JP2019054981A - 検査装置、該検査装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

検査装置、該検査装置の制御方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】断層像撮像を行う検査装置において、断層像の撮像中において最適な合焦状態を維持する。【解決手段】被検査物の断層像を撮像する光学系であって測定光を被検査物に合焦させる合焦手段を含む第1光学系と、被検査物の正面像を撮像する第2光学系と、第1光学系及び第2光学系の少なくとも一方の光学系により撮像された被検査物の動画像が表示手段に表示された状態で、第1光学系による断層像の撮像の指示を受け付ける指示受付手段と、を有する検査装置において、指示を受け付けた後における第2光学系により撮像された正面像から得られる合焦情報に基づいて、指示に基づく第1光学系による断層像の撮像中に合焦手段を制御する制御手段を配する。【選択図】図1

Description

本発明は、検査装置、該検査装置の制御方法、及びプログラムに関する。より詳細には、例えば眼科診療等に用いられる干渉光学系を有する眼科装置に例示される検査装置、該検査装置の制御方法、及びプログラムに関する。
現在、光学機器を用いて目を観察する眼科用機器として、例えば、前眼部撮影機、眼底カメラ、共焦点レーザー走査検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope: SLO、以下SLO装置と記す。)、等様々な機器が使用されている。中でも、干渉光学系を有する光干渉断層撮像装置(Optical Coherence Tomography:OCT、以下OCT装置と記す。)は、試料の断層像が非侵襲で高解像度に得られる。このため、該OCT装置は、眼科用機器として網膜の専門外来では必要不可欠な装置になりつつある。
このOCT装置は、低コヒーレント光を試料に照射し、その試料からの反射光から得られた干渉光を用いることで、該試料の深さ方向の情報を高感度で得ている。また、OCT装置では、該低コヒーレント光を該試料上で任意の方向にスキャンすることで、該方向における試料の断層像を高解像度に得ることができる。そのため、被検眼の眼底における網膜を試料とした場合、その断層像を高解像度に撮像することができ、網膜の眼科診断等において広く利用されている。
OCT装置では、眼底観察用のSLO装置を組み合わせた構成も知られている。該OCT装置は、観察用画面に観察用の眼底正面像と観察用の断層像とを操作者に提示し、操作者はこれらの観察用の画像を見ながら、例えば診断用の断層像撮像のための合焦操作や、網膜上の撮像位置などの調整を行う(特許文献1参照)。
特開2009−291252号公報
特許文献1に開示される構成では、SLO装置における眼底への自動合焦操作を行い、その際の合焦レンズの位置情報を用いてこれにオフセット値を加えることでOCT装置の合焦操作を行っている。具体的には、SLO装置における合焦レンズの位置情報に応じてOCT装置の合焦操作を行った後、断層像を観察してOCT装置の更なる最適な合焦状態を得ている。そして、OCT装置についての合焦操作は、断層像の撮像前に行われた後は、断層像の撮像が終わるまで通常は行われない。しかし、撮像開始から終了まで被検者が姿勢や視線を保持することは一般的に容易ではなく、撮像時の被検眼の状態は変化してしまうことが多い。このため、被検眼の状態変化のタイミングによっては、断層像撮像時において最適な合焦状態が得られなくなる恐れがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、断層像の撮像中において最適な合焦状態を維持することができる検査装置、該検査装置を制御する方法、及びプログラムの提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る検査装置は、
被検査物の断層像を撮像する光学系であって測定光を前記被検査物に合焦させる合焦手段を含む第1光学系と、
前記被検査物の正面像を撮像する第2光学系と、
前記第1光学系及び前記第2光学系の少なくとも一方の光学系により撮像された前記被検査物の動画像が表示手段に表示された状態で、前記第1光学系による前記断層像の撮像の指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示を受け付けた後における前記第2光学系により撮像された前記正面像から得られる前記第2光学系の合焦情報に基づいて、前記指示に基づく前記第1光学系による前記断層像の撮像中に前記合焦手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、検査装置において、断層像の撮像中において最適な合焦状態を維持することができる。
本発明の第1の実施形態に係る眼科装置の概略構成を示す図、及び該眼科装置における制御装置の機能構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る撮像光学系の光学構成を示す概略図及び得られる画像を例示する図である。 本発明の実施形態の一例に係る観察用画面を示す図である。 第1の実施形態に係る検査装置において、断層像の撮像時に行われる処理を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態に係る検査装置において、断層像の撮像時に行われる処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、以下の実施形態で説明する寸法、材料、形状、及び構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、図面において、同一であるか又は機能的に類似している要素を示すために図面間で同じ参照符号を用いる。
〔1〕第1の実施形態
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る検査装置は、OCT撮像部とSLO撮像部とを備える。OCT撮像部は被検眼の断層像の取得に用いられ、SLO撮像部は合焦操作及び観察に用いる眼底正面像の取得に用いられる。本検査装置では、OCT撮像部による断層像の撮像中に眼底正面像を用いた自動の合焦調整を行い、自動合焦調整により得られた合焦状態に基づいてOCT撮像部の合焦制御を行う例を示している。
図1(a)は本実施形態に係る検査装置の構成を示す概略図である。該検査装置は、撮像光学系110(撮像装置)、制御装置120(画像或いは情報処理装置)、及び表示部(表示手段)130を備えている。撮像光学系110は被検眼を撮像することで被検眼の情報の取得を行い、後述する光学部材を備える。制御装置120は、撮像光学系110及び表示部130に通信可能に接続され、これらを制御する。制御装置120はまた、撮像光学系110で取得された被検眼の撮像信号から画像の生成と記憶を行い、記憶された画像を表示部130に表示させることができる。表示部130は、制御装置120に接続され、制御装置120から送られる各種画像や被検者の情報等を表示することができる。表示部130は更に操作者からの操作入力情報を取得し、制御装置120へ送る。
なお、制御装置120は、任意の汎用コンピュータを用いて構成されることができるが、検査装置に専用のコンピュータを用いて構成されてもよい。また、表示部130は任意のディスプレイを用いて構成されることができる。ここで、本実施形態では、撮像光学系110、制御装置120、及び表示部130は別個に構成されているが、これらは部分的に或いは全体的に一体として構成されてもよい。なお、制御装置120の詳細については後述する。
<<撮像光学系の説明>>
ここでは、まず撮像光学系110の構成について説明する。図2(a)は撮像光学系110に含まれる光学構成を模式的に示したものである。撮像光学系110では、被検眼Eに対向して対物レンズ211が配置され、その光軸上に第1ダイクロイックミラー212及び第2ダイクロイックミラー213が配置されている。これらの第1ダイクロイックミラー212及び第2ダイクロイックミラー213によって、対物レンズ211からの光路は、OCT光学系の光路L1、SLO光学系の光路L2、及び前眼部観察用の光路L3に、波長帯域毎に分岐される。光路L2は更に、被検眼Eの固視を促すための固視灯用の光路と眼底正面像を撮像するための光路とに分岐される。OCT光学系は上述したOCT撮像部における光学系を、SLO光学系はSLO撮像部の光学系を各々構成する。
SLO光学系と固視灯用の光路L2には、SLO走査手段214、レンズ215及び216、ミラー217、第3ダイクロイックミラー218、SLOフォトダイオード220、SLO光源221、並びに固視灯219が設けられている。SLO走査手段214は、SLO光源221と固視灯219から発せられた光を被検眼E上で走査し、該光をX方向に走査するXスキャナ及びY方向に走査するYスキャナから構成されている。本実施形態では、Xスキャナは高速走査を行う必要があるためポリゴンミラーによって構成され、Yスキャナはガルバノミラーによって構成されている。なお、SLO走査手段を構成するスキャナはこれに限られず、所望の構成に応じて任意の偏向手段を用いることができる。
レンズ215は、SLO光学系及び固視灯の被検眼Eの眼底への焦点合わせのために、制御装置120によって制御される不図示のモータ等によって、図中矢印で示される光軸方向に駆動されることができる。ミラー217は、穴あきミラーや中空のミラーが蒸着されたプリズムであり、SLO光源221による照明光と、被検眼Eからの照明光の戻り光とを分離する。SLO光源221は780nm付近の波長の光を発生する。第3ダイクロイックミラー218は、光路L2をSLO光源221への光路と固視灯219への光路とに波長帯域毎に分離する。SLOフォトダイオード220は、被検眼Eからの照明光の戻り光を検出する。固視灯219は可視光を発生し、被検者の固視を促すために用いられる。
SLO光源221から発せられた光は、第3ダイクロイックミラー218で反射され、ミラー217の穴等を通過し、レンズ216及び215を通り、SLO走査手段214によって、照明光として被検眼Eの眼底上で走査される。被検眼Eからの照明光の戻り光は、該照明光と同じ経路を戻った後、ミラー217によって反射され、SLOフォトダイオード220へと導かれる。SLOフォトダイオード220は、被検眼Eからの照明光の戻り光を検出し、検出した戻り光に基づく出力信号を制御装置120に送る。制御装置120は、受け取った信号に基づいて被検眼Eの眼底正面像を生成することができる。
固視灯219は第3ダイクロイックミラー218及びミラー217を透過し、レンズ216及び215を通り、SLO走査手段214によって被検眼Eの眼底上で走査される。このとき、制御装置120によってSLO走査手段214の動きに合わせて固視灯219を点滅させることによって、被検眼Eの眼底上の任意の位置に任意の形状をつくり、被検者の固視を促すことができる。
前眼部観察用の光路L3上には、レンズ222、スプリットプリズム223、レンズ224、及び前眼部観察用のCCD225が設けられている。スプリットプリズム223は、被検眼Eの瞳孔と共役な位置に配置されている。被検眼Eと撮像光学系110のZ方向(前後方向)の距離は、該スプリットプリズム223により形成される前眼部のスプリット像を用いることにより検出できる。CCD225は、不図示の前眼部観察用光源の波長、具体的には970nm付近に感度を持つ。CCD225は、前眼部観察用光源から発せられ、被検眼Eで反射、散乱された戻り光を検出し、検出した光に基づく出力信号を制御装置120に送る。制御装置120は、CCD225から受け取ったこの出力信号に基づいて、被検眼Eの前眼部画像を生成することができる。
