JP2019054652A - 電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】突入電流を抑制するだけでなく、瞬停による再突入電流やサージ電流をも抑制することができる突入電流抑制回路を搭載した電源装置を提供する。
【解決手段】入力電圧の変動を平滑するために設けられる平滑コンデンサ103と、入力電圧と平滑コンデンサとの間に接続され、突入電流を制限するための電流制限抵抗113と、電流制限抵抗に並列にドレインとソースを接続したFET112と、FETのソースを基準とした補助電源130と、FETのドレインとソースの間の電圧を測定する測定部と、補助電源から電力を供給されて測定部の出力電圧を監視する監視回路111と、を備える。監視回路は、測定部の出力電圧が監視回路の有する第一の基準電圧値を超えた場合にFETをオフさせ、測定部の出力電圧が監視回路の有する第二の基準電圧値を下回った場合にFETをオンさせるように構成された突入電流抑制回路110を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電源装置に関し、より詳しくは、入力電流のピーク値を低減する技術に関する。また本発明は、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller。以下「PLC」と呼ぶ。)用の電源装置に用いられる。
一般的に、産業用機器の制御を行うPLCには、商用の交流電源を直流に変換する電源装置が搭載されている。その電源装置によりPLC内部の各種電気回路に所定の電源電圧が供給される。
その電源装置の電源投入の初期動作時に瞬間的に過大な電流が流れることがある。この電流は一般に突入電流と呼ばれている。突入電流は、直流電源電圧の脈動成分を平滑するために回路に設けられた平滑コンデンサに、電源入力と同時に電荷が充電されることにより発生する。また、電源装置が稼働中に入力電源に瞬停が発生し、その後瞬停から復帰した場合、瞬停中に平滑コンデンサの電荷が放電しているため瞬間的に電流が流れる。この電流を突入電流と区別して再突入電流と呼ぶ場合がある。
突入電流に起因して、電源装置へ電力を供給する経路に設けられたブレーカやヒューズ等が稼働して電力の供給が遮断される場合がある。また、突入電流が、電源装置への電力供給と同じ経路から接続されている他の機器への入力変動をもたらし、その機器が誤動作する問題がある。
このような問題を防ぐため、一般的に、突入電流を抵抗器に流して抑制する回路が電源装置に設けられる。例えば、特許文献1の図1には、スイッチング電源装置の電源入力に、抵抗器R2を直列に挿入し、これと並列にトライアックTACをスイッチとして接続した回路が開示されている。電源投入直後の平滑コンデンサC2に突入電流が流れている期間は、トライアックTACをオフにすることによって抵抗器R2に突入電流が流れるため、突入電流が抑制される。その後トライアックTACをオンにすることにより、突入電流を検出していない定常動作時の電流は、より損失の少ないトライアックTAC側に流す。
なお、本回路では再突入電流を抑制できない。
一般的にトライアックやサイリスタは、導通時に1V〜2Vの順方向降下電圧が発生する。そのため、上記電源装置の定常動作時はトライアックから熱が発生する。その対策のため、放熱のためのヒートシンクが必要になる。ヒートシンクの実装に伴う大型化やコストアップの問題を解消するために、より発熱の少ない電界効果トランジスタ(Field Effect Transister。以下「FET」と呼ぶ。)がスイッチ素子として用いられる場合もある。
FETをスイッチとして用いて突入電流を抑制する回路を搭載したスイッチング電源装置が特許文献2の図1に開示されている。電源入力に直列に突入電流抑制用の抵抗器R1が接続されており、他方は平滑コンデンサC1の正極に接続される。スイッチとして用いるNチャネルFET Q2は、突入電流の抑制用の抵抗器R1と並列に接続される。
特許文献2の図1に開示されている回路は、電源起動後の所定の期間、FET Q2をオフにすることによって、平滑コンデンサC1に流れ込む突入電流を突入電流抑制用の抵抗器R1に流す。所定の期間の経過後、突入電流がなくなってから、FET Q2をオンにすることによって、電源入力から流入する電流の全てが損失の少ないFET Q2のドレインに流れる。
以上のように、特許文献2の図1に開示されたスイッチング電源は、入力電源投入に起因する突入電流を適切に抑制することができる。なお、再突入電流も抑制可能である。
ところで、雷等の影響により発生する突発的な異常高電圧であるサージ電圧に起因して生じる大電流をここでは突入電流や再突入電流と区別してサージ電流という。特許文献2の図1に開示されたスイッチング電源は、このサージ電流を抑制することができない。電源稼働時はFET Q2がオンだからである。
電源装置には、これら再突入電流やサージ電流を抑制することも要求される場合もある。
なお、特許文献2の図1に開示されたスイッチング電源は、入力電圧を監視して、入力電圧低下時にFET Q2をオフする回路を備えており、瞬停後の再突入電流を抑制することができるが、回路構成上フォトカプラを必要とするため、部品コストや実装面積が増大する問題がある。
さらに、FETQ2が入力電流経路の一部を構成しているため、サージ電流の流入に対する耐性が弱いという問題がある。しかしながら、特許文献2にはサージ電流からFETを保護する手段が示唆も開示もされていない。
突入電流を抑制する回路において、FETをスイッチとして用いたもう一つの電源装置の例が、特許文献3の図3に開示されている。この回路は、前記問題を解消しており、電源投入時の突入電流だけでなく、瞬停後の再突入電流やサージ電流も抑制できる。また、FETがオフされることにより、サージ電圧によるFETの破壊を防ぐこともできる。
