JP2019008010A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着装置および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019008010A
JP2019008010A JP2017121043A JP2017121043A JP2019008010A JP 2019008010 A JP2019008010 A JP 2019008010A JP 2017121043 A JP2017121043 A JP 2017121043A JP 2017121043 A JP2017121043 A JP 2017121043A JP 2019008010 A JP2019008010 A JP 2019008010A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing belt
temperature
temperature change
fixing
heating source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017121043A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6958015B2 (ja
Inventor
早瀬 徹
Toru Hayase
徹 早瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2017121043A priority Critical patent/JP6958015B2/ja
Publication of JP2019008010A publication Critical patent/JP2019008010A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6958015B2 publication Critical patent/JP6958015B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】定着ベルトの回転状態を正確に検出することが可能な定着装置および画像形成装置を提供する。【解決手段】定着装置は、回転可能な無端状の定着ベルトと、定着ベルトを加熱する加熱源と、定着ベルトの温度を検出する温度検出部と、温度検出部により検出された温度の変化量を単位時間で1回微分した温度変化速度を逐次算出し、温度変化速度の算出結果に応じて定着ベルトの回転状態を検出する制御部と、を備え、制御部は、温度変化速度の絶対値が第1の所定値未満の場合、定着ベルトの回転状態が不良であると検出する。【選択図】図3

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
一般に、電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置(プリンター、複写機、ファクシミリ等)は、帯電した感光体ドラム(像担持体)に対して、画像データに基づくレーザー光を照射(露光)することにより静電潜像を形成する。そして、静電潜像が形成された感光体ドラムへ現像装置よりトナーを供給することにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。さらに、このトナー像を直接または間接的に用紙に転写させた後、定着ニップで加熱、加圧して定着させることにより用紙にトナー像を形成する。
定着装置においては、定着ベルトの内側に位置する押圧部材と、加圧ローラーとの間で定着ベルトを挟むことにより定着ニップを形成するものが知られている。このような定着装置では、加圧ローラーの回転に定着ベルトが従動回転するが、押圧部材と定着ベルトとの間の摩擦力が増大すると、加圧ローラーが回転しても、定着ベルトが回転せずスリップするという問題が発生する。
このような定着ベルトの回転不良の問題が発生すると、定着ベルトが加熱源により加熱される部分と加熱されない部分とが発生し、ひいては温度ムラが発生する。また、定着ベルトが回転しないため、用紙を安定して搬送することができなくなる。その結果、画像ノイズ、用紙詰まりの原因となるので、当該問題が発生することを防止する必要がある。
このような問題を防止するために、従来、定着ベルトの検出温度を用いて定着ベルトの回転状態を検出する技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、単位時間での検出温度の推移と、予め規定されている値とを逐次比較することにより定着ベルトの回転状態を検出する。
また、特許文献2に記載の技術では、温度立ち上げ時の初期温度に応じて、温度立ち上げ時から所定時間経過後の温度上昇値と閾値とを比較することにより定着ベルトの回転状態を検出している。
また、特許文献3に記載の技術では、定着ベルトの検出温度が目標温度であり、かつ、温度リップルがある場合、定着ベルトが回転していると判定する。
特開2001−102163号公報 特開2010−276971号公報 特開2016−118621号公報
しかしながら、上記文献に記載の技術では、定着ベルトの回転状態を正確に検出することができないおそれがあった。例えば、特許文献1には、検出温度が低下する傾向を用いて定着ベルトの回転不良を検出すると記載されているが、このような傾向は厚紙が混在する場合にも発生し得る。この理由としては、用紙の厚さに応じて設定される電力が異なることから、ユーザーが温度を誤設定したようなとき等にエネルギーを多く取られてしまうことに起因して温度低下する場合がある。このような場合、検出温度が低下する傾向を用いて定着ベルトの回転不良であるかを正確に検出することが困難である。
また、特許文献2に記載の技術は、温度立ち上げ時における制御であるため、温度立ち上げ時以外では定着ベルトの回転状態を検出することができない。また、特許文献3には、定着ベルトの検出温度が目標温度から外れた場合、定着ベルトが回転していても、定着ベルトが回転不良であると検出してしまう。
本発明の目的は、定着ベルトの回転状態を正確に検出することが可能な定着装置および画像形成装置を提供することである。
本発明に係る定着装置は、
回転可能な無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトを加熱する加熱源と、
前記定着ベルトの温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部により検出された温度の変化量を単位時間で1回微分した温度変化速度を逐次算出し、前記温度変化速度の算出結果に応じて前記定着ベルトの回転状態を検出する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記温度変化速度の絶対値が第1の所定値未満の場合、前記定着ベルトの回転状態が不良であると検出する。
本発明に係る画像形成装置は、
上記した定着装置を備える。
本発明によれば、定着ベルトの回転状態を正確に検出することができる。
