JP2019027317A - ガス化複合発電設備及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスタービンの起動に関わらずガス化炉の起動させることができ、かつ送電端効率を空気吹きに近づけることができるガス化複合発電設備を提供する。【解決手段】石炭をガス化するガス化炉3と、外気を圧縮してガス化炉3に空気を供給するガス化空気圧縮機12と、空気から酸素を分離してガス化炉3に酸素を供給する空気分離装置10と、ガス化炉3から導かれた生成ガスを用いて駆動されるガスタービン7と、ガスタービン7によって駆動される発電機とを備え、ガス化炉3に供給されるガスの酸素濃度は、40vol%以上60vol%以下とされている。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素含有固体燃料をガス化して発電するガス化複合発電設備及びその運転方法に関するものである。
微粉炭等の炭素含有固体燃料をガス化して発電するガス化複合発電設備には、ガス化炉に酸化剤として酸素のみを供給する酸素吹きと、空気のみ若しくは酸素及び空気を供給する空気吹きとが存在する。
従来の空気吹きガス化複合発電設備は、ガス化炉に供給する酸化剤として、ガスタービンの圧縮機から抽気された抽気空気と、空気分離装置(ASU)から分離された酸素とを用いている(特許文献1参照)。
特開2014−214705号公報
上記特許文献1のように、空気吹きでは、主たる空気源がガスタービンとなることから、ガス化炉を起動させるためにはガスタービンの起動が前提となる。また、ガスタービンの負荷を上昇させるためには、ガス化炉の負荷を上げて生成ガスを増加させる必要がある。このように、ガス化炉とガスタービンの運転は、互いに密接に連動しており、機器の運転の自由度が制限されているという問題がある。
ガスタービンの圧縮機から抽気してガス化炉に圧縮空気を供給するためには、圧縮空気の圧力をガス化炉が要求する圧力まで昇圧するために抽気空気圧縮機を用いる必要がある。しかし、抽気空気圧縮機は、ガスタービンの負荷変動が生じた場合にはガス化炉が要求する圧力となるように揚程を変化させる必要があり、設計の難易度が高いという問題がある。
ガス化複合発電設備を酸素吹きとすれば、抽気空気圧縮機を用いる必要がない。しかし、大量の酸素をガス化炉に供給するために酸素分離装置が大型化し、結果として送電端効率が空気吹きに比べて減少してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ガスタービンの起動に関わらずガス化炉を起動させることができ、かつ送電端効率を空気吹きに近づけることができるガス化複合発電設備及びその運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のガス化複合発電設備及びその運転方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるガス化複合発電設備は、炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉と、外気を圧縮して前記ガス化炉に空気を供給するガス化空気圧縮機と、空気から酸素を分離して前記ガス化炉に酸素を供給する空気分離装置と、前記ガス化炉から導かれた生成ガスを用いて駆動されるガスタービンと、該ガスタービンによって駆動される発電機とを備え、前記ガス化炉に供給されるガスの酸素濃度は、40vol%以上60vol%以下とされていることを特徴とする。
外気を圧縮するガス化空気圧縮機を用いてガス化炉に空気を供給することとし、ガスタービンの圧縮機から抽気された空気を用いないこととした。これにより、起動時にガスタービンの起動に関係なくガス化炉の起動を行うことができる。また、ガス化空気圧縮機は、ガスタービンからの抽気空気を圧縮する抽気空気圧縮機に比べて、ガスタービンの負荷に関わらず揚程を決めることができるので、設計が容易となる。
一方、ガス化空気圧縮機は、大気圧の外気を圧縮するので、抽気空気圧縮機に比べて圧縮比が大きくなり、動力が大きくなる。これに対して、空気分離装置から分離された酸素をガス化炉に供給してガス化炉に供給されるガスの酸素濃度を40vol%以上60vol%以下にすることで、空気吹きの場合の一般的な酸素濃度に合わせて酸素濃度を25vol%とした場合に比べて、石炭の化学エネルギーに対する生成ガスの化学エネルギーの割合を示す冷ガス効率を上げて、全体として送電端効率を上げることができる。
また、ガスタービンから独立してガス化炉を運転することができるので、緊急時であってもガス化炉の運転を継続することができ、運用性を向上させることができる。
なお、ガス化炉に供給されるガスの酸素濃度としては、約50%がより好ましい。
さらに、本発明のガス化複合発電設備では、前記ガス化炉から導かれた生成ガスを用いて発電する燃料電池を備えていることを特徴とする。
