以下、図面を参照して、例示的な実施形態について説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る車外報知装置100を示すブロック図である。図1に示されるように、車外報知装置100は、自動運転が可能な乗用車等の自車両Vに搭載され、情報を自車両Vの車外から認識可能に報知する装置である。自動運転とは、予め設定された目標ルートに沿って自車両Vを自動で走行させる車両制御である。自動運転では、運転者が運転操作を行う必要がなく、自車両Vが自動で走行する。本実施形態では、車外報知装置100は、情報を車外から視覚的に認識可能に表示する。
車外報知装置100によって報知される情報には、自動運転中の自車両Vの今後の行動予定に関する情報が含まれる。「自車両Vの行動予定」とは、例えば、目標ルートに沿って自車両Vを自動で走行させるための走行計画である(詳しくは後述)。
車外報知装置100は、装置を統括的に制御するECU[Electronic Control Unit]10と、ECU10に接続された外部センサ(移動体検出部)1及び報知部4と、を備えている。ECU10には、内部センサ2及び自動運転ECU3が更に接続されている。ECU10は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read OnlyMemory]、RAM[Random Access Memory]、CAN[Controller Area Network]通信回路等を有する電子制御ユニットである。
ECU10は、例えばCAN通信回路を用いて通信するネットワークに接続され、自車両Vの各構成要素と通信可能に接続されている。つまり、ECU10は、外部センサ1及び内部センサ2の検出結果、自動運転ECU3において生成された自車両Vの今後の行動予定(すなわち、走行計画)を参照することができる。ECU10は、報知部4に信号を出力することができる。
ECU10は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより、後述する車外報知の各機能を実現する。ECU10は、複数のECUから構成されていてもよい。
外部センサ1は、自車両Vの周辺の状況を検出する検出機器である。外部センサ1は、例えば、自車両Vの周囲の移動体を検出すると共に、検出した移動体と自車両Vとの位置関係を検出する。外部センサ1は、少なくとも自車両Vの前方及び側方の移動体を検出可能となるように自車両Vに搭載されている。外部センサ1は、カメラ及びレーダセンサのうちの少なくとも一つを含んでいる。移動体には、例えば歩行者、自転車、二輪車等が含まれる。以下、移動体として歩行者を例示して説明する。
カメラは、自車両Vの外部状況を撮像する撮像機器である。カメラは、自車両Vの外部状況に関する撮像情報をECU10に送信する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。ステレオカメラは、両眼視差を再現するように配置された二つの撮像部を有している。ステレオカメラの撮像情報には、撮像画像の奥行き方向の情報(距離情報)も含まれている。
レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して自車両Vの周辺の障害物を検出する検出機器である。レーダセンサには、例えば、ミリ波レーダ又はライダー[LIDAR: Light Detection and Ranging]が含まれる。レーダセンサは、電波又は光を自車両Vの周辺に送信し、障害物で反射された電波又は光を受信することで障害物を検出する。レーダセンサは、検出した障害物情報をECU10に送信する。障害物には、移動障害物である歩行者等の移動体の他、固定障害物であるガードレール、建物等が含まれる。
内部センサ2は、自車両Vの走行状態及び車両状態を検出する検出機器である。内部センサ2は、例えば、車速センサを含んでいる。
車速センサは、自車両Vの車速を検出する検出器である。車速センサとしては、例えば、自車両Vの車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフト等に対して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速センサが用いられる。車速センサは、検出した車速情報をECU10に送信する。
自動運転ECU3は、自車両Vの自動運転を実行する。自動運転ECU3は、CPU、ROM、RAM、CAN通信回路等を有する電子制御ユニットである。自動運転ECU3は、地図情報を記憶する地図データベース、GPS[Global Positioning System]により自車両Vの地図上の位置を測位する測位部、自車両Vを走行させるための各種アクチュエータ、及び各種センサと接続されている。
