JP2019008165A - 体積ホログラム積層体、体積ホログラム積層体の製造方法、および情報記録媒体 - Google Patents

体積ホログラム積層体、体積ホログラム積層体の製造方法、および情報記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高い偽造防止機能およびセキュリティ機能を有する体積ホログラム積層体を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、支持層と、上記支持層の一方の面に配置され、レーザー光の照射により発色するレーザーエングレーブ層と、上記レーザーエングレーブ層の上記支持層とは反対側の面に配置され、干渉縞により再生画像が記録された体積ホログラム層とを有する体積ホログラム積層体であって、上記レーザーエングレーブ層は、絵柄を有し、上記レーザーエングレーブ層の絵柄は、上記体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄であることを特徴とする体積ホログラム積層体を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、体積ホログラム層を有する体積ホログラム積層体、体積ホログラム積層体の製造方法、およびそれを用いた情報記録媒体に関する。
商品券、証券、株券などの金券類、クレジットカード、プリペイドカード、IDカード等の磁気カードやICカード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、公共競技投票券等の情報記録媒体では、高い偽造防止機能やセキュリティ機能が要求される。
近年では、例えば、情報記録媒体の表面に、干渉縞が記録されたホログラム層を設け、ホログラム層により表示される再生画像を利用して真正性の識別を図ることで、偽造防止機能やセキュリティ機能を向上させている。例えば、特許文献1、2では、基材と、基材の一方の面に配置されたホログラム層とを有するホログラム積層体、およびそれを用いた情報記録媒体に関する技術を提案している。
このようなホログラム層は、干渉縞の記録形態に応じて、例えば、体積ホログラム層およびレリーフホログラム層に大別することができる。具体的に、体積ホログラム層は、波長が等しい物体光と参照光とを干渉させて、物体に関する3次元情報を干渉縞として記録することで得ることができる。一方のレリーフホログラム層は、表面に凹凸構造を形成し、これを干渉縞として記録することで得ることができる。体積ホログラム層は、レリーフホログラム層に比べて、高い回折効率を有し、高度な製造技術が求められるといった観点から、幅広い分野で利用され、注目されている。例えば、特許文献3〜7では、体積ホログラム層を有する体積ホログラム積層体、およびそれを用いた情報記録媒体に関する技術を提案している。
また、ホログラム層を有するホログラム積層体には、レーザー光の照射により発色するレーザーエングレーブ層を備えたものがある。例えば、特許文献8、9では、基材と、基材の一方の面に配置されたホログラム層と、ホログラム層の基材とは反対側の面に配置されたレーザ発色層とを有するホログラム積層体、およびそれを用いた情報記録媒体に関する技術を提案している。
特開2014−153683号公報 特開2014−148164号公報 特表2015−533673号公報 特許第4807504号 特許第4646097号 特許第4349613号 特許第4605625号 特開2014−156058号公報 国際公開第2012/050223号
上述したように、従来、様々なホログラム積層体が提案されているが、偽造防止機能やセキュリティ機能の更なる向上が求められている。本発明は、高い偽造防止機能およびセキュリティ機能を有する体積ホログラム積層体を提供することを主目的とする。
本発明は、支持層と、上記支持層の一方の面に配置され、レーザー光の照射により発色するレーザーエングレーブ層と、上記レーザーエングレーブ層の上記支持層とは反対側の面に配置され、干渉縞により再生画像が記録された体積ホログラム層とを有する体積ホログラム積層体であって、上記レーザーエングレーブ層は、絵柄を有し、上記レーザーエングレーブ層の絵柄は、上記体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄であることを特徴とする体積ホログラム積層体を提供する。
本発明によれば、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と、レーザーエングレーブ層が有する絵柄とが、少なくとも一部で同じ絵柄であることにより、高い偽造防止機能を有する体積ホログラム積層体とすることができる。また、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と、レーザーエングレーブ層が有する絵柄とが、少なくとも一部で同じ絵柄であるか否かを判定することで、優れたセキュリティ機能を有する体積ホログラム積層体とすることができる。
本発明においては、上記体積ホログラム層の再生画像は、上記体積ホログラム層に対し、上記体積ホログラム層の少なくとも一方の面から、上下40mm以内に再生画像が結像することが好ましい。体積ホログラム層を介してレーザーエングレーブ層にレーザー光を照射した際に、レーザーエングレーブ層の発色により描画される絵柄を、より明瞭な絵柄とすることができる。
本発明においては、上記レーザーエングレーブ層の上記支持層とは反対側の面に、オーバーコート層を有することが好ましい。レーザーエングレーブ層を保護することにより、圧力や熱が加わることによる発色を抑制することができる。
また、本発明は、支持層と、上記支持層の一方の面に配置され、レーザー光の照射により発色するレーザーエングレーブ層と、上記レーザーエングレーブ層の上記支持層とは反対側の面に配置され、干渉縞による再生画像が記録された体積ホログラム層とを有する積層体を準備する準備工程と、上記体積ホログラム層の再生画像を再生することができる再生角度から、上記体積ホログラム層を介して上記レーザーエングレーブ層にレーザー光を照射して絵柄を描画する描画工程とを有し、上記描画工程で用いられるレーザー光は、上記体積ホログラム層を介して上記レーザーエングレーブ層にレーザー光を照射した際、上記体積ホログラム層の再生画像により反射される波長を有し、上記描画工程により、上記レーザーエングレーブ層に描画された絵柄は、上記体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄であることを特徴とする体積ホログラム積層体の製造方法を提供する。
本発明によれば、描画工程を有することにより、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄とを、少なくとも一部で同じ絵柄にすることができる。これにより、高い偽造防止機能を有する体積ホログラム積層体を得ることができる。また、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄とが、少なくとも一部で同じ絵柄であるか否かを判定することで、優れたセキュリティ機能を有する体積ホログラム積層体とすることができる。
本発明においては、上記描画工程で用いられるレーザー光は、上記体積ホログラム層の再生画像を再生する再生波長の±10nmの範囲内に、波長ピークを有することが好ましい。レーザーエングレーブ層に照射されるレーザー光が、上述した範囲の波長ピークを有することにより、体積ホログラム層の再生画像が再生される領域において、選択的にレーザー光を反射させ、レーザーエングレーブ層へのレーザー光の入射を、より効果的に遮ることができる。したがって、レーザーエングレーブ層に、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と同じ絵柄を、より効果的に描画することができる。
