JP2019043027A - インクジェット記録用コミック用紙 - Google Patents

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善久 横田
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Abstract

【課題】オフセット印刷による仕上がりに近く、にじみや色むらのないインクジェット記録用コミック用紙の提供。
【解決手段】機械パルプとクラフトパルプと古紙パルプを主原料として抄紙された基材の両面に、表面処理剤を塗布して製造され、(1)灰分0.1〜5%、(2)ステキヒトサイズ度5秒以下、(3)接触角30〜60度、(4)表面と裏面のベック平滑度が10秒以下、(5)表面処理剤の塗工量が片面あたり0.01〜0.5g/mであるインクジェット記録用コミック用紙。さらに、機械パルプの割合が50〜90%であり、離解したパルプの平均繊維長が0.95〜1.20mm、繊維長0.2mm以下の繊維の割合が全体の7〜15%、繊維粗度が110〜150μg/mである。
【選択図】なし

Description

本発明は、従来のオフセット印刷による仕上がりに近く、にじみや色むらのないインクジェット記録用コミック用紙に関するものである。
コミック誌に用いられるコミック用紙は、軽量で嵩があることが必要である。嵩を出すためには、カレンダー処理条件を緩くするか、カレンダー処理なしにする必要がある。このようにすることで、印刷用紙の中でも平滑性が低いのがコミック用紙の特徴である。また、嵩を出すために、機械パルプの配合率が高くなっており、機械パルプは、クラフトパルプより繊維が剛直であるため、紙表面の平滑性が低くなり、コミック用紙は独特の手触り感を有している。
インクジェット記録方式は、種々の動作原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像・文字等の記録を行うものである。さらに、多色のインクジェット記録方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷画像やカラー写真方式による画像と比較して、遜色のない画像を得ることが可能になってきている。また、作製部数が少ない用途において、インクジェット記録方式は製版方式よりもコストが抑えられることから、インクジェット記録方式は広く応用されるようになってきている。
インクジェット記録方式に用いられるインクは、水性であるため、インクジェット記録のための用紙は吸水性、吸湿性に富む性質を持つよう作製されている。しかし、吸水性、吸湿性に富む性質が原因となり、インクジェット記録用紙は湿度変化による寸法変動が大きく、寸法精度を要求される用途において、寸法変動は致命的な欠点であった。また、インクジェット記録方式の印刷では、インクの浸透に伴う記録用紙の伸縮によりコックリングが発生し、画質を著しく損なったり、ひどい場合はインクヘッドが記録用紙と接触し、インクヘッドが破損してしまうこともある。
インクの浸透に伴う記録用紙のコックリングを解決するための技術として、(1)記録用紙の物性値を規定した技術(例えば、特許文献1、2)、(2)記録用紙を硬化させるかまたはフィルムや合成繊維との複合材料とする技術(例えば、特許文献3、4、5)、(3)記録用紙のパルプ繊維間結合を阻害する薬品を用いて、コックリングの発生自体を抑制する技術(例えば、特許文献6、7、8)が挙げられる。さらに、(4)繊維間結合を形成しにくい機械パルプを用いて、コックリングの発生自体を抑制する技術(例えば、特許文献9)が挙げられる。
しかしながら、上記(1)の技術の場合、物性値を規定するための具体的な生産管理が困難である。上記(2)の技術の場合、前述した従来のコミック用紙の風合いを損ねてしまい市場には受け入れられないという問題がある。また、上記(3)の技術の場合、用紙の表面強度が著しく低下する欠点がある。さらに、(4)の技術の場合、広葉樹機械パルプを用いており、広葉樹は針葉樹に比べ硬く緻密な構造であるため、機械的にパルプ化するには電力原単位が高くなる問題がある。そのため、広葉樹機械パルプを製造するには、アルカリ薬品による前処理が必要となるほか、専用の摩砕設備が必要であり、現状の機械パルプ製造設備を大幅に改造する必要があるので、採用が難しい。
