JP2019069909A - ポリグリセリン含有リポソーム製剤 - Google Patents

ポリグリセリン含有リポソーム製剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2019069909A
JP2019069909A JP2017195670A JP2017195670A JP2019069909A JP 2019069909 A JP2019069909 A JP 2019069909A JP 2017195670 A JP2017195670 A JP 2017195670A JP 2017195670 A JP2017195670 A JP 2017195670A JP 2019069909 A JP2019069909 A JP 2019069909A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
agent
liposome
liposome preparation
active ingredient
phosphatidyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017195670A
Other languages
English (en)
Inventor
智信 内野
Tomonobu Uchino
智信 内野
山田 武
Takeshi Yamada
武 山田
栗山 重平
Shigehira Kuriyama
重平 栗山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Shizuoka
Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
University of Shizuoka
Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Shizuoka, Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd filed Critical University of Shizuoka
Priority to JP2017195670A priority Critical patent/JP2019069909A/ja
Publication of JP2019069909A publication Critical patent/JP2019069909A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

【課題】親水性基及び新油性基を有するリン酸脂質などからなり単層状又は多層状の小胞として組織されたリポソームを用い、医薬品、医薬部外品、化粧品などに配合され人体の健康上において治癒又は改善をもたらす有効成分を、人体の外界との境界である表面、とりわけ皮膚を通じて体内に浸透し、より多く貯留することができるリポソーム製剤の提供。【解決手段】(A)水酸基価から算出される平均重合度が2から20のポリグリセリンと、(B)少なくとも1種のリン脂質成分と、(C)少なくとも1種の医薬品又は化粧品における有効成分を含有する医薬用又は化粧用のリポソーム製剤。【選択図】図1

