JP2019051941A - 移載装置のヘッド部、卵パックの移載方法 - Google Patents

移載装置のヘッド部、卵パックの移載方法 Download PDF

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隆彦 南部
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Abstract

【課題】吸着部材で確実に卵パックを吸着して移載できる移載装置のヘッド部及び卵パックの移載方法を提供する。【解決手段】卵パックを負圧を利用して吸着し吊り下げ保持可能な複数の吸着部材と、これら吸着部材が取り付けられるベースとを備えた移載装置のヘッド部であって、前記各吸着部材は、前記ベースに対して水平方向に移動可能に設けられたことを特徴とする。また、この移載装置のヘッド部を用いた卵パックの移載方法であって、前記吸着部材を卵パックの上方に向けて下降させるステップと、前記吸着部材の内面を前記卵パックの蓋側に形成された突出部の外面に接触させることにより前記吸着部材を水平方向に移動させるステップと、前記吸着部材が前記突出部に嵌まった後に前記卵パックを持ち上げるステップとを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、卵パックを収容容器内に詰めるための移載装置のヘッド部及びこれを用いた卵パックの移載方法に関する。
この種の移載装置として、パック詰めされた卵を輸送用の段ボール箱やコンテナに収容するためのものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。この移載装置は、卵パックの蓋に吸着可能な複数の吸着部材によって上方から持ち上げる保持機構を備えている。
卵パックには種々の大きさ、形状のものがある。具体的には、パック内に10個の卵を収容できるものや6個の卵を収容できるもの等、収容可能な個数が異なるもの、パック内にLサイズの卵を収容できるものやSサイズの卵を収容できるもの等、収容可能な卵のサイズが異なる(そのためにホールピッチが異なる)もの、蓋の天面が平坦な「フラットパック」や卵の形状に沿った凹凸が蓋に形成されている「レギュラーパック」等、蓋の外形が異なるものなど、その種類は多岐にわたる。しかしながら、これらの全てに対応可能な保持機構はないのが現状である。
特開2015−196522号公報 特開2010−100297号公報 特開2006−188267号公報
上述した卵パックのうち、いわゆるレギュラーパックと呼ばれるものは、卵を個別に収容する複数の凹部を備えた容器本体と、蓋を閉めた状態で前記各凹部と対向する箇所に卵を個別に覆う複数の突出部を備えた蓋体とを備えたものである。この凹部や突出部の曲面形状は、曲面状の構造をした卵を密着収容するためのものであり、通常、この凹部や突出部には、割れやすい卵を収容する凹部や突出部を補強するためのリブが設けられている。
卵パックの蓋に形成された突出部の配置や形状、及び/または、リブの配置や形状に関して言えば、その種類は多岐にわたる(例えば、特許文献2または3を参照)。そのため、卵パックを負圧を利用して吸着して吊り下げ保持して移載する移載装置において、全ての種類の卵パックの突出部の所望の位置に吸着部材を密着させるのは困難であった。
なお、レギュラーパック以外の卵パックでもその天面側の形状や、天面側に形成されたリブなどの配置や形状によって同様な問題が生じ得る。
本発明は、吸着部材で確実に卵パックを吸着して移載できる移載装置のヘッド部及び卵パックの移載方法を提供することを目的としている。
本発明の移載装置のヘッド部は、卵パックを負圧を利用して吸着し吊り下げ保持可能な複数の吸着部材と、これら吸着部材が取り付けられるベースとを備えた移載装置のヘッド部であって、前記各吸着部材は、前記ベースに対して水平方向に移動可能に設けられたことを特徴とする。
本発明の移載装置のヘッド部を用いた卵パックの移載方法は、前記吸着部材を卵パックの上方に向けて下降させるステップと、前記吸着部材の内面を前記卵パックの蓋側に形成された突出部の外面に接触させることにより前記吸着部材を水平方向に移動させるステップと、前記吸着部材が前記突出部に嵌まった後に前記卵パックを持ち上げるステップとを備える。
本発明によれば、吸着部材で確実に卵パックを吸着して移載できる移載装置のヘッド部及び卵パックの移載方法を提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる卵パックの移載装置を示す概略側面図。 同実施形態の移載装置のヘッド部を示す概略底面図。 同実施形態の卵パックの移載方法を模式的に示す作動説明図。 同実施形態の卵パックの移載方法を模式的に示す作動説明図。 同実施形態の卵パックの移載方法を模式的に示す作動説明図。
以下、本発明の移載装置を箱詰めシステムに適用させた場合の一実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態にかかる箱詰めシステム1は、複数の卵座P3を有する容器に卵を縦横方向にそれぞれ複数個ずつ配置させた卵パックPを複数集めて、輸送や管理を容易にするための段ボール箱や合成樹脂製のコンテナなどの収容容器Cに箱詰めするものである。この箱詰めシステム1は、移載装置2と、搬送装置3と、制御装置(図では、移載装置2を制御する制御装置4のみ示す)とを主体に構成される。
移載装置2は、ヘッド部21と、アーム部22とを備える。移載装置2は、収容容器Cに卵パックPを詰めるもので、前記一時待機領域5から収容すべき収容容器C内へ前記卵パックPを移載する。具体的には、移載装置2は、卵パックPを所定の一時待機領域5から収容すべき収容容器C内へ移載するものであって、ヘッド部21と、アーム部22と、制御装置4とを主体に構成されている。本実施形態では、移載装置2としてヘッド部21が任意に作動する慣用の多関節ロボット(例えば、6軸垂直多関節ロボット)を用いるが、X、Y、Z軸に対してヘッド部21が任意に移動することができるロボットや装置など種々のものが採用できる。アーム部22は、その先端24にヘッド部21が取り付けられている。
ヘッド部21は、卵パックPを所定の一時待機領域5から持ち上げるための機構を備えたものであり、複数の吸着部材25と、ベース23とを主体に構成されている。
吸着部材25は、卵パックPを負圧を利用して吸着し吊り下げ保持可能なものである。吸着部材25は、卵パックPの蓋P2に吸着可能なものであり、具体的には、卵パックPの蓋P2に形成された複数の突出部P5に対応する位置に配置され、縦横方向に並んだ複数の吸着パッドである。各吸着部材25は、卵パックPの蓋P2を吸着可能なように真空機構(図示しない)に接続されている。各吸着部材25は、前記ベース23に近づくほど開口が小さくなるようにテーパ面27が形成されている。また、各吸着部材25は、前記卵パックPの蓋P2側に形成され当該卵パックPの天面P4側に近付くほど外周が小さくなるような突出部P5に嵌まって位置決めされるものである。言い換えれば、各吸着部材25の開口端の径は、卵パックPの天面P4の外周よりも大きく設定されている。なお、図3〜図5では、一の吸着部材25の一部を破断して内部の構造を模式的に示しているが、他の吸着部材25についても同様の構造を備えている。
