JP2019043121A - 記録装置 - Google Patents

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翔太 水野
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光浩 小関
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幹実 澤井
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Abstract

【課題】フレーム部材に対するガイド部材の固定位置の調整を、カム部材を用いて行う場合に発生する課題の少なくとも一つを解決できる記録装置を提供する。【解決手段】記録装置11は、記録ヘッドを有するキャリッジと、キャリッジを走査方向に移動可能に案内するガイド部材32と、ガイド部材32を鉛直方向Zに相対移動可能に支持するメインフレーム31(フレーム部材の一例)と、メインフレーム31に対するガイド部材32の鉛直方向Zの相対位置を調整するカム部材51を有し、走査方向Xの異なる位置に配置された複数(例えば一対)の調整機構50とを備えている。さらに記録装置11は、メインフレーム31に対してガイド部材32を重力方向に付勢するばね(付勢部材の一例)を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、記録部を有するキャリッジを走査方向に移動可能に案内するガイド部材を、フレーム部材に組み付ける固定位置を調整可能な調整機構を備えた記録装置に関する。
特許文献1には、記録ヘッドを有するキャリッジがレール部材(ガイド部材の一例)に沿って走査方向に移動しながら記録ヘッドが媒体に印刷する記録装置が開示されている。キャリッジを摺動可能に支持するレール部材は、記録装置の筐体内に配置されたフレーム部材(シャーシ)に固定されている。記録ヘッドの移動経路の下方には、搬送中の媒体を支持する支持台が配置されており、媒体が支持台に支持されることにより媒体と記録ヘッドとのギャップが規定される。また、記録装置には、例えば媒体の種類に応じてギャップを調整する自動ギャップ調整装置が備えられている。
自動ギャップ調整装置による媒体と記録ヘッドとのギャップを正確に調整するためには、フレーム部材に対するレール部材の固定位置を部品の寸法ばらつきや組付けばらつきを考慮して調整しておく必要がある。つまり、フレーム部材に対してレール部材を、支持台と記録ヘッドとのギャップが走査方向の全域で一定になる傾き及び位置に調整しておく必要がある。そのために、特許文献1に記載された記録装置には、フレーム部材に対するレール部材の固定位置を調整できる位置調整手段(調整機構の一例)が設けられている。
調整機構は、偏心カムを有するカムボルト(カム部材の一例)と、レール部材に形成されたカム面を有するカム用開口とを有している。調整機構は、レール部材の長手方向(走査方向)に位置の異なる複数箇所に複数設けられている。また、フレームとレール部材は、複数の固定手段(ボルトと長孔等)により複数箇所で固定されている。記録ヘッドのギャップ(紙間距離)を調整する際は、ナット及び固定手段を緩めた状態の下で、カムボルトを一方向に回転させると、カムでレール部材を押し上げ、カムボルトを他方向に回転させると、カムがレール部材から下方へ離れ、レール部材が自重で下降する。そして、フレーム部材に対するレール部材の位置調整を終えると、カムボルトのナット及び固定手段を締め付けることで、レール部材は調整位置でフレーム部材に固定される。
特開2005−349776号公報
しかしながら、特許文献1に記載された記録装置では、記録ヘッドのギャップを調整する際、ナット及び固定手段を緩め、フレーム部材とレール部材との間に隙間ができると、レール部材がフレーム部材に対して少し傾く。この状態で、レール部材を下降させる他方向にカムボルトを回転させた場合、レール部材がその傾きに起因しフレーム部材に引っ掛かるなど両部材の間に比較的大きな抵抗負荷が発生し、レール部材が自重で落下しにくくなる場合が起こり得る。この場合、例えばユーザーがカムボルトの回転量を目安に位置調整した後、ナット及び固定手段を締め付けると、レール部材が不適切な位置でフレーム部材に固定されてしまう。また、レール部材が傾く姿勢で位置調整した後、ナットを締める過程で、傾いたレール部材がフレーム部材と平行な姿勢に戻るときの姿勢の変化に起因し位置がずれ、レール部材が不適切な位置でフレーム部材に固定されてしまう。また、これらを避けるため、作業者は治具を用いてレール部材を下方へ押しながら調整作業を行う必要があった。このため、調整位置精度が得られにくかったり、正確な調整をするための調整作業が面倒であったりするという課題がある。
また、位置調整手段はカムボルトでレール部材の荷重を受けていたため、カムボルトの強度を高くする必要があるという課題もある。
本発明の目的は、フレーム部材に対するガイド部材の固定位置の調整を、カム部材を用いて行う場合に発生する課題の少なくとも一つを解決できる記録装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する記録装置は、記録部を有するキャリッジと、前記キャリッジを走査方向に移動可能に案内するガイド部材と、前記ガイド部材を鉛直方向に相対移動可能に支持するフレーム部材と、前記フレーム部材に対する前記ガイド部材の鉛直方向の相対位置を調整するカム部材を有し、前記走査方向の異なる位置に配置された複数の調整機構と、前記フレーム部材に対して前記ガイド部材を重力方向に付勢する付勢部材とを備えている。なお、付勢部材は、ガイド部材を付勢する力の成分として重力方向を含んでいれば足りる。
この構成によれば、走査方向の異なる位置に配置された複数の調整機構のカム部材を変位させることにより、フレーム部材に対するガイド部材の鉛直方向の相対位置が調整される。調整機構によりフレーム部材に対するガイド部材の相対位置を調整する際は、まずフレーム部材に対するガイド部材の固定(カム部材の固定を含む)を緩める。このときフレーム部材とガイド部材との間にできた隙間により、フレーム部材に対してガイド部材が傾き、この傾きが原因でガイド部材がフレーム部材に対して引っ掛かるなどの何らかの抵抗負荷が発生する。この場合、調整機構のカム部材を、ガイド部材がフレーム部材に対して重力方向(鉛直方向の下側)へ相対移動(下降)する方向に操作しても、ガイド部材が上述の抵抗負荷によりカム部材の変位に追従して重力方向へ移動しないことが心配される。しかし、ガイド部材は付勢部材によりフレーム部材に対して重力方向へ付勢されているので、そのときフレーム部材に対するガイド部材の引っ掛かりなどの負荷抵抗があっても、カム部材の操作に追従してガイド部材をほぼ確実に下降させることができる。このため、治具等を用いてガイド部材を押し下げるなどの余分な作業が不要になるため、フレーム部材に対するガイド部材の鉛直方向の相対位置を調整する調整作業を簡単かつ正確に行うことができる。
上記課題を解決する記録装置は、記録部を有するキャリッジと、前記キャリッジの走査方向に延びる部材であって、前記記録部が記録対象とする媒体の搬送方向に対して平行な方向に延びる法線を有する第1面と、前記法線が延びる方向に延びる第1凸部とを有するフレーム部材と、前記キャリッジの前記走査方向に延びる部材であって、前記第1面と対向して配置される第2面と、前記法線が延びる方向に延びる第2凸部とを有し、前記キャリッジを前記走査方向に移動可能に案内するガイド部材と、第1摺動面と第2摺動面とを有するカム部材を含む調整機構と、を備え、前記調整機構は、前記フレーム部材の前記第1面と前記ガイド部材の前記第2面とが当接した状態で、前記第1摺動面が前記第1凸部と摺動可能であり、かつ、前記第2摺動面が前記第2凸部と摺動可能であり、前記第1摺動面が当接する第1凸部の当接位置と、前記第2摺動面が当接する前記第2凸部の当接位置との間の距離は、前記第1摺動面の第1位置が前記第1凸部に当接し、かつ、前記第2摺動面の第1位置が前記第2凸部に当接する場合と、前記第1摺動面の第2位置が前記第1凸部に当接し、かつ、前記第2摺動面の第2位置が前記第2凸部に当接する場合とでは、異なる。
この構成によれば、フレーム部材に対するガイド部材の固定を緩めた状態の下で、調整機構のカム部材を操作して、第1摺動面がフレーム部材の第1凸部と当接する位置と、第2摺動面がガイド部材の第2凸部と当接する位置とを変化させることにより、フレーム部材に対するガイド部材の鉛直方向の相対位置が調整される。このとき、カム部材にかかる荷重は、カム部材の第1摺動面と第1凸部との当接箇所及び第2摺動面と第2凸部との当接箇所に分散されるため、カム部材の特定部位(例えばカム部材が回動カムである場合の回動軸等)に荷重が集中することを回避できる。
上記記録装置において、前記第2凸部は、前記第1凸部よりも上方に位置し、前記フレーム部材に対して前記ガイド部材を付勢する付勢部材を更に備え、前記ガイド部材は、前記法線とは反対の方向に延びる第3凸部を有し、前記付勢部材は、前記第3凸部を重力方向に付勢することが好ましい。
この構成によれば、調整機構によりフレーム部材に対してガイド部材を鉛直方向の下側へ下降させる際に、フレーム部材に対するガイド部材の固定(カム部材の固定を含む)を緩め、カム部材をフレーム部材に対してガイド部材を鉛直方向の下側へ下降させる方向に操作する。このとき、ガイド部材は、その第3凸部を重力方向に付勢する付勢部材により、フレーム部材に対して重力方向へ付勢されているので、ガイド部材に多少の引っ掛かりなどの抵抗負荷があっても、カム部材の操作に追従してガイド部材をほぼ確実に下降させることができる。このため、治具等を用いてガイド部材を押し下げる余分な作業が不要になるため、調整作業を簡単かつ正確に行うことができる。
上記記録装置において、前記付勢部材を第1付勢部材とした場合、前記ガイド部材を前記フレーム部材に対して前記走査方向と前記重力方向との二方向と交差する方向に押し付ける第2付勢部材を備えていることが好ましい。
この構成によれば、第2付勢部材の付勢力によって、ガイド部材がフレーム部材に対して走査方向と重力方向(鉛直方向)との二方向と交差する方向、つまりガイド部材がフレーム部材に対して鉛直方向に位置調整される際に互いに鉛直方向に摺動する双方の面(フレーム部材の第1面とガイド部材の第2面)を当接させる方向に押し付けられている。そのため、フレーム部材に対するガイド部材の固定(例えば締結部材)を緩めた際、ガイド部材とフレーム部材との双方の面の間に隙間ができにくく、ガイド部材がフレーム部材に対して傾きにくい。このため、ガイド部材がフレーム部材に対して引っ掛かるなどの抵抗負荷を低減できるので、ガイド部材を治具で押すなどの余分な作業を廃止又は低減できる。そのうえ、調整後にガイド部材がフレーム部材に対して傾く姿勢から固定する構成の場合、その傾きがなくなる姿勢の変化の過程でガイド部材の調整位置がずれる心配があるが、ガイド部材の傾きが小さく抑えられているため、調整後にガイド部材をフレーム部材に固定する作業の前後でガイド部材の調整位置がずれにくい。よって、フレーム部材に対するガイド部材の固定位置を調整して記録ヘッドの高さ位置を調整する調整作業を簡単かつ正確に行うことができる。
上記記録装置において、前記第1付勢部材は、前記第2付勢部材を兼ねており、前記ガイド部材を前記フレーム部材に対して前記重力方向と前記押付方向とに付勢することが好ましい。
この構成によれば、第1付勢部材は第2付勢部材を兼ね、ガイド部材をフレーム部材に対して重力方向と押付方向とに付勢するので、押付方向のみに付勢する第2付勢部材を無くすことができる。
上記記録装置において、前記ガイド部材を前記フレーム部材に対して締結により固定する複数の固定部材を更に備え、複数の前記固定部材は、前記フレーム部材を前記走査方向に3等分した両側3分の1の範囲内において、鉛直方向に異なる位置に締結されることが好ましい。
この構成によれば、カム部材による調整後に、固定部材を締結してガイド部材をフレーム部材に対して固定した際に、フレーム部材とガイド部材との双方の湾曲面が強制的に圧接されることで生じるフレーム部材およびガイド部材の歪みに起因し、フレーム部材に対するガイド部材の調整後の相対位置(調整位置)が鉛直方向に変動する事態を回避できる。
上記記録装置において、複数の前記固定部材は、前記フレーム部材の前記走査方向において複数の前記カム部材の締結位置よりも外側となる位置に締結されることが好ましい。
この構成によれば、フレーム部材を走査方向に3等分した両側3分の1の範囲内に、調整機構を配置しても、複数の固定部材は、走査方向において調整機構の締結位置よりも外側で締結されるので、フレーム部材に対するガイド部材の調整後の相対位置(調整位置)が鉛直方向に変動する事態を効果的に回避できる。
