JP2019044065A - 光硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】得られる硬化体の表面未重合(層)を低減し、適度な弾性を有し、しかも高い光硬化深さを達成することができる光硬化性組成物を提供することにあり、特に光硬化型の義歯床用裏装材に好適に用いることができる光硬化性組成物を提供することにある。【解決手段】(a)光増感用化合物、(b)第三級アミン化合物、(c)アリールヨードニウム塩、(d)重合性単量体、および(e)樹脂粒子を含む光硬化性組成物を提供する、特に、 前記アリールヨードニウム塩(c)が、ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレートモノハイドレートを含む光硬化性組成物を提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は、歯科用材料、フォトレジスト材料、印刷製版材料、ホログラム材料、特に歯科用材料に有用な光硬化性組成物に関するものである。さらに詳しくは、従来の光硬化性組成物に比べて硬化体の表面未重合が少なく、適度な弾性率を有し、しかも高い光硬化深さを有する硬化体物性が得られる光硬化性組成物に関するものである。
光照射によりラジカルまたはイオン種を発生し、重合性の不飽和化合物や環状化合物を重合させる光重合開始剤に関しては、種々の提案がなされている。一般的には、光を吸収することによりそれ自身が分解して重合活性種を生成する化合物や、さらに適当な増感剤を組み合わせた系が広く検討され、使用されている。
前者の例としては、アシルフォスフィンオキサイド化合物やα−ジケトン化合物が知られており、特にα−ジケトン化合物は、人体に対して影響の少ない可視光の波長領域で重合開始能を示す(例えば、代表的なα−ジケトン化合物であるカンファーキノンは、極大吸収波長が468nmにある黄色の化合物である)。また、後者の例としては、α−ジケトン化合物と第三級アミン化合物との組み合わせがよく知られ、このような組み合わせは、α−ジケトン化合物が可視光の波長領域で重合開始能を示すことから、歯科用材料の分野で有用に用いられている。
歯科用材料の分野において、上記のような光重合開始剤は、例えば、粉材に樹脂粒子、液材に重合性単量体を主成分とするような粉液型の義歯床用裏装材組成物を光重合するために使用されている。光重合して得られる義歯床用裏装材は、粉材と液材を混ぜたペースト(義歯床用裏装材組成物)を義歯上に盛りつけ、口腔粘膜との適合を得たのち口腔外で、専用の光照射器により光を照射して該ペーストを硬化させて使用される。以下、重合硬化させるために照射する光を「活性光」と呼ぶことがある。一般に、このような活性光は、360〜500nm程度の波長域(α−ジケトン化合物の主たる吸収域である)における光強度が100〜6000mW/cm程度の出力の光源が用いられる。例えば、歯科医院において、光重合開始剤が配合された義歯床用裏装材組成物のペーストを、適合が悪くなった義歯に盛上げ、口腔内との適合を測った後、専用の光照射器を用いて活性光を照射して重合硬化させて義歯床用裏装材を作製し、義歯の修復が行われている。この際、最終硬化前のゴム弾性が発現した状態の該義歯床用裏装材を口腔内から撤去するため、アンダーカットがある様な症例で患者が痛みを伴わず処置することが可能となる(例えば、非特許文献1参照)。
前記のように、光重合して得られる義歯床用裏装材を含む歯科用材料は、光硬化の際に、空気中の酸素により重合阻害が生じ、硬化体の表面に未重合層が形成され易い。歯科用材料において、未重合層が存在すると、食渣が付着し易くなったり、残留モノマーによる口腔内の炎症につながったりする場合がある。さらに、義歯床用裏装材に未重合層があると、硬化体(義歯床用裏装材)の研磨・削合を行う際に、未重合層が研磨バーに絡みつくために研磨性が低下する他、除去すると口腔内との適合性が悪くなるといった課題があった。
この未重合層の課題を解決するために、様々な検討がなされている。例えば、光重合開始剤としてアリールヨードニウム塩、増感用化合物、及び電子供与体化合物を含んでなる組成を用いることで、重合度を高めて未重合を減らすことができる(特許文献1〜3参照)。この方法によれば、未重合層を少なくできるため、歯科用材料を製造する際に適用し易い。
しかしながら、特許文献1〜3に記載の方法では、重合度が高く、得られる硬化体が硬くなりすぎる傾向にあり、義歯床用裏装材として該硬化体は使用し難くなるといった問題があった。すなわち、義歯床用裏装材として使用するには、咀嚼時の応力を緩和するためには、適度な弾性率(柔らかさ)を有していなければ、使用し難いといった問題があり、特許文献1〜3に記載の方法においては、この点で改善の余地があった。
以上のような未重合層の問題、および義歯床裏装材として使用を考慮した際、以下のような方法も提案されている。具体的には、義歯床裏装材を製造するに際し、光硬化の際に硬化体表面を空気にさらされないようにすることで、硬化体の表面に生じる未重合を減少させる方法である(非特許文献1)。この方法によれば、適度な弾性率を有し、未重合層を低減できるため、裏装材用途に適した硬化体を製造できる。
しかしながら、非特許文献1に記載の方法では、口腔内での適合を得たのち裏装面全体にエアーバリア膜を塗布しなければならず、術者の操作が煩雑になってしまうという点で改善の余地があった。
さらに、近年の超高齢化社会では、顎堤が著しく吸収した症例が増え、一度の裏装厚みが多くなる傾向にある。この場合特に、硬化体の弾性を適度に有しながら、深い地点での硬化性を十分に担保しなければならないが、このような光硬化型の裏装材組成物は存在していなかったのが現状である。
特開昭63−273602号公報 米国特許第3729313号公報 米国特許第3741769号公報
平澤忠編、「光重合型床用レジンの幅広い活用とその臨床評価について」、日本歯科評論540、昭和62年10月号、p.83−87 山岡亞夫編、「光応用技術・材料事典」、株式会社産業技術サービスセンター発行、平成18年4月26日、p.108−112 日本化学会編、「化学便覧 基礎編II 改訂3版」丸善株式会社発行、昭和59年6月25日、p.337−345
本発明の目的は、硬化体の表面未重合を低減し、適度な弾性を有し、しかも高い光硬化深さを達成することができる光硬化性組成物を提供することにあり、特に光硬化型の義歯床用裏装材に好適に用いることができる光硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、光増感用化合物、第三級アミン化合物、アリールヨードニウム塩、および樹脂粒子を含む光硬化性組成物が上記課題を解決できることを見出した。その中でも、前記アリールヨードニウム塩が、ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレートモノハイドレートを含む場合に、特に優れた効果が発揮されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(a)光増感用化合物、(b)第三級アミン化合物、(c)アリールヨードニウム塩、(d)重合性単量体、および(e)樹脂粒子を含むことを特徴とする光硬化性組成物である。
