〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る表示装置の概略構成ブロック図である。
図2は、上記表示装置における表示領域を示した図である。
本実施形態に係る表示装置は、図2に示すように、映像が表示される映像表示領域111及び当該映像表示領域111以外の非映像表示領域112を含んだ表示領域101に対して、ユーザの操作を受け付け、受け付けたユーザの操作に対応付けられた処理を実行するようになっている。
具体的な構成として、図1に示すように、表示装置100は、映像供給装置200から供給される映像を表示する映像表示部20と、当該表示装置100における、上記映像を表示する映像表示領域111及び上記映像表示領域以外の非映像表示領域112を含む表示領域101に対するユーザの操作を受け付けるユーザインターフェースとしての操作受付部10とを備えている。
上記操作受付部10は、上記非映像表示領域112に対して行われたユーザの操作を受け付けると、当該操作に対応付けられた処理を実行させるための指示を上記映像表示部20に与え、上記映像表示部20は、上記操作受付部10から与えられた指示に従って生成した映像を表示する。ここで、操作に対応付けられた処理とは、例えば映像表示領域111の周囲に実線枠を表示させたり、映像表示領域111の周囲に操作ボタン領域を表示させたりすることである。つまり、映像表示部20は、これらの処理を実行させるための指示が与えられると、対応する処理に応じた映像を生成するようになっている。
上記構成の表示装置100について、さらに詳細に説明すると以下のようになる。
上記映像表示部20は、映像受信部21、表示データ生成部22、表示制御部23を含んでいる。
映像受信部21は、映像供給装置200から供給される映像信号を受け付けて映像データとして表示データ生成部22に出力する。
表示データ生成部22は、入力された映像データを映像表示部20の解像度やタイミングに合うように再構成して映像表示部20に表示させるための表示データを生成して、表示制御部23に出力する。また、表示データ生成部22は、生成した表示データが映像表示部20に表示される際の位置情報(座標情報)等を含む表示パラメータを操作判定部12に送る。
さらに、表示データ生成部22は、後述するが、操作受付部10の操作判定部12からの操作コマンド(操作指示)を受け付けて、この操作コマンドに応じて表示データを生成するようになっている。なお、この操作判定部12からの操作コマンドに応じた表示データの生成についての詳細は後述する。
表示制御部23は、表示データ生成部22からの表示データを映像表示部20の画面上に表示するための表示制御信号を生成し、当該映像表示部20に映像供給装置200から供給された映像を表示させる。
操作受付部10は、操作情報取得部11、操作判定部12、出力信号生成部13を含んでいる。
操作情報取得部11は、上記映像表示部20の表示領域101に対して行われたユーザの操作に関する操作情報を取得し、取得した操作情報を操作判定部12に出力する。
操作判定部12は、操作情報取得部11によって取得された操作情報に含まれるユーザの操作位置が、上記映像表示領域111に含まれるか、上記非映像表示領域112に含まれるかを判定し、上記非映像表示領域112に含まれると判定したとき、上記操作情報に含まれる操作内容に対応付けられた処理を実行させるための指示を上記映像表示部20に与える。
具体的には、操作情報取得部11からの操作情報と、上述した表示データ生成部22からの表示パラメータとから、ユーザの操作指示が表示装置100に対する操作指示か、映像供給装置200に対する操作指示かを判定し、判定結果を出力信号生成部13または表示データ生成部22に出力する。つまり、判定結果が、表示装置100に対する操作指示である場合には、当該操作指示を出力信号生成部13に出力し、映像供給装置200に対する操作指示である場合には、当該操作指示を操作コマンドとして表示データ生成部22に出力する。
ここで、操作判定部12は、上記操作情報に含まれる座標と、上記表示パラメータに含まれる座標情報とから、ユーザの操作指示が表示装置100の表示領域101のどの領域、すなわち映像表示領域111か非映像表示領域112のいずれかの領域に含まれているかを判定し、映像表示領域111に含まれていれば、映像供給装置200に対する操作指示であると判定し、非映像表示領域112に含まれていれば、表示装置100に対する操作指示であると判定する。そして、操作判定部12は、ユーザの操作位置を示す座標が、上記非映像表示領域112に含まれる座標であると判定したとき、当該操作に対応付けられた処理の実行を上記映像表示部20の表示データ生成部22に指示する。