第1実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。 第1実施の形態に係る画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。 定着部の拡大図である。 温度立ち上げ時における時間に対する定着ベルトの温度を示す図である。 図4における温度を温度変化速度として変換した結果示す図である。 温度に対する所定速度の変化を示す図である。 1分の温度調整後定着ベルトが停止した場合における時間に対する定着ベルトの温度を示す図である。 図7における温度を温度変化速度として変換した結果を示す図である。 15分の温度調整後定着ベルトが停止した場合における時間に対する定着ベルトの温度を示す図である。 図9における温度を温度変化速度として変換した結果を示す図である。 図4における温度を温度変化加速度として変換した結果示す図である。 図7における温度を温度変化加速度として変換した結果を示す図である。 図9における温度を温度変化加速度として変換した結果を示す図である。 変形例に係る画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、第1実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、第1実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、給紙トレイユニット51a〜51cから送出された用紙Sに二次転写することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部101を備える。定着部60は、本発明の「定着装置」に対応する。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104等を備える。CPU102は、ROM103から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM104に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロック等の動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部101は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部101は、例えば、外部の装置から送信された画像データ(入力画像データ)を受信し、この画像データに基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
図1に示すように、画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
図2に示すように、操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部101から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部101に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部101の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
図1に示すように、画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばドラム状の金属基体の外周面に、有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層が形成された有機感光体よりなる。
制御部101は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、例えば帯電チャージャーであり、コロナ放電を発生させることにより、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。その結果、感光体ドラム413の表面のうちレーザー光が照射された画像領域には、背景領域との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、二成分逆転方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分の現像剤を付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
現像装置412には、例えば帯電装置414の帯電極性と同極性の直流現像バイアス、または交流電圧に帯電装置414の帯電極性と同極性の直流電圧が重畳された現像バイアスが印加される。その結果、露光装置411によって形成された静電潜像にトナーを付着させる反転現像が行われる。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に当接され、弾性体よりなる平板状のドラムクリーニングブレード等を有し、中間転写ベルト421に転写されずに感光体ドラム413の表面に残留するトナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部101からの制御信号によって回転駆動される。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側、つまり一次転写ローラー422と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側、つまり二次転写ローラー424と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。
定着部60は、用紙Sの定着面、つまりトナー像が形成されている面側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、および、用紙Sの裏面つまり定着面の反対の面側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを挟持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。
図3に示すように、上側定着部60Aは、定着面側部材である無端状の定着ベルト61、加熱源62、押圧部材63、支持部材65および温度検出部66を有する。
定着ベルト61は、内側から順に、基層(例えば、ポリイミド)、弾性層(例えば、シリコーンゴム)および表層(例えば、PFAチューブ)を有する。定着ベルト61の内部には、加熱源62、押圧部材63、支持部材65および温度検出部66が位置する。
なお、定着ベルト61としては、例えば、外径が、30mm、基層の厚みが70μm、弾性層の厚みが200μm、表層の厚みが30μm、定着ベルト61の軸方向の長さが330mmのものを用いることができる。また、定着ベルト61の回転周期は、例えば1.1sに設定される。
