JP2019009602A - 無線通信装置および無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】送信データに対する受信確認応答を適切に受信可能にすることで、データ再送を抑制して送信スループットの低下を抑制する。【解決手段】無線通信装置(STA)は、他の無線通信装置(AP)に対するデータの再送頻度に関する情報を検出する検出手段と、検出手段により検出された再送頻度に関する情報に基づいて、再送頻度が増加すると判断した場合、自装置の受信レートを制限し、自装置の送信レートは制限しない設定を行う設定手段と、設定手段による受信レートを制限する設定を他の無線通信装置に通知する通知手段と、を備える。【選択図】 図5
Description
本発明は、無線通信装置および無線通信方法に関する。
無線LAN等におけるアクセス制御技術として、分散制御型アクセス方式と集中制御型アクセス方式とを用いた技術が知られている。分散制御型アクセス方式は、CSMA/CA(Carrier Cense Multiple Access with Collision Avoidance)に代表される方式である。分散制御型アクセス方式では、各無線通信装置が、データ送信のタイミングや送信レートを自律的に決定する。つまり、自機の送信レートは自機が判断し、自機の受信レートは対向機によって決定される。また、3GPP(3rd Generation Partnership Project)に代表される集中制御型アクセス方式では、基地局が、各端末におけるデータ送信のタイミングおよび送信レートを決定する。このように、いずれの方式においても、自機の受信レートは対向機によって決定されていた。
これに対して、基地局から特定の移動局に対する無駄な再送処理を低減するために、特許文献1には、移動局が、基地局から受信したパケットデータを処理する際の処理能力に応じて、下りの伝送レートの上限値を制限する技術が開示されている。この技術は、移動局が、受信パケットデータのBER(Block Error Rate)値や、受信パケットデータの中で棄却されたパケットデータの割合値をもとに、下り伝送レートの上限値を設定し、これを基地局に通知するものである。
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、移動局が受信パケットデータのBERを測定できることが前提であり、データ送信時、すなわちデータ受信がなく、受信パケットデータのBERを測定できない場合については全く考慮されていない。
無線LANにおいて、自機がデータ送信を行った場合、自機は、対向機からデータ送信に対する受信確認応答であるACK(Acknowledgment)フレームを受信する。このとき、自機は、ACKフレームの受信有無の割合に基づいて、FER(Frame Error Rate)を測定することができる。一方、対向機は、データ受信後にACKフレームを送信するが、ACKフレーム送信に対する応答信号の受信はないため、対向機ではFERの測定はできない。つまり、対向機におけるデータ受信は成功しているにもかかわらず、自機におけるACKフレームの受信に失敗しているという状況を検知することはできない。
無線LANにおいて、自機がデータ送信を行った場合、自機は、対向機からデータ送信に対する受信確認応答であるACK(Acknowledgment)フレームを受信する。このとき、自機は、ACKフレームの受信有無の割合に基づいて、FER(Frame Error Rate)を測定することができる。一方、対向機は、データ受信後にACKフレームを送信するが、ACKフレーム送信に対する応答信号の受信はないため、対向機ではFERの測定はできない。つまり、対向機におけるデータ受信は成功しているにもかかわらず、自機におけるACKフレームの受信に失敗しているという状況を検知することはできない。
したがって、無線LANにおいて、自機の内部ノイズ等により受信感度が低下しており、ACKフレームを受信できない場合、自機は、対向機がデータ受信に失敗したと誤判断し、データフレームを再送する。このとき、自機は、送信レートを下げてデータフレームを再送することができる。このデータ再送処理は、自機においてACKフレームを受信できるまで、もしくは予め決められた再送回数に達するまで、送信レートを徐々に下げながら繰り返し行われる。
このように、送信側の無線通信装置における受信感度の劣化は、データの再送や送信レートの低下を引き起こし、送信スループットを著しく低下させてしまう。
そこで、本発明は、データ送信に対する受信確認応答を適切に受信可能にすることで、データ再送を抑制して送信スループットの低下を抑制することを目的としている。
このように、送信側の無線通信装置における受信感度の劣化は、データの再送や送信レートの低下を引き起こし、送信スループットを著しく低下させてしまう。
そこで、本発明は、データ送信に対する受信確認応答を適切に受信可能にすることで、データ再送を抑制して送信スループットの低下を抑制することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る無線通信装置の一態様は、他の無線通信装置に対するデータの再送頻度に関する情報を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された再送頻度に関する情報に基づいて、前記再送頻度が増加すると判断した場合、自装置の受信レートを制限し、自装置の送信レートは制限しない設定を行う設定手段と、前記設定手段による前記受信レートを制限する設定を前記他の無線通信装置に通知する通知手段と、を備える。
本発明によれば、データ送信に対する受信確認応答を適切に受信可能にすることで、データ再送を抑制して送信スループットの低下を抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正または変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(第一の実施形態)
図1は、本実施形態における通信システム10の構成例である。本実施形態では、通信システム10は、例えばIEEE802.11n規格に準拠した無線LANシステムである場合について説明する。また、この通信システム10では、各無線通信装置は、CSMA/CA方式を用いて自律的に無線通信を行う場合について説明する。
通信システム10は、無線LAN子機となる無線通信装置であるSTA(Station)20と、無線LAN親機となる無線通信装置であるAP(Access Point)30と、を備える。STA20は、アンテナ21を備え、AP30は、アンテナ31を備える。
図1は、本実施形態における通信システム10の構成例である。本実施形態では、通信システム10は、例えばIEEE802.11n規格に準拠した無線LANシステムである場合について説明する。また、この通信システム10では、各無線通信装置は、CSMA/CA方式を用いて自律的に無線通信を行う場合について説明する。
通信システム10は、無線LAN子機となる無線通信装置であるSTA(Station)20と、無線LAN親機となる無線通信装置であるAP(Access Point)30と、を備える。STA20は、アンテナ21を備え、AP30は、アンテナ31を備える。
