JP2019007454A - 可変容量形ポンプ - Google Patents

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石井 徹哉
Tetsuya Ishii
徹哉 石井
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Abstract

【課題】 コイルスプリングの位置規制構造の簡素化および小型化を実現できる可変容量形ポンプを提供する。【解決手段】 可変容量形ベーンポンプ1は、リターンスプリング15の第1端部15aに挿入され、第1端部15aと当接する凸部41を有する。【選択図】 図2

Description

本発明は、可変容量形ポンプに関する。
特許文献1には、カムリングを付勢するコイルスプリングを有する可変容量形ポンプが記載されている。コイルスプリングは、ポンプハウジングの外側から取り付けられたねじ込み式のプラグによって位置規制されている。
特開2016-98802号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、プラグの凹部でリターンスプリングの一端部外周を包囲することでリターンスプリングの位置規制を行っているため、位置規制構造の複雑化および大型化を招くという問題があった。
本発明の目的の一つは、コイルスプリングの位置規制構造の簡素化および小型化を実現できる可変容量形ポンプを提供することにある。
本発明の一実施形態における可変容量形ポンプは、コイルスプリングの1対の端部である第1端部または第2端部に挿入される凸部であって、凸部とコイルスプリングとが当接することにより第2流体圧室内におけるコイルスプリングの所定以上の移動を規制する凸部を有する。
よって、コイルスプリングの位置規制構造の簡素化および小型化を実現できる。
実施形態1の可変容量形ベーンポンプ1を示す軸方向断面図である。 図1のS2-S2線矢視断面図である。 リターンスプリング15の向きとストローク量との関係を示す図である。 実施形態2の可変容量形ベーンポンプ42を示す図1のS2-S2線矢視断面図である。 実施形態2のアダプタリング9の斜視図である。 実施形態3の可変容量形ベーンポンプ44を示す図1のS2-S2線矢視断面図である。 実施形態3のカムリング8の斜視図である。 実施形態3のカムリング8の偏心量が最小のときのリターンスプリング15と凸部45との関係を示す図である。
〔実施形態1〕
図1は実施形態1の可変容量形ベーンポンプ1を示す軸方向断面図、図2は図1のS2-S2線矢視断面図である。
可変容量形ベーンポンプ(可変容量形ポンプ)1は、車両のエンジンルーム内に配置され、図外のパワーステアリング装置の油圧発生源として用いられる。可変容量形ベーンポンプ1は、ポンプハウジング4およびポンプ要素5を有する。可変容量形ベーンポンプ1は、駆動軸6によりポンプ要素5を回転駆動することでポンプ作用を行う。
ポンプハウジング4は、アルミニウム合金製であって、ハウジング本体部4b、アダプタリング9およびプレッシャプレート10を有する。ハウジング本体部4bは、フロントボディ2およびリアカバー3を有する。フロントボディ2は、有底カップ状に形成されている。リアカバー3は、フロントボディ2の内部空間を塞ぐようにフロントボディ2とボルト締結されている。アダプタリング9は、フロントボディ2の内部に配置され、略円環状に形成されている。アダプタリング9は、フロントボディ2の内周面2cに固定されている。プレッシャプレート10は、フロントボディ2の内部に配置され、フロントボディ2の内底面2aと当接する。プレッシャプレート10は、略円盤状に形成されている。
ポンプ要素5は、ハウジング本体部4bの内部であって、アダプタリング9、プレッシャプレート10およびリアカバー3で囲まれたポンプ要素収容空間4aに収容されている。ポンプ要素5は、ロータ7およびカムリング8を有する。ロータ7は、駆動軸6と一体に回転する。カムリング8は、ロータ7の外周側に位置し、略円環状に形成されている。カムリング8は、ロータ7に対する偏心量が変化する方向に揺動可能である。ここで、カムリング8のロータ7に対する偏心量は、駆動軸6の回転軸線の直交断面におけるカムリング8の内周縁の中心O1と、駆動軸6の回転軸線O2とのオフセット量によって定義される。つまり、O2に対するO1のオフセット量が最大のとき偏心量は最大となり、オフセット量が最小のとき偏心量は最小となる。なお、最小のオフセット量は0に限らない。
