JP2019019248A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化後の密着強度に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、導電性粒子および熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物であって、示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minの条件下で50℃から300℃まで昇温した際に得られる、当該熱硬化性樹脂組成物のDSC曲線において、120℃以上220℃以下の温度領域に単一の発熱ピークが形成されており、発熱ピークの発熱量が30mJ/mg以上であり、発熱ピークのピーク幅が、50℃以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物に関する。
現在、熱硬化型ダイボンディングフィルムについて様々な開発がなされている。この種の技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、エポキシ樹脂を含む熱硬化型ダイアタッチフィルムが記載されている。
特開2011−82480号公報
本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の熱硬化型ダイアタッチフィルムに用いる熱硬化性樹脂組成物において、硬化後における密着強度の点で改善の余地があることが判明した。
本発明者はさらに検討したところ、熱硬化性樹脂組成物において、硬化後の密着特性とDSCプロファイルとに相関があることを見出した。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、DSC曲線において高温側に幅狭で所定の発熱量の単一ピークを有する熱硬化性樹脂組成物を使用することにより、詳細なメカニズムは定かでないが、低温側で反応の進行が抑制され、(たとえば200℃等の)高温側の硬化温度での反応率が高くなると考えられ、硬化後の密着強度が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
導電性粒子および熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物であって、
示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minの条件下で50℃から300℃まで昇温した際に得られる、当該熱硬化性樹脂組成物のDSC曲線において、
120℃以上220℃以下の温度領域に単一の発熱ピークが形成されており、
前記発熱ピークの発熱量が30mJ/mg以上であり、
前記発熱ピークのピーク幅が50℃以下である、熱硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明によれば、硬化後の密着強度に優れた熱硬化性樹脂組成物が提供される。
本実施形態のダイシング・ダイボンディングフィルムの断面図を示す。 本実施形態のダイシング・ダイボンディングフィルムを使用した半導体装置の製造方法の工程断面図を示す。 実施例1,2および比較例1,2のDSC測定で得られたDSCチャートを示す。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の概要を説明する。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、導電性粒子および熱硬化性樹脂を含むことができる。当該熱硬化性樹脂組成物の、示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minの条件下で50℃から300℃まで昇温した際に得られるDSC曲線において、120℃以上220℃以下の温度領域に単一の発熱ピークが形成されており、発熱ピークの発熱量が30mJ/mg以上であり、発熱ピークのピーク幅を50℃以下とすることができる。
本発明者が検討した結果、熱硬化性樹脂組成物において、硬化後の密着特性とDSCプロファイルとに相関があることを見出した。このような知見に基づきさらに検討したところ、DSC曲線において高温側に幅狭で所定の発熱量の単一ピークを有するようなDSCプロファイルを備える熱硬化性樹脂組成物を使用することにより、硬化後の密着強度が向上することを見出した。
詳細なメカニズムは定かでないが、高温側に幅狭で所定の発熱量の単一ピークを有する熱硬化性樹脂組成物を使用することにより、低温側で反応の進行が抑制され、高温側の硬化温度での反応率が高くなると考えられる。
ここで、特許文献1に記載のようなエポキシ系の熱硬化性樹脂組成物を使用した場合、反応開始が早く、発熱開始温度が低温領域に見られる。エポキシ系の熱硬化性樹脂組成物におけるDSCプロファイルにおいては、幅広のブロード型発熱ピークが形成されており、発熱ピークは複数存在することが多い。そうすると、低温側から反応が進むため、高温時における反応率が低下し、硬化後の密着強度が低下すると推測される。また、低温側の乾燥温度においても反応が進むため、フィルム状の熱硬化性樹脂組成物を使用する場合、上述の硬化後における密着強度の低下が顕著になる。
これに対して、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物のDSCプロファイルにおいては、幅狭のスパイク型発熱ピークが形成される。スパイク型発熱ピークは、単一のピークであり、120℃以上220℃以下の温度領域の比較的高温に存在し、50℃以下の幅狭なピーク幅を有し、30mJ/mg以上の所定以上の発熱量を有することができる。このように、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、低温側での反応が抑制されるような発熱反応プロファイルを有することができる。したがって、硬化後の密着強度を向上させることができる。
