最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る合流支援装置は、合流先の車線において合流地点へ向かう車両である合流先車両の位置および速度を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記位置および前記速度に基づいて、合流元の車線における車両である合流元車両が車線変更を行う際の目標速度、目標位置および目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つを算出する算出部とを備える。
このような構成により、たとえば、死角が多く発生し、周辺の車両状況を十分には把握できない環境であっても、合流先車両の位置および速度に基づいて算出された目標速度、目標位置および目標タイミングの少なくともいずれか1つを用いて、より安全かつ円滑に合流元車両を合流先の車線へ合流させることが可能な状態にすることができる。したがって、道路を走行する車両の車線変更を良好に支援することができる。
(2)好ましくは、前記取得部は、複数の前記合流先車両の前記位置および前記速度を取得し、前記算出部は、前記取得部によって取得された各前記位置に基づいて、前記合流先車両間の車間距離を算出し、算出した前記車間距離、ならびに前記各位置および各前記速度に基づいて、前記目標速度、前記目標位置および前記目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つを算出する。
このような構成により、複数の合流先車両が存在する場合においても、十分な車間距離を有する合流先車両間に合流元車両を誘導することができるので、合流元車両を合流先車両間へより安全かつ円滑に合流させることができる。
(3)好ましくは、前記合流支援装置は、前記合流先車両の前記位置、または前記合流先車両の前記位置および前記速度を測定する路側センサに含まれ、前記取得部は、前記路側センサの測定結果に基づいて前記位置および前記速度を取得する。
このような構成により、合流支援装置を効率よく収容することができ、また合流先車両の位置および速度を簡易に取得することができる。
(4)好ましくは、前記合流支援装置は、前記算出部による算出結果に基づく情報を前記合流元車両または前記合流先車両へ送信する路側送信機に含まれる。
このような構成により、合流支援装置を効率よく収容することができ、また算出部による算出結果に基づく情報を効率よく送信することができる。
(5)好ましくは、前記合流支援装置は、前記合流元車両に搭載される車載装置に含まれ、前記取得部は、前記合流先車両の前記位置および前記速度を測定する路側センサから前記位置および前記速度を取得する。
このような構成により、合流支援装置を効率よく収容することができ、また目標速度、目標位置および目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つをドライバに効率よく提供することができる。
(6)本発明の実施の形態に係る合流支援装置は、合流元の車線において合流地点へ向かう車両である合流元車両の位置および速度を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記位置および前記速度に基づいて、前記合流元車両の合流先の車線における車両の目標速度、目標位置および目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つを算出する算出部とを備える。
このような構成により、たとえば、死角が多く発生し、周辺の車両状況を十分には把握できない環境であっても、合流元車両の位置および速度に基づいて算出された目標速度、目標位置および目標タイミングの少なくともいずれか1つを用いて、合流元車両の合流先の車線における車両を、より安全かつ円滑に合流元車両を合流先の車線へ合流させることが可能な状態にすることができる。したがって、道路を走行する車両の車線変更を良好に支援することができる。
(7)本発明の実施の形態に係る合流支援方法は、合流支援装置における合流支援方法であって、合流先の車線において合流地点へ向かう車両である合流先車両の位置および速度を取得するステップと、取得した前記位置および前記速度に基づいて、合流元の車線における車両である合流元車両が車線変更を行う際の目標速度、目標位置および目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つを算出するステップとを含む。
このような構成により、たとえば、死角が多く発生し、周辺の車両状況を十分には把握できない環境であっても、合流先車両の位置および速度に基づいて算出された目標速度、目標位置および目標タイミングの少なくともいずれか1つを用いて、より安全かつ円滑に合流元車両を合流先の車線へ合流させることが可能な状態にすることができる。したがって、道路を走行する車両の車線変更を良好に支援することができる。
(8)本発明の実施の形態に係る合流支援方法は、合流支援装置における合流支援方法であって、合流元の車線において合流地点へ向かう車両である合流元車両の位置および速度を取得するステップと、取得した前記位置および前記速度に基づいて、前記合流元車両の合流先の車線における車両の目標速度、目標位置および目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つを算出するステップとを含む。
このような構成により、たとえば、死角が多く発生し、周辺の車両状況を十分には把握できない環境であっても、合流元車両の位置および速度に基づいて算出された目標速度、目標位置および目標タイミングの少なくともいずれか1つを用いて、合流元車両の合流先の車線における車両を、より安全かつ円滑に合流元車両を合流先の車線へ合流させることが可能な状態にすることができる。したがって、道路を走行する車両の車線変更を良好に支援することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムの構成を示す図である。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムの道路における設置例を上方から見た状態を示す図である。
