリ3は強制的に充電されるが、このようにバッテリ3のSOCを高く維持しておくことにより、特定電気負荷の作動要求が発生した場合における放電深度を小さくすることができる。このためECU7は、有効充放電量を用いた劣化判定時には、以上のような第2の劣化抑制アクションを実行することにより、バッテリ3の放電深度を小さくでき、これにより有効充放電量の増加を遅らせ、ひいてはバッテリ3の寿命を目標寿命まで延命することができる。
またECU7は、有効充放電量の値が所定の閾値を超えた場合には、正極活物質軟化に起因する劣化がある程度進行したと判断し、この劣化判定前よりもエンジン1の燃料カットの実行時におけるACG21の発電電圧を低下させる(正極活物質軟化に対する第3の劣化抑制アクション)。ECU7は、有効充放電量を用いた劣化判定時には、このような第3の劣化抑制アクションを実行することにより、エンジン1の燃料カット時にバッテリ3が充電されにくくできるので、バッテリ3の放電深度を小さくでき、これにより有効充放電量の増加を遅らせ、ひいてはバッテリ3の寿命を目標寿命まで延命することができる。
ここで、以上のような正極格子軟化に起因する劣化を抑制するための第1〜第3の劣化抑制アクションを実行する好ましいタイミングについて説明する。先ず、図15において一点鎖線15aで示すように、バッテリ3の寿命を目標寿命まで延命することを目的とした場合、有効充放電量の値は、所定の初期値から増加し、目標寿命が経過した時点でバッテリ3の寿命を表す寿命判定閾値に到達することが理想であるといえる。そこでECU7は、有効充放電量の値が、初期値から寿命判定閾値の間に定められた複数の劣化判定閾値(図15には、2つの閾値e1及びe2を図示する)を超える度に、劣化判定閾値e1,e2毎に定められた時間f1,f2が経過していないか否かを判断する。換言すれば、ECU7は、有効充放電量の値が上記劣化判定閾値e1,e2を超える度に、図15においてハッチングで示す劣化領域15bに属しているか否かを判断する。そして、劣化領域15bに属していると判断した場合には、ECU7は、正極活物質軟化が目標寿命をまっとうするために定められた速度よりも速く進行していると判断し、上記第1〜第3の劣化抑制アクションの何れか又は全てを適宜組み合わせて実行することにより、これ以降の有効充放電量の増加速度を遅らせる。これにより、バッテリ3の寿命を目標寿命まで延命することができる。なお図15の線15cでは、有効充放電量の値が劣化判定閾値e1を超えた時点では時間f1が経過していなかったため上記第1〜第3の劣化抑制アクションを実行し、その後有効充放電量の値が劣化判定閾値e2を超えた時点でも時間f2が経過していなかったため上記第1〜第3の劣化抑制アクションを実行した場合を示す。この例によれば、有効充放電量を用いて適切なタイミングでこれら劣化抑制アクションを実行することにより、目標寿命が経過した時点では有効充放電量が寿命判定閾値を超えておらず、目標寿命をまっとうすることができる。
以上のように、本実施形態の電源システムSでは、バッテリ3の正極格子腐食に起因する劣化度合いを定量的に示すパラメータとして腐食量を導入し、バッテリ3のサルフェーション劣化に起因する劣化度合いを定量的に示すパラメータとしてサルフェーション劣化度を導入し、さらにバッテリ3の正極活物質軟化に起因する劣化度合いを定量的に示すパラメータとして有効充放電量を導入し、これらパラメータに応じて各々の劣化要因に対して定められた劣化抑制アクションを適宜実行することにより、バッテリ3の寿命を目標寿命まで延命することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
V…車両
1…エンジン(内燃機関)
S…電源システム
21…ACG(発電機)
23…スタータ
3…バッテリ(鉛バッテリ)
51…第1電気負荷(電気負荷)
52…第2電気負荷(電気負荷)
53…DCDCコンバータ(電気負荷)
6…バッテリセンサユニット(バッテリ状態取得装置)
7…ECU(発電機制御装置、アイドリングストップ制御装置、バッテリ劣化判定装置)
9…イグニッションスイッチ

Claims (6)

  1. 車両の電気負荷に電力を供給する鉛バッテリと、
    前記鉛バッテリの状態に関する値を取得するバッテリ状態取得装置と、
    前記バッテリ状態取得装置によって取得された値に基づいて前記鉛バッテリの劣化を判定するバッテリ劣化判定装置と、を備える電源システムであって、
    前記バッテリ状態取得装置は、前記鉛バッテリの温度の値及び前記鉛バッテリの充電率の値を取得し、
    前記バッテリ劣化判定装置は、前記バッテリ状態取得装置による温度取得値及び充電率取得値に基づいて前記鉛バッテリの劣化を判定することを特徴とする電源システム。
  2. 前記バッテリ劣化判定装置は、前記鉛バッテリの温度及び充電率の組み合わせと当該鉛バッテリの劣化進行度合いを示す劣化パラメータの単位時間当たりの増加分とを関連付ける関連付け手段を備え、前記温度取得値及び前記充電率取得値を前記関連付け手段に入力して得られる単位時間当たりの増加分を積算することによって前記劣化パラメータの値を算出し、当該劣化パラメータの値に基づいて前記鉛バッテリの劣化を判定することを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
  3. 前記鉛バッテリに接続された発電機と、
    当該発電機を制御する発電機制御装置と、を備え、
    前記発電機制御装置は、前記バッテリ劣化判定装置によって前記鉛バッテリが劣化したと判定された場合には、前記鉛バッテリが満充電になるように前記発電機を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電源システム。
  4. 前記劣化パラメータは、前記鉛バッテリのサルフェーションに起因する劣化進行度合いを示すパラメータであることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の電源システム。
  5. 前記バッテリ状態取得装置は、前記車両が走行可能状態になってから走行不可状態になるまでの走行可能時及び前記車両が走行不可状態になってから走行可能状態になるまでのソーク時における前記鉛バッテリの温度及び充電率の値を取得することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の電源システム。
  6. 車両の電気負荷に電力を供給する鉛バッテリと、
    前記電気負荷に対し前記鉛バッテリと並列に接続された発電機と、
    前記鉛バッテリの充電率が目標充電率になるように当該発電機の発電電圧を制御する発電機制御装置と、
    前記鉛バッテリの状態に関する値を取得するバッテリ状態取得装置と、
    前記バッテリ状態取得装置によって取得された値に基づいて前記鉛バッテリの劣化を判定するバッテリ劣化判定装置と、を備える電源システムであって、
    前記バッテリ状態取得装置は、前記鉛バッテリの初期状態の電池容量に対する現在の電池容量の割合に相当する劣化度の値を取得し、
    前記バッテリ劣化判定装置は、前記バッテリ状態取得装置による劣化度取得値に基づいて前記鉛バッテリの劣化を判定し、
    前記発電機制御装置は、前記バッテリ劣化判定装置によって前記鉛バッテリが劣化したと判定された場合には、前記鉛バッテリが劣化したと判定される前よりも前記目標充電率を高くすることを特徴とする電源システム。
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