JP2019038956A - 摺動部材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より優れた摺動特性を発揮可能な摺動部材を提供する。【解決手段】本発明の摺動部材の製造方法は、潤滑剤の存在下で相手材と摺動する摺動部材を製造するための摺動部材の製造方法である。この製造方法は、粒子状の超高分子量ポリエチレンにプラズマ処理を行い、超高分子量ポリエチレンの表面の改質を行う改質工程と、固体潤滑剤とバインダ樹脂とを含有する摺動層用組成物を調製する組成物調製工程と、母材上に摺動層用組成物を設けて相手材と摺動する摺動層を形成し、摺動部材を得る摺動層形成工程とを備えている。固体潤滑剤は、改質工程により改質された超高分子量ポリエチレンを含んでいる。【選択図】図13

Description

本発明は摺動部材及びその製造方法に関する。
従来、特許文献1に開示された摺動部材が知られている。この摺動部材は、鋼材からなる母材と、母材上に下地層を介して形成された摺動層とを備えている。摺動層は、バインダ樹脂と固体潤滑剤とを含有している。バインダ樹脂はエポキシ樹脂及びフェノール樹脂からなる。固体潤滑剤は、粒子状の二硫化モリブデン(MoS2)と、粒子状のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と、粒子状のポリエチレンとからなる。
この摺動部材は、摺動層が潤滑剤の存在下で相手材と摺動するプロペラシャフト等に採用され得る。
特開2013−189569号公報
摺動部材には、信頼性確保のため、耐焼付き性、耐摩耗性等のさらなる摺動特性の向上が望まれている。特に、摩擦熱等によって高温になる摺動部材においては、ポリエチレンの脱落抑制による摺動特性の向上が求められる。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、より優れた摺動特性を発揮可能な摺動部材を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の摺動部材の製造方法は、潤滑剤の存在下で相手材と摺動する摺動部材を製造するための摺動部材の製造方法であって、
粒子状の超高分子量ポリエチレンにプラズマ処理を行い、前記超高分子量ポリエチレンの表面の改質を行う改質工程と、
前記改質工程により改質された前記超高分子量ポリエチレンを含む固体潤滑剤と、バインダ樹脂とを含有する摺動層用組成物を調製する組成物調製工程と、
母材上に前記摺動層用組成物を設けて前記相手材と摺動する摺動層を形成し、摺動部材を得る摺動層形成工程とを備えていることを特徴とする。
本発明の摺動部材は、母材と、前記母材上に形成され、バインダ樹脂と固体潤滑剤とを含有する摺動層とを備え、前記摺動層が潤滑剤の存在下で相手材と摺動する摺動部材であって、
前記固体潤滑剤は、粒子状をなし、側鎖又は末端に、OH基又はNH2基が形成された超高分子量ポリエチレンを含むことを特徴とする。
発明者らの試験結果によれば、本発明の摺動部材では、相手材との摺動時に固体潤滑剤がバインダ樹脂から脱落し難い。この理由は、摺動層における超高分子量ポリエチレンがプラズマ処理によって表面の改質が行われたものだからである。
プラズマ処理は、ガス種が酸素及びヘリウムであることが好ましい。この場合、発明者らの試験結果によれば、改質工程により改質された超高分子量ポリエチレンがバインダ樹脂からさらに脱落し難い。
プラズマ処理は、ガス種が窒素及びヘリウムであることも好ましい。この場合、発明者らの試験結果によれば、改質工程により改質された超高分子量ポリエチレンがバインダ樹脂から脱落し難い。
改質工程後、組成物調製工程前に、超高分子量ポリエチレンにシランカップリング処理を施す表面処理工程を実行することがさらに好ましい。この場合、発明者らの試験結果によれば、超高分子量ポリエチレンがバインダ樹脂からさらに脱落し難い。
本発明の製造方法により、優れた摺動特性を発揮可能な摺動部材を製造することができる。また、本発明の摺動部材によれば、優れた摺動特性を発揮することができる。
図1は、プラズマ処理前の超高分子量ポリエチレンの化学式である。 図2は、プラズマ処理前の超高分子量ポリエチレンのXPS分析結果を示すグラフである。 図3は、ガス種を酸素及びヘリウムとしたプラズマ処理後の超高分子量ポリエチレンのXPS分析結果を示すグラフである。 図4は、ガス種を窒素及びヘリウムとしたプラズマ処理後の超高分子量ポリエチレンのXPS分析結果を示すグラフである。 図5はポリアミドイミド樹脂の一般的な化学式である。 図6は、ピンオンディスク往復試験の様子を示す模式斜視図である。 図7は、実施例1の摺動部材において、試験1の摺動層における500倍のSEM画像写真である。 図8は、実施例2の摺動部材において、試験1の摺動層における500倍のSEM画像写真である。 図9は、実施例3の摺動部材において、試験1の摺動層における500倍のSEM画像写真である。 図10は、実施例4の摺動部材において、試験1の摺動層における500倍のSEM画像写真である。 図11は、実施例5の摺動部材において、試験1の摺動層における500倍のSEM画像写真である。 図12は、比較例の摺動部材において、試験1の摺動層における500倍のSEM画像写真である。 図13は、斜板×シュー試験の様子を示す断面図である。
