JP2018509955A - 滑り防止液体管理床材表面カバー物品及び製造方法 - Google Patents

滑り防止液体管理床材表面カバー物品及び製造方法 Download PDF

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Abstract

床材表面に使用するための滑り防止液体管理カバー物品。物品は作用面を画定するフィルムを含む。作用面に微細構造化表面が形成され、これは、複数の主要突条と、底部表面を各々有する毛管マイクロチャネルとを含む。各主要突条は、長さを有する長尺体である。主要突条のうちの少なくとも1つの一部分の形状は、長さの方向において一様ではない。毛管マイクロチャネルは、自発的な液体のウィッキングを促進する。この構造を用いれば、一様でない形状により、複数の方向で測定した場合に、作用面において高い摩擦係数が確立される。カバー物品は、水又は他の液体の存在下であってさえも、歩行者が滑るリスクを最小化する。

Description

本開示は床材表面カバーに関する。より具体的には、本開示は、既存の床材表面に使用可能な、耐滑性を有するフィルム系カバーに関する。
床材表面上の溜り水又は他の液体の存在は、例えば歩行者の往来の多い施設又は他の場所において、非常に問題となる可能性がある。水は多くの場合、床材表面の摩擦係数を下げ、歩行者が滑るリスクを高める。溜り水はまた、時間とともに床材表面を損傷する可能性もある。
液体の集まり及び歩行者の滑りが関心事となる床材表面上に一時的に置くものとして、糸を織ったもの又は糸を不織布にしたものを利用する、比較的厚いマット、ラグ、パッド、及び類似の製品が、従来から利用可能である。容易に利用可能であるものの、マット、ラグ、及び類似の製品は、比較的かさ張りかつ高価であり、また定期的に清掃しなければならない。更に、採用される材料は多くの場合、長い時間の間水を保持し、この吸収された液体が、物品の表面における摩擦係数を下げる。いくつかの事例では、蓄積した水を除去するために、能動液体除去デバイス(例えば真空源)を、マットと一体化することができる。実行可能ではあるものの、液体除去デバイスは追加のコストを表している。
床材表面の保護を意図したポリマーフィルム型の製品も利用可能である。これらのフィルム系の物品は、(例えば位置調整可能な接着性の裏材を介して)床材表面に容易に付着しその後取り外されるように形式を整えることができ、また比較的安価である。いくつかの事例では、滑り防止特徴部を作り出すために、ポリマーフィルム床カバー内に、硬化させた粒子を埋め込むことができる。残念ながら、そのような特徴部によって提供される高い摩擦係数は多くの場合、水又は他の液体の存在下では小さくなり、また埋め込まれる粒子は、追加のコストを表している。対照的に、床材表面カバーとして有用である可能性のある他のポリマーフィルム系物品は、一連の一様に構造化された溝又はチャネルを介して、フィルムの表面上に集まった液体の管理又は除去を促進するように設計されている。チャネルは、蓄積した液体をフィルムの大きい表面にわたって分散させてより素早く蒸発させ、かつ/又は、能動液体除去デバイス(真空源、吸収材等)が位置付けられている除去区域へと液体の流れを導くことができる。フィルムの表面において蓄積した液体の存在を管理することによって、液体が摩擦係数に対して通常有し得る液体のマイナスの効果を、本来的に最小化できる。しかしながら、液体管理フィルムは通常、特に交通量の多いエリアでは、歩行者の滑りの懸念に関して最適な解決法とは見なされない。はっきりと言えば、構造化された溝は方向バイアスを生じさせ、これにより、フィルムの表面が有する摩擦係数は方向が異なれば著しく変化し、歩行者が特定の方向からこのフィルムに差し掛かるとき、(予期しない)滑りのリスクの増大につながる。
上記を考慮すると、液体管理及び多方向性滑り防止特徴部を有する床材表面カバー物品を提供する必要性が存在する。
本開示の原理に従ういくつかの態様は、床材表面に使用するための滑り防止液体管理カバー物品を対象としている。物品は、反対側を向いた第1の主面及び第2の主面を画定するフィルムを含む。第1の主面に微細構造化表面が形成され、複数の主要突条と、底部表面を各々有する複数の毛管マイクロチャネルとを形成している。毛管マイクロチャネルのそれぞれは、間隔をあけて隣接する主要突条同士の間に画定される。主要突条の各々は、高さ及び幅よりも長い長尺体である。主要突条のうちの少なくとも1つの一部分の形状は、主要突条の長さの方向において一様ではない。毛管マイクロチャネルは、毛管マイクロチャネルに沿った液体の自発的なウィッキングを促進するように構成される。この構造を用いれば、主要突条の一様でない形状により、複数の方向で測定した場合に、第1の主面において高い摩擦係数が確立される。床材表面に使用されると、カバー物品は、水又は他の液体の存在下であってさえも、歩行者が滑るリスクを最小化する。いくつかの実施形態では、ASTMD2047に従って測定した場合の第1の主面における摩擦係数は、主要突条の長さと平行な方向及び長さに対して垂直な方向において、少なくとも0.8である。他の実施形態では、主要突条の各々は、底部表面から延びる基部セグメント、及び基部セグメントから延びる頭部セグメントを画定する。一様でない形状は、頭部セグメントに沿って提供され、したがって、対応する毛管マイクロチャネルの底部表面から間隔があけられており、マイクロチャネルの毛管作用と干渉しないようになっている。更に他の実施形態では、微細構造化表面は、隣接する主要突条同士の間に複数の副突条を更に含み、毛管マイクロチャネルのそれぞれは、副突条のうちの1つ以上によって部分的に画定されている。副突条の各々の高さは、主要突条の高さよりも小さく、主要突条の一様でない形状とされたセグメントは、副突条から間隔があけられている。
本開示の原理に従う他の態様は、床材表面に使用するための滑り防止液体管理カバー物品を形成する方法を対象としている。方法は、反対側を向いた第1の主面及び第2の主面を画定するフィルムを含む前駆体物品を準備することを含む。前駆体物品の第1の主面に微細構造化表面が形成され、これは複数の主要突条及び複数の毛管マイクロチャネルを含む。主要突条の各々は、高さ及び幅よりも長い長尺体である。更に、前駆体物品の主要突条の各々の全体の形状は、対応する長さの方向において実質的に一様である。方法は、前駆体物品の主要突条のうちの少なくとも1つのセグメントの形状を、セグメントの形状が対応する長さの方向において一様でなくなるように変えることを更に含む。いくつかの実施形態では、形状を変えるステップは、主要突条を鋭い縁部に当てることによってなどで、主要突条のセグメントを塑性変形させることを含む。
別な方法で規定されていない限りは、以下の用語は、以下の定義に従って解釈されるべきである。
