JP2019051680A - 皮膚シールセット - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェットプリンターを用いて任意の文字や絵柄等の情報を印刷した際のインク速乾性を有し、かつ皮膚に貼り付けることが可能な、皮膚シールセットを提供する。【解決手段】剥離用基材上に、透明樹脂層と、該透明樹脂層上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子、ポリビニルアルコール、および硬膜剤を少なくとも含有するインク受容層を有するインクジェット印刷用シートと、基材フィルムの両面に粘着層を有し、該粘着層上に剥離用基材をそれぞれ有する両面テープシートから構成される皮膚シールセット。【選択図】図3
Description
本発明は、インクジェット方式のプリンターを用い、任意の文字や絵柄等の情報を印刷し、皮膚に貼り付けることのできる皮膚シールセットに関する。
皮膚シールの一例としてタトゥシールが市販されている。これは糊剤が付与された紙上に絵柄や文字が印刷されており、該印刷面を水に濡らしてから皮膚に貼り付け、一定時間後に剥がすことにより、皮膚に文字や絵柄を転写する皮膚シールである。皮膚上には糊剤とインキが転写されているだけであるため、絵柄のひび割れや擦過剥離が生じたり、あるいは使用後の剥離が困難であるなど、幾つかの課題があった。
そのため、例えば特開平08−207499号公報(特許文献1)には、剥離性シート上に透明弾性層、着色印刷インキ層、粘着剤層、セパレータの順に積層された転写シールが開示されている。透明弾性層により、絵柄のひび割れを防ぎ、剥離性シートの剥離時には透明弾性層とインキ層が共に剥がれるため、使用した後、皮膚上に絵柄が残らず、使用後の剥離を容易にしている。
一方、姓名や病名などの1枚ごとに異なる文字情報や、QRコード(登録商標)の様なコーディングされた絵柄を有する皮膚シールや、オリジナルの絵柄を有する皮膚シールに対する要望もあるが、前記した特許文献1に記載の構成を有する皮膚シールでは、インキ層を例えばスクリーン印刷などの方法で作製されることから、一枚ごとに文字や絵柄を変更した皮膚シールを作製すること困難であった。
このような問題に対し、例えば特開2000−160111号公報(特許文献2)には、プリンターで印刷可能な印刷層を有する印刷用シートと、粘着剤層の両面を剥離用基材で被覆した両面テープシートの組み合わせによるタトゥシール(皮膚シール)セットが開示されている。印刷用シートに文字や絵柄をプリンターで印刷後、印刷面に、片面の剥離用基材のみ剥がした両面テープシートを貼り付け、次に反対側の剥離用基材を剥がして皮膚に貼り付けることにより、プリンターで印刷可能な皮膚シールを実現している。
しかしながら、印刷層は例えばポリエチレンやエチレン酢ビ樹脂、ポリビニルアルコール等の合成樹脂のみから構成されているため、家庭用プリンターとして広く普及しているインクジェットプリンターを用いて印刷した場合、プリンターから吐出されるインクを素早く吸収することができず乾燥に時間がかかるという問題があり、インク速乾性が求められていた。
本発明は、インクジェットプリンターを用いて任意の文字や絵柄等の情報を印刷した際のインク速乾性を有し、かつ皮膚に貼り付けることが可能な、皮膚シールセットを提供することを課題とする。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1.剥離用基材上に、透明樹脂層と、該透明樹脂層上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子、ポリビニルアルコール、および硬膜剤を少なくとも含有するインク受容層を有するインクジェット印刷用シートと、基材フィルムの両面に粘着層を有し、該粘着層上に剥離用基材をそれぞれ有する両面テープシートから構成される皮膚シールセット。
1.剥離用基材上に、透明樹脂層と、該透明樹脂層上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子、ポリビニルアルコール、および硬膜剤を少なくとも含有するインク受容層を有するインクジェット印刷用シートと、基材フィルムの両面に粘着層を有し、該粘着層上に剥離用基材をそれぞれ有する両面テープシートから構成される皮膚シールセット。
本発明によれば、インクジェットプリンターを用いて任意の文字や絵柄等の情報を印刷した際のインク速乾性を有し、かつ皮膚に貼り付けることが可能な、皮膚シールセットを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の皮膚シールセットが有するインクジェット印刷用シートの概略断面図である。図1においてインクジェット印刷用シートAは、剥離用基材1上に、透明樹脂層2と、該透明樹脂層2上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子、ポリビニルアルコール、および硬膜剤を少なくとも含有するインク受容層3を有する。
剥離用基材1としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、紙をポリオレフィンフィルム等でラミネートしたラミネートフィルム、グラシン紙やコーテッド紙などの紙類等の基材をそのまま利用して使用することができるが、これら基材の表面に、シリコーン系ポリマーが塗布されたものを用いることが好ましい。
前記した剥離用基材1上には、透明樹脂層2が設けられる。透明樹脂層2は、公知の印刷手段あるいは各種コーティング手段により形成される。該透明樹脂層2は、皮膚シールを皮膚上に貼り付けた際には最外層となるため、インク受容層並びにそこに印刷された任意の文字や絵柄等を保護することができる。またマット剤の使用やエンボス加工等によりマット性を皮膚シールに付与することもできる。
