〔実施形態1〕
<情報共有システムの概要>
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る情報共有システムの概要を示す図であり、本実施形態に係るインターホンシステムの構成を示す図である。本実施形態に係る情報共有システム500は、所定の地域(市区町村、または、町内会)に属する各戸に訪問した訪問者の情報を、当該地域に属する各戸で共有するためのシステムである。情報共有システム500は、複数のインターホンシステム100と、共有サーバ3とを含む。
インターホンシステム100は、1戸につき1つ設けられている。各インターホンシステム100は、インターネットなどの広域通信網を介して、共有サーバ3と接続し、共有サーバ3との間で情報の送受信を行うことができる。また、インターホンシステム100は、それが設置されている戸の住人であるユーザUが携帯する機器(例えば、スマートフォン4)とも、広域通信網を介して接続されていてもよい。
共有サーバ3は、地域で訪問者に関して共有されている情報を共有DB311において保持している。共有サーバ3は、広域通信網を介して、戸ごとのインターホンシステム100と通信し、各インターホンシステム100からの要求に応じて、訪問者の情報を提供する。
共有サーバ3は、各インターホンシステム100から訪問者に関する情報を受け付け、受け付けた情報に基づいて共有DB311を更新してもよい。
本実施形態では、インターホンシステム100は、自システムにおいて訪問者からの呼出を受け付けた場合に、該訪問者に関する情報を、宅内の応対者が応答する前に、共有DB311から取得する。こうして、インターホンシステム100は、取得した情報に基づいて訪問者の属性を判断し、属性に応じて、応対者への通知態様を異ならせたり、該訪問者への情報の提示態様を異ならせたりすることができる。結果として、応対者は、事前に該訪問者の属性を知ることができ、応答前にどのような対応をとるべきかを適切に判断することができるので、望まない対応を強いられない。
<インターホンシステムの構成>
図1に示すとおり、本実施形態に係るインターホンシステム100は、宅内に設置される、訪問者からの呼出に応答するための宅内親機1(応答制御装置)と、玄関や門などの宅外に設置される、訪問者が被訪問者を呼び出すために操作する玄関子機2(呼出装置)とを少なくとも含む。本実施形態では、一例として、宅内親機1と玄関子機2とは、有線の専用回線によって、互いに通信可能に接続されているものとする。これにより、音声データおよび映像データなどをやりとりして、玄関先の訪問者と、宅内の被訪問者とが通話することが出来るようになっている。これに限らず、宅内親機1と玄関子機2とは、家庭内LAN(Local Area Network)などの構内通信網を介して、有線または無線接続され、各種データをやりとりしてもよい。
(玄関子機2の構成)
玄関子機2は、操作部211、表示部212、撮像部213、音声入力部214、音声出力部215、近距離無線通信部216、専用線通信部217、および、これらの各部を統括的に制御する制御部210を備えている。
操作部211は、訪問者が玄関子機2を操作するためのものである。操作部211は、宅内の被訪問者を呼び出すための物理的な呼出ボタンとして実現されてもよい。操作部211は、表示部212、不図示のタッチパネルコントローラおよびパネル制御基板などと一体に形成されたタッチパネルとして実現されてもよい。例えば、表示部212に表示されたソフトウェアボタンとしての呼出ボタンを、訪問者がタッチし、被訪問者を呼び出すなどの利用方法が想定される。表示部212は、訪問者に対して情報を提示するためのものである。表示部212は、例えば、液晶表示パネル、EL(Electro Luminescence)パネルなどで実現されてもよい。
撮像部213は、訪問者を撮影して、訪問者が写っている映像データまたは画像データを取得する。撮像部213は、訪問者が玄関子機2の呼出ボタンを操作したことを契機に撮影を開始してもよいし、訪問者が玄関子機2から所定範囲内に近づいたことを契機に撮影を開始してもよいし、常時撮影を継続していてもよい。撮像部213で撮影された映像データは、リアルタイムで、専用線通信部217を介して宅内親機1に送信される。宅内親機1は、送信された映像データから、静止画である画像データを得てもよいし、別途、訪問者の画像データを受信してもよい。
音声入力部214は、訪問者の音声を取得するマイクである。音声入力部214によって取得された音声は、デジタル信号に変換され、音声データとして、専用線通信部217を介して宅内親機1に送信される。音声出力部215は、宅内親機1または玄関子機2において、処理されたまたは保持されている音声データを、訪問者が聴取可能な状態の音声として該訪問者に提示するスピーカである。
近距離無線通信部216は、所定の近距離無線通信規格にしたがって、近距離無線通信機能を有した識別情報出力媒体と通信し、該媒体より発信された個体識別番号などを含んだ電波を受信する。
識別情報出力媒体とは、当該媒体の個体識別番号を無線電波により発信する機能を有する媒体である。識別情報出力媒体としては、Bluetooth(登録商標)搭載機器、WiFi(登録商標)通信機器、および、Felica(登録商標)などの非接触ICタグを搭載した機器またはICカード、などが想定されている。
個体識別番号とは、訪問者が所有する識別情報出力媒体に固有に付与されている番号である。この番号は、他の識別情報出力媒体に重複して付与されることがないので、複数の訪問者が1つの識別情報出力媒体を共有することが無い限り、訪問者を一意に識別するための識別情報として利用できる。訪問者の個体識別番号としては、一例として、BD(Bluetooth(登録商標) Device)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレス、および、Felica(登録商標)のICチップに記憶されているIDmなどが想定されている。
一例として、近距離無線通信部216において採用される通信規格は、Bluetooth(登録商標)であるとする。この場合、近距離無線通信部216は、訪問者が携帯するBluetooth(登録商標)搭載機器が発信するBDアドレスを、訪問者の個体識別番号として取得する。
他の通信規格としてWiFi(登録商標)が採用されてもよい。この場合、近距離無線通信部216は、訪問者が携帯する機器と通信して、該機器のMACアドレスを、訪問者の個体識別番号として取得する。あるいは、近距離無線通信部216は、ICタグリーダまたはICカードリーダなどで実現されてもよい。訪問者が携帯する機器、カード、または、タグなどの識別情報出力媒体に、非接触型ICチップが搭載されており、該ICチップにおいて、個体識別番号が、製造時に書き換え不可能に記憶されている。近距離無線通信部216は、ICチップからの電波を受信して、個体識別番号を取得する。例えば、近距離無線通信部216は、訪問者が携帯するスマートフォンに内蔵されているIDmを個体識別番号として取得してもよい。
専用線通信部217は、宅内親機1との通信を、専用回線を介して行う。操作部211を介して受け付けられた操作信号、ならびに、玄関子機2の各部によって取得された、映像データ、画像データ、音声データおよび個体識別番号などが、専用線通信部217を介して宅内親機1に送信される。また、宅内親機1において処理された、または、保持されている各種データが宅内親機1から送信されると、専用線通信部217は、これを受信する。
(宅内親機1の構成)
宅内親機1は、記憶部11、第1操作部121、表示部122(通知部)、音声出力部13(通知部)、専用線通信部14および広域通信部15、図1において不図示であって図5および図15において示される音声入力部16および第2操作部17、ならびに、これらの各部を統括的に制御する制御部10を備えている。
記憶部11は、宅内親機1が、処理を実行するときに参照する各種情報、および、処理した各種情報を記憶するものであり、不揮発性の記憶装置によって実現される。記憶部11は、制御部10が実行する制御プログラムなどを記憶している。
第1操作部121および表示部122は、互いに一体に形成されてタッチパネル12(通知部)を実現する。第1操作部121は、ソフトウェアボタンなどのユーザインターフェース(以下、UI)部品が表示部122に表示されることにより実現される。第1操作部121は、UI部品対するタッチ操作を、宅内親機1に対する入力として受け付ける。表示部122は、在宅のユーザUに対して、各種情報を表示する。
音声出力部13は、玄関子機2から取得された訪問者の音声データを出力したり、宅内親機1において保持されている音楽または効果音などの音声データを出力したりするスピーカである。
専用線通信部14は、玄関子機2との通信を、専用回線を介して行う。広域通信部15は、インターネットなどの広域通信網を介して、共有サーバ3または住人であるユーザUが所有するスマートフォン4(通知部)などと通信を行う。
音声入力部16は、在宅しているユーザU(被訪問者)の音声を取得するマイクである。音声入力部16によって取得された音声は、音声データとして、専用線通信部14を介して玄関子機2に送信される。
第2操作部17は、宅内の被訪問者が宅内親機1を操作するためのものである。第2操作部17は、訪問者からの呼出に応答するための物理的な応答ボタンとして実現される。
(宅内親機1の機能的構成)
宅内親機1の制御部10は、機能ブロックとして、少なくとも、DB利用ユニット20を含んでいる。制御部10は、機能ブロックとして、さらに、映像キャプチャ部51および音声キャプチャ部52を含んでいる。
映像キャプチャ部51は、玄関子機2の撮像部213が訪問者を撮像して得た映像データまたは画像データを、専用線通信部14を介して取得する。映像キャプチャ部51は、必要に応じて、映像データのうちの任意の1フレームを抽出して、該訪問の画像データを得てもよい。音声キャプチャ部52は、玄関子機2の音声入力部214が訪問者の音声から得た音声データを、専用線通信部14を介して取得する。
DB利用ユニット20は、共有サーバ3に保持されている共有DB311を利用して、宅内親機1として各種の機能を実現させる。各種の機能とは、一例として、訪問者からの呼出を、被訪問者であるユーザUに対して通知する機能、必要に応じて訪問者に対して情報を提示する機能、訪問者とユーザUとの通話を可能にする機能などである。通知する機能は、必要に応じて、宅外にいるユーザUが携帯しているスマートフォン4に対して、訪問者からの呼出を転送する機能を含んでいてもよい。また、通話を可能にする機能は、訪問者と、宅外のユーザUとが、スマートフォン4およびインターホンシステム100を介して通話可能にする機能を含んでいてもよい。
