JP2019040934A - スコットトランスおよび車両 - Google Patents

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大舗 五十川
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惇 河合
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Abstract

【課題】取付性や組付性の自由度を高め得るスコットトランスを提供する。【解決手段】本実施形態のスコットトランス10では、主座コイル部30が環状に形成され、主座コイル部30の一部の周囲には一対のコア11,12がロール状に設けられる。T座コイル部40も環状に形成され、T座コイル部40の一部の周囲には一対のコア13,14がロール状に設けられる。これにより、レグにコイルを巻回する構成のEIコアやEEコア等の場合に比べて鉄心の有効断面積が均一になり磁路を短くできる。コア11〜14の径を小さくすることが可能になりスコットトランス10の体積を削減できる。コア11,12とコア13,14は、別体に構成されているため、コア11、12を有する主座コイル部30と、コア13,14を有するT座コイル部40とを搭載スペースに合わせて別々に配置することが可能になる。したがって、取付性や組付性の自由度を高めることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、スコットトランスおよびこれを備えた車両に関するものである。
スコットトランスは、三相交流を2つの単相交流に変換可能に4つのコイルがスコット結線された変圧器である。スコット結線変圧器と呼ばれることもある。例えば、下記特許文献1に開示されている「スコット結線変圧器」のように、主座鉄心に巻回される一次巻線および二次巻線(主座1次コイル、主座2次コイル)と、T座鉄心に巻回される一次巻線および二次巻線(T座1次コイル、T座2次コイル)と、を備えている。
主座1次コイルは三相交流のU−W相間に接続され、主座1次コイルの中点とV相の間にT座1次コイルが接続されている。また、主座2次コイルは、主座1次コイルの巻回層の上に巻回され、T座2次コイルは、T座1次コイルの巻回層の上に巻回されている。
このような4つのコイル(主座1次コイル、主座2次コイル、T座1次コイル、T座2次コイル)が巻回される主座鉄心とT座鉄心は、例えば、漢字の「日」の字形状を有するように巻鉄芯を用いたり、2種類以上の形状の電磁鋼板を組み合わせたりして、一体に構成されている。また、主座とT座の鉄心を一体に形成する鉄心形状や材質を特殊な仕様のものにすることにより、エネルギー消費効率の改善を可能にしている。
しかしながら、特許文献1の「スコット結線変圧器」は、鉄心が特殊な仕様にならざるを得ないことから、変圧器(トランス)の製造コストを抑え難い。
そこで、下記特許文献2に開示されている「スコット変圧器」では、特殊な仕様ではなく、標準的な矩形状の巻鉄芯を複数用いることにより、主座鉄心とT座鉄心を別体に構成して、低コストで製造可能なスコットトランスを提案している。
特開2013−128057号公報 特開2016−181658号公報
ところが、特許文献2の「スコット変圧器」は、主座1次コイルや主座2次コイル、またはT座1次コイルやT座2次コイルを、矩形状の巻鉄芯に巻回している。そのため、これらのコイルの巻回数が増加することに伴って変圧器の体格が増大し易いことから、このような「スコット変圧器」は、スペースの大きさによっては取り付け難い場合がある。つまり、特許文献2の「スコット変圧器」は、取付性や組付性の自由度が高くない。
また、スコットトランスは、三相交流を2つの単相交流に変換可能であるため、例えば、走行用モータと動力用モータというように異なる電気系統を有する車両においては、使い勝手がよい。しかし、設備機器等用の設置タイプのスコットトランスに比べると、車載タイプのスコットトランスは、補機用の狭い搭載スペースに取り付ける必要もあり得る。そのため、取付性や組付性の自由度が高くない特許文献2の「スコット変圧器」は、搭載スペースが狭い車両の搭載には不向きである。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、取付性や組付性の自由度を高め得るスコットトランスを提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、補機用の搭載スペースが狭い場合でも、異なる電気系統を設けられ得る車両を提供することである。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載された本発明のスコットトランスは、主座1次コイル、主座2次コイル、T座1次コイルおよびT座2次コイルを有するスコットトランスであって、前記主座1次コイルの巻回層および前記主座2次コイルの巻回層を有しこれらの巻回層が並列状の2つの主座コイル直線部を含む環状に形成されている主座コイル部と、前記2つの主座コイル直線部をそれぞれの軸に前記主座コイル直線部の周囲に筒状に設けられている一対の主座鉄心と、前記T座1次コイルの巻回層および前記T座2次コイルの巻回層を有しこれらの巻回層が並列状の2つのT座コイル直線部を含む環状に形成されているT座コイル部と、前記2つのT座コイル直線部をそれぞれの軸に前記T座コイル直線部の周囲に筒状に設けられている一対のT座鉄心と、を備えることを技術的特徴とする。
主座コイル部は、2つの主座コイル直線部を含む環状に形成されており、これらの主座コイル直線部の周囲には、一対の主座鉄心が筒状に設けられている。また、T座コイル部は、2つのT座コイル直線部を含む環状に形成されており、これらのT座コイル直線部の周囲には、一対のT座鉄心が筒状に設けられている。これにより、コイルの周囲を筒状のコアが覆うことになる。
