JP2019001283A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転支援による走行中に行われる減速から加速までの運転をスムーズに遅滞なく行うことができる車両を提供すること。【解決手段】車両は、内燃機関と、変速機と、前方の車両を認識する認識部と、他の車両との相対位置が所定の位置関係となるよう、及び/又は、走行速度が目標速度以下での定速走行を行うよう支援制御する支援部と、支援部の支援制御に従い、内燃機関及び変速機の変速比を制御する制御部とを備える。制御部は、支援制御に従った走行中に、車両の進行方向に沿った前方の所定の位置関係を満たす空間よりも車両寄りの近接空間に、他の車両が存在することを支援部が予測又は検知した場合は、変速機の変速比を大きくするダウンシフト制御を行い、ダウンシフト制御後に、認他の車両が空間に存在しなくなることを支援部が予測又は検知した場合は、内燃機関からの動力によって前記車両が加速する制御を行う。【選択図】図3
Description
本発明は、車両に関する。
近年、車両の運転者の負担軽減や事故回避のため、様々な運転支援装置が開発され、実用化されている。このような運転支援装置の一つとして、アダプティブ・クルーズ・コントロール(Adaptive Cruise Control)機能(以下「ACC機能」という。)を備えるものが知られている。一般に、ACC機能は、アクセルやブレーキの操作頻度が比較的少ない高速道路での走行時に使用されることが前提となっている。運転支援装置は、運転者がACC機能を有効化する操作を行った際に目標速度を設定し、先行車両がいない場合には目標速度で定速走行を行い、先行車両がいる場合には一定の車間距離(目標車間距離)を維持しながら追従走行を行うように、車両の駆動力及び制動力を制御する。
特許文献1には、上記説明したACC機能に含まれる追従走行制御と、エンジンブレーキが必要な走行条件で変速機の変速制御により自動的にエンジンブレーキが効くようにする自動エンジンブレーキ制御との少なくともいずれか一方を利用可能な車両において、追従走行制御を行うよう指令されても、車間距離が目標車間距離以上である間は自動エンジンブレーキ制御を継続し、車間距離が目標車間距離未満になった時に自動エンジンブレーキ制御を中止する技術が記載されている。当該技術は、エンジンブレーキが必要な降坂路の走行中では実際上、車間距離が目標車間距離に達するまでエンジンブレーキを効かせておいても差し支えないとの思想を有する。当該技術によれば、エンジンブレーキが必要な降坂路を走行中に追従走行制御が開始されたが、車間距離が目標車間距離以上であれば自動エンジンブレーキ制御が継続するために、降坂路を走行中に自動エンジンブレーキ制御が非作動にされた場合に生じる突如加速を防止できる。
上記説明した特許文献1の技術では、追従走行制御の作動時に、先行車両との車間距離が目標車間距離に達するまでは、変速機の変速(ダウンシフト)による自動エンジンブレーキ制御が作動する。しかし、その後、先行車両が加速して車間距離が開いていく際の制御については考慮されていない。
本発明の目的は、運転支援による走行中に行われる減速から加速までの運転をスムーズに遅滞なく行うことができる車両を提供することである。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
内燃機関(例えば、後述の実施形態での内燃機関101)と、
前記内燃機関の駆動回転を変速して駆動輪に伝達する変速機(例えば、後述の実施形態での変速機103)と、を備える車両であって、
前記車両の前方に位置する他の車両を認識する認識部(例えば、後述の実施形態での認識部109)と、
前記認識部が認識する前記他の車両との相対位置が所定の位置関係となるよう、及び/又は、前記車両の走行速度が目標速度以下での定速走行を行うよう、前記車両の運転を支援する制御を行う支援部(例えば、後述の実施形態での支援部111)と、
前記支援部の支援制御に従い、前記内燃機関及び前記変速機の変速比を制御する制御部(例えば、後述の実施形態でのECU107)と、を備え、
前記制御部は、前記車両が前記支援部の支援制御に従った走行中に、
前記認識部の認識内容に基づいて、前記車両の進行方向に沿った前方の前記所定の位置関係を満たす空間よりも前記車両寄りの近接空間に、他の車両が存在することを前記支援部が予測又は検知した場合は、前記変速機の変速比を大きくするダウンシフト制御を行い、
前記ダウンシフト制御後に、前記認識部の認識内容に基づいて、前記他の車両が前記空間に存在しなくなることを前記支援部が予測又は検知した場合は、前記内燃機関からの動力によって前記車両が加速する制御を行う、車両である。
内燃機関(例えば、後述の実施形態での内燃機関101)と、
前記内燃機関の駆動回転を変速して駆動輪に伝達する変速機(例えば、後述の実施形態での変速機103)と、を備える車両であって、
前記車両の前方に位置する他の車両を認識する認識部(例えば、後述の実施形態での認識部109)と、
前記認識部が認識する前記他の車両との相対位置が所定の位置関係となるよう、及び/又は、前記車両の走行速度が目標速度以下での定速走行を行うよう、前記車両の運転を支援する制御を行う支援部(例えば、後述の実施形態での支援部111)と、
前記支援部の支援制御に従い、前記内燃機関及び前記変速機の変速比を制御する制御部(例えば、後述の実施形態でのECU107)と、を備え、
前記制御部は、前記車両が前記支援部の支援制御に従った走行中に、
前記認識部の認識内容に基づいて、前記車両の進行方向に沿った前方の前記所定の位置関係を満たす空間よりも前記車両寄りの近接空間に、他の車両が存在することを前記支援部が予測又は検知した場合は、前記変速機の変速比を大きくするダウンシフト制御を行い、
前記ダウンシフト制御後に、前記認識部の認識内容に基づいて、前記他の車両が前記空間に存在しなくなることを前記支援部が予測又は検知した場合は、前記内燃機関からの動力によって前記車両が加速する制御を行う、車両である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記制御部は、前記ダウンシフト制御後に前記車両が加速する制御を行う際、前記ダウンシフト制御後の前記変速機の変速比を維持するか、前記変速機の変速比を前記ダウンシフト制御後の前記変速機の変速比から小さくするアップシフト制御を行う。
