JP2019001922A - タイヤトレッド用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり抵抗の低減、耐摩耗性、耐テアー性(耐引き裂き性)及び耐カット性のバランスに優れたトレッドが得られるタイヤトレッド用ゴム組成物及び転がり抵抗の低減、耐摩耗性、耐テアー性及び耐カット性のバランスに優れたタイヤを提供する。【解決手段】天然ゴム60〜80質量%、並びに、炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体20〜40質量%を含むゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して35〜70質量部の充填剤と、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部のグリセリン脂肪酸エステル組成物とを含有し、前記充填剤中のシリカの含有量が3〜30質量%であるタイヤトレッド用ゴム組成物及びそのゴム組成物をトレッドに用いたタイヤである。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物及びタイヤに関する。
近年、省エネルギー、省資源の社会的要請の下、自動車の燃料消費量を節約するため、転がり抵抗の小さいタイヤが求められている。このような要求に対し、タイヤの転がり抵抗を減少させる手法としては、カーボンブラックの使用量を低減させたり、低級カーボンブラックを使用する等により、ヒステリシスロスを低下させたゴム組成物、すなわち発熱性の低いゴム組成物を、タイヤ部材、特にトレッドゴムに用いる方法が知られている。
しかしながら、使用するカーボンブラックの単純な減量は、ゴム組成物の耐摩耗性を低下させることがある。
これに対し、特許文献1、2には、転がり抵抗を低減させるために、ゴム成分として重合活性末端にアミノ基を導入した変性共役ジエン系重合体を用い、充填材としてカーボンブラックを用いたゴム組成物が提案されている。また、特許文献3、4には、末端変性ポリブタジエンゴム等の末端変性重合体を用いて、カーボンブラックの分散性を改良することにより、タイヤの耐摩耗性及び転がり抵抗を両立させることが可能なゴム組成物が開示されている。
特開平8−225604号公報 特開平8−231658号公報 特開2005−041975号公報 特開2013−155256号公報
一般に、タイヤの耐摩耗性の向上には、タイヤを構成するゴム組成物に配合されるカーボンブラックの粒子径やストラクチャが支配要因として考えられており、カーボンブラックの粒子径を小さくするほど耐摩耗性が向上するが、カーボングラックの粒子径が極端に小さいとゴム中で分散不良を起こし、発熱性が増大することが知られている。かかるゴム組成物をトレッドに用いるタイヤを製造した場合、耐摩耗性には優れるが、低燃費性には劣ることとなる。即ち、カーボンブラックの粒子径に関しては、耐摩耗性と低発熱性とは二律背反の関係にある。
上記観点からは、前記末端変性重合体をゴム成分に用いたゴム組成物によれば、末端変性重合体の発熱性(ヒステリシスロス)が低減され、耐摩耗性及び転がり抵抗に対し一定の効果が得られるものの、前記二つの背反する性能に関しては、依然として改良の余地がある。
本発明は、このような状況下になされたもので、転がり抵抗の低減、耐摩耗性、耐テアー性(耐引き裂き性)及び耐カット性のバランスに優れたトレッドが得られるタイヤトレッド用ゴム組成物及び転がり抵抗の低減、耐摩耗性、耐テアー性及び耐カット性のバランスに優れたタイヤを提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、タイヤトレッド用ゴム組成物が、充填剤と親和性のあるポリマーを含むゴム成分と、少量のシリカとグリセリン脂肪酸エステル組成物とを含有することによって、その課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は下記のとおりである。
<1> 天然ゴム60〜80質量%、並びに、炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体20〜40質量%を含むゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して35〜70質量部の充填剤と、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部のグリセリン脂肪酸エステル組成物とを含有し、前記充填剤中のシリカの含有量が3〜30質量%であるタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<2> 更に、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部の脂肪酸金属塩を含有する<1>に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<3> 前記充填剤は、ジブチルフタレート吸収量(DBP吸収量)が40〜180cm/100gであり、窒素吸着比表面積(NSA)が40〜95m/gであり、トルエン着色透過度が90%以上であり、かつ、水素放出率が0.37質量%以上であるカーボンブラックを含む<1>又は<2>に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<4> 前記グリセリン脂肪酸エステル組成物が、グリセリンと炭素数が8〜28の脂肪酸とのエステルであるグリセリン脂肪酸モノエステルとグリセリン脂肪酸ジエステルとを含み、前記グリセリン脂肪酸モノエステル含有量が85質量%以下である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<5> 前記グリセリン脂肪酸エステル組成物が、グリセリンと2種以上の脂肪酸とのエステルであるグリセリン脂肪酸エステルを含み、該グリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸由来の部位である脂肪酸成分において、全グリセリン脂肪酸エステルの全脂肪酸成分中、最も多い脂肪酸成分の含有量が10〜90質量%であり、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物中のグリセリン脂肪酸モノエステルの含有量が50〜100質量%である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<6> 前記炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体が、窒素、酸素、及びケイ素原子の少なくとも1つを有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体である<1>〜<5>のいずれか1つに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物である。
<7> <1>〜<6>のいずれか1つに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤ。
本発明によれば、転がり抵抗の低減、耐摩耗性、耐テアー性(耐引き裂き性)及び耐カット性のバランスに優れたトレッドが得られるタイヤトレッド用ゴム組成物及び転がり抵抗の低減、耐摩耗性、耐テアー性及び耐カット性のバランスに優れたタイヤを提供することができる。
<タイヤトレッド用ゴム組成物>
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、天然ゴム60〜80質量%、並びに、炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体20〜40質量%を含むゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して35〜70質量部の充填剤と、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部のグリセリン脂肪酸エステル組成物とを含有し、前記充填剤中のシリカの含有量が3〜30質量%である。
一般に、グリセリン脂肪酸エステル組成物は、ゴム組成物が、充填剤としてシリカを多量に(例えば、ゴム成分100質量部に対して、50質量部以上)含む場合に用いられる。一方、シリカ以外の充填剤、例えば、カーボンブラックは、グリセリン脂肪酸エステル組成物との相互作用が小さいため、シリカが存在しない系において、ゴム組成物がカーボンブラックとグリセリン脂肪酸エステル組成物とを包含しても、シリカを含む系で期待されるような効果は得られなかった。
本発明では、タイヤトレッド用ゴム組成物に含まれるシリカ量が、通常よりも少ない。具体的には、ゴム成分100質量部に対し、35〜70質量部の充填剤にいて、当該充填剤中3〜30質量%となる量であり、ゴム成分100質量部に対して最大21質量部である。ゴム組成物は、通常、ゴム成分100質量部に対して21質量部のシリカを含むのみでは、ゴム成分の補強が不十分であり、耐摩耗性等の諸物性を得ることができない。
しかし、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物においては、少量のシリカと共に、グリセリン脂肪酸エステル組成物と相互作用の少ない充填剤と、特定のゴム成分を含むことで、転がり抵抗の低減、耐摩耗性、耐テアー性(耐引き裂き性)及び耐カット性のバランスに優れるトレッドが得られる。
かかる理由は定かではないが、次の理由によるものと推察される。
例えば、シリカ以外の充填剤としてカーボンブラックを用いた場合、カーボンブラックは、通常、凝集体としてゴム組成物中に含まれるが、グリセリン脂肪酸エステル組成物によって分散されたシリカが、カーボンブラックの塊の中に入り込むことで、分散したシリカがカーボンブラックの分散剤として働き、ゴム組成物中のカーボンブラックが分散し易くなるためと考えられる。その結果、ゴム組成物から得られるトレッドの耐摩耗性、耐テアー性、耐カット性等の耐久性に優れ、当該トレッドを用いて得られるタイヤは、転がり抵抗にも優れるものと考えられる。
以下、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物及びタイヤの詳細について説明する。
〔ゴム成分〕
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、天然ゴム60〜80質量%、並びに、炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体20〜40質量%を含むゴム成分を含有する。