流体制御フィルム又は流体輸送フィルムは、液体などの流体の操作、案内、収容、自発的ウィッキング、輸送、又は制御が可能な微細複製されたパターンを備える少なくとも1つの主面(又は作用面)を有する、フィルム又はシート又は層を指す。
微細複製とは、微細構造化表面を、この構造化表面の特徴部が、製造中、個々の特徴部の忠実度を維持するような工程を通して、作り出すことを意味する。
微細構造化表面は、特徴部のうちの少なくとも2つの寸法が微細であるような特徴部の構成を有する表面を指す。「微細な」という用語は、視野の平面から見たときに形状を判定するのに裸眼に視覚補助が必要であるほど、十分に小さい寸法の特徴部を指す。微細構造化表面は、僅かな又は多くの微細な特徴部(例えば数十個、数百個、数千個、又はそれ以上)を含み得る。微細な特徴部は全て同じものとすることができるか、又は、1つ以上が異なっていることができる。微細な特徴部は全てが同じ寸法を有し得るか、又は、1つ以上が異なる寸法を有し得る。例えば、微細構造化表面は、所定のパターンから精確に複製され、例えば一連の個々の開いた毛管マイクロチャネルを形成し得る、特徴部を含み得る。
塑性変形は、十分な負荷によって永久的な変形が引き起こされる過程を指す。塑性変形は、破壊を伴わずに固体の形状又はサイズの永久的な変化をもたらすもので、弾性限界を超える応力を持続的にかけた結果生じる。
本開示の原理に従う、床材表面カバー物品の簡略平面図である。 図1Aのカバー物品の線1B−1Bに沿った一部分の拡大断面図である。 図1Aのカバー物品の線1C−1Cに沿った別の一部分の拡大断面図である。 物体との摩擦接触面を概略的に反映した、図1Aのカバー物品に関して含まれる主要突条の拡大簡略平面図である。 物体との摩擦接触面を概略的に反映した、本開示の原理に従う、別の実施形態の主要突条の一部分の拡大簡略平面図である。 本開示のカバー物品による方向バイアスによる摩擦に関する懸念の克服を提示する、微細構造化フィルムの簡略平面図である。 本開示の原理に従う、別の床材表面カバー物品の一部分の拡大断面図である。 本開示の原理に従う、別の床材表面カバー物品の一部分の拡大断面図である。 本開示の原理に従う、別の実施形態の床材表面カバー物品の簡略平面図である。 本開示の原理に従う、床材表面カバー物品を製造する方法を例示するフロー図である。 本開示の方法に関して有用である前駆体物品の一部分の拡大断面図である。 本開示の方法に関して有用である別の前駆体物品の一部分の拡大断面図である。 本開示の原理に従う、前駆体物品を床材表面カバー物品に変換するためのシステム及び方法の簡略平面図である。 図8Aの構成の側面図である。 図8Aの構成の線8C−8Cに沿った一部分の断面図である。 本開示の実施例の項目において参照される前駆体物品のSEMデジタル顕微鏡写真である。 本開示の原理に従う、実施例の項目において参照される床材表面カバー物品のSEMデジタル顕微鏡写真である。 本開示の原理に従う、実施例の項目において参照される床材表面カバー物品のSEMデジタル顕微鏡写真である。 本開示の原理に従う、実施例の項目において参照される床材表面カバー物品のSEMデジタル顕微鏡写真である。
図は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。図中に用いられる同じ数字は、同じ構成要素を示す。しかしながら、特定の図中のある構成要素を示す数字の使用は、同じ数字を付した別の図中の構成要素を限定しようとするものではないことは理解されるであろう。
以下で検討される床材表面カバー物品は、微細複製された親水性のチャネル内へと毛管作用によって液体をウィッキングし物品の表面にわたって分散させるように構成され、この結果、液体の体積に対する表面の比率を著しく高め、蒸発を促進する。更に、本開示の床材表面カバー物品は、チャネルの方向に対して垂直な方向及び平行な方向を含め、複数の方向において測定した場合に高い摩擦係数を提供するように構成される。
本開示の原理に従う床材表面カバー物品100の1つの実施形態が、図1A及び1Bに示されている。物品100は、反対側を向いた第1の主面104及び第2の主面106を画定するフィルム(例えば流体制御フィルム)102を含む(参考として言えば、図1Aの図では第1の主面104が見えており、第2の主面106は隠れている)。第1の主面104は、物品100の作用面を表し、使用中は、物品100が使用される床材表面の反対側に配置される。第1の主面104に微細構造化表面110(全体的に参照される)が形成され、これは、間隔があけられた複数の主要突条120及び複数の毛管マイクロチャネル122を含むか、又は形成する。全体として、毛管マイクロチャネル122のそれぞれは、隣接する主要突条120同士の間に画定され(例えば図1Bは、隣接する第1の主要突条120aと第2の主要突条120bとの間に画定される第1の毛管マイクロチャネル122aを特定している)、毛管マイクロチャネル122の各々は、底部表面124を有する。別の言い方をすれば、主要突条120は、対応する底部表面124から(図1Bの配向に対して上向きに)突出する。
いくつかの実施形態では、主要突条120の各々(及びしたがって毛管マイクロチャネル122の各々)は、第1の主面104にわたって、同様の様式又は方向で延びる。例えば、フィルム102を、第1の縁部140〜第4の縁部146を有するものとして見ることができる(第1の縁部140は第2の縁部142の反対側にあり、第3の縁部144は第4の縁部146の反対側にある)。縁部140〜146は組み合わされて、長手(又はx軸)方向及び横(又はy軸)方向を有するx、y平面(図1A)において、ある形状を作り出す。いくつかの実施形態では、長手(x)方向及び横(y)方向を、一般に認められているフィルム製造の慣例に従って、それぞれウェブ(又は機械)方向及びクロスウェブ方向として見ることもできる。主要突条120及び毛管マイクロチャネル122は、縁部140〜146からこれらの対の間に延び得る。例えば、図1Aの例示の実施形態に関して、主要突条120及び毛管マイクロチャネル122は各々、第1の縁部140と第2の縁部142との間で、横又はクロスウェブ方向(y)に延びる。別法として、主要突条120及び毛管マイクロチャネル122は、第3の縁部144と第4の縁部146との間で、長手又はウェブ方向(x)に延び得る。更に他の実施形態では、主要突条120及び毛管マイクロチャネル122は、長手方向(x)及び横方向(y)に対して斜めであることができる。