本発明においては、上記再生角度は、上記体積ホログラム層の法線とのなす角度が、60°以下であることが好ましい。レーザーエングレーブ層の表面に対してより垂直方向からレーザー光を照射することが可能となり、レーザーエングレーブ層への絵柄の描画を容易に行うことができる。また、体積ホログラム積層体を手に持って視認する際は、通常、体積ホログラム積層体の上部にある光源からの光を、自然に目の方向に回折させることができる。
さらに、本発明は、上述した体積ホログラム積層体を有することを特徴とする情報記録媒体を提供する。
本発明によれば、上述した所定の体積ホログラム積層体を有することにより、高い偽造防止機能、および優れたセキュリティ機能を有する情報記録媒体とすることができる。
本発明は、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄とを、少なくとも一部で同じ絵柄とすることができ、高い偽造防止機能およびセキュリティ機能を有する体積ホログラム積層体を提供することができるという効果を奏する。
本発明の体積ホログラム積層体の一例を示す概略断面図である。 本発明の体積ホログラム積層体の製造方法の一例を示す概略工程図である。 本発明の体積ホログラム積層体を説明するための説明図である。 本発明の体積ホログラム積層体を説明するための説明図である。 本発明の体積ホログラム積層体を説明するための説明図である。 本発明の体積ホログラム積層体を説明するための説明図である。 従来の体積ホログラム積層体の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の体積ホログラム積層体、体積ホログラム積層体の製造方法および情報記録媒体について説明する。
A.体積ホログラム積層体
本発明の体積ホログラム積層体は、支持層と、上記支持層の一方の面に配置され、レーザー光の照射により発色するレーザーエングレーブ層と、上記レーザーエングレーブ層の上記支持層とは反対側の面に配置され、干渉縞により再生画像が記録された体積ホログラム層とを有する体積ホログラム積層体であって、上記レーザーエングレーブ層は、絵柄を有し、上記レーザーエングレーブ層の絵柄は、上記体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄であることを特徴とする部材である。
以下、本発明の体積ホログラム積層体を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の態様の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
図1(a)、(b)は、本発明の体積ホログラム積層体の一例を示す概略断面図である。図1(a)、(b)に例示するように、本発明の体積ホログラム積層体10は、支持層1と、支持層1の一方の面に配置され、レーザー光の照射により発色するレーザーエングレーブ層2と、レーザーエングレーブ層2の支持層1とは反対側の面に配置され、干渉縞により再生画像が記録された体積ホログラム層3とを有する。
なお、図1(a)に示す体積ホログラム積層体10は、体積ホログラム層3のレーザーエングレーブ層2とは反対側の面に、レーザーエングレーブ層2を保護するためのオーバーコート層4を有する例であり、図1(b)に示す体積ホログラム積層体10は、レーザーエングレーブ層2と体積ホログラム層3との間に、レーザーエングレーブ層2を保護するためのオーバーコート層4を有する例である。
ここで、図1(a)、(b)に示す符号30は、体積ホログラム層3に記録された干渉縞により再生される再生画像を指し、符号20は、レーザーエングレーブ層2に描画された絵柄を指す。本発明において、「レーザーエングレーブ層2に描画された絵柄20」とは、レーザー光の照射によりレーザーエングレーブ層2が発色することで画定される絵柄を指す。具体的には、例えば、レーザーエングレーブ層2に対して、体積ホログラム層3を介してレーザー光Lを照射した際に、レーザー光が照射されずに未発色の領域が、「レーザーエングレーブ層2に描画された絵柄20」となる。なお、この点についての詳細な説明は、図2(a)、(b)および図3(a)、(b)に関する記載にて行うため、ここでの記載は省略する。
本発明において、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄は、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄であることを特徴とする。ここで、「同じ絵柄」とは、平面視したときに一致する絵柄、または平面視したときに重なる位置に形成された同一の絵柄であることを指す。このような特徴を有する本発明の体積ホログラム積層体は、例えば、次のようにして得ることができる。図2(a)、(b)は、本発明の体積ホログラム積層体の製造方法の一例を示す概略工程図である。本発明においては、まず、図2(a)に示すように、支持層1、レーザーエングレーブ層2および体積ホログラム層3が積層された積層体を準備する。このとき、体積ホログラム層3には、所定の干渉縞が記録されていることとする。なお、体積ホログラム層3への干渉縞の記録は、一般的な方法により行うことができ、例えば、波長の等しい物体光と参照光とを干渉させることにより行うことができる。次に、本発明においては、図2(b)に示すように、体積ホログラム層3に記録された干渉縞により再生画像30が再生される再生角度から、体積ホログラム層3を介して、レーザーエングレーブ層2にレーザー光Lを照射する。このとき、再生角度より照射されるレーザー光Lは、体積ホログラム層に干渉縞を記録する際に用いられたレーザー光が有する波長ピークと、同等の波長ピークを有する。そのため、例えば、図3(a)に示すように、体積ホログラム層3を介してレーザーエングレーブ層2へと照射されたレーザー光Lは、体積ホログラム層3において、再生画像30が再生される領域では反射する。一方、体積ホログラム層3を介してレーザーエングレーブ層2へと照射されたレーザー光Lは、体積ホログラム層3において、再生画像30が再生されない領域、換言すると、干渉縞が記録されていない領域では透過して、レーザーエングレーブ層2に入射する。そうすると、図3(b)に示すように、レーザー光Lは、体積ホログラム層3に記録された干渉縞による再生画像30が再生される領域では、体積ホログラム層3を介してレーザーエングレーブ層2へと入射しないため、レーザーエングレーブ層2において再生画像30に対応する領域は未発色の領域となり、これがレーザーエングレーブ層2に描画された絵柄20となる。なお、図3(a)、(b)における再生画像30は、体積ホログラム層3を再生角度から観察した際に再生される再生画像30を図示している。
本発明においては、「レーザーエングレーブ層に描画された絵柄は、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄である」ことを特徴とする。「レーザーエングレーブ層に描画された絵柄は、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄である」とは、例えば、図3(a)、(b)に示すように、レーザーエングレーブ層2に描画された絵柄20が、体積ホログラム層3の再生画像30の絵柄と全て同じであっても良く、あるいは、図4(a)、(b)に示すように、レーザーエングレーブ層2に描画された絵柄20が、体積ホログラム層3の再生画像30の絵柄と一部のみ同じであっても良い。なお、レーザーエングレーブ層2に描画された絵柄20が、体積ホログラム層3の再生画像30の絵柄と一部のみ同じ絵柄である場合には、例えば、次のような方法により本発明の体積ホログラム積層体を作成することができる。すなわち、図4(a)に示すように、体積ホログラム層3の再生画像30の絵柄と同じ絵柄にしたい領域のみに、体積ホログラム層3を介してレーザー光Lを照射することで、図4(b)に示すように、レーザーエングレーブ層2に描画された絵柄が、体積ホログラム層3の再生画像30の絵柄と一部のみ同じ絵柄である体積ホログラム積層体を得ることができる。なお、図4(a)、(b)における再生画像30は、体積ホログラム層3を再生角度から観察した際に再生される再生画像30を図示している。