図1および図2を参照して、安全運転支援システム301は、無線端末装置111と、路側無線通信機151と、電波センサ161とを備える。路側無線通信機151は、合流支援装置101を含む。無線端末装置111は、支援対象車両181に搭載される。
道路Rdは、合流道路Rdbと、本線道路Rdmとを含む。道路Rdは、高速道路である。なお、道路Rdは、一般道路でもよい。
本線道路Rdmは、車線11である車線11Lと、車線11Rとを含む。車線11Lおよび車線11Rは、走行方向が同じ車線である。具体的には、車線11Lおよび11Rは、たとえば、それぞれ走行車線および追い越し車線である。
合流道路Rdbは、車線11である車線11Jを含み、本線道路Rdmにおける車線11Lに合流する。この例では、合流元車両の一例である支援対象車両181が、合流道路Rdbにおける車線11Jを走行する。検知対象車両171が、本線道路Rdmにおける車線11L,11Rを走行する。
路側無線通信機151および電波センサ161は、インフラストラクチャー設備の一例であり、道路Rdの近傍に設置される。電波センサ161および路側無線通信機151は、たとえば、図示しない信号線によって互いに接続されている。
路側送信機の一例である路側無線通信機151は、たとえば、ITS(Intelligent Transport Systems)スポットであり、渋滞情報および安全運転支援情報等を送信することが可能である。
なお、路側無線通信機151は、ITSスポットに限らず、光ビーコンおよび電波ビーコン等であってもよい。
車載装置の一例である無線端末装置111は、たとえば、路側無線通信機151と通信を行うことが可能なカーナビゲーション装置である。なお、無線端末装置111は、カーナビゲーション装置に限らず、スマートホン等であってもよい。
路側センサの一例である電波センサ161は、たとえば、ミリ波レーダであり、非特許文献1(Eugin Hyun、外2名、「A Pedestrian Detection Scheme Using a Coherent Phase Difference Method Based on 2D Range−Doppler FMCW Radar」、Sensros、2016年、第16巻、P.124)に記載された2D Range−Doppler FM−CW方式に従って動作する。
なお、電波センサ161は、上記方式に限らず、非特許文献3(四分一 浩二、外2名、”拡大するミリ波技術の応用”、島田理化技報、2011年、第21号、P.37−48)および非特許文献4(稲葉 敬之、桐本 哲郎、”車載用ミリ波レーダ”、自動車技術、2010年2月、第64巻、第2号、P.74−79)に記載のFM−CW方式および2周波CW方式、ならびに非特許文献5(電子情報通信学会編・発行 吉田孝監修、「改訂レーダ技術」、改訂版、コロナ社、1996年10月、P275−276)に記載のパルス圧縮方式に従って動作してもよい。
[動作の流れ]
安全運転支援システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図またはフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムにおいて、電波センサが検知対象車両を検知する際のシーケンスの一例を示す図である。
図3を参照して、まず、電波センサ161は、対象エリアA1へ電波を送信し、対象エリアA1等からの電波を受信する(ステップS102)。
より詳細には、電波センサ161は、たとえば、本線道路Rdmの下流側へミリ波を送信する。なお、電波センサ161は、本線道路Rdmの上流側へミリ波を送信してもよい。
対象エリアA1は、電波センサ161から送信された電波の照射範囲の少なくとも一部である。対象エリアA1は、たとえば、車線11Lおよび11Rの一部を含み、電波センサ161に対して車線11Lおよび11Rの下流側に位置する。
電波センサ161は、対象エリアA1における物体からの反射波を受信可能である。より詳細には、電波センサ161が受信する電波には、検知対象車両171によって反射された電波、検知対象車両171以外の物体である構造物、たとえばガードレールおよびポールによって反射された電波、ならびに電波を送信する電波送信体からの電波等が含まれる。
次に、電波センサ161は、受信した電波に基づく受信信号を信号処理する(ステップS104)。
より詳細には、電波センサ161は、たとえば、非特許文献1に記載の方法に従って、受信信号を処理し、車線11Lおよび11Rを走行する検知対象車両171を検知対象物として検知する。そして、電波センサ161は、受信信号に基づいて、検知した検知対象車両171の測定対象距離、測定対象方位角および測定対象速度を測定する。
ここで、測定対象距離は、電波センサ161を原点とするセンサ座標系における電波センサ161から検知対象車両171までの距離である。測定対象方位角は、上方から電波センサ161を平面視した場合における、センサ座標系における電波センサ161から検知対象車両171への方位を示す角度である。測定対象速度は、電波センサ161に対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った検知対象車両171の移動速度である。
次に、電波センサ161は、検知結果に基づいてセンサ情報を作成する(ステップS106)。
より詳細には、電波センサ161は、たとえば、検知対象車両171を検知しなかった場合、ヌルを示すセンサ情報を作成する。
また、電波センサ161は、たとえば、1または複数の検知対象車両171を検知した場合、検知した検知対象車両171ごとに、絶対座標によって表される検知対象車両171の位置、および検知対象車両171の速度を示すセンサ情報を作成する。
より詳細には、電波センサ161は、測定対象距離および測定対象方位角に基づく検知対象車両171の位置を、たとえば、緯度および経度によって表される座標(以下、絶対座標とも称する。)に変換する。
電波センサ161は、たとえば、測定対象速度を速度として示し、かつ絶対座標を示すセンサ情報を作成する。
