JP2019049762A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着ニップ部における圧力ピークが過度に大きくなってしまうことによる画像品質への影響を抑制し、かつ装置の寿命の低下を抑制する。【解決手段】ヒータホルダ41は、定着ニップ部N2のうち少なくとも記録材Pの搬送方向における定着ニップ部N2の中央部以外の部分の中で最も大きな力で記録材Pを加圧する突出部41bを有する定着装置において、加圧ローラ20は、軸方向において、径が第1の径である第1径部と、径が第1の径よりも大きい第2の径である第2径部を有し、突出部41bにおいて、第2径部と互いに圧接する部分から加圧ローラ20の中心軸までの最短距離は、第1径部と互いに圧接する部分から加圧ローラ20の中心軸までの最短距離よりも長いことを特徴とする。【選択図】図8

Description

本発明は、定着装置に関するものである。
従来、複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置に搭載される定着装置としては、フィルム加熱方式のものが広く用いられている。フィルム加熱方式の定着装置は、加熱源としてのセラミックス製のヒータと、耐熱性の定着フィルムと、加圧ローラを有する。また、フィルム加熱方式の定着装置は、定着フィルムの内周面側で定着フィルムを支持する支持部材を有し、定着フィルムを介して支持部材と加圧ローラとで内周ニップ部を形成する。このような構成の定着装置は、定着フィルムと加圧ローラとで定着ニップ部を形成し、この定着ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ記録材上の未定着トナー像を加熱定着する。
また、フィルム加熱方式の定着装置として、内周ニップ部において加圧ローラに向けて突出する突出部を支持部材が有する構成が知られている(特許文献1)。突出部によりニップ部内に局所的に加圧力の高い部分を形成することで、総加圧力を上げることなく光沢紙等に定着されたトナー像の光沢度を向上させることが可能となる。
また、定着ニップ部において記録材の搬送方向の下流側に圧分布のピークを形成するために、突出部を記録材の搬送方向の下流側に設ける構成が知られている。突出部が記録材の搬送方向の下流側にあることで、定着ニップ部で記録材上のトナー像が十分に軟化もしくは溶融した状態で高い圧力を与えることができ、光沢紙等に定着されたトナー像の光沢度を向上させることが可能である。
一方、上記のようなフィルム加熱方式の定着装置における加圧ローラとして、長手方向において、中央部から端部にむけてその外径が徐々に大きくなる形状、所謂逆クラウン形状の加圧ローラが知られている(特許文献2)。これは、記録材を定着ニップ部で搬送する際に、長手方向の中央部に比べて端部に近づく程、記録材を相対的に速く搬送することを意図したものである。このように、中央部に対して端部の搬送速度を速くすることにより、定着ニップ部における記録材の歪みや撓みの発生を抑制し、記録材の皺の発生を抑制することができる。
特開平10−198200号公報 特開2003−228246号公報
ここで、支持部材に突出部を設ける構成において、記録材の搬送方向の上流側又は下流側に突出部を設けた場合、以下のような課題があった。定着ニップ部の幅(以下、定着ニップ幅)は長手方向で一様とは限らない。長手方向で部分的に定着ニップ幅が異なる場合、突出部の侵入量も部分的に異なる。具体的には、相対的にニップ幅が広い部分の侵入量は、定着ニップ幅が細い部分の侵入量よりも高くなる。侵入量の差は圧力ピークの差になり、侵入量が高い部分ほど圧力ピークも大きくなる。
したがって、端部の定着ニップ幅が中央部よりも相対的に広い形状(以下、端太ニップ
とする)の場合、圧力ピークは中央部よりも端部の方が大きくなる。逆に中央部の定着ニップ幅が端部よりも相対的に広い形状(以下、中太ニップと呼称する)の場合、圧力ピークは端部よりも中央部の方が大きくなる。記録材の皺を防止する点では、あえて端太ニップを形成することが好ましいが、その場合、上記のように端部と中央部で圧力ピークに差が生じる。
このような長手方向の圧力ピークの差は、記録材上に定着されたトナー像の光沢度の差になる。圧力ピークが高い部分は光沢度が高く、圧力ピークが低い部分は光沢度が低くなるため、例えば端太ニップの構成では端部の光沢度が高い一方で中央部の光沢度が低くなってしまう。このような光沢度のムラは、画像のムラとして画像品質を落としてしまう問題となる。
さらに圧力ピークの差は定着フィルムの表面の摩耗量の差にもなる。定着フィルムの表面は、記録材との摺擦により徐々に摩耗する。これに対して、圧力ピークが高いほど定着フィルムと記録材の摺擦が大きくなるため、摩耗量も大きくなる。したがって、長手方向で定着ニップ幅に差がある場合には、長手方向で摩耗量にも差が生じる。このように長手方向で摩耗量に差が生じると、定着フィルムの厚みに長手方向でムラが生じることになる。厚みのムラは、ヒータから定着フィルムを介して伝わる熱量の差になるため、摩耗量が大きい箇所は厚みが薄い分、記録材に付与される熱量が相対的に多くなる。この摩耗量の差が大きいと部分的な加熱ムラの影響も無視できなくなる。すると、これがやはり光沢度のムラ、画像のムラとして現れてくる問題となる。
また、トナー像が定着フィルム上に転移することを防止するために、定着フィルム表面に離型層を設けた構成では、表面の離型層の摩耗量が寿命に影響する。具体的には、摩耗によって離型層が完全に失われると、トナー像が定着フィルムに付着して剥がれなくなる。したがって、離型層の摩耗の進行が速いほど離型層が完全に失われるまでの時間が短くなるため、装置の寿命が短くなる。
ところで、この定着フィルム表面の摩耗に関しては、圧力ピークに長手方向のムラがない状態でも記録材端部のへりに該当する部分が最も多い傾向にある。これは、記録材のへりは製紙時の切断部であるため粗くなっていること、および、この粗い部分が定着フィルムと線状に常に同一位置で接触するためである。これに加えて、記録材のへりに該当する部分は記録材の非通紙部との境界になるため、連続通紙した際の非通紙部昇温の影響も受ける。定着フィルムの離型層は、その材料によっては、非通紙部昇温のような過度の加熱によって耐摩耗性が落ちるものもある。したがって、そのような離型層材料を用いた場合、記録材のへりとの摺擦による摩耗が促進される。定着フィルムの記録材のへりに該当する部分は、最初は細い線状に削れ、やがてそこを起点として徐々に定着フィルム中央部に向かって摩耗が広がっていく。端太ニップの構成では端部の圧力ピークが大きいため、記録材のへりに該当する部分の摩耗をさらに促進してしまい、中太ニップの構成よりも装置の寿命が短くなる。
上記課題に鑑みて、本発明は、定着ニップ部における圧力ピークが過度に大きくなってしまうことによる画像品質へ影響を抑制し、かつ装置の寿命の低下を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明に係る定着装置は、
筒状のフィルム部材と、前記フィルム部材の内周面に当接する当接部材と、前記フィルム部材を介して前記当接部材と互いに圧接するように設けられ、前記フィルム部材と共に定着ニップ部を形成するローラ部材とを有し、前記定着ニップ部で記録材を挟持搬送しつ
つ、未定着トナー像を記録材に定着する定着装置であって、
前記当接部材は、前記ローラ部材の中心軸に向けて突出する突出部であって、前記定着ニップ部のうち少なくとも記録材の搬送方向における前記定着ニップ部の中央部以外の部分の中で最も大きな力で記録材を加圧する突出部を有する定着装置において、
前記ローラ部材は、前記ローラ部材の軸方向において、径が第1の径である第1径部と、径が前記第1の径よりも大きい第2の径である第2径部を有し、
前記突出部において、前記第2径部と互いに圧接する部分から前記中心軸までの最短距離は、前記第1径部と互いに圧接する部分から前記中心軸までの最短距離よりも長いことを特徴とする。
また、本発明に係る定着装置は、
