JP2019033810A - 歯科用x線撮影装置 - Google Patents

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新井 嘉則
Yoshinori Arai
嘉則 新井
英基 吉川
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英基 吉川
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【課題】歯科用X線撮影装置において、陰影障害の発生しにくい撮影角度を得られるようにする。【解決手段】撮影対象領域OLに対するX線細隙ビームBの照射位置及び角度が変更されるように、撮像部昇降機構がX線発生器10を歯列の並ぶ方向と交差する方向に互いに反対方向に昇降させると同時にビーム成形機構22がX線細隙ビームBの角度を変更することで、撮像機構3が撮影対象領域OLの断層撮影を行う。【選択図】図11

Description

本発明は、歯科用X線撮影装置に関する。
歯の隣接面のう蝕診断等を行う際の歯科用口内法X線撮影法の一つに「バイトウィング撮影」(咬翼法)がある。この撮影法はデンタルX線撮影装置を用いて重複画像による診断困難な部位が生じないように上顎と下顎の歯に空隙を持たせるようにX線透過部材を患者に噛ませ、歯に照射X線を直交するようにX線照射する単純X線透過撮影で行っている。
特開平9−108211号公報 特許第3149268号公報
上記のバイトウィング撮影を実現するための装置として、下記の例を紹介する。
特許文献1は、患者頭部を挟んでX線発生器とX線検出器を対向状態で保持して撮影対象の歯の平面断層画像を撮影するX線撮影装置を開示している。この装置では、X線発生器とX線検出器は、撮影中にわたって撮影対象の歯を透過するX線が常に歯に向けて投射角度を変えるようにX線照射する投射角度変更機構を搭載する。
一般に、X線撮影装置は防X線室に配置される。防X線室には、通常は初診時に全顎が一覧できるパノラマX線撮影装置(パノラマCT撮影装置も含む)が設置されることが多い。そのため、特許文献1に記載のX線撮影装置も防X線室に設置すると防X線室に設置される装置の台数が増えて狭くなり撮影しづらくなる。
特許文献2は、パノラマX線撮影装置に歯列に対して直交方向の平面断層撮影機能を搭載する兼用X線撮影装置を開示している。この装置では、平面断層撮影を行うに当り、X線発生器とX線検出器とを撮影対象の歯列を挟んで互いに反対方向に水平方向に移動させて撮影する機構を搭載する。
しかし、特許文献2の装置による平面断層撮影では、X線発生器とX線検出器は歯列の並ぶ方向に平行に移動するので、撮影対象領域としての歯以外の歯がX線の照射方向に重なる。例えば、右顎の歯が撮影対象領域である場合、左顎の歯がX線の照射方向に重なってしまう。このようにして陰影障害が発生してしまい、そのため画像の診断能が低くなる。
本発明の目的は、歯科用X線撮影装置において、陰影障害の発生しにくい撮影角度を得られるバイトウィング撮影装置を提供することにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る歯科用X線撮影装置は、固定された頭部の歯列弓に沿って広がる


断層面のうちの部分領域を撮影対象領域とするものであって、被写体固定部と、撮像部と、支持体と、撮像部昇降機構と、ビーム角度変更機構とを備えている。
被写体固定部は、被写体の頭部を固定する。
撮像部は、固定された頭部の歯列の並ぶ方向に伸延するX線細隙ビームを発生するX線発生器と、X線細隙ビームを受けるX線検出器とを有する。
支持体は、X線発生器とX線検出器とを被写体を挟んで対向させて配置する。
撮像部昇降機構は、撮像部を昇降駆動する。
ビーム角度変更機構は、X線発生器からのX線細隙ビームの角度を変更する。
撮影対象領域に対するX線細隙ビームの照射位置及び角度が変更されるように、撮像部昇降機構がX線発生器を歯列の並ぶ方向と交差する方向に互いに反対方向に昇降させると同時にビーム角度変更機構がX線細隙ビームの角度を変更することで、撮像部が撮影対象領域の断層撮影を行う。
この装置では、X線発生器を歯列の並ぶ方向と交差する方向に昇降させながら、X線細隙ビームを撮影対象領域に照射する。この場合、陰影障害の発生しにくい撮影角度が容易に得られる。つまり、目標とする歯以外の他の歯の映り込みが防止され、その結果、撮影画像の撮影能が高くなる。なお、「陰影障害」とは、X線画像データにおいて読影の障害となる陰影を落とす部位を意味する。
本発明の他の見地に係る歯科用X線撮影装置は、固定された頭部の歯列弓に沿って広がる断層面のうちの左顎又は右顎の部分領域を撮影対象領域とするものであって、被写体固定部と、撮像部と、支持体と、撮像部昇降機構と、ビーム角度変更機構とを備えている。
被写体固定部は、被写体の頭部を固定する。
撮像部は、固定された頭部の歯列の並ぶ方向に伸延するX線細隙ビームを発生するX線発生器とX線細隙ビームを受けるX線検出器からなる。
支持体は、X線発生器とX線検出器とを被写体を挟んで対向させて配置する。
撮像部昇降機構は、撮像部を昇降駆動する。
ビーム角度変更機構と、X線発生器からのX線細隙ビームの角度を変更する。
撮影対象領域に対するX線細隙ビームの照射位置及び角度が変更されるように、撮像部昇降機構がX線発生器を歯列の並ぶ方向と交差する方向に互いに反対方向に昇降させると同時にビーム角度変更機構がX線細隙ビームの角度を変更することで、撮像部が撮影対象領域の断層撮影を行う。
この装置では、X線発生器を歯列の並ぶ方向と交差する方向に昇降させながら、X線細隙ビームを、固定された頭部の歯列弓に沿って広がる断層面のうちの左顎又は右顎の部分領域に照射する。この場合、陰影障害の発生しにくい撮影角度が容易に得られる。つまり、目標とする歯以外の他の歯の映り込みが防止され、その結果、撮影画像の撮影能が高くなる。
本発明のさらに他の見地に係る歯科用X線撮影装置は、固定された頭部の歯列弓に沿って広がる断層面のうちの部分領域を撮影対象領域とするものであって、被写体固定部と、撮像部と、支持体と、撮像部昇降機構と、ビーム角度変更機構とを備えている。
被写体固定部は、被写体の頭部を固定する。
撮像部は、固定された頭部の歯列の並ぶ方向に伸延するX線細隙ビームを発生するX線発生器とX線細隙ビームを受けるX線検出器とを有する。
支持体は、X線発生器とX線検出器とを被写体を挟んで対向させて配置する。
撮像部昇降機構は、撮像部を昇降駆動する。
支持体駆動機構は、支持体を少なくとも旋回させて移動する。
操作部は、撮影対象領域が歯列弓のうちのいずれの領域であるか指定する設定操作を受け付ける。
ビーム角度変更機構は、X線発生器からのX線細隙ビームの角度を変更する。
操作部を通して撮影対象領域が左顎と右顎の一方に設定されたときに、支持体駆動機構が支持体を駆動して、X線発生器から発生したX線細隙ビームが左顎と右顎の他方から入射して撮影対象領域を透過してX線検出器で受光されるX線発生器とX線検出器の位置設定を行う。
撮影対象領域に対するX線細隙ビームの照射位置及び角度が変更されるように、撮像部昇降機構がX線発生器を歯列の並ぶ方向と交差する方向に互いに反対方向に昇降させると同時にビーム角度変更機構がX線細隙ビームの角度を変更しながら、撮像部が撮影対象領域の断層撮影を行う。
この装置では、X線発生器を歯列の並ぶ方向と交差する方向に昇降させながら、X線細隙ビームを、操作部によって指定されたX線発生器から離れた側の顎の歯に照射する。この場合、陰影障害の発生しにくい撮影角度が容易に得られる。つまり、X線発生器側の顎の歯の映り込みが防止され、その結果、撮影画像の撮影能が高くなる。
部分領域が被写体の歯列を含む平面断層であり、平面断層が撮影対象領域として設定され、撮像部が撮影対象領域の平面断層撮影を行ってもよい。なお、「平面断層撮影」とは、例えば、比較的狭い断層幅で特定の部位を選択的に撮影する方法である。
この装置では、撮影能が高い平面断層画像が得られる。
撮影対象領域が左顎と右顎の一方に設定されて、撮像部昇降機構がX線発生器の昇降を行って撮影対象領域へのX線細隙ビームの照射が行われる間、X線細隙ビームが左顎と右顎の他方に位置する上顎の歯よりも上の領域又は下顎の歯よりも下の領域から入射して撮影対象領域を透過する軌道上を移動してもよい。
この装置では、X線細隙ビームが、撮影対象領域に照射されるときに、撮影対象領域以外の顎の歯から確実に外れる。したがって、撮影能が高い平面断層画像が得られる。
撮影対象領域が左顎と右顎の一方に設定されて、撮像部昇降機構がX線発生器の昇降を行って撮影対象領域へのX線細隙ビームの照射が行われる間、X線細隙ビームが開口した被写体の左顎と右顎の他方に位置する上顎の歯と下顎の歯の間の領域から入射して撮影対象領域を透過する軌道上を移動してもよい。
この装置では、X線細隙ビームが、撮影対象領域に照射されるときに、撮影対象領域以外の顎の歯から確実に外れる。したがって、撮影能が高い平面断層画像が得られる。
ビーム角度変更機構は、X線発生器で発生するX線を規制して一部の通過を許容する開口を形成する遮蔽部を有してもよい。
遮蔽部が開口の位置をX線発生器に対して昇降させるよう構成されてもよい。
遮蔽部によってX線発生器から発生するX線を水平方向に横長の細隙ビームになるように規制してX線細隙ビームを形成してもよい。
撮像部昇降機構によってX線発生器を昇降させると共に、ビーム角度変更機構がX線発生器に対する開口の位置を遮蔽部によってX線発生器の昇降方向と反対方向に昇降させることで、横長のX線細隙ビームが平面断層を上下に走査して平面断層撮影を行ってもよい。
この装置では、簡単な構造でX線細隙ビームの照射角度を変更できる。
X線検出器が水平方向と垂直方向に二次元の広がりを有する検出面を備えていてもよい。