このため、例えば、レグにコイルを巻回する構成のEIコアやEEコアの場合に比べて鉄心の有効断面積が均一になるので磁路を短くすることが可能になり、また主座鉄心やT座鉄心の筒径を小さくすることが可能になる。したがって、EIコアやEEコアに主座1次コイル、主座2次コイル、T座1次コイルおよびT座2次コイルを巻回してスコットトランスを構成する場合に比べて、スコットトランスの体積を削減することが可能になる。
また、主座鉄心とT座鉄心は、一体ではなく別体に構成されているため、主座コイル直線部の周囲に主座鉄心が設けられている主座コイル部と、T座コイル直線部の周囲にT座鉄心が設けられているT座コイル部と、を搭載スペースに合わせて別々に配置することが可能になる。
また、特許請求の範囲の請求項2に記載された本発明のスコットトランスは、請求項1に記載のスコットトランスにおいて、前記一対の主座鉄心と前記一対のT座鉄心は、前記一対の主座鉄心の両方の前記軸と前記一対のT座鉄心の両方の前記軸とが同じ仮想平面内に含まれる位置関係に設けられていることを技術的特徴とする。
別体に構成されている主座鉄心およびT座鉄心を、それらの軸が含まれる仮想平面の拡がる方向に並べるように位置させることによって、当該スコットトランスの体格を低背にすることが可能になる。
例えば、主座コイル部が主座コイル直線部の長手方向に長く、かつ、T座コイル部がT座コイル直線部の長手方向に長く形成されている場合においては、一対の主座鉄心と一対のT座鉄心がこれらの鉄心の軸方向に並ぶように位置させることによって、平面視が短冊形状で高さが高くない(低い)直方体形状のスペースに当該スコットトランスを取り付けたり組み付けたりすることが可能になる。
また、例えば、主座コイル部が主座コイル直線部の長手方向に長く、かつ、T座コイル部がT座コイル直線部の長手方向に長く形成されている場合においては、一対の主座鉄心と一対のT座鉄心がこれらの鉄心の径方向に並ぶように位置させることよって、平面視が正方形に近い矩形状で高さが高くない(低い)スペースに当該スコットトランスを取り付けたり組み付けたりすることが可能になる。
また、特許請求の範囲の請求項3に記載された本発明のスコットトランスは、請求項1に記載のスコットトランスにおいて、前記一対の主座鉄心と前記一対のT座鉄心は、前記一対の主座鉄心の両方の前記軸と前記一対のT座鉄心の両方の前記軸とが異なる仮想平面内に含まれる位置関係に設けられていることを技術的特徴とする。
別体に構成されている主座鉄心およびT座鉄心を、それらの軸が異なる仮想平面内に含まれるように、例えば、積み重ねて位置させることによって、当該スコットトランスのこれらの仮想平面が拡がる方向の体格を小さくすることが可能になる。また、例えば、互いが重ならないように位置させることよって、当該スコットトランスを階段形状等の異形のスペースに取り付けたり組み付けたりすることが可能になる。
また、特許請求の範囲の請求項4に記載された本発明のスコットトランスは、請求項3に記載のスコットトランスにおいて、前記一対の主座鉄心と前記一対のT座鉄心は、積層されていることを技術的特徴とする。
一対の主座鉄心と一対のT座鉄心は、積層されているため、当該スコットトランスの体格を小さくすることが可能になる。
また、特許請求の範囲の請求項5に記載された本発明のスコットトランスは、請求項1に記載のスコットトランスにおいて、前記一対の主座鉄心と前記一対のT座鉄心は、前記一対の主座鉄心の両方の前記軸を含む仮想平面と、前記一対のT座鉄心の両方の前記軸を含む仮想平面とが、ほぼ直交する位置関係に設けられていることを技術的特徴とする。
別体に構成されている主座鉄心およびT座鉄心をそれらの軸が直交する仮想平面内にそれぞれ含まれるように、例えば、L字形状に位置させることによって、当該スコットトランスをL字形状等の異形のスペースに取り付けたり組み付けたりすることが可能になる。
また、特許請求の範囲の請求項6に記載された本発明のスコットトランスでは、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスコットトランスは、当該スコットトランスから出力される二系統の単相交流電力が、前記車両が有する別々の電気系統にそれぞれ供給されることを技術的特徴とする。
車両が有する別々の電気系統には、当該スコットトランスから出力される二系統の単相交流電力がそれぞれ供給される。そのため、電源トランスを含めた電源系統を2セット設けることなく、二系統の単相交流電力を得ることが可能になる。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項7に記載された本発明の車両は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスコットトランスを備えている車両であって、前記スコットトランスから出力される二系統のうちの一方の単相交流電力が交直変換された直流電力の供給を受けて充電される第1蓄電デバイスと、前記第1蓄電デバイスから供給される電力により駆動する第1モータと、前記スコットトランスから出力される二系統のうちの他方の単相交流電力が交直変換された直流電力の供給を受けて充電される第2蓄電デバイスと、前記第2蓄電デバイスから供給される電力により駆動する第2モータと、を備えることを技術的特徴とする。
当該車両は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスコットトランスを備えている。そのため、第1蓄電デバイスには、スコットトランスから出力されて交直変換された直流電力が充電されることから、第1モータは、第1蓄電デバイスから出力される直流電力を直接受けたり直交変換可能なインバータ等を介して受けたりすることにより、駆動することが可能になる。また、第2蓄電デバイスにも、スコットトランスから出力されて交直変換された直流電力が充電されることから、第2モータは、第2蓄電デバイスから出力される直流電力を直接受けたり直交変換可能なインバータ等を介して受けたりすることにより、駆動することが可能になる。
本発明のスコットトランスでは、EIコアやEEコアに主座1次コイル、主座2次コイル、T座1次コイルおよびT座2次コイルを巻回してスコットトランスを構成する場合に比べて、スコットトランスの体積を削減することが可能になる。また、主座コイル直線部の周囲に主座鉄心が設けられている主座コイル部と、T座コイル直線部の周囲にT座鉄心が設けられているT座コイル部と、を搭載スペースに合わせて別々に配置することが可能になる。したがって、取付性や組付性の自由度を高めることができる。