次に、OCT光学系の光路L1について説明する。被検眼Eの断層像を撮像するためのOCT光学系の光路L1上には、XYスキャナ226、合焦用のレンズ227、及びレンズ228が設けられている。OCT走査手段としてのXYスキャナ226は、OCT光源229から得た測定光を被検眼Eの眼底上で走査する。本実施形態において、XYスキャナ226は1枚のミラーとして図示してあるが、XY2軸方向の走査を行う2枚のガルバノミラーから構成されている。なお、XYスキャナ226の構成はこれに限られず、所望の構成に応じて任意の偏向手段を用いることができる。
レンズ227は、光ファイバー230から出射する測定光を被検眼Eの眼底に焦点合わせするためのものであり、制御装置120が制御する不図示のモータ等によって、図中矢印で示される光軸方向に駆動されることができる。この焦点合わせ(合焦操作)によって、被検眼Eからの測定光の戻り光は同時に光ファイバー230の先端に、スポット状に結像されて入射されることとなる。なお、光ファイバー230、光路L1に配置される各光学部材、第1ダイクロイックミラー212及び第2ダイクロイックミラー213、並びに対物レンズ211等は、OCT光学系において測定光が伝播するOCT測定光学系を構成する。
OCT光学系では、レンズ228より先に、更に光カプラー234、OCT光源229、光ファイバー230、231、232、233、レンズ235、分散補償用ガラス236、参照ミラー237、及び分光器238が設けられている。OCT光源229から出射された光は光ファイバー231を介して光カプラー234に導かれ、該光カプラー234により測定光と参照光とに分割される。測定光は光ファイバー230からOCT測定光学系に射出され、OCT測定光学系の光路L1から対物レンズ211までの光学部材を通じて被検眼Eに向けて出射される。被検眼Eに向けて出射された測定光は被検眼Eの眼底にて反射、散乱され、同じ光路を通じて再び光カプラー234に達する。
一方、参照光は、光ファイバー232から、レンズ235及び分散補償用ガラス236を介して参照ミラー237に向かうように出射される。参照ミラー237にて反射した参照光は、同じ光路を通じて再び光カプラー234に達する。なお、分散補償用ガラス236は、参照光の分散を調整し、被検眼Eを経た測定光の分散量と参照光の分散量とを合わせるために用いられる。ここで、光ファイバー232、レンズ235、分散補償用ガラス236、及び参照ミラー237は、OCT参照光学系を構成する。
このようにして光カプラー234に達した測定光と参照光は、光カプラー234内で合波され干渉光となる。ここで、測定光と参照光とは、測定光の光路長と参照光の光路長とがほぼ同一となったときに干渉を生じる。参照ミラー237は、制御装置120により制御される不図示のモータ及び駆動機構によって、図中矢印で示される光軸方向に位置の調整可能に保持される。これにより、被検眼Eによって変わる測定光の光路長に対し、参照光の光路長を合わせることが可能となっている。得られた干渉光は、光ファイバー233を介して分光器238に導かれる。
分光器238には、レンズ239、回折格子240、レンズ241、及びラインセンサ242が設けられている。光ファイバー233から出射された干渉光はレンズ239を介して平行光となった後、回折格子240で分光され、レンズ241によってラインセンサ242上に結像される。ラインセンサ242は、検出した干渉光に基づく受光データを20マイクロ秒毎に制御装置120へ送信する。制御装置120は、受信した受光データに基づいて干渉信号を取得し、該干渉信号に対してフーリエ変換等の処理を施すことで被検眼Eの断層像等を生成する。
なお、本実施形態では干渉系としてマイケルソン干渉系を用いたが、マッハツェンダー干渉系を用いてもよい。測定光と参照光との光量差に応じて、光量差が大きい場合にはマッハツェンダー干渉系を、光量差が比較的小さい場合にはマイケルソン干渉系を用いることが望ましい。また、本発明は、本実施形態以外の光学配置や装置構成にも適用可能である。例えば、本実施形態では、フーリエドメイン方式(FD:Fourier Domain)のOCT装置のうち、スペクトラルドメイン方式(SD:Spectral Domain)のOCT装置を採用している。しかし、他の方式のOCT装置を採用してもよい。特に、本発明は波長掃引光源を用いたスウェプトソース方式(SS:Swept Source)のOCT装置も採用可能である。また、本実施形態では、OCT光源229からの光を分割する分割手段として光カプラーを使用したファイバー光学系を用いているが、コリメータとビームスプリッタを使用した空間光学系を該分割手段として用いてもよい。また、本実施形態では、眼底正面像を撮像するためにSLO撮像部を用いた態様について説明している。しかし、眼底正面像を取得する構成はこれに限らず、例えばCCDカメラ等の眼底撮像装置を用いてもよい。更に、本実施形態では固視灯を被検眼に投影する際に固視灯走査型の構成を用いているが、平面状のLCDパネルにおいて任意の点を点灯させるタイプの固視灯を用いてもよい。
<<制御装置の説明>>
次に図1(b)を参照して、制御装置120について説明する。図1(b)は制御装置120の機能構成を示したブロック図である。本実施形態において、制御装置120には、画像生成部121、記憶部122、制御部123、画像解析部124、及び取得部125が設けられている。取得部125は、撮像光学系110のSLOフォトダイオード220、CCD225、及びラインセンサ242から各種信号を取得する。また、取得部125は、更に撮像光学系110においてXYスキャナ226で測定光の走査を行った際の走査位置及び時間を、撮像光学系110又は後述する制御部123から取得する。更に、取得部125は、後述する画像生成部121から、干渉信号に基づいて生成されたフーリエ変換後の信号やこれに何らかの信号処理を施した信号等を取得することもできる。以下、本明細書において、断層像における各画素位置に対応するフーリエ変換後の信号やこれに何らかの信号処理を施した信号を断層データという。断層データには、例えば、フーリエ変換後に得られたデータを輝度や濃度情報に変換した後のデータ等も含まれる。
画像生成部121は、取得部125が取得した、SLO走査手段214を用いて被検眼Eの眼底をX方向及びY方向に走査した際のSLOフォトダイオード220からの出力信号に基づく複数のデータから、眼底正面像(SLO画像)を生成する。また、同様に、画像生成部121は、取得部125が取得したCCD225からの出力信号に基づいて、被検眼Eの前眼部画像を生成する。記憶部122は、取得部125で取得した各種情報や画像生成部121によって生成されたSLO画像、前眼部画像、及び2次元又は3次元の断層データ(断層像を含む)を記憶する。また、該記憶部122は、被検眼Eの撮像時に使われた、例えば、撮像条件、患者情報等を含む撮像パラメータ等を記憶する。更に、記憶部122は、制御装置120の各構成要素を構成するプログラム等も記憶する。
画像解析部124は、画像生成部121が生成した画像、或いは記憶部122に記憶されている画像の解析を行う。ここで画像解析の例として、画像ノイズ或いはコントラスト不足等の画像評価のための解析がある。制御部123は、例えばレンズ215、レンズ227、SLO走査手段214、XYスキャナ(走査手段)226、参照ミラー237等の撮像光学系110の各種構成要素を制御する。また、制御部123は、記憶部122に記憶されたSLO画像、断層データ、及び被検者の情報等を表示部130に表示させる表示制御部としても機能する。制御部123は更に、固視灯219の点滅制御も行う。なお、以上に述べた制御装置120の各構成要素は、制御装置120のCPUやMPUによって実行されるモジュール等によって構成されることができる。また、制御装置120の各構成要素は、ASICなどの特定の機能を実現する回路等によって構成されてもよい。
<<OCT断層像の生成>>
画像生成部121は、取得部125により取得されたラインセンサ242からの干渉信号に基づいて、断層像を生成する。より詳細には、画像生成部121は、上述した一連の処理によりラインセンサ242から得られた干渉信号をフーリエ変換し、フーリエ変換後の信号を輝度或いは濃度情報に変換する。これにより、画像生成部121は被検眼Eの眼底のある一点における深さ方向(Z方向)の断層像を取得する。このような眼底の一点より断層情報を得るスキャン方式をAスキャンと呼び、得られる断層像をAスキャン画像と呼ぶ。
XYスキャナ226によって測定光を眼底の所定の横断方向に走査しながら、このようなAスキャンを繰り返し行うことにより、複数のAスキャン画像を取得することができる。この複数のAスキャン画像を並べて表示することにより、断層像が得られる。例えば、測定光をX方向に走査すればXZ面における断層像が得られ、Y方向に走査すればYZ面における断層像が得られる。このように被検眼Eの眼底を所定の横断方向に走査するスキャン方式をBスキャンと呼び、得られる断層像をBスキャン画像と呼ぶ。また、BスキャンのXZ面或いはYZ面に対し、それに直交する方向に測定光を走査する方式をCスキャンと呼び、得られるXYZの3次元の断層像をCスキャン画像と呼ぶ。
<<SLO画像生成>>
次に眼底正面像を生成する方法について説明する。本実施形態では、眼底正面像としてSLO画像を用いることとしている。眼底正面像の取得に際し、制御部123は、SLO光源221を点灯し、SLO走査手段214に制御信号を送り、照明光により被検眼Eの眼底をX方向及びY方向にラスタ走査する。また、制御部123は、レンズ215の光軸上の位置を制御して照明光を眼底上に合焦させる。制御装置120は、画像生成部121により、SLOフォトダイオード220から得られる信号情報に基づいて輝度情報を生成する。画像生成部121は更に、走査信号を参照して、得られた輝度情報を平面上に並べて、XY方向の眼底正面像を生成する。ここでは、照明光で眼底を走査するSLO走査手段214を制御しながら、制御装置120はインタレース方式を用いて表示部130に眼底正面像を動画像として表示させる。
<<生成された画像の表示様式についての説明>>
図2(b)は、制御装置120により生成され、表示部130に表示される眼底正面像と断層像を説明する図である。これら画像は、表示部130の表示画面上に、例えば被検眼Eの眼底正面像250と被検眼Eの網膜の断層像251として表示される。なお、同図においてX軸252方向の矢印は水平スキャンの方向を示し、Y軸253方向の矢印は垂直スキャン方向を示している。また、Aスキャンの奥行き方向はZ軸254方向の矢印で表し、Aスキャンにより得られたデータはデータ配列255で示している。
断層像251を再構成するため、撮像光学系110はXYスキャナ226のガルバノミラーを主走査方向(ここでは水平方向)に移動しながら、制御装置120がAスキャンのデータ配列255を一本ずつ再構成して1枚の断層像251を構成する。断層像251は、網膜に対する奥行き方向とそれに直交する方向から規定される2次元平面内の断層像である。即ち、図2(b)において示すX軸252及びZ軸254で規定される平面に相当する面内のBスキャン画像である。また、眼底正面像250内の点線256は、断層像251の眼底での撮像位置(Bスキャンの際の走査線)を示している。被検眼Eの眼底正面像250は、上述したSLO画像の生成手法により、画像生成部121が生成する。ただし、本実施形態で適用できる眼底正面像の撮像及び再構成方法は、ここで説明している方法に限らない。例えば、眼底カメラ、等その他の方法であってもよい。