平面断層撮影の間、遮蔽部が開口の位置をX線発生器に対してX線発生器の昇降の進行方向と反対方向に昇降させるときに、検出面においてX線細隙ビームが受光される位置がX線発生器の昇降の進行方向と反対方向に変位していてもよい。
この装置では、X線検出器の昇降動作を無くす又は減らすことができるので、X線検出器の構造及び制御が簡単になる。
撮像部昇降機構が、平面断層撮影の間、少なくとも一部の期間にX線検出器をX線発生器の昇降の進行方向と反対方向に変位させてもよい。
この装置では、X線検出器の構造に合わせてX線検出器を移動制御することで、X線検出が適切に行われる。
歯科用X線撮影装置は、被写体固定部を昇降駆動する被写体駆動機構をさらに備えていてもよい。
支持体に対して被写体固定部を被写体駆動機構によって昇降可能に接続していてもよい。
撮像部昇降機構が支持体を昇降させるよう構成されていてもよい。
断層撮影の間、撮像部昇降機構によって支持体を昇降させるのと同期して被写体駆動機構によって被写体を支持体の昇降方向と反対方向に昇降させることにより被写体固定部の高さを一定に保ちながら支持体を被写体固定部に対して相対的に昇降させてもよい。
この装置では、被写体固定部の高さが一定に保たれるので、被写体は断層撮影中に姿勢が不安定になることがない。
遮蔽部がX線発生器で発生するX線を垂直方向に縦長の細隙ビームになるように規制して縦長X線細隙ビームを形成し、縦長X線細隙ビームによってパノラマ撮影を行ってもよい。
この装置では、上記の断層撮影機能とパノラマX線撮影機能(パノラマCT撮影機能も含む)が1台の装置で実現できるので、防X線室内のスペースが狭くならない。
遮蔽部がX線発生器で発生するX線を水平方向と垂直方向に広がりを有する錘状ビームになるように規制してX線コーンビームを形成し、X線コーンビームによってCT撮影を行ってもよい。
この装置では、上記の断層撮影機能とCT撮影機能が1台の装置で実現できるので、防X線室内のスペースが狭くならない。
支持体がX線発生器とX線検出器を軸周りに旋回させる旋回軸を備えていてもよい。
撮像部昇降機構が旋回軸を軸方向に交差する方向に二次元移動させる旋回軸水平駆動機構と、支持体を旋回軸の軸周りに旋回駆動する旋回駆動機構とを有していてもよい。
旋回軸水平駆動機構が旋回軸の位置を定め、旋回駆動機構が支持体の旋回の角度を定めて、X線細隙ビームが左顎と右顎の他方から入射して撮影対象領域を透過するX線発生器とX線検出器の配置を行ってもよい。
この装置では、X線発生器とX線検出器の配置が容易かつ正確である。
X線発生器が撮像部昇降機構によって昇降する際、X線検出器に向けてX線細隙ビームを照射するように、ビーム角度変更機構がX線発生器を支持体に対して回動させてもよい。
この装置では、簡単な構造でX細隙ビームの照射角度を変更できる。
本発明に係る歯科用X線撮影装置では、X線発生器とX線検出器とを撮影対象の歯列に沿った平面断層を挟んで互いに反対方向になるように垂直方向に移動させることで、陰影障害の発生しにくい撮影角度が得られるバイトウィング撮影装置が実現される。したがって、撮影能が高い断層画像が得られる。
第1実施形態のX線撮影装置の概略側面図。 X線撮影装置の斜視図。 X線撮影装置の斜視図。 上部フレームの昇降構造の説明図。 上部フレームをその内部構造と共に示す部分断面図。 旋回アーム及び上部フレームをその内部構造と共に示す部分断面図。 ビーム成形機構の概略斜視図。 垂直移動断層撮影の原理を示す模式図。 X線撮影装置の制御構成を示すブロック図。 X線撮影装置の制御フローチャート。 第1実施形態の撮影動作を示す模式図。 図11の部分拡大図。 第1実施形態の垂直移動断層撮影のフローチャート。 第1実施形態の変形例の撮影動作を示す模式図。 図14の部分拡大図。 第2実施形態の撮影動作を示す模式図。 第2実施形態の垂直移動断層撮影のフローチャート。 第3実施形態の撮影動作を示す模式図。 第4実施形態の垂直移動断層撮影のフローチャート。 第4実施形態のX線検出器による検出動作の第1変形例を示す模式図。 第4実施形態のX線検出器による検出動作の第1変形例を示す模式図。 第4実施形態のX線検出器による検出動作の第2変形例を示す模式図。 第4実施形態のX線検出器による検出動作の第2変形例を示す模式図。 第5実施形態の撮影動作を示す模式図。 第5実施形態の撮影動作を示す模式図。 第5実施形態の垂直移動断層撮影のフローチャート。 第5実施形態のビーム成形機構を示す図。
1.第1実施形態
(1)X線CT撮影装置の概略構成
図1〜6を用いて、歯科用X線撮影装置1を説明する。図1は第1実施形態のX線撮影装置の概略側面図であり、図2及び図3はX線撮影装置の斜視図である。図4は上部フレームの昇降構造の説明図である。図5は、上部フレームをその内部構造と共に示す部分断面図である。図6は、旋回アーム及び上部フレームをその内部構造と共に示す部分断面図である。
歯科用X線撮影装置1は、固定された頭部MHの歯列弓に沿って広がる断層面のうちの部分領域を図8に示す撮影対象領域OLとする機能を有する。撮影対象領域OLは、例えば、固定された頭部MHの歯列弓に沿って広がる断層面に対して垂直な左顎又は右顎の部分領域である。
図1に示すように、歯科用X線撮影装置1は、撮影部2と、情報処理部8とを有している。撮影部2は、X線撮影を実行して、投影データを収集する。情報処理部8は、撮影部2において収集した投影データを処理して、X線投影画像を生成する。撮影部2は、中空の縦長直方体状の防X線室70内に収容され、情報処理部8は防X線室70の外部に配置され、両者は接続ケーブル83によって交信可能に接続されている。
撮影部2は、X線発生器10と、X線検出器20とを有している。
X線発生器10は、X線を発生させるX線源であるX線管を備える。X線発生器10から出射されるX線ビームの強度(出力強度)は、X線管に供給される電圧及び/又は電流を変更することによって制御される。
なお、X線発生器10から発生するX線は、後述するビーム成形機構22によって、X線の束で構成するX線コーンビームやX線細隙ビームBとして出射される。
X線検出器20は、X線発生器10で出射されたX線ビームを受けるX線検出面20aを有している。X線検出器20のX線検出面20aに配された複数の検出素子は、入射したX線の強度を電気信号に変換する。そして、その電気信号は、出力信号として撮影制御部60(後述)及び情報処理制御部80(後述)に入力され、その信号に基づいてX線投影画像が生成される。
X線検出器20は細長形状のイメージセンサである。X線検出器20のX線検出面20aは、複数の検出素子である半導体撮像素子を横方向に一次元又は二次元で直線状に配列することによって構成されている。なお、X線センサとしては、例えばMOSセンサやCCDセンサであるが、CMOSセンサ等のフラットパネルディテクタ(FPD)やX線蛍光増倍管(XII)、その他の固体撮像素子でもよい。
なお、X線発生器10、X線検出器20及びX線発生器10のX線検出器20側に配置したビーム成形機構22(後述)を撮像機構3(図8及び図9参照)としている。
撮影部2は、X線発生器10とX線検出器20とをそれぞれ支持する旋回アーム30(支持体の一例)と、鉛直方向に延びる支柱50と、旋回アーム30を吊り下げると共に、支柱50に対して鉛直方向に昇降移動可能な旋回アーム昇降部40とを有している。
旋回アーム30は、鉛直方向に延びる旋回軸31を介して、旋回アーム昇降部40に吊り下げ固定されている。
旋回アーム30は、正面視略逆U字状であり、上端部に備えた旋回軸31を旋回中心Scとして旋回する。旋回アーム30は、旋回軸31の軸周りに旋回する旋回部30Rと、旋回部30Rの一端から下方に備えられた、X線発生器10を備えるX線発生部30Gと、旋回部30Rの他端から下方に備えられた、X線検出器20を備えるX線検出部30Dで構成される。上記の構成により、X線発生器10及びX線検出器20は、図1〜図4に示すように、旋回アーム30の両端部にそれぞれ吊り下げ固定されており、互いに対向するように支持されている。この構造により、X線発生器10とX線検出器20は、旋回アーム30によって、旋回軸31の軸周りに旋回させられる。
なお、旋回アーム30の形状はこれに限定されず、例えば、円環状部分の中心を回転中心として回転する部材に、X線発生器10とX線検出器20とを対向するように支持してもよい。
以下においては、旋回軸31の軸方向と平行な方向(ここでは、鉛直方向)を「Z軸方向」とし、このZ軸に交差する方向を「X軸方向」とし、X軸方向及びZ軸方向に交差する方向を「Y軸方向」とする。なお、X軸及びY軸方向は任意に定め得るが、ここでは、被写体M1である被検者が歯科用X線撮影装置1において位置決めされた時の被写体M1の左右の方向、さらに具体的には支柱50に正対した被写体M1の頭部MHの左右方向をX軸方向とし、被写体M1の前後の方向、さらに具体的には被写体M1の頭部MHの前後の方向をY軸方向と定義する。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は、本実施形態では互いに直交するものとする。また、以下において、Z軸方向を鉛直方向、X軸方向とY軸方向の二次元で規定される平面上の方向を水平方向と呼ぶこともある。
これに対して、旋回する旋回アーム30上の三次元座標については、X線発生器10とX線検出器20とが対向する方向を「y軸方向」とし、y軸方向に直交する水平方向を「x軸方向」とし、これらx及びy軸方向に直交する鉛直方向を「z軸方向」とする。本実施形態及びそれ以降の実施形態においては、上記のZ軸方向はz軸方向と共通する同一の方向となっている。また本実施形態の旋回アーム30は、鉛直方向に延びる旋回軸31を回転軸として旋回する。したがって、xyz直交座標系は、XYZ直交座標系に対してZ軸(=z軸)周りに回転することとなる。