以下、「炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体」を「発明に係る変性共役ジエン系重合体」と称することがある。
ゴム成分中の天然ゴムの含有量が60質量%未満では、タイヤトレッド用ゴム組成物から得られるトレッドの弾力性が得られず、耐テアー性及びタイヤの転がり抵抗に優れない。また、ゴム成分中の天然ゴムの含有量が80質量%を超えると、トレッドの耐摩耗性と耐カット性を損なう。
発明に係る変性共役ジエン系重合体は、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に含まれる充填剤との親和性に優れる。ゴム成分中の発明に係る変性共役ジエン系重合体の含有量が20質量%未満では、ゴム組成物中に充填剤が分散しにくく、ゴム成分の補強が得られず、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物から得られるトレッドの耐摩耗性と耐カット性を損なう。また、ゴム成分中の発明に係る変性共役ジエン系重合体の含有量が40質量%を超えると、トレッドの耐テアー性及びタイヤの転がり抵抗に優れない。
ゴム成分は、天然ゴム及び上記変性共役ジエン系重合体以外のゴム又は重合体を含んでいてもよい。
上記観点から、ゴム成分中の天然ゴムの含有量は、62〜80質量%であることが好ましく、65〜78質量%であることがより好ましい。また、ゴム成分中の発明に係る変性共役ジエン系重合体の含有量は、20〜38質量%であることが好ましく、22〜35質量%であることがより好ましい。
(天然ゴム)
本発明に係るゴム成分に用いられる天然ゴムは特に制限されず、原料となる天然ゴムラテックスも特に限定されない。天然ゴムラテックスとしてフィールドラテックスや市販のラテックスなどを用いることができる。
本発明に係るゴム成分に用いられる天然ゴムは、天然ゴムラテックス中のタンパク質を機械的分離方法により部分脱蛋白処理してなるラテックスから得られる部分脱タンパク処理した天然ゴムであることが好ましく、部分脱蛋白処理した天然ゴム中の総窒素含量は0.1質量%を超え、かつ0.4質量%以下であることが好ましい。
この部分脱蛋白処理における機械的分離方法は、天然ゴム中の総窒素含有量を調整し易い点から遠心分離濃縮法であることが更に好ましい。
機械的分離方法とは異なる他の方法、例えば蛋白質分解酵素を用いた分解処理方法、界面活性剤を用い繰り返し洗浄する方法、酵素と界面活性剤とを併用する方法などにより脱蛋白化を行う場合には、固形ゴム中の蛋白質は減少するが、同時に老化防止作用を有するトコトリエノールなどの有効成分も失われるため、天然ゴム本来の耐老化性が低下することになるからである。
本発明における天然ゴム中の総窒素含有量は、蛋白質含量の指標となるもので、原料天然ゴムラテックスの遠心分離条件(回転数,時間など)を調整してその含有量をコントロールすることができるが、得られる天然ゴム製品中の総窒素含有量が0.1質量%を超えて0.4質量%以下になるように調整して製造することが好ましい。前記遠心分離の条件としては、特に制限されるものではないが、例えば7500回程度の回転数で数回繰り返し行うことが好ましい。総窒素含有量が0.1質量%以下では耐熱老化性が低下し、0.4質量%を超えると充分な低発熱性(充分な発熱性低減効果)が得られない。すなわち、遠心分離濃縮ラテックスにおける固形分中の総窒素含有量を、0.1質量%を超えて0.4質量%以下に調整した後、凝固、乾燥して製造することにより、蛋白質は低減し低発熱性は向上する。総窒素含有量は、より好ましくは0.25〜0.38質量%、さらに好ましくは0.25〜0.35質量%の範囲である。
このような部分脱蛋白の操作条件においては、意外にも、例えばトコトリエノールなどの老化防止剤としての有効成分は殆ど失われないために、耐熱性は従来の天然ゴムとほぼ同レベルで維持することができる。
部分脱蛋白処理を終えた天然ゴムラテックスは、凝固され、洗浄された後、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の通常の乾燥機を用いて乾燥することにより、本発明において好ましい天然ゴムを得ることができる。
(変性共役ジエン系重合体)
本発明に係る変性共役ジエン系重合体は、炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する。
炭素及び水素以外の原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、半金属原子及び金属原子から選ばれる1種以上の原子が好ましい。ここで、半金属原子としては、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン及びテルルから選ばれる1種以上の原子が好ましく、ホウ素、ケイ素及びゲルマニウムから選ばれる1種以上の原子がより好ましく、ケイ素が特に好ましい。金属原子としては、スズ、チタン、ジルコニウム、ビスマス及びアルミニウムから選ばれる1種以上の原子が好ましく、スズ及びチタンから選ばれる1種以上の原子がより好ましく、スズが特に好ましい。
炭素及び水素以外の原子を有する官能基は、炭素及び水素以外の原子を有する化合物の残基である。炭素及び水素以外の原子を有する化合物が変性剤として共役ジエン系重合体の活性末端と反応して変性共役ジエン系重合体を形成しても良いし、炭素及び水素以外の原子を有する化合物としての窒素含有化合物がアルカリ金属と反応して、アニオン重合の重合開始剤を形成して、共役ジエン系重合体の開始末端に窒素含有化合物残基を有する変性共役ジエン系重合体を形成しても良い。
共役ジエン系重合体の活性末端と反応する変性剤としては、以下の、スズ化合物、窒素及びケイ素含有化合物、酸素及びケイ素含有化合物、硫黄及びケイ素含有化合物及び窒素含有化合物から選ばれる1種以上の変性剤が挙げられる。
スズ化合物としては、四塩化スズ及びトリブチル塩化スズから1種以上選ばれるスズ化合物が好適に例示される。窒素及びケイ素含有化合物としては、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン及びN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシランから選ばれる保護された第一級アミノ基を有するシラン化合物が好適に例示され、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(ヘキサメチレンイミン−2−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(ヘキサメチレンイミン−2−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピロリジン−2−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピロリジン−2−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピペリジン−2−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピペリジン−2−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(イミダゾール−2−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(イミダゾール−2−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(4,5−ジヒドロイミダゾール−5−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン及びN−トリメチルシリル(4,5−ジヒドロイミダゾール−5−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシランから選ばれる保護された第二級アミノ基を有するシラン化合物が好適に例示される。
また、酸素及びケイ素含有化合物としては、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシランから1種以上選ばれるエポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物が好適に例示され、硫黄及びケイ素含有化合物としては、上記エポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物のエポキシ基をチオエポキシ基に置換した置き換えたチオエポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物が好適に例示される。窒素含有化合物としては、ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン及び4−ジメチルアミノベンジリデンアニリンから1種以上選ばれる化合物が好適に例示される。
炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体は、窒素、酸素、及びケイ素原子の少なくとも1つを有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体であることが好ましい。
発明に係る変性共役ジエン系重合体を形成する変性前の共役ジエン系重合体は、共役ジエン系単量体1種を重合してなる共役ジエン系単独重合体でも良いし、単量体2種以上を重合してなる共役ジエン系共重合体でも良い。共役ジエン系共重合体としては、共役ジエン系単量体2種以上を重合してなるものであっても良いし、共役ジエン系単量体1種以上と芳香族ビニル化合物1種以上とを共重合してなるものであっても良い。
共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらの中で、1,3−ブタジエン、イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが特に好ましい。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロへキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレンなどが挙げられる。これらの中で、スチレンが特に好ましい。