ガス化炉に供給されるガスの酸素濃度が40vol%以上60vol%以下とされ、一般に酸素濃度が約25vol%とされる空気吹きの場合に比べて高い酸素濃度を有しているので、燃料電池を駆動するために必要な生成ガスのカロリーを得ることができる。
燃料電池から排出される生成ガスをガスタービンに導くように燃料電池とガスタービンを直列に配置しても良いし、ガス化炉からの生成ガスを2方に分岐して燃料電池及びガスタービンに導くようにして、燃料電池とガスタービンとを並列に配置しても良い。
また、本発明のガス化複合発電設備の運転方法では、炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉と、外気を圧縮して前記ガス化炉に空気を供給するガス化空気圧縮機と、空気から酸素を分離して前記ガス化炉に酸素を供給する空気分離装置と、前記ガス化炉から導かれた生成ガスを用いて駆動されるガスタービンと、該ガスタービンによって駆動される発電機とを備えたガス化複合発電設備の運転方法であって、前記ガス化炉に供給されるガスの酸素濃度は、40vol%以上60vol%以下とされていることを特徴とする。
さらに、本発明のガス化複合発電設備の運転方法では、前記ガス化空気圧縮機から供給された空気によって前記ガス化炉を起動することを特徴とする。
ガス化炉は、ガス化空気圧縮機から供給された空気によって起動される。これにより、ガスタービンの圧縮機から抽気した空気を用いる必要がないので、ガスタービンの起動に関係なくガス化炉の起動を行うことができる。
さらに、本発明のガス化複合発電設備の運転方法では、前記ガスタービンは、空気を圧縮して燃焼器に供給するガスタービン圧縮機を備え、前記ガスタービンの部分負荷時に、前記ガスタービン圧縮機に吸入される空気流量を、前記ガス化炉の運転状態とは独立して減少させることを特徴とする。
ガスタービンの部分負荷時に、ガスタービン圧縮機に吸入される空気流量を、ガス化炉の運転状態とは独立して減少させることとした。したがって、大きく空気流量を減少させて部分負荷時のガスタービンの排気ガス温度を高温化することができ、負荷変化率向上を図ることができる。
外気を圧縮してガス化炉に空気を供給するガス化空気圧縮機を用い、ガスタービンの圧縮機からの抽気空気を用いないこととしたので、ガスタービンの起動に関わらずガス化炉を起動させることができ、かつ送電端効率を空気吹きに近づけることができる。
本発明の第1実施形態に係るガス化複合発電設備を示した概略構成図である。 参考例としてのガス化複合発電設備を示した概略構成図である。 ガス化炉に供給するガスの酸素濃度に対する送電端効率を示したグラフである。 本発明の第2実施形態に係るガス化複合発電設備を示した概略構成図である。 図4の変形例のガス化複合発電設備を示した概略構成図である。
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係るガス化複合発電設備の概略構成が示されている。
ガス化複合発電設備(IGCC:Integrated Gasification Combined Cycle)1は、ガス化炉3と、ガス精製設備5と、ガスタービン7と、蒸気タービン18と、発電機(図示せず)と、排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)20とを備えている。
ガス化炉3は、空気及び酸素を酸化剤として用いており、石炭等の炭素含有固体燃料から可燃性ガスを生成する空気燃焼方式を採用している。ガス化複合発電設備1は、ガス化炉3で生成した生成ガスを、ガス精製設備5で精製して燃料ガスとした後、ガスタービン7に供給して発電を行っている。ガス化炉3に供給する炭素含有固体燃料としては、例えば石炭が用いられる。
石炭ミルで製造された微粉炭は、空気分離装置(ASU:Air Separation Unit)10から供給される搬送用イナートガスとしての窒素ガスによって加圧されて、ガス化炉3へ向けて供給される。
ガス化炉3には、微粉炭が供給されると共に、チャー回収設備(図示せず)で回収されたチャー(石炭の未反応分と灰分)が再利用を目的として供給されている。
空気分離装置10は、大気中の空気を圧縮する原料空気圧縮機11から導かれた圧縮空気から窒素と酸素を分離生成するものである。空気分離装置10によって分離された窒素は、上述のように微粉炭の搬送用ガスとして利用される。余剰の窒素は、大気へと放風される。空気分離装置10によって分離された酸素は、ガス化炉3において酸化剤として利用される。
ガス化炉3には、ガス化空気圧縮機12で圧縮された圧縮空気が供給される。ガス化空気圧縮機12は、電力の供給を受けて駆動され、大気圧とされた空気(外気)を圧縮してガス化炉3が要求する圧力まで昇圧する。