上記の慣例を念頭に置くと、主要突条120の各々は、長さL(図1A)、高さH(図1B)、及び幅T(図1B)を画定する長尺体である。長さLは高さH及び幅Tよりも大きい。この細長い形状により、主要突条120(及び毛管マイクロチャネル122)を、共通の方向又は延長の方向Dを有するものとして見ることができる。図1Aの例示の実施形態では、延長の方向Dは、フィルム102のクロスウェブ(又はy軸)方向と同じであるが、他の実施形態では、主要突条120及び毛管マイクロチャネル122の延長の方向Dは、クロスウェブ方向(y軸)に対して垂直又は斜めとすることができる。主要突条120のうちの少なくとも1つの一部分の形状は、延長の方向Dにおいて(すなわち対応する長さLに沿って)一様ではなく、この一様でない形状は、以下でより詳細に記載するように、作用面104において、多方向での高い摩擦係数を確立している。図1Bの第1の主要突条120aを具体的に参照すると、底部表面124からの主要突条120aの突出は、自由端152の反対側に固定端150を確立しているものとして見ることができる。自由端152に、反対側にある角部154、156が画定される。固定端150から(自由端152の方向に)基部セグメント160が延び、自由端152から(固定端150の方向に)頭部セグメント162が延びる。一様でない形状は、頭部セグメント162に沿って画定される。
より具体的には、長さL又は延長の方向Dに対して垂直な平面(例えば、図1Bのx、z平面)における基部セグメント160の断面形状は、長さLの少なくとも一部分、任意選択で全体に沿って、実質的に一様であるか又は実質的に一定(例えば真に一様な又は一定の関係の5%以内)である。いくつかの実施形態では、基部セグメント160は、長さLの少なくとも一部分、任意選択で全体に沿って、実質的に線形(例えば真に線形の関係の5%以内)である。参照すると、図1Cは、第1の主要突条120aの長さLに沿った図1Bの断面の場所とは異なる場所における、第1の主要突条120aの断面を例示している。図1Bと図1Cを比較すると、基部セグメント160の断面形状が実質的に一様又は実質的に一定であることが明らかになる。
対照的に、長さL又は延長の方向Dに対して垂直な平面における頭部セグメント162の断面形状は、長さLの少なくとも一部分、任意選択で全体に沿って、一様ではない(例えば少なくとも10%の形状の逸脱)。いくつかの実施形態では、頭部セグメント162は、図1Aに反映されているように、長さLに沿って波打つ又は波形をなす形状を有する。図1Aは、互いと同相である主要突条120の波形をなす形状を全体的に反映しているが、他の実施形態では、主要突条120のうちの1つ以上の波形をなす形状は、主要突条120のうちの他のものと位相がずれていてもよい。図1Bと図1Cを比較すると、長さLに沿った頭部セグメント162の一様でない形状が更に明らかになる。
頭部セグメント162の一様でない形状は別法として、基部セグメント160の実質的に一様な(任意選択で実質的に線形の)形状によって確立される中心平面Cを基準として、特徴付けることができる。主要突条120は各々、反対側を向いた主面170、172を形成し、対応する幅Tは、主面170、172間の距離として規定されている。このことを念頭に置くと、図1Bは、長さL又は延長の方向Dに対して垂直な断面の平面(例えばx、z平面)において、基部セグメント160に沿った反対側を向いた主面170、172は、中心平面Cに関して実質的に対称(例えば真に対称な関係の5%以内)であることを反映している。この実質的に対称な関係は、(例えば図1Cの図との比較によって考慮されるように)長さLの少なくとも一部分、任意選択で全体に沿って、維持される。対照的に、反対側を向いた主面170、172は、頭部セグメント162に沿って中心平面Cに対して非対称(例えば、少なくとも10%の逸脱)である。例えば、図1Bの断面の(長さLに対する)場所において、第1の主面170及び第2の主面172はいずれも、頭部セグメント162に沿って中心平面Cの同じ側にずらされる。図1Cの断面の場所において、第1の主面170及び第2の主面172はいずれも、(図1Bのずらした配置と比較した場合の)中心平面Cの反対の側にずらされる。長さLに沿った他の場所では、頭部セグメント162における第1の主面170及び第2の主面172は、中心平面Cに対して他の関係を有し得る。
頭部セグメント162の一様でない波打つ形状は、長さLに沿った1つ以上の場所における、隣接する主要突条120(例えば図1B及び図1Cにおける第2の主要突条120b及び第3の主要突条120c)「に向かう」、主要突条120aの突出を含み、対応する毛管マイクロチャネル122の上側領域に沿った有効幅を小さくする。言い換えれば、頭部セグメント162は、対応する毛管マイクロチャネル122の幅「の中へと」突出しているか、又は毛管マイクロチャネル122の上に張り出しており、毛管マイクロチャネル122はこれ以外は基部セグメント160において確立される。例えば、図1Bは、第1の主要突条120a及び第2の主要突条120bの基部セグメント160間に、第1の毛管マイクロチャネル122aの基部チャネル幅Wを特定している。頭部セグメント162間に有効頭部チャネル幅Wが規定され、これは、(第1の主要突条120aの長さLに沿った任意の場所における)第1の主要突条120aの頭部セグメント162が第2の主要突条120bの中心平面Cに最も近い点と、(第2の主要突条120bの長さLに沿った任意の場所における)第2の主要突条120bの頭部セグメント162が第1の主要突条120aの中心平面Cに最も近い点との間の、(例えば図1B及び図1Cにおけるx軸に沿った)横方向距離を表す。有効頭部チャネル幅Wは、基部チャネル幅Wよりも小さい。図1B及び図1Cは、有効頭部チャネル幅Wが、必ずしも頭部セグメント162間の同一平面内の幅又は横方向距離ではないことを例示している(例えば、第1の主要突条120a及び第2の主要突条120bの波打つ形状が(図1A〜図1Cにおけるように)互いと同相である場合、頭部セグメント162間の同一平面内の幅又は横方向距離は、必ずしも基部チャネル幅Wよりも小さい訳ではなく、基部チャネル幅Wに対してずれている)。第1の主要突条120a及び第2の主要突条120bが同様の形状及び構造を有する(主要突条120a、120bの各々の基部セグメント160の形状が、対応する長さLに沿って実質的に一様又は実質的に線形であることを含む)実施形態に関して、基部チャネル幅Wは、延長の方向Dにおいて第1の毛管マイクロチャネル122aの少なくとも一部分、任意選択でその全体に沿って、実質的に一様とすることができる。この理由は以下で明らかにする。同様の関係が、第2の毛管マイクロチャネル122bに沿って形成される。(底部表面124から間隔をあけられた又はその上方での)様々な場所において毛管マイクロチャネル122a、122b内へと突出することにより、頭部セグメント162は、毛管マイクロチャネル122a、122b「を覆う」表面を生成し、この表面に対して、外部の物体との(例えば歩行者の靴(図示せず)との)摩擦接触面(例えば動摩擦接触面)を確立でき、このことにより、第1の面104において、毛管マイクロチャネル122の方向Dにおける摩擦係数が高くなる。