このように、コミック用紙の特徴(嵩があり、独特の手触り感を有する)を維持しながら、インクジェットによる印字に対応できる用紙は存在しておらず、開発が待たれている。一般のオフセット印刷に用いられるコミック用紙は、オフセット印刷適性を持たせるために、澱粉等の表面処理剤を使用している。前述したようにコミック用紙は、繊維の剛直な機械パルプや強度の低い古紙脱墨パルプを含むので、表面強度が低くなりがちで、しかも嵩高に仕上げられるため繊維間結合が弱く、表面処理剤で表面強度を補う必要がある。したがって、他の印刷用紙よりも、表面処理剤の塗工量が多く必要になっている。
このような、平滑度が低く、表面処理剤の塗工量の多い用紙に、インクジェット印刷を試みたところ、フェザリングや、色むらが酷く、適さないないことがわかった。
特開平6−143796号公報 特開2005−280010号公報 特開平8−169174号公報 特開平8−258408号公報 特開2000−263927号公報 特開2002−103791号公報 特開2002−219858号公報 特開2004−66492号公報 特開2007−10930号公報
本願発明の課題は、従来のオフセット印刷による仕上がりに近く、にじみや色むらのないインクジェット記録用コミック用紙を提供することである。
本発明者は、コミック用紙のインクジェット適性を向上させる手段について鋭意検討した結果、コミック用紙の特性と、離解したパルプの特性を組み合わせることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本願の第1発明は、機械パルプを主原料として抄紙された基材の両面に、表面処理剤を塗布して製造されたインクジェット記録用コミック用紙であって、
(1)灰分0.1〜5%
(2)ステキヒトサイズ度5秒以下
(3)接触角30〜60度
(4)表面と裏面のベック平滑度が10秒以下
(5)表面処理剤の塗工量が片面あたり0.01〜0.5g/m
であることを特徴とする。
本願の第2発明は、第1発明において、
機械パルプの割合が50〜90質量%であり、離解したパルプの平均繊維長が0.95〜1.20mm、繊維長0.2mm以下の繊維の割合が全体の7〜15%、繊維粗度が110〜150μg/mであることを特徴とする。
本願の第3発明は、第2発明において、
前記離解したパルプの繊維幅分布において、繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合が40〜60%であることを特徴とする。
本発明によれば、オフセット印刷による仕上がりに近く、にじみや色むらのないインクジェット記録用コミック用紙を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙の製造には、ワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、リールパートの各工程からなる抄紙機を用いる。
本発明にかかるインクジェット記録用コミック用紙は、原料のパルプとして、機械パルプを主原料とし、クラフトパルプ、古紙脱墨パルプなどが使用できる。クラフトパルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、などが使用できる。また、古紙脱墨パルプとしては、新聞古紙脱墨パルプ、上質古紙脱墨パルプなどの脱墨パルプ(DIP)が使用できる。機械パルプとしては、ストーングラウンドパルプ(SGP)、プレッシャライズドグランドウッドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等を使用することができるが、針葉樹の機械パルプを使用するのが製造が容易であり望ましい。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙には填料を添加することができる。具体的には、炭酸カルシウムを添加することができるし、ホワイトカーボンを添加してもよい。ホワイトカーボンは、インキ吸収能力が高いので、色むらや印刷後不透明度の向上に寄与し、炭酸カルシウムは不透明度の向上に寄与して、裏抜けのないインクジェット記録用コミック用紙とすることができる。
その他、使用する填料の種類は特に限定されず、二酸化チタン、タルク、クレー、シリカなどの無機填料や有機顔料等、一般に印刷用紙に使用されている填料を必要に応じて使用することができる。