前記制御部は、前記ダウンシフト制御後に前記車両が加速する制御を行う際、前記ダウンシフト制御後の前記変速機の変速比を維持するか、前記変速機の変速比を前記ダウンシフト制御後の前記変速機の変速比から小さくするアップシフト制御を行う。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記制御部は、前記ダウンシフト制御後に前記他の車両との相対位置が前記所定の位置関係になった後、前記アップシフト制御を行う。
前記制御部は、前記ダウンシフト制御後に前記他の車両との相対位置が前記所定の位置関係になった後、前記アップシフト制御を行う。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、
前記制御部は、前記ダウンシフト制御を行う際には、前記車両と前記他の車両との相対速度に基づいて、前記ダウンシフト制御後の前記変速機の変速比を決定する。
前記制御部は、前記ダウンシフト制御を行う際には、前記車両と前記他の車両との相対速度に基づいて、前記ダウンシフト制御後の前記変速機の変速比を決定する。
請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、
前記制御部は、前記ダウンシフト制御を行う際には、前記車両と前記他の車両との間の距離に基づいて、前記ダウンシフト制御後の前記変速機の変速比を決定する。
前記制御部は、前記ダウンシフト制御を行う際には、前記車両と前記他の車両との間の距離に基づいて、前記ダウンシフト制御後の前記変速機の変速比を決定する。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の発明において、
前記制御部は、前記ダウンシフト制御を行うと共に、前記内燃機関の燃料カットを行う。
前記制御部は、前記ダウンシフト制御を行うと共に、前記内燃機関の燃料カットを行う。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の発明において、
前記認識部は、走行に関する前記他の車両の動き又は前記他の車両の灯体の点灯状態を検知し、
前記制御部は、前記認識部が検知した情報に基づいて、前記近接空間に前記他の車両が存在することを前記支援部が予測又は検知すると、前記ダウンシフト制御を行う。
前記認識部は、走行に関する前記他の車両の動き又は前記他の車両の灯体の点灯状態を検知し、
前記制御部は、前記認識部が検知した情報に基づいて、前記近接空間に前記他の車両が存在することを前記支援部が予測又は検知すると、前記ダウンシフト制御を行う。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の発明において、
前記認識部は、走行に関する前記他の車両の動き又は前記他の車両の灯体の点灯状態を検知し、
前記制御部は、前記車両が前記目標速度未満の速度で進行方向に沿った前方の前記空間に位置する他の車両との相対位置が前記所定の位置関係となるよう走行しているときに、前記認識部が検知した情報に基づいて、前記他の車両が前記空間に存在しなくなることを前記支援部が予測又は検知した場合は、前記ダウンシフト制御を行う。
前記認識部は、走行に関する前記他の車両の動き又は前記他の車両の灯体の点灯状態を検知し、
前記制御部は、前記車両が前記目標速度未満の速度で進行方向に沿った前方の前記空間に位置する他の車両との相対位置が前記所定の位置関係となるよう走行しているときに、前記認識部が検知した情報に基づいて、前記他の車両が前記空間に存在しなくなることを前記支援部が予測又は検知した場合は、前記ダウンシフト制御を行う。
請求項1の発明によれば、支援部の支援制御に従った走行中、自車両の進行方向に沿った前方に、他の車両が自車両の走行速度よりも低速で割り込んできそうな場合はダウンシフト制御を行って減速し、その後、上記他の車両に追従して走行するために加速を行う。また、支援部の支援制御に従った追従走行中、前方を走行する他の車両が減速しそうな場合もダウンシフト制御を行って減速し、その後、当該他の車両に追従した加速を行う。このように、運転支援による走行中に行われる減速から加速までの運転をスムーズに遅滞なく行うことができる。
請求項2の発明によれば、自車両の進行方向に沿った前方に割り込んできた他の車両が加速した際、又は、自車両が追従する他の車両が減速した後に加速した際、当該他の車両に追従するために自車両も加速する際には、ダウンシフトした変速段を維持したまま加速を行って、アップシフト制御を行いつつ当該加速を継続できる。その結果、追従走行時における減速からの遅滞のないスムーズな加速が可能となり、他の車両に速やかに追従できる。
請求項3の発明によれば、自車両の進行方向に沿った前方に割り込んできた他の車両に加速して追従する際には、当該他の車両との相対位置が所定の位置関係になった後にアップシフト制御を行う。その結果、追従走行時における減速からのスムーズな加速が可能となり、他の車両にスムーズに追従できる。
他の車両との相対速度が大きいときは大きな減速度が必要である一方、当該相対速度が小さいときは大きな減速度は不要である。このため、相対速度が小さいにもかかわらず、ダウンシフト制御時の変速機の変速比を必要以上に変更すると、不必要に大きな減速が発生し、当該減速感によって乗員の快適性が損なわれる。しかし、請求項4の発明によれば、ダウンシフト制御後の変速機の変速比は、相対速度に基づいて決定されるため、減速度と乗員の快適性の両立を図ることができる。
他の車両との間の距離が短いときは大きな減速度が必要である一方、上記距離が長いときは大きな減速度は不要である。このため、上記距離が長いにもかかわらず、ダウンシフト制御時の変速機の変速比を必要以上に変更すると、不必要に大きな減速が発生し、当該減速感によって乗員の快適性が損なわれる。しかし、請求項5の発明によれば、ダウンシフト制御後の変速機の変速比は、他の車両との間の距離に基づいて決定されるため、減速度と乗員の快適性の両立を図ることができる。
請求項6の発明によれば、ダウンシフト制御時に内燃機関の燃料カットを行うことで、エンジンブレーキを効果的に利用した減速が可能である。