アダプタリング9およびプレッシャプレート10は、位置決めピン11によりハウジング本体部4bに対する相対回転が規制されている。位置決めピン11の図2中時計回り方向側(後述する第1流体圧室14a側)には、板部材12が設置されている。板部材12は、カムリング8の揺動支点機能と、カムリング8およびアダプタリング9間をシールするシール機能とを有する。アダプタリング9の内周面のうち径方向で板部材12と対向する位置には、アダプタリング9とカムリング8との間をシールするシール部材13が配置されている。シール部材13および板部材12は、カムリング8およびアダプタリング9間に一対の流体圧室14a,14bを形成する。つまり、カムリング8の径方向一方側には第1流体圧室14aが形成され、径方向他方側には第2流体圧室14bが形成されている。両流体圧室14a,14b間の圧力差によりカムリング8が揺動することで、カムリング8のロータ7に対する偏心量が増減する。
カムリング8は、リターンスプリング(コイルスプリング)15によりロータ7との偏心量が最大となる方向に常時付勢されている。以下、リターンスプリング15の軸線方向にX軸を設定し、リターンスプリング15がカムリング8を付勢する方向をX軸正方向とする。リターンスプリング15は、X軸負方向側からX軸正方向側へ向かって内径が徐々に大きくなる円錐コイルばねである。リターンスプリング15は、圧縮状態でフロントボディ2とカムリング8との間の径方向間に装着されている。リターンスプリング15の第1端部15aはフロントボディ2の内周面2cと当接し、第2端部15bはカムリング8の外周面と当接する。アダプタリング9には、アダプタリング9をX軸方向に貫通する貫通孔9aが形成されている。貫通孔9aには、リターンスプリング15が貫通する。
ロータ7はその外周部に、径方向に沿って切り欠かれた複数のスロット7aを有する。各スロット7aは、周方向に等ピッチで並ぶ。各スロット7aには、略平板状のベーン16がロータ7の径方向で出没自在に収容されている。各ベーン16がカムリング8およびロータ7間の環状空間を周方向で仕切ることにより、複数のポンプ室17が形成されている。ロータ7を駆動軸6により図2中反時計回り方向に回転駆動することで、各ポンプ室17がその容積を増減させながら周回移動してポンプ作動が行われる。各ベーン16は、各スロット7aの内周側に形成された背圧室7bに導入される作動油の圧力により、カムリング8の内周面に押し付けられる。
リアカバー3のうちポンプ要素収容空間4aに臨む内側面3aには、ロータ7の回転に伴い各ポンプ室17の容積が漸次拡大する吸入領域に該当する部分には、周方向に沿う正面視略三日月状の第1吸入ポート18が形成されている。第1吸入ポート18は、リアカバー3に形成された吸入通路19aと連通する。これにより、図外のリザーバタンクに接続される吸入パイプ20を介して吸入通路19a内に導入された作動油が、上記吸入領域におけるポンプ吸入作用によって各ポンプ室17に吸入される。
プレッシャプレート10のうちロータ7と対向する面には、第1吸入ポート18と対向する位置に、その第1吸入ポート18と略同形状の第2吸入ポート21が形成されている。第2吸入ポート21は、フロントボディ2に形成された還流通路22と連通する。還流通路22は、フロントボディ2のうち駆動軸6との間をシールするシール部材が収容された凹部と連通する。上記シール部材の余剰油が、上記吸入領域におけるポンプ吸入作用により各ポンプ室17へ供給されることで、上記余剰油の外部への漏出が防止される。
プレッシャプレート10のうちロータ7と対向する面には、ロータ7の回転に伴って各ポンプ室17の容積が漸次縮小する吐出領域に該当する部分に、周方向に沿う正面視略三日月状の第1吐出ポート23が形成されている。第1吐出ポート23は、フロントボディ2のうちプレッシャプレート10に対向する内底面2aに凹設された圧力室24を介して吐出通路19bと連通する。これにより、上記吐出領域におけるポンプ吐出作用により各ポンプ室17から吐出された作動油が、圧力室24および吐出通路19bを通じてポンプハウジング4外へ吐出され、パワーステアリング装置の油圧パワーシリンダに送られる。プレッシャプレート10は、圧力室24内の圧力によりロータ7側へ押圧されている。