Description

本発明は、医薬品、医薬部外品、化粧品などに含有され、人体の健康上において治癒又は改善をもたらす有効成分を、人体の粘膜又は皮膚など外界との境界である表面を通じて体内に供給するリポソーム製剤に関する。
従来、人体の健康上において治癒又は改善をもたらす有効成分は、他の化合物と配合され、医薬品、医薬部外品、化粧品などとして処方や販売されているところ、人体の粘膜又は皮膚など外界との境界である表面を通じていかに体内に供与することができるかが重要視されている。
とりわけ、人体の皮膚は、大きく分類すると、外界との境界である表皮と、その表皮の内側に位置する真皮からなり、日常的に外界又は表皮の表面に存在する細菌、真菌、ウイルスなどにさらされている為にそのような人体にとって害をもたらす異物の侵入を防ぐバリア機能などを有するなど防御システムを具備しており、上記のような人体にとって有用な有効成分であったとしても、表皮を通じて真皮に浸透させることは容易ではない。
このため、上記の有効成分を、表皮を通じて真皮に浸透させるために、親水性基及び新油性基を有するリン酸脂質などからなり単層状又は多層状の小胞として組織されたリポソームを使用する方法が知られている。リポソームは、微粒子化が可能であると共に人体の細胞膜の構造と類似する構造を有する為に人体に馴染み易く、上記の有効成分を、表皮を通じて真皮に浸透させるために有力な手段である。
例えば、特許文献1には、所定量のグリセリンと、所定量のレシチンなどのリン脂質成分と、医薬品又は化粧品として有効な成分からなるリポソーム製剤が開示され、無害でエタノールのような刺激性の作用を及ぼすことないという効果を奏することが説明されている。
特表2012−520245
しかしながら、特許文献1に開示されているリポソーム製剤では、グリセリンを配合することにより、形成されるリポソームの可撓性が向上し、その結果として皮膚深層中への有効成分の浸透力及び輸送力を増強する旨が記載されているが、グリセリンを配合したリポソームでは、それに配合され人体の健康上において治癒又は改善をもたらす有効成分を皮膚の表皮を通じて真皮に十分に貯留することができず、それら有効成分を真皮へ浸透及び輸送して貯留させるためにさらなる改善が求められていた。
そこで、親水性基及び新油性基を有するリン酸脂質などからなり単層状又は多層状の小胞として組織されたリポソームを用い、医薬品、医薬部外品、化粧品などに配合され人体の健康上において治癒又は改善をもたらす有効成分を、人体の外界との境界である表面、とりわけ皮膚を通じて体内に浸透し、より多く貯留することができるリポソーム製剤を提供することを課題とする。
〔1〕すなわち、本発明は、(A)水酸基価から算出される平均重合度が2から20のポリグリセリンと、(B)少なくとも1種のリン脂質成分と、(C)少なくとも1種の医薬品又は化粧品における有効成分を含有することを特徴とする医薬用又は化粧用のリポソーム製剤である。
〔2〕そして、前記リン脂質成分が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記〔1〕に記載のリポソーム製剤である。
〔3〕そして前記有効成分が、ビタミン及びその誘導体、抗炎症剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗真菌剤、鎮痛剤、鎮痒剤、抗酸化剤、保湿剤、美白剤、育毛剤、抗シワ剤、細胞賦活剤から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載のリポソーム製剤である。
本発明によれば、親水性基及び新油性基を有するリン酸脂質などからなり単層状又は多層状の小胞として組織されたリポソームを用いて、医薬品、医薬部外品、化粧品などに配合され人体の健康上において治癒又は改善をもたらす有効成分を、人体の外界との境界である表面、とりわけ皮膚を通じて体内に浸透し、より多く貯留することができる。
表皮及び真皮におけるアスコルビン酸セチルエーテル(VC-cetyl ether)の蓄積量を視覚的に示す図である。 表皮及び真皮におけるトコフェロール酢酸エステル(Tocopherol acetate)の蓄積量を視覚的に示す図である。
以下、本発明に係るリポソーム製剤に関する実施の形態について、詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この形態に限定されるものではない。また、数値範囲を表す表記は上限と下限を含むものである。
本発明のリポソーム製剤は、所定量のポリグリセリン、所定量の少なくとも1種のリン脂質成分、少なくとも1種の医薬品又は化粧品における有効成分を含有するものである。
本発明の成分(A)である水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンは、グリセリンやエピクロルヒドリンを原料とし、脱水縮合反応や付加反応等により得られた多価アルコールである。そして、水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンとしては、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリンなどが好ましく、さらに上記平均重合度2〜15のポリグリセリンであることがより好ましい。水酸基価から算出した平均重合度が上記範囲のポリグリセリンを用いることにより、医薬品、医薬部外品、化粧品などに配合され人体の健康上において治癒又は改善をもたらす有効成分を皮膚の真皮まで浸透させ貯留させることができる。また、上記ポリグリセリンは、それらの一種又は二種以上を用いることができる。さらに、本発明のリポソーム製剤を人体に用いるために、人体に対して毒性を有するエピクロルヒドリンを用いず、人体に対して安全性の高いグリセリンを用いてその脱水縮合により得られた上記ポリグリセリンを用いることが好ましい。
上記のポリグリセリンの平均重合度とは、水酸基価から算出したものであり、下記に示す式(i)により算出する。また、式(i)中の水酸基価は「基準油脂分析試験法」(日本油化学会制定)に準拠し測定する。具体的には、試料1gを無水酢酸・ピリジン溶液によりアセチル化する時、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウム(KOH)のmg数で表され、下記の式(ii)で求められる。
