JP2019043799A - ガラス基板の端面処理方法及びガラス基板の端面処理装置 - Google Patents

ガラス基板の端面処理方法及びガラス基板の端面処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂のような耐熱性の低い材料と一体になったガラス基板の残留応力を低減できるようにする。また、高い残留応力によって通常は数十分以内で破壊が生じるガラス基板に対しても、破壊が生じる前に残留応力を低減できるようにする。【解決手段】ガラス基板Gの端面処理方法は、ガラス基板Gの切断後の端面20を処理する方法であって、ガラス基板Gの端面20を溶融面取りする溶融面取りステップと、ガラス基板Gの端面近傍部分21を加熱して残留応力を低減する残留応力低減ステップとを備えている。【選択図】図7

Description

本発明は、ガラス基板の端面処理方法及びガラス基板の端面処理装置に関する。
ガラスの基板を製品寸法に切り出すためには、ガラス基板にホイールによってスクライブラインを形成し、そしてガラス基板を曲げることでスクライブラインに沿ってガラス基板を分断している(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、ホイール刃で印加された力及び分断時に加えられた応力が原因で、スクライブラインには残留応力が残る。したがって、ガラス基板の表面に水平方向にクラックが自然発生しやすく、また、時間が経過するとクラックが湿気等によってさらに成長する。
また、ガラス基板の端面(エッジ)にレーザ光を照射して溶融面取りを行うことで、ガラス基板の端面の強度を向上させる技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。この溶融面取りでは、基板エッジの微細なクラックが消失し、端面強度が向上する。
しかしこの方法では、溶融部近傍に残留応力が生じる。そして、残留応力によって、基板が割れる可能性が高まる。具体的には、内部欠陥の経時的な成長や後発的な傷による破壊が生じる可能性が高まり、残留応力の大きさによっては、数十分以内に破壊が生じることがある。
特開平6−144875号公報 特許第5245819号公報
以上を考慮して、従来からガラス基板の端面の残留応力を低減する方法が開発されている。例えば、ガラス基板の残留応力低減方法では、昇温後に徐冷を行う。具体的には、最初に、ガラス基板全体をガラス転移点以上の温度まで均一に加熱し、次にそれを一定時間保持し、最後に常温まで徐冷する。一般には、加熱・保持・徐冷の工程に数時間以上の時間を要する。
この方法では、ガラス基板の端面の残留応力をほぼ完全に除去できるという利点がある。また、炉で複数個のガラス基板を同時処理できるという利点がある。
しかし、基板全体をガラス転移点以上に加熱するので、例えば樹脂のような耐熱性の低い材料と一体になったガラス製品には適用できない。図46には、ガラス基板Gに樹脂材料P1、P2が一体に形成されたガラス製品を示している。
また、1回の残留応力低減処理に数時間以上の時間がかかるため、残留応力が発生した直後に残留応力を低減することはできない。そのため、高い残留応力によって数十分以内に破壊が生じる確率が高いガラス基板に適用するのが困難である。
本発明の第一の目的は、樹脂のような耐熱性の低い材料と一体になったガラス基板の残留応力を低減できるようにすることにある。
本発明の第二の目的は、高い残留応力によって通常は数十分以内で破壊が生じるガラス基板に対しても、破壊が生じる前に残留応力を低減できるようにすることにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係るガラス基板の端面処理方法は、ガラス基板の切断後の端面を処理する方法であって、下記のステップを有している。
◎ガラス基板の端面を溶融面取りする溶融面取りステップ。
◎ガラス基板の端面近傍部分を加熱して残留応力を低減する残留応力低減ステップ。
この方法では、ガラス基板の端面近傍部分が加熱されるので、樹脂のような耐熱性の低い材料と一体になったガラス基板の端面の残留応力を低減できるようになる。ガラス基板全体が加熱されないので、樹脂等に熱の影響が生じにくいからである。
また、この方法では、ガラス基板を1ピコ秒〜100秒間程度加熱することで、加熱域において残留応力が低減されるので、通常は数十分以内で破壊が生じるガラス基板に対しても、破壊が生じる前に残留応力を低減できるようになる。
「端面近傍部分」とは、端面及びその近傍に対応する部分である。
「端面近傍部分が加熱される」とは、端面近傍部分より中心側には加熱されない部分があることを意味する。
「残留応力を低減する」とは、内部欠陥の経時的な成長が抑制され、外力を加えていないガラス基板が既定の時間内に割れない程度まで残留応力を低減することを意味する。
残留応力低減手段は、例えば、部分加熱が可能な装置であり、部分加熱を行うための熱源としては、例えば、レーザ、各種ヒータである。
溶融面取りステップの途中で残留応力低減ステップが開始され、それ以後は両ステップが同時に行われてもよい。又は、溶融面取りステップが終了した後に、残留応力低減ステップが開始されてもよい。
残留応力低減ステップは、ガラス基板の端面近傍部分に、端面に沿ってレーザ光を走査するレーザ光走査ステップを有していてもよい。
残留応力低減ステップは、ガラス基板の端面近傍部分の複数箇所各々にレーザ光を照射するレーザ光照射ステップを有していてもよい。
レーザ光照射ステップは、複数のレーザ光を複数箇所に同時に又は短時間で繰り返し照射してもよい。
