JP2019078345A - 密封装置 - Google Patents

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一貴 廣田
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Abstract

【課題】転がり軸受の部品が偏心または低い真円度を有していても、高い封止性能を有する密封装置を提供する。【解決手段】密封装置は、転がり軸受の相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、内側部材と外側部材との間の間隙を封止する。密封装置は、転がり軸受の外側部材の円筒状の端部に取り付けられる取付け部と、取付け部から半径方向内側に延びる内側環状部と、内側環状部から転がり軸受の内側部材に向けて延びる少なくとも1つのリップとを備える。密封装置は、弾性体から形成された弾性環と、剛体から形成され、弾性環に密着している外側補強環と、剛体から形成され、外側補強環の半径方向内側に配置され、弾性環に密着している内側補強環とを備える。内側環状部およびリップは、弾性環の部分である。【選択図】図2

Description

本発明は、転がり軸受の内部を密封する密封装置に関する。
例えば玉軸受のような転がり軸受は周知であり、例えば自動車のハブに使用されている。転がり軸受の内部を密封する密封装置としては、特許文献1に記載されたものがある。この密封装置は、転がり軸受の外輪に固定される環状体と、環状体から半径方向内側に延びるラジアルリップと、環状体から側方に延びる2つのサイドリップとを備える。ラジアルリップは、軸受の内輪の外周面または内輪に固定される部品の外周面に接触して、軸受内部の潤滑剤を密封する機能を有し、2つのサイドリップは、内輪のフランジに接触して、外部から水やダスト等の異物が軸受内部へ侵入しないように封止する機能を有する。
特許3991200号公報
転がり軸受の部品相互には、偏心が生ずることがある。また、転がり軸受には、真円であることが望ましい部品があるが、それらの部品が必ずしも高い真円度を有するとは限らず、使用中に変形して真円度が低下することもありうる。転がり軸受の内部を密封する密封装置は、転がり軸受の部品が偏心または低い真円度を有していても、高い封止性能を有することが望ましい。
そこで、本発明は、転がり軸受の部品が偏心または低い真円度を有していても、高い封止性能を有する密封装置を提供する。
本発明のある態様に係る密封装置は、転がり軸受の相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、前記転がり軸受の前記外側部材の円筒状の端部に取り付けられる取付け部と、前記取付け部から半径方向内側に延びる内側環状部分と、前記内側環状部分から前記転がり軸受の前記内側部材に向けて延びる少なくとも1つのリップとを備え、前記密封装置は、弾性体から形成された弾性環と、剛体から形成され、前記弾性環に密着している外側補強環と、剛体から形成され、前記外側補強環の半径方向内側に配置され、前記外側補強環から分離しており、前記弾性環に密着している内側補強環とを備え、前記内側環状部分および前記リップは、前記弾性環の部分である。
この態様においては、密封装置が外側補強環と内側補強環を有しており、リップを有する弾性環に外側補強環と内側補強環が密着している。外側補強環と内側補強環は、互いに分離しており、相対的に半径方向に変位することができる。したがって、弾性環の少なくとも一部分の半径方向に弾性変形可能な量が大きい。このため、転がり軸受のある部品が偏心または低い真円度を有していても、密封装置は高い封止性能を有する。
前記取付け部は、前記弾性環の外周部分と、前記外側補強環の円筒部分とを有してもよく、前記外周部分および前記円筒部分が、前記外側部材の前記端部に嵌め入れられてもよく、前記内側補強環は、前記内側環状部分に密着していてもよい。この場合には、弾性環の半径方向に弾性変形可能な量が大きい。転がり軸受の外側部材と内側部材が偏心していても、弾性環は大きく変形して、外側部材と内側部材へ追随することができるので、密封装置は高い封止性能を有する。また、転がり軸受の外側部材と内側部材が低い真円度を有していても、あるいはこれらの真円度が低下しても、弾性環は大きく変形して、外側部材と内側部材へ追随することができるので、密封装置は高い封止性能を有する。また、この密封装置は、転がり軸受の外側部材と内側部材へ追随して大きく変形することができるので、転がり軸受の内側部材にリップが与えるトルクを小さくすることができ、内側部材との接触に伴うリップの摩耗も少なくすることができる。
あるいは、前記取付け部は、前記外側補強環の円筒部分を有してもよく、前記円筒部分に、前記外側部材の前記端部が嵌め入れられてもよく、前記内側補強環は、前記内側環状部分に密着していてもよい。この場合には、弾性環の半径方向に弾性変形可能な量が大きい。転がり軸受の外側部材と内側部材が偏心していても、弾性環は大きく変形して、外側部材と内側部材へ追随することができるので、密封装置は高い封止性能を有する。また、転がり軸受の外側部材と内側部材が低い真円度を有していても、あるいはこれらの真円度が低下しても、弾性環は大きく変形して、外側部材と内側部材へ追随することができるので、密封装置は高い封止性能を有する。また、この密封装置は、転がり軸受の外側部材と内側部材へ追随して大きく変形することができるので、転がり軸受の内側部材にリップが与えるトルクを小さくすることができ、内側部材との接触に伴うリップの摩耗も少なくすることができる。