この回路の特徴は、電源入力と直列に接続された突入電流検出用の抵抗器R4により、常時突入電流を監視することである。突入電流が発生した場合、抵抗器R4の両端に電圧となって現れる。特許文献3の図3に開示されている回路では、この電圧を、トランジスタを用いて検出し、スイッチとして用いているFETのゲートを駆動して、FETをオフし、平滑コンデンサC1に流れ込む突入電流を抵抗器R1に流す。そのため、突入電流が抑制される。
突入電流が生じている期間の経過後であっても、特許文献3の図3に開示されている回路は、突入電流検出用の抵抗器R4により常時電流を監視している。瞬間的な大電流が検出されればその都度、前記FETを駆動して電流を抵抗器に流す。したがって、再突入電流やサージ電流も抑制することができる。
特開2016−027778 特開平10−014246 特開平09−233678
しかしながら、特許文献3の図3に開示されたスイッチング電源の回路は、入力電源から供給される電流が突入電流検出用の抵抗器に常時流れることから、電力の損失が発生する。そのため、突入電流検出用の抵抗器から熱が発生し、製品の信頼性の低下が問題となる。また、消費電力に見合う定格電力の抵抗器を選定しなければならないことから、その抵抗器のサイズも大きくなる。そのため製品のコストが高くなり、サイズが増大する問題が生じる。
一方、特許文献3の図3に開示されたスイッチング電源は、FETが入力電流経路の一部を構成しているため、サージ電流の流入に対する耐性が弱いという問題がある。しかしながら、特許文献3にはサージ電流からFETを保護する手段が示唆も開示もされていない。
また、この回路では、平滑コンデンサC1と突入電流抑制用の抵抗器R1が直列に接続されていることから、サージ電流のような大電流が流れた場合、入力電流経路を構成しているFETが過電流により故障する問題がある。また、サージ電流のような大電流が流れることにより抵抗器R1の両端に発生する電圧と平滑コンデンサC1の両端の電圧とを加算した過大な電圧が発生する。この過大な電圧が、スイッチング用のFETに印加され、FETが破損され得るという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、入力電源に直列に挿入した従来の突入電流検出用の抵抗器を用いなくとも電流を常時監視し、突入電流を抑制することができる突入電流抑制回路を搭載した電源装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、平滑コンデンサと突入電流抑制用の抵抗器を直列に接続することに起因するスイッチングFETへの過大電圧が発生しない突入電流抑制回路を搭載することにより、部品の損傷を回避することができる電源装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載した発明の電源装置は、入力電圧の変動を平滑するために設けられる平滑コンデンサと、
前記入力電圧と前記平滑コンデンサとの間に接続され、突入電流を制限するための電流制限抵抗と、
前記電流制限抵抗に並列にドレインとソースを接続したFETと、
前記FETのソースを基準とした補助電源と、
前記FETのドレインとソースの間の電圧を測定する測定部と、
前記補助電源から電力を供給されて前記測定部の出力電圧を監視する監視回路と、を備え、
前記監視回路は、前記測定部の出力電圧が前記監視回路の有する第一の基準電圧値を超えた場合に前記FETをオフさせ、前記測定部の出力電圧が前記監視回路の有する第二の基準電圧値を下回った場合に前記FETをオンさせるように構成された突入電流抑制回路を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載した電源装置において、前記第一の基準電圧値と前記第二の基準電圧値は、同一の値であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載した電源装置において、前記入力電圧に基づいた電力が入力巻線に供給されるトランスと、前記トランスの入力巻線へ供給される前記電力をスイッチング制御するスイッチング部を備え、
前記スイッチング部は、前記平滑コンデンサの電圧値を所定の電圧値と比較することにより監視する監視部を備え、
前記平滑コンデンサが充電されることによりこの平滑コンデンサの電圧値が前記所定の電圧を超えた後、前記スイッチング部による前記スイッチング制御が開始されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3に記載の電源装置に記載の電源装置において、前記補助電源部は、前記トランスの補助巻線により電力が供給されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4に記載の電源装置において、前記測定部は、抵抗器を用いた分圧回路であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電源装置において、前記抵抗器は、第1および第2の抵抗器により構成され、
前記第1および第2の抵抗器の抵抗値は、
それぞれ前記FETがオンの場合のソースとドレインの間の第1の抵抗値と、前記電流制限抵抗の抵抗値に基づいて定まる第2の抵抗値とに、前記電源の定常状態における入力電流のピーク値を乗じて得た電圧値に基づき、前記第1および第2の抵抗器により分圧された電圧値が前記所定の基準値を下回ることを条件に定められることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5記載の電源装置において、前記抵抗器は、第1および第2の抵抗器により構成され、
前記第1および第2の抵抗器の抵抗値は、