本発明におけるレーザーエングレーブ層は、レーザー光の照射により描画された絵柄を有し、また、体積ホログラム層は、干渉縞が記録されることにより再生される再生画像を有する。さらに、本発明においては、体積ホログラム層により再生される再生画像の絵柄と、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄とが、少なくとも一部で同じ絵柄である。このような本発明の体積ホログラム積層体は、所定の方法により、得ることができる。すなわち、図2(a)、(b)に示すように、再生画像30を有する体積ホログラム層3を介して、レーザーエングレーブ層2へとレーザー光を照射することにより、レーザーエングレーブ層2に、体積ホログラム層3の再生画像30の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄である絵柄20を描画することができる。ここで、レーザーエングレーブ層に絵柄を描画する際に用いられるレーザー光は、体積ホログラム層3に干渉縞を記録する際に用いられた参照光と、同じ波長を有している必要がある。さらに、上記レーザー光は、体積ホログラム層の再生画像が再生される角度から照射される必要がある。本発明においては、レーザーエングレーブ層に絵柄を描画する際に用いられるレーザー光が、上述した条件を満たすことにより、図3(a)、(b)に示すように、体積ホログラム層3の再生画像30が再生される領域では、レーザー光Lは反射し、それ以外の領域では、レーザー光Lは体積ホログラム層3を介してレーザーエングレーブ層2へと入射し、結果として、体積ホログラム層3により再生される再生画像30の絵柄と、レーザーエングレーブ層2の選択的な発色により描画された絵柄20とを、少なくとも一部で同じ絵柄とすることができる。
本発明においては、このような特有の方法を採用することにより、体積ホログラム層により再生される再生画像の絵柄と、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄とが、少なくとも一部で同じ絵柄である体積ホログラム積層体を得ることが可能である。したがって、例えば、レーザーエングレーブ層の絵柄が、干渉縞が記録された体積ホログラム層を介さずに描画された場合や、所定の絵柄が描画されたレーザーエングレーブ層を剥離して他の体積ホログラム積層体に用いた場合には、本発明のような体積ホログラム積層体を得ることは困難である。このように、本発明の体積ホログラム積層体は、高い偽造防止機能を有する。
ところで、体積ホログラム層の再生画像の絵柄は、干渉縞を記録する際に照射した物体光の照射角度および参照光の照射角度の2つの角度で、選択的に再生される。これに対し、レーザーエングレーブ層の絵柄は、上述した2つの角度以外の角度からでも確認することができる。したがって、体積ホログラム層の再生画像が再生される2つの角度からは、当該再生画像の絵柄と、当該再生画像の絵柄と一部が同じ絵柄であるレーザーエングレーブ層に描画された絵柄との両方を確認することができ、それ以外の角度からは、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄のみを確認することができる。本発明においては、体積ホログラム層の再生画像の絵柄自体、レーザーエングレーブ層の絵柄自体、さらには、体積ホログラム層の再生画像の絵柄とレーザーエングレーブ層の絵柄とが、少なくとも一部で同じ絵柄となる点の3点から、優れたセキュリティ機能を有する体積ホログラム積層体とすることができる。
なお、例えば、特許文献8、9には、ホログラム層およびレーザーエングレーブ層が積層されたホログラム積層体が開示されている。しかしながら、特許文献8に係る発明は、ホログラム層およびレーザーエングレーブ層の間に熱接着層を有することで、ホログラム層を剥離しようとしたときにホログラム層を破壊するといった発明である。また、特許文献9に係る発明は、レーザーエングレーブ層にレーザー光を照射した際に発生する熱より、ホログラム層等が損傷されることを抑制するといった発明である。したがって、特許文献8、9には、ホログラム層およびレーザーエングレーブ層を有するホログラム積層体について開示されているものの、本発明とは偽造防止機能やセキュリティ機能が全く相違する。
以下、本発明の体積ホログラム積層体の各構成および用途について説明する。
1.構成
本発明の体積ホログラム積層体は、支持層と、支持層の一方の面に配置され、レーザー光の照射により発色するレーザーエングレーブ層と、レーザーエングレーブ層の支持層とは反対側の面に配置され、干渉縞により再生画像が記録された体積ホログラム層とを有する。また、本発明の体積ホログラム積層体におけるレーザーエングレーブ層は、絵柄を有し、上記レーザーエングレーブ層の絵柄は、上記体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄であることを特徴とする。
以下、本発明の体積ホログラム積層体の各構成について説明する。
(1)体積ホログラム層
本発明における体積ホログラム層は、後述するレーザーエングレーブ層の支持層とは反対側の面に配置され、干渉縞により再生画像が記録された部材である。
本発明における体積ホログラム層は、干渉縞が記録され、干渉縞により再生画像が再生される。本発明における体積ホログラム層は、通常、反射型体積ホログラム層である。ここで、「反射型体積ホログラム層」とは、再生光を、体積ホログラム層の観察者側の面から照射することにより、再生画像を再生することができる体積ホログラム層をいう。
体積ホログラム層に記録された干渉縞により再生される再生画像は、干渉縞の間隔や角度等を調整することで、適宜設計することができる。体積ホログラム層の再生画像としては、例えば、文字や図形等を含む絵柄が挙げられる。
本発明においては、体積ホログラム層に対し、所定の角度から再生光を照射することで、体積ホログラム層に記録された干渉縞により再生画像が再生される。ここで、「再生光」は、体積ホログラム層に干渉縞を記録する際に用いる参照光と同じ波長を有する光を指す。また、「所定の角度」とは、体積ホログラム層に干渉縞を記録するために、物体光および参照光を照射した角度に相当する。すなわち、再生画像を再生するために再生光を照射する角度は、2つ存在することとなる。以下、当該角度を再生角度という場合がある。本発明における再生角度は、干渉縞を記録するために照射した物体光および参照光の角度に相当する。すなわち、再生角度は、物体光の照射角度または参照光の照射角度に対して、±0°となる。
以下、物体光の照射角度を物体光角度とし、参照光の照射角度を参照光角度という場合がある。