あるいは、前記取付け部は、前記弾性環の外周部分と、前記外周部分の内周面に密着している前記外側補強環の円筒部分とを有してもよく、前記外周部分および前記円筒部分に、前記外側部材の前記端部が嵌め入れられてもよく、前記内側補強環は、前記内側環状部分に密着していてもよい。この場合には、弾性環の半径方向に弾性変形可能な量が大きい。転がり軸受の外側部材と内側部材が偏心していても、弾性環は大きく変形して、外側部材と内側部材へ追随することができるので、密封装置は高い封止性能を有する。また、転がり軸受の外側部材と内側部材が低い真円度を有していても、あるいはこれらの真円度が低下しても、弾性環は大きく変形して、外側部材と内側部材へ追随することができるので、密封装置は高い封止性能を有する。また、この密封装置は、転がり軸受の外側部材と内側部材へ追随して大きく変形することができるので、転がり軸受の内側部材にリップが与えるトルクを小さくすることができ、内側部材との接触に伴うリップの摩耗も少なくすることができる。
あるいは、前記取付け部は、前記弾性環の外周部分と、前記外周部分に埋設された前記外側補強環の円筒部分と、前記弾性環の前記内側環状部分に密着している前記内側補強環の円筒部分とを有してもよく、前記弾性環の前記外周部分に、前記外側部材の前記端部が嵌め入れられてもよく、前記内側補強環の前記円筒部分が、前記外側部材の前記端部に嵌め入れられてもよい。この場合には、弾性環の外周部分と内側補強環の円筒部分によって、外側部材の円筒状の端部が半径方向において挟み付けられるので、密封装置の取付け部は、高い封止性能を有する。また、外側部材の端部の外周面に接触する弾性環の外周部分が外側補強環により補強され、外側補強環は、外側部材の端部の内周面に接触する内側補強環から分離している。したがって、外側部材の外周面と内周面が互いに偏心していたとしても、外側補強環と内側補強環の間隙部分にある弾性環の半径方向に弾性変形可能な量が大きいため、弾性環の外周部分と内側補強環の円筒部分は、外側部材の外周面と内周面へ追随する能力が高いので、密封装置は高い封止性能を有する。
この場合に、前記外側補強環は、前記外側補強環の前記円筒部分から半径方向内側に延びて前記外側部材の前記端部の端面に対向させられる環状壁部分を有してもよい。この場合には、密封装置を外側部材の端部に取り付ける時、外側補強環の環状壁部分が、外側部材の端部の端面に接触して停止するストッパーとして機能する。したがって、密封装置を外側部材の端部に取り付けやすい。
あるいは、前記内側補強環は、前記内側補強環の円筒部分から半径方向外側に延びて前記外側部材の前記端部の端面に対向させられる環状壁部分を有してもよい。この場合には、密封装置を外側部材の端部に取り付ける時、内側補強環の環状壁部分が、外側部材の端部の端面に接触して停止するストッパーとして機能する。したがって、密封装置を外側部材の端部に取り付けやすい。
あるいは、前記外側補強環は、前記外側補強環の前記円筒部分から半径方向内側に延びて前記外側部材の前記端部の端面に対向させられる環状壁部分を有してもよく、前記内側補強環は、前記内側補強環の円筒部分から半径方向外側に延びて前記外側部材の前記端部の端面に対向させられる環状壁部分を有してもよい。この場合には、密封装置を外側部材の端部に取り付ける時、外側補強環の環状壁部分および内側補強環の環状壁部分が、外側部材の端部の端面に接触して停止するストッパーとして機能する。したがって、密封装置を外側部材の端部に取り付けやすい。
好ましくは、前記内側補強環は、前記内側補強環の前記円筒部分と同軸に配置された内側円筒部分と、前記内側補強環の前記円筒部分と前記内側円筒部分とを連結する連結部分とを有する。この場合には、内側補強環が二重の円筒部分と、これらの円筒部分を連結する連結部分を有するので、外側部材の円筒状の端部が円筒部分で伝達される内側補強環の弾性反発力により、半径方向内側から強固に押圧される。したがって、密封装置の取付け部は、高い封止性能を有する。
あるいは、前記弾性環の前記内側環状部分は、前記弾性環の前記外周部分に向けて半径方向外側に突出する突出環状壁部分を有してもよく、前記突出環状壁部分が、前記外側部材の前記端部に嵌め入れられてもよい。この場合には、外側部材の円筒状の端部が、内側補強環の円筒部分だけでなく、弾性環の突出環状壁部分により半径方向内側から強固に押圧される。したがって、密封装置の取付け部は、高い封止性能を有する。
本発明の複数の実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例の部分断面図である。 本発明の第1実施形態に係る密封装置の部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係る密封装置の部分断面図である。 本発明の第3実施形態に係る密封装置の部分断面図である。 第3実施形態に係る密封装置の、転がり軸受の外側部材への取付け時の部分断面図である。 第3実施形態の変形例に係る密封装置の部分断面図である。 第3実施形態の他の変形例に係る密封装置の部分断面図である。 本発明の第4実施形態に係る密封装置の部分断面図である。 第4実施形態の変形例に係る密封装置の部分断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る複数の実施の形態を説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例である自動車用のハブ軸受を示す。但し、本発明の用途はハブ軸受には限定されず、他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。また、以下の説明では、ハブ軸受は、玉軸受であるが、本発明の用途は玉軸受には限定されず、他の種類の転動体を有する、ころ軸受、針軸受などの他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。また、自動車以外の機械に使用される転がり軸受にも本発明は適用可能である。