X線検出部30Dは、図4に示すように、X線検出器駆動部45を有している。X線検出器駆動部45は、X線検出器20を上下方向に移動させる機構である。X線検出器駆動部45は、例えば、X線検出器20をZ軸方向に沿って案内するX線検出器案内部46と、X線検出器20に上下方向の力を付与するモータ(図示せず)を含む公知の動力伝達機構である。
旋回アーム昇降部40は、上部フレーム41と下部フレーム42とで構成され、鉛直方向に沿って立設された支柱50に係合する係合基端から一方向に、すなわち図示の例では支柱50を正面視したときに、概ね向かって右前側に突出する構成である。
支柱50は、撮影部2を設置する地面上に置かれるベース上に立設されている。
なお、上部フレーム41と下部フレーム42とは、後述する被写体保持部昇降部44で相対的に昇降可能に連結されている。
上部フレーム41には、旋回アーム30における旋回軸31が取付けられており、旋回アーム昇降部40が支柱50に沿って鉛直方向に移動することによって、旋回アーム30を上下に移動できる。なお、上部フレーム41は、支柱50に沿って昇降移動する部分である上部フレーム昇降部411と、上部フレーム昇降部411に対してY軸方向に沿って延びる上部フレーム水平軸412とで構成されている。更に、上部フレーム41には、旋回軸31を水平面領域で移動自在にする後述するXYテーブル35を備える。
歯科用X線撮影装置1は、図4に示すように、軸方向変更機構43を有している。軸方向変更機構43は、上部フレーム41を支柱50に対して上下方向に移動可能に支持する機構である。
軸方向変更機構43は、支柱50に設けられた昇降用レール431、第1Z軸モータ432及び昇降用シャフト433、旋回アーム昇降部40に設けられた上部フレーム昇降用ローラ434、第一ネジ溝435で構成されている。昇降用レール431は、支柱50に+Y軸方向側及び−Y軸方向側に設けられている。上部フレーム昇降用ローラ434は、上部フレーム昇降部411の+Y軸方向側及び−Y軸方向側にそれぞれ2個ずつ設けられ、昇降用レール431に案内されて昇降移動する。
また、支柱50に対して固定された第1Z軸モータ432は、Z軸方向を回転軸方向として回転可能なモータであり、第1Z軸モータ432の回転駆動と連動して軸回転する昇降用シャフト433が上方に延びるように組み付けられている。昇降用シャフト433の上方は、上部フレーム昇降部411に固定された第一ネジ溝435が螺合されている。そのため、上部フレーム41は、第1Z軸モータ432が回転駆動することにより昇降用レール431に沿って上下方向に移動可能である。
下部フレーム42は、支柱50に沿って昇降する下部フレーム昇降部421と、下部フレーム昇降部421より上部フレーム41と概ね上方に伸延する被写体保持用アーム422とで構成されている。被写体保持用アーム422には被写体M1(ここでは、人体の頭部MH)を左右から固定するヘッドホルダや、顎を固定するチンレスト等で構成される被写体固定部423が設けられている。なお、人体の頭部の左右の耳孔に挿入する部分を備えるイヤロッドを被写体固定部423に用いてもよい。
なお、このように構成された被写体保持用アーム422と、被写体固定部423とで、被写体M1(頭部MH)を保持する被写体保持部42Hが構成されている。
下部フレーム42は、支柱50に対して昇降自在に案内されている。具体的には、下部フレーム昇降部421の内部には、昇降用レール431に対して回転可能に組み付けられた下部フレーム昇降用車輪425がそれぞれ2個ずつ+Y軸方向側及び−Y軸方向側に備えられている。
なお、X線検出器駆動部45と軸方向変更機構43とによって、撮像部昇降機構5(図4)が構成されている。
歯科用X線撮影装置1は、図4に示すように、被写体保持部昇降部44(被写体駆動機構の一例)を有している。被写体保持部昇降部44は、下部フレーム42を上部フレーム41に対して上下方向に移動可能に連結する機構である。
被写体保持部昇降部44は、支柱50に固定されている第2Z軸モータ441と、第2Z軸モータ441から上方に沿って延びた上部フレーム41と下部フレーム42とを連結する昇降用シャフト442と、上部フレーム41に固定された昇降用シャフト442と螺合した第二ネジ溝443とで構成されている。
昇降用シャフト442は、昇降用シャフト433と同様に、第2Z軸モータ441を回転駆動させることにより軸回転できるように第2Z軸モータ441に組み付けられており、そのため、第2Z軸モータ441を回転駆動することにより、上部フレーム41が下部フレーム42に対して上下方向に相対移動される。
このように構成された第2Z軸モータ441を第1Z軸モータ432と協働させることで、上部フレーム41のみを上下移動させたり、上部フレーム41と下部フレーム42とを連動させて上下移動させたりできる。
以上に述べた構成において、軸方向変更機構43は旋回アーム30を昇降させ、被写体保持部昇降部44は、被写体保持部42Hを昇降、又は、被写体M1(つまり、頭部MH)の位置に合わせて被写体保持部42Hを旋回アーム30に対して相対的に変位させる。このように、旋回アーム30を被写体M1に対して昇降させる軸方向変更機構43と被写体保持部昇降部44とは、軸方向変位機構4(図4参照)を構成する。
上部フレーム41には、図6に示すように、旋回軸31を中心として旋回アーム30を旋回させる旋回駆動機構37が設けられている。旋回駆動機構37は、旋回アーム30を旋回軸31の軸周りに旋回駆動する機構である。旋回駆動機構37は、旋回用モータ371及び旋回用モータ371の回転力を旋回アーム30に伝達する旋回用ベルト372などからなる。旋回軸31中を通る伝達機構(図示省略)により、旋回駆動機構37による回転力を旋回アーム30に伝達して、旋回アーム30を旋回させることができる。なお、本実施形態では、旋回軸31が鉛直方向に沿って延びるように構成されているが、必要に応じて旋回軸は鉛直方向に対して任意の角度で傾けてもよい。従って、本発明では、「昇降」と言う言葉には、必ずしも鉛直方向のみならず、幅広く解釈することができる。
なお、旋回駆動機構37は上部フレーム41内に固定してもよいが、旋回アーム30内部に固定して、旋回軸31に対して回動力を作用させてもよい。
上述の旋回軸31と旋回アーム30の間にはベアリング38(図6参照)が介在しており、旋回軸31に対して旋回アーム30がスムーズに回転するよう構成している。
上部フレーム41の内部には、図5及び図6に示すように、旋回軸水平駆動機構34が設けられている。旋回軸水平駆動機構34は、旋回軸31を軸方向に交差する水平方向に二次元移動させる機構である。旋回軸水平駆動機構34は、図5及び図6に示すように、旋回アーム30ごと旋回軸31を水平方向に移動するXYテーブル35と、XYテーブル35を駆動する駆動用モータ36とで構成されている。
XYテーブル35は、旋回アーム30を前後方向(Y軸方向)に移動するYテーブル35Y、及び、Yテーブル35Yに支持されて横方向(X軸方向)に移動するXテーブル35Xで構成されている。
駆動用モータ36は、Yテーブル35Yを駆動するY軸駆動用モータ36Yと、Yテーブル35Yに対してXテーブル35XをX軸方向に移動させるX軸駆動用モータ36Xとで構成されている。
歯科用X線撮影装置1では、駆動用モータ36は、撮影制御部60(後述)に接続されて駆動されることによって、旋回アーム30を旋回させながら、Xテーブル35Xを左右(X軸方向)に、Yテーブル35Yを前後(Y軸方向)に移動する。これにより、旋回軸31を前後左右のX−Y軸方向に二次元的に移動制御することができる。
また、上述の説明では、上部フレーム41に旋回軸水平駆動機構34を装着して旋回軸31を平面方向において移動可能に構成したが、上部フレーム41に対して旋回軸31を固定したままであっても、下部フレーム42に配置した被写体固定部423を、上部フレーム41に対して平面方向において相対移動可能に構成してもよく、さらには、上部フレーム41に旋回軸水平駆動機構34を備えると共に、被写体固定部423を相対移動可能に構成してもよい。
このように構成された軸方向変位機構4と、旋回軸水平駆動機構34と、旋回駆動機構37とは、旋回アーム30を駆動させる旋回アーム駆動部30K(支持体駆動機構の一例、図9参照)が構成されている。
図7を用いて、ビーム成形機構22(ビーム角度変更機構の一例)を説明する。図7は、ビーム成形機構の概略斜視図である。
ビーム成形機構22は、X線発生器10から出射されるX線ビームの広がりを規制し、撮影目的に応じた形状のX線ビームを形成する機構である。つまり、ビーム成形機構22は、被写体M1に対するX線ビームの照射範囲を制御する。ビーム成形機構22は、さらに、後述するように、X線細隙ビームBの照射角度を変更できる。
ビーム成形機構22は、コリメータであって、X線発生器10が収容されたハウジング11の出射口110の前方(図7における手前側)に配置されている。
具体的には、ビーム成形機構22は、X線発生器10で発生するX線を規制して一部の通過を許容するX線開口226を形成する遮蔽部を有している。以下、ビーム成形機構22の遮蔽部を説明する。
ビーム成形機構22は、一対の縦方向遮蔽板221,221と、縦方向移動機構222と、一対の横方向遮蔽板223,223と、これらを横方向に移動させる横方向移動機構224とを備えている。縦方向遮蔽板221及び横方向遮蔽板223は、X線発生器10から出射されたX線ビームの遮蔽量を制御するX線遮蔽部材の一例である。
縦方向遮蔽板221,221は、出射口110の正面視上下(+z側及び−z側)のそれぞれに配置された金属製(鉛等)の横長状板で構成されており、縦方向(z軸方向)に移動してX線を遮蔽する。横方向遮蔽板223は、出射口110の正面視左右(−x側及び+x側)のそれぞれに配置された金属(鉛等)製の縦長状板で構成されており、横方向(x軸方向)に移動してX線を遮蔽する。なお、図7に示される例では、横方向遮蔽板223が縦方向遮蔽板221よりハウジング11に近い側(−y側)に配置されているが、縦方向遮蔽板221が横方向遮蔽板223よりハウジング11に近い側に配置されていてもよい。