第1の主要突条120aの頭部セグメント162の波形をなす形状を、別法として、毛管マイクロチャネル122a、122bの一方又は両方の上に間欠的に張り出すものとして記載できる。例えば、図1Bの断面平面の場所において、第1の主要突条120aの頭部セグメント162は、第2の毛管マイクロチャネル122bの上に張り出し(頭部セグメント162と第2の毛管マイクロチャネル122bの床部124との間にアンダーカットを作り出し)、第1の毛管マイクロチャネル122aの上には張り出さない。対照的に、図1Cの断面平面の場所において、第1の主要突条120aの頭部セグメント162は、第1の毛管マイクロチャネル122aの上に張り出し、第2の毛管マイクロチャネル122bの上には張り出さない。このことを念頭に置くと、頭部セグメント162は、対応する基部セグメント160から(図1Cにおいて特定されている)延長角度θで延び、頭部セグメント162の波形をなす形状は、延長角度θの局所的な最小値(すなわち、対応する毛管マイクロチャネル122を覆う頭部セグメント162の最も目立つ突出)を確立する。図1B及び図1Cは、延長角度θの局所的な最小値の2つの例を反映している。いくつかの実施形態では、延長角度θの局所的な最小値は90°〜170°の範囲内であり、任意選択で91°〜120°の範囲内である。
頭部セグメント162に沿った主面170、172は、図1B及び図1Cでは比較的滑らかなものとして例示されているが、他の実施形態では、頭部セグメント162に沿った主面170、172の一方又は両方の表面は、無作為に形成された突起及び/又は空洞によってなどで、粗面化すること又は不規則にすることができる。この粗面化は、以下で記載するような形状変更製造ステップ中に付与することができ、フィルム102の中に埋め込まれる粒子を追加することなく実現できる。
歩行者(又は他の物体)が、延長の方向Dに対して垂直な方向(図1Aにおいて矢印Eによって識別されている)、又は延長の方向Dと平行な方向(図1Aにおいて矢印Aによって識別されている)を含む様々な方向から、床材表面カバー物品100の作用面104に無作為に接近し、その後接触する場合がある。垂直方向Eに移動しているとき、物体は、主要突条120のうちの1つ以上の角部(例えば角部154)に、垂直方向Eと非平行な接触の線に沿った複数の場所において容易に接触することになり(この理由は、主要突条120及びしたがって対応する角部154、156が延長の方向Dにおいて一続きであり、事実上垂直方向Eに対して実質的に垂直であるからである)、実質的な動摩擦接触面が作り出される。垂直方向Eにおけるこの接触面は、図1A及び図1Bにおいて、矢印Fによって概略的に反映されている。主要突条(複数可)120は、物体/角部接触面において物体に対して際立った摩擦力を及ぼすが、これは、接触点が比較的多数であること、及び、そのように接触した角部154が垂直方向Eと非平行であり、したがって、垂直方向Eにおける作用面104に沿った物体の摺動又は滑りに抵抗することに起因している。
同様の際立った摩擦接触面が、主要突条120のうちの1つ以上と平行方向Aに移動中の物体との間に確立される。例えば、主要突条120のうちの1つの拡大した一部分が、図2Aに単独で示されている。示されているように、頭部セグメント162の波打つ形状により、角部154、156の様々な部分が、様々な場所において平行方向Aと非平行となるように構成される。結果として、平行方向Aに移動中の物体は、平行方向Aと非平行である接触面の線に沿った様々な領域において、角部154、156の一方又は両方に容易に接触することになり、矢印Fによって示されるような実質的な動摩擦接触面が作り出される。主要突条120は、物体/角部接触面において物体に対して際立った摩擦力を及ぼすが、これは、接触点が比較的多数であること、及び、そのように接触した角部154、156の領域が平行方向Aと非平行であり、したがって、平行方向Aにおける作用面104に沿った物体の摺動又は滑りに抵抗することに起因している。図2Bの代替の主要突条120’によって全体的に反映されているように、製作により頭部セグメント162’に無作為のばらつき又は一様でない部分(図2Bでは180で識別されている)が付与される実施形態では、作用面104において、追加の表面粗さ、及びしたがってより一層向上した摩擦接触面又は摩擦係数が提供される。
本開示の床材表面カバー物品の作用面における、バイアスのない又は多方向性の摩擦又は滑り防止特性は、様々な様式で、例えば、(一般に認められている工業規格(例えばASTM D2047、滑り計又は類似のデバイス(例えば、Regan Scientific Instrumentsから入手可能なBOT−3000E摩擦計)、等)に従って測定されるような)作用面の摩擦係数又は滑り抵抗係数を、互いに対して垂直な少なくとも2つの方向(例えば、上記の平行方向A及び垂直方向E)において比較することによって、特徴付けることができる。本開示のいくつかの実施形態に関して、2つの摩擦係数値又は滑り抵抗係数は互いの15%以内にあり、別法では10%以内にある。例えば、多くの一般に認められている試験規格及び滑り計によって生成されるような、特定の表面に関する静摩擦係数「値」は、0.01〜約1.0の範囲内にあるであろう。この従来の範囲内で、本開示の床材表面カバー物品の作用面における摩擦係数は、第1の方向において、及び第1の方向に対して垂直な第2の方向(例えば、平行方向A及び垂直方向E)において、少なくとも0.75、任意選択で少なくとも0.80である。他の実施形態では、摩擦係数は、任意の方向において、少なくとも0.75、任意選択で少なくとも0.80である。
比較すると、図3は、延長の方向Dにおいて一様な形状とされ実質的に線形である細長い突条192を有する微細構造化フィルム190の部分を、簡略化された形態で例示している。突条192の自由端198において確立された反対側にある角部194、196は、延長の方向Dと、及びしたがって平行方向Aと、実質的に平行である。平行方向Aにおいて突条192と接触する物体は、平行方向Aと実質的に平行な接触面の線に沿って、角部194、196と接する。結果として、突条192は、物体/角部接触面において、物体に対して及ぼすとしても最小限の摩擦力しか及ぼさず、平行方向Aにおける物体の摺動又は滑りには抵抗しない。本開示の床材表面カバーは、微細構造化フィルム190の滑り防止の欠点を克服する。
図1A及び図1Bに戻ると、上記の一様でない形状には、主要突条120のうちの、ただ1つ、2つ以上、又は全てを設けることができる。主要突条120のうちの2つ以上により一様でない形状が具現化される場合、そのように構築された主要突条120は、同一とすることができるか、又は異なるものとすることができる。更に、一様でない形状は、主要突条120のうちの1つ以上の長さLの一部分のみに沿って、主要突条120のうちの1つ以上の長さLの少なくとも大部分に沿って、又は主要突条120のうちの1つ以上の全長Lに沿って、提供することができる。いくつかの実施形態では、隣接する主要突条120の対の各々は、均等に間隔があけられている。他の実施形態では、隣接する主要突条120の様々な対の間隔は、少なくとも2つの異なる距離だけ離れたものであってよい。