中でも、前記アリールヨードニウム塩が、ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレートモノハイドレートを含む場合に、表面の未重合層を特に低減できる。
なお、義歯床用裏装材とは、一般的に、粉材と液材とを混合して硬化する前の形状を整えることができるもの、および硬化したものの両者を指す場合が多い。ただし、本発明においては、発明をより詳細に説明するために、硬化する前のものを義歯床用裏装材組成物(光硬化性組成物)とし、硬化後のものを義歯床用裏装材(硬化体)とする。
本発明の光硬化性組成物(以下、「本発明の光硬化性組成物」と称す)は、それを重合硬化(光重合)して得らえる硬化体が、適度な弾性率を有し、表面未重合(硬化体表面の未重合の重合性単量体)が少なく、しかも深い地点での硬化性を高度に満たすものとなる。そのため、本発明の光硬化性組成物からなる硬化体は、義歯床用裏装材に好適に使用できる。
義歯床用裏装材は、適度な弾性率を有していることが求められる。それは、義歯に緩やかな応力が生じた場合にひずみ、瞬発的な応力が生じたときに破折しないためである。そのため、義歯床用裏装材に求められる弾性率は、1.0〜2.0GPaであることが好ましく、1.2〜1.8GPaであることがより好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、(a)光増感用化合物、(b)第三級アミン化合物、(c)アリールヨードニウム塩、(d)重合性単量体、および(e)樹脂粒子を含む。以下、これら各成分について説明する。
(a)光増感用化合物
本発明における(a)光増感用化合物は、最大吸収波長を350〜700nmに有し、活性光によりラジカルのような重合に有効な活性種を生成させる機能を有する化合物である。活性種は通常、重合性単量体または他の物質との間でエネルギー移動あるいは電子移動の結果生じる。
本発明における(a)光増感用化合物は、公知の光増感用化合物が何ら制限なく用いられる。本発明で好適に使用される光増感用化合物としては、ケトン化合物(特にα−ジケトン化合物)、クマリン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、チアジン系色素、アジン系色素、アクリジン系色素、キサンテン系色素、スクアリウム系色素及びピリリウム塩系色素等が挙げられ、とりわけα−ジケトン化合物のようなケトン化合物が好ましい。
本発明で好適に使用される光増感用化合物を具体的に例示すれば、
カンファーキノン、9,10−フェナントレンキノン、ベンジル、ジアセチル、アセチルベンゾイル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、4,4‘−ジメトキシベンジル、アセナフテンキノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、9−フルオレノン、3,4−ベンゾ−9−フルオレノン、2−ジメチルアミノ−9−フルオレノン、2−メトキシ−9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2,7−ジクロロ−9−フルオレノン、2−ニトロ−9−フルオレノン、2−アセトキシ−9−フルオレノン、ベンズアントロン、アントラキノン、2、4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のケトン化合物;
3−チエノイルクマリン、3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−(4−シアノベンゾイル)クマリン、3−チエノイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、5,7−ジメトキシ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−シアノベンゾイル)クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)クマリン、3−シンナモイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−カルボキシ−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−カルボキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−10−(ベンゾチアゾイル)−11−オキソ−1H,5H,11H−[1ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン、3,3’−カルボニルビス(5,7−)ジメトキシ3,3’−ビスクマリン,3−(2’−ベンズオキサゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(5’−フェニルチアゾイル−2’)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(4−シアノ−7−ジエチルアミノ)クマリン等のクマリン化合物;
1,3,3,1’,3,3’−ヘキサメチル−2,2’−インドシアニンパークロレート、1,3’−ジエチル−2,2’−キノ−セレナシアニンアイオダイド、1,1’−ジエチル−2,4’−キノシアニンアイオダイド、3,3’−ジエチル−2,2’−チアゾリノカルボシアニンアイオダイド、3,3’、9−トリエチル−5,5’−ジフェニル−2,2’−オキサカルボシアニンアイオダイド、3,3’−ジエチル−2,2’−チアカルボシアニンアイオダイド、1,1’−ジエチル−2,4’−キノカルボシアニンアイオダイド、3,3’−ジエチル−2,2’−オキサジカルボシアニンアイオダイド、3,3’−ジエチル−2,2’−(4,5,4’、5’−ジベンゾ)チアジカルボシアニンアイオダイド、3,3’−ジエチル−2,2‘−オキサトリカルボシアニンアイオダイド等のシアニン系色素;
3−エチル−5−[2−(3−メチル−2−チアゾリジニリデン)エチリデン]−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン、3−カルボキシメチル−5−[2−(3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)エチリデン]ローダニン、3−エチル−5−[2−(3−エチル−4−メチル−2−チアゾリニリデン)エチリデン]ローダニン等のメロシアニン系色素;
メチレンブルー、チオニンクロライド等のチアジン系色素;
