JP2019073691A - 樹脂組成物、シート、それを用いた積層体、画像表示装置 - Google Patents

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大樹 田畑
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Abstract

【課題】優れた接着力、保持力、折り曲げ性、及び、水蒸気バリア性を有する樹脂組成物の提供を提供する。【解決手段】イソブチレン系重合体(A)と、特定のアクリレート系重合体(B)を含む樹脂組成物であって、周波数1Hzの剪断における損失正接(tanδ)の少なくとも一つの極大点が−30℃〜−15℃の範囲にある樹脂組成物【選択図】なし

Description

本発明は、優れた接着力、保持力、折り曲げ性、及び、水蒸気バリア性を有する樹脂組成物、さらには、この樹脂組成物を用いたシート、当該シートを用いた積層体、及び、画像表示装置に関する。
近年、有機発光ダイオード(OLED)や量子ドット(QD)を用いた曲面、あるいは折り曲げ可能な表示装置が開発され、広く商用化されつつある。
このような表示装置では、複数のフィルム状構成部材が、透明光学接着(OCA)シートで貼り合された構造をしている。しかし、従来から使用されているアクリル系OCAシートには、防湿性能の不足による様々なトラブルや、金属電極の腐食やマイグレーションといった課題があり、新たな材料系のOCAシートが求められていた。
上記の課題を解決する可能性のある高分子材料として、ポリイソブチレンを挙げることができる。
ポリイソブチレンは、汎用の軟質樹脂としては水蒸気バリア性が特に高いという特長を有する一方で、樹脂組成物に適用するには凝集力が小さ過ぎるため、糊残りや、低温流動、保持力不足といった課題があった。
このような、凝集力の低いポリイソブチレンを使いこなす方法の一つとして、(メタ)アクリレート等のモノマーをポリイソブチレンに混合した後、(メタ)アクリレートを重合することで、凝集力を向上する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、ポリイソブチレンのような封止樹脂、多官能(メタ)アクリレート、及び、特定のシラン化合物を含む粘着剤組成物が開示されており、この粘着剤組成物から得られる粘着フィルムは優れた水蒸気バリア性、透明性を有することが記載されている。
特表2016−527377号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されているポリイソブチレンと多官能アクリレートからなる粘着シートは、優れた水蒸気バリア性を備えることができるものの、この粘着シートをPET等の樹脂フィルムに挟んで折り曲げ試験をした場合は、流動や座屈により折り曲げ跡が付くという問題があった。
本発明は、良好な接着力、保持力、折り曲げ性を有し、且つ、優れた水蒸気バリア性を実現することができる、新たな樹脂組成物を提供せんとするものである。
本発明は、イソブチレン系重合体(A)とアクリレート系重合体(B)を含む樹脂組成物であって、周波数1Hzの剪断における損失正接(tanδ)の少なくとも一つの極大点が−30℃〜−15℃の範囲にあり、前記アクリレート系重合体(B)が、下式(1)中、Rが異なる少なくとも2種類の単官能アクリレート成分を有することを特徴とする樹脂組成物を提案する。
Figure 2019073691
(式中、Rは炭素数12〜30の炭化水素基、R’は水素(H)又はメチル基(CH)をそれぞれ表す)
本発明が提案する樹脂組成物は、イソブチレン系重合体(A)と、特定のアクリレート系重合体(B)を含み、周波数1Hzの剪断における損失正接(tanδ)の少なくとも一つの極大点が−30℃〜−15℃の範囲にあることにより、接着性、保持力、折り曲げ性、及び、水蒸気バリア性に優れた樹脂組成物とすることができる。さらに、この樹脂組成物から例えばシートを形成し、このシートを画像表示装置等の構成部材として用いることにより、画像表示装置等の薄型化及び、フレキシブル化に寄与することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。ただし、本発明の内容が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<樹脂組成物>
本発明の実施形態の一例に係る樹脂組成物(以下「本樹脂組成物」と称することがある)は、イソブチレン系重合体(A)(以下「A重合体」と称することがある)とアクリレート系重合体(B)(以下「B重合体」と称することがある)を含む樹脂組成物であって、周波数1Hzの剪断における損失正接(tanδ)の少なくとも一つの極大点が−30℃〜−15℃の範囲にあり、前記アクリレート系重合体(B)が、下式(1)中、Rが異なる少なくとも2種類の単官能アクリレート成分を有する樹脂組成物である。
Figure 2019073691
(式中、Rは炭素数12〜30の炭化水素基、R’は水素(H)又はメチル基(CH)をそれぞれ表す)
本樹脂組成物は、周波数1Hzの剪断における損失正接(tanδ)の少なくとも一つの極大点が−30〜−15℃の範囲にあることが重要である。
近年、折り畳み可能(フォルダブル)なディスプレイ向けの光学粘接着剤(OCA)の需要が高まりつつあるが、ディスプレイの使用者が折り畳みをした際に、ガラス転移温度(Tg)が0℃付近にある従来のアクリルOCAでは、接着界面で座屈が起こるというトラブルを生じる場合があった。これには、人間が折り曲げる周波数域でのOCAの動的粘弾性が影響している。よって、OCAのTgをさらに低下させ、低温域の弾性率を下げる必要が生じる。厚みや積層構成にも依存するが、フォルダブル向けOCAのTgは−15℃以下が好ましく、−20℃以下がさらに好ましい。
また、常温付近での接着力の観点から、フォルダブル向けOCAのTgは−30℃以上が好ましい。
後述するように、B重合体が、上式(1)のRが異なる少なくとも2種類の単官能アクリレート成分を有することにより、損失正接(tanδ)の極大点を−30℃〜−15℃の範囲にすることが容易となる。また、用いるA重合体、及び、B重合体を構成するアクリレートの種類とその構成比を選択することにより、損失正接(tanδ)の極大点を適宜調整することができる。また、後述する粘着性付与剤を加えることでも、損失正接の極大点を−30〜−15℃の範囲内に調整することができる。ただし、このような方法に限定するものではない。
イソブチレン系重合体、及び、アクリレート系重合体からなる樹脂組成物に関しては、アクリレート系重合体として、イソブチレン系重合体との相溶性の観点から、炭素数が多い(例えば炭素数12以上)エステル部をもつアクリレート単位構造からなるアクリレート系重合体を用いるのが好ましい。
しかしながら、このような重合体を得るための前駆体である、炭素数12以上の炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートは、そのポリマーのガラス転移温度(Tg)が、一般の単官能(メタ)アクリレートよりも比較的高いという特徴があり、結果として得られる樹脂組成物もTgが高いという特徴があった。