上記記録装置において、前記カム部材は、第1摺動面と第2摺動面とを有し、前記第2摺動面の第2曲率半径は前記第1摺動面の第1曲率半径よりも小さく、前記カム部材の回動中心は、前記第2摺動面がなす第2仮想円の中心から偏心しており、前記カム部材は、前記第2仮想円の外側、かつ前記第1摺動面がなす第1仮想円の内側に、前記第1摺動面に沿った第1開口を有し、前記調整機構は、前記第1開口を介して前記ガイド部材に締結されることで前記カム部材を前記ガイド部材に固定する締結部材を備え、前記ガイド部材及び前記締結部材は、前記調整機構による前記フレーム部材に対する前記ガイド部材の相対位置の変更に応じて前記フレーム部材に対して鉛直方向に相対移動することが好ましい。
この構成によれば、カム部材を回動操作すると、カム部材はフレーム部材に対して鉛直方向に相対移動を伴って回動することで、フレーム部材に対するガイド部材の鉛直方向の位置調整が可能である。締結部材はカム部材の第1開口を介してガイド部材に締結される。締結部材を緩めた状態でカム部材によるガイド部材の位置調整をした後、締結部材を締結しても、締結部材はガイド部材に固定されるため、フレーム部材とガイド部材との対向する面が強制的に圧接されない。このため、フレーム部材とガイド部材との対向する面が強制的に圧接されることで生じるフレーム部材およびガイド部材の歪みに起因し、フレーム部材に対するガイド部材の調整後の相対位置が鉛直方向に変動する事態をより効果的に回避できる。
上記記録装置において、前記カム部材は、第1摺動面と第2摺動面とを有し、前記第2摺動面の第2曲率半径は前記第1摺動面の第1曲率半径よりも小さく、前記カム部材の回動中心は、前記第2摺動面がなす第2仮想円の中心から偏心していることが好ましい。
この構成によれば、カム部材を回動させて行うガイド部材の位置調整の際に微調整がし易い。
上記記録装置において、前記カム部材は、前記第2仮想円の外側、かつ前記第1摺動面がなす第1仮想円の内側に、前記第1摺動面に沿った第1開口を有し、前記調整機構は、前記第1開口を介して前記フレーム部材と前記ガイド部材とに締結される締結部材を備えていることが好ましい。
この構成によれば、一つの締結部材が、カム部材を調整位置に固定する機能と、フレーム部材とガイド部材とを締結して固定する機能とを兼ねる。他の締結部材がフレーム部材とガイド部材とを固定する固定箇所を相対的に減らし、調整作業が比較的簡単に済む。そのうえ、カム部材を第2仮想円の外側の位置で固定できるので、カム部材を第2仮想円の内側の位置で固定した場合に比べ、カム部材を調整後の回動位置にしっかり固定することができる。
上記記録装置において、前記カム部材は、前記フレーム部材及び前記ガイド部材における前記キャリッジの走査経路と対向する面の側に設けられ、前記第2摺動面がなす前記第2仮想円の中心から回動中心が偏心した状態で前記フレーム部材に回動可能に支持される偏心軸部を有し、前記偏心軸部における前記キャリッジの走査経路と対向する側の端面には、前記回動中心で工具と係合可能な被係合部が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、作業者は記録装置の筐体のカバーを開けてキャリッジが見える状態とすれば、キャリッジが案内されるガイド部材の正面側(キャリッジの走査経路と対向する面の側)に調整機構が位置するので、比較的容易に調整機構にアクセスして調整作業を行うことができる。このとき、カム部材の偏心軸部におけるキャリッジの走査経路と対向する側の端面に設けられた被係合部に工具を係合すれば、工具を用いてカム部材を容易かつ微調整可能に回動させることができる。よって、ガイド部材の位置調整及びこれに伴う記録ヘッドの高さ調整を容易かつ正確に行うことができる。
上記記録装置において、前記被係合部を第1被係合部とした場合、前記カム部材は、前記偏心軸部における前記第1被係合部が設けられた前記端面と反対側の端面に、前記回動中心で工具と係合可能な第2被係合部を有していることが好ましい。
この構成によれば、作業者は記録装置の筐体の例えば背面側のカバーを開ければ、フレーム部材のキャリッジと対向する側の面と反対側の面の側から露出する偏心軸部の端面(第2端面)が見える。偏心軸部の第2端面に設けられた第2被係合部に工具を係合すれば、工具を用いてカム部材を容易かつ微調整可能に回転させることができる。例えば、キャリッジを調整機構が隠れる位置に配置してガイド部材の高さ調整を行いたい場合、調整機構へのアクセスが困難となる。この場合、筐体の背面側のカバーを開ければ、工具をフレーム部材の背面側に露出する第2被係合部に係合させてカム部材を回動させることができる。
上記記録装置において、前記第1被係合部と前記第2被係合部は異なる形状を有していることが好ましい。
この構成によれば、第1被係合部と第2被係合部とのうち一方と係合可能な工具を所持していなくても、他方と係合可能な工具を所持していれば、その工具を用いてカム部材を容易かつ微調整可能に回動させることができる。
上記記録装置において、前記第1被係合部と前記第2被係合部とのうち一方は、ドライバーと係合可能な形状を有し、他方は多角レンチと係合可能な形状を有していることが好ましい。
この構成によれば、ドライバーと多角レンチとのうち少なくとも一方を所持していれば、その一方の工具を用いてカム部材を容易に回動させることができる。
上記記録装置において、前記カム部材は、前記フレーム部材に回動可能に支持される軸部を含む偏心軸部を有し、前記フレーム部材は、前記軸部を挿通可能な第2開口を有し、前記軸部は、当該軸部の径方向外側へ突出した抜止め用の規制凸部を有し、前記第2開口は、前記軸部における前記規制凸部以外の部分を挿通可能な円孔部と、前記規制凸部を挿通可能に前記円孔部から径方向外側へ延びる規制孔部とを有し、前記カム部材は、前記規制凸部と前記規制孔部とが相対しない範囲で回動可能に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、カム部材を規制凸部と規制孔部とが相対する回動姿勢にすれば、規制凸部を規制孔部に挿通させつつ軸部を第2開口に挿通して、カム部材をフレーム部材に組み付けることができる。その組み付け後においては、カム部材の調整時の回動範囲では規制凸部と規制孔部が相対しないため、調整時にはカム部材をフレーム部材から抜け止めされた状態で回動させることができる。
上記記録装置において、前記調整機構は、前記走査方向に異なる位置に一対設けられ、前記一対の調整機構は、前記走査方向において、前記キャリッジの前記走査方向における幅寸法以上の間隔を隔てて位置し、かつ前記一対の調整機構のうち前記キャリッジの走査経路の一端部に設定された待機位置側の一方が、前記待機位置にあるときの前記キャリッジよりも前記走査方向に内側となる位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、記録部の高さ(例えば記録部と媒体を支持する支持台との間のギャップを含む)を測定しつつ調整機構のカム部材を操作してガイド部材の高さ調整を行うとき、キャリッジを走査経路の中央付近に配置した状態、及びキャリッジを走査経路の端部の待機位置に配置した状態であっても、一対の調整機構がキャリッジに隠れにくい。このため、作業者は調整機構を見ながらガイド部材の位置調整を行うことができる。
上記記録装置において、前記ガイド部材を重力方向へ変位させる方向への回動限界位置まで操作された前記カム部材を当該回動限界位置に保持する保持部を有していることが好ましい。
この構成によれば、例えばカム部材を操作してガイド部材を鉛直方向に位置調整した後、調整機構以外の他の締結部材によりガイド部材をフレーム部材に仮り固定する。その後、カム部材を、重力方向へ変位させる方向へ回動限界位置まで操作し、保持部によりその回動限界位置に保持すれば、カム部材をガイド部材と離間した状態に保持できる。このため、カム部材、ガイド部材、フレーム部材等の部材が、例えば記録装置を運搬するときに振動したり、環境温度の変化や何らかの熱源(例えば電子部品や媒体乾燥用のヒーター等)の熱で熱膨張したりしても、その振動や熱膨張が原因で、フレーム部材に対するガイド部材の固定位置(相対位置)がずれることを回避できる。
第1実施形態における記録装置の概略斜視図。 筐体を取り外した記録装置を示す概略斜視図。 筐体及びキャリッジを取り外した記録装置を示す概略斜視図。 メインフレームとガイド部材との調整機構を用いた固定状態を示す正面図。 調整機構により位置調整されたメインフレーム及びガイド部材を示す側断面図。 板ばねの装着箇所における模式側断面図。 ガイド部材がメインフレームに対してばねにより重力方向へ付勢された状態を示す背面斜視図。 調整機構を示す正面図。 調整機構を退避ポジションまで回動させた状態を示す正面図。 第2実施形態におけるメインフレームとガイド部材との調整機構を用いた固定状態を示す正面図。 付勢構造を示す背面斜視図。 同じく付勢構造を示す側断面図。 第3実施形態におけるメインフレームとガイド部材との調整機構を用いた固定状態を示す正面図。 メインフレームとガイド部材との調整機構を用いた固定状態を示す斜視図。 図14における15F−15F矢視で切断した断面図。 カム部材が中立位置にあるときの調整機構を示す正面図。 カム部材が上昇側の位置にあるときの調整機構を示す正面図。 変更例における付勢構造を示す背面斜視図。
(第1実施形態)
以下、記録装置の第1実施形態について図を参照して説明する。図1に示す記録装置11は、例えば、用紙等の媒体にインクを噴射して記録(印刷)するインクジェット式のプリンターである。
図1に示すように、記録装置11は、使用場所に設置された状態で、高さ、奥行及び幅としてそれぞれ所定の長さを有する略直方体状の筐体12を備える。図面では、記録装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向と平行な方向をZ軸で示し、鉛直方向Zとする。筐体12の側面のうち記録装置11に対する操作を主に行う面を前面とする。
図1に示すように、筐体12の下部には、1又は複数(図1の例では4つ)のインク収容用の容器13が収容された収容部14が、例えば筐体12に対して開閉可能な前蓋15により覆われた状態で挿着されている。また、収容部14の上側には、筐体12の前面の略中央部に開口する挿着口17に挿着された媒体収容体16(カセット)が配置されている。媒体収容体16は、用紙等の媒体Mが複数枚収容可能となっている。
媒体収容体16の上側には、排出口18から媒体Mが排出される排出トレイ19(スタッカー)と、記録装置11にユーザーが指示を与える際に操作される操作パネル20とが配置されている。操作パネル20は、筐体12に対して例えば角度変更可能に連結されており、その前面(正面)には、表示と入力操作との機能を有する例えばタッチパネル(液晶表示パネル等)からなる表示部21が設けられている。なお、表示部21とは別にスイッチ等の操作部が設けられた構成でもよい。
図1に示すように、収容部14における各容器13には、インクを収容するインク収容体などのインク供給源22が取り外し可能に収容される。インク供給源22は、それぞれ異なる種類の液体(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー等の色の異なるインク)を収容する。
図1に示すように、筐体12内には、媒体収容体16から供給された媒体Mに対して、インク供給源22から供給されたインクを噴射して媒体Mに画像等を印刷する印刷部23が設けられている。本例の記録装置11は、シリアルスキャン方式のプリンターであって、印刷部23は、筐体12内を走査方向X(主走査方向)に移動するキャリッジ24と、キャリッジ24における媒体Mの搬送経路と対向する部分(本例では下部)に取り付けられた記録部の一例としての記録ヘッド25とを有している。記録ヘッド25は、インクを噴射する複数のノズルが開口するノズル開口面25Aを有している。
図1に示すように、媒体収容体16から奥方へ給送された媒体Mは、反転を伴って走査方向Xと交差する搬送方向Y(副走査方向Y)に搬送される。記録装置11は、媒体Mを次行の印刷位置まで搬送する搬送動作と、次行の印刷位置で停止する媒体Mに対してキャリッジ24を走査方向Xに移動させながらその移動途中で記録ヘッド25からインクを噴射して1行分(1パス分)の印刷を行う印刷動作とを交互に行って、印刷データに基づく画像等を媒体Mに印刷する。記録装置11は、この印刷制御を司る制御部100を備えている。