また、シリコンウェハの裏面にダイボンディングフィルムを貼り合わせるラミネート工程において、ダイボンディングフィルムが低温側での反応が抑制されるため、ダイボンディングフィルムの適切なタック性を維持することができ、ダイボンディングフィルムと半導体素子の密着状態を良好なものとすることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、各種の用途に用いることができるが、例えば、接着剤として使用することができる。このとき、熱硬化性樹脂組成物はフィルム状とすることにより、フィルム状接着剤として利用することができる。
上記接着剤の一例として、熱硬化型ダイボンディングフィルムを形成するために用いる。熱硬化型ダイボンディングフィルムは、半導体素子と基板やリードフレームとを接着することが可能である。熱硬化型ダイボンディングフィルムの硬化物によって、これらの密着性を高めることができる。本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を使用することにより、ダイボンディング特性を向上させることが可能である。
また、上記接着剤の一例として、ダイシングフィルムと当該ダイシングフィルム上に設けられた熱硬化型ダイボンディングフィルムとを備えるダイシング・ダイボンディングフィルムを構成する熱硬化型ダイボンディングフィルムを形成するために用いることができる。
以下、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の各構成について詳述する。
(熱硬化性樹脂)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含むことができる。
この熱硬化性樹脂は、(メタ)アクリロイル基および(メタ)アクリレート基からなる群から選択される一種の官能基を有するアクリル化合物を含むことができる。このアクリル化合物としては、モノマー、ポリマーおよびこれらの混合物でもよいが、モノマーを用いることができる。
上記熱硬化性樹脂は、上記アクリル化合物として、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する環状構造を備える多官能(メタ)アクリレートを含むことができる。この多官能(メタ)アクリレートは、窒素上の置換基が(メタ)アクリロイル基であるイソシアヌレート環構造を備えることができる。上記多官能(メタ)アクリレートとしては、モノマーを用いることができる。
上記多官能(メタ)アクリレートは、例えば、下記一般式(a1−1)で表される化合物を含むことができる。
Figure 2019019248
上記式(a1−1)中、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または芳香環を有さない有機基であり、R、R、Rのうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基である。R、R、Rの有機基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ラクトン変性(メタ)アクリロイル基、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリロイル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基、ラクトン変性(メタ)アクリロイル基がより好ましく、(メタ)アクリル基が特に好ましい。
、R、Rのうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であり、R、R、Rのいずれも(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であることが好ましい。
また、上記多官能(メタ)アクリレートとして、例えば、R、R、Rのいずれも(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基である3官能(メタ)アクリレートを用いることができる。
このようなイソシアヌレート環の窒素上の置換基に(メタ)アクリル基を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、(トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート)、ジ(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートなどが例示されるが、これに限定されず、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートやイソシアヌル酸と(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ハライドの縮合反応で(メタ)アクリル基を導入した化合物、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートの水酸基とポリアルキレングリコール、ポリエステルグリコールを反応させた化合物の末端に(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ハライドの縮合反応で(メタ)アクリル基を導入した化合物等が挙げられる。
上記多官能(メタ)アクリレートとして、具体的には、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート)、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ε−カプロラクトン変性トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを用いることができる。好ましくは、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート)、ε−カプロラクトン変性トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを用いることができる。これらを用いるとガラス転移温度を高めることができる。