加熱源62は、例えば、加熱範囲の長さ、電力がそれぞれ異なる2本のハロゲンヒーターである。なお、加熱源62のうち、例えば、1本目のヒーターとしては、軸方向の長さが340mm、電力が1200W、加熱範囲が300mmのものを用いることができる。また、2本目のヒーターとしては、軸方向の長さが340mm、電力が800W、加熱範囲が180mmのものを用いることができる。
加熱源62は、PWM制御によって加熱制御される。具体的には、点灯デューティーが20%で制御周期が2sの場合、点灯時間が0.4sであり、消灯時間が1.6sである。また、点灯デューティーが80%で制御周期が2sの場合、点灯時間が1.6sであり、消灯時間が0.4sである。本実施の形態では、加熱源62の最小点灯時間が0.4sに設定される。
押圧部材63は、定着ベルト61を加圧ローラー64に向けて押圧することで、加圧ローラー64との間で定着ニップを形成する。なお、押圧部材63としては、例えば材質がLCP(Liquid Crystal Polymer)、端部の厚みが2mm、中央の厚みが2.1mmのものを用いることができる。
押圧部材63と定着ベルト61との間には、定着ベルト61と押圧部材63との間の摩擦力を低減する低摩擦シートが配置される。低摩擦シートとしては、例えば材質がポリテトラフルオロエチレン、定着ベルト61側の表面にエンボス加工、厚みが200μm、摩擦係数が0.18未満のものを用いることができる。
支持部材65は、押圧部材63を支持し、加圧ローラー64からの加圧力による押圧部材63の変形を防止する。支持部材65としては、例えば、材質がSECC、厚みが2.0tのL字形状のものを用いることができる。
また、加熱源62は、支持部材65のL字形状における縦に延びる部分及び横に延びる部分と対向している。このため、加熱源62は、支持部材65と、定着ベルト61とで囲まれている。この定着ベルト61内における、加熱源62を挟んで支持部材65と反対側の部分は、加熱源62により加熱される加熱領域である。
支持部材65の押圧部材63とは反対側の表面には、図示しない反射板が配置されている。反射板は、加熱源62の熱を定着ベルト61に向けて反射する。なお、反射板としては、例えば材質が高反射率のアルミ、厚みが0.5tのL字形状のものを用いることができる。
温度検出部66は、定着ベルト61の内周面に接触することにより定着ベルト61の温度を検出する接触型のサーミスタであり、図示しない板バネやスポンジ等で定着ベルト61に圧接されている。温度検出部66は、定着ベルト61内における、支持部材65に対して加熱源62とは反対側である非加熱領域に配置されている。これにより、加熱源62からの熱の影響を受けることなく、定着ベルト61の温度を検出することができる。
なお、温度検出部66は、支持部材65に図示しない樹脂部材を介して固定されており、例えば、定着ベルト61の回転方向における定着ニップの下流側端部から20mmの位置に配置される。
また、定着ベルト61の加熱領域に対応する位置、具体的には、定着ベルト61の回転方向(図示時計周り方向)の中心位置から温度検出部66に対応する位置までにおける定着ベルト61の移動時間は、例えば0.27sに設定される。
下側定着部60Bは、裏面側支持部材である加圧ローラー64を有する。加圧ローラー64は、定着ベルト61との間で用紙Sを挟持して搬送する定着ニップを形成している。加圧ローラー64は、本発明の「回転部材」に対応する。
なお、加圧ローラー64としては、外径が約30mm、具体的には、芯金(例えば、鉄)の外径が25mm、弾性層(例えば、シリコーンゴム)の厚みが2.5mm、表層(例えば、PFAチューブ)の厚みが30μmで、軸方向の長さが340mmのものを用いることができる。
図1に示すように、用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aを含む複数の搬送ローラー対を有する。レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部は、用紙Sの傾きおよび片寄りを補正する。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。画像形成部40においては、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
ところで、定着部60では、加圧ローラー64の回転に定着ベルト61が従動回転するが、押圧部材63と定着ベルト61との間の摩擦力が増大すると、加圧ローラー64が回転しても、定着ベルト61が回転せずスリップするという問題が発生する。
このような定着ベルト61の回転不良の問題が発生すると、定着ベルト61が加熱源62により加熱される部分と加熱されない部分とが発生し、ひいては温度ムラが発生する。また、定着ベルト61が回転しないため、用紙Sを安定して搬送することができなくなる。その結果、画像ノイズ、用紙詰まりの原因となるので、当該問題が発生することを防止する必要がある。
そこで、本実施の形態では、制御部101は、温度検出部66の検出温度に基づいて、単位時間あたりの温度変化速度を逐次算出する。制御部101は、温度変化速度の算出結果に応じて定着ベルト61の回転状態を検出する。
温度変化速度は、温度検出部66により検出された温度の変化量を単位時間で1回微分した値であり、式(1)のように示される。
温度変化速度=(T−Tnー1)/Δt・・・(1)
Δt:単位時間(t−tnー1
:時間tのときの検出温度
n:任意の自然数
単位時間は、例えば、0.1sであり、定着ベルト61の回転周期(例えば、1.1s)未満に設定される。このようにすることで、定着ベルト61の回転状態を精度良く検出することができる。
次に、定着ベルト61の回転状態の検出について説明する。まず、加熱源62の動作を開始して、温度を立ち上げた際における、定着ベルト61の回転状態の検出について説明する。
図4に示すように、定着ベルト61が停止(スリップ)している場合、定着ベルト61が停止して、温度検出部66と対向する部分が動かないので、温度検出部66により検出される温度(以下、検出温度)は常温(25℃)付近の温度のままとなる。
定着ベルト61が回転している場合、定着ベルト61が回転して加熱源62により加熱された部分が温度検出部66の位置に移動するので、温度検出部66の検出温度が、時間が経過するにつれ上昇していく。
これらの温度変化の様子を単位時間あたりの温度変化速度に変換すると、図5に示すように、定着ベルト61の停止時については、温度変化がないため、加熱部62の動作開始直後に多少の変動はあるものの、温度変化速度が略0で略一定値となることが確認できる。それに対し、定着ベルト61の回転時については、温度検出部66の検出温度が上昇しているため、温度変化速度が波状に変動した状態で推移することが確認できる。
制御部101は、この温度変化速度の絶対値が所定速度未満である状態が所定時間続いた場合、定着ベルト61の回転状態が不良であると判定する。所定速度は、本発明の「第1の所定値」に対応する。
所定速度は、温度検出部66の検出温度に応じて変動する値であり、所定速度に基づいて温度が、所定時間経過するまでに定着ベルト61が変形する温度まで上昇しない程度の温度に設定される。具体的には、図6に示すように、所定速度は、温度検出部66の検出温度が上昇するにつれ、小さくなるように設定される。