出力信号生成部13は、操作判定部12からの判定結果を受け取ると、当該判定結果に含まれる映像供給装置200に対する操作情報(例えばユーザの操作指示を受け付けた映像表示領域111における位置(ユーザのタッチ座標など))から、映像供給装置200の座標系に変換して、操作信号として映像供給装置200に出力する。
映像供給装置200は、操作受付部10からの操作信号を受け付けると、当該操作信号に応じた映像処理を施して得られた映像信号を、表示装置100の映像表示部20に出力する。
一方、表示データ生成部22は、操作判定部12から操作コマンドを受け取ると、当該操作コマンドに対応付けられた処理を実行して、当該操作コマンドに応じて表示データを生成し、表示制御部23に出力する。ここで、操作コマンドに対応付けられた処理とは、例えば映像表示領域111に表示されている映像の拡大処理、縮小処理などを示すが、これらに限定されるものではない。
上記構成の表示装置100によれば、ユーザの操作指示が表示領域101の映像表示領域111で行われた場合だけでなく、非映像表示領域112で行われた場合にも、処理が対応付けられているため、非映像表示領域112が発生するような場合におけるユーザ操作の利便性を向上させることができる。
以下の各実施形態では、ユーザインターフェースとして、上記操作受付部10の代わりに、タッチパネル30を用いたタッチパネルディスプレイ300の例について説明する。
〔実施形態2〕
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、前記実施形態1と同一機能を有する部材についての詳細な説明は省略する。
図3は、図1に示す表示装置100をタッチパネルディスプレイ300に適用した場合の概略構成ブロック図である。
(タッチパネルディスプレイ300)
本実施形態では、図3に示すように、図1に示す表示装置100の代わりに、タッチパネルディスプレイ300を用いる。
タッチパネルディスプレイ300は、映像表示部20と、タッチパネル30とを備える。なお、映像表示部20は、図1に示す表示装置100の映像表示部20と同じ構成であり、詳細な説明は省略する。
タッチパネル30は、前記の操作情報取得部11の代わりにタッチ情報取得部31、前記の操作判定部12の代わりにタッチ操作判定部32、前記の出力信号生成部13の代わりに出力情報生成部33を備えている。
すなわち、タッチ情報取得部31は、ユーザのタッチ操作をタッチ信号として取得し、取得した操作情報を操作判定部12に出力する。具体的には、タッチ情報取得部31は、タッチパネル30に設けられたタッチセンサ(図示せず)によって、ユーザが当該タッチパネル30をタッチした位置、すなわち触った位置が電気信号に変換された信号をタッチ信号として取得し、当該タッチ信号からユーザがタッチしたタッチパネル30の位置、すなわち座標を求めて、当該座標を含んだ情報をタッチ情報としてタッチ操作判定部32に送る。
タッチ操作判定部32は、上記タッチ情報取得部31から取得したタッチ情報と、映像表示部20の表示データ生成部22から取得した表示パラメータとをもとに、ユーザのタッチ操作が映像供給装置200からの映像を表示しているタッチパネルディスプレイ300の表示領域(以下、映像表示領域111とする)に対する操作であるか、前記映像表示領域外(以下、非映像表示領域112とする)に対する操作であるかを判別する。
すなわち、タッチ操作判定部32は、タッチ情報取得部31からのタッチ情報と、上述した表示データ生成部22からの表示パラメータとから、ユーザのタッチ指示がタッチパネルディスプレイ300に対する操作指示か、映像供給装置200に対する操作指示かを判定し、判定結果を出力情報生成部33または表示データ生成部22に出力する。つまり、判定結果が、映像供給装置200に対する操作指示である場合には、当該操作指示を出力情報生成部33に出力し、タッチパネルディスプレイ300に対する操作指示である場合には、当該操作指示を操作コマンドとして表示データ生成部22に出力する。