自動運転ECU3は、例えばCAN通信回路を用いて通信するネットワークに接続され、自車両Vの各構成要素と通信可能に接続されている。つまり、自動運転ECU3は、地図データベースの地図情報、測位部の測位した自車両Vの地図上の位置情報、及び、各種センサの検出結果を参照することができる。ECU10は、各種アクチュエータに信号を出力することができる。
自動運転ECU3は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより、自車両Vに搭載された自動運転システムの各機能を実現する。自動運転ECU3は、複数のECUから構成されていてもよい。
地図データベースの地図情報には、例えば、道路の位置情報(車線毎の位置情報)、道路形状の情報(例えばカーブ又は直線部の種別、カーブの曲率等の情報)、道路幅の情報(車線幅の情報)、道路の勾配の情報、道路のカント角の情報、及び道路における制限車速の情報が含まれる。各種アクチュエータには、自車両Vの操舵角を制御する操舵アクチュエータ、自車両Vのブレーキシステムを制御するブレーキアクチュエータ、自車両Vのエンジン(又は電気自動車のモータ)を制御するエンジンアクチュエータが含まれる。
自動運転ECU3は、地図データベースの地図情報と測位部の測位した自車両Vの地図上の位置情報と予め設定された目的地とに基づいて、自車両Vの現在の位置から目的地に至る目標ルートを探索する。自動運転ECU3は、目標ルートに沿って自車両Vを走行させる行動予定(すなわち、走行計画)を生成する。行動予定には、例えば、移動経路T1及び移動速度が含まれる(図4参照)。自動運転ECU3は、周知の手法により自車両Vの行動予定を生成する。自動運転ECU3は、測位部の測位した自車両Vの地図上の位置情報に基づいて、行動予定に沿った自車両Vの自動運転を実行する。自動運転ECU3は、各種アクチュエータに制御信号を送信することで自車両Vを制御して自動運転を実行する。
図2は、自車両Vの正面図である。図3は、自車両Vの側面図である。図1〜図3に示される報知部4は、自車両Vの今後の行動予定に関する情報を車外から視覚的に認識可能に表示する表示装置である。報知部4は、第1報知部4a及び第2報知部4bを有している。
第1報知部4aは、自車両Vの今後の行動予定に関する情報を自車両Vの前方から視覚的に認識可能に表示する表示装置である。第1報知部4aは、自車両Vの前面に設けられている。より詳細には、第1報知部4aは、自車両Vの前面のグリル(フロントグリル)の外縁に沿って、複数のLED[Light Emitting Diode]が自車両Vの幅方向に一列に配置されて構成されている。第1報知部4aは、表示の色、点滅の周期等を変更可能である。なお、第1報知部4aは、図2に示される態様に限定されない。
第2報知部4bは、自車両Vの今後の行動予定に関する情報を自車両Vの側方から視覚的に認識可能に表示する表示装置である。第2報知部4bは、自車両Vの側面に設けられている。より詳細には、第2報知部4bは、自車両Vの側面に沿って、複数のLEDが自車両Vの前後方向に一列に配置されて構成されている。第2報知部4bは、図3に示される自車両Vの左側面の他、自車両Vの右側面にも設けられている。第2報知部4bは、表示の色、点滅の周期等を変更可能である。なお、第2報知部4bは、図3に示される態様に限定されない。
次に、ECU10の機能的構成について、図4及び図5に示される状況を例示しつつ説明する。
図4は、自車両Vと並進しないと予測される歩行者Pが自車両Vの前方に位置している状況を示す平面図である。図4には、道路R1,R2の交差点C周辺が示されている。自車両Vは、移動経路T1上において、道路R1を交差点Cに向かって走行している。歩行者Pは、道路R2に沿って交差点Cに向かって歩行している。歩行者Pが歩行して向かう先において、道路R2の交差点Cの付近には横断歩道Zが設けられている。
図5は、自車両Vと並進すると予測される歩行者Pが自車両Vの前方に位置している状況を示す平面図である。図5には、道路R1,R2の交差点C周辺が示されている。自車両Vは、移動経路T1上において、道路R1を交差点Cに向かって走行している。歩行者Pは、道路R1に沿って交差点Cに向かって歩行している。自車両Vの進行方向において、歩行者Pは自車両Vから距離Dに位置している。歩行者Pが歩行して向かう先において、道路R2の交差点Cの付近には横断歩道Zが設けられている。