リアカバー3の内側面3aのうち第1吐出ポート23と対向する位置に、その第1吐出ポート23と略同形状の第2吐出ポート25が形成されている。両吸入ポート18,21および両吐出ポート23,25を、それぞれ各ポンプ室17を挟んで軸方向対称に配置することにより、上記各ポンプ室17の軸方向両側の圧力バランスが保たれている。
フロントボディ2のうち上端側の内部には、ポンプ吐出圧を制御するコントロールバルブ(制御バルブ)26が、駆動軸6と直交する方向(X軸方向)に設けられている。コントロールバルブ26は、フロントボディ2にX軸正方向側からX軸負方向側へ向けて形成されている。コントロールバルブ26は、弁孔28、スプール29およびコントロールバルブスプリング30を有する。弁孔28の図2中左側の開口部はプラグ27により閉塞されている。スプール29は、弁孔28内に軸方向摺動自在に収容されている。スプール29は略有底円筒状に形成されたスプール弁体である。コントロールバルブスプリング30は、スプール29をプラグ27側に向けて付勢する。コントロールバルブスプリング30は、円筒圧縮コイルスプリングである。
弁孔28内には、高圧室28a、中圧室28bおよび低圧室28cがスプール29により隔成されている。高圧室28aには、吐出通路19bに形成された図外のメータリングオリフィスの上流側の油圧、つまり圧力室24の油圧が導入される。中圧室28bは、コントロールバルブスプリング30を収容し、上記メータリングオリフィスの下流側の油圧が導入される。低圧室28cは、スプール29の外周側に形成され、低圧通路31を介して吸入通路19aからポンプ吸入圧が導入される。
スプール29は、中圧室28bおよび高圧室28a間の圧力差に応じて軸方向に移動する。具体的には、中圧室28bおよび高圧室28a間の圧力差が比較的小さく、スプール29がプラグ27と当接した状態にあるときには、第1流体圧室14aおよび弁孔28間を連通する連通路32が低圧室28cに開口し、低圧室28cの比較的低い油圧が第1流体圧室14aに導入される。一方、中圧室28bおよび高圧室28a間の圧力差が増大し、スプール29がコントロールバルブスプリング30の付勢力に抗して軸方向に移動すると、低圧室28cおよび第1流体圧室14a間の連通が漸次遮断され、高圧室28aが連通路32を介して第1流体圧室14aに連通する。これにより、高圧室28aの比較的高い油圧が第1流体圧室14aに導入される。つまり、第1流体圧室14aには、低圧室28cまたは高圧室28aの油圧が選択的に導入される。
第2流体圧室14bにはポンプ吸入圧が常時導入される。第1流体圧室14aに低圧室28cの油圧が導入されているときには、リターンスプリング15の付勢力によりロータ7との偏心量が最大となる位置(図2中左側の位置)にカムリング8が位置する。このとき、ポンプ吐出量は最大となる。一方、第1流体圧室14aに高圧室28aの油圧が導入されると、その第1流体圧室14aの圧力により、カムリング8がリターンスプリング15の付勢力に抗して第2流体圧室14bの容積を狭めるように揺動し、当該カムリング8とロータ7との偏心量が減少する。偏心量の減少によりポンプ吐出量は減少する。
スプール29の内部にはリリーフバルブ33が形成されている。リリーフバルブ33は、中圧室28bの圧力が所定未満の場合は閉弁状態を維持する。リリーフバルブ33は、中圧室28bの圧力が所定以上になったとき、つまりパワーステアリング装置側(負荷側)の圧力が所定以上になったときに開弁状態となってリリーフ動作し、低圧室28cおよび低圧通路31を介して吸入通路19aに作動油を還流させる。換言すれば、リリーフバルブ33は、吐出通路19bおよび吸入通路19a間の油通路を開閉する。リリーフバルブ33は、バルブ孔34、リリーフ孔29a、ボール35、バルブシート部材36、リリーフバルブスプリング37およびリテーナ38を有する。バルブ孔34は、スプール29の内周側に位置し、略円筒形状に形成されている。