それぞれ前記FETがオンの場合のソースとドレインの間の第1の抵抗値と、前記電流制限抵抗の抵抗値に基づいて定まる第2の抵抗値とに、前記FETの許容できるドレイン電流の最大値を乗じて得た電圧値に基づき、前記第1および第2の抵抗器により分圧された電圧値が、前記所定の基準値を上回ることを条件に定められることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7に記載の電源装置において、前記FETのドレインとソースの間の電圧を監視する監視回路は、バイポーラトランジスタにより構成され、
前記第一の基準電圧値と前記第二の基準電圧値は共に前記バイポーラトランジスタのベース−エミッタ間電圧に基づくことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1、3乃至8に記載の電源装置において、前記監視回路はタイマーを備え、
前記測定部の出力電圧が前記監視回路の有する前記第一の基準電圧値を超えた場合に前記FETをオフさせた後、前記タイマーが計数を開始し、
前記タイマーが所定の時間を計数して終了するまで間、前記第二の基準電圧値は前記第一の基準電圧値と同一の値が選択され、
前記タイマーが前記所定の時間を計数して終了した後は、前記第二の基準電圧値は元の値が選択され、
前記第一の基準電圧値は、前記第二の基準電圧値よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、FETを用いた低損失な突入電流防止回路において、突入電流検出時のスイッチとして用いるFETのソース−ドレイン間の電圧を監視することにより、電源入力に直列に挿入した突入電流検出用の抵抗器を必要とせずに、電源投入時の突入電流を検出して抑制するだけでなく、再突入電流やサージ電流をも検出して抑制することができる。
本発明の一実施例を示した構成図である。 本発明の一実施例の動作を示したタイムチャートである。 本発明の一実施例を示した構成図である。 本発明の一実施例の動作を示したタイムチャートである。 本発明の一実施例を示した構成図である。 本発明の一実施例を示した構成図である。
〔第1 実施形態〕
図1は本発明の一実施例を示した構成図である。図1は、本発明を適用したスイッチング電源を示す。AC入力100、フィルタ101、整流ダイオード102、平滑コンデンサ103、トランスの入力巻線104、突入電流抑制回路部110、スイッチング部120、補助電源部130で構成されている。
AC入力100は、外部入力される商用の交流電源である。フィルタ101は、スイッチングにより発生するノイズを除去する。整流ダイオード102は、入力された交流電圧を全波整流する。AC入力100はフィルタ101へ接続されており、フィルタ101は整流ダイオード102の入力へ接続されている。
突入電流抑制回路部110は、突入電流、瞬停後の再突入電流、サージ電流を検出して抑制する働きをする。以降、突入電流、再突入電流、サージ電流といった抑制対象となる瞬間的な大電流をまとめて突入電流ICと呼ぶこととする。突入電流抑制回路部110は、突入電流抑制用の抵抗器113、スイッチとして用いるFET112、監視回路111で構成される。突入電流抑制用の抵抗器113とスイッチとして用いるFET112のソースとドレインは、並列に接続されている。
なお、突入電流抑制用の抵抗器113の値R1[Ω]は、以下の式(1)が成り立つように設定する。
R1 ≧ √2 × Vin ÷ Ipmax 式(1)
Vin:AC入力100の電圧の実効値[V]
Ipmax:突入電流ICの許容値[A]
なお、突入電流抑制用の抵抗器113には、サーミスタを用いても良い。
監視回路111は、突入電流ICを監視し、検出する機能を有する。
監視回路111は、抵抗器114および115、比較器116、基準電圧117で構成されている。抵抗器114および115は、突入電流検出用の抵抗器である。抵抗器114および115は直列に接続され、FET112のソースとドレインに接続されている。抵抗器114および115の分圧電圧は、FET112のソースとドレインの間の電圧を常時監視して電流の増加を検出するために用いる突入電流検出用電圧である。FET112のドレインの電流が増加すると、ソースとドレインの間の電圧は、オン抵抗があることにより上昇する。次に基準電圧117は、突入電流ICの検出を判定するための基準である。突入電流検出用電圧が基準電圧117を超えた場合は、突入電流ICが検出されたと判断される。比較器116は、突入電流検出用電圧と基準電圧117を比較する。比較器116の出力は、FET112のゲートに接続されている。比較器116は、突入電流検出用電圧が基準電圧117を超えた場合は、Lレベルを出力し、FET112はオフになる。一方、突入電流検出用電圧が低下し、基準電圧117を下回ると、比較器116はHレベルを出力し、FET112はオン状態になる。ここで、Lレベルとは、FETをスイッチとしてオフにすることができる十分低いゲート−ソース間の電圧のことをいう。Hレベルとは、FETをスイッチとしてオンにすることができる十分高いゲート−ソース間の電圧のことをいう。
突入電流抑制用抵抗器113の一端と、スイッチとして用いるFET112のソース、基準電圧117の負極、比較器116のグランド端子は、平滑コンデンサ103の正極側およびトランスの入力巻線に接続される。
突入電流抑制用抵抗器113の他端と、FET112のドレインは、整流ダイオード102の出力の正極側に接続される。
なお、突入電流ICが流れた場合にのみ突入電流抑制回路部110による突入電流ICの抑制が働き、突入電流ICが流れない通常の動作状態では、突入電流抑制回路部110による突入電流ICの抑制が働かないようにするため、抵抗器114、115の値R20[Ω]、R21[Ω]を、次の式(2)が成立するように設定する。