具体的には、タッチ操作判定部32は、タッチ情報取得部31からのタッチ情報に含まれるタッチパネル30の座標と、表示データ生成部22から取得した表示パラメータに含まれる座標情報とから、ユーザがタッチした位置の座標が、タッチパネルディスプレイ300の表示領域101のどの領域、すなわち映像表示領域111か非映像表示領域112のいずれかの領域に含まれているかを判定する。
そして、タッチ操作判定部32は、ユーザがタッチした位置の座標が、映像表示領域111に含まれていれば、映像供給装置200に対するタッチ操作であると判定し、出力情報生成部33に判定結果を出力する。一方、タッチ操作判定部32は、ユーザがタッチした位置の座標が、非映像表示領域112に含まれていれば、タッチパネルディスプレイ300に対するタッチ操作であると判定し、表示データ生成部22にタッチ情報に含まれる座標に対応する処理を実行するための操作コマンドを出力する。
出力情報生成部33は、タッチ操作判定部32からの判定結果を受け取ると、当該判定結果に含まれる映像供給装置200に対する操作情報(例えばユーザの操作指示を受け付けた映像表示領域111における位置(ユーザのタッチ座標など))から、映像供給装置200の座標系に変換して、出力タッチ信号として映像供給装置200に出力する。
出力情報生成部33では、座標変換を以下のようにして行っている。なお、以下の例は、一例であり、この座標変換方法に限定されるものではない。
出力情報生成部33は、タッチ操作判定部32から送られた判定結果に含まれる座標を、映像表示領域111に表示されている映像に対応する座標に変換し、変換後の座標を出力タッチ信号として映像供給装置200に送る。
映像供給装置200は、タッチパネル30からの出力タッチ信号を受け付けると、当該出力タッチ信号に応じた映像処理を施した映像信号を、タッチパネルディスプレイ300の映像表示部20に出力する。
一方、表示データ生成部22は、タッチ操作判定部32から操作コマンドを受け取ると、当該操作コマンドに対応付けられた処理を実行して、当該操作コマンドに応じて表示データを生成し、表示制御部23に出力する。ここで、操作コマンドに対応付けられた処理とは、例えば映像表示領域111に表示されている映像の拡大処理、縮小処理などを示すが、これらに限定されるものではない。
(操作コマンド処理(1):実線枠の付加処理)
ここで、上記構成のタッチパネルディスプレイ300における非映像表示領域112へのタッチ操作による処理について以下に説明する。
図4の(a)は図3に示すタッチパネルディスプレイ300の表示領域をタッチする前の表示例を示す図であり、(b)は図3に示すタッチパネルディスプレイ300の表示領域をタッチした後の表示例を示す図である。
タッチ操作判定部32にて非映像表示領域112へのタッチ操作を認識した場合、タッチ操作判定部32は表示データ生成部22に対して、非映像表示領域112へのタッチ操作であることを操作コマンドとして出力する。
上記操作コマンドは、映像表示領域111の周囲に、実線枠113を付加する処理である。従って、表示データ生成部22では、上記操作コマンドを受けて、OSD(On-Screen Display)処理により、映像表示領域111に接する非映像表示領域112の部分に実線枠113を付加したものを映像データとして生成し、映像表示部20に表示させる表示データとして表示制御部23に出力する。
これにより、図4の(a)に示す表示画面のように、表示領域101における非映像表示領域112と映像表示領域111との区別がつきにくい場合であっても、表示領域101の所定の領域を操作者がタッチすることにより、図4の(b)に示すように、映像表示領域111周辺に対して実線枠113が表示されるので、操作者はタッチ操作が非映像表示領域112に対して行ったものであると認識できるとともに、映像表示領域111と非映像表示領域112の境界を明確にすることができ、操作者によるタッチパネルディスプレイ300の操作性が向上する。
また、実線枠113が表示されている状態で、再度、非映像表示領域112に対してタッチ操作が行われた場合、表示している実線枠113を消すような処理としてもよい。
非映像表示領域112を操作したときに表示される実線枠113の代わりに、映像表示領域111に表示されている映像に対する操作をタッチ操作で行うための操作ボタン領域を非映像表示領域112に表示するようにしてもよい。以下に、操作ボタン領域の付加処理の例について説明する。