毛管マイクロチャネル122は、チャネル122内での及び作用面104にわたる、液体の毛管移動を提供するように構成される。毛管作用により液体がウィッキングされてこれが作用面104にわたって分散され、この結果、液体の表面対体積比が大きくなり、より急速な蒸発が可能となる。いくつかの実施形態では、毛管マイクロチャネル122のうちの1つ以上又は全てが、フィルム102の対応する縁部140〜146において開いており、チャネル開口部199を確立している。チャネル開口部199の寸法は、対応する縁部140〜146に集まる液状流体を、毛管作用によってチャネル122内へとウィッキングするように構成することができる。(対応する隣接する主要突条120の基部セグメント160に少なくとも沿った)毛管マイクロチャネル122の形状、チャネル表面エネルギー、及び液体表面張力により、毛管力が決定される。いくつかの実施形態では、微細構造化表面110は、直線1cmあたり約10(25/インチ)〜直線1cmあたり約1000(2500/インチ)までの、(毛管マイクロチャネルを横断して測定した)毛管マイクロチャネル密度を提供する。
上記の説明によって明示されるように、毛管マイクロチャネル122によって提供される毛管作用は主として、底部表面124に、及び対応する突条120の基部セグメント160におけるものであり、別の見方をすればこれらがチャネル122を生成している。図1Bに示すように、いくつかの実施形態では、突条120、及び特に対応する基部セグメント160は、z軸に沿って、毛管マイクロチャネル122の底部表面124の概ね法線方向に延び得る。別法として、いくつかの実施形態では、突条120の各々の基部セグメント160は、チャネル122の底部表面124に対して非垂直な角度で延び得る。基部セグメント160は、対応するチャネル122の底部表面124から頭部セグメント162に移行する点まで測定される、高さHを有する。突条基部セグメント高さHは、床材表面カバー物品100に耐久性及び保護が提供されるように選択してよい。いくつかの実施形態では、突条基部セグメント高さHは約25μm〜約3000μmであり、基部チャネル幅Wは約25μm〜約3000μmであり、断面突条基部セグメント幅Tは約30μm〜約250μmである。最後に、フィルム102は、約75μmより小さい、又は約20μm〜約200μmの、第2の主面106から底部表面124まで測定したキャリパー又は層厚さtを有し得る。
いくつかの実施形態では、また図1Bに示すように、対応する基部セグメント160に沿った主要突条120の主面170、172は、断面において、底部表面124における突条120の幅が、対応する頭部セグメント162に移行する点における突条120の幅よりも大きくなるように傾斜していてよい。このシナリオでは、底部表面124におけるチャネル122の基部チャネル幅Wは、頭部セグメント162に移行する点におけるよりも小さい。別法として、基部セグメント160に沿った主面170、172は、底部表面124における基部チャネル幅Wが、頭部セグメント162に移行する点におけるよりも大きくなるように、傾斜させることができる。毛管マイクロチャネル122の形状は、図1B及び図1Cでは断面において全体的に直線的なものとして例示されているが、他の形状も許容できる。例えば、本開示の毛管マイクロチャネルは別法として、V字形状とすることができる。
図4A及び図4Bは、本開示の原理に従う、別の床材表面カバー物品200の断面図である。物品200は、フィルム202、並びに、任意選択の接着層300、及び接着層300のフィルム202と反対側の表面上に配設された任意選択の剥離層302を含む。剥離層302は、床材表面304に接着層300を付与する前に接着層300を保護するために、含まれてよい。図4Bは、剥離層302が取り外された状態の、床材表面304上に設置されたカバー物品200を示す。
接着層300により、外部表面にわたる液体分散の管理を助けるために、実際上任意の種類の床材表面304に、フィルム202を取り付け可能とすることができる。接着層300とフィルム202の組み合わせにより、滑り防止液体管理テープが形成される。接着層300は、一続きであっても一続きでなくてもよい。物品200は様々な添加剤を用いて作成でき、これらは例えば、テープを難燃性にし、また、中性の、酸性の、塩基性の、及び/又は油質の材料を含む様々な液体をウィッキングするのに好適なものにする。
フィルム202は、以下で記載するように、フィルム202の主面又は作用面にわたって流体を分散させて、蓄積した液体の蒸発を促進するように構成される。いくつかの実施形態では、接着層300は、接着層300と床材表面304との間の接触面306において液体をはじき接触面306において液体が集まるのを低減する疎水性材料であり得るか、又はこれを含み得る。
接着層300及び剥離層302は任意選択で、本開示の床材表面カバー物品のいずれに関しても含めることができる。関連する実施形態では、接着剤で裏打ちした床材表面カバー物品を重ねたものを、エンドユーザに提供できる。
フィルム202は、反対側を向いた第1の主面204及び第2の主面206を画定する。第1の主面204に、微細構造化表面210(全体的に参照される)が形成され、これは別の観点では、カバー物品200の作用面としての役割を果たす。微細構造化表面210は、複数の主要チャネル222を画定する複数の間隔をあけた主要突条220、及び複数の毛管マイクロチャネル232を画定する複数の間隔をあけた副突条230を含むか、又はこれらを形成する。全体として、主要チャネル222のそれぞれは、隣接する主要突条220同士の間に画定される(例えば図4A及び図4Bは、隣接する第1の主要突条220aと第2の主要突条220bとの間に画定される第1の主要チャネル222aを特定している)。主要チャネル222は、マイクロチャネルであってもそうでなくてもよい。副突条の230のうちの1つ以上が、主要チャネル222のうちの対応する1つの主要チャネル222内に配設される。毛管マイクロチャネル232の各々は、副突条230のうちの少なくとも1つによって画定される。毛管マイクロチャネル232は、副突条230の組の間に、又は副突条230と主要突条220との間に位置付けられてよい(例えば、図4A及び図4Bは、第1の主要突条220aと直接隣接する第1の副突条230aとの間に画定された第1の毛管マイクロチャネル232a、及び、第1の副突条230aと直接隣接する第2の副突条230bとの間に画定された毛管マイクロチャネル232bを特定している)。主要突条220及び副突条230は、対応するチャネル222、232の底部表面240から(図4A及び図4Bの配向に対して上向きに)突出している。