なお、本発明において、アクリレートなどのモノマーのTgという場合、該モノマーのみからなるホモポリマーのTgの意味である。
ここで具体的に、市販の炭素数12以上の炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートのホモポリマーのTgを示す。炭素数が大きくなるほどTgは高く、何れもTgが−15℃超であることがわかる。
・ラウリルアクリレート(C12直鎖、ポリマーTg:−3℃)
・ヘキサデシルアクリレート(C16直鎖、ポリマーTg:35℃)
・ステアリルアクリレート(C18直鎖、ポリマーTg:30℃)
・ベヘニルアクリレート(C22直鎖、ポリマーTg:50℃)
また、炭化水素基に分岐を導入したものは、同炭素数の直鎖のものと比較すると、ホモポリマーのTgが低下するが、それでも、下記に示した市販の分岐アルキルアクリレートのTgは−15℃超である。
・イソステアリルアクリレート(C18分岐、ポリマーTg:15℃(DMA))
これら、炭素数12以上の炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートに加えて、架橋のために多官能(メタ)アクリレート等を加えることも出来る。多官能(メタ)アクリレートに関してもイソブチレン系重合体との相溶性の観点から、下記の様な炭化水素基を有する(メタ)アクリレートが選択され、得られる樹脂組成物のTgは更に上昇することになる。
・1,9−ノナンジオールジアクリレート(C9直鎖2官能、ポリマーTg:68℃)
・1,10−デカンジオールジアクリレート(C10直鎖2官能、ポリマーTg:91℃)
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(C12脂環式2官能、ポリマーTg:190℃)
アクリレート系共重合体のTgは、以下のFOXの式を用いて求められることが知られている。
FOXの式: 1/Tg=W1/T1+W2/T2+・・・Wn/Tn
この式中、Tg:理論ガラス転移温度(K)であり、W1、W2・・・Wnは各モノマーの質量分率であり、T1、T2・・・Tnは各モノマーの実測ガラス転移温度(K)である。
つまり、ポリマーTgが比較的低いイソステアリルアクリレートを主な構造単位に含んだアクリレート系重合体であっても、多官能(メタ)アクリレート等のマイナー成分のTgや、イソブチレン系重合体との相互作用の影響を受けた結果、実際の樹脂組成物のTgは−15℃以下には下がらないという課題があった。
この様に、従来、相溶性の良好なイソブチレン系重合体及びアクリレート系重合体からなる樹脂組成物を得ようとした場合、その樹脂組成物の周波数1Hzの剪断における損失正接の極大点は−15℃超となるのが実情であり、これを−15℃以下に調整することは、困難であった。
本発明では、少なくとも2種類の単官能(メタ)アクリレートを、アクリレート系重合体(B)の構成物質として使用することで、得られる樹脂組成物のTgを劇的に低下させることができる。これは、アクリレート系重合体の長鎖炭化水素基からなる側鎖間の相互作用の変化によるものだと考えられる。この結果は、上記FOXの式から予測されるTgよりも大幅に低いTgを示す特殊な現象である。本発明は、周波数1Hzの剪断における損失正接(tanδ)の少なくとも一つの極大点が−30℃〜−15℃の範囲にある樹脂組成物により、折り曲げによって座屈することなく追随するシートの具現化を可能とし、接着力、保持力、水蒸気バリア性に優れた樹脂組成物が得られたものである。
また、本樹脂組成物は、周波数1Hzの剪断における損失正接(tanδ)の極大点については、−30〜−15℃の範囲で、周波数1Hzの剪断における損失正接の極大値が0.5以上であることが、接着性担保の点より好ましい。中でも0.55以上、さらには0.6以上であるのがより一層好ましい。
本樹脂組成物の100℃の損失正接(tanδ)は、0.6以下が好ましく、0.5以下が更に好ましい。0.6以下であると、十分な高温保持力を発現することが可能となる。
本樹脂組成物において、イソブチレン系重合体(A)100質量部に対して、アクリレート系重合体(B)を5質量部以上100質量部以下の割合で含むことが好ましい。中でも8質量部以上或いは90質量部以下、その中でも10質量部以上或いは80質量部以下であるのがさらに好ましい。
アクリレート系重合体(B)の含有量が5質量部以上であれば、本樹脂組成物の凝集力を効果的に向上し、本樹脂組成物の良好な接着力、保持力を発現する。また、(メタ)アクリレート系重合体(B)の含有量が100質量部以下であれば、良好な透明性を発現できる。
本樹脂組成物は、イソブチレン系重合体(A)とアクリレート系重合体(B)とを含む組成物であれば、その状態、及び、形態は任意である。
例えば、液状、ゲル状、固体状であってもよいし、その他の状態であってもよい。
本樹脂組成物は、例えばシート状、棒状、中空状、その他の形状など様々な形態とすることもできる。中でも、例えば粘着シートなどとして用いる未延伸シートを挙げることができる。
本樹脂組成物がシート状を呈する場合、その厚みは特に制限されるものではない。例えば0.01mm以上、より好ましくは0.03mm以上、更に好ましくは0.05mm以上である。一方、上限として、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.7mm以下、更に好ましくは0.5mm以下である。
厚みが0.01mm以上であれば、ハンドリング性が良好であり、また、厚みが1mm以下であれば、薄型化に寄与することができる。
(ガラス転移温度)
本樹脂組成物は、ガラス転移温度(Tg)が単一であることが好ましい。
少なくともA重合体とB重合体からなる多成分系で、単一の材料の様にガラス転移温度(Tg)が単一となることは稀である。しかし、本樹脂組成物は、A重合体とB重合体の相溶性を良好にすることができるため、ガラス転移温度(Tg)を単一にすることが可能となる。ガラス転移温度が単一であることで、樹脂組成物の透明性を高めることが可能となる。
ここで「ガラス転移温度」とは、損失正接(tanδ)の主分散のピークが現れる温度をいう。よって、周波数1Hzの剪断における損失正接(tanδ)の極大点が1点のみ観察される場合、ガラス転移温度(Tg)が単一であるとみなすことができる。
(全光線透過率、ヘイズ)
本樹脂組成物は、その厚みを100μmに成形した時の全光線透過率が、85%以上であることが好ましく、88%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
また、本樹脂組成物は、その厚みを100μmに成形した時のヘイズが、10以下であることが好ましく、2以下であることが好ましく、特に1以下であることが好ましい。そのヘイズが10以下であることにより、用途によっては表示装置用に使用できるシートとなる。
(水蒸気透過率)
本樹脂組成物は、発光素子の水による劣化を抑え、表示装置の寿命を向上させるために、水蒸気透過率は出来るだけ低いことが求められる。かかる観点から、本樹脂組成物の厚み100μm換算(厚みを100μmとしたとき)の温度40℃、相対湿度90%RHの環境下における水蒸気透過率は、20g/m・24h以下であることが好ましく、15g/m・24h以下であることがさらに好ましく、特に10g/m・24h以下であることが好ましい。また下限については特に制限はないが、一般的には0.5g/m・24h以上である。