図1に示すように、筐体12内には、搬送方向Yに搬送される媒体Mを、記録ヘッド25と対向する位置で支持する支持面26Aを有する支持台26(例えばプラテン)が配置されている。記録装置11は、記録ヘッド25のノズル開口面25Aと支持台26の支持面26Aとの間のインク噴射方向(図1の例では鉛直方向Z)のギャップ(「プラテンギャップ」ともいう。)を、キャリッジ24を走査方向Xに移動可能に案内するガイド部材32の組付位置を調整することにより調整する調整機構50(いずれも図2参照)を有している。また、記録装置11は、この調整機構50とは別に、自動ギャップ調整装置GUを備えている。制御部100は、自動ギャップ調整装置GUを制御し、入力した媒体情報から取得される媒体Mの種類(例えば紙種)に応じたギャップに調整する。自動ギャップ調整装置GUがギャップ調整を正確に行えるためには、記録ヘッド25の移動範囲の全域に亘り、規定のギャップGが一様に得られるようキャリッジ24を支持するガイド部材32が、フレーム部材の一例としてのメインフレーム31に組み付けられていることが前提となる。そのため、記録装置11には、出荷前検査及び出荷後のメンテナンス時に、記録ヘッド25と支持台26とのギャップGを走査方向Xの全域で一様な規定値に設定するべく、ガイド部材32をメインフレーム31に対して鉛直方向Zに位置調整することが可能な調整機構50(いずれも図2参照)が設けられている。この調整機構50の詳細については後述する。
図2は、筐体12を取り外した記録装置11を示す。また、図3は、筐体12及びキャリッジ24を取り外した状態を示す。図2、図3に示すように、記録装置11は、各種の構成部品を支持する主要な骨格をなすメインフレーム31と、メインフレーム31に組み付けられ、キャリッジ24を走査方向Xに移動可能に案内するガイド部材32と、側板をなす左右のサイドフレーム33とを有している。メインフレーム31、ガイド部材32及びサイドフレーム33は、金属製であり、例えば板金の曲げ加工により形成されている。
メインフレーム31は、キャリッジ24の走査方向Xに延びる長尺状の部材であって、媒体Mの搬送通路を形成する開口34を走査方向Xに挟んだ両側の位置に立設された一対のスタンド部35(図3参照)と、一対のスタンド部35の上端部の間に走査方向Xに延びる状態に架設された長尺状のフレーム部36とを有している。なお、メインフレーム31のスタンド部35は、不図示の底板に固定されている。
図2、図3に示すように、ガイド部材32は、キャリッジ24の走査方向Xに延びる部材であって、キャリッジ24を走査方向Xに移動可能に案内すると共に走査方向Xに長く延びた第1レール37(ガイドレール)を有している。キャリッジ24は、ガイド部材32の第1レール37によりその背面下部においてガイドされると共に、メインフレーム31の上端部に走査方向Xに延びるように形成された第2レール38(ガイドレール)によりその背面上端部においてもガイドされている。キャリッジ24はレール37,38を含む複数のレールにより複数箇所で走査方向Xに移動可能にガイドされている。
図2、図3に示すように、メインフレーム31の長手方向の一端部の背面側には、キャリッジ24の駆動源であるキャリッジモーター40(図3参照)が組み付けられている。メインフレーム31の前側には、キャリッジモーター40からの動力をキャリッジ24に伝達するために無端状のタイミングベルト41が、走査方向Xの両側に配置された図3に示す一対(図3では一方のみ図示)のプーリー42に巻き掛けられた状態で張設されている。キャリッジ24は、その背面部でタイミングベルト41の一部と固定されており、キャリッジモーター40が正逆転駆動されることにより、走査方向Xに沿う走査経路を往復動する。
また、図2、図3に示すように、記録装置11には、開口34を含む搬送通路を通って媒体Mを搬送方向Yに搬送する搬送部43が設けられている。また、キャリッジ24の走査経路の下方でかつキャリッジ24が搬送中の媒体Mに印刷するときの走査領域である印刷領域PAには、搬送部43により搬送される媒体Mを支持する前述の支持台26(いずれも図3参照)が配置されている。支持台26は、媒体Mにおける記録ヘッド25から噴射されたインク滴の着弾領域となる部分をその底面から支持する。本実施形態の支持台26は、図3に示すようにその上面に走査方向Xに間隔を開けて突設された複数のリブを有し、複数のリブの上端面が、媒体Mを支持する支持面26Aとなっている。また、搬送部43は、媒体収容体16から媒体Mを給送する不図示の給送ローラーと、搬送方向Yにおいて記録ヘッド25の移動経路を挟む上流側と下流側の各位置に配置され、媒体Mを搬送方向Yに搬送する搬送ローラー対45と排出ローラー対46(図2参照)とを備えている。なお、搬送部43は、搬送用の駆動源として不図示の電動モーター(搬送モーター)を備え、電動モーターの動力で給送ローラー及び各ローラー対45,46を回転駆動させる。
また、図2、図3に示すように、記録装置11の正面から見て左側のサイドフレーム33には、不図示の搬送モーター、搬送モーターの動力を各ローラー対45,46に伝達する動力伝達機構を構成する輪列47、及び搬送モーターの回転を検出するエンコーダー48(例えばロータリーエンコーダー)等が組み付けられている。制御部100は、エンコーダー48から入力した検出信号を基に媒体Mの搬送速度及び搬送量を制御する。また、図2に示すキャリッジ24が位置する走査経路の一方の端部は、キャリッジ24が印刷していないときに待機するホーム位置HP(待機位置の一例)となっている。
図1に示す記録ヘッド25から噴射されたインク滴を、媒体Mに対して適切な液滴としてかつ適切な位置に着弾させるためには、記録ヘッド25と媒体Mとのギャップ(「ペーパーギャップ」ともいう。)を適切な値に調整する必要がある。そのため、制御部100は、入力した媒体情報に基づき媒体Mの種類(媒体種)を取得すると、媒体Mのその種類から決まる厚さに応じたペーパーギャップが得られるように、自動ギャップ調整装置GUを制御し、記録ヘッド25のノズル開口面25Aと支持台26の支持面26AとのギャップGを調整する。
ところで、記録装置11の出荷前の段階では、記録ヘッド25と支持台26とのギャップGが、部品公差及び組付ばらつき等に起因してばらつく。このため、記録装置11の出荷前の工程検査において、部品公差や組付ばらつきに起因するギャップのばらつきを無くすようにメインフレーム31に対するガイド部材32の鉛直方向Zの組付位置を調整する。これにより、記録ヘッド25と支持台26とのギャップGを初期設定の適切な値となるようレール37の傾き及び高さを調整する。
図2、図3に示すように、メインフレーム31とガイド部材32との連結箇所には、初期設定の適正なギャップGが得られるようにメインフレーム31に対するガイド部材32の組付位置を調整するための一対の調整機構50が、走査方向Xの異なる位置に設けられている。すなわち、一対の調整機構50は、鉛直方向Zにおいて第1レール37と第2レール38との間の位置に配置され、かつ走査方向Xには異なる位置に配置されている。調整機構50は、偏心カムとして機能するカム部材51を備えている。本例のカム部材51は、例えば合成樹脂製であるが、金属製としてもよい。カム部材51は、メインフレーム31に回動可能に組み付けられると共に締結部材の一例としてのねじ52によりメインフレーム31及びガイド部材32に締結固定され、調整後の回動姿勢に保持されている。作業者は、走査方向Xに位置の異なる二箇所に配置されたカム部材51を回動操作することにより、メインフレーム31に対するガイド部材32の高さ及び傾きを調整し、支持台26と記録ヘッド25とのギャップGが、走査方向Xに一様な基準の値になるように微調整する。このガイド部材32の高さ及び傾きが調整されることにより、自動ギャップ調整装置GUが媒体種に応じて調整した際のギャップGを走査方向Xに一様かつ精度の高い値とすることができる。
図2〜図4に示すように、一対の調整機構50は、走査方向Xにガイド部材32の長手方向(走査方向X)の中心を挟んだ両側でかつ所定の距離を隔てた二位置に2つ配置されている。記録装置11は、搬送通路の幅中心と媒体Mの幅中心とが一致するように媒体Mを給送するセンター給送を行う。一対の調整機構50は、走査方向Xにおいて媒体Mが給送される領域のセンター位置を挟む両側の位置に配置されている。
一対の調整機構50は、走査方向Xの間の位置に配置したキャリッジ24の走査方向Xの両側に位置することが可能な所定の間隔を隔てた二位置に配置されている。つまり、一対の調整機構50の走査方向Xにおける間隔は、図2に示すキャリッジ24の幅寸法CW以上の値に設定されている。特に一対の調整機構50は、印刷領域PAの中心付近にキャリッジ24を配置した状態で図4に示す正面から見た場合に、そのキャリッジ24の両側に一対の調整機構50が見える所定の間隔を隔てた二位置に配置されている。さらに一対の調整機構50は、記録装置11で使用が想定される最小幅の媒体の幅以上の距離を走査方向Xに隔てて配置されている。また、図2に示すように、一対の調整機構50のうちホーム位置HP側の一方の調整機構50は、ホーム位置HPに配置されたキャリッジ24よりも走査方向Xに内側(図2では左側)(印刷領域PA側)となる位置に配置されている。特に一対の調整機構50は、キャリッジ24が走査方向Xの両端(ホーム位置HPと反ホーム位置)に位置する状態において、キャリッジ24に隠れることなくキャリッジ24よりも走査方向Xの内側に位置することが好ましい。
図2〜図4に示すガイド部材32は、メインフレーム31に対して付勢部材(第1付勢部材)の一例としてのばね61(図7参照)の弾性力により重力方向(鉛直方向Zの下側)に付勢されている。また、図2〜図4に示すように、メインフレーム31とガイド部材32は、走査方向Xに位置の異なる複数箇所(図の例では3つ)で、第2付勢部材の一例としての板ばね62を介して締結されたねじ63により固定されている。板ばね62は、ガイド部材32をメインフレーム31に対して走査方向Xと鉛直方向Zとの二方向に交差する方向(押付方向)に押し付けるように付勢する。換言すれば、板ばね62は、ガイド部材32をメインフレーム31に対して搬送方向Yと平行な方向に押し付けるように付勢する。板ばね62は、例えば樹脂ばねにより構成されるが、金属製の板ばねでもよい。そして、走査方向Xに2つの板ばね62を間に挟む両側の位置に調整機構50が配置されている。また、メインフレーム31とガイド部材32は、走査方向Xにおいてカム部材51及び板ばね62の固定箇所以外の他の複数箇所で複数のねじ64により固定されている。
次に、図5〜図9を参照して調整機構50の詳細な構成を説明する。図5に示すように、メインフレーム31のフレーム部36は、記録ヘッド25が印刷対象(記録対象)とする媒体Mの搬送方向Yと平行な方向に延びる法線を有する第1面36A(表面)と、その法線が延びる方向に突出する第1凸部67とを有している。ここで搬送方向Yは、キャリッジ24の走査方向Xと、記録ヘッド25のインク噴射方向と平行な鉛直方向Zとの二方向に直交する方向である。つまり、メインフレーム31は、フレーム部36においてガイド部材32が組み付けられる表面側に、搬送方向Yを法線とする第1面36Aを有している。
一方、ガイド部材32は、断面L字状でかつ走査方向Xに長く延びた長尺状の支持板部39と、支持板部39の下部先端部から上方へ屈曲した板状の部分からなる前述の第1レール37とを有している。また、メインフレーム31のフレーム部36は、断面C字状の長尺形状を有しており、その上部先端部が下方へ屈曲した板状の部分により前述の第2レール38が形成されている。
また、図5に示すように、ガイド部材32の支持板部39は、メインフレーム31に組み付けられるときにフレーム部36の第1面36Aと対向する第2面39A(裏面)と、第1面36Aの法線が延びる方向に突出する第2凸部68とを有している。ガイド部材32がメインフレーム31に組み付けられた状態では、第1面36Aと第2面39Aとが接触する。そして、調整機構50は、作業者がカム部材51を回動操作させて、第1面36Aに対して第2面39Aを鉛直方向Zに摺動させることにより、メインフレーム31に対するガイド部材32の鉛直方向Zの相対位置(高さ)を調整する。
また、図5に示すように、メインフレーム31のフレーム部36は、第1面36Aと反対側となる裏面側に、搬送方向Yと平行な方向を法線とする第3面36B(裏面)を有している。また、ガイド部材32の支持板部39は、第2面39Aと反対側(前側)となる表面側に、第4面39B(表面)を有している。
図5に示すように、調整機構50は、メインフレーム31に回動可能に設けられた前述のカム部材51と、カム部材51を、調整後の回動姿勢でガイド部材32及びメインフレーム31に固定するねじ52とを有している。カム部材51は、第1面36Aと第2面39Aとを当接させた状態で、カム部材51に挿通したねじ52が支持板部39を挿通してフレーム部36に設けられた雌ねじ部65に螺合されることにより締結されている。メインフレーム31とガイド部材32は、第1面36Aと第2面39Aとを当接させた状態で、調整機構50のねじ52、板ばね62のねじ63及びねじ64により走査方向Xに位置の異なる複数箇所で固定されている。この固定状態において第1面36Aと第2面39Aとの当接面は、図5に示す側方から見た場合に鉛直方向Zに延びている。このため、メインフレーム31とガイド部材32は、第1面36Aと第2面39Aとを鉛直方向Zに摺動させることにより、鉛直方向Zの相対移動が可能となっている。例えば、ねじ52,63,64を緩めた状態の下で、カム部材51を、ガイド部材32を下降させる方向へ回動させれば、ガイド部材32は、自重により、第1面36Aと第2面39Aとの鉛直方向Zの摺動を伴いながら、メインフレーム31に対して鉛直方向Zの下側へ相対移動する。なお、ねじ63,64は、ガイド部材32の支持板部39に形成された鉛直方向Zに長く延びた不図示の長孔に挿通された状態でメインフレーム31に形成された不図示の雌ねじ部に螺着されるようになっている。