DB利用ユニット20は、上述の各種機能を実現するために、機能ブロックとして、訪問者識別部21(識別部)、情報取得部22(取得部)、出力制御部23(応答制御部)、転送制御部24(応答制御部)、および、提示制御部25(応答制御部)を含む。
訪問者識別部21は、訪問者を識別するものである。具体的には、訪問者識別部21は、玄関子機2の近距離無線通信部216が訪問者に携帯されている識別情報出力媒体から取得した個体識別番号を、専用線通信部14を介して取得する。訪問者識別部21は、取得した個体識別番号を訪問者の識別情報として利用するように、下流の各部に供給する。
情報取得部22は、訪問者識別部21によって識別された訪問者に関する各種の情報を共有DB311(記憶部)から取得する。具体的には、情報取得部22は、共有サーバ3にアクセスし、訪問者識別部21から供給された前記訪問者の個体識別番号(識別情報)に関連付けられた各種の情報を共有DB311から取得する。
ここで、訪問者に関する各種の情報には、例えば、該訪問者が過去に別の戸を訪問したときの履歴、またそのときの被訪問者が該訪問者に対して行った評価などが含まれる。これらの各種の情報のことを、訪問者情報と総称する。訪問者情報については別図を参照して詳細に説明する。
なお、訪問者情報は、訪問者から必ず取得できるとは限らない。訪問者が、個体識別番号を発信する識別情報出力媒体としての機器またはカードなどを携帯していない場合、玄関子機2は、個体識別番号の取得に失敗する。したがって、情報取得部22は、訪問者情報を取得できない。あるいは、訪問者が機器を携帯していたとしても該機器に電源が入っていないなどの理由で、玄関子機2が識別情報出力媒体と正常に通信できなかった場合、個体識別番号の取得に失敗する。この場合も、訪問者情報は取得されない。あるいは、玄関子機2が個体識別番号の取得に成功したとしても、該個体識別番号に関連付けられた訪問者情報が共有DB311に格納されていなければ、情報取得部22は、訪問者情報を取得できない。
出力制御部23、転送制御部24および提示制御部25は、玄関子機2が受け付けた訪問者からの呼出に対して宅内親機1が応答する際の応答態様を制御するための応答制御部である。本実施形態では、上述の各応答制御部は、情報取得部22による訪問者情報の取得成否または情報取得部22によって取得された訪問者情報に応じて、応答態様を異ならせる。
具体的には、出力制御部23は、表示部122または音声出力部13を制御して、訪問者の来訪を通知するための通知態様を異ならせる。より具体的には、出力制御部23は、表示部122に表示させる訪問者情報または訪問者の映像データの表示態様を異ならせる。また、出力制御部23は、音声出力部13を制御して、前記来訪を通知するために出力する音声を変えることにより、音声出力態様を異ならせる。また、転送制御部24は、広域通信部15を制御して、訪問者からの呼出を宅外のユーザUのスマートフォン4に転送する際の転送態様を異ならせる。転送態様には、転送を行わないことも含まれ得る。
具体的には、提示制御部25は、専用線通信部14を介して玄関子機2を制御し、訪問者に対して必要な情報を提示する際の提示態様を異ならせる。訪問者に対する情報の提示とは、訪問者宛てのメッセージを玄関子機2の表示部212に表示させたり、音声による該メッセージを音声出力部215から出力させたりすることを含む。提示態様には、情報の提示を何ら行わないことも含まれ得る。
制御部10は、必要に応じて、共有DB311を構築するためのDB構築ユニット30を含んでいてもよい。DB構築ユニット30の詳細は、実施形態2にて後述する。
<データ構造>
(呼出データ)
訪問者が玄関子機2の操作部211(呼出ボタンなど)を操作することにより呼出を行うと、玄関子機2は呼出データを生成する。呼出データは、専用線通信部217を介して宅内親機1に送信される。呼出データは、例えば、操作部211の操作状態、具体的には、呼出ボタンのオン状態を示す信号を含む。呼出データは、撮像部213が撮像した訪問者の映像データを含んでいてもよい。呼出データは、呼出ボタンがオンになった日時または映像データが撮像された日時の情報を含んでいてもよい。これにより、宅内親機1において、訪問者の来訪が認識される。
(検出データ)
訪問者が玄関子機2を操作している一方、訪問者が機器を携帯している場合に、近距離無線通信部216は、該機器と近距離無線通信を行う。玄関子機2は、この通信の内容に応じて、検出データを生成する。検出データは、専用線通信部217を介して宅内親機1に送信される。あるいは、検出データは、専用線とは別に、無線または優先による構内通信網(不図示)を介して宅内親機1に送信されてもよい。
図2は、検出データのデータ構造の一例を示す図である。検出データは、例えば、個体識別番号、機器ラベル、無線種別、および、無線強度の各項目を含む構造を有している。また、検出データは、近距離無線通信部216が、識別情報出力媒体が発信する電波を検出し始めた日時である検出開始日時を格納する項目を有していてもよい。
本実施形態では、訪問者のそれぞれは、識別情報出力媒体として、Bluetooth(登録商標)搭載機器である、スマートフォンまたは携帯電話などを携帯していることが想定されている。したがって、図示の例では、個体識別番号の項目には、BDアドレスが格納されている。
機器ラベルは、識別情報出力媒体の保有者が任意に設定できる名称であり、BDアドレスと同様に、近距離無線通信部216が近距離無線通信によって識別情報出力媒体から取得する。機器ラベルは、人が理解できる言語などを用いて設定されるため、人が機器を識別するのに役立つ。機器ラベルは、保有者(訪問者)が設定していなければ取得されず、すなわち、該項目には、値が格納されない。図示の例では、値がNullである項目は「なし」と記載する。
無線種別は、近距離無線通信部216がいずれの通信方式に則って、訪問者の識別情報出力媒体から個体識別番号を取得したのかを示す。一例として、「BT」は、Bluetooth(登録商標)を示す。これにより、無線種別「BT」が紐付けられている個体識別番号はBDアドレスであるということが分かる。例えば、WiFi(登録商標)の場合には、「WF」が格納され、これが紐付けられている個体識別番号がMACアドレスであるということが分かる。あるいは、Felica(登録商標)の場合には、「FL」が格納され、これが紐付けられている個体識別番号がIDmであるということが分かる。なお、近距離無線通信部216が1種類の通信方式に則って、1種類の個体識別番号しか取得しない構成では、この項目は省略されてよい。
無線強度は、近距離無線通信部216が識別情報出力媒体から個体識別番号を取得したときの電波の強度を示す。この無線強度により、識別情報出力媒体と、玄関子機2の近距離無線通信部216とのおおよその距離が推測できる。したがって、無線強度を参照することにより、玄関子機2を操作できる距離に無い識別情報出力媒体から個体識別番号が取得されてしまったとしても、それらは、訪問者とは無関係なノイズであるとして排除することができる。
(共有DB)
図3は、共有サーバ3が保有する共有DB311のデータ構造の一例を示す図である。共有DB311では、1つの戸における訪問者の1度の訪問(1回の呼出ボタンの操作)につき、1つの共有レコードが登録される。共有レコードは、該訪問者の来訪を受け付けたインターホンシステム100の宅内親機1によって、まず共有準備レコードとして生成され、その後、共有レコードとして共有DB311に登録される。共有DB311においてそれぞれの共有レコードは、一例として、個体識別番号、機器ラベル、カスタムラベル、訪問日時、画像および評価の各項目を含む構造を有している。共有レコードは、必要に応じて、評価者、評価日、および、コメントの各項目を含んでいてもよい。共有レコードの各項目は、訪問者に関する各種情報を表しており、これらの各種情報を、上述の訪問者情報と総称する。
個体識別番号の項目には、訪問者が携帯していた識別情報出力媒体から取得された個体識別番号が格納される。機器ラベルには、該識別情報出力媒体から取得された機器ラベルが格納される。訪問日時の項目には、訪問者の訪問日時が格納される。例えば、呼出ボタンがオンになった日時が、訪問日時として格納される。画像の項目には、訪問者を写した画像データが格納される。例えば、訪問者の来訪時に撮像部213が撮像した映像データの中から、訪問者の顔の写りが比較的鮮明なフレームが選択され、該項目に格納される。あるいは、共有サーバ3のメモリ容量の制約を受けない場合、該項目には、映像データが格納されてもよい。
カスタムラベルの項目には、被訪問者が、訪問者を表す名称として任意に設定したラベルが格納される。評価の項目には、被訪問者が、訪問者を評価した結果が格納される。評価は、本実施形態では、あらかじめ定められた複数種類のラベルの中から、1種類を訪問者に割り当てることでなされる。別の実施形態では、評価は、点数をつけることでなされてもよい。評価者の項目には、訪問者の来訪を受けて、該訪問者を評価した主である被訪問者を識別する情報が格納される。コメントの項目には、被訪問者が、訪問者の来訪に関してコメントした内容が格納される。このように、被訪問者は、訪問者の来訪に関して、評価の項目におけるラベル付けの他に提供すべき情報があれば、コメントを付記できるようにすることが好ましい。被訪問者は、カスタムラベル、評価、および、コメントの各項目の設定および編集を、自身の宅内に設置されている宅内親機1を用いて行う。
本実施形態では、評価ラベルとして、「町内」、「宅配」、「集金」、「いいね」、「セールス」、「迷惑」の6種類が設けられている。例えば、被訪問者は、同じ町内に住む人で応答して問題ない訪問者を評価する場合は、「町内」の評価ラベルを付与する。宅配業者である訪問者を評価する場合は、「宅配」の評価ラベルを付与する。新聞などの定期利用サービスの集金を目的として来訪した訪問者を評価する場合は、「集金」の評価ラベルを付与する。被訪問者は、上述の評価ラベルに該当しない訪問者であっても、歓迎すべきまたは応答して問題ない訪問者を評価する場合は、「いいね」の評価ラベルを付与する。商品の販売または勧誘を目的として来訪した訪問者を評価する場合は、「セールス」の評価ラベルを付与する。被訪問者は、上述の評価ラベルに該当しない訪問者であっても、警戒すべき訪問者を評価する場合は、「迷惑」の評価ラベルを付与する。