請求項7の発明によれば、支援部の支援制御に従った走行中、自車両の進行方向に沿った前方に他の車両が自車両の走行速度よりも低速で割り込んできそうな状況を、走行に関する他の車両の動き又は他の車両の灯体の点灯状態から検知した場合には、ダウンシフト制御を行う。このため、実際に他の車両が自車両の進行方向に沿った前方に低速で割り込んできたために大きな減速が必要となった場合でも、速やかな減速が可能である。また、支援部の支援制御に従った追従走行中、前方を走行する他の車両が減速しそうな状況を、走行に関する当該他の車両の動き又は当該他の車両の灯体の点灯状態から検知した場合には、ダウンシフト制御を行う。このため、実際に他の車両が減速したために大きな減速が必要となった場合でも、速やかな減速が可能である。
請求項8の発明によれば、支援部の支援制御に従った追従走行中、自車両の進行方向に沿った前方を走行する他の車両が上記進行方向に沿った前方の所定の位置関係を満たす空間に存在しなくなりそうな状況を検知した場合には、ダウンシフト制御を行う。このため、他の車両が上記空間に存在しなくなった場合には、目標速度への速やかな加速をスムーズに遅滞なく行うことができる。
以下、本発明に係る車両の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態の車両の内部構成を示すブロック図である。なお、図1中の太い実線は機械連結を示し、細い実線の矢印は制御信号又は検出信号を示す。
図1に示す車両は、内燃機関(ENG)101と、変速機(T/M)103と、車速センサー105と、ブレーキBRKと、ECU107と、認識部109と、支援部111とを備える。当該車両では、内燃機関101が出力した動力が、変速機103、ディファレンシャルギヤ8及び車軸9を介して、駆動輪DWに伝達される。
以下、図1の車両が有する各構成要素について説明する。
内燃機関101は、車両が走行するための動力を出力する。内燃機関101の回転軸は、変速機103の入力軸に接続されている。
変速機103は、内燃機関101の駆動回転を所定の変速比で変速して駆動輪DWに伝達する。変速機103の変速比はECU107からの指示に応じて変更される。なお、変速機103には、内燃機関101と駆動輪DWとの間の動力伝達経路を断接するクラッチCLが含まれる。変速機103は、複数の異なる変速比が段階的に設定された変速機であっても、変速比を連続的に変更可能な無段変速機であっても良い。
車速センサー105は、車両の走行速度(車速VP)を検出する。車速センサー105によって検出された車速VPを示す信号は、ECU107に送られる。
ブレーキBRKは、機械的ブレーキである。すなわち、ブレーキBRKは、車両の運転者によるブレーキペダルの操作に応じて制御される油圧等によって、車両を制動する。
認識部109は、赤外線レーザーレーダーやミリ波レーダー等のレーダー手段、ステレオカメラや単眼カメラ等の撮像手段、又は、これらレーダー手段と撮像手段との併用によって、自車両の前方に位置する他の車両を認識する。認識部109は、レーダー手段又は撮像手段が得た情報から、自車両の前方に位置する他の車両の動きを検知したり、他の車両のブレーキランプや方向指示器等の灯体の点灯状態を検知する。
支援部111は、いわゆるアダプティブ・クルーズ・コントロール(Adaptive Cruise Control)を行って、自車両の運転を支援する。支援部111は、認識部109が認識した車外状況に応じて、定速走行制御と車間距離制御のいずれか一方を選択的に切り替えて行う。先行車両がない場合、支援部111は定速走行制御を行い、当該制御により車両は目標速度以下での定速走行を行う。定速走行時の車速と目標速度との差は所定値以下である。一方、先行車両がある場合、支援部111は車間距離制御を行い、当該制御により車両は一定の車間距離(目標車間距離)を維持しながら追従走行を行う。以下の説明では、支援部111が行う定速走行制御と車間距離制御の双方を合わせて「ACC」という。
なお、上述の説明における「先行車両」とは、認識部が認識する自車両の前方に位置し、自車両との相対位置が所定の位置関係を有する又は上記所定の位置関係を有すると予測される他の車両である。図2に示すように、自車両との相対位置が所定の位置関係を有する他の車両Bと自車両Aとは、同一又は隣接する車線を双方の車間距離dが略一定の状態で走行する。その結果、自車両Aの他の車両Bとの相対位置は「所定の位置関係」となる。
ECU107は、車両の運転者によるアクセルペダル操作に応じたアクセルペダル開度(AP開度)、運転者によるブレーキペダルの操作に応じたブレーキペダル踏力(BRK踏力)、及び車速センサー105から得られた車速VP等に基づいて、内燃機関101の運転制御、変速機103における変速制御、及びブレーキBRKの制御等を行う。また、ECU107は、支援部111によるACCを有効化するためのスイッチACC_SWがオン状態であれば、運転者によるアクセルペダル操作がなくても、支援部111によるACCの制御内容に従って、内燃機関101の運転制御、変速機103における変速制御、及びブレーキBRKの制御等を行う。なお、スイッチACC_SWは、車両の走行中に運転者によって操作されることでオン状態とされる。
(ACC有効時の他の車両の動きに応じた走行制御)
以下、ACCが有効であるときの、認識部109が認識する他の車両の動きに応じた、自車両における内燃機関101及び変速機103の制御について説明する。図3及び図4は、図1に示した車両がACCにて走行中に、他の車両の動きに応じて車速VP及び変速機103の変速比等を変える制御を行う場合のタイミングチャートである。図3に示す例には、自車両が高速道路の本線車道である走行車線を定速走行している際、他の車両がランプウェイから自車両の前方に自車両よりも低速で走行車線に合流する第1の状況(図5(a))と、本線車道への合流後に加速した先行車両に追従走行する第2の状況(図5(b))とが含まれ、図4に示す例には、自車両が追従している本線車道を走行中の先行車両がランプウェイに離脱する第3の状況(図5(c))が含まれている。なお、図3及び図4に示す例では、変速機103は有段の自動変速機である。