リリーフ孔29aは、バルブ孔34および低圧室28c間を連通するようにスプール29に形成されている。ボール35は、バルブ孔34内に配置された球状の弁体である。バルブシート部材36は、ボール35が当接する弁座であって、バルブ孔34のうちボール35を挟んで軸方向一方側に固定されている。リリーフバルブスプリング37は、バルブ孔34のうちボール35を挟んで他方側に圧縮変形した状態で配置されている。リリーフバルブスプリング37は、コイルスプリングである。リテーナ38は、ボール35およびリリーフバルブスプリング37間に介装されている。リテーナ38は、リリーフバルブスプリング37の圧縮変形に基づく復元力によりボール35をバルブシート部材36側へ向けて付勢する。
リターンスプリング15のX軸負方向側のフロントボディ2には、X軸方向に延びるピン保持孔39が貫通する。ピン保持孔39には、ピン部材40が圧入されている。ピン部材40は、鉄系材料で形成され、リターンスプリング15における第1端部15aの内径よりも小さな外径を有する。ピン保持孔39に対するピン部材40の圧入代は、エンジンルーム内の温度変化にかかわらずピン部材40が脱落しない圧入代に設定されている。ピン部材40は、円筒部(第2領域)40aおよび2つの端部40b,40cを有する。円筒部40aは長手方向の直交断面が円形状に形成されている。第1端部40bは円筒部40aのX軸負方向端に設けられ、第2端部(第1領域)40cは円筒部40aのX軸正方向端に設けられている。両端部40b,40cは略半球状に形成されている。
フロントボディ2において、ピン保持孔39の周囲には、当接面2bが形成されている。当接面2bは、ピン部材40をフロントボディ2の外側からピン保持孔39に圧入する際、圧入治具が当接する。当接面2bは、X軸と直交する方向に延びる平面状に形成されている。第1端部40bの先端(X軸負方向端)は、当接面2bと面一である。第2端部40cの先端(X軸正方向端)は、フロントボディ2の内周面2cよりもX軸正方向側に位置する。第2端部40cおよび円筒部40aの一部(X軸負方向側端部)は、フロントボディ2の内周面2cから径方向内側(X軸正方向側)へ突出する凸部41である。凸部41は、リターンスプリング15における第1端部15aの内側に位置し、円筒部40aの外周面が第1端部15aの内周面と当接する。凸部41の内周面2cからの突出量は、カムリング8のロータ7に対する偏心量が最小となったときカムリング8の外周面と接触しない長さに設定されている。
次に、実施形態1の作用効果を説明する。
可変容量形ベーンポンプ1は、リターンスプリング15の第1端部15aに挿入され、第1端部15aと当接する凸部41を有する。凸部41が第1端部15aと当接することにより、第2流体圧室14b内におけるリターンスプリング15の所定以上の移動を規制できるため、リターンスプリング15の脱落を抑制できる。
ここで、従来の可変容量形ベーンポンプでは、リターンスプリングの位置規制構造として、ねじ込み式のプラグの先端に形成された凹部にリターンスプリングの一端側を収容する構造を採用している。このため、プラグの外径をリターンスプリングの外径よりも大きくする必要があり、構造の大型化を招く。また、専用のプラグ、気密性保持のためのOリングや、ポンプハウジングのねじ加工が必要であるため、構造の複雑化を招く。
これに対し、実施形態1では、凸部41の外径がリターンスプリング15の内径よりも小さいため、リターンスプリング15の位置規制構造を小型化できる。また、凸部41は単純な形状であるため、位置規制構造を簡素化できる。
凸部41は、ハウジング本体部4bに設けられ、アダプタリング9の貫通孔9a内に配置されている。これにより、アダプタリング9が貫通孔9aを持たない場合、すなわち、リターンスプリング15をカムリング8およびアダプタリング9の径方向間に介装する場合と比べて、貫通孔9aの径方向厚さの分だけ、リターンスプリング15を収容する空間の径方向長さを長くできる。よって、リターンスプリング15を長くできるため、リターンスプリング15のストロークに対する特性変化を抑制できる。
