JP2019019437A - 衣料パッド用モールド発泡品およびその製造方法 - Google Patents

衣料パッド用モールド発泡品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本体部の外周にわたって形成されている外周部に欠肉や空気溜まりが少なく発泡状態の良好な衣料パッド用モールド発泡品の提供を目的とする。【解決手段】本体部11と、本体部11の外周にわたって本体部11の端13から延設された外周部21とを備え、外周部21の厚みが本体部11の端13の厚み以下であり、外周部21には、本体部11の端13から離れた位置に裁断位置25が設定され、本体部11の端13から裁断位置25までの厚みよりも厚くなった厚肉部27が、裁断位置25の外側に形成され、本体部11と外周部21の裁断位置25よりも内側部分が製品部分とされる。【選択図】図2

Description

本発明は、ブラジャー用パッドや、ショーツ用パッドなどに使用される衣料パッド用モールド発泡品およびその製造方法に関する。
衣料パッドとして、例えば、ブラジャーに組み付けられているブラパッドや、ショーツに組み付けられているヒップパッド、肩パッドなどがある(特許文献1)。
衣料パッドは、ウレタンフォームなどの発泡体からなり、モールド発泡により得られるモールド発泡品が多用されている。モールド発泡は、金型(モールド)に形成されているキャビティに、ウレタンフォーム原料などの発泡樹脂原料を注入してキャビティ形状に発泡させる発泡方法である。
図7及び図8に、ブラパッドに使用される従来の衣料パッド用モールド発泡品100を示す。従来の衣料パッド用モールド発泡品100は、本体部110とその外周に設けられた外周部120とからなる。前記外周部120は、前記本体部110の最大厚み部分111よりも薄くされている。前記衣料パッド用モールド発泡品100は、表面材と裏面材(図示せず)間に配置され、前記外周部120の部分で前記表面材及び裏面材と一体に縫合されてブラジャーが形成される。
特開2006−312793号公報
図9は従来の衣料パッド用モールド発泡品を製造する際の金型150の断面図である。金型150は、下型160と上型170からなり、前記下型160と前記上型170の型面161、171間にキャビティ180が形成されている。前記キャビティ180は、本体部形成用部分181とその外周の外周部形成用部分183が一連に形成されている。前記外周部形成用部分183では、前記本体部形成用部分181よりも、前記下型160と上型170の型面161、171間隔が狭くなっている。
前記衣料パッド用モールド発泡品100の成形では、前記キャビティ180の本体部形成用部分181に注入された発泡樹脂原料P1が、発泡の進行によって前記本体部形成用部分181に充満して前記衣料パッド100の本体部111を形成した後、前記外周部形成用部分183に進入して前記衣料パッド100の外周部120を形成する。
しかし、前記発泡樹脂原料P1の発泡進行により、前記キャビティ180内の空気が、最終的に前記外周部形成用部分183に追いやられてその部分に溜まり、それによって前記発泡樹脂原料P1が、前記外周部形成用部分183に良好に充満できなくなり、形成される前記外周部120に欠肉や空気溜まり(エアポケット)が多数発生して、前記外周部120の強度不足を生じることがある。
また、前記発泡樹脂原料P1は、その発泡進行とともに反応硬化することで、原料液の粘度を増してゆく。そのため、キャビティ形状および前記発泡樹脂原料の注入位置、注入角度等の成形条件により、前記原料は二つの流れとなってキャビティを流れ、やがて合流して、キャビティに充填される。しかし、あらかじめ合流する箇所を想定することは難しく、しかも、合一時には上記粘度が高く、原料液が混ざりあうことが難しくなっており、ボイド等を形成することもある。
