JP2019043517A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】非対称なトレッドパターンを有する空気入りタイヤにおいて、偏摩耗を抑制し、摩耗が進行したときのタイヤ性能の低下を抑制する。
【解決手段】空気入りタイヤのトレッドパターンは、2本の外側周方向溝と、2本の内側周方向溝とを有する複数の周方向溝と、2つのショルダー陸部領域と、隣り合う内側周方向溝及び外側周方向溝に挟まれた2つの内側陸部領域と、を備える。第1の内側陸部領域は、第2の内側陸部領域よりもSTIが大きい。第1の外側周方向溝を挟んで向かい合う第1の内側陸部領域及び第1のショルダー陸部領域の少なくとも一方の領域には、第1の外側周方向溝と接するタイヤ幅方向領域のうちの少なくとも一部の領域に、ショルダー陸部領域及び内側陸部領域に配置される第1のゴムよりJIS硬度が大きい第2のゴムが、トレッド部の厚さ方向に延びるよう配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、トレッドパターンをトレッド部に有する空気入りタイヤに関する。
タイヤのトレッドパターンとして、タイヤ幅方向の両側で形態の異なる非対称パターンが用いられる場合がある(例えば、特許文献1)。非対称パターンは、例えば、車両外側を向いて配置されるタイヤ幅方向の側(アウト側)と、車両内側を向いて配置されるタイヤ幅方向の側(イン側)とで異なるタイヤ性能を発揮させるように設計される。
特開平11−321237号公報
非対称パターンを備えるタイヤでは、タイヤ幅方向の両側で、溝やサイプの形態が異なっていることで剛性差が生じ、摩耗が不均一に進行しやすく、偏摩耗が発生しやすいという問題がある。また、タイヤ幅方向の両側で摩耗が不均一に進行することで、摩耗の進行が速いタイヤ幅方向の側では、接地圧が低くなり、タイヤ性能が十分に発揮されない場合がある。
そこで、本発明は、非対称なトレッドパターンを有する空気入りタイヤにおいて、偏摩耗を抑制し、摩耗が進行したときのタイヤ性能の低下を抑制することを目的とする。
本発明の一態様は、トレッドパターンをトレッド部に有する空気入りタイヤであって、
前記トレッドパターンは、
タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝であって、タイヤ幅方向両側の最も外側に位置する2本の外側周方向溝と、前記外側周方向溝に挟まれた2本の内側周方向溝と、を有する複数の周方向溝と、
前記外側周方向溝とタイヤ幅方向外側に接する2つのショルダー陸部領域と、
2つの内側陸部領域であって、前記内側陸部領域のそれぞれが、隣り合う前記内側周方向溝及び前記外側周方向溝に挟まれた、2つの内側陸部領域と、を備え、
前記内側陸部領域には、タイヤ幅方向に延びる成分を有する複数本の横方向溝及び横方向サイプの少なくともいずれか一方が設けられ、
前記内側陸部領域のうち第1の内側陸部領域は、第2の内側陸部領域よりも下記式(1)で表されるスノートラクションインデックスSTIが大きく、
前記外側周方向溝のうち第1の外側周方向溝を挟んで向かい合う前記第1の内側陸部領域及び第1のショルダー陸部領域の少なくとも一方の領域には、前記第1の外側周方向溝と接するタイヤ幅方向領域のうちの少なくとも一部の領域に、前記ショルダー陸部領域及び前記内側陸部領域に配置される第1のゴムよりJIS硬度が大きい第2のゴムが、前記トレッド部の厚さ方向に延びるよう配置されている、ことを特徴とする。
STI=−6.8+2202・ρg+672・ρs+7.6・Dg (1)
(式(1)中、ρgは、前記内側陸部領域に設けられる全横方向溝のタイヤ幅方向に投影した長さの合計長さ(mm)を、(前記内側陸部領域の接地幅×周長)(mm2)で割った値であり、ρsは、前記内側陸部領域に設けられる全横方向サイプのタイヤ幅方向に投影した長さの合計長さ(mm)を、(前記内側陸部領域の接地幅×周長)(mm2)で割った値であり、Dgは、前記内側陸部領域に設けられる全横方向溝の平均深さ(mm)である。)
前記第1のショルダー陸部領域には、タイヤ周方向に間隔をあけて、タイヤ幅方向に延在する複数本の延長サイプが設けられ、
前記延長サイプは、前記第1の外側周方向溝からタイヤ幅方向に延びる浅溝部と、前記浅溝部の延在方向の端からさらにタイヤ幅方向に延び、前記浅溝部の深さよりも深い深溝部と、を有し、
前記第2のゴムが位置するタイヤ幅方向領域は、前記浅溝部が位置するタイヤ幅方向領域内にある、ことが好ましい。
前記第1のショルダー陸部領域には、タイヤ周方向に間隔をあけて、タイヤ幅方向に延在する複数本の延長サイプが設けられ、
前記第1の内側陸部領域には、前記横方向サイプに含まれるサイプとして、タイヤ周方向に間隔をあけて、タイヤ幅方向に延在する複数本の延長サイプが設けられ、
前記延長サイプは、前記第1の外側周方向溝からタイヤ幅方向に延びる浅溝部と、前記浅溝部の延在方向の端からさらにタイヤ幅方向に延び、前記浅溝部の深さよりも深い深溝部と、を有し、
前記第2のゴムは、前記第1のショルダー陸部領域に配置されており、
前記第1のショルダー陸部領域の延長サイプの浅溝部の延在方向の長さは、前記第1の内側陸部領域の延長サイプの浅溝部の延在方向の長さより長い、ことが好ましい。
前記第1のショルダー陸部領域には、タイヤ周方向に間隔をあけて、タイヤ幅方向に延在する複数本の延長サイプが設けられ、
前記第1の内側陸部領域には、前記横方向サイプに含まれるサイプとして、タイヤ周方向に間隔をあけて、タイヤ幅方向に延在する複数本の延長サイプが設けられ、
前記第2のゴムは、前記第1のショルダー陸部領域に配置されており、