図1に示されるように、ECU10は、行動予測部11、並進予測部12、最小距離取得部13、及び報知制御部14を有している。なお、ECU10の機能の一部は、自車両Vと通信可能な情報管理センター等の施設のコンピュータで実行されてもよく、自車両Vと通信可能な携帯情報端末で実行されてもよい。
図1、図4、及び図5に示されるように、行動予測部11は、外部センサ1により自車両Vの前方に検出された歩行者Pの今後の行動を予測する。より詳細には、行動予測部11は、外部センサ1により自車両Vの前方に検出された歩行者Pの今後の行動を、外部センサ1から受信した情報(撮像情報、障害物情報)、地図データベースの地図情報、測位部の測位した自車両Vの地図上の位置情報に基づいて、公知の予測手段を用いて予測する。「歩行者Pの今後の行動」には、例えば、歩行者Pの移動経路T2,T3及び移動速度が含まれる。「公知の予測手段」とは、例えば交通ルール等を前提とした確率論に基づく予測手段であってもよく、具体的には、モンテカルロ法を用いたパーティクルフィルタ、カルマンフィルタ等を用いた予測手段であってもよい。図4においては、行動予測部11は、歩行者Pの移動経路T2として、歩行者Pが道路R2に沿って交差点Cに向かって歩行した後、左に方向転換して横断歩道Zを渡ると予測している。図5においては、行動予測部11は、歩行者Pの移動経路T3として、歩行者Pが道路R1に沿って交差点Cに向かって歩行した後、直進して横断歩道Zを渡ると予測している。
並進予測部12は、行動予測部11により予測された歩行者Pの今後の行動と、自車両Vの行動予定と、に基づいて、歩行者Pが自車両Vと並進するか否かを予測する。「歩行者が自車両Vと並進する」とは、歩行者Pが自車両Vの側方の近傍に位置している状況において、歩行者Pの移動経路における進行方向と自車両Vの移動経路における進行方向とが略一致することを意味する。「自車両Vの側方の近傍」としては、例えば、自車両Vが走行している車道に併設された歩道、路側帯等における自車両Vの側方の領域が挙げられる。
最小距離取得部13は、行動予測部11により予測された歩行者Pの今後の行動と、自車両Vの行動予定と、に基づいて、歩行者Pの移動経路T2,T3と自車両Vの移動経路T1とが交差するか否かを予測する。図4及び図5においては、道路R2の横断歩道Z上の地点Aにおいて、歩行者Pの移動経路T2,T3と自車両Vの移動経路T1とが交差すると予測される。
また、最小距離取得部13は、行動予測部11により予測された歩行者Pの今後の行動と、自車両Vの行動予定と、に基づいて、歩行者Pと自車両Vとが最も接近する際の距離である最小距離を取得する。図4及び図5においては、最小距離は、歩行者Pの移動経路T2,T3と自車両Vの移動経路T1とが交差する地点A近傍での歩行者Pと自車両Vとの間の距離である。なお、最小距離取得部13は、例えば歩行者Pの移動経路T2,T3と自車両Vの移動経路T1とが交差しないと予測した場合には、最小距離を取得しなくてもよい。
報知制御部14は、最小距離取得部13により取得された最小距離に基づいて、報知部4に報知させるべき自車両Vの行動予定に関する情報を決定する。例えば、報知制御部14は、最小距離と予め設定された第2距離とを比較し、その比較結果に基づいて、報知部4に報知させるべき自車両Vの行動予定に関する情報を決定する。なお、「第2距離」は、例えば、歩行者Pと自車両Vとが最も接近する地点において、自車両Vが一時停止又は減速せずに通過しても歩行者Pの行動を妨げるおそれがないような歩行者Pと自車両Vとの間の距離に設定される。
より詳細には、報知制御部14は、最小距離が第2距離未満である場合には、自車両Vが歩行者Pに進路を譲ることを示す情報を報知部4に報知させることに決定する。「自車両Vが歩行者Pに進路を譲る」とは、例えば、自車両Vが一時停止又は減速することで、歩行者Pと自車両Vとが最も接近する地点を歩行者Pが自車両Vよりも先に通過可能とすることを意味する。報知制御部14は、自車両Vが歩行者Pに進路を譲ることを歩行者Pに知らせるために、例えば報知部4を所定の色で表示させ、或いは、所定周期で所定回数だけ点滅させることを採用してもよい。より具体的な例としては、報知制御部14は、自車両Vが歩行者Pに進路を譲ることを歩行者Pに知らせるために、歩行者Pに安心感を与えやすい色である緑色又は青色で報知部4を表示させることを採用してもよく、或いは、報知部4を低速(例えば、1秒間に1回)で2回又は3回だけ点滅させることを採用してもよい。
