JP2019051015A - 産業用ワイパ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートが剥離しづらく、かつ吸着量及び拭き取り性に優れた産業用ワイパを提供する。【解決手段】本発明は、単一シートが、4プライ以上に積層され、エンボスパターンが付与された産業用ワイパであって、前記単一シートの紙厚が、120μm以上160μm以下であり、前記エンボスパターンが、マッチドエンボスパターンであり、前記エンボスパターンの密度が、12個/cm2以上、20個/cm2以下であり、4プライ以上のシートの各面のうち、産業用ワイパの表面及び裏面を構成する面の、ティシューソフトネス測定装置TSAにより測定した、TS7が15dBV2rms以上30dBV2rms以下であり、TS750が150dBV2rms以上330dBV2rms以下である、産業用ワイパを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、シートが剥離しづらく、吸着量及び拭き取り性に優れた産業用ワイパに関する。
産業用ワイパは、主に、拭き取り作業に用いられ、その機能として、吸着性や掻き取り性等が求められている。その中でも、拭き取り対象が量の多い液状物となる場合には、吸着性に加えて、耐久性も求められるため、シートの積層枚数を増やしたり、エンボス加工を施したりして、これらの機能を付与する試みがなされている。
産業用ワイパについては、様々なエンボスパターンを有する製品が上市されているが、これらを大きく分類すると、2種類のものに分類される。これらのうちの、第一は、エンボスロールに凹凸の型を形成し、プライアップしつつ、押し型でエンボスパターン(マッチドエンボス)を付与した産業用ワイパであり(例えば、特許文献1参照)、第二は、針状のロールで、シートに穴を開けつつ(ピンエンボス)、プライアップを行った産業用ワイパである。
特開2010−233970号公報
マッチドエンボス方式の産業用ワイパは、液体の拭き取り対象物を拭き取る場合、プライの間に拭き取り対象物を保持することができるため、ピンエンボス方式の産業用ワイパよりも吸着量は優れているが、プライ間で剥離が生じやすい等の問題点もある。このため、凹凸を強く施すことでプライの剥離を抑えているが、そのような場合には、各シートが潰れてしまい、吸着量が低下してしまうという問題がある。
よって、本発明は、シートが剥離しづらく、かつ吸着量及び拭き取り性に優れた産業用ワイパを提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、単一シートが、4プライ以上に積層され、マッチドエンボスパターンが付与された産業用ワイパにおいて、単一シートの紙厚、エンボスパターンの密度、産業用ワイパの表面及び裏面を構成する面の性状を調整することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)単一シートが、4プライ以上に積層され、エンボスパターンが付与された産業用ワイパであって、前記単一シートの紙厚が、120μm以上160μm以下であり、前記エンボスパターンが、マッチドエンボスパターンであり、前記エンボスパターンの密度が、12個/cm以上20個/cm以下であり、4プライ以上のシートの各面のうち、産業用ワイパの表面及び裏面を構成する面の、ティシューソフトネス測定装置TSAにより測定した、TS7が15dBVrms以上30dBVrms以下であり、TS750が150dBVrms以上330dBVrms以下である、産業用ワイパ。
(2)単一シートの坪量が、15g/m以上25g/m以下である、(1)に記載の産業用ワイパ。
(3)保水量TWAが、250g/m以上400g/m以下である、(1)又は(2)に記載の産業用ワイパ。
(4)保油量TOAが、330g/m以上450g/m以下である、(1)から(3)のいずれかに記載の産業用ワイパ。
(5)一次原反ロールから繰り出されたクレープを有する連続シートを、4プライ以上に積層して、積層された連続シートを二次原反ロールに巻き取る工程と、二次原反ロールの最外層を構成する連続シートのうち、3プライ以下の連続シートのみを繰り出すことにより、前記3プライ以下の連続シートの表裏を反転させる工程と、表裏を反転させた連続シートと、表裏を反転させていない連続シートとを、共に繰り出して、エンボスパターンを付与する工程と、エンボスパターンを付与された連続シートを、切断しつつ、4つ折りにして、(1)から(4)のいずれかに記載の産業用ワイパを得る工程と、を有する、産業用ワイパの製造方法。