次に、電波センサ161は、作成したセンサ情報を、図示しない信号線経由で路側無線通信機151へ送信する(ステップS108)。
次に、路側無線通信機151は、電波センサ161からセンサ情報を受信すると、受信したセンサ情報に基づいて合流支援情報を作成する作成処理を行う(ステップS110)。合流支援情報および作成処理の詳細については、後述する。
路側無線通信機151は、作成した合流支援情報をブロードキャストする(ステップS112)。
そして、無線端末装置111は、合流支援情報を路側無線通信機151から受信する。
より詳細には、無線端末装置111は、たとえば、自己を搭載する支援対象車両181が、路側無線通信機151による電波の照射範囲に進入すると、合流支援情報を支援対象車両181から受信する。
次に、無線端末装置111は、路側無線通信機151から受信した合流支援情報に基づいて、支援対象車両181の運転支援を行う(ステップS114)。
より詳細には、無線端末装置111は、たとえば、合流支援情報の内容を、音声として出力したり、ディスプレイに表示したりすることによってドライバへ通知する。
また、支援対象車両181が自動運転車両である場合、支援対象車両181は、無線端末装置111によって受信された合流支援情報を用いて、自己の運転を制御する。
上記ステップS102〜S114の動作は、たとえば、所定の周期、具体的には数百ミリ秒周期ごとに繰り返される。
[合流支援装置の構成]
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける合流支援装置の構成を示す図である。
図4を参照して、合流支援装置101は、取得部6と、算出部7と、出力部8とを備える。
合流支援装置101における取得部6は、支援対象車両181の合流先の車線11Lにおいて合流地点へ向かう車両である合流先車両の位置および速度を取得する。
また、取得部6は、たとえば、対象エリアAにおける車線11Lを複数の検知対象車両171が走行する場合、車線11Lにおいて合流地点に向かう複数の合流先車両の位置および速度を取得する。
より詳細には、取得部6は、路側無線通信機151の動作を監視し、路側無線通信機151がセンサ情報を受信すると、路側無線通信機151が受信したセンサ情報を取得する。
このセンサ情報には、対象エリアA1の交通状況に応じて、1つの検知対象車両171についての位置および速度が含まれる場合があり、あるいは、複数の検知対象車両171についての位置および速度が含まれる場合がある。
取得部6は、取得したセンサ情報がヌルを示す場合、合流先車両が存在しないことを示す検知結果情報Ndを算出部7へ出力する。
また、取得部6は、取得したセンサ情報に1または複数の検知対象車両171の位置および速度が含まれる場合、当該位置に基づいて、検知対象車両171が走行する車線11を判別する。
取得部6は、判別した結果、車線11Lを走行する検知対象車両171が存在しない場合、検知結果情報Ndを算出部7へ出力する。
一方、取得部6は、車線11Lを走行する検知対象車両171すなわち合流先車両が存在する場合、車線11Lを走行する1または複数の合流先車両の位置および速度を示す検知結果情報Dtを算出部7へ出力する。
算出部7は、取得部6によって取得された合流先車両の位置および速度に基づいて、合流元の車線、この例では車線11Jにおける支援対象車両181が本線道路Rdmへ車線変更を行う際の目標速度、目標位置および目標タイミングを算出する。
より詳細には、算出部7は、たとえば、取得部6によって取得された複数の合流先車両の位置および速度に基づいて、合流先車両間の車間距離を算出する。
算出部7は、たとえば、算出した車間距離、ならびに取得部6によって取得された複数の合流先車両の位置および速度に基づいて、目標速度、目標位置および目標タイミングを算出する。
具体的には、算出部7は、取得部6から受ける検知結果情報に基づいて支援対象車両181の車線変更の目標速度、目標位置および目標タイミングを算出し、算出結果を示す合流支援情報を作成する。算出部7は、作成した合流支援情報を出力部8へ出力する。合流支援情報の作成の詳細については後述する。
出力部8は、算出部7から合流支援情報を受けると、受けた合流支援情報を路側無線通信機151へ出力する。
路側無線通信機151は、合流支援装置101における出力部8から合流支援情報を受けると、受けた合流支援情報をブロードキャストする。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る合流支援装置が合流支援情報を送信する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図5を参照して、まず、合流支援装置101は、路側無線通信機151の動作を監視し、路側無線通信機151がセンサ情報を受信するまで待機する(ステップS202でNO)。
そして、合流支援装置101は、路側無線通信機151がセンサ情報を受信すると(ステップS202でYES)、路側無線通信機151が受信したセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報から合流先車両の位置および速度を抽出する(ステップS204)。
次に、合流支援装置101は、抽出した合流先車両の位置および速度に基づいて合流支援情報を作成する作成処理を行う(ステップS206)。
次に、合流支援装置101は、作成した合流支援情報を路側無線通信機151へ出力する(ステップS208)。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る合流支援装置が合流支援情報を作成する際の動作手順を定めたフローチャートである。図6は、図5のステップS206における動作の詳細を示している。
図6を参照して、まず、合流支援装置101における算出部7は、取得部6から検知結果情報Ndを受けると(ステップS302でNO)、合流先車両が存在しないので安全に車線11Lに合流できることを示す合流支援情報DS1を作成し、作成した合流支援情報DS1を出力部8へ出力する(ステップS316)。