このハブ軸受1は、スピンドル(図示せず)が内部に挿入される孔2を有するハブ(内側部材)4と、ハブ4に取り付けられた内輪(内側部材)6と、これらの外側に配置された外輪(外側部材)8と、ハブ4と外輪8の間に1列に配置された複数の玉10と、内輪6と外輪8の間に1列に配置された複数の玉12と、これらの玉を定位置に保持する複数の保持器14,15とを有する。
外輪8が固定されている一方で、ハブ4および内輪6は、スピンドルの回転に伴って回転する。
スピンドルおよびハブ軸受1の共通の中心軸線Axは、図1の上下方向に延びている。図1においては、中心軸線Axに対する左側部分のみが示されている。詳細には図示しないが、図1の上側は自動車の車輪が配置される外側(アウトボード側)であり、下側は差動歯車などが配置される内側(インボード側)である。図1に示した外側、内側は、それぞれ半径方向の外側、内側を意味する。
ハブ軸受1の外輪8は、ハブナックル16に固定される。ハブ4は、外輪8よりも半径方向外側に張り出したアウトボード側フランジ18を有する。アウトボード側フランジ18には、ハブボルト19によって、車輪を取り付けることができる。
外輪8のアウトボード側の端部の付近には、外輪8とハブ4との間の間隙を封止する密封装置20が配置されており、外輪8のインボード側の端部の内側には、外輪8と内輪6との間の間隙を封止する密封装置21が配置されている。これらの密封装置20,21の作用により、ハブ軸受1の内部からのグリース、すなわち潤滑剤の流出が防止されるとともに、外部からハブ軸受1の内部への異物(水(泥水または塩水を含む)およびダストを含む)の流入が防止される。図1において、矢印Fは、外部からの異物の流れの方向の例を示す。
密封装置20は、ハブ軸受1の回転するハブ4と固定された外輪8との間に配置され。ハブ4と外輪8との間の間隙を封止する。
図2に示すように、密封装置20は、ハブ軸受1の外輪8のアウトボード側の円筒状の端部8Aと、ハブ軸受1のハブ4の玉10の近傍の外周面4Aと、ハブ4の外周面4Aよりも外側に広がるフランジ面4Bと、外周面4Aとフランジ面4Bとを連結する円弧面4Cとで囲まれた空間内に配置される。フランジ面4Bはアウトボード側フランジ18のインボード側の表面である。密封装置20は環状であるが、図2においては、その左側部分のみが示されている。
密封装置20は、弾性環24、外側補強環26、および内側補強環28を有する複合構造である。弾性環24は、弾性体、例えばエラストマーで形成されている。外側補強環26と内側補強環28は、剛体、例えば金属から形成されており、弾性環24を補強する。外側補強環26と内側補強環28の一部は、弾性環24に埋設されており、弾性環24に密着している。外側補強環26と内側補強環28は、同一材料から形成されていてもよいし、異なる材料から形成されていてもよい。内側補強環28は、外側補強環26の半径方向内側に配置され、外側補強環26から分離している。
弾性環24は、外側円筒部分(外周部分)24A、内側環状部分24B、連結部分24Cおよびリップ32,34,36を有する。外側円筒部分24Aは、外輪8の端部8Aの内周面に嵌め入れられる。内側環状部分24Bは、外側円筒部分24Aの半径方向内側に配置されている。連結部分24Cは、外側円筒部分24Aと内側環状部分24Bを連結する。リップ32,34,36は、内側環状部分24Bからハブ軸受1のハブ4に向けて延びる。
外側円筒部分24Aの外周面には、半径方向外側に突出して、外輪8の端部8Aの内周面に接触する突出環状壁部分24Dが形成されている。弾性環24が外輪8の端部8Aの内周面に嵌め入れられると、突出環状壁部分24Dは端部8Aの内周面により、半径方向内側に圧縮されて弾性変形する。図2は、端部8Aを仮想線で示し、圧縮されていない状態の突出環状壁部分24Dを示す。
連結部分24Cは、円環状であって、外側円筒部分24Aの一端からハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するように半径方向内側に向けて延びている。
この実施形態では、内側環状部分24Bは、連結部分24Cから半径方向内側かつインボード側に向けて斜めに延び、屈曲して、さらにハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するように半径方向内側に向けて延びている。
リップ32,34,36の各々は、弾性体のみから形成されており、内側環状部分24Bから延びる薄板状の円環であって、それぞれの先端はハブ4に接触する。密封装置20が固定された外輪8に取り付けられている一方、ハブ4は回転するので、リップ32,34,36はハブ4に対して摺動する。
リップ32は、ラジアルリップであって、内側環状部分24Bの最も内側の縁部から延び、ハブ4の玉10の近傍の外周面4Aに接触する。ラジアルリップ32は、半径方向内側かつインボード側に向けて延び、主にハブ軸受1の内部からの潤滑剤の流出を阻止する役割を担う。
リップ34,36は、サイドリップであって、内側環状部分24Bから側方(アウトボード側)、かつ半径方向外側に向けて延びる。サイドリップ34は、ハブ4のフランジ面4Bに接触し、サイドリップ36はフランジ面4Bまたは円弧面4Cに接触する。サイドリップ34,36は、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担う。サイドリップ36は、サイドリップ34をすり抜けて流入した異物を阻止するバックアップ機能を有する。サイドリップ36は、ラジアルリップ32とサイドリップ34との間に存在するので、中間リップと呼ぶこともできる。