所定時間は、所定速度や定着部60における各部品に応じて決定される時間であり、本実施の形態では、例えば1sに設定される。
このように制御することにより、定着ベルト61が停止している場合、温度検出部66の検出温度が上昇しないため、温度変化速度は略0となるが、温度検出部66の検出温度に基づく所定速度が20℃/s付近の値となる。そのため、温度変化速度が所定速度未満である状態が所定時間続くので、制御部101により定着ベルト61の回転状態が不良であると判定される。
それに対し、定着ベルト61が回転している場合、温度検出部66の検出温度が時間の経過につれ上昇していくため、所定速度は時間の経過につれ減少していく。また、温度変化速度は、波状に変動しながら推移するので、例えば、図5における時間3sのところで、所定速度よりも小さくなることがある。しかし、所定時間連続で温度変化速度が所定速度未満になることがないため、制御部101により定着ベルト61の回転状態が不良であると検出されない。
次に、加熱源62の温度調整中における、定着ベルト61の回転状態の検出について説明する。具体的には、温度調整を行ってから1分後、及び、15分後に定着ベルト61が停止した場合についての定着ベルト61の回転状態の検出について説明する。まず、温度調整を行って1分後に定着ベルト61が停止した場合について説明する。
図7に示すように、定着ベルト61の回転時、定着ベルト61の温度にはリップルが生じる。リップルにおける温度の上昇部分については、加熱源62による加熱により起こる。リップルにおける温度の下降については、加圧ローラー64や押圧部材63への伝熱、通紙中における用紙Sへの熱伝導、および、空気中への放熱により起こる。
このような温度のリップルを温度変化速度に変換すると、図8に示すように、温度変化速度は0を跨いで正の値及び負の値を交互に行き来する推移となる。この温度変化速度は、所定速度未満となる部分が存在するが、所定時間連続して所定速度未満とならないので、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出されない。
定着ベルト61が停止した後、定着ベルト61の温度検出部66に対向する部分は、温度検出部66の位置で止まったままとなるため、空気への放熱によって当該部分の温度が下降していく。そのため、温度変化速度は負の値となり、所定速度を下回ったままとなるので、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出される。
次に、温度調整を行ってから15分後に定着ベルト61が停止した場合について説明する。図9に示すように、定着ベルト61の回転時においては、温度調整を行ってから1分後に定着ベルト61が停止した場合と同様である。
定着ベルト61が停止した後、空気への放熱によって、温度検出部66の検出温度が下降していく。15分温度調整が行われているので、図7と比較すると、下がり量が小さくなる。そして、検出温度が下がっていき、図10に示すように、温度変化速度は負の値となり、所定速度を下回ったままとなるので、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出される。
以上のように構成された本実施の形態によれば、定着ベルト61の温度変化速度を逐次算出することにより、定着ベルト61の回転状態を正確に検出することができる。そのため、定着ベルト61のスリップに起因する画像ノイズ、用紙詰まりが発生することを防止することができる。
例えば、特許文献1には、単位時間での検出温度の推移と、予め規定されている値とを逐次比較することにより定着ベルト61の回転状態を検出し、検出温度が低下する傾向を用いて定着ベルト61の回転不良を検出する技術が記載されている。
しかし、このような傾向は厚紙が混在する場合にも発生し得る。この理由としては、用紙の厚さに応じて設定される電力が異なることから、ユーザーが温度を誤設定したようなとき等にエネルギーを多く取られてしまうことに起因して定着ベルト61が温度低下する場合がある。このような場合、特許文献1に記載の技術では、検出温度が正常でないのか、定着ベルト61がスリップしているかを判定することが困難である。
本実施の形態では、温度変化速度を逐次算出することにより、定着ベルト61の回転状態を検出するため、例えば、厚紙が混在するような場合にも、図6、図8および図10に示すような検出結果を得ることができる。そのため、厚紙が混在するような場合においても、定着ベルト61の回転状態を正確に検出することができる。
また、特許文献2には、温度立ち上げ時の初期温度に応じて、温度立ち上げ時から一定時間経過後の温度上昇値と閾値とを比較することにより定着ベルト61の回転状態を検出する技術が記載されている。しかし、特許文献2に記載の技術は、温度立ち上げ時における制御であるため、温度立ち上げ時以外では定着ベルト61の回転状態を検出することができない。
本実施の形態では、温度調整時等、温度立ち上げ時以外においても、定着ベルト61の回転状態を検出することができる。また、逐次温度変化速度を算出するので、一定時間が経過するまでの間の温度変化速度を逐次算出することができる。そのため、定着ベルト61がスリップした場合、即座に定着ベルト61の回転状態が不良であると判定することができる。
また、特許文献3には、定着ベルト61の検出温度が目標温度であり、かつ、温度リップルがある場合、定着ベルト61が回転していると判定する技術が記載されている。しかし、特許文献3に記載の技術では、定着ベルト61の検出温度が目標温度から外れた場合、定着ベルト61が回転していても、定着ベルト61の回転状態が不良であると判定してしまう。
本実施の形態では、例えば、図4に示す温度立ち上げ時や、図7および図9に示す定着ベルト61の停止後のように、温度検出部66の検出温度が定着に適した温度となる目標温度から外れていても、図6、図8および図10に示すような検出結果を得ることができる。そのため、特許文献3に記載の技術のような回転不良の誤検出を抑制することができるので、ユーザーによるロスタイムが増加することを抑制することができる。
また、単位時間が定着ベルト61の回転周期未満であるので、定着ベルト61が一回転するまでの間に一回以上の頻度で定着ベルト61の温度が確実に検出される。そのため、定着ベルト61の一回転毎の温度変化を検出することができるので、温度変化速度に適した所定速度に設定しやすくすることができる。
また、加熱領域は図3に示す部分であるが、温度立ち上げ時は、定着ベルト61が十分に加熱されていないため、温度立ち上げ時における定着ベルト61の加熱領域に位置する任意の部分が最初に温度検出部66の位置に移動した際の温度検出部66の検出温度が小さくなる。ここで、単位時間が定着ベルト61の回転周期よりも大きい場合、このような傾向を見落としてしまい、温度変化速度に適した所定速度に設定されない可能性がある。
しかし、単位時間が定着ベルト61の回転周期未満であるので、このような傾向を見落とすことなく、温度変化速度に適した所定速度を設定することができる。