水蒸気透過率が20g/m・24h以下であることにより、外部からの水蒸気が、封止対象物に到達することが防止・抑制され、水蒸気バリア性が良好となる。水蒸気透過率を上記範囲にするには、樹脂組成物に含まれるポリイソブチレン系重合体(A)が適切な量で含有されていることが好ましい。
ここで、水蒸気透過率は、JIS K7129Bに準じて測定することができる。
100μm換算の水蒸気透過率は、例えば、厚みがAμmで、水蒸気透過率がBg/(m・day)の場合、厚み100μm換算の水蒸気透過率は、B×A/100という式に当てはめて求めることができる。
(HSP距離)
また、本樹脂組成物は、イソブチレン系重合体(A)と、アクリレート系重合体(B)を構成する単官能(メタ)アクリレートとのハンセン溶解度パラメーター(HSP)距離が5.0以下であることが好ましく、4.5以下がより好ましく、さらに3.8以下であるのが特に好ましい。
HSP距離が5.0以下であれば、イソブチレン系重合体(A)と(メタ)アクリレート系重合体(B)の相溶性が良好となり、ブリードアウトや、分散径の増大による透明性の悪化を抑えることができる。
ここで、「ハンセンの溶解度パラメーター(HSP)」は、ある物質が他のある物質にどのくらい溶けるのかという溶解性を表す指標である。
HSPは、ヒルデブランド(Hildebrand)によって導入された溶解度パラメーターを、分散項δD、極性項δP、水素結合項δHの3成分に分割し、三次元空間に表したものである。分散項δDは分散力による効果、極性項δPは双極子間力による効果、水素結合項δHは水素結合力による効果を示し、
δD: 分子間の分散力に由来するエネルギー
δP: 分子間の極性力に由来するエネルギー
δH: 分子間の水素結合力に由来するエネルギー
と、表記される。(ここで、それぞれの単位はMPa0.5である。)
HSPの定義と計算は、下記の文献に記載されている。
Charles M. Hansen著、Hansen Solubility Parameters: A Users Handbook(CRCプレス、2007年)。
それぞれ、分散項はファンデルワールス力、極性項はダイポール・モーメント、水素結合項は水、アルコールなどによる作用を反映している。そしてHSPによるベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断でき、ベクトルの類似度はハンセン溶解度パラメーターの距離(HSP距離)で判断し得る。また、ハンセンの溶解度パラメーターは、溶解性の判断だけではなく、ある物質が他のある物質中にどの程度存在しやすいか、すなわち分散性がどの程度よいかの判断の指標ともなり得る。
本発明において、HSP[δD、δP、δH]は、例えば、コンピュータソフトウエア Hansen Solubility Parameters in Practice(HSPiP)を用いることによって、その化学構造から簡便に推算できる。具体的には、HSPiPに実装されている、Y−MB法により化学構造から求められるものである。
HSP距離(Ra)は、例えば溶質(本発明では(メタ)アクリレート系重合体(B))のHSPを(δD,δP,δH)とし、溶媒(本発明ではポリイソブチレン樹脂(A))のHSPを(δD,δP,δH)としたとき、下記の式により算出することができる。
HSP距離(Ra)={4×(δD−δD+(δP−δP+(δH−δH0.5
(イソブチレン系重合体(A))
本樹脂組成物を構成するイソブチレン系重合体(A)は、主鎖又は側鎖にイソブチレン骨格を有する重合体であり、下式(2)の構成単位を有するものである。
Figure 2019073691
イソブチレン系重合体(A)は、樹脂組成物の水蒸気バリア性を向上させる働きを有する。
イソブチレン系重合体(A)として、イソブチレンの単独重合体であるポリイソブチレン、ポリブテン、イソブチレンとイソプレンの共重合体、イソブチレンとn−ブテンの共重合体、イソブチレンとブタジエンの共重合体、及びこれら共重合体を臭素化又は塩素化等したハロゲン化ブチルゴム等を挙げることができる。これらの重合体は一種単独、あるいは二種以上を組み合せて用いることができる。
これらの中でも、本樹脂組成物の耐久性及び耐候性を向上させる観点、並びに水蒸気透過率を低下させる観点から、ポリイソブチレン、ポリブテン、及び、イソブチレン・イソプレン共重合体が好ましい。
イソブチレン・イソプレン共重合体は、分子内に、イソブチレン由来の繰り返し単位〔−CH−C(CH−〕と、イソプレン由来の繰り返し単位〔−CH−C(CH)=CH−CH−〕を有する合成ゴムである。
イソブチレン・イソプレン共重合体中のイソプレン由来の繰り返し単位の含有率は、通常、全繰り返し単位に対して、0.1〜99モル%であり、好ましくは0.5〜50モル%、さらに好ましくは、1〜10モル%である。
イソブチレン・イソプレン共重合体中のイソプレン由来の繰り返し単位が上記範囲であれば、防湿性に優れる樹脂組成物が得られるため好ましい。
イソブチレン・イソプレン共重合体の種類は特に限定されず、例えば、再生イソブチレン・イソプレン共重合体、合成イソブチレン・イソプレン共重合体などを挙げることができる。これらの中でも、合成イソブチレン・イソプレン共重合体が好ましい。
イソブチレン系重合体の合成方法としては、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等のルイス酸触媒の存在下で、イソブチレン等のモノマー成分を重合する方法を挙げることができる。
また、イソブチレン系重合体(A)として、市販品を使用することもできる。市販品としては、Vistanex(Exxon Chemical Co.製)、Hycar(Goodrich社製)、Oppanol(BASF社製)、テトラックス(JXTG社製)、IPソルベント(出光社製)、日石ポリブテン(JXTG社製)等を挙げることができる。
イソブチレン系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは50,000〜2,000,000g/mol、より好ましくは100,000〜1,500,000g/mol、さらに好ましくは100,000〜1,000,000g/molである。
重量平均分子量(Mw)が50,000g/mol以上のイソブチレン系重合体(A)であることで、接着剤組成物の流動性が適度なものとなり、シート状に成形した後に形状を保持しやすくなる。また、重量平均分子量(Mw)が2,000,000g/mol以下のイソブチレン系重合体(A)であることで、均一な樹脂組成物が得られやすい。
ここで、重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒として用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定し(GPC分析)、標準ポリスチレンで換算した値である。
また、本樹脂組成物を構成するイソブチレン系重合体(A)は、重量平均分子量が異なる2種類以上のイソブチレン系重合体(A)を組み合わせて使用することも出来る。