以下、ACCが有効であるときの、認識部109が認識する他の車両の動きに応じた、自車両における内燃機関101及び変速機103の制御について説明する。図3及び図4は、図1に示した車両がACCにて走行中に、他の車両の動きに応じて車速VP及び変速機103の変速比等を変える制御を行う場合のタイミングチャートである。図3に示す例には、自車両が高速道路の本線車道である走行車線を定速走行している際、他の車両がランプウェイから自車両の前方に自車両よりも低速で走行車線に合流する第1の状況(図5(a))と、本線車道への合流後に加速した先行車両に追従走行する第2の状況(図5(b))とが含まれ、図4に示す例には、自車両が追従している本線車道を走行中の先行車両がランプウェイに離脱する第3の状況(図5(c))が含まれている。なお、図3及び図4に示す例では、変速機103は有段の自動変速機である。
図3に示す第1の状況(図5(a))では、走行車線を定速走行している自車両の認識部109がランプウェイを走行する他の車両を認識し(時点t10)、支援部111は、認識部109が検知した当該他の車両の動き等に基づいて、他の車両がランプウェイから走行車線に自車両の前方に合流すると予測する(時点t11)。また、図3に示す例では、合流が予測される他の車両の走行速度が自車両よりも遅いため、支援部111は、上記他の車両がそのまま走行車線に合流した際には、自車両の進行方向に沿った前方の上記説明した所定の位置関係を満たす空間よりも自車両寄りの近接空間に上記他の車両が存在すると予測する。この場合、走行車線に合流した他の車両と自車両との車間距離が追従走行時の目標車間距離dtよりも短くなるため、自車両は制動される可能性が高い。このため、ECU107は、変速機103の変速比を大きくする(変速段を下げる)ダウンシフト制御を行い、変速機103は例えば10段から9段にシフトダウンする。また、ECU107は、ダウンシフト制御を行うと共に、内燃機関101のフュエルカット(燃料カット)も行う。
その後、支援部111は、認識部109が検知した上記他の車両の動き等に基づいて、他の車両がランプウェイから走行車線への合流を開始したと判断する(時点t12)と、車速VPを上記他の車両の走行速度に合わせるべく、ECU107はダウンシフト制御を行い、変速機103は例えば9段から7段に段階的にシフトダウンする。なお、ECU107は、ダウンシフト制御後の変速機103の段数(図3の例では7段)を、自車両と他の車両との相対速度である相対車速ΔVP(=車速VP−他の車両の走行速度)又は自車両と他の車両との間の距離に基づいて決定する。図3に示す例では、変速機103を7段にシフトダウンしても相対車速ΔVPが0にならないため、ブレーキBRKを用いた機械的な制動力により相対車速ΔVPを0まで低下させる。なお、図3に示す例では、変速機103を7段にシフトダウンした後の内燃機関101の回転数がしきい値以上の高回転状態であるために、さらにシフトダウンすることはせず、内燃機関101のフュエルカットも行っているため、ブレーキBRKを用いた機械的な制動力を加えることによって相対車速ΔVPを0まで低下させる。
次に、図3に示す第2の状況(図5(b))では、自車両及び他の車両共に同一の走行車線を走行し、他の車両と自車両との車間距離が追従走行時の目標車間距離dtとなった、すなわち、自車両と他の車両との相対位置が上記説明した所定の関係になった後、当該他の車両が、自車両の進行方向に沿った前方の上記説明した所定の位置関係を満たす空間に存在しなくなることを支援部111が予測又は検知する(時点t13)と、ECU107は、支援部111による追従走行制御に従って、他の車両との相対位置が所定の位置関係を満たすべく、内燃機関101からの動力によって自車両が加速する制御を行う。当該加速制御を行う際、ECU107は、変速機103の変速比をダウンシフト制御後の変速比から段階的に小さくするアップシフト制御を行う。図3に示した例では、変速機103を7段から10段に一定の時間間隔で段階的にシフトアップしつつ内燃機関101の出力を増すことで車速VPが増加する。
次に、図4に示す第3の状況(図5(c))では、自車両及び他の車両共に同一の走行車線を走行し、自車両が上記他の車両に追従走行しているとき、認識部109が検知した上記他の車両の動き等に基づいて、他の車両が走行車線からランプウェイに離脱して、自車両の進行方向に沿った前方の上記説明した所定の位置関係を満たす空間に存在しなくなることを支援部111が予測又は検知する(時点t14)と、ECU107はダウンシフト制御を行い、変速機103は例えば10段から8段に段階的にシフトダウンする。なお、ECU107は、このときの車速VPと定速走行時の目標速度との差が大きいほど、ダウンシフト制御後の変速機103の変速比を大きく(段数を小さく)設定する。
その後、上記他の車両が走行車線からランプウェイに離脱して、自車両と他の車両との相対位置が上記説明した所定の関係ではなくなれば(時点t15)、ECU107は、支援部111による定速走行制御に従って、内燃機関101からの動力によって自車両が目標車速まで加速する制御を行う。当該加速制御を行う際、ECU107は、変速機103の変速比をダウンシフト制御後の変速比から段階的に小さくするアップシフト制御を行う。図4に示した例では、変速機103を8段から10段に段階的にシフトアップしつつ内燃機関101の出力を増すことで車速VPが増加する。
(ACC有効時の自車両の動きに応じた走行制御)
以下、ACCが有効であるときの、他の車両に対する自車両の動きに応じた認識部109が認識する内容に基づく、自車両における内燃機関101及び変速機103の制御について説明する。図6及び図7は、図1に示した車両がACCにて走行中に、他の車両に対する自車両の動きに応じて車速VP及び変速機103の変速比等を変える制御を行う場合のタイミングチャートである。図6に示す例には、高速道路の本線車道である追越車線を定速走行する自車両が、運転者の操作によって、走行車線を走行する他の車両の後方に当該他の車両よりも高速で合流する第4の状況(図8(a))と、走行車線への合流後に加速した先行車両に追従走行する第5の状況(図8(b))とが含まれ、図7に示す例には、走行車線を先行車両に追従走行する自車両が、運転者の操作によって、追越車線に車線変更する第6の状況(図8(c))が含まれている。なお、図6及び図7に示す例では、変速機103は有段の自動変速機である。