発明に係る変性共役ジエン系重合体を形成する変性前の共役ジエン系重合体としては、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム(IBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)などが好ましいが、タイヤトレッド性能向上の観点からポリブタジエンゴム及びポリイソプレンゴムがより好ましく、ポリブタジエンゴムが特に好ましい。
発明に係る共役ジエン系重合体の重合方法としては、アニオン重合でも良いし、配位重合でも良い。
共役ジエン系重合体をアニオン重合により得る場合、重合開始剤としては、アルカリ金属化合物が用いられるが、リチウム化合物が好ましい。
重合開始剤のリチウム化合物としては、特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物が好ましく用いられ、前者のヒドロカルビルリチウムを用いる場合には、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、かつ他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。
上記ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロへキシルリチウム、シクロベンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応性生物などが挙げられるが、これらの中で、特にn−ブチルリチウムが好適である。
また、リチウムアミド化合物としては例えば、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミドなどが挙げられる。これらの中で、カーボンブラックに対する相互作用効果及び重合開始能の点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミドなどの環状リチウムアミドが好ましく、リチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドがより好適である。
重合開始剤として、リチウムヘキサメチレンイミドを用いると、共役ジエン系重合体の開始末端に、炭素及び水素以外の原子を有する官能基として、窒素含有化合物残基であるヘキサメチレンイミノ基を有する変性共役ジエン系重合体が得られるので、さらに好ましい。
本発明において、共役ジエン系重合体の開始末端に窒素含有化合物残基を有し、かつ共役ジエン系重合体の活性末端にスズ化合物残基、窒素及びケイ素含有化合物残基、酸素及びケイ素含有化合物残基、硫黄及びケイ素含有化合物残基及び窒素含有化合物残基から選ばれる1種以上の化合物残基を有する変性共役ジエン系重合体は、転がり抵抗をより低減し、耐摩耗性、耐テアー性(耐引き裂き性)及び耐カット性をより改良する観点から、さらに好ましい。
前記リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共役ジエン系重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いられるランダマイザーの存在下にアニオン重合させることにより、目的の共役ジエン系重合体が得られる。
前記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−へキセン、2−へキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、所望により用いられるランダマイザーとは共役ジエン系重合体のミクロ構造の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン部分の1,2結合、イソプレン重合体における3,4結合の増加など、あるいは共役ジエン化合物−芳香族ビニル化合物共重合体における単量体単位の組成分布の制御、例えばブタジエンースチレン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化などの作用を有する化合物のことである。
このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイサーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2,2−ビス(2−テトラヒドロフリル)−プロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピぺリジノエタンなどのエーテル類及び三級アミン類などを挙げることができる。また、カリウム−tert−アミレート、カリウム−tert−ブトキシドなどのカリウム塩類、ナトリウム−tert−アミレートなどのナトリウム塩類も用いることができる。
これらのランダマイザーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、リチウム化合物1モル当たり、好ましくは0.01〜1000モル当量の範囲で選択される。
この重合反応における温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜130℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
一方、希土類金属化合物を重合開始剤として、配位重合で当該変性共役ジエン系重合体を製造する場合は、下記(A)成分、(B)成分、(C)成分を組み合わせて用いるのが更に好ましい。
上記配位重合に用いる(A)成分は、希土類金属化合物、及び希土類金属化合物とルイス塩基との錯化合物等から選択される。ここで、希土類金属化合物としては、希土類元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、β−ジケトン錯体、リン酸塩及び亜リン酸塩等が挙げられ、ルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、1価又は2価のアルコール等が挙げられる。上記希土類金属化合物の希土類元素としては、ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウムが好ましく、これらの中でも、ネオジムが特に好ましい。また、(A)成分として、具体的には、ネオジムトリ−2−エチルヘキサノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物,ネオジムトリネオデカノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物,ネオジムトリn−ブトキシド等が挙げられる。これら(A)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
上記配位重合に用いる(B)成分は、有機アルミニウム化合物から選択される。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、式:R12 Alで表されるトリヒドロカルビルアルミニウム化合物、式:R12 AlH又はR12AlHで表されるヒドロカルビルアルミニウム水素化物(式中、R12は、それぞれ独立して炭素数1〜30の炭化水素基である)、炭素数1〜30の炭化水素基をもつヒドロカルビルアルミノキサン化合物等が挙げられる。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムヒドリド、アルキルアルミニウムジヒドリド、アルキルアルミノキサン等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。なお、(B)成分としては、アルミノキサンと他の有機アルミニウム化合物とを併用するのが好ましい。
上記配位重合に用いる(C)成分は、加水分解可能なハロゲンを有する化合物又はこれらとルイス塩基の錯化合物;三級アルキルハライド、ベンジルハライド又はアリルハライドを有する有機ハロゲン化物;非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物等から選択される。かかる(C)成分として、具体的には、アルキルアルミニウム二塩化物、ジアルキルアルミニウム塩化物、四塩化ケイ素、四塩化スズ、塩化亜鉛とアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化マグネシウムとアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化ベンジル、塩化t−ブチル、臭化ベンジル、臭化t−ブチル、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。これら(C)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
上記重合開始剤は、上記の(A)、(B)、(C)成分以外に、必要に応じて、重合用単量体と同じ共役ジエン化合物及び/又は非共役ジエン化合物を用いて予備的に調製してもよい。また、(A)成分又は(C)成分の一部又は全部を不活性な固体上に担持して用いてもよい。上記各成分の使用量は、適宜設定することができるが、通常、(A)成分は単量体100g当たり0.001〜0.5ミリモル(mmol)である。また、モル比で(B)成分/(A)成分は5〜1,000、(C)成分/(A)成分は0.5〜10が好ましい。
上記配位重合における重合温度は、−80〜150℃の範囲が好ましく、−20〜120℃の範囲が更に好ましい。また、配位重合に用いる溶媒としては、上述のアニオン重合で例示した反応に不活性な炭化水素溶媒を用いることができ、反応溶液中の単量体の濃度もアニオン重合の場合と同様である。更に、配位重合における反応圧力もアニオン重合の場合と同様であり、反応に使用する原材料も、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を実質的に除去したものが望ましい。
当該変性共役ジエン系重合体としては、有機アルカリ金属化合物、特にアルキルリチウムを用いてアニオン重合してなるものが好ましい。
本発明における共役ジエン重合体は、アニオン重合及び配位重合のいずれの場合においても、重合反応後に重合活性末端と上述の変性剤とを変性反応させて、変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
変性反応の温度は、20℃以上で行うことが好ましいが、共役ジエン系重合体の重合温度をそのまま用いることができ、30〜120℃がさらに好ましい範囲として挙げられる。反応温度が低くなると重合体の粘度が上昇しすぎる、反応物の分散性が悪くなる傾向がある。一方、反応温度が高くなると、重合活性部位が失活し易くなる傾向がある。