評価者の項目には、訪問者に対して評価を行った被訪問者(以下、評価者)を識別する情報が格納される。例えば、共有DB311が、非常に小さい規模(例えば、居住者の顔も名前もお互いに一致するような町内会、または、近くに住んでいる親戚内)で共有される場合、市街区分および名前(またはニックネーム)が、該項目に格納されてもよい。これにより、ユーザは、自分が知っている誰による評価であるのかを知り、評価結果を安心して受け入れることができる。また、評価者も、評価者が共有されることを意識して、評価内容に責任を持つように促されるため、共有される訪問者情報の信頼度を高めることができる。
あるいは、共有DB311の共有規模が非常に大きいこと(例えば、市、区またはそれ以上の単位であること)が想定される場合、評価者の項目は、排除されてもよい。これにより、評価者(被訪問者)の実名または住所が特定されず、評価者のプライバシーが保護される。あるいは、当該項目には、個人が特定されないような情報、例えば、評価者が居住している地区の郵便番号または市街区分(○丁目)が格納されてもよい。これにより、評価者のプライバシーを保護しつつ、どのあたりに、どのような評価の訪問者が存在しているのかなど、有益な情報を共有することが可能となる。
なお、評価者の項目は、共有サーバ3によって設定されてもよい。共有サーバ3は、共有準備レコードの送信元のインターホンシステム100を特定し、あらかじめ管理されている該インターホンシステム100のユーザ情報に基づいて、評価者を特定できる。
評価日の項目には、訪問日時とは別に評価日が格納されてもよい。例えば、宅内親機1は、自機において、上述の評価の項目またはコメントの項目が編集された日を自動で取得し、その日を評価日の項目に格納する。これにより、例えば、訪問日時と評価日とが極端に離れている場合に、そのような共有レコードに含まれている訪問者情報の信頼性または正確性を疑うことができる。あるいは、評価日によって、訪問者情報の鮮度をコントロールすることができる。例えば、共有サーバ3は、評価日が一定以上古い共有レコードを削除することなどが可能となる。
<処理フロー>
図4は、宅内親機1が実行する処理の流れを示すフローチャートである。同図に示す一連の処理は、玄関子機2において、訪問者による呼出の操作が受け付けられたことをトリガにして開始される。
専用線通信部14を介して、制御部10が呼出データを受け付ける。制御部10は、受け付けた呼出データより、玄関子機2の呼出ボタンがオンの状態に遷移したことを認識する(S101)。
呼出ボタンがオンになると(S101でYES)、訪問者識別部21は、呼出ボタンがオンになった同じタイミングで、個体識別番号を含む検出データが受信されたか否かを判断する(S102)。訪問者識別部21は、検出データに個体識別番号が含まれている場合には、それを取得し、下流の情報取得部22に供給する。
情報取得部22は、共有サーバ3と通信して共有DB311にアクセスする(S103)。取得された個体識別番号が紐付けられている訪問者情報が共有DB311に存在しなかった場合(S104でNO)、情報取得部22は、訪問者について過去に訪問の履歴がない旨を、下流の各応答制御部に伝達する。
上述の伝達に応じて、各応答制御部は、初の訪問者に関する応答態様にて各種の応答を実行する。具体的には、出力制御部23は、初の訪問者による来訪を通知する。詳細には、出力制御部23は、表示部122に、映像キャプチャ部51によってキャプチャされた訪問者の映像を表示するとともに、該訪問者に関する過去の訪問履歴が無い旨のメッセージを表示する(S105)。出力制御部23は、音声出力部13を介して、通常の呼出音または初訪問者専用の呼出音を出力してもよい(S106)。転送制御部24は、訪問者からの呼出を、広域通信部15を介して被訪問者であるユーザUのスマートフォン4に転送してもよい(S107)。その際、初の訪問者による来訪である旨のメッセージを併せて送信してもよい。また、提示制御部25は、初の訪問者に対して提示すべき情報があれば、該情報を提示するように、玄関子機2の表示部212または音声出力部215を制御してもよい。
一方、取得された個体識別番号が紐付けられている訪問者情報が共有DB311に存在する場合(S104でYES)、情報取得部22は、該訪問者情報が含まれている共有レコードを共有DB311から抽出して、各応答制御部に供給する。
抽出された共有レコードにおいて、評価の項目に「迷惑」が設定されている場合(S108でYES)、各応答制御部は、「迷惑」という低評価を受けている訪問者に関する応答態様にて各種の応答を実行する。具体的には、出力制御部23は、低評価の訪問者による来訪を警告とともに通知する。詳細には、出力制御部23は、表示部122に、訪問者の映像を表示するとともに、過去に「迷惑」の評価を受けたことがある訪問者であることが分かるように、該訪問者の訪問者情報を表示する(S109)。出力制御部23は、低評価訪問者専用の呼出音を出力してもよい(S110)。転送制御部24は、訪問者からの呼出を、スマートフォン4に転送することを取り止める(S111)。また、提示制御部25は、低評価の訪問者に対して提示すべき情報があれば、該情報を提示するように、玄関子機2の表示部212または音声出力部215を制御してもよい。
抽出された共有レコードにおいて、評価の項目に「いいね」が設定されている場合(S108でYES、S112でYES)、各応答制御部は、「いいね」という高評価を受けている訪問者に関する応答態様にて各種の応答を実行する。具体的には、出力制御部23は、高評価の訪問者による来訪を通知する。詳細には、出力制御部23は、表示部122に、訪問者の映像を表示するとともに、過去に「いいね」の評価を受けたことがある訪問者であることが分かるように、該訪問者の訪問者情報を表示する(S113)。出力制御部23は、高評価訪問者専用の呼出音を出力してもよい(S114)。転送制御部24は、訪問者からの呼出を、スマートフォン4に転送する(S115)。また、提示制御部25は、高評価の訪問者に対して提示すべき情報があれば、該情報を提示するように、玄関子機2の表示部212または音声出力部215を制御してもよい。
抽出された共有レコードにおいて、評価の項目に、「迷惑」および「いいね」以外の評価が設定されている場合(S112でNO)、各応答制御部は、通常の応答態様にて各種の応答を実行する。具体的には、出力制御部23は、表示部122に訪問者の映像を表示するとともに、該訪問者の訪問者情報を表示する(S116)。出力制御部23は、通常の呼出音を出力してもよい(S117)。転送制御部24は、訪問者からの呼出を、スマートフォン4に転送する(S118)。また、提示制御部25は、訪問者に対して提示すべき情報があれば、該情報を提示するように、玄関子機2の表示部212または音声出力部215を制御してもよい。
なお、抽出された共有レコードにおいて、評価の項目に「セールス」が設定されている場合、DB利用ユニット20の各応答制御部は、「迷惑」の低評価を受けている訪問者と同様の応答態様にて各種の応答を実行してもよい。評価の項目に「町内」、「宅配」または「集金」が設定されている場合、各応答制御部は、「いいね」の高評価を受けている訪問者と同様の応答態様にて各種の応答を実行してもよい。
一方、個体識別番号を含む検出データが受信されなかった場合(S102でNO)、訪問者識別部21は、その旨を下流の情報取得部22および各応答制御部に伝達する。この伝達を受けた各応答制御部は、個体識別番号の非検出時における応答態様にて各種の応答を実行する(S119)。具体的には、出力制御部23は、表示部122に、個体識別番号が取得されなかった旨のメッセージを表示する以外は、「迷惑」の低評価を受けている訪問者と同様の通知態様にて、該訪問者の来訪を通知してもよい。同様に、転送制御部24は、該訪問者からの呼出をスマートフォン4に転送することを取り止める。別の実施形態では、出力制御部23は、表示または音声出力による来訪の通知を一切取り止めてもよい。また、提示制御部25は、個体識別番号が検出されなかった訪問者に対して、提示すべき情報があれば、該情報を提示するように、玄関子機2の表示部212または音声出力部215を制御してもよい。例えば、提示制御部25は、玄関子機2を制御して、「個体識別番号が検出されません。お手持ちの携帯電話のBluetooth(登録商標)機能をオンにしてください。」または「お手持ちのカードをカードリーダにかざしてください。」などのメッセージを、玄関子機2から出力させてもよい。こうして、提示制御部25は、個体識別番号が検出可能となるように訪問者に行動を促す。
<画面例>
図5は、訪問者から呼出を受けたときに、宅内親機1のタッチパネル12(表示部122)に表示される画面の一具体例を示す図である。特に、図5は、訪問者が低評価である場合に、図4に示すS109にて表示される画面の例を示している。該画面は、出力制御部23によって生成され表示される。
画面は、メイン領域125およびサブ領域126を含む。メイン領域125は、主に、訪問者の映像を表示するための領域である。本実施形態では、さらに、検出された個体識別番号501および機器ラベル502がメイン領域125に表示されてもよい。さらに、出力制御部23は、低評価の訪問者に対して慎重に応答するように、ユーザUに対して警戒を促すための警告アイコン503を、前記映像に添えてメイン領域125に表示してもよい。
さらに、出力制御部23は、メイン領域125に、各種評価ボタンを表示してもよい。すべての種類の評価ボタンが一覧で表示されてもよいし、代表的な評価ボタンと、それ以外のボタンとが分かれて表示されてもよい。図示の例では、いいね評価ボタン504と、それ以外の評価ボタンを呼び出すためのその他ボタン505とがメイン領域125に表示されている。例えば、ユーザUは、訪問者への応対を済ませた後、該訪問者に対する評価を、いいね評価ボタン504またはその他ボタン505をタッチ操作することにより、行う。これにより、該訪問者に関する新たな評価が作成される。作成された評価は、訪問者情報として、共有DB311にフィードバックされてもよい。