筒状のフィルム部材と、前記フィルム部材の内周面に当接する当接部材と、前記フィルム部材を介して前記当接部材と互いに圧接するように設けられ、前記フィルム部材と共に定着ニップ部を形成するローラ部材とを有し、前記定着ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ、未定着トナー像を記録材に定着する定着装置であって、
前記当接部材は、前記ローラ部材の中心軸に向けて突出する突出部であって、前記定着ニップ部のうち少なくとも記録材の搬送方向における前記定着ニップ部の中央部以外の部分の中で最も大きな力で記録材を加圧する突出部を有する定着装置において、
前記ローラ部材は、前記ローラ部材の軸方向において、前記搬送方向における前記定着ニップ部の幅が第1の幅となる第1径部と、前記第1の幅よりも大きい第2の幅となる第2径部を有し、
前記突出部において、前記第2径部と互いに圧接する部分から前記中心軸までの最短距離は、前記第1径部と互いに圧接する部分から前記中心軸までの最短距離よりも長いことを特徴とする。
また、本発明に係る定着装置は、
筒状のフィルム部材と、前記フィルム部材の内周面に当接する当接部材と、前記フィルム部材を介して前記当接部材と互いに圧接するように設けられ、前記フィルム部材と共に定着ニップ部を形成するローラ部材とを有し、前記定着ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ、未定着トナー像を記録材に定着する定着装置であって、
前記当接部材は、前記ローラ部材の中心軸に向けて突出する突出部であって、前記定着ニップ部のうち少なくとも記録材の搬送方向における前記定着ニップ部の中央部以外の部分の中で最も大きな力で記録材を加圧する突出部を有する定着装置において、
前記突出部は、前記ローラ部材の軸方向において、突出量が第1の突出量の第1突出部と、突出量が前記第1の突出量よりも大きい第2の突出量の第2突出部を有し、
前記第2突出部の方が、前記第1突出部よりも前記搬送方向において前記定着ニップ部の中央部から離れて設けられることを特徴とする。
本発明によれば、定着ニップ部における圧力ピークが過度に大きくなってしまうことによる画像品質への影響を抑制し、かつ装置の寿命の低下を抑制することができる。
本実施例に係る画像形成装置の全体構成を示す概略断面図 実施例1の定着装置を示す図 実施例1の定着装置を示す模式図 実施例1の加圧ローラを示す図 実施例1の定着ニップ部と内面ニップ部の形状を示す図 実施例1のヒータホルダとヒータを示す図 実施例1のヒータホルダとヒータを示す断面図 実施例1のニップ部に対する突出部の位置関係を説明する図 従来例のヒータホルダとヒータを示す図 従来例のヒータホルダとヒータを示す断面図 従来例のニップ部に対する突出部の位置関係を説明する図 実施例1と従来例の圧分布を示すグラフ 実施例1と従来例の光沢度に関して長手方向の分布を比較したグラフ 摩耗量の推移について従来例と実施例1を比較したグラフ 実施例2のヒータホルダとヒータを示す図 実施例2のニップ部に対する突出部の位置関係を示す図 実施例2と実施例1の突出部による長手方向の圧分布を比較したグラフ 実施例3のヒータホルダとヒータを示す図 実施例3のニップ部に対する突出部の位置関係を示す図 実施例1〜3の圧力ピークについて長手方向の分布を比較したグラフ 実施例4のニップ部に対する突出部の位置関係を示す図 実施例4のヒータホルダとヒータをヒータ取付面側から見た図 実施例5の圧力のピークについて説明する図 実施例5のヒータホルダとヒータを示す図 実施例6における定着ニップ部の形状を示す図 実施例6と従来例2の構成を比較して説明する図 実施例6及び従来例2の圧分布を示すグラフ 実施例7について説明する図 実施例7のニップ形成部材を示す図 実施例8の加圧フィルム方式の定着装置の模式図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(1)画像形成装置の全体構成
まず、図1を参照して、本発明の実施例(以下、本実施例という)に係る画像形成装置の全体構成について説明する。図1は、本実施例に係る画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。以下、画像形成装置の一例として、感光ドラム1を複数備えたフルカラーレーザビームプリンタ(以下、単にプリンタという)71を用いて説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、感光ドラムを1つ備えたモノクロの複写機、プリンタであってもよい。
図1に示すように、プリンタ71は、主な構成として、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの各色に対応する画像形成ステーション7Y、7M、7C、7K、中間転写ベルト29、二次転写ローラ63、定着装置72を備えている。なお、以下、特に区別を要しない場合、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して説明を行う。
また、プリンタ71の下部には、カセット61が引き出し可能に収納されている。カセット61には紙等の記録材Pが積載収容される。記録材Pはピックアップローラ62により給紙カセット61から給送され、フィード・リタードローラ対14により1枚毎に分離され、レジストローラ15に給送される。
各画像形成ステーション7には、像担持体としての感光ドラム1、帯電装置2、現像装置4、クリーニングブレード6、一次転写部8が設けられている。帯電装置2は、感光ドラム1の表面を一様に帯電する。現像装置4は、感光ドラム1上に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像ローラ5を有している。一次転写部8は、感光ドラム1上に形成されたトナー像を中間転写ベルト29上に一次転写する。クリーニングブレード6は、一次転写されずに感光ドラム1上に残留したトナーを除去する。
さらに、画像形成ステーション7の下側には、帯電処理された各感光ドラム1に画像情報に基づいてレーザービームを照射して、各感光ドラム1上に静電潜像を形成するレーザースキャナ3Y、3M、3C、3Kが配置されている。一次転写部8で転写された中間転写ベルト29上のトナー像は、対向ローラ67と二次転写ローラ63によって形成される二次転写部N1で記録材Pに二次転写される。二次転写部N1で記録材Pに転写されずに中間転写ベルト29上に残った二次転写残トナーはベルトクリーニング装置66によって除去されて回収される。二次転写部N1を通過した記録材Pは、その後、定着装置72を通過し、トナー像が記録材P上に定着される。
トナー像が定着された記録材Pは、その後、排出ローラ対64に搬送される。排出ローラ対64を通過後、記録材Pは記録材積載部65に排出される。なお、本実施例におけるプリンタ71は、A3サイズの記録材を通紙可能であり、記録材Pの通紙可能幅は、搬送方向に直交する方向に320mmまで対応している。
(実施例1)
(2)定着装置
次に、図2、図3を参照して、本発明の実施例1の定着装置について説明する。図2は、実施例1の定着装置を示す図であって、図2(a)は概略断面図であり、図2(b)は図2(a)の定着ニップ部付近の拡大図である。図3は、実施例1の定着装置の模式図である。以下の説明において、定着装置72および定着装置72を構成する部材に関して、長手方向とは、加圧ローラ20の軸方向、すなわち記録材Pの搬送方向と直交する方向である。なお、図2において定着装置72の向きは、説明の便宜上、図1の向きを90度回転して図示している。
実施例1の定着装置72は、円筒状の可撓性のフィルム部材としての定着フィルム10と、定着フィルム10に圧接して設けられる加圧ローラ20を有する、加圧ローラ駆動式・フィルム加熱方式の装置である。加圧ローラ20は回転駆動し、定着フィルム10を従動回転させる。そして、定着フィルム10と加圧ローラ20とで形成される定着ニップ部N2において、記録材Pを挟持搬送しつつ、記録材P上のトナー像を加熱し、記録材P上に定着する。