ここで、本発明のインクジェット記録用コミック用紙の灰分は0.1〜5%、好ましくは0.1〜3%とされる。灰分が高いと、接触角が小さくなり、インクのにじみが発生しやすくなる。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙は、パルプに硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留向上剤、染料などを添加することができる。サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸などのサイズ剤が使用できる。紙力増強剤としては、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド系樹脂などが使用できる。その他、スライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、消泡剤などの添加剤も使用することができる。
ここで、本発明のインクジェット記録用コミック用紙のステキヒトサイズ度は5秒以下とする。ステキヒトサイズ度がこれより高いと、インクのセットが遅くなるため、手移りの問題が起こりやすい。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙は、表面処理剤の塗布量が従来のコミック用紙よりも少ないことを特徴とする。具体的には表面処理剤の塗工量が片面あたり0.01〜0.5g/m、好ましくは0.01〜0.3g/mである。従来のコミック用紙は、オフセット輪転機またはオフセット枚葉機で印刷される。オフセット印刷は他の印刷方式に比べ、高い表面強度が必要であり、用紙は酸化澱粉等の表面処理剤により表面強度が強化され、紙むけや白ぬけといった表面強度の不足によるトラブルを回避している。このようなコミック用紙にインクジェット印刷を行うと、水溶性インクのにじみが激しく、実用に適さないことがわかった。その理由は、親水性の澱粉により紙表面の親水性が増し、接触角が低くなって紙表面でのインク拡散が早くなる結果、インクのにじみが発生しやすくなるためと考えられる。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙の接触角は30〜60度、好ましくは30〜50度、さらに好ましくは30〜40度とする。接触角が低いとにじみがひどくなり、高いとインクの浸透が遅く、インクセットが悪くなるため手移りが発生する。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙の製造に際しては、ドライヤーで乾燥後にカレンダー装置により平滑化処理するが、目的の印刷適性が得られるのであれば、カレンダー処理をしないほうが嵩が出るので望ましい。カレンダー処理する場合の装置としては、チルドカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダーなどの一般に使用されているカレンダー装置が使用できる。要求される平滑性に応じて、ニップ数やニップ圧、ロール温度、ロール材質、ロール硬度などを設定する。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙のベック平滑度は表裏両面ともに10秒以下とされる。これよりベック平滑度が高いと、接触角が低くなりやすくなる。
本発明にかかるコミック用紙は、機械パルプと古紙脱墨パルプとクラフトパルプを主原料とし、コミック用紙を離解して得られたパルプの、平均繊維長が0.95〜1.20mm、微細繊維割合(0.2mm以下)が7〜15%、繊維粗度が110〜150μg/mであることを特徴とする。なお、平均繊維長、微細繊維割合、繊維粗度はLorentzen&Wettre社製、ファイバーテスターを使用して測定したもので、平均繊維長は長さ加重平均繊維長、微細繊維割合は長さ基準で表したものである。
平均繊維長が0.95mmより短いと嵩が不足する。1.20mmより長いと地合いが悪くなりにじみや色むらが悪化する。微細繊維割合(0.2mm以下)が7%より少ないと紙面の窪みが多くなって色むらが悪化し、15%より多いと長繊維の割合が少なくなり嵩が不足する。繊維粗度が110μg/mより小さいと嵩が不足し、150μg/mより大きいとにじみが悪化する。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙は、離解したパルプの繊維幅分布において、繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合が40〜60%であることが望ましい。繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合は、Lorentzen&Wettre社製、ファイバーテスターを使用して測定したもので、長さ基準で表したものである。繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合が40〜60%であれば、インクジェット記録用コミック用紙表面が緻密かつ窪みが無い状態となり、色むらを改善させることができる。繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合が40%より少ない場合は、繊維幅の小さい繊維の割合が多いか、繊維幅の大きい繊維の割合が多いかであり、前者では色むらは良いが嵩が不足し、後者では嵩はあるが色むらが悪化する。繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合が60%より多いと、嵩が不足する傾向となる。
インクジェット記録用コミック用紙を離解したパルプの特性をこのような範囲とするには、インクジェット記録用コミック用紙の原料となる機械パルプの製造において、使用する樹種の選定や、薬品による前処理の有無、摩砕条件などを設定する。あるいは、機械パルプの配合率の増減によって調整することができる。例えば、樹種の選定では、広葉樹よりも針葉樹の方が嵩が出やすいので好ましく、針葉樹の中では、スプルースが、パインやスギよりも、平均繊維長、平均繊維幅、繊維粗度が大きい値を示す。
機械パルプ(例えばTMP)の製造において、薬品による前処理を行うと、前処理がない場合に比べ、平均繊維長は長く、平均繊維幅、繊維粗度を小さくすることができる。摩砕条件としては、急激な摩砕、すなわち、短時間で多くの電力を消費するような摩砕を行うと平均繊維長が短く、平均繊維幅が小さくなる傾向が強く、緩やかな摩砕を行うと平均繊維長は長く、平均繊維幅が小さくなる傾向がある。また、機械パルプと古紙脱墨パルプの比較では、機械パルプのほうが平均繊維長は長く、平均繊維幅は大きく、微細繊維割合は多い傾向を示す。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙は、機械パルプの配合率が高いので、前述したような機械パルプの特性により、インクジェット記録用コミック用紙を離解したパルプの特性が概ね決まってくるが、配合する機械パルプ以外のパルプについて、予めパルプ特性を調べておくことで、インクジェット記録用コミック用紙を離解したパルプの特性を決定するのが容易になる。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙は、主原料となる機械パルプの配合率は50〜90質量%としている(古紙パルプに由来する機械パルプを含む)。50質量%より低いと嵩が不足する。90質量%より高いと抄紙機での脱水性が悪くなり、抄速の低下などの生産上の不具合を生じる。また、配合する機械パルプのフリーネスが75〜120mlCSFに調整されていることが望ましい。機械パルプのフリーネスが75mlCSFより低いと、抄紙機での脱水性が悪くなり、抄速の低下などの生産上の不具合を生じる。フリーネスが120mlCSFより高いと、インクジェット記録用コミック用紙を離解したパルプの平均繊維長が長くなったり、微細繊維の割合が少なくなって、ベタ部の色むらが発生することになる。
ベタ部の色むらは、用紙の平滑性に大きく影響を受けることが知られている。色むらがひどいと、インキの付着量を多くする必要が生じるため、コストが増大するという不具合がある。
しかし、本発明は、インクジェット記録用コミック用紙を離解したパルプの平均繊維長、微細繊維割合、繊維粗度、繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合を特定の範囲とすることで、平滑度が同程度でも、色むらを改良する事ができることを見出したものである。したがって、嵩を維持しながら色むらを改善することができる。理由は、次のように予想される。
機械パルプにはシャイブと呼ばれる解繊されていない結束繊維が含まれており、結束繊維は繊維幅が大きい。したがって、シャイブ周辺の紙面にできる窪みにより色むらが生じやすい。通常このような窪みはカレンダー処理によって小さくすることができるが、インクジェット記録用コミック用紙は嵩が重視されるのでカレンダー処理条件が緩く、窪みを小さくすることができない。機械パルプには、微細繊維の割合が多く、シャイブと微細繊維とでは、大きさが異なり過ぎて、微細繊維ではシャイブ周辺にある窪みを十分に埋めることができず、色むらが発生する。微細繊維よりやや大きめの繊維が多く存在すれば、シャイブと微細繊維の間にできる空隙を埋めることにより色むらを改善することができると考えられる。