JP2019034893A - アンモニア性窒素含有排水の消毒方法及び消毒剤 - Google Patents

アンモニア性窒素含有排水の消毒方法及び消毒剤 Download PDF

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Abstract

【課題】アンモニア性窒素を含む排水中の大腸菌及び大腸菌群の殺菌処理を確実、簡易、且つ経済的に行う方法を提供する。【解決手段】アンモニア性窒素を含有する排水に、水中で次亜塩素酸イオン(OCl−)を発生する薬剤(A)と、水中で臭化物イオン(Br−)を発生する薬剤(B)と、を添加して前記排水中の大腸菌及び大腸菌群を殺菌するアンモニア性窒素含有排水の消毒方法であって、前記薬剤(A)中Clと、前記薬剤(B)中Brとのモル比がBr/Cl<1.0となる量で前記薬剤(A)及び前記薬剤(B)を前記排水に添加することを特徴とする方法。【選択図】なし

Description

本発明は、アンモニア性窒素含有排水の消毒方法及び消毒剤に関し、特に、下水処理場、ポンプ場、雨水吐き口から公共用水域に放流されるアンモニア性窒素を含む排水中の大腸菌又は大腸菌群を殺菌処理する消毒方法及び消毒剤に関する。
下水処理場は、家庭や工場から排出される汚水等を無害化して公共用水域に放流するための施設であるが、設計値を上回る降雨があった場合には、中継基地であるポンプ場や雨水吐き口から、雨水の混ざった汚水(以下、雨天時下水という)が、数十秒から数分で、十分に処理されない状態で公共用水域に放流される。この場合、粗大浮遊物やSS(suspended substance:浮遊物質)が公共用水域に放流されるために、美観上問題となる場合があるばかりか、水質汚濁防止法に定める放流基準値(3000CFU/mL以下)を大幅に上回る大腸菌群や大腸菌が検出される場合がある。
下水処理場においても、流入下水が処理能力を大幅に上回る場合には、一部の雨天時下水を簡易処理し放流する場合がある。この場合、細菌の殺菌が十分に実施されないため、水質汚濁防止法に定める放流基準値(3000CFU/mL以下)を大幅に上回る大腸菌群や大腸菌が検出される場合がある。これらは、特に合流式下水道にみられる現象であるが、分流式下水道においても、土壌性大腸菌群や粗大浮遊物が流入するため、それらが越流して公共水域に放流された場合には、合流式下水道と同様の問題が生じていた。
下水処理場での消毒は、「下水道施設計画・設計指針と解説」(日本下水道協会発行、2009年版)によれば、次亜塩素酸ナトリウム、液化塩素、塩素化イソシアヌル酸、次亜塩素酸カルシウムなどの塩素剤を用い、それらを混和池で、15分以上、下水と接触させることによって大腸菌群を消毒する方法が示されている。また、「下水道施設計画・設計指針と解説」には、オゾンや紫外線による消毒についても記載されている。更に、数万mの貯留池を設けて雨天時下水を一時貯留し、貯留量以上の降雨量によって越流が起こった場合には、上記の塩素系消毒剤を用いて消毒を行う方法も提案されている。
しかし、塩素系消毒剤は、雨天時下水のように降雨強度が大きく短時間で公共用水域に放流される場合には排水との接触時間が短いため殺菌作用が十分に発揮されないこと、及びアンモニア性窒素含有量が多い排水においては、塩素とアンモニア性窒素とが反応してクロラミンを形成しやすく、殺菌作用が低減することから、水質汚濁防止法で定める基準値以下に大腸菌群数を減少させることができないという問題、及び、クロラミンが公共用水域に結合性塩素として長時間残留して環境に悪影響を与えるという問題などがある。そのため、たとえば、次亜塩素酸ナトリウムに対して臭化ナトリウムを等モル以上添加して形成される次亜臭素酸若しくは次亜臭素酸塩の溶液を排水に添加する消毒方法(特許文献1)、(A)次亜塩素酸ナトリウム又は1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、(B)臭化ナトリウム又は臭化カリウム、及び(C)L−アスコルビン酸、グリコール酸又はグリオキシル酸を(A)次亜塩素酸:(B)臭化物イオン=1:1〜1:5(モル比)及び(A)次亜塩素酸:(C)=1:0.05〜1:1(モル比)となる量で含む消毒水を排水に添加する消毒方法(特許文献2)、次亜塩素酸、臭化物及び5,5−ジメチルヒダントインを1:(0.2〜3):(0.2〜0.9)(モル比)で用い、次亜塩素酸類と5,5−ジメチルヒダントインとの反応により残存した次亜塩素酸類に対応して臭化物を混合して形成される次亜臭素酸及びN−モノクロロ−5,5−ジメチルヒダントインを含む水溶液である殺微生物剤(特許文献3)など次亜臭素酸を用いる方法が提案されている。