本発明の他の見地に係るガラス基板の端面処理装置は、ガラス基板の切断後の端面を処理する装置であって、溶融面取り装置と、残留応力低減装置とを備えている。
溶融面取り装置は、ガラス基板の端面を溶融面取りする。
残留応力低減装置は、ガラス基板の端面近傍部分を加熱して残留応力を低減する。
この装置では、ガラス基板の端面近傍部分が加熱されるので、樹脂のような耐熱性の低い材料と一体になったガラス基板の端面近傍部分の残留応力を低減できるようになる。ガラス基板全体が加熱されないので、樹脂等に熱の影響が生じにくいからである。
また、この装置では、ガラス基板を1ピコ秒〜100秒間程度加熱することで、加熱域において残留応力が低減されるので、通常は数十分以内で破壊が生じるガラス基板に対しても、破壊が生じる前に残留応力を低減できるようになる。
残留応力低減装置は、ガラス基板の端面近傍部分に、端面に沿ってレーザ光を走査してもよい。
残留応力低減装置は、ガラス基板の端面近傍部分の複数箇所各々にレーザ光を照射してもよい。
残留応力低減装置は、複数のレーザ光を複数箇所に同時に又は短時間で繰り返し照射してもよい。
本発明によれば、樹脂のような耐熱性の低い材料と一体になったガラス基板の残留応力を低減できるようになる。
さらに、本発明によれば、高い残留応力によって通常は数十分以内で破壊が生じるガラス基板に対しても、破壊が生じる前に残留応力を低減できるようになる。ガラス基板を1ピコ秒〜100秒間程度加熱することで、加熱域において残留応力が低減されるからである。
本発明の第1実施形態のレーザ照射装置の模式図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 溶融面取りされたガラス基板の断面写真。 溶融面取りされたガラス基板の端面から中央側に向かってのリタデーションの変化を示すグラフ。 ガラス基板の残留応力が高くなっている部分を示す模式的平面図。 ガラス基板の残留応力が高くなっている部分を示す模式的断面図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 溶融面取りされたガラス基板の端面から中央側に向かってのリタデーションの変化を、残留応力低減処理の前後で比較するためのグラフ。 溶融面取りされたガラス基板の端面から中央側に向かってのリタデーションの変化を、残留応力低減処理の前後で比較するためのグラフ。 溶融面取りされたガラス基板の端面から中央側に向かってのリタデーションの変化を、残留応力低減処理の前後で比較するためのグラフ。 残留応力低減処理における、走査速度が異なる場合の温度分布を示すシミュレーション結果。 残留応力低減処理における、走査速度が異なる場合の温度分布を示すシミュレーション結果。 第2実施形態を実施する際のレーザスポットSの形状のバリエーションを示す模式的平面図。 第2実施形態を実施する際のレーザスポットSの形状のバリエーションを示す模式的平面図。 第2実施形態を実施する際のレーザスポットSの形状のバリエーションを示す模式的平面図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 第2実施形態のレーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 加熱位置の順序の一例を示す模式的平面図。 加熱位置の順序の一例を示す模式的平面図。 第2実施形態の変形例のレーザ照射装置の模式図。 第3実施形態のレーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図。 加熱領域の間隔のバリエーションを示す模式的平面図。 加熱領域の間隔のバリエーションを示す模式的平面図。 回折光学素子又は透過型空間光変調器を用いたレーザスポットの分岐を示す模式図。 反射型空間光変調器を用いたレーザスポットの分岐を示す模式図。 シリンドリカルレンズによるビーム形成を示す模式図。 ガルバノスキャナによるビーム形成を示す模式図。 ポリゴンミラーによるビーム形成を示す模式図。 遮蔽板とガラス基板の位置関係を示す模式的平面図。 遮蔽板とガラス基板の位置関係を示す模式的正面図。 第3実施形態の第2変形例のレーザ照射装置の模式的平面図。 レーザ照射装置の模式的正面図。 ガルバノスキャナを用いた、3点のビームの形成を示す模式図。 時間に対するレーザパルスと光線角度の変化を示すグラフ。 耐熱性の低い材料と一体になった従来のガラス製品の模式的平面図。
1.第1実施形態
(1)レーザ照射装置
図1に、本発明の一実施形態によるレーザ照射装置1の全体構成を示す。図1は、本発明の第1実施形態のレーザ照射装置の模式図である。
レーザ照射装置1は、ガラス基板Gの端面を溶融面取りする機能と、ガラス基板Gの端面近傍部分を加熱することで端面近傍部分の残留応力を低減する機能とを有している。
ガラス基板Gは、ガラスのみからなるものと、ガラスに樹脂等の他の部材が組み合わせられたものを含む。ガラスの種類の代表的な例としては、ディスプレイやインパネ等に使われるソーダガラス、無アルカリガラスが挙げられるが、種類はこれらに限定されない。ガラスの厚さは、具体的には、3mm以下であり、例えば、0.004〜3mmの範囲、好ましくは0.2〜0.4mmの範囲である。
端面近傍部分とは、端面及びその近傍の部分をいい、外周縁の端面近傍部、穴の縁の端面近傍部を含む。
レーザ照射装置1は、レーザ装置3を備えている。レーザ装置3は、ガラス基板Gにレーザ光を照射するためのレーザ発振器15と、レーザ制御部17とを有している。レーザ制御部17はレーザ発振器15の駆動及びレーザパワーを制御できる。