前記外周部120は表面材及び裏面材と縫合される部分であり、強度不足があると、縫合が良好に行えなくなる。また、前記外周部120の強度が不足していると、金型から衣料パッド用モールド発泡品を取り出す際に外周部120から破れ易くなる問題もある。また、前記外周部120は、ブラジャーなどの着用時に使用者に違和感を与えないように薄くされる部分であるため、厚くすることによってモールド発泡時の問題を回避することもできない。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、本体部の外周にわたって形成されている外周部に欠肉や空気溜まりが少なく発泡状態の良好な衣料パッド用モールド発泡品の提供を目的とする。
請求項1の発明は、本体部と、前記本体部の外周にわたって当該本体部の端から延設された外周部とを備え、前記外周部の厚みが前記本体部の端の厚み以下になっている衣料パッド用モールド発泡品において、前記外周部には、前記本体部の端から離れた位置に裁断位置が設定され、前記本体部の端から前記裁断位置までの厚みよりも厚くなった厚肉部が、前記裁断位置の外側に形成され、前記本体部と前記外周部の前記裁断位置よりも内側部分が製品部分であることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記厚肉部は、前記外周部の少なくとも片面側へ突出した凸形状からなることを特徴とする。
請求項3の発明は、ポリオールとポリイソシアネートと触媒および発泡剤を含んだ発泡樹脂原料を金型のキャビティに注入し、発泡させて衣料パッド用モールド発泡品を製造する方法において、前記衣料パッド用モールド発泡品は、本体部と、前記本体部の外周にわたって当該本体部の端から延設された外周部とを備え、前記外周部の厚みが前記本体部の端の厚み以下であり、前記外周部には、前記本体部の端から離れた位置に裁断位置が設定され、前記本体部の端から前記裁断位置までの厚みよりも厚くなった厚肉部が、前記裁断位置の外側に形成され、前記本体部と前記外周部の前記裁断位置よりも内側部分が製品部分とされるものであり、前記金型のキャビティは、前記本体部を形成するための本体部形成用部分の外側に、前記外周部を形成するための外周部形成用部分を備え、前記外周部形成用部分には、前記厚肉部を形成する厚肉部形成用部分を前記本体部形成用部分の端から離れた位置に備え、前記外周部形成用部分の型面間隔は、前記本体部形成用部分の端における型面間隔以下であり、前記厚肉部形成用部分の型面間隔は、前記本体部形成用部分の端から前記厚肉部形成用部分までの部分における型面間隔よりも大であり、前記キャビティにおける前記本体部形成用部分に前記発泡樹脂原料を注入し、発泡させることを特徴とする。
本発明の衣料パッド用モールド発泡品は、本体部の端から延設された外周部において、本体部の端から離れた位置に裁断位置が設定され、本体部の端から裁断位置までの厚みよりも厚い厚肉部が、裁断位置の外側に形成されている。そのため、本発明の衣料パッド用モールド発泡品の製造に使用される金型のキャビティには、本体部形成用部分の外側に外周部形成用部分が設けられ、さらに前記外周部形成用部分には、前記衣料パッド用モールド発泡品における外周部の裁断位置の外側位置と対応する位置に厚肉部形成用部分が設けられる。キャビティの厚肉部形成用部分では、厚肉部形成用部分の内側位置の外周部形成用部分よりも下型と上型の型面間が大に設定される。
したがって、モールド発泡時、キャビティの本体部形成部分に注入された発泡樹脂原料は、発泡の進行によって前記本体部形成用部分を満たした後に外周部形成用部分に進入し、続いて下型と上型の型面間が大となった厚肉部形成用部分に進入する。また、キャビティ内の空気は、発泡樹脂原料の発泡進行によって本体部形成用部分から外周部形成用部分に追いやられ、さらに厚肉部形成用部分に追いやられてその部分に溜まることになる。その結果、キャビティにおける厚肉部形成用部分よりも内側の部分では、空気溜まりによる悪影響を受けることなく発泡が行われることになり、得られる本発明の衣料パッド用モールド発泡品は、外周部の厚肉部よりも内側部分で欠肉(欠けた部分)や空気溜まり(エアポケット)の少ない発泡状態の良好なものとなる。