本実施形態において、上記熱硬化性樹脂としては、上記多官能(メタ)アクリレートの他に、その他の熱硬化性樹脂を含むことができる。その他の熱硬化性樹脂としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性に優れるという観点から、アリル樹脂を使用することができる。このアリル樹脂と上記多官能(メタ)アクリレートとを併用することができる。
本明細書において、上記(メタ)アクリレート樹脂は、(メタ)アクリレート基含有重合体および(メタ)アクリレートモノマーを含むことができる。(メタ)アクリル基を有するとは、アクリル基を1以上有する、および/またはメタクリル基を1以上有することを表す。また、(メタ)アクリロイル基を有するとは、アクリロイル基を1以上有する、および/またはメタクリロイル基を1以上有することを表す。
上記アリル樹脂としては、2個以上のアリル基を含有するアリル樹脂を用いることができる。この2個以上のアリル基を含有するアリル樹脂として、例えば、ジアリルフタレート樹脂を用いることができる。
上記ジアリルフタレート樹脂としては、例えば、ジアリルオルソフタレートプレポリマー、ジアリルイソフタレートプレポリマー、ジアリルテレフタレートプレポリマー等のジアリルフタレート樹脂に代表され、これらの単独、あるいは二種以上の混合物であってよい。これにより、硬化性の調整することや、フィルムの弾性率や強度を上昇させること、また、キャリアフィルムとの剥離性を向上させることができる。また、ジアリルフタレート樹脂は、ジアリルオルソフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー、ジアリルテレフタレートモノマー等の二種以上のいわゆるジアリルフタレートモノマーの共重合体からなるプレポリマーであってもよい。この場合、ベンゼン環上の水素原子が塩素、臭素等のハロゲン原子で置換されていてもよく、また分子内に存在する不飽和結合が全部または一部において、水添されたプレポリマーもここに含まれるものとする。本実施形態において、上記ジアリルフタレート樹脂としては、モノマーを用いることができる。
上記熱硬化性樹脂の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組成物の全体に対して、例えば、5重量%以上であり、好ましくは8重量%以上であり、より好ましくは10重量%以上である。これにより、耐熱性および機械的特性を向上させることができる。一方で、上記熱硬化性樹脂の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組成物の全体に対して、例えば、20重量%以下であり、好ましくは18重量%以下であり、より好ましくは15重量%以下である。これにより、放熱特性および機械的特性のバランスを図ることができる。
上記多官能(メタ)アクリレートの含有量の下限値は、熱硬化性樹脂の全体に対して、例えば、10重量%以上であり、好ましくは30重量%以上であり、より好ましくは50重量%以上である。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物において、吸湿前後においても半導体素子に対する密着強度を高めることができる。一方で、上記熱硬化性樹脂の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組の全体に対して、例えば、100重量%以下でもよく、好ましくは90重量%以下でもよく、より好ましくは80重量%以下でもよい。これにより、硬化性などの硬化物の諸特性のバランスを図ることができる。
本実施形態において、樹脂組成物全体に対する含有量とは、溶媒を含む場合には、樹脂組成物のうちの溶媒を除く固形分全体に対する含有量を指す。「樹脂組成物の固形分」とは、樹脂組成物中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。
(導電性粒子)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、導電性粒子を含むことができる。
この導電性粒子としては、導電性を有する粒子状の材料であれば公知のものを使用することができるが、例えば、銀、銅、パラジウムおよびニッケルからなる群から選択される一種以上の金属で構成された粒子を含むことができる。これらを単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記導電性粒子は、例えば、金属からなる金属粒子でもよく、金属が樹脂粒子を被覆した金属被覆樹脂粒子であってもよい。また導電性粒子は、上記金属以外の他の金属を含有していてもよい。
また、上記導電性粒子の平均粒径D50の下限値は、例えば、0.1μm以上でもよく、好ましくは0.3μm以上であり、より好ましくは0.5μm以上である。これにより、硬化物の熱伝導性や導電性を向上させることができる。一方で、上記導電性粒子の平均粒径D50の上限値は、例えば、25μm以下でもよく、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下である。これにより、フィルム状の熱硬化性樹脂組成物の基材剥離性や硬化物の半導体素子に対する密着性を高めることができる。
なお、導電性粒子の平均粒径は、たとえばレーザー回折散乱法、または動的光散乱法等によって測定することができる。
本実施形態の導電性粒子の形状として、例えば、フレーク形状、球形状などが挙げられる。