ベース23は、複数の吸着部材25が取り付けられるものである。本実施形態では、前記各吸着部材25は、前記ベース23に対して水平方向に移動可能に設けられている。
制御装置4は、CPU、内部メモリ、入出力インターフェース、AD変換部等の専用ないし汎用のコンピュータにより構成されている。そして、内部メモリに格納されたプログラムにしたがって、CPUやその他の周辺機器が協働することによって、制御装置4としての機能が発揮される。
搬送装置3は、卵パックPを搬送するためのコンベヤである。搬送装置3は、外形や材質の異なる複数種類の卵パックPを搬送可能なものである。搬送装置3の下流側には、一時待機領域5が設定されており、本実施形態では、一時待機領域5にも搬送装置3が配置されている。一時待機領域5は、前記卵パックPの動きが規制される場所であり、具体的には、次々と搬送されてくる卵パックPが前記搬送装置3上に設けられたストッパやガイド(図示しない)によって規制される。
次に、箱詰めシステム1の作動の一例について説明する。
一時待機領域5に所定個数の卵パックPが搬送された状態で、移載装置2のヘッド部21が卵パックPの上方に位置する(ステップS1)。その後、制御装置4は、吸着部材25を真空引きするように移載装置2を制御する(ステップS2)。そして、真空引きした状態を保ったまま、一時待機領域5から持ち上げられ、一時待機領域5に隣接して設けられた搬送装置7上に載置された収容容器C内へ運ばれる(ステップS3)。その後、収容容器C内で吸着部材25の吸着状態を解除してから、ヘッド部21が収容容器C外へ移動する(ステップS4)。以上の作業を繰り返す。
この一連の動作のステップS1とステップS2との間で実行される、本実施形態の卵パックPの移載方法は、前記吸着部材25を卵パックPの上方に向けて下降させるステップと、前記吸着部材25の内面26を前記卵パックPの蓋P2側に形成された突出部P5の外面P6に接触させることにより前記吸着部材25を水平方向に移動させるステップと、前記吸着部材25が前記突出部P5に嵌まった後に前記卵パックPを持ち上げるステップとを備える。
詳述すれば、ステップS1の後、図3に示すように、制御装置4は、移載装置2を制御して吸着部材25を備えたヘッド部21を卵パックPの上方に向けて下降させる。ヘッド部21が徐々に卵パックPの蓋P2の頂部に近付いていくと、吸着部材25の内面26と卵パックPの蓋P2の突出部P5の外面P6とが接触する。本実施形態では、卵パックPの蓋P2の突出部P5の外面P6側にテーパ面P7を備えており、このテーパ面P7と同じ方向に傾斜するテーパ面27を吸着部材25の内面26に備えている。そして、各吸着部材25はベース23に対して水平方向に移動可能に設けられているため、図4に示すように、下降動作に伴って、卵パックPの突出部P5が吸着部材25の内面26に案内され、吸着部材25が突出部P5から受ける力によって吸着部材25が突出部P5の真上に位置する方向へと移動する。
その後、図5に示すように、各吸着部材25のテーパ面27の全体が卵パックPの突出部P5のテーパ面P7に嵌まり合う位置までヘッド部21が下降された状態で、ステップS2へと移行する。すなわち、吸着部材25が突出部P5に嵌まった後に、各吸着部材25を真空引きして、一時待機領域54から卵パックPを持ち上げる。
以上に説明したように、本実施形態の移載装置2は、本実施形態の移載装置2のヘッド部21は、卵パックPを負圧を利用して吸着し吊り下げ保持可能な複数の吸着部材25と、これら吸着部材25が取り付けられるベース23とを備えた移載装置2のヘッド部21であって、前記各吸着部材25は、前記ベース23に対して水平方向に移動可能に設けられている。そのため、色々な種類の卵パックPに対応して、すなわち、様々な種類の突出部P5の配置や形状及び/またはリブの配置や形状の卵パックPに吸着部材25を密着させることができる。言い換えれば、外形の異なる卵パックPに対する吸着部材25の位置合わせを容易に行うことができる。したがって、割れやすい卵が配置された卵パックPを確実に保持することができ、作業効率を向上させることが可能となる。
前記吸着部材25は、前記ベース23に近づくほど開口が小さくなるようにテーパ面27が形成されているので、突出部P5がベース23側に滑らかに案内されるとともに、テーパ面27で受けた力を当該吸着部材25の水平方向へ移動する力へと変換することができる。
前記吸着部材25は、前記卵パックPの蓋P2側に形成され当該卵パックPの天面P4側に近付くほど外周が小さくなるような突出部P5に嵌まって位置決めされるので、突出部P5の頂点の形状や、突出部P5に形成されたリブの形状に関係なく、確実に突出部P5を吸着することができる。
本実施形態の卵パックPの移載方法は、前記移載装置2のヘッド部21を用いた卵パックPの移載方法であって、前記吸着部材25を卵パックPの上方に向けて下降させるステップと、前記吸着部材25の内面26を前記卵パックPの蓋P2側に形成された突出部P5の外面P6に接触させることにより前記吸着部材25を水平方向に移動させるステップと、前記吸着部材25が前記突出部P5に嵌まった後に前記卵パックPを持ち上げるステップとを備える。そのため、外形の異なる卵パックPに対する吸着部材25の位置合わせを容易に行うことができる。そのため、割れやすい卵が配置された卵パックPを確実に保持することができ、作業効率を向上させることが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
容器は、複数の卵座を有するものであれば、大きさや形状はどのようなものであってもよく、トレイ状のもの、パック状のもの等種々変更可能である。また、紙製のものであってもよいし、プラスチック製のものであってもよい。容器の卵座の数も、実施形態に記載した個数に限られないのはもちろんである。
ヘッド部は、図示したようなレギュラーパックの他に、フラットパック(卵の下半部を個別に収容する複数の凹部を備えた容器本体と、蓋を閉めた状態で複数個の卵を一括して全体的に覆う蓋体とを備えた容器)を吸着可能なものであるのはもちろんである。この場合には、吸着部材を卵パックの上方に向けて下降させるステップの後、前記吸着部材の端部を前記卵パックの蓋の上面に接触させた後に卵パックを持ち上げるようにすればよい。
移載装置は、1回の移載動作で移載する被収容物の数が1つであってもよいし、複数であってもよい。また、ヘッド部を移載装置本体に付け替え可能なものであってもよい。
吸着部材は、形状や大きさ、材質などどのようなものであってもよい。また、吸着部材の数や、ベースにおける配置方法も種々変更可能である。さらに、移動する水平方向とは、縦、横、斜めのいずれの方向であってもよい。吸着部材は、テーパ面を備えないものであってもよい。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、卵パックを箱内に詰めるための移載装置及びこの移載装置を用いた卵パックの移載方法に利用することができる。
2…移載装置
21…ヘッド部
23…ベース
25…吸着部材
26…内面
27…テーパ面
P…卵パック
P2…蓋
P4…天面
P5…突出部
P6…外面