剥離用基材1上の透明樹脂層2が含有する樹脂としては、例えばオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂等が例示され、あるいはフッ素ゴム(FKM)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴム類等が例示される。中でもアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂は高い透明性が得られるため好ましい。アクリル系樹脂としては、例えばDIC(株)よりボンコート(登録商標)、ウォーターゾール(登録商標)として、ウレタン系樹脂としては、例えば大日精化工業(株)よりハイムレン(登録商標)、レザミン(登録商標)、ダイフェラミン(登録商標)として、シリコーン系樹脂は、例えば東レダウコーニング(株)よりSE5004、SE1887、シルガード(登録商標)、信越化学工業(株)よりシリコーンエマルジョンやシリコーンゲルとして市販されているので、これらを入手し利用することができる。
透明樹脂層2の厚みは5〜100μmであることが好ましい。5μmより薄くなると使用時に破れやすくなる場合があり、100μmを超えると皮膚上に貼り付けた際、その厚みにより違和感が生じる場合がある。
次に、上記透明樹脂層2上に設けられるインク受容層3について説明する。インク受容層3は、例えばスクリーン印刷等の公知の印刷手段あるいは公知の各種コーティング方法を用いて透明樹脂層上に形成することができる。本発明においてインク受容層3は多孔質であるため、インクジェットプリンターから吐出される染料あるいは顔料を含有するインクに含まれる溶媒を速やかに吸収し、インク速乾性を供することができる。
本発明においてインク受容層3は、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子、ポリビニルアルコール、および硬膜剤を少なくとも含有する。該無機微粒子としては、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物を例示することができる。かかるインク受容層3が平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を含有することにより、インク受容層の平行光線透過率(透明度)が高くなり、鮮明な文字や絵柄を有する皮膚シールを得ることができる。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別される。
湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。ゾル法シリカは球状の粒子であり多孔質層を形成し難いため沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、沈降法シリカがより好ましい。
本発明に用いられる湿式法シリカ粒子としては、平均一次粒子径が50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、かつ平均凝集粒子径が1〜50μmである湿式法シリカ粒子が好ましい。この湿式法シリカ粒子を平均二次粒子径が500nm以下、より好ましくは10〜300nm、特に好ましくは10〜200nmに分散して用いることが好ましい。分散方法としては、水性媒体中に分散した湿式法シリカ粒子を機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用され、これにはビーズミルなどのメディアミルを用いることが好ましい。メディアミル等を用いて分散した後、更に高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を用いて分散することが好ましい。
なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、無機微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均粒子径を求めたものである。また平均二次粒子径とは、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることが出来るが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、(株)堀場製作所製、LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することが出来る。また、平均凝集粒子径とは、粉体として供給される湿式シリカの平均粒子径を示し、例えばコールターカウンター法で求めることが出来る。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル(登録商標)、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は40nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が3〜15nmでかつBET法による比表面積が200m2/g以上(好ましくは250〜500m2/g)の気相法シリカが好ましい。
本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカを用いた場合においても、湿式法シリカと同様に、平均二次粒子径500nm以下、より好ましくは10〜300nm、特に好ましくは10〜200nmに分散して用いることが好ましい。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと水を主体とする分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。