(操作コマンド処理(2):操作ボタン領域の付加処理)
タッチ操作判定部32にて非映像表示領域112へのタッチ操作を認識した場合、タッチ操作判定部32は表示データ生成部22に対して、非映像表示領域112へのタッチ操作であることを操作コマンドとして出力する。ここまでは、上述の操作コマンド処理(1)と同じである。
上記操作コマンドは、映像表示領域111の周囲に、当該映像表示領域を移動させるための操作ボタン領域を付加する処理である。従って、表示データ生成部22では、上記操作コマンドを受けて、OSD(On-Screen Display)処理により、操作ボタン領域を付加したものを映像データとして生成し、映像表示部20に表示させる表示データとして表示制御部23に出力する。また、操作ボタン領域の表示位置を表示パラメータとしてタッチ操作判定部32に出力する。
タッチ操作判定部32は、タッチ情報から操作ボタン領域へのタッチ操作であるかを判定し、操作ボタン領域へのタッチ操作であると認識した場合、対応する操作ボタン領域への操作がなされたことを示す操作コマンドを表示データ生成部22に対して出力する。
表示データ生成部22は、上記操作コマンドを受けてこれに応じた処理を行う。
この場合、タッチ操作判定部32は、非映像表示領域112においてユーザのタッチ操作が、操作ボタン以外へのタッチ操作であると判定した場合は、無効なタッチ操作であるとして、タッチ情報出力も操作コマンドも出力しないとしてもよいし、映像表示領域111に対する操作であると判定した場合は、該当するタッチ情報を出力情報生成部33に出力してもよい。
操作ボタンとして、例えば図5に示すように、表示領域101の非映像表示領域112に上下左右を示す4つのボタン(操作ボタン領域(上)121、操作ボタン領域(右)122、操作ボタン領域(左)123、操作ボタン領域(下)124)を表示し、これら4つのボタンへのタッチ操作を映像表示領域111の移動指示としてもよい。この場合、上方向を示す操作ボタン領域(上)121へのタッチ操作をタッチ操作判定部32で認識した場合、上方向への映像表示領域111の移動コマンドとして操作コマンドを表示データ生成部22に出力し、表示データ生成部22にて映像表示部20上の映像表示領域111の表示座標を上方向に移動させるとともに、移動後の映像表示領域111の位置情報を表示パラメータとしてタッチ操作判定部32に出力する。他の操作ボタン領域をタッチ操作した場合も、タッチ操作したボタン領域に対応付けられた方向に応じた処理が施される。
これにより、タッチパネルディスプレイ300に専用の物理的なスイッチを設けることなく、操作者は映像供給装置200を介することなく直感的に映像表示領域111を移動させる等の画面操作を行うことができる。
また、操作ボタンの例として、図6に示すように、表示領域101の非映像表示領域112に拡大/縮小を示す、操作ボタン領域(拡大)131、操作ボタン領域(縮小)132を表示し、これら2つのボタンへのタッチ操作を映像表示領域111の拡大、縮小処理するための指示としてもよい。この場合、拡大を示す操作ボタン領域(拡大)131へのタッチ操作をタッチ操作判定部32で認識した場合、映像表示領域111の拡大コマンドとして操作コマンドを表示データ生成部22に出力し、表示データ生成部22にて映像表示部20上の映像表示領域111の拡大後の位置情報を表示パラメータとしてタッチ操作判定部32に出力する。操作ボタン領域(縮小)132をタッチ操作した場合、映像表示領域111の縮小コマンドとして操作コマンドを表示データ生成部22に出力し、表示データ生成部22にて映像表示部20上の映像表示領域111の縮小後の位置情報を表示パラメータとしてタッチ操作判定部32に出力する。
これにより、タッチパネルディスプレイ300に専用の物理的なスイッチを設けることなく、操作者は映像供給装置200を介することなく直感的に映像表示領域111を移動させる等の画面操作を行うことができる。
(操作コマンド処理(3):非映像表示領域の連続タッチ操作による映像表示領域の移動処理)
操作コマンド処理(1)(2)では、いずれも、非映像表示領域112に操作タッチ領域をOSD処理により付加することで、当該操作タッチ領域を所望する処理のスイッチとして用いていたが、以下では、操作ボタン領域を付加せず、非映像表示領域112に対する連続タッチ操作による移動により、映像表示領域111を移動させる操作コマンド処理について説明する。ここで、連続タッチ操作とは、タッチパネル30上で操作者が最初にタッチしてからタッチの状態を維持することである。従って、連続タッチ操作の移動とは、操作者がタッチパネル30上でタッチ状態を維持しながら、所望の方向にタッチ位置を移動させることをいう。例えばドラッグ操作が、上記連続タッチ操作に相当する。