外側補強環26は、円筒部分26A、円環部分26B、および連結部分26Cを有する。円筒部分26Aは、外輪8の端部8Aの内周面に嵌め入れられる。円環部分26Bは、円筒部分26Aの半径方向内側に配置され、ハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するよう配置されている。連結部分26Cは、円筒部分26Aと円環部分26Bを連結する。外側補強環26が外輪8の端部8Aの内周面に嵌め入れられると、円筒部分26Aは端部8Aにより、半径方向内側に圧縮されて弾性変形する。図2は、圧縮されていない状態の円筒部分26Aを示す。
外側補強環26の円筒部分26Aと弾性環24の外側円筒部分24Aは、外輪8の端部8Aの内周面に嵌め入れられる取付け部38を構成する。外側補強環26の連結部分26Cは、弾性環24の外側円筒部分24Aに密着し、円環部分26Bは、弾性環24の連結部分24Cに密着している。
内側補強環28は、弾性環24の内側環状部分24Bに密着している。内側補強環28は、屈曲した内側環状部分24Bの形状にほぼ相似する屈曲した形状を有する。
この実施形態においては、密封装置20が外側補強環26と内側補強環28を有しており、ラジアルリップ32を有する弾性環24に外側補強環26と内側補強環28が密着している。外側補強環26と内側補強環28は、互いに分離しており、相対的に半径方向に変位することができる。したがって、弾性環24の半径方向に弾性変形可能な量が大きい。ハブ軸受1の外輪8とハブ4が偏心していても、弾性環24は大きく変形して、外輪8とハブ4へ追随することができるので、密封装置20は高い封止性能を有する。また、ハブ軸受1の外輪8とハブ4が低い真円度を有していても、あるいはこれらの真円度が低下しても、弾性環24は大きく変形して、外輪8とハブ4へ追随することができるので、密封装置20は高い封止性能を有する。また、この密封装置20は、外輪8とハブ4へ追随して大きく変形することができるので、ハブ4にラジアルリップ32が与えるトルクを小さくすることができ、ハブ4との接触に伴うラジアルリップ32の摩耗も少なくすることができる。
この実施形態では、外側補強環26と内側補強環28の間隙部分39には、弾性環24の一部が配置されているが、ここには弾性環24の一部が配置されなくてもよい。この実施形態のように、間隙部分39に弾性環24の一部が配置される場合には、弾性材料の裂けを低減または防止するために、間隙部分39の付近にある、外側補強環26の円環部分26Bの内側端部の隅部分、および内側補強環28の外側端部の隅部分を面取りするか、これらの隅部分を図示のように円弧状に形成することが好ましい。
密封装置20は、2つの補強環26,28を有するが、さらに多くの補強環を有してもよい。これらの補強環の間隙部分の位置は、図示の間隙部分39の位置に限定されず、他の位置でもよい。
第2実施形態
図3は、本発明の第2実施形態に係る密封装置40の部分断面図である。図2以降の図面において、すでに説明した構成要素を示すため、同一の符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
第1実施形態の密封装置20は、外輪8の端部8Aに嵌め入れられるが、第2実施形態では、密封装置40に、外輪8の端部8Aが嵌め入れられる。
密封装置40は、弾性環44、外側補強環46、および内側補強環48を有する複合構造である。弾性環44は、弾性体、例えばエラストマーで形成されている。外側補強環46と内側補強環48は、剛体、例えば金属から形成されており、弾性環44を補強する。外側補強環46と内側補強環48の一部は、弾性環44に埋設されており、弾性環44に密着している。外側補強環46と内側補強環48は、同一材料から形成されていてもよいし、異なる材料から形成されていてもよい。内側補強環48は、外側補強環46の半径方向内側に配置され、外側補強環46から分離している。
弾性環44は、外側円筒部分(外周部分)44A、内側環状部分44B、連結部分44Cおよびリップ32,34,36を有する。外側円筒部分44Aは、外輪8の端部8Aの外側に配置される。内側環状部分44Bは、外側円筒部分44Aの半径方向内側に配置されている。連結部分44Cは、外側円筒部分44Aと内側環状部分44Bを連結する。
外側円筒部分44Aの内周面には、半径方向内側に突出して、外輪8の端部8Aの外周面に接触する突出環状壁部分44Dが形成されている。密封装置40に外輪8の端部8Aが嵌め入れられると、突出環状壁部分44Dは端部8Aの外周面により、半径方向外側に圧縮されて弾性変形する。図3は、端部8Aを仮想線で示し、圧縮されていない状態の突出環状壁部分44Dを示す。
連結部分44Cは、円環状であって、外側円筒部分44Aの一端からハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するように(外輪8の端部8Aの端面に平行に)半径方向内側に向けて延びている。
この実施形態では、内側環状部分44Bは、連結部分44Cから半径方向内側かつインボード側に向けて斜めに延び、屈曲して、さらにハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するように半径方向内側に向けて延びている。
ラジアルリップ32は、内側環状部分44Bの最も内側の縁部から延び、ハブ4の玉10の近傍の外周面4Aに接触する。サイドリップ34,36は、内側環状部分44Bから側方(アウトボード側)、かつ半径方向外側に向けて延びる。
外側補強環46は、円筒部分46A、円環部分(環状壁部分)46B、および傾斜環部分46Cを有する。円筒部分46Aの内周面には、外輪8の端部8Aが嵌め入れられる。円環部分46Bは、円筒部分46Aの一端からハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するように(外輪8の端部8Aの端面に平行に)半径方向内側に向けて延びている。傾斜環部分46Cは、円環部分46Bの内側端から半径方向内側かつインボード側に向けて斜めに延びている。