平均重合度=(112.2×103−18×水酸基価)/(74×水酸基価−56.1×103)・・・(i)
水酸基価=(a−b)×28.05/試料の採取量(g)・・・(ii)
a:空試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:本試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
成分(A)の水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンは、上記のように合成したものを使用することができるが、市販品を使用することもできる。市販品としては、例えば、阪本薬品工業株式会社製のジグリセリンS、ポリグリセリン#310、ポリグリセリン#500、ポリグリセリン#750などを使用することができる。
そして、成分(A)の水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンは、本発明のリポソーム製剤において、0.1〜5.0重量%配合されていることが好ましく、さらに、0.3〜4.5重量%配合されていることがより好ましい。上記ポリグリセリンが、上記の割合で配合されていることにより、単層状又は多層状のリポソームを形成するときにその形成を阻害することなく、安定したリポソームを形成することができ、上記有効成分を皮膚の表皮に留めることなく真皮まで浸透させ貯留させることができる。
本発明の成分(B)である少なくとも1種のリン脂質成分は、単層状又は多層状のリポソームを形成する基材である。そして、上記リン脂質成分としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリンなどが好ましく、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
そして、成分(B)である少なくとも1種のリン脂質成分は、本発明のリポソーム製剤において、40〜90重量%配合されていることが好ましく、さらに、50〜85重量%配合されていることがより好ましい。上記リン脂質が、上記の割合で配合されていることにより、安定した単層状又は多層状のリポソームを形成することができる。
本発明の成分(C)少なくとも1種の医薬品又は化粧品における有効成分は、人体の健康上において治癒又は改善をもたらす有用な化合物、又はその化合物を含有する製剤である。そして、上記有効成分としては、ビタミン及びその誘導体、抗炎症剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗真菌剤、鎮痛剤、鎮痒剤、抗酸化剤、保湿剤、美白剤、育毛剤、抗シワ剤、細胞賦活剤などが好ましい。また、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
具体的には、ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンKなどの脂溶性ビタミンや、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB8、ビタミンB9、ビタミンB12などのビタミンB群及びビタミンCなどの水溶性ビタミンなどが好ましく、また、それらの誘導体も好ましく、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
そして、抗炎症剤としては、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ジフロラゾン酢酸エステル、モメタゾンフランカルボン酸エステル、ベタメゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、フルオシノニド、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ジフルプレドナート、アムシノニド、ジフルコルトロン吉草酸エステル、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、デプロドンプロピオン酸エステル、デキサメタゾンプロピオン酸エステル、デキサメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、フルオシノロナセトニド、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、トリアムシノロンアセトニド、フルメタゾンピバル酸エステル、アルクロメタゾンプロピオン酸エステル、クロベタゾン酪酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、デキサメタゾン、プレドニゾロンなどの副腎皮質ホルモン剤や、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、ケトプロフェン、ピロキシカム、フェルビナク、ロキソプロフェンナトリウム水和物、スプロフェン、ベンダザック、ウフェナマート、イブプロフェンピコノール、ジメチルイソプロピルアズレン、グリチリルレチン酸などの非ステロイド剤や、アミノ安息香酸エステル、カンフル、酸化亜鉛、水酸化カルシウム、クロタミトンなどが好ましく、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
そして、抗菌剤としては、ビダラビン、アシクロビルなどの抗ウイルス剤、クロラムフェニコール、テトラサイクリン塩酸塩、フラジオマイシン硫酸塩、フシジン酸ナトリウム、ゲンタマイシン硫酸塩、クリンダマイシンリ酸エステル、ナジフロキサシンなどが好ましく、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
そして、抗真菌剤としては、トルナフタート、リラナフタート、クロトリマゾール、ミコナゾール硝酸塩、エコナゾール硝酸塩、イソコナゾール硝酸塩、スルコナゾール硝酸塩、オキシコナゾール硝酸塩、ビホナゾール、ネチコナゾール硝酸塩、ケトコナゾール、ラノコナゾール、ルリコナゾール、アロモルフィン硝酸塩、テルビナフィン硝酸塩、ブテナフィン硝酸塩、シクロピロクスオラミンなどが好ましく、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