以下、ACCが有効であるときの、他の車両に対する自車両の動きに応じた認識部109が認識する内容に基づく、自車両における内燃機関101及び変速機103の制御について説明する。図6及び図7は、図1に示した車両がACCにて走行中に、他の車両に対する自車両の動きに応じて車速VP及び変速機103の変速比等を変える制御を行う場合のタイミングチャートである。図6に示す例には、高速道路の本線車道である追越車線を定速走行する自車両が、運転者の操作によって、走行車線を走行する他の車両の後方に当該他の車両よりも高速で合流する第4の状況(図8(a))と、走行車線への合流後に加速した先行車両に追従走行する第5の状況(図8(b))とが含まれ、図7に示す例には、走行車線を先行車両に追従走行する自車両が、運転者の操作によって、追越車線に車線変更する第6の状況(図8(c))が含まれている。なお、図6及び図7に示す例では、変速機103は有段の自動変速機である。
図6に示す第4の状況(図8(a))では、追越車線を定速走行している自車両の認識部109が走行車線を走行する他の車両を認識し(時点t20)、支援部111は、認識部109が検知した当該他の車両との相対位置の変化等に基づいて、運転者の操作によって自車両が追越車線から走行車線に他車両の後方に合流すると予測する(時点t21)。また、図6に示す例では、自車両の走行速度が他の車両よりも速いため、支援部111は、自車両がそのまま走行車線に合流した際には、自車両の進行方向に沿った前方の上記説明した所定の位置関係を満たす空間よりも自車両寄りの近接空間に上記他の車両が存在すると予測する。この場合、走行車線に合流した自車両と他の車両との車間距離が追従走行時の目標車間距離dtよりも短くなるため、自車両は制動される可能性が高い。このため、ECU107は、変速機103の変速比を大きくする(変速段を下げる)ダウンシフト制御を行い、変速機103は例えば10段から9段にシフトダウンする。また、ECU107は、ダウンシフト制御を行うと共に、内燃機関101のフュエルカット(燃料カット)も行う。
その後、支援部111は、認識部109が検知した上記他の車両との相対位置の変化等に基づいて、自車両が追越車線から走行車線への合流を開始したと判断する(時点t22)と、車速VPを上記他の車両の走行速度に合わせるべく、ECU107はダウンシフト制御を行い、変速機103は例えば9段から7段に段階的にシフトダウンする。なお、ECU107は、ダウンシフト制御後の変速機103の段数(図6の例では7段)を、自車両と他の車両との相対速度である相対車速ΔVP(=車速VP−他の車両の走行速度)又は自車両と他の車両との間の距離に基づいて決定する。図6に示す例では、変速機103を7段にシフトダウンしても相対車速ΔVPが0にならないため、ブレーキBRKを用いた機械的な制動力により相対車速ΔVPを0まで低下させる。なお、図6に示す例では、変速機103を7段にシフトダウンした後の内燃機関101の回転数がしきい値以上の高回転状態であるために、さらにシフトダウンすることはせず、内燃機関101のフュエルカットも行っているため、ブレーキBRKを用いた機械的な制動力を加えることによって相対車速ΔVPを0まで低下させる。
次に、図6に示す第5の状況(図8(b))では、自車両及び他の車両共に同一の走行車線を走行し、他の車両と自車両との車間距離が追従走行時の目標車間距離dtとなった、すなわち、自車両と他の車両との相対位置が上記説明した所定の関係になった後、当該他の車両が、自車両の進行方向に沿った前方の上記説明した所定の位置関係を満たす空間に存在しなくなることを支援部111が予測又は検知する(時点t23)と、ECU107は、支援部111による追従走行制御に従って、他の車両との相対位置が所定の位置関係を満たすべく、内燃機関101からの動力によって自車両が加速する制御を行う。当該加速制御を行う際、ECU107は、変速機103の変速比をダウンシフト制御後の変速比から段階的に小さくするアップシフト制御を行う。図6に示した例では、変速機103を7段から10段に一定の時間間隔で段階的にシフトアップしつつ内燃機関101の出力を増すことで車速VPが増加する。
次に、図7に示す第6の状況(図8(c))では、自車両及び他の車両共に同一の走行車線を走行し、自車両が上記他の車両に追従走行しているとき、認識部109が検知した上記他の車両との相対位置の変化等に基づいて、運転者の操作によって自車両が追越車線に車線変更して、自車両の進行方向に沿った前方の上記説明した所定の位置関係を満たす空間に存在しなくなることを支援部111が予測又は検知する(時点t24)と、ECU107はダウンシフト制御を行い、変速機103は例えば10段から8段に段階的にシフトダウンする。なお、ECU107は、このときの車速VPと定速走行時の目標速度との差が大きいほど、ダウンシフト制御後の変速機103の変速比を大きく(段数を小さく)設定する。
その後、自車両の追越車線への車線変更が完了し、自車両と他の車両との相対位置が上記説明した所定の関係ではなくなれば(時点t25)、ECU107は、支援部111による定速走行制御に従って、内燃機関101からの動力によって自車両が目標車速まで加速する制御を行う。当該加速制御を行う際、ECU107は、変速機103の変速比をダウンシフト制御後の変速比から段階的に小さくするアップシフト制御を行う。図7に示した例では、変速機103を8段から10段に段階的にシフトアップしつつ内燃機関101の出力を増すことで車速VPが増加する。
次に、ACCが有効であるときの、他の車両又は自車両の動きに応じて支援部111及びECU107が行う処理について、図9〜図13を参照して詳細に説明する。図9及び図10のフローチャートは、自車両が定速走行中の他の車両の動きに応じた処理の流れであり、図11及び図12のフローチャートは、自車両が定速走行から追従走行に移行する際の処理の流れであり、図13のフローチャートは、自車両が追従走行から定速走行に移行する際の処理の流れである。なお、図9〜図13のフローチャートでは、自車両を「自車」といい、他の車両を「他車」という。
まず、自車両が定速走行中の他の車両の動きに応じた処理について説明する。図9に示すように、支援部111は、認識部109が認識した情報に基づいて、ランプウェイ等の別車線に他の車両が存在するか否かを判断し(ステップS101)、他の車両が存在しなければステップS103に進み、存在すればステップS105に進む。ステップS103では、ECU107は、変速機103の変速段を現段に維持し、車速VPを維持するよう内燃機関101の運転を制御する。ステップS105では、支援部111は、他の車両が自車両が走行する自車線への合流動作を開始済み又は自車両が他の車両が走行する別車線への合流動作を開始済みであるか否かを判断し、合流動作開始済みでなければステップS107に進み、合流動作開始済みであればステップS121に進む。