外側補強環46の円筒部分46Aと弾性環44の外側円筒部分44Aは、外輪8の端部8Aが嵌め入れられる取付け部41を構成する。外側補強環46の円筒部分46Aは、弾性環44の外側円筒部分44Aの突出環状壁部分44Dが形成されていない内周面の部分に密着している。外輪8の端部8Aは、円筒部分46Aと外側円筒部分44Aに圧入され、突出環状壁部分44Dを半径方向外側に圧縮する。
弾性環44の突出環状壁部分44Dは、外輪8の端部8Aと密封装置40との間隙の封止性能を向上させ、外側補強環46の錆を防止または抑制するために設けられている。突出環状壁部分44Dは省略してもよく、この場合には、外輪8の端部8Aが円筒部分46Aに嵌め入れられても、外側円筒部分44Aは端部8Aに接触しなくてもよい。
外側補強環46の円環部分46Bは、外輪8の端部8Aの端面に対向させられ、その端面に接触する。密封装置40を外輪8の端部8Aに取り付ける時、円環部分46Bが、外輪8の端部8Aの端面に接触して停止するストッパーとして機能する。円環部分46Bは、弾性環44の連結部分44Cに密着し、傾斜環部分46Cは、弾性環44の内側環状部分44Bに密着している。
内側補強環48は、ハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するよう配置された円環である。内側補強環48は、弾性環44の内側環状部分44Bに密着している。
この実施形態においては、密封装置40が外側補強環46と内側補強環48を有しており、ラジアルリップ32を有する弾性環44に外側補強環46と内側補強環48が密着している。外側補強環46と内側補強環48は、互いに分離しており、相対的に半径方向に変位することができる。したがって、第1実施形態と同様の効果を達成することができる。
この実施形態では、外側補強環46と内側補強環48の間隙部分42には、弾性環44の一部が配置されているが、ここには弾性環44の一部が配置されなくてもよい。この実施形態のように、間隙部分42に弾性環44の一部が配置される場合には、弾性材料の裂けを低減または防止するために、間隙部分42の付近にある、外側補強環46の傾斜環部分46Cの内側端部の隅部分、および内側補強環48の外側端部の隅部分を面取りするか、これらの隅部分を図示のように円弧状に形成することが好ましい。
密封装置40は、2つの補強環46,48を有するが、さらに多くの補強環を有してもよい。これらの補強環の間隙部分の位置は、図示の間隙部分42の位置に限定されず、他の位置でもよい。但し、取付け部41とラジアルリップ32の間の弾性環44の弾性変形を大きく確保して、上記の効果を達成するため、補強環の間隙部分の位置は、外輪8の端部8Aよりも内側であることが好ましい。
第3実施形態
図4は、本発明の第3実施形態に係る非使用時の密封装置50を示す。図5は、外輪8に取り付けられる時の密封装置50を示す。第3実施形態では、密封装置50に、外輪8の端部8Aが嵌め入れられる。
密封装置50は、弾性環54、外側補強環56、および内側補強環58を有する複合構造である。弾性環54は、弾性体、例えばエラストマーで形成されている。外側補強環56と内側補強環58は、剛体、例えば金属から形成されており、弾性環54を補強する。外側補強環56と内側補強環58の一部は、弾性環54に埋設されており、弾性環54に密着している。外側補強環56と内側補強環58は、同一材料から形成されていてもよいし、異なる材料から形成されていてもよい。内側補強環58は、外側補強環56の半径方向内側に配置され、外側補強環56から分離している。
弾性環54は、外側円筒部分(外周部分)54A、内側環状部分54B、連結部分54Cおよびリップ32,35,36を有する。外側円筒部分54Aの内周面には、外輪8の端部8Aが嵌め入れられる。内側環状部分54Bは、外側円筒部分54Aの半径方向内側に配置されている。連結部分54Cは、外側円筒部分54Aと内側環状部分54Bを連結する。
外側円筒部分54Aの内周面には、半径方向内側に突出して、外輪8の端部8Aの外周面に接触する突出環状壁部分54Dが形成されている。密封装置50に外輪8の端部8Aが嵌め入れられると、突出環状壁部分54Dは端部8Aの外周面により、半径方向外側に圧縮されて弾性変形する。図4は、端部8Aを仮想線で示し、圧縮されていない状態の突出環状壁部分54Dを示す。図5は、端部8Aを実線で示し、圧縮された状態の突出環状壁部分54Dを示す。
連結部分54Cは、円環状であって、外側円筒部分54Aの一端からハブ軸受1の中心軸線Axに対してほぼ直交するように(外輪8の端部8Aの端面に平行に)半径方向内側に向けて延びている。
この実施形態では、内側環状部分54Bは、連結部分54Cから半径方向内側かつインボード側に向けて斜めに延び、屈曲して、さらにハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するように半径方向内側に向けて延びている。さらに、この実施形態では、内側環状部分54Bは、内側補強環58のU字形の溝の内部に配置された部分54Eを有する。
ラジアルリップ32は、内側環状部分54Bの最も内側の縁部から延び、ハブ5の玉10の近傍の外周面5Aに接触する。サイドリップ35,36は、内側環状部分54Bから側方(アウトボード側)、かつ半径方向外側に向けて延びる。