上記導電性粒子の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、例えば、50重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましい。これにより、硬化物の熱伝導性や導電性を向上させることができる。一方で、上記導電性粒子の含有量の上限値は、熱伝導性ペースト全体に対して、例えば、88重量%以下であり、好ましくは83重量%以下であり、より好ましくは80重量%以下である。これにより、フィルム状の熱硬化性樹脂組成物の基材剥離性や硬化物の半導体素子に対する密着性を高めることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、導電性粒子の他に、その他の無機粒子や有機粒子を含有してもよい。このとき、導電性粒子の含有量は、粒子全体100重量%に対して、例えば、80重量%以上でもよく、90重量%以上でもよく、95%重量%以上でもよく、一方で、100重量以下でもよい。
(熱可塑性樹脂)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂をさらに含むことができる。
この熱可塑性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、及びナイロンから選択される一種又は二種以上を含むことができる。このなかでも、上記熱可塑性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂及びポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含むことができる。上記熱可塑性樹脂は、その構造中に、エポキシ基、(メタ)アクリル基、カルボキシル基、フェノール性水酸基を有していてもよい。
本明細書において、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、(メタ)アクリル酸の重合体;(メタ)アクリル酸の誘導体の重合体;(メタ)アクリル酸及び他の単量体の共重合体;又は(メタ)アクリル酸の誘導体及び他の単量体の共重合体を意味する。さらに、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を意味する。また、(メタ)アクリル樹脂は、エポキシ基または(メタ)アクリル基などの、熱硬化性樹脂と反応する官能基を有していてもよい。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル共重合体を含むことができる。このアクリル酸エステル共重合体は、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよびアクリルニトリルのうち少なくとも1つをモノマー成分とした共重合体が挙げられる。この中でも、官能基としてエポキシ基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基等を持つ化合物を有するアクリル酸エステル共重合体が好ましい。これにより、半導体素子等の被着体への密着性をより向上することができる。
前記官能基を持つ化合物として、具体的にはグリシジルエーテル基を持つグリシジルメタクリレート、水酸基を持つヒドロキシメタクリレート、カルボキシル基を持つカルボキシメタクリレート、ニトリル基を持つアクリロニトリル等が挙げられる。
上記アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、10万以上が好ましく、特に15万以上100万以下が好ましい。重量平均分子量がこの範囲内であると、特に半導体用接着フィルムの製膜性を向上することができる。
また上記アクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度は、例えば、−20〜120℃であり、さらに−20〜60℃がより好ましく、特に−10〜50℃が好ましい。ガラス転移温度が低すぎるとフィルム状接着剤層の粘着力が強くなり、ピックアップ不良が起こる場合や、作業性が低下する場合がある。ガラス転移温度が高すぎるとチッピングやクラックが起こる場合や、低温接着性を向上する効果が低下する場合がある。
上記熱可塑性樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の全体に対して、例えば、1重量%以上20重量%以下であり、好ましくは3重量%以上15重量%以下であり、より好ましくは5重量%以上10重量%以下であることが好ましい。これにより、硬化物の半導体素子に対する密着性と、他の諸物性のバランスを図ることができる。
(カップリング剤)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、カップリング剤をさらに含むことができる。
これにより、フィルム状の熱硬化性樹脂組成物中における導電性粒子の分散性を高めることができる。また、フィルム状の熱硬化性樹脂組成物と被着体との密着性を高めることができる。
上記カップリング剤としては、たとえばエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を用いることができる。この中でも、メタクリルシラン等の(メタ)アクリル基を有するカップリング剤を用いることができる。これにより、多官能(メタ)アクリレート等のアクリル系化合物と導電性粒子の相溶性を高めることができる。
上記カップリング剤の配合量は、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、例えば好ましくは0.01重量%以上10重量%以下であり、より好ましくは0.05重量%以上5重量%以下であり、更に好ましくは0.1重量%以上2重量%以下である。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、目的に応じて、重合開始剤として過酸化物を含有してもよい。一方で、上記熱硬化性樹脂組成物は、過酸化物などの重合開始剤を含有しない構成としてもよい。これにより、低温領域における硬化反応を抑制でき、また吸湿前後においても硬化物の半導体素子に対する密着性を向上させることが可能である。
