JP2019019835A - グロメット - Google Patents

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啓介 近藤
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Abstract

【課題】開口部に対する挿入荷重を高くすることなく抜去荷重を高くすることが可能なグロメットを提供する。
【解決手段】車体側パネル材5の開口部51に装着されるグロメット1に対し、該グロメット1の抜け止めを行う係止部4に、開口部51から抜去される方向の荷重がグロメット1に作用した際に開口部51の縁部の下面53からの力を受ける係止面42aを備えさせ、また、この係止面42aが受ける力によって係止部4が弾性変形して受け入れ部3の外面33に向けて移動する際に、この係止部4に当接して該係止部4の移動量を制限する当接部34を備えさせる。これにより、グロメット1を開口部51に挿入する際の挿入荷重を高くすることなく、グロメット1が開口部51から抜去される抜去荷重を高くすることが可能になる。
【選択図】図9

Description

本発明は、互いに組み付けられる一対の部材のうち一方の部材に設けられた開口部に装着され、他方の部材から突出するピンが嵌め込まれる受け入れ部を有するグロメットに係る。特に、本発明は、グロメットが前記開口部から抜去される荷重(抜去荷重)を高く設定するための改良に関する。
従来、自動車のエンジンルーム内に配設されるエアクリーナの支持構造として、特許文献1に開示されているように、エアクリーナケースから延びる取り付けボスを、車体側のブラケットにゴム製のクッション材を介してボルト止めすることが知られている。
このような構成に対し、ボルトを使用しないことで組み付け作業の効率化や車体の軽量化に寄与させるべく、車体側の部材に設けられた開口部にゴム製のグロメットを装着しておくと共に、エアクリーナケースからピンを突出させておき、このピンをグロメットに形成された受け入れ部に嵌め込む構成が提案されている(特許文献2を参照)。また、この種のグロメットにあっては、車体側の部材に設けられた開口部の縁部に係止してグロメットの抜け止め機能を発揮する係止部(外径寸法が開口部の内径寸法よりも大きくされた部分)が備えられている。
特開平10−274118号公報 特開2007−285262号公報
ところが、従来のグロメットにあっては、車体側の部材に設けられた開口部にグロメットを装着(挿入)する際に要する荷重(以下、挿入荷重という)と、開口部からグロメットが抜去される荷重(以下、抜去荷重という)とは略等しくなっている。これは、グロメットを開口部に挿入する際、前記係止部を弾性変形(内側に弾性変形)させて開口部に通過させることになり、この際の抵抗(係止部の弾性変形に伴う抵抗)によって挿入荷重が決まり、同様に、グロメットが開口部から抜去される際にも、前記係止部が弾性変形(内側に弾性変形)されて開口部を通過することになり、この際の抵抗によって抜去荷重が決まるためである。
ピンをグロメットから抜き取るに当たり、ピンに対して抜き取り方向の荷重を作用させた場合に、前記抜去荷重(グロメットが開口部から抜去されてしまう荷重)が低いと、ピンがグロメットから抜き取られることなく、グロメットがピンと共に開口部から抜去されてしまう虞がある。このような状況を招かないようにするためには、前記グロメットの抜去荷重を高く設定する必要がある。例えば前記係止部の外径寸法を大きく設定する等の手段が考えられる。
しかし、前述したように従来技術にあってはグロメットの挿入荷重と抜去荷重とは略等しいため、この抜去荷重を高く設定しようとすると、挿入荷重も高くなってしまい、グロメットを開口部に挿入する作業に大きな力が必要になり、グロメットの組み付け性が悪化してしまうことになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、開口部に対する挿入荷重を高くすることなく抜去荷重を高くすることが可能なグロメットを提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、互いに組み付けられる一対の部材のうち一方の部材に設けられた開口部に装着され、他方の部材から突出するピンが嵌め込まれる受け入れ部を有するグロメットを前提とする。そして、このグロメットは、前記受け入れ部の外側に、該受け入れ部の外面に対して所定間隔を存して配置され且つ前記開口部に装着された状態で該開口部の縁部に係止することで抜け止めを行う係止部が設けられており、前記係止部は、前記開口部から抜去される方向の荷重が当該グロメットに作用した際に、前記開口部の縁部からの力を受ける受圧部を備えており、前記受け入れ部は、前記受圧部が受ける前記力によって前記係止部が内側へ弾性変形して前記受け入れ部の外面に向けて移動する際に、この係止部に当接して該係止部の内側への移動量を制限する当接部を備えていることを特徴とする。