前記第1のショルダー陸部領域の延長サイプ間の間隔は、前記第1の内側陸部領域の延長サイプ間の間隔より長い、ことが好ましい。
前記第2のゴムのタイヤ幅方向長さは0.5〜3.5mmである、ことが好ましい。
前記第1のゴムと前記第2のゴムとのJIS硬度の差は3〜15である、ことが好ましい。
前記第2のゴムは、カーボンブラック及びジブチルフタレートを含むゴム材料からなり、
前記第2のゴム中の前記カーボンブラックの体積分率と、前記カーボンブラックの単位質量あたりに吸収された前記ジブチルフタレートの体積であるジブチルフタレート吸油量に関して、前記カーボンブラックの体積分率×前記ジブチルフタレート吸油量/100は15〜35である、ことが好ましい。
前記第2のゴムのタイヤ幅方向長さは、前記トレッド部の厚さ方向に沿って延びる領域のうち、最もタイヤ径方向外側に位置する部分において、最もタイヤ径方向内側に位置する部分よりも短い、ことが好ましい。
車両に装着された状態で、タイヤセンターラインを境とした前記トレッドパターンの両側の半トレッド領域のうち、第1のショルダー陸部領域を含む第1の半トレッド領域が車両内側を向くよう配置される、ことが好ましい。
本発明の空気入りタイヤによれば、非対称なトレッドパターンを有する空気入りタイヤにおいて、偏摩耗の発生を抑制し、摩耗が進行したときのタイヤ性能の低下を抑制することができる。
本実施形態の空気入りタイヤの断面を示すタイヤ断面図である。 本実施形態のトレッドパターンを示す図である。 図2のトレッドパターンの一部を拡大した部分拡大図である。 図2のトレッドパターンの一部を拡大した別の部分拡大図である。 (a)及び(b)は、それぞれ、第2のゴムの断面形状の一例を示す図である。
(タイヤの全体説明)
以下、本発明の空気入りタイヤについて説明する。図1は、本実施形態の空気入りタイヤ(以降、タイヤという)10の断面を示すタイヤ断面図である。
タイヤ10は、例えば乗用車用タイヤである。乗用車用タイヤは、JATMA YEAR BOOK 2012(日本自動車タイヤ協会規格)のA章に定められるタイヤをいう。この他、B章に定められる小型トラック用タイヤおよびC章に定められるトラック及びバス用タイヤに適用することもできる。
以降で具体的に説明する各パターン要素の寸法の数値は、乗用車用タイヤにおける数値例であり、本発明である空気入リタイヤはこれらの数値例に限定されない。
以降で説明するタイヤ幅方向とは、タイヤ10の回転軸線と平行な方向である。タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向の2方向のうちタイヤセンターラインCLから離れる側である。また、タイヤ幅方向内側とは、タイヤ幅方向の2方向のうちタイヤセンターラインCLに近づく側である。タイヤ周方向とは、タイヤ10の回転軸線を回転の中心としてトレッド部が回転する方向である。タイヤ径方向とは、タイヤの回転軸線に直交する方向である。タイヤ径方向外側とは、回転軸線から離れる側をいう。また、タイヤ径方向内側とは、回転軸線に近づく側をいう。
以降で説明するタイヤの接地端及び接地幅は、タイヤを規定リムに装着して、規定内圧、例えば200kPaの内圧条件および規定荷重の88%の条件で平板上に垂直方向に負荷させたときの平板上に形成される接地面におけるタイヤ幅方向の接地端間の最長直線距離をいう。ここで、規定リムとは、ETRTO(2011年版)に規定される「Measuring Rim」をいう。規定リムとは、あるいは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、をいうこともできる。また、規定内圧とは、ETRTOで規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。規定内圧とは、あるいは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値をいうこともできる。また、規定荷重とは、ETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。規定荷重とは、あるいは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値をいうこともできる。
(タイヤ構造)
タイヤ10は、骨格材として、カーカスプライ層12と、ベルト層14と、ビードコア16とを有し、これらの骨格材の周りに、トレッドゴム部材18と、サイドゴム部材20と、ビードフィラーゴム部材22と、リムクッションゴム部材24と、インナーライナゴム部材26と、を主に有する。
カーカスプライ層12は、一対の円環状のビードコア16の間を巻きまわしてトロイダル形状を成した、有機繊維をゴムで被覆したカーカスプライ材で構成されている。カーカスプライ層12は、ビードコア16の周りに巻きまわされている。カーカスプライ層12のタイヤ径方向外側には、2枚のベルト材14a,14bで構成されるベルト層14が設けられている。ベルト材14a,14bのそれぞれは、タイヤ周方向に対して、所定の角度、例えば20〜30度傾斜して配されたスチールコードにゴムを被覆した部材であり、下層のベルト材14bが上層のベルト材14aに比べてタイヤ幅方向の幅が広い。2層のベルト材14a,14bのスチールコードの傾斜方向は互いに逆方向である。このため、ベルト材14a,14bは、交錯層となっており、充填された空気圧によるカーカスプライ層12の膨張を抑制する。