一方、報知制御部14は、最小距離が第2距離以上である場合には、自車両Vが歩行者Pに進路を譲らないことを示す情報を報知部4に報知させることに決定する。「自車両Vが歩行者Pに進路を譲らない」とは、例えば、自車両Vが一時停止又は減速しなくても歩行者Pの行動を妨げるおそれがない状況において、歩行者Pと自車両Vとが最も接近する地点を自車両Vが歩行者Pよりも先に通過することを意味する。報知制御部14は、自車両Vが歩行者Pに進路を譲らないことを歩行者Pに知らせるために、例えば報知部4を所定の色で表示させ、或いは、所定周期で所定回数だけ点滅させることを採用してもよい。より具体的な例としては、報知制御部14は、自車両Vが歩行者Pに進路を譲らないことを歩行者Pに知らせるために、歩行者Pに警戒感を与えやすい色である赤色又黄色で報知部4を表示させることを採用してもよく、或いは、自車両Vが通過するまでの間、報知部4を高速(例えば、1秒間に2回)で点滅させ続けることを採用してもよい。
また、報知制御部14は、自車両Vの行動予定に関する情報を報知部4に報知させる。例えば、報知制御部14は、図4に示されるように、並進予測部12により歩行者Pが自車両Vと並進しないと予測された場合、第1報知部4aに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させる。これにより、自車両Vの行動予定に関する情報が自車両Vの前方から認識可能となる。
一方、報知制御部14は、図5に示されるように、並進予測部12により歩行者Pが自車両Vと並進すると予測された場合、自車両Vと歩行者Pとの間の距離Dが予め設定された第1距離となるタイミング(すなわち、自車両Vの進行方向において、歩行者Pが自車両Vから第1距離に位置するタイミング)までの間には、第1報知部4aに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させる。これにより、自車両Vの行動予定に関する情報が自車両Vの前方から認識可能となる。
報知制御部14は、並進予測部12により歩行者Pが自車両Vと並進すると予測された場合、自車両Vと歩行者Pとの間の距離Dが第1距離となるタイミングで、第1報知部4aに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させることを中止させ、且つ、第2報知部4bに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させる。これにより、自車両Vの行動予定に関する情報が自車両Vの側方から認識可能とされる。なお、このとき、報知制御部14は、第1報知部4aに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させることを中止させなくてもよい。
なお、「第1距離」とは、距離Dが当該第1距離以下である場合に、第1報知部4aにより自車両Vの前方に報知された情報よりも、第2報知部4bにより自車両Vの側方に報知された情報の方が歩行者Pから認識されやすい距離である。第1距離は、例えば10mであってもよく、5mであってもよく、1mであってもよい。或いは、第1距離は、自車両Vの幅方向における自車両Vと歩行者Pとの間の距離に応じて変動してもよい。また、「自車両Vと歩行者Pとの間の距離Dが第1距離となるタイミング」とは、必ずしも自車両Vと歩行者Pとの間の距離Dが第1距離となる時点に厳密に限定されるものではなく、自車両Vと歩行者Pとの間の距離Dが第1距離となる時点から一定時間(或いは、一定距離)ずれていてもよい。
報知制御部14は、第1報知部4a又は第2報知部4bに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させている場合において、自車両Vが歩行者Pの近傍から十分に遠ざかったとき、第1報知部4a又は第2報知部4bによる報知を終了する。なお、「十分に遠ざかったとき」とは、例えば、歩行者Pの巻き込みの危険性がない又は危険性が極めて低い位置まで自車両Vが歩行者Pから遠ざかったときであってもよい。
以下、車外報知装置100による情報の報知の処理について、図4〜図6の状況を参照しながら説明する。図7は、報知の処理を示すフローチャートである。図7のフローチャートは、自車両Vが自動運転中である場合に実行される。
図7に示されるように、ステップS10において、車外報知装置100は、外部センサ1により、自車両Vの周囲の移動体を検出する。図4及び図5においては、自車両Vの前方の歩行者Pが検出されている。その後、車外報知装置100は、ステップS11に移行する。
ステップS11において、車外報知装置100のECU10は、行動予測部11により、外部センサ1によって自車両Vの前方に検出された歩行者Pの今後の行動を予測する。図4においては、行動予測部11は、歩行者Pの移動経路T2として、歩行者Pが道路R2に沿って交差点Cに向かって歩行した後、左に方向転換して横断歩道Zを渡ると予測している。図5においては、行動予測部11は、歩行者Pの移動経路T3として、歩行者Pが道路R1に沿って交差点Cに向かって歩行した後、直進して横断歩道Zを渡ると予測している。その後、車外報知装置100は、ステップS12に移行する。
