JP2019012845A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】チップサイズに対してサファイア基板の厚さを最適化し、光の取り出し効率の向上させる。【解決手段】サファイア基板1と、サファイア基板1上に形成された複数の窒化物半導体層を有する発光素子構造部2を備え、サファイア基板1を通して発光素子構造部2からの発光を素子外部に出力する、平面視形状が正方形または長方形のチップに分割された裏面出射型の窒化物半導体発光素子100であって、発光素子構造部2が、光を出射する活性層4と、活性層4よりもサファイア基板1から離れた位置に形成されて活性層4よりもバンドギャップが小さいコンタクト層8とを備え、活性層4からコンタクト層8に向けて出射された光が、コンタクト層8で吸収されサファイア基板1を通して素子外部に出力されない構造であり、サファイア基板1の表面に垂直な側面部分における垂直方向の長さT値が、チップの平面視形状の各辺の平均長の0.45倍以上1倍以下である。【選択図】 図3

Description

本発明は、サファイア基板上に複数の窒化物半導体層を有する発光素子構造部を形成してなる、チップに分割された窒化物半導体発光素子に関し、特に、サファイア基板を通して活性層からの発光を素子外部に出力する裏面出射型の窒化物半導体発光素子に関する。
従来から、LED(発光ダイオード)や半導体レーザ等の窒化物半導体発光素子は、基板としてサファイア基板を用い、その上にエピタキシャル成長により複数の窒化物半導体層からなる発光素子構造を形成したものが多数存在する。窒化物半導体層は、一般式Al1−x−yGaInN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)で表される。
発光素子構造は、n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層との間に、単一量子井戸構造(SQW:Single−Quantum−Well)或いは多重量子井戸構造(MQW:Multi−Quantum−Well)の窒化物半導体層よりなる活性層が挟まれたダブルへテロ構造を有している。活性層がAlGaN系半導体層の場合、AlNモル分率(AlN組成比とも言う)を調整することにより、バンドギャップエネルギを、GaNとAlNが取り得るバンドギャップエネルギ(約3.4eVと約6.2eV)を夫々下限及び上限とする範囲内で調整でき、発光波長が約200nmから約365nmまでの紫外線発光素子が得られる。
窒化物半導体発光素子は、サファイア等のウェハ基板上に、エピタキシャル成長により複数の窒化物半導体層を成長させ、電極構造を形成した後に、平面視形状が正方形または長方形のチップに分割して形成される。サファイア基板を使用する場合、そのウェハの厚さは、約300μm以上のものが一般的に使用される。ウェハが薄いと、ウェハ基板上に素子構造を形成する工程でのウェハのハンドリングが困難となり、ウェハを破損する可能性が高くなる。一方、ウェハ上のチップとチップの境界線に沿って、ダイアモンドブレード或いはレーザ等を用いてダイシングを行い、ウェハを個々のチップに分割する際には、ウェハは薄い方が好ましく、一般的に、100μm±30μmより好ましくは、80μm〜100μmの厚さまで、ウェハの裏面を研磨(前処理としての粗研磨、研削等を含んでも良い)等により薄板化してから、ウェハを個々のチップに分割することが行われている(例えば、下記の特許文献1及び2参照)。
特許文献1では、窒化物半導体発光素子である350μm角チップの青色LEDのサファイア基板の厚さが、150μm、好ましくは100μmまで薄板化されている。また、特許文献2では、窒化物半導体発光素子である300μm〜500μm角チップの青色LEDのサファイア基板の厚さが、50μm〜120μm、好ましくは80μm〜100μmまで薄板化されている。
ところで、活性層から出射される光は、全方向に、つまりチップの上面側にも下面側にも進行するため、上面側に進行する光をチップ上面で下方に向けて反射させ、下面側に進行する光と合わせて、サファイア基板を通過させて、チップ下面側からチップ外部に出射させる裏面出射型の窒化物半導体発光素子がある(例えば、下記の特許文献3及び4参照)。
特開2010−199603号公報 特開2005−109432号公報 特開2008−66727号公報 特開2005−210051号公報
上述の裏面出射型の窒化物半導体発光素子では、一般的なサファイア基板の厚さ(100μm±30μm)に対して、サファイア基板上に形成される発光素子構造部の厚さは、数μm〜10μm程度であり、活性層の厚さは、例えば、数nm程度である。従って、窒化物半導体発光素子の発光源は、サファイア基板の表面側に平面的に存在している。
上記裏面出射型の窒化物半導体発光素子の平面状の発光源(面光源)の任意の一点(点光源)からサファイア基板に向けて出射した光は、活性層とサファイア基板間の窒化物半導体層を通過してサファイア基板内に入射し、サファイア基板の裏面或いは側面から、チップ外に出射される。
図1に、チップに分割された窒化物半導体発光素子において、サファイア基板の表面側の面光源Sの任意の一点(点光源)Pから出射した光が、サファイア基板1内を通過してチップ外に出射される様子を模式的に示す。
サファイアは光学的に異方性を呈し、複屈折性を有する。活性層がAlGaN系半導体層の場合、上述の通り、発光波長は約200nmから約365nmまでの紫外発光となるが、発光波長が約300nm〜350nm程度の場合、サファイアの平均的な屈折率は約1.8である。サファイア基板の外側が空気の場合、外部の屈折率が1であるので、サファイアの屈折率が1.8と仮定すると、サファイア基板と外側の空気との界面における臨界角θcは約34°となる。
サファイア基板内からチップ外に出射する光は、サファイア基板と外側の空気との界面に対する入射角θinが当該臨界角θc以上で全反射して、チップ外に出射されずに、全てサファイア基板内に反射する。尚、以下の図1、図2、図9等を参照するサファイア基板1からチップ外への光の取り出しについての説明では、便宜的に、図面の向きに合わせて、面光源Sからサファイア基板1の裏面1rに向かう方向を上方向とする。逆に、窒化物半導体発光素子の素子構造に関する説明では、サファイア基板1の裏面1rから、活性層(面光源S)を含む発光素子構造部に向かう方向を上方向とする。