リボフラビン、1−アミノ−4−ニトロフェナジン等のアジン系色素;
1−アミノアクリジン、9−(2’−ヒドロキシスチリル)アクリジン、アクリルオレンジ、アクリジンイエロー等のアクリジン系色素;
ローダミン、フルオレセイン、ローズベンガル等のキサンテン系色素;ジヒドロ−3−[2−ヒドロキシ−3−(5−イソプロピル−3,8−ジメチル−1−アジレニル)−4−オキソ−2−シクロブテン−1−イリデン]−7−イソプロピル−1,4−ジメチルアズレニウムヒドロオキサイド,内部塩等のスクアリウム系色素;
トリフェニルピリリウムパークロレート、2,6−ビス(4−メチルフェニル)−4−(4−フェニルチオクロロパールクレート)等のピリリウム塩系色素が挙げられる。
以上の中でも、カンファーキノン、9,10−フェナントレンキノン、ベンジル、ジアセチル、アセチルベンゾイル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、4,4‘−ジメトキシベンジル、アセナフテンキノン等のα−ジケトン化合物がより好ましい。
また、以上に例示した(a)光増感用化合物は、1種のものを使用することもできるし、複数種類のものを使用することもできる。
本発明の光硬化性組成物における光増感用化合物の使用量は、特に制限されないが、多すぎる場合は硬化体が軟らかくなる傾向にあり、少なすぎると重合が不十分となり機械的強度が得られなくなる傾向にある。そのため、(d)重合性単量体を配合して光硬化性組成物とする場合の、(a)光増感用化合物の配合量は、下記に詳述する(d)重合性単量体100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.03〜5質量部である。なお、複数種の(a)光増感用化合物を使用する場合には、その合計量が前記範囲を満足すればよい。
(b)第三級アミン化合物
本発明において使用される(b)第三級アミン化合物は、所謂還元剤(或いは電子供与体)であり、重合促進機能を有する。該(b)第三級アミン化合物は、公知の化合物が何ら制限なく使用できる。具体的には、分子中に芳香族環を有する(b1)芳香族第三級アミン化合物や、分子中に芳香族環を有していない(b2)脂肪族第三級アミン化合物の何れも使用できる。中でも、臭気等の点から(b1)芳香族第三級アミン化合物を使用することが好ましい。
代表的な(b1)芳香族第三級アミン化合物を例示すると、下記一般式(1)で示される芳香族第三級アミン化合物が挙げられる。
Figure 2019044065
式中、R、及びRは、各々独立に、アルキル基であり、Rはアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアルキルオキシカルボニル基である。
上記アルキル基としては、炭素数1〜6のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基等を挙げることができる。また、このアルキル基は、当然のことながら置換基を有している置換アルキル基であってもよく、このような置換アルキル基としては、フロロメチル基、2−フロロエチル基等のハロゲン置換アルキル基;2−ヒドロキシエチル基等の水酸基置換アルキル基などを例示することができる。そのため、例えば、R、R、及びRは、フロロメチル基、2−フロロエチル等のハロアルキル基や、2−ヒドロキシエチル基等のヒドロキシアルキル基であってもよい。
また、Rにおいて、アリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−メチルチオフェニル基、p−クロロフェニル基、4−ビフェニリル基等の炭素数6〜12のものを挙げることができる。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、2−フェニルエテニル基等の炭素数2〜12のものを挙げることができる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のものを挙げることができる。
アルキルオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、アミルオキシカルボニル基、イソアミルオキシカルボニル基等のアルキルオキシ基部分の炭素数が1〜10のものを挙げることができる。
上記一般式(1)の芳香族第三級アミン化合物において、R、及びRは、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、特に、炭素数1〜3の非置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基)や、2−ヒドロキシエチル基等がより好適である。
また、Rは、アルキルオキシカルボニル基であることが好ましい。
このような(b1)芳香族第三級アミン化合物としては、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸プロピル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸プロピル等が挙げられる。
また、上記一般式(1)で示される他の(b1)芳香族第三級アミン化合物としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン等が挙げられる。
前記(b)第三級アミン化合物として、前記一般式(1)で示される芳香族第三級アミン化合物、および/または、その他の芳香族第三級アミン化合物((b1)芳香族アミン化合物)を含むことにより、臭気が少なく、高い重合活性を示し、照射光による短時間での重合硬化性を維持し、尚且つ高い硬化体物性を発現させることができる。
また、本発明においては、(b)第三級アミン化合物として、(b2)脂肪族第三級アミン化合物を使用することもできる。前記(b2)脂肪族第三級アミン化合物を具体的に例示すると、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。
これら(b)第三級アミン化合物は、1種で使用することもできるし、複数種(複数種の(b1)芳香族第三級アミン化合物、複数種の(b2)脂肪族第三級アミン化合物、並びに、(b1)芳香族第三級アミン化合物および(b2)脂肪族第三級アミン化合物の併用)のものを使用することもできる。中でも、臭気の問題、重合活性、短時間での重合性、および得られる硬化体の物性等を考慮すると、(b1)芳香族第三級アミン化合物のみを使用することが好ましく、特に、前記一般式(1)で示される(b1)芳香族第三級アミン化合物のみを使用することが好ましい。ただし、(b1)芳香族第三級アミン化合物は、1種であっても、複数種であってもよい。