1/{1/RON+1/R1+1/(R20+R21)}×Ipop×{R21/(R20+R21)} < Vref 式(2)
RON:FET112のオン抵抗[Ω]
Ipop:電源の通常動作状態(突入電流ICが流れていない状態)における入力電流のピーク値[A]
Vref:基準電圧117の値[V]
ただし、R20、R21は、突入電流抑制用の抵抗値R1やオン抵抗RONよりも十分に大きい値をとるため、簡略化した次の式(2−1)が成立するように設定しても良い。
1/(1/RON+1/R1)×Ipop×{R21/(R20+R21)} < Vref 式(2−1)
また、FET112が破壊されないようにするため、突入電流検出用の抵抗器114、115の値R20[Ω]、R21[Ω]を、次の式(3)が成立するように設定する。
1/{1/RON+1/R1+1/(R20+R21)}×Idabs×{R21/(R20+R21)} > Vref 式(3)
Idabs:FET112の安全動作領域(Safety Operating Area(SOA))により許容できる順方向ドレイン電流の最大値[A]
ただし、R20、R21は、突入電流抑制用の抵抗値R1やオン抵抗RONよりも十分に大きい値をとるため、簡略化した次の式(3−1)が成立するように設定しても良い。
1/(1/RON+1/R1)×Idabs×{R21/(R20+R21)} > Vref 式(3−1)
スイッチング部120は、トランスの入力巻線104に加わる入力電圧を、FET112をオンオフさせることによってスイッチング制御する機能である。スイッチング制御により、トランスの二次側(図示しない)に電圧が誘起され、スイッチング電源の直流電圧出力として用いられる。スイッチング部120は、コンバータ制御IC121、スイッチング制御用FET122、負荷抵抗器123、平滑コンデンサ電位監視部124で構成されている。
スイッチング制御IC121の制御信号は、スイッチング制御用FET122のゲートに接続されている。制御信号から出力するパルスによりFET122をオンオフさせてスイッチング制御を行うためである。
コンバータ制御IC121の電源は、整流ダイオード102により整流された後の電圧が供給される。電源投入直後から動作する必要があるからである。
また、コンバータ制御IC121は、平滑コンデンサ103の正極側に接続されている平滑コンデンサ電位監視部124に接続されている。平滑コンデンサ電位監視部124は、平滑コンデンサ103の正極の電位を監視して、平滑コンデンサ103が充電されたことを判定する。コンバータIC121は、平滑コンデンサ103が十分に充電されて突入電流が流れなくなった後、スイッチング制御するためのパルスである制御信号を出力する。
FET122のドレインはトランスの入力巻線104に接続され、ソースは抵抗器123を介して整流ダイオード102の出力の負極側および平滑コンデンサ103の負極側へ接続される。
なお、平滑コンデンサ103に突入電流が流れなくなった後にスイッチング制御が開始される方法は、平滑コンデンサ103の正極の電位を平滑コンデンサ電位監視部124で監視する方法の他に、一定時間を計数するタイマー機能(図示しない)を設けて、電源入力100が投入されてから平滑コンデンサ103の充電をするために必要な十分な時間が経過した後、コンバータ制御IC121が動作を開始してスイッチング制御が開始される方法であっても良い。また、上記タイマー機能は、例えばパワーオンリセット回路で実現しても良い。
補助電源部130は、突入電流抑制回路部110の比較器116の電源を供給するためのものである。トランスの補助巻線131、整流用ダイオード132、平滑用のコンデンサ133で構成される。トランスの補助巻線131の一端は、整流用ダイオード132のアノードへ接続され、整流用ダイオード132のカソードが突入電流抑制回路部110の比較器116の電源端子および平滑用のコンデンサ133の一端へ接続される。トランスの補助巻線131の他端および平滑用のコンデンサ133の他端は、平滑コンデンサ103の正極側に接続される。
補助電源部130は、平滑コンデンサ103の正極を基準として正電源を生成する。
なお、補助電源部130は、コンバータ制御ICに電源を供給するための巻線(図示しない)を利用して、チャージポンプ回路により構成しても良い。その他、平滑コンデンサ103の正極を基準として必要な電圧値を得られる方法であれば良い。
図2は、図1の実施例の動作を表したタイムチャートである。以下、図1の実施例の動作を図2のタイムチャートを用いて説明する。まず、突入電流を抑制する動作を説明する。
AC入力100の起動により交流電圧が入力される。入力された交流電圧は整流ダイオード102によって整流される。電源起動時は、平滑コンデンサ103には電荷が蓄えられていないため、その充電電圧204−1は0Vである。そのため、突入電流抑制用抵抗器113に突入電流203−1が流れる。
突入電流が流れると、平滑コンデンサ103が充電されるため、平滑コンデンサ103の充電電圧204−2は上昇する。平滑コンデンサ103の充電電圧204が平滑コンデンサ電位監視部124の検出電圧204−3を超えた時点から所定の時間の経過後、コンバータ制御IC121は動作を開始する。そして、スイッチング制御用FET122により、スイッチング制御が開始されるため、補助巻線131に電圧206−1が誘起される。それにより、比較器116に電源が供給される。比較器116に電源が供給された時点で、起動に伴う突入電流は収束しているため、FETはオンの状態となる(209−1)。
したがって、電源の起動後、補助巻線131に電圧206−1が誘起されるまでの間は、比較器116に電源が供給されない。この場合、比較器116の出力は、Lレベル209−4を出力するため、FET112はオフの状態である。そのため、突入電流は、突入電流抑制抵抗113に流れるため、突入電流を許容値以下に抑制することができる。