タッチ操作判定部32は、上記タッチ情報から、ユーザのタッチ位置を示す座標が上記非映像表示領域112内で移動していると判定したとき、単位時間における座標の移動方向を算出し、当該算出した移動方向への上記映像表示領域111の移動を実行させるための指示を上記映像表示部20に与える。
具体的には、タッチ操作判定部32は、タッチ情報取得部31が取得したタッチ情報から、非映像表示領域112へのタッチ操作が連続して続いており、かつタッチ座標が移動していることを認識した場合、単位時間におけるタッチ座標の移動方向を算出し、表示データ生成部22に対して、非映像表示領域112への前記算出した移動方向を有するタッチ操作であることを操作コマンドとして出力する。
表示データ生成部22は、上記操作コマンドを受けて、映像表示データの表示位置を指定された方向に移動させる。
これにより、操作者は、非映像表示領域112を連続してタッチ操作するだけで、映像供給装置200を介することなく、タッチパネルディスプレイ300上の任意の位置に映像表示領域111を移動させることができる。
また、タッチ操作判定部32では、映像表示領域111の移動方向のみではなく移動量も算出し、移動方向とともに操作コマンドとして表示データ生成部22に出力することで、当該表示データ生成部22は指定された方向に指定された移動量だけ映像表示領域111を移動させるようにしてもよい。
これにより、より応答性能のよい操作を行うことができる。
ここまでの実施形態では、表示装置100、タッチパネルディスプレイ300は、映像供給装置200から一つの映像信号を受け付けて、一つの映像を映像表示領域111に表示させるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の映像信号を受け付けてもよい。
以下の実施形態では、複数の映像信号を受け付けて表示するタッチパネルディスプレイ300の例について説明する。
〔実施形態3〕
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、前記実施形態2と同一機能を有する部材についての詳細な説明は省略する。
図7は、図3に示すタッチパネルディスプレイに、2つの映像を表示するための構成を追加したタッチパネルディスプレイの概略構成ブロック図である。
図8は、図7に示すタッチパネルディスプレイにおける画面構成の一例を示す図である。
図8に示す画面構成において、表示領域101には、第1映像表示領域111aと第2映像表示領域111bの2つの独立した映像表示領域が配されている。なお、表示領域101において、映像表示領域以外の領域を非映像表示領域112とする。
上記第1映像表示領域111aには、図7に示す第1映像供給装置201からの映像信号が表示され、上記第2映像表示領域111bには、図7に示す第2映像供給装置202からの映像信号が表示される。
図7に示すように、第1映像供給装置201からの映像信号は、映像表示部20の第1映像受信部21aに送られ、第2映像供給装置202からの映像信号は、映像表示部20の第2映像受信部21bに送られている。
なお、第1映像供給装置201、第2映像供給装置202は、前記実施形態2の図3に示した映像供給装置200と同様にPC等で実現される装置であってもよいし、映像を供給できる装置であれば他の装置であってもよい。
また、上記映像表示部20内の第1映像受信部21a、第2映像受信部21bは、前記実施形態2の図3に示したタッチパネルディスプレイ300の映像表示部20に含まれる映像受信部21と同じ構成である。
この場合、それぞれの映像供給装置からの映像信号は第1映像受信部21a、第2映像受信部21bにおいてそれぞれ内部で処理する映像データに変換されて、表示データ生成部22に出力される。表示データ生成部22はそれぞれの映像データを内部に保持されている配置情報にしたがって配置した一面の映像データに再構成(図8に示す画面構成)して、表示データとして表示制御部23に出力する。なお、配置情報はタッチ操作を含む外部からの指示により変更可能としてもよい。