レーザ装置3は、レーザ光を後述する機械駆動系側に伝送する伝送光学系5を有している。伝送光学系5は、例えば、集光レンズ19、複数のミラー(図示せず)、プリズム(図示せず)等を有する。
レーザ照射装置1は、レンズの位置を光軸方向に移動させることによって、レーザ光のスポットの大きさを変更する駆動機構11を有している。
レーザ照射装置1は、ガラス基板Gが載置される加工テーブル7を有している。加工テーブル7は、テーブル駆動部13によって移動される。テーブル駆動部13は、加工テーブル7をヘッド(図示せず)に対して水平方向に移動させる移動装置(図示せず)を有している。移動装置は、ガイドレール、モータ等を有する公知の機構である。
レーザ照射装置1は、制御部9を備えている。制御部9は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。制御部9は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
制御部9は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
制御部9は、レーザ制御部17を制御できる。制御部9は、駆動機構11を制御できる。制御部9は、テーブル駆動部13を制御できる。
制御部9には、図示しないが、ガラス基板Gの大きさ、形状及び位置を検出するセンサ、各装置の状態を検出するためのセンサ及びスイッチ、並びに情報入力装置が接続されている。
(2)溶融面取り動作
図2〜図4を用いて、ガラス基板Gの端面を溶融面取りする動作を説明する。図2は、レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図である。図3は、溶融面取りされたガラス基板の断面写真である。図4は、溶融面取りされたガラス基板の端面から中央側に向かってのリタデーションの変化を示すグラフである。
最初に、ガラス基板Gを加工テーブル7上の所定位置にセットする。
次に、図2に示すように、ガラス基板Gに対して、レーザ光を、ガラス基板Gの端面近傍部分21に照射し、さらにレーザスポットSをガラス基板Gの端面20に沿って走査する。このとき、レーザスポットSが、ガラス基板Gの端面20から基板内側(中央側)に向かって例えば、10μm〜150μm離れた位置にくるようにセットする。
以上のようなレーザスポットSの照射及び走査によって、ガラス基板Gの端面近傍部分21が加熱される。特に、中赤外光のレーザ光を照射することによって、レーザ光はガラス基板Gの内部まで透過しながら吸収される。したがって、ガラス基板Gの端面20は、レーザ光の照射面である表面側のみではなく、ガラス基板Gの内部及び裏面側の全体にわたって比較的均一に加熱される。このため、ガラス基板Gの端面20は基板厚みの中央部が外側に膨らむように溶融し、その結果、図3に示すように、端面20が面取りされる。
ただし、溶融面取りの方法は特に限定されない。他の例として、ガラス基板Gの表面及び裏面の両方又は片方からレーザ光を照射するとともに、ガラス基板Gの端面20に対して直交する方向からレーザ光を照射し、ガラス基板Gの端面20を溶融させて面取りを行ってもよい。遠赤外光のレーザ光を照射してもよい。
以上の結果、図4に示すように、ガラス基板Gの端面近傍部分(例えば、端面20から200μmの領域)では、リタデーション(nm)が高くなる。リタデーションは、物体を透過した光に生じる位相差であり、物体内にはたらく応力に比例する値である。外力を加えていない物体のリタデーションが高いということは、残留応力が高くなっていることを意味する。
(3)残留応力低減処理
図5〜図7を用いて、ガラス基板Gの端面近傍部分を加熱する残留応力低減処理を説明する。図5は、ガラス基板の残留応力が高くなっている部分を示す模式的平面図である。図6は、ガラス基板の残留応力が高くなっている部分を示す模式的断面図である。図7は、レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図である。
図7に示すように、加工テーブル7上のガラス基板Gに対して、レーザ光を、ガラス基板Gの端面近傍部分21に照射し、さらにレーザスポットSをガラス基板Gの端面近傍部分21に沿って走査する。ここでの端面近傍部分21は、溶融面取りによって残留応力が生じた残留応力発生領域Z(斜線領域)に対応している。
このとき、レーザスポットSはガラス基板Gに対して小さく、例えば、4μm〜20mm程度の大きさに設定する。これにより、ガラス基板Gの端面近傍部分21がレーザスポットSによって加熱される。
本発明者らは、残留応力低減処理においては、高温になる領域を、端面20に沿った方向の狭い範囲に抑えることが必要であることを見い出し、本発明に至った。その根拠は後述する。すなわち、レーザスポットSの走査速度を遅く設定してガラス基板Gをガラス転移点以上の温度まで加熱する。その結果、高温になる領域が端面20に沿った方向に広がることがなく、そのため残留応力を低減する効果が高くなる。逆に、走査速度を速く設定すると、ガラス転移点以上の温度まで加熱するのに必要な出力が増加する。高い出力のレーザスポットSを速い速度で走査させると、高温になる領域が端面20に沿った方向に広がる結果、残留応力を低減する効果が低くなる。
走査速度は、20mm/s以下であればよく、好ましくは10mm/s以下であり、さらに好ましくは5mm/s未満である。
以上の結果、ガラス基板Gの端面近傍部分21(つまり、残留応力発生領域Z)がガラス転移点以上まで加熱され、その結果、残留応力が低減する。