本発明の車両では、第1蓄電デバイスには、スコットトランスから出力されて交直変換された直流電力が充電されることから、第1モータは、第1蓄電デバイスから出力される直流電力を直接受けたり直交変換可能なインバータ等を介して受けたりすることにより、駆動することが可能になる。また、第2蓄電デバイスにも、スコットトランスから出力されて交直変換された直流電力が充電されることから、第2モータは、第2蓄電デバイスから出力される直流電力を直接受けたり直交変換可能なインバータ等を介して受けたりすることにより、駆動することが可能になる。したがって、補機用の搭載スペースが狭い場合でも、異なる電気系統を設けることができる。
本発明の一実施形態に係るスコットトランスの構成例を示す斜視図である。 本実施形態のスコットトランスの結線例を示す回路図である。 本実施形態のスコットトランスを構成する主座変圧部およびT座変圧部の例を示す斜視図である。 図3に示す主座変圧部の詳細な構成例を示す斜視図である。 図4に示す主座変圧部から2つのコアを除いた状態を示す斜視図である。 図5に示すVI−VI線により切断した状態を示す断面図である。 本実施形態のスコットトランスを構成するサイドプレートの例を示す斜視図である。 本実施形態のスコットトランスを被取付部に取り付ける取付態様のバリエーションの例を示す説明図である。
以下、本発明のスコットトランスおよび車両の実施形態について図を参照して説明する。まず、スコットトランス10の構成概要を図1〜図3に基づいて説明する。図1には、本実施形態に係るスコットトランス10の構成例を示す斜視図が図示されている。図2には、本実施形態のスコットトランス10の結線例を示す回路図が図示されている。図3には、スコットトランス10を構成する主座変圧部10aおよびT座変圧部10bの例を示す斜視図が図示されている。
図1に示すように、本実施形態に係るスコットトランス10は、主座変圧部10a、T座変圧部10b、サイドプレート50、アッパープレート60等により構成されている。スコットトランス10は、[背景技術]の欄で述べたように、三相交流を2つの単相交流に変換可能に4つのコイルがスコット結線された変圧器である。
即ち、本実施形態のスコットトランス10では、図2に示すように、主座1次コイル31が三相交流のU−W相間に接続されており、主座1次コイル31の中点とV相の間にT座1次コイル41が接続されている。また、主座2次コイル32は、主座1次コイル31の巻回層の上に巻回されて一方の単相交流のVa−0間に接続されている。さらに、T座2次コイル42は、T座1次コイル41の巻回層の上に巻回されて他方の単相交流のVb−0間に接続されている。このような主座1次コイル31と主座2次コイル32の周囲には、これらを効率良く磁気結合させ得るコア11,12が設けられており、またT座1次コイル41とT座2次コイル42の周囲にも、これらを効率良く磁気結合させ得るコア13,14が設けられている。
また、本実施形態では、主座1次コイル31および主座2次コイル32(以下、これらをまとめて「主座コイル部30」という場合がある)は、ボビン20に巻回されている(図1および図3において薄いグレーに着色された部分)。そして、ボビン20に巻回された主座コイル部30の一部にコア11やコア12が巻回されている。主座1次コイル31は、例えば、断面が円形状の丸線である。また主座2次コイル32は、例えば、断面が扁平矩形状の平角線である。
なお、本実施形態では、主座1次コイル31に丸線を選択し、主座2次コイル32に平角線を選択しているが、主座1次コイル31に平角線を選択し、主座2次コイル32に丸線を選択してもよい。また、後述するT座1次コイル41やT座2次コイル42についても同様である。丸線または平角線のいずれを選択するかについては、スコットトランス10の仕様(コイルに流れる電流や許容発熱温度等)に基づいて適宜決定される。
コア11,12は、例えば、電磁鋼板を空芯のロール状(筒状)に巻回したものであり、両者は別体に構成されている。本実施形態では、コア11,12の空芯部分に主座コイル部30の一部(後述する直線部31b)が位置している。
即ち、コア11,12は、後述するように、主座1次コイル31および主座2次コイル32が巻回されたボビン20にさらに巻回されて並列に並んで位置している。以下、ボビン20に巻回された主座コイル部30と、主座コイル部30に巻回されたコア11,12とをまとめて「主座変圧部10a」という場合がある。
このような主座コイル部30に対して、T座1次コイル41およびT座2次コイル42(以下、これらをまとめて「T座コイル部40」という場合がある)も、ボビン20に巻回されている。そして、ボビン20に巻回されたT座コイル部40の一部にコア13やコア14(図1には不図示)が巻回されている。コア13,14も、コア11,12と同様に、例えば、電磁鋼板を空芯のロール状(筒状)に巻回したものであり、両者は別体に構成されている。本実施形態では、コア13,14の空芯部分にT座コイル部40の一部(後述する直線部41b)が位置している。
即ち、コア13,14は、後述するように、T座1次コイル41およびT座2次コイル42が巻回されたボビン20にさらに巻回されて並列に並んで位置している。以下、ボビン20に巻回されたT座コイル部40と、T座コイル部40に巻回されたコア13,14とをまとめて「T座変圧部10b」という場合がある。
図3に示すように、本実施形態のスコットトランス10では、主座変圧部10aとT座変圧部10bを別々に構成している。そのため、コア11〜14は、いずれも別体に構成されて、主座変圧部10aのコア11,12と、T座変圧部10bのコア13,14とは、磁気回路的にも積極的には接続されていない。
このため、図2に示す回路図のように、主座変圧部10aとT座変圧部10bは、それぞれ別々のトランスであるかのように構成されているが、主座変圧部10aの主座1次コイル31とT座変圧部10bのT座1次コイル41との間をスコット結線で接続することによって、本実施形態では、これら全体でスコットトランス10を構成している。