本発明の衣料パッド用モールド発泡品は、外周部の厚肉部よりも内側に裁断位置があり、裁断位置の内側部分が製品部分(衣料用パッド)となるため、厚肉部に欠肉や空気溜まりが存在しても、製品部分の品質に悪影響を受けることがない。さらに、本発明の衣料パッド用モールド発泡品は、外周部に厚肉部が存在し、その厚肉部によって外周部の強度が高くなっているため、金型から脱型する際に外周部の強度不足等で破れたりするのを防ぐことができる。
衣料パッド用モールド発泡品の一実施形態の平面図である。 図1の2−2断面図である。 本発明の衣料パッド用モールド発泡品を製造する際の金型への注入と閉型時を示す断面図である。 本発明の衣料パッド用モールド発泡品を製造する際の発泡と脱型時を示す断面図である。 厚肉部の他の例を示す断面図である。 実施例及び比較例の構成及び欠肉やエアポケットの数を示す表である。 従来の衣料パッド用モールド発泡品の平面図である。 図7の8−7断面図である。 従来の衣料パッド用モールド発泡品を製造する際の金型の断面図である。
本発明の衣料パッド用モールド発泡品の実施形態について図面を用いて説明する。図1及び図2に示す衣料パッド用モールド発泡品10は、ブラジャーのパッド用である。前記衣料パッド用モールド発泡品10は、ウレタンフォームからなり、本体部11と、前記本体部11の端から延設された外周部21を有する。なお、図示の衣料パッド用モールド発泡品10は、バストの片側を覆うものであるが、左右のバストを覆う部分が一連になったものであってもよい。
前記本体部11は、バストの片側を覆うことができる椀状からなる。前記本体部11の厚みは、1.5〜30mm、好ましくは3〜25mm、より好ましくは3〜20mm程度からなり、中央付近に最大厚み部12が設けられ、端13で薄くされている。前記本体部11の端13は、前記外周部21との境界に相当する。また、本実施例の本体部11は、バストの下側を支えることができるように、上側17よりも下側18で厚みが大になっている。前記本体部11の厚みの例として、最大厚み部12の厚みt1が20〜30mm程度、端13の厚みt2が1.5〜3mm程度を挙げる。
前記外周部21は、前記本体部11の外周にわたって当該本体部11の端13から外方へフランジ状に延設されている。前記本体部11の端13は、前記本体部11と前記外周部21の境界位置に相当する。前記外周部21の厚みt3は、後述の厚肉部27を除いて1.0〜3mm程度とされ、好ましくは前記本体部11の端13の厚みt2以下である。前記本体部の端13から厚肉部27の手前までの外周部21の幅w1は、10〜15mm程度が好ましく、より好ましくは8〜12mmである。
前記外周部21には、前記本体部11の端13から離れた位置に裁断位置25が設定されている。前記裁断位置25は、本実施例では厚肉部27の内側位置に設定されている。前記外周部21における前記裁断位置25より外側部分は、裁断除去される部分であり、前記本体部11と前記外周部21の前記裁断位置25よりも内側部分がブラジャー内に組み付けられる製品部分(パッド)28である。
なお、前記本体部11の端13から前記裁断位置25までの距離は、製品に応じて適宜の値とされるが、例として10〜20mmを挙げる。前記本体部11の端13から前記裁断位置25までの距離が短すぎると、本来厚肉部27にできるはずの欠肉等の欠陥が外周部まで形成されやすい。また、前記距離が長すぎると、原料Pの注入充填量が多くなり、流路が長くなるため、増粘した反応混合液である原料が合流し、ボイド等の欠陥を形成しやすい。
また、前記裁断位置25の外側に厚肉部27が前記外周部21の全周にわたって設けられている。前記厚肉部27は、前記本体部の端13から前記裁断位置25までの外周部21の厚みt3よりも厚くされている。前記厚肉部27の厚み及び幅の例として、厚みが3〜7mm、幅が5〜9mm、より好ましくは4〜8mmを挙げる。しかも、前記厚肉部の厚みは、その幅よりも値として小さいほうが、厚肉部突条頂部にエアが溜まるのにも好ましい。前記厚肉部27は、前記外周部21の全周に限られず、前記外周部21の周囲に部分的に設けてもよい。