尚、サファイア基板1の裏面1rの上側に、屈折率がサファイアと空気の屈折率の中間にある透明な樹脂膜を設けた場合、当該樹脂膜の上面がサファイア基板1の裏面1rと平行であれば、サファイア基板1と当該樹脂膜の界面における臨界角θc1が上記臨界角θcより大きくなり、サファイア基板と空気の界面における臨界角θc以上で入射した光でも、臨界角θc1より小さければ、全反射せずに当該樹脂膜側に透過する。しかし、当該透過光の出射角が入射角より大きくなるため、当該樹脂膜の上面への入射角が、当該樹脂膜と外側の空気との界面における臨界角θc2より大きくなって全反射するため、当該樹脂膜が平行平板状であれば、当該樹脂膜の有無に関係なく、サファイア基板1内から裏面1rに臨界角θc以上で入射した光は、上記何れかの界面で全反射して、チップ外に出射されずに、全て斜め下方向に反射する。
点光源Pからサファイア基板1の表面1tに入射し、出射角θinでサファイア基板1内に出射する光は、裏面1rに入射角θinで入射する。上述のように、活性層からサファイア基板1の表面1tまでの距離は、サファイア基板の厚さTに比べて十分に小さいので、点光源Pがサファイア基板1の表面1t上に存在すると見做せる。そこで、表面1t上の点光源Pからの出射角θinが上記臨界角θcより小さい全ての光(以下、便宜的に「上方出射光」と称する)は、サファイア基板1の裏面1rに入射すると、全反射せずに所定の透過率でチップ外に透過する。尚、点光源Pがチップ周辺近傍に位置すると、上方出射光の一部は、裏面1rではなくサファイア基板1の側面1sに入射するが、チップ分割後の側面1sは、裏面1rのような研磨面ではなく粗面であるので、全反射せずにチップ外に透過する光が含まれる。従って、点光源Pから出射した上方出射光は、所定の透過率でチップ外に透過する。この上方出射光の透過率は、サファイア基板1の厚さTに関係なくほぼ一定である。
次に、サファイア基板1の表面1t上の点光源Pからの出射角θinが上記臨界角θc以上の光(以下、便宜的に「側方出射光」と称する)について考察する。図2に、上方出射光Luと側方出射光Lsを、模式的に示す。
側方出射光Lsは、点光源Pから側面1sに直接到達する第1の側方出射光Ls1と、点光源Pから裏面1rに入射して全反射し、側面1sに間接的に到達する第2の側方出射光Ls2と、点光源Pから裏面1rに入射して全反射し、表面1tに到達して、側面1sに到達しない第3の側方出射光Ls3に、分類される。ここで、第1の側方出射光Ls1と第2の側方出射光Ls2は、側面1sが粗面であるので、見掛け上の側面1sに対する入射角に関係なく、全反射せずに所定の透過率でチップ外に出射するが、第3の側方出射光Ls3は発光素子構造内に再入射して、チップ外には出射しない。つまり、点光源Pからサファイア基板1内に入射して、有効にチップ外に出射できるのは、上方出射光Luと第1及び第2の側方出射光Ls1,Ls2である。
側方出射光Lsの内の側面1sに到達する第1及び第2の側方出射光Ls1,Ls2の割合が大きい程、光の取り出し効率が高くなる。上方出射光Luの透過率は、サファイア基板1の厚さTに関係なくほぼ一定であるので、光の取り出し効率に直接寄与する。しかし、側方出射光Ls全体に対して第1及び第2の側方出射光Ls1,Ls2の占める割合は、点光源Pの位置及びサファイア基板1の厚さTに依存して変化する。厚さTが大きい程、第1及び第2の側方出射光Ls1,Ls2の割合が大きくなるので、光の取り出し効率が高くなることが分かる。逆に、サファイア基板1の裏面を研磨してチップを薄板化すると、光の取り出し効率が低下する。
しかし、従来、サファイア基板1の厚さTと光の取り出し効率について具体的に考察された例はなく、上述のように、ウェハを個々のチップに分割する際の加工容易性を重視して、基板の厚さTは、チップサイズに関係なく、100μm±30μm程度に薄板化されていた。尚、チップサイズとは、チップの平面視形状の縦横の寸法である。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、サファイア基板の厚さ、チップサイズ、及び、光の取り出し効率の間の関係を明確にして、チップサイズに対してサファイア基板の厚さを最適化して、光の取り出し効率の向上を図ることにある。
本願の発明者の鋭意研究によって、裏面出射型の窒化物半導体発光素子において、サファイア基板を通してチップ外に取り出される光の内、上方出射光Luの大きさは、サファイア基板の厚さに関係なくほぼ一定であるのに対して、側方出射光Lsの大きさは、サファイア基板が厚いほど大きくなり、光の取り出し効率が向上することを見出し、更に、最適なサファイア基板の厚さとチップサイズの間に一定の関係のあることを見出した。
本発明は、上記新知見に基づいて成されたものであり、サファイア基板と、前記サファイア基板上に形成された複数の窒化物半導体層を有する発光素子構造部を備えてなり、前記サファイア基板を通して前記発光素子構造部からの発光を素子外部に出力する、平面視形状が正方形または長方形のチップに分割された裏面出射型の窒化物半導体発光素子であって、前記チップの前記平面視形状の各辺の平均長が400μm以上であり、前記サファイア基板の厚さが、前記平均長の0.45倍以上1倍以下であることを第1の特徴とする窒化物半導体発光素子を提供する。
更に好ましくは、上記第1の特徴の窒化物半導体発光素子は、前記発光素子構造部が、前記サファイア基板上に形成されたAlGaN系半導体層を含む下地構造部と、前記下地構造部の結晶表面上に形成された、n型AlGaN系半導体層のn型クラッド層、AlGaN系半導体層を有する活性層、及び、p型AlGaN系半導体層のp型クラッド層を含む発光積層部を備えて構成されることを第2の特徴とする。
更に好ましくは、上記第1または第2の特徴の窒化物半導体発光素子は、前記サファイア基板の厚さが、前記平均長の0.5倍以上であることを第3の特徴とする。