サブ領域126は、主に、訪問者の訪問者情報を表示するための領域である。取得された共有レコードにおいて、評価の項目が「迷惑」である場合、出力制御部23は、図示のとおり、サブ領域126の背景または枠を、訪問者が前回訪問時に他の戸において「迷惑」の評価を受けている人物であることが分かるように、装飾してもよい。さらに、サブ領域126には、前回訪問時の訪問者画像506、および、画像以外の訪問者情報507が表示されていてもよい。この画面を見れば、ユーザUは、第2操作部17を操作して応答する前に、訪問者の素性を確認することが可能となる。
図6は、訪問者から呼出を受けたときに、宅内親機1のタッチパネル12に表示される画面の一具体例を示す図である。特に、訪問者が高評価である場合に、図4に示すS113にて表示される画面の例を示している。
メイン領域125において、出力制御部23は、警告アイコン503に代えて、応答しても問題ない人物であることを示す歓迎アイコン508を訪問者の映像に添えて表示してもよい。また、サブ領域126において、出力制御部23は、背景または枠を、訪問者が前回訪問時に他の戸において「いいね」の評価を受けている人物であることが分かるように、装飾してもよい。この画面を見れば、ユーザUは、安心して、訪問者に対して応答することができる。
図7は、訪問者から呼出を受けたときに、宅内親機1のタッチパネル12に表示される画面の一具体例を示す図である。特に、訪問者の機器が近距離無線通信にて検出されなかった場合に、図4に示すS119にて表示される画面の例を示している。
メイン領域125において、個体識別番号501および機器ラベル502の欄には、例えば、「なし」が表示される。訪問者の個体識別番号の取得が失敗したことにより、訪問者情報を取得することができないため、出力制御部23は、念のため、ユーザUに警戒を促すために、警告アイコン503をメイン領域125に表示してもよい。
また、サブ領域126において、出力制御部23は、訪問者情報507に代えて、訪問者の個体識別番号が取得されなかったこと、または、それによって訪問者情報が取得されなかったことを通知するメッセージ509を警戒時の背景とともに表示してもよい。
この画面を見れば、ユーザUは、第2操作部17を操作して応答する前に、訪問者に対する応答の可否を慎重に判断することが可能となる。
なお、訪問者の個体識別番号が取得されたが、それに対応する訪問者情報が共有DB311から取得されなかった場合、出力制御部23は、S105にて、過去の訪問履歴がないことを示すメッセージを、警戒時の背景とともにサブ領域126に表示してもよい。メイン領域125は、図5に示すように表示されてもよい。この画面を見れば、ユーザUは、第2操作部17を操作して応答する前に、訪問者に対する応答の可否を慎重に判断することが可能となる。
<効果>
前記構成および方法によれば、検出された識別情報に基づいて訪問者を識別し、訪問者の属性(訪問者情報の内容)に応じて、応対者への通知態様を異ならせたり、該訪問者への情報の提示態様を異ならせたりすることができる。結果として、被訪問者が望まない対応を強いられることを回避することができる。例えば、応対者は、事前に訪問者の属性を知ることができ、応答前にどのような対応をとるべきかを適切に判断することができる。場合によっては、応対者は応答を拒否するという対応を採ることも可能である。したがって、本実施形態に係るインターホンシステム100は、訪問者が、応対者が来訪を望まない人物である場合に、特に大きなメリットをもたらす。また、訪問者の属性は、他のインターホンシステムと共有されている共有DB311から得られる。したがって、本実施形態に係るインターホンシステム100は、応対者の宅への訪問が初めてである未知の訪問者に関しても、被訪問者が望まない対応を強いられることを回避することができるという大きなメリットをもたらす。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
<宅内親機1の構成>
宅内親機1の制御部10は、機能ブロックとして、さらに、DB構築ユニット30を含んでいてもよい。DB構築ユニット30は、自機の玄関子機2において訪問者からの呼出を受け付けた場合に、該訪問者の訪問者情報を生成し、該訪問者情報を含む共有準備レコードを生成する。生成された共有準備レコードは、共有レコードとして共有DB311に登録される。DB構築ユニット30は、機能ブロックとして、検出履歴管理部31、訪問履歴管理部32、排除リスト生成部33、および、DB構築部34を含んでいる。また、記憶部11は、DB構築ユニット30が、処理を実行するときに参照する各種情報、および、処理した各種情報を記憶する。記憶部11は、各種情報の一例として、検出履歴テーブル41、訪問履歴テーブル42、排除リスト43および訪問者DB44を記憶していてもよい。
検出履歴管理部31は、専用線通信部14によって、検出データ(例えば、図2)が玄関子機2から取得されたことに基づいて、玄関子機2の近距離無線通信部216による、識別情報出力媒体の検出の履歴を管理する。検出履歴管理部31は、検出データに基づいて作成した検出レコードを、検出履歴テーブル41に登録する。
訪問履歴管理部32は、専用線通信部14によって、上述の呼出データが玄関子機2から取得されたことに基づいて、インターホンシステム100が設けられている戸における訪問者の訪問の履歴を管理する。訪問履歴管理部32は、呼出データと、ユーザが編集した評価またはコメントに応じて作成した訪問レコードを、訪問履歴テーブル42に登録する。
排除リスト生成部33は、当該戸における訪問者とは無関係に検出された識別情報出力媒体の個体識別番号をノイズとして排除するために、排除対象の個体識別番号をリスト化する。排除リスト生成部33は、排除対象の個体識別番号をリスト化ものである排除リスト43を生成し、記憶部11に格納する。
DB構築部34は、検出履歴テーブル41に登録されている検出レコードと、訪問履歴テーブル42に登録されている訪問レコードとの紐付けを行って、共有DB311に登録するための共有準備レコードを生成する。さらに、DB構築部34は、ユーザUによって編集された訪問者情報を、共有準備レコードに追加してもよい。DB構築部34は、こうして生成した共有準備レコードを、訪問者DB44に登録する。DB構築部34は、訪問者DB44にある程度の数の共有準備レコードが蓄積されたら、広域通信部15を介して、これらの共有準備レコードをまとめて共有DB311に登録してもよい。あるいは、DB構築部34は、定期的に例えば、1日1回、訪問者DB44に新規に登録された共有準備レコードを共有DB311に登録してもよい。あるいは、DB構築部34は、1つの共有準備レコードが訪問者DB44に登録される度に、該共有準備レコードを共有DB311に登録してもよい。訪問者DB44に登録された共有準備レコードは、DB利用ユニット20によって利用されてもよい。
<データ構造>
(検出履歴テーブル)
図8は、検出履歴管理部31が管理する検出履歴テーブル41のデータ構造の一例を示す図である。検出履歴テーブル41において、1つの識別情報出力媒体が連続して検出され、非検出になるまでについて、1つの検出レコードが登録される。
玄関子機2の近距離無線通信部216は、一定周期(例えば、1分〜5分おき)にて、電波受信可能範囲にある1以上の識別情報出力媒体を検出する。玄関子機2は、識別情報出力媒体ごとに、検出される度に、検出データを生成し、これを宅内親機1に送信する。
検出履歴管理部31は、識別情報出力媒体ごとに、1または複数の検出データ(例えば、図2)に基づいて、検出レコードを1つ生成する。検出履歴テーブル41の各検出レコードは、例えば、個体識別番号、機器ラベル、無線種別、無線強度、検出開始時間、および、検出終了時間の各項目を含む構造を有している。
個体識別番号の項目には、検出された識別情報出力媒体の個体識別番号が格納される。機器ラベルの項目には、検出された識別情報出力媒体の個体識別番号が格納される。無線種別の項目には、検出された識別情報出力媒体と玄関子機2の近距離無線通信部216との間の通信の方式が格納される。無線強度の項目には、近距離無線通信部216が識別情報出力媒体を検出したときの受信電波の強度が格納される。1つの識別情報出力媒体が連続して(数分おきに複数回)検出された場合には、検出された期間の電波強度の平均値が格納されてもよいし、初めまたは最後に検出されたときの電波強度が格納されてもよい。
検出開始時間の項目には、識別情報出力媒体が初めて検出された日時が格納される。例えば、検出履歴管理部31は、該識別情報出力媒体の初回の検出データに含まれている検出開始日時を該項目に格納してもよい。あるいは、検出履歴管理部31は、宅内親機1の専用線通信部14が、該識別情報出力媒体の初回の検出データを玄関子機2から受信した日時を格納してもよい。
検出終了時間の項目には、該識別情報出力媒体が、上述の初回より連続して検出された期間のうち、最後に検出された日時が格納される。例えば、専用線通信部14が、ある識別情報出力媒体Aの検出データを1分おきに連続で受信しており、今回、識別情報出力媒体Aの検出データn+1を受信しなかったとする。この場合、検出履歴管理部31は、前回の識別情報出力媒体Aの検出データnに含まれている検出開始日時、または、該検出データnを専用線通信部14が受信した日時を、検出終了時間の項目に格納する。
このようにして、検出履歴管理部31が生成した検出レコードが登録された検出履歴テーブル41によれば、どの識別情報出力媒体を所有する人物が、いつの期間、玄関子機2に近づいたのかを分析することができる。
(訪問履歴テーブル)
図9は、訪問履歴管理部32が管理する訪問履歴テーブル42のデータ構造の一例を示す図である。訪問履歴テーブル42において、訪問者が玄関子機2の操作部211(呼出ボタン)を操作して、被訪問者の呼出を1回行うごとに、1つの訪問レコードが登録される。
玄関子機2は、呼出ボタンをオンにする操作を受け付けると、上述の呼出データを生成し、これを宅内親機1に送信する。訪問履歴管理部32は、専用線通信部14が呼出データを受信する度に、該呼出データに基づいて、訪問レコードを1つ生成する。訪問履歴テーブル42の各訪問レコードは、例えば、個体識別番号、訪問日時、画像、および、評価の各項目を含む構造を有している。訪問レコードは、さらに、コメントの項目、および、カスタムラベルの項目を含んでいてもよい。
個体識別番号の項目には、訪問者が所有する識別情報出力媒体の個体識別番号が格納される。呼出データが受信されると、実施形態1で説明したとおり、訪問者識別部21によって、訪問者の個体識別番号が特定される。訪問履歴管理部32は、訪問者識別部21によって特定された訪問者の個体識別番号を、該項目に格納する。