図2は、IEEE802.11n規格で規定するHT Capabilities elementのフォーマットを示す図である。STA20は、アソシエーション要求(Association Request)や、プローブ要求(Probe Request)といったマネージメントフレーム中に、図2に示すエレメントを付加してAP30に送信する。図2において、Element IDは、1オクテット長であり、45が割り当てられる。Lengthは、当該要素に続くフィールド長であり、26で固定である。
Lengthに続くフィールドの中で、Supported MCS Setは、16オクテット長であり、MCS(Modulation Coding Scheme)インデックスを指定する。ここで、MCSインデックスは、変調方式、使用アンテナ数、通信レートなどと1対1で対応付けられた、0から76までの数値である。つまり、Supported MCS Setは、当該フィールドを含むエレメントを送信するSTA20が使用可能な伝送速度の情報を示すサポートレート情報を通知するためのフィールドである。
Lengthに続くフィールドの中で、Supported MCS Setは、16オクテット長であり、MCS(Modulation Coding Scheme)インデックスを指定する。ここで、MCSインデックスは、変調方式、使用アンテナ数、通信レートなどと1対1で対応付けられた、0から76までの数値である。つまり、Supported MCS Setは、当該フィールドを含むエレメントを送信するSTA20が使用可能な伝送速度の情報を示すサポートレート情報を通知するためのフィールドである。
Supported MCS Setの先頭77bit(B0〜B76)には、Rx MCS Bitmaskを示す。Rx MCS Bitmaskにおいて、ビット0(B0)はMCS0、ビット76(B76)はMCS76に対応している。このRx MCS Bitmaskでは、受信可能なMCSインデックスを、ビットを立てることで指定する。
例えば、MIMO(Multiple Input Multiple Output)を使用せず、本実施形態のように1つのアンテナのみの通信を受け入れる場合、MCSインデックスのうち0から7までをサポートすればよい。この場合、対応するビットを1に設定し、残りのビットを0に設定する。つまり、MCS0からMCS7まで受信可能とする場合、ビット0からビット7までが1、ビット8からビット76までが0となる。
例えば、MIMO(Multiple Input Multiple Output)を使用せず、本実施形態のように1つのアンテナのみの通信を受け入れる場合、MCSインデックスのうち0から7までをサポートすればよい。この場合、対応するビットを1に設定し、残りのビットを0に設定する。つまり、MCS0からMCS7まで受信可能とする場合、ビット0からビット7までが1、ビット8からビット76までが0となる。
本実施形態では、STA20は、自装置におけるデータの再送頻度を検出し、検出した再送頻度に基づいて自装置の受信レートを設定し、これをAP30へ通知する。より具体的には、STA20は、データの再送頻度が増加すると判断した場合、受信レートの制限を設定し、これをAP30に通知する。このとき、送信レートは制限しない。
受信レートの通知に際し、STA20は、AP30との接続状態を一旦切断状態とし、再度接続を行う。STA20は、この再接続時に、設定した受信レートに関する情報を付加した接続フレームをAP30に送信することで、受信レートを制限する設定を通知する。本実施形態では、上記接続フレームがアソシエーション要求である場合について説明する。
受信レートの通知に際し、STA20は、AP30との接続状態を一旦切断状態とし、再度接続を行う。STA20は、この再接続時に、設定した受信レートに関する情報を付加した接続フレームをAP30に送信することで、受信レートを制限する設定を通知する。本実施形態では、上記接続フレームがアソシエーション要求である場合について説明する。
図3は、STA20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
STA20は、上記のアンテナ21の他に、制御部22と、記憶部23と、無線部24と、アンテナスイッチ25と、を備える。
制御部22は、STA20における動作を統括的に制御する。制御部22は、一つ又は複数のCPUにより構成することができる。記憶部23は、制御部22が処理を実行するために必要な制御プログラム等を記憶するメモリであり、ROMやRAM等を含む。無線部24は、IEEE802.11n規格シリーズに準拠した無線通信を行う。無線部24は、無線通信を行うチップにより構成することができる。アンテナスイッチ25は、RF(Radio Frequency)スイッチであり、アンテナ21から無線部24への受信パスと、無線部24からアンテナ21への送信パスとを切り替える。アンテナスイッチ25は、送信時以外は受信パスを選択する。
STA20は、上記のアンテナ21の他に、制御部22と、記憶部23と、無線部24と、アンテナスイッチ25と、を備える。
制御部22は、STA20における動作を統括的に制御する。制御部22は、一つ又は複数のCPUにより構成することができる。記憶部23は、制御部22が処理を実行するために必要な制御プログラム等を記憶するメモリであり、ROMやRAM等を含む。無線部24は、IEEE802.11n規格シリーズに準拠した無線通信を行う。無線部24は、無線通信を行うチップにより構成することができる。アンテナスイッチ25は、RF(Radio Frequency)スイッチであり、アンテナ21から無線部24への受信パスと、無線部24からアンテナ21への送信パスとを切り替える。アンテナスイッチ25は、送信時以外は受信パスを選択する。
なお、図3に示すハードウェア構成は一例であり、STA20がその他のハードウェア構成を有していてもよい。例えばSTA20がプリンタである場合には、図3に示す構成の他に印刷部を有していてもよい。また、STA20がカメラである場合には、図3に示す構成の他に撮像部を有していてもよい。STA20は、カメラ、スマートフォン、プリンタ、携帯電話、PC、ビデオカメラ、スマートウォッチ、PDA等、各種の装置を含む。
図4は、STA20のソフトウェア機能ブロックの一例である。この図4に示す各部の機能は、制御部22または無線部24が有するCPUがプログラムを実行することで実現することができる。
なお、本実施形態においては、以下に示す各機能ブロックは、ソフトウェアプログラムとして機能が実現されるものとして説明するが、本機能ブロックに含まれる一部または全部をハードウェアにより実現してもよい。ハードウェアにより実現する場合、例えば、所定のコンパイラを用いることで、各ステップを実現するためのプログラムからFPGA上に自動的に専用回路を生成すればよい。FPGAとは、Field Programmable Gate Arrayの略である。また、FPGAと同様にしてGate Array回路を形成し、ハードウェアとして実現するようにしてもよい。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現するようにしてもよい。なお、図4に示した機能ブロック図は一例であり、複数の機能モジュールが1つの機能モジュールを構成するようにしてもよいし、いずれかの機能モジュールが複数の機能を行うモジュールに分かれてもよい。