この方法では、ガラス基板Gの端面近傍部分21が加熱される(つまり、ガラス基板G全体が加熱されない)ので、樹脂のような耐熱性の低い材料と一体になったガラス基板Gの端面近傍部分21の残留応力を低減できるようになる。樹脂等に熱の影響が生じにくいからである。さらに、残留応力発生領域Zの面積が極端に広くなければ、数十分以内に残留応力低減処理を完了することができ、高い残留応力によって通常は数十分以内で破壊が生じるガラス基板に対しても、破壊が生じる前に残留応力を低減できるようになる。
レーザの種類(波長)は特に限定されない。
必要なレーザ出力は、ガラス基板Gをガラス転移点以上まで加熱できる出力である。このため、ガラスに対する光吸収率が低いレーザを使用する場合は、より高いレーザ出力が必要となる。
また、熱源としてはレーザに限定されず、例えば、赤外線ヒータ、接触式ヒータであってもよい。
なお、ガラス基板Gの加熱部の温度がガラス転移点程度である場合、加熱部の変形はほとんど確認されない。加熱部の温度がより高い場合には、加熱部が溶融し、形状が変化する。レーザ出力が高いほど、加熱部の粘度が低下し、短い時間で大きく変形する。本発明によれば、レーザ出力が高く、ガラス基板Gの形状が変形する場合であっても、残留応力が低減される。ただし、ガラス基板Gの許容できる変形量に制約がある製品に本発明を適用する場合には、ガラス基板Gの粘度が低下して変形量が許容値を超えることがないよう、レーザ出力に上限が設定されるべきである。
ガラス基板Gへの入熱方向は特に限定されない。ガラス基板Gの表面から入熱されてもよいし、裏面から入熱されてもよいし、端面20から入熱されてもよい。
前記実施形態では溶融面取りが終わった後に残留応力低減処理を行っていたが、溶融面取り加工と残留応力低減処理とを一つのガラス基板Gで並行して行ってもよい。具体的には、2本のレーザビームを用いることで溶融面取り動作の途中で残留応力低減処理が開始され、それ以後は両処理が同時に行われる。その場合は、全体の処理時間が短くなる。
なお、複数のレーザビームを用いるためには、レーザ発振器を複数用意してもよいし、1つのレーザ発振器からレーザビームを分岐させてもよい。
(4)実験例
図8〜図10を用いて、レーザ走査による残留応力低減処理の実験例を説明する。図8〜図10は、溶融面取りされたガラス基板(厚さ200μmの無アルカリガラス)の端面から中央側に向かってのリタデーションの変化を、残留応力低減処理の前後で比較するためのグラフである。
残留応力の低減処理は、中赤外レーザ(Erファイバレーザ)でも遠赤外レーザ(CO2レーザ)でも可能であった。Erファイバレーザの諸元は、波長2.8μm、最大出力10W、光吸収率約30%であり、実質の入熱は最大3Wである。CO2レーザの諸元は、波長10.6μm、最大出力250W、光吸収率約80%であり、実質の入熱は最大200Wである。
(4−1)第1実験例
図8の1回目加熱(溶融面取り)では、Erファイバレーザが用いられ、スポットサイズ200μm、5W、3mm/sの条件であった。
図8の2回目加熱(残留応力低減処理)では、Erファイバレーザが用いられ、上記条件で溶融面取りを行った基板を、スポットサイズ2mm、4W、0.2mm/sの条件で加熱した。
図8から明らかなように、残留応力の最大値は大幅に低減している。
(4−2)第2実験例
図9の1回目加熱(溶融面取り)では、Erファイバレーザが用いられ、スポットサイズ200μm、5W、3mm/sの条件であった。
図9の2回目加熱(残留応力低減処理)では、Erファイバレーザが用いられ、上記条件で溶融面取りを行った基板を、スポットサイズ1mm、3.5W、1mm/sの条件で加熱した。図9から明らかなように、残留応力の最大値は低減している。
図8、図9のいずれの実験例においても、残留応力低減処理を行う前では、溶融面取りされたガラス基板が、数分〜数日以内に自発的に割れる確率が高かったのに対し、残留応力低減処理を行った後では、1ヶ月経過しても割れなかった。なお、残留応力低減処理においては、ガラスが溶融して形状が変化することがないよう、レーザ光のパワー密度が調整されている。つまり、溶融面取りされたガラス基板端面の形状を変えることなく、残留応力が低減され、ガラス基板が自発的に割れる確率が低減された。
(4−3)第3実験例
図10の1回目加熱(溶融面取り)では、Erファイバレーザが用いられ、スポットサイズ200μm、5W、3mm/sの条件であった。
図10の2回目加熱(残留応力低減処理)では、Erファイバレーザが用いられ、上記条件で溶融面取りを行った基板を、スポットサイズ0.4mm、4mm/s、レーザ出力4〜6Wの条件で加熱した。レーザ出力4Wの場合は、1回目加熱(溶融面取り)で生じた残留応力に変化が見られなかった。これは、レーザ出力が低く、ガラス基板Gの温度がガラス転移点を超えなかったためである。レーザ出力5.5Wの場合は、残留応力の最大値が少しだけ低減された。また、1回目加熱(溶融面取り)で残留応力が低かった領域の一部において残留応力が大きく上昇した。レーザ出力6Wの場合は、レーザ出力が高かった結果、ガラス基板Gが溶融し、変形した。ガラス基板が溶融して変形するまでレーザ出力を高く設定しても、1回目加熱(溶融面取り)で生じた残留応力はほとんど低減されず、1回目加熱(溶融面取り)で残留応力が低かった領域の一部において残留応力が大きく上昇した。
図10からわかるように、本実験例では、レーザ出力を調整しても残留応力低減効果が低かった。
(4−4)考察