また、温度検出部66の検出温度に応じて所定速度を変化させるので、例えば、定着ベルト61が停止しているとき、定着ベルト61の温度が、例えば常温(25℃)の場合、温度変化速度は0となる。定着ベルト61の温度が高い(例えば、150℃)場合、空気との温度差が大きく、空気における放熱により温度が下がってくるので、温度変化速度は下降する。
このように、定着ベルト61が停止している場合でも、温度変化速度が変動するので、所定速度もそれに応じて変化させることにより、定着ベルト61の回転状態を正確に検出することができる。
また、温度検出部66が定着ベルト61の非加熱領域に配置されているので、温度検出部66の検出温度が加熱源62による加熱の影響を受けない。そのため、定着ベルト61が停止している場合による温度検出部66の検出温度の低下を効果的に検出することができる。
また、温度検出部66が定着ベルト61の内側に位置するので、用紙Sの定着ベルト61からの分離不良が発生して用紙Sが定着ベルト61に巻き付いた際にも、その影響を受けずに定着ベルト61の温度を検出することができる。
また、温度検出部66が非加熱領域、つまり、定着ニップと加熱領域との間の位置に位置するので、定着ニップにおける通紙の影響を受けず、また、加熱源62による温度変化を検出しやすくすることができる。
次に、第2実施の形態について説明する。
上記第1実施の形態では、制御部101が単位時間あたりの温度変化速度を逐次算出していたが、第2実施の形態では、制御部101が単位時間あたりの温度変化加速度を逐次算出する。制御部101は、温度変化加速度の算出結果に応じて定着ベルト61の回転状態を検出する。
温度変化加速度は、温度検出部66により検出された温度の変化量を単位時間で2回微分した値であり、式(2)のように示される。
温度変化加速度=(Tnー2+T−2×Tnー1)/(Δt)・・・(2)
次に、定着ベルト61の回転状態の検出について説明する。まず、加熱源62の動作を開始して、温度を立ち上げた際における、定着ベルト61の回転状態の検出について説明する。加熱源62の動作を開始して、温度を立ち上げた際の温度推移は、図4に示す例と同様である。
これらの温度変化の様子を単位時間あたりの温度変化加速度に変換すると、図11に示すように、定着ベルト61の停止時については、温度変化がないため、温度変化加速度が略0で略一定値となることが確認できる。
それに対し、定着ベルト61の回転時については、温度検出部66の検出温度が上昇しているため、温度変化加速度が波状に変動した状態で推移することが確認できる。ここで、図5に示すように、温度変化速度の場合、温度の上昇に伴い、温度変化が小さくなるため、温度変化速度の変動幅が徐々に小さくなる。そのため、温度変化速度の変動幅に応じて所定速度を変化させる必要が生じる。
しかし、第2実施の形態では、図11に示すように、温度変化速度をさらに微分した温度変化加速度を用いるため、0を跨いで正の値、及び、負の値を交互に行き来する変動となる。定着ベルト61が停止している際においても、温度変化加速度が略0となるので、所定加速度を0より大きい値とすれば良い。第2実施の形態では、所定加速度は、例えば5℃/sに設定される。そのため、温度変化加速度の比較基準となる所定加速度を変化させる必要がなくなるので、単純な制御にすることができる。所定加速度は、本発明の「第2の所定値」に対応する。
制御部101は、この温度変化加速度の絶対値が所定加速度未満である状態が所定時間続いた場合、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出する。
所定時間は、所定加速度に基づいて定着ベルト61の温度が、定着ベルト61が変形する温度まで上昇しない程度の時間に設定され、第2実施の形態では、例えば1sに設定される。
このように制御することにより、定着ベルト61の停止時においては、所定時間連続して温度変化加速度が所定加速度未満となるので、定着ベルト61の回転状態が不良であると判定される。
それに対し、定着ベルト61の回転時においては、温度変化速度が波状に変動しながら推移するので、所定加速度よりも小さくなることがある。しかし、所定時間連続で温度変化加速度が所定加速度未満になることがないため、制御部101により定着ベルト61の回転状態が不良であると検出されない。
次に、加熱源62の温度調整中における、定着ベルト61の回転状態の検出について説明する。具体的には、温度調整を行ってから1分後、及び、15分後に定着ベルト61が停止した場合についての定着ベルト61の回転状態の検出について説明する。まず、温度調整を行って1分後に定着ベルト61が停止した場合について説明する。
加熱源62の温度調整を行ってから1分後に定着ベルト61が停止した場合についての温度推移は、図7に示す例と同様である。
このような温度推移を温度変化加速度に変換すると、図12に示すように、温度変化加速度は0を跨いで正の値、及び、負の値を交互に行き来する推移となる。この温度変化加速度は、所定加速度未満となる部分が存在するが、所定時間連続して所定加速度未満とならないので、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出されない。
定着ベルト61が停止した後の場合、温度変化加速度は略0で一定値となり、所定加速度を下回ったままとなるので、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出される。
次に、温度調整を行ってから15分後に定着ベルト61が停止した場合について説明する。加熱源62の温度調整を行ってから15分後に定着ベルト61が停止した場合についての温度推移は図9に示す例と同様である。定着ベルト61の回転時においては、温度調整を行ってから1分後に定着ベルト61が停止した場合と同様である。
このような温度推移を温度変化加速度に変換すると、図13に示すように、温度変化加速度は0を跨いで正の値、及び、負の値を交互に行き来する推移となる。この温度変化加速度は、所定加速度未満となる部分が存在するが、所定時間連続して所定加速度未満とならないので、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出されない。
定着ベルト61が停止した後の場合、温度変化加速度は略0で一定値となり、所定加速度を下回ったままとなるので、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出される。
以上のように構成された第2実施の形態によれば、定着ベルト61の温度変化加速度を逐次算出することにより、定着ベルト61の回転状態を正確に検出することができる。そのため、定着ベルト61のスリップに起因する画像ノイズ、用紙詰まりが発生することを防止することができる。
また、所定加速度を変化させる必要がなくなるので、単純な制御にすることができる。その結果、定着ベルト61の回転状態を早く検出することができる。