以上説明した撮像光学系110、制御装置120、及び表示部130から構成される検査装置において、被検眼Eの観察から撮像までの流れを説明する。なお、この説明に際し、用いる観察画面については、図3に例示した画像を用いて説明する。図3は観察時に表示部130が表示する観察画面300を示したものである。観察画面300には、前眼部画像310、眼底正面像301、断層像302、303、304、305、フォーカス調整スライダー308、参照ミラー位置調整スライダー307、及び撮像開始ボタン306が表示される。眼底正面像301に重畳表示されている走査線309は、眼底正面像301上での断層像302、303、304、305を得る際のBスキャンの位置を示す。
操作者は、前眼部画像310を観察しながら対物レンズ211の正面に被検眼Eを位置させた後、SLO走査手段214によって照明光をXY方向に走査して眼底正面像を生成させる。眼底正面像生成後は、OCT光学系の走査手段であるXYスキャナ226によって眼底上を測定光でXY方向に走査して断層像を生成させる。操作者は、より詳細には、眼底正面像301、断層像302〜305を観察しながら不図示のマウスやマウスカーソルを用いてフォーカス調整スライダー308及び参照ミラー位置調整スライダー307を操作する。そして、これら操作を通じ、OCT光学系におけるレンズ227の光軸上の位置や、参照ミラー237の位置等を調整する。なお、これら断層像と眼底正面像は観察画面300上で適宜更新され、本実施形態において動画像として表示される。
上述したように、眼底正面像301中の走査線309は断層像の取得時に測定光で走査される眼底上の走査位置を示したものであり、眼底正面像301に重畳表示されている。操作者はこの走査線309をマウスやタッチパネル等の不図示の走査位置変更手段を操作することで、眼底上の所望の断層像取得位置を設定することができる。また、眼底正面像301中の固視灯視標312は、被検眼Eに対する固視灯の提示位置を示したものであり、眼底正面像301に重畳されている。操作者は、マウスやタッチパネル等の不図示の固視灯位置変更手段を操作することで、固視灯視標312の被検眼Eに対する提示位置を変更する。より詳細には、表示部130は該固視灯位置変更手段により入力された情報を取得して、これを制御装置120に送る。制御装置120において、制御部123は、固視灯の点灯タイミングを制御することにより、被検眼Eに対して所望の位置に固視灯が点灯表示されるように固視灯指標が投影される。表示部130はその他のマウス操作、例えば撮像開始ボタン306の押下等が入力された場合にはこれも検知し、制御装置120にその情報を送る。
なお、本実施形態では、フォーカス調整スライダー308を用いて断層像撮像の際のOCT光学系における合焦操作と眼底正面像取得時のSLO光学系での合焦操作の両方の制御入力を実行している。しかし該検査装置における各光学系での合焦操作(フォーカス)の実行時の態様はこれに制限されない。例えば、断層像撮像時の合焦操作と眼底正面像撮像時の合焦操作に対し、それぞれ独立したフォーカス調整スライダーを備えてもよい。なお、本実施形態では操作者の操作入力のためマウスを用いた例について説明したが、それに限らず、例えばジョイスティック、タッチパネル、トラックボール、タッチペン等、その他の操作入力装置を用いてもよい。
<<フローチャート>>
次に、図4に示すフローチャートを用いて、本実施形態の検査装置による被検眼の眼底撮像処理を説明する。本実施形態では、眼底の断層像を撮像しながら正面像撮像のためのSLO光学系の自動合焦操作を行い、該SLO光学系の合焦状態の変動が閾値を超えた場合に断層像撮像用のOCT光学系の合焦状態の再設定を行う。なお、以下に説明する各ステップとして述べられる処理工程各々は、制御装置120における制御部123等として機能する中央処理ユニット(CPU)により行われる。該中央処理ユニットは、記憶部122に記憶するプログラムに従って動作し、制御装置120の各部を制御することによってその機能を実現しているものとする。
また、本実施形態において制御装置120は、撮像光学系110に接続されたコンピュータによっても構成される。この場合、制御装置120の各構成要素はコンピュータ上で動作するソフトウェアモジュールから構成される。しかし、制御装置120の構成はこの構成に限定されるものではない。制御装置120の各機能の全て又は一部を特定の機能を有するASIC等のハードウェアによって構成してもよいし、一部の処理を高速化するためにGPU(Graphics Processing Unit)を利用してもよい。
<ステップS410>
眼底撮像処理が開始されると、制御装置120はフローをステップS410に進める。ステップS410で、制御装置120はプレビュー自動調整の処理を行う。制御部123はデータ取得のために、撮像光学系110と被検眼Eとの位置調整、SLO光学系及びOCT光学系の合焦調整、OCT光学系の参照光路長調整、等の撮像光学系110の自動調整の制御を行う。そして、制御装置120は、撮像光学系110を介して画像生成部121が生成した前眼部画像、眼底正面像、断層像等を表示部130へ送る。その後、制御装置120はフローをステップS411に進める。
<ステップS411>
ステップS410のプレビュー自動調整処理では、後述するようにSLO光学系の自動合焦処理の結果に基づいてOCT光学系の自動合焦処理が行われる。ここで、被検眼Eにおいて、SLO光学系の自動合焦処理が画角中央の網膜表面に対して行われると仮定すると、OCT光学系でも例えばこの網膜表面等、予め定められた網膜における特定の深さの対象物に合焦するように自動合焦処理が進められる。しかし、被検眼Eの診断に際しては、網膜表面ではなくより深い位置の画像、或いはより浅い位置の硝子体の画像が必要となる場合も考えられる。このような場合、OCT光学系の自動合焦処理後に得られるプレビュー画像を参照し、検査対象となる部位に対して合焦するように、合焦条件等を変更することが必要となる。ステップS411で、操作者は、このようにプレビュー画像を参照しながら、OCT光学系の光学部材を制御し、検査対象部位への合焦操作等を行う。なお、本実施形態において、プレビュー画像とは、断層像を撮像するために操作者が撮像条件を設定するために参照し、少なくとも操作者より断層像撮像の指示が入力されるまで観察画面300に表示される動画像を指す。また、この動画像は、所定の時間間隔等にて繰り返して取得される眼底正面像及び断層像が連続的に表示されてなる画像を指す。
具体的には、ステップS411で、制御装置120による指令に応じて、表示部130は画像生成部121より送られた各種画像を操作者に対して図3のようなプレビュー画面を用いて提示する。その際、取得部125は、プレビュー画面を見ながら操作者が操作するマウス等からの操作入力情報を、表示部130を介して取得する。取得部125は取得したマウス等からの操作入力情報を制御装置120へ送り、制御部123はその操作入力情報に応じてSLO光学系の合焦調整、OCT光学部の合焦調整、OCT光学系での参照ミラー位置調整等の制御を行う。取得部125により取得されたこれらの制御値である操作入力情報は、記憶部122に送られて記憶される。即ち、本実施形態では、プレビュー表示を参照した操作者は、更なる合焦調整や参照ミラーの位置調整等を行い、自動的に調整し且つ設定された各光学部の制御状態からの微調整を行うことができる。このような微調整が行われた場合、上述したように、制御部123は操作者の操作によって付加的に行われた微調整の結果であるOCT光学系での手動合焦情報や参照ミラー位置情報等を、取得部125から記憶部122へ送らせる。記憶部122は、送られた以上の情報に併せ、ステップS410でのSLO光学系の合焦調整時に得た眼底正面像を、後述する眼底トラッキング処理のためのトラッキング参照画像として記憶する。その後、制御装置120はフローをステップS412に進める。
<ステップS412>
ステップS412で、制御部123は、表示部130を介して操作者が撮像開始ボタン306を押下したかどうかの検知を行う。撮像開始ボタン306の押下が検知されていない場合、制御装置120はフローをステップS411へ戻し、プレビュー表示を継続し、操作者により更なる微調整を待つ。或いは、更なる微調整が行われた場合にはその結果をプレビュー表示に反映させ、その際の新たな操作入力情報は記憶部122に送られて記憶される。撮像開始ボタン306の押下が検知された場合、制御装置120はフローをステップS413へ進める。なお、本実施形態では、断層像を撮像する処理を、操作者が撮像開始ボタン306を押下することにより開始させることとしている。しかし、ステップS411で行われる微調整が終了した後に所定時間が経過する等、ステップS411で取得される操作入力情報の入力がなくなったことを検知することで撮像を開始することとしてもよい。また、検査対象部位を観察画面300上の眼底正面像や断層像で指示した場合、当該部位に関する後述する焦点評価値等が最高値を示すことで撮像を開始することとしてもよい。
<ステップS413>
ステップS413で、制御装置120は撮像光学系110を制御し、被検眼Eの測定撮像処理を実行する。ステップS413の詳細説明については、図5に示すフローチャートを参照して後述する。測定撮像処理終了後、制御装置120はフローをステップS414に進める。
<ステップS414>
ステップS414で、制御装置120は撮像光学系110から取得された各種信号に基づいて画像生成部121で生成した前眼部画像、眼底正面像、断層像等の各種画像や、その元となるデータ等を記憶部122へ送り、記憶部122はそのデータを記憶する。画像、データ等の記憶後、制御装置120はフローを進め、眼底撮像処理は終了する。なお、本実施形態では、各種画像、データ等を記憶部122に記憶したが、その他の記憶媒体、例えば、不図示の外部記憶装置に記憶しても良い。
次に、図4(b)に示すフローチャートを用いて、上述したステップS410において実行される、プレビュー自動調整処理の詳細について説明をする。
<ステップS420>
ステップS410でプレビュー自動調整の処理が開始されると、制御装置120はフローをステップS420に進める。ステップS420で、制御部123は、撮像光学系110におけるSLO光学系で最適な撮像条件が得られるようにSLO光学系の光学部材の制御を行う。具体的には、SLO光学系におけるレンズ215の合焦操作が制御部123によって行われる。以下に、SLO光学系において行われる被検眼Eに対する最適な合焦状態を得る、SLO自動フォーカス調整(1)の処理について、その詳細を説明する。
プレビュー自動調整において、制御部123はSLO光学系の各種光学部材を制御するが、その際に、まずSLO光学系のレンズ215をディオプターの一番低い位置に対応する光軸上の位置に移動させる。次に、制御部123による撮像光学系110の制御終了に応じて、制御装置120は取得部125によりSLO画像(眼底正面像)を取得する。画像解析部124は、取得された眼底正面像を解析し、該眼底正面像の焦点評価値を算出する。算出された焦点評価値は、前焦点評価値として記憶部122に記憶される。ここで、焦点評価値が高いほど、被検眼Eの眼底に対するSLO光学系の合焦状態がよいと判断できる。なお、本実施形態では、焦点評価値として例えばSNRを用いた場合について説明するが、この評価値に限らず、例えば画像のコントラスト幅や、輝度値(最高値や、平均値)等、を用いてもよい。