主要突条220は、主要突条120(図1A〜1C)に関して上記した構造のいずれかを有することができ、長さ(図4A及び図4Bの図からは明らかではないが、図1Aの例示における長さLと同様である)、高さH、及び幅Tを画定する長尺体とすることができる。長さは高さH及び幅Tよりも大きく、共通の方向又は延長の方向を確立する(図4A及び図4Bの図からは明らかではないが、図1Aの例示における延長の方向Dと同様であり、別の見方をすれば図4A及び図4Bの平面に対して垂直である)。主要突条220のうちの少なくとも1つの一部分の形状は、延長の方向において(すなわち対応する長さに沿って)一様ではなく、この一様でない形状は、以下でより詳細に記載するように、多方向での高い摩擦係数を確立している。例えば、図4A及び図4Bの第1の主要突条220aを具体的に参照すると、底部表面240からの主要突条220aの突出は、自由端252の反対側に固定端250を確立しているものとして見ることができる。固定端250から(自由端252の方向に)基部セグメント260が延び、自由端252から(固定端250の方向に)頭部セグメント262が延びる。一様でない形状は、頭部セグメント262に沿って画定される。
より具体的には、延長の方向の長さに対して垂直な平面(例えば、図4A及び図4Bのx、z平面)における基部セグメント260の断面形状は、長さの少なくとも一部分、任意選択で全体に沿って、実質的に一様であるか又は実質的に一定(例えば真に一様な又は一定の関係の5%以内)である。いくつかの実施形態では、基部セグメント260は、長さの少なくとも一部分、任意選択で全体に沿って、実質的に線形(例えば真に線形の関係の5%以内)である。対照的に、長さに対して垂直な平面(例えば、図4A及び図4Bのx、z平面)における頭部セグメント262の断面形状は、長さの少なくとも一部分、任意選択で全体に沿って、一様ではない(例えば少なくとも10%の形状の逸脱)。いくつかの実施形態では、頭部セグメント262は、上記のように(及び図1Aに全体的に反映されているように)、長さに沿って波打つ又は波形をなす形状を有する。頭部セグメント262の一様でない形状は別法として、基部セグメント260の実質的に一様な(任意選択で実質的に線形の)形状によって確立される中心平面Cを基準として、特徴付けることができる。主要突条220は各々、反対側を向いた主面270、272を形成する。長さ又は延長の方向(例えば図4A及び図4Bのx、z平面)に対して垂直な断面の平面において、基部セグメント260に沿った反対側を向いた主面270、272は、中心平面Cに関して実質的に対称(例えば真に対称な関係の5%以内)である。この実質的に対称な関係は、長さの少なくとも一部分、任意選択で全体に沿って、維持される。対照的に、反対側を向いた主面270、272は、上記のような頭部セグメント262に沿っては中心平面Cに対して非対称(例えば、少なくとも10%の逸脱)である。
頭部セグメント262の一様でない波打つ形状は、長さに沿った1つ以上の場所における、隣接する主要突条220(例えば図4A及び図4Bにおける第2の主要突条220b及び第3の主要突条220c)「に向かう」、主要突条220aの突出を含み、対応する主要チャネル222の上側領域に沿った有効幅を小さくする。例えば、図4Bは、第1の主要突条220a及び第2の主要突条220bの基部セグメント260間に、第1の主要チャネル222aの基部チャネル幅Wを特定している。有効頭部チャネル幅Wは、(図1A〜図1Cに関して上記したように)頭部セグメント262間に画定され、基部チャネル幅Wよりも小さい。第1の主要突条220a及び第2の主要突条220bが同様の形状及び構造を有する(主要突条220a、220bの各々の基部セグメント260の形状が、対応する長さに沿って実質的に一様又は実質的に線形であることを含む)実施形態に関して、基部チャネル幅Wは、延長の方向において第1の主要チャネル222aの少なくとも一部分、任意選択でその全体に沿って、実質的に一様とすることができる。この理由は以下で明らかにする。同様の関係が、第2の主要チャネル222bに沿って呈される。(底部表面224から間隔をあけられた又はその上方の)様々な場所において主要チャネル222a、222b内へと突出することにより、頭部セグメント262は、主要チャネル222a、222b「を覆う」表面を生成し、この表面に対して、外部の物体との(例えば歩行者の靴(図示せず)との)摩擦接触面(例えば動摩擦接触面)を確立でき、このことにより、作用面204において、主要チャネル222の方向における摩擦係数が高くなる。更に、頭部セグメント262に沿った主面270、272は、図4A及び図4Bでは比較的滑らかなものとして例示されているが、他の実施形態では、頭部セグメント262に沿った主面270、272の一方又は両方の表面は、無作為に形成された突起及び/又は空洞によってなどで、粗面化すること又は不規則にすることができる。この粗面化は、以下で記載する製造ステップの一部として付与することができ、フィルム202の中に埋め込まれる粒子を含めることなく実現できる。
主要突条220は、対応する一様でない形状とされた頭部セグメント262を、副突条230「の上方に」位置付けるように構成される。別の言い方をすれば、頭部セグメント262の一様でない形状は、基部セグメント260から移行する点280において始まり、対応する底部表面240に対する、実質的に線形の又は一様な基部セグメント260の高さHを確立する。副突条230は、サイズ及び形状を実質的に同一(例えば真に同一な関係の5%以内)とすることができ、フィルム202の対応する寸法の全体に沿って延び得る。副突条230の各々の高さHは、主要突条220の各々の基部セグメント高さHに近似されるか又はこれより小さく、この結果、主要突条220の各々の頭部セグメント262は、毛管マイクロチャネル232から離れるように(例えば図4A及び図4Bの配向に対して上方に)ずらされている。いくつかの非限定的な実施形態では、副突条230の高さHは、約5μm〜約350μmである。これらの構造に関して、一様でない形状とされた、摩擦係数を高める頭部セグメント262は、毛管マイクロチャネル232内で及びこれに沿って、液体の流れとあからさまに干渉しないか、又はこれをそれ以外の様式で妨害しない。上記の一様でない形状には、主要突条220のうちの、ただ1つ、2つ以上、又は全てを設けることができる。主要突条220のうちの2つ以上により一様でない形状が具現化される場合、そのように構築された主要突条220は、同一とすることができるか、又は異なるものとすることができる。更に、上記の一様でない形状は、主要突条220のうちの1つ以上の長さの一部分のみに沿って、主要突条のうちの1つ以上の長さの少なくとも大部分に沿って、又は主要突条のうちの1つ以上の全長に沿って、提供することができる。