本発明の産業用ワイパは、4プライ以上の単一シートが積層された状態で、マッチドエンボスが付与され、マッチドエンボスのエンボスパターンの密度が、所定の範囲内のものに調整されている。このため、各単一シートの剥離が起こりづらいとともに、エンボスパターンの凸部に起因して、拭き取り性が良好なものとなる。また、本発明の産業用ワイパは、単一シートの紙厚、エンボスパターンの密度、産業用ワイパの表面及び裏面を構成する面の性状が調整されたものである。このため、本発明の産業用ワイパは、吸着性や拭き取り性に優れたものとなる。
一般的な、マッチドエンボスパターンの形状と寸法を例示的に示す図面である。
以下、本発明について、詳細に説明する。
<産業用ワイパ>
本発明の産業用ワイパは、単一シートが4プライ以上に積層されたものであり、エンボスパターンが付与されているものである。
[単一シート]
産業用ワイパに用いる単一シートは、パルプ繊維を抄紙したものを用いることが好ましいが、単一シートに紙厚を持たせ、吸着性及び拭き取り性を良好なものとするために、抄紙時に乾燥紙力増強剤及び湿潤紙力増強剤を内添することが好ましい。単一シートを形成するにあたっては、抄紙方法や、添加剤の種類及び添加量等を調整することにより、坪量を適宜調整することが好ましいが、JIS P 8124に準拠して測定される単一シートの坪量は、15g/m以上25g/m以下の範囲内のものとすることが好ましく、18g/m以上20g/m以下の範囲内のものとすることがより好ましい。
(紙厚)
単一シートの紙厚は、120μm以上160μm以下であり、130μm以上160μm以下であることが好ましく、140以上155以下であることが更に好ましい。単一シートの紙厚を上記の範囲内のものとすることにより、単一シートの強度を十分なものとすることができるとともに、産業用ワイパの吸着性及び拭き取り性を良好に維持することができる。また、必要以上に紙厚が高くなければ、エンボス加工を強く施す必要もなく、これによる吸着性の低下も抑制することができる。
(パルプ繊維)
パルプ繊維は、針葉樹から製造される木材パルプ繊維を用いることが好ましく、例えば、パルプ繊維を漂白精製処理した晒パルプ繊維である針葉樹晒クラフトパルプ繊維(NBKP)を用いることが好ましい。針葉樹晒クラフトパルプ繊維をパルプ繊維の主原料として用いることにより、発塵性を効果的に抑制するとともに、紙力及び吸水性をより向上させることができる。なお、パルプ繊維には、広葉樹から製造される木材パルプ繊維を配合することもでき、広葉樹晒クラフトパルプ繊維(LBKP)を使用することもできる。その場合、NBKPを、パルプ繊維全体の70質量%以上100質量%以下用いることが好ましく、LBKPを0質量%以上30質量%以下用いることが好ましい。
なお、単一シートの調製にあたっては、本発明の目的を損なわない範囲で、木材パルプ繊維のほかにも、他の繊維を適宜配合することができる。そのような他の繊維としては、例えば、砕木パルプ繊維(GP)等のメカニカルパルプ繊維;亜硫酸パルプ繊維等の化学パルプ繊維;薬品処理と機械処理を併用して得られたセミケミカルパルプ繊維;ケナフ、コットンリンター、麻等の非木材パルプ繊維;古紙パルプ繊維等を挙げることができる。
(乾燥紙力増強剤及び湿潤紙力増強剤)
本発明において使用可能な乾燥紙力増強剤としては、カチオン化でんぷん、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。また、本発明において使用可能な湿潤紙力増強剤としてはポリアミドエピクロロヒドリン樹脂やメラミン樹脂等を挙げることができる。乾燥紙力増強剤及び湿潤紙力増強剤の添加量は、パルプ繊維100質量部あたり、0.1質量部以上2.0質量部以下とすることが好ましい。
(クレープ率)