この特定事項により、前記一方の部材に設けられた開口部にグロメットが装着された状態において該グロメットに対して前記開口部から抜去される方向の荷重が作用した際には、グロメットの係止部の受圧部が前記一方の部材に設けられた開口部の縁部からの力を受けることになる。この受圧部が受けた力により係止部は内側へ弾性変形して受け入れ部の外面に向けて移動する。そして、受け入れ部には、該受け入れ部の外面に向けて移動する係止部に当接して該係止部の内側への移動量を制限する当接部が備えられているため、この係止部が受け入れ部の当接部に当接した状態になると、該係止部の内側への移動量は制限される。つまり、該係止部の弾性変形が抑制される。グロメットが開口部から抜去されるためには、係止部が内側へ弾性変形して開口部を通過する必要があるが、この係止部の内側への弾性変形は前記当接部によって抑制されているため、この係止部が開口部を通過可能となる程度まで弾性変形するためには大きな荷重が必要となる。つまり、前記構成により、グロメットの抜去荷重が高く設定されることになる。一方、前記開口部にグロメットを挿入する際には、係止部の受圧部が前記一方の部材に設けられた開口部の縁部から力を受けることはなく、この係止部が弾性変形して開口部を通過する場合におけるこの係止部の弾性変形は、前記当接部によって抑制されることはない。このため、開口部にグロメットを挿入させるのに必要な荷重は小さくて済む。つまり、グロメットの挿入荷重は低く設定される。このように、本解決手段によれば、開口部に対するグロメットの挿入荷重を高くすることなくグロメットの抜去荷重を高くすることが可能である。
本発明では、互いに組み付けられる一対の部材のうち一方の部材に設けられた開口部に装着されるグロメットに対し、該グロメットの抜け止めを行う係止部に、前記開口部から抜去される方向の荷重がグロメットに作用した際に該開口部の縁部からの力を受ける受圧部を備えさせ、また、この受圧部が受ける力によって係止部が内側へ弾性変形して受け入れ部の外面に向けて移動する際に、この係止部に当接して該係止部の内側への移動量を制限する当接部を備えさせている。これにより、グロメットを開口部に挿入する際の挿入荷重を高くすることなく、グロメットが開口部から抜去される抜去荷重を高くすることが可能になる。その結果、グロメットを開口部に挿入する作業に大きな力が必要になることを抑制してグロメットの組み付け性を良好に維持しながらも、ピンをグロメットから抜き取る際に、グロメットがピンと共に開口部から抜去されてしまうといったことを抑制できる。
第1実施形態に係るグロメットの斜視図である。 第1実施形態に係るグロメットの平面図である。 第1実施形態に係るグロメットの側面図である。 第1実施形態に係るグロメットの下面図である。 図2におけるV−V線に沿った断面図である。 第1実施形態において車体側パネル材にグロメットが装着された状態を示す断面図である。 第1実施形態におけるエアクリーナの組み付け作業を説明するための斜視図である。 第1実施形態においてグロメットにピンが嵌め込まれた状態を示す断面図である。 第1実施形態においてエアクリーナを取り外す方向の荷重が作用した状態を示す断面図である。 第2実施形態におけるエアクリーナの組み付け作業を説明するための斜視図である。 第2実施形態においてグロメットにピンが嵌め込まれた状態を示す断面図である。 第2実施形態においてエアクリーナを取り外す方向の荷重が作用した状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、自動車のエンジンルーム内に配設されるエアクリーナを車体側部材に組み付けるために使用されるグロメットとして本発明を適用した場合について説明する。
−第1実施形態−
先ず、第1実施形態について説明する。本実施形態に係るグロメットは、車体側部材に設けられた開口部に装着され、エアクリーナから突出されたピンが嵌め込まれることで、車体側部材にエアクリーナを組み付けるためのものである。つまり、本実施形態では、本発明でいう「互いに組み付けられる一対の部材」のうちの一方の部材が車体側部材であり、他方の部材がエアクリーナである。