更に好ましくは、上記第1乃至第3の特徴の窒化物半導体発光素子は、前記サファイア基板の厚さが、前記平均長の0.8倍以下であることを第4の特徴とする。
更に好ましくは、上記第1乃至第4の特徴の窒化物半導体発光素子は、ウェハ状態からステルスダイシングによって前記チップに分割されたことを第5の特徴とする。
更に好ましくは、上記第1乃至第5特徴の窒化物半導体発光素子は、前記平均長が500μm以上であることを第6の特徴とする。
更に、本発明は、第1の厚さのウェハ状のサファイア基板上に、複数の窒化物半導体層を有する発光素子構造部を形成する工程と、前記発光素子構造部が形成されたウェハ状の前記サファイア基板の裏面を研磨して、前記サファイア基板の厚さを、前記第1の厚さより薄い第2の厚さに薄板化する工程と、薄板化した前記サファイア基板上に前記発光素子構造部が形成されたウェハを、平面視形状が正方形または長方形のチップ状の窒化物半導体発光素子に分割する工程と、を備え、前記窒化物半導体発光素子が、前記サファイア基板を通して前記発光素子構造部層からの発光を素子外部に出力する裏面出射型の発光素子であって、前記窒化物半導体発光素子の前記平面視形状の各辺の平均長が400μm以上であり、前記第2の厚さが、前記平均長の0.45倍以上1倍以下であることを第1の特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法を提供する。尚、前記薄板化する工程における研磨処理は、前処理としての粗研磨、研削等の処理を含んでも良い。
更に好ましくは、上記第1の特徴の窒化物半導体発光素子の製造方法は、前記発光素子構造部を形成する工程が、前記第1の厚さのウェハ状の前記サファイア基板上に、AlGaN系半導体層を含む下地構造部を形成する工程と、前記下地構造部の結晶表面上に、n型AlGaN系半導体層のn型クラッド層、AlGaN系半導体層を有する活性層、及び、p型AlGaN系半導体層のp型クラッド層を含む発光積層部を形成する工程と、を有することを第2の特徴とする。
更に好ましくは、上記第1または第2の特徴の窒化物半導体発光素子の製造方法は、前記ウェハを前記チップに分割する工程においてステルスダイシングを用いることを第3の特徴とする。
更に好ましくは、上記第3の特徴の窒化物半導体発光素子の製造方法は、前記ステルスダイシングの処理工程において、ステルスダイシングに使用するレーザ光の前記サファイア基板内の厚さ方向の合焦位置を複数に設定することを第4の特徴とする。
上記特徴の窒化物半導体発光素子またはその製造方法によれば、裏面出射型の窒化物半導体発光素子において、チップサイズに関係なく、チップ内部から出射された光の内、最大限取り出し得る光の約95%以上を、高効率にチップ外に取り出すことが可能となる。
AlGaN系半導体層で構成される窒化物半導体発光素子の場合、一般的に、下地構造部の上にn型クラッド層、活性層、p型クラッド層が順番に積層され、最上層にp電極とオーミック接触するp型コンタクト層が形成される。また、p型コンタクト層として、p電極と良好なオーミック接触を形成するために、p型のGaN層が用いられる。しかし、当該GaN層は、より大きなAlモル分率のAlGaN系半導体層の活性層から出射された光を吸収するため、AlGaN系半導体の発光素子では、チップ上面から光を取り出すためには、p電極及びp型コンタクト層の構造を工夫する必要がある。よって、当該p型コンタクト層の問題を回避するための有効な手段として、本発明が対象とする裏面出射型の窒化物半導体発光素子がある。従って、上記特徴の窒化物半導体発光素子またはその製造方法は、AlGaN系半導体層で構成される窒化物半導体発光素子に、より好適であると言える。
尚、本発明では、AlGaN系半導体は、一般式AlGa1−xN(xはAlNモル分率、0≦x≦1)で表わされる3元(または2元)加工物を基本とし、そのバンドギャップエネルギがGaN(x=0)とAlN(x=1)のバンドギャップエネルギ(約3.4eVと約6.2eV)を下限及び上限とする範囲内の3族窒化物半導体であり、当該バンドギャップエネルギに関する条件を満たす限りにおいて、微量のInが含有されている場合も含まれる。
サファイア基板からチップ外への光の取り出しを模式的に説明する図である。 サファイア基板の表面上の点光源からサファイア基板内に出射する上方出射光と側方出射光を模式的に示す図である。 本発明に係る窒化物半導体発光素子の基本的な構造を模式的に示す断面図である。 本発明に係る窒化物半導体発光素子のより詳細な素子構造の一例を模式的に示す要部断面図である。 本発明に係る窒化物半導体発光素子の平面視パターンの一例を模式的に示す平面図である。 サブマウント上にフリップチップ実装された本発明に係る窒化物半導体発光素子の一例を模式的に示す断面図である。 例1の平面視形状が正方形のサファイア基板を示す平面図である。 例2の平面視形状が長方形のサファイア基板を示す平面図である。 例1及び例2のサファイア基板を示す側面図である。 例1のサファイア基板における15点の点光源Pijの光取り出し効率Rijとサファイア基板の厚さTとの関係を示す図である。 例1のサファイア基板における選択された5点の点光源Pijの光取り出し効率Rijとサファイア基板の厚さTとの関係を示す図である。 例2のサファイア基板における15点の点光源Pijの光取り出し効率Rijとサファイア基板の厚さTとの関係を示す図である。 例2のサファイア基板における選択された5点の点光源Pijの光取り出し効率Rijとサファイア基板の厚さTとの関係を示す図である。 例1のサファイア基板における面光源Sからの光取り出し効率RS1とサファイア基板の厚さTとの関係を示す図である。 例2のサファイア基板における面光源Sからの光取り出し効率RS2とサファイア基板の厚さTとの関係を示す図である。 ウェハ状態とチップ状態で測定した光出力の比とサファイア基板の厚さとの関係を示す図である。 サファイア基板の厚さTが100μmの場合のチップサイズと光取り出し効率RS1の関係を示す図である。