ベルト材14aのタイヤ径方向外側には、トレッドゴム部材18が設けられている。トレッドゴム部材18は、最表層となる第1トレッドゴム部材18aと、第1トレッドゴム部材18aのタイヤ径方向内側に設けられる第2トレッドゴム部材18bとを有する。第1トレッドゴム部材18aは、後述する第1のゴム及び第2のゴムを有している。トレッドゴム部材18の両端部には、サイドゴム部材20が接続されてサイド部を形成している。サイドゴム部材20のタイヤ径方向内側の端には、リムクッションゴム部材24が設けられ、タイヤ10を装着するリムと接触する。ビードコア16のタイヤ径方向外側には、ビードコア16の周りに巻きまわす前のカーカスプライ層12の部分と、ビードコア16の周りに巻きまわしたカーカスプライ層12の巻きまわし部分との間に挟まれるようにビードフィラーゴム部材22が設けられている。タイヤ10とリムとで囲まれる空気を充填するタイヤ空洞領域に面するタイヤ10の内表面には、インナーライナゴム部材26が設けられている。
この他に、ベルト層14のタイヤ径方向外側からベルト層14を覆いベルト層14を補強する、有機繊維をゴムで被覆したベルトカバー層15を備える。また、タイヤ10は、ビードコア16の周りに巻きまわしたカーカスプライ層12とビードフィラーゴム部材22との間にビード補強材を備えることもできる。
タイヤ10は、このようなタイヤ構造を有するが、本発明の空気入りタイヤのタイヤ構造は、図1に示すタイヤ構造に限定されない。
(トレッドパターン)
図2は、図1に示すタイヤ10のトレッド部に設けられるトレッドパターン30を平面上に展開したトレッドパターンの一部分の展開図の一例である。図2に示すトレッドパターン30は、車両に装着された状態で、タイヤセンターラインCLを境として、タイヤ幅方向の両側のうち、図2の左側のトレッド部の領域(以降、アウト側ともいう)が車両外側を向き、図2の右側のトレッド部の領域(以降、イン側ともいう)が車両内側を向くよう配置される非対称なパターンである。トレッドパターン30は、アウト側とイン側とでそれぞれタイヤ性能が発揮されるように設計されている。
トレッドパターン30は、複数の周方向溝と、第1のショルダー陸部領域44及び第2のショルダー陸部領域42と、第1の内側陸部領域48及び第2の内側陸部領域46と、を備える。
複数の周方向溝は、タイヤ周方向に延びる周方向溝であって、タイヤ幅方向両側の最も外側に位置する第1の外側周方向溝34及び第2の外側周方向溝32と、これらの外側周方向溝34,32に挟まれた第1の内側周方向溝38及び第2の内側周方向溝36と、を有している。このうち、第1の外側周方向溝34及び第1の内側周方向溝38は、イン側に配置され、第2の外側周方向溝32及び第2の内側周方向溝36は、アウト側に配置されている。本明細書において、「複数の周方向溝」には、溝幅が2〜13mm、深さ4〜10mmを満たす主溝のほか、主溝に該当しないが、主溝の溝幅を満たす副溝が含まれる。図2に示すトレッドパターン30において、外側周方向溝34,32及び内側周方向溝38は主溝である。内側周方向溝36は、主溝の溝幅を満たす副溝である。
第1のショルダー陸部領域44には、タイヤ幅方向に延びるショルダーラグ溝82がタイヤ周方向に間隔をあけて配置されており、隣り合うショルダーラグ溝82に挟まれたショルダーブロック45が複数形成されている。ショルダーブロック45には、複数の横方向サイプ84が設けられている。また、ショルダーブロック45には、一方のショルダーラグ溝82からタイヤ周方向に延びてショルダーブロック45内で閉塞する縦方向溝88が設けられている。
第2のショルダー陸部領域42には、タイヤ幅方向に延びるショルダーラグ溝72がタイヤ周方向に間隔をあけて配置されており、隣り合うショルダーラグ溝72に挟まれたショルダーブロック43が複数形成されている。ショルダーブロック43には、複数の横方向サイプ74が設けられている。また、ショルダーブロック43には、一方のショルダーラグ溝72からタイヤ周方向に延びてショルダーブロック43内で閉塞する縦方向溝78が設けられている。
図2に示すトレッドパターン30において、ショルダー陸部領域44,42は、タイヤセンターラインCL上の点を基準として点対称である。
第1の内側陸部領域48は、隣り合う内側周方向溝38及び外側周方向溝34に挟まれており、第2の内側陸部領域46は、隣り合う内側周方向溝36及び外側周方向溝32に挟まれている。
第1の内側陸部領域48には、第1の外側周方向溝34から第1の内側周方向溝38に向かって延びて途中で閉塞する横方向溝62と、第1の内側周方向溝38から第1の外側周方向溝34に向かって延びて途中で閉塞する横方向溝63と、が交互にタイヤ周方向に間隔をあけて設けられている。また、第1の内側陸部領域48には、タイヤ周方向に連続して延びる縦方向溝68が設けられ、横方向溝62,63と交差している。縦方向溝68は、主溝の溝幅を満たさない副溝である。
第2の内側陸部領域46には、横方向溝52がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられており、隣り合う横方向溝52に挟まれたブロック47が複数形成されている。ブロック47には、複数の横方向サイプ54が設けられている。また、ブロック47には、一方の横方向溝52からタイヤ周方向に延びてブロック47内で閉塞する縦方向溝58が設けられている。
トレッドパターン30は、さらに、内側周方向溝38,36に挟まれたセンター陸部領域50を備えている。タイヤセンターラインCLは、センター陸部領域50を通る。センター陸部領域50には、横方向溝92がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられており、隣り合う横方向溝92に挟まれたブロック51が複数形成されている。ブロック51には、複数の横方向サイプ94が設けられている。