図1はグロメット1の斜視図である。図2はグロメット1の平面図である。図3はグロメット1の側面図である。図4はグロメット1の下面図である。図5は図2におけるV−V線に沿った断面図である。また、図6は車体側部材(以下、車体側パネル材5という)にグロメット1が装着された状態を示す断面図である。
これらの図に示すように、グロメット1は、ゴム製で成り、本体部2、受け入れ部3、係止部4を備えている。以下、各部2,3,4について具体的に説明する。なお、以下では、便宜上、車体側パネル材5に対してグロメット1を上側から挿入する場合を例に挙げて説明する。このため、グロメット1を挿入する方向を下側とし、グロメット1が抜去される方向を上側として説明する。つまり、図3、図5および図6における下方側を下側と呼び、これら図3、図5および図6における上方側を上側と呼ぶ。
(本体部)
本体部2は、外縁が円形であって、中央部分にピン挿入孔21が形成された略円盤形状の部分である。図6に示す如く、グロメット1が、車体側パネル材5に設けられた開口部51に装着された状態では、この本体部2の外縁部の下面22が、車体側パネル材5の上面52に隙間無くその全周囲に亘って当接することになる。具体的に、この本体部2の外縁部は、外側斜め下方に向かって先細りとなる形状とされたリップ部23を備えており、このリップ部23が、車体側パネル材5の上面52に沿うように変形することで、この上面52に対して隙間無くその全周囲に亘って当接するようになっている。
また、この本体部2の上面24は、前記ピン挿入孔21に向かって(中心側に向かって)下側に傾斜する傾斜面で形成されている。つまり、この本体部2の上面24は擂り鉢状に形成されている。これにより、エアクリーナ6から突出されたピン61(図7および図8を参照)をグロメット1に挿入する際に、該ピン61をピン挿入孔21へ案内するガイド機能が得られるようにしている。
(受け入れ部)
受け入れ部3は、前記本体部2の内縁部(ピン挿入孔21の内縁部)に連続して下方に延在する部分であって、略円筒形状に形成されている。
前記エアクリーナ6から突出されたピン61は、図8に示すように、略円錐台形状のピン本体部61aと、該ピン本体部61aの下側に括れ部61bを介して連続する球体部61cとを備えている。
そして、前記受け入れ部3の内径寸法は、ピン61の球体部61cの外径寸法に一致しているか、または、この球体部61cの外径寸法よりも僅かに小さく設定されている。また、この受け入れ部3の下端部は、ピン61の球体部61cの先端部分の形状に沿うように内面形状が略球体形状とされた凹部31で形成されている。また、この受け入れ部3の上部の内面における周方向の複数箇所(本実施形態では周方向に等間隔を存した5箇所)には、ピン61が挿入された場合に、このピン61の括れ部61bに係止する突部32,32,…が形成されている。つまり、前記ピン挿入孔21からピン61が挿入される際には、このピン61の球体部61cが、この複数の突部32,32,…を弾性変形させながら乗り越え、ピン61の球体部61cの先端部分が受け入れ部3の凹部31に達するまでピン61が挿入されると、ピン61の括れ部61bがこの突部32,32,…からの押圧力を受けることで、該ピン61の抜け止めが図れるようになっている。
この受け入れ部3の特徴としては、その外面33における周方向の複数箇所(本実施形態では周方向に等間隔を存した5箇所)に当接部34,34,…が設けられていることにある。これら当接部34,34,…は、受け入れ部3の外面33から所定寸法だけ突出したリブによって形成されている。より具体的には、この当接部34,34,…は、上下方向を長手方向とする略台形柱形状であって、その台形(より具体的には等脚台形)の上底となる外面がグロメット1の径方向において外側に位置するように形成されている。また、これら当接部34,34,…の形成位置(周方向の形成位置)は、前記突部32,32,…の形成位置に対応している。つまり、各当接部34,34,…および各突部32,32,…それぞれの形成位置は、周方向における同一位相位置であって、この周方向に等間隔(72°の角度間隔)を存した5箇所となっている。
(係止部)
係止部4は、車体側パネル材5に設けられた開口部51にグロメット1が装着された状態において、このグロメット1の抜け止め機能を発揮する部分である。この係止部4は、前記本体部2における内縁部と外縁部との中間部分から下方に延在する部分である。つまり、この係止部4は、前記受け入れ部3の外側において下方に延在している。
そして、この係止部4は、前記本体部2の下面25に連続して略円筒形状に形成された円筒部41と、この円筒部41の下側に連続する係止フック部42とを備えている。