凸部41は、ハウジング本体部4bとは別体に形成されたピン部材40である。これにより、凸部41をハウジング本体部4bと一体成形する場合と比べて、ハウジング本体部4bの内周面の加工が容易となる。また、ピン部材40およびピン保持孔39は単純な形状であるため、ねじ込み式のプラグを採用した場合と比べて、構造を簡素化できる。さらに、ピン部材40は汎用品を流用できるため、専用のプラグを採用した場合と比べて、製造コストを低減できる。加えて、ピン部材40を設ける位置、ピン部材40の長さや直径等の仕様変更が容易である。
ピン部材40は、ハウジング本体部4bに設けられたピン保持孔39に圧入されている。これにより、ピン部材40およびピン保持孔39間のシール部材やシール剤を省略できるため、ねじ込み式のプラグを採用した場合と比べて、製造コストを低減できる。
ピン保持孔39に対するピン部材40の圧入代は、エンジンルーム内の温度にかかわらずピン部材40が脱落しない圧入代である。ここで、ピン部材40は鉄系材料製であり、ハウジング本体部4bはアルミニウム合金製である。よって、ハウジング本体部4bの線膨張係数はピン部材40の線膨張係数よりも大きいため、雰囲気温度の上昇に伴い、ピン部材40の保持力が低下するおそれがある。そこで、ピン部材40およびハウジング本体部4bの線膨張係数の違いや雰囲気温度の上昇を考慮した圧入代を設定することにより、ピン部材40の脱落を防止できる。
ピン部材40は、円筒部40aと略半球状の第2端部40cとを備え、リターンスプリング15は、ピン部材40の円筒部40aにおいてピン部材40と当接することにより第2流体圧室14b内における移動が規制されている。第2端部40cが先細り形状であるため、リターンスプリング15にピン部材40を挿入する組み付け工程が容易となる。また、ピン部材40において直径が一定の領域である円筒部40aにリターンスプリング15を当接させることにより、安定したリターンスプリング15の保持性能が得られる。
ピン部材40は、可変容量形ベーンポンプ1の組み付け時、フロントボディ2とリアカバー3とのボルト締結前であって、リターンスプリング15をフロントボディ2とカムリング8との間に装着した後、フロントボディ2の外側からピン保持孔39に圧入される。これにより、フロントボディ2の内側から圧入する場合と比べて、作業空間を広く取れるため、圧入作業が容易となる。このとき、ピン保持孔39の周囲には、当接面2bが形成されているため、圧入治具が当接面2bと当接するまでピン部材40を圧入することにより、ピン部材40の圧入量、すなわち、凸部41の突出量を簡単に管理できる。さらに、当接面2bは、ピン部材40の圧入方向(X軸方向)に直交する平面であるため、機械加工が容易であると共に、圧入治具の片当たりを抑制でき、凸部41の突出量を精度よく管理できる。
実施形態1では、リターンスプリング15として円錐コイルばねを用いている。円錐コイルばねは他のコイルばね(円筒状コイルばね等)と比べてストロークが大きく取れるため、他のコイルばねを用いた場合と比べて、リターンスプリング15のストローク量を大きく取れる。リターンスプリング15のストローク量が大きく取れると、ポンプ吐出量の最大値と最小値との差を大きくできるという利点がある。
実施形態1では、リターンスプリング15の第1端部15aをフロントボディ2と当接させ、第2端部15bをカムリング8と当接させた。フロントボディ2の内周面2cはリターンスプリング15側に曲がっているため、仮に図3(a)のように第1端部15aをカムリング8と当接させ、第2端部15bをフロントボディ2と当接させた場合、フロントボディ2の内周面と第2端部15bとの径方向間に大きな隙間Δd0が形成されて、リターンスプリング15のストローク量を大きく取れない。一方、図3(b)に示すように、第1端部15aをフロントボディ2と当接させることにより、フロントボディ2の内周面と第1端部15aとの径方向間の隙間Δdを小さくできるため、リターンスプリング15のストローク量を大きく取れる。
〔実施形態2〕
実施形態2の基本的な構成は実施形態1と同じであるため、実施形態1と相違する部分のみ説明する。
図4は実施形態2の可変容量形ベーンポンプ42を示す図1のS2-S2線矢視断面図、図5は実施形態2のアダプタリング9の斜視図である。