外側補強環56は、円筒部分56A、および円環部分(環状壁部分)56Bを有する。この実施形態では、円筒部分56Aは、弾性環54の外側円筒部分54Aに埋設されている。円環部分56Bは、円筒部分56Aの一端からハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するように(外輪8の端部8Aの端面に平行に)半径方向内側に向けて延びている。円環部分56Bは、外輪8の端部8Aの端面に対向させられ、その端面に接触する。円環部分56Bは、弾性環54の連結部分54Cに密着している。
内側補強環58は、外側円筒部分58A、内側円筒部分58B、円環部分(環状壁部分)58C、連結部分58Dおよび屈曲部分58Eを有する。
外側円筒部分58Aは、外輪8の端部8Aに嵌め入れられ、外側円筒部分58Aの外周面は、外輪8の端部8Aの内周面に接触する。内側円筒部分58Bは、外側円筒部分58Aと同軸に配置されている。円環部分58Cは、外側円筒部分58Aの一端から半径方向外側に延び、外輪8の端部8Aの端面に対向させられ、その端面に接触する。連結部分58Dは、外側円筒部分58Aと内側円筒部分58Bとを連結する。屈曲部分58Eは、内側円筒部分58Bの一端から延びており、弾性環54の部分54E以外の屈曲した内側環状部分54Bの形状にほぼ相似する屈曲した形状を有する。
外側円筒部分58Aと内側円筒部分58Bの間には、弾性環54の内側環状部分54Bの部分54Eが配置され、外側円筒部分58Aと内側円筒部分58Bは、部分54Eに密着している。円環部分58Cは、弾性環54の連結部分54Cに密着している。屈曲部分58Eは、弾性環54の内側環状部分54Bに密着している。
弾性環54の外側円筒部分54Aと、外側補強環56の円筒部分56Aと、内側補強環58の外側円筒部分58Aは、外輪8の端部8Aに取り付けられる取付け部51を構成する。具体的には、弾性環54の外側円筒部分54Aに、外輪8の端部8Aが嵌め入れられ、内側補強環58の外側円筒部分58Aが、外輪8の端部8Aに嵌め入れられる。
外輪8の端部8Aは、弾性環54の外側円筒部分54Aに圧入され、突出環状壁部分54Dを半径方向外側に圧縮する。また、内側補強環58は二重の円筒部分58A,58Bと、これらの円筒部分58A,58Bを連結する連結部分58Dを有するので、外輪8の円筒状の端部8Aが外側円筒部分58Aで伝達される内側補強環58の弾性反発力により、半径方向内側から強固に押圧される。したがって、密封装置50の取付け部51は、高い封止性能を有する。
この実施形態においては、弾性環54の外側円筒部分54Aと内側補強環58の外側円筒部分58Aによって、外輪8の円筒状の端部8Aが半径方向において挟み付けられるので、密封装置50の取付け部51は、高い封止性能を有する。また、外輪8の端部8Aの外周面に接触する弾性環54の外側円筒部分54Aが外側補強環56により補強され、外側補強環56は、外輪8の端部8Aの内周面に接触する内側補強環58から分離している。したがって、外輪8の外周面と内周面が互いに偏心していたり、それらの真円度が低かったりしても、外側補強環56と内側補強環58の間隙部分52にある弾性環54の半径方向に弾性変形可能な量が大きいため、外側円筒部分54Aと外側円筒部分58Aは、外輪8の外周面と内周面へ追随する能力が高いので、密封装置50は高い封止性能を有する。
密封装置50を外輪8に取り付ける時には、図5に示すように、治具60によって、弾性環54の連結部分54Cを外輪8の端部8Aに向けて押圧することが想定される。この実施形態では、外側補強環56は、円環部分56Bを有し、円環部分56Bは、外側補強環56の円筒部分56Aから半径方向内側に延び、外輪8の端部8Aの端面に対向させられる。また、内側補強環58は、円環部分58Cを有し、円環部分58Cは、内側補強環58の外側円筒部分58Aから半径方向外側に延び、外輪8の端部8Aの端面に対向させられる。密封装置50を外輪8の端部8Aに取り付ける時、外側補強環56の円環部分56Bおよび内側補強環58の円環部分58Cが、外輪8の端部8Aの端面に接触して停止するストッパーとして機能する。したがって、密封装置50を外輪8の端部8Aに取り付けやすい。
但し、内側補強環58の円環部分58Cを設けずに、密封装置50を外輪8の端部8Aに取り付ける時、外側補強環56の円環部分56Bのみをストッパーとして使用してもよい。
外側補強環56と内側補強環58の間隙部分52には、弾性環54の連結部分54Cの一部が配置されており、弾性材料の裂けを低減または防止するために、間隙部分52の付近にある、外側補強環56の内側端部の隅部分、および内側補強環58の外側端部の隅部分を面取りするか、これらの隅部分を図示のように円弧状に形成することが好ましい。
図6および図7は、この実施形態の変形例をそれぞれ示す。図6の変形例では、外側補強環56には円環部分56Bが設けられず、内側補強環58の円環部分58Cが図5の例よりも長く形成されている。密封装置50を外輪8の端部8Aに取り付ける時、内側補強環58の円環部分58Cのみがストッパーとして使用される。
図7の変形例では、外側補強環56には円環部分56Bが設けられているが、円環部分56Bは、短く形成され、外輪8の端部8Aに接触せず、内側補強環58の円環部分58Cが図5の例よりも長く形成されている。密封装置50を外輪8の端部8Aに取り付ける時、内側補強環58の円環部分58Cのみがストッパーとして使用される。
図5の実施形態ならびに図6および図7の変形例では、密封装置50は、2つの補強環56,58を有するが、さらに多くの補強環を有してもよい。
第4実施形態
図8は、本発明の第4実施形態に係る非使用時の密封装置60を示す。第4実施形態では、密封装置60に、外輪8の端部8Aが嵌め入れられる。
密封装置60は、弾性環64、外側補強環56、および内側補強環68を有する複合構造である。弾性環64は、弾性体、例えばエラストマーで形成されている。外側補強環56と内側補強環68は、剛体、例えば金属から形成されており、弾性環64を補強する。外側補強環56と内側補強環68の一部は、弾性環64に埋設されており、弾性環64に密着している。外側補強環56と内側補強環68は、同一材料から形成されていてもよいし、異なる材料から形成されていてもよい。内側補強環68は、外側補強環56の半径方向内側に配置され、外側補強環56から分離している。