本発明においては、抄紙した単一シートの乾燥の際のクレープ率が20%以上であることが好ましい。クレープ率を20%以上とすることにより、単一シートの強度と吸水性を向上させることができる。なお、クレープ率(%)は、{(ドライヤースピード)−(リールスピード)}/(ドライヤースピード)×100で計算される。ここで、リールスピードとはロールへの巻き取り速度を意味する。
[産業用ワイパ]
本発明の産業用ワイパのロール体を構成する産業用ワイパは、上記の単一シートを4プライ以上に積層したものであり、産業用ワイパの一方の表面がエンボス凸部を有し、他方の表面に上記のエンボス凸部の裏面で構成されるエンボス凹部を有している。なお、本発明の産業用ワイパは、4プライの単一シートが積層されたものであることが好ましい。
(エンボス加工)
エンボス加工を施すにあたっては、単一シートを積層した積層シートにエンボス加工を施し、産業用ワイパの一方の表面にエンボス凸部を、反対面にはエンボス凸部の裏側で構成されるエンボス凹部を形成する。エンボス加工は、ほぼ相補的な形状の雄(凸)エンボスロールと雌(凹)エンボスロールとが噛み合う「マッチした」エンボスロール(マッチドエンボスパターン)により加工される。産業用ワイパがマッチドエンボスパターンを有していることにより、単一シートの間に拭き取り対象物を保持することができ、産業用ワイパの吸着量がより向上したものとなる。また、産業用ワイパが、マッチドエンボスを有していることにより、単一シートの剥離を効果的に防止することができる。
(エンボスパターンの密度)
エンボスパターンの密度は、12個/cm以上20個/cm以下であることが好ましく、13個/cm以上18個/cm以下であることがより好ましい。エンボスパターンの密度が、上記の範囲内であることにより、エンボス加工を強く施さずとも、産業用ワイパが、各単一シートに剥離することを防止することができるため、単一シートの紙厚を高く保つことができ、これにより、産業用ワイパの吸着性と拭き取り性を良好に維持することができる。
(エンボス面積率)
各単一シートにおけるエンボス凸部のエンボス面積率は、30%以上60%以下であることが好ましく、40%以上50%以下であることがより好ましい。エンボス面積率を上記の範囲内のものとすることにより、吸着性と、産業用ワイパの強度とがバランスの保たれたものとなる。なお、上記のエンボス凸部のエンボス面積率は、単一シート上に施されたエンボス部の面積(図1のSn=a×b×n;nはエンボスパターンの総数)を測定し、その面積率(Sn/(A×B))として算出することができる。
(エンボスエッジ率)
また、各単一シートにおけるエンボスエッジ率は、0.7mm/mm以上1.3mm/mm以下であることが好ましく、0.9mm/mm以上1.1mm/mm以下であることがより好ましい。エンボスエッジ率を上記の範囲内のものとすることにより、吸着性と、産業用ワイパの強度とがバランスの保たれたものとなる。なお、上記のエンボスエッジ率は、単位面積あたりのエンボス凸部の各辺の総計により求められ、図1を参照すれば、(a×2+b×2)×n/(A×B)により計算される。
(TSAによるTS7値、TS750値、D値)
本発明の産業用ワイパは、4プライ以上のシートの各面のうち、産業用ワイパの表面及び裏面を構成する面の、ティッシューソフトネス測定装置により測定した、TS7が15dBVrms以上30dBVrms以下であり、16dBVrms以上28dBVrms以下であることが好ましく、TS750が150dBVrms以上330dBVrms以下であり、160dBVrms以上330dBVrms以下であることが好ましい。また、本発明の産業用ワイパは、産業用ワイパの表面及び裏面を構成する面の、ティッシューソフトネス測定装置により測定した、D値が、1.7mm/N以上3.0mm/N以下であることが好ましい。ここで、TS7値は、各シートの柔らかさ、TS750値は、各シートの滑らかさ、D値は、各シート剛性を示すパラメータであり、ティシューソフトネス測定装置TSA(Tissue Softness Analyzer)を用いて測定することができる。ティシューソフトネス測定装置TSAは、単一シートの上から回転したブレード付ローターを押付けたとき、各種センサーで検知した振動データを振動解析してパラメータ化(TS値)することにより、不織布等のソフトネス(手触り感)を定量評価するものであり、ドイツのEmtec Electronic GmbH社(日本代理店は日本ルフト株式会社)製の商品名である。