一方、算出部7は、1つの合流先車両の位置および速度を示す検知結果情報Dtを取得部6から受けると(ステップS302でYESおよびステップS304でNO)、受けた検知結果情報Dtに基づいて合流支援情報DS2を作成し、作成した合流支援情報DS2を出力部8へ出力する(ステップS318)。
より詳細には、算出部7は、たとえば、検知結果情報Dtに基づいて、車線11Jを走行する合流元車両が車線11Lへ合流可能なエリアであって車線11LにおけるエリアAmに合流先車両が到達するタイミング、およびエリアAmにおける合流先車両の速度を推定する(図2参照)。
算出部7は、推定結果に基づいて、合流先車両と安全な車間距離を確保した上で車線11Jから車線11Lへ車線変更が可能となる、合流道路Rdbに含まれる領域であって車線11Lに合流するための領域Atの絶対座標、領域Atに到達すべき目標タイミング、および領域Atにおいて確保すべき目標速度を算出する。
この目標速度は、たとえば、合流先車両の速度より大きい。これにより、支援対象車両181が車線11Lに合流する場合において、合流先車両が減速し、車線11Lにおいて渋滞が発生することを防ぐことができる。
なお、算出部7は、目標タイミングを算出する構成に限らず、領域Atに到達すべき目標期間を算出する構成であってもよい。
算出部7は、算出した絶対座標、目標タイミングおよび目標速度を示す合流支援情報DS2を作成し、作成した合流支援情報DS2を出力部8へ出力する。
また、算出部7は、複数の合流先車両の位置および速度を示す検知結果情報Dtを取得部6から受けると(ステップS302でYESおよびステップS304でYES)、受けた検知結果情報Dtに含まれる複数の合流先車両のうちの、連続する2つの合流先車両の組を選択する(ステップS306)。
次に、算出部7は、選択した組に含まれる2つの合流先車両の位置に基づいて、当該2つの合流先車両間の車間距離Dccを算出する(図2参照)(ステップS308)。
次に、算出部7は、算出した車間距離Dccおよび検知結果情報Dtに基づいて、支援対象車両181が車線11Lに合流可能であるか否かを判断する(ステップS310)。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る合流支援装置における算出部が支援対象車両の合流の可能の判断に用いるグラフの一例である。なお、図7において、横軸は、組における後続車両の速度(以下、後方車両速度とも称する。)を示し、縦軸は、車間距離Dccを示す。
図7には、境界線B1によって隔てられた合流可能領域と合流不可能領域とが示される。
境界線B1は、たとえば、後方車両速度がゼロ〜60キロメートル毎時までの範囲において、一定の車間距離Dccここでは42.5メートルを示す。
また、境界線B1は、たとえば、後方車両速度が60キロメートル毎時より大きい範囲において、42.5メートルの車間距離Dccおよび60キロメートル毎時の後方車両速度に基づく点と、50.0メートルの車間距離Dccおよび80キロメートル毎時の後方車両速度に基づく点とを結ぶ直線である。
算出部7は、検知結果情報Dtから後方車両速度を取得し、算出した車間距離Dccおよび取得した後方車両速度に基づく点が合流可能領域に含まれる場合、支援対象車両181が車線11Lに合流することが可能であると判断する。
一方、算出部7は、算出した車間距離Dccおよび取得した後方車両速度に基づく点が合流可能領域に含まれない場合、支援対象車両181が車線11Lに合流することが不可能であると判断する。
再び図6を参照して、算出部7は、支援対象車両181が車線11Lに合流することが不可能であると判断した場合(ステップS310でNO)、検知結果情報Dtに含まれる複数の合流先車両のうちの、連続する2つの合流先車両の組をすべて選択したか否かを確認する(ステップS312)。
算出部7は、上記複数の合流先車両のうちの、連続する2つの合流先車両の中で未選択の組が存在する場合(ステップS312でNO)、上記複数の合流先車両において未選択の組を1つ選択する(ステップS306)。
一方、算出部7は、上記複数の合流先車両においてすべての組を選択した場合(ステップS312でYES)、合流先車両が密に存在するので安全に留意しながら車線11Lに合流すべきことを示す合流支援情報DS4を作成し、作成した合流支援情報DS4を出力部8へ出力する(ステップS314)。
一方、算出部7は、支援対象車両181が車線11Lに合流することが可能であると判断した場合(ステップS310でYES)、検知結果情報Dtに基づいて合流支援情報DS3を作成し、作成した合流支援情報DS3を出力部8へ出力する(ステップS320)。
より詳細には、算出部7は、たとえば、検知結果情報Dtに基づいて、組に含まれる2つの合流先車両がエリアAmに到達するタイミング、およびエリアAmにおける当該2つの合流先車両の速度を推定する(図2参照)。
算出部7は、推定結果に基づいて、組における後続車両および先行車両の両方と安全な車間距離を確保した上で車線11Jから車線11Lへ車線変更が可能となる領域Atの絶対座標、領域Atに到達すべき目標タイミング、および領域Atにおいて確保すべき目標速度を算出する。
この目標速度は、たとえば、後方車両速度より大きい。これにより、支援対象車両181が車線11Lに合流する場合において、組における後続車両が減速し、車線11Lにおいて渋滞が発生することを防ぐことができる。
なお、算出部7は、目標タイミングを算出する構成に限らず、領域Atに到達すべき目標期間を算出する構成であってもよい。