以上述べたように、2回目加熱(残留応力低減処理)の走査速度は、第1実験例が0.2mm/sであり、第2実験例が1mm/sであり、ともに良好な結果が得られた。ただし、グラフの比較からわかるように、走査速度が速くなれば、残留応力低減効果が下がる。第3実験例では、走査速度を4mm/sとさらに速く設定した結果、残留応力がほとんど低減されなかった。以上より、本実施形態のレーザ走査方式の場合は、走査速度が遅いことが好ましい。具体的には、走査速度は、20mm/s以下であればよく、好ましくは10mm/s以下であり、さらに好ましくは5mm/s未満である。
本発明者らは、実験とガラス基板の温度シミュレーションに基づき、残留応力低減処理においては、高温になる領域を、端面20に沿った方向の狭い範囲に抑えることが必要であることを見い出し、本発明に至った。この根拠は、例えば、図11及び図12によって説明される。図11及び図12は、残留応力低減処理における、走査速度が異なる場合の温度分布を示すシミュレーション結果である。
図11は、レーザスポットSの走査速度が0.2mm/sと遅く、残留応力低減効果が高かった場合を示している。走査速度が遅く設定されているので、高温部(例えば、300℃を超える領域)は端面に沿って長くなっていない。
一方、図12は、走査速度が20mm/sと速く、残留応力低減効果が低かった場合を示している。ただし、図11と同じ程度の温度まで加熱されるよう、レーザ出力を高く設定している。図11と比べて、高温部が端面に沿って長くなっていることがわかる。
これらの結果は、高温部が端面に沿って長くなる場合には、残留応力低減効果が低下することを示す根拠の一つである。
さらに、後述する第2実施形態に関わる第2実験例も、本発明に至った根拠を示す。第2実験例では、レーザスポットSを端面近傍部分21に沿って走査させる代わりに、端面近傍部分21の中の1点を所定時間だけ加熱することで、加熱された領域の残留応力を低減する。図13、図14及び図15は、第2実施形態を実施する際のレーザスポットSの形状のバリエーションを示す模式的平面図である。
図13には、円形のレーザスポットS100と、端面20に直交する方向に長い楕円形のレーザスポットS101が示されている。図14には、端面20に沿って長い楕円形のレーザスポットS102、S103が示されている。図15には、端面20全体を覆う、端面20に沿って長い形のレーザスポットS104が示されている。レーザスポットS100、S101、S102、S103を用いた場合は、レーザ出力及び加熱のための所定時間を調整すれば、加熱領域における残留応力が低減された。ただし、残留応力低減効果は、S100≒S101>S102>S103の順に高かった。レーザスポットS104を用いた場合、レーザ出力及び加熱のための所定時間を調整しても、残留応力が低減されなかった。
以上に示したシミュレーション結果及び実験結果を鑑み、本発明者らは、残留応力低減処理においては、高温になる領域を、端面20に沿った方向の狭い範囲に抑えることが必要であることを見い出し、本発明に至った。
(5)第1変形例
第1実施形態ではガラス基板Gの一辺の残留応力を低減するシングルビーム走査処理を説明したが、ガラス基板の端面近傍部分の複数箇所各々にレーザ光を照射する複数ビーム同時走査によって複数辺の残留応力を同時に低減してもよい。
図16〜図18を用いて、そのような実施例を第1変形例として説明する。図16〜図18は、レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図である。
図16に示すように、ガラス基板Gの四辺である端面近傍部分21が残留応力発生領域Zになっている。
図17に示すように、4つのレーザスポットSが4辺それぞれを走査する。
これにより、図18に示すように、ガラス基板Gの残留応力が低減される。この場合、シングルビーム走査処理に比べて処理時間が短くなる。なお、レーザスポットの数は2、3、5以上であってもよい。
(6)第2変形例
第1実施形態ではガラス基板Gは四角形であって複数の直線辺を有していたが、曲線等の辺を有するガラス基板Gにも本発明を適用できる。
図19〜図21を用いて、そのような実施例を第2変形例として説明する。図19〜図21は、レーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図である。
図19に示すように、ガラス基板Gは円形であり、外周縁全体である端面近傍部分21が残留応力発生領域Zになっている。
図20に示すように、4つのレーザスポットSが外周縁の4箇所をそれぞれ円周方向に走査する。変形例として、ガラス基板Gを回転させてもよい。
これにより、図21に示すように、ガラス基板Gの残留応力が低減される。
なお、レーザスポットの数は2、3、5以上であってもよい。また、円形の穴が形成されたガラス基板Gの穴の縁の端面近傍部分21が残留応力発生領域Zになっている場合についても、同様の手法を適用できる。
2.第2実施形態
(1)基本原理
第1実施形態では残留応力低減処理としてレーザビームを端面に走査させていたが、レーザビームの照射方法はこれに限定されない。
図22〜図25を用いて、第2実施形態として、レーザビームの他の照射方法を説明する。図22〜図25は、第2実施形態のレーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図である。なお、レーザ照射装置の基本構成及び基本動作は第1実施形態と同じである。
図22では、レーザスポットS1が端面近傍部分21の一点に照射されている。
図23では、レーザスポットS2が端面近傍部分21の異なる位置の他の一点に照射されている。