重量平均分子量が100,000g/mol未満のイソブチレン系重合体と、重量平均分子量が100,000g/mol以上のイソブチレン系重合体を併用することで、2峰性分子量分布のイソブチレン系重合体としてもよい。
このように元が別々の原料であったとしても、イソブチレン系重合体(A)全体として、重量平均分子量が100,000〜2,000,000g/mol、より好ましくは100,000〜1,500,000g/mol、さらに好ましくは100,000〜1,000,000g/molであればよい。
重量平均分子量が100,000g/mol未満の市販品としては、商品名:テトラックス(JXTG社)、商品名:ハイモール(JXTG社)、IPソルベント(出光社製)が挙げられ、重量平均分子量が100,000g/mol以上の市販品としては、商品名:オパノール(BASF社)を挙げることができる。
(アクリレート系重合体(B))
アクリレート系重合体(B)は、優れた接着力、保持力を本樹脂組成物に付与する働きを有する。
本樹脂組成物を構成するアクリレート系重合体(B)は、下式(1)中のRが異なる、少なくとも2種類の単官能アクリレート成分を有する。
Figure 2019073691
(式中、Rは炭素数12〜30の炭化水素基、R’は水素(H)又はメチル基(CH)をそれぞれ表す)
アクリレート系重合体(B)に関しては、下記(i)及び(ii)を満たすのが好ましい。
(i)アクリレート系重合体(B)100質量部に対して、前記単官能アクリレート成分の含有割合(2種類以上の単官能アクリレート成分の合計含有量)が70質量部以上である。
(ii)異なる炭素数のRを有する前記単官能アクリレート成分を、少なくとも2種類含む。
アクリレート系重合体(B)100質量部に対して、前記単官能アクリレートの含有割合(2種類以上の単官能アクリレート成分の合計含有量)は、好ましくは70質量部以上であり、より好ましくは80質量部以上であり、特に好ましくは90質量部である。
前記単官能アクリレートの含有割合が70質量部以上であることで、本樹脂組成物の凝集力を効果的に向上し、本樹脂組成物の良好な接着力、保持力を発現する。
上式(1)中、Rは炭素数12〜30の炭化水素基であれば特に制限されず、二重結合、三重結合、又は芳香環を含んでいてもよい。長期安定性の観点から、該Rは、二重結合、三重結合、又は芳香環を含まない炭化水素基であることが好ましい。
上式(1)中のRの具体例としては、例えば、デシル基(C10)、ウンデシル基(C11)、ドデシル基(C12)、トリデシル基(C13)、テトラデシル基(C14)、ペンタデシル基(C15)、ヘキサデシル基(C16)、ヘプタデシル基(C17)、オクタデシル基(C18)、ノナデシル基(C19)等を挙げることができる。
ここで、アクリレート系重合体(B)は、異なる炭素数のRを有する前記単官能アクリレート成分を、少なくとも2種類含むことが好ましい。
異なる炭素数のRを有する前記単官能アクリレート成分を少なくとも2種類含むことにより、損失正接(tanδ)の極大点を−30℃〜−15℃の範囲にすることが容易となる。
少なくともRが異なるアクリレートが2種類含まれていれば制限はないが、3種類以上であってもよい。
また、本樹脂組成物を構成するアクリレート系重合体(B)は、下記(iii)を満たすことが好ましい。
(iii) 上式(1)のRが分岐アルキル基である単官能アクリレート成分を、少なくとも1種類含む。
上式(1)のRが分岐アルキル基である単官能アクリレート成分を、少なくとも1種類含むことで、本樹脂組成物の損失正接(tanδ)の極大点を−30℃〜−15℃の範囲にすることがさらに容易となる。さらに、常温領域で結晶化しにくく、透明性を発現しやすくなるという利点も有する。
当該分岐アルキル基は、特に制限はないが、例えばイソデシル基(C10)、イソウンデシル基(C11)、イソドデシル基(C12)、イソトリデシル基(C13)、イソテトラデシル基(C14)、イソペンタデシル基(C15)、イソヘキサデシル基(C16)、イソヘプタデシル基(C17)、イソオクタデシル(イソステアリル)基(C18)、イソノナデシル基(C19)といった、分岐アルキル基が好ましく用いられる。
また、分岐アルキル基は、セカンダリー、ターシャリー何れでもよく、分岐の位置、分岐の数も、化学的に安定に存在し得る範囲において、特に制限はない。
上式(1)のRが分岐アルキル基である単官能アクリレート成分の含有量に関しては、アクリレート系重合体(B)100質量部に対して、Rが分岐アルキル基である単官能アクリレート成分の含有割合(2種類以上の単官能アクリレート成分の合計含有量)は30質量部〜80質量部であるのが好ましく、より好ましくは35質量部〜75質量部である。30質量部以上であれば、本樹脂組成物の透明性を発現することが容易となる。一方、80質量部以下であれば、本樹脂組成物の損失正接(tanδ)の極大点を−30℃〜−15℃の範囲にすることが容易となる。
以下、アクリレート系重合体(B)を構成するモノマーであるアクリレートモノマーについて説明する。
硬化反応によりアクリレート系重合体(B)となる単官能(メタ)アクリレートを下式(3)に示す。
Figure 2019073691
(式中、Rは炭素数12〜30の炭化水素基、R’は水素(H)又はメチル基(CH)をそれぞれ表す)
前述したように、単官能(メタ)アクリレートのHSPは、イソブチレン系重合体(A)とのHSP距離が5.0以下の位置にあることが好ましく、4.5以下の位置にあることがより好ましい。
イソブチレン系重合体(A)とのHSP距離が5.0以下である単官能(メタ)アクリレートの例としては、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソテトラデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、式(3)中のRは、少なくとも1種類が分岐アルキル基であることが好ましい。該Rが分岐アルキル基である単官能アクリレート成分を、少なくとも1種類含むことで、本樹脂組成物の損失正接(tanδ)の極大点を−30℃〜−15℃の範囲にすることが容易となる。さらに、常温領域で結晶化しにくく、透明性を発現しやすくなるという利点も有する。分岐アルキル基はセカンダリー、ターシャリー何れでもよく、分岐の位置、分岐の数も、化学的に安定に存在し得る範囲において、特に制限はない。
硬化前の前駆体組成物(以下「硬化性組成物」と称する)について、アクリレート100重量部に対して、前記式(3)の単位構造を有する単官能アクリレートは70質量部以上であるのが好ましく、より好ましくは80質量部以上、さらにより好ましくは90質量部以上である。
前記硬化性組成物は、本樹脂組成物の透明性や凝集力を向上するために、多官能アクリレートが少量含まれていることが好ましい。
多官能アクリレートとは、アクリロイルオキシ基を2個以上有し少なくともアクリロイルオキシ基同士が炭化水素基を介して結合するアクリレートである。
多官能アクリレートモノマーの例として2官能性脂肪族(メタ)アクリレートモノマーの構造を下式(4)に示す。
Figure 2019073691
上式(4)中、Rは水素(H)又はメチル基(CH)である。