隣接する主要突条220同士の間の中心間の距離dprは、約25μm〜約3000μmの範囲内にあってよい。主要突条220と最も近い副突条230との間の中心間の距離dpsは、約5μm〜約350μmの範囲内にあってよい。隣接する副突条230同士の間の中心間の距離dssは、約5μm〜約350μmの範囲内にあってよい。いくつかの場合には、主要突条及び/又は副突条は、示されるような先細りとなる幅を有し得る。
主要突条220は、フィルム202の耐久性及び上記のような多方向での高い摩擦係数、並びに、毛管マイクロチャネル232、副突条230、及び/又は主要突条220間に配設される他の微細構造の保護を提供するように、設計できる。
毛管マイクロチャネル232は、チャネル232内での及び作用面204にわたる、流体の毛管移動を提供するように構成される。毛管作用により流体がウィッキングされてこれが作用面204にわたって分散され、この結果、流体の表面対体積比が大きくなり、より急速な蒸発が可能となる。毛管マイクロチャネル232の形状、チャネル表面エネルギー、及び流体表面張力により、毛管力が決定される。
微細構造化表面110(図1A)、210は、(主要又は副)突条の各々を、対応するフィルムの寸法全体にわたって延びる一続きの途切れのない本体として(及びしたがってチャネルも同様にフィルムにわたって一続きの又は途切れのないものとして)提供するものとして記載されてきたが、他の構造が想定される。例えば、図5は、本開示の原理に従う、第1の面又は作用面(図5の図に見えている)を画定するフィルム402を含む、別の実施形態の床材表面カバー物品400を例示している。作用面に微細構造化表面410が形成され、これは、複数の主要突条420及び毛管マイクロチャネル422を含む。主要突条420は、上記の形態のうちのいずれかを有することができ、主要突条420のうちの少なくともいくつかの少なくとも一部分は、対応する長さに沿って(例えば上記したような頭部セグメントに沿って)一様ではない。説明を容易にするために、図5には、一様でない(例えば波形をなす)形状は描写されていない。毛管マイクロチャネル422は、上記の形態のうちのいずれかを有することができ、任意選択で、先の記載と同等の副突条(図示せず)によって又はこれらの間に形成できる。
パターン化された微細構造表面410は、主要突条420及び毛管マイクロチャネル422の様々な区域430を確立し、隣り合う区域430は、異なる延長の方向を有する。例えば、図5は、第1の延長の方向D1を有する第1の区域430A、及び第2の延長の方向D2を有する第2の隣り合う区域430Bを特定している。主要突条420(及び毛管マイクロチャネル422)に異なる延長の方向を提供することにより、作用面において高い摩擦係数が全ての方向に生成される。
本明細書に記載の毛管マイクロチャネルは、床材表面カバー物品の主表面に沿って延びる個々の開いた毛管チャネルの連なりを形成する、所定のパターンで複製されてよい。シート又はフィルムに形成されたこれらの微細複製されたマイクロチャネルは、実質的に各チャネル長さに沿って、例えばチャネルごとに、全体に一様かつ規則的である。フィルム又はシートは、薄い、可撓性の、製造費用効果の高いものであってよく、その意図する用途にとって望まれる材料特性を保有するように形成でき、所望であればその片面上に、使用時に様々な表面への容易な適用を可能にするための取り付け手段(接着剤など)を有し得る。
本明細書において検討する床材表面カバー物品は、毛管作用によって流体を毛管マイクロチャネルに沿って自発的に輸送することが可能である。床材表面カバー物品が液体(例えば水)を自発的に輸送する能力に影響する2つの一般的な要因は、(i)表面の幾何学形状又はトポグラフィ(毛管現象、チャネルのサイズ及び形状)、並びに(ii)フィルム表面の性質(例えば表面エネルギー)である。所望の量の流体輸送能力を達成するために、設計者は、フィルムの構造若しくはトポグラフィを調整する、及び/又はフィルム表面の表面エネルギーを調整する場合がある。毛管作用による自発的なウィッキングによって液体輸送を行うようマイクロチャネルが機能するために、マイクロチャネルは一般に、液体とフィルムの表面との間の接触角度が90度以下で液体がマイクロチャネルの表面を濡らすようにするのに十分な程度に、親水性が高い。「親水性の」は、材料の表面特性(例えばそれが水溶液によって濡れること)を指すに過ぎず、その材料が水溶液を吸収するかしないかは表現しない。
いくつかの実装形態では、本明細書に記載のフィルムは、連続的な及び/又はロールツーロール型のフィルム製作を可能にする押出エンボス加工工程を用いて調製できる。1つの好適な工程によれば、流動性材料が、成形ツールの成形表面と連続的に線接触させられる。成形ツールは、ツールの表面に切削されたエンボス加工パターンを有し、このエンボス加工パターンは、フィルムのマイクロチャネルパターンがネガの浮き彫りとなっているものである。成形ツールによって流動性材料に複数のマイクロチャネルが形成される。流動性材料は固化して、長手軸に沿った長さ及び幅を有する細長いフィルムを形成し、この長さは任意選択で幅よりも大きい。
流動性材料は、流動性材料が成形ツールの表面と線接触させられるように、ダイから成形ツールの表面上に直接押し出してよい。流動性材料は、例えば、様々な光硬化性の、熱硬化性の、及び熱可塑性の樹脂組成物を含んでよい。線接触は樹脂の上流縁部によって画定され、成形ツールが回転するにつれ、成形ツール及び流動性材料の両方に対して移動する。結果的なフィルムは、ロール上に引き上げられ巻回された形態の物品となり得る、単一層の物品であってよい。鋳造、異形押出、エンボス加工などの、任意のポリマーフィルム製造技法が許容可能である。
上で示したように、本開示のフィルムは、主要突条を含むか又は提供し、主要突条のうちの少なくとも1つの一部分又はセグメントは、対応する長さ又は延長の方向において、一様でない形状を有する。いくつかの実施形態では、フィルムに最初に提供される主要突条は、実質的に一様であり、一様でない形状を生成するために、更に処理される。例えば、図6は、本開示の原理に従う、床材表面カバー物品の製造方法のフロー図である。500において、前駆体物品が提供される。前駆体物品は、微細構造化表面がその主面に形成されたフィルムを含む。微細構造化表面は、上記の微細構造化表面のいずれかと同様とすることができ、少なくとも複数の主要突条及び複数の毛管マイクロチャネル、並びに任意選択で複数の副突条を含む。ただし、完成した滑り防止液体管理床材表面カバー物品に関して上記した微細構造化表面とは異なり、前駆体物品の主要突条は、例えば上で説明した押出エンボス加工製作工程によって生成されるような、長さ方向において実質的に一様の形状を有する。前駆体物品600、650非限定的な例の一部分が、図7A及び図7Bにそれぞれ例示されている。全体的に示されているように、対応する主要突条602(図7A)、652(図7B)の全体が、長さ又は延長の方向において、実質的に一様な形状を有する。