弾性環64は、外側円筒部分(外周部分)64A、内側環状部分64B、連結部分64Cおよびリップ32,35,36を有する。外側円筒部分64Aの内周面には、外輪8の端部8Aが嵌め入れられる。内側環状部分64Bは、外側円筒部分64Aの半径方向内側に配置されている。連結部分64Cは、外側円筒部分64Aと内側環状部分64Bを連結する。
外側円筒部分64Aの内周面には、半径方向内側に突出して、外輪8の端部8Aの外周面に接触する突出環状壁部分64Dが形成されている。密封装置60に外輪8の端部8Aが嵌め入れられると、突出環状壁部分64Dは端部8Aの外周面により、半径方向外側に圧縮されて弾性変形する。図8は、端部8Aを仮想線で示し、圧縮されていない状態の突出環状壁部分64Dを示す。
連結部分64Cは、円環状であって、外側円筒部分64Aの一端からハブ軸受1の中心軸線Axに対してほぼ直交するように(外輪8の端部8Aの端面に平行に)半径方向内側に向けて延びている。
この実施形態では、内側環状部分64Bは、連結部分64Cから半径方向内側かつインボード側に向けて斜めに延び、屈曲して、さらにハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するように半径方向内側に向けて延びている。さらに、この実施形態では、内側環状部分64Bは、内側補強環68の外側に配置された部分64Eを有する。
部分64Eには、突出環状壁部分64Fが設けられている。突出環状壁部分64Fは、外側円筒部分64Aに向けて半径方向外側に突出する。突出環状壁部分64Fは、外輪8の端部8Aに嵌め入れられ、端部8Aの内周面により、半径方向内側に圧縮されて弾性変形する。図8は、圧縮されていない状態の突出環状壁部分64Fを示す。
ラジアルリップ32は、内側環状部分64Bの最も内側の縁部から延び、ハブ5の玉10の近傍の外周面5Aに接触する。サイドリップ35,36は、内側環状部分64Bから側方(アウトボード側)、かつ半径方向外側に向けて延びる。
外側補強環56は、図4に示す第3実施形態の外側補強環56と同一である。円筒部分56Aは、弾性環64の外側円筒部分64Aに埋設されている。円環部分56Bは、外輪8の端部8Aの端面に対向させられ、その端面に接触する。円環部分56Bは、弾性環64の連結部分64Cに密着している。
内側補強環68は、円筒部分68A、円環部分68B、連結部分68C、および屈曲部分68Dを有する。円筒部分68Aは、外輪8の端部8Aの内周面に嵌め入れられ、円筒部分68Aの外周面は、外輪8の端部8Aの内周面に接触する。内側補強環68が外輪8の端部8Aの内周面に嵌め入れられると、円筒部分68Aは端部8Aにより、半径方向内側に圧縮されて弾性変形する。図8は、圧縮されていない状態の円筒部分68Aを示す。
円環部分68Bは、円筒部分68Aの半径方向内側に配置され、ハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するよう配置されている。連結部分68Cは、円筒部分68Aと円環部分68Bを連結する。内側補強環68の連結部分68Cは、弾性環64の部分64Eに密着し、円環部分68Bは、弾性環64の部分64Eと内側環状部分64Bに密着している。屈曲部分68Dは、円環部分68Bの一端から延びており、屈曲した形状を有する。屈曲部分68Dは、内側環状部分64Bに密着している。
弾性環64の外側円筒部分64Aと、外側補強環56の円筒部分56Aと、内側補強環68の円筒部分68Aと、弾性環64の突出環状壁部分64Fは、外輪8の端部8Aに取り付けられる取付け部61を構成する。具体的には、弾性環64の外側円筒部分64Aに、外輪8の端部8Aが嵌め入れられ、内側補強環68の円筒部分68Aと弾性環64の突出環状壁部分64Fが、外輪8の端部8Aに嵌め入れられる。
外輪8の端部8Aは、弾性環64の外側円筒部分64Aに圧入され、突出環状壁部分64Dを半径方向外側に圧縮する。また、外輪8の端部8Aには、弾性環64の部分64Eが圧入され、端部8Aは突出環状壁部分64Fを半径方向内側に圧縮する。外輪8の円筒状の端部8Aは、内側補強環68の円筒部分68Aだけでなく、弾性環64の突出環状壁部分64Fにより半径方向内側から強固に押圧される。したがって、密封装置60の取付け部61は、高い封止性能を有する。
さらにこの実施形態においては、弾性環64の外側円筒部分64Aの突出環状壁部分64Dと部分64Eの突出環状壁部分64Fによって、外輪8の円筒状の端部8Aが半径方向において挟み付けられるので、密封装置60の取付け部61は、高い封止性能を有する。また、外輪8の端部8Aの外周面に接触する弾性環64の外側円筒部分64Aが外側補強環56により補強され、外側補強環56は、外輪8の端部8Aの内周面に接触する内側補強環68から分離している。したがって、外輪8の外周面と内周面が互いに偏心していたり、それらの真円度が低かったりしても、外側補強環56と内側補強環68の間隙部分62にある弾性環64の半径方向に弾性変形可能な量が大きいため、外側円筒部分64Aと突出環状壁部分64Fと円筒部分68Aは、外輪8の外周面と内周面へ追随する能力が高いので、密封装置60は高い封止性能を有する。
密封装置60を外輪8に取り付ける時には、第3実施形態と同様に、治具60によって、弾性環64の連結部分64Cを外輪8の端部8Aに向けて押圧することが想定される。この実施形態では、外側補強環56は、円環部分56Bを有し、円環部分56Bは、外側補強環56の円筒部分56Aから半径方向内側に延び、外輪8の端部8Aの端面に対向させられる。密封装置60を外輪8の端部8Aに取り付ける時、外側補強環56の円環部分56Bが、外輪8の端部8Aの端面に接触して停止するストッパーとして機能する。したがって、密封装置60を外輪8の端部8Aに取り付けやすい。