前記円筒部41は、それぞれ円筒面とされた内面41aおよび外面41bを有している。この円筒部41の長さ寸法(上下方向の長さ寸法)は、前記車体側パネル材5の厚さ寸法に一致しているか、または、この車体側パネル材5の厚さ寸法よりも僅かに小さく設定されている。また、この円筒部41の外径寸法(外面41bの外径寸法)は、前記車体側パネル材5に設けられている開口部51の内径寸法に略一致している。また、この円筒部41の内径寸法(内面41aの内径寸法)は、前記受け入れ部3に設けられている当接部34,34,…の外縁同士を繋いだ円(図4において一点鎖線で示す円を参照)の径寸法(前記台形の各上底を通る円の径寸法)よりも僅かに大きく設定されている。
前記係止フック部42は、前記円筒部41の外面41bの下端から径方向の外側に向けて所定寸法だけ水平方向に延在する係止面42a、この係止面42aの外側端から下方に向かって中央側に向けて傾斜する傾斜面42b、前記円筒部41の内面41aに連続する円筒面とされた内面42cを有している。これら傾斜面42bおよび内面42cの下端位置は前記受け入れ部3の下端位置に略一致している。つまり、係止部4は、その下端位置が受け入れ部3の下端位置に略一致するように、上下方向の寸法が比較的長く設定されている。この係止部4の断面形状はその周方向の全体に亘って略同一形状となっている。
前記係止面42aの形成位置(上下方向における位置)としては、該係止面42aと前記リップ部23との間の上下方向の寸法が前記車体側パネル材5の厚さ寸法よりも僅かに小さくなる位置に設定されている。これにより車体側パネル材5の開口部51にグロメット1が装着された状態にあっては、これら係止面42aとリップ部23との間で車体側パネル材5がその板厚方向から挟持され、開口部51に対するグロメット1の装着状態を安定的に得ることが可能となっている。
傾斜面42bは、グロメット1を開口部51に挿入する際に、その挿入作業が容易になるように下方に向かって外径寸法が小さくなる(先細り状となる)面で形成されており、その上端部の外径寸法は開口部51の内径寸法より大きく設定されているのに対し、その下端部の外径寸法は開口部51の内径寸法よりも小さく設定されている。このため、グロメット1を開口部51に挿入する際にあっては、この傾斜面42bが開口部51の縁部に摺接しながら係止部4が弾性変形して、傾斜面42bの上端部が開口部51の縁部を乗り越えることで係止フック部42が開口部51の下側に突き出て前記係止面42aが車体側パネル材5の下面53に当接する。これにより、グロメット1の抜け止め機能が発揮されることになる。
前述したように円筒部41の内径寸法(内面41aの内径寸法)は、前記受け入れ部3に設けられている当接部34,34,…の外縁同士を繋いだ円の径寸法よりも僅かに大きく設定されている。また、係止フック部42の内面42cは円筒部41の内面41aに連続している。つまり、係止フック部42の内面42cの内径寸法と円筒部41の内面41aの内径寸法とは略一致している。このため、この係止フック部42の内径寸法(内面42cの内径寸法)も、前記受け入れ部3に設けられている当接部34,34,…の外縁同士を繋いだ円の径寸法よりも僅かに大きく設定されている。つまり、この係止フック部42の内面42cと受け入れ部3に設けられている当接部34,34,…の外面との間には所定間隔が設けられている。この間隔は、前記係止フック部42の係止面42aに下向きの外力が作用して、係止フック部42が内側へ倒れ込むように弾性変形した場合には短くなり、図9に示すように、この係止フック部42の内側への倒れ込み量が所定量に達した場合には、この係止フック部42の内面42cが当接部34に当接するようになっている。このため、この係止フック部42の係止面42aが、本発明でいう「開口部から抜去される方向の荷重がグロメットに作用した際に、開口部の縁部からの力を受ける受圧部」に相当する。また、前記当接部34が、本発明でいう「受圧部が受ける力によって係止部が内側へ弾性変形して受け入れ部の外面に向けて移動する際に、この係止部に当接して該係止部の内側への移動量を制限する当接部」に相当する。
(エアクリーナの組み付け作業)
次に、前記車体側パネル材5にエアクリーナ6を組み付ける際の作業について説明する。