そして、鎮痛剤としては、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、アミノ安息香酸エステル、カンフルなどが好ましく、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
そして、鎮痒剤としては、アミノ安息香酸エステル、クロタミトンが好ましく、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
そして、抗酸化剤としては、グルタチオン、N−アセチルシステイン、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、カテキン、クエルセチン、尿酸、ビルビリン、グルコース、フラボノイド、カロテノイド、ゼルロブラスミン、アルブミン、フェリチン、メタロトネイン、スーパーオキシドディスムターゼ、グルタチオンペルオキシターゼ、カタラーゼ、チオレドキシンなどが好ましく、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
そして、保湿剤としては、コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミド、尿素、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アミノ酸およびその塩などの保湿剤などが好ましく、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
そして、美白剤としては、ハイドロキノン、アスコルビン酸2−グルコシド、アスコルビン酸、トラネキサム酸、ゲンチシン酸、アルブチン、プラセンタエキス、エラグ酸、コウジ酸、フェルラ酸、ルシノールなどが好ましく、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
そして、育毛剤としては、ミノキシジル、フィナステリド、セファランチン、センブリエキス、塩化カルプロニウムなどが好ましく、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
そして、抗シワ剤としては、レチノール、レチノイン酸などが好ましく、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
そして、細胞賦活剤としては、DNA、プラセンタエキス、クロレラ抽出物などが好ましく、それらの一種又は二種以上を用いることができる。
そして、成分(C)である有効成分は、本発明のリポソーム製剤において、9.9〜55.0重量%配合されていることが好ましく、さらに、14.7〜45.5重量%配合されていることがより好ましい。上記有効成分が、上記の割合で配合されていることにより、単層状又は多層状のリポソームを形成するときにその形成を阻害することなく、安定したリポソームを形成することができ、また、所望の効果を発現させながら過度の効果発現による薬害を生じさせない安定した効果を発現することができる。
一般的にリポソームを作成する方法としては、薄膜法、超音波法、逆相蒸発法、フレンチプレス法、ホモジナイゼーション法、エクストルージョン法、エタノール注入法、脱水−再水和法などが用いられているが、これらの方法を2以上組み合わせて用いることもできる。本発明では、フラスコなどの容器内で少なくとも1種のリン脂質成分をアルコールなどの有機溶媒に溶解する工程、減圧下で加熱するなどして当該有機溶媒をほぼ完全に揮発させ除去する工程、残った薄膜に緩衝液を加えて攪拌しさらに超音波を照射する工程、そして、得られた懸濁液を微細孔に圧力をかけて通過させる工程を経て調整した。このようなリポソームの作成方法により、作成されたリポソームは、リン脂質成分が単層又は二重層を有する小胞状などとして形成され、表面が親水性化された構造となる。
また、皮膚の表面では皮脂と汗腺から排出される汗が混ざり皮脂膜を形成し外部からの刺激を防いでおり、健康な肌の皮脂膜はpH4.5〜6.0の弱酸性に保たれているため、作成したリポソーム製剤を皮膚の表面に安定して接触させ、そのリポソーム製剤に含有されている上記有効成分を浸透させるために、そのリポソーム製剤を作成するときに電荷誘起剤を添加することができる。電荷誘起剤としては、親水基としてカルボン酸、スルホン酸、リン酸構造を持つ陰イオン界面活性剤が好ましい。具体的には、コール酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、デカン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、アルファスルホ脂肪酸メチルエステル塩などのカルボン酸型、1−オクタンスルホン酸ナトリウム、1−デカンスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸型、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどの硫酸エステル型、ラウリルリン酸、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウムなどのリン酸エステル型などが好ましい。
さらに、本発明のリポソーム製剤には、上記成分の他に、必要に応じて、メチルパラベンなどの防腐剤、l−メントールなどの冷感剤、香料、色素などを配合することもできる。
〔実施例1〕
あらかじめ調整した、リポソームを形成する基材として大豆由来であるホスファチジルコリン(Soya phosphatidylcholine)17.2mgと、電荷誘起剤としてコール酸ナトリウム(sodium cholate)0.59mg、そして、有効成分として、ビタミンC誘導体であるアスコルビン酸セチルエーテル(VC-cetyl ether)2.18mgとビタミンE誘導体であるトコフェロール酢酸エステル(Tocopherol acetate)0.72mgの量となるように、それぞれあらかじめ調整されたエタノール溶液を混合し(Soya PC/Sodium cholate/ VC-cetyl ether/Tocopherol acetateのモル比が80/5/20/6)、その後その混合液をロータリエバポレーターを用いて減圧下で40℃の湯浴で加温してエタノールを留去した。そして、残った薄膜に0.1%エデト酸二ナトリウム(EDTA-2Na)、50mMクエン酸緩衝液(pH=5.0)0.4mg、その緩衝液にジグリセリン0.12mgを添加した上でそれらを加えて撹拌し、バス型ソニケーターにて超音波処理を5分間行い、薄膜を懸濁させた。そして、押し出し機を用いて、前記の懸濁させた液を孔径100nmのポリカーボネートフィルターから押し出す操作を10回行い、リポソーム製剤を作成した。