また、図2、図3に示すように、定着装置72は、加熱体としてのヒータ30、保持部材としてのヒータホルダ41、剛性加圧部材としての加圧ステー42、加圧力付勢手段としての加圧手段43、規制部材としての定着フランジ45を有する。ヒータ30、定着フィルム10、ヒータホルダ41、加圧ステー42および加圧ローラ20は、何れも長手方向に細長い部材である。定着フランジ45は、定着フィルム10の長手方向への移動を規制する。なお、実施例1のヒータ30及びヒータホルダ41が、本発明の当接部材に対応する構成であり、定着フィルム10の内周面に当接して設けられている。
2−1)定着フィルム
定着フィルム10は、耐熱性と可撓性を有する材料によりエンドレスのフィルム状に形成されている基層11と、その基層11の外周面上に設けられている離型層12とを有する。また、定着性向上、画質向上のために、その基層11の外周面上で、離型層12の内
周面側との間にシリコーンゴムなどの弾性層13を有する。弾性層13を有することにより、記録材Pに担持される未定着トナー像Tを包み込むことによって均一に熱を与えることができる。しかし、弾性層13の厚みが厚すぎると熱容量が大きくなり、定着フィルム10の温度を、トナー像Tを記録材Pに定着させるために必要な温度まで到達させるのに時間が掛かってしまい、フィルム加熱方式特有のオンデマンド性が低下してしまう。そのため、弾性層13の厚みは50μm以上500μm以下にしている。また、弾性層13の熱伝導度は高いほど好ましく、0.5W/mK以上であることが好ましい。そのような熱伝導度を達成するために、ZnO、Al2O3、SiC、金属ケイ素等の熱伝導性フィラーをシリコーンゴムに混入し、熱伝導度を調整している。
基層11としては、熱伝導率の高いSUS、Ni等の薄肉金属、あるいは、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂により薄肉の可撓性を有するエンドレスベルトに形成したものを用いることもできる。基層11の外周面上には、離型層12として、PFA、PTFE、FEPなどのフッ素樹脂を単品もしくはブレンドしてコーティングするか、上記フッ素樹脂の単品あるいはブレンド品のチューブを被覆する。離型層12の厚みは、耐久性の観点から5μm以上であることが必要である。また、離型層12が厚すぎると、熱伝導度が下がってしまい定着性に悪影響を与えてしまうことから、50μm以下にする必要がある。実施例1の定着フィルム10は、基層11の材料にはSUSを用い、基層11の厚みは30μm、基層11の内径は30mmとしている。そして、弾性層13は、熱伝導度1.3W/(m・K)のシリコーンゴムを用い、厚みは275μmとしている。また、離型層12としては、PFAのチューブを用いている。離型層12の厚みは良好な定着性を得るために20μmにしている。
2−2)ヒータホルダ
ヒータホルダ41は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂により横断面半円形状樋型に形成されている。ヒータホルダ41の下面(加圧ローラ20側の面)には、図2(b)に示すように、ヒータホルダ41の長手方向に沿って凹み形状の溝41aが設けられている。そして、この凹み形状の溝41aによりヒータ30を保持している。そして、そのヒータホルダ41の外周には定着フィルム10がルーズに外嵌されている。定着フィルム10が外嵌されたヒータホルダ41は、ヒータホルダ41の長手方向両端部が装置フレーム27の不図示の両端部に保持されている。
実施例1のヒータホルダ41は、図2(b)に示すように、定着ニップ部N2において、記録材Pの搬送方向の下流側に、突出部41bを有する。この突出部41bの詳細な形状に関しては後述する。
2−3)加圧ローラ
図2(a)、図4を参照して、実施例1の加圧ローラについて説明する。図4は、実施例1の加圧ローラを示す図である。加圧ローラ20は、芯軸部21と、その芯軸部21の外周面上に設けられている少なくとも1層以上の耐熱性弾性層22と、その耐熱性弾性層22の外周面上に設けられている離型層24とを有する。耐熱性弾性層22は、例えばシリコーンゴム又はフッ素ゴムなど一般的な耐熱性ゴム弾性材料を用いることができる。離型層24は耐熱性弾性層22上にPFA、PTFE、FEPなどのフッ素樹脂を単品もしくはブレンドしてコーティングするか、上記フッ素樹脂の単品あるいはブレンド品のチューブを耐熱性弾性層22に被覆する。実施例1では、芯金21としてはφ22mmの鉄製芯金を用い、耐熱性弾性層22には厚み4mmのシリコーンゴムを用いた。離型層24としては、PFAのチューブを50um被覆させている。
図4に示すように、実施例1の加圧ローラ20は、径が長手方向の中央部(第1径部)よりも両端部(第2径部)の方が大きい、逆クラウン形状となっている。加圧ローラ20
の長手方向の端部の直径D2(第2の径)と中央部の直径D1(第1の径)との差の1/2を逆クラウン量Crとすると、実施例1の逆クラウン量Crは0.15mmである。このように加圧ローラ20を逆クラウン形状にすることで、加圧ローラ20の回転による記録材Pの搬送速度が中央部より両端部付近で速くなり、記録材Pが定着ニップ部で搬送される際に中央部から両端部に向かって引っ張られる力を受ける。そのため、記録材Pの皺の発生を抑制できる。
2−4)ヒータ
ヒータ30は、定着フィルム10の内周面に接触しながら定着フィルム10を急速加熱する板状発熱体である。このヒータ30は長手方向に細長い基板を有する。基板は、アルミナや窒化アルミ等のセラミックス基板、あるいはポリイミド、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂基板を用いることができる。その基板の裏面(加圧ローラ20と反対側の面)には、基板の長手方向に沿って例えばAg/Pd(銀パラジウム)、RuO2、Ta2N等の通電発熱抵抗層が細帯状に塗工して形成してある。また、基板の裏面には、通電発熱抵抗層の保護と絶縁性を確保するためにガラスコートが形成されている。基板の表面(加圧ローラ20側の面)には、基板の摺動性を良好にする目的で、摺動層を設けている。摺動層としては、ポリイミドやポリアミドイミドなどの耐熱性樹脂やガラスコートなどが用いられる。実施例1では、ヒータ30の基板の寸法は、長手方向を350mm、短手方向(記録材の搬送方向)を10mm、厚み方向を0.6mmとしている。
2−5)加圧ステー
加圧ステー42は剛性を有する金属等の材料により横断面下向きU字形状に形成してある。この加圧ステー42は、定着フィルム10の内側においてヒータホルダ41の上面(加圧ローラ20と反対側の面)の短手方向中央に配置されている。そして、装置フレーム27に保持されている定着フランジ45を介して加圧ステー42の長手方向両端部を加圧バネ等の加圧手段43により加圧ローラ20の軸線に向けて付勢する。これによって、ヒータ30が定着フィルム10を介して加圧ローラ20表面に押圧される。
そして、図5に示すように、ヒータ30と定着フィルム10との間に所定幅の内面ニップ部N3が形成され、定着フィルム10と加圧ローラ20との間に所定幅の定着ニップ部N2が形成される。なお、以下、説明の便宜上、内面ニップ部N3と定着ニップ部N2を総称して、ニップ部と呼ぶ場合もある。内面ニップ部N3でトナー像Tの加熱定着に必要な熱をヒータ30から定着フィルム10に伝えて、定着ニップ部N2で定着フィルム10から記録材Pへ熱を伝える。
図5は、定着ニップ部と内面ニップ部の形状を示す図である。実施例1の定着装置は、上述したように加圧ローラ20を逆クラウン形状にしているため、定着ニップ部N2および内面ニップ部N3のニップ幅は長手方向で異なり、中央部よりも端部の方が大きくなっている。
2−6)定着装置の定着動作
図3に示す制御手段としての回転駆動・温調制御部44は、プリント指令に応じて所定の回転駆動制御シーケンスを実行し、駆動源であるモータMを駆動して加圧ローラ20の芯軸部21の長手方向端部に設けられている駆動ギアGを回転させる。これにより加圧ローラ20は所定の周速度で回転する。その際、定着ニップ部N2における加圧ローラ20表面と定着フィルム10表面との摩擦力によって、定着フィルム10には加圧ローラ20の回転方向とは逆向きに回転する回転力が作用する。これにより、定着フィルム10は、定着フィルム10内面がヒータ30の摺動層に接触しながらヒータホルダ41の外側を加圧ローラ20と略同じ周速度で従動回転する。