図24では、レーザスポットS3が端面近傍部分21の異なる位置の他の一点に照射されている。
図25では、レーザスポットS4が端面近傍部分21の異なる位置の他の一点に照射されている。
残留応力発生領域Z上の1点にレーザスポットが所定時間だけ照射されてガラス転移点以上の温度まで加熱されると、その領域において残留応力が低減される。したがって、図22〜図25から明らかなように、1点を所定時間だけ加熱することを逐次行うことで、レーザスポットS1〜S4は、端面方向に連続して隣接した位置に照射され、結果として端面近傍部分21に全体的に照射される。
ただし、レーザスポットの数、位置、照射される順序、端面近傍部分21に占める割合は、この実施形態に限定されない。
この実施形態では、1点を所定時間だけ加熱すること、位置をずらして1点を所定時間だけ加熱することを繰り返すことで、残留応力発生領域Zをガラス転移点以上の温度にして、端面近傍部分21全体の残留応力を下げる。
この実施形態では、レーザスポットSは、最終的には端面近傍部分21全体に照射されて、端面近傍部分21全体の残留応力を下げる。しかし、端面近傍部分21のうちの一部の領域だけにおいて残留応力を下げる場合には、レーザスポットSは、端面近傍部分21のうちの特定領域だけに照射されてもよいし、端面近傍部分21全体の半分程度の領域だけに照射されてもよい。
加熱のための所定時間は、加熱中の加熱域の温度に依存する。つまり、高い出力で加熱する程、加熱域の温度が高くなり、短時間で残留応力が低減される。高い出力で加熱するほど、加熱のための所定時間が短くてよく、タクトタイムは短い。
加熱のための所定時間は、例えば、1ピコ秒〜100秒程度が好ましい。最小の所定時間は、ガラスの構造緩和に要する時間(緩和時間)の最小値として知られる1ピコ秒である。加熱域の温度が低い場合ほど緩和時間が長くなり、加熱域の温度がガラス転移点程度である場合には、加熱のための所定時間を緩和時間である100秒程度とするのが好ましい。
加熱のための所定時間を極端に短くするには、ガラス基板Gを短い時間で高温まで加熱する必要があり、必要な出力が大幅に増えるため、実用上は、タクトタイム短縮のメリットと出力上昇によるコスト増の兼ね合いで加熱条件が決められる。
レーザスポットSは、円形の場合、例えば、直径4μm〜20mmであることが好ましい。この第2実施形態では、レーザスポットSの直径が大きいほど、加熱1回当たりの処理面積が広くなり、所定の面積の残留応力を低減するのに要する時間が短縮される。図13及び図14に示したように、レーザスポットSは楕円形であってもよい。ただし、レーザスポットSの端面20に沿った方向の幅がレーザスポットSの端面20に交差する方向の幅に対して長いほど、残留応力低減効果が低下する。レーザスポットSの端面20に沿った方向の幅は、レーザスポットSの端面20に交差する方向の幅の10倍以下であることが好ましい。
レーザ出力は、ガラス転移点以上まで加熱できる値である必要がある。これは、レーザスポットのサイズ、レーザ波長、ガラスの種類や板厚によって適宜設定される。なお、加熱部の温度が高い場合には、加熱部が溶融し、形状が変化する。本発明によれば、レーザ出力が高く、ガラス基板Gの形状が変形する場合であっても、残留応力が低減される。ただし、ガラス基板Gの許容できる変形量に制約がある製品に本発明を適用する場合には、ガラス基板Gの粘度が低下して変形量が許容値を超えることがないよう、レーザ出力に上限が設定されるべきである。
厚さ200μmの無アルカリガラスを対象とした所定時間加熱の条件例を説明する。スポットサイズ4mmのCO2レーザ(波長10.6μm)を用いて、3W、20sである。4W、4sの条件でもよい。6W、2sの条件でもよい。
また、熱源としてはレーザに限定されず、例えば、赤外線ヒータ、接触式ヒータであってもよい。
(2)レーザスポットのずらし照射方式
上記の所定時間加熱方式を位置をずらしながら行う場合、1回目加熱、ずらして2回目加熱、ずらして3回目加熱・・・・と、所定時間加熱が逐次行われる。このとき、タクトタイムを短くするには、加熱動作同士の時間間隔を短くする必要がある。しかし、例えば図26に示す加熱位置の順序では、直前の加熱領域に隣接する領域が次の加熱領域となっている。この場合、例えば2回目の加熱は、1回目の加熱部の温度が低下するまで待つ必要がある。その理由は、例えば2回目の加熱領域が、1回目の加熱領域と合わせて、前述した「ガラス基板Gの端面近傍部分を加熱する場合のうちの高温部が端面に沿って長くなる場合」に対応するからである。
(2−1)第1の方式
上述のずらし照射を行う場合、加熱動作同士の時間間隔を短くするための第1の方式として、加熱位置順序工夫方式がある。この方式では、具体的には、図27に示すように直前の加熱領域に隣接する領域は飛ばして、離れた領域を次の加熱領域とする。
(2−2)第2の方式
加熱動作同士の時間間隔を短くするための第2の方式として、基板の冷却方式がある。図28には、ガラス基板Gの表側又は裏側から噴射エアで基板を冷却する基板冷却装置35が示されている。図28は、第2実施形態の変形例のレーザ照射装置の模式図である。
この場合、1回目の加熱領域を空冷などで冷やした後に2回目の加熱を行う。これにより、図26に示す順番で加熱する場合でも、時間間隔を短くできる。
上記のように時間間隔を短くできる理由は、レーザ光が照射されて加熱された部分が冷却された後に次のレーザ光が照射されるので、先に加熱された部分の近傍に次のレーザ光を照射したとしても、高温になる領域が冷却によって端面に沿った方向に広がっていないからである。つまり、この場合は、前述した「ガラス基板Gの端面近傍部分を加熱する場合のうちの高温部が端面に沿って狭く抑えられる場合」に対応しているからである。