ステップS107では、支援部111は、他の車両が自車両が走行する自車線へ合流しそうであるか又は自車両が他の車両が走行する別車線へ合流しそうであるかを判断し、合流しそうにないと判断した場合にはステップS103に進み、合流しそう、すなわち合流すると予測した場合にはステップS109に進む。なお、他の車両又は自車両が合流しそうか否かの判断は、自車両と他の車両との距離に基づいて行われる。支援部111は、上記距離が短くなると合流しそうであると判断する。
ステップS109では、支援部111は、他の車両の走行速度が自車両よりも遅いか否かを判断し、遅くない場合はステップS111に進み、遅い場合はステップS113に進む。ステップS111では、支援部111は、他の車両の走行速度が自車両よりも速いか否かを判断し、速くない場合はステップS103に進み、速い場合は図10に示すステップS151に進む。なお、他の車両の走行速度が遅くも速くもない場合は、他の車両の走行速度が自車両の車速VPが一致する場合である。
ステップS113では、支援部111は、内燃機関101のフュエルカット(F/C)を行うだけでは減速度が足りず、自車両よりも低速な他の車両に追いつきそうか否かを判断し、他の車両に追いつきそうでなければステップS115に進み、追いつきそうであればステップS117に進む。なお、支援部111は、自車両と他の車両の走行速度差が所定値以上であれば自車両が他の車両に追いつきそうと判断し、所定値未満であれば追いつきそうでないと判断する。ステップS115では、ECU107は、変速機103の変速段を現段に維持し、車速VPを維持するか緩減速となるよう内燃機関101の運転を制御する。一方、ステップS117では、ECU107は、変速機103の変速比を大きくする(変速段を下げる)ダウンシフト制御を行い、車速VPを維持するか緩減速となるよう内燃機関101の運転を制御する。
ステップS121では、支援部111は、合流動作を開始した他の車両の走行速度が自車両よりも遅いか否かを判断し、遅くない場合はステップS123に進み、遅い場合はステップS127に進む。ステップS123では、支援部111は、合流動作を開始した他の車両の走行速度が自車両よりも速いか否かを判断し、速くない場合はステップS125に進み、速い場合は図10に示すステップS151に進む。ステップS125では、ECU107は、変速機103の変速段を現段に維持し、車速VPを維持するよう内燃機関101の運転を制御する。
ステップS127では、支援部111は、内燃機関101のフュエルカット(F/C)を行うだけでは減速度が足りず、自車両よりも低速な他の車両に追いつきそうか否かを判断し、他の車両に追いつきそうでなければステップS129に進み、追いつきそうであればステップS131に進む。ステップS129では、ECU107は、変速機103の変速段を現段に維持し、内燃機関101のフュエルカットを行う。その結果、自車両は減速する。
ステップS131では、支援部111は、変速機103の変速段が最下段であるか、内燃機関101の回転数がしきい値以上の高回転状態であるとの条件を満たすか否かを判断し、当該条件を満たさない場合はステップS133に進み、満たす場合はステップS135に進む。ステップS133では、ECU107は、変速機103のダウンシフト制御を行い、内燃機関101のフュエルカットを行う。その結果、自車両は減速する。一方、ステップS135では、ECU107は、変速機103の変速段を現段に維持し、内燃機関101のフュエルカットを行い、かつ、ブレーキBRKが作動するよう制御する。その結果、自車両は減速する。
図9のステップS111及びステップS123において、他の車両の走行速度が自車両よりも速いと判断した場合に進む図10に示すステップS151では、支援部111は、他の車両と自車両との走行速度の差に基づいて、変速機103の現状の変速段での加速では、他の車両に追従するために必要な加速力が得られず、一定時間内に速度合わせできない状態であるかを判断する。すなわち、支援部111は、他の車両との車速差が所定値Δth以上である(車速差≧Δth)かを判断し、車速差<ΔthであればステップS153に進み、車速差≧ΔthであればステップS155に進む。ステップS153では、ECU107は、変速機103の変速段を現段に維持し、自車両が加速するよう内燃機関101の運転を制御する。
ステップS155では、支援部111は、変速機103の変速段が最下段であるか、内燃機関101の回転数がしきい値以上の高回転状態であるとの条件を満たすか否かを判断し、当該条件を満たさない場合はステップS157に進み、満たす場合はステップS159に進む。ステップS157では、ECU107は、変速機103のダウンシフト制御を行い、自車両が加速するよう内燃機関101の運転を制御する。一方、ステップS159では、ECU107は、変速機103の変速段を現段に維持し、自車両が加速するよう内燃機関101の運転を制御する。
次に、自車両が定速走行から追従走行に移行する際の処理について説明する。図11に示すように、支援部111は、自車両が追従する予定の他の車両の走行速度が自車両よりも遅いか否かを判断し(ステップS201)、遅くない場合はステップS203に進み、遅い場合は図9に示したステップS127に進む。ステップS203では、支援部111は、自車両が追従する予定の他の車両の走行速度が自車両よりも速いか否かを判断し、速くない場合はステップS205に進み、速い場合は図12に示すステップS221に進む。なお、他の車両の走行速度が遅くも速くもない場合は、他の車両の走行速度が自車両の車速VPが一致する場合である。
ステップS205では、支援部111は、他の車両の走行速度と車速VPとが一致してから一定時間が経過したか否かを判断し、一定時間が経過する前であればステップS207に進み、一定時間が経過した後であればステップS209に進む。ステップS207では、ECU107は、変速機103の変速段を現段に維持し、上記他の車両に追従するよう内燃機関101の運転を制御する。