算出部7は、算出した絶対座標、タイミングおよび目標速度を示す合流支援情報DS3を作成し、作成した合流支援情報DS3を出力部8へ出力する。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る合流支援装置は、合流道路Rdbと本線道路Rdmとの合流部における車線11Jから車線11Lへの合流を支援する構成であるとしたが、これに限定するものではない。合流支援装置101は、合流部に限らず、たとえば、本線道路Rdmにおける一方の車線から他方の車線への合流を支援する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る合流支援装置では、算出部7は、合流先車両の位置および速度に基づいて、目標速度、目標位置および目標タイミングを算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。算出部7は、合流先車両の位置および速度に基づいて、目標速度、目標位置および目標タイミングの一部を算出する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る合流支援装置では、取得部6は、電波センサ161によって測定された位置および測定対象速度を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。取得部6は、たとえば、以下の方法を用いることによって、検知対象車両171の位置および速度を取得する構成であってもよい。
すなわち、電波センサ161は、検知対象車両171の位置を定期的または不定期に測定し、測定結果を路側無線通信機151へ送信する。取得部6は、電波センサ161によって測定された位置を定期的または不定期に路側無線通信機151から取得する。そして、取得部6は、取得した位置の時系列変化に基づいて、検知対象車両171の速度を算出する。
また、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムには、電波センサ161が路側センサの一例として設けられる構成であるとしたが、これに限定するものではない。安全運転支援システム301には、たとえば、本線道路Rdmの画像を撮影し、撮影した画像に基づいて合流先車両の位置および速度を測定する画像センサが路側センサとして設けられる構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る合流支援装置は、路側無線通信機151に含まれる構成であるとしたが、これに限定するものではない。合流支援装置101は、道路Rdの近傍に独立して設けられる構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る合流支援装置は、路側無線通信機151に含まれる構成であるとしたが、これに限定するものではない。合流支援装置101は、たとえば、電波センサ161に含まれる構成であってもよい。この場合、取得部6は、電波センサ161によって作成されたセンサ情報に基づいて合流先車両の位置および速度を取得する。また、合流支援装置101は、たとえば、路側無線通信機151および電波センサ161以外のインフラストラクチャー設備に含まれる構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムでは、路側無線通信機151は、ブロードキャストすることによって合流支援情報を支援対象車両181へ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。路側無線通信機151は、たとえば、合流支援装置101における算出部7による算出結果に基づく何らかの有用な情報を、ブロードキャストすることによって合流先車両へ送信する構成であってもよい。
ところで、特許文献1に記載の電子走査型ミリ波レーダ装置、またはカメラ等を搭載した車両が普及しつつある。しかしながら、車両単独では、たとえば、非特許文献1に記載された高速道路の合流部のように死角が多く発生する環境では、周辺の車両状況を十分には把握できない。ある車線を走行する車両の他の車線への車線変更をより安全かつ円滑に支援するための技術が求められる。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る合流支援装置では、取得部6は、合流先の車線において合流地点へ向かう車両である合流先車両の位置および速度を取得する。そして、算出部7は、取得部6によって取得された位置および速度に基づいて、合流元の車線における車両である合流元車両が車線変更を行う際の目標速度、目標位置および目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つを算出する。
このような構成により、たとえば、死角が多く発生し、周辺の車両状況を十分には把握できない環境であっても、合流先車両の位置および速度に基づいて算出された目標速度、目標位置および目標タイミングの少なくともいずれか1つを用いて、より安全かつ円滑に合流元車両を合流先の車線へ合流させることが可能な状態にすることができる。したがって、道路を走行する車両の車線変更を良好に支援することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る合流支援装置では、取得部6は、複数の合流先車両の位置および速度を取得する。そして、算出部7は、取得部6によって取得された各位置に基づいて、合流先車両間の車間距離を算出し、算出した車間距離、ならびに当該各位置および各速度に基づいて、目標速度、目標位置および目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つを算出する。
このような構成により、複数の合流先車両が存在する場合においても、十分な車間距離Dccを有する合流先車両間に合流元車両を誘導することができるので、合流元車両を合流先車両間へより安全かつ円滑に合流させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る合流支援装置は、合流先車両の位置および速度を測定する路側センサ、たとえば電波センサ161に含まれる。そして、取得部6は、路側センサによって測定された位置および速度を取得する。
このような構成により、合流支援装置101を効率よく収容することができ、また合流先車両の位置および速度を簡易に取得することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る合流支援装置は、算出部7による算出結果に基づく情報を合流元車両または合流先車両へ送信する路側送信機、たとえば路側無線通信機151に含まれる。