また、図5に示すように、キャリッジ24は、背面側(図5では左側)に突出する連結部70を有している。連結部70の下端部には、第1レール37が挿入される第1ガイド溝71が形成され、連結部70の上端部には、第2レール38が挿入される第2ガイド溝72が形成されている。第1レール37が第1ガイド溝71に挿入され、かつ第2レール38が第2ガイド溝72に挿入された状態において、キャリッジ24はレール37,38に対して鉛直方向Zの両側(上下方向)への相対変位が可能となっている。
なお、図5に示すように、キャリッジ24の連結部70には、プーリー42に掛装された状態で平行に延びる二本のタイミングベルト41のうち一方の一部が把持片73に把持された状態で連結されている。また、記録装置11は、キャリッジ24の連結部70の背面部に、走査方向Xに沿って延びるテープ状の符号板(図示略)を有するリニアエンコーダー80を有し、連結部70には、そのテープ状の符号板を検出するリニアエンコーダー80を構成するセンサー81が設けられている。センサー81は、符号板を挟む両側の位置に不図示の発光部と受光部とを有し、符号板の長手方向(走査方向X)に一定ピッチで多数設けられた透光部を透過した発光部からの光を受光部が断続的に受光することにより、キャリッジ24の移動距離に比例する数のパルスを含む検出信号を出力する。制御部100は、センサー81から入力した検出信号を基にキャリッジモーター40(図3)を制御し、キャリッジ24が走査方向Xに移動するときの速度制御及び位置制御を行う。なお、メインフレーム31の下側には、搬送ローラー対45を構成する不図示の従動ローラーを支持する支持部材82が支軸を中心に揺動可能な状態で配置されている。メインフレーム31の背面部には、フレーム部36と支持部材82との間に、従動ローラーを下方へ付勢するためのばね83(例えばコイルばね)が掛装されている。
図6に示すように、板ばね62は、その長手方向の両端部に位置する一対の付勢片62Aが支持板部39の表面(第4面39B)に押し付けられた状態でねじ63により締結されている。板ばね62は、支持板部39の表面に接触する面を底面とすると、底面の長手方向の両端部に一対の突部62Bを有し、フレーム部36の一対の位置決め孔36Cに一対の突部62Bを挿入する状態で位置決めされている。ねじ63は、ガイド部材32の支持板部39を挿通してメインフレーム31の雌ねじ部66に締結されている。ねじ63を締結した状態及び調整時にねじ63を少し緩めた状態では、板ばね62の付勢片62Aが自然状態のときの形状よりも反った形状に弾性変形しており、一対の付勢片62Aはその弾性反力によりガイド部材32をメインフレーム31に押し付けている。このため、ねじ52,63,64を緩めても、板ばね62の付勢力により、第1面36Aと第2面39Aとが接触する状態に保持され、第1面36Aと第2面39Aとの間に隙間ができることに起因してガイド部材32がメインフレーム31に対して傾くことが回避され易くなっている。
図8に示すように、調整機構50を構成するカム部材51は、回動中心C1が偏心する偏心カムとして機能する偏心軸部53と、偏心軸部53から径方向へ扇状に延出する扇状板部54とを有している。カム部材51は、偏心軸部53が支持板部39の開口84を介して、フレーム部36に軸支されることにより偏心軸部53の回動中心C1を中心として回動可能に支持されている。なお、図7に示すように、偏心軸部53はその後端部に軸部56を有し、軸部56がフレーム部36に形成された挿通孔85(いずれも図7を参照)に挿通されている。
カム部材51は、扇状板部54の外周面をなす第1摺動面54Aと、偏心軸部53の外周面をなす第2摺動面53A(カム面)とを有している。第1摺動面54Aと第2摺動面53Aは、共に円弧面からなる。第2摺動面53Aの第2曲率半径は、第1摺動面54Aの第1曲率半径よりも小さくなっている。カム部材51の回動中心C1は、第2摺動面53Aがなす第2仮想円の中心C2から偏心している。
図8に示すように、カム部材51の扇状板部54には、偏心軸部53の第2摺動面53A(カム面)がなす第2仮想円の外側、かつ扇状板部54の第1摺動面54Aがなす第1仮想円の内側となる位置に、第1摺動面54Aに沿った第1開口の一例としての円弧状の長孔からなるガイド孔54Bが設けられている。ガイド孔54Bは、偏心軸部53の回動中心C1からの距離が、その円弧上の位置によらず一定となっている。ねじ52は、ガイド孔54Bを介してガイド部材32の支持板部39に形成された鉛直方向Zに延びる長孔39Cに挿通された状態で、メインフレーム31のフレーム部36に設けられた雌ねじ部65(図7参照)に螺合されることにより、メインフレーム31とガイド部材32とを締結している。ねじ52は、カム部材51を調整後の回動位置に固定する機能と、メインフレーム31とガイド部材32とを締結する機能とを兼ねている。
ねじ52及びねじ63,64(図4参照)を緩めた状態では、ねじ52が挿通されたガイド孔54Bの範囲内でカム部材51の回動が可能になっている。カム部材51を回動させることで、扇状板部54の第1摺動面54Aと第1凸部67との当接位置と、偏心軸部53の第2摺動面53Aと第2凸部68との当接位置との距離が変化することで、メインフレーム31に対するガイド部材32の鉛直方向Zの位置調整が可能となっている。
詳しくは、メインフレーム31の第1面36Aとガイド部材32の第2面39Aとが当接した状態で、カム部材51の第1摺動面54Aが第1凸部67と摺動可能であり、かつ、カム部材51の第2摺動面53Aが第2凸部68と摺動可能である。第1摺動面54Aが当接する第1凸部67の当接位置と、第2摺動面53Aが当接する第2凸部68の当接位置との間の図8に示す距離Dは、カム部材51が回動することにより変化する。この距離Dは、例えば、図8における第1摺動面54Aの第1位置P1が第1凸部67に当接し、かつ、第2摺動面53Aの第1位置Q1が第2凸部68に当接する場合と、第1摺動面54Aの第2位置P2が第1凸部67に当接し、かつ、第2摺動面53Aの第2位置Q2が第2凸部68に当接する場合とでは、異なる。なお、図8、図9では、第1位置P1,Q1と第2位置P2,Q2は一例の位置を示したものであり、第1位置P1と第2位置P2とが第1摺動面54A上の任意の異なる位置であれば、距離Dは異なる。
また、扇状板部54の周縁部には、目盛54Cが外周に沿って形成されている。偏心軸部53の径方向外側へ偏心軸部53の第1半径よりも長い第2半径を有する扇状板部54を延出させ、その扇状板部54の外周縁に沿って目盛54Cを付すことにより、目盛54Cの解像度を高くしている。図8に示す例では、第2半径は、第1半径の約4倍の値であるが、2倍〜5倍の範囲が好ましい。また、図8に示す例では、扇状板部54の回動幅の中心を中立位置としている。そして、第1摺動面54Aが、扇状板部54の回動幅の中心位置に相当する箇所で第1凸部67に当接する図8に示す回動角の状態をカム部材51の中立位置とし、この中立位置を基準(例えば「零」)にマイナス側とプラス側に一定間隔で目盛54Cが付されている。なお、ここでいう目盛54Cの解像度が高いとは、1目盛(単位回動量)当たりのガイド部材32の変位量が小さいことを指す。
近年は、測定器のセンサーで記録ヘッド25と支持台26とのギャップGを測定し、測定器の測定値を見ながら調整機構50を調整することによりギャップGを調整できる。このような測定方法に対応し、部品の寸法ばらつきや組付けばらつきをキャンセルしつつギャップGを調整できるように、第1摺動面54Aを円弧面とした無段階調整方式を採用している。無段階調整方式であるため、カム部材51の第1摺動面54Aは、多段階調整方式の構成で必要なノッチのない円弧面となっている。
図5、図8に示すように、メインフレーム31は、搬送方向Yに対して平行な方向に延びる法線を有する第1面36Aから法線が延びる方向(搬送方向Y)に突出する第1凸部67を有している。また、ガイド部材32は、第1面36Aと対向して配置される第2面39Aと、反対側の面である第4面39Bから法線方向(搬送方向Y)に突出する第2凸部68とを有している。カム部材51は、第1凸部67と第2凸部68との間に当接する状態で介在する。
図8に示すように、カム部材51を構成する扇状板部54は、第1摺動面54Aで第1凸部67と当接している。また、カム部材51を構成する偏心軸部53は、第2摺動面53Aで第2凸部68と当接している。メインフレーム31に対するガイド部材32の鉛直方向Zの相対位置は、メインフレーム31の第1凸部67とガイド部材32の第2凸部68との間に双方に当接した状態で介在するカム部材51の回動位置に応じて決まるようになっている。すなわち、カム部材51が偏心して回動し、扇状板部54の第1摺動面54Aと当接する第1凸部67と、偏心軸部53の第2摺動面53A(カム面)と当接する第2凸部68との間隔が変化することにより、メインフレーム31に対するガイド部材32の鉛直方向Zの相対位置が調整される。
図8に示すように、カム部材51は、メインフレーム31及びガイド部材32におけるキャリッジ24(図2参照)の走査経路と対向する面(正面)の側に配置されており、偏心軸部53の正面側の端面(第1端面)には、回動中心C1で工具と係合可能な被係合部(第1被係合部)の一例として差込穴55が設けられている。詳しくは、工具用の差込穴55は、偏心軸部53の一方(表面側)の第1端面に、回動中心C1に一致する位置に中心をもつように設けられている。図8に示す例では、工具の一例としてのプラスドライバーを差込み可能な十字型の差込穴55となっている。この差込穴55は、マイナスドライバーも差込み可能な穴形状となっている。
また、図7に示すように、メインフレーム31のフレーム部36には、偏心軸部53の軸部56が挿通される第2開口の一例としての前述の挿通孔85が形成されている。軸部56からはその径方向外側へ規制凸部56Aが延出している。挿通孔85は、軸部56の規制凸部56A以外の部分の外周径(直径)よりも若干大きな直径を有する円孔部85Aと、円孔部85Aから径方向外側へ規制凸部56Aを挿通可能なサイズで延出する矩形の規制孔部85Bとを有している。
カム部材51をフレーム部36に組み付けるときは、カム部材51を規制凸部56Aと規制孔部85Bとが相対する姿勢としたうえで、偏心軸部53の軸部56を挿通孔85に押し込んで挿通する。カム部材51は、規制凸部56Aが規制孔部85Bと相対しない回動範囲内で使用される。このため、カム部材51が使用される図8に示す中立位置を中心とする約90度の回動範囲では、規制凸部56Aが規制孔部85Bと相対することがなく、規制凸部56Aはメインフレーム31に対するカム部材51の抜け止めとして機能する。
図7に示すように、カム部材51は、偏心軸部53における第1差込穴55が形成された第1端面と反対側の第2端面に、回動中心C1で工具と係合可能な第2被係合部の一例としての第2差込穴57を有している。第2差込穴57は、偏心軸部53において第1差込穴55の真裏となる位置に回動中心C1に一致する中心をもつ。本例では、第1差込穴55と第2差込穴57は、互いに異なる工具に対応しており異なる穴形状を有している。詳しくは、第1差込穴55がドライバー用の差込穴であるのに対し、第2差込穴57は多角レンチ用(例えば六角レンチ用)の差込穴である。なお、第1被係合部と第2被係合部とのうち少なくとも一方は、工具と係合可能な構成であれば、差込穴などの穴に限らず凸部でもよい。
また、図7に示すように、ガイド部材32をメインフレーム31に対して重力方向へ付勢する前述のばね61は、調整機構50によりガイド部材32をメインフレーム31に対して下方へ位置調整する際に、ガイド部材32の自重による下降を補助する。本例のばね61は、例えば捩りコイルばねからなる。ばね61は、メインフレーム31の裏面に突出する凸部36Dにコイル部61Aが固定され、コイル部61Aから延びる二本の線材61B,61Cのうち一方の線材61Bが、メインフレーム31の凸部36Eに係止され、他方の線材61Cがガイド部材32からメインフレーム31の開口86を介して裏面側へ突出する凸部39Dに係止されている。つまり、捩りコイルばねからなるばね61の二本の線材61B,61Cは、メインフレーム31から第1面36A(図6参照)の法線とは反対の方向に延びる凸部36Eと、ガイド部材32から第2面39A(図6参照)の法線が延びる方向に延びる凸部39Dとに係止され、両凸部36E,39Dを鉛直方向Zに押し広げる方向に付勢している。このように本例のばね61は、凸部36Eに対してその下方に位置する凸部39Dを重力方向に付勢することにより、メインフレーム31の背面側の位置で、ガイド部材32を重力方向へ付勢する。