ステップS12において、車外報知装置100のECU10は、報知制御部14により、報知部4に報知させるべき自車両Vの行動予定に関する情報を決定する(詳しくは後述)。その後、車外報知装置100は、ステップS13に移行する。
ステップS13において、車外報知装置100のECU10は、並進予測部12により、歩行者Pが自車両Vと並進するか否かを予測する。並進予測部12は、行動予測部11により予測された歩行者Pの今後の行動と、自車両Vの行動予定と、に基づいて、歩行者Pが自車両Vと並進するか否かを予測する。図4においては、並進予測部12は、歩行者Pが自車両Vと並進しないと予測する。車外報知装置100は、歩行者Pが自車両Vと並進しないと予測された場合(ステップS13:NO)、ステップS14に移行する。一方、図5においては、並進予測部12は、歩行者Pが自車両Vと並進すると予測する。車外報知装置100は、歩行者Pが自車両Vと並進すると予測された場合(ステップS13:YES)、ステップS16に移行する。
ステップS14において、車外報知装置100のECU10は、報知制御部14により、自車両Vの行動予定に関する情報を第1報知部4aに報知させる。これにより、自車両Vの行動予定に関する情報が自車両Vの前方から認識可能となる。すなわち、自車両Vの行動予定に関する情報が、自車両Vの前方に位置する歩行者Pによって視覚的に認識可能となる。その後、車外報知装置100は、ステップS15に移行する。
ステップS15において、車外報知装置100のECU10は、自車両Vが歩行者Pの近傍から十分に遠ざかったとき、報知制御部14により、第1報知部4aに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させることを終了させる。車外報知装置100は、自車両Vの行動予定に関する情報を第1報知部4aに報知させることを終了させると、今回の処理を終了する。その後、車外報知装置100は、再びステップS10から処理を繰り返す。
ステップS16において、車外報知装置100のECU10は、自車両Vと歩行者Pとの間の距離Dが予め設定された第1距離となるタイミングまでの間、報知制御部14により、自車両Vの行動予定に関する情報を第1報知部4aに報知させる。これにより、自車両Vの行動予定に関する情報が自車両Vの前方から認識可能となる。すなわち、自車両Vの行動予定に関する情報が、自車両Vの前方に位置する歩行者Pによって視覚的に認識可能となる。その後、車外報知装置100は、ステップS17に移行する。
ステップS17において、車外報知装置100のECU10は、報知制御部14により、報知の手段を変更する。報知制御部14は、図6に示されるように自車両Vと歩行者Pとの間の距離Dが予め設定された第1距離となるタイミングで、第1報知部4aに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させることを中止させ、且つ、第2報知部4bに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させる(詳しくは後述)。その後、車外報知装置100は、ステップS18に移行する。
ステップS18において、車外報知装置100のECU10は、自車両Vが歩行者Pの近傍を通過し、十分に遠ざかったとき、報知制御部14により、第2報知部4bに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させることを終了させる。車外報知装置100は、自車両Vの行動予定に関する情報を第2報知部4bに報知させることを終了させると、今回の処理を終了する。その後、車外報知装置100は、再びステップS10から処理を繰り返す。なお、図7のフローチャートは、例えば自車両Vの自動運転が終了された場合にも終了する。
続いて、車外報知装置100における報知内容の決定の処理について、図4及び図5の状況を参照しながら説明する。図8は、報知内容の決定の処理を示すフローチャートである。報知内容の決定の処理は、図7のステップS12に対応する。