なお、図2〜図4に示す厚肉部27は、本体部11の凸側一方向かつ、外周部21の端末位置に凸部を設けたが、これに限られない。例えば、図5の(5−A)に示すように本体部11の表裏面両側、対称に凸部の厚肉部27Aを設けることも可能である。また、図5の(5−B)に示す厚肉部27Bのように外周部21の端末位置ではなく外周部21の中間位置に設けても良い。さらに、上記厚肉部27、27A,27Bの形状は、テーパーのついた断面ほぼ半球形状に限られず、断面三角形状でも良いし、断面矩形状でもよい。
前記衣料パッド用モールド発泡品10は、前記裁断位置25で裁断され、前記本体部11と前記外周部21の前記裁断位置25よりも内側部分とからなる製品部分(パッド)28が、表面材と裏面材間に配置され、裁断で残った前記外周部21が表面材及び裏面材と縫合されることにより、ブラジャーが形成される。
前記衣料パッド用モールド発泡品10の製造方法について説明する。前記衣料パッド用モールド発泡品10の製造は、図3及び図4に示す金型50を用いるモールド発泡により行われる。前記金型50は下型51と上型53からなり、前記下型51の型面52と上型53の型面54間に、前記衣料パッド用モールド発泡品10の形状からなるキャビティ56が形成されている。
前記キャビティ56は、前記衣料パッド用モールド発泡品10の本体部11を形成する本体部形成用部分57、前記外周部21を形成する外周部形成用部分58、前記厚肉部27を形成する厚肉部形成用部分59とからなる。図示の例では、前記厚肉部形成用部分59は、前記下型51の型面52に溝状に形成されている。前記本体部形成用部分57、前記外周部形成用部分58及び前記厚肉部形成用部分59における前記下型の型面52と前記上型の型面54の間隔(型面間隔)は、前記衣料パッド用モールド発泡品10の本体部11、前記外周部21及び前記厚肉部27の厚みに応じた間隔とされる。
図3の(3−1)及び(3−2)に示すように、前記金型51のキャビティ56に、発泡樹脂原料としてウレタンフォーム原料Pを混合して注入し、閉型する。
ウレタンフォーム原料Pの注入装置は、ウレタンフォームの注入装置として使用されているものが用いられ、前記キャビティ56における本体部形成用部分57にウレタンフォーム原料Pの注入を行う。
前記キャビティ56の本体部形成用部分57に注入されたウレタンフォーム原料Pは、発泡の進行によって本体部形成用部分57に充満した後に、前記外周部形成用部分58に進入して充満した後に、図4の(4−1)に示すように前記厚肉部形成用部分59に進入して前記衣料パッド用モールド発泡品10を形成する。
また、前記ウレタンフォーム原料Pの注入時に前記キャビティ56内に存在した空気は、前記ウレタンフォーム原料Pの発泡進行によって、前記本体部形成用部分57から前記外周部形成用部分58に追いやられ、最終的に厚肉部形成用部分58に追いやられる。前記厚肉部形成用部分58では、前記外周部形成用部分58よりも金型50の下型51と上型53の型面52、54間隔が大になっているため、狭い外周部形成用部分58を通って追いやられてきた空気が集まり易くなっている。そのため、前記厚肉部形成用部分58よりも内側部分の本体部形成用部分57及び外周部形成用部分58では、残存空気によってウレタンフォーム原料Pの発泡が妨げられることがなく、欠肉及び空気溜まり(エアポケット)の少ない良好な発泡状態の本体部及び外周部が形成される。
その後、図4の(4−2)に示すように、金型50を開いて衣料パッド用モールド発泡品10を脱型する。その際、前記外周部21の縁に厚肉部27が存在して外周部の21の強度が高くなっているため、外周部21から破れることがなく、品質の良好な衣料パッド用モールド発泡品10が得られる。
前記ウレタンフォーム原料Pは、ポリオール、ポリイソシアネート、触媒、発泡剤からなる。
ポリオールは、ウレタンフォーム原料として通常に用いられるものを使用することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。特に、衣料とともに洗濯されることを考慮すると、ポリエーテルポリオールが好ましい。また、末端水酸基にエチレンオキサイド(EO)が付加重合されたEO付加ポリオールは、反応性が高く、金型の内部で好適に発泡することから、好ましいポリオールである。