特開2003−12425号公報 特許4398161号公報 特開2009−226409号公報
従来提案されている次亜臭素酸を用いる方法であっても、アンモニア性窒素を含む排水の殺菌効果が不十分で、大腸菌群の放流基準値3000CFU/mL以下に処理できないことや、大腸菌を十分に殺菌できないことがあった。
本発明は、アンモニア性窒素を含む排水中の大腸菌及び大腸菌群の殺菌処理を確実、簡易、且つ経済的に行う方法を提供することを目的とする。
大腸菌とはEsherichia coliであり、大腸菌群とはEsherichia coli以外にCitrobacter属、Enterobacter属、Klebsiella属などを含む。大腸菌群は糞便汚染の指標であり、腸管系病原菌(チフス菌、赤痢菌等)に対する安全性を確認するための検査項目である。本発明者らは、反応して次亜臭素酸塩を生成する2種以上の薬剤を組み合わせて各薬剤の添加量を調整することにより、従来の大腸菌群のみを指標とする殺菌作用ばかりでなく、大腸菌も指標とする殺菌作用が発揮されることを確認し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば下記実施態様のアンモニア性窒素含有排水中の大腸菌及び大腸菌群を殺菌処理するアンモニア性窒素含有排水の消毒方法及び消毒剤が提供される。
[1]アンモニア性窒素を含有する排水に、水中で次亜塩素酸イオン(OCl)を発生する薬剤(A)と、水中で臭化物イオン(Br)を発生する薬剤(B)と、を添加して前記排水中の大腸菌及び大腸菌群を殺菌するアンモニア性窒素含有排水の消毒方法であって、前記薬剤(A)中Clと、前記薬剤(B)中Brとのモル比がBr/Cl<1.0となる量で前記薬剤(A)及び前記薬剤(B)を前記排水に添加することを特徴とする方法。
[2]前記薬剤(A)は、次亜塩素酸塩、ジクロロイソシアヌル酸またはその塩、トリクロロイソシアヌル酸またはその塩、及び次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)から選択される1種以上を含み、前記薬剤(B)は、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、及び臭化カルシウムから選ばれる1種以上を含む、ことを特徴とする[1]に記載の方法。
[3]前記薬剤(A)及び前記薬剤(B)は、前記排水に添加する前には反応させないことを特徴とする[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記薬剤(A)及び前記薬剤(B)は、固体として前記排水に添加される、ことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1に記載の方法。
[5]前記薬剤(A)及び前記薬剤(B)は、それぞれ別個の溶液として前記排水に添加される、ことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1に記載の方法。
[6]アンモニア性窒素を含有する排水中の大腸菌又は大腸菌群を殺菌するアンモニア性窒素含有排水用消毒剤であって、次亜塩素酸塩、ジクロロイソシアヌル酸またはその塩、トリクロロイソシアヌル酸またはその塩、及び次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)から選択される1種以上の薬剤(A)、及び臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、及び臭化カルシウムから選ばれる1種以上の薬剤(B)を、前記薬剤(A)中Clと、前記薬剤(B)中Brとのモル比がBr/Cl<1.0となる量で組み合わせることを特徴とするアンモニア性窒素含有排水用消毒剤。
本発明によれば、従来提案されている次亜塩素酸塩に対して等モル以上の臭化物を添加して形成する消毒剤及び殺菌方法や、有機酸又はヒダントインなどの第3成分を添加する殺菌剤及び殺菌方法と比較して短時間でより優れた大腸菌群や大腸菌に対する殺菌効果を発揮することができ、かつ経済的である、アンモニア性窒素含有排水中の大腸菌及び大腸菌群を殺菌処理する消毒方法及び消毒剤が提供される。