図1に示す超高分子量ポリエチレンは、ガス種を酸素及びヘリウムとするプラズマ処理により、側鎖や末端にOH基が生成されたものとなる。また、図1に示す超高分子量ポリエチレンは、ガス種を窒素及びヘリウムとするプラズマ処理により、側鎖や末端にNH2基が生成されたものとなる。
図2にプラズマ処理前の超高分子量ポリエチレンのXPS分析結果を示し、図3にガス種を酸素及びヘリウムとしたプラズマ処理後の超高分子量ポリエチレンのXPS分析結果を示し、図4にガス種を窒素及びヘリウムとしたプラズマ処理後の超高分子量ポリエチレンのXPS分析結果を示す。このように、OH基、NH2基等の反応基の有無はXPS分析によって確認可能である。
これらOH基、NH2基等の反応基が生成された超高分子量ポリエチレンでは、反応基がバインダ樹脂の官能基と結合し易いと考えている。例えば、バインダ樹脂が図5に一般的な化学式を示すポリアミドイミド樹脂である場合、その側鎖や末端には、NH2基やCOOH基が存在する。このポリアミドイミド樹脂が改質された超高分子量ポリエチレンと接触すると、ポリアミドイミド樹脂と改質された超高分子量ポリエチレンとがアミド結合や水素結合によって化学結合すると考えられる。
したがって、本発明の摺動部材では、摺動層の表面に超高分子量ポリエチレンがより多く残存し易く、優れた摺動特性を発揮することができる。
<改質工程>
プラズマ処理は、高周波電源を用い、N2プラズマ(ガス種:N2、He)やO2プラズマ(ガス種:O2、He)のグロープラズマを発生させることによって行う。
<組成物調製工程>
(バインダ樹脂)
バインダ樹脂は、固体潤滑剤を脱離し難くする固体潤滑剤の保持性、層状の被膜下で繰り返し作用するせん断力に対する耐久性(土台としての硬さ)、破壊されにくい耐摩耗性、耐熱性等を発揮する。バインダ樹脂としては、ポリイミド系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を採用できる。ポリイミド系樹脂としては、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド等を採用することができる。コスト及び特性を考慮すると、PAIをバインダ樹脂とすることが最適である。
(固体潤滑剤)
固体潤滑剤は、バインダ樹脂に保持され、最表面で低せん断力及び低摩擦係数を発揮する。固体潤滑剤としては、フッ素樹脂、二酸化モリブデン、グラファイト、超高分子量ポリエチレン等を採用可能である。フッ素樹脂及び超高分子量ポリエチレンは、摺動層の摺動面に被膜を形成し、かつ相手材へ移着することで滑り性を向上させる。二酸化モリブデン及びグラファイトは、低せん断力をもつ結晶構造により滑り性を向上させ、かつ高荷重で低摩擦を実現する。発明者らの実験結果によれば、フッ素樹脂は、耐摩耗性、耐焼き付き性等の摺動特性を有しているものの、撥油特性を有しており、潤滑油の接触角が比較的大きい。一方、超高分子量ポリエチレンは、摺動特性ではフッ素樹脂より劣るものの、親油特性を有しており、潤滑油の接触角が比較的小さい。また、固体潤滑剤として、超高分子量ポリエチレン、メラミンシアヌレート(MCA)やフッ化カルシウム、銅及び錫などの軟質金属を採用することができる。
超高分子量ポリエチレンは、平均分子量が100万〜700万個であることが好ましい。超高分子量ポリエチレンは、バインダ樹脂100体積%に対し、5〜100体積%の範囲で含まれていることが好ましく、15〜60体積%の範囲で含まれていることがより好ましい。超高分子量ポリエチレンの添加量が少ないと添加効果が低減し、多いとバインダ樹脂による補足が低減し、粒子の脱落が生じて摺動層の摺動特性が低減する。
超高分子量ポリエチレンの比重は0.92〜0.96であることが好ましい。超高分子量ポリエチレンは、表面平滑性及び耐摩耗性の点から、粒子径が30μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。
(添加剤等)
摺動層は、バインダ樹脂及び固体潤滑剤の他、添加剤を有し得る。添加剤としては、二酸化チタン、第3リン酸カルシウム、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の硬質粒子のように、摺動層の硬さを向上させるものを採用することができる。