なお、変性剤の使用量は、共役ジエン系重合体の製造に使用した重合開始剤1molに対し、0.25〜3.0molの範囲が好ましく、0.5〜1.5molの範囲が更に好ましい。
なお、本発明に係るゴム組成物において、所望により配合される、上記天然ゴム及び変性共役ジエン系重合体以外のゴム成分としては、未変性のスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、未変性のポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体等を用いることができる。これらの天然ゴム及び変性共役ジエン系重合体以外のゴム成分は、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
〔充填剤〕
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して35〜70質量部の充填剤を含有し、充填剤中のシリカの含有量は3〜30質量%である。
タイヤトレッド用ゴム組成物中の充填剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して35質量部未満では、ゴム成分の補強が不十分であり、タイヤトレッド用ゴム組成物から得られるトレッドの耐摩耗性が優れず、転がり抵抗を低減することができない。充填剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して70質量部を超えると、トレッドの剛性が高くなりすぎ、耐テアー性及び耐カット性が損なわれる。
タイヤトレッド用ゴム組成物中の充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して40〜70質量部であることが好ましく、45〜65質量部であることがより好ましい。
(シリカ)
充填剤は、少なくともシリカを含有し、充填剤中のシリカの含有量は3〜30質量%である。
既述のように、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、最大21質量部のシリカを含み、通常、充填剤として、かかる量のシリカを含むのみでは、ゴム成分を補強することができない。しかし、シリカと共に、シリカ以外の充填剤であって、例えば、カーボンブラックのような、グリセリン脂肪酸エステル組成物との相互作用が低い充填剤をゴム組成物が含むことで、転がり抵抗が低減されると共に、耐摩耗性、耐テアー性及び耐カット性が改良されたトレッドが得られる。
また、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物中のシリカ含有量が、ゴム成分100質量部に対して、21質量部以下であっても、充填剤中のシリカの含有量が30質量%以下でないと、転がり抵抗、耐摩耗性、耐テアー性及び耐カット性を向上することができない。一方、充填剤中のシリカの含有量が3質量%未満であると、タイヤトレッド用ゴム組成物がグリセリン脂肪酸エステル組成物をゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部含んでいても、シリカ以外の充填剤の分散性を向上することができない。
転がり抵抗、耐摩耗性、耐テアー性及び耐カット性を向上する観点から、充填剤中のシリカの含有量は、12〜30質量%であることが好ましく、16〜29質量%がより好ましく、19〜25質量%が更に好ましい。
タイヤトレッド用ゴム組成物中のシリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対し、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。
本発明に係るシリカとしては、特に制限はなく、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロウダルシリカ等が挙げられる。
上記シリカは、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド吸着法(CTAB)によって測定した吸着比表面積(CTAB吸着比表面積)が、50〜350m/gであることが好ましく、100〜300m/gであることがより好ましい。
CTAB吸着比表面積は、ASTM−D3765−80の方法に準拠した方法で測定することができる。
CTAB吸着比表面積が50〜350m/gのシリカは、市販品でもよく、例えば、東ソー・シリカ株式会社のNIPSIL AQ(商品名)、ローディア社のZeosil 1115MP(商品名)、エボニックデグッサ社のVN−3(商品名)として、入手することができる。
[シランカップリング剤]
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、少量ではあるが、シリカ含有するため、シリカ−ゴム成分間の結合を強化して補強性をさらに高めた上で、シリカの分散性を向上させるために、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、更に、シランカップリング剤を用いることが望ましい。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物中のシランカップリング剤の含有量は、シリカの含有量に対して5〜15質量%以下であることが好ましい。シランカップリング剤の含有量がシリカの含有量に対して15質量%以下であることで、ゴム成分の補強性及び分散性を改良する効果が得られ、経済性も損ないにくい。また、シランカップリング剤の含有量が、シリカの含有量に対して5質量%以上であることで、タイヤトレッド用ゴム組成物中のシリカの分散性を高めることができる。
なお、シランカップリング剤としては、特に制限されず、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールトリスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が好適に挙げられる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物が含有する充填剤は、シリカ以外には、アルミナ、チタニア等の金属酸化物のほか、カーボンブラックが挙げられ、中でも、トレッドの耐摩耗性及び引っ張り特性を向上する観点から、カーボンブラックが好ましい。
(カーボンブラック)
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、トレッドの耐摩耗性及び引っ張り特性を向上する観点から、カーボンブラックを含有することが好ましい。
更に、本発明に係る変性共役ジエン系重合体との親和性をより高め、タイヤの転がり抵抗をより低減すると共に、耐摩耗性、耐テアー性及び耐カット性をより改良する観点から、充填剤は、ジブチルフタレート吸収量(DBP吸収量)が40〜180cm/100gであり、窒素吸着比表面積(NSA)が40〜95m/gであり、トルエン着色透過度が90%以上であり、かつ、水素放出率が0.37質量%以上であるカーボンブラックを含むことが好ましい。
[ジブチルフタレート吸収量(DBP吸収量)]
本発明に係るカーボンブラックは、ジブチルフタレート吸収量(DBP吸収量)が40〜180cm/100gであることが好ましい。DBP吸収量が40cm/100g以上であることで、タイヤトレッド用ゴム組成物として最低限必要な引張強さを発現することができ、180cm/100g以下であることで、最低限必要な伸びを確保することができる。
本発明に係るカーボンブラックのDBP吸収量は70〜175cm/100gであることがより好ましい。
なお、DBP吸収量は、JIS K 6217−4:2008に記載の方法により測定され、カーボンブラック100g当たりに吸収されるジブチルフタレート(DBP)の体積mLで表示される。
[窒素吸着比表面積(NSA)]
本発明に係るカーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、40〜95m/gであることが好ましい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積が40m/g以上であることで、タイヤトレッド用ゴム組成物として最低限必要な引張強さを発現することができ、95m/g以下であることで、ゴム組成物中での分散性を充分に確保することができ、ゴム組成物の耐摩耗性等に優れる。
本発明に係るカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(NSA)が50〜95m/gであることが好ましく、60〜95m/gであることがさらに好ましい。
なお、上記窒素吸着比表面積(NSA)はJIS K 6217−2:2001に基づき測定される。
[トルエン着色透過度]
本発明に係るカーボンブラックは、トルエン着色透過度が90%以上であることが好ましい。
カーボンブラックのトルエン着色透過度が90%以上であることで、カーボンブラック表面に存在するタール分、特に芳香族成分が抑制され、本発明に係る変性共役ジエン系重合体との相互作用が高まるため、ゴム成分を充分に補強することができ、ゴム組成物の耐摩耗性等が向上する。カーボンブラックのトルエン着色透過度は95%以上であることがより好ましい。
[水素放出率]
本発明に係るカーボンブラックは、水素放出率が0.37質量%以上であることが好ましい。
水素放出率が0.37質量%以上であることで、本発明に係る変性共役ジエン系重合体との相互作用が高まるため、ゴム成分の補強性を充分に確保することができ、トレッドの耐摩耗性を向上することができる。
カーボンブラックの水素放出率は0.40質量%以上であることが好ましい。水素放出率には特に上限はないが、装置上の制約による製造し易さの観点から、該水素放出率の上限は、通常0.60質量%程度である。
カーボンブラックの水素放出率は、(1)カーボンブラック試料を105℃の恒温乾燥機中で1時間乾燥し、デシケータ中で室温(23℃)まで冷却し、(2)スズ製のチューブ状サンプル容器に約10mgを精秤し、圧着・密栓し、(3)ガスクロマトグラフ装置を使用して、アルゴン気流下、2000℃で15分間加熱したときの水素ガス発生量を測定し、その質量%で表示される。