続いて、制御部123はSLO光学系の制御を再度行い、SLO光学系のレンズ215を移動させ、SLO光学系における現状のディオプターに対し、更に0.125ディオプターを追加する。制御装置120は撮像光学系110の制御を行い、取得部125はディオプター追加後の眼底正面像を取得する。次に、画像解析部124は、新たに取得されたディオプター追加後の眼底正面像の焦点評価値を算出する。算出された焦点評価値は、現状での焦点評価値として記憶部122に記憶される。現状での焦点評価値が得られると、制御装置120は、算出された現状での焦点評価値と記憶部122に記憶されている前焦点評価値とを比較する。現状での焦点評価値が前焦点評価値より上がった場合、現状での焦点評価値を新たな前焦点評価値として更新し、これを記憶部122に記憶する。また、併せてSLO光学系のレンズ215の位置等も、SLO自動合焦情報として記憶部122に記憶する。その後、制御部123は更に現状のディオプターに所定量(ここでは0.125ディオプター)のディオプターを追加し、更なる眼底正面像及びその焦点評価値の取得を行い、更新された前焦点評価値と新たに得た焦点評価値との比較を行う。
現状の焦点評価値と前焦点評価値との比較において、前焦点評価値の方が高く、該焦点評価値が上がらなかったと判断された場合、制御装置120は前焦点評価値を得たディオプターが最適な合焦状態に近いと判断する。このようにして、ディオプターの変更、眼底正面像の取得、その焦点評価値の算出、得られた焦点評価値と前焦点評価値との比較、及び比較結果に基づくディオプターの変更を繰り返して最適な合焦状態を探す。このような所謂山登り制御による処理を通じて眼底正面像の焦点評価値が最高になることで、SLO光学系の合焦状態、特にレンズ215の位置が最適な合焦位置に有ると判断できる。制御装置120は、その際のレンズ215の光軸上の位置やディオプター値、即ちSLO自動合焦情報をSLO自動合焦値として記憶部122に記憶させる。以上の処理を通じてSLO光学系の自動合焦処理が終了すると、制御装置120はフローを次のステップS421に進める。なお、ここで述べた処理の例では、SLO光学系のレンズ215を移動させる際の所定の移動量を0.125ディオプターとしたが、この値に限らず、例えば0.5ディオプターにしてもよいし、その他の移動量としてもよい。更に、移動単位はディオプターに限る必要がなく、例えばレンズの移動距離(mm単位)や、レンズを移動するモータの回転数等でもよい。
<ステップS421>
OCT光学系とSLO光学系とは、合焦状態が得られる際の各々の合焦用のレンズの光軸上の位置に相関がある。従って、SLO光学系において最適な合焦状態が得られたレンズ215の光軸上の位置が把握されると、これと関連付けてOCT光学系のレンズ227の位置を調整することにより、OCT光学系においても最適な合焦状態が簡易に得られる。ステップS421で、制御部123は、ステップS420の自動合焦処理により得られたSLO光学系のレンズ215の位置やディオプター値を用いて、OCT光学系のレンズ227を光軸上の対応する位置まで移動させる。その際のOCTの合焦情報は、OCT合焦値として記憶部122に記憶される。以上のOCTフォーカス設定の処理であるレンズ227の移動等の操作終了後、制御装置120はフローをステップS422に進める。
<ステップS422>
OCT光学系を介して得た断層像については、参照ミラーの位置(参照光の光路長)が適当に調整されてない場合、生成される断層像の中の適当な位置に検査対象部位である例えば網膜等の断層が表示されないことがある。ステップS422で、制御部123は、最適な合焦状態で得た被検眼の断層像において検査対象部位が適切な位置に表示されるように、撮像光学系110の制御を行う。具体的には、OCT光学系における参照ミラー237の位置の自動調整を行って、断層像中での検査対象部位の表示位置の微調整を行う。次に、当該処理であるOCT参照ミラー自動調整の処理の詳細について説明する。
OCT参照ミラー自動調整の処理において、制御部123はまずOCT光学系の参照光路長が一番長くなるように参照ミラー237を移動させる。参照ミラー237の移動後、制御装置120は撮像光学系110を制御し、取得部125によりOCT画像(断層像)を取得する。画像解析部124は、取得された断層像を解析し、断層像中に例えば網膜等の被検眼Eの検査対象部位が含まれているか否かを判定する。断層像中に検査対象部位が含まれている場合、制御装置120は参照ミラー237のこれ以上の調整は不要であると判断し、制御装置120はフローを進めてプレビュー自動調整の処理を終了し、フローをステップS411に進める。
断層像中に検査対象部位が含まれていない場合、制御装置120はOCT光学系の制御を行い、参照光路長が現状より0.125mm短くなるように参照ミラー237を移動させる。移動終了後、再度取得部125による断層像の取得、画像解析部124による検査対象部位が断層像に含まれるか否かの判定、及び参照ミラー237の移動の処理を必要に応じて繰り返す。検査対象部位が断層像中に含まれた状態が得られ、更には適切な位置に表示されていると判定されると、制御装置120はその際の参照ミラー237の位置を記憶部122に記憶させる。その後制御装置120はプレビュー自動調整の処理を終了してフローをステップS411に進める。なお、本実施形態では参照ミラーの移動量をmm単位で説明したが、その限りではない。例えば、モータの回転数など、その他の単位を用いてもよい。
網膜の各層が断層像中に存在する場合、これら層はある程度以上の輝度値等を有する。これを利用し、本実施形態では、上述した断層像中に検査対象部位が含まれるか否かの判定は、断層像の輝度の平均値や分散値が閾値を超えたか否かに基づいて行うこととしている。また、判定する際に輝度の平均値等を求める深さ方向を狭めていくこと等により、検査対象部位の断層像中の位置もある程度特定できる。この場合、閾値は過去のサンプル画像により統計的に決めることができるが、経験値や、固定値により決めることとしてもよい。更に、当該判定は、例えば断層像に特定のパターンが現れているか否かに基づいて行う等の方法であってもよい。以上に述べたプレビュー自動調整の処理を行うことにより、SLO光学系のSLO自動合焦情報、OCT光学系のOCT合焦情報、及び参照ミラー位置が記憶部122に記憶されることとなる。
次に、図5に示すフローチャートと用いて、ステップS413で行われる測定撮像処理の詳細について説明する。
<ステップS430>
測定撮像処理が開始されると、まずステップS430で、制御装置120は、記憶部122に記憶されたSLO自動合焦値とOCT合焦値とのオフセット量を記憶する処理を行う。上述したように、ステップS410ではSLO光学系及びOCT光学系の自動合焦操作によりプレビュー自動調整が行われた後、ステップS411において、更にOCT光学系の合焦状態や参照ミラー位置の微調整が行われている。ステップS430で、制御装置120は記憶部122に記憶されたSLO光学系及びOCT光学系の自動合焦等に関する情報(上述した合焦値)、及び操作入力情報を得た後の合焦等に関する情報を用いて、フォーカスオフセット量を算出する。フォーカスオフセット量算出後、制御装置120はフローをステップS431に進める。なお、本実施形態において、フォーカスオフセット量(フォーカス値のオフセット量)は、SLO自動合焦操作により得られたOCT光学系のレンズ227の位置と現状のOCT光学系のレンズ227の位置との差分とする。そして、制御装置120は、該フォーカスオフセット量を、フォーカスオフセット情報として、記憶部122に記憶させる。なお、フォーカスオフセット量を得るために取得した眼底正面像は、後述する眼底トラッキング(ステップS433)を行う際に用いるトラッキング参照画像として、ステップS411において予め記憶部122に記憶されている。また、フォーカスオフセット量の算出には用いるパラメータはレンズの光軸上の位置に限られず、SLO光学系とOCT光学系との間において、及び微調整の前後でのOCT光学系において、合焦に関して相関を有するものであればよい。
<ステップS431>
ステップS431で、制御装置120は撮像光学系110の制御を行い、OCT光学系による断層像の撮像を開始する。本実施形態では、制御部123は、測定光が予め定めてある最初のBスキャンの開始位置に照射されるようにXYスキャナ226を制御し、当該位置から順次Aスキャン、及び複数のAスキャンからなるBスキャンを行う。本実施形態では、ここで述べたOCT光学系によるBスキャンを行いながら、以降の処理が並列に行われる。
<ステップS432>
ステップS431で断層像の撮像開始する前後において、被検眼が動いてしまい、眼底に対して最適に合焦された状態からはずれてしまうことが考えられる。ステップS432で、SLO自動フォーカス調整(2)の処理として、制御装置120は、眼底正面像が最適な合焦状態で得られているように撮像光学系110の制御を続ける。そして、制御装置120は、その制御時において得られる合焦情報をSLO対象合焦情報として記憶部122に記憶させる。なお、ステップS432で行われるSLO光学系での最適な合焦状態を得る処理は上述したステップS420で行われる処理と同じであるので、ここでの説明は省略する。しかし、当該ステップにて行われる処理は、ステップS420で行われる処理と同じではなくてもよい。ステップS420では、レンズ215が最も小さなディオプターとなる位置に移動させてから合焦調整を始めている。しかし、本ステップS432では、例えば制御部123が現在のディオプターから2.0ディオプター小さくする位置にレンズ215の位置を設定し、ここから合焦調整(山登り制御)を開始することとしてもよい。或いは、制御部123が現在ディオプターから0.125ディオプター毎にレンズ215を移動させて、眼底正面像の焦点評価値が最高になる位置を求めるように制御を行ってもよい。更に、ディオプターの移動方向についても、OCT光学系による合焦位置等と関連付けてもよい。SLO対象合焦情報が得られた後、制御装置120はフローをステップS433に進める。
<ステップS433>
ステップS433で、制御装置120は、断層像の撮像のための眼底トラッキング処理を行う。以下にその詳細について説明をする。なお、眼底トラッキング処理についてはよりよい断層像を得るために実行することが好ましく、本実施形態では該トラッキング処理を行うために取得した眼底正面像を合焦条件探索のために用いている。しかし、当該処理は省くこともできる。実際の眼底トラッキング処理において、制御装置120は撮像光学系110の制御を行い、トラッキング対象画像(眼底正面像)を生成する。更に、制御装置120は、そのトラッキング対象画像と、記憶部122に記憶されている上述したトラッキング参照画像とを画像解析部124へ送る。画像解析部124は、これらトラッキング対象画像とトラッキング参照画像との位置ずれを算出し、これら画像を取得する間で生じた被検眼Eの眼底の移動量を取得する。この眼底の移動は、例えば公知の固視微動等の被検眼の動きや被検者の動きにより生じる。移動量取得後、制御装置120は取得された被検眼Eの眼底移動量に基づいて、OCT走査手段であるXYスキャナ226による測定光の照射位置の補正制御を行う。測定光の照射位置の補正後、制御装置120はフローをステップS434に進める。