縦方向移動機構222は、一対の縦方向遮蔽板221,221を個別に縦方向に移動させる。詳細には、縦方向移動機構222は、縦方向に延びる一対の縦方向ネジ軸222a,222aと、各縦方向ネジ軸222a,222aを正回転及び逆回転させる一対のモータ222b,222bを備えている。縦方向ネジ軸222a,222aのそれぞれには、各縦方向遮蔽板221,221に取付けられたナット部材221a,221aが螺合している。各モータ222b,222bの駆動によって、各縦方向ネジ軸222a,222aが正回転又は逆回転すると、各ナット部材221a,221aが縦方向に沿ってそれぞれ上下に移動する。したがって、各縦方向遮蔽板221,221は独立して縦方向に移動する。
縦方向移動機構222は、X線ビームの縦方向、すなわち旋回軸31の軸方向に関する広がり(照射範囲)を調整することで、X線ビームの照射方向(広がりの中心線が延びる方向)を制御する。
縦方向遮蔽板221,221のそれぞれには、筒状のスライド部材221b,221bが取付けられている。スライド部材221b,221bには、縦方向に沿って貫通する貫通孔が形成されている。当該各貫通孔には、縦方向に延びる棒状のシャフト221cが挿通されており、スライド部材221b,221bの横方向への移動が抑制されている。このため、縦方向遮蔽板221,221は、傾くこと無く縦方向に移動することが可能とされている。
横方向移動機構224は、一対の横方向遮蔽板223,223を個別に横方向に移動させる。詳細には、横方向移動機構224は、横方向に延びる一対の横方向ネジ軸224a,224aと、各横方向ネジ軸224a,224aを正回転及び逆回転させる一対のモータ224b,224bを備えている。横方向ネジ軸224a,224aのそれぞれには、各横方向遮蔽板223,223に取付けられたナット部材223a,223aが螺合している。各モータ224b,224bの駆動によって、各横方向ネジ軸224a,224aが正回転又は逆回転すると、各ナット部材223a,223aが横方向に沿ってそれぞれ左右に移動する。これによって、各横方向遮蔽板223,223は独立して横方向に移動する。
横方向移動機構224は、X線ビームの横方向、すなわち旋回軸31の軸方向に垂直なX線軸方向の広がり(照射範囲)を調整することで、X線ビームの照射方向(広がりの中心線が延びる方向)を制御する。
横方向遮蔽板223,223のそれぞれには、筒状のスライド部材223b,223bが取付けられている。スライド部材223b,223bには、横方向に沿って貫通する貫通孔が形成されている。当該各貫通孔には、横方向に延びる棒状のシャフト223cが挿通されており、スライド部材223b,223bの縦方向への移動が抑制されている。このため、横方向遮蔽板223,223は、傾くこと無く横方向に移動することが可能とされている。
このように、本実施形態では、ビーム成形機構22がX線発生器10からのX線が出射される出射口110の前方に配置されることによって、X線発生器10にて発生したX線の照射範囲が遮蔽により規制され、X線検出器20に向けて角錐台状に広がるX線ビームが形成されることになる。
詳細には、縦方向遮蔽板221,221における対向縁部221d,221d間の間隔が、縦方向移動機構222,222によって調整され、横方向遮蔽板223,223における対向縁部223d,223d間の間隔が、横方向移動機構224,224によって調整される。そして、対向縁部221d,221d及び対向縁部223d,223dによって、所望形状のX線ビームを形成するための正面視四角形状の開口すなわちX線開口226がX線発生器10の手前に形成される。
例えば、対向縁部221d,221d間の間隔、及び、対向縁部223d,223d間の間隔が広く調整されることで、X線開口226が正面視において比較的大きな正方形状の大照射野用開口となる。大照射野用開口を通過したX線は、断面が正方形となり、X線検出器20に向けて正四角錐台状に広がるX線ビーム(X線コーンビーム)となる。
また、対向縁部221d,221d間の間隔が広く調整され、対向縁部223d,223d間の間隔が狭く調整されることで、X線開口226が正面視縦長である長方形状のパノラマX線撮影用開口とされる。パノラマX線撮影用開口を通過したX線は、断面が細長長方形状となり、X線検出器20に向けて縦長角錐台状に広がるX線細隙ビームBとなる。
また、対向縁部221d,221d間の間隔が狭く調整され、対向縁部223d,223d間の間隔が広く調整されることで、X線開口226が正面視横長である長方形状の平面断層撮影用開口とされる。平面断層撮影用開口を通過したX線は、断面が細長長方形状となり、X線検出器20に向けて横長角錐台状に広がるX線細隙ビームBとなる。このようにして、遮蔽部によってX線発生器10から発生するX線を水平方向に横長の細隙ビームになるように規制してX線細隙ビームBが形成される。
ビーム成形機構22のX線開口226が、上下方向に狭い幅を維持したまま昇降することで、X線開口226の位置がX線発生器10に対して昇降させられる。これにより、X線細隙ビームBの照射角度が変更されて、X線細隙ビームBが撮影対象領域OLを透過してX線検出器20のX線検出面20aに入射され続ける。
なお、ビーム成形機構22は、4枚の遮蔽板で開口を形成するものに限定されない。例えば、2つのL字状の遮蔽板を組み合せると共に、開口を形成するようにしてもよい。この場合、当該2つのL字状の遮蔽板をx軸方向及びz軸方向に移動させることによって、X線開口の大きさが変更可能とされる。
(2)垂直移動断層撮影の原理
図8を用いて、本実施形態の垂直移動断層撮影(平面断層撮影)の原理を説明する。図8は、垂直移動断層撮影の原理を示す模式図である。
垂直移動段差層撮影の撮影対象領域OLは、例えば、固定された被写体M1の頭部MHの左顎又は右顎の上下の歯列(例えば、2〜4本程度の本数の歯の歯根から歯冠まで)を含む部分領域である。
撮像機構3において、X線発生器10から照射されるX線細隙ビームBは、横方向つまり固定された頭部MHの歯列の並ぶ方向に伸延している。
X線発生器10は下降し、その間にX線細隙ビームBは照射角度を変えながら、撮影対象領域OLに照射させられる。X線発生器10の下降は、軸方向変更機構43(図4参照)によって旋回アーム30が下降することで実行される。X線細隙ビームBの照射角度変更は、ビーム成形機構22がX線発生器10に対するX線開口226の位置を遮蔽部によって上昇させことで実行される。具体的には、X線細隙ビームBの照射方向は、上向き、水平方向、下向きと連続的に変更される。
X線検出器20は、X線発生器10に対して平行移動して上昇することで、撮影対象領域OLを透過したX線細隙ビームBを受ける。X線検出器20の移動は、X線検出器駆動部45(図4参照)によって実行される。
歯科用X線撮影装置1は、X線細隙ビームBを撮影対象領域OLに照射している間、複数回にわたって、X線検出器20にて投影データを収集する。ただし、X線検出器20にてX線を検出するタイミングで、X線発生器10がX線細隙ビームBを撮影対象領域OLに向けて出射するように制御されていてもよい。
そして、撮影対象領域OLの複数の透過画像を、所定の位置関係に基づいて相互に重ね合わせることで、撮影対象領域OLのX線断層画像が生成される。
上記の垂直移動断層撮影(平面断層撮影法)では、X線発生器10を歯列の並ぶ方向と交差する方向に昇降させながら、X線細隙ビームBを撮影対象領域OLに照射する。言い換えれば、X線発生器10とX線検出器20とを撮影対象領域OLを挟んで対向状態を保ちつつ互いに同期してX線検出器20のほぼ同一個所にX線を受けるように反対方向に昇降する。したがって、上記の断層撮影では、陰影障害の発生しにくい撮影角度が得られる。つまり、目標とする歯以外の他の歯の映り込みが防止される。その結果、撮影画像の撮影能が高くなる。
(3)X線撮影装置の制御構成
図9を用いて、歯科用X線撮影装置1の制御構成を説明する。図9は、X線撮影装置の制御構成を示すブロック図である。
図9に示すように、撮影部2は、撮影制御部60を有する。撮影制御部60は、撮影部2の各要素の動作を制御することによって、撮影部2にX線断層撮影を実行させる。撮影制御部60は、図1に示すように、X線検出部30Dの内部に配置されている。
撮影制御部60は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。撮影制御部60は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
撮影制御部60は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
撮影制御部60の各要素の機能は、一部又は全てが、制御部を構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。その他、撮影制御部60の各要素の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
撮影制御部60には、図示しないが、対象物の大きさ、形状及び位置検出するセンサ、各装置の状態を検出するためのセンサ及びスイッチ、並びに情報入力装置が接続されている。
撮影制御部60には、X線発生器10、X線検出器駆動部45、旋回アーム駆動部30K、被写体保持部昇降部44、ビーム成形機構22が接続されている。
撮影制御部60には、さらに、表示部61、操作部62が接続されている。
表示部61は、撮影制御部60からの制御に基づいて、各種情報を表示する例えば液晶モニタで構成されており、防X線室70の壁の外側に設けられている。操作部62は、撮影制御部60に対して各種の命令入力を実現するための例えばボタンで構成されており、防X線室70の壁の外側に設けられている。