なお、冷却のための冷却媒体は特に限定されない。
基板冷却装置は、ガラスが置かれるテーブルを水冷テーブルにすることで実現されてもよい。
レーザ照射装置1に基板冷却機構が搭載されてもよい。
3.第3実施形態
第2実施形態の所定時間加熱方式は、1点ごとをレーザ照射する一点加熱方式を採用していたが、レーザ照射は多点を同時に照射してもよい。
図29〜図32を用いて、そのような例を第3実施形態として説明する。この多点同時照射方式では、実質的な処理速度が速くなる。図29〜図32は、第3実施形態のレーザスポットの移動を示すガラス基板の模式図である。
図29では、2個のレーザスポットS1が端面近傍部分21に照射されている。
図30では、図29の動作によって端面近傍部分21において残留応力が低減した状況が示されている。
図31では、2個のレーザスポットS2が端面近傍部分21に照射されている。このときに、2個のレーザスポットS2は先の2個のレーザスポットS1とは異なる位置に、つまりずらして照射されている。また、2個のレーザスポットS2は、残った残留応力発生領域Zに対応している。
図32では、図31の動作によって端面近傍部分21において残留応力が低減した状況が示されている。
多点同時加熱方式では、加熱領域の数がn点の場合、第2実施形態の一点加熱方式に比べてn倍の出力が必要になる。また、後述する遮蔽方式では、遮蔽部の面積に応じてさらに高い出力が必要になる。
1点当たりの加熱条件は、第2実施形態と同じである。
加熱領域間の間隔は、加熱領域1点の幅の0.5倍以上が好ましい。加熱領域間の間隔が狭すぎる場合、複数の加熱域がつながり、端面20に沿って長い1つのレーザスポットを照射することと等しくなる。つまり、前述した「ガラス基板Gの端面近傍部分を加熱する場合のうちの高温部が端面に沿って長くなる場合」に対応し、残留応力低減効果が低くなる。図33及び図34を用いて、加熱領域の形状と間隔のバリエーションを示す。図33及び図34は、加熱領域の形状と間隔のバリエーションを示す模式的平面図である。
図33には、3点の円形のレーザスポットS105が示されている。レーザスポットS105は、図13のレーザスポットS100と同じ形状であり、残留応力低減効果が高い。また、レーザスポットS105の間隔は、レーザスポットS105の幅と同程度に設定されている。
図34には、端面20に交差する方向に長い楕円形の3点のレーザスポットS106が示されている。レーザスポットS106は、図13のレーザスポットS101と同じ形状であり、残留応力低減効果が高い。また、レーザスポットS106の間隔は、レーザスポットS106の幅と同程度に設定されている。
なお、レーザスポットの形状と間隔の組み合わせは上記以外にも多数ある。
残留応力低減処理の処理速度は、加熱領域の数によって変わってくる。例えば、加熱領域の幅8mm、10点同時加熱、加熱時間1s、加熱領域1つ当たりの残留応力低下幅4mmの場合は、照射1回の処理速度は、4mmx10/1s=40mm/sになる。
図35及び図36を用いて、光分岐素子を用いて多点同時加熱を行う方式を説明する。図35は、回折光学素子又は透過型空間光変調器を用いたレーザスポットの分岐を示す模式図である。図36は、反射型空間光変調器を用いたレーザスポットの分岐を示す模式図である。
図35では、回折光学素子(Diffractive Optical Element,DOE)31、又は透過型空間光変調器(Spatial Light Modulator,SLM)31が示されている。
図36では、反射型空間光変調器(SLM)33が示されている。また、2個のミラー34も示されている。
図29〜図32に示したような、多点同時加熱方式を位置をずらしながら行う場合、1回目加熱、ずらして2回目加熱、ずらして3回目加熱・・・・と、所定時間加熱が逐次行われる。このとき、タクトタイム短縮のためには、加熱動作同士の時間間隔を短くする必要がある。しかし、例えば複数箇所の2回目の加熱領域のいずれかが複数箇所の1回目の加熱領域のいずれかと隣接する領域になる場合は、その2回目の加熱は、1回目の加熱部の温度が低下するまで待つ必要がある。その理由は、例えば2回目の加熱領域が、1回目の加熱領域と合わせて、前述した「ガラス基板Gの端面近傍部分を加熱する場合のうちの高温部が端面に沿って長くなる場合」に対応するからである。
加熱動作同士の時間間隔を短くする第1の方式として、前記の場合に2回目の加熱領域が1回目の加熱領域から離れた位置になるように加熱位置順序を工夫することで、時間間隔を短くできる。
加熱動作同士の時間間隔を短くするための第2の方式として、基板の冷却方式がある。この方式では、第2実施形態の図28に示すように、ガラス基板Gの表側または裏側から噴射エアで基板を冷却する基板冷却装置35を用いる。この場合、1回目の加熱領域を空冷などで冷やした後に2回目の加熱を行うことになる。これにより、例えば、2回目の加熱領域が1回目の加熱領域と隣接する領域になる場合でも、時間間隔を短くできる。
上記のように時間間隔を短くできる理由は、レーザ光が照射されて加熱された部分が冷却された後に次のレーザ光が照射されるので、先に加熱された部分の近傍に次のレーザ光を照射したとしても、高温になる領域が冷却によって端面に沿った方向に広がらないからである。つまり、この場合は、前述した「ガラス基板Gの端面近傍部分を加熱する場合のうちの高温部が端面に沿って狭く抑えられる場合」に対応するからである。
冷却は常に行われていてもよいし、レーザ光照射の後に行われてもよい。