<ステップS434>
ステップS434で、制御装置120は、OCTフォーカス再設定の要否を判定する処理、即ちOCT光学系の合焦操作を再度行うか否かの判断を行う。そのため、ステップS420で記憶部122に記憶されたSLO自動合焦情報とステップS432で記憶されたSLO対象合焦情報に基づいて、SLO光学系の合焦値の変化を調べる。より詳細には、これら合焦値の変化の量を差分として求め、この差分と閾値とを比較し、その比較結果に応じてその後に実行すべき処理を決定する。例えば、この合焦値の変化の量が閾値の1.0ディオプターを超えた場合には被検眼の動き等が大きくて合焦状態も最適な状態からずれてしまっていると推定される。よって、制御装置120はステップS435を介してフローをステップS434からステップS436へ進め、OCT光学系の合焦状態を再び確認する。SLO光学系の合焦値の変化の量が1.0ディオプターを超えない場合は、被検眼Eにおいて合焦操作を再度必要とする程度までの動きは生じていないと判断できることから、制御装置120はフローをステップS437へ進める。なお、本実施形態では、閾値1.0ディオプターを用いた場合について説明を行ったが、その閾値に限ることなく、例えば0.5ディオプター等、その他の閾値としてもよい。なお、該閾値は0ディオプターであってもよい。この場合は、無条件にOCTフォーカス再設定の処理を行うことになる。また、本実施形態では、最適な合焦状態を得るための条件の例としてディオプターを示し、最適な合焦状態が得られた際のディオプターの値を合焦値と称し、合焦状態と合焦値とを関連付けた情報を合焦情報と称している。
<ステップS435>
ステップS435で、制御装置120は、OCT光学系によるBスキャンが終了するのを待つ。Bスキャンが終了したら、制御装置120は断層像の撮像を一時停止させ、制御装置120はフローをステップS436に進める。なお、本実施形態では、走査手段により測定光の走査を途中で停止させることによる走査手段に対する負荷の低減といった観点から、現状行われているBスキャンに関してはそのまま終了させることとしている。そして、次のBスキャンの実行前に、OCT光学系での再度の合焦操作が行われることとしている。しかし、OCT光学系での再度の合焦走査の実行までの待機の様式はこれに限られない。例えば実行中のAスキャンの終了(Bスキャンの途中終了)を持ってフローを進めてもよく、Aスキャンの途中であってもこの合焦状態の変化が認識された時点で該Aスキャンを中止してフローを進めてもよい。
<ステップS436>
ステップS436で、制御装置120は、ステップS432で記憶されたSLO対象合焦情報とステップS430で記憶されたフォーカスオフセット情報を用いて、再設定用のOCT合焦情報を算出する。ここでは、ディオプター単位でのSLO対象合焦情報における合焦値と対応付けられたOCT光学系の合焦値に対してフォーカスオフセット値を足して、新たなOCT光学系の合焦値を算出する。そして、制御部123はその合焦値に基づいて、OCT光学系のレンズ227を移動する。レンズ227の移動終了後、制御装置120はフローをステップS437へ進める。
<ステップS437>
眼底正面像に基づいて得られる合焦状態の変化が被検眼Eの動きに起因する場合、この動きによってOCT光学系の測定光の光路長が変化し、断層像中における検査対象部位の表示位置が変わることも考えられる。この表示位置の変化が大きい場合、操作者が検査対象部位を適切に観察できなくなる可能性が生じ、対策としてOCT参照ミラーの位置を調整し、参照光の光路長を調整することを要する。ステップS437で、制御装置120は、OCT参照ミラー位置の再調整の処理を行うか否かの判断を行う。本実施形態では、OCT参照ミラー位置の再調整は、SLO光学系の合焦値の変化の大きさに基づいて判断している。なお、ステップS437とステップS434での合焦値の変化の大きさの判断に使われるそれぞれの閾値は、異なっていてもよい。例えば、ステップS434で用いる閾値を第1閾値とし、ステップS437で用いる閾値を第2閾値とした場合、第1閾値を第2閾値よりも小さくなるように設定してもよい。なお、ステップS437で用いる閾値を0ディオプターとしてもよい。この場合は、無条件にOCT参照ミラー位置再調整の処理を行うことになる。参照ミラーの位置調整が必要と判断されると制御装置120はフローをステップS438に進め、必要でないと判断されると制御装置120はフローをステップS440に進める。
<ステップS438>
ステップS438で、制御装置120は、上述したステップS435と同様にOCT撮像のためのBスキャンが終了するのを待つ。OCT撮像のBスキャンが終了したら、制御装置120はOCT撮像を一時停止し、フローを次のステップS439に進める。なお、ステップS435が実行された場合、ステップS436及びステップS437はBスキャンの終了待ちの状態で行われていることから、ステップS438をスキップしてステップS439にフローを進めてもよい。また、ステップS434からフローがステップS437に進められた場合には、OCT撮像が継続中であるため、上述した如くステップS435と同様にBスキャンの終了を待つ。その後、制御装置120はフローをステップS439に進める。
<ステップS439>
ステップS439で、制御装置120は、再びOCT光学系における参照ミラー237の位置調整を行う。即ち、参照ミラー237の位置調整用の断層像撮像を行う。また、その際の断層像は現状停止待ちをしているBスキャンの取得位置より取得してもよく、その他のBスキャン位置より得てもよい。ここで行われる参照ミラー237の位置調整では、ステップS422で行われたOCT参照ミラー自動調整の際と同様の処理が行われる。即ち、OCT参照ミラー位置調整のための断層像の取得、断層像中における検査対象部位の表示の適否の確認等、上述したステップS422で行われた各処理がここでも行われ、参照ミラー237の光軸上の位置が設定される。なお、具体的な処理の詳細はステップS422での処理と同じであるので、ここでの説明は省略する。また、ここで取得される断層像はあくまで参照ミラー237の位置調整のための情報を取得するために撮像されるものであって、一連のフローチャートにおいて取得目的とする撮像処理で取得しようとする断層像とは異なる。
なお、ステップS439では、ステップS432で得られたSLO対象合焦情報を用いて、参照ミラー237の位置調整を行ってもよい。例えば、SLO対象合焦値(ディオプター単位)の変化が負の場合は、参照ミラー237を参照光路長が長くなるように移動させる。逆に、SLO対象合焦値の変化が正の場合は、参照ミラー237を参照光路長が短くなるように移動させる。なお、OCT光学系の構成によって、これら参照ミラー237の移動方向は逆になることもある。参照ミラー237の位置調整が終了した後、制御装置120はフローをステップS440に進める。
<ステップS440>
ステップS440で、制御装置120は、ステップS432からS439までのフローを進める際に、Bスキャン終了待ちの処理を行ったか否かの判定処理を実行する。ここで、Bスキャン終了待ちの処理があったということは、1断層像の撮像処理が途中で中断された状態にあることを示す。従って、制御装置120はフローをステップS432に戻し、中断したBスキャンの再試行(断層像の再撮像)を行う。或いは、制御装置120は、OCT光学系等を制御して、ステップS435或いはステップS438において待機状態にある撮像を再開する。具体的には、途中で停止したAスキャン或いはBスキャンを最初から再試行する。ステップS440において、Bスキャン終了待ちの処理がなかったと判断されたということは、1Bスキャンが適切に実行され、所望の位置での断層像が撮像できたこととなる。この場合、制御装置120はフローをステップS441に進める。
<ステップS441>
ステップS441で、制御装置120は、断層像の撮像処理を終了するかどうかの判断を行う。撮像を続ける場合には、フローはステップS442へ進められる。撮像を終了する場合には、制御装置120はステップS441からフローを進め、ステップS413の測定撮像処理を終了し、制御装置120はフローをステップS414に進める。上述したようにステップS414では取得された断層像等が記憶部122に記憶され、制御装置120は更にフローを進めて眼底撮像処理を終了させる。断層像の撮像を続行する場合には、制御装置120はフローをステップS442に進める。以上のステップS432からS442の処理を繰り返すことにより、被検眼Eの眼底における3次元の断層像等が得られる。
<ステップS442>
ステップS442で、制御装置120は撮像光学系110の制御を行い、被検眼Eの断層像の撮像位置を更新して次のBスキャンを行う。制御部123は、次の測定開始位置に測定光が照射されるようにXYスキャナ226を制御する。XYスキャナ226の制御後、制御装置120はフローをステップS432へ戻し、次のBスキャンが開始される。以上の処理を繰り返すことにより、被検眼Eの所望のBスキャン位置での断層像或いは断層データが取得できる。
なお、上述したように、本実施形態では、ステップS413において1Bスキャンを行って1断層像単位でOCT撮像が終了するか否かを判定する場合について説明したが、判定時に撮像される断層像は1Bスキャンによるものに限られない。ステップS413で行われる処理は、一の断層像撮像と次の断層像撮像の間にOCT光学系の合焦条件の再設定が行われるよう実行されればよい。即ち、ステップS413にて実行される断層像の撮像処理は、例えば、二つ以上のBスキャン単位で実行されることとしてもよい。
ここで、OCTを眼底の検査に適用する態様として、OCTAが知られている。該OCTAは、眼底上の同一Bスキャンラインにおいて断層像を繰り返し取得し、これら断層像間での相違から血管造影を行う技術である。この場合、同一断面においてできるだけ鮮明な画像を繰り返して得る必要がある。しかし、OCTAでは同一走査線に対して複数回のBスキャンを行う関係上被検眼の動きの影響が避けられず、干渉信号取得時におけるトラッキングと合焦状態の調整とを適切に行うことが求められる。以上の撮像処理を適当な回数のBスキャン間で行うことにより、このような要請に答えることができる。例えばOCTAでは、血管造影のために同一Bスキャンラインにおいて50回等の任意且つ大きな回数の測定光による繰り返し走査を行う。上に述べたOCT光学系における合焦条件及び参照ミラー位置の再設定の処理は、この同一Bスキャンラインに対する測定光の走査が終了した段階で行われることとしてもよい。
また、本実施形態では、ステップS435とステップS438でBスキャンの終了を待ち、その後のスキャン(測定光の走査)を停止することでOCT撮像を一時停止している。しかしOCT撮像の一時停止は測定光の走査を停止する態様に限られず、OCT光学系の合焦調整中にOCT光学系及び制御装置120による撮像処理が停止状態であればよい。即ち、OCT合焦調整中に干渉信号を取得しない態様としてもよい。また、干渉信号を取得しない場合には、例えばOCT光源を点灯しない、又はラインセンサ242からの出力信号を取得しない等の処理を行うこととしてもよい。更にはOCT光学系より得られる断層像を使わない、又は記憶しない処理にしてもよい。