ステップS209では、支援部111は、変速機103の変速段が最終目標段であるか否かを判断し、最終目標段でなければステップS211に進み、最終目標段であればステップS217に進む。なお、最終目標段は、シフトマップ等に基づく車速VPに応じた変速段である。ステップS211では、支援部111は、前回のアップシフトから一定時間が経過したか否かを判断し、一定時間が経過する前であればステップS213に進み、一定時間が経過した後であればステップS215に進む。ステップS213では、ECU107は、変速機103の変速段は現段のまま、上記他の車両に追従するよう内燃機関101の運転を制御する。ステップS215では、ECU107は、変速機103の変速比を小さくする(変速段を上げる)アップシフト制御を行い、上記他の車両に追従するよう内燃機関101の運転を制御する。ステップS217では、ECU107は、変速機103の変速段は現段のまま、上記他の車両に追従するよう内燃機関101の運転を制御する。
図11のステップS203において、他の車両の走行速度が自車両よりも速いと判断した場合に進む図12に示すステップS221では、支援部111は、自車両が追従する予定の他の車両の走行速度が自車両の定速走行時における目標車速以下であるか否かを判断し、目標車速より大きければステップS223に進み、目標車速以下であればステップS225に進む。ステップS223では、ECU107は、変速機103の変速段を現段に維持し、自車両が定速走行時における目標車速で走行するよう内燃機関101の運転を制御する。
ステップS225では、支援部111は、他車の加速に対して、変速機103の現状の変速段での加速で追従可能かを判断し、現段の加速で追従可能であればステップS227に、現段の加速で追従可能でなければステップS229に進む。ステップS227では、ECU107は、変速機103の変速段を現段に維持し、上記他の車両に追従するよう内燃機関101の運転を制御する。ステップS119では、ECU107は、変速機103のアップシフト制御を行い、上記他の車両に追従するよう内燃機関101の運転を制御する。
次に、自車両が追従走行から定速走行に移行する際の処理について説明する。図13に示すように、支援部111は、自車両の進行方向に沿った前方の上記説明した所定の位置関係を満たす空間に、自車両の前方を走行していた他の車両が存在しなくなったか否かを判断し(ステップS301)、存在する場合はステップS303に進み、存在しなくなった場合はステップS321に進む。ステップS303では、他の車両が上記空間に存在しなくなりそうであるかを判断し、存在しそうと判断した場合にはステップS305に進み、存在しなくなりそう、すなわち、存在しなくなると予測した場合にはステップS307に進む。
ステップS305では、ECU107は、変速機103の変速段を現段に維持し、上記他の車両に追従するよう内燃機関101の運転を制御する。ステップS307では、支援部111は、追従走行中の自車両の現状の車速VPと定速走行時における目標車速との差がしきい値以上であるか否かを判断し、当該差がしきい値未満であればステップS305に進み、しきい値以上であればステップS309に進む。ステップS309では、支援部111は、変速機103の変速段がシフトマップ等に基づく車速VPに応じた最終目標段と一致するか、内燃機関101の回転数がしきい値以上の高回転状態であるとの条件を満たすか否かを判断し、当該条件を満たさない場合はステップS305に進み、満たす場合はステップS311に進む。ステップS311では、ECU107は、変速機103のダウンシフト制御を行い、上記他の車両に追従するよう内燃機関101の運転を制御する。
ステップS321では、支援部111は、追従走行中の自車両の現状の車速VPが定速走行時における目標車速に近づいたか否かを判断し、車速VPが目標車速に近づいていない場合はステップS323に進み、近づいた場合はステップS331に進む。ステップS323では、支援部111は、車速VPと目標車速との差がしきい値以上であるか否かを判断し、当該差がしきい値未満であればステップS325に進み、しきい値以上であればステップS327に進む。ステップS325では、ECU107は、変速機103の変速段は現段のまま、定速走行時の目標車速まで加速するよう内燃機関101の運転を制御する。ステップS327では、支援部111は、変速機103の変速段がシフトマップ等に基づく車速VPに応じた最終目標段と一致するか否かを判断し、一致しなければステップS325に進み、一致すればステップS329に進む。ステップS329では、ECU107は、変速機103の変速段はダウンシフト制御後の変速段のまま、定速走行時の目標車速まで加速するよう内燃機関101の運転を制御する。
ステップS331では、支援部111は、前回のアップシフトから所定時間が経過したか否かを判断し、所定時間経過前であればステップS333に進み、所定時間経過後であればステップS335に進む。ステップS335では、支援部111は、変速機103の変速段がシフトマップ等に基づく車速VPに応じた最終目標段と一致するか否かを判断し、一致すればステップS333に進み、一致しなければステップS337に進む。ステップS333では、ECU107は、変速機103の変速段は現段のまま、定速走行時の目標車速で走行するよう内燃機関101の運転を制御する。ステップS337では、ECU107は、変速機103のアップシフト制御を行い、定速走行時の目標車速で走行するよう内燃機関101の運転を制御する。
以上説明したように、本実施形態によれば、定速走行中、自車両の前方に他の車両が低速で割り込んできそうな場合はダウンシフト制御を行って減速し、その後、上記他の車両に追従して走行するために加速を行う。また、支援部111の支援制御に従った追従走行中、前方を走行する他の車両が減速しそうな場合もダウンシフト制御を行って減速し、その後、当該他の車両に追従した加速を行っても良い。このように、他の車両に追従するために自車両も加速する際には、ダウンシフトした変速段を維持したまま加速を行って、アップシフト制御を行いつつ当該加速を継続できる。その結果、追従走行時における減速からの遅滞のないスムーズな加速が可能となり、他の車両に速やかに追従できる。
また、定速走行中に自車両の前方に割り込んできた他の車両に加速して追従する際には、当該他の車両との相対位置が所定の位置関係になった後にアップシフト制御を行う。その結果、追従走行時における減速からのスムーズな加速が可能となり、他の車両にスムーズに追従できる。