ここで、本実施形態では、タッチ操作は第1映像表示領域111aのみに有効であり、出力情報生成部33からの出力タッチ信号は第1映像供給装置201のみに出力される例について説明するが、これに限定されるものではない。本実施形態では、第1映像表示領域111aは、第1映像供給装置201に対するタッチ操作が有効な映像表示領域を示す一方、第2映像表示領域111bは第2映像供給装置202に対するタッチ操作が有効でない映像表示領域を示す。表示データ生成部22は、あらかじめ定められているか、または外部からの設定によっていずれの映像受信部に入力されている映像データに対してタッチ操作が有効であるかを判断する。
(操作コマンド処理:実線枠の付加処理)
上記構成のタッチパネルディスプレイ300における非映像表示領域112へのタッチ操作による実線枠の付加処理について以下に説明する。
図9の(a)は、図7に示すタッチパネルディスプレイ300の非映像表示領域112をタッチする前の表示例を示す図であり、(b)(c)は図7に示すタッチパネルディスプレイ300の非映像表示領域112をタッチした後の表示例を示す図である。
ここで、第1映像表示領域111aのみがタッチ操作対象領域であるため、図9の(a)に示す状態で、表示領域101の非映像表示領域112をタッチすると、図9の(b)に示すように、第1映像表示領域111aに実線枠113が表示され、第2映像表示領域111bに実線枠113は表示されない。この状態では、第2映像表示領域111bと非映像表示領域112との境界が不明瞭であるため、例えば図9の(c)に示すように、第2映像表示領域111bを破線枠114で囲むようにする。これにより、第1映像表示領域111a、第2映像表示領域111bと非映像表示領域112とを明確に区別でき、しかも、第1映像表示領域111aと第2映像表示領域111bのうちどちらがタッチ操作可能な領域であるかも明確にすることができる。
具体的には、タッチ操作判定部32にて非映像表示領域112へのタッチ操作を認識した場合、タッチ操作判定部32は表示データ生成部22に対して、非映像表示領域112へのタッチ操作であることを操作コマンドとして出力する。
表示データ生成部22では、上記操作コマンドを受けて、OSD(On-Screen Display
)処理により、第1映像表示領域111aに接する非映像表示領域112の部分に実線枠113を付加したものを映像データとして表示制御部23に出力する。この場合、表示領域101は、図9の(b)に示すような画面構成となる。
また、表示データ生成部22では、上記操作コマンドを受けて、OSD処理により、第1映像表示領域111aに接する非映像表示領域112の部分に実線枠113を付加するとともに、第2映像表示領域111bに接する非映像表示領域112の部分に破線枠114を付加したものを映像データとして表示制御部23に出力する。この場合、表示領域101は、図9の(c)に示すような画面構成となる。
これにより、図9(a)に示す表示画面のように、表示領域101における非映像表示領域112と第1映像表示領域111a、第2映像表示領域111bとの区別がつきにくい場合であっても、表示領域101の所定の領域を操作者がタッチすることにより、図9の(b)(c)に示すように、第1映像表示領域111a、第2映像表示領域111b周辺に対して実線枠113、破線枠114が表示されるので、操作者はタッチ操作が非映像表示領域112に対して行ったものであると認識できるとともに、第1映像表示領域111a、第2映像表示領域111bと非映像表示領域112の境界を明確にすることができ、操作者によるタッチパネルディスプレイ300の操作性が向上する。
また、実線枠113が表示されている状態で、再度、第1映像表示領域111a、第2映像表示領域111b、非映像表示領域112のいずれかの領域に対してタッチ操作が行われた場合、表示している実線枠113、破線枠114を消すような処理としてもよい。
本実施形態においても、前記実施形態1のように、非映像表示領域112を操作したときに表示される実線枠113、破線枠114の代わりに、第1映像表示領域111a、第2映像表示領域111bに表示されている映像に対する操作をタッチ操作で行うための操作ボタン領域を非映像表示領域112に表示するようにしてもよい。また、操作ボタンは、再度、第1映像表示領域111a、第2映像表示領域111b、非映像表示領域112のいずれかの領域をタッチしたときに非表示にしてもよい。