本発明に係る窒化物半導体発光素子(以下、適宜「本発光素子」と称する)の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。尚、以下の説明で使用する図面では、説明の理解の容易のために、要部を強調して発明内容を模式的に示しているため、各部の寸法比は必ずしも実際の素子と同じ寸法比とはなっていない。以下、本発光素子が発光ダイオードの場合を想定して説明する。
図3に示すように、本発光素子100は、サファイア基板1と、サファイア基板1上に形成された複数の窒化物半導体層を有する発光素子構造部2と、を備えた構成となっている。更に、発光素子構造部2は、少なくとも、n型窒化物半導体層のn型クラッド層3とp型窒化物半導体層のp型クラッド層5の間に、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造の窒化物半導体層よりなる活性層4が挟まれたダブルへテロ構造を有している。
発光素子構造部2を構成する各窒化物半導体層がAlGaN系半導体層である場合、発光素子構造部2は、一例として、図4の要部断面図に示すように、サファイア基板1上に形成されたAlN層6aとAlGaN層6bからなる下地構造部6と、当該下地構造部6上に、n型AlGaNからなるn型クラッド層3、活性層4、Alモル分率が活性層4より大きいp型AlGaNの電子ブロック層7、p型AlGaNのp型クラッド層5、p型GaNのp型コンタクト層8を順番に積層した発光積層部9と、を備える。
下地構造部6は、必ずしもAlN層6aとAlGaN層6bの2層構造である必要はなく、何れかのみの単層構造であってもよく、3層以上で構成されていてもよい。
発光積層部9は、n型クラッド層3より上部の活性層4、電子ブロック層7、p型クラッド層5、p型コンタクト層8の一部が、n型クラッド層3の一部表面が露出するまで反応性イオンエッチング等により除去され、n型クラッド層3上の第1領域R1に活性層4からp型コンタクト層8までの積層構造が形成されている。更に、p型コンタクト層9の表面に、例えば、Ni/Auのp電極10が、n型クラッド層3の露出表面(第2領域R2)の一部に、例えば、Ti/Al/Ti/Auのn電極11が形成されている。
また、活性層4は、一例として、n型AlGaNのバリア層4aとAlGaNの井戸層4bからなる単層の量子井戸構造となっている。活性層4は、下側層と上側層にAlモル分率の大きいn型及びp型AlGaN層で挟持されるダブルヘテロジャンクション構造であれば良く、また、上記単層の量子井戸構造を多層化した多重量子井戸構造であっても良い。
各AlGaN層は、研磨等により薄板化する前のウェハ状のサファイア基板1上に、有機金属化合物気相成長(MOVPE)法、或いは、分子線エピタキシ(MBE)法等の周知のエピタキシャル成長法により形成される。n型層のドナー不純物として、例えばSi、p型層のアクセプタ不純物として、例えばMgを使用している。尚、導電型を明記していないAlN層及びAlGaN層は、不純物注入されないアンドープ層である。
尚、発光素子構造部2を構成する各窒化物半導体層は、AlGaN系半導体層に限定されるものではなく、また、AlGaN系半導体層の場合においても、各層の膜厚、Alモル分率は、本発光素子100の仕様に応じて適宜変更し得る。
発光素子構造部2が形成された後のウェハ状態の複数個の本発光素子100は、サファイア基板1の裏面を研削及び研磨して、所定の厚さ(第2の厚さに相当)まで薄板化された後、ダイシングを行い、平面視形状が正方形または長方形のチップ状に分割して、本発光素子100のベアチップが得られる。上記所定の厚さは、チップの平面視形状の各辺の平均長Lavの0.45倍以上1倍以下とするのが好ましい。尚、薄板化する前のサファイア基板1の厚さ(第1の厚さに相当)は、上記所定の厚さより大きいものを使用する。
尚、ダイシングの方法は、特に限定されるものではなく、公知のダイシング方法を用いれば良い。但し、後述するように、本発光素子100の薄板化後のサファイア基板1の厚さは、従来の通常の厚さよりチップサイズに応じて厚くなるので、従来一般的に使用されていたダイアモンドブレードを用いた方法より、公知のステルスダイシングを使用するのが好ましい。ステルスダイシングは、極薄半導体ウェハを高速且つ高品位にダイシングするために開発され実用化されたもので、ウェハに対して透明性のある波長のレーザ光を、ウェハ内部で焦点を結ぶように集光させて、当該合焦位置で非線形吸収効果によるレーザエネルギの局所的な吸収によって、ウェハを切断する技術である。本実施形態では、当該ステルスダイシングを厚膜ウェハのダイシングに応用する。具体的には、サファイア基板内の厚さ方向における上記合焦位置を複数設定して、各合焦位置でレーザ光をチップとチップの境界線に沿ってスキャンすることにより、ステルスダイシングを厚膜ウェハに適用する。一例として、当該合焦位置を厚さ方向に約100μm間隔で設定する。
図5に、平面視形状が正方形のチップに分割された本発光素子100の平面視パターンの一例を示す。図5は、各電極10、11が形成される前の第1領域R1と第2領域R2を示す。p電極10は第1領域R1のほぼ全面に形成される。第2領域はn型クラッド層3上の第1領域を除く領域に相当する。図5に示す本発光素子100のチップサイズは、一例として、縦横夫々800μmである。尚、本発光素子100の平面視形状は、正方形に限定されるものではなく、長方形であっても良く、チップサイズ及び第1領域R1の形状、面積も、図5に示す数値例や形状例に限定されるものではない。
本発光素子100は、活性層4から出射された光を、サファイア基板1を通してチップ外に取り出す裏面出射型の発光素子であり、一例として、図6に示すように、サファイア基板1の裏面1rを上向きにして、p電極10とn電極11を下側に向けて、サブマウント20上に載置され、所謂フリップチップ実装される。サブマウント20は、絶縁材料からなる基材21の表面の一部に、アノード側の第1金属電極配線22とカソード側の第2金属電極配線23が夫々形成されてなる。第1及び第2金属電極配線22,23は、基材21に設けられた貫通電極(図示せず)を介して、基材21の裏面側に設けられたリード端子24,25と接続している。フリップチップ実装により、本発光素子100のp電極10とn電極11が、バンプ26を介して、第1及び第2金属電極配線22,23上に接続される。これにより、チップ状の本発光素子100がサブマウント20上に固定されるとともに、p電極10とn電極11が、サブマウント20に形成されたリード端子24,25と夫々電気的に接続される。尚、サブマウント20上に載置された本発光素子100は、サファイア基板1の裏面1rとチップ側面が、活性層4から出射された光に対して透明な樹脂で封止されるのが好ましい。また、当該封止樹脂として、屈折率が1より大きく、サファイアの屈折率より小さいものを使用するのが好ましい。