本発明においては、体積ホログラム層に記録された再生画像が、設計上、体積ホログラム層の所定の位置に結像されることが好ましい。以下、図6(a)〜(c)を参照しながら説明する。なお、図6(a)〜(c)は、本発明の体積ホログラム積層体を説明するための説明図である。本発明においては、例えば、図6(a)に示すように、体積ホログラム層の再生画像30が、体積ホログラム層3に対し、所定の位置に結像されることが好ましい。特に図6(b)に示すように、体積ホログラム層の再生画像30が、体積ホログラム層の位置に結像されることが好ましい。体積ホログラム層を介してレーザーエングレーブ層にレーザー光を照射した際に、レーザーエングレーブ層の発色により描画される絵柄を、より明瞭な絵柄とすることができる。一方、図6(c)に示すように、体積ホログラム層の再生画像30が、体積ホログラム層3から離れた位置に結像される場合には、当該体積ホログラム層を介してレーザーエングレーブ層にレーザー光を照射した際に、レーザーエングレーブ層の発色により描画される絵柄がぼやけてしまい、不明瞭な絵柄となる場合がある。したがって、本発明においては、図6(a)に示すように、体積ホログラム層の再生画像30は、体積ホログラム層3の少なくとも一方の面から所定の位置に結像されることが好ましい。具体的には、体積ホログラム層3のレーザーエングレーブ層側の面、または体積ホログラム層のレーザーエングレーブ層とは反対側の面のうち、少なくとも一方の面から、上下40mm以内に結像される再生画像を有することが好ましく、中でも上下20mm以内に結像される再生画像を有することが好ましく、特に上下10mm以内に結像される再生画像を有することが好ましい。
また、本発明における体積ホログラム層の再生画像は、体積ホログラム層の少なくとも一方の面から、上述した範囲内において、全ての再生画像が再生されることが好ましい。本発明においては、体積ホログラム層のレーザーエングレーブ層とは反対側の方向から再生画像を観察する際、体積ホログラム層の少なくとも一方の面から所定の範囲内となる位置に再生画像が再生されることで、再生画像の絵柄を明瞭な絵柄として観察することができる。したがって、例えば、体積ホログラム層の再生画像において、レーザーエングレーブ層に描画したい絵柄部分が、設計上、体積ホログラム層の少なくとも一方の面から所定の位置に再生される場合には、体積ホログラム層の再生画像の当該絵柄部分を明瞭な絵柄とすることができるとともに、レーザーエングレーブ層に描画した絵柄についても、発色が明瞭な絵柄とすることができる。なお、上述のように、ここでの「体積ホログラム層の少なくとも一方の面」とは、体積ホログラム層のレーザーエングレーブ層側の面、または体積ホログラム層のレーザーエングレーブ層とは反対側の面のうちの、少なくとも一方の面を指す。
本発明における体積ホログラム層は、通常、透明性を有する。体積ホログラム層の透明性については、一般的な体積ホログラム層と同様とすることができ、本発明の体積ホログラム積層体の用途に応じて適宜調整することができる。
本発明における体積ホログラム層に用いられる材料は、一般的な体積ホログラム層に用いられる材料と同様とすることができ、例えば、硬化樹脂層や熱可塑性樹脂層、感光層等とすることができる。体積ホログラム層に用いられる具体的な材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂層、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂、フォトレジスト等の感光材料、無機材料からなるフォトリフラクティブ材料、フォトクロミック材料等の感光材料等が挙げられる。中でも、バインダ樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素を含有する感光材料や、カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、光ラジカル重合開始剤および光カチオン重合開始剤を含有する感光材料を好適に用いることができる。なお、上述した感光材料の組成等については、例えば、特開2013−068960号公報等に記載されている材料と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本発明における体積ホログラム層は、上述した材料の他にも、必要に応じてその他の添加剤を含んでいても良い。なお、体積ホログラム層に用いることが可能な添加剤については、一般的な体積ホログラム層に用いられる添加剤と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本発明における体積ホログラム層は、後述する支持層の一方の面の全域に形成されていても良く、一部に形成されていても良い。また、本発明における体積ホログラム層は、後述するレーザーエングレーブ層と平面視上重なるように配置されていれば良く、具体的には、体積ホログラム層に記録された干渉縞により再生される再生画像が、後述するレーザーエングレーブ層と平面視上重なるように配置されていれば良い。ここで、「体積ホログラム層は、後述するレーザーエングレーブ層と平面視上重なるように配置」とは、体積ホログラム層の少なくとも一部が、後述するレーザーエングレーブ層と平面視上重なっていれば足り、また、「再生画像が、後述するレーザーエングレーブ層と平面視上重なるように配置」とは、体積ホログラム層の再生画像の少なくとも一部が、後述するレーザーエングレーブ層と平面視上重なっていれば足りる。
本発明における体積ホログラム層の厚みは、本発明の体積ホログラム積層体の用途や、体積ホログラム層の材料等に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。なお、体積ホログラム層の具体的な厚みについては、一般的な体積ホログラム層の厚みと同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本発明における体積ホログラム層の形成方法としては、例えば、所定の材料から構成された体積ホログラム層に対し、波長の等しい物体光と参照光とを干渉させて干渉縞を記録させる方法が挙げられる。具体的に、反射型体積ホログラム層の形成方法としては、体積ホログラム層の一方の面から物体光を入射させ、他方の面から参照光を入射させて干渉縞を記録する方法が挙げられる。
(2)レーザーエングレーブ層
本発明におけるレーザーエングレーブ層は、支持層の一方の面に配置され、レーザー光の照射により発色する部材である。また、レーザーエングレーブ層は、レーザー光の照射により描画された絵柄を有し、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄は、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄であることを特徴とする。
本発明におけるレーザーエングレーブ層は、所定の絵柄が描画された部材である。レーザーエングレーブ層に描画された絵柄としては、例えば、文字や図形等を含む絵柄が挙げられる。
レーザーエングレーブ層に描画される絵柄は、2次元で表わされる。また、レーザーエングレーブ層に描画される絵柄は、所定の角度、いわゆる再生角度のみから観察される体積ホログラム層の再生画像とは異なり、どの角度からでも観察することが可能である。したがって、本発明においては、再生角度から、レーザーエングレーブ層の絵柄および体積ホログラム層の再生画像の絵柄の両方が観察され、再生角度以外の角度からは、レーザーエングレーブ層の絵柄のみが観察される。
レーザーエングレーブ層に描画される絵柄は、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄である。なお、「レーザーエングレーブ層に描画される絵柄は、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄である」ことについては、図3(a)、(b)および図4(a)、(b)の説明と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本発明において、レーザーエングレーブ層に描画される絵柄が、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じあるかいなかについては、例えば、次のような方法により確認することができる。すなわち、位置が固定されたカメラ等を用い、まず、再生角度から再生光を入射させ、得られた体積ホログラム層の再生画像を撮影する。次に再生光を切り、体積ホログラム層の再生画像が見えなくなったときに得られるレーザーエングレーブ層に描画される絵柄を撮影し、2つの画像の相対位置にずれがあるか判定することにより確認できる。