EO付加ポリオール中のアルキレンオキサイド単位の全量を100質量%とした場合のエチレンオキサイド単位の含有率(以下、EO率と記載する)は、高すぎても低すぎても、金型内で適切に発泡しないため、15〜55%が好ましく、より好ましくは15〜20%である。
ポリオールの官能基数は、2〜4であることが好ましく、3であることが特に好ましい。ポリオールの平均分子量は、3500〜10000であることが好ましく、より好ましくは5000〜8000である。
また、ポリオールの全量を100質量%とした場合に、EO率15〜55%のポリオールの含有量を50質量%以上とすることにより、金型内で良好な発泡を行うことができ、EO率15〜55%のポリオールの含有量を80質量%以上とすることで、柔軟性の高いパッドを成形することができる。
ポリオールとして、EO率15〜55%のポリオールと共に、比較的分子量の低い活性水素化合物(以下、低分子量活性水素化合物と記載する)を用いてもよい。低分子量活性水素化合物は、官能基数が1から3の水酸基末端を有する化合物であり、重量平均分子量が2000以下、3官能の化合物にあっては、600〜800が好ましい。
ポリイソシアネートは、ウレタンフォーム原料として通常に用いられるものが使用される。例えば、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート等が挙げられる。芳香族イソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環族イソシアネートとしては、例えば、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添MDI等が挙げられる。それら種々のポリイソシアネートのうちの1種または2種以上を使用することができる。
ポリイソシアネートの量は、イソシアネートインデックスが70〜110、より好ましくは80〜100となるようにするのが好ましい。イソシアネートインデックスが低すぎると発泡が好適に行われず、一方、高すぎると柔らかさが損なわれる。イソシアネートインデックスの定義は、ポリイソシアネートにおけるイソシアネート基のモル数をポリオールの水酸基や発泡剤としての水などの活性水素基の合計モル数で割った値に100を掛けた値であり、[ポリイソシアネートのNCO当量/活性水素当量×100]で計算される。
触媒は、ウレタンフォーム原料として通常に使用されるものであればよい。例えば、アミン系触媒、有機金属系触媒等が挙げられる。アミン系触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルホリン、N-エチルモルホリン等が挙げられる。有機金属系触媒としては、例えば、スターナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、オクテン酸鉛、オクチル酸カリウム等が挙げられる。それら種々の触媒のうちの1種または2種以上を併用したものを、ウレタンフォーム原料として用いることが可能である。触媒の配合量は、ポリオールを100質量%とした場合に、1.2〜3.5質量%が好ましい。
発泡剤は、水、ペンタン、シクロペンタン、メチレンクロライド、炭酸ガス等が挙げられ、これらを1種または2種以上併用して用いることが可能である。発泡剤として、水を用いた場合には、ポリオールを100質量%とした場合に、1〜5質量%であることが好ましい。
ウレタンフォーム原料として整泡剤を含むことが好ましい。整泡剤としては、例えば、シリコーン系化合物、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。整泡剤の配合量は、ポリオールを100質量%とした場合に、0.5〜2.0質量%であることが好ましい。