Claims (4)

  1. 卵パックを負圧を利用して吸着し吊り下げ保持可能な複数の吸着部材と、
    これら吸着部材が取り付けられるベースとを備えた移載装置のヘッド部であって、
    前記各吸着部材は、前記ベースに対して水平方向に移動可能に設けられたことを特徴とする移載装置のヘッド部。
  2. 前記吸着部材は、前記ベースに近づくほど開口が小さくなるようにテーパ面が形成されている請求項1記載の移載装置のヘッド部。
  3. 前記吸着部材は、前記卵パックの蓋側に形成され当該卵パックの天面側に近付くほど外周が小さくなるような突出部に嵌まって位置決めされる請求項1または2記載の移載装置のヘッド部。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の移載装置のヘッド部を用いた卵パックの移載方法であって、
    前記吸着部材を卵パックの上方に向けて下降させるステップと、
    前記吸着部材の内面を前記卵パックの蓋側に形成された突出部の外面に接触させることにより前記吸着部材を水平方向に移動させるステップと、
    前記吸着部材が前記突出部に嵌まった後に前記卵パックを持ち上げるステップとを備える卵パックの移載方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021127250A (ja) * 2019-12-13 2021-09-02 株式会社ナベル 卵パックを移載するロボットシステムおよび移動式のラックに複数段に積まれた状態の卵パックを生産する方法

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