本発明におけるレーザーエングレーブ層は、レーザー光の照射により発色して絵柄が描画される。このとき、発色または変色したレーザーエングレーブ層は、発色または変色の有無だけではなく、色合いの濃淡も表れる。色合いの濃淡は、例えば、レーザーエングレーブ層に入射するレーザー光の光量によって調整することができる。なお、レーザーエングレーブ層へのレーザー光の入射量の調整は、後述する「B.体積ホログラム積層体の製造方法 1.準備工程」の項で記載するように、再生画像における回折光の輝度の高低により行うことができる。
本発明におけるレーザーエングレーブ層は、レーザー光の照射により発色する部材であれば良く、例えば、レーザー光のエネルギーにより発色または変色する材料を有することが好ましい。レーザーエングレーブ層に用いられる材料は、一般的なレーザーエングレーブ層に用いられる材料と同様とすることができ、特に限定されない。例えば、ポリカーボネート単体やポリカーボネート系の材料、塩化ビニル系の材料、ポリエステル系の材料、それらの混合材料、あるいはそれらの材料から構成される層を積層させた積層材料等の発色材が挙げられる。本発明においては、レーザーエングレーブ層が、複数種類の発色材を含んでいても良いが、レーザーエングレーブ層にレーザー光を照射して絵柄を描画する際には、単一の発色材が発色して、単色の絵柄となることが好ましい。例えば、レーザー光を照射することにより、レーザーエングレーブ層を白色から黒色に発色させることができる。
本発明におけるレーザーエングレーブ層の厚みは、レーザーエングレーブ層を構成する材料や、本発明の体積ホログラム積層体の用途等に応じて適宜調整することができ、また、一般的なレーザーエングレーブ層の厚みと同様とすることができる。したがって、ここでの具体的な記載は省略する。
(3)支持層
本発明における支持層は、上述した体積ホログラム層およびレーザーエングレーブ層を支持する部材である。
本発明における支持層は、透明性を有していても有していなくても良い。本発明の体積ホログラム積層体の用途等に応じて適宜選択することができる。支持層に用いられる材料としては、例えば、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフッ化エチレン系フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の樹脂フィルムや樹脂シート、グラシン紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、中質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙の紙類が挙げられる。
本発明における支持層の厚みは、本発明の体積ホログラム積層体の用途等に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。例えば、2μm以上2000μm以下の範囲内とることができ、好ましくは10μm以上1000μm以下の範囲内とすることができる。
(4)オーバーコート層
本発明においては、レーザーエングレーブ層の支持層とは反対側の面に、オーバーコート層を有していることが好ましい。レーザーエングレーブ層は、レーザー光の照射以外にも、圧力や熱が加わることにより、発色してしまう場合がある。そこで、オーバーコート層によりレーザーエングレーブ層を保護することにより、圧力や熱が加わることによる発色を抑制することができる。
本発明におけるオーバーコート層は、レーザーエングレーブ層を保護するように配置されていれば良い。例えば、図1(a)に示すように、体積ホログラム層3のレーザーエングレーブ層2とは反対側の面に、オーバーコート層4が配置されていても良く、図1(b)に示すように、レーザーエングレーブ層2と体積ホログラム層3との間に、オーバーコート層4が配置されていても良い。
本発明におけるオーバーコート層は、体積ホログラム層の再生画像およびレーザーエングレーブ層に描画された絵柄が視認できる程度の透明性を有することが好ましい。なお、オーバーコート層の具体的な透明性については、厳密な数値で規定されず、本発明の体積ホログラム積層体の用途等に応じて適宜決定することができる。また、透明とは、無色透明および有色透明を含む。
本発明におけるオーバーコート層は、ヘイズ値が低いことが好ましい。体積ホログラム層の再生画像およびレーザーエングレーブ層に描画された絵柄を、良好に視認することができるからである。オーバーコート層のヘイズ値としては、例えば、0.5以上1.5以下の範囲内とすることができる。
本発明におけるオーバーコート層は、例えば、フィルム基材であっても良く、樹脂基材であっても良い。フィルム基材としては、例えば、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフッ化エチレン系フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコールフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。また、樹脂基材としては、例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系およびメタアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等のうちの一種類または二種類以上を混合したもの、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が挙がられる。
本発明におけるオーバーコート層の厚みは、所定の透明性示すことができ、レーザーエングレーブ層を十分に保護することができる程度の厚みであることが好ましい。例えば、0.1μm以上500μm以下の範囲内であることが好ましく、中でも0.5μm以上200μm以下の範囲内であることが好ましい。
(5)その他の部材
本発明の体積ホログラム積層体は、上述した部材以外にも、必要に応じてその他の部材を有していても良い。
本発明におけるその他の部材としては、例えば、帯電防止層、接着層または粘着剤層、離型層、磁気記録層、ICチップ、光学記録層等が挙げられ、用途に応じて各層を適時積層することができる。
2.用途
本発明の体積ホログラム積層体の用途としては、偽造防止等の高いセキュリティ性が要求される部材に用いることができる。中でも、体積ホログラム積層体ごとに異なる情報(可変情報)の付与が望まれる部材、例えば、情報記録媒体に好適に用いられる。情報記録媒体としては、例えば、商品券、証券、株券などの金券類、磁気カード、ICカード等の各種カード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、公共競技投票券等が挙げられる。
B.体積ホログラム積層体の製造方法
本発明の体積ホログラム積層体の製造方法は、支持層と、上記支持層の一方の面に配置され、レーザー光の照射により発色するレーザーエングレーブ層と、上記レーザーエングレーブ層の上記支持層とは反対側の面に配置され、干渉縞による再生画像が記録された体積ホログラム層とを有する積層体を準備する準備工程と、上記体積ホログラム層の再生画像を再生することができる再生角度から、上記体積ホログラム層を介して上記レーザーエングレーブ層にレーザー光を照射して絵柄を描画する描画工程とを有し、上記描画工程で用いられるレーザー光は、上記体積ホログラム層を介して上記レーザーエングレーブ層にレーザー光を照射した際、上記体積ホログラム層の再生画像により反射され、上記描画工程により、上記レーザーエングレーブ層に描画された絵柄は、上記体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄であることを特徴とする方法である。