〔比較例1〕
ジグリセリン0.12mgの代わりに、グリセリン0.12mgを添加した以外は、実施例1と同様にリポソーム製剤を作成した。
〔比較例2〕
ジグリセリン0.12mgの代わりに添加剤を何も加えなかった以外は、実施例1と同様にリポソーム製剤を作成した。
実施例1及び比較例1〜2のリポソーム製剤を製剤における各成分の配合量の一覧を表1に示し、それらのリポソーム製剤に対する各成分の配合割合にて換算した一覧を表2に示す。
Figure 2019069909
Figure 2019069909
<透過性試験及び貯留性試験>
実施例1及び比較例1〜2のリポソーム製剤を用いて、ビタミンC誘導体であるアスコルビン酸セチルエーテル及びビタミンE誘導体であるトコフェロール酢酸エステルの各有効成分が、皮膚の表皮及び真皮へ貯留する量を測定した。皮膚としては、皮膚科学研究で広く使用されており、ヒト皮膚組織構造に近いYucatan Micro Pigの皮膚(以下、YMP皮膚という)を用いて行った。
具体的には、まず、あらかじめ−80℃で凍結保存していたYMP皮膚を室温で自然解凍し、半解凍の状態でハサミにて皮下脂肪を除去して、さらに手術用メスにて真皮に付着している脂肪を除去した。そして、このように処理したYMP皮膚を、角層側がドナー側、真皮側がレシーバー側となるようにしてフランツ拡散セル(有効拡散面積:0.38cm2)に装着した。そして、ドナーコンパートメントに各リポソーム製剤500μLを入れ、リザーバー側のレシーバー溶液として リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline:PBSの30重量%エタノール溶液(pH 7.4)5.0 mLを使用した。試験中、レシーバー溶液はスターラーで連続的に撹拌し、恒温送水ポンプを用いて温度を37℃に保った。試験中はパラフィルムを用い、ドナーコンパートメント上部を閉塞した閉塞条件で行った。透過性試験では、試験開始後0,1,2,4,6,24時間ごとにレシーバー相より200μl溶液を採取して、各サンプル中に含有されるアスコルビン酸セチルエーテル(VC-cetyl ether)、トコフェロール酢酸エステル(Tocopherol acetate)の量を高速液体クロマトグラフィーにより定量することで分析を行った。また、貯留性試験では,24時間後の上記YMP皮膚を取り出し、上記YMP皮膚上のドナー溶液を十分にふき取った後、表皮と真皮に分離し、それぞれホモジナイザーを用いてすりつぶし、10000rpmで10分間遠心分離を行い、上清を採取後フィルターでろ過し、そのろ液にて、同様に、各サンプル中に含有されるアスコルビン酸セチルエーテル(VC-cetyl ether)、トコフェロール酢酸エステル(Tocopherol acetate)の量を高速液体クロマトグラフィーにより定量した。
高速液体クロマトグラフィーは、ポンプ(LC-20AD,島津製作所)、オートインジェクター(SIL-20AC,島津製作所)、UV 検出器(SPD-20A,島津製作所)、解析システム(CBM-20A,島津製作所)から成り、カラムはTSK-gel ODS-100Z 3 μm(100×2.0 mm,東ソー株式会社)、ガードカラムはTSK-gel guardgel ODS-100Z 3 μm(10×2.0 mm,東ソー株式会社)を使用した。移動相は,メタノール(0.1% トリフルオロ酢酸含有):水(0.1% トリフルオロ酢酸含有)を97:3(v/v)の比率で用いた。流速は0.2 mL/min、UV波長は246 nm(アスコルビン酸セチルエーテル検出用)、285 nm(トコフェロール酢酸エステル検出用)、カラム温度は40℃とした。この条件におけるアスコルビン酸セチルエーテル(VC-cetyl ether)の保持時間は2.5 分、トコフェロール酢酸エステルの保持時間は10 分であった。定量については、内部標準品としてエルゴカルシフェロールを用い、内標準法を用いてアスコルビン酸セチルエーテル(VC-cetyl ether)及びトコフェロール酢酸エステル(Tocopherol acetate)を定量した。
この結果、透過性試験において、試験開始後0,1,2,4,6,24時間ごとのレシーバー相から採取した各サンプルには、いずれもアスコルビン酸セチルエーテル(VC-cetyl ether)、トコフェロール酢酸エステル(Tocopherol acetate)は検出限界以下であることから、アスコルビン酸セチルエーテル(VC-cetyl ether)、トコフェロール酢酸エステル(Tocopherol acetate)のいずれも上記YMP皮膚を透過しなかったと判断できる。
そして、貯留性試験において、実施例1及び比較例1〜2のリポソーム製剤を用いたときの表皮又は真皮におけるアスコルビン酸セチルエーテル(VC-cetyl ether)又はトコフェロール酢酸エステル(Tocopherol acetate)の実際の蓄積量を、それぞれ6回試験行って定量し、それらの結果から表皮又は真皮の単位重量(mg)あたりの蓄積量(ng)に換算した後に算術平均を求めた。表皮又は真皮の単位重量(mg)あたりのアスコルビン酸セチルエーテル(VC-cetyl ether)又はトコフェロール酢酸エステル(Tocopherol acetate)の蓄積量(ng)に関するそれぞれの結果を表3に、表4に示す。
Figure 2019069909
Figure 2019069909
表3、表4及び図1、図2に示すように、アスコルビン酸セチルエーテル(VC-cetyl ether)、トコフェロール酢酸エステル(Tocopherol acetate)は、表皮を浸透して真皮に到達し貯留されているが、グリセリンを配合した比較例1、何も配合しなかった比較例2に比べて優位に、ジグリセリンを配合した実施例1において最も多く真皮で貯留されていることが分かった。