また、カム部材51のポジションとして、調整後にカム部材51とガイド部材32とを非接触状態に離すことができる図9に示す退避ポジションを設けている。このため、図9に示すように、調整機構50は、カム部材51をマイナス側(下降側)の回動限界位置に配置したときに、扇状板部54の一側面が当接してカム部材51を回動限界位置に保持することが可能な凸部69を有している。そして、カム部材51がマイナス側の回動限界位置において扇状板部54の一側面が凸部69に当接する状態でねじ52が締結されることにより、カム部材51は図9に示す退避ポジションに保持される。なお、カム部材51を図9に示す退避ポジションへ回動させる操作及びその回動限界位置でのカム部材51の締結は、カム部材51の操作によるガイド部材32の鉛直方向Zの位置調整を終えた後、少なくとも板ばね62のねじ63を締結した仮止め後に行われる。
次に記録装置11の作用について説明する。出荷前の工程検査時又は出荷後のメンテナンス時などにおいて、作業者は記録装置11の調整機構50を操作してギャップの調整を行う。例えばカム部材51は中立位置(図8)又は退避ポジション(図9)に配置されているものとする。作業者は、手動又は制御部100に指示する制御により、キャリッジ24をギャップGの測定に好ましい所定位置に移動させる。作業者は測定器のセンサーで支持台26と記録ヘッド25とのギャップGを測定する。測定の結果、ギャップGの調整が必要である場合、次に、記録装置11のフロントカバーを開けた状態で、作業者はねじ52,63,64を緩める。このとき、板ばね62がガイド部材32をメインフレーム31に押し付けているので、ねじ52,63,64を緩めても、ガイド部材32はメインフレーム31に対してさほど傾かずほぼ平行な状態に保持される。この状態では、調整機構50を操作すればメインフレーム31に対してガイド部材32が鉛直方向Zに相対移動可能である。
次に、一対のカム部材51を回動させてギャップGを調整する。このとき作業者は測定器のセンサーで支持台26と記録ヘッド25とのギャップGを測定し、その測定値を見ながら一対のカム部材51を回動操作することで目標のギャップGとなるようにガイド部材32の高さ及び傾きを調整する。例えばキャリッジ24を印刷領域PAの中央位置付近(給紙センター位置付近)に配置し、記録ヘッド25と支持台26とのギャップGを測定する。この位置では、キャリッジ24の走査方向Xの両側に一対のカム部材51が見えるため、作業者は正面からカム部材51を見ながら調整作業を行うことができる。
また、キャリッジ24を印刷領域PAの中央位置から少し左右にずれた位置でギャップGを調整したいときは、カム部材51がキャリッジ24の後側に隠れてしまう場合がある。この場合、作業者は、筐体12の背面側のカバーを外せば、図7に示すようにメインフレーム31の裏面側に六角レンチ用の第2差込穴57が露出している。このため、作業者は、六角レンチを第2差込穴57に差し込んで回動操作すれば、カム部材51を回動させることができる。このようにキャリッジ24がカム部材51を隠す位置に配置された状態でも、裏面側から偏心軸部53を操作してギャップGを調整することができる。また、作業者がメンテナンス時に複数種の工具を持ち合わせていない場合もありうる。作業者が例えばドライバーのみ所持する場合は、ドラバーを第1差込穴55に差し込んでカム部材51を回動操作してギャップ調整を行うことができる。また、作業者が例えば六角レンチのみ所持する場合は、六角レンチを第2差込穴57に差し込んでカム部材51を回動操作してギャップ調整を行うことができる。
カム部材51はその扇状板部54の第1摺動面54Aと第1凸部67との当接箇所における目盛54Cがプラス側であると、ガイド部材32が相対的に上昇してギャップGが大きくなり、反対にその当接箇所における目盛54Cがマイナス側であると、ガイド部材32が相対的に下降してギャップGが小さくなる。作業者がカム部材51を図8における時計方向であるプラス方向(第1方向)に回動させると、偏心軸部53が第2凸部68を押し上げるため、ガイド部材32がメインフレーム31に対して相対的に鉛直方向Zの上側へ変位する。一方、作業者がカム部材51を図8における反時計方向であるマイナス方向(第2方向)に回動させると、偏心軸部53の第2摺動面53Aが第2凸部68から離れる下方へ変位する。このとき、板ばね62の付勢力によりガイド部材32の支持板部39はフレーム部36に対してほぼ傾くことなくフレーム部36とほぼ平行な姿勢に保たれるうえ、ガイド部材32にその自重に加えばね61により重力方向の付勢力が働いている。そのため、第2摺動面53Aが第2凸部68から離れる下方へ変位するのに追従してガイド部材32は第2凸部68と第2摺動面53Aとが当接した状態を維持しつつ下方へ変位する。このため、ガイド部材32における調整機構50と対応する箇所を、カム部材51の回動角に応じた適切な高さに位置調整することができる。なお、記録ヘッド25と支持台26とのギャップGの測定は、センサーを備えた測定器に替え、薄板状のゲージを使って行ってもよい。
作業者は、一対のカム部材51を回動操作してガイド部材32の傾き及び高さを調整することにより一様なギャップGを調整し終えると、仮止め用の板ばね62のねじ63を締結する。これによりメインフレーム31に対して調整後の位置でガイド部材32が仮止めされる。
次に、作業者は、ドライバー又は六角レンチを使用して、カム部材51をマイナス側の回動限界位置まで回動させて退避ポジションに配置する。退避ポジションでは、扇状板部54の側面が凸部69に当たり、カム部材51はマイナス側の回動限界位置に保持される。次にねじ52を締結してカム部材51を退避ポジションで固定する。こうして全ての調整機構50についてねじ52を締結して退避ポジションに固定し終わると、残り複数箇所のねじ64を締結する。この結果、ガイド部材32はメインフレーム31に対して複数のねじ52,63,64の締結により調整位置に固定される。
図9に示すように、カム部材51が退避ポジションにあるので、偏心軸部53とガイド部材32とが離れ、カム部材51とガイド部材32とが非接触状態にある。このため、例えば、その後、記録装置11が運搬などされたときの振動や落下衝撃、高温環境下でのメインフレーム31、ガイド部材32及びカム部材51の熱膨張によって、カム部材51がガイド部材32を押し上げてしまうことが回避される。また、高温環境下でのカム部材51の熱変形(クリープ変形等)によって、ガイド部材32を下降させてしまうことが回避される。よって、この種の振動、落下衝撃、高温環境等に起因するギャップGの変動を防止できる。
一対の調整機構50の走査方向Xにおける間隔が第1間隔よりも第1間隔より長い第2間隔である構成の方が、調整機構50を小型化できる。本実施形態では、キャリッジ24を印刷領域PAの中央位置に配置したときにそのキャリッジ24の走査方向Xの両側に一対のカム部材51が見える第2間隔(キャリッジ24の幅寸法以上の間隔)を離した位置に配置している。また、本実施形態では、センター給紙であるが、例えば使用が想定される最小サイズ(例えば名刺サイズ)の媒体Mが搬送される領域に対して走査方向Xの両側の位置(第2間隔を離した位置)に配置されている。さらに一対の調整機構50を、走査方向Xにおいて、複数の板ばね62をねじ63で締結した複数の仮止め箇所(例えば2箇所)を間に挟む両側の位置(第2間隔を離した位置)に配置している。このように本実施形態の記録装置11では、一対の調整機構50を走査方向Xに第2間隔を離して配置しているので、調整の解像度を相対的に低くすることが許容される。このため、例えば扇状板部54の径方向長さを相対的に短くでき、調整機構50の小型化を実現できる。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)記録装置11は、記録ヘッド25を有するキャリッジ24と、キャリッジ24を走査方向Xに移動可能に案内するガイド部材32と、ガイド部材32を鉛直方向Zに相対移動可能に支持するメインフレーム31とを備える。さらに記録装置11は、メインフレーム31に対するガイド部材32の鉛直方向Zの相対位置を調整するカム部材51を有し、走査方向Xの異なる位置に配置された複数の調整機構50と、メインフレーム31に対してガイド部材32を重力方向に付勢するばね61(付勢部材の一例)とを備える。よって、メインフレーム31に対するガイド部材32の固定(ねじ52,63,64)を緩めた後、ガイド部材32を下降させる方向にカム部材51を操作した場合、ガイド部材32は多少の抵抗負荷があっても、ばね61から受ける重力方向への付勢力により、カム部材51の回動に追従してほぼ確実に下降する。このため、治具等を用いてガイド部材32を押し下げるなどの余分な作業が不要になるため、メインフレーム31に対するガイド部材32の鉛直方向Zの相対位置を調整する調整作業を簡単かつ正確に行うことができる。
(2)記録装置11は、キャリッジ24の走査方向Xに延びる部材であって、記録ヘッド25が記録対象とする媒体Mの搬送方向Yに対して平行な方向に延びる法線を有する第1面36Aと、法線が延びる方向に延びる第1凸部67とを有するメインフレーム31を備える。また、記録装置11は、キャリッジ24の走査方向Xに延びる部材であって、第1面36Aと対向して配置される第2面39Aと、第1面36Aの法線が延びる方向に延びる第2凸部68とを有し、キャリッジ24を走査方向Xに移動可能に案内するガイド部材32を備える。さらに記録装置11は、第1摺動面54Aと第2摺動面53Aとを有するカム部材51を含む調整機構50を備える。調整機構50は、メイン31フレームの第1面36Aとガイド部材32の第2面39Aとが当接した状態で、第1摺動面54Aが第1凸部67と摺動可能であり、かつ、第2摺動面53Aが第2凸部68と摺動可能である。また、第1摺動面54Aが当接する第1凸部67の当接位置と、第2摺動面53Aが当接する第2凸部68の当接位置との間の距離は、第1摺動面54Aの第1位置が第1凸部67に当接し、かつ、第2摺動面53Aの第1位置が第2凸部68に当接する場合と、第1摺動面54Aの第2位置が第1凸部67に当接し、かつ、第2摺動面53Aの第2位置が第2凸部68に当接する場合とでは、異なる。よって、メインフレーム31に対するガイド部材32の固定を緩めた状態で、カム部材51を回動させ、第1摺動面54Aが当接する第1凸部67の当接位置と、第2摺動面53Aが当接する第2凸部68の当接箇所との間の距離Dを変化させることにより、メインフレーム31に対するガイド部材32の鉛直方向Zの相対位置が調整される。このとき、カム部材51にかかる荷重は、カム部材51の偏心軸部53(例えば軸部56)、第1凸部67に当接する第1摺動面54Aの当接箇所と、第2凸部68に当接する第2摺動面53Aの当接箇所とに分散されるため、カム部材51が特定部位(例えば軸部56)で荷重を集中的に受けることを回避できる。
(3)記録装置11は、ガイド部材32をメインフレーム31に対して走査方向Xと鉛直方向Zとに交差する方向(押付方向)に押し付ける板ばね62(第2付勢部材の一例)を備えている。よって、板ばね62の付勢力によって、ガイド部材32がメインフレーム31に対して第1面36Aと第2面39Aとを当接させる方向に押し付けられているため、ガイド部材32の固定(ねじ52,63,64)を緩めた際、ガイド部材32とメインフレーム31との間に隙間ができにくく、ガイド部材32がメインフレーム31に対して傾きにくい。このため、ガイド部材32がメインフレーム31に対して引っ掛かるなどの抵抗負荷を低減でき、ガイド部材32を治具で押すなどの余分な作業を一層低減できる。そのうえ、調整後にガイド部材32がメインフレーム31に対して傾く姿勢から固定する構成の場合、その傾きがなくなる姿勢への変化の過程でガイド部材32の調整位置が鉛直方向Zにずれる心配がある。これに対して、本例では、板ばね62の付勢力により第1面36Aと第2面39Aとの間の隙間が小さく抑えられ、ガイド部材32の傾きが小さく抑えられるため、調整後にガイド部材32をメインフレーム31に固定する作業の前後でガイド部材32の調整位置が鉛直方向Zにずれにくい。このため、ガイド部材32を最終的にメインフレーム31に固定し終わった際の調整位置の精度を高めることができる。よって、メインフレーム31に対するガイド部材32の固定位置を調整して記録ヘッド25の高さ位置を調整する調整作業を簡単かつ正確に行うことができる。
(4)カム部材51は、第1摺動面54Aと第2摺動面53Aとを有し、第2摺動面53Aの第2曲率半径は第1摺動面54Aの第1曲率半径よりも小さく、カム部材51の回動中心C1は、第2摺動面53Aがなす第2仮想円の中心C2から偏心している。よって、カム部材51を回動させてガイド部材32を鉛直方向Zに位置調整する際に、微調整がし易い。