また、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ基を有するモノマーを含まない構成とすることができる。これにより、低温領域における硬化反応を抑制でき、硬化物の半導体素子に対する密着性を高めることや、基剤剥離性を向上させることが可能である。
また、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含まない構成とすることができる。この硬化促進剤としては、エポキシ系組成成分として、例えば、エポキシ化合物の重合反応を促進させることができるものが挙げられる。これにより、低温領域における硬化反応を抑制でき、硬化物の半導体素子に対する密着性を高めることや、基剤剥離性を向上させることが可能である。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、上述した成分以外の他の成分を含むことができる。この他の成分としては、例えば、スリップ剤(レベリング剤)、分散剤、重合禁止剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、消泡剤、が挙げられる。
本実施形態において、熱硬化性樹脂組成物は、上記した各成分を混合又は分散させることによって調製することができる。各成分の混合方法及び分散方法は特に限定されず、従来公知の方法で混合又は分散させることができる。より具体的には、例えば、上記した熱硬化性樹脂組成物は、前記各成分を溶媒中で又は無溶媒下で混合して液状に調製してもよい。このとき用いられる溶媒は、各成分に対して不活性である。具体的には、この溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソブチルケトン(DIBK)、シクロヘキサノン、及びジアセトンアルコール(DAA)などのケトン類;ベンゼン、キシレン、及びトルエンなどの芳香族炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、及びn−ブチルアルコールなどのアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、及びエチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ類;N−メチル−2−ピロリドン(NMP);テトラヒドロフラン(THF);ジメチルホルムアミド(DMF);二塩基酸エステル(DBE);3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP);並びにジメチルカーボネート(DMC)から選択される一種又は二種以上を含む。溶媒の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の固形分の濃度が、例えば10重量%〜80重量%となる量とするこができる。
本明細書において、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
本実施形態のフィルム状の熱硬化性樹脂組成物は、キャリア基材と、このキャリア基材上に設けられた、上記熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜とを備えるキャリア基材付き樹脂シートとして構成されていてもよい。上記樹脂膜としては、例えば、熱硬化性樹脂組成物の樹脂ワニスを、キャリア基材上に塗布し、所定の温度で乾燥し溶剤を揮散させることにより得られる。この樹脂膜は、Cステージ状態ではなく、Bステージ状態(未硬化状態または半硬化状態)とすることができる。
上記キャリア基材上に樹脂膜を形成する工程は、例えば、上記熱硬化性樹脂組成物を溶剤などに溶解・分散させて樹脂ワニスを調製して、各種コーター装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法、スプレー装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法、などが挙げられる。これらの中でも、スピンコーター、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて、樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法が好ましい。
本実施形態において、キャリア基材としては、例えば、ダイシングフィルムを用いることができる。当該ダイシングフィルムとしては、片面の表面に離型処理されているものであれば公知のものを使用してよく、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等があげられる。離型処理としては、離型剤をフィルム表面にコーティングする処理や、フィルム表面に細かい凹凸をつける処理等があげられる。離型剤としては、例えば、シリコーン系、アルキッド系、フッ素系等があげられるが、特にダイシング後のピックアップ性に優れるため、シリコーン系の離型剤による処理が好ましい。
上記ダイシングフィルムの厚みとしては、例えば、5〜100μmが好ましく、特に10〜60μmが好ましい。厚みが薄すぎるとダイシング時にチップが飛散する問題があり、厚すぎるとピックアップ不良が起こる問題がある。
上記キャリア基材付き樹脂膜からキャリア基材を分離してなる樹脂膜としては、各種の用途に用いることができるが、例えば、ダイシング・ダイボンディングフィルムの熱硬化型ダイボンディングフィルム用フィルム状接着剤として使用できる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の特性について詳述する。