上記物性の本発明に係るカーボンブラックは、燃焼ガス生成帯域と、反応帯域と、反応停止帯域とが連設されてなる反応装置(カーボンブラック製造炉)を用い、前記燃焼ガス生成帯域内で高温燃焼ガスを生成させ、次いで前記反応帯域に原料を噴霧導入してカーボンブラックを含む反応ガス流を形成させたのち、反応停止帯域にて、多段急冷媒体導入手段により、該反応ガス流を急冷して、反応を終結させることにより得られる。カーボンブラック製造炉において、製造空気量(kg/hr)、空気温度(℃)、燃料導入量(kg/hr)、原料導入量(kg/hr)及び原料予熱温度(℃)を適宜制御することにより、所望する窒素吸着比表面積(NSA)、DBP吸収量、トルエン着色透過度、及び水素放出率となるカーボンブラックが得られる。
タイヤトレッド用ゴム組成物中のカーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、40〜60質量部であることが好ましい。また、カーボンブラックとシリカの合計量は、ゴム成分100質量部に対して65質量部以下であることが好ましい。
カーボンブラックの含有量がゴム成分100質量部に対して40質量部以上であることで、ゴム成分の補強性を充分に確保することができる。一方、カーボンブラックの含有量がゴム成分100質量部に対して60質量部以下であることで、タイヤトレッド用ゴム組成物中でカーボンブラックが分散し易く、タイヤトレッド用ゴム組成物から得られるトレッドの耐摩耗性及び耐テアー性を向上することができ、タイヤの転がり抵抗をより低減することができる。
〔グリセリン脂肪酸エステル組成物〕
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部のグリセリン脂肪酸エステル組成物を含有する。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物が、少量のシリカと共に、ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部のグリセリン脂肪酸エステル組成物を含有することで、充填剤のタイヤトレッド用ゴム組成物中での分散性が高まるため、タイヤの転がり抵抗が低減されると共に、耐摩耗性、耐テアー性及び耐カット性が改良されたトレッドが得られる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物中のグリセリン脂肪酸エステル組成物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5〜7.0質量部であることが好ましく、0.8〜4.5質量部であることがより好ましい。
グリセリン脂肪酸エステル組成物は、グリセリンと脂肪酸とのエステルであるグリセリン脂肪酸エステルを少なくとも1種含む。
グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンの持つ3つのOH基のうちの少なくとも1つに脂肪酸がエステル結合したものであり、脂肪酸のつく数によって、グリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン脂肪酸トリエステルに分かれるものである。具体的には、グリセリン1分子と脂肪酸1分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸モノエステル(モノエステル成分)、グリセリン1分子と脂肪酸2分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸ジエステル(ジエステル成分)、及び、グリセリン1分子と脂肪酸3分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸トリエステル(トリエステル成分)が挙げられる。
グリセリン脂肪酸ジエステルを構成する2つの脂肪酸、並びに、グリセリン脂肪酸トリエステルを構成する3つの脂肪酸は、同一でも、異なってもよい。
グリセリン脂肪酸エステル組成物は、グリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸ジエステル、及びグリセリン脂肪酸トリエステルからなる群より選択される少なくとも1種からなることが好ましく、グリセリン脂肪酸モノエステル(モノエステル成分)を少なくとも含むことがより好ましい。
グリセリン脂肪酸エステルの製造の際に、未反応原料としてグリセリンが残る場合がある。グリセリン脂肪酸エステル組成物中、グリセリンの含有量は、タイヤトレッド用ゴム組成物の耐熱性低下抑制の観点から、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以下であり、生産性の観点から、0.3質量%以上であってもよい。
(脂肪酸)
グリセリン脂肪酸エステルの原料となる脂肪酸の種類は特に制限されず、1価の脂肪酸であってもよいし、2価以上の多価脂肪酸であってもよいし、また、飽和脂肪酸であっても、不飽和脂肪酸であってもよい。
脂肪酸の炭素数は、未加硫ゴム粘度の低減の観点から、8以上であり、好ましくは10以上、より好ましくは12以上更に好ましくは16以上であり、耐熱性向上の観点から、28以下であり、好ましくは22以下、より好ましくは18以下である。
また、脂肪酸は飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖いずれでもよいが、特に、直鎖状飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸の具体例としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラギン酸、アラキドン酸、ベヘン酸等が挙げられる。これらの中でも、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が好ましく、パルミチン酸及びステアリン酸がより好ましい。
なお、グリセリン脂肪酸エステルの原料となる脂肪酸は、アルキル炭素数に加えその立体配置と結合状態において同一である脂肪酸ごと、即ち立体異性体ごとに、一成分と考える。例えば、同じ炭素数18の脂肪酸でも、n−1−オクタデカン酸(一般的な直鎖ステアリン酸)、2−オクチル−1−デカン酸(2位分岐のステアリン酸)、シス−9−オクタデセン酸(一般的なオレイン酸)、シス,シス−9,12−オクタデカジエン酸(一般的なリノール酸)などで別々の脂肪酸として考える。
以上の脂肪酸とグリセリンとのグリセリン脂肪酸エステルを含むグリセリン脂肪酸エステル組成物の中でも、本発明に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物の好ましい態様としては、
1)グリセリンと炭素数が8〜28の脂肪酸とのエステルであるグリセリン脂肪酸モノエステルとグリセリン脂肪酸ジエステルとを含み、前記グリセリン脂肪酸モノエステル含有量が85質量%以下であるグリセリン脂肪酸エステル組成物(第1の態様)、及び
2)グリセリンと2種以上の脂肪酸とのエステルであるグリセリン脂肪酸エステルを含み、該グリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸由来の部位である脂肪酸成分において、全グリセリン脂肪酸エステルの全脂肪酸成分中、最も多い脂肪酸成分の含有量が10〜90質量%であり、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物中のグリセリン脂肪酸モノエステルの含有量が50〜100質量%であるグリセリン脂肪酸エステル組成物(第2の態様)
が挙げられる。
以下、この2つの態様について説明する。
(第1の態様)
第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物は、グリセリンと炭素数が8〜28の脂肪酸とのエステルであるグリセリン脂肪酸モノエステルとグリセリン脂肪酸ジエステルとを含み、前記グリセリン脂肪酸モノエステル含有量が85質量%以下である。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物が、第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物を含むことで、シリカ以外の充填剤の分散性を向上すると共に、シュリンクとゴム焼けを抑制し、加硫速度も遅延させることなく、シリカ配合未加硫ゴムの粘度の低減による加工性の向上と、耐熱性などの諸性能を高度に達成することができる。
第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物は、グリセリン脂肪酸モノエステルとグリセリン脂肪酸ジエステルとの少なくとも2種のグリセリン脂肪酸エステルを含むが、グリセリン脂肪酸モノエステル含有量は85質量%以下である。第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物は、更に、グリセリン脂肪酸トリエステル、グリセリン等を含んでいてもよい。
第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物中のグリセリン脂肪酸モノエステル含有量が85質量%以下であることで、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物のシュリンクを抑制し、加硫ゴムの耐熱性を損ねにくい。
そのため、第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物中、グリセリン脂肪酸モノエステル含有量は、未加硫ゴム粘度を低減する観点から、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上であり、スコーチ制御、シュリンク抑制及び耐熱性の観点から、85質量%以下であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下であり、好ましくは35〜85質量%、より好ましくは40〜85質量%、更に好ましくは45〜85質量%、より更に好ましくは50〜85質量%、更に好ましくは50〜80質量%、より更に好ましくは50〜75質量%となるものが望ましい。
第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物中、グリセリン脂肪酸ジエステル含有量は、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物のシュリンク抑制とスコーチ制御と耐熱性を良好とする観点から、好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは15質量%以上であり、より更に好ましくは20質量%以上であり、未加硫ゴム粘度の低減の観点から、好ましくは65質量%以下であり、より好ましくは55質量%以下であり、更に好ましくは50質量%以下であり、好ましくは10〜65質量%、より好ましくは15〜55質量%、更に好ましくは15〜50質量%、より更に好ましくは20〜50質量%である。