なお、図2以外の図には、このようなスコット結線、引き出し線、タップや端子等は、表されていない。また、コア11,12やコア13,14は、図略の金具とこの金具を含めてコア11等を覆うワニスにより、ボビン20に固定されている。
図1に示すように、主座変圧部10aおよびT座変圧部10bは、それぞれのボビン20に巻回されたコア11〜14の軸方向両端を、2つのサイドプレート50によって狭持するように固定されている。本実施形態では、これらのサイドプレート50には、後で図7を参照しながら詳述するように、2箇所にスリット51,52が形成されており、スリット51,52内にコア11等が巻回されたボビン20が挿入されている(図7参照)。
また、本実施形態では、サイドプレート50のスリット51,52の開口を塞ぐように、サイドプレート50の頂部に長尺状のLアングル形状を有するアッパープレート60が設けられている。このような2つのサイドプレート50は、軸長がコア11等の軸方向長さよりも大きく設定されている6本のボルト70と図略のナットとにより、サイドプレート50の上側(図1に示す座標系においてZ軸の矢印方向)の3箇所で、またサイドプレート50の下側(同座標系においてZ軸の根元方向)の3箇所で、それぞれねじ締結されて固定されている。なお、アッパープレート60は、サイドプレート50の上側に挿通されるボルト70によって、サイドプレート50と共締めされてサイドプレート50に固定されている。
次に、図4〜図6を参照しながら、さらに詳しく主座変圧部10aやT座変圧部10bの構成(特にボビン20の構成)について説明する。図4には、主座変圧部10aの詳細な構成例を示す斜視図が図示されている。また、図5には、主座変圧部10aからコア11,12を除いた状態を示す斜視図が図示されている。さらに、図6には、図5に示すVI−VI線により切断した状態を示す断面図が図示されている。なお、これらの図においては、主座変圧部10aの構成例が図示されているが、T座変圧部10bについても、後述するように、主座変圧部10aと同様に構成されている。
これまで説明したように、主座変圧部10aを構成するとともに、コア11,12や主座コイル部30が巻回されているボビン20は、図4や図5に示すように、例えば、不燃性の樹脂により矩形の環状に形成されている。より具体的には、例えば、ボビン20は、本体部21、プレート部23,24、タップ引出部25,26等により構成されており、これらは一体に形成されている。
本体部21は、矩形の枠状を有するとともに、枠の両側(表側と裏側)に2枚のプレート部23,24を備えている。これらのプレート部23,24に間にコイル巻回部21aが形成され、またプレート部23の切欠部23aとプレート部24の切欠部24aにコア巻回部21bが形成されている。本実施形態では、切欠部23a,24aは、本体部21の短手方向両側において、ボビン20の長手方向に沿って延びるように形成されている。この切欠部23a,24aの範囲に一対のコア11とコア12が並列に並んで巻回されている。
一方、本体部21の長手方向の一方側には、タップ引出部25が形成されており、また同長手方向の他方側には、タップ引出部26が形成されている。タップ引出部25,26には、図略の孔が複数箇所に形成されており、ボビン20に巻回されている主座1次コイル31や主座2次コイル32のコイル端部(コイル線材の端部)をこれらの孔から引き出し得るように構成されている。
例えば、タップ引出部25からは主座1次コイル31のコイル端部が引き出され、またタップ引出部26からは主座2次コイル32のコイル端部が引き出され得る。タップ引出部25から主座2次コイル32のコイル端部が引き出され、タップ引出部26から主座1次コイル31のコイル端部が引き出されるように構成してもよい。なお、図4や図5にはこれらのコイル端部は図示されていない。
T座変圧部10bを構成するとともに、コア13,14やT座コイル部40が巻回されているボビン20においても、主座変圧部10aのボビン20と同様に、本体部21、プレート部23,24、タップ引出部25,26等が一体に形成されている。そして、ボビン20に並列に並んで巻回されているT座1次コイル41やT座2次コイル42のコイル端部(コイル線材の端部)を、タップ引出部25,26から引き出し得るようにこれらに図略の孔が複数形成されている。
これにより、タップ引出部25からはT座1次コイル41のコイル端部が引き出され、またタップ引出部26からはT座2次コイル42のコイル端部が引き出され得る。タップ引出部25からT座2次コイル42のコイル端部が引き出され、タップ引出部26からT座1次コイル41のコイル端部が引き出されるように構成してもよい。なお、これらのコイル端部は図4や図5には図示されていない。
このように構成されるボビン20のコイル巻回部21aには、前述したように、主座1次コイル31や主座2次コイル32が巻回されたり、T座1次コイル41やT座2次コイル42が巻回されたりしている。即ち、図6に示すように、主座変圧部10aのボビン20の場合には、コイル巻回部21aの最内側に主座1次コイル31が巻回されて主座1次コイル31の巻回層31aを形成する。そして、この巻回層31aの上にさらに主座2次コイル32が巻回されて主座2次コイル32の巻回層32aを形成する。
なお、図6において、主座1次コイル31の巻回層31aの部分は、巻回されている丸線の図示に代えて濃いグレーに着色し、また主座2次コイル32の巻回層32aの部分は、巻回されている平角線の図示に代えて薄いグレーに着色していることに注意されたい。また、本実施形態では、主座1次コイル31の上に主座2次コイル32を巻回する構成を採っているが、これとは逆に、主座2次コイル32の上に主座1次コイル31を巻回する構成を採ってもよい。