訪問日時の項目には、訪問者の訪問日時が格納される。例えば、訪問履歴管理部32は、呼出ボタンがオンになった日時を該項目に格納する。呼出ボタンがオンになった日時は、呼出ボタンがオンされたときに玄関子機2から宅内親機1へ供給される呼出データに含まれており、訪問履歴管理部32は、そこからオンになった日時を取得できる。
画像の項目には、訪問者を写した画像データが格納される。例えば、訪問履歴管理部32は、訪問者の来訪時に撮像部213が撮像した映像データの中から、訪問者の顔の写りが比較的鮮明なフレームを選択し、それを画像データとして記憶部11に記憶する。訪問履歴管理部32は、上述の画像データのファイル名または該画像データへアクセスするためのポインタを該項目に格納してもよい。なお、訪問者の映像データは、呼出ボタンがオンされたときに玄関子機2から供給される呼出データに含まれており、訪問履歴管理部32は、そこから映像データを取得できる。
評価の項目には、宅内親機1のユーザUが、訪問者に対して選択した評価ラベルが格納される。コメントの項目には、ユーザUが、訪問者に関して入力したコメントが格納される。カスタムラベルの項目には、ユーザUが、機器ラベルの代わりに、訪問者に任意に付与したカスタムラベルが格納される。
評価ラベルをユーザUが入力するためのUI(図5〜図7に示すいいね評価ボタン504またはその他ボタン505など)、玄関子機2が呼出を受け付けた後、宅内親機1が上述の各種の応答制御を行った後にユーザUに対して提示される。コメントおよびカスタムラベルの項目についても同様である。したがって、訪問履歴管理部32は、呼出を受け付けた時点では、評価、コメントおよびカスタムラベルの項目において値が空の状態で訪問レコードを生成する。
評価、コメントおよびカスタムラベルの項目は、DB構築部34によって埋められる。実施形態1で説明したとおり、玄関子機2が呼出を受け付けた後、出力制御部23は、訪問者の訪問者情報に基づいて、例えば、図5〜図7に示す画面を表示部122に表示する。画面のメイン領域125には、評価ラベルをユーザUが入力するためのUIが含まれている。ユーザUが、いいね評価ボタン504をタッチした場合、DB構築部34は、評価ラベル「いいね」を、評価の項目に格納する。一方、その他ボタン505がタッチされた場合、出力制御部23は、その他の評価ボタンをユーザUが選択可能に表示する。
図10は、訪問者から呼出を受けたときに、宅内親機1のタッチパネル12(表示部122)に表示される画面の一具体例を示す図である。特に、図10は、宅内親機1のユーザUが、その他ボタン505をタッチした場合に表示される画面の例を示している。
本実施形態では、出力制御部23は、その他ボタン505がタッチされたことに応じて、「いいね」以外のすべての評価ラベルが選択可能なように、各評価ラベルに対応する各評価ボタン510をメイン領域125に表示する。ユーザUが各評価ボタン510のうちのいずれかの評価ボタンをタッチすると、DB構築部34は、タッチされたボタンに対応する評価ラベルを、上述の評価の項目に格納する。
出力制御部23は、サブ領域126における非表示ボタン511がタッチされた場合、訪問者の訪問者情報を非表示にし、代わりに、該訪問者に関して、カスタムラベルおよびコメントを編集し入力するためのUI(不図示)を表示してもよい。ユーザUが、該UIを操作して、カスタムラベルまたはコメントを入力した場合、DB構築部34は、入力されたカスタムラベルまたはコメントを、訪問レコードにおける、カスタムラベルの項目またはコメントの項目にそれぞれ格納する。
(排除リスト)
図11は、排除リスト生成部33が生成する排除リストのデータ構造の一例を示す図である。排除リストは、玄関子機2の近距離無線通信部216が検出した識別情報出力媒体のうち、訪問者(呼出ボタンを押した人)が所有する識別情報出力媒体に該当しない媒体(すなわち、ノイズ)の個体識別番号のリストである。排除リストは、訪問者識別部21が、訪問者の個体識別番号を特定するために、訪問者識別部21によって参照される。
排除リスト生成部33は、図8に示す検出履歴テーブル41を参照し、ノイズとなる検出レコードを特定する。ノイズの特定の仕方は、限定されない。一例として、排除リスト生成部33は、検出期間が所定時間以上の検出レコードをノイズとして特定してもよい。排除リスト生成部33は、ノイズとして特定した検出レコードの個体識別番号を排除リストに登録する。これにより、家族、および、たまたま近距離無線通信部216の電波受信可能範囲にある近所の住人など、訪問者ではない人物が所有する識別情報出力媒体の検出レコードを処理対象から除外することができる。
あるいは、排除リスト生成部33は、無線強度が所定閾値未満の検出レコードをノイズとして特定してもよい。これにより、自宅内または近所の住宅内に設置されている、近距離無線通信部216の電波受信可能範囲にあるBluetooth(登録商標)搭載機器(識別情報出力媒体)などの検出レコードを処理対象から除外することができる。また、たまたま自宅の近くを通りかかった訪問者ではない人物が所有する識別情報出力媒体の検出レコードを処理対象から除外することができる。
あるいは、排除リスト生成部33は、検出開始時間が、同日の訪問日時付近にない検出レコードをノイズとして特定してもよい。これにより、訪問と無関係に検出された識別情報出力媒体の検出レコードを処理対象から除外することができる。
近距離無線通信部216が採用している通信方式がBluetooth(登録商標)である場合、玄関子機2は、識別情報出力媒体との通信に関して、受信電波強度(RSSI;Received Signal Strength Indication)と、送信電力値(TXPower)とを得ることができる。そこで、排除リスト生成部33は、検出データごとに、RSSIとTXPowerとに基づいて、識別情報出力媒体の玄関子機2に対する近接度(Proxmity)を算出してもよい。排除リスト生成部33は、近接度が1mを超える検出レコードを、ノイズとして特定してもよい。
(訪問者DB)
図12は、DB構築部34が構築する訪問者DB44のデータ構造の一例を示す図である。訪問履歴テーブル42において1つの訪問レコードが登録される度に、これに対応する共有準備レコードが訪問者DB44において1つ登録される。訪問者DB44の各共有準備レコードは、例えば、個体識別番号、機器ラベル、カスタムラベル、訪問日時、画像、評価、コメント、および、共有先の各項目を含む構造を有している。
まず、DB構築部34は、図9に示す訪問履歴テーブル42の訪問レコードに対して、図8に示す検出履歴テーブル41の検出レコードの紐付けを行う。具体的には、DB構築部34は、訪問レコードおよび検出レコードに含まれている個体識別番号に基づいて紐付けを行う。
なお、DB構築部34が検出レコードの紐付けを行う前に、検出履歴テーブル41において、排除リスト43に基づいて、紐付けの処理対象から除外すべき検出レコードが除外されていてもよい。
DB構築部34は、訪問レコードのカスタムラベル、訪問日時、画像、評価およびコメントの各項目と、対応する検出レコードの個体識別番号および機器ラベルの各項目とを組み合わせて、図12に示す共有準備レコードを生成する。さらに、DB構築部34は、共有先の項目を、該共有準備レコードに設けてもよい。
共有先の項目には、該共有準備レコードを登録する共有DB311を指定する情報が格納される。例えば、共有DB311が、市区共有DB、町内会共有DB、家族共有DBと3種類ある場合に、共有させたい共有DBの識別情報が該項目に格納される。あるいは、共有DB311に登録することが好ましくないプライベートな訪問に関して、共有しないことを指定する情報が、該項目に格納されてもよい。本実施形態では、ユーザUがタッチパネル12を操作して共有先の指定を行う。出力制御部23は、ユーザUが共有先の指定を行うためのUIをタッチパネル12に表示させる。DB構築部34は、ユーザUの操作にしたがって、各共有準備レコードにおける共有先を設定する。
例えば、出力制御部23は、図12に示す訪問者DB44をタッチパネル12に表示するとともに、各共有準備レコードの共有先を選択可能するためのUIを表示してもよい。これにより、ユーザUは、共有準備レコードごとに、共有先を指定することができる。
あるいは、出力制御部23は、「迷惑」の評価ラベルが付与された共有準備レコードだけを共有DB311に登録するか、すべての共有準備レコードを共有DB311に登録するかを選択するためのUIを表示してもよい。
あるいは、出力制御部23は、共有準備レコードの項目ごとに、共有と非共有とをユーザUに指定させるためのUIをタッチパネル12に表示してもよい。例えば、出力制御部23は、画像の共有を不許可とするためのUIを表示してもよい。さらに、出力制御部23は、「迷惑」の評価ラベルが付与された共有準備レコードだけ画像の共有を許可するためのUIを表示してもよい。あるいは、出力制御部23は、すべての共有準備レコードの画像の共有を許可するためのUIを表示してもよい。
上述の構成によれば、例えば、ユーザUは、どの項目を共有するのか、どの範囲で共有するのかを、訪問者に応じて変更することができる。これにより、自宅を訪問した訪問者のプライバシーを保護しつつ、共有すべき訪問者情報が過不足なく共有されるように、情報を制御することができる。
<処理フロー>
図13は、宅内親機1が実行する処理の流れを示すフローチャートである。同図に示す一連の処理は、玄関子機2において、訪問者による呼出の操作が受け付けられたことをトリガにして開始される。該一連の処理のうちS208〜S209は、該訪問者に対する応対が完了した後で実行されてもよい。また、該一連の処理のうちS210〜S213は、所定時間間隔(例えば、1日おき)で、定期的に実行されてもよいし、未処理の訪問レコードが所定件数蓄積されたことをトリガにして開始されてもよい。
専用線通信部14を介して、制御部10が呼出データを受け付ける。制御部10は、受け付けた呼出データより、玄関子機2の呼出ボタンがオンの状態に遷移したことを認識する(S201)。
呼出ボタンがオンになると(S201でYES)、映像キャプチャ部51は、玄関子機2から共有された呼出データに含まれている映像データを取得する(S202)。訪問履歴管理部32は、取得された映像データから1つのフレームを抽出して画像データを生成する。そして、画像データと、訪問日時とを対応付けた訪問レコードを訪問履歴テーブル42(図9)に登録する(S203)。