摺動層は、ZnS、Ag2S等の硫黄含有金属化合物を極圧剤として含有し得る。また、摺動層は、界面活性剤、カップリング剤、加工安定剤、酸化防止剤等を有し得る。潤滑剤は炭化水素油を含むことが好ましい。
<摺動層形成工程>
摺動層形成工程としては、スプレーコート、ロールコート等の塗装方法の種類により、任意にn−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、キシレン等の溶剤で摺動層用組成物を希釈し、粘度調整及び固形分の濃度調整を行うことが可能である。母材に摺動層用組成物の希釈物をコーティングした後、乾燥、焼成を行い、摺動層を形成することが可能である。
<表面処理工程>
シランカップリング処理に用いるシランカップリング剤としては、アミノ系等の反応性基を有するものを採用することが好ましい。シランカップリング処理は、シランカップリング剤の原液を用いてもよく、その原液を水やアルコール水溶液等の溶媒に溶かした溶液を用いてもよい。シランカップリング処理は、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等に改質された粒子状の超高分子量ポリエチレンを入れて攪拌し、攪拌中にシランカップリング剤の原液又は溶液を滴下又はスプレー噴霧をし、さらに攪拌後、乾燥等を行うことによって行うことができる。シランカップリング処理の有無もXPSによって確認可能である。
以下、本発明を具体化した実施例1〜5と比較例とを説明する。まず、以下の材料を準備した。
バインダ樹脂:ポリアミドイミド樹脂ワニス
固体潤滑剤:粒子状の超高分子量ポリエチレン(UHPE粒子)(平均粒子径10μm)、MoS2、グラファイト
シランカップリング剤:アミノ系エトキシシラン(標準)、アミノ系エトキシシラン(反応性)
改質工程として、表1の条件でUHPE粒子にプラズマ処理を行い、No.1〜5のUHPE粒子とした。No.6のUHPE粒子は改質工程を行わなかったものである。
また、No.2〜5のUHPE粒子については、改質工程後、表面処理工程として、表1の条件でシランカップリング処理を施した。シランカップリング処理は以下の順序で行った。
まず、水が10質量%、メチルアルコールが90質量%のアルコール水溶液を用意し、各UHPE粒子に対して1重量%の各シランカップリング剤の原液をアルコール水溶液に添加し、これを攪拌してシランカップリング剤溶液とした。
ヘンシェルミキサーにNo.2〜5のUHPE粒子を入れて攪拌し、攪拌中にシランカップリング剤溶液を数十分かけて滴下し、さらに10分間攪拌した。この後、各UHPE粒子を取り出し、100〜150°Cで30〜90分間乾燥した。凝集した各UHPE粒子はボールミルによって粉砕した。こうして、シランカップリング処理を施したNo.2〜5のUHPE粒子を得た。No.1のUHPE粒子は表面処理工程を行わなかったものである。
組成物調製工程として、表2に示す配合割合でバインダ樹脂と各固体潤滑剤とを配合し、よく撹拌した後、3本ロールミルを通し、実施例1〜5及び比較例の摺動層用組成物を調製した。固体潤滑剤は、No.1〜6のいずれかのUHPE粒子と、MoS2と、グラファイトとからなる。
以下の摺動層形成工程を行った。まず、各摺動層用組成物を溶剤によって希釈して希釈物とし、鋼材からなる母材上に各希釈物をコーティングした後、乾燥を行い、220°C×1.5時間で焼成を行った。この後、膜厚を同じにするために表面研削を行い、膜厚25μmの摺動層を形成した。こうして、実施例1〜5及び比較例の各摺動部材を得た。
各摺動部材を以下の試験1〜3に供した。
<試験1(ピンオンディスク往復試験)>
図6に示すように、上面を加熱可能なプレート1上に各摺動部材10を載置する。この状態において、各摺動部材10は、摺動面10aが上面とされている。摺動面10a上において、SUJ2製であり、先端の曲率が10Rのピン2を荷重350gf、往復距離20mm、速度2Hz、往復回数3500回の条件で往復動させる。この際、炭化水素油を含む潤滑剤3を摺動面10a上に滴下する。
試験1後の実施例1〜5及び比較例の各摺動部材10の摺動面10aの表面におけるUHPE粒子の残存状態をSEM画像により確認した。実施例1の摺動部材において、試験1の摺動層における500倍のSEM画像写真を図7に示す。実施例2の摺動部材において、試験1の摺動層における500倍のSEM画像写真を図8に示す。実施例3の摺動部材において、試験1の摺動層における500倍のSEM画像写真を図9に示す。実施例4の摺動部材において、試験1の摺動層における500倍のSEM画像写真を図10に示す。実施例5の摺動部材において、試験1の摺動層における500倍のSEM画像写真を図11に示す。比較例の摺動部材において、試験1の摺動層における500倍のSEM画像写真を図12に示す。これらのSEM画像写真から、UHPE粒子が十分に残存しておれば「○」を付し、UHPE粒子が脱落しておれば「×」を付し、表3に結果をして示した。