表示部61には、各種のX線撮影のモードを選択できる撮影モード選択画面を表示できる。また、選択された撮影モードに合わせた生体器官等の撮影領域の位置等を指定する撮影領域や撮影条件の設定入力画面として機能する撮影条件設定画面を表示できる。
なお、操作部62は撮影部2に設けてもよく、防X線室70の壁の外側と撮影部2の双方に設けてもよく、表示部61に表示する内容を表示部61の代わりに情報処理部8の表示部81に表示し、通信I/Fを介して操作を行ってもよい。また、表示部61に表示する内容を表示部61と表示部81の双方に表示してもよい。
なお、表示部61をタッチパネル等で構成して操作部62の機能の一部又は全部を備えるようにしてもよく、この場合の表示部61は操作部62としても機能する。
また、操作部62には、図1に示すように、操作スイッチ部65が接続されている。操作スイッチ部65には、各種動作の実行を指示するスイッチである。
撮影制御部60は、記憶部64を有している。記憶部64は、撮影制御部60によって各構成を制御するための制御プログラム等を記憶している。
記憶部64は、X線検出器20で検出されたデータを格納する。つまり、患者の歯列に対してX線発生器10から照射されて例えばCCDセンサで検出された検出データ(画像データ)を格納する。
撮影制御部60は、記憶部64に記憶した制御プログラムと協働して、支持体駆動部60a、X線検出制御部60b、X線検出器駆動制御部60c、X線発生制御部60d、遮蔽部駆動制御部60e、被写体駆動制御部60f、及び撮影条件設定部60gとして機能する。これらの処理部は、CPUがアプリケーションに従って動作することによって実現される機能である。
なお、支持体駆動部60aは、旋回アーム30の旋回範囲の制御を行うが、旋回アーム30の高さや、X線旋回面の設定に関わる制御も行う。X線検出制御部60bは、X線検出器20からの出力信号を受信して処理する。X線検出器駆動制御部60cはX線検出器駆動部45によってX線検出器20の高さを制御する。
X線発生制御部60dは、X線発生器10によるX線発生の制御を行う。具体的には、X線管に供給される電圧又は電流を制御することによって、X線発生器10から出射されるX線ビームのオン・オフ及びX線ビームの強度を制御する。
また、遮蔽部駆動制御部60eは、ビーム成形機構22の縦方向移動機構222及び横方向移動機構224を駆動することで、ビーム成形機構22のX線開口226の形状を制御する。このX線ビームの遮蔽制御によって、撮影目的に応じた形状のX線ビーム(例えば、細隙ビーム及びコーンビームなど)が形成される。
被写体駆動制御部60fは、被写体保持部昇降部44の第2Z軸モータ441を制御することで、被写体保持部42Hを昇降させる。
撮影条件設定部60gは、X線発生器10の管電圧、管電流、旋回アーム30の旋回速度、X線ビームの形状(ビーム幅など)、X線ビームをパルスにするか連続にするか、パルスの場合の周期などの条件を設定する。
情報処理部8は、情報処理制御部80と、例えば液晶モニタ等のディスプレイ装置からなる表示部81、及び、キーボードやマウス等で構成される操作部82とを有している。
情報処理制御部80は、撮影制御部60と通信可能に接続されている。情報処理制御部80のハードウェアとしての構成は、撮影制御部60と同様である。
情報処理制御部80は、各構成を制御するための制御プログラム等を記憶する記憶部84を有している。
情報処理制御部80は、記憶部84に記憶した制御プログラムと協働して、撮影領域設定部80aと、撮影軌道設定部80bと、画像処理部80cと、座標演算部80dとして機能する。これらの処理部は、CPUがアプリケーションに従って動作することによって実現される機能である。
撮影領域設定部80aは、撮影対象領域OLを設定する機能を有している。撮影対象領域OLは、撮影部2において平面断層撮影を行う際に、X線ビームが複数の方向から照射されることによって、複数のX線投影画像が取得される領域である。撮影領域設定部80aは、操作部82を介してオペレータが入力する入力操作に基づき、撮影対象領域OLを設定する。
なお、情報処理制御部80では、撮影部2の実空間に対応する演算上の仮想空間が定義されている。撮影対象領域OLを設定するとは、情報処理制御部80において定義された仮想空間において、撮影対象領域OLの位置、大きさ及び形状などを設定することをいう。
撮影軌道設定部80bは、撮影部2においてX線断層撮影を行う際における、X線断層撮影中のX線発生器10及びX線検出器20の軌道(撮影軌道)を設定する機能を有している。例えば、本発明では、X線発生器10及びX線検出器20の軌道は、互いに被写体を挟んで対向状態で上下に移動する。この外、パノラマX線撮影では、パノラマ撮影軌道に沿ってX線発生器10及びX線検出器20を互いに被写体を挟んで対向状態で水平領域を移動する。また、CT撮影では、旋回軸を撮影領域の中心に固定してX線発生器10及びX線検出器20を互いに被写体を挟んで対向状態で水平領域を移動する。
画像処理部80cは、撮影部2がX線断層撮影を実行した際に、X線検出器20が出力した信号に基づいて生成されるX線投影画像を処理して、撮影対象領域OLのX線断層画像を生成する機能を有している。
座標演算部80dは、対象部位ごとの空間的存在位置、及びそれに伴う各種装置の軌道を算出する機能を有している。
表示部81は、液晶ディスプレイなどで構成されており、各種情報を表示するために設けられている。具体的には、表示部81は、X線断層撮影の条件をオペレータが指定するための表示画像、撮影領域又は関心断層をオペレータが指定するため表示画像、及び、画像処理部80cが生成したX線断層画像などを表示する。
操作部82は、キーボードやマウスなどの各種入力用デバイスで構成されている。一例として、操作部82は、オペレータが撮影領域を指定する際に操作される。なお、表示部81をタッチパネルで構成することによって、表示部81が操作部82の機能の一部又は全部を兼ね備えてもよい。また、撮影領域の指定及び関心断層の指定は、撮影制御部60に接続された操作部62を介して行われてもよい。
このように構成された情報処理部8において、オペレータは、操作部82を介して情報処理制御部80に対して各種指令を入力できる。
情報処理部8は、画像処理部80cによって、撮影部2で取得された投影データを加工して、ボクセルで表現される三次元データ(ボリュームデータ)を再構成する。情報処理部8は、例えば、三次元データ中に特定の面を設定し、その特定の面の断層面画像を再構できる。
(4)X線撮影装置の動作フロー
図10を用いて、歯科用X線撮影装置1の制御動作を説明する。図10は、X線撮影装置の制御フローチャートである。なお、特に断らない限り、以下において説明する歯科用X線撮影装置1の動作は、主に、情報処理制御部80及び撮影制御部60の制御下で行われる。
以下に説明する制御フローチャートは例示であって、各ステップは必要に応じて省略及び入れ替え可能である。また、複数のステップが同時に実行されたり、一部又は全てが重なって実行されたりしてもよい。
さらに、制御フローチャートの各ブロックは、単一の制御動作とは限らず、複数のブロックで表現される複数の制御動作に置き換えることができる。
なお、各装置の動作は、制御部から各装置への指令の結果であり、これらはソフトウェア・アプリケーションの各ステップによって表現される。
ステップS1では、撮影モードの選択操作の受付が行われる。具体的には、情報処理制御部80が撮影モードを設定する。例えば、表示部81に撮影モード選択画面が表示され、この画面を介したオペレータによる操作部82を用いた操作入力に基づき、撮影部2の撮影モードが設定される。
ステップS2では、垂直移動断層撮影の選択であるか否かが判断される。YesであればプロセスはステップS3に移行し、NoであればプロセスはステップS10に移行する。
ステップS3では、撮影部位の受付が行われる。具体的には、撮影領域設定部80aが、撮影部位つまり撮影対象領域が歯列弓のうちのいずれの領域であるか指定する設定操作を受け付ける。さらに具体的に、上顎又は下顎、及び、歯の指定(撮影領域設定画面を介した撮影対象の歯の指定、又は、領域画面各歯に割り当てられた番号の指定等)が行われる。
ステップS4では、旋回アーム30の位置調整が行われる。具体的には、旋回アーム30の水平方向の二次元位置が調整される。本実施形態では、操作部62を通して撮影対象領域OLが左顎と右顎の一方に設定されたときに、旋回アーム駆動部30Kが旋回アーム30を駆動して、X線発生器10から発生したX線細隙ビームBが左顎と右顎の他方から入射して撮影対象領域OLを透過してX線検出器20で受光されるように、X線発生器10とX線検出器20の位置設定を行う。さらに具体的には、旋回軸水平駆動機構34が旋回軸31の位置を定め、旋回駆動機構37が旋回アーム30の旋回の角度を定めて、X線細隙ビームBが左顎と右顎の他方から入射して撮影対象領域OLを透過するようにX線発生器10とX線検出器20の配置を行う。
ステップS5では、X線発生器10及びX線検出器20の位置調整が行われる。具体的には、撮像部昇降機構5によって、X線発生器10及びX線検出器20の高さ調整が行われる。また、被写体保持部42Hの高さ調整が必要に応じて行われる。
ステップS6では、ビーム成形機構22の調整によるX線細隙ビームBの調整が行われる。これにより、X線細隙ビームBの照射範囲や照射方向、X線細隙ビームBの高さが調整される。
ステップS7では、撮影部2は、垂直移動断層撮影を実行する。具体的には、撮影対象領域OLに対するX線細隙ビームBの照射位置及び角度が変更されていくように、撮像部昇降機構5がX線発生器10を歯列の並ぶ方向と交差する方向に昇降させ、それと同時に、ビーム成形機構22がX線細隙ビームBの角度を変更する。このようにして、撮影部2が撮影対象領域OLの断層撮影を行う。