また、本実施形態においても、前記実施形態2のように、タッチ操作を受け付けない第2映像表示領域111b、非映像表示領域112に対するドラッグ操作に代表される連続するタッチ操作により、第1映像表示領域111aを移動させるとしてもよい。この際、移動対象となる映像表示領域は、第1映像表示領域111aのみでもよいし、第1映像表示領域111aと第2映像表示領域111bの両方であってもよい。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について説明すれば以下の通りである。
本実施形態では、前記実施形態2,3を同時に実現する例について説明する。
すなわち、前記実施形態2、実施形態3は必ずしも排他のものではなく、タッチ操作内容によって判別することで、各機能を使い分けることができるようにすることが可能である。
一例としては、表示領域101における非映像表示領域112またはタッチ操作無効な映像表示領域(第2映像表示領域111b)へのシングルタッチ操作によって実線枠113、破線枠114の表示、非表示を切り替え、非映像表示領域112またはタッチ操作無効な映像表示領域(第2映像表示領域111b)へのダブルタッチ操作によって操作ボタンの表示、非表示を切り替え、非映像表示領域112またはタッチ操作無効な映像表示領域(第2映像表示領域111b)への一定期間以上連続するタッチ操作(長押し操作)により映像表示領域(第1映像表示領域111a、第2映像表示領域111b)の移動を有効にするか、無効にするかの切替えとしてもよい。映像表示領域(第1映像表示領域111a、第2映像表示領域111b)の移動の有効時は無効時と区別できるように画面上に移動有効であることを示す文字や記号などの映像を付加してもよいし、対象となる映像表示領域に対してフィルタ処理などの映像効果をかけることで移動が有効であることを示してもよい。
なお、前記実施形態2〜4では、前記実施形態1の操作受付部10の具体例として、タッチパネル30を例に説明しているが、表示画面上の座標を指定することができるユーザインターフェースであれば、タッチパネル30以外であってもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
表示装置100(タッチパネルディスプレイ300)の制御ブロック(特に操作受付部10、映像表示部20およびタッチパネル30)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing
Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、表示装置100(タッチパネルディスプレイ300)は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示装置は、映像供給装置(200)から供給される映像を表示する映像表示部(20)と、上記映像表示部(20)が有する、上記映像を表示する映像表示領域(111)及び上記映像表示領域(111)以外の非映像表示領域(112)を含む表示領域(101)に対するユーザの操作を受け付ける操作受付部(10)とを備え、上記操作受付部(10)は、上記非映像表示領域(112)に対するユーザの操作を受け付けると、当該操作に対応付けられた処理を実行させるための指示を上記映像表示部(20)に与え、上記映像表示部(20)は、上記操作受付部(10)から与えられた指示に従って生成した映像を表示することを特徴としている。
上記の構成によれば、操作受付部(10)は、非映像表示領域(112)に対するユーザの操作を受け付けると、当該操作に対応付けられた処理を実行させるための指示を映像表示部(20)に与え、上記映像表示部(20)は、上記操作受付部(10)から与えられた指示に従って生成した映像を表示することで、非映像表示領域(112)のユーザの操作に対応した映像が表示されることになる。
従って、表示装置に映像表示領域(111)の他に非映像表示領域(112)が発生している場合におけるユーザ操作の利便性を向上させることができる。