一方、呼出ボタンがオンになった同じタイミングで、個体識別番号を含む検出データが1または複数受信されていれば、検出履歴管理部31は、受信された検出データに基づいて、検出レコードを生成し、検出履歴テーブル41(図8)に登録する(S204)。
排除リスト生成部33は、更新された検出履歴テーブル41に基づいて、ノイズとなる検出データを特定し、これを除外するための排除リストを生成してもよい。呼出ボタンがオンになったタイミングで複数の個体識別番号が検出された場合、訪問者識別部21は、上述の排除リストを用いたフィルタリング処理を実行して、訪問者の個体識別番号を特定してもよい(S205)。
訪問者識別部21が訪問者の個体識別番号の特定に成功した場合(S206でYES)、訪問履歴管理部32は、S203で登録した訪問レコードに、特定された個体識別番号を追加する(S207)。
訪問者識別部21が訪問者の個体識別番号を特定したことに基づいて、出力制御部23は、訪問者の訪問者情報に応じた表示態様にて、該訪問者の来訪を通知するための画面をタッチパネル12に表示する。該画面には、訪問者を評価するためのUI(いいね評価ボタン504、および、その他ボタン505など)が表示されている。
図10に示す、いいね評価ボタン504または各評価ボタン510のいずれかが選択されると(S208でYES)、DB構築部34は、S203で登録した訪問レコードに、選択された評価ボタンに対応する評価ラベルを追加する(S209)。
DB構築部34は、訪問履歴管理部32によって登録された訪問レコードに、検出履歴管理部31によって登録された検出レコードを紐付ける(S210)。DB構築部34は、紐付けた訪問レコードと、検出レコードとに基づいて、共有準備レコードを生成し、訪問者DB44に登録する(S211)。
DB構築部34は、出力制御部23によってタッチパネル12に表示されたUIを介して、共有準備レコードについての共有先の指定を受け付ける(S212)。DB構築部34は、受け付けた共有先の指定にしたがって、共有準備レコードを共有サーバ3に供給する(S213)。供給された共有準備レコードは、共有レコードとして、共有サーバ3の共有DB311に登録される。
本実施形態では、S206にて、訪問者識別部21が訪問者の個体識別番号の特定に失敗した場合(S206でNO)、図4に示すS119と同様に非検出時処理が実行されるが、S208以降の各処理は省略される。別の実施形態では、S208以降の各処理は省略されず、個体識別番号および機器ラベルの項目抜きで、共有準備レコードが生成されてもよい。
(フィルタリング処理)
図14は、訪問者識別部21が実行するフィルタリング処理の流れを示すフローチャートである。同図に示す一連の処理は、図13に示すS205に対応する。
訪問者識別部21は、専用線通信部14によって呼出データが受信されたタイミングで、検出履歴テーブル41に登録された1または複数の検出レコードを取得する(S301)。訪問者識別部21は、取得した検出レコードのうち、排除リスト43に登録されている個体識別番号と同じ番号を含む検出レコードがあれば、それを除外する。
除外した結果、S301で取得した検出レコードが複数残っている場合(S303でYES)、訪問者識別部21は、残っている各検出レコードの無線強度を参照する(S304)。そして、訪問者識別部21は、無線強度が最も強い検出レコードの個体識別番号を、訪問者の個体識別番号として特定する(S305)。玄関子機2の呼出ボタンが押下されたときに、最も近くにいる人物が訪問者であり、したがって、当該訪問者が所有する識別情報出力媒体からの電波が、近距離無線通信部216において最も強く受信されると考えられるからである。
除外した結果、S301で取得した検出レコードが1つ残った場合(S303でNO、S306でYES)、訪問者識別部21は、残った検出レコードの個体識別番号を、訪問者の個体識別番号として特定する(S307)。
除外した結果、S301で取得した検出レコードが1つも残らなかった場合(S306でNO)、訪問者識別部21は、訪問者の個体識別番号は検出されなかったものと判断する(S308)。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。本発明に係る情報共有システムは、集合住宅においても適用することが可能である。
<情報共有システムの概要>
図15は、本実施形態に係る情報共有システムの概要を示す図であり、本実施形態に係るインターホンシステムの構成を示す図である。本実施形態に係る情報共有システム600は、1つの集合住宅に属する各戸において集合住宅共有DB312(記憶部)を共有することにより、該集合住宅内で訪問者情報を共有する。情報共有システム600では、集合住宅共有DB312に加えて、実施形態1および2で説明したように、所定の地域に属する各戸において共有DB311を共有することにより、該地域で訪問者情報を共有することも行ってよい。
本実施形態に係るインターホンシステム200は、1つの集合住宅に1つ設けられている。インターホンシステム200は、インターネットなどの広域通信網を介して、共有サーバ3と接続し、共有サーバ3との間で情報の送受信を行うことができる。また、インターホンシステム200は、集合住宅における各戸の住人であるユーザUが携帯する機器(例えば、スマートフォン4)とも、広域通信網を介して接続されていてもよい。
共有サーバ3は、地域で共有される訪問者情報を共有DB311において保持するとともに、該集合住宅で共有される訪問者情報を集合住宅共有DB312において保持する。共有サーバ3は、広域通信網を介して、インターホンシステム200と通信し、インターホンシステム200からの要求に応じて、訪問者情報を提供する。共有サーバ3は、インターホンシステム200から訪問者情報を受け付け、受け付けた情報に基づいて共有DB311または集合住宅共有DB312を更新してもよい。
<インターホンシステムの構成>
図15に示すとおり、本実施形態に係るインターホンシステム200は、集合住宅の各戸で共用される集合玄関機6(呼出装置)と、戸ごとに専有される戸別子機7(通知部)と、インターホン制御装置5(応答制御装置)とを含む。
集合玄関機6は、訪問者が被訪問者の部屋番号を指定して、該被訪問者を呼び出すために操作する呼出装置であり、電気錠付きの集合玄関ドアより外の、集合住宅の共用エリアに設置される。集合玄関機6は、実施形態1と同様に、訪問者が呼出操作を行うための操作部211を備えている。本実施形態では、操作部211は、呼出ボタンに加えて、訪問先の戸の部屋番号を指定するためのテンキーを有している。訪問者は、被訪問者の戸の部屋番号を入力してから、呼出ボタンを押下することで、目的の被訪問者を呼び出すことができる。
インターホン制御装置5は、集合玄関機6と複数の戸別子機7との間の通信を仲介し、呼出制御および応答制御を行う。インターホン制御装置5は、集合住宅の共用エリアに設置され、集合玄関機6と専用回線で接続されるとともに、各戸の各戸別子機7とも専用回線で接続される。
戸別子機7は、訪問者の来訪を被訪問者であるユーザUに通知するためのインターフェースと、在宅のユーザUが、呼出に応答するためのインターフェースとを備えている。戸別子機7は、各戸の専有エリアに設置される。
集合玄関機6が訪問者の呼出を受け付けると、集合玄関機6は、指定された部屋番号を含む呼出データをインターホン制御装置5に送信する。呼出データには、集合玄関機6の撮像部213が撮像した訪問者の映像データ、および、音声入力部214が集音した訪問者の音声データが含まれている。また、集合玄関機6は、近距離無線通信部216によって識別情報出力媒体が検出されたことに基づいて、検出データをインターホン制御装置5に送信する。
インターホン制御装置5は、指定された部屋番号に対応する戸別子機7に、呼出データを転送する。さらに、本実施形態では、インターホン制御装置5は、実施形態1と同様に、訪問者の個別識別情報を特定し、個別識別情報に基づいて、該訪問者について共有されている訪問者情報を共有DB311または集合住宅共有DB312から読み出す。そして、該訪問者情報を、呼出データとともに対応する戸別子機7に供給する。
また、インターホン制御装置5は、戸別子機7から応答に係る指示を受け付け、戸別子機7によって指示された応答態様にて応答するように、集合玄関機6に対して指示する。例えば、インターホン制御装置5は、戸別子機7にて集音された宅内の被訪問者の音声データを集合玄関機6に転送する。これにより、集合玄関機6と戸別子機7とが音声データおよび映像データなどをやりとりして、玄関先の訪問者と、宅内の被訪問者とが通話することが出来るようになっている。
(インターホン制御装置5の構成)
インターホン制御装置5は、記憶部11、専用線通信部14、広域通信部15および戸別専用線通信部18、ならびに、これらの各部を統括的に制御する制御部10を備えている。専用線通信部14は、集合玄関機6との通信を、専用回線を介して行う。戸別専用線通信部18は、戸別子機7との通信を、専用回線を介して行う。記憶部11は、実施形態1および2と同様に、検出履歴テーブル41、訪問履歴テーブル42、排除リスト43および訪問者DB44を記憶している。
(インターホン制御装置5の機能的構成)
インターホン制御装置5の制御部10は、機能ブロックとして、DB利用ユニット20、DB構築ユニット30、映像キャプチャ部51、音声キャプチャ部52、および、部屋番号検出部53を含んでいる。制御部10は、その他にも、集合玄関ドアの開閉を制御するドア制御部(不図示)を含んでいる。DB利用ユニット20およびDB構築ユニット30の構成は、実施形態1および2と同様であり、図1に示されているとおりである。
部屋番号検出部53は、専用線通信部14を介して集合玄関機6から受信された呼出データの中から、指定された部屋番号を検出して、戸別専用線通信部18に供給する。これにより、戸別専用線通信部18は、呼出データまたはその他の各種情報を、正しい宛先の戸別子機7に送信することができる。
(戸別子機7の構成)
戸別子機7は、タッチパネル12、音声出力部13、音声入力部16、第2操作部17および戸別専用線通信部411、ならびに、これらの各部を統括的に制御する制御部410を備えている。戸別専用線通信部411は、インターホン制御装置5との通信を、専用回線を介して行う。
<データ構造>
(呼出データ)