なお、本実施形態においては、以下に示す各機能ブロックは、ソフトウェアプログラムとして機能が実現されるものとして説明するが、本機能ブロックに含まれる一部または全部をハードウェアにより実現してもよい。ハードウェアにより実現する場合、例えば、所定のコンパイラを用いることで、各ステップを実現するためのプログラムからFPGA上に自動的に専用回路を生成すればよい。FPGAとは、Field Programmable Gate Arrayの略である。また、FPGAと同様にしてGate Array回路を形成し、ハードウェアとして実現するようにしてもよい。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現するようにしてもよい。なお、図4に示した機能ブロック図は一例であり、複数の機能モジュールが1つの機能モジュールを構成するようにしてもよいし、いずれかの機能モジュールが複数の機能を行うモジュールに分かれてもよい。
STA20は、通信制御部201と、フレーム受信部202と、ACK検出部203と、再送カウンタ設定部204と、再送カウンタ判定部205と、レート制限判定部206と、レート制限制御部207と、切断/接続フレーム生成部208と、を備える。さらに、STA20は、フレーム送信部209と、タイマ管理部210と、データフレーム生成部211と、を備える。
通信制御部201は、アンテナ21が受信したRF信号をフレーム受信部202へ出力する受信パスと、フレーム送信部209において生成されたRF信号をアンテナ21へ出力する送信パスとの切り替えを制御する。
通信制御部201は、アンテナ21が受信したRF信号をフレーム受信部202へ出力する受信パスと、フレーム送信部209において生成されたRF信号をアンテナ21へ出力する送信パスとの切り替えを制御する。
フレーム受信部202は、通信制御部201から出力されたRF信号を、IEEE802.11nのMACフレームに変換し、ACK検出部203に出力する。ACK検出部203は、フレーム受信部202から出力されたMACフレームをもとに、所定の時刻にACKフレーム(以下、単に「ACK」という。)が受信されたか否かを検出する。ここで、ACKの検出タイミングは、後述するタイマ管理部210により指定される。再送カウンタ設定部204は、ACK検出部203における検出結果をもとに、指定された時刻にACKが受信されなかったと判定した場合に、フレーム送信に失敗したとして、再送回数をカウントする再送カウンタの値を1加算する。
再送カウンタ判定部205は、再送カウンタ設定部204によって設定された再送カウンタが、第一の閾値以上となったか、または第二の閾値以下となったか否かを判定する。ここで、第一の閾値TH11は、自装置におけるデータフレームの再送頻度が増加すると判定することができる再送回数であり、例えばTH11=5である。また、第二の閾値TH12は、自装置におけるデータフレームの再送頻度が低下したと判定することができる再送回数であり、例えばTH12=1である。
レート制限判定部206は、受信レートを制限する設定がなされているか否かを判定する。具体的には、レート制限判定部206は、AP30との接続状態とする際に、MCS0からMCS7までの全8つの受信レートをサポートしていることを示すRx MCS Bitmaskを含む接続フレームを送信しているか否かを判定する。レート制限制御部207は、再送カウンタ判定部205における判定結果と、レート制限判定部206における判定結果とに基づいて、受信レートの制限設定または制限設定解除を行うか否かを判定する。
切断/接続フレーム生成部208は、レート制限制御部207からの指示に従って、切断フレーム(Disassociation)および接続フレーム(Association Request)を生成する。そして、切断/接続フレーム生成部208は、生成した切断フレームおよび接続フレームをフレーム送信部209に出力する。
切断/接続フレーム生成部208は、レート制限制御部207からの指示に従って、切断フレーム(Disassociation)および接続フレーム(Association Request)を生成する。そして、切断/接続フレーム生成部208は、生成した切断フレームおよび接続フレームをフレーム送信部209に出力する。
フレーム送信部209は、切断/接続フレーム生成部208により生成されたMACフレーム(切断フレーム、接続フレーム)をRF信号に変換して通信制御部201に出力し、フレーム送信を指示する。また、フレーム送信部209は、データフレーム生成部211により生成されたMACフレーム(データフレーム)をRF信号に変換して通信制御部201に出力し、フレーム送信を指示する。このときフレーム送信部209は、タイマ管理部210に対してデータフレームを送信したことを通知する。
タイマ管理部210は、フレーム送信部209からの通知を受けて、データフレームの送信からSIFS(Short Inter Frame Space)時間を計測する。そして、タイマ管理部210は、データフレーム送信からSIFS時間が経過したと判断すると、ACKの受信有無を検出すべきタイミングであることをACK検出部203に対して通知する。データフレーム生成部211は、再送を含むデータフレームを生成し、フレーム送信部209に出力する。
タイマ管理部210は、フレーム送信部209からの通知を受けて、データフレームの送信からSIFS(Short Inter Frame Space)時間を計測する。そして、タイマ管理部210は、データフレーム送信からSIFS時間が経過したと判断すると、ACKの受信有無を検出すべきタイミングであることをACK検出部203に対して通知する。データフレーム生成部211は、再送を含むデータフレームを生成し、フレーム送信部209に出力する。
次に、STA20の動作について説明する。
図5は、STA20の動作を説明するためのフローチャートである。図5の処理は、例えば、STA20とAP30とが接続状態であり、STA20においてデータフレームを送信するタイミングで実行開始される。ただし、当該処理の実行タイミングは上記に限定されない。以降、アルファベットSはフローチャートにおけるステップを意味するものとする。
図5に示す処理は、図3の制御部22または無線部24を構成するCPUが、必要なプログラムを読み出して実行することにより実現される。ただし、図4に示す各機能モジュールのうち少なくとも一部が専用のハードウェアとして動作することで図5の処理が実現されるようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、上記CPUの制御に基づいて動作する。
図5は、STA20の動作を説明するためのフローチャートである。図5の処理は、例えば、STA20とAP30とが接続状態であり、STA20においてデータフレームを送信するタイミングで実行開始される。ただし、当該処理の実行タイミングは上記に限定されない。以降、アルファベットSはフローチャートにおけるステップを意味するものとする。
図5に示す処理は、図3の制御部22または無線部24を構成するCPUが、必要なプログラムを読み出して実行することにより実現される。ただし、図4に示す各機能モジュールのうち少なくとも一部が専用のハードウェアとして動作することで図5の処理が実現されるようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、上記CPUの制御に基づいて動作する。