第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物中、グリセリン脂肪酸モノエステル/グリセリン脂肪酸ジエステルの質量比は、未加硫ゴムの粘度の低減の観点から好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは0.9以上、より更に好ましくは1.0以上であり、シュリンクを抑制とスコーチ制御と耐熱性を良好とする観点から、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは6以下、より更に好ましくは5以下、更に好ましくは4以下、より更に好ましくは3以下である。
第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物中、グリセリン脂肪酸トリエステルの含有量は、加硫後ゴム物性の過度の低下(貯蔵弾性率の低下等)を防ぐ観点から、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以下であり、生産性の観点から、0.3質量%以上であってもよい。
第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物中、グリセリン脂肪酸ジエステルとグリセリン脂肪酸トリエステルの合計含有量は、未加硫ゴム粘度の低減、シュリンク抑制と耐熱性を良好とする観点から、好ましくは15〜50質量%、より好ましくは17〜50質量%である。
特に、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物中、未加硫ゴム粘度の低減、シュリンク抑制とスコーチの制御と耐熱性を良好とする観点から、グリセリン脂肪酸モノエステル含有量が50〜85質量%であって、グリセリン脂肪酸ジエステルとトリエステルの合計含有量が15〜50質量%であるものが好ましく、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物中、グリセリン脂肪酸モノエステル含有量が50〜80質量%であって、グリセリン脂肪酸ジエステルとトリエステルの合計含有量が17〜50質量%であるものが更に好ましく、また、グリセリン脂肪酸モノエステル含有量が50〜85質量%であって、グリセリン脂肪酸ジエステル含有量が15〜50質量%であるものが好ましく、グリセリン脂肪酸モノエステル含有量が50〜80質量%であって、グリセリン脂肪酸ジエステルの含有量が20〜50質量%であるものが更に好ましい。
第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物に含まれるグリセリン脂肪酸モノエステル及びグリセリン脂肪酸ジエステルは、いずれも、炭素数が8〜28の脂肪酸とグリセリンとのエステルである。
脂肪酸の炭素数が8以上であることで、ゴム成分とグリセリン脂肪酸エステル組成物との親和性が得られ、ブルームが生じにくい。なお、ブルームとは、トレッド等の加硫ゴムからグリセリン脂肪酸エステル組成物が析出することをいう。一方、脂肪酸の炭素数が28以下であることで、ゴム組成物の加工性改良効果が得られる。
第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物に含まれるグリセリン脂肪酸モノエステル及びグリセリン脂肪酸ジエステルの原料となる脂肪酸の炭素数は、未加硫ゴムの粘度低減による加工性向上、シュリンクの抑制、耐熱性等の観点から、8〜22が好ましく、10〜18がより好ましく、12〜18が更に好ましい。
第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物は、油脂等を分解したグリセリンと脂肪酸から製造するエステル化法と、油脂等とグリセリンとを原料としたエステル交換法などにより製造することができ、グリセリン脂肪酸エステル組成物中のモノエステル量をコントロールしたものを製造する方法等としては、下記1)〜3)の各方法などが挙げられる。
1)上記エステル化法やエステル交換法などにおいて、脂肪酸とグリセリンの仕込み比率を変えることで、エステル化の平衡組成を制御する方法。グリセリンについては、さらに蒸留により取り除くことが出来る。但し、反応特性上、グリセリン脂肪酸モノエステル量の上限は約65質量%前後と考えられる。
2)エステル化法やエステル交換法で得られた反応生成物をさらに分子蒸留などにより分別留去し、高純度(通常95質量%以上)のグリセリン脂肪酸モノエステルを取り出す方法。
3)上記2)の手法で得た高純度グリセリン脂肪酸モノエステルを1)の手法で得られる中純度グリセリン脂肪酸モノエステルと任意の割合で混合することにより、比較的高純度領域(およそ65〜95質量%程度)のグリセリン脂肪酸モノエステルを得る方法。
上記原料の油脂や脂肪酸などを天然物から由来のものを用いることにより、環境負荷等も低減したグリセリン脂肪酸エステルを用いることができる。
更に、本発明に用いられるグリセリン脂肪酸エステル組成物は、モノエステル量がコントロールされた市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば、ステアリン酸モノグリセライド(花王株式会社製のレオドールMS−60、エキセルS−95)等が挙げられる。
なお、本発明において、グリセリン脂肪酸エステル組成物中のグリセリン脂肪酸モノエステル含有量(モノグリセライド含有量)とは、GPC分析(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、下式(I)に従って求めたものをいい、グリセリン、グリセリン脂肪酸モノエステル(モノグリセライド)、グリセリン脂肪酸ジエステル(ジグリセライド)及びグリセリン脂肪酸トリエステル(トリグリセライド)の合計に対するグリセリン脂肪酸モノエステルのGPC分析における面積割合を意味する。
第2の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物においても同様である。
上記式(I)中、GはGPCのグリセリン面積、MGはGPCのグリセリン脂肪酸モノエステル面積、DGはGPCのグリセリン脂肪酸ジエステル面積、TGはGPCのグリセリン脂肪酸トリエステル面積である。
尚、GPCの測定条件は、下記の通りである。
[GPCの測定条件]
GPCの測定は下記測定装置を用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分0.6ml/分の流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させた。そこにTHFに溶解した1質量%の試料溶液10μlを注入して測定を行なう。
標準物質:単分散ポリスチレン
検出器:RI-8022(東ソー株式会社製)
測定装置:HPLC-8220 GPC(東ソー株式会社製)
分析カラム:TSK-GEL SUPER H1000 2本及びTSK-GEL SUPER H2000 2本を直列に連結(東ソー株式会社製)
同様に、グリセリン脂肪酸エステル組成物中のグリセリン脂肪酸ジエステル(ジグリセライド)の含有量は、グリセリン、グリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸ジエステル及びグリセリン脂肪酸トリエステルの合計に対するグリセリン脂肪酸ジエステルのGPC分析における面積割合を意味する。
用いることができるモノエステル量をコントロールしたグリセリン脂肪酸エステル組成物の例を挙げれば、例えば、脂肪酸の炭素数8のカプリル酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数10のデカン酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数12のラウリン酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数14のミリスチン酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数16のパルミチン酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数18のステアリン酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数22のベヘン酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数28のモンタン酸グリセリル含有組成物等が挙げられ、これらの中で、ラウリン酸グリセリル含有組成物、パルミチン酸グリセリル含有組成物、ステアリン酸グリセリル含有組成物が好ましい。これらのモノエステル量をコントロールしたグリセリン脂肪酸エステル含有組成物は、1種または2種以上が任意に選択されて配合される。
(第2の態様)
第2の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物は、グリセリンと2種以上の脂肪酸とのエステルであるグリセリン脂肪酸エステルを含み、該グリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸由来の部位である脂肪酸成分において、全グリセリン脂肪酸エステルの全脂肪酸成分中、最も多い脂肪酸成分の含有量が10〜90質量%であり、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物中のグリセリン脂肪酸モノエステルの含有量が50〜100質量%である。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物が、第1の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物を含むことで、シリカ以外の充填剤の分散性を向上すると共に、加工性、低発熱性、破壊特性を高いレベルでバランスさせることができる。
第2の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物を構成するグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルである。