また、回転駆動・温調制御部44は、プリント指令に応じて所定の温度制御シーケンスを実行し、ヒータ30の通電発熱抵抗層に通電する。その通電により通電発熱抵抗層が発熱しヒータ30は急速昇温して定着フィルム10を加熱する。定着フィルム10の温度は、定着フィルム10の内側に設けられている温度検知手段としてのサーミスタ35(図2(a)参照)により検知され、サーミスタ35は定着フィルム10の温度検知信号を制御部44に出力する。サーミスタ35は、プリンタ71に使用可能な各種サイズの記録材Pが必ず通過する領域に配置されている。回転駆動・温調制御部44は、サーミスタ35から温度検知信号を取り込み、その温度検知信号に基づいて定着フィルム10が所定の目標温度になるように通電発熱抵抗層への通電を制御する。
このように定着フィルム10の温度が所定の目標温度に維持された状態において、未定着トナー像Tが担持された記録材Pが入り口ガイド28に沿って定着ニップ部N2に案内され、定着フィルム10と加圧ローラ20とにより挟持搬送される。その搬送過程において記録材Pにはヒータ30により加熱されている定着フィルム10の熱と定着ニップ部N2の圧力が加えられ、その熱と圧力によってトナー像Tは記録材Pの面上に定着される。定着ニップ部N2を通過した記録材Pは定着フィルム10から曲率分離され、定着排紙ローラ26で排出される。
(3)突出部の形状
3−1)実施例1の突出部の形状
図2、図6〜図8を参照して、実施例1のヒータホルダ41の突出部41bについて詳細を説明する。図2(b)に示すように突出部41bは、加圧ローラ20の中心軸に向けて(定着フィルム10外面側に向けて)、摺動面から突出量hだけ突出している。実施例1の定着装置では突出量hを0.2mmとしている。なお、ここで摺動面とは、ヒータ30の面のうち定着フィルム10とが摺動する面をいう。突出部41bは、定着ニップ部N2のうち少なくとも記録材Pの搬送方向における定着ニップ部N2の中央部以外の部分の中で最も大きな力で記録材Pを加圧する。
図6は、実施例1のヒータホルダとヒータを示す図であって、図6(a)は外観斜視図、図6(b)はヒータ取付面側から見た図である。実施例1において、ヒータホルダ41が備える突出部41bの位置が、長手方向で異なっており、中央部に対して端部が記録材Pの搬送方向の下流側に設けられている。
図7は、実施例1のヒータホルダとヒータを示す断面図であって、図7(a)は長手方向の端部の断面図、図7(b)は長手方向の中央部の断面図である。突出部41bは、記録材Pの搬送方向において、ヒータホルダ41のヒータ取付溝41aの下流端から距離r1の位置に先端がくるように設けられている。また、内面ニップ部N3の下流端から突出部41bの先端までの距離はs1である。そして、実施例1においては、図7に示すように、長手方向の端部における突出部41bから加圧ローラ20の中心軸Oまでの最短距離をx1、長手方向の中央部における突出部41bから加中心軸Oまでの距離をx2としたとき、x1>x2の関係となっている。
実施例1では突出部41bの位置は内面ニップ部N3の位置に基づいて決められている。具体的には、距離s1が中央部と端部でほぼ等しくなるように突出部41bを配置している。実施例1の構成では、内面ニップ部N3が端部の方が中央部よりも大きい分だけ、突出部41bは端部の方が中央部に対して下流側に配置される。すなわち、突出部41bのヒータ取付溝41aの下流端からの距離r1は中央部<端部の関係となる。なお、実施例1では距離s1は2mmとしている。
図8は、実施例1の定着ニップ部と内面ニップ部に対する突出部の位置関係を説明する
図である。図8に示すように、実施例1の突出部41bは、中央部41c、端部41d、41eに分離して形成される。実施例1では、中央部41cの長さを285mm、両端部41d、41eの長さを20mmとした。
実施例1において、加圧ローラ20は逆クラウン形状であるため、内面ニップ部N3は湾曲した形状をしており、端部付近で急激にニップ幅が大きくなっている。実施例1ではこのような湾曲したニップ形状に対して、突出部41bは長手方向で直線状に形成されている。このため、突出部41bの中央部41c、端部41d、41eのそれぞれの領域内において、距離s1は全て同じではなく僅かに異なっている。
したがって、実施例1では、距離s1が中央部と端部で等しくなる位置を、中央部はA、端部はBで定義した。すなわち、中央部は位置A、端部は位置Bの位置において距離s1が等しくなるように突出部41bの位置を設定した。位置Aは、長手方向の中央に該当する位置である。位置Bは、位置Aから148.5mmの位置である。これはA4サイズ紙を横送りしたときに紙端が通過する位置である。このように定義した理由は、A4サイズの記録材が最も使用される頻度が高いからである。ただし、位置A、Bの位置はこれに限定されるものではない。例えば、位置Bは突出部41の端部41d(端部41e)の長手方向の中央に該当する位置、すなわち実施例1では位置Aから152.5mmの位置にしてもよい。なお、実施例1で具体的に示した数値は装置構成によって最適化されるものであり、この数値に限定するものではない。
3−2)従来例の突出部の形状
図9〜図11を参照して、従来例のヒータホルダ41の突出部41bについて説明する。図9は、従来例のヒータホルダとヒータを示す図であって、図9(a)は外観斜視図、図9(b)はヒータ取付面側から見た図である。従来例における突出部41bの突出量hは実施例1と同様に0.2mmである。図10は、従来例のヒータホルダとヒータを示す断面図であって、図10(a)は長手方向の端部の断面図、図10(b)は長手方向の中央部の断面図である。図11は、従来例の定着ニップ部と内面ニップ部に対する突出部の位置関係を説明する図である。
従来例では、突出部41bは記録材の搬送方向に対して長手一様に同じ位置に配置されている。ヒータホルダ41のヒータ取付溝41aの下流端から突出部41bの先端までの距離r1は、中央部41cと端部41d、41eで等しくなっている。そして、内面ニップ部N3の下流端から突出部41bまでの距離s1は、中央部>端部の関係になっている。なお、従来例では距離s1の中央部、端部における値は、それぞれ2mm、1.7mmである。
(4)実施例1の効果
次に、図12を参照して、実施例1の効果について、圧分布、光沢度、定着フィルム10の離型層12の摩耗に対する耐久性に関して、従来例と比較しながら説明する。まず、記録材Pの搬送方向の圧分布について従来例との比較結果を説明する。図12は、実施例1と従来例の定着ニップ部における圧分布を示すグラフである。図12(a)は、従来例の中央部Aと端部Bにおける記録材Pの搬送方向の定着ニップ部の圧分布である。
長手方向端部、中央部ともに、搬送方向の下流側に圧力のピークCがある。この圧力ピークCは、ヒータホルダ41の突出部41bによって形成されたものである。従来例の構成においては、端部Bでは中央部Aよりも加圧ローラ20への突出部41bの侵入量が大きいため、搬送方向の下流側に形成される圧力ピークが中央部Aより大きくなる。
一方、図12(b)は、実施例1の中央部Aと端部Bにおける記録材Pの搬送方向の定
着ニップ部の圧分布である。実施例1では、端部Bにおける突出部41bを従来例よりも記録材Pの搬送方向の下流にシフトさせたため、突出部41bの加圧ローラ20への侵入量が小さくなり、下流側の圧力ピークが従来例よりも低く形成される。このため、突出部41bによる圧力は中央部Aと端部Bでほぼ同じになる。
図12(c)は、実施例1と従来例の下流側の圧力ピークについて、長手方向の分布を比較した図である。図示したように、実施例1は中央部と端部の圧力ピークの差を従来例よりも小さくすることができる。この圧力ピークの差は、記録材P上に定着されたトナー像の光沢度の差として表れる。
また、図13は、実施例1と従来例の光沢度に関して、長手方向の分布を比較したグラフであるが、実施例1では中央部と端部の圧力ピークの差を従来例よりも小さくできたため、光沢度に関しても端部と中央部の差を小さくすることが可能となった。