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙は古紙脱墨パルプを、本発明の特定事項に反しない範囲で配合することができる。古紙脱墨パルプの配合率は高いほうが、リサイクルという点で望ましいが、インクジェット記録用コミック用紙に要求される嵩、不透明度や白色度によっても配合率の上限は決まってくる。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙の坪量は、50〜80g/m程度であり、50〜60g/m、さらには、50〜58g/mであることが好ましい。坪量が50g/mに満たないと、厚さや不透明度が不足し、コミック誌には使用が難しくなる。不透明度は85〜97%程度である。本発明のインクジェット記録用コミック用紙の厚さは120〜150μmである。好ましくは120〜145μmである。この範囲の用紙を使用すれば、コミック誌として、手肉感やページのめくりやすさが良好なものとなる。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙の白色度は65〜75%であることが好ましい。この範囲であればコミック誌に好適である。白色度が65%に満たないと、印刷画像とのコントラストが弱く、印刷効果が低いものとなる。白色度が75%より高いと低坪量で不透明度を確保するのが難しくなる。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙は、クラークこわさ(JISP8143:2009紙−こわさ試験方法−クラークこわさ試験機法)横が20〜50cm/100であることが好ましい。20cm/100より低いと、しっかりとした手肉感がなく安価な印象を与えてしまうし、製本後にページをめくりにくくなる。50cm/100より高いと製本後に、本を開いても自然に閉じる傾向が強くなりハンドリングが悪くなるという問題がある。
以下、実施例及び比較例により、本発明の効果を具体的に表す。なお、%は特に断りのない限り質量%を表し、添加量は絶乾パルプ100質量部に対する固形分または有効成分で表す。
(実施例1)
サーモメカニカルパルプの原料のチップとして、スプルース:国内N材チップを60:40の質量割合で使用し、サーモメカニカルパルプ85質量部(80mlCSF)と広葉樹晒クラフトパルプ15質量部(420mlCSF)からなるパルプ分散液に、カチオン化澱粉(ジー・エス・ エルジャパン株式会社製、商品名:ジェルトロン24)0.5質量%を添加し、歩留向上剤(ハイモ株式会社製、商品名:ハイモロックND−260)200ppmを添加して抄紙した。表面処理剤として、酸化澱粉とインクジェット耐水化剤(星光PMC株式会社製、商品名:DK6810)を固形分質量比で5:1となるように混合したものを、塗工量が両面合計で0.5g/m(表裏同じ塗工量)となるように塗工した。カレンダー処理は行わず、水分6.5%、坪量59.8g/m、白色度69%のコミック用紙を得た。
(実施例2)
サーモメカニカルパルプの原料のチップとして、スプルース:ラジアータパイン:国内N材チップを15:25:60の質量割合で使用し、サーモメカニカルパルプのフリーネスを90mlCSFとした以外は、実施例1と同様にコミック用紙を得た。
(実施例3)
機械パルプとしてPGW(プレッシャライズドグラウンドウッドパルプ、原料:チリ松)を使用し、PGW80質量部(120mlCSF)と針葉樹晒クラフトパルプ10質量部(480mlCSF)と上質古紙脱墨パルプ10質量部(200mlCSF)からなるパルプ分散液としたこと、表面処理剤の塗工量が両面合計で0.2g/m(表裏同じ塗工量)となるように塗工したこと以外は、実施例1と同様にコミック用紙を得た。
(比較例1)
サーモメカニカルパルプのフリーネスを140mlCSFとしたことと、表面処理剤の塗工量が両面合計で1.5g/m(表裏同じ塗工量)となるように塗工したこと以外は、実施例2と同様にコミック用紙を得た。
(比較例2)
サーモメカニカルパルプのフリーネスを95mlCSFとし、サーモメカニカルパルプ40質量部と針葉樹晒クラフトパルプ20質量部(480mlCSF)と広葉樹晒クラフトパルプ30質量部(420mlCSF)と上質古紙脱墨パルプ10質量部(200mlCSF)からなるパルプを使用したこと、表面処理剤として、酸化澱粉とインクジェット耐水化剤と表面サイズ剤(星光PMC株式会社製、商品名:SS2718)を質量比で5:1:0.3となるように混合したものを両面で0.5g/m塗工したこと以外は、実施例1と同様にコミック用紙を得た。