本発明において、(b)第三級アミン化合物の配合割合は、弾性率の点から、(a)光増感用化合物100質量部に対して、10〜1000質量部であることが好ましく、50〜500質量部がより好ましい。また、(d)重合性単量体に対する(b)第三級アミン化合物の配合割合は、(d)重合性単量体100質量部に対して0.02〜5質量部が好ましく、0.03〜3質量部となる量がより好ましい。なお、複数種の(b)第三級アミン化合物を使用する場合には、その合計量が前記範囲を満足すればよい。
(c)アリールヨードニウム塩
本発明においては、(c)アリールヨードニウム塩(以下単に(c)アリールヨードニウム塩と記載することもある)を配合したことを特徴とする。アリールヨードニウム塩は光照射による開裂反応により下記式(2)に示す通り、酸(HX)が発生する。
Figure 2019044065
前記式中、R及びRは、各々独立に、水素原子またはアルキル基である。また、Xはアリールヨードニウム塩の対アニオンであり、HXは上記式(2)に示す開裂反応において発生する酸である。
本発明で使用するアリールヨードニウム塩は、特に制限されるものではないが、前記式(2)に示す開裂反応において、酸性度の低い酸を発生するアリールヨードニウム塩を使用することが好ましい。なお、酸性度の低い酸とは、水中での酸解離定数が−3.0以上となるものを指す。
本発明においては、(c)アリールヨードニウム塩、(a)光増感用化合物、(b)第三級アミン化合物と共存している光硬化性組成物に、活性光を照射して重合反応が開始すると、下記式(3)で示されるように、アリールラジカル及びアリールヨードニウム塩の対アニオンに由来する酸を発生する(例えば、非特許文献2参照)。
Figure 2019044065
ここで発生した酸の酸性度が高いほど、カチオン重合の活性が高くなるがアミン化合物、特に(b)第三級アミン化合物が存在する場合は、該(b)第三級アミン化合物と該酸とが中和反応を起こし、塩を生じやすくなると考えられる。そして、その結果、重合活性が低下する傾向にあると考えられる。そのため、本発明で使用する(c)アリールヨウドニウム塩は、重合活性を考慮すると、開裂反応により生じる酸の水中(25℃)での酸解離定数が−2.0〜10.0となるものを使用することが好ましい。
なお、種々の酸の水中(25℃)での酸解離定数を参考までに示すと、HCl(−3.7)、HBr(−4.1)、HNO(−1.8)、クロロ酢酸(2.9)、安息香酸(4.2)、フェノール(9.9)である(非特許文献3を参照)。
本発明で使用される(c)アリールヨードニウム塩は、以下の化合物が例示できる。具体的には、
ジフェニルヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム、ジトリルヨードニウム、ビス(p−メトキシフェニル)ヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、p−イソプロピルフェニル−p−メチルフェニルヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、p−tert−ブチルフェニルフェニルヨードニウム、p−メトキシフェニルフェニルヨードニウム、p−オクチルオキシフェニルフェニルヨードニウム、およびp−フェノキシフェニルフェニルヨードニウムから選ばれるカチオンと、
ニトレート、アセテート、クロロアセテート、カルボキシレート、およびフェノラートから選ばれるアニオンと、
からなる(c)アリールヨードニウム塩が挙げられる。なお、これら(c)アリールヨードニウム塩は、1種のものを使用することもできるし、複数種類のものを使用することもできる。
本発明においては、前記に例示した(c)アリールヨードニウム塩の中でも、入手の容易で、かつ硬化速度に優れる点から、ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレートモノハイドレートを使用することが好ましい。
本発明の光重合開始剤における(c)アリールヨードニウム塩の配合割合は、表面未重合量やヌープ硬度の点から、通常、(a)光増感用化合物100質量部に対して、10〜1500質量部であることが好ましく、20〜1000質量部がより好ましい。また、(c)アリールヨードニウム塩の配合割合は、重合性単量体100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましく、0.05〜2質量部となることがより好ましい。なお、複数種の(c)アリールヨードニウム塩を使用する場合には、その合計量が前記範囲を満足すればよい。
(d)重合性単量体
また、本発明の光硬化性組成物に配合される(d)重合性単量体としては、カチオン重合性単量体、及びラジカル重合性単量体を好適に使用することができ、重合活性の点から、ラジカル重合性単量体を使用することが特に好ましい。
本発明の光硬化性組成物において、好適に使用されるラジカル重合性単量体としては、公知のラジカル重合性単量体が何ら制限なく挙げられる。中でも、得られる硬化体の機械的強度、および硬化体中における(e)樹脂粒子の分散性の観点から、(メタ)アクリレート系(メタクリレート系、またはアクリレート系)の重合性単量体が好適に用いられ、公知の重合性単量体が特に制限なく使用できる。
(メタ)アクリレート系の重合性単量体は、歯科用に一般的に使用される公知の化合物が特に制限されず使用される。具体的には、1分子中に1つの(メタ)アクリレート基を有する単官能重合性単量体、1分子中に2つの(メタ)アクリレート基を有する2官能重合性単量体、1分子中に3つの(メタ)アクリレート基を有する3官能重合性単量体、1分子中に4つの(メタ)アクリレート基を有する4官能重合性単量体が挙げられる。なお、1分子中に5つ以上の(メタ)アクリレート基を有する高多官能重合性単量体を使用することもできるが、本発明の光硬化性組成物より得られる硬化体を義歯床用裏装材として使用する場合には、適度な弾性が必要になるため、該光硬化性組成物は、該高多官能重合性単量体を含まない方が好ましい。
以下、これら重合性単量体について説明する。
<単官能重合性単量体>
本発明で好適に使用できる単官能重合性単量体を例示すると、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロキシエチルプロピオネート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら単官能重合性単量体は、1種で使用することもできるし、複数種類のものを使用することもできる。
<二官能重合性単量体>