(5)カム部材51は、第2摺動面53Aがなす第2仮想円の外側、かつ第1摺動面54Aがなす第1仮想円の内側に、第1摺動面54Aに沿ったガイド孔54B(第1開口の一例)を有し、調整機構50は、ガイド孔54Bを介してメインフレーム31とガイド部材32とを締結するねじ52(締結部材の一例)を備えている。よって、一つのねじ52が、カム部材51を調整位置に固定する機能と、メインフレーム31とガイド部材32とを締結して固定する機能とを兼ねる。他の締結部材(ねじ63,64)によりメインフレーム31とガイド部材32とを固定する固定箇所を相対的に減らし、調整作業が比較的簡単に済む。そのうえ、カム部材51を第2仮想円の外側の位置で固定できるので、カム部材を第2仮想円の内側の位置で固定する構成に比べ、カム部材51を調整後の回動位置にしっかり固定することができる。
(6)カム部材51は、メインフレーム31及びガイド部材32におけるキャリッジ24の走査経路と対向する面(正面)の側に配置されるとともに、メインフレーム31に回動可能に支持される偏心軸部53を有し、偏心軸部53の正面側の端面(第1端面)には、回動中心C1で工具と係合可能な第1差込穴55(被係合部の一例)が設けられている。よって、作業者は記録装置11の筐体12のカバーを開けてキャリッジ24が見える状態とすれば、キャリッジ24が案内されるガイド部材32の正面に調整機構50が位置するので、比較的容易に調整機構50にアクセスして調整作業をすることができる。また、カム部材51の偏心軸部53の端面に設けられた第1差込穴55に工具(ドライバー等)を係合すれば、工具を用いてカム部材51を容易かつ微調整可能に回動させることができる。よって、ガイド部材32の位置調整及びこれに伴うギャップ調整を容易かつ正確に行うことができる。
(7)カム部材51は、偏心軸部53における第1差込穴55が設けられた第1端面と反対側の第2端面に、回動中心C1で工具と係合可能な第2差込穴57(第2被係合部の一例)を有する。よって、作業者は記録装置11の筐体12の例えば背面側のカバーを開ければ、メインフレーム31の背面側から偏心軸部53の第2端面にある第2差込穴57に工具(六角レンチ等)を係合すれば、工具を用いてカム部材51を容易かつ微調整可能に回転させることができる。例えば、キャリッジ24を調整機構50が隠れる位置に配置してガイド部材32を高さ調整したい場合でも、工具を背面側の第2差込穴57に係合させてカム部材51を回動させることができる。
(8)第1差込穴55と第2差込穴57は異なる形状を有している。よって、第1差込穴55と第2差込穴57とのうち一方と係合可能な工具を所持していなくても、他方と係合可能な工具を所持していれば、その工具を用いてカム部材51を回動させることができる。
(9)第1差込穴55と第2差込穴57とのうち一方は、ドライバーと係合可能な形状を有し、他方は多角レンチと係合可能な形状を有している。よって、ドライバーと多角レンチとのうち少なくとも一方を所持していれば、その一方の工具を用いてカム部材51を容易に回動させることができる。すなわち、汎用工具があればカム部材51を容易に回動させることができる。
(10)カム部材51は、メインフレーム31に回動可能に支持される軸部56を含む偏心軸部53を有し、メインフレーム31は、カム部材51の軸部56を挿通可能な挿通孔85(第2開口の一例)を有している。カム部材51の軸部56は、その軸部56の径方向外側へ突出した抜止め用の規制凸部56Aを有している。また、挿通孔85は、軸部56の規制凸部56A以外の部分を挿通可能な円孔部85Aと、規制凸部56Aを挿通可能に円孔部85Aから径方向外側へ延びる規制孔部85Bとを有している。カム部材51は、規制凸部56Aと規制孔部85Bとが相対しない範囲で回動可能に設けられている。よって、カム部材51を規制凸部56Aと規制孔部85Bとが相対する回動姿勢にすれば、規制凸部56Aと規制孔部85Bに挿通させつつ軸部56を挿通孔85に挿通して、カム部材51をメインフレーム31に組み付けることができる。また、その組み付け後において、カム部材51の調整時の回動範囲では規制凸部56Aと規制孔部85Bが相対しないため、調整時にはカム部材51をメインフレーム31から抜け止めされた状態で回動させることができる。
(11)一対の調整機構50は、キャリッジ24の走査方向Xにおける幅寸法CW以上の間隔を隔てて位置し、かつ一対の調整機構50のうちキャリッジ24の走査経路の一端部に設定されたホーム位置HP(待機位置の一例)側の一方が、ホーム位置HPにあるときのキャリッジ24よりも走査方向Xの内側となる位置に配置されている。よって、キャリッジ24を印刷領域PAの中央付近に配置した状態、及びホーム位置HPに配置した状態であっても、作業者はキャリッジ24に隠れない調整機構50を見ながらギャップ調整を行うことができる。特に一対の調整機構50を、走査経路における両側の端部(ホーム位置HPと反ホーム位置)に位置するキャリッジ24よりも走査方向Xの内側となる位置に配置した場合は、キャリッジ24をホーム位置HPと反対側の端部に位置するときにも、作業者は一対の調整機構50を見ながらギャップ調整できる頻度が一層高くなる。
(12)カム部材51の単位回動量当たりに必要なガイド部材32の鉛直方向Zの変位量は、一対の調整機構50の間隔が第1間隔のときよりも、第1間隔よりも長い第2間隔のときの方が小さく済む。本実施形態では、一対の調整機構50の間隔を、キャリッジ24の幅以上の値(第2間隔)としたので、カム部材51の回動中心C1から第1摺動面54Aまでの回動半径を第1間隔のときの構成に比べ相対的に小さくすることができ、調整機構50を相対的に小型化できる。
(13)調整機構50は、ガイド部材32を重力方向へ変位させる方向への回動限界位置にカム部材51を保持する凸部69(保持部の一例)を有している。例えばカム部材51を操作してガイド部材32を鉛直方向Zに位置調整した後、調整機構50以外の他の締結部材(ねじ63,64)によりガイド部材32をメインフレーム31仮り固定する。その後、カム部材51を、ガイド部材32を重力方向へ変位させる方向へ回動限界位置まで操作し、凸部69に当たったその回動限界位置でねじ52を締結すれば、カム部材51をガイド部材32から離間する状態に保持することができる。このため、記録装置11を運搬するときの振動、落下衝撃、環境温度の変化や熱源(例えば電子部品や媒体乾燥用のヒーター等)の熱によるカム部材51、ガイド部材32及びメインフレーム31等の熱膨張、カム部材の変形(例えばクリープ変形)が原因で、メインフレーム31に対するガイド部材32の固定位置がずれることを回避できる。
(14)カム部材51をノッチのない構成とし、ガイド部材32を無段階で調整できる無段階調整方式としたので、部品の寸法ばらつきや組付けばらつきをキャンセルして設計中心とほぼ誤差なく支持台26と記録ヘッド25とのギャップGを調整することができる。例えばノッチを有するカム部材を用いた多段階調整方式であると、設計中心とノッチ位置とがずれる恐れがあるため、ノッチ1段分の調整値(調整解像度)を小さくするためにカム部材の回動半径を大きくする必要がある。そこで、第1摺動面54Aをノッチのない円弧面とし、ギャップGを連続的に調整できる無段階調整方式としたので、カム部材51の回動半径を相対的に小さくしカム部材51を小型化することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の記録装置11について図面を参照して説明する。この第2実施形態では、付勢部材(第1付勢部材)および第2付勢部材の構成が異なる。本実施形態では、第1付勢部材が、第2付勢部材の機能を兼ねている。つまり、第1付勢部材と第2付勢部材とを兼ねるばね90を備え、ばね90により、ガイド部材32をメインフレーム31に対して重力方向と押付方向とに付勢する。これにより第1実施形態において第2付勢部材として用いた板ばね62を廃止している。
本実施形態の記録装置11は、第1付勢部材の一例として、第1実施形態で採用した図7等に示す捩りコイルばねからなるばね61に替え、図10〜図12に示すように、ガイド部材32を重力方向に付勢するコイルばねからなるばね90を備える。そして、図11、図12に示すように、ばね90は、メインフレーム31の裏面側において、ガイド部材32とメインフレーム31との間に両者を引っ張る斜めの姿勢で張設されている。すなわち、ばね90は、重力方向と、搬送方向Yと反対側の方向である押付方向との二方向に引張り力の成分をもつ斜めの姿勢で張設されている。ばね90は、その両端部がガイド部材32の支持板部39から突出する凸部39Eと、メインフレーム31のフレーム部36から突出する凸部36Fとに掛装され、ガイド部材32を重力方向と押付方向との二方向に付勢している。つまり、図11、図12に示すばね90は、ガイド部材32を重力方向に付勢するとともに、第2面39Aを第1面36Aへ押し付ける方向にも付勢する。このようにばね90は、ガイド部材32を重力方向に付勢する第1付勢部材の機能に加え、ガイド部材32の第2面39Aをメインフレーム31の第1面36Aに押し付ける方向へ付勢する第2付勢部材の機能も兼ねている。このため、図10に示す例では、第1実施形態において第2付勢部材の一例として設けられていた板ばね62が廃止されている。なお、図11に示すばね90と共に板ばね62を併存させてもよいが、その場合、図4に示す例に比べ、板ばね62の配設数を減らすことが好ましい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の記録装置11について図面を参照して説明する。この第3実施形態は、第2実施形態において、ガイド部材32をメインフレーム31に固定するねじの締結位置を変更した例である。詳しくは、ねじの締結位置をガイド部材32の長手方向の両端寄りの範囲に限定し、長手方向の中央寄りの範囲では締結するねじを無くしている。そのため、本実施形態では、ねじ64の締結位置を変更するだけでなく、第2実施形態と同様に付勢部材(第1付勢部材)と第2付勢部材との機能を兼ねたばね90を用いることで、第1実施形態における板ばね62を廃止し、板ばね62用のねじ63を無くしている。また、調整機構50の構成を変更することで、ねじ52をメインフレーム31には固定しない構成としている。その他の構成については、第1及び第2実施形態と同様であるので、同一の符号を付してその説明は省略する。
ところで、メインフレーム31およびガイド部材32は長尺部材であるので、長手方向に沿って面が多少湾曲することは避けられない。メインフレーム31およびガイド部材32の長手方向の中央部分で面の湾曲に起因する厚さ方向の変位量が端部に比べて相対的に大きい。このため、ガイド部材32の長手方向の中央部分でねじ64を締結してガイド部材32をメインフレーム31に強制的に押し付けると、互いの湾曲面が強制的に圧接されるため、このときメインフレーム31およびガイド部材32に比較的大きな歪みが発生する。この歪みが原因で、調整機構50による高さ調整後のガイド部材32が鉛直方向Zに位置変動する場合がある。そのため、本実施形態では、図13に示すように、ガイド部材32をメインフレーム31に固定するために締結される固定部材の一例としてのねじ64を、走査方向Xの中央部を避けた両端寄りの位置に締結する。
図13に示すように、メインフレーム31およびガイド部材32の長手方向の中央部分では、ねじ64を無くし、走査方向Xにおける両端寄りの位置にねじ64を配置している。複数のねじ64は、本実施形態では、図13に示すように、ガイド部材32の走査方向Xにおいてカム部材51よりも外側となる端部寄りの位置に配置され、かつ鉛直方向Zに異なる2位置に締結されている。メインフレーム31の第1面36Aとガイド部材32の第2面39Aには、ねじ64の締結される部位が僅かな量だけ台形状に膨出した台座部(図示せず)が形成されており、ねじ64の締結により第1面36Aと第2面39Aは台座部で圧接される。なお、図13に示すように、ガイド部材32は走査方向Xの複数箇所(図13の例では2箇所)で、メインフレーム31から突出する突部36Hが、ガイド部材32に開口する孔39Gに差し込まれることで、仮にねじ64の全てが外れても、ガイド部材32がずれ落ちないようにしている。
また、図13に示すように、走査方向Xにおいて2つの調整機構50よりも外側(端側)となる位置には、メインフレーム31の裏面側に掛装されたばね90が張設されている。2つのばね90は、第2実施形態と同様に、ガイド部材32を重力方向に付勢する機能に加え、ガイド部材32の第2面39Aをメインフレーム31の第1面36Aに押し付ける機能を有する。このため、図13に示す記録装置11では、第2実施形態と同様に、第1実施形態における板ばね62及びねじ63(図4参照)を廃止している。このため、図13に示すように、ガイド部材32の長手方向の中央部は、ねじ63も締結されていない。