次に、定着フィルム10の離型層12の摩耗に対する耐久性について従来例との比較結果を説明する。図14は、定着フィルム10の離型層12が記録材Pのへりと摺擦する部分における摩耗量の推移について、従来例と実施例1を比較したグラフである。従来例では、突出部41bにより形成される記録材Pの搬送方向の下流側の圧力ピークが大きいため、摩耗の進行が速い。一方、実施例1では、下流側の圧力ピークを従来例よりも低くしたことにより、摩耗の進行を従来例より抑えることが可能となる。
上述のように、実施例1は、従来よりも長手方向端部における圧力ピークを低く形成して、中央部とほぼ同じ圧力ピークにすることができる。したがって、実施例1は、中央部と端部の光沢度の差を小さくすることや、離型層12の摩耗に対する耐久性能を向上することが可能である。その結果、画像品質への影響を抑制でき、定着装置72の寿命の低下を抑制することができる。
なお、実施例1は、内面ニップ部N3の下流端から突出部41bの先端までの距離s1に基づいて突出部41bの位置を決めたが、必ずしもその方法に限定するものではない。長手の圧力ピークがほぼ均等になるように突出部41bが配置されればよく、例えば、定着ニップ部N2の幅に応じて突出部41bの位置を調整することで決めてもよい。これは、以降の実施例も同様である。
以上説明したように、突出部41bにおいて、加圧ローラ20の第2径部と互いに圧接する部分から加圧ローラ20の中心軸Oまでの最短距離x1が、第1径部と互いに圧接する部分から中心軸Oまでの最短距離x2も短くなるように構成した(図7参照)。以下で説明する他の実施例においても同様である。なお、実施例1においては、具体的には、第2径部と互いに圧接する部分を第1径部と互いに圧接する部分よりも、記録材Pの搬送方向の下流側に設けることで、このような構成を実現した。なお、第2径部とは第1径部よりも径の大きい部分であって、実施例1においては、加圧ローラ20の中央部が第1径部に対応し、両端部が第2径部に対応する。
(実施例2)
次に、図15〜図17を参照して、本発明の実施例2について説明する。実施例2の定着装置の基本的な構成および動作は、実施例1の定着装置と同じである。したがって、実施例1の定着装置のものと同一またはそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略し、実施例2にて特徴的な点について説明する。これは以降の実施例も同様である。
図15は、実施例2のヒータホルダとヒータを示す図であり、図15(a)は外観斜視
図であり、図15(b)はヒータ取付面側から見た図である。実施例2の突出部41bは、実施例1と同様に、記録材Pの搬送方向の中央部よりも下流側に形成されており、中央部よりも端部の方がより下流側に配置されている。そして、実施例2の突出部41bは、実施例1の突出部41bのように中央部41cと端部41d、41eの境界で不連続になっておらず、図15(b)に示すように、連続的に形成され、くの字形状になっている。
図16は、実施例2の定着ニップ部N2と内面ニップ部N3の形状に対する突出部41bの位置関係を示す図である。内面ニップ部N3が湾曲した形状をしているのは実施例1と同様である。実施例2の突出部41bは、内面ニップ部N3の下流端にある程度沿うように形成されている。具体的には、突出部41bは、中央部Aおよび端部Bにおける内面ニップ部N3の下流端と突出部41bとの距離s1が等しくなるように配置し、中央部Aと端部Bにおける突出部41bが同一直線上になるように形成する。したがって、実施例1のように、内面ニップ部N3の下流端と突出部41bとの距離s1が中央部41cと端部41d、41eの境界で急に変化することはない。
図17は、実施例2と実施例1の突出部41bによる長手方向の圧分布を比較したグラフである。図示したように、実施例1では、突出部41bは中央部41cと端部41d、41eの境界が不連続であったため、内面ニップ部N3の下流端と突出部41bとの距離s1がこの境界で急に変化し、この境界付近で圧力ピークが急に変化していた。これに対して実施例2では、突出部41bは、中央部41cと端部41d、41eの境界はなく連続して配置されているため、内面ニップ部N3の下流端と突出部41bとの距離s1は実施例1のように急に変化することはない。そのため、実施例2では、圧力ピークを長手方向で緩やかに変化させることができる。したがって、実施例2では、実施例1のような中央部41cと端部41d、41eの境界付近の圧力ピークの差を改善でき、この境界付近において光沢度のムラが少ない画像を得ることが可能になる。
(実施例3)
次に、図18〜図20を参照して、本発明の実施例3について説明する。図18は、実施例3のヒータホルダとヒータを示す図であり、図18(a)は外観斜視図であり、図18(b)はヒータ取付面側から見た図である。実施例3の突出部41bは実施例1、2のような直線状ではなく、緩やかなカーブを描く湾曲形状をしている。図19は、実施例3の定着ニップ部N2と内面ニップ部N3に対する突出部41bの位置関係を示す図である。図19に示すように、内面ニップ部N3が湾曲した形状をしているのは実施例1、2と同様である。実施例3ではこのニップ形状に対して沿うように突出部41bを湾曲して形成する。具体的には、内面ニップ部N3の下流端と突出部41bの先端までの距離s1が長手方向全域に亘って等しくなるように、突出部41bの位置を設定した。したがって、実施例1、2のように中央部A、端部Bといった限定された位置でのみ距離s1が等しくなるわけではない。
図20は、実施例1〜3の圧力ピークについて長手方向の分布を比較した図である。実施例1、2では内面ニップ部N3が湾曲しているのに対して、突出部41bは直線状に形成されていた。このため、内面ニップ部N3の下流端から突出部41bの先端までの距離s1を長手方向で一様にすることができず、僅かではあるが長手方向で圧力ピークに差が生じていた。したがって、実施例1、2では圧力ピークに起因する光沢度のムラがまだ生じる構成となっていた。
これに対して実施例3では、内面ニップ部N3の湾曲形状に合わせて、突出部41bも湾曲形状に形成した。これにより、突出部41bにより形成される圧力ピークを長手方向全域でほぼ同じにすることができる。すなわち、実施例1、2よりも更に長手方向の圧力ピークの差を改善でき、長手方向全域において光沢度のムラのない画像を得ることができ
る。
また、均等な圧力ピークが得られることにより、定着フィルム10の離型層の長手方向での摩耗ムラも更に改善できる。記録材Pのへりと定着フィルム10の摺擦による摩耗に対して、実施例1、2の構成ではターゲットとした記録材Pのサイズに対して最大の効果が出る構成となっていた。逆にいえば、ターゲットサイズ以外での摩耗量は、ターゲットサイズよりも若干多くなる可能性があった。例えば、実施例1の構成において、A4サイズをターゲットにして距離s1が等しくなる位置A、Bを決めた場合、B4サイズを縦送りする等、他のサイズを通紙するときにA4サイズよりも摩耗量が多くなる可能性があった。しかし、実施例3では、長手方向の圧力ピークが均一なため、例えばA4サイズに限らず、あらゆるサイズの記録材に対して記録材Pのへりに該当する部分の摩耗量を同じにすることができる。
以上のように実施例3では内面ニップ部N3の湾曲した形状に沿わせて、突出部41bの形状も湾曲させて形成することにより、実施例1、2と比べて更に圧力ピークのムラを減らし、光沢度や定着フィルム表面の摩耗ムラを改善することができる。尚、実施例3では、突出部41bの位置を、内面ニップ部N3の下流端からの距離s1が長手方向全域で等しくなるように設定したが、必ずしも距離s1は長手方向全域で等しくなっている必要はない。実施例3のように湾曲したニップ形状に合わせて突出部41bを湾曲させることで、光沢度のムラや定着フィルムの離型層の摩耗量のムラを改善することができる。したがって、実施例1でも述べたように距離s1に基づいて突出部41bの位置を決める必要は必ずしもなく、許容できる範囲内であれば、距離s1が長手方向で異なっていてもよい。