ガス化炉3に供給されるガスの酸素濃度は、定格運転時には、40vol%以上60vol%以下、好ましくは約50vol%となるように、図示しない制御部によって調整されるようになっている。ここで、酸素濃度とは、石炭ガス化炉3のコンバスタ部へ供給される空気及び酸素ガス等の酸化剤と搬送用の窒素ガス等に代表されるイナートガスの合計ガス量に占める酸素濃度である。
ガス化炉3は、例えば、2段噴流床形式とされている。ガス化炉3は、内部に供給された石炭(微粉炭)およびチャーを酸化剤(空気、酸素)により部分燃焼させることでガス化させ生成ガスとする。ガス化炉3内は、例えば、2〜5MPa(ゲージ圧)の加圧状態に保持されている。
ガス化炉3は、コンバスタ部とリダクタ部を備えている。コンバスタ部は、微粉炭及び/又はチャーの一部を燃焼させることでガス化のための熱やCO、HOを供給する。リダクタ部では、微粉炭が酸素不足下でガス化される。
ガス精製設備5は、チャー回収設備によりチャーが分離された生成ガスに対して、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物を取り除くことで、ガス精製を行うものである。
ガス精製設備5は、生成ガスを精製して燃料ガスを製造し、これをガスタービン7に供給する。チャーが分離された生成ガス中にはまだ硫黄分(HSなど)が含まれているため、ガス精製設備5では、アミン吸収液などによって硫黄分を除去回収して、有効利用する。
ガスタービン7は、ガスタービン圧縮機、燃焼器、タービンを備えており、ガスタービン圧縮機とタービンとは、共通の回転軸により連結されている。燃焼器には、ガスタービン圧縮機からの圧縮空気と、ガス精製設備5からの燃料ガスとが導かれる。従って、燃焼器では、ガスタービン圧縮機から供給された圧縮空気とガス精製設備5から供給された燃料ガスとを混合して燃焼させることで燃焼ガスを発生させ、発生させた燃焼ガスをタービンへ向けて供給する。そして、タービンは、供給された燃焼ガスにより回転軸を回転駆動させることで発電機を回転駆動させる。
ガスタービン圧縮機の吸入側には、ガスタービン圧縮機に吸入される空気流量を調整する吸入空気流量調整手段が設けられている。吸入空気流量調整手段は、例えばインレットガイドベーン(IGV)とされ、制御部の指令によって各ベーンの角度が変更されて吸入面積が変更可能となっている。ガスタービン7の部分負荷時には、制御部の指令によってガスタービン圧縮機に吸入される空気流量を減少させるようになっている。
なお、ガスタービン圧縮機で圧縮された圧縮空気は、ガス化炉3へは供給されない。すなわち、ガスタービン圧縮機からの圧縮空気は、燃焼器のみへ供給されるようになっている。
蒸気タービン18は、ガスタービン7の回転軸に連結されるタービンを備えており、発電機は、この回転軸に連結されている。
ガスタービン7のタービンの排出側には、排熱回収ボイラ20が接続されている。排熱回収ボイラ20は、給水とガスタービン7からの排ガスとの間で熱交換を行うことで、蒸気を生成するものである。そして、排熱回収ボイラ20で生成された蒸気は、蒸気タービン18へ導かれ、タービンが回転駆動されて回転軸を回転させることで発電機を回転駆動させる。
排熱回収ボイラ20の出口には、煙突22が接続されており、燃焼ガスが大気へと放出される。なお、排熱回収ボイラ20の出口に、ガス浄化設備を設けても良い。
次に、本実施形態のガス化複合発電設備1の動作について説明する。
石炭ミルで石炭を粉砕して製造された微粉炭は、空気分離装置10から供給される窒素ガスとともにガス化炉3に供給される。また、チャー回収設備で回収されたチャーがガス化炉3に供給される。
空気分離装置10から供給される酸素と、ガス化空気圧縮機12にて圧縮された空気がガス化炉3に供給される。このとき、制御部によって、ガス化炉3に供給されるガスの酸素濃度は、40vol%以上60vol%以下、好ましくは約50vol%となるように調整される。
微粉炭及びチャーはガス化炉3内に導かれ、圧縮空気(酸素)により燃焼し、微粉炭及びチャーがガス化することで、生成ガスを生成する。ガス化炉3で生成された生成ガスは、ガス化炉3からチャー回収設備を経由してガス精製設備5に送られる。
ガス精製設備5にて、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物が取り除かれてガス精製され、燃料ガスが製造される。燃料ガスは、ガスタービン7の燃焼器へと供給される。
燃焼器では、ガスタービン圧縮機から供給される圧縮空気と、ガス精製設備5から供給される燃料ガスとを混合し、燃焼することで燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスによりタービンを回転駆動することで、回転軸を介してガスタービン圧縮機及び発電機を回転駆動し、発電を行う。