本発明の消毒方法を下水処理場に適用する場合の処理フローを示す説明図である。 本発明の消毒方法を雨水ポンプ所に適用する場合の処理フローを示す説明図である。 試験水Aの大腸菌数及び大腸菌群数と薬剤添加比率との関係を示すグラフである。 試験水Aの大腸菌及び大腸菌群の殺菌率と薬剤添加比率との関係を示すグラフである。 試験水Bの大腸菌数及び大腸菌群数と薬剤添加比率との関係を示すグラフである。 試験水Bの大腸菌及び大腸菌群の殺菌率と薬剤添加比率との関係を示すグラフである。 試験水Cの大腸菌数及び大腸菌群数と薬剤添加比率との関係を示すグラフである。 試験水Cの大腸菌及び大腸菌群の殺菌率と薬剤添加比率との関係を示すグラフである。 試験水Dの大腸菌数及び大腸菌群数と薬剤添加比率との関係を示すグラフである。 試験水Dの大腸菌及び大腸菌群の殺菌率と薬剤添加比率との関係を示すグラフである。 試験水Eの大腸菌数及び大腸菌群数と薬剤添加比率との関係を示すグラフである。 試験水Eの大腸菌及び大腸菌群の殺菌率と薬剤添加比率との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
本発明は、アンモニア性窒素を含有する排水に、水中で次亜塩素酸イオン(OCl)を発生する薬剤(A)と、水中で臭化物イオン(Br)を発生する薬剤(B)と、を添加してアンモニア性窒素含有排水中の大腸菌又は大腸菌群を殺菌処理する消毒方法及び消毒剤を提供する。
従来の方法は、次亜塩素酸塩1モルに対して金属臭化塩1モル以上を混合して形成される次亜臭素酸塩溶液を排水に添加するが、本発明は、水中で次亜塩素酸イオン(OCl)を発生する薬剤(A)中Clと、水中で臭化物イオン(Br)を発生する薬剤(B)中Brとのモル比がBr/Clが1.0未満、好ましくは0.5以下、0.2以上となる量で前記薬剤(A)及び前記薬剤(B)をアンモニア性窒素含有排水に添加することを特徴とする。Br/Clが1.0以上の場合、大腸菌及び大腸菌群の殺菌効果の顕著な向上は認められず、高価な薬剤(B)の使用量が増大することになり、経済的ではない。
前記薬剤(A)は、次亜塩素酸塩、ジクロロイソシアヌル酸またはその塩、トリクロロイソシアヌル酸またはその塩、及び次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)から選択される1種以上を含み、前記薬剤(B)は、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、及び臭化カルシウムから選ばれる1種以上を含むことが好ましく、任意の薬剤(A)と薬剤(B)の組合せを用いることができる。薬剤(A)の塩としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、トリクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸カリウムなどを好適に用いることができる。薬剤(A)と薬剤(B)との組合せは、次亜塩素酸ナトリウムと臭化ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)と臭化ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと臭化ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと臭化カリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと臭化カルシウムなどを好適に用いることができる。
従来の次亜臭素酸塩溶液を排水に添加する態様とは異なり、前記薬剤(A)及び前記薬剤(B)は、前記排水に添加された後に反応するように、薬剤(A)及び(B)それぞれ別個の溶液又は固体として、あるいは薬剤(A)及び(B)の固体混合物として、前記排水に添加することが好ましい。薬剤(A)及び薬剤(B)を別個に、特に固体のまま、排水に添加することにより、排水の水質に応じたBr/Clモル比の制御が容易である。このため、それほど大量ではない降雨が長期間にわたり続き、雨水量が多くなり下水が希釈された場合や、降雨量が少なくなり下水の滞留時間が長くなる場合など、経時的に変化する状況であっても、薬剤(A)及び薬剤(B)の添加量を個別に制御し、好適なモル比で供給することができる。一方、排水に添加する前に薬剤(A)及び薬剤(B)が反応すると、特に液体の場合、次亜臭素酸塩及び次亜塩素酸塩などが形成され、排水に添加する前に形成された次亜臭素酸塩及び次亜塩素酸塩が分解し殺菌効果が低下するおそれがある。固体では前記のような反応や分解は起こり難いという利点があるが、特に高湿度条件では固体薬剤の凝固や分解などの反応が進行し、殺菌効果や粉体流動性が低下する場合があり、薬剤(A)及び薬剤(B)を所定比率で供給することができなくなるおそれがある。しかし、固体は液体の場合より、薬剤(A)及び薬剤(B)を所定比率で供給することができなくなるリスクが低い。