TS7値を上記の範囲内のものとすることにより、産業用ワイパの表裏両面が、柔らかすぎず硬すぎない、良好な柔らかさのものとなり、産業用ワイパの吸着性、拭き取り性が向上する。また、TS750値を上記の範囲内のものとすることにより、産業用ワイパの表裏両面の平滑性が適度な範囲に保たれることとなり、拭き取り性が良好に維持される。さらに、D値を上記の範囲内のものとすることにより、産業用ワイパの剛性が適度なものとなって、細かな部位の汚れも含め、各種の部位の汚れを好適に拭き取ることができる。
本発明において、特に、産業用ワイパの表裏両面のTS7値、及びTS750値を上記値の範囲内にするためには、後述する産業用ワイパの製造方法において、二次原反ロールの最外層を構成する連続シートのうち、3プライ以上の連続シートのみを部分的に繰り出し、この3プライ以上の連続シートのみの表裏を反転させることにより、単一シートの乾燥時にヤンキードライヤに接していたヤンキー面を内側とし、反対面となるフード面を外側にする作業を行えばよい。これにより、よりざらつきのあるフード面が、産業用ワイパの表裏両面を構成することになり、上記TS7値及びTS750値の条件が充足されることとなる。
(保水量)
本発明の産業用ワイパは、単一シートが所定の紙厚を有し、所定密度のマッチドエンボスパターンを有しているので、良好な保水量を有している。産業用ワイパの保水量(TWA:Total Water Absorbency)は、250g/m以上400g/m以下であることが好ましく、300g/m以上380g/m以下であることがより好ましい。なお、単一シートの坪量を高めることにより、保水量を高めることも可能ではあるが、エンボス加工を施す前の単一シートの紙厚が高まったことに伴い、エンボスパターンを強く施した場合、かえって、保水量が低下する可能性がある。
なお、保水量は、以下の測定方法に従って求めることができる。まず、産業用ワイパを76mm×76mmの正方形に切断してサンプルを作製し、乾燥重量を測定する。次に、このサンプルを蒸留水中に2分間浸漬した後、水蒸気飽和状態(RH100%)の容器中で、サンプルの1つの角部が上側の頂部となるようにし、この頂部と隣接する2つの角部とを支持して展伸した状態で吊るし、30分放置して水切り後の重量を測定する。そして、測定値をサンプル1mあたりの保水量(g/m)に換算する。
(保油量)
また、本発明の産業用ワイパは、単一シートが所定の紙厚を有し、所定密度のマッチドエンボスパターンを有しているので、良好な保油量を有している。本発明の産業用ワイパの保油量(TOA:Total Oil Absorbency)は、330g/m以上450g/m以下であることが好ましく、330g/m以上400g/m以下であることがより好ましい。なお、単一シートの坪量を高めることにより、保油量を高めることも可能ではあるが、エンボス加工を施す前の単一シートの紙厚が高まったことに伴い、エンボスパターンを強く施した場合、かえって、保油量が低下する可能性がある。
なお、保油量は、以下の測定方法に従って求めることができる。まず、産業用ワイパを76mm×76mmの正方形に切断してサンプルを作製し、乾燥重量を測定する。次に、このサンプルを油中に2分間浸漬した後、水蒸気飽和状態(RH100%)の容器中で、サンプルの1つの角部が上側の頂部となるようにし、この頂部と隣接する2つの角部とを支持して展伸した状態で吊るし、30分放置して油切り後の重量を測定する。そして、測定値をサンプル1mあたりの保油量(g/m)に換算する。油としては、日石機械油(FBK−100)を使用した。
<産業用ワイパの製造方法>
本発明の産業用ワイパは、一次原反ロールから繰り出されたクレープを有する連続シートを、4プライ以上に積層して、積層された連続シートを二次原反ロールに巻き取る工程と、二次原反ロールの最外層を構成する連続シートのうち、3プライ以下の連続シートのみを繰り出すことにより、この3プライ以下の連続シートの表裏を反転させる工程と、表裏を反転させた連続シートと、表裏を反転させていない連続シートとを、共に繰り出して、エンボスパターンを付与する工程と、エンボスパターンを付与された連続シートを、切断しつつ、4つ折りにして、上記の産業用ワイパを得る工程と、を少なくとも有する。以下、本発明の産業用ワイパの製造方法について、詳細に説明する。