本発明で好適に使用できる二官能重合性単量体を例示すると、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ウンデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘプタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オクタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エイコサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘネイコサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドコサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリコサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラコサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサコサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ステアリルジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス((メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシフェニル)]プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン等が挙げられる。これら二官能重合性単量体は、1種で使用することもできるし、複数種類のものを使用することもできる。
<三官能重合性単量体>
本発明で好適に使用できる三官能重合性単量体を例示すると、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら三官能重合性単量体は、1種で使用することもできるし、複数種類のものを使用することもできる。
<四官能重合性単量体>
本発明で好適に使用できる四官能重合性単量体を例示すると、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
<(d)重合性単量体における好適な配合割合>
本発明においては、(d)重合性単量体として、目的とする用途に応じて、各重合性単量体の配合割合を決定すればよい。そのため、前記単官能重合性単量体が100質量%とあってもよい。中でも、得られる硬化体を義歯床用裏装材として使用するためには、適度な弾性率が必要となるため、以下の配合割合とすることが好ましい。すなわち、弾性率の点から、(d)重合性単量体の全量を100質量%としたとき、単官能重合性単量体が40〜70質量%、二官能重合性単量体が30〜60質量%、三官能重合性単量体が0〜10質量%、四官能以上の重合性単量体が0〜10質量%であることが好ましく、さらには、単官能重合性単量体が50〜70質量%、二官能重合性単量体が30〜50質量%、三官能以上の重合性単量体が0質量%であることが好ましい。なお、前記の(a)光増感用化合物、(b)第三級アミン化合物、(c)アリールヨードニウム塩の配合割において、(d)重合性単量体お基準となる量は、重合性単量体の全量である。
本発明において使用する(d)重合性単量体の分子量は、特に制限されるものではないが、得られる硬化体を義歯床用裏装材として使用する場合には、重合活性が高く、機械的強度に優れ、かつ低刺激材料となる点から、(d)重合性単量体の全量を100質量%としたとき、分子量が150以上1000以下、より好適には180以上500以下のラジカル重合性単量体(好ましくは(メタ)アクリレート系重合性単量体)を、50質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましく、100質量%とすることが好ましい。
(e)樹脂粒子
本発明の光硬化性組成物で好適に使用される(e)樹脂粒子としては、公知の樹脂粒子が何ら制限なく使用できる。この(e)樹脂粒子は、固体(粉)の状態で使用するものである。本発明においては、この(e)樹脂粒子を含むことにより、得られる硬化体を義歯床用裏装材として好適に使用できる。
本発明で好適に使用される(e)樹脂粒子としては、
ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸アミル、ポリメタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体等からなる(e1)非架橋型樹脂粒子が挙げられる。
また、本発明で好適に使用される(e)樹脂粒子としては、架橋型ポリメタクリル酸メチル、架橋型ポリメタクリル酸エチルからなる(e2)架橋型樹脂粒子等が挙げられる。
なお、(e1)非架橋型樹脂粒子と(e2)架橋型樹脂粒子とは、以下の方法で見分けることができる。例えば、(e1)非架橋型樹脂粒子は、良溶媒に溶解してしまうか、膨潤して見かけ上溶解するのに対して、(e2)架橋型樹脂粒子は、良溶媒中であってもほとんど膨潤することなく、粒子の形状を維持する。具体的には、本発明においては、1gの(e)樹脂粒子と50mlのテトラヒドロフラン(THF)とを、25℃で1時間攪拌混合した後、得られた混合液中に目視にて不溶分が存在しない(樹脂粒子が溶解している)ことが確認できた場合には、(e1)非架橋型樹脂粒子と見なすことができる。一方、(e2)架橋型樹脂粒子は、前記条件において得られた混合液中に不溶分が存在することになる。これら(e1)非架橋型樹脂粒子、および(e2)架橋型樹脂粒子は、公知の粒子であり、市販のものが何ら制限なく使用できる。
以上の(e)樹脂粒子は、1種で使用することもできるし、複数種類のものを使用することもできる。
上記の中でも、得られる硬化体の弾性率や、(d)重合性単量体への溶解性(分散性)等の点から、(e)樹脂粒子((e1)非架橋型樹脂粒子、および(e2)架橋型樹脂粒子)は、(メタ)アクリレート系ポリマー((メタ)アクリレート系モノマーから得られるポリマー)からなる樹脂粒子であることが好ましい。さらには、機械的強度の観点から、(e)樹脂粒子は、炭素数が1〜6のアルキル基、さらに好ましくは炭素数が1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリレート系ポリマーからなる樹脂粒子であることが好ましい。
本発明において、使用する(e)樹脂粒子の粒径は特に限定されるものではない。中でも、一般的に歯科用途として使用されている、レーザー回折法で測定した平均粒子径(50%体積平均粒子径)が1〜300μmの平均粒径の樹脂粒子であることが好ましい。その中でも、粉材と液材とのなじみの良さ、粘度上昇の観点から5〜100μmの平均粒径の(e)樹脂粒子であることがより好ましい。また、平均粒径の異なる複数の充填剤を併用してもよい。また、(e)樹脂粒子の形状は特に制限されず、球状、不定形のいずれであってもよい。
前記(e)樹脂粒子は、前記の通り、必要に応じて複数の種類のものを併用して使用することができる。中でも、得られる硬化体を義歯床用裏装材として使用する場合、弾性率の点から、(e)樹脂粒子の全量を100質量%としたとき、(e1)非架型橋樹脂粒子が90〜100質量%、(e2)架橋型樹脂粒子が0〜10質量%であることが好ましく、さらには、(e1)非架型橋樹脂粒子が100質量%、(e2)架橋型樹脂粒子が0質量%であることが好ましい。