このような構成により、合流支援装置101を効率よく収容することができ、また算出部7による算出結果に基づく情報を効率よく送信することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る安全運転支援システムと比べて、合流支援装置が無線端末装置に含まれる安全運転支援システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る安全運転支援システムと同様である。
[構成および基本動作]
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る安全運転支援システムの構成を示す図である。
図8を参照して、安全運転支援システム302は、無線端末装置111と、路側無線通信機151と、電波センサ161とを備える。無線端末装置111は、支援対象車両181に搭載される。無線端末装置111は、合流支援装置102を含む。
[動作の流れ]
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る安全運転支援システムにおいて、電波センサが検知対象車両を検知する際のシーケンスの一例を示す図である。
図9を参照して、ステップS402〜S408の動作は、図3に示すステップS102〜S108の動作と同様である。
次に、路側無線通信機151は、電波センサ161からセンサ情報を受信すると、受信したセンサ情報を、路車間通信用のフォーマットに格納するフォーマット変換処理を行う(ステップS410)。
次に、路側無線通信機151は、フォーマット変換処理後のセンサ情報をブロードキャストする(ステップS412)。
次に、無線端末装置111は、センサ情報を路側無線通信機151から受信すると、受信したセンサ情報に基づいて合流支援情報を作成する作成処理を行う(ステップS414)。合流支援情報および作成処理の詳細については、後述する。
上記ステップS402〜S414の動作は、たとえば、所定の周期、具体的には数百ミリ秒周期ごとに繰り返される。
[合流支援装置の構成]
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける合流支援装置の構成を示す図である。
図10を参照して、合流支援装置102は、取得部6と、出力部8と、算出部17とを備える。
合流支援装置102における出力部8の動作は、図4に示す合流支援装置101における出力部8と同様である。
合流支援装置102における取得部6は、無線端末装置111の動作を監視し、無線端末装置111がセンサ情報を受信すると、無線端末装置111が受信したセンサ情報を取得する。
取得部6は、取得したセンサ情報がヌルを示す場合、または車線11Lを走行する検知対象車両171が存在しない場合、合流先車両が存在しないことを示す検知結果情報Ndを算出部17へ出力する。
一方、取得部6は、車線11Lを走行する検知対象車両171が存在する場合、合流先車両の位置および速度を示す検知結果情報Dtを算出部17へ出力する。
また、取得部6は、たとえば、自己の支援対象車両181の位置を示す自車位置情報を取得する。
より詳細には、無線端末装置111は、たとえば、所定周期ごとに、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波に基づいて自己の支援対象車両181の位置を取得し、取得した位置を示す自車位置情報を合流支援装置102へ出力する。
取得部6は、無線端末装置111から自車位置情報を受けると、受けた自車位置情報を算出部17へ出力する。
また、取得部6は、たとえば、自己の支援対象車両181の速度を示す自車速度情報を取得する。
より詳細には、取得部6は、たとえば、自己の支援対象車両181における車載ECU(Electronic Control Unit)が計測する自己の支援対象車両181の速度を当該車載ECUから取得し、取得した速度を示す自車速度情報を算出部17へ出力する。
算出部17は、たとえば、取得部6によって取得された、合流先車両の位置および速度、ならびに自己の支援対象車両181の位置および速度に基づいて、自己の支援対象車両181が本線道路Rdmへ車線変更を行う際の目標速度、目標位置および目標タイミングを算出する。
再び図6を参照して、算出部17は、1つの合流先車両の位置および速度を示す検知結果情報Dtを取得部6から受けると(ステップS302でYESおよびステップS304でNO)、受けた検知結果情報Dtに基づいて合流支援情報DS2を作成し、作成した合流支援情報DS2を出力部8へ出力する(ステップS318)。
より詳細には、算出部17は、たとえば、検知結果情報Dtに基づいて、エリアAmに合流先車両が到達するタイミング、およびエリアAmにおける合流先車両の速度を推定する(図2参照)。
算出部17は、自己の支援対象車両181の位置および速度、ならびに推定結果に基づいて、合流先車両と安全な車間距離を確保した上で車線11Jから車線11Lへ車線変更が可能となる領域Atの絶対座標、領域Atに到達すべき目標タイミング、および領域Atにおいて確保すべき目標速度を算出する。
算出部17は、算出した絶対座標、目標タイミングおよび目標速度を示す合流支援情報DS2を作成し、作成した合流支援情報DS2を出力部8へ出力する。
また、算出部17は、支援対象車両181が車線11Lに合流することが可能であると判断した場合(ステップS310でYES)、検知結果情報Dtに基づいて合流支援情報DS3を作成し、作成した合流支援情報DS3を出力部8へ出力する(ステップS320)。
より詳細には、算出部17は、たとえば、検知結果情報Dtに基づいて、組に含まれる2つの合流先車両がエリアAmに到達するタイミング、およびエリアAmにおける当該2つの合流先車両の速度を推定する(図2参照)。
算出部17は、自己の支援対象車両181の位置および速度、ならびに推定結果に基づいて、組における後続車両および先行車両の両方と安全な車間距離を確保した上で車線11Jから車線11Lへ車線変更が可能となる領域Atの絶対座標、領域Atに到達すべき目標タイミング、および領域Atにおいて確保すべき目標速度を算出する。