(実施例4)
次に、図21、図22を参照して、本発明の実施例4について説明する。図21は、実施例4の定着ニップ部N2と内面ニップ部N3に対する突出部41bの位置関係を示す図である。実施例4における定着ニップ部N2および内面ニップ部N3のニップ幅は長手方向で異なり、端部のニップ幅(第1の幅)よりも中央部のニップ幅(第2の幅)の方が大きい中太ニップになっている。このようなニップ形状にするために、端部に掛かる圧力に比べて中央部に掛かる圧力を大きくしている。具体的には、ヒータホルダ41のヒータ保持面の中央部の厚みを両端部よりも大きくして、ヒータ保持面が加圧ローラ20側へ凸形状となるようにしている。なお、実施例2においてローラ部材としての加圧ローラ20の径は長手方向で一様である。
このため、ヒータ30およびヒータホルダ41の加圧ローラ20に対する侵入量が端部に比べて中央部が大きくなり、その結果、ニップ端部に掛かる圧力に比べて中央部に掛かる圧力の方が大きくすることができる。このように、中太ニップにすることで、定着フィルム10の離型層において記録材Pのへりに該当する部分の摩耗量を、ニップ端部の圧力が大きい実施例1のような端太ニップの構成よりも抑制することができる。
図22は、実施例4のヒータホルダ41とヒータ30をヒータ取付面側から見た図である。実施例4の突出部41bは端部に対して中央部がより下流側に配置されており、湾曲形状をしている。実施例4では、内面ニップ部N3の下流端の形状に対して沿うように突出部41bを形成する。具体的には、内面ニップ部N3の下流端と突出部41bの先端との距離s1が長手方向全域に亘って等しくなるように、突出部41bの位置を設定する。このようにすることで、突出部41bにより形成される圧力ピークを長手方向全域でほぼ同じにすることができる。したがって、長手方向全域における光沢度のムラのない画像を得ることが可能になる。
また、均等な圧力ピークが得られることにより、定着フィルム10の離型層の長手方向での摩耗ムラも改善できる。実施例1の説明で記載した従来例のように突出部41bを長手方向でストレートに配置した場合、内面ニップ部N3の下流端から突出部41bまでの距離s1は端部に比べて中央部が小さくなる。したがって、突出部41bにより形成される圧力ピークは長手方向中央部で大きくなる。その結果、中央部における定着フィルム10の離型層の摩耗量が大きくなり、長手方向での摩耗ムラが発生してしまっていた。これに対して、実施例4では、長手方向で均等な圧力ピークが得られるため、中央部における摩耗を抑制できる。
以上のように実施例4では、内面ニップ部N3を中太ニップ形状とし、内面ニップ部N3の湾曲した形状に沿わせて、突出部41bの形状も湾曲させて形成した。このような構成により、圧力ピークのムラを減らし、光沢度や定着フィルム表面の摩耗ムラを改善することができる。なお、突出部41bの形状は、湾曲した形状に限定するものではない。例えば、突出部41bを直線状に配置し、端部に対して中央部をより下流側にずらして配置したような形状でもよい。他にも、突出部41bを端部に対して中央部がより下流側に配置して、くの字形状になっていてもよい。
(実施例5)
次に、図23、図24を参照して、本発明の実施例5について説明する。図23は、実施例5の圧力のピークについて説明する図である。図23(a)は、実施例5における定着装置のニップ部の拡大図である。図23(b)は、実施例5の内面ニップ部における記録材Pの搬送方向の圧分布図である。図示したように、実施例5では、ヒータホルダ41の突出部41bが、記録材Pの搬送方向の上流側にある。この場合、定着フィルム10と加圧ローラ20によって形成される記録材Pの搬送方向の圧分布は、記録材Pの搬送方向の上流側に圧力ピークCをもつことになる。
このように、記録材Pの搬送方向の上流側に圧力ピークを設けることで、定着フィルム10の表面を加圧ローラ20に沿わせることができ、定着ニップ部N2の上流端と内面ニップ部N3の上流端の距離(以下、u3と呼称する)を大きくすることができる。その結果、記録材Pが内面ニップ部N3に到達するまでの間に、記録材Pを暖める時間が長くなることでプレヒート効果が得られ、良好な定着性や光沢度を得ることができる。
図24は、実施例5のヒータホルダとヒータを示す図であり、図24(a)は外観斜視図であり、図24(b)はヒータ取付面側から見た図である。内面ニップ部N3が湾曲した形状をしているのは実施例1から実施例3と同様であるが、このニップ形状に対して沿うように突出部41bを形成する。具体的には、内面ニップ部N3の上流端と突出部41bまでの距離(以下、s3と呼称する)が長手方向全域に亘って等しくなるように、突出部41bの位置を設定した。これにより、突出部41bにより形成される圧力ピークを長手方向全域でほぼ同じにすることができる。
そして、均等な圧力ピークが得られることにより、定着フィルム10の離型層が記録材Pの端部と摺擦する部分における摩耗量を改善できる。従来例のように、突出部41bを長手方向でストレートに配置した場合、内面ニップ部N3の上流端から突出部41bまでの距離s3は中央部に比べて端部が小さくなる。したがって、突出部41bにより形成される圧力ピークは長手方向端部で大きくなる。その結果、定着フィルム10の離型層が記録材Pのへりと摺擦する部分における摩耗の進行を早めてしまう。これに対して、実施例5では、端部における圧力ピークを中央部とほぼ同じにすることができるため、定着フィルム10の離型層が記録材端部と摺擦する部分における摩耗の進行を従来よりも抑えることができる。
また、実施例5では、均等な圧力ピークが得られることにより、圧力ピークに起因する光沢度や定着性のムラを抑制し、長手方向全域において光沢度や定着性のムラが少ない画像を得ることができる。以上のように、実施例5では、突出部41bによる圧力ピークを長手方向全域でほぼ同じにすることができる。したがって、光沢度のムラや定着性のムラを抑制することが可能であり、離型層12の摩耗に対する耐久性能を向上することが可能である。
(実施例6)
次に、図25〜図27を参照して、本発明の実施例6について説明する。図26は、実施例6と従来例2の構成を比較して説明する図である。図26(a)は、実施例6のヒータホルダとヒータを記録材搬送方向の下流側から見た図であり、図26(b)は、ヒータ取付面側から見た図である。また、図26(c)は、従来例2のヒータホルダとヒータをヒータ取付面側から見た図である。
実施例6においては、ヒータホルダ41の突出部41bの突出量は長手方向で異なっており、端部(第2突出部)の突出量(第2の突出量)の方が、中央部(第1突出部)の突出量(第1の突出量)よりも大きくなっている。実施例6では、突出量hは中央部で0.2mm、端部で0.35mmとしている。このようにすることで、定着ニップ部N2を通過後の記録材Pを長手方向で湾曲させ、定着フィルム10側に凸の形状にすることができる。その結果、長手方向に剛性を持たせることができ、搬送方向に曲がりにくくすることができる。したがって、記録材Pの挙動を規制し、記録材Pの搬送性を安定させることができる。また、図26(b)に示すように、実施例6における突出部41bは中央部(第1突出部)に対して端部(第2突出部)がより下流側に配置され、緩やかなカーブを描く湾曲形状をしている。
次に、実施例6に対する比較例としての従来例2を説明する。従来例2のヒータホルダ41も、図26(a)のように突出量hが長手方向で異なっており、中央部に比べて端部の方が大きくなっている。従来例2における突出量hは、実施例6と同様に中央部で0.2mm、端部で0.35mmとしている。そして、従来例2においては、図26(c)に示すように、突出部41bは記録材Pの搬送方向に対して長手一様に同じ位置に配置されている。
ここで、図25は、実施例6における定着ニップ部N2の形状を示す図である。図示したように定着ニップ部N2のニップ幅は長手方向で一様である。ヒータホルダ41のヒータ保持面の長手方向中央部の厚みを両端部よりも大きくすることにより、定着ニップ部N2がストレートなニップ形状になるように調整した。このようなストレートなニップ形状においても、従来例2のように突出部41bを長手方向でストレートに配置し、長手方向で突出量hを異ならせた場合は、突出部41bによる圧力ピークに長手方向で差が生じる。実施例6は、このような圧力ピークの差を抑制するために突出部41bを中央部に対して端部がより下流側になるように配置し、緩やかなカーブを描く湾曲形状をしている。