さらに、(e1)非架橋樹脂粒子の中でも、得られる硬化体の機械的強度や液材への溶解性や膨潤性の点から、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量が3〜200万である樹脂粒子が好ましく、5〜100万の範囲である樹脂粒子がより好ましい。
本発明の光硬化性組成物において、(e)樹脂粒子の配合割合は、得られる硬化体の弾性率の点から、(d)重合性単量体100質量部に対して、100〜300質量部とすることが好ましい。特に、得られる硬化体を義歯床用裏装材として使用する場合には、150〜250質量部とすることが好ましい。
<その他 配合剤>
本発明の光硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の公知の重合開始剤を配合することもできる。他の重合開始剤成分としては、
過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物類;
酸化バナジウム(IV)アセチルアセトナート、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)等の+IV価又は+V価のバナジウム化合物類;
テトラフェニルホウ素ナトリウム、テトラフェニルホウ素トリエタノールアミン塩、テトラフェニルホウ素ジメチル−p−トルイジン塩、テトラキス(p−フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム、ブチルトリ(p−フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム等のアリールボレート化合物類;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンソイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;
2,4−ジエトキシチオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導体;
ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ジメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体類等が挙げられる。
また、本発明の光硬化性組成物には、本効果を損なわない範囲で公知の無機粒子を配合することもできる。代表的な無機粒子を具体的に例示すれば、石英、シリカ、アルミナ、シリカチタニア、シリカジルコニア、ランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス等が挙げられる。さらに無機粒子の内、カチオン溶出性無機粒子としては、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム等の水酸化物、酸化亜鉛、ケイ酸塩ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス等の酸化物が挙げられる。これらもまた、一種または二種以上を混合して用いても何等差し支えない。
また、これら無機粒子に(d)重合性単量体を予め添加し、ペースト状にした後、重合させ、粉砕して得られる粒状の有機−無機複合粒子を用いる場合もある。
これら無機粒子の粒径は特に限定されず、一般的に歯科用材料として使用されている0.01μm〜100μmの平均粒子径の粒子が目的に応じて適宜使用できる。また、粒子の屈折率も特に限定されず、一般的な歯科用粒子が有する1.4〜1.7の範囲のものが制限なく使用できる。
さらに、上記した粒子の中でもとりわけ球状の無機粒子を用いると、得られる硬化体の表面滑沢性が増し、優れた修復材料となり得る。
上記した無機フィラーは、シランカップリング剤に代表される表面処理剤で処理することが、重合性単量体とのなじみをよくし、機械的強度や耐水性を向上させる上で望ましい。表面処理の方法は公知の方法で行えばよく、シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が好適に用いられる。
また、本発明の光硬化性組成物には、目的に応じその性能を低下させない範囲で水、有機溶媒や増粘剤等を添加することも可能である。当該有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、酢酸エチル等があり、増粘剤としてはポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の高分子化合物や高分散性シリカが例示される。
<光硬化性組成物の硬化方法(光重合方法)>
本発明の光硬化性組成物を硬化させる際には、α−ジケトン系の光増感用化合物を硬化させるために用いられるのと同じ公知の光源を用いることができ、カーボンアーク、キセノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ、LED、ハロゲンランプ、ヘリウムカドミウムレーザー、アルゴンレーザー等の可視光線の光源が何ら制限なく使用される。照射時間は、光源の波長、強度、硬化体の形状や材質によって異なるため、予備的な実験によって予め決定しておけばよい。
<光硬化性組成物の用途(硬化体の用途)>
本発明の光硬化性組成物は、歯科用材料として用いることができるが、中でも光重合型の義歯床用裏装材組成物として使用することが好ましい。既に述べたように、本発明の光硬化性組成物を光重合して得られる硬化体は、義歯床用裏装材に好適に使用できる。すなわち、該硬化体は、表面未重合層が低減され、適度な弾性率を有し、しかも高い光硬化深さを有するものとなるため、特に義歯床用裏装材として使用できる。
<義歯床用裏装材組成物 キット>
光重合型の義歯床用裏装材組成物とは、口腔粘膜と適合が悪くなった義歯形態を修復する材料であり、一般には、重合性単量体と樹脂粒子を主成分とし、可視光の照射により重合硬化させるために光重合開始剤が配合されている。また、操作性を良好なものとするために、粉材と液材を混合して使うキット様であるものが多い。
本発明の光硬化性組成物を義歯床用裏装材組成物として使用する場合にも、粉材((e)樹脂粒子を主成分とする)と、液材((d)重合性単量体を主成分とする)とのキットとすることが好ましい。
粉材と液材からなる義歯床用裏装材の特徴は、混和時の粘度の経時変化であり、歯科医師等の使用者が所望のペースト性状に調整して使用することができる。このような粉液型の義歯床用裏装材組成物は、粉材と液材を混合した際に、(e)樹脂粒子が(d)重合性単量体へ徐々に膨潤・溶解し、レジン泥となる。よって、混和直後は(e)樹脂粒子の(d)重合性単量体への膨潤・溶解が少なく高流動であるが、(d)重合性単量体が(e)樹脂粒子に浸透していくに従って膨潤・溶解が進み粘度が上昇し、塑性変形する程度の状態を経て、塑性変形しない状態となる。