まずS1において、フレーム送信部209は、データフレーム生成部211において生成されたデータフレームを、通信制御部201を介してAP30に対して送信する。送信終了後、タイマ管理部210においてSIFS時間の測定を開始する。SIFS時間が経過すると、S2において、ACK検出部203は、ACKの検出処理を行い、AP30からACKを受信したか否かを判定する。そして、ACK検出部203は、ACKを受信していないと判定した場合にはS3に移行し、ACKを受信したと判定した場合にはS9に移行する。
S3では、再送カウンタ設定部204は、再送カウンタの値を1加算し、S4に移行する。ここで、再送カウンタの初期値は0である。S4では、再送カウンタ判定部205は、再送カウンタが第一の閾値以上であるか否かを判定する。ここで、第一の閾値TH11は、例えば5とすることができる。再送カウンタ判定部205は、再送カウンタが第一の閾値TH11未満であると判定した場合にはS1に戻り、再送カウンタが第一の閾値TH11以上であると判定した場合にはS5に移行する。
S5では、レート制限判定部206は、受信レートが制限されているか否かを判定する。そして、レート制限判定部206は、現在のサポートレートがMCS0からMCS7までではない場合には、レート制限ありと判断し、現在のサポートレートがMCS0からMCS7までである場合には、レート制限なしと判断する。そして、レート制限制御部207は、レート制限判定部206によってレート制限ありと判定された場合は、そのままレート制限を維持すると判定してS1に戻る。一方、レート制限制御部207は、レート制限判定部206によってレート制限なしと判定された場合は、レート制限を行うと判定してS6に移行する。
S6では、切断/接続フレーム生成部208は、AP30との接続を切断するための切断フレームを生成し、フレーム送信部209は、その切断フレームを、通信制御部201を介してAP30へ送信する。これにより、STA20とAP30とは切断状態となる。
S6では、切断/接続フレーム生成部208は、AP30との接続を切断するための切断フレームを生成し、フレーム送信部209は、その切断フレームを、通信制御部201を介してAP30へ送信する。これにより、STA20とAP30とは切断状態となる。
S7では、レート制限制御部207は、レート制限設定を行う。レート制限制御部207は、サポートレートを、例えばMCS0からMCS4までに制限するための接続フレームを生成するよう、切断/接続フレーム生成部208に指示する。このとき、切断/接続フレーム生成部208は、ビット0からビット4までが1、ビット5からビット76までが0となるRx MCS Bitmaskを含む接続フレームを生成する。
S8では、フレーム送信部209は、S7もしくは後述するS14において生成された接続フレームを、通信制御部201を介してAP30へ送信する。これにより、STA20とAP30とは接続状態となる。
S8では、フレーム送信部209は、S7もしくは後述するS14において生成された接続フレームを、通信制御部201を介してAP30へ送信する。これにより、STA20とAP30とは接続状態となる。
S9では、再送カウンタ判定部205は、再送カウンタが第二の閾値以下であるか否かを判定する。ここで、第二の閾値TH12は、例えば1とすることができる。再送カウンタ判定部205は、再送カウンタが第二の閾値TH12を上回っていると判定した場合にはS10に移行し、再送カウンタ設定部204は、再送カウンタを0にクリアしてからS1に戻る。一方、再送カウンタ判定部205は、S9において再送カウンタが第二の閾値TH12以下であると判定した場合にはS11に移行する。
S11では、再送カウンタ設定部204は、再送カウンタを0にクリアしてS12に移行する。S12では、レート制限判定部206は、受信レートが制限されているか否かを判定する。そして、レート制限制御部207は、レート制限判定部206によってレート制限なしと判定された場合は、そのままレート制限なしの状態を維持すると判定してS1に戻る。一方、レート制限制御部207は、レート制限判定部206によってレート制限ありと判定された場合は、レート制限を解除すると判定してS13に移行する。
S13では、切断/接続フレーム生成部208は、AP30との接続を切断するための切断フレームを生成し、フレーム送信部209は、その切断フレームを、通信制御部201を介してAP30へ送信する。これにより、STA20とAP30とは切断状態となる。
S14では、レート制限制御部207は、レート制限解除を行う。レート制限制御部207は、サポートレートを、MCS0からMCS7までとするための接続フレームを生成するよう、切断/接続フレーム生成部208に指示する。このとき、切断/接続フレーム生成部208は、ビット0からビット7までが1、ビット8からビット76までが0となるRx MCS Bitmaskを含む接続フレームを生成し、S8に移行する。
S14では、レート制限制御部207は、レート制限解除を行う。レート制限制御部207は、サポートレートを、MCS0からMCS7までとするための接続フレームを生成するよう、切断/接続フレーム生成部208に指示する。このとき、切断/接続フレーム生成部208は、ビット0からビット7までが1、ビット8からビット76までが0となるRx MCS Bitmaskを含む接続フレームを生成し、S8に移行する。
次に、STA20からAP30に対してデータフレームを連続送信する場合の動作について、具体的に説明する。
ここで、STA20はAP30と接続状態であるものとする。また、STA20は、AP30との接続時に、ビット0からビット7までが1、ビット8からビット76までが0となるRx MCS Bitmaskを含む接続フレーム(Association Request)を送信済みであるものとする。つまり、STA20は、MCS0からMCS7までを受信可能とするサポートレート情報をAP30に対して送信済みであるものとする。さらに、AP30は、最も高い伝送レートであるMCS7のフレームを受信可能であるものとする。
ここで、STA20はAP30と接続状態であるものとする。また、STA20は、AP30との接続時に、ビット0からビット7までが1、ビット8からビット76までが0となるRx MCS Bitmaskを含む接続フレーム(Association Request)を送信済みであるものとする。つまり、STA20は、MCS0からMCS7までを受信可能とするサポートレート情報をAP30に対して送信済みであるものとする。さらに、AP30は、最も高い伝送レートであるMCS7のフレームを受信可能であるものとする。
この場合、STA20がAP30に対してMCS7のデータフレームを送信すると(図5のS1)、AP30は、当該データフレームを受信し、STA20に対してMCS7にてACKを送信する。しかしながら、このときSTA20における受信感度が低下しており、STA20が低い伝送レートであるMCS0〜MCS4のフレームしか受信できない状態である場合、STA20はAP30が送信したACKを受信することができない(S2でNo)。
そのため、STA20は、AP30に対するデータ送信に失敗したと判断し、MCS7のデータフレームを再送する。まず、STA20は、データフレームの再送カウンタを用いて再送回数をカウントする(S3)。この時点では再送カウンタが1であり、再送回数が第一の閾値TH11(例えば5回)に達していないため(S4でNo)、STA20は、受信レートの設定を維持したままデータフレームを再送する(S1)。ここでは、STA20は、送信レートの設定も維持したまま、データフレームを再送する場合について説明する。つまり、STA20は、ACK受信がない状態が継続する間、MCS7のデータフレームの再送を繰り返す。