前記薬剤(A)及び前記薬剤(B)は固体として前記排水に添加されることが好ましい。先行技術文献に開示されているような2種類の薬剤をあらかじめ混合して調製した溶液を排水に添加する場合には、溶解装置、溶液貯留槽、溶液注入装置など付属装置が多くなるため設備全体が大型化し、装置構成が複雑になり、輸送及び管理コストが増大するが、薬剤(A)及び薬剤(B)を固体のまま直接排水に添加することにより、溶液を添加する場合に必要となる設備やコストが不要となる。
図1に、本発明の消毒方法を下水処理場に適用する場合の処理フローを示す。図中「○」はバルブを示す。通常の下水処理場では、排水は第一沈殿池、曝気槽、第二沈殿池により処理された後、河川に放流される。大量の雨水が流入する場合には、曝気槽及び第二沈殿池における処理能力を超えるため、第一沈殿池における処理の後、雨天時簡易放流水として河川に放流される。本発明の消毒方法は、この雨天時簡易放流水に、薬剤(A)及び薬剤(B)を好ましくは固体のまま、個別に添加する。薬剤(A)と薬剤(B)の添加量は、薬剤(A)中Clと薬剤(B)中Brのモル比:Br/Clが1.0未満、好ましくはBr/Clが0.5以下、0.2以上とする。河川への放流の前に、雨天時簡易放流水の残留ハロゲン濃度を測定し、残留ハロゲン濃度が高い場合には薬剤(A)及び(B)の全注入量を減らすことが好ましい。
図2に、本発明の消毒方法を雨水ポンプ所に適用する場合の処理フローを示す。図中「○」はバルブを示す。通常の雨水ポンプ所では、雨水は、沈砂池及びポンプ井にて処理された後、河川に放流される。本発明の消毒方法は、沈砂池に、薬剤(A)及び薬剤(B)を好ましくは固体のまま、個別に添加する。薬剤(A)と薬剤(B)の添加量は、薬剤(A)中Clと薬剤(B)中Brのモル比:Br/Clが1.0未満、好ましくはBr/Clが0.5以下、0.2以上とする。河川への放流の前に、雨水処理放流水の残留ハロゲン濃度を測定し、残留ハロゲン濃度が高い場合には薬剤(A)及び(B)の全注入量を減らすことが好ましい。
図1及び2において、Cl供給機からの薬剤(A)及びBr供給機からの(B)の注入量は、演算子によって制御する。演算子は、降雨量、降雨時間、雨天時簡易放流開始時間又は雨水ポンプ運転開始時間などの外部因子からの信号を受けて、薬剤(A)及び(B)の注入量を所定比率となるように制御することが好ましい。薬剤(A)及び(B)は固体のまま投入されることが好ましく、例えば特開2004−18013号公報に開示されている粉体供給設備などを用いて投入することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1に示すアンモニア性窒素を含む試験水A〜E各1Lをそれぞれビーカーに採取し、ジャーテスターにセットして120rpmで撹拌しながら、表2に示す種類及び比率で薬剤(A)及び(B)を添加し、3分後に撹拌を停止して試験水を100ml採取した。採取後速やかに、試験水の一部を遊離残留塩素濃度及び全残留塩素濃度の分析に供し、試験水の一部をチオ硫酸ナトリウム入り滅菌瓶に採取した。滅菌瓶に採取した試験水を用いて大腸菌数(クロモアガーECC培地、平板培養法)及び大腸菌群数(デソキシコール酸塩培地、平板培養法)の測定を行った。結果を表2に示す。
用いた薬剤は以下のとおりである。
薬剤(A)
・ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム
ネオクロール・60(四国化成製、有効塩素含有量64.48%、白色結晶性固体)
・さらし粉
高度さらし粉(日本ソーダ工業会規格JSIA07-1-1998 I種、有効塩素70%以上)
・次亜塩素酸ナトリウム
次亜塩素酸ソーダ試薬(和光純薬工業 試薬特級 有効塩素12%)
・トリクロロイソシアヌル酸
ネオクロール・90(四国化成製、有効塩素含有量90%、白色結晶性固体)
薬剤(B)
・臭化ナトリウム(和光純薬工業 試薬特級)
・臭化アンモニウム(和光純薬工業 試薬特級)
・臭化カルシウム(和光純薬工業 試薬特級)
・臭化カリウム(和光純薬工業 試薬特級)