Claims (3)

  1. (A)水酸基価から算出される平均重合度が2から20のポリグリセリンと、
    (B)少なくとも1種のリン脂質成分と、
    (C)少なくとも1種の医薬品又は化粧品における有効成分
    を含有することを特徴とする医薬用又は化粧用のリポソーム製剤。
  2. 前記リン脂質成分が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のリポソーム製剤。
  3. 前記有効成分が、ビタミン及びその誘導体、抗炎症剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗真菌剤、鎮痛剤、鎮痒剤、抗酸化剤、保湿剤、美白剤、育毛剤、抗シワ剤、細胞賦活剤から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリポソーム製剤。
JP2017195670A 2017-10-06 2017-10-06 ポリグリセリン含有リポソーム製剤 Pending JP2019069909A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017195670A JP2019069909A (ja) 2017-10-06 2017-10-06 ポリグリセリン含有リポソーム製剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017195670A JP2019069909A (ja) 2017-10-06 2017-10-06 ポリグリセリン含有リポソーム製剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019069909A true JP2019069909A (ja) 2019-05-09

Family

ID=66440473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017195670A Pending JP2019069909A (ja) 2017-10-06 2017-10-06 ポリグリセリン含有リポソーム製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019069909A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60153938A (ja) * 1984-01-23 1985-08-13 Pola Chem Ind Inc 新規なリポソ−ムの作製法
JPS61207312A (ja) * 1985-03-11 1986-09-13 Kanebo Ltd 美白化粧料
JPH038436A (ja) * 1989-06-05 1991-01-16 Fuji Photo Film Co Ltd リポソームの保存方法
JP2012520245A (ja) * 2009-03-10 2012-09-06 ピリジェン ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ グリセロソームならびに局所適用のための医薬調製物および化粧用調製物におけるその使用
JP2017523976A (ja) * 2014-07-31 2017-08-24 南京莎菲特生物科技有限公司SAFT Biotechnology Com.Ltd. 化粧品におけるサーファクチンの応用