トレッドパターン30において、第1の内側陸部領域48は、第2の内側陸部領域46よりも下記式(1)で表されるSTI(スノートラクションインデックス)が大きい。
STI=−6.8+2202・ρg+672・ρs+7.6・Dg (1)
STIは、陸部領域ごとに計算される指数である。式(1)中、ρgは、内側陸部領域48,46に設けられる全横方向溝のタイヤ幅方向に投影した長さの合計長さ(mm)を、(内側陸部領域48,46の接地幅×周長)(mm2)で割った値である。ρsは、内側陸部領域48,46に設けられる全横方向サイプのタイヤ幅方向に投影した長さの合計長さ(mm)を、(内側陸部領域48,46の接地幅×周長)(mm2)で割った値である。Dgは、各内側陸部領域48,46に設けられる全横方向溝の平均深さ(mm)である。STIは、周知の指標であり、例えば特許第2824675号公報に記載されている。
内側陸部領域48,46の接地幅は、タイヤ周方向に変動している場合は、その平均値をいう。また、内側陸部領域48,46のタイヤ幅方向の端がトレッド表面において面取りされている場合、内側陸部領域48,46の接地幅は、面取りされた部分を含めた陸部の接地幅をいう。なお、STIの計算対象となる横方向溝には、横方向に延びる成分を有しない溝(上記縦方向溝)は含まれない。
例えば、スタッドレスタイヤであるタイヤ10において、イン側において氷上性能が、アウト側において雪上性能が発揮されるようトレッドパターン30が設計されている場合、第1の内側陸部領域48は、氷上路面に接地したときに十分なエッジ効果が得られるよう、第2の内側陸部領域46よりもSTIが大きくなるよう設計されている。
第1の内側陸部領域48及び第2の内側陸部領域46のSTIの差は、例えば、5〜30である。第1の内側陸部領域48のSTIは、例えば、15〜100である。第2の内側陸部領域46のSTIは、例えば、10〜80である。
本実施形態のトレッドパターン30では、第1の外側周方向溝34を挟んで向かい合う第1の内側陸部領域48及び第1のショルダー陸部領域44の少なくとも一方の領域には、第1の外側周方向溝34と接するタイヤ幅方向領域のうちの少なくとも一部の領域に、ショルダー陸部領域44,42及び内側陸部領域48,46に配置される第1のゴム40よりJIS硬度が大きい第2のゴム41が、トレッド部の厚さ方向に延びるよう配置されている。図2において、第2のゴム41は、タイヤ周方向に延びる、斜線を付した領域で示される。第1のゴム40は、第2のゴム41を除くトレッド表面に配置されている。
トレッドパターンのアウト側とイン側で、STIの異なる内側陸部領域が配置されていると、アウト側とイン側の間で剛性差が生じ、これに起因して偏摩耗が発生しやすい。本実施形態のトレッドパターン30では、STIが大きい内側陸部領域48が配置されたイン側において、第1の外側周方向溝34と接するタイヤ幅方向領域(以降、主溝近傍領域ともいう)のうちの少なくとも一部の領域、すなわち、主溝近傍領域内に、JIS硬度が大きく、硬い第2のゴム41が配置されていることで、イン側の陸部の剛性が高くなっており、アウト側とイン側で剛性差が小さくなることで、偏摩耗が発生することが抑制される。また、アウト側とイン側で、剛性差が小さいことで均一に摩耗しやすく、摩耗が進行してもイン側において十分な接地圧が得られ、イン側によって発揮されるタイヤ性能が低下することを抑制できる。キャンバー角がネガティブ方向に調整された車両に装着されたタイヤでは、イン側が摩耗しやすく、特にショルダー陸部領域が摩耗しやすいため、このような車両に装着される場合に本実施形態のタイヤ10は好適である。
また、本実施形態のトレッドパターン30では、第2のゴム41が、トレッド部の厚さ方向に延びるよう配置されていることで、偏摩耗を抑制し、イン側によるタイヤ性能の低下を抑制する効果を、摩耗が進行しても維持することができる。
なお、本明細書において、JIS硬度とは、JIS K6253に規定されるデュロメータ硬さ試験においてタイプAのデュロメータを用いて測定される20℃でのデュロメータ硬さをいう。
また、主溝近傍領域は、例えば、第1の外側周方向溝34の両側の縁から、陸部領域44、48のそれぞれの接地幅の平均値の0%〜50%の長さの領域をいい、図2に示すトレッドパターン30では、第1のショルダー陸部領域44の縦方向溝88と、第1の内側陸部領域46の縦方向溝58との間の領域であることが好ましい。なお、図2に示す例では、第2のゴム41は、主溝近傍領域のうち、第1の外側周方向溝34と接する第1のショルダー陸部領域44の縁に配置されている。第1のショルダー陸部領域44は、STIの大きい第1の内側陸部領域48と比べ相対的に剛性が高いため、第1のショルダー陸部領域44に第2のゴム41が配置されていることで、第1の内側陸部領域48によるタイヤ性能を十分に発揮させることができる。
第2のゴム41は、主溝近傍領域内に配置されていれば、第1の外側周方向溝34から離れた位置に配置されていてもよいが、第1の外側周方向溝34と接して配置されることが好ましい。この場合、第2のゴム41は、第1の外側周方向溝34の一方の溝壁の壁面を構成するように配置されることが好ましい。この場合、第2のゴム41が、変形しやすい陸部の縁に位置していることで、陸部の変形による摩耗を効果的に抑えることができる。また、第2のゴム41は、金型に対するゴム流れ性を良好にする観点からも、第1の外側周方向溝34の一方の溝壁の壁面を構成するように配置されることが好ましい。第2のゴム41となるゴム材料は、第1のゴム40となるゴム材料よりも粘度が低いため、第1の外側周方向溝34と対応する金型の内壁面に対して隙間なく接触しやすく、陸部領域の縁となる金型の部分にゴム材料が行き渡らないことを抑制できる。