平均二次粒子径500nm以下の湿式法シリカあるいは気相法シリカのスラリーを製造する際に、スラリーの高濃度化や分散安定性を向上させるため、アルカリ性化合物の存在下で分散する方法、カチオン性化合物の存在下で分散する方法、シランカップリング剤存在下で分散する方法等、公知の種々の方法を用いることが好ましく、カチオン性化合物の存在下で分散する方法が特に好ましい。
上記した湿式法シリカあるいは気相法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性および分散液粘度の面で、これらのカチオンポリマーの分子量は、2,000〜10万が好ましく、特に2,000〜3万が好ましい。
本発明に用いられるアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で平均二次粒子径を500nm以下、好ましくは20〜300nm、特に好ましくは10〜200nmとなるように分散して用いる。
本発明に用いられるアルミナ水和物はAl2O3・nH2O(n=1〜3)の構成式で表される。アルミナ水和物は、一般にアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下であることが好ましく、より好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用される。
本発明において、インク受容層3が含有するポリビニルアルコールとしては、部分ケン化または完全ケン化したポリビニルアルコールの他、カルボキシ変性、スルホン酸変性、チオール変性、シラノール変性、シリル変性、カチオン性基変性、ジアセトンアクリルアミド変性、アセトアセチル変性などの各種変性ポリビニルアルコール等を挙げることが出来、これらを単独あるいは混合して用いることができる。この他、公知の天然、あるいは合成樹脂バインダーを混合して用いることは特に限定されない。
上記したポリビニルアルコールの中でも、インクが含有する溶媒成分の吸収性に優れていることから、ケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化したポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールが好ましく、これらを単独あるいは混合して用いることができる。またポリビニルアルコールの平均重合度は200〜5000であることが好ましい。
インク受容層3が含有する、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子に対するポリビニルアルコールの含有量は特に限定されないが、該無機微粒子に対して、3〜80質量%の範囲が好ましく、より好ましくは5〜60質量%の範囲である。これによりインクが含有する溶媒の吸収性に優れたインク受容層3を得ることができる。
本発明においてインク受容層3が、ケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化ポリビニルアルコール、あるいはシラノール変性ポリビニルアルコールを含有した場合、インク受容層3が含有する硬膜剤としては、例えばホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル)尿素、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、N−メチロール化合物類、イソシアナート類、アジリジン化合物類、カルボジイミド系化合物類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることが出来る。好ましくはホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類であり、ホウ酸が特に好ましい。
上記した硬膜剤の含有量は、ケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化ポリビニルアルコール、あるいはシラノール変性ポリビニルアルコールの固形分量に対し、0.1〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。
本発明において、インク受容層3がポリビニルアルコールとしてアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有した場合、インク受容層3が含有する硬膜剤としては、例えばオルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩の如きホウ素化合物、例えばグリオキシル酸ナトリウム、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド基含有化合物、例えば塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、チタンアセチルアセテートの如き多価金属化合物、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミンの如きアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントインの如きヒドラジン化合物等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることが出来る。中でもコハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、グリオキシル酸ナトリウムが好ましい。