なお、上記実施の形態では、単位時間を定着ベルト61の回転周期未満としていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、単位時間を定着ベルト61の加熱領域から温度検出部66までの回転時間未満としても良い。これにより、定着ベルト61における加熱源62で加熱された部分が温度検出部66まで移動するまでの間に1回以上温度を検出することができる。
また、単位時間を加熱源62の最小点灯時間未満としても良い。これにより、温度調整を長く行うときにおいて、加熱源62の点灯時間を短くし、加熱源62の消灯時間を長く取る制御を行った場合、加熱源62の加熱状態を確実に検出して、温度変化速度が正の値になる点を容易に判定することができる。
また、上記第1実施の形態では、所定速度は図6に示すグラフに従って、変化していたが、本発明はこれに限定されない。ここで、温度変化速度は、定着部60の暖まり度合いによって変化する。
例えば、定着部60がある程度暖まっている場合、温度変化速度が上昇する。例えば、図7に示す温度調整を1分行った場合と、図9に示す温度調整を15分行った場合とで、温度の低下する時間が変動する例が挙げられる。
具体的には、温度調整を15分行った場合では、温度調整を1分行った場合よりも定着部60が暖まっているので、定着ベルト61が停止した後において、温度変化が小さく、温度変化速度が若干大きくなる例が挙げられる。
このような傾向を考慮して、所定速度は、定着部60の暖まり度合いに応じて変化させても良い。例えば、定着部60の暖まり度合いが大きいほど、所定速度が小さくなるように設定する。
定着部60の暖まり度合いとしては、例えば、定着ベルト61の検出温度が100℃以上になった第1時間、および、温度調整されてない第2時間のそれぞれをカウントし、第1時間から第2時間を減算したカウント値を用いても良い。また、定着部60の暖まり度合いとしては、定着部60周囲の温度を検出するための温度検出素子の検出結果を用いても良い。
また、温度変化速度は、加熱源62の電力によっても変化する。具体的には、加熱源62の電力が大きいと、加熱量が大きくなり、ひいては温度が上昇するため、温度変化速度が大きくなる。このような傾向を考慮して、所定速度は、加熱源62の電力に応じて変化させても良い。
このようにすることで、さらに定着ベルト61の回転検出の正確性を増すことができる。ここで、見かけ上加熱源62の電力が変わっていれば、加熱源62の電力に応じて所定速度を変化させることと同様に所定速度を変化させる効果が得られる。そのため、微小単位における加熱源62の点灯時間および消灯時間を制御するデューティー制御に基づいて所定速度を変化させるようにしても良い。例えば、点灯デューティー(点灯時間/(点灯時間+消灯時間))に応じて所定速度を変化させても良い。
また、上記各実施の形態では、所定時間を1sとしていたが、本発明はこれに限定されず、定着部60の各部品の設定に応じて変動するようにしても良い。
具体的には、所定時間は、定着ベルト61の回転時において温度検出を行うのに必要な時間であるので、以下の式(3)に基づいて設定されるようにすると良い。
所定時間=t1+t2+t3・・・(3)
t1:(加熱領域から温度検出位置までの距離)/加圧ローラー64の回転速度
t2:加熱源62の制御周期
t3:温度検出部66の反応時間
このようにすることで、定着部60の各部品の設定に応じて所定時間が変わるので、定着ベルト61の回転状態の検出精度を向上させることができる。
また、定着ベルト61の温度がある程度暖まると、温度変化速度が小さくなるので、定着ベルト61の回転状態の検出が困難になる。そのため、制御部101は、加熱源62の制御周期又は加熱源62の電力を大きくする。これにより、加熱源62の加熱時間、および、非加熱時間の両方が長くなるので、温度変化速度が大きくなり定着ベルト61の回転状態を検出しやすくすることができる。
また、上記各実施の形態では、加熱源62の動作状態について言及されていなかったが、本発明はこれに限定されず、加熱源62の動作状態に応じて、定着ベルト61の回転状態を検出するようにしても良い。
この構成では、図14に示すように、画像形成装置1は、電流検知回路等の動作状態検出部67を有する。動作状態検出部67は、CPU102に接続され、加熱源62の動作状態を検出する。なお、動作状態検出部67は、加熱源62の光量を検出することにより、加熱源62の動作状態を検出するようにしても良い。
この構成において、制御部101は、加熱源62が動作状態である場合、定着ベルト61の回転状態を検出し、加熱源62が停止状態である場合、定着ベルト61の回転状態を検出しない。
このようにすることで、所定時間を短くすることができるので、定着ベルト61の回転状態の検出速度を速くすることができる。この理由は以下に述べる。
例えば、温度調整中における温度変化速度の場合、加熱源62を加熱状態とすると、温度が上昇するので、温度変化速度は上昇し、加熱源62を非加熱状態とすると、温度が下降するので、温度変化速度は下降する。定着ベルト61の暖まり度合いが大きくなると、加熱源62の加熱状態とする時間が短くなり、加熱源62の非加熱状態とする時間が長くなるため、温度変化速度が負の値となる時間が長くなる。
温度変化速度が負の値となる時間が長くなると、所定速度を下回る時間が長くなるため、所定時間が短い場合、定着ベルト61の回転状態が不良であると誤検出してしまう可能性がある。そのため、加熱源62の動作状態に基づいて、加熱源62が加熱状態の場合にのみ定着ベルト61の回転状態を検出するようにすることで、所定時間を短くすることができ、ひいては定着ベルト61の回転状態の検出速度を速くすることができる。
また、上記各実施の形態では、制御部101が温度変化速度または温度変化加速度を逐次算出することにより、定着ベルト61の回転状態を検出していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部101は、温度変化速度および温度変化加速度を逐次算出するようにしても良い。
この場合、制御部101は、例えば、加熱源62の動作開始時、つまり、温度立ち上げ時には、温度変化速度を定着ベルト61の回転状態の検出に用い、加熱源62の温度調整時には、温度変化加速度を定着ベルト61の回転状態の検出に用いる。
温度変化加速度のみを用いて定着ベルト61の回転状態の検出を行う場合、ある程度暖まった状態から温度立ち上げを行うと、加熱源62が非加熱状態とする時間が長くなるので、温度変化加速度が負の値となり、所定加速度を下回る時間が長くなる。
そのため、所定時間を長くする必要が生じてしまうが、温度立ち上げの際、温度変化速度を用いて所定速度を変化させるようにすることで、所定時間を長くする必要をなくすことができる。また、温度調整中においては、温度変化加速度を用いることで、所定加速度を変化させることなく、定着ベルト61の回転状態を検出することができる。
また、制御部101は、加熱源62の動作開始時には、温度変化加速度を定着ベルト61の回転状態の検出に用い、加熱源62の温度調整時には、温度変化速度を定着ベルト61の回転状態の検出に用いるようにしても良い。