そのため、STA20は、AP30に対するデータ送信に失敗したと判断し、MCS7のデータフレームを再送する。まず、STA20は、データフレームの再送カウンタを用いて再送回数をカウントする(S3)。この時点では再送カウンタが1であり、再送回数が第一の閾値TH11(例えば5回)に達していないため(S4でNo)、STA20は、受信レートの設定を維持したままデータフレームを再送する(S1)。ここでは、STA20は、送信レートの設定も維持したまま、データフレームを再送する場合について説明する。つまり、STA20は、ACK受信がない状態が継続する間、MCS7のデータフレームの再送を繰り返す。
その後、データフレームの再送回数が第一の閾値TH11に達すると(S4でYes)、STA20は、受信レートを制限すると判断し(S5でNo)、STA20とAP30との接続を一旦切断する(S6)。そして、STA20は、サポートレートをMCS0からMCS4までに制限することを示す接続フレームを生成し(S7)、その接続フレームを送信することで再度接続状態とする(S8)。このとき、AP30では、STA20から受信した接続フレーム中のRx MCS Bitmask情報をもとに、STA20宛ての送信フレームはMCS0からMCS4のレートで送信するよう設定される。
上記の再接続後、STA20は、再びAP30に対してMCS7のデータフレームを送信する(S1)。すると、そのデータフレームを受信したAP30は、MCS4のレートにてACKをSTA20に対して送信する。そのため、STA20は、AP30から送信されたACKの受信に成功し、AP30へのデータ送信が成功したと判断する(S2でYes)。この時点では、再送カウンタは5であるため(S9でNo)、STA20は、再送カウンタのクリアのみを行い(S10)、受信レートの制限設定はそのまま維持する。
続いて、STA20は、次のデータフレームを作成し、これをAP30へ送信する(S1)。すると、AP30は、STA20から送信されたデータフレームを受信し、MCS4のACKをSTA20に対して送信する。そして、STA20は、AP30から送信されたACKを受信する(S2)。この時点での再送カウンタは0にクリアされている(S9でYes)。そのため、STA20は、再送カウンタをクリアした後(S11)、受信レートの制限を解除すると判断する(S12でYes)。
つまり、STA20は、STA20とAP30との接続を一旦切断する(S13)。そして、STA20は、サポートレートをMCS0からMCS7までとすることを示す接続フレームを生成し(S14)、その接続フレームを送信することで再度接続状態とする(S8)。このとき、AP30では、STA20から受信した接続フレーム中のRx MCS Bitmask情報をもとに、STA20宛ての送信フレームはMCS0からMCS7のレートで送信するよう設定される。
つまり、STA20は、STA20とAP30との接続を一旦切断する(S13)。そして、STA20は、サポートレートをMCS0からMCS7までとすることを示す接続フレームを生成し(S14)、その接続フレームを送信することで再度接続状態とする(S8)。このとき、AP30では、STA20から受信した接続フレーム中のRx MCS Bitmask情報をもとに、STA20宛ての送信フレームはMCS0からMCS7のレートで送信するよう設定される。
以上説明したように、本実施形態における無線通信装置(STA)20は、他の無線通信装置(AP)30に対するデータの再送頻度に関する情報として、データの再送回数を検出する。具体的には、STA20は、AP30からのデータ送信に対する受信確認応答(ACK)の受信有無に基づいて、データの再送回数をカウントする。そして、STA20は、データの再送回数に基づいて、データの再送頻度が増加すると判断した場合、自装置の受信レートを制限する設定を行い、当該設定をAP30に通知する。このとき、STA20は、自装置の送信レートは制限しない。
これにより、データ送信側であるSTA20の内部ノイズ等によりSTA20の受信感度が低下している場合であっても、STA20におけるACKの受信を可能とすることができる。したがって、STA20は、AP30におけるデータ受信が成功しているにもかかわらず、AP30におけるデータ受信が失敗したと誤判断して、AP30に対してデータ再送を繰り返してしまうことを抑制することができる。その結果、送信スループットの低下を抑制することができる。また、STA20は、データの再送頻度が増加すると判断した場合、自装置の受信レートのみを制限し、送信レートは制限しない。そのため、実際に通信可能なレートよりも低いレートでの送信を抑制し、送信スループットの低下を抑制することができる。
さらに、STA20は、データの再送回数が第一の閾値以上である場合、再送頻度が増加すると判断して受信レートの制限を設定する。このように、データの再送回数を所定の閾値と比較することで、ACK受信の失敗頻度を検出し、STA20の受信感度が低下している状況を適切に検出することができる。したがって、適切なタイミングで受信レートを制限することが可能となる。
また、STA20は、受信レートを制限した後、データの再送回数が第一の閾値よりも小さい第二の閾値以下となった場合、再送頻度が低下したと判断して受信レートの制限を解除する設定を行い、当該設定をAP30に通知する。このように、データの再送回数を所定の閾値と比較することで、STA20の受信感度が回復したことを適切に検出することができる。したがって、適切なタイミングで受信レートの制限を解除することが可能となる。また、再送頻度増加を判定する第一の閾値TH11よりも、再送頻度低下を判定する第二の閾値TH12を小さく設定することで、受信レートの制限設定と制限設定解除とが頻繁に繰り返されることを防止することができる。
さらに、STA20は、受信レートの制限設定および制限設定解除の通知に際し、AP30との接続状態を一旦切断状態とし、再度接続状態とする際に、サポートレート情報を付加した接続フレームをAP30に送信する。ここで、接続フレームは、アソシエーション要求フレームやプローブ要求フレームを含む。このように、接続フレームを用いて上記通知を行うので、AP30は、適切にSTA20のサポートレートを把握することができ、STA20に対する送信レートを適切に設定することができる。
なお、本実施形態では、STA20は、AP30からのACKが受信できない場合、送信レートを変更せずにデータフレームを再送する場合について説明した。しかしながら、STA20は、データ送信に対するACK受信がなされない場合、送信レートを漸進的に低下させながらデータフレームを再送する、所謂マルチレート制御を行うこともできる。
この場合、STA20は、MCS7のデータフレーム送信に対するACK受信に失敗すると、レートを下げたMCS6にてデータフレームを再送する。そして、STA20は、MCS6のデータフレーム送信に対するACK受信にも失敗すると、さらにレートを下げたMCS5にてデータフレームを再送する。このデータ再送処理は、STA20がACKを受信するまで、もしくは予め決められた再送回数に達するまで繰り返される。これにより、通信不可能な高レートでデータ再送を繰り返すことを防止することができる。