一般に、産業用ワイパの製造にあたっては、抄紙、クレーピング、プライアップ、エンボス処理及び切断、折り加工、の順で製造することができる。
[抄紙]
本発明の産業用ワイパに用いられる単一シートは、抄紙機を用いて常法により抄造することができる。なお、抄造時の、抄き出し水流速度/ワイヤー速度(J/W比)は公知の技術に基づいて0.9から1.00にして抄紙するとよい。また、産業用ワイパの単一シートを製造するにあたっては、必要に応じて、湿潤紙力増強剤や乾燥紙力増強剤を紙料スラリーに添加すればよい。
[クレーピング]
さらに、本発明においては、産業用ワイパに柔らかさと嵩を付与するため、クレープ処理(クレーピング)を施すことが好ましい。ここで、クレープ処理とは、紙をMD方向(マシン走行方向)に機械的に圧縮してクレープと称される波状の皺を形成する方法であり、嵩(バルク感)、柔らかさ、吸水性、表面の滑らかさ、美観(クレープの形状)等を付与するものである。具体的には、抄造後の乾燥工程にて、リールの速度がヤンキードライヤーの速度よりも遅くなるように、ヤンキードライヤーとリールの速度差を設定することにより、クレーピングドクターでクレープが形成される。
ヤンキードライヤーとリールの速度差に基づくクレープ率は次式により定義される。
クレープ率(%)=100×(ヤンキードライヤー速度(m/分)−リール速度(m/分))÷リール速度(m/分)
本発明においては、クレープ率を20%以上50%以下とすることが好ましく、30%以上45%以下とすることがより好ましい。クレープを有する連続シートは、一次原反ロールとして、巻き取られ、次工程に送られる。
[プライアップ]
本発明においては、産業用ワイパを構成する単一シートを4プライ以上に積層するため、プライマシンにて4プライ以上の複数プライに積層する。より具体的には、一次原反ロールから繰り出されたクレープを有する連続シートを、4プライ以上に積層して、積層された連続シートを二次原反ロールに巻き取ることにより、プライアップされた連続シートの二次原反ロールを得る。
[連続シートの反転]
ここで、本発明においては、各単一シートのフード面が、産業用ワイパの表裏両面を構成し、ヤンキー面が産業用ワイパの内側に向いていることが好ましい。このため、二次原反ロールを形成した場合には、二次原反ロールの最外層を構成する連続シートのうち、3プライ以下の連続シートのみを繰り出すことにより、3プライ以下の連続シートの表裏を反転させることが好ましい。これにより、部分的に繰り出された3プライ以下の連続シートと、繰り出されていない残る連続シートは、そのヤンキー面が向かい合い、フード面が外側に露出することになる。
[エンボス加工、切断、折り加工]
表裏を反転させた連続シートと、表裏を反転させていない連続シートとは、共に、二次原反ロールから繰り出され、積層された連続シートの全面にエンボス加工が施される。そして、このエンボスパターンが付与された連続シートに、MD方向に平行に、産業用ワイパの寸法のスリットを入れた後、CD方向に平行に切断し、ロータリー式インターフォルダにより4つ折りにして、複数枚を積層すればよい。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1及び2、比較例1から4>
表1に示す坪量の単一シートを製造し、これを巻き取って一次原反ロールとした。次に、この一次原反ロールから、繰り出した連続シートを4プライ積層し、積層した連続シートを形成して二次原反ロールに巻き取った。二次原反ロールの最外層を構成する連続シートのうち、2プライの連続シートのみをロール1周分のみ部分的に繰り出し、この2プライの連続シートの表裏を反転させた。表裏を反転させた連続シートと、表裏を反転させていない連続シートとを、共に繰り出して、エンボス加工機により、マッチドエンボス加工又はピンエンボス加工を施し、エンボスパターンの密度が、4.8個/cmから14.0個/cm、エンボス面積率が30%から60%、エンボスエッジ率が0.7mm/mm又は1.3mm/mmとなるようにエンボスパターンを形成した。これを、MD方向及びCD方向に切断しつつ、4つ折りにして、産業用ワイパを得た。以上の産業用ワイパについて、紙厚、TOA、TWA、並びにTSAにより測定したTS7値、TS750値、及びD値を測定した。また、拭き取り性及びしっかり感について、以下の基準に基づき、モニタ試験を行った。以上の結果を表1に示す。