算出部7は、算出した絶対座標、目標タイミングおよび目標速度を示す合流支援情報DS3を作成し、作成した合流支援情報DS3を出力部8へ出力する。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る安全運転支援システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る合流支援装置は、合流元車両に搭載される車載装置、たとえば無線端末装置111に含まれる。そして、取得部6は、合流先車両の位置および速度を測定する路側センサから位置および速度を取得する。
このような構成により、合流支援装置102を効率よく収容することができ、また目標速度、目標位置および目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つをドライバに効率よく提供することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る安全運転支援システムと比べて、対象エリアA1が合流道路Rdbに設けられる安全運転支援システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る安全運転支援システムと同様である。
[構成および基本動作]
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る安全運転支援システムの道路における設置例を上方から見た状態を示す図である。
図1および図11を参照して、この例では、合流先車両の一例である支援対象車両181が、本線道路Rdmにおける車線11L,11Rを走行する。合流元車両の一例である検知対象車両171が、合流道路Rdbにおける車線11Jを走行する。
電波センサ161は、対象エリアA1へ電波を送信し、対象エリアA1等からの電波を受信する。
より詳細には、電波センサ161は、たとえば、合流道路Rdbの下流側へミリ波を送信する。なお、電波センサ161は、合流道路Rdbの上流側へミリ波を送信してもよい。
対象エリアA1は、電波センサ161から送信された電波の照射範囲の少なくとも一部である。対象エリアA1は、たとえば、車線11Jの一部を含み、電波センサ161に対して車線11Jの下流側に位置する。
再び図4を参照して、取得部6は、合流元の車線11Jにおいて合流地点へ向かう車両である検知対象車両171の位置および速度を取得する。
より詳細には、取得部6は、路側無線通信機151の動作を監視し、路側無線通信機151がセンサ情報を受信すると、路側無線通信機151が受信したセンサ情報を取得する。
取得部6は、取得したセンサ情報がヌルを示す場合、合流元車両が存在しないことを示す検知結果情報Nd2を算出部7へ出力する。
また、取得部6は、取得したセンサ情報に1または複数の検知対象車両171の位置および速度が含まれる場合、車線11Jを走行する1または複数の合流元車両の位置および速度を示す検知結果情報Dt2を算出部7へ出力する。
算出部7は、取得部6によって取得された位置および速度に基づいて、検知対象車両171の車線変更先の車線11Lにおける車両の目標速度、目標位置および目標タイミングを算出する。
具体的には、算出部7は、取得部6から受ける検知結果情報に基づいて支援対象車両181の目標速度、目標位置および目標タイミングを算出し、算出結果を示す合流支援情報を作成する。算出部7は、作成した合流支援情報を出力部8へ出力する。合流支援情報の作成の詳細については後述する。
図12は、本発明の第3の実施の形態に係る合流支援装置が合流支援情報を送信する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図12を参照して、まず、合流支援装置101は、路側無線通信機151の動作を監視し、路側無線通信機151がセンサ情報を受信するまで待機する(ステップS502でNO)。
そして、合流支援装置101は、路側無線通信機151がセンサ情報を受信すると(ステップS502でYES)、路側無線通信機151が受信したセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報から合流元車両の位置および速度を抽出する(ステップS504)。
次に、合流支援装置101は、抽出した合流元車両の位置および速度に基づいて合流支援情報を作成する作成処理を行う(ステップS506)。
次に、合流支援装置101は、作成した合流支援情報を路側無線通信機151へ出力する(ステップS508)。
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る合流支援装置が合流支援情報を作成する際の動作手順を定めたフローチャートである。図13は、図12のステップS506における動作の詳細を示している。
図13を参照して、まず、合流支援装置101における算出部7は、取得部6から検知結果情報Nd2を受けると(ステップS602でNO)、合流元車両が存在しないので車線11Lを安全に走行できることを示す合流支援情報DS5を作成し、作成した合流支援情報DS5を出力部8へ出力する(ステップS606)。
一方、算出部7は、1または複数の合流元車両の位置および速度を示す検知結果情報Dt2を取得部6から受けると(ステップS602でYES)、受けた検知結果情報Dt2に基づいて合流支援情報DS6を作成し、作成した合流支援情報DS6を出力部8へ出力する(ステップS604)。
より詳細には、算出部7は、たとえば、検知結果情報Dt2に基づいて、車線11Jを走行する合流元車両が車線11Lへ合流可能なエリアであって車線11JにおけるエリアAm2に合流元車両が到達するタイミング、およびエリアAm2における合流元車両の速度を推定する(図11参照)。
算出部7は、推定結果に基づいて、合流元車両が車線11Jから車線11Lへ車線変更を行う際に、合流先車両が合流元車両との安全な車間距離を確保することが可能となる領域At2の絶対座標、領域At2に到達すべき目標タイミング、および領域At2において確保すべき目標速度を算出する。
この領域At2は、車線11Lに含まれてもよいし、車線11Rに含まれてもよい。たとえば、領域At2が車線11Rに含まれる場合、車線11Lを走行する支援対象車両181は、車線11Rへの車線変更を依頼されることになる。