本実施形態において、熱硬化性樹脂組成物のDSC曲線は、示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minの条件下で50℃から300℃まで昇温した条件で、熱硬化性樹脂組成物を測定することにより得ることができる。
本実施形態のDCS曲線において、単一の発熱ピークが存在する温度領域の下限値は、例えば、120℃以上であり、好ましくは150℃以上であり、より好ましくは180℃以上である。これにより、比較的低温領域において熱硬化性樹脂組成物における反応の進行を抑制できるため、密着特性を高めることができる。一方で、単一の発熱ピークが存在する温度領域の上限値は、例えば、220℃以下であり、好ましくは215℃以下であり、より好ましくは210℃以下である。これにより、高温により半導体素子やダイアタッチフィルムに熱劣化が生じることを抑制できる。
また、上記発熱ピークの発熱量の下限値は、例えば、30mJ/mg以上であり、好ましくは35mJ/mg以上であり、より好ましくは40mJ/mg以上である。これにより、熱硬化性樹脂組成物において、十分な硬化特性を得ることができる。一方で、上記発熱ピークの発熱量の上限値は、特に限定されないが、例えば、200mJ/mg以下でもよく、100mJ/mg以下でもよい。
また、上記発熱ピークのピーク幅の上限値は、例えば、50℃以下であり、好ましくは40℃であり、より好ましくは30℃以下である。これにより、発熱ピーク温度領域近傍において、十分な硬化特性を得ることができる。一方で、上記発熱ピークのピーク幅の下限値は、特に限定されないが、例えば、1℃以上でもよく、5℃以上でもよい。
本実施形態において、発熱開始温度とは、70℃における発熱量高さH1と最大発熱ピーク温度における発熱量高さHMAXとの差をΔH1とし、発熱量高さH1を基準にしたときに発熱量高さが、ΔH1の10%に達した時の温度とする。
また、本実施形態のDSC曲線におけるΔH1の10%を超える発熱ピークは、1つである。
上記熱硬化性樹脂組成物のDSC曲線が、50℃から120℃未満の温度領域に発熱ピークを有しないように構成することができる。これにより、比較的低温領域において熱硬化性樹脂組成物における反応の進行を抑制できるため、密着特性を高めることができる。
上記熱硬化性樹脂組成物のDSC曲線における発熱ピークの発熱高さの下限値は、例えば、1000μW/mg以上であり、好ましくは2000μW/mg以上であり、より好ましくは5000μW/mg以上である。これにより、発熱ピーク温度領域近傍において、十分な硬化特性を得ることができる。一方で、DSC曲線における発熱ピークの発熱高さの上限値は、特に限定されないが、例えば、20000μW/mg以下でもよい。
本実施形態では、たとえば熱硬化性樹脂組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、熱硬化性樹脂組成物の調製方法等を適切に選択することにより、上記DSC曲線における最大発熱ピーク温度、発熱ピークの発熱量、ピーク幅、ピーク数、発熱開始温度を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、エポキシ基を有するモノマーなどのエポキシ系組成成分を使用しないこと、上記多官能(メタ)アクリレート等のアクリル系化合物を熱硬化性樹脂として使用すること、過酸化物等の重合開始剤や硬化促進剤を使用しないこと等が、上記DSC曲線における最大発熱ピーク温度、発熱ピークの発熱量、ピーク幅、ピーク数、発熱開始温度を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
本実施形態のダイシング・ダイボンディングフィルム10の構造の一例について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態のダイシング・ダイボンディングフィルム10の断面図を示す。
本実施形態のダイシング・ダイボンディングフィルム10は、図1に示すように、ダイシングフィルム1およびダイシングフィルム1上に積層したフィルム接着剤層2を備えるシート部材とすることができる。ダイシング・ダイボンディングフィルム10は、巻き取り可能なロール状でもよいし、矩形形状の枚葉状であってもよい。ダイシング・ダイボンディングフィルム10におけるフィルム接着剤層2の表面は、例えば、露出していてもよく、保護フィルム(カバーフィルム3)で覆われていてもよい。保護フィルムとしては、公知の保護機能を有するフィルムを用いることができるが、例えば、PETフィルムを使用してもよい。このようなダイシング・ダイボンディングフィルム10は、カバーフィルム3を剥離して、使用することができる。
なお、本実施形態のダイシング・ダイボンディングフィルム10は、ダイシングフィルム1、フィルム接着剤層2およびカバーフィルム3以外のその他の機能層を有していてもよい。
本実施形態のダイシング・ダイボンディングフィルム10の上面視において、1つのダイシングフィルム1の平面上に、1層または2層以上のフィルム接着剤層2が配置されていてもよい。フィルム接着剤層2は、矩形形状のダイシングフィルム1の長手方向に沿って、一列に配置されていてもよい。上面視におけるフィルム接着剤層2の形状は、例えば、円形形状でもよい。ダイシングフィルム1上にフィルム接着剤層2を形成した後、当該フィルム接着剤層2をハーフカットすることにより、所望の形状を有するフィルム接着剤層2が得られる。このハーフカットは、フィルム接着剤層2上にカバーフィルム3を積層する前に行ってもよく、カバーフィルム3を積層した後に行うことができる。なお、カバーフィルム3の上面視における形状は、フィルム接着剤層2と略同一の形状を有してもよい。