本発明の体積ホログラム積層体の製造方法は、図2(a)、(b)により示すことができる。なお、図2(a)、(b)については、上記「A.体積ホログラム積層体」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本発明によれば、描画工程を有することにより、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄とを、少なくとも一部で同じ絵柄にすることができる。これにより、高い偽造防止機能を有する体積ホログラム積層体を得ることができる。また、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄とが、少なくとも一部で同じ絵柄であるか否かを判定することで、優れたセキュリティ機能を有する体積ホログラム積層体とすることができる。なお、具体的な効果の説明については、上記「A.体積ホログラム積層体」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
以下、本発明の体積ホログラム積層体の製造方法について、各工程に分けて説明する。
1.準備工程
本発明における準備工程は、支持層と、上記支持層の一方の面に配置され、レーザー光の照射により発色するレーザーエングレーブ層と、上記レーザーエングレーブ層の上記支持層とは反対側の面に配置され、干渉縞による再生画像が記録された体積ホログラム層とを有する積層体を準備する工程である。
本発明において、積層体を構成する支持層、レーザーエングレーブ層および体積ホログラム層を形成する方法は、一般的に公知の方法と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
準備工程において準備される積層体における体積ホログラム層は、干渉縞により再生画像が記録された部材である。体積ホログラム層への干渉縞の記録は、例えば、体積ホログラム層に物体光および参照光を照射する方法が挙げられる。ここで、物体光を照射する物体光角度および参照光を照射する参照光角度は、体積ホログラム層の再生画像を再生することができる再生角度に相当する。本発明においては、再生角度が、所定の範囲内であることが好ましい。具体的には、体積ホログラム層のレーザーエングレーブ層とは反対側の面の法線を0°としたとき、再生角度が、より0°に近いことが好ましい。例えば、図5に示すように、再生角度は、体積ホログラム層3の法線とのなす角度θが、例えば60°以下であることが好ましく、中でも50°以下であることが好ましい。本発明においては、再生角度が上記範囲内であることにより、次のような効果を奏する。すなわち、本発明においては、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部を同じとするために、後述する描画工程において、体積ホログラム層の再生画像の再生角度から、体積ホログラム層を介して、レーザーエングレーブ層へとレーザー光を照射する。このとき、再生角度が上記範囲内であることにより、後述する描画工程において、レーザーエングレーブ層の体積ホログラム層側の面に対して、より垂直方向からレーザー光を照射することが可能となり、レーザーエングレーブ層への絵柄の描画を容易に行うことができるという効果を奏する。
体積ホログラム層の再生画像は、通常、干渉縞の間隔や角度に応じて回折光の輝度が決定される。本発明においては、体積ホログラム層を介して、再生角度からレーザー光を照射してレーザーエングレーブ層を発色させる際、当該体積ホログラム層により再生される再生画像において、回折光の輝度が高い領域ほどレーザー光を反射させ、一方で回折光の輝度が低い領域ほどレーザー光を透過させる傾向にある。そのため、体積ホログラム層の再生画像において、回折光の輝度が高い領域ほど、レーザーエングレーブ層へのレーザー光の入射を抑えて、レーザーエングレーブ層の発色を抑制することができる。一方、体積ホログラム層の再生画像において、回折光の輝度が低い領域ほど、レーザーエングレーブ層へとレーザー光が入射し、レーザーエングレーブ層を発色させることができる。したがって、体積ホログラム層の再生画像における回折光の輝度の高低により、レーザーエングレーブ層へのレーザー光の入射量を調整することができ、レーザーエングレーブ層のレーザー光による発色に濃淡をつけることが可能となる。よって、より高い偽造防止機能およびセキュリティ機能を有する体積ホログラム積層体とすることができる。なお、「回折光の輝度の高低」とは、体積ホログラム層の再生画像の再生角度から所定のレーザー光を照射したときの、レーザー光の反射の度合いを示し、例えば、レーザー光の反射が大きい程、回折光の輝度は高いこととなる。
準備工程により準備される積層体については、上記「A.体積ホログラム積層体」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
2.描画工程
本発明における描画工程は、体積ホログラム層の再生画像を再生することができる再生角度から、体積ホログラム層を介してレーザーエングレーブ層にレーザー光を照射して絵柄を描画する工程である。また、描画工程で用いられるレーザー光は、体積ホログラム層を介してレーザーエングレーブ層にレーザー光を照射した際、体積ホログラム層の再生画像により反射される波長を有し、描画工程により、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄は、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄である。
本発明においては、体積ホログラム層の再生画像が再生される再生角度から、レーザーエングレーブ層にレーザー光が照射されることが好ましい。レーザーエングレーブ層に照射されるレーザー光の角度が、再生角度と同じであることにより、体積ホログラム層の再生画像が再生される領域において、選択的にレーザー光を反射させ、レーザーエングレーブ層への入射を遮ることができる。したがって、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と同じ絵柄を、レーザーエングレーブ層に描画することができる。ここで、「レーザーエングレーブ層に照射されるレーザー光の角度が、再生角度と同じである」とは、レーザーエングレーブ層に照射されるレーザー光の角度が、再生角度に対して、例えば±5°の範囲内であることをいい、中でも±2°の範囲内であることが好ましい。
ここで、体積ホログラム層の再生画像が再生される再生角度は、体積ホログラム層に干渉縞を記録する際に照射する物体光の物体光角度、および参照光の参照光角度に相当する。したがって、体積ホログラム層の再生画像が再生される再生角度は、2つ存在することとなる。本発明における描画工程では、再生角度と同じ角度から、レーザーエングレーブ層にレーザー光を照射することになるが、2つある再生角度のうち、体積ホログラム層の表面に対してより垂直に近い方の再生角度と同じ角度から、レーザーエングレーブ層にレーザー光を照射することが好ましい。なお、「2つある再生角度のうち、体積ホログラム層の表面に対してより垂直に近い方の再生角度」とは、体積ホログラム層の法線を0°としたときに、より0°に近い物体光角度または参照光角度に相当し、上記「1.準備工程」の項に記載した内容と同じであるため、ここでの記載は省略する。