<試験2(ピンオンディスク往復試験)>
試験1の荷重条件を350gfとし、試験1と同様に試験を行った。試験2後の実施例1〜5及び比較例の各摺動部材10の摺動面10aの摩耗深さ(μm)を確認した。この結果も表3に示す。
<試験3(斜板×シュー試験)>
図13に示すように、母材20を圧縮機の斜板形状のものとし、上記と同様、各母材20に摺動層20aを形成し、斜板を得た。一方、保持具4にSUJ2製のシュー5を保持した。そして、斜板の表面に冷凍機油を25g/分の量で付着させながら滑り速度7m/秒で斜板を回転させるとともに、斜板とシュー5との間に5分毎に荷重400Nを加重し、斜板とシュー5との焼付く荷重(N)を調べた。この結果も表3に示す。
表3からわかるように、実施例1〜5の摺動部材は比較例の摺動部材よりも耐摩耗性に優れている。特に、実施例2〜5の摺動部材はより優れた耐摩耗性を発揮している。
ここで、図7〜11と、図12とを比較すれば、比較例の摺動部材では、実施例1〜5の摺動部材と比較し、脱落痕が明確に見てとれる。これは、比較例の摺動部材では、摩擦熱によって表面がUHPE粒子の融点以上の高温となり、UHPE粒子が脱落したことを示している。これに対し、実施例1〜5の摺動部材では、脱落痕をほとんど確認することができない。
したがって、実施例1〜5の摺動部材では、相手材との摺動時に固体潤滑剤としてのUHPE粒子がバインダ樹脂から脱落し難いことがわかる。この理由は、摺動層における固体潤滑剤のUHPE粒子がプラズマ処理によって表面が改質されたものだからである。
特に、実施例2〜5の摺動部材では、相手材との摺動時に固体潤滑剤としてのUHPE粒子がバインダ樹脂から脱落し難い。この理由は、改質されたUHPE粒子にさらにシランカップリング処理を施しているからである。
したがって、実施例1〜5の摺動部材では、摺動層の表面に固体潤滑剤がより多く残存し易く、優れた摺動特性を発揮できることがわかる。このため、これらの摺動部材を圧縮機の斜板等に採用すれば、より優れた圧縮機が得られることがわかる。
以上において、本発明を実施例1〜5に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜5に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、本発明において、母材と摺動層との密着性を高めるため、母材に対してアルカリ等を接触させる脱脂工程を行うことが可能である。また、母材と摺動層との密着性をさらに高めるため、脱脂工程後、リン酸亜鉛、リン酸マンガン等のリン酸塩からなる下地層を形成することも可能である。
本発明は種々の摺動部材に利用可能であるが、特に、摩擦熱等によって高温になる圧縮機の斜板、ピストン、滑り軸受け等に利用すると好適である。
2、5…相手材(5…シュー)
10…摺動部材
20…母材
10a、20a…摺動層

Claims (5)

  1. 潤滑剤の存在下で相手材と摺動する摺動部材を製造するための摺動部材の製造方法であって、
    粒子状の超高分子量ポリエチレンにプラズマ処理を行い、前記超高分子量ポリエチレンの表面の改質を行う改質工程と、
    前記改質工程により改質された前記超高分子量ポリエチレンを含む固体潤滑剤と、バインダ樹脂とを含有する摺動層用組成物を調製する組成物調製工程と、
    母材上に前記摺動層用組成物を設けて前記相手材と摺動する摺動層を形成し、摺動部材を得る摺動層形成工程とを備えていることを特徴とする摺動部材の製造方法。
  2. 前記プラズマ処理は、ガス種が酸素及びヘリウムである請求項1記載の摺動部材の製造方法。
  3. 前記プラズマ処理は、ガス種が窒素及びヘリウムである請求項1記載の摺動部材の製造方法。
  4. 前記改質工程後、前記組成物調製工程前に、前記超高分子量ポリエチレンにシランカップリング処理を施す表面処理工程を実行する請求項2又は3記載の摺動部材の製造方法。
  5. 母材と、前記母材上に形成され、バインダ樹脂と固体潤滑剤とを含有する摺動層とを備え、前記摺動層が潤滑剤の存在下で相手材と摺動する摺動部材であって、
    前記固体潤滑剤は、粒子状をなし、側鎖又は末端に、OH基又はNH2基が形成された超高分子量ポリエチレンを含むことを特徴とする摺動部材。
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