本実施形態のダイシング・ダイボンディングフィルム10の断面視において、1つのダイシングフィルム1の表面上に複数のフィルム接着剤層2が配置されていてもよい。このとき、フィルム接着剤層2は、互いに離間して配置されており、カバーフィルム3も、フィルム接着剤層2毎に離間して配置される。このカバーフィルム3の外縁は、フィルム接着剤層2の外縁よりも外側まで形成されていてもよい。これにより、カバーフィルム3の剥離性を良好なものとすることができる。
本実施形態のダイシング・ダイボンディングフィルム10を使用した半導体装置の製造方法の一例について図2を用いて説明する。図2は、本実施形態のダイシング・ダイボンディングフィルム10を使用した半導体装置の製造方法の工程断面図を示す。
まず、図2(a)に示すように、ウェハ4(シリコンウェハ)の裏面に、フィルム接着剤層2の表面からカバーフィルム3を剥離したダイシング・ダイボンディングフィルム10のフィルム接着剤層2を貼り付ける。このウェハ4のラミネート工程は、例えば、60℃以下の温和な条件で実施することが可能である。
次いで、ウェハリングを用いて、ダイシングフィルム1、フィルム接着剤層2およびウェハ4の構造体を、ダイシング装置上に固定する。続いて、ダイシングソーなどの切断手段を用いて、上記の構造体のうち、フィルム接着剤層2およびウェハ4を個片単位に切断し、個片ダイ5とした半導体チップを得る。
続いて、図2(b)に示すように、フィルム接着剤層2を半導体チップの裏面に固着残存させたままで、加熱工程、紫外線照射工程を含まずに、ダイシングフィルム1とフィルム接着剤層2との間を剥離する。このようにして、フィルム接着剤層2付きダイ5(半導体チップ)をピックアップする。そして、金属リードフレームや基板にフィルム接着剤層2を介してダイ5を積層し、加熱・圧着することで、ダイ5(半導体チップ)をダイボンディングすることができる。
引き続き、加熱処理によって、フィルム接着剤層2を硬化することにより、半導体チップとリードフレームや基板等とを、フィルム接着剤層2を介して強固に接着させた半導体装置を得ることができる。本実施形態のフィルム接着剤は、8インチ以上の大面積のサイズを有するウェハを加工するために用いることができる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。特に記載しない限り、以下に記載の「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
[熱硬化性樹脂組成物の調製]
各実施例および各比較例について、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物(樹脂ワニス)を調製した。まず、表1に示す固形分割合で各成分をメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ、不揮発分(樹脂固形分)59%の樹脂ワニスを得た。
なお、表1に示す成分の詳細は以下のとおりである。また、表1中における各成分の配合割合は、熱硬化性樹脂組成物の固形分全体に対する各成分の配合割合(重量部)を示している。
表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
(導電性粒子)
銀粒子1:銀粉(徳力本店社製、TKR4A、フレーク、平均粒径(D50):9μm)
(熱硬化性樹脂)
多官能(メタ)アクリレート1:下記式で表されるトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(サートマー社製、SR−368)
Figure 2019019248
ジアリルフタレート樹脂1:下記式で表されるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業社製、DCP−A)。
Figure 2019019248
エポキシ樹脂1:トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−6000、重量平均分子量:600)
(硬化剤)
硬化剤1:ジグリシジルアミン型エポキシ樹脂(ダイソー社製、LX−SB−10、エポキシ当量110g/eq、重量平均分子量291、常温で液状)
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂1:アクリル酸エステル系共重合体溶液(ナガセケムテックス社製、テイサンレジンSG−P3、エポキシ基含有のアクリル酸エチル−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合体、比重0.85、重量平均分子量850,000、エポキシ価210eq./g、ガラス転移温度12℃、ゴム含有割合15重量%、溶媒:メチルエチルケトン)
(カップリング剤)
カップリング剤1:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−503)
(過酸化物)
過酸化物1:ジラウロイルパーオキサイド(アルケマ吉富社製、ルペロックスLP、「ルペロックス」は登録商標))
過酸化物2:1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日油社製、パーヘキサCS、「パーヘキサ」は登録商標)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:2−ウンデシルイミダゾール(四国化成工業社製、C11Z)
Figure 2019019248
(ダイシング・ダイボンディングフィルムの作成)
得られた樹脂ワニスを、コンマコーターを用いて、ダイシングフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルム(王子製紙(株)製、RL−07、厚さ38μm)のシリコーン離型面に塗布し、70℃、10分間乾燥して、ダイシングフィルムつきのフィルム状接着剤層を得た。