また、図示されていないが、T座変圧部10bのボビン20の場合には、コイル巻回部21aの最内側にT座1次コイル41が巻回されてT座1次コイル41の巻回層41aを形成する。そして、この巻回層41aの上にさらにT座2次コイル42が巻回されてT座2次コイル42の巻回層42aを形成する。図6においては、濃いグレーに着色された部分がT座1次コイル41の巻回層41aに相当し、薄いグレーに着色された部分がT座2次コイル42の巻回層42aに相当する。本実施形態では、T座1次コイル41の上にT座2次コイル42を巻回する構成を採っているが、これとは逆に、T座2次コイル42の上にT座1次コイル41を巻回する構成を採ってもよい。
なお、プレート部23,24の切欠部23a,24aの範囲には、コア11やコア12が巻回されるため、この切欠部23a,24aの範囲に巻回されている主座1次コイル31や主座2次コイル32の一部は、主座1次コイル31の直線部31bや主座2次コイル32の直線部32bでもある(図4〜図6参照)。このような範囲に巻回されているコア11,12の巻回軸Jは、コイル巻回部21a内の径方向断面のほぼ中央に存在する。
また、図示されていないが、コア13,14が巻回されているボビン20においては、プレート部23,24の切欠部23a,24aの範囲に巻回されているT座1次コイル41やT座2次コイル42の一部は、T座1次コイル41の直線部41bやT座2次コイル42の直線部42bでもある。また、図示されていないが、このような範囲に巻回されているコア13,14の巻回軸Kも、コア11,12の巻回軸Jと同様にコイル巻回部21a内の径方向断面のほぼ中央に存在する。
このように本実施形態のスコットトランス10を構成する主座変圧部10aでは、ボビン20に巻回されている主座1次コイル31の直線部31bや主座2次コイル32の直線部32bが、電磁鋼板をロール状に巻回したコア11,12の空芯部分に存在する。また、同様にT座変圧部10bでは、ボビン20に巻回されているT座1次コイル41の直線部41bやT座2次コイル42の直線部42bが、電磁鋼板をロール状に巻回したコア13,14の空芯部分に存在する。そして、コア11,12の巻回軸Jやコア13,14の巻回軸Kは、コイル巻回部21a内の径方向断面のほぼ中央に位置する。
これにより、主座1次コイル31や主座2次コイル32の線径方向の周囲をコア11,12がほぼ均一に覆うことが可能になる。そのため、コア11,12の有効断面積がほぼ均一になって磁路を短くすることができ、コア11,12のロール径(ロールの直径)を小さくすることが可能になる。また、T座1次コイル41やT座2次コイル42の線径方向の周囲をコア13,14がほぼ均一に覆うことが可能になる。そのため、コア13,14の有効断面積がほぼ均一になって磁路を短くすることができ、コア13,14のロール径を小さくすることが可能になる。
続いて、図4および図7に基づいてサイドプレート50の構成を説明する。図7には、サイドプレート50の例を示す斜視図が図示されている。本実施形態では、巻回軸J,K方向の両側から、2つのサイドプレート50によって、主座変圧部10aおよびT座変圧部10b(コア11〜14)を挟み込むように狭持する構成を採用している。
サイドプレート50は、例えば、主座変圧部10aとT座変圧部10bを積層状態に位置させた場合の積層方向(図1に示すX軸方向)の長さよりも、幅広の帯状の鉄板をL字形状に加工したものである。本実施形態では、並列に並んで巻回されているコア11,12のその並び方向(図1に示すZ軸方向)の長さよりも長い一端側を挟持部50aにし、また挟持部50aよりも短い他端側を取付部50bにしている。
挟持部50aには、挟持部50aの長手方向に延びるスリット51,52が2箇所に形成されている。例えば、挟持部50aがE字形状を成すようにスリット51,52が形成されている。スリット51,52の離隔間隔は、例えば、スリット51に保持される主座変圧部10aと、スリット52に保持されるT座変圧部10bとが、互いに接触しないように、所定距離の隙間が形成されるように設定されている。主座変圧部10aとT座変圧部10bの間に形成される隙間の所定距離は、例えば、図略の冷却ファンにより送風される冷却用の空気や周囲空間の空気等が十分に流通可能な大きさに設定されている。
このようなスリット51によって、ボビン20のタップ引出部25の内側端面25aと、コア11,12の端面11a,12aとの間に形成される隙間部分(図4に示す黒三角矢印が指す部分)を挟み込むことにより、主座変圧部10aの一端側が保持される。またボビン20のタップ引出部26の内側端面26aと、コア11,12の端面11b,12bとの間に形成される隙間部分(図4に示す白三角矢印が指す部分)を、これらのスリット51に挟み込むことにより、主座変圧部10aの他端側が保持される。
また、図4には図示されていないが、同様に、スリット52によって、ボビン20のタップ引出部25の内側端面25aと、コア13,14の端面13a,14aとの間に形成される隙間部分(図4に示す黒三角矢印が指す部分に相当する部分)を挟み込むことにより、T座変圧部10bの一端側が保持される。またボビン20のタップ引出部26の内側端面26aと、コア13,14の端面13b,14bとの間に形成される隙間部分(図4に示す白三角矢印が指す部分に相当する部分)を、これらのスリット52に挟み込むことにより、T座変圧部10bの他端側が保持される。
なお、スリット51,52が開口する挟持部50aの上端側付近には、ボルト70を挿通し得る貫通孔54が3箇所に形成されている。また、スリット51,52の最深部に当たる挟持部50aの下端側付近にも、ボルト70を挿通し得る貫通孔54が3箇所に形成されている。
このような挟持部50aに対して、ほぼ直角に折れ曲がるように形成されている取付部50bは、ほぼ平坦な板部材であり、複数箇所に長孔56が形成されている。この長孔56は、当該サイドプレート50を被取付部にねじ締結可能な図略のビスが挿通し得る孔径に設定されている。本実施形態では、長孔56は、2箇所に形成されている。
なお、本実施形態では、コア11〜14の巻回軸J,K方向の両側から2つのサイドプレート50によって、主座変圧部10aおよびT座変圧部10b(コア11〜14)を挟み込むように狭持する構成を採用しているが、主座変圧部10a(コア11,12)と、T座変圧部10b(コア13,14)とを別々のサイドプレートにより狭持する構成を採ってもよい。