また、他の車両との相対速度が大きいときは大きな減速度が必要である一方、当該相対速度が小さいときは大きな減速度は不要である。このため、相対速度が小さいにもかかわらず、ダウンシフト制御時の変速機の変速比を必要以上に変更すると、不必要に大きな減速が発生し、当該減速感によって乗員の快適性が損なわれる。本実施形態では、ダウンシフト制御後の変速機の変速比は、相対速度に基づいて決定されるため、減速度と乗員の快適性の両立を図ることができる。
また、他の車両との間の距離が短いときは大きな減速度が必要である一方、上記距離が長いときは大きな減速度は不要である。このため、上記距離が長いにもかかわらず、ダウンシフト制御時の変速機の変速比を必要以上に変更すると、不必要に大きな減速が発生し、当該減速感によって乗員の快適性が損なわれる。本実施形態では、ダウンシフト制御後の変速機の変速比は、他の車両との間の距離に基づいて決定されるため、減速度と乗員の快適性の両立を図ることができる。
また、ダウンシフト制御時に内燃機関の燃料カットを行うことで、エンジンブレーキを効果的に利用した減速が可能である。
また、定速走行中、自車両の前方に他の車両が低速で割り込んできそうな状況を、走行に関する他の車両の動き又は他の車両の灯体の点灯状態から検知した場合には、ダウンシフト制御を行う。このため、実際に他の車両が自車両の進行方向に沿った前方に低速で割り込んできたために大きな減速が必要となった場合でも、速やかな減速が可能である。また、追従走行中、前方を走行する他の車両が減速しそうな状況を、走行に関する当該他の車両の動き又は当該他の車両の灯体の点灯状態から検知した場合には、ダウンシフト制御を行う。このため、実際に他の車両が減速したために大きな減速が必要となった場合でも、速やかな減速が可能である。
また、追従走行中、自車両の前方を走行する他の車両が自車両の進行方向に沿った前方の所定の位置関係を満たす空間に存在しなくなりそうな状況を検知した場合には、ダウンシフト制御を行うことで、その後の、目標速度への速やかな加速をスムーズに遅滞なく行うことができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
101 内燃機関
103 変速機
105 車速センサー
107 ECU
109 認識部
111 支援部
8 ディファレンシャルギヤ
9 車軸
BRK ブレーキ
DW 駆動輪
103 変速機
105 車速センサー
107 ECU
109 認識部
111 支援部
8 ディファレンシャルギヤ
9 車軸
BRK ブレーキ
DW 駆動輪
Claims (8)
- 内燃機関と、
前記内燃機関の駆動回転を変速して駆動輪に伝達する変速機と、を備える車両であって、
前記車両の前方に位置する他の車両を認識する認識部と、
前記認識部が認識する前記他の車両との相対位置が所定の位置関係となるよう、及び/又は、前記車両の走行速度が目標速度以下での定速走行を行うよう、前記車両の運転を支援する制御を行う支援部と、
前記支援部の支援制御に従い、前記内燃機関及び前記変速機の変速比を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記車両が前記支援部の支援制御に従った走行中に、
前記認識部の認識内容に基づいて、前記車両の進行方向に沿った前方の前記所定の位置関係を満たす空間よりも前記車両寄りの近接空間に、他の車両が存在することを前記支援部が予測又は検知した場合は、前記変速機の変速比を大きくするダウンシフト制御を行い、
前記ダウンシフト制御後に、前記認識部の認識内容に基づいて、前記他の車両が前記空間に存在しなくなることを前記支援部が予測又は検知した場合は、前記内燃機関からの動力によって前記車両が加速する制御を行う、車両。 - 請求項1に記載の車両であって、
前記制御部は、前記ダウンシフト制御後に前記車両が加速する制御を行う際、前記ダウンシフト制御後の前記変速機の変速比を維持するか、前記変速機の変速比を前記ダウンシフト制御後の前記変速機の変速比から小さくするアップシフト制御を行う、車両。 - 請求項2に記載の車両であって、
前記制御部は、前記ダウンシフト制御後に前記他の車両との相対位置が前記所定の位置関係になった後、前記アップシフト制御を行う、車両。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両であって、
前記制御部は、前記ダウンシフト制御を行う際には、前記車両と前記他の車両との相対速度に基づいて、前記ダウンシフト制御後の前記変速機の変速比を決定する、車両。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両であって、
前記制御部は、前記ダウンシフト制御を行う際には、前記車両と前記他の車両との間の距離に基づいて、前記ダウンシフト制御後の前記変速機の変速比を決定する、車両。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の車両であって、
前記制御部は、前記ダウンシフト制御を行うと共に、前記内燃機関の燃料カットを行う、車両。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の車両であって、
前記認識部は、走行に関する前記他の車両の動き又は前記他の車両の灯体の点灯状態を検知し、
前記制御部は、前記認識部が検知した情報に基づいて、前記近接空間に前記他の車両が存在することを前記支援部が予測又は検知すると、前記ダウンシフト制御を行う、車両。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の車両であって、
前記認識部は、走行に関する前記他の車両の動き又は前記他の車両の灯体の点灯状態を検知し、
前記制御部は、前記車両が前記目標速度未満の速度で進行方向に沿った前方の前記空間に位置する他の車両との相対位置が前記所定の位置関係となるよう走行しているときに、前記認識部が検知した情報に基づいて、前記他の車両が前記空間に存在しなくなることを前記支援部が予測又は検知した場合は、前記ダウンシフト制御を行う、車両。
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