実施形態2の可変容量形ベーンポンプ(可変容量形ポンプ)42は、凸部43がアダプタリング9の内周面9bに形成されている。凸部43は円筒状に形成され、リターンスプリング15における第1端部15aの内側に位置し、その外周面が第1端部15aの内周面と当接する。凸部43の内周面9bからの突出量は、カムリング8のロータ7に対する偏心量が最小となったときカムリング8の外周面と接触しない長さに設定されている。アダプタリング9は焼結金属製であり、凸部43は、アダプタリング9の型成形の際、同時に型形成によって形成される。このため、凸部43をポンプハウジング4と別体に形成する場合と比べて、部品点数の削減を図れる。
実施形態2では、凸部43がアダプタリング9に設けられているため、凸部43をハウジング本体部4bに設ける場合と比べて、ハウジング本体部4bの形状を簡素化できる。
〔実施形態3〕
実施形態3の基本的な構成は実施形態1と同じであるため、実施形態1と相違する部分のみ説明する。
図6は実施形態3の可変容量形ベーンポンプ44を示す図1のS2-S2線矢視断面図、図7は実施形態3のカムリング8の斜視図である。
実施形態3の可変容量形ベーンポンプ(可変容量形ポンプ)44は、凸部45がカムリング8の外周面8aに形成されている。凸部45は円筒状に形成され、リターンスプリング15における第2端部15bの内側に位置し、その外周面が第2端部15bの内周面と当接する。凸部45の外径は、実施形態1および2の凸部41,43の外径よりも大きい。凸部45の外周面8aからの突出量は、リターンスプリング15のコイル径よりも短く。言い換えると、リターンスプリング15は、カムリング8のロータ7に対する偏心量が最小となったとき、凸部45と干渉しない大きさに設定されている。
実施形態3では、凸部45がカムリング8に設けられているため、凸部45をハウジング本体部4bに設ける場合と比べて、ハウジング本体部4bの形状を簡素化できる。また、カムリング8が真円ではないプロファイルカムの場合、カムリング8の表裏の管理(マーキング等)が必要となるが、カムリング8に凸部45を設けることにより、表裏の判別が容易となる。
リターンスプリング15は、カムリング8側の端部である第2端部15bの内径が、アダプタリング9側(カムリング8の反対側)の端部である第1端部15aの内径よりも大きい。これにより、カムリング8側を第1端部15a、アダプタリング9側を第2端部15bとした場合と比べて、凸部45の外径を大きくできるため、凸部45の強度を向上できる。また、カムリング8の外周面8aと第2端部15bとの径方向間の隙間を小さくできるため、リターンスプリング15のストローク量を大きく取れる。
リターンスプリング15は、その内径が、駆動軸6の回転軸線O2に対するカムリング8の偏心量が最小となる位置までカムリング8が移動したとき、凸部45と干渉しない大きさである。リターンスプリング15が縮むにつれ、凸部45がリターンスプリング15において内径がより小さい領域まで入り込むが、図8に示すように、カムリング8の偏心量が最小の状態においても、リターンスプリング15と凸部45とが互いに干渉しないため、カムリング8の全ストローク範囲において適切なリターンスプリング15による付勢を実現できる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明を実施するための実施形態を説明したが、本発明の具体的な構成は実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
本発明の可変容量形ポンプは、パワーステアリング装置以外の圧力流体利用機器に対する油圧供給源としても適用できる。
制御バルブは、ポンプハウジングの外部に設けてもよいし、ポンプハウジングとは別体に設けてもよい。
ピン部材は、少なくとも凸部となる側の端部が先細り形状であればよい。
カムリングを付勢するコイルスプリングは、円錐コイルばねに限らず、その内径が伸縮方向における複数の位置同士の比較において、互いに異なるように形成されていればよい。凸部の外径に合わせてコイルスプリングの内径を適切に選択することにより、両者間のクリアランスの適正化が図れる。また、コイルスプリングの凸部挿入側端部以外の部分の直径を適宜設定することにより、所望のスプリング特性が得られる。
1 可変容量形ベーンポンプ(可変容量形ポンプ)
2b 当接面
4 ポンプハウジング
4a ポンプ要素収容空間
4b ハウジング本体部
5 ポンプ要素
6 駆動軸
7 ロータ
7a スロット
8 カムリング