即ち、スリット51を有する2つのサイドプレートにより主座変圧部10a(コア11,12)を狭持し、スリット52を有する2つのサイドプレートによりT座変圧部10b(コア13,14)を狭持する。これにより、1つのサイドプレートに加わる主座変圧部10aやT座変圧部10bによる荷重が半減されるため、サイドプレートの機械的な強度を低下させることが可能になる。例えば、サイドプレートを構成する鉄板の板厚を薄くしたり機械的強度を向上可能なリブ等の形成箇所を減らしたりすることが可能になる。
本実施形態のスコットトランス10(10A)は、このように構成されることによって、例えば、図8(A)に示すように、被取付部Waに対して取り付けられる。この場合、サイドプレート50は、図略のボルトが被取付部Waにねじ締結されることによって、取付部50bが被取付部Waに取り付けられて固定される。仮想平面Paは、図1に示す座標系のX−Y平面に相当する。
図8(A)〜図8(F)には、本実施形態のスコットトランス10を被取付部Wa等に取り付ける取付態様のバリエーションの例を示す説明図が図示されている。なお、これらの図においては、主座変圧部10aおよびT座変圧部10bを、便宜的に直方体形状で簡易に表しているとともにグレーに着色していることに注意されたい。また二点鎖線で表されている平行四辺形は、図5および図6を参照して説明した主座変圧部10aの2本の巻回軸Jを含む仮想平面Paや、T座変圧部10bの2本の巻回軸Kを含む仮想平面Pbである。また、被取付部Wa、被取付部Wbおよび被取付部Wcは、互いに直交するように設けられている。
また、図8(B)に示すように、スコットトランス10Bの主座変圧部10aとT座変圧部10bは、被取付部Waに対して平積み状態に配置される。即ち、主座変圧部10aの2本の巻回軸Jを含む仮想平面Paと、T座変圧部10bの2本の巻回軸Kを含む仮想平面Pbとが、被取付部Waにほぼ平行に重なる位置関係で、主座変圧部10aとT座変圧部10bが積層される。これにより、当該積層方向においては、コア11のロール径とコア13のロール径(またはコア12のロール径とコア14のロール径)の和に相当する大きさがスコットトランス10Bの高さになる。
さらに、図8(C)に示すように、スコットトランス10Cの主座変圧部10aとT座変圧部10bは、被取付部Wcに対して平積み状態に配置される。即ち、主座変圧部10aの2本の巻回軸Jを含む仮想平面Paと、T座変圧部10bの2本の巻回軸Kを含む仮想平面Pbとが、被取付部Wcにほぼ平行に重なる位置関係で、主座変圧部10aとT座変圧部10bが積層される。これにより、当該積層方向においては、コア11のロール径とコア13のロール径(またはコア12のロール径とコア14のロール径)の和に相当する大きさがスコットトランス10Cの高さになる。
スコットトランス10A〜10Cでは、主座変圧部10aおよびT座変圧部10bを、それらの巻回軸J,Kが異なる仮想平面内に含まれるように、積み重ねて位置させることによって、スコットトランス10A〜10Cの仮想平面Pa,Pbが拡がる方向の体格を小さくすることが可能になる。
また、図8(D)に示すように、スコットトランス10Dの主座変圧部10aとT座変圧部10bは、被取付部Waに対して横並び状態に配置される。即ち、主座変圧部10aの2本の巻回軸Jと、T座変圧部10bの2本の巻回軸Kが、同じ仮想平面Pa,Pb内に含まれる位置関係で、主座変圧部10aとT座変圧部10bを仮想平面Pa,Pbの拡がる方向に並べるように位置させる。これにより、スコットトランス10の高さは、コア11等のロール径に相当する大きさになるので、当該スコットトランス10Dの体格を低背にすることが可能になる。また、被取付部Waに対する平面視が正方形に近い矩形状で高さが高くない(低い)スペースにスコットトランス10Dを取り付けたり組み付けたりすることが可能になる。
さらに、図8(E)に示すように、スコットトランス10Eの主座変圧部10aとT座変圧部10bは、これらの巻回軸J,Kを含む仮想平面Pa,Pb同士が直交するようにL字形状をなす状態に配置される。即ち、主座変圧部10aの2本の巻回軸Jが含まれる仮想平面Paと、T座変圧部10bの2本の巻回軸Kが含まれる仮想平面Pbとが直交し、かつ、両巻回軸J,Kが直交しない位置関係に主座変圧部10aとT座変圧部10bを位置させる。これにより、当該スコットトランス10Eを、幅広のL字形状等の異形のスペースに取り付けたり組み付けたりすることが可能になる。
さらにまた、図8(F)に示すように、スコットトランス10Fの主座変圧部10aとT座変圧部10bは、これらの巻回軸J,Kを含む仮想平面Pa,Pb同士が直交するようにL字形状をなす状態に配置される。即ち、主座変圧部10aの2本の巻回軸Jが含まれる仮想平面Paと、T座変圧部10bの2本の巻回軸Kが含まれる仮想平面Pbとが直交し、かつ、両巻回軸J,Kも直交する位置関係に主座変圧部10aとT座変圧部10bを位置させる。これにより、当該スコットトランス10Fを、細長のL字形状等の異形のスペースに取り付けたり組み付けたりすることが可能になる。
なお、図示していないが、図8(D)に示す横並び状態に配置した主座変圧部10aおよびT座変圧部10bを、被取付部Waに対して縦並び状態に配置してもよい。これにより、当該スコットトランスを、被取付部Waに対する平面視が短冊形状で高さが高くない(低い)直方体形状のスペースに取り付けたり組み付けたりすることが可能になる。
また、図示していないが、図8(B)に示す平積み状態に配置した主座変圧部10aおよびT座変圧部10bを、互いに重ならないように位置させることよって、当該スコットトランスを階段形状等の異形のスペースに取り付けたり組み付けたりすることが可能になる。
以上説明したように、本実施形態のスコットトランス10は、主座コイル部30が2つの直線部31b,32bを含む環状に形成されており、これらの直線部31b,32bの周囲には一対のコア11,12がロール状に設けられている。また、T座コイル部40が2つの直線部41b,42bを含むロール状に形成されており、これらの直線部41b,42bの周囲には一対のコア13,14がロール状に設けられている。