以下に、実施例6の具体的な効果について、従来例2と比較しながら説明する。図27は、実施例6及び従来例2の圧分布を示すグラフである。図27(a)は、従来例2の定着ニップ部N2における記録材Pの搬送方向の圧分布を示すグラフである。図示したように、端部、中央部ともに、下流側に圧力ピークCがある。この圧力ピークは、ヒータホルダ41の突出部41bによって形成されたものである。端部では、突出部41bの突出量hが中央に比べて大きいため、加圧ローラ20に対する侵入量が大きくなり、圧力ピークが中央部に比べて大きくなる。
一方、図27(b)は、実施例6の定着ニップ部N2における記録材Pの搬送方向の圧
分布を示すグラフである。実施例6では、突出部41bは中央部に対して端部がより下流側に配置されているので、端部における突出部41bの加圧ローラ20への侵入量を小さくすることができる。そのため、図27(b)に示したように、圧力ピークを従来例2よりも低く形成することができる。
ここで、図27(c)は、実施例6と従来例2の圧力ピークに関して長手方向の分布を示した図であるが、従来例2の圧力ピークは、中央部から端部に掛けて徐々に大きくなっている。このため、従来例2では、記録材の光沢度は中央部に比べて端部が高くなり、光沢度のムラが生じていた。実施例6では、端部と中央部の圧ピークをほぼ同じにすることができ、圧力ピークを長手方向で均等になるように形成できる。すなわち、従来例2よりも長手方向の圧力ピーク差を改善でき、長手方向全域において光沢度のムラのない画像を得ることができる。
また、実施例6では、長手方向全域で圧力ピークをほぼ同じにすることができるため、定着フィルム10の離型層が記録材のへりと摺擦する部分における離型層の摩耗を従来例2よりも小さくすることができる。以上のように実施例6では、突出部41bの突出量hが長手方向で異なる場合においても、突出部41bの形状を湾曲させて形成することにより、長手方向の圧力ピークの差を小さくし、光沢度のムラや定着フィルムの離型層の摩耗量を抑制することができる。
尚、突出部41bの形状は、湾曲した形状に限定するものではない。例えば、突出部41bを直線状に配置し、端部に対して中央部をより下流側ずらして配置してもよい。他にも、突出部41bを端部に対して中央部がより下流側に配置して、くの字形状になっていてもよい。
また、実施例6では、突出部41bの突出量hは中央部よりも端部が高い場合について説明したが、突出部41bの突出量hが端部よりも中央部の方が高い場合についても、本発明は適用可能である。端部に対して中央部の突出量hを高くすることで、定着ニップ部N2を通過後の記録材Pを長手方向で湾曲させ、加圧ローラ20側に凸の形状にすることができる。その結果、長手方向に剛性を持たせることができ、搬送方向に曲がりにくくすることができる。このような場合は、突出量hが大きい中央部の突出部41bを端部の突出部41bよりも下流に配置することで、端部と中央部の圧力ピーク差をほぼ同じにすることができる。また、突出部41bが記録材Pの搬送方向の上流側に配置されている場合にも実施例6の構成を適用できる。この場合、突出部41bを中央部に対して端部がより下流側に配置されるようにすることで、長手方向の圧力ピークを均等にすることができる。
(実施例7)
次に、図28、図29を参照して、本発明の実施例7について説明する。実施例1〜6の説明に用いた定着装置は、加熱体としてヒータ30を用いたが、本発明はこのような加熱体に限定されるものではない。加熱方式に依らず突出部により加圧ピークを形成する構成であれば他の構成であってもよい。例えば、以下に示すような、電磁誘導を用いたフィルム加熱方式にも本発明を適用することができる。
図28は、実施例7について説明する図である。図28(a)は、実施例7の電磁誘導を用いたフィルム加熱方式の定着装置の横断面模式図である。図28(b)は、実施例7の定着装置のニップ部を拡大した図である。図28(c)は、実施例7の定着ニップ部N2における記録材Pの搬送方向の圧分布を示した図である。なお、実施例1と同様の構成については、ここでの説明を省略する。
図28(a)に示すように、実施例7の定着装置は、電磁誘導発熱部材としての円筒形状のフィルム部材としての定着フィルム512と、定着フィルム512に圧接するローラ部材としての加圧ローラ20とを有している。定着フィルム512は、磁場の作用によって発熱する発熱層を基層とし、その外周に弾性層と離型層を有した積層構成となっている。また、定着フィルム512の内周面側には、当接部材としてのニップ形成部材510が設けられている。ニップ形成部材510は、円筒状の定着フィルム512をルーズに外嵌させてある。また、励磁コイル514と磁性コア(芯材)513とからなり、定着フィルム512の外側に配設される磁場発生手段を有する。
加圧ローラ20が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着フィルム512がニップ形成部材510の外回りを回転し、励磁コイル514への給電により定着フィルム512が電磁誘導発熱された状態になる。この後、未定着トナー画像Tが形成された記録材Pが定着ニップ部N2に画像面を上向き、すなわち、定着フィルム面に対向させて導入される。そして、画像面を定着フィルム512の外面に密着させた状態で挟持搬送し、この過程において、定着フィルム10の電磁誘導発熱で加熱して未定着トナー画像Tを被記録材Pに加熱定着させる。記録材Pは定着ニップ部N2を通過すると定着フィルム512の外面から分離して排出搬送されていく。
実施例7におけるニップ形成部材510は、図28(b)に示すように、定着ニップ部N2における記録材Pの搬送方向の下流側において定着フィルム512の内周面と接触する部分に長手方向に沿って設けた突出部510bを有する。そして、突出部510bは、定着フィルム512の外側に向けてニップ形成部材510と定着フィルム512の圧接面の極小部Eよりも突出量hだけ突出している。
ニップ形成部材510は、実施例1〜6のように板状のヒータではないので、自由に形を作ることが可能である。そのため、ニップ形成部材510において、定着フィルム512の内面と圧接する面を曲面にすることもできる。したがって、定着ニップ部N2で形成される記録材Pの搬送方向の圧分布は、実施例1〜6で示したような2つのピークを持つ圧分布ではなく、図28(c)に示したように、圧力が下流側に向かって徐々に大きくなるような分布にすることができる。
図29は、実施例7のニップ形成部材を示す図である。図29(a)は、実施例7のニップ形成部材510をニップ形成面側から見た図である。実施例7の突出部510bは中央部に対して端部が記録材搬送方向で、より下流側に配置されており、緩やかなカーブを描く湾曲形状をしている。図29(b)、図29(c)はそれぞれ長手方向端部、中央部の突出部510bの位置関係を示すニップ形成部材510の断面図である。実施例7では突出部510bの位置を定着ニップ部N2の中心Fからの距離で規定した。ただし、この方法に限定するものではない。具体的には、距離s4が中央部<端部の関係になるように突出部510bを配置している。
実施例7の構成では、定着ニップ部N2のニップ幅が端部の方が中央部よりも大きい分だけ、突出部510bは端部の方が中央部より下流側に配置される。突出部510bをこのように配置することで、突出部510bの加圧ローラ20への侵入量を長手方向全域でほぼ同じにすることができる。その結果、突出部510bにより形成される圧力ピークを長手方向全域でほぼ同じにすることができる。したがって、長手方向全域において光沢度のムラのない画像を得ることができる。
また、均等な圧力ピークが得られることにより、定着フィルム10の離型層の長手方向での摩耗ムラも改善できる。尚、突出部510bの形状は、湾曲した形状に限定するものではない。例えば、実施例1又は実施例2に記載したような突出部の形状にしてもよい。