この場合、STA20は、MCS7のデータフレーム送信に対するACK受信に失敗すると、レートを下げたMCS6にてデータフレームを再送する。そして、STA20は、MCS6のデータフレーム送信に対するACK受信にも失敗すると、さらにレートを下げたMCS5にてデータフレームを再送する。このデータ再送処理は、STA20がACKを受信するまで、もしくは予め決められた再送回数に達するまで繰り返される。これにより、通信不可能な高レートでデータ再送を繰り返すことを防止することができる。
ところが、STA20における受信感度の低下が原因でACK受信できない場合、送信レートをいくら下げても、受信レートを制限しないかぎりACK受信はできない。そのため、この場合、AP30は正常にデータ受信しているにもかかわらず、STA20は送信レートを徐々に下げながら、不必要なデータ再送を行ってしまう。このように、送信側受信感度の劣化は、不所望な著しい送信速度低下を生じさせてしまう。低レートでの通信は、高レートでの通信と比較するとより長い送信時間が必要となるため、高レートでの通信に比べて回線の使用率が高くなる。つまり、送信速度低下は、無線通信回線の使用効率の低下にもつながる。
本実施形態では、STA20は、データの再送頻度増加を検出した場合、受信レートを制限してACK受信を可能とすることができるので、実際に通信可能なレートよりも低いレートでの送信が頻発することを抑制することができる。したがって、無線通信回線の帯域を効率的に利用することができる。
また、本実施形態では、データの再送頻度増加を検出した場合、受信レートのみを制限し、送信レートは制限しない。つまり、受信レートの制限を行う前にマルチレート制御により送信レートの制限が行われていたとしても、受信レートの制限を開始した時点で送信レートの制限を解除する。したがって、送信スループットの低下を適切に抑制することができる。
また、本実施形態では、データの再送頻度増加を検出した場合、受信レートのみを制限し、送信レートは制限しない。つまり、受信レートの制限を行う前にマルチレート制御により送信レートの制限が行われていたとしても、受信レートの制限を開始した時点で送信レートの制限を解除する。したがって、送信スループットの低下を適切に抑制することができる。
なお、マルチレート制御の方法は、上記に限定されるものではない。データ送信に対するACK受信がなされない場合、まずは同じ送信レートでデータフレームを再送し、その再送回数が規定数を超えた後、送信レートを漸進的に低下させるようにしてもよい。また、本実施形態では、受信レートを制限するまでは同じ送信レートでデータフレームを再送し、受信レート制限してもACK受信がなされなかったら、マルチレート制御により送信レートを制限するようにしてもよい。
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。
上述した第一の実施形態では、データの再送回数に基づいて再送頻度を検出する場合について説明した。この第二の実施形態では、受信信号の信号対雑音比(SNR:Signal-to-Noise Ratio)に基づいて再送頻度を検出する場合について説明する。
この第二の実施形態における通信システムの構成は、図1と同様である。また、STA20のハードウェア構成例は、図3と同様である。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。
上述した第一の実施形態では、データの再送回数に基づいて再送頻度を検出する場合について説明した。この第二の実施形態では、受信信号の信号対雑音比(SNR:Signal-to-Noise Ratio)に基づいて再送頻度を検出する場合について説明する。
この第二の実施形態における通信システムの構成は、図1と同様である。また、STA20のハードウェア構成例は、図3と同様である。
図6は、第二の実施形態におけるSTA20のソフトウェア機能ブロックの一例である。この図6において、図4と同様の機能を有する部分には図4と同一符号を付し、以下、構成の異なる部分を中心に説明する。
SNR検出部221は、フレーム受信部202において受信された受信信号のSNRを検出する。本実施形態では、上記受信信号として、AP30がネットワーク情報を報知する報知信号であるビーコンを用いる。SNR判定部222は、SNR検出部221において検出されたSNRが第一の閾値以下であるか、または第二の閾値以上であるか否かを判定する。ここで、第一の閾値TH21は、データ再送が頻発すると判定することができるSNRの値であり、例えば15dBとすることができる。また、第二の閾値TH22は、データ再送が発生しないと判定することができるSNRの値であり、例えば25dBとすることができる。このように、TH21<TH22の関係とすることで、受信レート制限/解除が頻繁に発生することを防止することができる。
SNR検出部221は、フレーム受信部202において受信された受信信号のSNRを検出する。本実施形態では、上記受信信号として、AP30がネットワーク情報を報知する報知信号であるビーコンを用いる。SNR判定部222は、SNR検出部221において検出されたSNRが第一の閾値以下であるか、または第二の閾値以上であるか否かを判定する。ここで、第一の閾値TH21は、データ再送が頻発すると判定することができるSNRの値であり、例えば15dBとすることができる。また、第二の閾値TH22は、データ再送が発生しないと判定することができるSNRの値であり、例えば25dBとすることができる。このように、TH21<TH22の関係とすることで、受信レート制限/解除が頻繁に発生することを防止することができる。
図7は、STA20の動作を説明するためのフローチャートである。図7の処理は、例えば、STA20とAP30とが接続状態である間、繰り返し実行される。ただし、当該処理の実行タイミングは上記に限定されない。
図7に示す処理は、図3の制御部22または無線部24を構成するCPUが、必要なプログラムを読み出して実行することにより実現される。ただし、図4に示す各機能モジュールのうち少なくとも一部が専用のハードウェアとして動作することで図7の処理が実現されるようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、上記CPUの制御に基づいて動作する。
図7に示す処理は、図3の制御部22または無線部24を構成するCPUが、必要なプログラムを読み出して実行することにより実現される。ただし、図4に示す各機能モジュールのうち少なくとも一部が専用のハードウェアとして動作することで図7の処理が実現されるようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、上記CPUの制御に基づいて動作する。
まずS21において、フレーム受信部202は、AP30が定期的に送信するビーコンを受信したか否かを判定する。そして、フレーム受信部202は、ビーコンを受信していない場合には、ビーコンを受信するまで待機し、ビーコンを受信したと判定するとS22に移行する。S22では、SNR検出部221は、フレーム受信直前のノイズ強度とビーコンフレームの信号強度の差をdBで算出する。
S23では、レート制限判定部206は、受信レートが制限されているか否かを判定する。そして、レート制限判定部206は、レート制限なしと判定するとS24に移行し、レート制限ありと判定するとS28に移行する。
S23では、レート制限判定部206は、受信レートが制限されているか否かを判定する。そして、レート制限判定部206は、レート制限なしと判定するとS24に移行し、レート制限ありと判定するとS28に移行する。