上記した硬膜剤の含有量は、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールの固形分量に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。
本発明においてインク受容層3は2層以上であってもよく、この場合、それらのインク受容層の構成はお互いに同じであっても異なっていても良い。例えば湿式法シリカによるインク受容層の上に、アルミナ水和物によるインク受容層が形成されていても良い。
インク受容層3を形成するための塗布液は、上記した平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子、ポリビニルアルコール、および硬膜剤を水等の適当な溶媒に溶解または分散させ、必要に応じ、有機溶剤、レベリング剤、界面活性剤等を添加する。インク受容層3の固形分塗布量は、無機微粒子の固形分量で1〜50g/m2が好ましく、5〜30g/m2がより好ましい。
次に、本発明の皮膚シールセットが有する両面テープシートについて説明する。図2は、本発明の皮膚シールセットが有する両面テープシートの概略断面図である。図2において両面テープシートBは、基材フィルム4の両面に粘着層(粘着層5および粘着層6)を有し、該粘着層5および粘着層6上に剥離用基材7および剥離用基材8をそれぞれ有する。
基材フィルム4を形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレートに代表されるアクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等が例示され、あるいはニトリルゴム、ラテックスゴム、ウレタン系エラストマー、シリコーン系エラストマーなどのエラストマー材料を挙げることが出来る。
これらの中でもコスト、汎用性や伸縮性の観点から、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂からなるフィルム、あるいはニトリルゴム、ラテックスゴム、ウレタン系エラストマーからなるフィルムが好ましい。
基材フィルム4の厚みとしては、1〜50μmが好ましく、3〜30μmがより好ましい。
上記した基材フィルム4上には、スクリーン印刷等の公知の印刷手段あるいは公知の各種コーティング手段により、粘着層5および粘着層6が形成される。粘着層5および粘着層6が含有する粘着剤は特に限定されるものではないが、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系の粘着剤が好ましい。粘着層5および粘着層6は同じ粘着剤を用いても良いし、異なっていても良い。
ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリイソプレン等を挙げることが出来る。
アクリル系粘着剤としては、例えば、ブチルアクリレート、イソノニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート等の炭素数4〜12のアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステルの単独重合体;これらの(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、他のモノマーとして(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート等の共重合可能な他のモノマーの1種以上と共重合してなる共重合体等を挙げることが出来る。
シリコーン系粘着剤としては、例えば、シリコーンゴムとシリコーンレジンの混合物または部分縮合物が挙げられる。シリコーンゴムとしては、両末端にシラノール基のようなケイ素官能基を有する高分子量の直鎖状ポリジオルガノシロキサンが挙げられ、シリコーンレジンとしては、1官能性シロキサン単位と4官能性シロキサン単位を含み、分子中にシラノール基またはトリアルキルシリル基のようなケイ素官能基を有する分岐状もしくは網状構造を有するポリオルガノシロキサンが挙げられる。より具体的には、このようなシリコーンゴムとしては、ポリジメチルシロキサンの長鎖の共重合体を、シリコーンレジンとしては、MQレジンを挙げることが出来る。
ウレタン系粘着剤としては、ポリオールとポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタン樹脂からなるものを挙げることが出来る。ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等がある。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることが出来る。
上記した粘着層は、粘着付与剤、軟化剤、架橋剤、無機充填剤、紫外線吸収剤等のその他添加剤を必要に応じ含有してもよい。粘着付与剤としては、例えば、天然ロジン誘導体、クマロン−インデン樹脂、テルペンオリゴマー、脂肪族石油樹脂、アルキル変性フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂、ガムロジン、ロジンエステル、油性フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂等を挙げることが出来る。軟化剤としては、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ナフテン油等の鉱油、オリーブ油、オリーブスクワラン等の植物油、ラノリン、タートル油、ミツロウ等の動物油、シリコーンオイル等の合成油等を挙げることが出来る。