また、上記第1実施の形態では、温度変化速度が所定速度未満である時間が連続で所定時間以上の場合、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出していたが、本発明はこれに限定されず、温度変化速度が所定速度未満である場合、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出しても良い。ただし、温度変化速度が波状に変動することを考慮すると、温度変化速度が所定速度未満である時間が連続で所定時間以上の場合、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出するようにすることが望ましい。
また、上記第2実施の形態では、温度変化加速度が所定加速度未満である時間が連続で所定時間以上の場合、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出していたが、本発明はこれに限定されず、温度変化加速度が所定加速度未満である場合、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出しても良い。ただし、温度変化加速度が波状に変動することを考慮すると、温度変化加速度が所定加速度未満である時間が連続で所定時間以上の場合、定着ベルト61の回転状態が不良であると検出するようにすることが望ましい。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
60 定着部
61 定着ベルト
62 加熱源
63 押圧部材
64 加圧ローラー
65 支持部材
66 温度検出部

Claims (18)

  1. 回転可能な無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトを加熱する加熱源と、
    前記定着ベルトの温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部により検出された温度の変化量を単位時間で1回微分した温度変化速度を逐次算出し、前記温度変化速度の算出結果に応じて前記定着ベルトの回転状態を検出する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記温度変化速度の絶対値が第1の所定値未満の場合、前記定着ベルトの回転状態が不良であると検出する、
    定着装置。
  2. 回転可能な無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトを加熱する加熱源と、
    前記定着ベルトの温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部により検出された温度の変化量を単位時間で2回微分した温度変化加速度を逐次算出し、前記温度変化加速度の算出結果に応じて前記定着ベルトの回転状態を検出する制御部と、
    を備える定着装置。
  3. 前記制御部は、前記温度変化加速度の絶対値が第2の所定値未満の場合、前記定着ベルトの回転状態が不良であると検出する、
    請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記制御部は、前記温度変化速度の絶対値が前記第1の所定値未満である時間が連続で所定時間以上の場合、前記定着ベルトの回転状態が不良であると検出する、
    請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記第1の所定値は、前記定着ベルトの温度、前記定着装置の暖まり度合い、及び、前記加熱源の電力の少なくとも一つに応じて変化するように設定される、
    請求項1または請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記制御部は、前記温度変化加速度の絶対値が前記第2の所定値未満である時間が連続で所定時間以上の場合、前記定着ベルトの回転状態が不良であると検出する、
    請求項3に記載の定着装置。
  7. 前記所定時間は、前記加熱源の制御周期、及び、前記定着ベルトとの間で定着ニップを形成する回転部材の回転速度の少なくとも一方に基づいて設定される、
    請求項4または請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記加熱源の動作状態を検出する動作状態検出部を備え、
    前記制御部は、前記動作状態検出部の検出結果に応じて、前記定着ベルトの回転状態を検出する、
    請求項1〜7の何れか1項に記載の定着装置。
  9. 前記定着ベルトは、前記加熱源により加熱される加熱領域と、前記加熱源により加熱されない非加熱領域とを含み、
    前記温度検出部は、前記非加熱領域に位置する、
    請求項1〜8の何れか1項に記載の定着装置。
  10. 前記単位時間は、前記定着ベルトの回転周期未満である、
    請求項1〜9の何れか1項に記載の定着装置。
  11. 前記定着ベルトは、前記加熱源により加熱される加熱領域と、前記加熱源により加熱されない非加熱領域とを含み、
    前記単位時間は、前記定着ベルトの前記加熱領域に対応する位置から前記温度検出部に対応する位置までにおける前記定着ベルトの移動時間未満である、
    請求項1〜9の何れか1項に記載の定着装置。
  12. 前記単位時間は、前記加熱源の最小点灯時間未満である、
    請求項1〜9の何れか1項に記載の定着装置。
  13. 前記制御部は、前記定着装置の温度に応じて、前記加熱源の制御周期を長くする、又は、前記加熱源の電力を大きくする、
    請求項1〜12の何れか1項に記載の定着装置。
  14. 前記温度検出部は、前記定着ベルトの内周面に接触する、
    請求項1〜13の何れか1項に記載の定着装置。
  15. 前記制御部は、
    前記温度検出部の検出結果に基づいて単位時間あたりの温度変化速度及び温度変化加速度を逐次算出し、
    前記加熱源の動作開始時には、前記温度変化速度を前記定着ベルトの回転状態の検出に用い、
    前記加熱源の温度調整時には、前記温度変化加速度を前記定着ベルトの回転状態の検出に用いる、
    請求項1〜14の何れか1項に記載の定着装置。
  16. 前記制御部は、
    前記温度検出部の検出結果に基づいて単位時間あたりの温度変化速度及び温度変化加速度を逐次算出し、
    前記加熱源の動作開始時には、前記温度変化加速度を前記定着ベルトの回転状態の検出に用い、
    前記加熱源の温度調整時には、前記温度変化速度を前記定着ベルトの回転状態の検出に用いる、
    請求項1〜14の何れか1項に記載の定着装置。
  17. 前記定着ベルトとの間で定着ニップを形成する回転部材と、
    前記定着ベルトの内側から前記回転部材を押圧する押圧部材と、
    を備え、
    前記定着ベルトは、前記回転部材の回転に従動回転する、
    請求項1〜16の何れか1項に記載の定着装置。
  18. 請求項1〜17の何れか1項に記載の定着装置を備える、
    画像形成装置。