当該グリセリン脂肪酸エステルとしては、2種以上の脂肪酸がグリセリン1分子とエステル化してなるグリセリン脂肪酸ジエステル又はグリセリン脂肪酸トリエステルでもよいし、グリセリン1分子と上記2種以上の脂肪酸のうち1種類の脂肪酸1分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸モノエステルと、グリセリン1分子と他の種類の脂肪酸1分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸モノエステルとの混合物であってもよい。
中でも、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の加工性、低発熱性、及び破壊特性を向上する観点から、グリセリン1分子と上記2種以上の脂肪酸のうち1種類の脂肪酸1分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸モノエステルと、グリセリン1分子と他の種類の脂肪酸1分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸モノエステルとの混合物であることが好ましい。
同様の観点から、第2の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物中のグリセリン脂肪酸モノエステルの含有量は、50〜100質量%であり、60〜99質量%が好ましく、85〜98質量%がより好ましい。
第2の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物に含まれるグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、既述の種々の脂肪酸が用いられるが、脂肪酸の炭素数は、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の加工性、低発熱性、及び破壊特性を向上する観点から、炭素数8〜22であることが好ましく、炭素数12〜18であることがより好ましく、炭素数14〜18であることが更に好ましい。
第2の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物は、グリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸由来の部位である脂肪酸成分において、全グリセリン脂肪酸エステルの全脂肪酸成分中、最も多い脂肪酸成分の含有量が10〜90質量%である。
グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン由来の部位であるグリセリン成分と、脂肪酸由来の部位である脂肪酸成分(「RCOO−」で表される部分;Rは脂肪酸成分の炭化水素基)とを有する。各グリセリン脂肪酸エステル1分子中、脂肪酸成分(「RCOO−」)は、グリセリン脂肪酸エステルがモノエステルである場合は1つ、ジエステルである場合は2つ、トリエステルである場合は3つ存在する。
既述のように、グリセリン脂肪酸エステルの原料となる脂肪酸は、アルキル炭素数に加えその立体配置と結合状態において同一である脂肪酸ごと、即ち立体異性体ごとに、一成分と考える。従って、同じ炭素数の脂肪酸でも、分子構造が異なる場合は、別々の脂肪酸として考える。
この様な考え方の下、第2の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物に含まれる全グリセリン脂肪酸エステルの全脂肪酸成分について分類し、全脂肪酸成分中、最も多い脂肪酸成分の含有量が10〜90質量%であることで、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の加工性、低発熱性、及び破壊特性を向上することができる。
同様の観点から、全脂肪酸成分中、最も多い脂肪酸成分の含有量は、15〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましく、30〜60質量%であることがより更に好ましい。
第2の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物に含まれるグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸成分の種類と量は、グリセリン脂肪酸エステル組成物について、NMR測定することにより確認することができる。
なお、グリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸成分の種類と量は、グリセリン脂肪酸エステルの製造に用いる脂肪酸の分子量からも算出することができ、測定から求まる脂肪酸成分の分子量を用いた計算結果と、原料の脂肪酸の分子量を用いた計算結果は近似する。
第2の態様に係るグリセリン脂肪酸エステル組成物に含まれる全グリセリン脂肪酸エステルの全脂肪酸成分中、最も多い脂肪酸成分と2番目に多い脂肪酸成分は、一方が炭素数16の脂肪酸成分であり、他方が炭素数18の脂肪酸成分であることが好ましい。かかる構成であることで、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の加工性、低発熱性、及び破壊特性を向上することができる。
また、同様の観点から、前記炭素数16の脂肪酸成分と前記炭素数18の脂肪酸との質量比は、90/10〜10/90であることが好ましく、80/20〜20/80であることがより好ましく、75/25〜25/75であることが更に好ましい。
〔脂肪酸金属塩〕
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、脂肪酸金属塩を含有することが好ましい。
タイヤトレッド用ゴム組成物が脂肪酸金属塩を含有することで、タイヤトレッド用ゴム組成物から得られるトレッドの耐破壊特性を向上することができる。
脂肪酸金属塩の融点は、115℃以下であることが好ましく、110℃以下であることがより好ましく、105℃以下であることが更に好ましい。融点が115℃以下であると、混練時に脂肪酸金属塩が溶解してゴム組成物中に分散しやすくなり、耐破壊特性を一層向上させることができる。
脂肪酸金属塩としては、特に制限されず、脂肪酸ナトリウム塩、脂肪酸カリウム塩、脂肪酸亜鉛塩等が挙げられる。脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸は1価でも、2価以上でもよい。また、脂肪酸金属塩の脂肪酸としては、オレイン酸と、パルミチン酸を含むことが好ましく、例えば、オレイン酸亜鉛塩、パルミチン酸亜鉛塩を含むことが望ましい。
脂肪酸金属塩は、市販品を用いてもよく、例えば、ラインケミー社製の(商標)「アクチプラストPP」等が挙げられる。
タイヤトレッド用ゴム組成物中の脂肪酸金属塩の含有量は、トレッドの耐破壊特性を向上する観点から、ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましく、1〜4質量部であることがより好ましい。
(各種成分)
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、天然ゴム及び本発明に係る変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分、シリカ、並びにグリセリン脂肪酸エステル組成物以外に、例えば、加硫剤、加硫促進剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤等のゴム業界で通常使用される各種成分を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら各種成分としては、市販品を好適に使用することができる。また、上記ゴム組成物は、ゴム成分と、充填剤と、適宜選択した各種成分とを配合して、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、インテンシブミキサーなどの密閉型混練り装置、ロールなどの非密閉型混練り装置等を用いて混練り後、熱入れ、押出等することにより調製することができる。
<タイヤ>
本発明のタイヤは、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッドに用いてなる。
本発明のタイヤは、転がり抵抗の低減、耐摩耗性、耐テアー性(耐引き裂き性)及び耐カット性のバランスに優れるので、重荷重用タイヤとして特に好適である。ここで、重荷重用タイヤは、トラック・バス用タイヤ、オフザロードタイヤ(建設車両用タイヤ、鉱山用タイヤ等)及び小型トラック(ライトトラック)用タイヤを包含する。
なお、本発明のタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
本発明のタイヤは、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッドに用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。例えば、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、トレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<ゴム組成物の調製>
下記ゴム成分、充填剤及びグリセリン脂肪酸エステル化合物を用いて、表3〜4に示す配合処方のゴム組成物を常法に従って調製した。
〔ゴム成分〕
1.部分脱タンパク処理した天然ゴム(表4の「天然ゴム」)の製造
アンモニア0.4質量%を添加して天然ゴムラテックス(CT−1)を、ラテックスセパレーターSLP−3000(斉藤遠心機工業株式会社製)を用いて回転数7500rpmで15分間遠心分離することにより濃縮した。更に、濃縮したラテックスを回転数7500rpmで15分間遠心分離した。得られた濃縮ラテックスを固形分として約20%に希釈した後、蟻酸を添加し、一晩放置後、凝固して得られたゴム分を、110℃で210分間乾燥し、部分脱蛋白処理した天然ゴムを製造した。得られた天然ゴムの総窒素含有量は、以下の方法によって測定したところ、0.15質量%であった。
ここで、総窒素含有量は、ラテックスを酸凝固し乾燥して得られた固形成分(サンプル)を精秤し、ケルダール法によって窒素含有量を測定し、固形成分100質量%中の質量%として求めた。ケルダール法とは、熱濃硫酸で試料を酸化分解し,生成したアンモニウムイオンを定量する窒素の分析方法である。
2.未変性ポリブタジエンゴム(表4の「未変性BR」)
未変性ポリブタジエンゴムとして、JSR株式会社製、溶液重合BR、商品名「JSR BR01」を用いた
3.変性ポリブタジエンゴム(表4の「変性BR」)の製造