排熱回収ボイラ20は、ガスタービン7から排出された排ガスと給水とで熱交換を行うことにより蒸気を生成し、この生成した蒸気を蒸気タービン18に供給する。蒸気タービン18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気により回転駆動されることで、回転軸を介して発電機を回転駆動し、発電を行う。
なお、ガスタービン7と蒸気タービン18は同一軸として1つの発電機を回転駆動しなくてもよく、別の軸として複数の発電機を回転駆動しても良い。
また、ガス化炉3の起動は、ガス化空気圧縮機12から導かれた空気によって行われる。したがって、ガスタービン7のガスタービン圧縮機から空気の供給を受けることなく起動できるようになっている。また、空気分離装置10の起動を待たずにガス化炉3を起動することができる。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
外気を圧縮するガス化空気圧縮機12を用いてガス化炉3に空気を供給することとし、ガスタービン7のガスタービン圧縮機から抽気された空気を用いないこととした。これにより、起動時にガスタービン7の起動に関係なくガス化炉3の起動を行うことができる。この効果を図2に示した参考例を用いて説明する。図2に示すように、参考例の空気吹きガス化複合発電設備100は、ガスタービン7のガスタービン圧縮機から抽気した空気を吸い込んで圧縮する抽気空気圧縮機102を備えている。抽気空気圧縮機102で圧縮された空気は、ガス化炉3へと供給される。したがって、図2の空気吹きガス化複合発電設備100は、図1に示したようなガス化空気圧縮機12を備えていない。このため、ガス化炉3を起動するためには、先にガスタービン7を起動させる必要がある。
本実施形態のガス化空気圧縮機12は、ガスタービン7からの抽気空気を圧縮する抽気空気圧縮機102に比べて、ガスタービン7の負荷に関わらず揚程を決めることができるので、設計が容易となる。これに対して、図2に示した抽気空気圧縮機102は、ガスタービン7の負荷変動が生じた場合にはガス化炉3が要求する圧力となるように揚程を変化させる必要があり、設計の難易度が高くなる。
本実施形態では、ガス化空気圧縮機12を用いてガス化炉3に空気を供給するので、ガスタービン7から独立してガス化炉3を運転することができる。したがって、緊急時であってもガス化炉3の運転を継続することができ、運用性を向上させることができる。
ガス化空気圧縮機12は、大気圧の外気を圧縮するので、図2の抽気空気圧縮機102に比べて圧縮比が大きくなり、動力が大きくなる。これに対して、空気分離装置10から分離された酸素をガス化炉3に供給してガス化炉3に供給されるガスの酸素濃度を40vol%以上60vol%以下まで高めるようにした。これにより、図2のような空気吹きの場合の一般的な酸素濃度に合わせて酸素濃度を25vol%とした場合に比べて、石炭の化学エネルギーに対する生成ガスの化学エネルギーの割合を示す冷ガス効率を上げて、送電端効率を上げることができる。
図3には、ガス化炉3に供給するガスの酸素濃度に対する送電端効率が曲線で示されている。同図に示されているように、酸素濃度が約50vol%あたりで送電端効率が最も高くなっている。酸素濃度が50vol%よりも低くなると、冷ガス効率の増大よりもガス化空気圧縮機12の圧縮動力の増大による損失が大きくなるので送電端効率が減少する。酸素濃度が50vol%よりも高くなると、冷ガス効率の増大よりも空気分離装置10で消費されるエネルギーの増大による損失が大きくなるので送電端効率が減少する。したがって、酸素濃度範囲としては、40vol%以上60vol%以下が好ましい。
図3には、酸素濃度が約25%の位置に空気吹きの場合の送電端効率が菱形印で示されている。酸素濃度が約25%の位置における送電端効率の差が、ガス化空気圧縮機12と抽気空気圧縮機102の圧縮動力差に基づくものであると理解できる。
負荷変化応答時の運用性向上を図ることができる。具体的には、プラントの負荷を上昇させる際に、従来はガスタービン出力指令(MWD指令)とガス化炉入力指令(GID指令)が連動し、ガス化炉3に供給するガスタービン抽気空気の増大と動くため、瞬間的にはガスタービン出力が低下しMWD増とは逆方向にプラントが挙動していた。本実施形態では、ガスタービン抽気連携を縁切りすることで、MWDに対して素直な挙動を確保できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して燃料電池を組み合わせて、IGFC(Integrated Gasification Fuel cell Combined Cycle:ガス化燃料電池複合発電)としたものである。以下の説明では、第1実施形態との相違点のみを説明し、その他は同一符号を付してその説明を省略する。