本発光素子100は、サファイア基板1の厚さTが、チップの平面視形状の各辺の平均長Lavの0.45倍以上1倍以下であることを特徴とする。ここで、各辺の平均長Lavは、チップの平面視形状が正方形の場合は、当該正方形の1辺の長さLに等しく、チップの平面視形状が長方形の場合は、当該長方形の長辺の長さL1と短辺の長さL2の平均値(L1+L2)/2に等しい。
次に、本発光素子100において、サファイア基板1の厚さTが、チップの平面視形状の各辺の平均長Lavの0.45倍以上1倍以下とする理由を、図面を参照して説明する。
以下の説明では、チップサイズ及びサファイア基板1の厚さTを無次元化し、チップの平面視形状が、正方形と長方形の2種類のチップ(例1、例2)について、サファイア基板1の表面1t上にある複数の点光源Pから出射される光について、上述した上方出射光Luの光出力Quと、第1及び第2の側方出射光Ls1,Ls2の合計光出力Qsを、以下に示す計算式で、夫々近似的に算出し、当該算出結果に基づいて、面光源Sからのチップ外に取り出される光出力Qを、近似的に算出する。尚、サファイア基板1の裏面1r及び側面1sでの全反射しない光の透過率を100%と仮定し、透過率の影響を無視する。
図7に、例1の平面視形状が正方形のサファイア基板1の平面図を示し、図8に、例2の平面視形状が長方形のサファイア基板1の平面図を示し、図9に、例1及び例2のサファイア基板1の側面図を示す。平面視形状が正方形または長方形のサファイア基板1の各頂点をA,B,C,Dとし、側面視した場合、裏面1r上の頂点と表面1t上の頂点が、厚さTで上下に分離するので、裏面1r上の各頂点をA,B,C,Dとし、表面1t上の対応する各頂点をA’,B’,C’,D’とする。尚、図7及び図8の平面図上では、頂点A’,B’,C’,D’は、頂点A,B,C,Dと夫々同一に扱う。
説明の便宜上、サファイア基板1の表面1tと裏面1rが、直交座標系のx軸とy軸を含むxy平面と平行な平面とし、例1の正方形の各頂点A,B,C,Dのxy座標を、(1,1)、(1,−1)、(−1,−1)、(−1,1)とし、例2の長方形の各頂点A,B,C,Dのxy座標を、(1,0.8)、(1,−0.8)、(−1,−0.8)、(−1,0.8)とする。xy座標の原点(0,0)は、正方形と長方形の各中心Oを示す。例1の正方形では、1辺の長さLが2となり、例2の長方形では、長辺の長さL1が2となり、短辺の長さL2が1.6となる。尚、図7及び図8では、一例として、辺CDの中点と辺ABの中点を通る線をx軸、辺BCの中点と辺DAの中点を通る線をy軸、辺CDから辺ABに向かって+x方向、辺BCから辺DAに向かって+y方向とした場合を図示している。
例1における点光源Pのxy座標として、次の15点を使用する。
P00:(0,0)
P20:(0.2,0)
P22:(0.2,0.2)
P40:(0.4,0)
P42:(0.4,0.2)
P44:(0.4,0.4)
P60:(0.6,0)
P62:(0.6,0.2)
P64:(0.6,0.4)
P66:(0.6,0.6)
P80:(0.8,0)
P82:(0.8,0.2)
P84:(0.8,0.4)
P86:(0.8,0.6)
P88:(0.8,0.8)
例2における点光源Pのxy座標として、次の15点を使用する。
P00:(0,0)
P03:(0,0.3)
P06:(0,0.6)
P20:(0.2,0)
P23:(0.2,0.3)
P26:(0.2,0.6)
P40:(0.4,0)
P43:(0.4,0.3)
P46:(0.4,0.6)
P60:(0.6,0)
P63:(0.6,0.3)
P66:(0.6,0.6)
P80:(0.8,0)
P83:(0.8,0.3)
P86:(0.8,0.6)
1つの点光源Pを原点とする極座標系を想定する。点光源Pを通過するサファイア基板1の表面1tと直交する法線Zと、点光源Pから出射した光線Eの成す角をθとし、平面視した当該光線Eとx軸の成す角をφとし、φ=0を+x方向とする。
点光源Pからθ方向に出射した光線Eの単位微小面積当たりの強度ΔQは、下記の数1で与えられる。Iはθ=0の方向へ出射した光線の単位微小面積当たりの光強度を表す定数である。
Figure 2019012845
点光源Pから出射した上方出射光Luの光出力Quは、上述のように、全てチップ外に出射するので、点光源Pの位置に関係なく、下記の数2で与えられる。
Figure 2019012845
点光源Pからサファイア基板1内に出射された全出射光の光出力Qallは、上記数2において、θを0〜π/2の範囲で積分して算出され、Qall=Iπとなる。一方、臨界角θcが33.75°(サファイアの屈折率が1.8)の場合、Qu=Iπ×0.309となる。従って、全出射光の光出力Qallに対する上方出射光Luの光出力Quの占める割合は、約30%となる。
点光源Pから出射した第1及び第2の側方出射光Ls1,Ls2の合計光出力Qsは、下記の数3に示すように、頂点A,B,B’,A’で囲まれた側面1s1を通過する光出力Qs1と、頂点B,C,C’,B’で囲まれた側面1s2を通過する光出力Qs2と、頂点C,D,D’,C’で囲まれた側面1s3を通過する光出力Qs3と、頂点D,A,A’,D’で囲まれた側面1s4を通過する光出力Qs4に、分解される。
Figure 2019012845
一例として、光出力Qs1は、下記の数4で与えられる。
Figure 2019012845