9 アダプタリング
9a 貫通孔
14a 第1流体圧室
14b 第2流体圧室
15 リターンスプリング(コイルスプリング)
15a 第1端部
15b 第2端部
16 ベーン
17 ポンプ室
19a 吸入通路
19b 吐出通路
26 コントロールバルブ(制御バルブ)
39 ピン保持孔
40 ピン部材
41 凸部
42 可変容量形ベーンポンプ(可変容量形ポンプ)
43 凸部
44 可変容量形ベーンポンプ(可変容量形ポンプ)
45 凸部

Claims (15)

  1. 内部にポンプ要素収容空間を有するポンプハウジングと、
    前記ポンプハウジングに回転可能に設けられた駆動軸と、
    前記ポンプ要素収容空間内に設けられるポンプ要素であって、ロータと、複数のベーンと、カムリングと、を含み、
    前記ロータは、前記駆動軸に回転駆動され、前記駆動軸の回転軸線周りの方向に複数個設けられたスロットを有し、
    前記複数のベーンは、前記ロータの前記スロットのそれぞれに設けられており、
    前記カムリングは、前記ポンプ要素収容空間内に移動可能に設けられ、前記ロータおよび前記複数のベーンを包囲するように環状に形成され、前記カムリング、前記ロータ、および前記複数のベーンによって複数のポンプ室を形成し、前記ロータの回転に伴い前記複数のポンプ室のそれぞれの容積が徐々に増大する領域である吸入領域と前記複数のポンプ室のそれぞれの容積が徐々に減少する領域である吐出領域を形成するものである、
    ポンプ要素と、
    前記ハウジングに設けられ、前記吸入領域に開口し、作動液を前記吸入領域に供給する吸入通路と、
    前記ハウジングに設けられ、前記吐出領域に開口し、作動液を前記吐出領域から前記ハウジングの外部に吐出する吐出通路と、
    制御バルブであって、前記制御バルブは、前記ポンプ要素収容空間と前記カムリングの間に形成される第1流体圧室と第2流体圧室のうち少なくとも一方の作動液の圧力を制御することにより前記カムリング位置を制御するものであって、
    前記第1流体圧室は、前記駆動軸の回転軸線に対する前記カムリングの偏心量が大きくなる方向への前記カムリングの移動に伴い容積が減少するものであって、
    前記第2流体圧室は、前記駆動軸の回転軸線に対する前記カムリングの偏心量が大きくなる方向への前記カムリングの移動に伴い容積が増大するものである、
    制御バルブと、
    前記第2流体圧室内に設けられたコイルスプリングであって、前記駆動軸の回転軸線に対する前記カムリングの偏心量が増大する方向に前記カムリングを付勢するコイルスプリングと、
    前記コイルスプリングの1対の端部である第1端部または第2端部に挿入される凸部であって、前記凸部と前記コイルスプリングとが当接することにより前記第2流体圧室内における前記コイルスプリングの所定以上の移動を規制する凸部と、
    を有する可変容量形ポンプ。
  2. 請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記ポンプハウジングは、ハウジング本体部と、アダプタリングと、を含み、
    前記アダプタリングは、前記ハウジング本体部内に設けられ、円弧状部を有し、内側に前記ポンプ要素収容空間を形成するものであって、前記駆動軸の回転軸線に対する径方向に貫通する貫通孔を備え、
    前記凸部は、前記ハウジング本体部に設けられ、前記アダプタリングの前記貫通孔内に配置されている可変容量形ポンプ。
  3. 請求項2に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記凸部は、前記ハウジング本体部とは別体に形成されたピン部材である可変容量形ポンプ。
  4. 請求項3に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記ピン部材は、前記ハウジング本体部に設けられたピン保持孔に圧入されている可変容量形ポンプ。
  5. 請求項4に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記ピン部材は、前記ピン保持孔に対し、前記駆動軸の回転軸線に対する径方向において、外側から内側に向かって圧入されている可変容量形ポンプ。