また、第2のゴム41は、トレッド部の厚さ方向に延びるよう配置されていれば、トレッド表面に露出していなくてもよいが、第2のゴム41を、後述する導電性を有する材料で構成した場合は、タイヤ10に帯電した電気を路面に流れやすくする観点から、トレッド表面に露出していることが好ましい。第2のゴム41は、タイヤ周方向に途切れることなく連続して配置されることが好ましいが、上記観点では、接地面内で常に路面と接するように配置されていれば、タイヤ周方向に途切れていてもよい。
図2に示すトレッドパターン30において、上述した横方向サイプ54,64,74,84,94は、一定深さ以上のサイプ深さを有する深溝部を有している。深溝部は、接地面での陸部の倒れ込みを誘発し、エッジ効果によって例えば氷上性能を高める機能を有する。横方向サイプ54,64,74,84,94には、深溝部のみからなるサイプのほか、深溝部よりもサイプ深さの浅い浅溝部と、深溝部とが互いに接続された形態のサイプ(以降、延長サイプともいう)が含まれる。浅溝部は、浅溝部の延在方向の端と、当該端から最も近い位置にある周方向溝又は縦方向溝68との間を接続する部分である。延長サイプは、浅溝部を有していることで、陸部に、剛性が過度に高い部分が生じることを抑制し、陸部の剛性を均一化する機能を有している。浅溝部のサイプ深さは、例えば1〜3mmである。深溝部のサイプ深さは、例えば3〜8mmである。
図2に示すトレッドパターン30では、浅溝部は、直線状に延びる形態を有しており、深溝部は、波形状に延びる形態を有している。
以下、図3及び図4を参照して、第1のショルダー陸部領域44の延長サイプ86、及び、第1の内側陸部領域48の延長サイプ86について説明する。図3は、図2のトレッドパターンの一部を拡大した部分拡大図である。図4は、図2のトレッドパターンの一部を拡大した別の部分拡大図である。なお、図4では、第2のゴムの図示を省略する。
トレッドパターン30において、第1のショルダー陸部領域44には、複数本の延長サイプ86が設けられ、延長サイプ86は、浅溝部86aと、深溝部86bとを有している場合、第2のゴム41が位置するタイヤ幅方向領域は、浅溝部86aが位置するタイヤ幅方向領域内にあることが好ましい。浅溝部86aが位置する、剛性の高い部分に、硬い第2のゴム41が配置されることで、偏摩耗を抑制する効果が高くなる。
第2のゴム41は、浅溝部86aが位置するタイヤ幅方向領域のうち、一部の領域にだけあってもよく、全ての領域にあってもよい。
また、トレッドパターン30において、第1のショルダー陸部領域44には、複数本の延長サイプ86が設けられ、第1の内側陸部領域48には、複数本の延長サイプ66が設けられ、延長サイプ66,86は、浅溝部66a,86aと、深溝部66b,86bとを有し、第2のゴム41は、第1のショルダー陸部領域44に配置されている場合、浅溝部86aの延在方向の長さL1(図4参照)は、浅溝部66aの延在方向の長さL2(図4参照)より長いことが好ましい。L1が長いことで剛性が高い第1のショルダー陸部領域44の部分に、硬い第2のゴム41が配置されることで、偏摩耗を抑制する効果が高くなる。
L1とL2の比L1/L2は、例えば、1を超え、2以下である。
また、トレッドパターン30において、第1のショルダー陸部領域44には、複数本の延長サイプ86が設けられ、第1の内側陸部領域48には、複数本の延長サイプ66が設けられ、第2のゴム41は、第1のショルダー陸部領域44に配置されている場合、延長サイプ86間の間隔D1は、延長サイプ66間の間隔D2より長いことが好ましい。D1が長いことで部分に、硬い第2のゴム41が配置されることで、偏摩耗を抑制する効果が高くなる。
D1は、タイヤ周方向に隣り合う浅溝部86a間の間隔であり、D2は、タイヤ周方向に隣り合う浅溝部86a間の間隔をいう。また、D1,D2は、図示される例のように、陸部領域44,48のそれぞれにおいて異なる長さを有していてもよい。その場合、D1,D2は、陸部領域44,48のそれぞれにおける平均の長さをいう。D1とD2の比D1/D2は、例えば、1を超え、1.8以下である。
第2のゴム41のタイヤ幅方向長さ(幅)は0.5〜3.5mmであることが好ましい。第2のゴム41の幅が上記範囲にあることで、第2のゴム41による偏摩耗の抑制効果と、摩耗が進行したときの第1のゴム40によるタイヤ性能の確保とを両立させることができる。第2のゴム41の幅が3.5mmを超えると、第2のゴム41が厚い分、第1のゴム40の領域が減るため、第1のゴム40によって得られるタイヤ性能が不十分となる場合がある。
第2のゴム41の幅は、より好ましくは1〜3mmである。なお、第2のゴム41の幅がトレッド部の厚さ方向に変動している場合は、第2のゴム41の幅は平均の幅をいう。
第1のゴム40と第2のゴム41とのJIS硬度の差は3〜15であることが好ましい。JIS硬度の差が3以上であることで、第2のゴム41による偏摩耗の抑制効果を確保でき、15以下であることで、第2のゴム41が配置された陸部の部分の倒れ込みが抑制されすぎてエッジ効果が得られないことを抑制できる。JIS硬度の差は、例えば、第2のゴム41のゴム材料に配合される油分の量を、第1のゴム40のゴム材料に配合される油分の量に対して調整することで調節することができる。JIS硬度の差は、内側陸部領域48,46のSTIの差に基づいて定めることが好ましい。JIS硬度の差は、より好ましくは3〜5である。