上記数4において、図7に示すように、点光源Pから線分ABに下ろした垂線P1の方向をφ=0とし、垂線P1と線分PAの成す角度をφ1A、垂線P1と線分PBの成す角度をφ1Bとする。尚、図7では、角度φの正方向を半時計方向としているので、数4では、φ1Aが正値、φ1Bが負値となっている。φ1A及びφ1Bは、下記の数5及び数6で与えられる。尚、数5及び数6中、xp、ypは点光源Pのx座標、y座標であり、xA、yBは頂点Aのx座標、y座標であり、xB、yBは頂点Bのx座標、y座標である。
Figure 2019012845

Figure 2019012845
上記数4において、図9に示すように、点光源Pから裏面1rに下ろした垂線Zの方向をθ=0とし、点光源Pから(θ、φ)方向に出射した光が、裏面1rの点Rで全反射し、丁度、線分A’B'上の点Mに到達する場合の角度θをθ1として、θ1と臨界角θcの大きい方をθxとしている。(θ1、φ)方向と(θx、φ)方向の間で出射した光は、上方出射光Luとなるから、数4の積分範囲から当該範囲を除外する。
点光源Pと点Rから表面1tに下ろした垂線と表面1tの交点R’との距離Lmは、下記の数7で与えられ、角度θ1は、下記の数8で与えられる。数8中のTは、サファイア基板1の厚さである。
Figure 2019012845
Figure 2019012845
以上より、θ1がφの関数θ1(φ)となり、φの値に応じてθ1(φ)とθcの大小関係が変化するので、上記数4の定積分において、θxは、θ1(φ)>θcの場合は、θx=θ1(φ)とし、θ1(φ)≦θcの場合は、θx=θcとする。
他の3つの側面1s2〜1s4を通過する光出力Qs2〜Qs4については、頂点A,Bを、頂点B,C、頂点C,D、頂点D,Aに順次変更し、光出力Qs1と同様の要領により算出できる。具体的には、φ=0となる方向(+x方向)を90度ずつ回転させて、点光源P及び各頂点A〜Dのxy座標の値を変換し、上記の数4〜数6の(φ1A,φ1B)を、(φ2B,φ2C)、(φ3C,φ3D)、(φ4D,φ4A)に置き換え、数7のLmも同様に変更して、上記数4を、他の光出力Qs2〜Qs4用に変換することができる。よって、光出力Qs2〜Qs4の算出方法は基本的に光出力Qs1と同様であるので、重複する説明は割愛する。
以上より、点光源Pから出射し、サファイア基板1を通過してチップ外に取り出せる総光出力Qusは、上記要領で算出した第1及び第2の側方出射光Ls1,Ls2の合計光出力Qsと上方出射光Luの光出力Quの合計として算出できる。
図10〜図13に、例1の正方形のチップと例2の長方形のチップにおいて、上述の15点の各点光源Pijに対して算出した、総光出力Qusの計算結果を示す。図10〜図13では、横軸がサファイア基板1の厚さTであり、縦軸が各点光源Pijの総光出力Qusを全出射光の光出力Qallで除した光取り出し効率Rijである。図10は、例1の15点の点光源Pijの全ての計算結果を示し、図11は、例1の選択された5点の点光源P00,P40,P44,P80,P88の計算結果を示し、図12は、例2の15点の点光源Pijの全ての計算結果を示し、図13は、例2の選択された5点の点光源P00,P06,P43,P80,P86の計算結果を示す。
図10及び図12より、チップ形状が正方形と長方形の何れにおいても、点光源Pijの位置によって、点光源Pijの光取り出し効率Rijが変化していることが分かる。しかし、何れの点光源Pijにおいても、サファイア基板1の厚さTが大きくなるにつれ、光取り出し効率をRijが増加し、最終的に1に収束することが分かる。
点光源Pijの位置による光取り出し効率Rijの違いの詳細は、図11及び図13によって、より明確になる。例1の正方形のチップの場合、厚さTが約0.65以下では、チップ中心に近い点光源Pより、チップ周辺に近い点光源Pの方が、光取り出し効率Rijが高く、逆に、厚さTが約0.65以上では、チップ中心に近い点光源Pの方が、チップ周辺に近い点光源Pの方より、光取り出し効率Rijが高くなる。例2の長方形のチップの場合、厚さTが約0.58以下では、チップ中心に近い点光源Pより、チップ周辺に近い点光源Pの方が、光取り出し効率Rijが高く、逆に、厚さTが約0.58以上では、チップ中心に近い点光源Pの方が、チップ周辺に近い点光源Pの方より、光取り出し効率Rijが高くなる。
このことは、チップ周辺に近い点光源Pの場合、サファイア基板1の4つの側面1sの内の1面または2面に近接するため、サファイア基板1の厚さTの減少に対して、第1及び第2の側方出射光Ls1,Ls2の合計光出力Qsの内、当該1面または2面の側面1sから出射する光出力の減少が顕著ではないためと考えられる。また、例1の正方形のチップと例2の長方形のチップを比較すると、長方形のチップの方が、チップの短辺側の周辺に近い点光源Pでは、2面の側面1sに近接する度合いが高くなるので、同じ厚さでも光出力Qsは大きくなることが分かる。
上記各点光源Pijの総光出力Qusが、各点光源Pijを中心とする0.2×0.2の小区画の面光源Sijの光出力の平均値と見做せるので、上記各点光源Pijの総光出力Qusの集合が、面光源Sの光出力QSusとなる。ここでは、離散的な15の点光源Pijのチップ内の配置の対称性を考慮して、各点光源Pijの光取り出し効率Rijの加重平均値を算出することで、面光源Sからの光取り出し効率の概算値を得ることができる。本実施形態では、各点光源Pijの光取り出し効率をRijとし、例1の正方形のチップの面光源Sからの光取り出し効率RS1を、下記の数9により、例2の長方形のチップの面光源Sからの光取り出し効率RS2を、下記の数10により、夫々算出した。加重平均の係数は、点光源がx及びy方向に夫々0.2間隔で満遍なく分散配置された場合を想定した値となっている。例2では、例えば、点光源P23は、xy座標(0.2,0.2)と(0.2,0.4)の2つの点光源P22,P24を代表している。
Figure 2019012845
Figure 2019012845
図14に例1の正方形のチップの面光源Sからの光取り出し効率RS1を示し、図15に例2の長方形のチップの面光源Sからの光取り出し効率RS2を示す。横軸がサファイア基板1の厚さTであり、縦軸が光取り出し効率RS1,RS2である。