図8に示されるように、ステップS20において、車外報知装置100は、最小距離取得部13により、歩行者Pの移動経路T2,T3と自車両Vの移動経路T1とが交差するか否かを予測する。最小距離取得部13は、行動予測部11により予測された歩行者Pの今後の行動と、自車両Vの行動予定と、に基づいて、歩行者Pの移動経路T2,T3と自車両Vの移動経路T1とが交差するか否かを予測する。車外報知装置100は、図4及び図5に示されるように歩行者Pの移動経路T2,T3と自車両Vの移動経路T1とが交差すると予測された場合(ステップS20:YES)、ステップS21に移行する。一方、車外報知装置100は、歩行者Pの移動経路T2,T3と自車両Vの移動経路T1とが交差しないと予測された場合(ステップS20:NO)、ステップS24に移行する。
ステップS21において、車外報知装置100は、最小距離取得部13により、歩行者Pと自車両Vとの最小距離を取得する。最小距離取得部13は、行動予測部11により予測された歩行者Pの今後の行動と、自車両Vの行動予定と、に基づいて、歩行者Pと自車両Vとの最小距離を取得する。その後、車外報知装置100は、ステップS22に移行する。
ステップS22において、車外報知装置100は、報知制御部14により、最小距離取得部13によって取得された最小距離が第2距離未満であるか否かを判定する。車外報知装置100は、最小距離が第2距離未満であると判定した場合(ステップS22:YES)、ステップS23に移行する。一方、車外報知装置100は、最小距離が第2距離以上であると判定した場合(ステップS22:NO)、ステップS24に移行する。
ステップS23において、車外報知装置100は、報知制御部14により、報知部4に報知させるべき自車両Vの行動予定に関する情報を、「自車両Vが歩行者Pに進路を譲ることを示す情報」に決定する。車外報知装置100は、報知の内容を決定すると、今回の処理を終了する。なお、この場合、自車両Vは、歩行者Pが自車両Vよりも先に通過可能となるように一時停止又は減速する。
一方、ステップS24において、車外報知装置100は、報知制御部14により、報知部4に報知させるべき自車両Vの行動予定に関する情報を、「自車両Vが歩行者Pに進路を譲らないことを示す情報」に決定する。車外報知装置100は、報知の内容を決定すると、今回の処理を終了する。なお、この場合、自車両Vは、歩行者Pの行動を妨げるおそれがないことを確認し、一時停止又は減速しないで歩行者Pよりも先に通過する。なお、図8のフローチャートは、例えば自車両Vの自動運転が終了された場合にも終了する。
続いて、車外報知装置100における報知手段の変更の処理について、図5及び図6の状況を参照しながら説明する。図9は、報知手段の変更の処理を示すフローチャートである。報知手段の変更の処理は、図7のステップS17に対応する。
図9に示されるように、ステップS30において、車外報知装置100のECU10は、報知制御部14により、自車両Vと歩行者Pとの間の距離Dが予め設定された第1距離となったか否かを判定する。報知制御部14は、外部センサ1から受信した情報(撮像情報、障害物情報)に基づいて、自車両Vと歩行者Pとの間の距離Dが予め設定された第1距離となったか否かを判定する。図6においては、距離Dが第1距離となっている。車外報知装置100は、自車両Vと歩行者Pとの間の距離Dが予め設定された第1距離となったと判定した場合(ステップS30:YES)、ステップS31に移行する。一方、図5においては、距離Dが第1距離となっていない。車外報知装置100は、自車両Vと歩行者Pとの間の距離Dが予め設定された第1距離となっていないと判定した場合(ステップS30:NO)、今回の処理を終了し、再びステップS30から処理を繰り返す。
ステップS31において、車外報知装置100のECU10は、第1報知部4aに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させることを中止させ、且つ、第2報知部4bに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させる。これにより、自車両Vの行動予定に関する情報が自車両Vの側方から認識可能とされる。すなわち、自車両Vの行動予定に関する情報が、自車両Vの側方に位置する歩行者Pによって視覚的に認識可能となる。車外報知装置100は、第1報知部4aに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させることを中止させ、且つ、第2報知部4bに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させると、今回の処理を終了する。なお、図9のフローチャートは、例えば自車両Vの自動運転が終了された場合にも終了する。