本発明において、レーザーエングレーブ層に照射されるレーザー光は、体積ホログラム層の再生画像を再生する再生波長と同じ波長を有することが好ましい。これにより、体積ホログラム層の再生画像が再生される領域では、体積ホログラム層にレーザー光が反射し、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と同じ絵柄を、レーザーエングレーブ層に描画することができる。ここで、「体積ホログラム層の再生画像を再生する再生波長」とは、体積ホログラム層に干渉縞を記録する際に用いられる参照光と、同じ波長を指す。具体的には、再生波長における波長ピークが、参照光が有する波長ピークの±10nmの範囲内であることを指す。また、「再生波長と同じ波長を有する」とは、レーザーエングレーブ層に照射されるレーザー光が、体積ホログラム層の再生画像を再生するための再生光と、同じ波長を有することをいう。具体的には、レーザーエングレーブ層に照射されるレーザー光は、体積ホログラム層の再生画像を再生する再生波長の、例えば±10nmの範囲内に波長ピークを有することが好ましく、中でも±5nmの範囲内に波長ピークを有することが好ましい。レーザーエングレーブ層に照射されるレーザー光が、上述した範囲の波長ピークを有することにより、体積ホログラム層の再生画像が再生される領域において、選択的にレーザー光を反射させ、レーザーエングレーブ層への入射を遮ることができる。換言すると、レーザーエングレーブ層に照射されるレーザー光は、体積ホログラム層の再生画像により反射される波長を有することが好ましい。したがって、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と同じ絵柄を、レーザーエングレーブ層に描画することができる。
本発明における描画工程では、レーザー光の照射により発色して絵柄が描画される。このとき、レーザー光は、体積ホログラム層の再生画像の再生角度から、体積ホログラム層を介して照射される。また、体積ホログラム層の再生画像が再生される領域では、体積ホログラム層によりレーザー光は反射し、体積ホログラム層の再生画像が再生されない領域では、体積ホログラム層をレーザー光が透過する。そのため、レーザーエングレーブ層において、体積ホログラム層の再生画像が再生される領域に対応する領域には、レーザー光は照射されず、また、体積ホログラム層の再生画像が再生されない領域に対応する領域には、レーザー光は照射される。レーザーエングレーブ層においてレーザー光が照射された領域では、レーザーエングレーブ層に含まれる材料が発色または変色する。このとき、発色または変色したレーザーエングレーブ層は、発色または変色の有無だけではなく、色合いの濃淡も表れる。色合いの濃淡は、例えば、レーザーエングレーブ層に入射するレーザー光の光量によって調整することができる。なお、レーザーエングレーブ層へのレーザー光の入射量の調整は、上記「1.準備工程」の項で記載したように、再生画像における回折光の輝度の高低により行うことができる。
描画工程は、レーザーエングレーブ層にレーザー光を照射して絵柄を描画する工程である。なお、本工程の詳細な説明については、「A.体積ホログラム積層体 (1)体積ホログラム層」および「A.体積ホログラム積層体 (2)レーザーエングレーブ層」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
3.その他の工程
本発明の体積ホログラム積層体の製造方法は、上述した準備工程および描画工程を有していれば良く、必要に応じてその他の工程を有していても良い。その他の工程としては、例えば、レーザーエングレーブ層の支持層とは反対側の面に、オーバーコート層を形成する工程が挙げられる。
本発明におけるオーバーコート層形成工程は、描画工程の前に行っても良く、描画工程の後に行っても良い。例えば、図1(a)に示すように、支持層1、レーザーエングレーブ層2、体積ホログラム層3およびオーバーコート層4が順に積層された体積ホログラム積層体10を製造する場合には、まず、支持層1の一方の面にレーザーエングレーブ層2を配置し、次に、第1工程により干渉縞を記録した体積ホログラム層3を、レーザーエングレーブ層2の支持層1とは反対側の面に配置し、その後、描画工程により体積ホログラム層3を介してレーザーエングレーブ層2にレーザー光を照射した後、オーバーコート層形成工程により、体積ホログラム層3のレーザーエングレーブ層2とは反対側の面にオーバーコート層を形成して、体積ホログラム積層体10を製造することができる。一方、例えば、図1(b)に示すように、支持層1、レーザーエングレーブ層2、オーバーコート層4および体積ホログラム層3が順に積層された体積ホログラム積層体10を製造する場合には、まず、支持層1の一方の面にレーザーエングレーブ層2を配置し、次に、オーバーコート層形成工程によりレーザーエングレーブ層2の支持層1とは反対側の面にオーバーコート層を形成し、その後、第1工程により、干渉縞を記録した体積ホログラム層3を、レーザーエングレーブ層2の支持層1とは反対側の面に配置した後、描画工程により体積ホログラム層3を介してレーザーエングレーブ層2にレーザー光を照射して、体積ホログラム積層体10を製造することができる。
なお、上述した図1(a)に示す体積ホログラム積層体10の製造方法では、オーバーコート層形成工程の後に、支持層1、レーザーエングレーブ層2、体積ホログラム層3およびオーバーコート層4が順に積層された積層体をプレスして圧縮する工程を有していても良い。一方、上述した図1(b)に示す体積ホログラム積層体10の製造方法では、オーバーコート層形成工程の後に、支持層1、レーザーエングレーブ層2およびオーバーコート層4が順に積層された積層体をプレスして圧縮する工程を有していても良い。上述のように、所定の部材が積層された積層体をプレスして圧縮する工程を有することで、圧縮された積層体を構成する各部材が一体化する。そのため、各部材の取り出し等が困難になり、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
C.情報記録媒体
本発明の情報記録媒体は、上述した体積ホログラム積層体を有することを特徴とする製品である。
図7(a)は、本発明の情報記録媒体の一例を示す概略平面図である。また、図7(b)は、図7(a)のA−A線断面図である。図7(a)、(b)に示すように、本発明の情報記録媒体100は、体積ホログラム積層体10を有する。なお、図7(a)、(b)に示す体積ホログラム積層体10は、図1(a)で説明した体積ホログラム積層体10と同じであるため、ここでの記載は省略する。また、本発明の情報記録媒体100は、基材5を有していても良く、例えば、図7(a)、(b)に示す情報記録媒体100では、基材5と、体積ホログラム積層体10における支持層1とが、単一の部材として用いられている。さらに、図7(a)、(b)に示すように、本発明においては、基材5の体積ホログラム積層体10が配置された面と同一の面に印刷層6が配置されていても良い。
本発明によれば、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄とが、少なくとも一部で同じ絵柄であることにより、高い偽造防止機能を有する情報記録媒体とすることができる。また、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄とが、少なくとも一部で同じ絵柄であるか否かを判定することで、優れたセキュリティ機能を有する情報記録媒体とすることができる。なお、具体的な効果の説明については、上記「A.体積ホログラム積層体」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
以下、本発明の情報記録媒体における構成および用途について説明する。