先ず、エアクリーナ6の組み付け作業の前に、グロメット1を車体側パネル材5の開口部51に装着する。このグロメット1の装着作業は、作業者による挿入作業または機械による挿入作業によって行われる。具体的には、車体側パネル材5の開口部51に対して、その上側からグロメット1の受け入れ部3および係止部4が挿入される。前述したように、係止部4における係止フック部42の傾斜面42bの下端部の外径寸法は開口部51の内径寸法よりも小さく設定されているのに対し、係止フック部42の傾斜面42bの上端部の外径寸法は開口部51の内径寸法より大きく設定されているため、グロメット1を開口部51に挿入する際にあっては、この傾斜面42bが開口部51の縁部に摺接しながら係止部4が弾性変形して、傾斜面42bの上端部が開口部51の縁部を乗り越えることで係止フック部42が開口部51の下側に突き出て前記係止面42aが車体側パネル材5の下面53に当接する(図6を参照)。
前記傾斜面42bが開口部51の縁部に摺接しながら係止部4が弾性変形する際における該弾性変形の方向は、係止フック部42の傾斜面42bの向きが開口部51の内面に沿う向き(上下方向に沿う向き)となる。このため、係止フック部42は外側へ倒れ込む方向に弾性変形することになる。
前述のように係止フック部42が開口部51の下側に突き出て前記係止面42aが車体側パネル材5の下面53に当接すると、図6に示すように、係止部4の係止面42aが車体側パネル材5の下面53に引っ掛かることによってグロメット1の抜け止め機能が発揮される。
このグロメット1の車体側パネル材5に対する装着位置は、図7に示すように、エアクリーナケース62のロアケース62aから突出されているピン61の配設位置に対応している。本実施形態にあっては、車体側パネル材5の3箇所に開口部51が形成されており、これら開口部51それぞれにグロメット1が装着されている。
このようにして車体側パネル材5の開口部51にグロメット1を装着した後、エアクリーナ6の組み付け作業を行う。この組み付け作業では、図7に示すように、エアクリーナケース62のロアケース62aから突出されている各ピン61,61,…をそれぞれグロメット1,1,…の受け入れ部3,3,…に上方から嵌め込む。つまり、ピン61の球体部61cが、グロメット1の受け入れ部3に形成されている複数の突部32,32,…を乗り越え、図8に示すように、ピン61の球体部61cの先端部分が受け入れ部3の凹部31に達するまでピン61が挿入されると、ピン61の括れ部61bがこの突部32,32,…からの押圧力を受けることで、ピン61の抜け止めがなされる。これにより、車体側パネル材5にエアクリーナ6が組み付けられる。
(ピン抜き取り時)
次に、車体側パネル材5の開口部51に装着されたグロメット1に嵌め込まれたピン61の抜き取り作業(エアクリーナ6の取り外し作業)について説明する。
前述したように車体側パネル材5の開口部51にグロメット1が装着された状態においてエアクリーナ6に取り外し方向の力を加えた場合、この力はピン61を介してグロメット1に対し開口部51から抜去される方向の荷重として作用することになる。この際、図9に示すように、グロメット1における係止部4の係止フック部42の係止面42aが車体側パネル材5の開口部51の縁部(車体側パネル材5の下面53)からの力(下向きの反力)を受けることになる。この係止面42aが受けた力により係止部4の係止フック部42は内側へ倒れ込むように弾性変形して受け入れ部3の外面33に向けて移動する。そして、受け入れ部3には当接部34が設けられており、受け入れ部3の外面33に向けて移動する係止部4の係止フック部42の内面42cが当接部34に当接することで該係止部4の係止フック部42の移動量が制限されることになる。つまり、係止部4の弾性変形が抑制されることになる。グロメット1が開口部51から抜去されるためには、係止部4の係止フック部42が内側へ弾性変形して開口部51を通過する必要があるが、この係止部4の係止フック部42の内側への弾性変形は前記当接部34によって抑制されているため、この係止部4の係止フック部42が開口部51を通過可能となる程度まで弾性変形するためには大きな荷重が必要となる。つまり、前記構成により、グロメット1の抜去荷重が高く設定されることになる。このため、グロメット1がピン61と共に開口部51から抜去されてしまうといったことなく、ピン61をグロメット1から抜き取ることができる(図9に仮想線で示したピン61を参照)。
このようにグロメット1の抜去荷重が高く設定されていることに対し、前述したように車体側パネル材5の開口部51にグロメット1を挿入する際には、係止部4の係止面42aが開口部51の縁部の下面53から力を受けることはなく、この係止部4が弾性変形して開口部51を通過する場合におけるこの係止部4の弾性変形は、前記当接部34によって抑制されることはない。このため、開口部51にグロメット1を挿入させるのに必要な荷重は小さくて済む。つまり、グロメット1の挿入荷重は低く設定される。