次に図2を用いて、電源稼働中の瞬停による再突入電流を抑制する動作を説明する。
瞬停が発生した場合(201−1)のAC入力電圧は0Vとなる。しかし、スイッチング部120は、充電された平滑コンデンサ103からの電力の供給により、スイッチング制御は継続される(205−1)。すなわち、瞬停の期間中でも補助巻線131の電圧は誘起され続け(206−2)、補助電源部130は、比較器116への電源の供給を維持する。一方、瞬停の期間中はAC入力からは電力が供給されないため、FET112、突入電流抑制用抵抗器113、突入電流検出用の抵抗器114,115には電流が流れない。そのため、抵抗器114,115の分圧による突入電流検出用電圧は0Vとなる。突入電流検出用電圧は基準電圧117を下回るため、比較器116の出力、すなわちFET112のゲートにはHレベル209−1が入力される。よってFET112はオン状態である。
次に、瞬停が復帰してAC入力から電力が供給され始める(201−2)。このとき、平滑コンデンサ113の電圧は、瞬停期間中の放電により電圧が低下している(204−4)。そのため、AC入力100からFET112のドレインを介して平滑コンデンサ113を充電するための再突入電流が流れる(207−1)。そのため、FET112のソース−ドレイン間に電圧が発生し、抵抗器114,115による突入電流検出用電圧が上昇する(208−1)。この場合、突入電流検出用電圧が基準電圧117を超えるため、比較器116はLレベルを出力する。よって、FET112のゲートにはLレベルが入力され(209−2)、FET112はオフの状態になる。したがって、再突入電流(203−2)は、突入電流抑制用の抵抗器113を流れる。すなわち、再突入電流は、抵抗器113によって抑制される。
なお、再突入電流が抵抗器113によって抑制された後、抵抗器114,115による突入電流検出用電圧は基準電圧117を下回るため、比較器116はHレベルを出力する。よって、FET112のゲートにはHレベルが入力され、FET112はオンに戻る。
次に図2を用いて、電源稼働中、偶発的に生じるサージ電流を抑制する動作を説明する。
図2の中で、AC入力100に加わったサージ電圧(201−3)を示す。サージ電圧は整流ダイオード102を介してFET112のドレインに加わるため、ドレインにサージ電流が流れる(207−2)。そのため、FET112のソース−ドレイン間に電圧が発生し、抵抗器114,115による突入電流検出用電圧が上昇する(208−2)。この場合、突入電流検出用電圧が基準電圧117を超えるため、比較器116はLレベルを出力する。よって、FET112のゲートにはLレベルが入力され(209−3)、FET112はオフの状態になる。したがって、サージ電流203−3は、突入電流抑制用の抵抗器113を流れる。すなわち、サージ電流は、抵抗器113によって抑制される。
FET112がオンからオフの状態に移行する瞬間は、今までFET112に流れていたサージ電流が、抵抗値がFET112のオン抵抗より大きい突入電流抑制用の抵抗器113を流れるようになるため、抵抗器114、115による突入電流検出用電圧が急激に上昇する。そして比較器116はさらにFET112のゲート電圧を低下させるように正帰還動作を行う。したがって、FET112を急速にオフの状態にすることができ、サージ電流からFET112を好適に保護することができる。
なお、AC入力100に印加されるサージ電圧などの過大電圧から部品の損傷、特にFET112の破壊を防ぐため、FET112のソース−ドレイン間にサージ保護素子(図示しない)を接続しても良い。また、同じ理由で、AC入力100の2つの入力端子にサージ保護素子(図示しない)を接続しても良い。サージ保護素子は、例えば酸化金属型バリスタなどである。
このように、本発明では、FET112のソース−ドレイン間の電圧がドレイン電流に比例することを利用し、その電圧を突入電流検出用抵抗器114,115で分圧して監視することにより、電源入力と直列に接続された抵抗器によってサージ電流を監視する従来の方式で問題であった抵抗器の発熱を解消できる。そして、突入電流ICを適切に抑制することができる。
なお、図1に記載した本発明の実施例において、突入電流抑制回路部の動作の基準点を平滑コンデンサ103の正極側にとった構成を示したが、これに限られるものではなく、図6に示すように、基準点をスイッチング部と共通にすることも可能である。この場合、突入電流抑制用抵抗器113の一端と、スイッチとして用いるFET112のソース、基準電圧117の負極、比較器116のグランド端子は、平滑コンデンサ102の出力の負極側に接続する。
〔第2 実施形態〕
図3は、本発明のもう一つの実施例を示した構成図である。図3は、本発明を直流の電源入力に適用した場合の実施例である。直流の電源入力に最適となるよう構成している。交流の電源入力における実施例である図1との違いは、電源入力がDC入力300であり整流ダイオード102がないこと、突入電流抑制回路部310の監視回路311の構成要素である基準電圧が、図1の場合は基準電圧117が1個であるのに対し、図3の場合は、基準電圧318、基準電圧319の2個が存在し、マルチプレクサ317で切り替えて比較器316に入力されること、マルチプレクサ317の選択信号は、比較器316の出力をタイマー340で遅らせた信号であること、である。
電源入力が交流である場合と比べ、直流の場合は、電源稼働中に再突入電流またはサージ電流を検出した場合に、FET312がオフの状態になり再突入電流またはサージ電流への抑制が働いた後、FET312が元のオンの状態に戻りにくくなるという違いがある。以下、その理由を述べる。