<評価>
[紙厚]
単一シートの厚さはシックネスゲージ(尾崎製作所製、ダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定した。測定荷重3.7kPa、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料(ペーパータオル10枚)を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取った。測定は10回繰り返して得られた数値を平均した。
[拭き取り性]
プラスチック板にグリース1gをたらし、モニタ5名により拭き取り作業を実施し、以下の基準で拭き取り性を評価した。
☆:非常によい
◎:よりよい
〇:よい
△:やや悪い
×:悪い
[しっかり感]
プラスチック版へ不規則に、30mLの水をまき、モニタ5名により拭き取り作業を実施し、以下の基準でしっかり感を評価した。
☆:非常によい
◎:よりよい
〇:よい
△:やや悪い
×:悪い
表1から分かるように、エンボスパターンの密度を12個/cm以上、紙厚を140μm以上とする事で、吸着性に優れた産業用ワイパとなった。さらに、坪量を調整することにより、吸着効果がバランスよく調整された。
拭き取り性について、一般に、粘性が高い対象物を拭き取る際には、接触させるシートを対象物に押し付けて拭取り作業が行われるが、より負荷を掛けず拭取り作業を行うためには、点接触による掻き取り性が重要となる。ここで、エンボスパターンの密度を12個/cm以上とすることにより、掻き取り性が良好となり、拭き取り性が良好なものとなった。
しっかり感については、一般に、拭取り対象物の量が多く、粘性が低い場合、シートが濡れることによりよれてしまい、拭取り作業が困難となる傾向にある。ここで、単一シートの紙厚を120μm以上にすることで、ふっくらとしたシートとなり、拭き取り性がより良好なものとなった。
さらに、本発明の産業用ワイパにおいては、TS7値やTS750値の数値に見られるように、表面が微細な凹凸を有しているものであるため、産業用ワイパの拭き取り性がより良好なものとなった。

Claims (5)

  1. 単一シートが、4プライ以上に積層され、エンボスパターンが付与された産業用ワイパであって、
    前記単一シートの紙厚が、120μm以上160μm以下であり、
    前記エンボスパターンが、マッチドエンボスパターンであり、
    前記エンボスパターンの密度が、12個/cm以上20個/cm以下であり、
    4プライ以上のシートの各面のうち、産業用ワイパの表面及び裏面を構成する面の、ティシューソフトネス測定装置TSAにより測定した、TS7が15dBVrms以上30dBVrms以下であり、TS750が150dBVrms以上330dBVrms以下である、産業用ワイパ。
  2. 単一シートの坪量が、15g/m以上25g/m以下である、請求項1に記載の産業用ワイパ。
  3. 保水量TWAが、250g/m以上400g/m以下である、請求項1又は2に記載の産業用ワイパ。
  4. 保油量TOAが、330g/m以上450g/m以下である、請求項1から3のいずれかに記載の産業用ワイパ。
  5. 一次原反ロールから繰り出されたクレープを有する連続シートを、4プライ以上に積層して、積層された連続シートを二次原反ロールに巻き取る工程と、
    二次原反ロールの最外層を構成する連続シートのうち、3プライ以下の連続シートのみを繰り出すことにより、前記3プライ以下の連続シートの表裏を反転させる工程と、
    表裏を反転させた連続シートと、表裏を反転させていない連続シートとを、共に繰り出して、エンボスパターンを付与する工程と、
    エンボスパターンを付与された連続シートを、切断しつつ、4つ折りにして、請求項1から4のいずれかに記載の産業用ワイパを得る工程と、を有する、産業用ワイパの製造方法。
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