ステップS8では、垂直移動断層撮影終了が報知される。報知手段は、スピーカによる音の発生、ランプの点灯などである。
ステップS9では、他の撮影モードの選択を行うか否かが判断される。Yesの場合はプロセスはステップS1に戻り、Noの場合はプロセスは終了する。
ステップS10では、他の撮影モード(パノラマX線撮影モード、CT撮影モード)の処理が実行される。
図11〜図13を用いて、垂直移動断層撮影を詳細に説明する。この動作は、前述の図10のステップS7に対応する。図11は、第1実施形態の撮影動作を示す模式図である。図12は、図11の部分拡大図である。図13は、第1実施形態の垂直移動断層撮影のフローチャートである。
この実施形態では、図12に示すように、被写体M1である被検者は上下の歯を噛んだ状態で閉口しており、撮影対象領域OLは左顎と右顎の一方の上下の歯である。そして、撮像部昇降機構5がX線発生器10の昇降を行って撮影対象領域へのX線細隙ビームBの照射が行われる間、X線細隙ビームBは、左顎と右顎の他方に位置する上顎の歯よりも上の領域又は下顎の歯よりも下の領域から入射して撮影対象領域OLを透過する軌道上を移動する。
詳細に説明すれば、X線検出器20は細隙なX線検出面20aを備えるX線センサであり、X線発生器10とX線検出器20は、それぞれ垂直面内の移動をして撮像する。具体的には、X線検出器20は、X線検出器案内部46にガイドされて昇降する。
この実施形態では、X線検出器20のX線検出面20aがX線細隙ビームBを検出するのに最低限の縦幅であるので、コストを低く抑えられる。
図13のステップS11では、旋回アーム30の下降が開始され、さらにX線発生器10のX線照射が開始される。図11及び図12に示すように、平面断層撮影の間、上部フレーム41を位置LF1から位置LF3まで降下させることにより、X線発生器10を位置LG1から位置LG3まで降下させる。
ステップS12では、X線検出器20の上昇が開始される。なお、ステップS11とステップS12の順序は特に限定されない。平面断層撮影の間、X線検出器20は、X線検出部30D内で位置LD1から位置LD3まで上昇する。また、ビーム成形機構22はX線の通過を許容するX線開口226を形成し、X線開口226の位置をX線発生器10に対して上昇させることで、X線細隙ビームBを上昇するX線検出器20に追従させる。この総合運動により、撮影対象領域OLの断層撮影ができる。
ステップS13では、X線検出器20の検出データが撮影制御部60によって読み込まれ、記憶部64に保存されていく。
なお、平面断層撮影の間、撮像部昇降機構5(図4参照)によって旋回アーム30を昇降させるのと同期して被写体保持部昇降部44(図4参照)によって被写体M1を旋回アーム30の昇降方向と反対方向に昇降させる。これにより、被写体固定部423の高さを一定に保ちながら、旋回アーム30を被写体固定部423に対して相対的に昇降させることができる。なお、煩雑さを避けるため、位置LG2のタイミングの撮影部2はX線検出器20のみを記載している。被写体固定部423の高さが一定に保たれるので、被写体M1は断層撮影中に姿勢が安定している。
ステップS14では、旋回アーム30の下降が停止され、さらにX線発生器10のX線照射が停止される。
ステップS15では、X線検出器20の上昇が停止される。なお、ステップS14とステップS15の順序は特に限定されない。
本実施形態では、上述のように、横に広がったX線細隙ビームBを照射するX線発生器10を昇降させることで歯の平面断層撮影を行う。これにより、目標とする歯の反対側の歯を避けながらX線を目標とする歯に照射することが容易になる。その結果、不要な陰影が無い優れた平面断層画像が得られる。具体的には、本実施形態では、撮影対象領域は上顎の歯及び下顎の歯であり、X線細隙ビームBが、撮影対象領域の左右反対側の下顎の歯よりも下の領域を透過する軌道上を移動する。
別の例として、撮影対象領域は上顎の歯及び下顎の歯の一方であってよい。さらに別の例として、X線細隙ビームBは、上顎の歯よりも上の領域を透過する軌道上を移動してもよい。
上記実施形態では、より詳細に説明すれば、撮影対象領域にある歯以外の歯の写り込みを避けるため、顎骨中の歯の無い箇所が透過集中領域TRとして設定されている。「透過集中領域」とは、異なる角度で照射される複数のX線細隙ビームBが最も交差集中する点である。具体的には、透過集中領域TRは、撮影対象領域の左右反対側の下顎の歯よりも下の領域である。そして、X線細隙ビームBは、透過集中領域TRを透過しながら撮影対象領域OLを照射する。
なお、本実施形態とは異なる撮影法である擬似口内法撮影では、撮影領域(擬似口内法撮影領域)の全部を含むように照射範囲が規制されたX線コーンビームが形成される。したがって、撮影対象領域にある歯以外の他の歯の映り込みを避けることが難しい。
なお、X線発生器とX線検出器は平行に互いに反対側に移動すればよいので、第1実施形態の変形例として、X線発生器10が上昇して、X線検出器20が下降してもよい。
なお、X線検出器の移動機構は限定されておらず、第1実施形態の変形例として、X線検出器をX線検出部筐体に固定し(筐体の内外を問わない)、X線検出部筐体を上部フレームに固定したX線検出器案内部に案内されて昇降するようにしてもよい。
図14及び図15を用いて、第1実施形態の変形例を説明する。図14は、第1実施形態の第1変形例の撮影動作を示す模式図である。図15は、図14の部分拡大図である。
この実施形態では、図15に示すように、被写体M1は、上下の歯の間に隙間が確保された開口状態である。撮影対象領域OLは、左顎と右顎の一方の上下の歯である。撮像部昇降機構5(図4参照)がX線発生器10の昇降を行うことで、撮影対象領域OLへのX線細隙ビームBの照射が行われる。その間、X線細隙ビームBが、被写体M1の左顎と右顎の他方に(X線発生器10側に)位置する上顎の歯と下顎の歯の隙間から入射して、撮影対象領域OLを透過する軌道上を移動する。
この実施形態では、透過集中領域TRが、開口させた被写体M1の上顎の歯と下顎の歯の間(空間)に設定されている。したがって、X線細隙ビームBが撮影対象領域以外の顎の歯を外れて撮影対象領域に照射される。したがって、撮影能が高い平面断層画像が得られる。
なお、この実施形態では、X線像としてほとんど写らないX線透過部材をバイト部材として被写体M1に噛ませて開口させた状態を維持することが好ましい。
上記変形例では、第1の利点として、写りこむ要素が少ない。
上記変形例では、第2の利点として、X線発生器10の変位(位置LG1A→位置LG3A)とX線検出器20の変位(位置LD1A→位置LD3A)の昇降範囲の上端及び下端とを互いに一致できる。この結果、X線発生器10とX線検出器20を収容する各筐体の縦の長さを、図示のものよりさらに短くできる。
歯科用X線撮影装置1は、パノラマ撮影が可能である。具体的には、ビーム成形機構22の遮蔽部がX線発生器10で発生するX線を垂直方向に縦長の細隙ビームになるように規制することで縦長X線細隙ビームを形成し、それを用いてパノラマ撮影を行う。
上記の構成によって、歯科用X線撮影装置1では、上記の平面断層撮影機能とパノラマX線撮影機能(パノラマCT撮影機能も含む)を1台の装置で実現しているので、防X線室70内のスペースが狭くならない。
歯科用X線撮影装置1は、CT撮影が可能である。具体的には、ビーム成形機構22の遮蔽部がX線発生器で発生するX線を水平方向と垂直方向に広がりを有する錘状ビームになるように規制してX線コーンビームを形成し、X線コーンビームによってCT撮影を行う。
上記の構成によって、歯科用X線撮影装置1では、上記の平面断層撮影機能とCT撮影機能を1台の装置で実現しているので、防X線室70内のスペースが狭くならない。
2.第2実施形態
第1実施形態ではX線検出器は水平方向に一次元の検出素子配置であり平面断層撮影中にはX線検出器は昇降し続けていたが、X線検出器の構造及び動作は特に限定されない。例えば、X線検出器のX線検出面の水平方向と垂直方向に二次元の広がりを持たせることで、X線検出器の昇降距離を短縮してもよい。
図16及び図17を用いて、そのような例として、X線検出器の構造及び動作の変形例としての第2実施形態を説明する。第2実施形態ではX線検出面の垂直方向長さが長く設定されているので、X線検出器の昇降は不要になっている。図16は、第2実施形態の撮影動作を示す模式図である。図17は、第2実施形態の垂直移動断層撮影のフローチャートである。なお、下記の実施形態の基本構造及び基本動作は第1実施形態と同じであるので、異なる部分を中心に説明する。
X線検出器20Aは、水平方向と垂直方向に二次元の広がりを有するX線検出面20aを有している。具体的には、X線検出器20AのX線検出面20aは半導体撮像素子を縦方向及び横方向に二次元に平面状に配列することによって構成されている。
X線検出器20AはX線検出部30Dに固定されている。つまり、X線検出器案内部が省略されている。
図17のステップS11では、旋回アーム30の下降が開始され、さらにX線発生器10のX線照射が開始される。図16に示すように、平面断層撮影の間、上部フレーム41を位置LF1から位置LF3まで降下させることにより、X線発生器10を位置LG1から位置LG3まで降下させる。
平面断層撮影の間、ビーム成形機構22が開口の位置をX線発生器10に対してX線発生器10の昇降の進行方向と反対方向に昇降させるので、X線検出面20aにおいてX線細隙ビームBが受光される位置が、X線発生器10の昇降の進行方向と反対方向に変位していく。
ステップS13では、X線検出器20Aの検出データが撮影制御部60によって読み込まれ、記憶部64に保存されていく。
ステップS14では、旋回アーム30の下降が停止され、さらにX線発生器10のX線照射が停止される。
この実施形態では、X線検出器20の昇降動作及び昇降構造が不要なので、装置の構造及び制御が簡単になる。
3.第3実施形態