図14より、例1の正方形のチップの場合、厚さTが0.9以上で、光取り出し効率RS1が0.953以上となっており、厚さTが1以上で、光取り出し効率RS1が0.970以上となっている。また、厚さTが1.6で0.9997(ほぼ1)に収束し、厚さTが1.95で完全に1に収束している。チップ中心Oの点光源P00の光取り出し効率R00が、厚さTが0.9以上で、0.991以上となっており、厚さTが1以上で、0.999以上となっており、総合的に見て、厚さTが0.9以上で、光取り出し効率の向上が十分に図れていると判断できる。更に、厚さTが1以上で、より完璧に光取り出し効率の改善を図ることができる。光取り出し効率RS1が1.95の厚さTで完全に1に収束しているので、誤差を考慮しても、厚さTを2より大きくするメリットはない。実質的には、厚さTは1.6以下で十分である。
図15より、例2の長方形のチップの場合、厚さTが0.8以上で、光取り出し効率RS2が0.953以上となっており、厚さTが0.9以上で、光取り出し効率RS2が0.971以上となっている。また、厚さTが1.45で0.9997(ほぼ1)に収束し、厚さTが1.7で完全に1に収束している。チップ中心Oの点光源P00の光取り出し効率R00が、厚さTが0.8以上で、0.988以上となっており、厚さTが0.9以上で、0.999以上となっており、総合的に見て、厚さTが0.8以上で、光取り出し効率の向上が十分に図れていると判断できる。更に、厚さTが0.9以上で、より完璧に光取り出し効率の改善を図ることができる。光取り出し効率RS2は厚さTが1.7で完全に1に収束しているので、誤差を考慮しても、厚さTを1.8より大きくするメリットはない。実質的には、厚さTは1.45以下で十分である。
以上、図14及び図15に示す例1の正方形のチップと例2の長方形のチップの光取り出し効率RS1,RS2の計算結果より、サファイア基板1の厚さTは、チップの平面視形状が正方形と長方形に何れにおいても、チップの平面視形状の各辺の平均長Lavの0.45倍以上1倍以下であることが好ましい。更に好ましくは、厚さTは、平均長Lavの0.5倍以上1倍以下、または、平均長Lavの0.45倍以上0.8倍以下、更には、0.5倍以上0.8倍以下であることが好ましい。
また、同じチップ面積では、正方形の方が、長方形より平均長Lavが短くなるので、同じ光取り出し効率を得られるサファイア基板1の厚さTは小さくなる。
ところで、図14及び図15に示す光取り出し効率RS1,RS2の計算結果は、面光源Sがチップ全面の80%程度に存在すると仮定しているが、実際のチップでは、活性層(第1領域R1)の平面視パターンは、図5に示すような櫛形のものや、よりチップ中央に寄ったパターンのものも想定される。しかし、斯かる平面視パターンでは、上述の15点の点光源Pijの内、チップ周辺の点光源の占有率が減少することになり、平均長Lavに対する厚さTの比が0.33を超える範囲では、光取り出し効率RS1,RS2はより向上するものと考えられる。つまり、図14及び図15に示す光取り出し効率RS1,RS2の計算結果は、種々の平面視パターンの活性層に対してワーストケースを示していると言える。
次に、サファイア基板1の厚さTが、チップの平面視形状の各辺の平均長Lavの0.45倍以上1倍以下で、面光源Sからの光取り出し効率の向上が十分に図れることを裏付ける2種類の実験結果について説明する。
最初の実験結果は、薄板化前のウェハ状態における発光素子(LED)の光出力QSwaferを測定し、薄板化した後の当該ウェハをダイシングしてチップに分割した後、再度、光出力QSchipを測定し、その光出力比(QSchip/QSwafer)を算出した。使用したサンプルは、図5に例示した平面視パターンのダイシング後のチップサイズが800μm角のLEDである。薄板化した後のサファイア基板の厚さTは、150μm、200μm、430μm、650μmの4通りである。光出力QSwaferは、順方向電流20mAで積分球照度計を用いて測定し、光出力QSchipは、順方向電流60mAで積分球照度計を用いて測定した。図16にその算出結果を示す。
上記4通りの厚さTのチップサイズ800μm(平均長Lav=800μm)に対する比(T/Lav)は、夫々、0.1875、0.25、0.5375、0.8125となっている。尚、光出力比(QSchip/QSwafer)の最大値が、1より大きく4.5倍程度となっているのは、ウェハ状態では、チップ外に取り出せる光が、上述の上方出射光Luに限定され、サファイア基板の側面からの光取り出しができないため、光取り出し効率が、全出射光の光出力Qallに対する上方出射光Luの光出力Quの割合である約30%に制限される点と、光出力QSwaferの測定において、チップ外に取り出した光の全てが積分球照度計で捕捉されていない点、順方向電流の差などにより、ウェハ状態での光取り出し効率が、20%〜25%程度に制限されるためと考えられる。
図16に示す結果では、上記比(T/Lav)が0.1875、0.25、0.5375、0.8125で、光出力比(QSchip/QSwafer)は、3.3、3.68、4.5、4,5となっている。これより、T/Lavが0.5375以上で、既に、光出力比(QSchip/QSwafer)が約4.5に飽和している状態である。ここで、各光出力比(QSchip/QSwafer)を当該飽和値で正規化すると、正規化後の光出力比は、0.73、0.82、1、1となる。
一方、図14に示す計算結果では、厚さTが、0.3、0.5、1、1.6で、上記比(T/Lav)が夫々、0.1875、0.25、0.5、0.8となり、当該厚さTでの光取り出し効率RS1は、0.66、0.81、0.97、1.00となっている。以上より、図16に示す実験結果の光出力比(QSchip/QSwafer)と、図14に示す例1の正方形のチップの光取り出し効率RS1の計算結果とは、極めて良好に一致していると言える。