このため、主座1次コイル31や主座2次コイル32の周囲をロール状のコア11,12が覆い、T座1次コイル41やT座2次コイル42の周囲をロール状のコア13,14が覆うことになるので、例えば、レグにコイルを巻回する構成のEIコアやEEコア等の場合に比べて鉄心の有効断面積が均一になり磁路を短くすることが可能になる。また、コア11〜14のロール径を小さくすることが可能になる。
これにより、EIコアやEEコア等に主座1次コイル、主座2次コイル、T座1次コイルおよびT座2次コイルを巻回してスコットトランスを構成する場合に比べて、スコットトランス10の体積を削減することが可能になる。また、コア11,12とコア13,14は、一体ではなく別体に構成されているため、直線部31b,32bの周囲にコア11、12が設けられている主座コイル部30を含めた主座変圧部10aと、直線部41b,42bの周囲にコア13,14が設けられているT座コイル部40を含めたT座変圧部10bと、を搭載スペースに合わせて別々に配置することが可能になる(図8参照)。したがって、取付性や組付性の自由度を高めることができる。
また、主座変圧部10aとT座変圧部10bを別々に配置することが可能になるため、主座変圧部10aやT座変圧部10bを個別に冷却することができる。さらに、コア11〜14が巻回されていないボビン20の部分(切欠部23a,24aがない部分)においては、コイル巻回部21aの最内側に巻回される主座1次コイル31やT座1次コイル41がボビン20の本体部21を介して冷却用の空気や周囲空間の空気等に冷却され易い。したがって、主座2次コイル32やT座2次コイル42の平角線に比べると線径が小さい丸線が巻回されている主座1次コイル31やT座1次コイル41の発熱によるスコットトランス10の温度上昇を抑制することもできる。
なお、本実施形態では、コア11,12は、電磁鋼板を円筒状のロール状に巻回したもので構成したが、主座1次コイル31の直線部31bおよび主座2次コイル32の直線部32bの周囲に設けられる筒状の主座鉄心であれば、例えば、角筒状や多角筒状のロール状に電磁鋼板を巻回してもよい。また、コア13,14についても、同様に、T座1次コイル41の直線部41bおよびT座2次コイル42の直線部42bの周囲に設けられる筒状のT座鉄心であれば、例えば、角筒状や多角筒状のロール状に電磁鋼板を巻回してもよい。
また、本実施形態では、コア11,12は、電磁鋼板を空芯のロール状に巻回したもので構成したが、主座1次コイル31の直線部31bおよび主座2次コイル32の直線部32bの周囲に設けられる筒状の主座鉄心であれば、例えば、フェライトやアモスファスを空芯の円柱形状に形成したり、空芯の角柱形状や多角柱形状に形成したりしてもよい。またコア13,14についても、同様に、T座1次コイル41の直線部41bおよびT座2次コイル42の直線部42bの周囲に設けられる筒状のT座鉄心であれば、例えば、フェライトやアモスファスを空芯の円柱形状に形成したり、空芯の角柱形状や多角柱形状に形成したりしてもよい。
ここで、本実施形態のスコットトランス10を搭載した電動車両の電気系統について説明する。図略の電動車両は、補機用の搭載スペースが狭いために、電力変換用のトランスとしては、本実施形態のスコットトランス10しか搭載することのできない車両である。電動車両は、例えば、走行用のモータと動力用のモータとを備えている。また、これらのモータに対応して、バッテリ、整流回路およびインバータ回路を、2セットと、インバータ回路を制御するコントローラと、を備えている。
電動車両が備えている、2つのモータは、例えば、いずれも三相交流モータである。走行用のモータは、図略の駆動輪を回転させ得る駆動用の動力伝達機構等を介して接続されている。また、動力用のモータは、図略の搬送機構を駆動させ得る搬送用の動力伝達機構等を介して接続されている。
スコットトランス10は、三相交流電力の入力端子(R,S,T)に主座1次コイル31の入力端子U,WとT座1次コイル41の入力端子Vが接続されており、また主座2次コイル32の出力端子Va,0と、T座2次コイル42の出力端子Vb,0とが整流回路に接続されている。
2つの整流回路は、例えば、シリコンダイオードからなる半波整流回路または全波整流回路である。一方の整流回路は、主座2次コイル32の出力端子Va,0に接続され、他方の整流回路は、T座2次コイル42の出力端子Vb,0に接続されて、それぞれ交流電力を直流電力に変換可能に構成されている。
2つのバッテリは、典型的には、鉛蓄電池やリチウムイオン電池である。これらのバッテリは、走行用のモータや搬送用のモータの駆動に適した電圧を出力し得るように構成されている。これらのバッテリに代えて、例えば、数F(ファラッド)〜数10Fの静電容量を有する電気二重層コンデンサを用いてもよい。なお、整流回路の出力電圧と、これらのバッテリ等の出力電圧とが大きく異なる場合には、整流回路とこれらのバッテリとの間に降圧回路や昇圧回路を介在させてもよい。
これらのバッテリに対応して2つ設けられているインバータ回路は、いずれも直流電力を三相交流電力に変換可能な6つのスイッチング素子等により構成されているチョッパー回路である。本実施形態では、一方のインバータ回路は、走行用のモータの駆動電圧を出力するバッテリから出力される直流電圧を、例えば走行用のモータの駆動に適した三相交流電圧に変換することが可能に構成されている。同様に、他方のインバータ回路は、搬送用のモータの駆動電圧を出力するバッテリから出力される直流電圧を、例えば搬送用のモータの駆動に適した三相交流電圧に変換することが可能に構成されている。
コントローラは、マイクロコンピュータや半導体メモリ等を中心に、2つのインバータ回路のスイッチング素子を制御可能に構成されている制御装置である。本実施形態では、走行用のモータの入力電圧を計測可能な図略の電圧センサから送られてくる同モータの電圧情報に基づいて、一方のインバータ回路から出力される三相交流電圧を制御可能に構成されている。また、搬送用のモータの入力電圧を計測可能な図略の電圧センサから送られてくる同モータの電圧情報に基づいて、他方のインバータ回路から出力される三相交流電圧を制御可能に構成されている。