図1の場合で、AC入力100にサージ電圧が加わった結果(201−3)、電流の抑制が働き、FET112がオフになったとする。その後、サージ電流が収束した状態でFET112が再びオンの状態になる。AC入力100は交流であることから、整流用ダイオード102の入力電位よりも平滑コンデンサ103の正極の電位の方が高くなる期間202−1が生じる。この期間は、整流ダイオードが逆バイアスされるため、AC入力100の電力供給に基づく電流は、抵抗器113には流れない。よってこの期間の抵抗器113の両端の電圧は通常動作時は0Vである。
この期間にサージ電流が流れた場合の動作を説明する。抵抗器113にサージ電流が流れる場合は、サージ電流にのみ基づく電圧が発生する。この場合、抵抗器114、115による突入電流検出用電圧も、突入電流ICのみによって抵抗器113の両端に生じた電圧を分圧した値となる。
FET112のオンオフの状態は、そのサージ電流検出用電圧と基準電圧117が比較器116で比較されて決定される。そのため、突入電流抑制用の抵抗器113の両端電圧はゼロとなり基準電圧を下回るため、比較器116はHレベルを出力してFET112は再びオンする。
一方、図3の場合も同様に、サージ電流を検出してFET312がオフになった状態であるとする。図1のAC入力の場合との違いは、整流ダイオード102がなく、フィルタ301を介して常に直流電圧が供給されている点である。そのため、DC入力の場合は、AC入力の場合のように、定期的に電流が流れない期間が発生しない。したがって、電流制限用の抵抗器313には常にトランスの二次側の負荷に応じた大きさの電流がDC入力300からフィルタ301を介して流れる。この場合の、突入電流抑制用の抵抗器313の両端には、二次側の負荷に応じた電流に基づく電圧が発生し、サージ電流が流れる場合には、その二次側の負荷に応じた電流に基づく電圧にサージ電流に基づく電圧を加えた電圧が発生する。
したがって、抵抗器314、315の分圧による突入電流検出用電圧は、図1の電源入力が交流である場合に対し、二次側の負荷に応じた電流に基づく電圧の分だけ大きくなる。そのため、電源入力が交流である場合と比べ、突入電流検出用電圧が比較器の基準電圧を下回りにくくなることから、FET312が元のオンに戻りにくくなる。
この問題を解消するために、図3は、FET312をオフの状態にするために使用する基準電圧318と、FET312をオンの状態にするために使用する基準電圧319の2個を設け、2個の基準電圧を切り替えて比較器316に入力するためのマルチプレクサ317を設け、マルチプレクサ317の選択信号として、比較器316の出力をタイマー340で遅らせた信号とするよう構成している。マルチプレクサ317は、比較器316の出力がHレベルの場合に基準電圧318を選択し、比較器316の出力がLレベルの場合に基準電圧319を選択する。
なお、タイマー340は、比較器316の出力がLからHに遷移する時はほぼ遅延なく出力し、比較器316の出力がHからLに遷移する時は、一定時間遅延させるように設定する。比較器316の出力がHからLに遷移する時は、入力の過電流を検出した場合である。タイマー340による遅延時間なしに基準電圧を切替えた場合には、比較器316の出力がチャタリングしてFET312が故障する可能性がある。したがって、タイマー340の遅延時間は、チャタリングを防止するために必要十分な長さに設定する。
一方で、タイマー340の遅延時間が長くなると、前記の通り突入電流制限抵抗器R313の電圧降下によりC303の充電電圧が低下する。充電電圧の低下による出力低下やスイッチング動作の停止を防止するためには、タイマー340の遅延時間を、電源装置の保持時間を上限として設定すればよい。なお、一般的なスイッチング電源の保持時間は10msec以上確保されている。
動作について、図3および図4を用いて説明する。
FET312をオンにするために使用する基準電圧319は、FET312をオフにするために使用する基準電圧318よりも、大きい電圧である。
通常の動作状態では、比較器316がHレベルであるため、マルチプレクサ317は、基準電圧318を選択している。突入電流ICが検出され、抵抗器314、315の分圧による突入電流検出用電圧が基準電圧318を超えると、比較器316はLレベル409−2、409−3を出力する。そして、FET312のゲートにはLレベルが入力されFET312はオフされる。比較器316の出力のLレベルは、タイマー340により遅延してマルチプレクサ317に入力され、マルチプレクサ317は、FET312をオンにするために使用する基準電圧319を選択する。突入電流ICが収束し始めて突入電流検出用電圧が低下し、基準電圧319を下回ると、比較器316はHレベルを出力する。そして、FET312のゲートにはHレベルが入力されFET312はオンの状態になる。
なお、基準電圧をマルチプレクサで切替える上記方法以外にも、抵抗器R314とR315の値をFET等のスイッチで切替えることによっても実現できる。
以上のように、FET312はオフからオンの状態に戻る。基準電圧318より、基準電圧319を大きい値に設定してあることから、基準電圧を切り替えない場合と比べて、突入電流検出用電圧は速く基準電圧を下回るためFET312は速くオンの状態に戻る。
なお、突入電流抑制用の抵抗器313の値R1[Ω]は、以下の式(4)が成り立つように設定する。
R1 ≧ √2 × Vin ÷ Ipmax 式(4)
Vin:DC入力300の電圧値[V]
Ipmax:突入電流ICの許容値[A]
また、突入電流ICが流れた場合にのみ突入電流抑制回路部310によって電流の抑制が働き、突入電流ICが流れない通常の動作状態では突入電流抑制回路部310によって電流の抑制が働かないようにするため、突入電流検出用の抵抗器314、315の値R20[Ω]、R21[Ω]を、次の式(5)が成立するように設定する。