1.構成
本発明の情報記録媒体は、体積ホログラム積層体を有する。また、本発明の情報記録媒体は、体積ホログラム層の支持層側の面に配置された基材、および基材の体積ホログラム積層体が配置された面と同一の面に配置された印刷層を有していても良い。
以下、本発明の情報記録媒体における各構成について説明する。
(1)体積ホログラム積層体
本発明における体積ホログラム積層体は、支持層、支持層の一方の面に配置され、レーザー光の照射により発色するレーザーエングレーブ層、ならびにレーザーエングレーブ層の支持層とは反対側の面に配置され、干渉縞が記録された体積ホログラム層を有し、レーザーエングレーブ層は、レーザー光の照射により描画された絵柄を有し、体積ホログラム層は、干渉縞により再生画像が再生され、レーザーエングレーブ層に描画された絵柄は、体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄であることを特徴とする。
本発明の情報記録媒体に用いられる体積ホログラム積層体については、上記「A.体積ホログラム積層体」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
(2)印刷層
本発明においては、基材の体積ホログラム積層体が配置された面と同一の面に印刷層が配置されていても良い。
本発明における印刷層は、体積ホログラム積層体とは異なる情報を有することができる。印刷層が有する情報としては、例えば、文字、記号、マーク、イラスト、キャラクター等の絵柄、会社名、商品名、セールスポイント、キャッチコピー等の文字情報等が挙げられる。
印刷層を構成する材料は、一般的な印刷用インキが挙げられる。印刷用インキとしては、例えば、顔料や染料等の着色剤およびバインダ樹脂を含む材料が挙げられる。
本発明における印刷層は、通常、基材の体積ホログラム積層体が配置された面と同一の面に配置される。ここで、「基材の体積ホログラム積層体が配置された面と同一の面」とは、体積ホログラム層が配置された基材表面であれば、何れの位置であっても良い。すなわち、印刷層が、基材表面の体積ホログラム積層体と重ならない位置に配置されていても良く、基材表面の体積ホログラム積層体と重なる位置に配置されていても良い。印刷層が、基材表面の体積ホログラム積層体と重なる位置に配置されている場合、印刷層は、例えば、体積ホログラム積層体の基材とは反対側の面上にて、体積ホログラム積層体と重なっていても良く、あるいは、体積ホログラム積層体と基材との間にて、体積ホログラム積層体と重なっていても良い。また、印刷層と体積ホログラム層とが重なる場合には、印刷層の全域が体積ホログラム積層体と重なっていても良く、あるいは、印刷層の一部が体積ホログラム積層体と重なっていても良い。
本発明における印刷層の厚みは、本発明の情報記録媒体の用途に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。そのため、印刷層の厚みについての記載は省略する。
本発明における印刷層の形成方法としては、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、活版印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、昇華転写印刷、溶融転写印刷等の一般的な印刷法が挙げられる。また、転写法により印刷層を形成しても良い。
(3)基材
本発明における基材は、上述した体積ホログラム積層体および印刷層を支持する部材である。
本発明における基材は、図7(b)に示すように、体積ホログラム積層体における支持層1と同一の部材として用いても良く、図示はしないが、体積ホログラム積層体における支持層とは別体であっても良い。
なお、本発明における基材については、上記「A.体積ホログラム積層体 1.構成 (3)支持層」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
(4)その他の部材
本発明の情報記録媒体は、上述した部材以外にも、必要に応じてその他の部材を有していても良い。
本発明におけるその他の部材としては、例えば、帯電防止層、接着層または粘着剤層、離型層、磁気記録層、ICチップ、光学記録層等が挙げられ、用途に応じて各層を適時積層することができる。
2.用途
本発明の情報記録媒体の用途としては、例えば、商品券、証券、株券などの金券類、磁気カード、ICカード等の各種カード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、公共競技投票券等が挙げられる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1 … 支持層
2 … レーザーエングレーブ層
3 … 体積ホログラム層
4 … オーバーコート層
10 … 体積ホログラム積層体
100… 情報記録媒体

Claims (7)

  1. 支持層と、前記支持層の一方の面に配置され、レーザー光の照射により発色するレーザーエングレーブ層と、前記レーザーエングレーブ層の前記支持層とは反対側の面に配置され、干渉縞により再生画像が記録された体積ホログラム層とを有する体積ホログラム積層体であって、
    前記レーザーエングレーブ層は、絵柄を有し、
    前記レーザーエングレーブ層の絵柄は、前記体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄であることを特徴とする体積ホログラム積層体。
  2. 前記体積ホログラム層の再生画像は、前記体積ホログラム層に対し、前記体積ホログラム層の少なくとも一方の面から、上下40mm以内に再生画像が結像することを特徴とする請求項1に記載の体積ホログラム積層体。
  3. 前記レーザーエングレーブ層の前記支持層とは反対側の面に、オーバーコート層を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の体積ホログラム積層体。
  4. 支持層と、前記支持層の一方の面に配置され、レーザー光の照射により発色するレーザーエングレーブ層と、前記レーザーエングレーブ層の前記支持層とは反対側の面に配置され、干渉縞による再生画像が記録された体積ホログラム層とを有する積層体を準備する準備工程と、
    前記体積ホログラム層の再生画像を再生することができる再生角度から、前記体積ホログラム層を介して前記レーザーエングレーブ層にレーザー光を照射して絵柄を描画する描画工程と
    を有し、
    前記描画工程で用いられるレーザー光は、前記体積ホログラム層を介して前記レーザーエングレーブ層にレーザー光を照射した際、前記体積ホログラム層の再生画像により反射される波長を有し、
    前記描画工程により、前記レーザーエングレーブ層に描画された絵柄は、前記体積ホログラム層の再生画像の絵柄と少なくとも一部が同じ絵柄であることを特徴とする体積ホログラム積層体の製造方法。
  5. 前記描画工程で用いられるレーザー光は、前記体積ホログラム層の再生画像を再生する再生波長の±10nmの範囲内に、波長ピークを有することを特徴とする請求項4に記載の体積ホログラム積層体の製造方法。
  6. 前記再生角度は、前記体積ホログラム層の法線とのなす角度が、
    60°以下であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の体積ホログラム積層体の製造方法。
  7. 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の体積ホログラム積層体を有することを特徴とする情報記録媒体。
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