本発明の態様2に係る表示装置は、上記態様1において、上記操作受付部(10)は、上記映像表示部(20)の表示領域(101)に対して行われたユーザの操作に関する操作情報を取得する操作情報取得部(11)と、上記操作情報取得部(11)によって取得された操作情報に含まれるユーザの操作位置が、上記映像表示領域(111)に含まれるか、上記非映像表示領域(112)に含まれるかを判定する操作判定部(12)とを備え、上記操作判定部(12)は、ユーザの操作位置が、上記非映像表示領域(112)に含まれると判定したとき、当該操作に対応付けられた処理の実行を上記映像表示部(20)に指示してもよい。
上記の構成によれば、ユーザ操作が映像表示領域(111)に対しての操作なのか、非映像表示領域(112)に対しての操作なのかを判定するのに、実際のユーザの操作位置が用いられているため、ユーザの操作位置がどの領域であるのかの特定を容易にできる。
本発明の態様3に係る表示装置は、上記態様2において、上記操作に対応付けられた処理は、映像表示領域(111)の周囲に、枠(実線枠113)を付加する処理であるのが好ましい。
上記の構成によれば、操作に対応付けられた処理は、映像表示領域(111)の周囲に、枠(実線枠113)を付加する処理であることで、表示領域(101)における映像表示領域(111)と非映像表示領域(112)とを容易に区別することができる。
本発明の態様4に係る表示装置は、上記態様2において、上記操作に対応付けられた処理は、映像表示領域(111)の周囲に、当該映像表示領域(111)を移動または拡大・縮小させるための操作ボタン領域(操作ボタン領域(上)121、操作ボタン領域(右)122、操作ボタン領域(左)123、操作ボタン領域(下)124、操作ボタン領域(拡大)131、操作ボタン領域(縮小)132)を付加する処理であるのが好ましい。
上記の構成によれば、上記操作に対応付けられた処理は、映像表示領域の周囲に、当該映像表示領域を移動または拡大・縮小させるための操作ボタン領域を付加する処理であることで、ユーザは各操作ボタン領域をタッチ操作するだけで、映像表示領域(111)の移動や拡大・縮小を直感的に行うことが可能となり、ユーザ操作の利便性を向上させることができる。
本発明の態様5に係る表示装置は、上記態様2において、上記操作判定部(10)は、上記操作情報から、ユーザの操作位置を示す座標が上記非映像表示領域(112)内で移動していると判定したとき、単位時間における座標の移動方向を算出し、算出した移動方向への上記映像表示領域(111)の移動を実行させるための指示を上記映像表示部(20)に与えることが好ましい。
上記の構成によれば、ユーザの連続した操作による座標の移動方向及び移動量に応じて映像表示領域(111)を移動させることが可能となるので、ユーザは直感的に映像表示領域111を移動させることが可能となる。
本発明の態様6に係る表示装置は、上記態様1〜5のいずれか1態様において、上記映像表示部(20)は、複数の映像供給装置(201,202)から供給される映像を、それぞれ異なる画面で同時に表示し、上記操作受付部(10)は、上記映像表示部(20)が有する、上記映像を表示する複数の映像表示領域(第1映像表示領域111a、第2映像表示領域111b)と、上記映像表示領域(第1映像表示領域111a、第2映像表示領域111b)以外の非映像表示領域(112)とを含む表示領域(101)に対するユーザの操作を受け付けることが好ましい。
上記の構成によれば、複数の映像が同時に表示され、複数の映像表示領域(第1映像表示領域111a、第2映像表示領域111b)と一つの非映像表示領域112とを含む表示領域101であっても、態様1〜5のいずれか1態様と同様の作用効果が得られる。
本発明の態様7に係る表示装置は、上記態様1〜6のいずれか1態様において、上記操作受付部(10)は、上記映像表示部の表示領域を覆うように配されたタッチパネル(30)であることが好ましい。
本発明の態様8に係る表示装置の表示方法は、映像供給装置から供給される映像を表示すると共に、上記映像を表示する映像表示領域及び上記映像表示領域以外の非映像表示領域を含む表示領域に対するユーザの操作を受け付ける表示装置の表示方法であって、上記非映像表示領域に対するユーザの操作を受け付ける操作受付ステップと、上記操作受付ステップにおいて受け付けた操作に対応付けられた処理を実行させるための指示に従って上記表示装置に表示する映像を生成する映像生成ステップとを含むことを特徴としている。
上記構成の表示装置の表示方法は、態様1と同様の効果を奏する。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。