  6. 請求項5に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記ハウジング本体部は、前記駆動軸の回転軸線に対する径方向における外側の面に設けられ前記ピン部材を前記ピン保持孔に圧入する際、圧入のための治具が当接する当接面を有する可変容量形ポンプ。
  7. 請求項6に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記当接面は、平面形状である可変容量形ポンプ。
  8. 請求項4に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記可変容量形ポンプは、車両のエンジンルーム内に設けられるものであって、
    前記ハウジング本体部はアルミニウム合金製であり、
    前記ピン部材は、鉄系材料製であり、
    前記ピン保持孔に対する前記ピン部材の圧入代は、前記エンジンルーム内の温度にかかわらず前記ピン部材が脱落しない圧入代である可変容量形ポンプ。
  9. 請求項3に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記ピン部材は、前記ピン部材の長手方向の直交断面が略円形に形成されており、前記直交断面における前記ピン部材の直径は、前記ピン部材の長手方向において前記カムリングと同じ側の端部から前記カムリングと反対側の端部に向かって徐々に増大する第1領域と、前記第1領域よりも前記カムリングと反対側の端部と同じ側に設けられ前記ピン部材の直径がほぼ一定に形成された第2領域と、を備え、
    前記コイルスプリングは、前記ピン部材の前記第2領域において前記ピン部材と当接することにより前記第2流体圧室内における移動が規制されている可変容量形ポンプ。
  10. 請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記ポンプハウジングは、ハウジング本体部と、アダプタリングと、を含み、
    前記凸部は、前記アダプタリングに設けられている可変容量形ポンプ。
  11. 請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記アダプタリングは焼結金属製であり、
    前記凸部は、前記アダプタリングの型成形の際、同時に型成形によって形成されている可変容量形ポンプ。
  12. 請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記凸部は、前記カムリングに設けられている可変容量形ポンプ。
  13. 請求項12に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記コイルスプリングは、前記コイルスプリングの伸縮方向に直交する方向における前記コイルスプリングの内側寸法である内径が、前記コイルスプリングの伸縮方向における1対の端部同士の比較において、前記カムリングと同じ側の端部が前記カムリングと反対側の端部よりも大きい可変容量形ポンプ。
  14. 請求項13に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記コイルスプリングは、前記コイルスプリングの前記内径が、前記駆動軸の回転軸線に対する前記カムリングの偏心量が最小となる位置まで前記カムリングが移動したとき、前記凸部と干渉しない大きさである可変容量形ポンプ。
  15. 請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記コイルスプリングは、前記コイルスプリングの伸縮方向に直交する方向における前記コイルスプリングの内側寸法である内径が、前記コイルスプリングの伸縮方向における複数の位置同士の比較において、互いに異なるように形成されている可変容量形ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114109809A (zh) * 2020-08-28 2022-03-01 爱塞威汽车有限责任公司 用于具有可调节输送体积的泵的螺旋弹簧

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