多官能アクリレートの含有量は、硬化性組成物に対して0.5質量%以上10質量%未満であるのが好ましく、中でも1質量%以上或いは9質量%未満であるのがさらに好ましく、その中でも2質量%以上或いは8質量%未満であるのが更に好ましい。
多官能アクリレートの含有量を0.5質量%以上とすることで、本樹脂組成物の透明性や凝集力を向上することが可能である一方、10質量%未満とすることで、本樹脂組成物のプラトー弾性率とTgを低く保ち、折り曲げ適性を発現できる。
本発明に用いる多官能(メタ)アクリレートのHSPは、イソブチレン系重合体(A)とのHSP距離が9.0以下の位置にあることが好ましく、8.0以下の位置にあることがより好ましい。
HSP距離を上記範囲とすることで、ブリードアウト等の透明性や接着性に関わるトラブルを抑制することが出来る。
上式(4)中、Xは、脂肪族炭化水素基、又は、脂環式炭化水素基であることが好ましい。
また、本樹脂組成物に用いられる多官能(メタ)アクリレートとしては、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、水素添加ポリブタジエンアクリレート等の直鎖アルキル基を有するジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の脂環式骨格を有するジ(メタ)アクリレート、を挙げることができる。が、これらに限定されない。
一方、上式(4)中、Xは多重結合を含んだ炭化水素基であってもよい。このような多官能アクリレートとしては、商品名:BAC−45(大阪有機化学社製、ポリブタジエン末端ジアクリレート)等を挙げることができる。
また、多官能アクリレートとして、多官能のウレタンアクリレートを用いることも出来る。(A)成分との相溶性の観点から、ポリブタジエンなどの脂肪族ポリマーを骨格に有するウレタンアクリレートが好ましい。市販品としては、商品名:CN9014 NS(サートマー社)等を挙げることができる。
このように、上式(4)中、Xについては特に制限はないが、透明性等の観点より、Xは単結合からなる炭化水素基であることが好ましい。
多官能アクリレートとしては、2官能アクリレートに限定されず、3、4、又は4超の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを使用してもよいが、シートの長期安定性、樹脂組成物の低Tg化のし易さの観点から2官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
なお、多官能(メタ)アクリレートは1種類のみを用いても、数種類を併用してもよい。
本樹脂組成物は、接着性を高めるために粘着付与剤をさらに含んでもよい。
しかし、粘着付与剤の添加に起因する高温凝集力の低下や、黄変などの課題を防止するために、粘着付与剤の含有量が10質量%未満であることが好ましい。この範囲にすることで、高温凝集力に優れた本樹脂組成物とすることが出来る。粘着付与剤は、本樹脂組成物の接着性を高める任意の化合物又は化合物の混合物であってもよい。
粘着付与剤としては、例えば、テルペン系粘着付与剤に代表される脂肪族炭化水素系粘着付与剤、フェノール系粘着付与剤に代表される芳香族炭化水素系粘着付与剤、ロジン系粘着付与剤に代表される脂環族炭化水素系粘着付与剤、これらの炭化水素系共重合体からなる粘着付与剤、エポキシ系粘着付与剤、ポリアミド系粘着付与剤、ケトン系粘着付与剤、及び、これらの水素添加物などを挙げることができる。これらのうちでも、相溶性の観点から、脂肪族炭化水素系粘着付与剤、芳香族炭化水素系粘着付与剤、脂環族炭化水素系粘着付与剤、これらの炭化水素系共重合体からなる粘着付与剤が好ましい。特に脂肪族炭化水素系粘着付与剤が好ましい。
またこれらの粘着付与剤は1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
本樹脂組成物は、柔軟化剤を含有してもよい。
柔軟化剤は、例えば、加工性を向上させるために組成物の粘度を調節することができる。
使用可能な柔軟化剤の例としては、芳香族型、パラフィン型、及びナフテン型などの石油系炭化水素、液状ポリブテン、及び水素添加液状ポリイソプレン等の液状ゴム又はその誘導体、ワセリン、及び石油系アスファルトを挙げることができる。但し、これらに限定するものではない。
柔軟化剤を使用する実施形態において、1種類の柔軟化剤又は複数の柔軟化剤の組み合わせを使用することができる。
なお、本樹脂組成物においては、液状ポリイソブチレン樹脂はイソブチレン系重合体(A)として扱う。
本樹脂組成物は、その他、硬化促進剤、充填剤、カップリング剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、HALS、酸化防止剤、安定剤、防錆剤、又はこれらの幾つかの組み合わせを硬化性組成物に添加してもよい。
これら添加剤の量は、典型的には、樹脂組成物の硬化に悪影響を与えないように、又は硬化性組成物の物理的特性に悪影響を与えないように選択するのが好ましい。
<本樹脂組成物の製造方法>
以下、本樹脂組成物の製造方法について説明する。
但し、以下の説明は、本樹脂組成物を製造する方法の一例であり、本樹脂組成物はかかる製造方法により製造されるものに限定されるものではない。
本樹脂組成物は、例えば、下記に記載の硬化性組成物を硬化してなる樹脂組成物である。
本樹脂組成物は、例えば、前記A重合体と、少なくとも2種類の単官能(メタ)アクリレート成分とを含む硬化性組成物を調製し、アクリレート成分を重合して前記硬化性組成物を硬化させ、必要に応じて適宜加工を施すことにより本樹脂組成物を調製することができる。硬化性組成物を調製した際、少なくとも2種類の単官能(メタ)アクリレート成分が重合してアクリレート系重合体(B)が生成する。
但し、本樹脂組成物の製造方法を、このような製造方法に限定するものではない。
本樹脂組成物の前駆体である硬化性組成物は、イソブチレン系重合体(A)とアクリレートモノマーを含む硬化性組成物であって、前記アクリレートモノマーとして、下式(3)中、Rが異なる単官能アクリレートモノマーを少なくとも2種類含む硬化性組成物である。
Figure 2019073691
(式中、Rは炭素数12〜30の炭化水素基、R’は水素(H)又はメチル基(CH)をそれぞれ表す)
例えば、イソブチレン系重合体(A)、単官能アクリレートモノマー、重合開始剤および任意成分を、温度調節可能な混練機(例えば、一軸押出機、二軸押出機、プラネタリーミキサー、二軸ミキサー、加圧ニーダー等)を用いて混練することにより、前駆体である硬化性組成物を調製することができる。
種々の原料樹脂を混合して硬化性組成物を得る際に、シランカップリング剤、酸化防止剤、HALS、防錆剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤は、予め樹脂とともにブレンドしてから押出機に供給してもよいし、予め全ての材料を溶融混合してから供給してもよいし、添加剤のみを予め樹脂に濃縮したマスターバッチを作製し供給してもよい。
硬化性を付与するためには、上述のように、前記硬化性組成物は重合開始剤を含むのが好ましい。