X線検出器のX線検出面に水平方向と垂直方向に二次元の広がりを持たせることで、X線検出器の昇降距離を短縮する場合において、第2実施形態ではX線検出器は静止していたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、X線検出器の縦方向長さを適切に設定することで、X線検出器は移動するが、第1実施形態に比べて移動量を短くするようにしてもよい。
図18を用いて、そのような例として、X線検出器の構造及び動作の変形例としての第3実施形態を説明する。図18は、第3実施形態の撮影動作を示す模式図である。
X線検出器20Bの検出領域は、図18に示すように、第1実施形態の図11のX線検出器20の検出領域よりも高さ方向に長いが、第2実施形態の図16のX線検出器20Aの検出領域よりも高さ方向に短い。そして、平面断層撮影の間、X線検出器20BはX線発生器10の昇降の進行方向と反対方向に断続的に変位させられる。
X線検出器20Bの位置LD1B→位置LD3Bまでの移動の間、被照射領域は、X線検出面20aの下端から上端まで変位していく。このため、X線検出器20Bの移動ストロークは、第1実施形態のX線検出器20の移動ストローク(図11参照)よりも短い。
4.第4実施形態
X線検出器のX線検出面に水平方向と垂直方向に二次元の広がりを持たせることで、X線検出器の昇降距離を短縮する場合において、第2実施形態ではX線検出器は静止しており、第3実施形態ではX線検出器は移動を続けていたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、X線検出器の縦方向長さを適切に設定することで、X線検出器が静止と移動の両方を行うようにしてもよい。
図19を用いて、そのような第4実施形態を説明する。図19は、第4実施形態の垂直移動断層撮影のフローチャートである。
図19のステップS11では、旋回アーム30の下降が開始され、さらにX線発生器10のX線照射が開始される。
ステップS13では、X線検出器20の検出データが撮影制御部60によって読み込まれ、記憶部64に保存されていく。
ステップS16では、撮影が終了したか否かが判断される。YesであればプロセスはステップS14に移行し、NoであればプロセスはステップS17に移行する。
ステップS17では、X線検出器20の上昇が必要か否かが判断される。YesであればプロセスはステップS18に移行し、NoであればプロセスはステップS13に移行する。
ステップS18では、X線検出器20の上昇が行われる。平面断層撮影の間、ビーム成形機構22はX線の通過を許容するX線開口をX線発生器10に対して上昇させ、X線細隙ビームBが上昇するX線検出器20を追従するようにX線細隙ビームBの照射方向を規制する。この総合運動により、撮影対象領域OLの断層撮影ができる。
ステップS14では、旋回アーム30の下降が停止され、さらにX線発生器10のX線照射が停止される。
図20A及び図20Bを用いて、第4実施形態の第1変形例を説明する。図20A及び図20Bは、第4実施形態のX線検出器による検出動作の第1変形例を示す模式図である。
この第1変形例では、上下方向のX線走査について、X線検出器を静止させたままでX線検出器の下端から上端までX線走査を行い、X線走査がX線検出器の上端を超えそうになれば、X線検出器が上側に移動を開始する。それ以降は、X線検出器は上端でX線を照射され続ける。以下、具体的に説明する。
図20Aに示すように、X線検出器20Bは、スタートの位置LD1BSで静止させられながら、下端から上端までX線細隙ビームBを走査される。そして、X線細隙ビームBがX線検出器20Bの上端に到達すると、図20Bに示すように、X線検出器20Bは上昇を開始する。それ以降は、X線検出器20Bは、上端でX線細隙ビームBを照射されつつ、エンドの位置LD3BEまで進む。
X線検出器20Bがスタート位置LD1BSで静止しつつ下端から上端まで走査されている間、X線検出器20Bの検出面において、受光する領域だけ読み出す、もしくは受光する領域に加え、受光領域の上下に少しの拡がりを持たせた領域を読み出すようにすることで、読み出しの負担・時間を軽減するようにしてもよい。
図21A及び図21Bを用いて、第4実施形態の第2変形例を説明する。図21A及び図21Bは、第4実施形態のX線検出器による検出動作の第2変形例を示す模式図である。
この第2変形例では、上下方向のX線走査について、X線検出器が下端でX線を照射されながら上側に移動を続ける。そして、X線検出器は、静止してもそれ以降のX線を照射されることができる位置まで移動すれば、その位置で静止する。それ以降は、X線検出器は下端から上端までX線走査される。以下、具体的に説明する。
図21Aに示すように、X線検出器20Bは、下端にX線細隙ビームBに照射され続けながら、スタートの位置LD1BSから上昇する。そして、静止してもそれ以降のX線を照射されることができる位置であるエンドの位置LD3BEまで来たら静止する。それ以降は、X線検出器20Bは、エンドの位置LD3BEで静止したまま、下端から上端までX線細隙ビームBを走査される。
X線検出器20Bがエンドの位置LD3BEで静止しつつ下端から上端まで走査されている間、X線検出器20Bの検出面において、受光する領域だけ読み出す、もしくは受光する領域に加え、受光領域の上下に少しの拡がりを持たせた領域を読み出すようにすることで、読み出しの負担・時間を軽減するようにしてもよい。
5.第5実施形態
第1〜第4実施形態では透過集中領域は1点であって撮影回数は1回であったが、1箇所の撮影対象領域OLを平面断層撮影する際に透過集中領域を毎回変更して複数回撮影してもよい。
図22〜図24を用いて、上記の例として第5実施形態を説明する。図22及び図23は、第5実施形態の撮影動作を示す模式図である。図24は、第5実施形態の垂直移動断層撮影のフローチャートである。
本実施形態では、撮影対象領域は、下顎の歯のOL1と上顎の歯のOL2である。そして、平面断層撮影は2回に分けて行われる。
図24のステップS21では、下顎側部分撮影が実行される。
図22に示すように、透過集中領域TR1が、X線発生器10側の下顎の下方に設定される。そして、上部フレーム41の変位(位置LF1C→位置LF2C)に伴うX線発生器10の変位(位置LG1C→位置LG2C)とX線検出器20の変位(位置LD1C→位置LD2C)の間に、撮影対象領域OL1が撮影される。
図24のステップS22では、上顎側部分撮影が実行される。
図23に示すように、透過集中領域TR2が、X線発生器10側の上顎の情報に設定される。X線発生器10及びX線検出器20は2回目の撮影の初期位置に移動させられる。そして、上部フレーム41の変位(位置LF3C→位置LF4C)に伴うX線発生器10の変位(位置LG3C→位置LG4C)とX線検出器20の変位(位置LD3C→位置LD4C)の間に、撮影対象領域OL2が撮影される。
下顎の歯の撮像データと上顎の歯の撮像データは合成して上下顎の撮像データとする。
6.第6実施形態
第1〜第5実施形態ではビーム角度変更機構はコリメータであったが、ビーム角度変更機構は他の機構であってもよい。
図25を用いて、ビーム角度変更機構の他の例として第6実施形態を説明する。図25は、第6実施形態のビーム成形機構を示す図である。
この実施形態では、X線発生器10Aが撮像部昇降機構によって昇降する際、X線検出器20に向けてX線細隙ビームBを照射するように、ビーム成形機構22AがX線発生器10Aを旋回アーム30に対して回動させる。
ハウジング11Aは例えば旋回アーム(図示せず)に固定された状態を維持する。X線発生器10Aには、コリメータ23が中空のブロック102を介して固定されている。コリメータ23は、X線細隙ビームBを形成可能である。
ビーム成形機構22Aは、ハウジング11A内で、X線発生器10Aとコリメータ23とを一体的に回動させる機構である。
以下、ビーム成形機構22Aの構成を説明する。
ハウジング11Aの上面部を構成する支持部材99からX線発生器10Aに延びる基部101は、梁部101aを垂下させ、その先端に回転軸101bを設けている。頂部には回転軸101bが貫通する軸受103が固定され、軸受103は回転軸101b周りに回動可能となっている。
基部101には円弧の中心が回転軸101bの軸心と一致するような円弧状のラック101dが設けられ、X線発生器10の頂部にはモータ105が固定されて、モータ105の回転軸にはラック101dと噛み合うピニオン106が固定されている。
このような構造によれば、モータ105を回転駆動すれば、ラック101d上をモータ105に固定されているピニオン106が回転しながら移動するので、その移動に伴ってX線発生器10Aは軸受103に上端が支持された状態でも軸受103の回転軸101bを中心にして回動する。
したがって、X線細隙ビームBを被写体に向けて照射しながら、X線発生器10の回動に伴ってコリメータ23も図示の低位置RLから高位置RHに、又はその逆に変位する。このようにして、コリメータ23に規制されたX線細隙ビームBの照射角度及び照射位置が変位される。
7.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(a)第1〜第6実施形態ではX線発生器の昇降は旋回アームの昇降によって行われていたが、旋回アームを昇降させずに、X線発生器を旋回アーム内で旋回アームに対して昇降させてもよい。その場合、コリメータの開口を昇降させることで、X線細隙ビームの照射角度を変更できる。