ばね90は、図11、図12に示す第2実施形態のばね90と同様に、重力方向(鉛直方向Zの下向き)と搬送方向Yと反対側の方向である押付方向に引張り力の成分をもつ斜めの姿勢で張設されている。このため、ばね90は、ガイド部材32を重力方向と押付方向との二方向に付勢している。つまり、図11、図12に示すばね90は、ガイド部材32を重力方向に加え、第2面39Aを第1面36Aへ押し付ける方向にも付勢する。ばね90は、ガイド部材32を重力方向に付勢する第1部材の機能に加え、ガイド部材32の第2面39Aをメインフレーム31の第1面36Aに押し付ける方向へ付勢する第2付勢部材の機能も兼ねている。このため、図13に示すように、第1実施形態において第2付勢部材の一例として機能する板ばね62(図4)が廃止されている。そして、板ばね62の廃止により、この第3実施形態では、走査方向Xにおいて調整機構50の間には、固定用のねじ64も板ばね62用のねじ63も無い。
図13に示すように、メインフレーム31とガイド部材32は、走査方向Xの全長がほぼ同じであり、その全長を走査方向Xに3等分した場合の両側1/3ずつの範囲内にねじ64の締結位置が設定されている。また、複数のねじ64は、メインフレーム31の走査方向Xにおいて、複数のカム部材51の締結位置、つまりねじ52の締結位置よりも外側となる位置に締結される。このため、メインフレーム31とガイド部材32の走査方向Xにおいて中央1/3の範囲には、両者を締結するねじ64が無い。ガイド部材32の全長に対し走査方向Xの両側1/3ずつの範囲内という、メインフレーム31とガイド部材32の湾曲による搬送方向Yの変位量の少ない両端寄りの部分にねじ64を締結する。よって、メインフレーム31とガイド部材32が長手方向(つまり走査方向X)に沿って湾曲していても、走査方向Xの少なくとも中央1/3の範囲では第1面36Aと第2面39A(例えば台座部)が締結により強制的に圧接されることがないので、ねじ64の締結に起因するメインフレーム31とガイド部材32の歪みは小さく抑えられる。したがって、作業者が調整機構50を操作してメインフレーム31に対するガイド部材32の組付位置を調整した後、複数のねじ64を締結しても、その締結に起因する歪みに起因してガイド部材32の位置が調整後の位置から鉛直方向Zに変動することが回避される。
さらに本実施形態では、調整機構50を構成するカム部材51を調整後の位置に固定するねじ52の固定先を、メインフレーム31に替え、ガイド部材32としている。つまり、カム部材51を調整後の回動姿勢に保持するため、ねじ52を締結しても、その締結力によってガイド部材32をメインフレーム31に押し付けることはない。
以下、本実施形態の調整機構50について図14〜図17を参照して説明する。図14、図15に示すように、カム部材51は、偏心軸部53の軸部56が、メインフレーム31のフレーム部36に開口する鉛直方向Zに長く延びる長孔よりなる挿通孔92に挿通され、メインフレーム31に対して軸部56を中心に回動可能かつ鉛直方向Zに相対移動可能となっている。また、ねじ52は、カム部材51の扇状板部54に第1開口の一例としての円弧状のガイド孔54Bに挿通された状態で、ガイド部材32の支持板部39に設けられた雌ねじ部93に螺着されている。メインフレーム31のフレーム部36には、雌ねじ部93と対応する箇所に鉛直方向Zに長く延びる長孔よりなる挿通孔94が形成されている。ガイド部材32の位置調整時には、作業者は、カム部材51のガイド孔54Bに挿通されたねじ52の雌ねじ部93に対する螺着を緩めた状態で、カム部材51を回動させる。このとき、カム部材51の軸部56が挿通孔85に沿って移動するとともに、雌ねじ部93およびねじ52の軸部52Aが挿通孔94(長孔)に沿って移動することにより、ガイド部材32はメインフレーム31のフレーム部36に対して鉛直方向Zに相対移動可能である。
図14〜図17に示すように、カム部材51は、メインフレーム31の第1凸部67と、ガイド部材32の第2凸部68との間に挟まれた状態に配置される。このため、扇状板部54の第1摺動面54Aが、メインフレーム31のフレーム部36から搬送方向Yに突出する第1凸部67に当接し、偏心軸部53の第2摺動面53A(カム面)が、ガイド部材32の支持板部39から搬送方向Yに突出する第2凸部68に当接する。
図16に示すように、カム部材51のその他の構成は、第1及び第2実施形態と同様である。例えば、第1摺動面54Aと第2摺動面53Aは、共に円弧面からなる。第2摺動面53Aの第2曲率半径は、第1摺動面54Aの第1曲率半径よりも小さい。カム部材51の回動中心C1は、第2摺動面53Aがなす第2仮想円の中心C2から偏心している。カム部材51の扇状板部54には、偏心軸部53の第2摺動面53A(カム面)がなす第2仮想円の外側、かつ扇状板部54の第1摺動面54Aがなす第1仮想円の内側となる位置に、第1摺動面54Aに沿った第1開口の一例としての円弧状の長孔からなるガイド孔54Bが設けられている。但し、本実施形態では、ねじ52がガイド部材32の雌ねじ部93に固定されるため、ガイド孔54Bは、第2凸部68とねじ52との距離Fが一定になる孔形状に形成されている。すなわち、ガイド孔54Bは、図16に示す扇状板部54の面において、カム部材51の回動中心C1を通る直線と第2摺動面53Aとの交点と、この直線とガイド孔54Bの中心線との交点との距離が一定となる略円弧状に形成されている。
また、図16、図17に示すように、カム部材51の第1摺動面54Aと第1凸部67との当接位置と、第2摺動面53Aと第2凸部68との当接位置との距離Dは、カム部材51の回動姿勢に応じて変化する。この距離Dは、例えば、図16に示すように第1摺動面54Aの第1位置P1が第1凸部67に当接し、かつ、第2摺動面53Aの第1位置Q1が第2凸部68に当接する場合と、図17に示すように第1摺動面54Aの第2位置P2が第1凸部67に当接し、かつ、第2摺動面53Aの第2位置Q2が第2凸部68に当接する場合とでは、異なる。なお、図16では、カム部材51が中立姿勢にあるときの第1位置P1,Q1を示し、図17では、カム部材51がガイド部材32を上昇させるプラス側の回動姿勢にあるときの第2位置P2,Q2を示したが、距離Dはカム部材51の回動姿勢に応じて連続的に変化する。
作業者は、複数のカム部材51を回動操作してメインフレーム31に対するガイド部材32の高さ及び傾きを調整してギャップGを走査方向Xに一様となる基準の値に微調整する。この微調整の後、作業者がガイド部材32の走査方向Xに両側1/3の範囲内の位置で4つのねじ64を締め付けても、メインフレーム31とガイド部材32は、双方の面36A,39Aの湾曲による変動の少ない両端寄りの位置で互いに圧接され、走査方向Xにおいて一対の調整機構50の間となる中央部では積極的には圧接されない。この結果、長尺状のメインフレーム31およびガイド部材32が多少湾曲していても、固定用のねじ64の締結による第1面36Aと第2面39Aとの強制的な圧接に起因しメインフレーム31とガイド部材32とに発生する歪みによって、ガイド部材32の調整後の組付位置が鉛直方向Zに変動する事態を回避できる。
さらに本実施形態では、カム部材51を所定の回動姿勢に保持するためのねじ52は、雌ねじ部93に螺着されることによりガイド部材32に固定される。このため、調整機構50のねじ52の位置でも、メインフレーム31の第1面36Aがガイド部材32の第2面39Aに強制的に圧接されない。よって、ガイド部材32はメインフレーム31に対して走査方向Xの両端寄りの1/3の範囲、特に、本例では、走査方向Xにおいて一対の調整機構50のねじ52よりも外側となる範囲で4つのねじ64により、ガイド部材32をメインフレーム31に固定する。このため、4つのねじ64の締結によりメインフレーム31の第1面36Aとガイド部材32の第2面39Aとが圧接されても、ねじ52の位置でも圧接される構成に比べ、そのときメインフレーム31およびガイド部材32に発生する歪みが一層効果的に小さく抑えられる。この結果、位置調整後のガイド部材32の位置変動が一層効果的に小さく抑えられる。
この第3実施形態によれが、以下の効果が得られる。
(15)ガイド部材32をメインフレーム31に対して固定するために締結される複数のねじ64(固定部材)を備える。複数のねじ64は、メインフレーム31を走査方向Xに3等分した両側3分の1の範囲内において、鉛直方向Zに異なる位置に締結される。よって、カム部材51によるガイド部材32の位置調整後に、ねじ64を締結してガイド部材32をメインフレーム31に対して固定した際に、双方の湾曲した面36A,39Aが強制的に圧接されることで生じるメインフレーム31およびガイド部材32の歪みを抑制できる。したがって、この種の歪みに起因し、メインフレーム31に対するガイド部材32の調整位置が鉛直方向Zに変動する事態を回避できる。
(16)複数のねじ64は、メインフレーム31の走査方向Xにおいて複数のカム部材51のねじ52の締結位置よりも外側となる位置に締結されている。よって、メインフレーム31を走査方向Xに3等分した両側3分の1の範囲内に一対の調整機構50を配置しても、複数のねじ64は走査方向Xにおいてねじ52よりも外側(端部側)の位置で締結されるので、メインフレーム31に対するガイド部材32の調整後の相対位置(調整位置)が鉛直方向Zに変動する事態を効果的に回避できる。
(17)カム部材51は、第1摺動面54Aと第2摺動面53Aとを有し、第2摺動面53Aの第2曲率半径は第1摺動面54Aの第1曲率半径よりも小さい。カム部材51の回動中心C1は、第2摺動面53Aがなす第2仮想円の中心C2から偏心している。カム部材51は、第2仮想円の外側、かつ第1摺動面54Aがなす第1仮想円の内側に、第1摺動面54Aに沿ったガイド孔54B(第1開口)を有する。調整機構50は、ガイド孔54Bを介してガイド部材32に締結されることで、カム部材51をガイド部材32に固定するねじ52(締結部材)を備える。ガイド部材32およびねじ52は、メインフレーム31に対して鉛直方向Zに相対移動する。よって、カム部材51を回動操作すると、カム部材51はメインフレーム31に対して鉛直方向Zに相対移動を伴って回動することで、メインフレーム31に対するガイド部材32の鉛直方向Zの相対位置を調整可能である。ねじ52はカム部材51のガイド孔54Bを介してガイド部材32に締結される。ねじ52を緩めた状態でカム部材51によるガイド部材32の相対位置を位置調整した後、ねじ52を締結しても、ねじ52はガイド部材32に固定されるため、メインフレーム31とガイド部材32との対向する面36A,39Aが強制的に圧接されることがない。このため、メインフレーム31とガイド部材32とのそれぞれの対向する面36A,39Aが強制的に圧接されることで生じるメインフレーム31およびガイド部材32の歪みに起因し、メインフレーム31に対するガイド部材32の調整後の相対位置が鉛直方向Zに変動する事態をより効果的に回避できる。
なお、上記実施形態は以下の形態に変更することもできる。
・前記第1実施形態において、第1付勢部材の一例としてのばねを、図7に示す捩りコイルばねからなるばね61に替え、図18に示すように、ガイド部材32をメインフレーム31に対して重力方向に付勢するコイルばねからなるばね91としてもよい。ばね91は、その両端部がガイド部材32の支持板部39から突出する第3凸部の一例としての凸部39Fと、メインフレーム31のフレーム部36から突出す凸部36Gとに掛装され、ガイド部材32の凸部39Fを重力方向に付勢している。この構成では、ガイド部材32をメインフレーム31に押し付ける板ばね62(第2付勢部材の一例)を設けることが望ましい。
・前記第1実施形態において、板ばね62を廃止してもよい。例えば第1付勢部材の一例としてのばね61があれば、板ばね62がなくガイド部材32が多少傾いても、カム部材51の操作に追従してガイド部材32を下降させることはできる。
・前記第3実施形態において、固定部材の一例としての複数のねじ64は、メインフレーム31を走査方向Xに3等分した両側3分の1の範囲内であれば、走査方向Xにおいて、カム部材51と同じ位置またはカム部材の締結位置(ねじ52の位置)よりも外側(端部側)の位置であってもよい。
・前記各実施形態では、第1凸部67と第2凸部68とを設けたが、第1凸部67を無くしてもよい。また、第2凸部68を無くし、特許文献1に記載のカム面が当接可能な内周面を有する開口としてもよい。
・カム部材51を退避ポジションに配置しない構成でもよい。この場合、カム部材51が、第1凸部67と第2凸部68との間に挟持されるので、第1摺動面54Aと第1凸部67との当接箇所と、第2摺動面53Aと第2凸部68との当接箇所とに荷重を分散させることができる。このため、カム部材51の偏心軸部53に荷重が集中することを回避できる。偏心軸部53と第2凸部68との当接箇所で受ける荷重は、偏心軸部53の回動中心C1からずれた第2仮想円の中心C2に向かってかかる。このため、この荷重により偏心軸部53を回動させる方向の力が働く。しかし、本例のカム部材51は、複数箇所で分散して荷重を受けるので、カム部材51が第2摺動面53Aと第2凸部68との当接箇所で受ける荷重は、相対的に小さくなる。このため、ねじ52の締結が少し緩んでいたときなどでも、カム部材51は回動しにくく、ガイド部材32の変位、及びこの変位に起因するギャップGのずれを回避することができる。