タイヤ10が、スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤである場合、第1のゴム40のJIS硬度は、例えば45〜60であり、第2のゴム41のJIS硬度は、例えば55〜70である。
第2のゴム41は、カーボンブラック(CB)及びジブチルフタレート(DBP)を含むゴム材料からなり、第2のゴム中のカーボンブラックの体積分率と、カーボンブラックの単位質量あたりに吸収されたジブチルフタレートの体積であるジブチルフタレート吸油量に関して、カーボンブラックの体積分率×ジブチルフタレート吸油量/100は15〜35であることが好ましい。
スタッドレスタイヤでは、例えば、春先の雪が溶けたウェット路面でのタイヤ性能を向上させるために、シリカの配合量の多いゴムが第1のゴム40として用いられる場合が多い。一方で、このような第1のゴム40は帯電しやすいため、「カーボンブラックの体積分率×ジブチルフタレート吸油量/100」が15〜35であるゴム、すなわち、導電性が良好なゴムを第2のゴム41として用いることで、タイヤ10に帯電した電気を第2のゴム41を通って路面に流れやすくすることができる。「カーボンブラックの体積分率×ジブチルフタレート吸油量/100」は、例えば、特開2016−055661号公報において周知の特性である。
第1のゴム40及び第2のゴム41からなる第1トレッドゴム部材18aの下層には、上述したように、第2トレッドゴム部材18bが配置されている。第2トレッドゴム部材18bは、第1のゴム40と比べシリカの配合量が少ないゴム材料からなり、第1のゴム40と比べ帯電し難い。このため、第2のゴム41を、第2トレッドゴム部材18bと接して配置させることで、第1のゴム40内に帯電した電気を、第2トレッドゴム部材18bを介して第2のゴム41に流すことができる。この場合、第2のゴム41は、第2トレッドゴム部材18bと接していればよい。例えば、第2のゴム41は、図5(a)及び図5(b)に示すように、第2トレッドゴム部材18bを貫通し、ベルトカバー層15等の骨格材と接していてもよい。図5(a)及び図5(b)は、それぞれ、第2のゴムの断面形状の一例を示す図である。図5(a)及び図5(b)では、周方向溝の図示を省略している。なお、第1の外側周方向溝34の溝底は、グルーブクラックを回避する点から、第2トレッドゴム部材18bに達していないことが好ましい。
第2のゴム41の幅は、トレッド部の厚さ方向に沿って延びる領域のうち、最もタイヤ径方向外側に位置する部分(図5において上端部)において、最もタイヤ径方向内側に位置する部分(図5において下端部)よりも短いことが好ましい。すなわち、図5に示すように、第2のゴム41の上端部の幅W1は、下端部の幅W2よりも短いことが好ましい。第2のゴム41の幅は、図5(a)に示すように、上端部から下端部にかけて徐々に広がった台形形状であってもよく、図5(b)に示すように、下端部を除く部分では一定で、下端部において広がった形状であってもよい。この場合の下端部とは、第2のゴム41の下端から、トレッド部の厚さ方向に沿った第2のゴム41の長さの5〜10%以下の部分をいう。
図5(a)に示す例によれば、摩耗の進行に伴って、陸部のうち第1のゴム40からなる部分では剛性が低くなるとともに、第2のゴム41からなる部分では第2のゴム41の幅が広がることで剛性が高くなり、陸部全体として剛性が適正な範囲に保たれる効果が得られる。
W1は、例えば0.5〜5mmである。W2は、例えば1〜10mmである。W1とW2の比W1/W2は、例えば0.5〜1未満である。第2のゴム41がトレッド表面に露出し、かつ、第2のゴム41が上記した導電性が良好なゴム材料からなる場合、W1が0.5mm以上であることで、タイヤ10に帯電した電気が路面に流れやすくなる。
タイヤ10は、上述したように、車両に装着された状態で、イン側が車両内側を向くよう配置されることが好ましい。
例えば、アウト側で雪上性能が発揮され、イン側で氷上性能が発揮されるよう設計された非対称パターンを備えたスタッドレスタイヤを、キャンバー角がネガティブ方向に調整された車両に装着して使用した場合、アウト側と比べてイン側の摩耗量が多くなる結果、イン側において期待される氷上性能が顕著に低下する場合がある。本実施形態のトレッドパターン30では、上述したように、イン側の主溝近傍領域内に第2のゴム41が配置されていることで、キャンバー角がネガティブ方向に調整された車両にタイヤ10を装着し使用した場合であっても、アウト側とイン側で均一に摩耗しやすく、イン側での氷上性能の低下を抑制でき、アウト側による雪上性能とイン側による氷上性能とをバランスよく発揮させることができる。
なお、第2のゴム41は、主溝近傍領域のうち、第1のショルダー陸部領域44および第1の内側陸部領域48のいずれに配置されていてもよい。例えば、第2のゴム41が、第1の内側陸部領域48に配置されている場合は、STIが大きい第1の内側陸部領域48の剛性を高くすることで、第1のショルダー陸部領域44との間での局所的な剛性差を小さくすることができ、局所的な偏摩耗の発生を抑制できる。この場合、第2のゴム41を、第1の内側陸部領域48の延長サイプ66の浅溝部66aに配置することで、第1の内側陸部領域48と第1のショルダー陸部領域44との間の局所的な剛性差を小さくする効果が高くなる。
また、第2のゴム41は、第1のショルダー陸部領域44および第1の内側陸部領域48の両方に配置されていてもよいが、タイヤ10の生産性に優れる点で、いずれか一方にだけ設けられることが好ましい。
[実施例]