また、本実施形態では、ステップS437からステップS439の処理によりOCT光学系の参照ミラー237の位置調整を行うこととしている。しかし、この参照ミラー237の位置調整をしない処理フロー、即ち、ステップS437からステップS439の処理をスキップする態様としてもよい。或いは、SLOの合焦状態の変化量に対する閾値を複数設け、該変化量が第1の閾値のみを超える場合には図5に示したステップS436のOCTフォーカス設定の処理のみを行い、後のステップをスキップすることとしてもよい。この場合、該第1の閾値よりも大きい第2の閾値を超える場合には、OCTフォーカス設定に併せてステップS439のOCT参照ミラー位置調整の処理を行うこととするとよい。なお、この場合、SLO光学系における自動合焦調整とOCT光学系による断層像撮像とを並列処理として行うことにしてもよい。
本実施形態において、以上に述べたように、SLO光学系の合焦状態を確認する眼底正面像を用いて眼底トラッキングを行ってもよい。この場合、換言すれば、眼底トラッキングに用いる眼底正面像を用いて合焦状態の変化を併せて求め、該合焦状態の変化が閾値以上の場合には最適な断層像が得られないと判断してOCT光学系の合焦状態の調整を行う。また、その際に、測定開始の指示前に得た眼底正面像と先の判断に用いた眼底正面像とから合焦状態の変化量を求めている。そして、プレビュー後の微調整で得たOCT光学系とSLO光学系の合焦状態の相関にこの変化量を反映させて、OCT光学系の合焦調整を行うこととしている。また、その際に、断層像の撮像中に自動合焦操作を再度行うことも可能である。ここで、一般的には、断層像撮像中の合焦状態の変化は、撮像された断層像の画質に悪影響を与える可能性がある。この場合、合焦調整のために断層像の撮像を一時停止して、合焦調整後に再撮像することも可能であるが、この場合は測定用の断層像の撮像時間が長くなり、被検者の負荷も大きくなる。これに対して、本実施形態では、OCT光学系を有する検査装置に対して以上の構成を配している。これによって、断層像の撮像中に被検眼の状態が変わっても、断層像の撮像に際して最適なタイミングでOCT光学系の合焦設定が迅速に行うことができる。なお、本実施形態において、眼底に対する合焦状態の確認には眼底トラッキングに用いる眼底正面像を撮像する際に得ている。これにより合焦状態確認用の撮像処理をあえて行うことを省くことができるが、より細かく合焦状態の調整を行うために眼底トラッキング用の眼底正面像以外に、合焦状態確認用の眼底正面像の撮像を更に行ってもよい。
また、特に、所謂山登り制御により行われる合焦状態維持のための自動合焦の処理と被検眼の状態変化とが同時に進む場合、撮像時の状態維持に関与するパラメータ2つが同時に変わることとなり最適な合焦状態を得ることがより困難となる。被検眼の状態変化としては、例えば固視微動等の被検眼の動き、被検者の動きによる検査装置に対する被検眼の配置の変化がある。これに対し、本実施形態では、SLO光学系により取得される眼底正面像を用いて山登り制御を実施し、その結果だけをOCT光学系の合焦調整に用いている。即ち、OCT光学系の合焦調整のための山登り制御を行わないため、被検眼の状態変化に平行して当該制御が進められることがなくなり、安定した合焦調整ができる。従って、常に被検眼の状態に対応する最適な合焦状態を維持してOCT光学系による断層像の撮像ができる。
以上に述べたように、本実施形態に係る検査装置は、第1光学系としてのOCT光学系と、第2光学系としてのSLO光学系を備える。OCT光学系は、被検眼の断層像を撮像するための光学系であって、測定光を被検眼に合焦させる合焦手段を含む。本実施形態において、合焦手段は、合焦レンズであるレンズ227とこれを光軸方向に移動させる不図示の駆動系を備える。SLO光学系は、被検眼の正面像、本実施形態では特に眼底正面像を撮像する。また、該検査装置は、OCT光学系及びSLO光学系の少なくとも一方の光学系により撮像された被検眼の動画像が表示手段に表示された状態で、OCT光学系による断層像の撮像開始の指示を受け付ける指示受付手段を備える。本実施形態において、表示手段は表示部130を備え、SLO光学系及びOCT光学系の自動合焦操作により得られている画像を連続的に切り替えて得られる動画像を、撮像の開始を判断するためのプレビュー画像として表示する。本実施形態において、指示受付手段は、表示部130の表示画面での撮像開始ボタンの押下げにより入力された撮像開始の指示を受け付ける取得部125を備える。なお、本実施形態では撮像開始の指示は操作者より入力されるが、上述したようにプレビュー状態において制御装置120が撮像開始の指示を出力する態様としてもよい。また、本実施形態に係る検査装置は、制御手段の例として制御部123を備える。該制御手段は、撮像開始の指示を受け付けた後においてSLO光学系により撮像された眼底正面像から得られる合焦情報に基づいて、指示に基づくOCT光学系による断層像の撮像中にレンズ227を制御する。
なお、上述した検査装置は、取得部125が撮像開始の指示を受け付ける前に、操作者による合焦手段による合焦状態の変更を受け付ける受付手段を更に備えてもよい。受付手段は、プレビュー表示時に操作者によって操作されたOCT光学系の操作入力情報として、例えばレンズ227の移動制御についての情報を受け付ける。本実施形態において、受付手段は、表示部130の表示画面を介してマウス等により入力される操作入力情報を受け付ける取得部125として検査装置に備えられる。なお、該受付手段は、操作者による指示を受け付ける態様に限られず、制御装置120による撮像開始の指示を受け付けることもできる。制御装置120は、取得部125により受け付けられた操作入力情報に応じたOCT光学系の合焦状態の変更量としてのフォーカスオフセット情報を生成する。制御装置120は更に、該フォーカスオフセット情報とトラッキング用の眼底正面像の取得時に併せて得られるSLO光学系の合焦情報とに基づいて、OCT光学系による断層像の撮像中にレンズ227を制御する。
OCT光学系は、測定光に基づいて得られる信号を用いて断層像を撮像する。その際、制御部123は、撮像開始の指示に基づく該断層像の撮像において、この信号が取得されていないときにレンズ227を制御する。より詳細には、OCT光学系は、測定光で被検眼眼底上(被検査物上)を所定の方向に走査(Bスキャン)することにより該所定の方向に沿った断層像を撮像する。その際、該制御部123は、撮像開始の指示に基づく該断層像の撮像において、所定の方向への測定光の1の走査が完了し次の走査が開始されるまでの間にレンズ227を制御する。
なお、以上に述べた撮像開始の指示を受け付けた後の断層像の撮像時において、制御部123によるレンズ227の制御は常時行わなくともよい。具体的には、制御部123は、撮像開始の指示を受け付けた後におけるSLO光学系の合焦状態の変化量が閾値を超えた場合に、OCT光学系による断層像の撮像中のレンズ227の制御を実行すればよい。この場合、SLO光学系における合焦情報の変化としては、ディオプターの変更、レンズ215の光軸上の位置の変更、不図示の駆動手段であるステップモータのステップ数の変更等によるものが例示できる。ここで、OCT光学系は、OCT光源229から出射された光より分割されて被検眼Eを経た測定光と、該光より分割された参照光とを合波させて得られる干渉光より取得された干渉信号に基づいて断層像を撮像する。そして、OCT光学系は、該干渉光を得るために、参照光の光路を折り返す参照ミラー237を更に備える。制御装置120は、撮像開始の指示を受け付けた後におけるSLO光学系の合焦情報に基づいて、必要に応じてこの参照ミラー237の光軸上の位置を制御する。なお、本実施形態において、断層像撮像中におけるSLO光学系の合焦情報は、該SLO光学系により被検眼Eの移動量を求めてトラッキングの処理を行う際に用いる眼底正面像を撮像する際に取得する。
また、本実施形態に係る検査装置は、上述した第1光学系としてのOCT光学系と第2光学系としてのSLO光学系とを備える。そして、更にSLO光学系により得た眼底正面像から得られる合焦情報に基づいてOCT光学系のレンズ227を制御する制御部123と、操作者によるレンズ227の合焦状態の変更を受け付ける受付手段(取得部125)とを備える。ここで、制御装置120は、自動合焦操作による最適な合焦状態からの変更量を加味して得られたフォーカスオフセット量とSLO光学系の合焦情報とに基づいて、OCT光学系による撮像中にレンズ227の光軸上の位置を制御する。なお、該受付手段は、操作者による指示を受け付ける態様に限られず、制御装置120による撮像開始の指示を受け付けることもできる。また、本実施形態に係る検査装置は、上述した第1光学系としてのOCT光学系と第2光学系としてのSLO光学系とを備え、該SLO光学系は、トラッキング処理の際の被検眼の移動量を取得するための眼底正面像を撮像する。そして、制御装置120は、該移動量を取得するための眼底正面像を撮像する際に得られるSLO光学系の合焦情報に基づいて、制御部123によりOCT光学系による断層像の撮像中にレンズ227の光軸上の位置を制御する。なお、該受付手段は、操作者による指示を受け付ける態様に限られず、制御装置120による撮像開始の指示を受け付けることもできる。
〔2〕第2の実施形態
第1の実施形態では、断層像撮像中にSLO光学系の自動合焦調整を行い、その結果をOCT光学系の合焦調整に利用することで、迅速なOCT光学系の合焦調整を可能としている。そして、これにより、最適な合焦状態を維持して断層像を撮像することを可能としている。ただし、この第1の実施形態では、SLO光学系の合焦調整は、予め定められている網膜上の任意の位置に対して、或いは眼底上のある程度の広い範囲を対象として自動的に行われている。従って、実際の検査対象部位として操作者が意図する部位に対して厳密に合焦された眼底正面像が取得されていない可能性がある。本実施形態では、操作者がプレビュー表示において眼底正面像を観察しながらSLO光学系の合焦調整を行った場合は、以降の処理において眼底正面像の画質をこの合焦調整時の状態に保ちながら、最適な合焦状態で断層像を撮像することを目的とする。
なお、本実施形態に係る検査装置の構成は第1の実施形態にて説明した検査装置の構成と同じなので、ここでの説明を省略する。また、本実施形態で行われる眼底撮像処理の処理フローも、図4(a)、図4(b)、及び図5に示すフローチャートで示される各処理と重複する処理が含まれるため、これら処理についてはここでの説明を省略する。以下では、第1の実施形態において実行される各処理と異なる処理が行われるステップについて説明をする。
<ステップS411>
第2の実施形態では、ステップS411で、制御装置120による指令に応じて、表示部130は画像生成部121より送られた自動調整後に得られた各種画像を、操作者に対して図3のようなプレビュー画面を用いて提示する。その際、表示部130は、プレビュー画面を見ながら操作者が操作するマウス等からの操作入力情報を取得する。取得部125は、表示部130を介して取得したマウス等からの操作入力情報を制御装置120へ送る。制御装置120は、その操作入力情報に応じて、制御部123を介してSLO光学系の合焦調整、OCT光学系の合焦調整、OCT光学系での参照ミラー位置調整等の制御を行う。制御装置120は、操作者の操作による制御結果であるこれらOCT手動合焦情報や参照ミラー位置情報等を記憶部122へ送る。本実施形態では、更に、SLO光学系において操作入力が終わった際に得られた眼底正面像を画像解析部124へ送り、画質の解析を行う。併せて、SLO光学系への手動合焦操作に関する操作入力情報も記憶部122へ送られ、該記憶部122に記憶される。なお、本実施形態では眼底正面像についての画質情報としてSNRを使うが、画質評価に用いる指標にこれに限らず、例えばコントラスト幅や、ヒストグラム分析等、その他の指標を用いてもよい。