S24では、SNR判定部222は、S22において算出されたSNRが第一の閾値TH21(例えば15dB)以下であるか否かを判定する。そして、SNR判定部222は、SNRが第一の閾値TH21を上回っていると判定した場合にはS21に戻り、SNRが第一の閾値TH21以下であると判定した場合にはS25に移行する。
S25では、切断/接続フレーム生成部208は、AP30との接続を切断するための切断フレームを生成し、フレーム送信部209は、その切断フレームを、通信制御部201を介してAP30へ送信する。これにより、STA20とAP30とは切断状態となる。
S25では、切断/接続フレーム生成部208は、AP30との接続を切断するための切断フレームを生成し、フレーム送信部209は、その切断フレームを、通信制御部201を介してAP30へ送信する。これにより、STA20とAP30とは切断状態となる。
S26では、レート制限制御部207は、レート制限設定を行う。レート制限制御部207は、サポートレートを、例えばMCS0からMCS4までに制限するための接続フレームを生成するよう、切断/接続フレーム生成部208に指示する。このとき、切断/接続フレーム生成部208は、ビット0からビット4までが1、ビット5からビット76までが0となるRx MCS Bitmaskを含む接続フレームを生成する。
S27では、フレーム送信部209は、S26もしくは後述するS30において生成された接続フレームを、通信制御部201を介してAP30へ送信する。これにより、STA20とAP30とは接続状態となる。
S27では、フレーム送信部209は、S26もしくは後述するS30において生成された接続フレームを、通信制御部201を介してAP30へ送信する。これにより、STA20とAP30とは接続状態となる。
S28では、SNR判定部222は、S22において算出されたSNRが第二の閾値TH22(例えば25dB)以上であるか否かを判定する。そして、SNR判定部222は、SNRが第二の閾値TH22未満であると判定した場合にはS21に戻り、SNRが第二の閾値TH22以上であると判定した場合にはS29に移行する。
S29では、切断/接続フレーム生成部208は、AP30との接続を切断するための切断フレームを生成し、フレーム送信部209は、その切断フレームを、通信制御部201を介してAP30へ送信する。これにより、STA20とAP30とは切断状態となる。
S30では、レート制限制御部207は、レート制限解除を行う。レート制限制御部207は、サポートレートを、MCS0からMCS7までとするための接続フレームを生成するよう、切断/接続フレーム生成部208に指示する。このとき、切断/接続フレーム生成部208は、ビット0からビット7までが1、ビット8からビット76までが0となるRx MCS Bitmaskを含む接続フレームを生成し、S27に移行する。
S29では、切断/接続フレーム生成部208は、AP30との接続を切断するための切断フレームを生成し、フレーム送信部209は、その切断フレームを、通信制御部201を介してAP30へ送信する。これにより、STA20とAP30とは切断状態となる。
S30では、レート制限制御部207は、レート制限解除を行う。レート制限制御部207は、サポートレートを、MCS0からMCS7までとするための接続フレームを生成するよう、切断/接続フレーム生成部208に指示する。このとき、切断/接続フレーム生成部208は、ビット0からビット7までが1、ビット8からビット76までが0となるRx MCS Bitmaskを含む接続フレームを生成し、S27に移行する。
次に、STA20かAP30に対して受信レート制限を通知する動作について、具体的に説明する。
ここで、STA20はAP30と接続状態であるものとする。また、STA20は、AP30との接続時に、ビット0からビット7までが1、ビット8からビット76までが0となるRx MCS Bitmaskを含む接続フレーム(Association Request)を送信済みであるものとする。つまり、STA20は、MCS0からMCS7までを受信可能とするサポートレート情報をAP30に対して送信済みであるものとする。
ここで、STA20はAP30と接続状態であるものとする。また、STA20は、AP30との接続時に、ビット0からビット7までが1、ビット8からビット76までが0となるRx MCS Bitmaskを含む接続フレーム(Association Request)を送信済みであるものとする。つまり、STA20は、MCS0からMCS7までを受信可能とするサポートレート情報をAP30に対して送信済みであるものとする。
AP30は、ネットワーク情報を報知するためのビーコンフレームを定期的に送信する。STA20は、AP30から送信されるビーコンを受信すると(図7のS21でYes)、その受信信号のSNRを算出する(S22)。この時点では受信レートの制限がされていないため(S23でNo)、STA20は、算出したSNRを第一の閾値TH21である15dBと比較し、SNRが15dBを上回る場合は(S24でNo)、そのまま受信レートを制限しない状態を維持する。
この状態から、SNRが例えば10dBに低下したものとする。この場合、SNRは第一の閾値TH21である15dB以下であるため(S24でYes)、STA20は、受信レートを制限すると判断し、STA20とAP30との接続を一旦切断する(S25)。そして、STA20は、サポートレートをMCS0からMCS4までに制限することを示す接続フレームを生成し(S26)、その接続フレームを送信することで再度接続状態とする(S27)。このとき、AP30では、STA20から受信した接続フレーム中のRx MCS Bitmask情報をもとに、STA20宛ての送信フレームはMCS0からMCS4のレートで送信するよう設定される。
このように受信レートを制限した後は、STA20は、受信したビーコンをもとに算出したSNRを第二の閾値TH22である25dBと比較し、受信レートの解除判定を行う。そして、SNRが25dB未満である場合は(S28でNo)、そのまま受信レートの制限状態を維持し、SNRが25dB以上に回復すると(S28でYes)、STA20は、受信レートの制限を解除すると判断する。
つまり、STA20は、STA20とAP30との接続を一旦切断する(S29)。そして、STA20は、サポートレートをMCS0からMCS7までとすることを示す接続フレームを生成し(S30)、その接続フレームを送信することで再度接続状態とする(S27)。このとき、AP30では、STA20から受信した接続フレーム中のRx MCS Bitmask情報をもとに、STA20宛ての送信フレームはMCS0からMCS7のレートで送信するよう設定される。
つまり、STA20は、STA20とAP30との接続を一旦切断する(S29)。そして、STA20は、サポートレートをMCS0からMCS7までとすることを示す接続フレームを生成し(S30)、その接続フレームを送信することで再度接続状態とする(S27)。このとき、AP30では、STA20から受信した接続フレーム中のRx MCS Bitmask情報をもとに、STA20宛ての送信フレームはMCS0からMCS7のレートで送信するよう設定される。
以上説明したように、本実施形態における無線通信装置(STA)20は、受信信号の信号対雑音比(SNR)を、他の無線通信装置(AP)30に対するデータの再送頻度に関する情報として検出する。そして、STA20は、SNRが第一の閾値以下である場合、再送頻度が増加すると判断して自装置の受信レートの制限を設定し、これをAP30に通知する。ここで、受信信号としては、AP30が送信する報知信号であるビーコンを用いることができる。