重合開始剤としては、アクリレートの重合反応に利用できる重合開始剤であれば特に限定されない。例えば、熱により活性化するもの、活性エネルギー線により活性化するもの、いずれも使用できる。また、ラジカルを発生し、ラジカル反応を引き起こすもの、カチオンやアニオンを発生し、付加反応を引き起こすものいずれも使用することが出来る。
好ましい重合開始剤としては、光重合開始剤であり、一般に光重合開始剤の選択は、硬化性組成物で用いられる具体的な成分、及び所望の硬化速度に少なくとも部分的に依存する。
光重合開始剤の例としては、フェニル及びジフェニルホスフィンオキシド、ケトン、及びアクリジン等の、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾイル化合物、アントラキノン、チオキサントン、ホスフィンオキシドを挙げることができる。
具体的には、商品名DAROCUR(Ciba Specialty Chemicals)、IRGACURE(Ciba Specialty Chemicals)及びLUCIRIN TPOとして入手可能なエチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィネート等のLUCIRIN(BASF)として入手可能な光重合開始剤を挙げることができる。
光重合開始剤としては、400nm以上に励起波長域を有するものを選択して用いることもできる。具体的な光重合開始剤としては、カンファーキノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオンなどのα−ジケトン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド類;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどのα−アミノアルキルフェノン類;またはビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどのチタノセン化合物などのチタノセン類などを挙げることができる。これらの中でも、重合活性の良さ、生体への為害性の少なさなどの観点から、α−ジケトン類やアシルホスフィンオキサイド類が好ましく、カンファーキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドがより好ましい。
一方、架橋構造形成には、光重合開始剤以外にも熱重合開始剤を使用することが出来る。
熱重合開始剤の例としては、アゾ化合物、キニーネ、ニトロ化合物、アシルハロゲン化物、ヒドラゾン、メルカプト化合物、ピリリウム化合物、イミダゾール、クロロトリアジン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ジケトン、フェノン、並びにジラウロイルペルオキシド及びNOFCo.からPERHEXA TMHとして入手可能な1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等の有機ペルオキシドを挙げることができる。
重合開始剤は、硬化性組成物の総質量に基づいて約0.01〜約10質量%、又は約0.01〜約5質量%の濃度で用いられることが多い。重合開始剤の混合物を用いてもよい。
上記硬化性組成物をシート状へ成形する方法としては、公知の方法、例えばドライラミネート、Tダイを用いる押出キャスト法、押出ラミネート法、カレンダー法やインフレーション法等を採用することができる。中でも、ハンドリング性や生産性等の面から、溶融成形をする方法、例えば押出キャスト法及び押出ラミネート法が好適である。
溶剤を使用しない溶融成形を選択する場合、溶融成形をするための硬化性組成物としては、未硬化状態での周波数1Hzの剪断における貯蔵弾性率(G’)が、20℃で50,000Pa以上、160℃で10,000Pa以下であることが好ましい。
20℃でのG’が上記範囲であれば、成形後に常温で形状を維持できる。また、160℃でのG’が上記範囲であれば、気泡を巻き込むことなく成形することが出来る。
種々の温度における弾性率(貯蔵弾性率)G’と粘性率(損失弾性率)G”及びtanδ=G”/G’はひずみレオメーターを用いて測定することが出来る。
溶融成形時の成形温度は、流動特性や製膜性等によって適宜調整されるが、好ましくは80〜230℃、より好ましくは90〜160℃である。
溶融成形の場合、シートの厚みはTダイのリップギャップ、シートの引き取り速度等により適宜調整することができる。
また、ブロッキング防止や異物付着防止の観点からシートの少なくとも片面に、離型フィルムを備えた積層体とすることが好ましい。後述するように、この積層体を、熱及び/又は活性エネルギー線を照射して硬化処理することにより、本樹脂組成物を含むシートの少なくとも片面に、離型フィルムを備えた積層体が得られる。
必要に応じて、エンボス加工や種々の凹凸(円錐や角錐形状や半球形状など)加工を行ってもよい。また、各種被着部材への接着性を向上させる目的で、表面にコロナ処理、プラズマ処理およびプライマー処理などの各種表面処理を行ってもよい。
硬化性組成物に、熱及び/又は活性エネルギー線を照射し硬化させることにより、本樹脂組成物を製造することができる。特に、硬化性組成物をシート成形したものに、熱及び/又は活性エネルギー線を照射することにより、本樹脂組成物を含むシートを製造することができる。
ここで、照射する活性エネルギー線としては、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線、紫外線、可視光線などが挙げられ、中でも光学装置構成部材へのダメージ抑制や反応制御の観点から紫外線が好適である。また、活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法などに関しては特に限定されず、重合開始剤を活性化させて(メタ)アクリレート成分を重合できればよい。
また、柔軟化剤としてパラフィンやイソパラフィンを添加した結果、硬化性組成物の粘度が十分に低い場合は、ダイコーターやコンマコーターを用いて、フィルム上に無溶剤コーティングすることで、樹脂組成物を得てもよい。
また、硬化性組成物を含むシートの製造方法の別の実施態様として、上記硬化性組成物を適切な溶剤に溶解させ、各種コーティング手法を用いて実施することもできる。但し、この実施形態では、溶剤回収など、製造コストの点で考慮が必要である。
コーティング手法を用いた場合、上記の活性エネルギー線照射硬化の他、熱硬化させることにより本樹脂組成物を含むシートを得ることもできる。
コーティング手法による成形を選択する場合、活性エネルギー線硬化の他に、熱硬化により硬化組成物が得られやすく、熱硬化性組成物とする場合は、溶剤の乾燥温度よりも高い分解温度を持つ、重合開始剤が選択される。
コーティングの場合、シートの厚みは塗工厚みと塗工液の固形分濃度によって調整できる。
<画像表示装置構成用積層体、画像表示装置>
本樹脂組成物を含むシートは、少なくともその片面に画像表示装置構成部材を積層させることで、画像表示装置構成用積層体を形成することができ、当該画像表示装置構成用積層体を用いて画像表示装置を構成することができる。