本発明の効果を確認するために、タイヤサイズ195/65R15 91Qのタイヤを、以下の実施例、比較例ごとに4本ずつ作製し、排気量1.2Lの前輪駆動の乗用車に装着して、氷上制動性能、雪上制動性能、耐偏摩耗性能を調べた。車両のリムサイズは15×6Jであり、空気圧は210kPaとした。
実施例1〜9のタイヤには、表1、2に示す点を除いて、上記実施形態及び図2に示す形態のトレッドパターン30を用いた。第2のゴムとしては、図5(b)に示す形態のものを、第1の外側周方向溝に接する第1のショルダー陸部領域の縁に配置した。
比較例1のタイヤには、第2のゴムを配置しない点を除いて、実施例1と同様のものを用いた。
比較例2のタイヤには、実施例1において、第2のゴムを、タイヤセンターラインCLを通る位置に配置したものを用いた。
実施例、比較例において、浅溝部のサイプ深さは2mm、深溝部のサイプ深さは5mmであった。また、第2のゴムの、カーボンブラックの体積分率×ジブチルフタレートの吸油量/100は25であった。なお、実施例、比較例のタイヤに、気温23℃、湿度50%の条件下にて1000Vの電圧を印加して、トレッド面とリム間の抵抗値の電気抵抗値[Ω]を測定したところ、比較例2、実施例1〜9のタイヤの電気抵抗値は、比較例1のタイヤの電気抵抗値より小さかった。
なお、表1、2の「第2のゴムの位置」に関して、「センター」は、センターラインを通る位置に第2のゴムを配したことを表し、「内側」は、第1の外側周方向溝と接する第1の内側陸部領域の縁であって、延長サイプの浅溝部の領域内に配したことを表す。また、「浅溝部」、「深溝部」は、第1のショルダー陸部領域において、それぞれ、延長サイプの浅溝部、深溝部に第2のゴムを配したことを表す。
また、表1、2の「延長サイプの浅溝部長さ」、「延長サイプの間隔」に関して、「ショルダー=内側」、「ショルダー>内側」は、浅溝部の長さ、延長サイプ間の間隔に関して、第1のショルダー陸部領域と第1の内側陸部領域の間での大小関係を表す。
〔氷上制動性能〕
氷路上を、10000km走行後、走行速度40km/時で車両を走行した状態から、ブレーキペダルを最深位置まで一定の力で踏み込んで車両が停止するまでの距離(制動距離)を測定した。測定した距離の逆数を用いて、比較例1を100として指数化した。指数が大きいほど距離が短く、氷上性能に優れることを示す。
〔雪上制動性能〕
積雪路上を、10000km走行後、走行速度40km/時で車両を走行した状態から、ブレーキペダルを最深位置まで一定の力で踏み込んで車両が停止するまでの距離(制動距離)を測定した。測定した距離の逆数を用いて、比較例1を100として指数化した。指数が大きいほど距離が短く、雪上性能に優れることを示す。
〔耐偏摩耗性能〕
乾燥路上を10000km走行後、2本の外側周方向溝の溝深さをそれぞれ測定して、トレッドゴムの減り量の差を計算した。計算値の逆数を用いて、比較例1を100として指数化した。指数が大きいほど偏摩耗の抑制効果に優れることを示す。
Figure 2019043517
Figure 2019043517
比較例1、2と、実施例1〜9とを対比すると、第2のゴムが、第1の外側周方向溝と接するタイヤ幅方向領域(主溝近傍領域)内に配置されていることで、偏摩耗が抑制され、氷上性能及び雪上性能の低下が抑制されていることがわかる。
なお、比較例1と、比較例2とを対比すると、第2のゴムが配置されていても、その配置位置によっては、却って、偏摩耗の抑制効果が得られず、氷上性能及び雪上性能の低下を抑制できないことがわかる。
実施例1と、実施例2、3を対比すると、第2のゴムが第1のショルダー陸部領域に配置されていることで、さらに、偏摩耗を抑制する効果が高く、氷上性能及び雪上性能が向上することがわかる。
実施例1と、実施例4とを対比すると、第1の内側陸部領域のSTIがより大きいことで、氷上性能が向上することがわかる。
実施例1と、実施例5〜7とを対比すると、延長サイプの浅溝部の長さ、あるいは、延長サイプ間の間隔が、第1のショルダー陸部領域において第1の内側領域よりも長いことで、さらに、偏摩耗を抑制する効果を高められることがわかる。
上記走行試験後、比較例、実施例のタイヤの帯電量を測定したところ、比較例2、実施例1〜9のタイヤの帯電量は、比較例1のタイヤの帯電量よりも小さく、第2のゴムによる帯電防止効果が確認された。
以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 空気入りタイヤ
18a 第1トレッドゴム部材
18b 第2トレッドゴム部材
30 トレッドパターン
32 第2の外側周方向溝
34 第1の外側周方向溝
36 第2の内側周方向溝
38 第1の内側周方向溝
40 第1のゴム
41 第2のゴム
42 第2のショルダー陸部領域
44 第1のショルダー陸部領域
46 第2の内側陸部領域
48 第1の内側陸部領域
52,62,92 横方向溝
58,68,78,88 縦方向溝
72,82 ショルダーラグ溝
54,64,74,84,94 横方向サイプ
66,86 延長サイプ
66a,86a 浅溝部
66b,86b 深溝部

Claims (9)

  1. トレッドパターンをトレッド部に有する空気入りタイヤであって、
    前記トレッドパターンは、
    タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝であって、タイヤ幅方向両側の最も外側に位置する2本の外側周方向溝と、前記外側周方向溝に挟まれた2本の内側周方向溝と、を有する複数の周方向溝と、
    前記外側周方向溝とタイヤ幅方向外側に接する2つのショルダー陸部領域と、