1/{1/RON+1/R1+(1/(R20+1R21)}×Ipop×{R21/(R20+R21)} < Vref1 式(5)
RON:FET312のオン抵抗[Ω]
Ipop:電源の通常時の動作状態(突入電流ICを検出していない状態)における入力電流のピーク値[A]
Vref1:FET312をオフの状態にするために使用する基準電圧318の値[V]
ただし、抵抗器R20、R21は、突入電流抑制用の抵抗値R1やオン抵抗RONよりも十分に大きい値をとるため、簡略化した次の式(5−1)が成立するように設定しても良い。
1/(1/RON+1/R1)×Ipop×{R21/(R20+R21)} < Vref1 式(5−1)
また、FET312が破壊されないようにするため、突入電流検出用の抵抗器314、315の値R20[Ω]、R21[Ω]は、次の式(6)が成立するように設定する。
1/{1/RON+1/R1+1/(R20+R21)}×Idabs×{R21/(R20+R21)} > Vref1 式(6)
Idabs:FET312のSOAにより許容できる順方向ドレイン電流の最大値[A]
ただし、R20、R21は、突入電流抑制用の抵抗値R1やオン抵抗RONよりも十分に大きい値をとるため、簡略化した次の式(6−1)が成立するように設定しても良い。
1/(1/RON+1/R1)×Idabs×{R21/(R20+R21)} > Vref1 式(6−1)
更に、突入電流検出回路が突入電流ICを検出してFET312がオフしてから突入電流ICが収束した後は、FET312をオンに戻すことができるようにするため、突入電流検出用の抵抗器314、315の値R20[Ω]、R21[Ω]を、次の式(5)が成立するように設定する。
1/{1/R1+1/(R20+R21)}×Ipop×{R21/(R20+R21)} < Vref2 式(7)
Vref2:FET312をオンにするために使用する基準電圧319の値[V]
ただし、R20、R21は、突入電流抑制用の抵抗値R1やオン抵抗RONよりも十分に大きい値をとるため、簡略化した次の式(7−1)が成立するように設定しても良い。
R1×Ipop×{R21/(R20+R21)} < Vref2 式(7−1)
〔第3 実施形態〕
図5は、本発明のもう一つの実施例を示した構成図である。図1の実施例との違いは、比較器116に代えてバイポーラトランジスタ516を使用してこと、基準電圧117を使用しないことである。なお、基準電圧117の代わりとなる電圧は、バイポーラトランジスタ516のベース−エミッタ間電圧Vbeとなる。
バイポーラトランジスタ516は、突入電流ICを検出した場合にFET512をオフの状態に、突入電流ICを検出しない場合はFET512をオンの状態にするために使用する。
バイポーラトランジスタ516のベースには、抵抗器514、515による突入電流検出電圧が接続される。補助電源部530の出力は、負荷抵抗518を介してバイポーラトランジスタ516のコレクタに接続され、そのコレクタはFET512のゲートに接続される。バイポーラトランジスタ516のエミッタは、基準電位である平滑コンデンサ503の正極に接続される。
次に動作について説明する。AC電源500起動直後は、図1の実施例の場合と同様、補助電源部530の出力は0Vである。そのため、バイポーラトランジスタ516のコレクタの電位も0Vである。よってFET512のゲートには0Vが入力ため、FET512はオフになる。したがって、平滑コンデンサ503の充電に伴う突入電流は、突入電流抑制用の抵抗器513に流れる。平滑コンデンサ503が十分に充電された後、スイッチング部520により、スイッチング制御が開始される。そして、補助電源部530から電圧が供給される。このとき、突入電流抑制用の抵抗器513に電流は流れないため、その両端の電圧は0Vとなる。よって、抵抗器514、515の分圧による突入電流検出用電圧は0Vとなる。そのため、バイポーラトランジスタ516はオフとなる。よって、補助電源部530の出力電圧が、抵抗器516を介してFET512のゲートに印加される。したがって、FET512はオンとなり、突入電流ICを検出していない通常時の動作状態となる。
再突入電流またはサージ電流が、FET512のドレインに流れた場合、抵抗器514、515の分圧による突入電流検出用電圧は上昇する。その突入電流検出用電圧がバイポーラトランジスタ516のVbeを超えてバイポーラトランジスタ516がオンになった場合、コレクタの電位は下がり、FET512はオフの状態になる。サージ電流は、突入電流抑制用の抵抗器513を流れる。再突入電流またはサージ電流が流れ終ったあとは、突入電流抑制用の抵抗器513の電圧は下がるため、抵抗器514、515による突入電流検出用電圧も下がり、バイポーラトランジスタ516はオフになる。そのため、FET512のゲート電圧は上昇する。したがって、FET512はオンとなり、通常時の動作状態となる。
突入電流抑制用の抵抗器513の値の決め方は、図1の実施例の場合と同じである。
また、過電流が流れた場合にのみ突入電流抑制回路部510が働き、過電流が流れない通常の動作状態では突入電流抑制回路部510が働かないようにするため、突入電流検出用の抵抗器514、515の値R20[Ω]、R21[Ω]を、次の式(8)が成立するように設定する。
1/{1/RON+1/R1+1/(R20+R21)}×Ipop×{R21/(R20+R21)} < Vbe 式(8)
RON:FET512のオン抵抗[Ω]
Ipop:電源の通常時の動作状態(突入電流ICを検出していない状態)における入力電流のピーク値[A]
Vbe:バイポーラトランジスタ516のコレクタの電位をFET512のゲート電圧閾値とした場合の、バイポーラトランジスタ516のベース−エミッタ間電圧[V]
ただし、R20、R21は、突入電流抑制用の抵抗値R1やオン抵抗RONよりも十分に大きい値をとるため、簡略化した次の式(8−1)が成立するように設定しても良い。