粘着層5および粘着層6の固形分塗布量としては、1〜30g/m2が好ましく、3〜15g/m2がより好ましい。
該粘着層5および粘着層6上にそれぞれ設けられる剥離用基材7および剥離用基材8は、前述した剥離用基材1と同様に、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、紙をポリオレフィンフィルム等でラミネートしたラミネートフィルム、グラシン紙やコーテッド紙などの紙類等の基材をそのまま利用して使用することができるが、これら基材の表面に、シリコーン系ポリマーが塗布されたものを用いることが好ましい。
基材フィルム4と粘着層5および粘着層6に関しては、所謂タトゥーの様に絵柄が皮膚に埋め込まれているように表現したい場合には透明であることが好ましい。また、所謂トリアージタグや患者識別コード等のコーディングされた絵柄や文字情報を可読性良く皮膚に貼り付けたい場合には、基材フィルム4と粘着層5および粘着層6は、不透明であることが好ましい。基材フィルム4を不透明とするためには、フィルムを構成する樹脂類への無機顔料の混合、あるいは微細なボイドをフィルム内部へ形成するといった公知の方法を用いることが出来る。粘着層5および粘着層6を不透明とするためには、粘着剤への無機顔料の添加を行えば良い。不透明とするのは基材フィルム4のみでも良いし、粘着剤のみでも良く、目的とする不透明度に応じて調整すればよい。
図3は、本発明の皮膚シールセットにより得られた皮膚シールを皮膚上に貼り付けた際の概略側面図である。
図3において皮膚シールCは、基材フィルム4の両面に粘着層(粘着層5および粘着層6)をそれぞれ有し、皮膚9に貼り付けられない粘着層5上には、インク受容層3と透明樹脂層2をこの順に有する。かかる皮膚シールCを得るための具体的な方法を、以下に説明する。
初めに、図示しないインクジェットプリンターに、図1で示したインクジェット印刷用シートAをセットし、該インクジェット印刷用シートAのインク受容層3上に、任意の文字や絵柄等を(好ましくは意図する文字や絵柄を左右反転して)印刷する。
次に、図2に示した両面テープシートBの剥離用基材7(あるいは剥離用基材8)を剥がし、露出した粘着層5上に(あるいは露出した粘着層6上に)、先のインクジェット印刷用シートAのインク受容層3を有する面を貼合する。
その後、皮膚に貼り付ける際、インクジェット印刷用シートAが貼り付けられていない側の剥離用基材8(あるいは剥離用基材7)を剥がして、露出した粘着層6(あるいは露出した粘着層5)を皮膚に貼り付け、最後に剥離用基材1を剥がすことで、図3の状態となる。なお剥離用基材1を剥がす時期は、皮膚に貼り付ける前であっても良い。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<インクジェット印刷用シートA1の作製>
表面にシリコーン加工を施した離型紙(坪量54.2g/m2)の離型面にポリエーテルポリウレタン(大日精化工業(株)製、ハイムレンY−301−3)の25%トルエン/イソプロピルアルコール混合溶液(混合比:50/50)を乾燥後膜厚が30μmとなるように塗布を行い、熱風乾燥機中で110℃の条件で5分間乾燥させ、透明樹脂層を作製した。
表面にシリコーン加工を施した離型紙(坪量54.2g/m2)の離型面にポリエーテルポリウレタン(大日精化工業(株)製、ハイムレンY−301−3)の25%トルエン/イソプロピルアルコール混合溶液(混合比:50/50)を乾燥後膜厚が30μmとなるように塗布を行い、熱風乾燥機中で110℃の条件で5分間乾燥させ、透明樹脂層を作製した。
水に硝酸(2.5部)とアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm)(100部)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を用いて、固形分濃度30質量%の無機微粒子分散液を得た。無機微粒子分散液中に分散しているアルミナ水和物の平均二次粒子径は160nmであった。この無機微粒子分散液を用い、下記組成のインク受容層塗液1を作製した。
<インク受容層塗液1>
無機微粒子分散液(アルミナ水和物固形分として) 100g
ポリビニルアルコール 9g
(ケン化度88%、平均重合度3,500)
ホウ酸 0.4g
ノニオン性界面活性剤 0.3g
(パーフルオロアルキルアミンオキシド)
水以外の成分濃度が18質量%になるように水で調整した。
無機微粒子分散液(アルミナ水和物固形分として) 100g
ポリビニルアルコール 9g
(ケン化度88%、平均重合度3,500)
ホウ酸 0.4g
ノニオン性界面活性剤 0.3g
(パーフルオロアルキルアミンオキシド)
水以外の成分濃度が18質量%になるように水で調整した。
透明樹脂層の上に乾燥後塗布量として25g/m2となるように塗布を行い、熱風乾燥機中で乾燥させ、インクジェット印刷用シートA1を得た。
<インクジェット印刷用シートA2の作製>
インクジェット印刷用シートA1の作製において、インク受容層塗液1を下記組成のインク受容層塗液2に変更し、乾燥後塗布量を15g/m2とした以外は同様とし、インクジェット印刷用シートA2を得た。
インクジェット印刷用シートA1の作製において、インク受容層塗液1を下記組成のインク受容層塗液2に変更し、乾燥後塗布量を15g/m2とした以外は同様とし、インクジェット印刷用シートA2を得た。
<インク受容層塗液2>
ポリビニルアルコール 100g
(ケン化度78%、平均重合度2,400)
ノニオン性界面活性剤 0.5g
(パーフルオロアルキルアミンオキシド)
水以外の成分濃度が8質量%になるように水で調整した。