第2の実験結果は、サファイア基板の側面からの光取り出しの比率を検証した実験である。図5に例示した平面視パターンのダイシング後のチップサイズが800μm角で、サファイア基板の厚さTが430μmのLEDの3サンプルに対して、光出力QS0を測定し、その後、サファイア基板の側面の4面にグリスを塗布し、側面から出射した光を当該グリスで吸収させるようにし、再度、光出力QS1を測定し、側面比率(QS0−QS1)/QS0を算出した。各サンプルの光出力QS0が、3.33mW、3.05mW、3.05mWであったのに対し、光出力QS1は夫々、0.97、0.61、0.68に減少していた。この結果、側面比率(QS0−QS1)/QS0は、0.71、0.80、0.78と算出された。これより、サファイア基板の厚さを十分に厚くすると、側面からの光取り出しの比率は、70%〜80%に及ぶことが分かった。上述のように、全出射光の光出力Qallに対する上方出射光Luの光出力Quの割合は約30%であるが、その一部の光は、直接側面に到達する光も含むため、側面からの光取り出しの比率が70%〜80%という結果と符合する。
以上、上記2つの実験結果より、図14及び図15に示す例1の正方形のチップと例2の長方形のチップの光取り出し効率RS1,RS2の計算結果が、実用上問題ないことが明らかとなった。
背景技術の項で説明したように、窒化物半導体発光素子の分野では、サファイア基板の厚さTは、一般に100μm前後のものが使用されている。よって、サファイア基板の厚さTを当該100μmに固定した場合、正方形のチップのチップサイズを大きくすると、光取り出し効率RS1がどのように低下するかを、図14の光取り出し効率RS1の計算結果から算出した結果を、図17に示す。
図17に示すように、チップサイズが400μmで、光取り出し効率RS1は0.81に低下し、チップサイズが500μmで、光取り出し効率RS1は0.74に低下し、チップサイズが667μmで、光取り出し効率RS1は0.66に低下し、チップサイズが1000μmで、光取り出し効率RS1は0.55に低下し、チップサイズが2000μmで、光取り出し効率RS1は0.41にまで低下する。サファイア基板の側面からの光取り出しを無視して、従来のように、サファイア基板の厚さTを100μm前後に設定していると、チップの大型化、つまり、発光素子の高効率、高出力化は達成し得ない。従って、サファイア基板の厚さTは、チップサイズに応じて最適化する必要があり、この場合、チップの平面視形状の各辺の平均長Lavの0.45倍以上1倍以下に設定するのが好ましい。更に、このようにサファイア基板の厚さTを平均長Lavを基準に設定することの効果は、平均長Lavが、例えば、400μm以上で顕著であり、更に大きくなる程、その効果は大きくなる。本実施形態では、当該平均長Lavとしては、特定の値に限定されるものではないが、400μm以上、特に、500μm以上となる場合を想定している。
本発明に係る窒化物半導体発光素子は、サファイア基板を通して活性層からの発光を素子外部に出力する裏面出射型の窒化物半導体発光素子に適用することで、光取り出しの高効率化が図れる。
100: 窒化物半導体発光素子
1: サファイア基板
1r: サファイア基板の裏面
1s: サファイア基板の側面
1t: サファイア基板の表面
2: 発光素子構造部
3: n型クラッド層
4: 活性層
4a: バリア層
4b: 井戸層
5: p型クラッド層
6: 下地構造部
6a: AlN層
6b: AlGaN層
7: 電子ブロック層
8: p型コンタクト層
9: 発光積層部
10: p電極
11: n電極
20: サブマウント
21: 基材
22: 第1金属電極配線
23: 第2金属電極配線
24,25: リード端子
26: バンプ
P: 点光源
S: 面光源
R1: 第1領域
R2: 第2領域

Claims (2)

  1. サファイア基板と、前記サファイア基板の表面上に形成された複数の窒化物半導体層を有する発光素子構造部を備えてなり、
    前記サファイア基板を通して前記発光素子構造部からの発光を素子外部に出力する、平面視形状が正方形または長方形のチップに分割された裏面出射型の窒化物半導体発光素子であって、
    前記発光素子構造部が、光を出射する活性層と、前記活性層よりも前記サファイア基板から離れた位置に形成されて前記活性層よりもバンドギャップが小さいコンタクト層とを備え、前記活性層から前記コンタクト層に向けて出射された光が、前記コンタクト層で吸収され、前記サファイア基板を通して素子外部に出力されない構造であり、
    前記チップの前記平面視形状の各辺の平均長が400μm以上であり、
    前記サファイア基板の前記表面に垂直な側面部分における垂直方向の長さであるT値が、前記平均長の0.45倍以上1倍以下であることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 第1の厚さのウェハ状のサファイア基板の表面上に、複数の窒化物半導体層を有する発光素子構造部を形成する工程と、
    前記発光素子構造部が形成されたウェハ状の前記サファイア基板の裏面を研磨して、前記サファイア基板の厚さを、前記第1の厚さより薄い第2の厚さに薄板化する工程と、
    薄板化した前記サファイア基板上に前記発光素子構造部が形成されたウェハを、平面視形状が正方形または長方形のチップ状の窒化物半導体発光素子に分割する工程と、を備え、
    前記窒化物半導体発光素子が、前記サファイア基板を通して前記発光素子構造部からの発光を素子外部に出力する裏面出射型の発光素子であって、
    前記発光素子構造部が、光を出射する活性層と、前記活性層よりも前記サファイア基板から離れた位置に形成されて前記活性層よりもバンドギャップが小さいコンタクト層とを備え、前記活性層から前記コンタクト層に向けて出射された光が、前記コンタクト層で吸収され、前記サファイア基板を通して素子外部に出力されない構造であり、
    前記窒化物半導体発光素子の前記平面視形状の各辺の平均長が400μm以上であり、
    薄板化した後の前記サファイア基板の前記表面に垂直な側面部分における垂直方向の長さであるT値が、前記平均長の0.45倍以上1倍以下であることを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
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