弾性材料の裂けを低減または防止するために、間隙部分62の付近にある、外側補強環56の内側端部の隅部分を面取りするか、これらの隅部分を図示のように円弧状に形成することが好ましい。
図9は、この実施形態の変形例を示す。図9の変形例では、内側補強環68の円環部分68Bおよび弾性環64の内側環状部分64Bが、図8の例よりも短く形成されている。
図8の実施形態および図9の変形例では、密封装置60は、2つの補強環56,68を有するが、さらに多くの補強環を有してもよい。例えば、内側補強環68を円環部分68Bで分断した形状の2つの補強環を、外側補強環56に加えて、設けてもよい。
他の変形例
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記の説明は本発明を限定するものではなく、本発明の技術的範囲において、構成要素の削除、追加、置換を含む様々な変形例が考えられる。
例えば、密封装置のリップの形状および数は、上記のものに限定されない。
上記の実施形態では、内側部材であるハブ4および内輪6が回転部材であり、外側部材である外輪8が静止部材である。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、互いに相対回転する複数の部材の密封に適用されうる。例えば、内側部材が静止し、外側部材が回転してもよいし、これらの部材のすべてが回転してもよい。
1 ハブ軸受(転がり軸受)
4 ハブ(内側部材)
6 内輪(内側部材)
8 外輪(外側部材)
8A 端部
20 密封装置
24 弾性環
24A 外側円筒部分(円筒部分)
24B 内側環状部分
24C 連結部分
24D 突出環状壁部分
26 外側補強環
26A 円筒部分
26B 円環部分
26C 連結部分
28 内側補強環
32 ラジアルリップ
34,36 サイドリップ
38 取付け部
40,50,60 密封装置
41,51,61 取付け部
44,54,64 弾性環
44A,54A,64A 外側円筒部分(外周部分)
44B,54B,64B 内側環状部分
44C,54C,64C 連結部分
44D,54D,64D 突出環状壁部分
54E,64E 部分
64F 突出環状壁部分
46,56 外側補強環
46A,56A 円筒部分
46B,56B 円環部分(環状壁部分)
46C 傾斜環部分
48,58,68 内側補強環
58A 外側円筒部分
58B 内側円筒部分
58C 円環部分(環状壁部分)
58D 連結部分
58E 屈曲部分
68A 円筒部分
68B 円環部分
68C 連結部分
68D 屈曲部分

Claims (6)

  1. 転がり軸受の相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、
    前記転がり軸受の前記外側部材の円筒状の端部に取り付けられる取付け部と、
    前記取付け部から半径方向内側に延びる内側環状部分と、
    前記内側環状部分から前記転がり軸受の前記内側部材に向けて延びる少なくとも1つのリップと
    を備え、
    前記密封装置は、
    弾性体から形成された弾性環と、
    剛体から形成され、前記弾性環に密着している外側補強環と、
    剛体から形成され、前記外側補強環の半径方向内側に配置され、前記外側補強環から分離しており、前記弾性環に密着している内側補強環と
    を備え、
    前記内側環状部分および前記リップは、前記弾性環の部分である
    ことを特徴とする密封装置。
  2. 前記取付け部は、
    前記弾性環の外周部分と、
    前記外周部分に埋設された前記外側補強環の円筒部分と、
    前記弾性環の前記内側環状部分に密着している前記内側補強環の円筒部分と
    を有し、
    前記弾性環の前記外周部分に、前記外側部材の前記端部が嵌め入れられ、
    前記内側補強環の前記円筒部分が、前記外側部材の前記端部に嵌め入れられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記外側補強環は、前記外側補強環の前記円筒部分から半径方向内側に延びて前記外側部材の前記端部の端面に対向させられる環状壁部分を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の密封装置。
  4. 前記内側補強環は、前記内側補強環の円筒部分から半径方向外側に延びて前記外側部材の前記端部の端面に対向させられる環状壁部分を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の密封装置。
  5. 前記外側補強環は、前記外側補強環の前記円筒部分から半径方向内側に延びて前記外側部材の前記端部の端面に対向させられる環状壁部分を有し、
    前記内側補強環は、前記内側補強環の円筒部分から半径方向外側に延びて前記外側部材の前記端部の端面に対向させられる環状壁部分を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の密封装置。
  6. 前記内側補強環は、前記内側補強環の前記円筒部分と同軸に配置された内側円筒部分と、前記内側補強環の前記円筒部分と前記内側円筒部分とを連結する連結部分とを有する
    ことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の密封装置。
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