以上のように、本実施形態によれば、車体側パネル材5の開口部51に対するグロメット1の挿入荷重を高くすることなくグロメット1の抜去荷重を高くすることが可能である。その結果、グロメット1を開口部51に挿入する作業に大きな力が必要になることを抑制してグロメット1の組み付け性を良好に維持しながらも、ピン61をグロメット1から抜き取る際に、グロメット1がピン61と共に開口部51から抜去されてしまうといったことを抑制できる。
−第2実施形態−
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態に係るグロメット1は、エアクリーナ6に設けられた開口部に装着され、車体側パネル材5から突出されたピンが嵌め込まれることで、車体側パネル材5にエアクリーナ6を組み付けるためのものである。つまり、本実施形態では、本発明でいう「互いに組み付けられる一対の部材」のうちの一方の部材がエアクリーナ6であり、他方の部材が車体側パネル材5である。
図10は、本実施形態におけるエアクリーナ6の組み付け作業を説明するための斜視図である。図11は、本実施形態においてグロメット1にピン55が嵌め込まれた状態を示す断面図である。また、図12は、本実施形態においてエアクリーナ6を取り外す方向の荷重が作用した状態を示す断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係るグロメット1は、エアクリーナケース62のロアケース62aに設けられている開口部62bに装着されている。前記第1実施形態のものと同様に、本実施形態に係るグロメット1はゴム製で成り、本体部2、受け入れ部3、係止部4を備えている。これら各部2,3,4の構成は前記第1実施形態のものと同様であるので、ここでの説明は省略する。なお、図10〜図12では、前記第1実施形態のものと同一の部材および同一の部位については同一の符号を付している。
以下では、便宜上、エアクリーナケース62のロアケース62aに対してグロメット1を下側から挿入する場合を例に挙げて説明する。このため、グロメット1を挿入する方向を上側とし、グロメット1が抜去される方向を下側として説明する。つまり、図10〜図12における下方側を下側と呼び、これら図10〜図12における上方側を上側と呼ぶ。
本実施形態におけるピン55は、その下端部に雄ねじ55aが形成されており、車体側パネル材5の下面53に溶接されたナット54に該雄ねじ55aがねじ込まれることで車体側パネル材5に一体的に組み付けられている。
また、グロメット1がエアクリーナケース62のロアケース62aの開口部62bに装着された状態では、係止部4の係止フック部42が開口部62bの上側に突き出て前記係止面42aがエアクリーナケース62のロアケース62aの内面(上面)62cに当接する。つまり、図11に示すように、係止フック部42の係止面42aがロアケース62aの内面62cに引っ掛かることによってグロメット1の抜け止め機能が発揮される。
このようにしてロアケース62aの開口部62bにグロメット1が装着された状態で、エアクリーナ6の組み付け作業を行う。この組み付け作業では、図10に示すように、エアクリーナケース62のロアケース62aの開口部62bに装着されているグロメット1,1,…の受け入れ部3,3,…を車体側パネル材5から突出されている各ピン55,55,…にそれぞれ位置合わせして上方から嵌め込む。なお、この図10に示すものでは、図中の左側部分にあっては、前記第1実施形態の場合と同様に、車体側パネル材5の開口部51に装着されているグロメット1の受け入れ部3に対して、エアクリーナケース62のロアケース62aから突出されているピン61を位置合わせして上方から嵌め込むようにしている。これにより、前記第1実施形態の場合と同様に車体側パネル材5にエアクリーナ6が組み付けられる。
そして、エアクリーナ6の取り外し作業にあっては、該エアクリーナ6に取り外し方向の力を加えた場合に、この力はエアクリーナケース62のロアケース62aを介しグロメット1に対して開口部62bから上側に抜去される方向の荷重として作用することになる。この際、図12に示すように、グロメット1における係止部4の係止フック部42の係止面42aがロアケース62aの開口部62bの縁部(内面62c)からの力(上向きの力)を受けることになる。この係止面42aが受けた力により係止部4の係止フック部42は内側へ倒れ込むように弾性変形して受け入れ部3の外面33に向けて移動する。そして、受け入れ部3には当接部34が設けられており、受け入れ部3の外面33に向けて移動する係止部4の係止フック部42の内面42cが当接部34に当接することで該係止部4の係止フック部42の移動量が制限されることになる。つまり、係止部4の弾性変形が抑制されることになる。グロメット1が開口部62bから抜去されるためには、係止部4の係止フック部42が内側へ弾性変形して開口部62bを通過する必要があるが、この係止部4の係止フック部42の内側への弾性変形は前記当接部34によって抑制されているため、この係止部4の係止フック部42が開口部62bを通過可能となる程度まで弾性変形するためには大きな荷重が必要となる。つまり、前記構成により、グロメット1の抜去荷重が高く設定されることになる。