JP2017121043A 2017-06-21 2017-06-21 定着装置および画像形成装置 Active JP6958015B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017121043A JP6958015B2 (ja) 2017-06-21 2017-06-21 定着装置および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017121043A JP6958015B2 (ja) 2017-06-21 2017-06-21 定着装置および画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019008010A true JP2019008010A (ja) 2019-01-17
JP6958015B2 JP6958015B2 (ja) 2021-11-02

Family

ID=65028826

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017121043A Active JP6958015B2 (ja) 2017-06-21 2017-06-21 定着装置および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6958015B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021004914A (ja) * 2019-06-25 2021-01-14 株式会社リコー 定着装置と画像形成装置
JP2021033183A (ja) * 2019-08-29 2021-03-01 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置、画像形成装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001102163A (ja) * 1999-09-30 2001-04-13 Canon Inc 加熱装置、像加熱装置および画像形成装置
JP2010266694A (ja) * 2009-05-14 2010-11-25 Oki Data Corp 加熱装置およびそれを備えた画像形成装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001102163A (ja) * 1999-09-30 2001-04-13 Canon Inc 加熱装置、像加熱装置および画像形成装置
JP2010266694A (ja) * 2009-05-14 2010-11-25 Oki Data Corp 加熱装置およびそれを備えた画像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021004914A (ja) * 2019-06-25 2021-01-14 株式会社リコー 定着装置と画像形成装置
JP7238625B2 (ja) 2019-06-25 2023-03-14 株式会社リコー 定着装置と画像形成装置
JP2021033183A (ja) * 2019-08-29 2021-03-01 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置、画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6958015B2 (ja) 2021-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6992286B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP5640750B2 (ja) 定着装置、画像形成装置、定着制御方法
JP5751428B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5963105B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5948923B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5929877B2 (ja) 画像形成装置
JP2014228789A (ja) 定着装置、画像形成装置および表面回復方法
JP2008216294A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2017111253A (ja) 画像形成装置、および画像形成装置の制御方法
JP6252541B2 (ja) 画像形成装置、画像形成システムおよび加熱制御方法
JP6958015B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP5454832B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2015148760A (ja) 定着ベルト、定着装置および画像形成装置
JP6187224B2 (ja) 画像形成装置
JP5803885B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2019086747A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2008241843A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP7310376B2 (ja) 定着装置、画像形成装置および定着方法
JP2012083648A (ja) 定着処理のための加熱制御方法と当該加熱制御方法を実施する定着装置並びに画像形成装置
JP5190209B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2018084609A (ja) 定着装置、画像形成装置および圧力切替方法
JP6405693B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP6331458B2 (ja) 画像形成装置
JP6443134B2 (ja) 用紙姿勢調整装置、定着装置及び画像形成装置
JP2023034497A (ja) 定着装置、及び、画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190708

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20191011

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210610

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6958015

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150