本樹脂組成物を含むシートの少なくとも片面に、タッチパネル、画像表示パネル、表面保護パネル、位相差フィルム、偏光フィルム、カラーフィルター、及びフレキシブル基板からなる群のうちの何れか1種類以上が積層されてなる構成を備えた画像表示装置用積層体とすることができる。
これらいずれか1種類又は2種以上の組み合わせからなる前記画像表示装置構成用積層体を用いて画像表示装置を構成することができる。
さらに、本樹脂組成物を含むシートを備えた画像表示装置とすることも出来る。例えばトップエミッション方式のフレキシブルOLEDディスプレイでは、ポリイミドなどの樹脂基板上に発光層が形成され、発光層側が表示面となるが、樹脂基板の非表示面側に本封止材を配置することで、非表示面側からの水の浸入や、ポリイミドの吸湿を防止することができ、OLEDの長寿命化に寄与することが出来る。また、表示面の変形や外力の影響を抑えることが出来る。
本樹脂組成物を含むシートが設けられることにより、折り曲げ可能な画像表示装置として用いることができる。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
本発明は、以下の実施例により更に説明されるが、実施例はいかなる方法でも本発明を限定することを意図するものではない。
各例で用いた化合物や材料を以下に示す。
〔イソブチレン系重合体(A)〕
・(A)−1:オパノールN50SF(BASF社製、ポリイソブチレン、Mw:56.5万g/mol、(HSP δD:15.1,δP:0,δH:0))
・(A)−2:テトラックス3T(JXTG社製、ポリイソブチレン、Mw:4.9万g/mol、(HSP δD:15.1,δP:0,δH:0))
・(A)−3:IPソルベント2835(出光社製、イソブチレン重合体)
・(A)−4:日石ポリブテンHV−300(JXTG社製、ポリブテン、数平均分子量:1400)
〔アクリレート系重合体(B)のモノマー〕
(i)単官能(メタ)アクリレート
・(B)−1:S−1800ALC(新中村化学工業株式会社製、イソステアリルアクリレート、炭素数18の分岐アルキルに1個のアクリロイルオキシ基が付加したアクリレート。(A)成分からのHSP距離:3.74)
・(B)−2:ブレンマーCA(日油社製、ヘキサデシルアクリレート、炭素数16の直鎖アルキルに1個のアクリロイルオキシ基が付加したアクリレート。(A)成分からのHSP距離:4.08)
・(B)−3:ブレンマーVA(日油社製、ベヘニルアクリレート、炭素数22の直鎖アルキルに1個のアクリロイルオキシ器が付加したアクリレート。(A)成分からのHSP距離:3.61)
(ii)多官能(メタ)アクリレート
・(B)−4:CD595(サートマー社製、1,10−デカンジオールジアクリレート、(A)成分からのHSP距離:6.65)
・(B)−5:A−DCP(新中村化学工業株式会社製、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、(A)成分からのHSP距離:7.77)
・(B)−6:CN9014NS(サートマー社製、ポリブタジエン系の2官能ウレタンアクリレート)
〔粘着付与剤(C)〕
・(C)−1:YSレジンPX800(ヤスハラケミカル社製、テルペン樹脂)
〔重合開始剤〕
・(D)−1:ダロキュアTPO(BASF社製、2,4,6−トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド)
<シート状硬化性組成物の作製方法>
表1、表2に記載した配合にてイソブチレン系重合体、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、粘着付与剤、及び、重合開始剤を均一になるまで混合し、本発明の樹脂組成物の前駆体である硬化性組成物を得た。
続けて、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル株式会社製、ダイアホイルMRF38、厚さ:38μm)2枚の間に、硬化性組成物を展開し、両面に離型フィルムを備え、硬化性組成物層の厚さが約100μmのシート状の硬化性組成物を得た。
次に、得られたシート状の硬化性組成物を、剥離フィルムを積層した状態で、高圧水銀ランプを用いて紫外線を365nmの積算光量が2000mJ/cmとなるよう照射し、23℃50%RHで15時間以上養生することで、単官能(メタ)アクリレートが重合してなるアクリレート系重合体を含む樹脂組成物からなるシート(サンプル)を中間層に備えた積層体を得た。
<硬化性組成物及び未硬化シートの評価試験>
(HSP、HSP距離(Ra))
HSPは、HSP統合ソフトであるHSPiP(商品名)に実装されている、Y−MB法により化学構造から求めた。
HSP距離(Ra)は、(メタ)アクリレートモノマーのHSPを(δD,δP,δH)とし、イソブチレン系重合体(A)のHSPを(δD,δP,δH)としたとき、下記の式により算出した。
HSP距離(Ra)={4×(δD−δD+(δP−δP+(δH−δH0.5
(動的粘弾性)
得られた積層体の両面の離型フィルムを剥がし、シート(サンプル)を複数枚重ねることで、厚みが約2mmのシートを作製し、直径20mmの円形に打ち抜いたものを、レオメータ(英弘精機株式会社製、MARS)を用いて、粘着治具:Φ20mmパラレルプレート、歪み:0.1%、周波数:1Hz、温度:−70〜150℃、昇温速度:3℃/minの条件で測定することで、シート(サンプル)の貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、損失正接(tanδ)を得た。
(折り曲げ性評価)
得られた積層体の両面の離型フィルムを剥がし、厚み100μmのPETフィルムと、厚み50μmのPETフィルムを両面に貼り合せ、貼合品にオートクレーブ処理(60℃,ゲージ圧0.2MPa,20分)を施して仕上げ貼着し、評価用サンプルを作製した。
評価用サンプルをユアサシステム社製、DLDMLH−FSを用いて、IEC 63715に準拠して、厚み50μmのPET側を内側にしてU字曲げを繰り返し行った。試験条件は20℃,周波数1Hz,R=3mm、10万回であり、下記基準で折り曲げ性を評価した。
○:10万回折り曲げ後に、座屈、流動跡がみられない。
×:10万回折り曲げ後に、座屈、流動跡の何れかがみられる。
(接着力試験)
得られたシート(サンプル)の一方の離型フィルムを剥がし、裏打ちフィルムとして50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルT100、厚さ50μm)を貼合して積層品を作成した。
当該積層品を長さ150mm、巾10mmに裁断した後、残る離型フィルムを剥がして露出した接着面をソーダライムガラスにロール圧着した。貼合品にオートクレーブ処理(60℃,ゲージ圧0.2MPa,20分)を施して仕上げ貼着し、接着力測定用サンプルを作製した。
上記剥離力測定サンプルを、剥離角180°、剥離速度60mm/分で引き剥がしたときのガラスとの接着力(N/cm)を測定し、下記の基準で評価した。
○:接着力が1N/cm以上のもの
×:接着力が1N/cm未満のもの
それぞれ得られた樹脂組成物についての結果を表3及び表4に示す。
(保持力試験)