ポリビニルアルコール 100g
(ケン化度78%、平均重合度2,400)
ノニオン性界面活性剤 0.5g
(パーフルオロアルキルアミンオキシド)
水以外の成分濃度が8質量%になるように水で調整した。
<両面テープシートの作製>
表面にシリコーン加工を施した離型紙(坪量54.2g/m2)の離型面にアクリル系粘着剤を乾燥後塗布量が10g/m2となるように塗布を行い、熱風乾燥機中で乾燥させ、厚み25μmのポリウレタンフィルム(株式会社武田産業製)の両面に貼合し両面テープシートを得た。
表面にシリコーン加工を施した離型紙(坪量54.2g/m2)の離型面にアクリル系粘着剤を乾燥後塗布量が10g/m2となるように塗布を行い、熱風乾燥機中で乾燥させ、厚み25μmのポリウレタンフィルム(株式会社武田産業製)の両面に貼合し両面テープシートを得た。
<インク速乾性の評価>
得られたインクジェット印刷用シートA1およびインクジェット印刷用シートA2に、市販のインクジェットプリンター、エプソン株式会社製PM−G730を用い、濃度100%の赤(マゼンタインクとイエローインクが印刷される)、濃度100%の緑(イエローインクとシアンインクが印刷される)、濃度100%の紺(シアンインクとマゼンタインクが印刷される)からなる矩形パターンを印刷し、印刷から30秒後にPPC用紙を押し当てた。PPC用紙に一切インクが転写していないものを○、インクが転写しているものを×と評価した。この結果を表1に示す。
得られたインクジェット印刷用シートA1およびインクジェット印刷用シートA2に、市販のインクジェットプリンター、エプソン株式会社製PM−G730を用い、濃度100%の赤(マゼンタインクとイエローインクが印刷される)、濃度100%の緑(イエローインクとシアンインクが印刷される)、濃度100%の紺(シアンインクとマゼンタインクが印刷される)からなる矩形パターンを印刷し、印刷から30秒後にPPC用紙を押し当てた。PPC用紙に一切インクが転写していないものを○、インクが転写しているものを×と評価した。この結果を表1に示す。
印刷後のインクジェット印刷用シートA1およびインクジェット印刷用シートA2を一晩室温で乾燥させた後、各々両面テープシートを用いて皮膚シールを作製し皮膚への貼合を行い、双方とも充分な視認性を有することを確認した。これらの結果より、本発明はインク速乾性を有する皮膚シールセットとして有効であることが判る。
A インクジェット印刷用シート
B 両面テープシート
1 剥離用基材
2 透明樹脂層
3 インク受容層
4 基材フィルム
5 粘着層
6 粘着層
7 剥離用基材
8 剥離用基材
9 皮膚
B 両面テープシート
1 剥離用基材
2 透明樹脂層
3 インク受容層
4 基材フィルム
5 粘着層
6 粘着層
7 剥離用基材
8 剥離用基材
9 皮膚
Claims (1)
- 剥離用基材上に、透明樹脂層と、該透明樹脂層上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子、ポリビニルアルコール、および硬膜剤を少なくとも含有するインク受容層を有するインクジェット印刷用シートと、基材フィルムの両面に粘着層を有し、該粘着層上に剥離用基材をそれぞれ有する両面テープシートから構成される皮膚シールセット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017179160A JP2019051680A (ja) | 2017-09-19 | 2017-09-19 | 皮膚シールセット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017179160A JP2019051680A (ja) | 2017-09-19 | 2017-09-19 | 皮膚シールセット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019051680A true JP2019051680A (ja) | 2019-04-04 |
Family
ID=66014027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017179160A Pending JP2019051680A (ja) | 2017-09-19 | 2017-09-19 | 皮膚シールセット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019051680A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019116078A (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-18 | キヤノン株式会社 | インクジェット用記録媒体、インクジェット記録方法、及び、記録物 |
-
2017
- 2017-09-19 JP JP2017179160A patent/JP2019051680A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019116078A (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-18 | キヤノン株式会社 | インクジェット用記録媒体、インクジェット記録方法、及び、記録物 |
JP7027162B2 (ja) | 2017-12-27 | 2022-03-01 | キヤノン株式会社 | インクジェット用記録媒体、インクジェット記録方法、及び、記録物 |
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