<ステップS430>
ステップS430で、制御装置120はSLO合焦情報、OCT合焦情報、及び操作入力情報を得た後の合焦に関する情報を用いて、フォーカスのオフセット量を算出する。具体的には、ステップS410での自動合焦処理により得られているSLO光学系の合焦状態及びOCT光学系の合焦状態から、SLO光学系及びOCT光学系共に操作入力情報に基づく合焦調整が行われている。この両光学系に与えられた操作入力情報に基づく例えば合焦用のレンズの移動量を加味し、SLO光学系の合焦情報をOCT光学系の合焦調整に反映させる際の相関値を得る。即ち、本実施形態において、フォーカスオフセット量は、2つの差分より求められる。1つの差分は、操作入力情報に基づいて得られた現状のSLO光学系のレンズ215の位置と元のSLO光学系のレンズ215の位置との差分となる。もう1つの差分は、操作入力情報に基づいて得られる現状のOCT光学系のレンズ227の位置と元のOCT光学系のレンズ227の位置との差分となる。そして、制御装置120は、これら2つの差分を足し合わせて得られる該フォーカスオフセット量を、フォーカスオフセット情報として、記憶部122に記憶する。
<ステップS432>
本実施形態において、ステップS432で、制御装置120は、眼底正面像がステップS411で取得した眼底正面像を得た際の手動調整後の合焦状態になるように撮像光学系110の制御を行う。そして、その制御時に得られる合焦情報をSLO対象合焦情報として記憶部122に記憶する。即ち、本実施形態でのSLO自動フォーカス調整処理(2)では、眼底正面像の画質がステップS411で得られた眼底正面像の画質情報と一致或いは近い値が得られるようにSLO光学系の合焦調整を自動で行う。
OCT光学系を有する検査装置に対して以上の構成を配することによって、断層像の撮像に際して最適なタイミングでOCT光学系の合焦設定が迅速に行うことができる。また、合焦調整時に用いる眼底正面像の画質を、操作者の合焦操作等の調整により得た眼底正面像の画質と同じにすることで、操作者が望む検査部位に合焦された眼底正面像について最適な画質での取得が可能となる。従って、断層像の取得に際して、所望の検査部位を対象とした合焦調整やトラッキングが可能となり、最適な合焦条件での断層像の撮像ができる。
なお、本実施形態では眼底正面像の画質は操作者が操作したSLO光学系の合焦状態にて取得したものとしたが、本実施形態の適用対象はこれに限られない。例えば、フォローアップ検査の場合、SLO自動合焦調整を、過去に撮像された眼底正面像と同じ画質になるように実行することとしてもよい。即ち、本実施形態によれば、SLO自動合焦調整は操作者が指定する眼底正面像の画質や、過去の眼底正面像の画質に基づいて行えることとなる。これにより、最適な合焦条件で断層像の撮像を行い、併せてより操作者が望む眼底正面像を得ることができる。
以上に述べたように、本実施形態では、指示受付手段が断層像の撮像開始の指示を受け付ける前に、SLO光学系に含まれる第2合焦手段による自動合焦操作による合焦状態からの合焦状態の変更を受け付ける第2受付手段を更に備える。ここで、第2合焦手段はレンズ215に例示され、合焦状態はディオプターの変更や該レンズ215の光軸上の位置の変更により例示される。第2受付手段は、表示部130を介して取得されるSLO光学系に関する操作入力情報を受け付ける取得部125を備える。制御装置120は、第2合焦手段による合焦状態の変更が受け付けられた際に取得している眼底正面像の画質を維持するように、制御部123を介して第2光学系に含まれる第2合焦手段を制御する。
〔3〕第3の実施形態
第1及び第2の実施形態では、断層像撮像中にSLO光学系の自動合焦調整を行い、その結果をOCT光学系の合焦調整に利用することで、迅速なOCT光学系の合焦調整を可能としている。そして、これにより、最適な合焦状態を維持して断層像を撮像することを可能としている。ただし、これら実施形態では、被検眼による瞬きや、被検眼に大きな動きが生じた場合に、SLO光学系の自動合焦調整に失敗することが考えられる。本実施形態では、被検眼の瞬きや、大きな動きが生じた場合に、これに対応することを目的とする。
なお、本実施形態に係る検査装置の構成は第1の実施形態にて説明した検査装置の構成と同じなので、ここでの説明を省略する。また、本実施形態で行われる眼底撮像処理の処理フローも、図4(a)、図4(b)、及び図5に示すフローチャートで示される各処理と重複する処理が含まれるため、これら処理についてはここでの説明を省略する。以下では、第1の実施形態において実行される各処理と異なる処理が行われるステップについて説明をする。
<ステップS433>
第3の実施形態では、ステップS433で、制御装置120は断層像の撮像のための眼底トラッキング処理を行う。該眼底トラッキング処理の詳細について以下に説明をする。本実施形態において、制御装置120は撮像光学系110を制御して、画像生成部121によりトラッキング対象画像を生成する。更に、制御装置120は、そのトラッキング対象画像と、記憶部122に記憶されているトラッキング参照画像とを画像解析部124へ送る。画像解析部124は、これらトラッキング対象画像とトラッキング参照画像との位置ずれを算出し、これら画像を取得する間が生じた被検眼Eの眼底の移動量を取得する。
本実施形態では、この眼底移動量の取得に併せ、画像解析部124はトラッキング対象画像を解析し、瞬き等の検知を行う。本実施形態では、例えば、眼底正面像の一部の領域が連続的に暗くなったことが検知された場合に、瞬きが生じたと判断する。なおこの方法に限らず、例えばインタレース撮像でSLO画像を生成している場合は、フィールドの一部が連続的に暗くなったことで瞬き等が生じたと判断する。しかし、瞬き等の検知様式はこの連続的な暗部の検知に限られず、その他の公知の方法を用いてもよい。更に、本実施形態では、画像解析部124は大きな固視微動等の目の大きな動きの検知も行う。ステップS433において算出された被検眼の眼底移動量がある移動閾値以上の場合には、この大きな固視微動が生じたと判断する。本実施形態では、その際の判断に用いる眼底移動量の移動閾値を2.0mmと設定している。しかし、設定する移動閾値はこの値に限らず、例えば3.0mmとするように値自体を任意の値に変更してもよいし、或いは移動量ではなく被検眼の眼球の回転角度として例えば15度等の回転角度等を移動閾値に用いる等、その他の様式にて設定してもよい。
制御装置120は算出された被検眼Eの眼底移動量に基づいて、OCT光学系の走査手段であるXYスキャナ226による測定光の照射位置の補正制御を行う。但し、本実施形態では、ステップS433で画像解析部124は瞬き等が生じたと判断した場合、或いは大きな固視微動等の眼の大きな動きが発生したと判断した場合に、制御装置120はフローをステップS434からステップS439までスキップさせる。即ち、OCTフォーカス再設定の処理や、OCT参照ミラー位置再調整の処理を行わない。
なお、瞬き等の検知は眼底正面像の解析によるものと限ることなく、例えば画像解析部124は前眼部画像を解析し、前眼部画像の変化により瞬き等の発生を検知することとしてもよい。或いは、眼底正面像或いは前眼部画像が瞬間的に隠されたことを検知可能な、その他の公知の種々の方法を用いてもよい。例えば、前眼部画像全体の明るさが上がった時に瞬きが発生したと検知する等、画像全体の輝度が閾値以上に変化することにより検知することもできる。或いは、瞼の動きを解析することや、瞳の画像解析を行うこと等、の検知手法を用いることもできる。本実施形態によれば、以上の構成を配することによって、被検眼が瞬きをしたことや、眼が大きく動いたこと等を検知し、その場合にOCTフォーカス再設定やOCT参照ミラー位置再調整の処理を停止する。これにより、瞬間的且つ合焦情報の取得が困難な画像に基づいた合焦調整を回避できるので、眼底像の撮像時における合焦調整への瞬き等の影響を少なくすることができる。
以上に述べたように、本実施形態に係る検査装置では、断層像撮像時におけるOCT光学系のレンズ227の光軸上の位置制御にSLO光学系の合焦情報を用いる。そして、該合焦情報は、該SLO光学系により被検眼の移動量を求めるトラッキング処理のための眼底正面像を撮像する際に取得する。その際、被検査物である被検眼において、該被検眼の瞬きが発生した場合又は該被検眼の移動量が移動閾値を超えた場合には、OCT光学系による撮像中における合焦レンズの制御を行わない。
〔4〕第4の実施形態
第1の実施形態では、断層像撮像中にSLO光学系の自動合焦調整を行い、その結果をOCT光学系の合焦調整に利用することで、迅速なOCT光学系の合焦調整を可能としている。そして、これにより、最適な合焦状態を維持して断層像を撮像することを可能としている。これに対して、本実施形態は、自動的な合焦調整では対応できない程度に被検眼の状態が大きく変化した場合に対処することを目的とする。
なお、本実施形態に係る検査装置の構成は第1の実施形態にて説明した検査装置の構成と同じなので、ここでの説明を省略する。また、本実施形態で行われる眼底撮像処理の処理フローも、図4(a)、図4(b)、及び図5に示すフローチャートで示される各処理と重複する処理が含まれるため、これら処理についてはここでの説明を省略する。以下では、第1の実施形態において実行される各処理と異なる処理が行われるステップについて説明をする。
<ステップS434>
第4の実施形態では、ステップS434で、制御装置120は、OCTフォーカス再設定の処理を行うか否かの判断を行う。そのため、ステップS420で記憶部122に記憶されたSLO自動合焦情報とステップS432で記憶されたSLO対象合焦情報に基づいて、第1の実施形態と同様にSLO光学系の合焦状態の変化を調べる。本実施形態では、その際に通常の処理用の閾値と異常時用の閾値とを予め設定しておき、これら閾値と合焦状態の変化量とを比較し、閾値に応じて異なる処理を行うこととしている。即ち、合焦状態の変化の量が通常処理用の閾値を超えない場合は、制御装置120によってフローはステップS437へ進められる。また、合焦状態の変化量がこの通常処理用の閾値を超えて、更に該変化量が該通常処理用の閾値の2倍未満である場合は、制御装置120によってフローはステップS435へ進められる。そして、制御装置120は、OCTフォーカス設定処理としてOCT光学系の合焦状態を再設定する処理を行う。更に、SLO光学系の合焦状態の変化量が該通常の処理用の閾値の2倍以上である異常時用の閾値を超える場合は、制御装置120は表示部130に警告表示命令を出し、表示部130は操作者に警告を表示する。
本実施形態では、以上の構成を配することによって、SLO光学系の合焦状態が大きく変化する、被検眼の過剰に動く等の被検眼の状態の急変を検知することができる。当該構成により、操作者に警告を表示することで、早めに操作者に被検者状態の異常を知らせることができる。