乾燥し、窒素置換した約900mLの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン283g、1,3−ブタジエン50g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.0057mmol、及びヘキサメチレンイミン0.513mmolを加え、更にn−ブチルリチウム(BuLi)0.57mmolを加えた後、撹拌装置を具えた50℃の温水浴中で4.5時間重合を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、この重合反応系に、変性剤(カップリング剤)として四塩化スズ0.100mmolを速やかに加え、更に50℃で30分間撹拌して変性反応を行った。その後、重合反応系に、2,6−ジ-t-ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、反応を停止させ、更に常法に従って乾燥して変性ポリブタジエンゴム(変性BR)を得た。得られた変性BRは、ブタジエン部分のビニル結合量が14%で、ガラス転移温度(Tg)が−95℃で、カップリング効率65%であった。
なお、得られた変性BRについて、1H−NMRスペクトルの積分比からブタジエン部分のビニル結合量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量分布曲線の全体の面積に対する最も高分子量側のピーク面積の割合からカップリング率を、DSCの曲線の変曲点からガラス転移温度を求めた。
(充填剤)
1.カーボンブラックの製造
表2に示す製造条件により、カーボンブラック1及び2を製造した。
燃料には比重0.8622(15℃/4℃)のA重油を用い、原料油としては表1に示した性状の重質油を使用した。また、得られたカーボンブラック1〜2の窒素吸着比表面積(NSA)、水素放出率、及びDBP吸収量を表2に示す。
なお、窒素吸着比表面積(NSA)はJIS K 6217−2:2001に基づき測定した。
水素放出率は、(1)カーボンブラック試料を105℃の恒温乾燥機中で1時間乾燥し、デシケータ中で室温(23℃)まで冷却し、(2)スズ製のチューブ状サンプル容器に約10mgを精秤し、圧着・密栓し、(3)ガスクロマトグラフ装置(島津製作所製「GC−9A」)を使用して、アルゴン気流下、2000℃で15分間加熱したときの水素ガス発生量を測定し、その水素ガス発生量を質量%で表示した。
DBP吸収量は、JIS K 6217−4:2001に準拠して測定した
2.シリカ
シリカとして、東ソー・シリカ株式会社製、ニップシールAQを用いた。
〔グリセリン脂肪酸エステル組成物〕
1.グリセリン脂肪酸エステル組成物1
国際公開第2014/098155号の製造例4に記載の方法に従って、グリセリン脂肪酸エステル組成物1を調製した。
グリセリン脂肪酸エステル組成物1中のグリセリン脂肪酸モノエステル含有率は64質量%、グリセリン脂肪酸ジエステル含有率は34質量%、グリセリン脂肪酸トリエステル含有率は1質量%、グリセリン含有率が1質量%であった。
構成脂肪酸の99質量%がパルミチン酸であり、1質量%がその他脂肪酸であった。
2.グリセリン脂肪酸エステル組成物2
グリセリン脂肪酸エステル1を分子蒸留して、グリセリン脂肪酸エステル組成物2を調製した。
グリセリン脂肪酸エステル組成物2中のグリセリン脂肪酸モノエステル含有率は97質量%であり、構成脂肪酸の99質量%がパルミチン酸、1質量%がその他脂肪酸であった。
〔表3中の各成分の詳細〕
表3中のシランカップリング剤、脂肪酸金属塩、老化防止剤6C及び加硫促進剤CZの詳細は次のとおりである。
シランカップリング剤:信越化学工業株式会社製、ABC−856
脂肪酸金属塩:ラインケミー社製、アクチプラストPP(融点101℃)
老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
<タイヤの製造と評価>
得られたゴム組成物をトレッドゴムに適用し、サイズ:11R22.5の重荷重用タイヤを常法に従って試作し、タイヤの転がり抵抗、耐摩耗性、耐テアー性及び耐カット性を評価した。結果を表4に示す。
(1)耐摩耗性
供試タイヤを車輌に装着し、4万km走行した時点での溝の減量を測定し、比較例2のタイヤの減量値の逆数を100として指数表示した。この値が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
耐摩耗性指数=[(比較例2のタイヤの減量値)/(供試タイヤの減量値)]×100
(2)転がり抵抗
JIS D 4234:2009に基づき測定した。得られた転がり抵抗値から、次式により指数表示した。この値が大きいほど、転がり抵抗が大きい。すなわち、この値が小さいほど低燃費性に優れることを示す。
転がり抵抗指数=[(供試タイヤの供試タイヤの転がり抵抗値)/(比較例2のタイヤの転がり抵抗値)]×100
(3)耐カット性
振り子式衝撃カット試験機にて、標準空気圧(車輌メーカー指定空気圧)を充填した供試タイヤの所定のトレッド表面に、任意の高さから凹面鋼鉄製の刃を打ちつけて傷を付け、その傷の深さを測定することにより評価した。得られた値の逆数を取り、比較例2を100として指数表示した。指数値が大きい程、耐カット性に優れることを示す。
耐カット性指数=[(比較例2のタイヤの傷の深さ)/(供試タイヤの傷の深さ)]×100
(4)耐テアー性
供試タイヤをトラックのドライブ軸に装着して10万km走行した後のテアーの総長さを測定し、比較例2のテアー総長さの逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、傷の数が少なく、耐テアー性優れることを示す。
耐テアー性指数=[(比較例2のタイヤのテアー総長さ)/(供試タイヤのテアー総長さ)]×100
(5)総合評価
耐摩耗性指数、転がり抵抗指数、耐カット性指数、及び耐テアー性指数から、総合評価指数を算出し、個々の評価結果が、比較例2に対比して10%程度悪化していても総合的に効果が向上していれば、許容範囲とした。
総合評価指数は、比較例2に対する耐摩耗性向上度と、比較例2に対する転がり抵抗向上度と、比較例2に対する耐カット性向上度と、比較例2に対する耐テアー性向上度との合計として計算することができ、具体的には、下記式により算出される。
総合評価指数=(耐摩耗性指数−100)+(100−転がり抵抗指数)+(耐カット性指数−100)+(耐テアー性指数−100)
例えば、実施例1の総合評価指数は、(124−100)+(100−96)+(108−100)+(108−100)=24+4+8+8=44と計算され、実施例7の総合評価指数は、(149−100)+(100−100)+(114−100)+(93−100)=49+0+14−7=56と計算される。
第4表から明らかなように、実施例1〜13のタイヤは、比較例の対比すべきタイヤと比較して、転がり抵抗の低減、耐摩耗性、耐テアー性(耐引き裂き性)及び耐カット性のバランスに優れていることがわかる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いることで、転がり抵抗の低減、耐摩耗性、耐テアー性(耐引き裂き性)及び耐カット性のバランスに優れるトレッドが得られるため、当該トレッドは、乗用車用、軽乗用車用、軽トラック用及び重荷重用{トラック・バス用、オフザロードタイヤ用(鉱山用車両用、建設車両用、小型トラック用等)}等の各種タイヤのトレッド部材に、特に、重荷重用{トラック・バス用、オフザロードタイヤ用(鉱山用車両用、建設車両用、小型トラック用等)}空気入りタイヤのトレッド部材として好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 天然ゴム60〜80質量%、並びに、炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体20〜40質量%を含むゴム成分と、
    前記ゴム成分100質量部に対して35〜70質量部の充填剤と、
    前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部のグリセリン脂肪酸エステル組成物と
    を含有し、前記充填剤中のシリカの含有量が3〜30質量%であるタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 更に、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部の脂肪酸金属塩を含有する請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記充填剤が、ジブチルフタレート吸収量(DBP吸収量)が40〜180cm/100gであり、窒素吸着比表面積(NSA)が40〜95m/gであり、トルエン着色透過度が90%以上であり、かつ、水素放出率が0.37質量%以上であるカーボンブラックを含む請求項1又は2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 前記グリセリン脂肪酸エステル組成物が、グリセリンと炭素数が8〜28の脂肪酸とのエステルであるグリセリン脂肪酸モノエステルとグリセリン脂肪酸ジエステルとを含み、前記グリセリン脂肪酸モノエステル含有量が85質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  5. 前記グリセリン脂肪酸エステル組成物が、グリセリンと2種以上の脂肪酸とのエステルであるグリセリン脂肪酸エステルを含み、該グリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸由来の部位である脂肪酸成分において、全グリセリン脂肪酸エステルの全脂肪酸成分中、最も多い脂肪酸成分の含有量が10〜90質量%であり、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物中のグリセリン脂肪酸モノエステルの含有量が50〜100質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  6. 前記炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体が、窒素、酸素、及びケイ素原子の少なくとも1つを有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体である請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤ。
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