第2実施形態と同様に、冷却装置の構成、冷却手段、配置位置は特に限定されない。
(1)第1変形例
図37〜図41を用いて、遮蔽方式で多点同時加熱を行う方法を説明する。図37は、シリンドリカルレンズによるビーム形成を示す模式図である。図38は、ガルバノスキャナによるビーム形成を示す模式図である。図39は、ポリゴンミラーによるビーム形成を示す模式図である。図40は、遮蔽板とガラス基板の位置関係を示す模式的平面図である。図41は、遮蔽板とガラス基板の位置関係を示す模式的正面図である。
シリンドリカルレンズ41(図37)やガルバノスキャナ43(図38)やポリゴンミラー45(図39)などで端面20に沿った細長い形状のビームを形成する。
そして、図40及び図41に示すように、遮蔽板47を用いて、レーザビームBを部分的に遮蔽することで、複数のレーザスポットSを形成する。遮蔽板47は、端面方向に隙間を空けて配置された複数の遮蔽部47aを有している。
遮蔽板47は、レーザ光を反射又は吸収することが必要である。吸収する場合は、耐熱性を有することが必要である。レーザ光を吸収するが十分な耐熱性がない場合は、遮蔽板の強制冷却機構を備える必要がある。
なお、遮蔽板47をガラス基板Gの端面近傍部分21に沿って移動させる機構(図示せず)が設けられていてもよい。この場合は、複数のレーザスポットSの位置を変更でき、それを繰り返すことで端面近傍部分21全体にレーザスポットSを照射できる。
(2)第2変形例
図42〜図45を用いて、レーザ光を1パルスずつスキャンする方式で多点同時加熱を行う方法を説明する。図42は、第3実施形態の第2変形例のレーザ照射装置の模式的平面図である。図43は、レーザ照射装置の模式的正面図である。図44は、ガルバノスキャナ43を用いた、3点のレーザスポットの形成を示す模式図である。図45は、時間に対するレーザパルスと光線角度の変化を示すグラフである。
図42及び図43に示すように、レーザ照射装置1Aは、レーザ発振器15、ビームエキスパンダ49、集光レンズ19、ガルバノスキャナ43を有している。そして、レーザ照射装置1Aは、ガルバノスキャナ43を用いて、レーザ光の1パルスずつ照射位置を制御し、レーザ光を複数箇所に疑似的に同時に照射し、多点が同時に加熱される状態を作る。
図44の例では、ガルバノスキャナ43によってレーザビームの光線角度を1°変えることで、試料面においてレーザスポットの位置が10mm移動する。図45のように500Hzで発振するレーザパルスに同期させて光線角度を変えた場合、レーザ光は周期12ミリ秒で20mmの領域を1往復し、3点のレーザスポットのそれぞれは、1周期(12ミリ秒)のうちの2ミリ秒間だけレーザ光が照射される。また、3点のレーザスポット同士の間の領域には、レーザ光が照射されない。この場合、レーザ光がスキャンされる周期が十分に早いため、この動作を所定の時間(例えば1秒間)繰り返して続ければ、3点が所定時間だけ同時に加熱されたことになる。
なお、第2変形例では、図43に示すように基板冷却装置35が設けられている。ただし、基板冷却装置はなくてもよい。
4.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
本発明は、ガラス基板の端面処理方法及びガラス基板の端面処理装置に広く適用できる。
1 :レーザ照射装置
3 :レーザ装置
5 :伝送光学系
7 :加工テーブル
9 :制御部
11 :駆動機構
13 :テーブル駆動部
15 :レーザ発振器
17 :レーザ制御部
19 :集光レンズ
20 :端面
21 :端面近傍部分
35 :基板冷却装置
41 :シリンドリカルレンズ
43 :ガルバノスキャナ
45 :ポリゴンミラー
47 :遮蔽板
G :ガラス基板
S :レーザスポット
Z :残留応力発生領域

Claims (8)

  1. ガラス基板の切断後の端面を処理する方法であって、
    前記ガラス基板の端面を溶融面取りする溶融面取りステップと、
    前記ガラス基板の端面近傍部分を加熱して残留応力を低減する残留応力低減ステップと、
    を備えたガラス基板の端面処理方法。
  2. 前記残留応力低減ステップは、前記ガラス基板の端面近傍部分を前記端面に沿ってレーザ光を走査するレーザ光走査ステップを有する、請求項1に記載のガラス基板の端面処理方法。
  3. 前記残留応力低減ステップは、前記ガラス基板の前記端面近傍部分の複数箇所各々にレーザ光を照射するレーザ光照射ステップを有する、請求項1に記載のガラス基板の端面処理方法。
  4. 前記レーザ光照射ステップは、複数のレーザ光を前記複数箇所に同時に又は短時間で繰り返し照射する、請求項3に記載のガラス基板の端面処理方法。
  5. ガラス基板の切断後の端面を処理する装置であって、
    前記ガラス基板の端面を溶融面取りする溶融面取り装置と、
    前記ガラス基板の端面近傍部分を加熱して残留応力を低減する残留応力低減装置と、
    を備えたガラス基板の端面処理装置。
  6. 前記残留応力低減装置は、前記ガラス基板の端面近傍部分を前記端面に沿ってレーザ光を走査する、請求項5に記載のガラス基板の端面処理装置。
  7. 前記残留応力低減装置は、前記ガラス基板の端面近傍部分の複数箇所各々にレーザ光を照射する、請求項5に記載のガラス基板の端面処理装置。
  8. 前記残留応力低減装置は、複数のレーザ光を前記複数箇所に同時に又は短時間で繰り返し照射する、請求項7に記載のガラス基板の端面処理装置。
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