以上に述べたように、本実施形態に係る検査装置では、断層像の撮像開始の指示を受け付けた後におけるSLO光学系の合焦状態の変化が警告閾値よりも大きい場合に警告を行う警告手段を更に備える。該警告手段は、表示部130の表示画面上に種々の態様で警告情報として表示されてもよく、不図示のブザー等の音響用の構成により警告音を発する態様としてもよい。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形或いは変更して実施することができる。例えば、上述した実施形態では、被検眼の眼底が被検査物である場合について述べているが、眼以外の皮膚や臓器等の被検査物に本発明を適用することも可能である。この場合、本発明は眼科装置以外の、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。従って、本発明は眼科装置に例示される検査装置として把握され、被検眼眼底は被検査物の一態様として把握されることが望ましい。
また、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給する態様ともできる。該態様においては、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも、本発明が実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。即ち、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、コンピュータ上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。更に、記録媒体から読み出したプログラムコードが、コンピュータ付属の機能拡張カードや機能拡張ユニット内のメモリに書込まれ、前記拡張カードや拡張ユニット内の演算装置が実際の処理の一部か全部を行い、上述した実施形態の機能が実現される場合も含む。また、本発明を上記記録媒体に適用する場合、その記録媒体には、先に説明した図に対応したプログラムコードが格納されることになる。以上より、本発明は、上述した各手段による工程或いは処理をコンピュータ実行させる検査装置の制御方法を構成する。
以上、実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、上述の各実施形態は、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
110 撮像光学系
120 制御装置
121 画像生成部
122 記憶部
123 制御部
124 画像解析部
125 取得部
130 表示部

Claims (20)

  1. 被検査物の断層像を撮像する光学系であって測定光を前記被検査物に合焦させる合焦手段を含む第1光学系と、
    前記被検査物の正面像を撮像する第2光学系と、
    前記第1光学系及び前記第2光学系の少なくとも一方の光学系により撮像された前記被検査物の動画像が表示手段に表示された状態で、前記第1光学系による前記断層像の撮像の指示を受け付ける指示受付手段と、
    前記指示を受け付けた後における前記第2光学系により撮像された前記正面像から得られる前記第2光学系の合焦情報に基づいて、前記指示に基づく前記第1光学系による前記断層像の撮像中に前記合焦手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする検査装置。
  2. 前記指示受付手段が前記指示を受け付ける前に、前記合焦手段による合焦状態の変更を受け付ける受付手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記受け付けられた前記合焦状態の変更量と前記合焦情報とに基づいて、前記指示に基づく前記第1光学系による前記断層像の撮像中に前記合焦手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記第1光学系は、前記測定光に基づいて得られる信号を用いて前記断層像を撮像し、
    前記制御手段は、前記指示に基づく前記第1光学系による前記断層像の撮像において、前記信号が取得されていないときに前記合焦手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の検査装置。
  4. 前記第1光学系は、前記測定光で前記被検査物上を所定の方向に走査することにより前記被検査物の前記所定の方向に沿って前記断層像を撮像し、
    前記制御手段は、前記指示に基づく前記第1光学系による前記断層像の撮像において、前記所定の方向への前記測定光の走査が完了し次の走査が開始されるまでの間に前記合焦手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
  5. 前記制御手段は、前記指示を受け付けた後における前記第2光学系の合焦状態の変化量が閾値を超えた場合に、前記指示に基づく前記第1光学系による前記断層像の撮像中に前記合焦手段を制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の検査装置。
  6. 前記第1光学系は、光源から出射された光より分割されて前記被検査物を経た前記測定光と前記光より分割された参照光とを合波させて得られる干渉光より取得された干渉信号に基づいて前記断層像を撮像し、
    前記第1光学系は、前記参照光の光路を折り返す参照ミラーを更に備え、
    前記制御手段は、前記指示を受け付けた後における前記第2光学系の前記合焦情報に基づいて、前記参照ミラーを制御することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の検査装置。
  7. 前記指示を受け付けた後における前記第2光学系の合焦状態の変化が警告閾値よりも大きい場合に警告を行う警告手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の検査装置。
  8. 前記指示受付手段が前記指示を受け付ける前に、前記第2光学系に含まれる第2合焦手段による合焦状態の変更を受け付ける第2受付手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記第2合焦手段による前記合焦状態の変更が受け付けられた際の前記正面像の画質を維持するように前記第2光学系に含まれる前記第2合焦手段を制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の検査装置。
  9. 前記第2光学系の合焦情報は、前記第2光学系により前記被検査物の移動量を求めるための正面像を撮像する際に取得することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の検査装置。
  10. 前記被検査物は被検眼であって、
    前記制御手段は、前記被検眼の瞬きが発生した場合又は前記被検眼の移動量が移動閾値を超えた場合には、前記第1光学系による撮像中における前記合焦手段の制御を行わないことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の検査装置。
  11. 被検査物の断層像を撮像する光学系であって測定光を前記被検査物に合焦させる合焦手段を含む第1光学系と、
    前記被検査物の正面像を撮像する第2光学系と、
    前記正面像から得られる前記第2光学系の合焦情報に基づいて前記合焦手段を制御する制御手段と、
    前記合焦手段の合焦状態の変更を受け付ける受付手段を備え、
    前記制御手段は、前記合焦状態の変更量と前記合焦情報とに基づいて、前記第1光学系による撮像中に前記合焦手段を制御することを特徴とする検査装置。
  12. 前記第1光学系は、前記測定光に基づいて得られる信号を用いて前記断層像を撮像し、
    前記制御手段は、前記第1光学系による前記断層像の撮像中において、前記信号が取得されていないときに前記合焦手段を制御することを特徴とする請求項11に記載の検査装置。
  13. 前記制御手段は、前記第1光学系による前記断層像の撮像中において、前記正面像から得られる合焦状態の変化量が閾値を超えた場合に、前記第1光学系による前記断層像の撮像中に前記合焦手段を制御することを特徴とする請求項11又は12に記載の検査装置。
  14. 前記第1光学系は、光源から出射された光より分割されて前記被検査物を経た前記測定光と前記光より分割された参照光とを合波させて得られる干渉光より取得された干渉信号に基づいて前記断層像を撮像し、
    前記第1光学系は、前記参照光の光路を折り返す参照ミラーを更に備え、
    前記制御手段は、前記第1光学系による前記断層像の撮像中において、前記正面像から得られる前記第2光学系の合焦情報に基づいて、前記参照ミラーを制御することを特徴とする請求項11乃至13の何れか1項に記載の検査装置。
  15. 前記正面像から得られる合焦情報は、前記第2光学系により前記被検査物の移動量を求めるための正面像を撮像する際に取得することを特徴とする請求項11乃至14の何れか1項に記載の検査装置。
  16. 被検査物の断層像を撮像する光学系であって測定光を前記被検査物に合焦させる合焦手段を含む第1光学系と、
    前記被検査物の移動量を取得するための正面像を撮像する第2光学系と、
    前記移動量を取得するための前記正面像を撮像する際に取得できる前記第2光学系の合焦情報を用いて、前記第1光学系による前記断層像の撮像中に前記合焦手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする検査装置。
  17. 被検査物の断層像を撮像する光学系であって測定光を前記被検査物に合焦させる合焦手段を含む第1光学系と、
    前記被検査物の正面像を撮像する第2光学系と、を備えた検査装置の制御方法であって、
    前記第1光学系及び前記第2光学系の少なくとも一方の光学系により撮像された前記被検査物の動画像が表示手段に表示された状態で、前記第1光学系による前記断層像の撮像の指示を受け付ける工程と、
    前記指示を受け付けた後に前記第2光学系により撮像された前記正面像から得られる前記第2光学系の合焦情報に基づいて、前記指示に基づく前記第1光学系による撮像中に前記合焦手段を制御する工程と、を含むことを特徴とする検査装置の制御方法。
  18. 被検査物の断層像を撮像する光学系であって測定光を前記被検査物に合焦させる合焦手段を含む第1光学系と、
    前記被検査物の正面像を撮像する第2光学系と、を備える検査装置の制御方法であって、
    前記正面像から得られる合焦情報に基づいて前記合焦手段を制御する工程と、
    前記合焦手段の合焦状態の変更を受け付ける工程と、を含み、
    前記制御する工程は、前記合焦状態の変更量と前記合焦情報とに基づいて、前記第1光学系による撮像中に前記合焦手段を制御することを特徴とする検査装置の制御方法。
  19. 被検査物の断層像を撮像する光学系であって測定光を前記被検査物に合焦させる合焦手段を含む第1光学系と、
    前記被検査物の正面像を撮像する第2光学系と、を備える検査装置の制御方法であって、
    前記正面像に基づいて前記被検査物の移動量を取得する工程と、
    前記移動量の取得に用いる前記正面像を撮像する際に取得できる前記第2光学系の合焦情報を用いて、前記第1光学系による前記断層像の撮像中に前記合焦手段を制御する工程と、を含むことを特徴とする検査装置の制御方法。
  20. 請求項17乃至19の何れか1項に記載の検査装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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