また、実施例4〜6に記載した発明を、電磁誘導を用いたフィルム加熱方式に適用しても、実施例4〜6と同様の効果を得ることができる。
(実施例8)
次に、図30を参照して、本発明の実施例8について説明する。本発明は加圧フィルム方式の定着装置に対しても適用できる。図30は、実施例8の加圧フィルム方式の定着装置の模式図である。以下に、図30を用いて加圧フィルム方式の定着装置について説明する。尚、実施例1と同様の構成については、ここでの説明を省略する。
実施例8の定着装置は、内部にハロゲンヒータなどの加熱体531を備え、中心軸を中心に回転可能に支持されたローラ部材としての定着ロール532を有している。また、定着ロール532の軸線と平行に支持され、定着ロール532に圧接されるフィルム部材としての加圧部材530を有している。加圧部材530は、支持部材533によって支持され、記録材Pの搬送方向下流側に突出部を有する当接部材としてのニップ形成部材534を内周面側に有している。また、ニップ形成部材534は、定着ロール532の周面に沿った形に湾曲している。このような非印字面側から加圧し、定着ロール532の周面に沿った曲面状の定着ニップを形成する加圧フィルム方式の定着装置に対しても本発明を適用し、実施例1から実施例6と同様の効果を得ることができる。
10…定着フィルム(フィルム部材)、20…加圧ローラ(ローラ部材)、41b…突出部、73…定着装置
上記目的を達成するため本発明に係る定着装置は、
筒状のフィルム部材と、前記フィルム部材の内周面に当接する当接部材と、前記フィルム部材を介して前記当接部材と共に前記フィルム部材との間に定着ニップ部を形成するローラ部材とを有し、前記定着ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ、記録材に形成されている未定着トナー像を記録材に定着する定着装置であって、
前記当接部材、前記ローラ部材に向って突出する突出部であって、前記定着ニップ部のうち少なくとも記録材の搬送方向における前記定着ニップ部の中央部以外の部分の中で最も大きな力で記録材を加圧する突出部を有する定着装置において、
前記ローラ部材は、前記ローラ部材の軸方向において、径が第1の大きさである第1径部と、径が前記第1径部よりも大きい2径部を有し、
前記突出部のうち、前記第2径部と共に前記定着ニップ部を形成する部分は、前記突出部のうち前記第1径部と共に前記定着ニップ部を形成する部分よりも、前記搬送方向において前記定着ニップ部の中央部から離れていることを特徴とする。

Claims (12)

  1. 筒状のフィルム部材と、前記フィルム部材の内周面に当接する当接部材と、前記フィルム部材を介して前記当接部材と互いに圧接するように設けられ、前記フィルム部材と共に定着ニップ部を形成するローラ部材とを有し、前記定着ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ、未定着トナー像を記録材に定着する定着装置であって、
    前記当接部材は、前記ローラ部材の中心軸に向けて突出する突出部であって、前記定着ニップ部のうち少なくとも記録材の搬送方向における前記定着ニップ部の中央部以外の部分の中で最も大きな力で記録材を加圧する突出部を有する定着装置において、
    前記ローラ部材は、前記ローラ部材の軸方向において、径が第1の径である第1径部と、径が前記第1の径よりも大きい第2の径である第2径部を有し、
    前記突出部において、前記第2径部と互いに圧接する部分から前記中心軸までの最短距離は、前記第1径部と互いに圧接する部分から前記中心軸までの最短距離よりも長いことを特徴とする定着装置。
  2. 筒状のフィルム部材と、前記フィルム部材の内周面に当接する当接部材と、前記フィルム部材を介して前記当接部材と互いに圧接するように設けられ、前記フィルム部材と共に定着ニップ部を形成するローラ部材とを有し、前記定着ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ、未定着トナー像を記録材に定着する定着装置であって、
    前記当接部材は、前記ローラ部材の中心軸に向けて突出する突出部であって、前記定着ニップ部のうち少なくとも記録材の搬送方向における前記定着ニップ部の中央部以外の部分の中で最も大きな力で記録材を加圧する突出部を有する定着装置において、
    前記ローラ部材は、前記ローラ部材の軸方向において、前記搬送方向における前記定着ニップ部の幅が第1の幅となる第1径部と、前記第1の幅よりも大きい第2の幅となる第2径部を有し、
    前記突出部において、前記第2径部と互いに圧接する部分から前記中心軸までの最短距離は、前記第1径部と互いに圧接する部分から前記中心軸までの最短距離よりも長いことを特徴とする定着装置。
  3. 前記突出部のうち前記第2径部と互いに圧接する部分は、前記突出部のうち前記第1径部と互いに圧接する部分よりも、前記搬送方向において前記定着ニップ部の中央部から離れて設けられることを特徴とする請求項1又は2の定着装置。
  4. 前記突出部のうち前記第2径部と互いに圧接する部分は、前記突出部のうち前記第1径部と互いに圧接する部分よりも、突出量が小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  5. 前記第1径部は前記軸方向の端部に設けられ、前記第2径部は前記軸方向の中央部に設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記第2径部は前記軸方向の端部に設けられ、前記第1径部は前記軸方向の中央部に設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記突出部のうち前記第2径部と当接する部分は、前記突出部のうち前記第1径部と当接する部分よりも、前記搬送方向における前記定着ニップ部の中央部の下流側に設けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記突出部のうち前記第2径部と当接する部分は、前記突出部のうち前記第1径部と当接する部分よりも、前記搬送方向における前記定着ニップ部の中央部の上流側に設けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記突出部のうち前記第2径部と当接する部分と、前記突出部のうち前記第1径部と当接する部分とは連続的に形成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 筒状のフィルム部材と、前記フィルム部材の内周面に当接する当接部材と、前記フィルム部材を介して前記当接部材と互いに圧接するように設けられ、前記フィルム部材と共に定着ニップ部を形成するローラ部材とを有し、前記定着ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ、未定着トナー像を記録材に定着する定着装置であって、
    前記当接部材は、前記ローラ部材の中心軸に向けて突出する突出部であって、前記定着ニップ部のうち少なくとも記録材の搬送方向における前記定着ニップ部の中央部以外の部分の中で最も大きな力で記録材を加圧する突出部を有する定着装置において、
    前記突出部は、前記ローラ部材の軸方向において、突出量が第1の突出量の第1突出部と、突出量が前記第1の突出量よりも大きい第2の突出量の第2突出部を有し、
    前記第2突出部の方が、前記第1突出部よりも前記搬送方向において前記定着ニップ部の中央部から離れて設けられることを特徴とする定着装置。
  11. 前記当接部材は、前記フィルムを加熱する加熱体と、前記加熱体を保持する保持部材とを有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の定着装置。
  12. 前記突出部は前記保持部材に形成されることを特徴とする請求項11に記載の定着装置。
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