    2つの内側陸部領域であって、前記内側陸部領域のそれぞれが、隣り合う前記内側周方向溝及び前記外側周方向溝に挟まれた、2つの内側陸部領域と、を備え、
    前記内側陸部領域には、タイヤ幅方向に延びる成分を有する複数本の横方向溝及び横方向サイプの少なくともいずれか一方が設けられ、
    前記内側陸部領域のうち第1の内側陸部領域は、第2の内側陸部領域よりも下記式(1)で表されるスノートラクションインデックスSTIが大きく、
    前記外側周方向溝のうち第1の外側周方向溝を挟んで向かい合う前記第1の内側陸部領域及び第1のショルダー陸部領域の少なくとも一方の領域には、前記第1の外側周方向溝と接するタイヤ幅方向領域のうちの少なくとも一部の領域に、前記ショルダー陸部領域及び前記内側陸部領域に配置される第1のゴムよりJIS硬度が大きい第2のゴムが、前記トレッド部の厚さ方向に延びるよう配置されている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
    STI=−6.8+2202・ρg+672・ρs+7.6・Dg (1)
    (式(1)中、ρgは、前記内側陸部領域に設けられる全横方向溝のタイヤ幅方向に投影した長さの合計長さ(mm)を、(前記内側陸部領域の接地幅×周長)(mm2)で割った値であり、ρsは、前記内側陸部領域に設けられる全横方向サイプのタイヤ幅方向に投影した長さの合計長さ(mm)を、(前記内側陸部領域の接地幅×周長)(mm2)で割った値であり、Dgは、前記内側陸部領域に設けられる全横方向溝の平均深さ(mm)である。)
  2. 前記第1のショルダー陸部領域には、タイヤ周方向に間隔をあけて、タイヤ幅方向に延在する複数本の延長サイプが設けられ、
    前記延長サイプは、前記第1の外側周方向溝からタイヤ幅方向に延びる浅溝部と、前記浅溝部の延在方向の端からさらにタイヤ幅方向に延び、前記浅溝部の深さよりも深い深溝部と、を有し、
    前記第2のゴムが位置するタイヤ幅方向領域は、前記浅溝部が位置するタイヤ幅方向領域内にある、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1のショルダー陸部領域には、タイヤ周方向に間隔をあけて、タイヤ幅方向に延在する複数本の延長サイプが設けられ、
    前記第1の内側陸部領域には、前記横方向サイプに含まれるサイプとして、タイヤ周方向に間隔をあけて、タイヤ幅方向に延在する複数本の延長サイプが設けられ、
    前記延長サイプは、前記第1の外側周方向溝からタイヤ幅方向に延びる浅溝部と、前記浅溝部の延在方向の端からさらにタイヤ幅方向に延び、前記浅溝部の深さよりも深い深溝部と、を有し、
    前記第2のゴムは、前記第1のショルダー陸部領域に配置されており、
    前記第1のショルダー陸部領域の延長サイプの浅溝部の延在方向の長さは、前記第1の内側陸部領域の延長サイプの浅溝部の延在方向の長さより長い、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1のショルダー陸部領域には、タイヤ周方向に間隔をあけて、タイヤ幅方向に延在する複数本の延長サイプが設けられ、
    前記第1の内側陸部領域には、前記横方向サイプに含まれるサイプとして、タイヤ周方向に間隔をあけて、タイヤ幅方向に延在する複数本の延長サイプが設けられ、
    前記第2のゴムは、前記第1のショルダー陸部領域に配置されており、
    前記第1のショルダー陸部領域の延長サイプ間の間隔は、前記第1の内側陸部領域の延長サイプ間の間隔より長い、請求項1から3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第2のゴムのタイヤ幅方向長さは0.5〜3.5mmである、請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1のゴムと前記第2のゴムとのJIS硬度の差は3〜15である、請求項1から5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記第2のゴムは、カーボンブラック及びジブチルフタレートを含むゴム材料からなり、
    前記第2のゴム中の前記カーボンブラックの体積分率と、前記カーボンブラックの単位質量あたりに吸収された前記ジブチルフタレートの体積であるジブチルフタレート吸油量に関して、前記カーボンブラックの体積分率×前記ジブチルフタレート吸油量/100は15〜35である、請求項1から6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記第2のゴムのタイヤ幅方向長さは、前記トレッド部の厚さ方向に沿って延びる領域のうち、最もタイヤ径方向外側に位置する部分において、最もタイヤ径方向内側に位置する部分よりも短い、請求項1から7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 車両に装着された状態で、タイヤセンターラインを境とした前記トレッドパターンの両側の半トレッド領域のうち、第1のショルダー陸部領域を含む第1の半トレッド領域が車両内側を向くよう配置される、請求項1から8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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CN114746285A (zh) * 2019-12-05 2022-07-12 株式会社普利司通 充气轮胎

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