排水に対して、薬剤(A)を3mg/L(as Cl2)又は4mg/L(as Cl2)、薬剤(B)中のBrが薬剤(A)中のClに対して0.2〜2倍(モル比)となるように、薬剤(A)及び薬剤(B)をそれぞれ固体のまま別個に添加した。薬剤(A)のみを用いる比較例1、3、7、8、10、11は、大腸菌群数が4,300CFU/mL以上と放流基準値(3,000CFU/mL以下)を大幅に超えている。薬剤(B)中のBrが薬剤(A)中のClに対して1倍(モル比)以上の比較例2、4、5、6、9は大腸菌群数が低下するものの、やはり放流基準値(3,000CFU/mL以下)を満たさなかった。また、薬剤(A)及び(B)にさらに5,5−ジメチルヒダントインを添加した比較例12は、大腸菌数は減少したものの、大腸菌群数は10,200CFU/mLと非常に高く、放流基準値(3,000CFU/mL以下)を満たさなかった。薬剤(A)及び薬剤(B)から生成される次亜臭素酸塩及び次亜塩素酸塩が5,5−ジメチルヒダントインと反応し、5,5−ジメチルヒダントインの塩素化物及び臭素化物が生成され、酸化活性が弱まることに起因すると推察される。一方、薬剤(A)を4mg/L(as Cl2)、薬剤(B)中のBrが薬剤(A)中のClに対して1倍(モル比)未満である実施例1〜8、及び薬剤(A)を3mg/L(as Cl2)、薬剤(B)中のBrが薬剤(A)中のClに対して1倍(モル比)未満である実施例9〜10は、大腸菌及び大腸菌群に対する殺菌効果が高く、放流基準値(3,000CFU/mL以下)を満たすことが確認できた。
次に、表1に示す5種類の試験水に対して、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム及び臭化ナトリウムのモル比を表3に示すように変えてそれぞれ固体のまま別個に添加し、消毒効果を比較した。結果を表3及び図3〜12に示す。図3〜12から明らかなように、薬剤(B)中のBrが薬剤(A)中のClに対して1.0倍(モル比)以上では大腸菌数及び大腸菌群数ともに増加する傾向が見られ、大腸菌及び大腸菌群の殺菌率が低下する傾向が見られる。

Claims (6)

  1. アンモニア性窒素を含有する排水に、水中で次亜塩素酸イオン(OCl)を発生する薬剤(A)と、水中で臭化物イオン(Br)を発生する薬剤(B)と、を添加して前記排水中の大腸菌及び大腸菌群を殺菌するアンモニア性窒素含有排水の消毒方法であって、前記薬剤(A)中Clと、前記薬剤(B)中Brとのモル比がBr/Cl<1.0となる量で前記薬剤(A)及び前記薬剤(B)を前記排水に添加することを特徴とする方法。
  2. 前記薬剤(A)は、次亜塩素酸塩、ジクロロイソシアヌル酸またはその塩、トリクロロイソシアヌル酸またはその塩、及び次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)から選択される1種以上を含み、
    前記薬剤(B)は、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、及び臭化カルシウムから選ばれる1種以上を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記薬剤(A)及び前記薬剤(B)は、前記排水に添加する前には反応させないことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記薬剤(A)及び前記薬剤(B)は、固体として前記排水に添加される、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の方法。
  5. 前記薬剤(A)及び前記薬剤(B)は、それぞれ別個の溶液として前記排水に添加される、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の方法。
  6. アンモニア性窒素を含有する排水中の大腸菌又は大腸菌群を殺菌するアンモニア性窒素含有排水用消毒剤であって、
    次亜塩素酸塩、ジクロロイソシアヌル酸またはその塩、トリクロロイソシアヌル酸またはその塩、及び次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)から選択される1種以上の薬剤(A)、及び臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、及び臭化カルシウムから選ばれる1種以上の薬剤(B)を、前記薬剤(A)中Clと、前記薬剤(B)中Brとのモル比がBr/Cl<1.0となる量で組み合わせることを特徴とするアンモニア性窒素含有排水用消毒剤。
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