呼出データは、上述のとおり、呼出ボタンのオン状態を示す信号、訪問者の映像データおよび音声データ、呼出ボタンがオンになった日時、に加えて、訪問者によって指定された部屋番号を含む。
(共有DB)
図16は、集合住宅共有DB312のデータ構造の一例を示す図である。集合住宅共有DB312のデータ構造は、図3に示す共有DB311のデータ構造と同様である。ただし、本実施形態では、集合住宅共有DB312において、評価者の項目には、市街区分に代えて、部屋番号、および、必要に応じて氏名が格納されている。
また、本実施形態では、評価ラベルとして、「業者」、「管理人」および「住人」の3種類がさらに設けられている。そして、集合住宅の管理人は、例えば、管理室に設置されている集合住宅管理装置としてのPCを用いて、管理人および集合住宅の住人に関する共有レコードを生成し、集合住宅共有DB312に登録してもよい。例えば、管理人は、集合住宅の管理人に関して、「管理人」の評価ラベルを付与する。また、管理人は、集合住宅の住人に関して、「住人」の評価ラベルを付与する。管理人または住人の来訪が、各戸にとって初めてであっても、戸別子機7には、管理人が事前に登録した管理人または住人の訪問者情報が表示される。宅内の応対者は、安心して、この呼出に応答することができる。
さらに、管理人は、業者による点検が各戸において実施される予定である場合に、入室予定の作業者の顔画像および該作業者のそれぞれが携帯する識別情報出力媒体の個体識別番号を、あらかじめ入手することが想定される。この場合、管理人は、PCを用いて、将来の訪問者についての共有レコードを集合住宅共有DB312に登録してもよい。これにより、作業の当日、作業者は、事前に通知していた識別情報出力媒体を携帯して、各戸の呼出を集合玄関機6にて行う。作業者の来訪が各戸にとって初めてであっても、戸別子機7には、管理人が事前に登録した該作業者の訪問者情報が表示される。住人は、安心して、この呼出に応答することができる。また、業者側は、居留守をつかわれることなく各戸に入室して点検作業を円滑に進めることができる。
なお、本実施形態において、セールスまたは勧誘などを目的として訪問者は、1つの集合住宅の中で、同じ時間帯にまとめて複数の戸に対して呼出を行うことが想定される。この場合、インターホン制御装置5の情報取得部22は、自宅を訪問してきた訪問者について、集合住宅共有DB312を参照し、同じ訪問者が、同日に他の複数の戸を訪問しているという履歴(複数の共有レコード)を取得できる。そこで、このような場合には、出力制御部23は、訪問者情報507のコメント欄に「訪問者はセールス/勧誘の可能性あり」などのメッセージを表示してもよい。
〔実施形態4〕
本実施形態では、訪問者による訪問が行われた位置、すなわち、インターホンシステム100または200の設置位置を示す位置情報を用いて、共有DB311における検索時間を短縮する。これにより、共有DB311の共有規模が非常に大きく、共有DB311に膨大な量の共有レコードが登録されていたとしても、自宅周辺における訪問者情報を含む共有レコードだけを効率よく探索することが可能となる。
本実施形態では、共有DB311の共有レコードは、図3に示す項目に加えて、インターホンシステム100(200)の設置位置を示す位置情報を格納するための「位置情報」の項目を含む。位置情報の項目には、訪問者による訪問が行われた位置を示す位置情報が格納される。位置情報は、例えば、インターホンシステム100(200)の設置位置を基準に決定される。位置情報としては、一例として、被訪問者の自宅の緯度経度情報、住所、郵便番号、市街区分などが採用される。位置情報は、該共有レコードの供給元である宅内親機1(インターホン制御装置5)から、共有サーバ3に対して通知されてもよい。あるいは、共有サーバ3が、共有レコードの供給元である宅内親機1(インターホン制御装置5)のIPアドレスに基づいて位置情報を算出してもよい。
玄関子機2(集合玄関機6)において訪問者からの呼出が受け付けられると、宅内親機1(インターホン制御装置5)において、DB利用ユニット20の情報取得部22は、まず、共有DB311から、自宅の近隣において行われた訪問についての共有レコードを抽出する。例えば、位置情報として、緯度経度情報が採用されている場合、情報取得部22は、例えば、自宅(ユーザUの居住位置)の半径1km程度の範囲内で行われた訪問についての共有レコードを抽出する。そして、情報取得部22は、抽出した近隣の共有レコードの中から、同じ訪問者について過去の訪問履歴があるかどうかを検索する。あるいは、位置情報として、市街区分が採用される場合、情報取得部22は、自宅が属する地区または町内で行われた訪問に絞って目的の共有レコードを検索することができる。上述の構成によれば、共有レコードを探索する範囲が大幅に限定されるので、検索を高速に行うことができる。
〔実施形態5〕
本実施形態では、共有DB311において共有されていない訪問者、すなわち、共有範囲において初めて来訪する未知の訪問者が、自宅に来訪した場合に、インターホンシステム100または200は、該未知の訪問者に対して、威嚇情報の提示を行う。これにより、万一、該未知の訪問者が、望ましくない人物(犯罪、いたずら、勧誘、または、セールスなどの不適切な目的のために来訪した人物)であったとしても、該人物に対して、目的の達成を抑止する効果がある。結果として、訪問者が未知の場合であっても、被訪問者が訪問者に対して望まない対応を強いられることを回避することができる。
DB利用ユニット20の情報取得部22によって、同一訪問者の過去の訪問者情報を含んだ共有レコードが取得されなかった場合、提示制御部25は、宅内のユーザUが音声入力部16を用いて入力した、訪問者に対する応答の音声データに、威嚇音声データを合成してもよい。これにより、玄関子機2(集合玄関機6)の音声出力部215からは、ユーザUの音声に交じって、威嚇音声が出力され、訪問者の耳に届くことになる。
威嚇音声データ(威嚇情報)は、例えば、大人数の笑い声、犬の鳴き声、成人男性の声、「あなたが携帯する携帯電話の個体識別番号を記録しています。」などのメッセージの自動音声などのデータであることが想定される。あるいは、提示制御部25は、ユーザUの音声データを成人男性の声に聞こえるように変換してから音声出力部215に出力させてもよい。この場合、成人男性の声に変換されたユーザUの音声データが威嚇情報となる。提示制御部25は、前記メッセージ(威嚇情報)を、玄関子機2の表示部212に表示させてもよい。
上述の構成によれば、訪問者が万一望ましくない人物であったとしても、該訪問者は、宅内の大勢の人、成人男性、または、犬などの存在を感じ取ったり、自身の素性を特定されると恐れたりして、目的を達成するための行動を起こしにくくなる。
なお、提示制御部25は、例えば、ユーザUが、該訪問者に対して、良い評価(例えば「いいね」など)を付与することにより、威嚇音声の出力を停止させてもよい。あるいは、出力制御部23は、タッチパネル12に、威嚇音声の出力を停止するためのUIを表示してもよい。
〔実施形態6〕
前記各実施形態では、1つの共有サーバ3を用いる例を説明したが、共有サーバ3の有する各機能が、個別のサーバにて実現されていてもよい。そして、複数のサーバを適用する場合においては、各サーバは、同じ事業者によって管理されていてもよいし、異なる事業者によって管理されていてもよい。
〔実施形態7〕
宅内親機1、玄関子機2、共有サーバ3、インターホン制御装置5、集合玄関機6および戸別子機7の各ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、宅内親機1、玄関子機2、共有サーバ3、インターホン制御装置5、集合玄関機6および戸別子機7のそれぞれを、図17に示すようなコンピュータ(電子計算機)を用いて構成することができる。
図17は、宅内親機1、玄関子機2、共有サーバ3、インターホン制御装置5、集合玄関機6または戸別子機7として利用可能なコンピュータ910の構成を例示したブロック図である。コンピュータ910は、バス911を介して互いに接続された演算装置912と、主記憶装置913と、補助記憶装置914と、入出力インターフェース915と、通信インターフェース916とを備えている。演算装置912、主記憶装置913、および補助記憶装置914は、それぞれ、例えばプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)、RAM(random access memory)、ハードディスクドライブであってもよい。入出力インターフェース915には、ユーザがコンピュータ910に各種情報を入力するための入力装置920、および、コンピュータ910がユーザに各種情報を出力するための出力装置930が接続される。入力装置920および出力装置930は、コンピュータ910に内蔵されたものであってもよいし、コンピュータ910に接続された(外付けされた)ものであってもよい。例えば、入力装置920は、キーボード、マウス、タッチセンサなどであってもよく、出力装置930は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカなどであってもよい。また、タッチセンサとディスプレイとが一体化されたタッチパネルのような、入力装置920および出力装置930の双方の機能を有する装置を適用してもよい。そして、通信インターフェース916は、コンピュータ910が外部の装置と通信するためのインターフェースである。
補助記憶装置914には、コンピュータ910を宅内親機1、玄関子機2、共有サーバ3、インターホン制御装置5、集合玄関機6または戸別子機7として動作させるための各種のプログラムが格納されている。そして、演算装置912は、補助記憶装置914に格納された前記プログラムを主記憶装置913上に展開して該プログラムに含まれる命令を実行することによって、コンピュータ910を、宅内親機1、玄関子機2、共有サーバ3、インターホン制御装置5、集合玄関機6または戸別子機7が備える各部として機能させる。なお、補助記憶装置914が備える、プログラム等の情報を記録する記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な「一時的でない有形の媒体」であればよく、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブル論理回路などであってもよい。また、記録媒体に記録されているプログラムを、主記憶装置913上に展開することなく実行可能なコンピュータであれば、主記憶装置913を省略してもよい。なお、前記各装置(演算装置912、主記憶装置913、補助記憶装置914、入出力インターフェース915、通信インターフェース916、入力装置920、および出力装置930)は、それぞれ1つであってもよいし、複数であってもよい。