実際の使用を想定すると、粉材と液材とを20秒程度混和した後、所望のペースト性状になるまで待ってから義歯の上に盛上げる操作を行う。そのため、粉材に含まれる触媒類(光重合開始剤:(a)光増感用化合物、(b)第三級アミン化合物、および(c)アリールヨードニウム塩を含む)は混和の際に速やかに液材に溶解する必要がある。ここで、本発明の特徴の一つである(c)アリールヨードニウム塩は、固体であるものが多く、中には(d)重合性単量体に溶解しにくいものもある。したがって、(c)アリールヨードニウム塩は、液材に配合し、液材を調製する際に均一に溶解しておくことが好ましい。その他の成分は、特に制限されるものではないが、(e)樹脂粒子を主成分とする粉材に(a)光増感用化合物を配合することが好ましく、(d)重合性単量体を主成分とする液材に(c)第三級アミン化合物を配合することが好ましい。
粉材と液材との混合割合は、特に制限されるものではなく、各部材に含まれる前記成分の含有量と、前記説明した粉材と液材の混合時のペースト性状を踏まえ、適宜決定すれば良いが、一般的には粉材(g)/液材(ml)=0.3/1〜4.5/1の割合が好ましく、粉材(g)/液材(ml)=0.8/1〜3.5/1の割合がより好ましく、粉材(g)/液材(ml)=1.5/1〜2.5/1の割合がさらに好ましい。
なお、本明細書中の各成分は、粉材と液材とを上記割合で混合したときに、各配合量を満たしているように粉材または液材に配合されていればよい。
<義歯床用裏装材組成物 好適な配合剤>
また、本発明の光硬化性組成物を義歯床用裏装材組成物として使用する場合、口腔粘膜の色調に合わせるために、上述した各成分に加え、顔料、染料、紫外線に対する変色防止のために紫外線吸収剤を配合することもできる。その他、義歯床用裏装材として配合される公知の添加材を、本発明の効果に影響のない範囲で、本発明の光硬化性組成物に配合することもできる。
<義歯床用裏装材組成物 粉材と液材とを製造する方法、および粉材と液材との混合方法>
以上の各成分が配合されてなる粉材、および液材を製造する方法については、特に制限なく、公知の製造方法に準じて製造すればよい。具体的には、各々所定の配合成分を測り取り、均一の性状になるまで混合すればよい。混合に用いることのできる装置に関しても特に制限なく、公知のものが使用できる。例えば、粉材は揺動ミキサー、液材は撹拌羽根、また、全成分を最初から混合してペーストにしたものはプラネタリーミキサー等により、均一に混合することで製造できる。また、製造した粉材、液材は各々容器に保存しておけばよく、任意の量に小分けして保存してよい。全成分を最初から混合して得られるペーストは、混合したものをそのまま使用することが好ましい。
以上のようにして得られる粉材と液材とからなる、粉液型の義歯床用裏装材組成物の使用方法は、各形態に合わせて適宜粉材と液材を混和し使用すればよい。その一例として、使用直前にラバーカップ等に所望の量の液材と粉材とを量り取り、練和棒あるいはヘラ等を用いて均一なペーストになるまで練和して使用するとよい。
その後、光重合開始剤((a)光増感用化合物、(b)第三級アミン化合物、および(c)アリールヨードニウム塩を含む)が配合された義歯床用裏装材組成物のペーストを、適合が悪くなった義歯に盛上げ、口腔内との適合を測った後、専用の光照射器を用いて活性光を照射して重合硬化させて義歯床用裏装材を作製することができる。なお、本発明の光硬化性組成物は、それ自体が高度に重合できるため、表面未重合層が少なくなる。そのため、光硬化の際に硬化体表面を空気にさらされないようにしなくともよい。ただし、空気にさらさない方法を採用した場合には、より一層、表面未重合層を低減できることは当然である。
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明の技術的思想は、これらにより何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例および比較例で用いた化合物の略称を以下に示す。
(a)光増感用化合物
CQ:カンファーキノン。
CC:3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン。
DiSC2:3,3’−ジエチル−2,2’−チアカルボシアニンアイオダイド。
(b)第三級アミン化合物
(b1)DMBE:p−ジメチルアミノ安息香酸エチル。
(b2)TM:トリエタノールアミン。
(c)アリールヨードニウム塩
DPICH:ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレートモノハイドレート。
DPIN:ジフェニルヨードニウムニトレート。
DPIC:ジフェニルヨードニウムクロリド。
DPIB:ジフェニルヨードニウムブロリド。
(d)重合性単量体
HPr:2−メタクリロキシエチルプルピオネート(単官能重合性単量体、分子量186)。
ND:1,9−ノナメチレンメタクリレート(二官能重合性単量体、分子量296)。
TT:トリメチロールプロパントリメタクリレート(三官能重合性単量体、分子量338)。
PT:ペンタエリスリトールテトラメタクリレート(四官能重合性単量体、分子量367)。
(e)樹脂粒子
(e1)PEMA1:球状ポリエチルメタクリレート粒子(非架橋型、平均粒径35μm、 重量平均分子量50万)。
(e2)PEMA2:球状ポリエチルメタクリレート粒子(架橋型、平均粒径35μm)。
(e1)PBMA:球状ポリブチルメタクリレート粒子(非架橋型、平均粒径35μm、重量平均分子量50万)。
(e1)PHMA:球状ポリヘキシルメタクリレート粒子(非架橋型、平均粒径35μm、重量平均分子量50万)。
(e1)PS:球状ポリスチレン(非架橋型、平均粒径30μm、重量平均分子量40万)。
(f)その他成分
SiO:球状シリカ(平均粒子径2μm)。
評価方法
(1)硬化体の表面未重合量(未重合層)の測定
粉材と液材とを、粉材(g)/液材(ml)=2/1の割合でラバーカップ内に入れ、20秒間混和した。20×20×1mmのポリテトラフルオロエチレン製のモールドに、混和した光硬化性組成物(粉材と液材とを混合してなる光硬化性組成物)を流し込み、片面を大気中に曝した状態で歯科技工用光重合装置αライトV(MORITA社製)を用いて硬化体を作製した。得られた硬化体の厚みを5点測定後、エタノールに1分間浸漬し、未重合層を金属スパチュラで削合した。表面未重合層を除去した硬化体の厚みを測定し、エタノールに浸漬させる前の硬化体厚みの平均と金属スパチュラで除去した後の硬化体の厚みの平均との差を表面未重合層の厚さとした。
(2)硬化体の硬化深さの測定