なお、算出部7は、目標タイミングを算出する構成に限らず、領域At2に到達すべき目標期間を算出する構成であってもよい。
算出部7は、算出した絶対座標、目標タイミングおよび目標速度を示す合流支援情報DS6を作成し、作成した合流支援情報DS6を出力部8へ出力する。
なお、本発明の第3の実施の形態に係る安全運転支援システムでは、合流支援装置101は、路側無線通信機151に含まれる構成であるとしたが、これに限定するものではない。合流支援装置101は、道路Rdの近傍に独立して設けられる構成であってもよいし、電波センサ161に含まれる構成であってもよいし、図8に示すように、無線端末装置111に含まれる構成であってもよい。合流支援装置101が無線端末装置111に含まれる場合、合流支援装置101は、自己の支援対象車両181の位置および速度にさらに基づいて、自己の支援対象車両181の目標速度、目標位置および目標タイミングを算出する。
また、本発明の第3の実施の形態に係る合流支援装置では、算出部7は、合流元車両の位置および速度に基づいて、目標速度、目標位置および目標タイミングを算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。算出部7は、合流元車両の位置および速度に基づいて、目標速度、目標位置および目標タイミングの一部を算出する構成であってもよい。
また、本発明の第3の実施の形態に係る安全運転支援システムでは、路側無線通信機151は、ブロードキャストすることによって合流支援情報を支援対象車両181へ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。路側無線通信機151は、たとえば、合流支援装置101における算出部7による算出結果に基づく何らかの有用な情報を、ブロードキャストすることによって合流元車両へ送信する構成であってもよい。
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る合流支援装置では、取得部6は、合流元の車線において合流地点へ向かう車両である合流元車両の位置および速度を取得する。そして、算出部7は、取得部6によって取得された位置および速度に基づいて、合流元車両の合流先の車線における車両の目標速度、目標位置および目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つを算出する。
このような構成により、たとえば、死角が多く発生し、周辺の車両状況を十分には把握できない環境であっても、合流元車両の位置および速度に基づいて算出された目標速度、目標位置および目標タイミングの少なくともいずれか1つを用いて、合流元車両の合流先の車線における車両を、より安全かつ円滑に合流元車両を合流先の車線へ合流させることが可能な状態にすることができる。したがって、道路を走行する車両の車線変更を良好に支援することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態〜第3の実施の形態に係る各装置の構成要素および動作のうち、一部または全部を適宜組み合わせることも可能である。
具体的には、安全運転支援システムでは、たとえば、合流道路Rdbを走行する車両を検知対象とする電波センサ161、および本線道路Rdmを走行する車両を検知対象とする電波センサ161がそれぞれ設けられてもよい。合流支援装置101は、これらの電波センサ161によって測定された各車両の位置および速度に基づいて、たとえばこれらの情報を総合的に判断することにより、合流元車両が車線変更を行う際の目標速度、目標位置および目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つと、合流先車両の目標速度、目標位置および目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つとを算出する。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
合流先の車線において合流地点へ向かう車両である合流先車両の位置および速度を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記位置および前記速度に基づいて、合流元の車線における車両である合流元車両が車線変更を行う際の目標速度、目標位置および目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つを算出する算出部とを備え、
前記合流先の車線は、本線道路に含まれ、
前記合流元の車線は、前記本線道路に合流する道路に含まれ、
前記本線道路には、2D Range−Doppler FM−CW(Frequency Modulated−Continuous Wave)方式、FM−CW方式、2周波CW方式またはパルス圧縮方式に従って動作する電波センサが設けられ、
前記電波センサは、前記本線道路を走行する車両の位置および速度を測定し、測定結果を示すセンサ情報を送信し、
前記取得部は、前記電波センサによって送信された前記センサ情報から、前記合流先車両の位置および速度を抽出する、合流支援装置。
[付記2]
合流元の車線において合流地点へ向かう車両である合流元車両の位置および速度を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記位置および前記速度に基づいて、前記合流元車両の合流先の車線における車両の目標速度、目標位置および目標タイミングのうちの少なくともいずれか1つを算出する算出部とを備え、
前記合流先の車線は、本線道路に含まれ、
前記合流元の車線は、前記本線道路に合流する道路である合流道路に含まれ、
前記合流道路には、2D Range−Doppler FM−CW方式、FM−CW方式、2周波CW方式またはパルス圧縮方式に従って動作する電波センサが設けられ、
前記電波センサは、前記合流道路を走行する車両の位置および速度を測定し、測定結果を示すセンサ情報を送信し、
前記取得部は、前記電波センサによって送信された前記センサ情報から、前記合流元車両の位置および速度を抽出する、合流支援装置。