(b)上記のX線発生部(X線発生器及びビーム成形機構)のバリエーションとX線検出部(X線検出器及びその支持構造)のバリエーションはいずれも組み合せも可能である。(c)なお、上記のX線撮影装置では、被写体が立位で撮影する構成のX線撮影装置について説明したが、被写体が水平に寝た状態で撮影する構成のX線撮影装置についても適用可能である。従って、被写体が水平に寝た状態で撮影する構成のX線撮影装置については「撮像部の昇降」とは、上下方向ではなく、水平方向に撮像部が移動することを含む。上下方向の場合とは被写体が立位の場合の構成であり被写体の頭部が直立した場合であり、水平方向の場合とは被写体の頭部が水平に寝た場合である。いずれの場合も、頭部の頭頂と頚部を結ぶ生体の軸を頭部の体軸とすれば、撮像部昇降機構は、撮像部を頭部の体軸と平行な方向に駆動することになる。
本発明は、歯科用X線撮影装置に広く適用できる。
1 :歯科用X線撮影装置
2 :撮影部
3 :撮像機構
4 :軸方向変位機構
5 :撮像部昇降機構
8 :情報処理部
10 :X線発生器
11 :ハウジング
20 :X線検出器
20a :X線検出面
22 :ビーム成形機構
30 :旋回アーム
30D :X線検出部
30G :X線発生部
30K :旋回アーム駆動部
30R :旋回部
31 :旋回軸
34 :旋回軸水平駆動機構
36 :駆動用モータ
37 :旋回駆動機構
40 :旋回アーム昇降部
41 :上部フレーム
42 :下部フレーム
42H :被写体保持部
43 :軸方向変更機構
44 :被写体保持部昇降部
45 :X線検出器駆動部
46 :X線検出器案内部
50 :支柱
60 :撮影制御部
61 :表示部
62 :操作部
70 :防X線室
80 :情報処理制御部
81 :表示部
82 :操作部
B :X線細隙ビーム
M1 :被写体
MH :頭部
OL :撮影対象領域
TR :透過集中領域

Claims (14)

  1. 固定された頭部の歯列弓に沿って広がる断層面のうちの部分領域を撮影対象領域とする歯科用X線撮影装置であって、
    被写体の頭部を固定する被写体固定部と、
    固定された前記頭部の歯列の並ぶ方向に伸延するX線細隙ビームを発生するX線発生器と、前記X線細隙ビームを受けるX線検出器とを有する撮像部と、
    前記X線発生器と前記X線検出器とを被写体を挟んで対向させて配置する支持体と、
    前記撮像部を昇降駆動する撮像部昇降機構と、
    前記X線発生器からの前記X線細隙ビームの角度を変更するビーム角度変更機構と、
    を備え、
    前記撮影対象領域に対する前記X線細隙ビームの照射位置及び角度が変更されるように、前記撮像部昇降機構が前記X線発生器を前記歯列の並ぶ方向と交差する方向に互いに反対方向に昇降させると同時に前記ビーム角度変更機構が前記X線細隙ビームの角度を変更することで、前記撮像部が前記撮影対象領域の断層撮影を行う
    歯科用X線撮影装置。
  2. 固定された頭部の歯列弓に沿って広がる断層面のうちの左顎又は右顎の部分領域を撮影対象領域とする歯科用X線撮影装置であって、
    被写体の頭部を固定する被写体固定部と、
    固定された前記頭部の歯列の並ぶ方向に伸延するX線細隙ビームを発生するX線発生器と前記X線細隙ビームを受けるX線検出器からなる撮像部と、
    前記X線発生器とX線検出器とを被写体を挟んで対向させて配置する支持体と、
    前記撮像部を昇降駆動する撮像部昇降機構と、
    前記X線発生器からの前記X線細隙ビームの角度を変更するビーム角度変更機構と、
    を備え、
    前記撮影対象領域に対する前記X線細隙ビームの照射位置及び角度が変更されるように、前記撮像部昇降機構が前記X線発生器を前記歯列の並ぶ方向と交差する方向に互いに反対方向に昇降させると同時に前記ビーム角度変更機構が前記X線細隙ビームの角度を変更することで、前記撮像部が前記撮影対象領域の断層撮影を行う
    歯科用X線撮影装置。
  3. 固定された頭部の歯列弓に沿って広がる断層面のうちの部分領域を撮影対象領域とする歯科用X線撮影装置であって、
    被写体の頭部を固定する被写体固定部と、
    固定された前記頭部の歯列の並ぶ方向に伸延するX線細隙ビームを発生するX線発生器と前記X線細隙ビームを受けるX線検出器とを有する撮像部と、
    前記X線発生器と前記X線検出器とを被写体を挟んで対向させて配置する支持体と、
    前記撮像部を昇降駆動する撮像部昇降機構と、
    前記支持体を少なくとも旋回させて移動する支持体駆動機構と、
    撮影対象領域が前記歯列弓のうちのいずれの領域であるか指定する設定操作を受け付ける操作部と、
    前記X線発生器からの前記X線細隙ビームの角度を変更するビーム角度変更機構と、
    を備え、
    前記操作部を通して前記撮影対象領域が左顎と右顎の一方に設定されたときに、前記支持体駆動機構が前記支持体を駆動して、前記X線発生器から発生した前記X線細隙ビームが前記左顎と右顎の他方から入射して前記撮影対象領域を透過して前記X線検出器で受光される前記X線発生器と前記X線検出器の位置設定を行い、
    前記撮影対象領域に対する前記X線細隙ビームの照射位置及び角度が変更されるように、前記撮像部昇降機構が前記X線発生器を前記歯列の並ぶ方向と交差する方向に互いに反対方向に昇降させると同時に前記ビーム角度変更機構が前記X線細隙ビームの角度を変更しながら、前記撮像部が前記撮影対象領域の断層撮影を行う
    歯科用X線撮影装置。
  4. 前記部分領域が前記被写体の前記歯列を含む平面断層であり、前記平面断層が前記撮影対象領域として設定され、前記撮像部が前記撮影対象領域の平面断層撮影を行う
    請求項3記載の歯科用X線撮影装置。
  5. 前記撮影対象領域が前記左顎と右顎の一方に設定されて、前記撮像部昇降機構が前記X線発生器の昇降を行って前記撮影対象領域への前記X線細隙ビームの照射が行われる間、前記X線細隙ビームが前記左顎と右顎の他方に位置する上顎の歯よりも上の領域又は下顎の歯よりも下の領域から入射して前記撮影対象領域を透過する軌道上を移動する、
    請求項4記載の歯科用X線撮影装置。
  6. 前記撮影対象領域が前記左顎と右顎の一方に設定されて、前記撮像部昇降機構が前記X線発生器の昇降を行って前記撮影対象領域への前記X線細隙ビームの照射が行われる間、前記X線細隙ビームが開口した前記被写体の前記左顎と右顎の他方に位置する上顎の歯と下顎の歯の間の領域から入射して前記撮影対象領域を透過する軌道上を移動する
    請求項4又は5に記載の歯科用X線撮影装置。
  7. 前記ビーム角度変更機構は、前記X線発生器で発生するX線を規制して一部の通過を許容する開口を形成する遮蔽部を有し、
    前記遮蔽部が前記開口の位置を前記X線発生器に対して昇降させるよう構成され、
    前記遮蔽部によって前記X線発生器から発生するX線を水平方向に横長の細隙ビームになるように規制して前記X線細隙ビームを形成し、
    前記撮像部昇降機構によって前記X線発生器を昇降させると共に、前記ビーム角度変更機構が前記X線発生器に対する前記開口の位置を前記遮蔽部によって前記X線発生器の昇降方向と反対方向に昇降させることで、前記横長のX線細隙ビームが前記平面断層を上下に走査して前記平面断層撮影を行う
    請求項4〜6のいずれかに記載の歯科用X線撮影装置。
  8. 前記X線検出器が水平方向と垂直方向に二次元の広がりを有する検出面を備え、
    前記平面断層撮影の間、前記遮蔽部が前記開口の位置を前記X線発生器に対して前記X線発生器の昇降の進行方向と反対方向に昇降させるときに、前記検出面において前記X線細隙ビームが受光される位置が前記X線発生器の昇降の進行方向と反対方向に変位する
    請求項7に記載の歯科用X線撮影装置。
  9. 前記撮像部昇降機構が、前記平面断層撮影の間、少なくとも一部の期間に前記X線検出器を前記X線発生器の昇降の進行方向と反対方向に変位させる
    請求項8に記載の歯科用X線撮影装置。
  10. 前記被写体固定部を昇降駆動する被写体駆動機構をさらに備え、
    前記支持体に対して前記被写体固定部を前記被写体駆動機構によって昇降可能に接続し、
    前記撮像部昇降機構が前記支持体を昇降させるよう構成され、
    前記断層撮影の間、前記撮像部昇降機構によって前記支持体を昇降させるのと同期して前記被写体駆動機構によって前記被写体を前記支持体の昇降方向と反対方向に昇降させることにより前記被写体固定部の高さを一定に保ちながら前記支持体を前記被写体固定部に対して相対的に昇降させる
    請求項7〜9のいずれかに記載の歯科用X線撮影装置。
  11. 前記遮蔽部が前記X線発生器で発生するX線を垂直方向に縦長の細隙ビームになるように規制して縦長X線細隙ビームを形成し、前記縦長X線細隙ビームによってパノラマ撮影を行う
    請求項7〜10のいずれかに記載の歯科用X線撮影装置。
  12. 前記遮蔽部が前記X線発生器で発生するX線を水平方向と垂直方向に広がりを有する錘状ビームになるように規制してX線コーンビームを形成し、前記X線コーンビームによってCT撮影を行う
    請求項7〜11のいずれかに記載の歯科用X線撮影装置。
  13. 前記支持体が前記X線発生器と前記X線検出器を軸周りに旋回させる旋回軸を備え、
    前記撮像部昇降機構が前記旋回軸を軸方向に交差する方向に二次元移動させる旋回軸水平駆動機構と、前記支持体を前記旋回軸の軸周りに旋回駆動する旋回駆動機構とを有しており、
    前記旋回軸水平駆動機構が前記旋回軸の位置を定め、前記旋回駆動機構が前記支持体の旋回の角度を定めて、前記X線細隙ビームが前記左顎と右顎の他方から入射して前記撮影対象領域を透過する前記X線発生器と前記X線検出器の配置を行う
    請求項3〜12のいずれかに記載の歯科用X線撮影装置。
  14. 前記X線発生器が前記撮像部昇降機構によって昇降する際、前記X線検出器に向けて前記X線細隙ビームを照射するように、前記ビーム角度変更機構が前記X線発生器を前記支持体に対して回動させる
    請求項1〜13のいずれかに記載の歯科用X線撮影装置。
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