このようにグロメット1の抜去荷重が高く設定されていることに対し、ロアケース62aの開口部62bにグロメット1を挿入する際には、係止部4の係止面42aが開口部62bの縁部(内面62c)から力を受けることは無く、この係止部4が弾性変形して開口部62bを通過する場合におけるこの係止部4の弾性変形は、前記当接部34によって抑制されることはない。このため、開口部62bにグロメット1を挿入させるのに必要な荷重は小さくて済む。つまり、グロメット1の挿入荷重は低く設定される。
以上のように、本実施形態によれば、ロアケース62aの開口部62bに対するグロメット1の挿入荷重を高くすることなくグロメット1の抜去荷重を高くすることが可能である。その結果、グロメット1を開口部62bに挿入する作業に大きな力が必要になることを抑制してグロメット1の組み付け性を良好に維持しながらも、ピン55がグロメット1から抜き取られる際に、グロメット1がピン55と共に開口部62bから抜去されてしまうといったことを抑制できる。
−他の実施形態−
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記各実施形態では、自動車のエンジンルーム内に配設されるエアクリーナ6を車体側パネル材5に組み付けるために使用されるグロメット1として本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、自動車に適用される各種部品を車体側パネル材に組み付ける場合に使用されるグロメットに適用することが可能である。また、自動車に限らず、様々な部材同士を組み付ける場合に使用されるグロメットにも本発明は適用することが可能である。
また、前記各実施形態では、係止フック部42を周方向の全周囲に亘って設け、当接部34を周方向の複数箇所に間欠的に設けた構成としていた。本発明はこれに限らず、係止フック部42および当接部34を共に周方向の全周囲に亘って設けるようにしてもよい。また、係止フック部42を周方向の複数箇所に間欠的に設け、当接部34を周方向の全周囲に亘って設けるようにしてもよい。また、当接部34や係止フック部42を周方向の複数箇所に間欠的に設ける場合、その個数は特に限定されるものではない。
また、前記第1実施形態では、車体側パネル材5に対してグロメット1を上側から挿入する場合を例に挙げて説明した。また、前記第2実施形態では、エアクリーナケース62のロアケース62aに対してグロメット1を下側から挿入する場合を例に挙げて説明した。本発明はこれに限らず、車体側パネル材5に対してグロメット1を水平方向から挿入する場合や、エアクリーナケース62に対してグロメット1を水平方向から挿入する場合にも適用が可能である。
本発明は、エアクリーナおよび車体側パネル材のうち一方に設けられた開口部に装着され、他方の部材から突出するピンが嵌め込まれる受け入れ部を有するグロメットに適用可能である。
1 グロメット
3 受け入れ部
33 外面
34 当接部
4 係止部
42a 係止面(受圧部)
5 車体側パネル材
51 開口部
53 下面
55 ピン
6 エアクリーナ
61 ピン
62 エアクリーナケース
62b 開口部
62c 内面

Claims (1)

  1. 互いに組み付けられる一対の部材のうち一方の部材に設けられた開口部に装着され、他方の部材から突出するピンが嵌め込まれる受け入れ部を有するグロメットにおいて、
    前記受け入れ部の外側には、該受け入れ部の外面に対して所定間隔を存して配置され且つ前記開口部に装着された状態で該開口部の縁部に係止することで抜け止めを行う係止部が設けられており、
    前記係止部は、前記開口部から抜去される方向の荷重が当該グロメットに作用した際に、前記開口部の縁部からの力を受ける受圧部を備えており、
    前記受け入れ部は、前記受圧部が受ける前記力によって前記係止部が内側へ弾性変形して前記受け入れ部の外面に向けて移動する際に、この係止部に当接して該係止部の内側への移動量を制限する当接部を備えていることを特徴とするグロメット。
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