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60153938A (ja) * 1984-01-23 1985-08-13 Pola Chem Ind Inc 新規なリポソ−ムの作製法
JPS61207312A (ja) * 1985-03-11 1986-09-13 Kanebo Ltd 美白化粧料
JPH038436A (ja) * 1989-06-05 1991-01-16 Fuji Photo Film Co Ltd リポソームの保存方法
JP2012520245A (ja) * 2009-03-10 2012-09-06 ピリジェン ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ グリセロソームならびに局所適用のための医薬調製物および化粧用調製物におけるその使用
JP2017523976A (ja) * 2014-07-31 2017-08-24 南京莎菲特生物科技有限公司SAFT Biotechnology Com.Ltd. 化粧品におけるサーファクチンの応用

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"III.製剤化技術 9.リポソーム", パーソナルケアハンドブック, vol. 2巻, JPN6021041481, 2016, pages 734 - 751, ISSN: 0004751898 *

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Montenegro et al. From nanoemulsions to nanostructured lipid carriers: A relevant development in dermal delivery of drugs and cosmetics
US20170367973A1 (en) Compositions comprising macromolecular assemblies of lipid and surfactant
JP4758915B2 (ja) 多重層リポソームおよびその製造方法
KR100654841B1 (ko) 피부유사구조 및 조성을 갖고 생리활성물질의 경피흡수를촉진하는 지질 용해부 조성물 및 이를 이용한 나노입자화장료의 제조방법
JP5142989B2 (ja) 脂質とスチレン及びマレイン酸の共重合体とを含む組成物
ES2606903T3 (es) Base cosmética que comprende liposoma modificado con colágeno
Razavi et al. Ethosome: a nanocarrier for transdermal drug delivery
JP2012520245A (ja) グリセロソームならびに局所適用のための医薬調製物および化粧用調製物におけるその使用
Atef et al. Exploring the potential of oleic acid in nanotechnology-mediated dermal drug delivery: An up-to-date review
JP2008074780A (ja) リポソームの皮膚吸収部位をコントロールする方法及びリポソームの皮膚吸収コントロールリリース剤
KR101503301B1 (ko) 레티닐팔미테이트 안정화 조성물
Suri et al. Polyoliposomes: Novel polyol-modified lipidic nanovesicles for dermal and transdermal delivery of drugs
KR100836035B1 (ko) 포화 및 불포화 레시틴 함유 나노에멀젼 및 이를 함유하는화장료 조성물
KR100715311B1 (ko) 경피흡수가 증진되고 우르솔산이 안정화된 주름개선 화장료및 그 제조방법
CN106413690B (zh) 皮肤外用剂和皮肤刺激降低剂
JP2019069909A (ja) ポリグリセリン含有リポソーム製剤
GB2464393A (en) Compositions comprising macromolecular assemblies of lipid and surfactant
RU2481822C1 (ru) Микроэмульсионные композиции для создания трансдермальных и трансмукозальных форм фармацевтических средств и косметических препаратов и способ их получения
JP5900906B2 (ja) 化粧料基剤の製造方法および皮膚化粧料
US20220378710A1 (en) Therapeutic Gas Microfoam for Skin Recovery
Annissya et al. Development of a Serum with 4-N-Butylresorcinol in The Etosome Vesicular System
Balakrishnan et al. Revolutionizing transdermal drug delivery: unveiling the potential of cubosomes and ethosomes
Bibette et al. Lipids in Dermal Applications: Cosmetics and Pharmaceutics
Reiser Effect of continuous phase drug concentration, evaporation and partitioning on transdermal drug permeation kinetics with lipophilic vehicles

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20171017

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210720

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210910

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211022

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220418