また、前記プログラムは、コンピュータ910の外部から取得してもよく、この場合、任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して取得してもよい。そして、本発明は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔変形例〕
近距離無線通信部216は、戸建てのインターホンシステム100において、玄関子機2ではなく宅内親機1に設けられてもよい。この場合にも、実施形態1と同様の効果が得られる。ただし、玄関子機2に近距離無線通信部216が設けられている構成の方が、受信感度または受信方向が制限されるので、被訪問者の呼出のために玄関子機2に近づいた訪問者の個体識別番号を、効率よく(可能な限りノイズを少なくして)収集できるため、好ましい。
近距離無線通信部216は、集合住宅のインターホンシステム200において、各戸の宅外(各戸のドア付近)に設置されている不図示の戸別玄関子機(呼出装置)にも設けられていることが好ましい。訪問者が、何らかの方法で、集合玄関ドアを開錠して、各戸のドア前までたどり着けた場合に、戸別玄関子機が該訪問者の呼出を受け付けて戸別子機7に通知する。戸別子機7は、インターホン制御装置5に呼出データを転送し、インターホン制御装置5から該訪問者の訪問者情報を受け取ることができる。これにより、被訪問者は、訪問者が集合玄関機6を通過した後であっても、自宅のドアを開ける前に、宅内の戸別子機7で、訪問者の素性を確認することができる。
訪問者の個体識別番号が検出されない場合、提示制御部25は、該訪問者による呼出のための操作を受け付けないように、玄関子機2を制御してもよい。
訪問履歴管理部32は、訪問者の画像データに加えて、音声出力部215によって集音された訪問者の音声データを、訪問者の特徴を表す訪問者情報として訪問履歴テーブル42に記録してもよい。音声キャプチャ部52は、訪問者の音声データをキャプチャすると、これを音声出力部13に出力することに加えて、訪問履歴管理部32に供給する。ここで、音声キャプチャ部52は、音声データを解析して、該音声データから抽出される特徴量(周波数スペクトラムなど)を音声データに代えて訪問履歴管理部32に供給してもよい。
情報取得部22によって取得された訪問者に関する共有レコードの中に、カスタムラベルが含まれている場合、出力制御部23は、該カスタムラベルに基づく音声を音声出力部13に出力させてもよい。例えば、予め「“カスタムラベル”が来たよ!」というひな型音声データを記憶部11に記憶させておく。出力制御部23は、訪問者について、「おじいちゃん」というカスタムラベルが取得された場合、「おじいちゃん」という自動音声データを生成し、これを、前記ひな型音声データと組み合わせる。出力制御部23は、このようにして生成された「おじいちゃんが来たよ!」という自動音声データを、音声出力部13に出力させる。
共有サーバ3の共有DB311または集合住宅共有DB312において、登録されている共有レコードに有効期限が設けられていてもよい。これにより、登録時期が古い個体識別番号について、再評価の機会が与えられる。なお、該共有レコードに付与されている評価ラベルごとに異なる有効期限が設けられていてもよい。例えば、評価ラベル「いいね」または「町内」が付与された共有レコードの有効期限を、評価日から1年に設定してもよい。評価ラベル「迷惑」の共有レコードの有効期限を、評価日から3年に設定してもよい。評価ラベル「集金」の共有レコードの有効期限を、評価日から3か月に設定してもよい。共有サーバ3は、有効期限を過ぎた共有レコードを共有DB311または集合住宅共有DB312から削除する。
宅内親機1または戸別子機7のタッチパネル12は、サブ領域126において、訪問者について、直近の1件の訪問者情報を表示するだけでなく、共有DB311(または集合住宅共有DB312)において共有されている、同じ訪問者の過去の訪問者情報を全件時系列で表示してもよい。
一度に複数人の訪問者が訪問することも想定される。すなわち、操作部211(呼出ボタン)に対する1回の操作に対して、複数の個体識別番号が検出されるケースが想定される。この場合、DB構築ユニット30の各部は、1回の訪問について、訪問者ごとに共有データが作成されるように、その時に検出された各訪問者の個体識別番号ごとに、訪問レコードおよび共有準備レコードを生成することができる。ここで、DB構築部34は、ユーザUから、評価ラベルの選択を1度受け付けて、その同じ評価ラベルを、すべての訪問者に対して付与してもよい。
一方、DB利用ユニット20の各部は、1回の訪問について、複数人の訪問者を識別した場合には、その訪問者それぞれについて、共有レコードを共有DB311(集合住宅共有DB312)から取得し、訪問者ごとの訪問者情報を、タッチパネル12に表示してもよい。出力制御部23は、サブ領域126に、複数人の訪問者情報を一度に表示できない場合には、切り替えボタンを画面に設けて、複数人の訪問者情報を切り替えて表示してもよい。あるいは、出力制御部23は、複数人の訪問者情報を統合してサブ領域126に表示してもよい。出力制御部23は、各訪問者の評価ラベルを多数決に基づいて1つ決定し、決定した評価ラベルを、その訪問者グループの統合評価ラベルとしてサブ領域126に表示してもよい。例えば、3人の訪問者のうち、2人の評価ラベルが「迷惑」、1人の評価ラベルが「いいね」であるケースでは、出力制御部23は、多数決で評価ラベル「迷惑」をその訪問者グループの統合評価ラベルとしてサブ領域126に表示する。あるいは、出力制御部23は、訪問者グループの評価ラベルの内訳に基づいて多数派の割合を決定し、多数派の評価ラベルと該多数派の割合とをその訪問者グループの統合評価ラベルとしてサブ領域126に表示してもよい。例えば、上述のケースでは、「『迷惑』の可能性67%」をその訪問者グループの統合評価ラベルとしてサブ領域126に表示する。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る応答制御装置(宅内親機1、インターホン制御装置5)は、被訪問者であるユーザ(U)を呼び出すために訪問者が操作する呼出装置(玄関子機2、集合玄関機6)と通信して、該訪問者の来訪を該ユーザに通知する応答制御装置であって、前記訪問者が携帯する識別情報出力媒体(機器、カード)から送信された識別情報(個体識別番号、BDアドレス、MACアドレス、IDm)を取得する識別部(訪問者識別部21)と、前記識別情報の取得成否または取得された識別情報に応じて、前記ユーザに前記来訪を通知する際の通知態様、および、前記呼出装置を介して前記訪問者に情報を提示する際の提示態様の少なくともいずれか一方の制御を行う応答制御部(出力制御部23、転送制御部24、提示制御部25)と、を備えている。これにより、被訪問者が訪問者に対して望まない対応を強いられることを回避するという効果を奏する。
本発明の態様2に係る応答制御装置は、前記態様1において、訪問者に関する訪問者情報を、該訪問者の識別情報に対応付けて記憶する記憶部(共有DB311、集合住宅共有DB312)から、前記取得された識別情報に対応付けられた訪問者情報を取得する取得部(情報取得部22)を備え、前記応答制御部は、前記記憶部から取得された訪問者情報に応じて、前記制御を行ってもよい。これにより、被訪問者が訪問者に対して望まない対応を強いられることを回避するという効果を奏する。
本発明の態様3に係る応答制御装置は、前記態様2において、前記訪問者情報は、自装置の前記ユーザ、または、他の応答制御装置の他のユーザが、前記訪問者に対して下した評価を含んでいることが好ましい。これにより、被訪問者が訪問者に対して望まない対応を強いられることを回避するという効果を奏する。
本発明の態様4に係る応答制御装置は、前記態様3において、前記応答制御部は、前記訪問者情報が取得されなかった場合、または、取得された前記訪問者情報が低い評価を含んでいる場合に、前記ユーザに対して警戒を促す警告とともに前記来訪を通知することを前記ユーザの宅内に設けられた通知部または前記ユーザが携帯する通知部に実行させること、および、前記訪問者に対して威嚇情報を提示することを前記呼出装置に実行させること、の少なくともいずれか一方を実行することが好ましい。これにより、被訪問者が訪問者に対して望まない対応を強いられることを回避するという効果を奏する。
本発明の態様5に係る応答制御装置は、前記態様2から4のいずれか1態様において、前記記憶部において、前記訪問者の前記識別情報と前記訪問者情報とが対応付けられたレコード(共有レコード)に対して、該訪問者による訪問を受けた被訪問者の応答制御装置が設置されている位置(設置位置)を示す位置情報が関連付けられており、前記取得部は、自装置が設置されている位置を基準とする所定範囲に含まれる位置情報が関連付けられているレコードを前記記憶部から抽出してもよい。これにより、自宅近所への訪問に基づくレコードに絞って、訪問者情報を参照できる。したがって、目的のレコードを検索する時間を大幅に短縮することが可能となる。
本発明の態様6に係る制御方法は、被訪問者であるユーザを呼び出すために訪問者が操作する呼出装置と通信して、該訪問者の来訪を該ユーザに通知する応答制御装置の制御方法であって、前記訪問者が携帯する識別情報出力媒体から送信された識別情報を取得する識別ステップ(S102、S205)と、前記識別情報の取得成否または取得された識別情報に応じて、前記ユーザに前記来訪を通知する際の通知態様、および、前記呼出装置を介して前記訪問者に情報を提示する際の提示態様の少なくともいずれか一方の制御を行う応答制御ステップ(S104〜S119)と、を含む。前記の方法によれば、態様1と同様の効果を奏する。
本発明の各態様に係る応答制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記応答制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記応答制御装置をコンピュータにて実現させる応答制御装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。