ウレタンフォーム原料には、必要に応じて適宜、添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、希釈剤等が挙げられる。
以下の成分からなるウレタンフォーム原料を用い、図3及び図4に示した金型とほぼ同様の金型を用いて、前記本体部の厚み及び外周部の幅、厚みを異ならせた実施例1〜実施例5と、図8に示した金型とほぼ同様の金型を用いて厚肉部の無い比較例の衣料パッド用モールド発泡品を作製した。
・ポリオール;ポリエーテルポリオール、平均分子量:7000、官能基数:3、水酸基価:24、EO率:17%・・100質量%
・触媒;トリメチレンジアミン、商品名:33LV、エアプロジャパン製・・2質量%
・整泡剤;商品名:SZ1346E、東レ・ダウ製・・1質量%
・発泡剤;水・・3.5質量%
・ポリイソシアネート;MDI、NCO%:29.9%・・58質量%
・イソシアネートインデックス;100
金型の温度は60℃とし、高圧注入機(ポリウレタンエンジニアリング製)を用い、密度50kg/mに設定して、キャビティの本体部形成用部分に注入し、4分後に脱型した。なお、実施例1〜実施例5における裁断位置は外周部における厚肉部の内側位置(図1の符号25の位置)であり、本体部の端から裁断位置までの距離は外周部の幅と同じ値である。
図5に実施例1〜5及び比較例の衣料パッド用モールド発泡品の構成を示す。実施例1〜5における厚肉部の幅は7mm、厚みは7mmである。また、図5における「本体部の最大厚み」は本体部において厚みが最大の部位の厚み、「本体部の平均厚み」は本体部において厚みが最大の部位の厚みと最少の部位(本体部の端)の厚みの平均値、「本体部の端の厚み」は本体部において端の厚み、「外周部の厚み」は外周部において厚肉部を除く部分の厚み、「外周部の幅」は本体部の端から外周部における厚肉部の手前までの部分の幅であり、厚肉部を含まない外周部の幅である。
各実施例及び比較例について、サンプル数を20として、欠肉箇所の個数及びエアポケット(空気溜まり)の個数を目視による外観観察で調べた。なお、エアポケットが存在する部分は、エアポケットの無い部分よりも薄く透けて見えるため、目視による外観観察で容易に見付けることができる。結果は図5に示す。
実施例1は、厚肉部あり、本体部の最大厚み23mm、本体部の平均厚み10mm、本体部の端の厚み1.5mm、外周部の厚み1.5mm、外周部の幅20mmの例であり、欠肉の数0、エアポケットの数1個であり、外周部の発泡状態が良好であった。
実施例2は、厚肉部あり、本体部の最大厚み12mm、本体部の平均厚み10mm、本体部の端の厚み2.0mm、外周部の厚み2.0mm、外周部の幅20mmの例であり、欠肉の数0、エアポケットの数0であり、外周部の発泡状態が極めて良好であった。実施例2は、厚肉部の有無以外は比較例と同じ寸法条件である。
実施例3は、厚肉部あり、本体部の最大厚み9mm、本体部の平均厚み7.5mm、本体部の端の厚み1.5mm、外周部の厚み1.5mm、外周部の幅18mmの例であり、欠肉の数0、エアポケットの数0であり、外周部の発泡状態が極めて良好であった。
実施例4は、厚肉部あり、本体部の最大厚み8mm、本体部の平均厚み6mm、本体部の端の厚み2.0mm、外周部の厚み2.0mm、外周部の幅18mmの例であり、欠肉の数0、エアポケットの数0.5以下であり、外周部の発泡状態が良好であった。
実施例5は、厚肉部あり、本体部の最大厚み6mm、本体部の平均厚み5mm、本体部の端の厚み1.5mm、外周部の厚み1.5mm、外周部の幅18mmの例であり、欠肉の数0、エアポケットの数0.5以下であり、外周部の発泡状態が良好であった。
比較例は、厚肉部なし、本体部の最大厚み12mm、本体部の平均厚み10mm、本体部の端の厚み2.0mm、外周部の厚み2.0mm、外周部の幅20mmの例であり、厚肉部がないことを除き、実施例2と同様の例である。比較例は、欠肉の数2、エアポケットの数3〜4であり、外周部の発泡状態が不良であった。
このように、外周部に厚肉部を設けた実施例1〜実施例5は、外周部に欠肉が無く、かつエアポケットの数が0〜1であり、外周部の発泡状態が良好であった。