このように、SNRを所定の閾値と比較することで、データの再送頻度が増加し得る状況を適切に検出することができる。したがって、適切なタイミングで受信レートを制限することが可能となる。その結果、データ送信側であるSTA20の内部ノイズ等により、STA20の受信感度が低下している場合であっても、STA20におけるACKの受信を可能とし、AP30に対するデータ再送を抑制して送信スループットの低下を抑制することができる。
このように、SNRを所定の閾値と比較することで、データの再送頻度が増加し得る状況を適切に検出することができる。したがって、適切なタイミングで受信レートを制限することが可能となる。その結果、データ送信側であるSTA20の内部ノイズ等により、STA20の受信感度が低下している場合であっても、STA20におけるACKの受信を可能とし、AP30に対するデータ再送を抑制して送信スループットの低下を抑制することができる。
また、STA20は、受信レートを制限した後、SNRが第一の閾値TH21よりも大きい第二の閾値TH22以上となった場合、再送頻度が低下したと判断して受信レートの制限を解除する設定を行い、当該設定をAP30に通知する。このように、SNRを第二の閾値TH22と比較することで、STA20の受信感度が回復したことを適切に検出することができる。したがって、適切なタイミングで受信レートの制限を解除することが可能となる。また、再送頻度増加を判定する第一の閾値TH21よりも、再送頻度低下を判定する第二の閾値TH22を大きく設定することで、受信レートの制限設定と制限設定解除とが頻繁に繰り返されることを防止することができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、IEEE802.11n規格に準拠した無線LANシステムを例に説明したが、IEEE802.11n規格に限らず、その他の通信方式を用いるシステムに対しても本発明は適用可能である。また、上記実施形態における受信レートの制限の仕方は一例であり、相手装置との接続を切断せずにレートの変更要求を相手装置へ送信するなど、その他の方法用いてもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記録媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
上記実施形態では、IEEE802.11n規格に準拠した無線LANシステムを例に説明したが、IEEE802.11n規格に限らず、その他の通信方式を用いるシステムに対しても本発明は適用可能である。また、上記実施形態における受信レートの制限の仕方は一例であり、相手装置との接続を切断せずにレートの変更要求を相手装置へ送信するなど、その他の方法用いてもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記録媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
10…通信システム、20…無線通信装置(STA)、30…無線通信装置(AP)、201…通信制御部、202…フレーム受信部、203…ACK検出部、204…再送カウンタ設定部、205…再送カウンタ判定部、206…レート制限判定部、207…レート制限制御部、208…切断/接続フレーム生成部、209…フレーム送信部、210…タイマ管理部、211…データフレーム生成部
Claims (11)
- 他の無線通信装置に対するデータの再送頻度に関する情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された再送頻度に関する情報に基づいて、前記再送頻度が増加すると判断した場合、自装置の受信レートを制限し、自装置の送信レートは制限しない設定を行う設定手段と、
前記設定手段による前記受信レートを制限する設定を前記他の無線通信装置に通知する通知手段と、を備えることを特徴とする無線通信装置。 - 前記検出手段は、前記データの再送回数を前記再送頻度に関する情報として検出し、
前記設定手段は、前記再送回数が第一の閾値以上である場合、前記再送頻度が増加すると判断することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。 - 前記設定手段は、前記再送回数が前記第一の閾値よりも小さい第二の閾値以下である場合、前記再送頻度が低下したと判断して前記受信レートの制限を解除する設定を行い、
前記通知手段は、前記設定手段による前記受信レートの制限を解除する設定を前記他の無線通信装置に通知することを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信装置。 - 前記検出手段は、受信信号の信号対雑音比を前記再送頻度に関する情報として検出し、
前記設定手段は、前記信号対雑音比が第一の閾値以下である場合、前記再送頻度が増加すると判断することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信装置。 - 前記設定手段は、前記信号対雑音比が前記第一の閾値よりも大きい第二の閾値以上である場合、前記再送頻度が低下したと判断して前記受信レートの制限を解除する設定を行い、
前記通知手段は、前記設定手段による前記受信レートの制限を解除する設定を前記他の無線通信装置に通知することを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。 - 前記受信信号は、他の無線通信装置が送信する報知信号であることを特徴とする請求項4または5に記載の無線通信装置。
- 前記通知手段は、
前記他の無線通信装置との接続を切断し、再度接続する際に前記設定を通知することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の無線通信装置。 - 前記通知手段は、
前記他の無線通信装置との接続を切断し、再度接続する際に、自装置が使用可能な伝送速度の情報を示すサポートレート情報を付加した接続フレームを前記他の無線通信装置に送信することで、前記設定を通知することを特徴とする請求項7に記載の無線通信装置。 - CSMA/CA方式により前記他の無線通信装置と無線通信を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の無線通信装置。
- 他の無線通信装置に対するデータの再送頻度に関する情報を検出するステップと、
検出された前記再送頻度に関する情報に基づいて、前記再送頻度が増加すると判断した場合、自装置の受信レートを制限し、自装置の送信レートは制限しない設定を行うステップと、
前記受信レートを制限する設定を前記他の無線通信装置に通知するステップと、を含むことを特徴とする無線通信方法。 - コンピュータを、請求項1から9のいずれか1項に記載された無線通信装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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2017
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