1/(1/RON+1/R1)×Ipop×{R21/(R20+R21)} < Vbe 式(8−1)
また、FET512が破壊されないようにするため、突入電流検出用の抵抗器514、515の値R20[Ω]、R21[Ω]は、次の式(9)が成立するように設定する。
1/{1/RON+1/R1+1/(R20+R21)}×Idabs×{R21/(R20+R21)} > Vbe 式(9)
Idabs:FET512のSOAにより許容できる順方向ドレイン電流の最大値[A]
ただし、R20、R21は、突入電流抑制用の抵抗値R1やオン抵抗RONよりも十分に大きい値をとるため、簡略化した次の式(9−1)が成立するように設定しても良い。
1/(1/RON+1/R1)×Idabs×{R21/(R20+R21)} > Vbe 式(9−1)
図5に示した実施例は、図1に示した実施例と比較して部品点数が少なく、また、安価な部品で構成できるため、サイズ、コストの面でメリットがある。
なお、本発明の実施形態は上記した例に限られず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で他の変形が可能である。
100 AC入力
102 整流用ブリッジダイオード
103 平滑コンデンサ
104 トランスの入力巻線
110 突入電流抑制回路部
111 監視回路
112 スイッチ用FET
113 突入電流抑制用抵抗器
114、115 突入電流検出用抵抗器
116 比較器
117 基準電圧
120 スイッチング部
130 補助電源部
317 マルチプレクサ
318 FETのオン判定に用いる基準電圧
319 FETのオフ判定に用いる基準電圧
340 タイマー
516 バイポーラトランジスタ
518 負荷抵抗器

Claims (9)

  1. 入力電圧の変動を平滑するために設けられる平滑コンデンサと、
    前記入力電圧と前記平滑コンデンサとの間に接続され、突入電流を制限するための電流制限抵抗と、
    前記電流制限抵抗に並列にドレインとソースを接続したFETと、
    前記FETのソースを基準とした補助電源と、
    前記FETのドレインとソースの間の電圧を測定する測定部と、
    前記補助電源から電力を供給されて前記測定部の出力電圧を監視する監視回路と、を備え、
    前記監視回路は、前記測定部の出力電圧が前記監視回路の有する第一の基準電圧値を超えた場合に前記FETをオフさせ、前記測定部の出力電圧が前記監視回路の有する第二の基準電圧値を下回った場合に前記FETをオンさせるように構成された突入電流抑制回路を備えることを特徴とする、電源装置。
  2. 前記第一の基準電圧値と前記第二の基準電圧値は、同一の値であることを特徴とする、請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記電源装置は、前記入力電圧に基づいた電力が入力巻線に供給されるトランスと、前記トランスの入力巻線へ供給される前記電力をスイッチング制御するスイッチング部を備え、
    前記スイッチング部は、前記平滑コンデンサの電圧値を所定の電圧値と比較することにより監視する監視部を備え、
    前記平滑コンデンサが充電されることによりこの平滑コンデンサの電圧値が前記所定の電圧を超えた後、前記スイッチング部による前記スイッチング制御が開始されることを特徴とする、請求項1または2に記載の電源装置。
  4. 前記補助電源部は、前記トランスの補助巻線により電力が供給されることを特徴とする、請求項1乃至3に記載の電源装置。
  5. 前記測定部は、抵抗器を用いた分圧回路であることを特徴とする、請求項1乃至4に記載の電源装置。
  6. 前記抵抗器は、第1および第2の抵抗器により構成され、
    前記第1および第2の抵抗器の抵抗値は、
    それぞれ前記FETがオンの場合のソースとドレインの間の第1の抵抗値と、前記電流制限抵抗の抵抗値に基づいて定まる第2の抵抗値とに、前記電源の定常状態における入力電流のピーク値を乗じて得た電圧値に基づき、前記第1および第2の抵抗器により分圧された電圧値が前記所定の基準値を下回ることを条件に定められることを特徴とする、請求項5に記載の電源装置。
  7. 前記抵抗器は、第1および第2の抵抗器により構成され、
    前記第1および第2の抵抗器の抵抗値は、
    それぞれ前記FETがオンの場合のソースとドレインの間の第1の抵抗値と、前記電流制限抵抗の抵抗値に基づいて定まる第2の抵抗値とに、前記FETの許容できるドレイン電流の最大値を乗じて得た電圧値に基づき、前記第1および第2の抵抗器により分圧された電圧値が、前記所定の基準値を上回ることを条件に定められることを特徴とする、請求項5に記載の電源装置。
  8. 前記FETのドレインとソースの間の電圧を監視する監視回路は、バイポーラトランジスタにより構成され、
    前記第一の基準電圧値と前記第二の基準電圧値は共に前記バイポーラトランジスタのベース−エミッタ間電圧に基づくことを特徴とした、請求項1乃至7に記載の電源装置。
  9. 前記監視回路はタイマーを備え、
    前記測定部の出力電圧が前記監視回路の有する前記第一の基準電圧値を超えた場合に前記FETをオフさせた後、前記タイマーが計数を開始し、
    前記タイマーが所定の時間を計数して終了するまで間、前記第二の基準電圧値は前記第一の基準電圧値と同一の値が選択され、
    前記タイマーが前記所定の時間を計数して終了した後は、前記第二の基準電圧値は元の値が選択され、
    前記第一の基準電圧値は、前記第二の基準電圧値よりも小さいことを特徴とする、請求項1、3乃至8に記載の電源装置。
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