・第1摺動面54Aを、カム部材51の回動角に応じて回動中心C1からの距離(半径)が変化する曲率半径を有する周面としてもよい。つまり、第1摺動面54Aも第2摺動面53Aと同様にカム面としてもよい。
・カム部材は、回動カムに限らず、円筒カム、スライド式(直動式)のカムでもよい。要するに、調整機構は、フレーム部材とガイド部材との鉛直方向Zの相対位置を調整できるカム式の調整機構であればよい。
・目盛54Cが周縁に付された扇状板部54の外周面をカム面としてもよい。すなわち、扇状板部54の外周面を、外周面上の周方向の位置の変化に応じて回動半径が徐々に変化するカム面とし、偏心軸部の外周面からなるカム面(第1カム面)と共に、扇状板部54の外周面をカム面(第2カム面)とする。
・第1被係合部と第2被係合部とを、ドライバー用の差込穴と多角レンチ用の差込穴との組合せとしたが、被係合部の形状の異なる他の組合せとしてもよい。また、第1被係合部と第2被係合部とを、同じ工具に対応する同じ形状の組合せとしてもよい。例えば第1差込穴と第2差込穴を共にドライバー用の差込穴としたり、共に多角レンチ用の差込穴としたりしてもよい。さらに、第1被係合部と第2被係合部とのうち一方のみを備え、他方を廃止した構成でもよい。なお、カム部材を操作するための差込穴はマイナスドライバー用のものでもよい。
・ドライバー及び多角レンチ以外にも一般汎用工具に合わせて被係合部の形状を設定し、作業者のよく使用するその他の一般汎用工具にも対応可能な構成としてもよい。また、記録装置11のユーザーがカム部材51を操作できないよう特殊形状の工具や治具(星形など)でしか操作できない被係合部の形状としてもよい。なお、被係合部は、穴に限らず凸部でもよい。
・調整機構50の配設数は一対(2つ)に限らず、3つ以上の複数設けてもよい。
・記録装置は、インクジェットプリンターに限らず、例えばドットインパクトプリンター、熱転写式プリンター及び電子写真式プリンターでもよい。
・記録装置は、シリアルスキャン方式に限らず、記録ヘッド(キャリッジ)が走査方向と副走査方向との2方向に移動可能なラテラルスキャン方式でもよい。
・記録装置は、印刷機能を含む複数の機能を有する複合機に限定されず、印刷機能のみを備えた記録装置でもよい。
・記録装置は、用紙やフィルム等の媒体に画像等を印刷する記録装置に限らず、印刷技術(インクジェット技術)を用いて電子部品等の製造に使用される工業用の記録装置でもよい。この種の工業用の記録装置としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイ等の基板(媒体の一例)に材料液を噴射して電極や画素などを記録により形成する記録装置が挙げられる。さらに記録装置は、樹脂液等の液体を吐出して3次元造形物を製造する3次元用インクジェットプリンターでもよい。
11…記録装置、12…筐体、16…媒体収容体、18…排出口、19…排出トレイ、23…印刷部、24…キャリッジ、25…記録部の一例としての記録ヘッド、26…支持台、26A…支持面、31…フレーム部材の一例としてのメインフレーム、32…ガイド部材、33…サイドフレーム、34…開口、36…フレーム部、36A…第1面、36B…第3面、37…第1レール、38…第2レール、39A…第2面、39B…第4面、39D…第3凸部の一例としての凸部、39E…凸部、39F…第3凸部の一例としての凸部、第2レール、39…支持板部、41…タイミングベルト、43…搬送部、45…搬送ローラー対、46…排出ローラー対、47…輪列、48…エンコーダー、50…調整機構、51…カム部材、52…締結部材の一例としてのねじ、53…偏心軸部、53A…第2摺動面、54…扇状板部、54A…第1摺動面、54B…第1開口の一例としてのガイド孔、55…被係合部および第1被係合部の一例としての第1差込穴、56…軸部、56A…規制凸部、57…第2被係合部の一例としての第2差込穴、61…付勢部材及び第1付勢部材の一例としてのばね、62…第2付勢部材の一例としての板ばね、63…ねじ、64…固定部材の一例としてのねじ、67…第1凸部、68…第2凸部、69…保持部の一例としての凸部、85…第2開口の一例としての挿通孔、85A…円孔部、85B…規制孔部、90…付勢部材及び第1付勢部材の一例と第2付勢部材の一例とを兼ねたばね、91…付勢部材及び第1付勢部材の一例としてのばね、100…制御部、M…媒体、GU…自動ギャップ調整装置、X…走査方向、Y…搬送方向、Z…鉛直方向、G…ギャップ、CW…キャリッジの幅寸法、PA…印刷領域、HP…待機位置の一例としてのホーム位置、C1…回動中心、C2…第2仮想円の中心、D…距離、P1…第1摺動面の第1位置、Q1…第2摺動面の第1位置、P2…第1摺動面の第2位置、Q2…第2摺動面の第2位置。

Claims (17)

  1. 記録部を有するキャリッジと、
    前記キャリッジを走査方向に移動可能に案内するガイド部材と、
    前記ガイド部材を鉛直方向に相対移動可能に支持するフレーム部材と、
    前記フレーム部材に対する前記ガイド部材の鉛直方向の相対位置を調整するカム部材を有し、前記走査方向の異なる位置に配置された複数の調整機構と、
    前記フレーム部材に対して前記ガイド部材を重力方向に付勢する付勢部材と
    を備えたことを特徴とする記録装置。
  2. 記録部を有するキャリッジと、
    前記キャリッジの走査方向に延びる部材であって、前記記録部が記録対象とする媒体の搬送方向に対して平行な方向に延びる法線を有する第1面と、前記法線が延びる方向に延びる第1凸部とを有するフレーム部材と、
    前記キャリッジの前記走査方向に延びる部材であって、前記第1面と対向して配置される第2面と、前記法線が延びる方向に延びる第2凸部とを有し、前記キャリッジを前記走査方向に移動可能に案内するガイド部材と、
    第1摺動面と第2摺動面とを有するカム部材を含む調整機構と、を備え、
    前記調整機構は、
    前記フレーム部材の前記第1面と前記ガイド部材の前記第2面とが当接した状態で、
    前記第1摺動面が前記第1凸部と摺動可能であり、かつ、前記第2摺動面が前記第2凸部と摺動可能であり、
    前記第1摺動面が当接する第1凸部の当接位置と、前記第2摺動面が当接する前記第2凸部の当接位置との間の距離は、前記第1摺動面の第1位置が前記第1凸部に当接し、かつ、前記第2摺動面の第1位置が前記第2凸部に当接する場合と、前記第1摺動面の第2位置が前記第1凸部に当接し、かつ、前記第2摺動面の第2位置が前記第2凸部に当接する場合とでは、異なることを特徴とする記録装置。
  3. 前記第2凸部は、前記第1凸部よりも上方に位置し、
    前記フレーム部材に対して前記ガイド部材を付勢する付勢部材を更に備え、
    前記ガイド部材は、前記法線とは反対の方向に延びる第3凸部を有し、
    前記付勢部材は、前記第3凸部を重力方向に付勢することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記付勢部材を第1付勢部材とした場合、前記ガイド部材を前記フレーム部材に対して前記走査方向と前記重力方向との二方向と交差する押付方向に押し付ける第2付勢部材を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記第1付勢部材は、前記第2付勢部材を兼ねており、前記ガイド部材を前記フレーム部材に対して前記重力方向と前記押付方向とに付勢することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記ガイド部材を前記フレーム部材に対して締結により固定する複数の固定部材を更に備え、
    複数の前記固定部材は、前記フレーム部材を前記走査方向に3等分した両側3分の1の範囲内において、鉛直方向に異なる位置に締結されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録装置。
  7. 複数の前記固定部材は、前記フレーム部材の前記走査方向において複数の前記カム部材の締結位置よりも外側となる位置に締結されることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記カム部材は、第1摺動面と第2摺動面とを有し、
    前記第2摺動面の第2曲率半径は前記第1摺動面の第1曲率半径よりも小さく、
    前記カム部材の回動中心は、前記第2摺動面がなす第2仮想円の中心から偏心しており、
    前記カム部材は、前記第2仮想円の外側、かつ前記第1摺動面がなす第1仮想円の内側に、前記第1摺動面に沿った第1開口を有し、
    前記調整機構は、前記第1開口を介して前記ガイド部材に締結されることで前記カム部材を前記ガイド部材に固定する締結部材を備え、
    前記ガイド部材及び前記締結部材は、前記調整機構による前記フレーム部材に対する前記ガイド部材の相対位置の変更に応じて前記フレーム部材に対して鉛直方向に相対移動することを特徴とする請求項6又は7に記載の記録装置。
  9. 前記カム部材は、第1摺動面と第2摺動面とを有し、
    前記第2摺動面の第2曲率半径は前記第1摺動面の第1曲率半径よりも小さく、
    前記カム部材の回動中心は、前記第2摺動面がなす第2仮想円の中心から偏心していることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の記録装置。
  10. 前記カム部材は、前記第2仮想円の外側、かつ前記第1摺動面がなす第1仮想円の内側に、前記第1摺動面に沿った第1開口を有し、
    前記調整機構は、前記第1開口を介して前記フレーム部材と前記ガイド部材とに締結される締結部材を備えたことを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
  11. 前記カム部材は、前記フレーム部材及び前記ガイド部材における前記キャリッジの走査経路と対向する面の側に設けられ、前記第2摺動面がなす前記第2仮想円の中心から回動中心が偏心した状態で前記フレーム部材に回動可能に支持される偏心軸部を有し、前記偏心軸部における前記キャリッジの走査経路と対向する側の端面には、前記回動中心で工具と係合可能な被係合部が設けられていることを特徴とする請求項8、請求項9、請求項10のいずれか一項に記載の記録装置。
  12. 前記被係合部を第1被係合部とした場合、
    前記カム部材は、前記偏心軸部における前記第1被係合部が設けられた前記端面と反対側の端面に、前記回動中心で工具と係合可能な第2被係合部を有していることを特徴とする請求項11に記載の記録装置。
  13. 前記第1被係合部と前記第2被係合部は異なる形状を有している
    ことを特徴とする請求項12に記載の記録装置。
  14. 前記第1被係合部と前記第2被係合部とのうち一方は、ドライバーと係合可能な形状を有し、他方は多角レンチと係合可能な形状を有している
    ことを特徴とする請求項13に記載の記録装置。
  15. 前記カム部材は、前記フレーム部材に回動可能に支持される軸部を含む偏心軸部を有し、
    前記フレーム部材は、前記軸部を挿通可能な第2開口を有し、
    前記軸部は、当該軸部の径方向外側へ突出した抜止め用の規制凸部を有し、
    前記第2開口は、前記軸部における前記規制凸部以外の部分を挿通可能な円孔部と、前記規制凸部を挿通可能に前記円孔部から径方向外側へ延びる規制孔部とを有し、
    前記カム部材は、前記規制凸部と前記規制孔部とが相対しない範囲で回動可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の記録装置。
  16. 前記調整機構は、前記走査方向に異なる位置に一対設けられ、
    前記一対の調整機構は、前記走査方向において、前記キャリッジの前記走査方向における幅寸法以上の間隔を隔てて位置し、かつ前記一対の調整機構のうち前記キャリッジの走査経路の一端部に設定された待機位置側の一方が、前記待機位置にあるときの前記キャリッジよりも前記走査方向に内側となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれか一項に記載の記録装置。
  17. 前記ガイド部材を重力方向へ変位させる方向への回動限界位置まで操作された前記カム部材を当該回動限界位置に保持する保持部を有していることを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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