以上説明したように、車外報知装置100によれば、自動運転中の自車両Vの今後の行動予定と、自車両Vの前方に検出された歩行者Pの今後の予測される行動と、に基づいて、歩行者Pが自車両Vと並進するか否かが予測される。歩行者Pが自車両Vと並進しないと予測された場合には、第1報知部4aにより、自車両Vの今後の行動予定に関する情報が自車両Vの前方から認識可能に報知される。これにより、車外報知装置100は、自車両Vと並進しないと予測された歩行者Pに対して、当該歩行者Pが自車両Vの前方に位置していても、自車両Vの今後の行動予定に関する情報を報知することができる。一方、歩行者Pが自車両Vと並進すると予測された場合には、自車両Vの進行方向において歩行者Pが自車両Vから第1距離に位置するタイミングで、第2報知部4bにより、自車両Vの今後の行動予定に関する情報が自車両Vの側方から認識可能に報知される。これにより、車外報知装置100は、自車両Vと並進すると予測された歩行者Pに対して、当該歩行者Pの近傍を自車両Vが通過する前において、例えば当該歩行者Pが自車両Vの前方に報知された情報よりも自車両Vの側方に報知された情報の方が認識しやすい位置関係となるタイミングで、自車両Vの今後の行動予定に関する情報を報知することができる。よって、車外報知装置100は、歩行者Pの今後の行動を予測し、予測した行動に応じて報知することができる。その結果、自動運転中の自車両Vの今後の行動予定をより早期に且つより確実に歩行者Pに知らせることができる。
車外報知装置100は、行動予測部11により予測された歩行者Pの今後の行動と自車両Vの今後の行動予定とに基づいて、歩行者Pと自車両Vとが最も接近する際の距離である最小距離を取得する最小距離取得部13を備え、報知制御部14は、最小距離取得部13により取得された最小距離が第2距離未満である場合には、自車両Vが歩行者Pに進路を譲ることを示す情報を、自車両Vの今後の行動予定に関する情報として第1報知部4a又は第2報知部4bに報知させ、最小距離取得部13により取得された最小距離が第2距離以上である場合には、自車両Vが歩行者Pに進路を譲らないことを示す情報を、自車両Vの今後の行動予定に関する情報として第1報知部4a又は第2報知部4bに報知させる。これにより、自車両Vは、歩行者Pとの最小距離に基づいて、歩行者Pに進路を譲るか否かについてより好適な行動を行動予定として選択し、当該行動予定を歩行者Pに知らせることができる。
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
例えば、第1報知部4aは、自車両Vの今後の行動予定に関する情報を自車両Vの前方から聴覚的に認識可能に音声を出力する音声出力装置であってもよい。具体的には、第1報知部4aは、自車両Vの前方に向けて音声を出力するスピーカであってもよい。特に、第1報知部4aは、指向性の高いスピーカであるパラメトリックスピーカであってもよい。例えば、第1報知部4aは、歩行者Pに進路を譲ることを示す情報として「お先にどうぞ」との音声を出力してもよく、歩行者Pに進路を譲らないことを示す情報として「先に通過します」との音声を出力してもよい。
また、第2報知部4bは、自車両Vの今後の行動予定に関する情報を自車両Vの側方から聴覚的に認識可能に音声を出力する音声出力装置であってもよい。具体的には、第2報知部4bは、自車両Vの側方に向けて音声を出力するスピーカであってもよい。特に、第2報知部4bは、指向性の高いスピーカであるパラメトリックスピーカであってもよい。例えば、第2報知部4bは、歩行者Pに進路を譲ることを示す情報として「お先にどうぞ」との音声を出力してもよく、歩行者Pに進路を譲らないことを示す情報として「先に通過します」との音声を出力してもよい。
また、車外報知装置100は、最小距離取得部13を有していなくてもよい。この場合、車外報知装置100は、歩行者Pと自車両Vとの最小距離以外の条件に基づいて、報知部4に報知させるべき自車両Vの行動予定に関する情報を決定してもよい。
また、ステップS13において、歩行者Pが自車両Vと並進すると予測された場合、ステップS16において、車外報知装置100のECU10は、自車両Vと歩行者Pとの間の距離Dが予め設定された第1距離となるタイミングまでの間、報知制御部14により、自車両Vの行動予定に関する情報を第1報知部4aに報知させなくてもよい。
また、ステップS30において、自車両Vと歩行者Pとの間の距離Dが予め設定された第1距離となったと判定された場合、ステップS31において、車外報知装置100のECU10は、第1報知部4aに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させることを中止させずに、第1報知部4aに加えて第2報知部4bに自車両Vの行動予定に関する情報を報知させてもよい。