粉材と液材とを、粉材(g)/液材(ml)=2/1の割合でラバーカップ内に入れ、20秒間混和した。内径9mmφ×肉厚2mm×高さ10mmのポリ塩化ビニル製のモールドに、混和した光硬化性組成物(粉材と液材とを混合してなる光硬化性組成物)を充填して両面をポリプロピレンフィルムで圧接した。歯科技工用光重合装置αライトV(MORITA社製)で同一方向から5分間光照射し、硬化体を作製した。得られた硬化体の光照射面と非照射面の表面硬硬度を微小硬度計(松沢精機製MHT−1型)にてヌープ圧子を用いて、荷重100gf、荷重時間20秒で硬化体にできたくぼみの長軸の対角線長さにより求めた。ここで、非照射面のヌープ硬度が7以上の場合は、深い地点まで硬化していると判断し、硬化判定を○、7未満の場合は硬化判定を×とした。
(3)硬化体の弾性率測定
粉材と液材とを、粉材(g)/液材(ml)=2/1の割合でラバーカップ内に入れ、20秒間混和した。30×30×2mmのポリテトラフルオロエチレン製のモールドに、混和した光硬化性組成物(粉材と液材とを混合してなる光硬化性組成物)を流し込み、両面を圧接した状態で歯科技工用光重合装置αライトV(MORITA社製)を用いて硬化体を作製した。次いで、#800および#1500の耐水研磨紙にて硬化体を研磨後、4×30×2mmの角柱状に試験片を切断後、この試験片を試験機(島津製作所製、オートグラフAG5000D)に装着し、支点間距離20mm、クロスヘッドスピード1mm/分で3点曲げ弾性率強度を測定した。
<実施例1>
粉材として、(e)樹脂粒子(非架橋樹脂粒子) (e1):PEMA1(200質量部)、および(a)光増感用化合物:CQ(0.02質量部)を混合した。一方、液材として、(d)単官能重合性単量体:HPr(60質量部)、二官能重合性単量体:ND(40質量部)、(b)第三級アミン化合物 (b1)DMBE(0.5質量部)、および(c)アリールヨードニウム塩:DPICH(0.2質量部)を混合した。得られた粉材と液材とを前記評価方法(1)〜(3)に記載した方法に従い硬化体を作製し、得られた硬化体の表面未重合量、光硬化深さ、および弾性率を評価した。
粉材と液材との組成を表1、および表2に示した。また、評価結果を表3に示した。
<実施例2〜37>
粉材と液材との組成を表1、および表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様により粉液型の光硬化性組成物(義歯床用裏装材組成物)を作製し、得られた光硬化性組成物(粉材と液材)を実施例1と同様の方法により硬化して硬化体を作製し、得られた硬化体を実施例1と同様の方法で評価した。
表面未重合量、光硬化深さ、および弾性率を評価した。結果を表3に示した。
<実施例38>
(d)重合性単量体:PEMA1(200質量部)、(a)光増感用化合物:CQ(0.3質量部)、(d)重合性単量体:HPr(60質量部)、(d)重合性単量体:ND(40質量部)、(b)第三級アミン化合物 (b1)DMBE(0.5質量部)、(c)アリールヨードニウム塩:DPICH(0.2質量部)を同時に混合して、1ペースト型の光硬化性組成物(義歯床用裏装材組成物)を作製し、前記評価方法(1)〜(3)に記載の右方法に従い硬化体を作製した。該評価方法に従い得られた硬化体の表面未重合量、光硬化深さ、および弾性率を評価した。
その結果、表面未重合量が42μmとなり、ヌープ硬度が光照射面で8.3、非照射面で7.0となり硬化判定は○であった。また、弾性率も1.40GPaとなり、所望の機械的強度を得ることができた。
<比較例1〜4>
粉材と液材との組成を、表1、および表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様に光硬化性組成物(粉液型 義歯床用裏装材組成物)を作製し、実施例1と同様の方法により硬化体を作製した。さらに、実施例1と同様の方法により得られた硬化体の表面未重合量、光硬化深さ、および弾性率を評価した。結果を表3に示した。
Figure 2019044065
Figure 2019044065
Figure 2019044065
実施例1〜23、25、27〜35、37は、各成分が本発明で示される構成を満足するように配合されたものであるが、いずれの場合においても、表面未重合が少なく、高い光硬化深さが得られ、さらに義歯床用裏装材として所望の弾性率を示した。
実施例38の結果から、1ペースト型であっても、所望の機械的強度を有する硬化体が有られることが分かった。
これに対し比較例1は、(a)光増感用化合物を配合しない場合であり、硬化しない。
比較例2は、(b)第三級アミン化合物を配合しない場合であり、表面未重合が増加し、十分な硬化深さも得られなかった。比較例3は本発明の特徴である(c)アリールヨードニウム塩を配合しない場合であり、表面未重合量が増加し、光硬化深さを得ることができない。
比較例4は、(e)樹脂粒子を無機粒子の球状SiOに置き換えた場合であり、表面未重合量とヌープ硬度は向上するが、弾性率が著しく上昇した。

Claims (10)

  1. (a)光増感用化合物、(b)第三級アミン化合物、(c)アリールヨードニウム塩、(d)重合性単量体、および(e)樹脂粒子を含む光硬化性組成物。
  2. 前記アリールヨードニウム塩(c)が、ジフェニルヨードニウム−2−カルボキシレートモノハイドレートを含む請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 前記光増感用化合物(a)が、α−ジケトン化合物を含む請求項1または2に記載の光硬化性組成物。
  4. 前記の樹脂粒子(e)が、架橋樹脂粒子(e1)、および非架橋樹脂粒子(e2)から選ばれる少なくとも一種の粒子を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
  5. 前記の樹脂粒子(e)が、(メタ)アクリレート系ポリマーからなる樹脂粒子を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
  6. 前記の樹脂粒子(e)が、炭素数1〜4のアルキル基を有する、(メタ)アクリレート系ポリマーからなる樹脂粒子を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
  7. 歯科用として使用される請求項1〜6のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
  8. 粉材と液材とからなる光硬化型の義歯床用裏装材組成物として使用される請求項1〜7のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
  9. 粉材と液材からなる光硬化型の義歯床用裏装材組成物であって、前記のアリールヨードニウム塩(c)が液材に配合されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の光硬化性組成物を光硬化して得られる義歯床用裏装材。
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