図4に示されているように、本実施形態に係るガス化複合発電設備1Aは、ガス精製設備5とガスタービン7との間に、燃料電池としてSOFC(Solid Oxide Fuel Cell:固体酸化物型燃料電池)24が設けられている。即ち、SOFC24とガスタービン7とは直列に設けられている。SOFC24の燃料極には、ガス精製設備5から燃料ガスが導かれ、SOFC24で使用された後の排燃料ガスがガスタービン7の燃焼器へと導かれる。SOFC24の空気極には、ガス化空気圧縮機12から導かれた圧縮空気が導かれる。これにより、SOFC24は、燃料電池反応によって発電する。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
ガス化炉に供給されるガスの酸素濃度が40vol%以上60vol%以下とされ、酸素濃度が約25vol%とされる空気吹きの場合(図2参照)に比べて高い酸素濃度を有しているので、生成ガスは燃料電池を駆動するために必要なカロリーを得ることができる。これにより、IGFCを実現することができる。
図2のように酸素濃度が約25vol%とされる空気吹きの場合、酸素濃度が低いプロセスとなり、生成ガスのカロリーが低い。このため、生成ガスをガス精製設備5で精製した精製ガスをSOFCへ供給すると、SOFC出口のガスカロリーがガスタービン要求値を満足しない。このため、一部の精製ガスをSOFCに対してバイパスさせることでカロリー調整する必要が生じる。結果としてSOFCとガスタービンの最適化が図れず、送電端効率も低くなる。これに対して、本実施形態のように酸素濃度を40vol%以上60vol%以下として酸素濃度を高くすれば、SOFC24の出口においてもガスタービン7が要求するガスカロリーを確保できるため、精製ガスがSOFC24をバイパスする必要性はなくなり、SOFC24とガスタービン7の最適化を図ることが可能となる。
また、図4に示した構成に変えて、図5に示したガス化複合発電設備1Bのように、SOFC24をガスタービン7に対して並列に配置するようにしても良い。図5のように、SOFC24とガスタービン7のそれぞれに対して、ガス精製設備5から燃料ガスが2つに分岐して導かれるようになっている。SOFC24から排出される排燃料ガスは、排熱回収ボイラ20で熱回収されるようになっている。
なお、上述した各実施形態では、燃料として石炭としたが、石炭に限らず、再生可能な生物由来の有機性資源として使用されるバイオマスであってもよく、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などを使用することも可能である。
1,1A,1B ガス化複合発電設備
3 ガス化炉
5 ガス精製設備
7 ガスタービン
10 空気分離装置
11 原料空気圧縮機
12 ガス化空気圧縮機
18 蒸気タービン
20 排熱回収ボイラ
22 煙突
24 SOFC(燃料電池)

Claims (5)

  1. 炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉と、
    外気を圧縮して前記ガス化炉に空気を供給するガス化空気圧縮機と、
    空気から酸素を分離して前記ガス化炉に酸素を供給する空気分離装置と、
    前記ガス化炉から導かれた生成ガスを用いて駆動されるガスタービンと、
    該ガスタービンによって駆動される発電機と、
    を備え、
    前記ガス化炉に供給されるガスの酸素濃度は、40vol%以上60vol%以下とされていることを特徴とするガス化複合発電設備。
  2. 前記ガス化炉から導かれた生成ガスを用いて発電する燃料電池を備えていることを特徴とする請求項1に記載のガス化複合発電設備。
  3. 炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉と、
    外気を圧縮して前記ガス化炉に空気を供給するガス化空気圧縮機と、
    空気から酸素を分離して前記ガス化炉に酸素を供給する空気分離装置と、
    前記ガス化炉から導かれた生成ガスを用いて駆動されるガスタービンと、
    該ガスタービンによって駆動される発電機と、
    を備えたガス化複合発電設備の運転方法であって、
    前記ガス化炉に供給されるガスの酸素濃度は、40vol%以上60vol%以下とされていることを特徴とするガス化複合発電設備の運転方法。
  4. 前記ガス化空気圧縮機から供給された空気によって前記ガス化炉を起動することを特徴とする請求項3に記載のガス化複合発電設備の運転方法。
  5. 前記ガスタービンは、空気を圧縮して燃焼器に供給するガスタービン圧縮機を備え、
    前記ガスタービンの部分負荷時に、前記ガスタービン圧縮機に吸入される空気流量を、前記ガス化炉の運転状態とは独立して減少させることを特徴とする請求項3又は4に記載のガス化複合発電設備の運転方法。
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