このように電動車両を構成することによって、走行用のモータの駆動電圧を出力するバッテリには、スコットトランス10の一方の単相交流出力Vaから出力されて整流回路により変換された直流電力が充電されるので、このようなバッテリから出力される直流電力を走行用のモータがインバータ回路等を介して受けることにより、当該電動車両は走行することが可能になる。
また、搬送用のモータの駆動電圧を出力するバッテリには、スコットトランス10の他方の単相交流出力Vbから出力されて整流回路により変換された直流電力が充電されるので、このようなバッテリから出力される直流電力を搬送用のモータがインバータ回路等を介して受けることにより、当該電動車両は、例えば、積荷を搬送することが可能になる。したがって、電動車両では、補機用の搭載スペースが狭い場合でも、異なる電気系統を設けることができる。
なお、本実施形態の電動車両では、他方のモータを積荷を搬送する動力用に使用したが、このモータも走行用に使用してもよい。例えば、電動車両が四輪駆動車である場合には、一方のモータを前輪駆動用に使用し、他方のモータを後輪駆動用に使用する構成を採ってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、上述した具体例を様々に変形または変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。さらに、本明細書または図面に例示した技術は、複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つ。なお、[符号の説明]の欄における括弧内の記載は、上述した各実施形態で用いた用語と、特許請求の範囲に記載の用語との対応関係を明示し得るものである。
10…スコットトランス
10a…主座変圧部
10b…T座変圧部
11,12…コア(主座鉄心)
13,14…コア(T座鉄心)
20…ボビン
21…本体部
21a…コイル巻回部
21b…コア巻回部
23,24…プレート部
25,26…タップ引出部
30…主座コイル部
31…主座1次コイル
31a…巻回層(主座1次コイルの巻回層)
31b…直線部(主座コイル直線部)
32…主座2次コイル
32a…巻回層(主座2次コイルの巻回層)
32b…直線部(主座コイル直線部)
40…T座コイル部
41…T座1次コイル
41a…巻回層(T座1次コイルの巻回層)
41b…直線部(T座コイル直線部)
42…T座2次コイル
42a…巻回層(T座2次コイルの巻回層)
42b…直線部(T座コイル直線部)
50…サイドプレート
50a…挟持部
50b…取付部
51,52…スリット
60…アッパープレート
70…ボルト
J…コアの巻回軸(主座鉄心の軸)
K…コアの巻回軸(T座鉄心の軸)
Pa,Pb…仮想平面
Wa,Wb,Wc…被取付部

Claims (7)

  1. 主座1次コイル、主座2次コイル、T座1次コイルおよびT座2次コイルを有するスコットトランスであって、
    前記主座1次コイルの巻回層および前記主座2次コイルの巻回層を有しこれらの巻回層が並列状の2つの主座コイル直線部を含む環状に形成されている主座コイル部と、
    前記2つの主座コイル直線部をそれぞれの軸に前記主座コイル直線部の周囲に筒状に設けられている一対の主座鉄心と、
    前記T座1次コイルの巻回層および前記T座2次コイルの巻回層を有しこれらの巻回層が並列状の2つのT座コイル直線部を含む環状に形成されているT座コイル部と、
    前記2つのT座コイル直線部をそれぞれの軸に前記T座コイル直線部の周囲に筒状に設けられている一対のT座鉄心と、
    を備えることを特徴とするスコットトランス。
  2. 前記一対の主座鉄心と前記一対のT座鉄心は、前記一対の主座鉄心の両方の前記軸と前記一対のT座鉄心の両方の前記軸とが同じ仮想平面内に含まれる位置関係に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスコットトランス。
  3. 前記一対の主座鉄心と前記一対のT座鉄心は、前記一対の主座鉄心の両方の前記軸と前記一対のT座鉄心の両方の前記軸とが異なる仮想平面内に含まれる位置関係に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスコットトランス。
  4. 前記一対の主座鉄心と前記一対のT座鉄心は、積層されていることを特徴とする請求項3に記載のスコットトランス。
  5. 前記一対の主座鉄心と前記一対のT座鉄心は、前記一対の主座鉄心の両方の前記軸を含む仮想平面と、前記一対のT座鉄心の両方の前記軸を含む仮想平面とが、ほぼ直交する位置関係に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスコットトランス。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のスコットトランスは、車両に搭載されており、
    当該スコットトランスから出力される二系統の単相交流電力は、前記車両が有する別々の電気系統にそれぞれ供給されることを特徴とするスコットトランス。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のスコットトランスを備えている車両であって、
    前記スコットトランスから出力される二系統のうちの一方の単相交流電力が交直変換された直流電力の供給を受けて充電される第1蓄電デバイスと、
    前記第1蓄電デバイスから供給される電力により駆動する第1モータと、
    前記スコットトランスから出力される二系統のうちの他方の単相交流電力が交直変換された直流電力の供給を受けて充電される第2蓄電デバイスと、
    前記第2蓄電デバイスから供給される電力により駆動する第2モータと、
    を備えることを特徴とする車両。
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