実施例及び比較例で作製した厚さ100μmのシート(サンプル)を40mm×50mmに裁断し、片面の離型フィルムを剥がし、裏打用のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂株式会社製、ダイアホイルS−100、厚さ38μm)をハンドローラで背貼りした後、これを巾25mm×長さ100mmの短冊状に裁断して試験片とした。
次に、残る離型フィルムを剥がして、SUS板(120mm×50mm×厚さ1.2mm)に、貼着面積が25mm×25mmとなるようハンドローラで貼着した。
その後、試験片を40℃の雰囲気下で15分養生させた後、試験片に1kgfの錘を垂直方向に取り付けて掛けて静置した後、錘の落下時間(分)を測定し、下記の基準で評価した。
○:30分以内に落下しなかったもの
△:10分超、30分以内に落下したもの(実用範囲内)
×:10分以内に落下したもの
それぞれ得られた樹脂組成物についての結果を表3及び表4に示す。
(ヘイズ)
ヘイズは、シート(サンプル)の両面にガラスを貼り合せた状態で、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH5000)を用いてJIS K7361−1に準じて全光線透過率を、JIS K7136に準じてヘイズをそれぞれ測定した。それぞれ得られた樹脂組成物についての結果を表3及び表4に示す。
(防湿性)
得られたシート(サンプル)のの厚みを測定後、両面の離型PETを剥がし、代わりにPET不織布を貼り付け、JIS K7129B法にて40℃、90%Rhの水蒸気透過率を測定し、下記評価基準で評価した。
○:100μm換算の水蒸気透過率が20g/m2・24h以下のもの
×:100μm換算の水蒸気透過率が20g/m2・24h超のもの
なお、厚みがわずかに違うもの同士を比較するために、硬化シートの厚みがAμmで、水蒸気透過率がB(g/m・24h)の硬化シートの場合、A×B/100という式に当てはめて、100μm換算の値を求めた。それぞれ得られた樹脂組成物についての結果を表3及び表4に示す。
Figure 2019073691
Figure 2019073691
Figure 2019073691
Figure 2019073691
<溶剤を用いた製造例>
表1に記載した実施例1配合にて、イソブチレン系重合体、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、粘着付与剤、及び、重合開始剤を均一に混合し、本発明の樹脂組成物の前駆体である硬化性組成物を得た。
得られた硬化性組成物100質量部を遮光容器に移し替え、ヘプタン200質量部を加えて溶解することで、均一な塗工液を得た。
続けて、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル株式会社製、ダイアホイルMRF38、厚さ:38μm)の離型面側に、アプリケーターを用いて塗工液を展開し、120℃の乾燥機で15分乾燥後、もう一枚の離型処理されたPETフィルムを、ハンドローラーを用いて積層し、両面に離型フィルムを備え、硬化性組成物層の厚さが約100μmのシート状の硬化性組成物を得た。
次に、得られたシート状の硬化性組成物を剥離フィルムを積層した状態で、高圧水銀ランプを用いて紫外線を365nmの積算光量が2000mJ/cmとなるよう照射し、23℃50%RHで15時間以上養生することで、単官能(メタ)アクリレートが重合してなるアクリレート系重合体を含む樹脂組成物からなるシート(サンプル)を中間層に備えた積層体を得た。
溶剤を用いない製造方法と比較しても、各種物性及び評価項目に差異は無かった。
実施例1〜6で得られたシートは、いずれも周波数1Hzの剪断における損失正接(tanδ)の極大点を−30℃〜−15℃の範囲に有しており、優れた接着力、保持力、折り曲げ性及び水蒸気バリア性を有している。
なお、実施例1〜5は、実施例6と比較して、保持力に関してさらに有意であった。また、実施例1〜4は、実施例5と比較して、ヘイズ(透明性)の点よりさらに有意であった。ただし実施例5のヘイズであっても実用性はある。
比較例1〜3、及び、比較例5で得られたシートは、周波数1Hzの剪断における損失正接(tanδ)の極大点を−30℃〜−15℃の範囲に有しておらず、折り曲げ性評価時にいずれも座屈が観察された。
多官能アクリレートのみから構成されるアクリレート系重合体を用いた比較例4は、接着力、保持力に劣り、折り曲げ性評価時に流動後が観察された。

Claims (11)

  1. イソブチレン系重合体(A)とアクリレート系重合体(B)を含む樹脂組成物であって、周波数1Hzの剪断における損失正接(tanδ)の少なくとも一つの極大点が−30℃〜−15℃の範囲にあり、
    前記アクリレート系重合体(B)が、下式(1)中、Rが異なる少なくとも2種類の単官能アクリレート成分を有する、樹脂組成物。
    Figure 2019073691
    (式中、Rは炭素数12〜30の炭化水素基、R’は水素(H)又はメチル基(CH)をそれぞれ表す)
  2. 前記アクリレート系重合体(B)が、下記(i)及び(ii)を満たす請求項1に記載の樹脂組成物。
    (i)アクリレート系重合体(B)100質量部に対して、前記単官能アクリレート成分の含有割合が70質量部以上である。
    (ii)異なる炭素数の前記Rを有する前記単官能アクリレート成分を、少なくとも2種類含む。
  3. 前記アクリレート系重合体(B)が、下記(iii)を満たす請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
    (iii)上式(1)のRが分岐アルキル基である前記単官能アクリレート成分を、少なくとも1種類含む。
  4. 前記アクリレート系重合体(B)100質量部に対して、上式(1)のRが分岐アルキル基である前記単官能アクリレート成分の含有割合が30質量部〜80質量部である請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. イソブチレン系重合体(A)とアクリレートモノマーを含む硬化性組成物であって、前記アクリレートモノマーとして、下式(3)中、Rが異なる単官能アクリレートモノマーを少なくとも2種類含む硬化性組成物。
    Figure 2019073691
    (式中、Rは炭素数12〜30の炭化水素基、R’は水素(H)又はメチル基(CH)をそれぞれ表す)
  6. 請求項5に記載の硬化性組成物を硬化してなる樹脂組成物。
  7. 請求項1から4のいずれか、又は、請求項6に記載の樹脂組成物を含むシート。
  8. 請求項7に記載のシートの少なくとも片面に、離型フィルムを備えた積層体。
  9. 請求項7に記載のシートの少なくとも片面に、タッチパネル、画像表示パネル、表面保護パネル、位相差フィルム、偏光フィルム、カラーフィルター、及びフレキシブル基板からなる群のうちのいずれか1種類以上が積層されてなる構成を備えた画像表示装置用積層体。
  10. 請求項6に記載のシートを備えた画像表示装置。
  11. 折り曲げが可能である請求項10に記載の画像表示装置。
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