(比較例3)
サーモメカニカルパルプのフリーネスを70mlCSFとし、サーモメカニカルパルプ40質量部と広葉樹晒クラフトパルプ40質量部(420mlCSF)と上質古紙脱墨パルプ20質量部(200mlCSF)からなるパルプを使用したことと、填料として軽質炭酸カルシウムを10%添加したこと以外は、実施例1と同様にコミック用紙を得た。
実施例1〜3と比較例1〜3のコミック用紙の評価結果を表1に示す。試験方法、評価方法は次のとおりである。
(離解したパルプの平均繊維長、繊維長0.2mm以下の繊維割合、繊維粗度、繊維幅分布)
離解はJISP8220:1998パルプ−離解方法に準拠して行い、測定はLorentzen&Wettre社製ファイバーテスター(CODE912)を用いた。
(厚さ)
JISP8118:1998紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法
(灰分)
JISP8251:2003紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法
(ステキヒトサイズ度)
JISP8122:2004紙、板紙−サイズ度試験方法−ステキヒト法
(接触角)
協和界面科学株式会社製、接触角計DMs401を用いて、0.1sec後の接触角を測定した。
(平滑度)
JISP8119:1998紙及び板紙−ベック平滑度試験機による平滑度試験方法
(にじみ、色むら評価)
インクジェットプリンター(HP社製、ENVY4520)を用いて、顔料インク、サーマル、印刷品質:最高、印刷濃度:グレースケール、用紙設定:普通紙 の条件で印字した。にじみは、画線部と非画線部の境界(直線部分)を次の3段階で目視により相対評価した。
◎ 優れる、○ 良い、△ やや劣る、× 劣る
色むらは、ベタ部分を次の4段階で目視により相対評価した。
◎ 優れる、○ 良い、× 劣る
表1に示したように、本発明の実施例1〜3では、インクジェット印刷においてにじみや色むらの評価の良好なコミック用紙が得られている。比較例1は、機械パルプのフリーネスが140mlCSFと高いため、繊維長0.2mm以下の繊維割合が6.2%と少ない。また、繊維粗度が158μg/mと大きく、繊維幅20〜40μmの割合が38%と少ないので、色むら、にじみ評価が悪くなり、加えて、表面処理剤の塗工量が片面あたり0.75g/mと多いので色むら評価が悪くなっている。比較例2は、機械パルプの配合率が40質量%と低く、密度が高くなっており、平均繊維長が1.21mmと長いので地合いが悪く、にじみ評価がやや悪くなっている。また、ステキヒトサイズ度が6秒と高く、色むら評価が悪くなっている。比較例3は、機械パルプの配合率が40質量%と低く、機械パルプのフリーネスが70mlCSFと低いため、平均繊維長が0.93mmと短く、繊維長0.2mm以下の繊維割合が15.3%と多く、繊維幅20〜40μmの割合が61%と多いので、厚さが不足しており、接触角が26度と低いのでにじみ評価が悪い。
本発明のインクジェット記録用コミック用紙は、コミック誌以外の用途の印刷用紙にも適用できる可能性がある。

Claims (3)

  1. 機械パルプを主原料として抄紙された基材の両面に、表面処理剤を塗布して製造されたインクジェット記録用コミック用紙であって、
    (1)灰分0.1〜5%
    (2)ステキヒトサイズ度5秒以下
    (3)接触角20〜60度
    (4)表面と裏面のベック平滑度が10秒以下
    (5)表面処理剤の塗工量が片面あたり0.01〜0.5g/m
    であることを特徴とするインクジェット記録用コミック用紙。
  2. 機械パルプの割合が50〜90%であり、離解したパルプの平均繊維長が0.95〜1.20mm、繊維長0.2mm以下の繊維の割合が全体の7〜15%、繊維粗度が110〜150μg/mであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用コミック用紙。
  3. 前記離解したパルプの繊維幅分布において、繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合が40〜60%であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録用コミック用紙。
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