続いて、得られたダイシングフィルムつきのフィルム状接着剤層に、保護フィルム(カバーフィルム)としてPETフィルムを貼り付け、ダイシングフィルム及びフィルム状接着剤層をハーフカットし、保護フィルムを剥がすことにより、ダイシングフィルムおよびフィルム状接着剤層がこの順に積層してなるダイシング・ダイボンディングフィルムを得た。
(半導体装置の製造)
得られたダイシング・ダイボンディングフィルムをウェハ(サイズ:8インチ、厚さ:550μm、シリコンウェハ)の裏面に60℃で貼り付けし、ダイシング・ダイボンディングフィルム付きウェハを得た。その後ダイシング・ダイボンディングフィルム付きウェハを、ダイシングソーを用いて、スピンドル回転数30,000rpm、切断速度50mm/secで5mm×5mm角の半導体素子のサイズにダイシング(切断)して、次にダイシング・ダイボンディングフィルムの裏面から突上げし、ダイシングフィルムとフィルム状接着剤層との間で剥離し、フィルム状接着剤層(ダイアタッチフィルム)が接合した半導体素子をピックアップした。その後、フィルム状接着剤層を介して半導体素子を銅リードフレームに、100℃、1MPa、1.0秒間圧着して、ダイボンディングし、200℃1時間で加熱し、樹脂で封止して半導体装置を得た。
各実施例および各比較例で得られたダイシング・ダイボンディングフィルムに用いるフィルム状接着剤層について、次のような評価を行った。評価結果を表1に示す。
(DSC測定)
示差走査熱量計(SII製、DSC7020)を用い、窒素気流下で、昇温速度を10℃/分で50℃から300℃の温度範囲条件にて、10mgの上記熱硬化性樹脂組成物について測定した。70℃における発熱量高さH1と最大発熱ピーク温度における発熱量高さHMAXとの差をΔH1とし、発熱量高さH1を基準にしたときに発熱量高さが、ΔH1の10%に達した時の温度を、発熱開始温度とした。発熱ピークは、ΔH1の10%を超えるものとした。結果を表1に示す。また、実施例1,2および比較例1,2のDSCチャートを図3に示す。
(ダイシェア強度)
4mm×4mmのシリコンチップを、得られたフィルム状接着剤層(ダイボンディングフィルム)を介して、銅リードフレームにマウントし、200℃、1時間で硬化した。硬化後(吸湿処理前)ならびに吸湿(85℃、85%、72時間)処理後に、自動接着力測定装置を用い260℃での熱時ダイシェア強度を測定した。結果を表1に示す。接着強度の単位はNである。
(フィルム状接着剤におけるラミネート性)
得られたダイシング・ダイボンディングフィルムをシリコンウェハに60℃でラミネート後、半導体素子のサイズにダイシング(切断)し、その後、フィルム状接着剤層(熱硬化型ダイボンディングフィルム)と半導体素子との密着状態を観察した。フィルム状接着剤と半導体素子とが気泡が無く貼り合わされており、剥がれない場合を、良好(○)であると判断し、フィルム状接着剤と半導体素子との間に気泡が発生した場合、および/又はフィルム状接着剤の一部が剥がれている場合を、不良(×)であると判断した。
各実施例の熱硬化性樹脂組成物は、各比較例の熱硬化性樹脂組成物と比べて、硬化前において半導体素子に対するラミネート性が高く、硬化後において半導体素子に対して優れた密着性を有することが分かった。また、各実施例の熱硬化性樹脂組成物の硬化物において、通電性や熱伝導性が良好であった。
以上、実施形態および実施例に基づいて本発明を具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
1 ダイシングフィルム
2 フィルム接着剤層
3 カバーフィルム
4 ウェハ
5 ダイ
10 ダイシング・ダイボンディングフィルム

Claims (8)

  1. 導電性粒子および熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物であって、
    示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minの条件下で50℃から300℃まで昇温した際に得られる、当該熱硬化性樹脂組成物のDSC曲線において、
    120℃以上220℃以下の温度領域に単一の発熱ピークが形成されており、
    前記発熱ピークの発熱量が30mJ/mg以上であり、
    前記発熱ピークのピーク幅が50℃以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記DSC曲線が、50℃から120℃未満の温度領域に発熱ピークを有しない、熱硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記発熱ピークの発熱高さが、1000μW/mg以上である、熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記熱硬化性樹脂が、アクリル化合物を含む、熱硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    熱可塑性樹脂をさらに含む、熱硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    接着剤に用いる、熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    熱硬化型ダイボンディングフィルムを形成するために用いる、熱硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    ダイシングフィルムと、前記ダイシングフィルム上に設けられた熱硬化型ダイボンディングフィルムと、を備えるダイシング・ダイボンディングフィルムにおける、
    前記熱硬化型ダイボンディングフィルムを形成するために用いる、熱硬化性樹脂組成物。
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