一方、厚肉部が無い以外の構成が実施例2と同じ比較例では、実施例2が欠肉数0、エアポケットの数0であったのに対して、欠肉数2、エアポケットの数3〜4であり、厚肉部が存在しないことによって、外周部の発泡状態が極端に悪くなった。
なお、上記実施例は、ひとつの衣料用パッドを示すキャビティ形状を示した。しかし、これに限られることなく、特にブラジャーパッドの場合、ひとつのキャビティで鳩尾部を橋掛けするように左右対称のパッドを一度に一体に成形することも可能である(図示せず)。この時、左右対称でパッドの数が2倍になったとしても、発泡樹脂原料を少量吐出することに変わりはなく、鳩尾部で一点に注入された発泡樹脂原料は、複数の分岐流をなしてキャビティを充填することなり、設計時にボイド等の欠陥部をあらかじめ想定することは難しい。そのため、厚肉部を外周部の裁断位置よりも外側に設けることにより、たとえ欠肉等の欠陥を生じたとしても、裁断位置より内側の製品部分に前記欠陥の発生を防ぐことができる。
上記のように、本発明の衣料パッド用モールド発泡品は外周部の発泡状態が良好であるため、外周部が強度不足になって縫合時に破れたりすることがない。さらに、本発明の衣料パッド用モールド発泡品は、外周部に厚肉部が存在し、その厚肉部によって外周部の強度が高くなっているため、金型から脱型する際に外周部の強度不足等で破れたりすることを防ぐことができる。
10:衣料パッド用モールド発泡品
11:本体部
13:本体部の端
21:外周部
25:裁断位置
27:厚肉部
50:金型
51:下型
52:下型の型面
53:上型
54:上型の型面
56:キャビティ
57:本体部形成用部分
58:外周部形成用部分
59:厚肉部形成用部分
P:ウレタンフォーム原料

Claims (3)

  1. 本体部と、前記本体部の外周にわたって当該本体部の端から延設された外周部とを備え、前記外周部の厚みが前記本体部の端の厚み以下になっている衣料パッド用モールド発泡品において、
    前記外周部には、前記本体部の端から離れた位置に裁断位置が設定され、前記本体部の端から前記裁断位置までの厚みよりも厚くなった厚肉部が、前記裁断位置の外側に形成され、
    前記本体部と前記外周部の前記裁断位置よりも内側部分が製品部分であることを特徴とする衣料パッド用モールド発泡品。
  2. 前記厚肉部は、前記外周部の少なくとも片面側へ突出した凸形状からなることを特徴とする請求項1に記載の衣料パッド用モールド発泡品。
  3. ポリオールとポリイソシアネートと触媒および発泡剤を含んだ発泡樹脂原料を金型のキャビティに注入し、発泡させて衣料パッド用モールド発泡品を製造する方法において、
    前記衣料パッド用モールド発泡品は、本体部と、前記本体部の外周にわたって当該本体部の端から延設された外周部とを備え、前記外周部の厚みが前記本体部の端の厚み以下であり、
    前記外周部には、前記本体部の端から離れた位置に裁断位置が設定され、前記本体部の端から前記裁断位置までの厚みよりも厚くなった厚肉部が、前記裁断位置の外側に形成され、
    前記本体部と前記外周部の前記裁断位置よりも内側部分が製品部分とされるものであり、
    前記金型のキャビティは、前記本体部を形成するための本体部形成用部分の外側に、前記外周部を形成するための外周部形成用部分を備え、前記外周部形成用部分には、前記厚肉部を形成する厚肉部形成用部分を前記本体部形成用部分の端から離れた位置に備え、
    前記外周部形成用部分の型面間隔は、前記本体部形成用部分の端における型面間隔以下であり、
    前記厚肉部形成用部分の型面間隔は、前記本体部形成用部分の端から前記厚肉部形成用部分までの部分における型面間隔よりも大であり、
    前記キャビティにおける前記本体部形成用部分に前記発泡樹脂原料を注入し、発泡させることを特徴とする衣料パッド用モールド発泡品の製造方法。
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