図6に戻ると、502において、主要突条のうちの少なくとも1つの一部分又はセグメントの形状が変えられるか、又は塑性変形される。いくつかの実施形態では、主要突条のうちの1つ又は全てが延長の方向D(図1A)に対して垂直に置かれた鋭い縁部を横切るように移行させられ、接触の線に沿って又は接触の線において、主要突条の塑性変形を引き起こす。例えば、図8A〜図8Cは、前駆体物品700を鋭い縁部704を有する変形体702に沿って移行させているのを簡略化して表現したものである。鋭い縁部704は、延長の方向Dに対して垂直に配置される。主要突条706は鋭い縁部704に接触し、前駆体物品700は、延長の方向Dに移動又は操作される(鋭い縁部704に対する前駆体物品700の移動が、図8A−8Cにおいて矢印Mによって示されている)。鋭い縁部706との接触面は、接触の区域において主要突条706を永久的に変形させるが(使用者がリボンをはさみの刃に押し付け次いで引っ張る、よく知られている装飾用リボンをカールさせる操作と非常に似ている)、主要突条の先端の又は頭部のセグメントだけが変形する。形状を変えるステップ502(図6)が終わると、微細構造化表面は上記の構造を有する。変形の量又はレベルは、フィルムの材料特性(例えば弾性)、主要突条の高さ、及び前駆体物品700が鋭い縁部704と交差する角度によって決まる。変形により、上記のように、垂直方向及び平行方向の両方において方向的なバイアスのない摩擦特性が実現される。更に、変形は毛管マイクロチャネルに影響を与えず、したがって、これにより生成される毛管力は影響を受けない。
本開示の塑性変形工程は、毛管マイクロチャネルの底部表面に対する主要突条の「オーバーハング」又はアンダーカットを含む、上記の波形をなす又は波のような形状を付与し、これは独自のものである。参考として言えば、これらの幾何学的特徴を従来のフィルム形成技法を用いて生成するのは、不可能ではないにしても並外れて困難であろう。例えば、主要突条のオーバーハング又はアンダーカットの幾何学形状は、z平面における屈曲のために、成形ツール(射出式であっても連続式であっても)から放出されないであろう。適切なツーリングを製作することは等しく困難であろう。更に、本開示の塑性変形工程は、構造を形成するための熱エンボス加工、又はフィルムを(例えばサンドペーパーを用いて)粗面化するためのフィルムのナッピングとは、大きく異なる。これらの技法を用いると、主要突条の頂部又は上縁部に、突出した及び/又は窪んだ特徴部を作り出すことが可能となる場合があり、これらは理論上は、摩擦係数の増大をもたらし得る。しかしながら、いずれの技法も、本開示の「多方向性の」摩擦係数のアプローチ角を別の様式で有益に生成する、上記の波形をなす又は波のような形状を生成することはないであろう。
いくつかの実装形態では、製作工程は、マイクロチャネルを有するフィルムの表面の処理、例えば本明細書において開示されるような親水性コーティングのプラズマ蒸着を、更に含み得る。いくつかの実装形態では、成形ツールは、ロール又はベルトであってよく、反対側にあるローラとともにニップを形成する。成形ツールと反対側にあるローラとの間のニップは、流動性材料を成形パターン内へと押し込む補助をする。ニップを形成する間隙の間隔は、所定の厚さのフィルムの形成を補助するように調製可能である。本開示のフィルムに好適な製作工程についての追加の情報は、同一所有者による米国特許第6,375,871号及び第6,372,323号に記載されており、これらの各々は、そのそれぞれの全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
本明細書において検討するフィルムは、鋳造又はエンボス加工に好適な、かつ本来的に塑性変形可能である(又は塑性変形可能となるように変性された)、任意のポリマー材料から形成できる。許容可能なポリマー材料には、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ(塩化ビニル)、ポリエーテルエステル、ポリイミド、ポリエステルアミド、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテートの加水分解誘導体、等が挙げられる。特定の実施形態では、ポリオレフィン、特にポリエチレン又はポリプロピレン、これらの混合物及び/又はコポリマー、並びに、他のモノマーの比率が僅かであるプロピレン及び/又はエチレンのコポリマー、例えばビニルアセテート若しくはメチル及びブチルアクリレートなどのアクリレートを用いる。ポリオレフィンは、鋳造用又はエンボス加工用ロールの表面を容易に複製する。これらは丈夫で耐久性があり、その形状を良好に保持するので、鋳造又はエンボス加工工程後のそのようなフィルムの取り扱いが容易になる。親水性ポリウレタンは、物理特性及び本来的に高い表面エネルギーを有する。別法として、流体制御フィルムは、熱硬化性物質(硬化性樹脂材料)、例えばポリウレタン、アクリレート、及びシリコーンから鋳造可能であり、放射(例えば熱、UV、又はEビーム放射、等)又は水分への暴露によって硬化させることができる。これらの材料は、表面エネルギー改変剤(例えば界面活性剤及び親水性ポリマー)、可塑剤、抗酸化剤、顔料、剥離剤、静電気防止剤などを含む、様々な添加剤を含有し得る。好適な流体制御フィルムは、感圧接着材料を用いても製造可能である。いくつかの場合には、毛管マイクロチャネルは、無機材料(例えばガラス、セラミック、等)を用いて形成されてよい。一般に、本開示に関して有用なフィルムは、液体に曝露されたときその幾何学特性及び表面特性を実質的に維持し、本来的に塑性変形可能であるか又は塑性変形可能となるよう変性される。いくつかの実施形態では、本開示のフィルムは、実質的に透明(例えば真に透明な材料の5%以内)であり、この結果、床材表面に使用されたとき、床材表面はカバー物品を通して容易に視認できる。
いくつかの実施形態では、床材表面カバー物品は、特性改質添加剤又は表面コーティングを含んでよい。添加剤の例には、難燃剤、疎水剤、親水剤、抗菌剤、無機物、腐食抑制剤、金属粒子、ガラス繊維、充填剤、粘土、及びナノ粒子が挙げられる。
十分な毛管力が保証されるように、フィルムの作用表面を変性させてよい。例えば、作用表面を、これが十分な親水性を有することが保証されるように変性させてよい。フィルムは一般に、作用表面が親水性となって水性流体との90°以下の接触角度を呈するように、(例えば表面処理、表面コーティング若しくは作用剤の付与、又は選択された作用剤の組み込みによって)変性させてよい。
本開示のフィルム上に親水性の表面を実現するために、任意の、好適な、公知の方法を利用してよい。例えば、界面活性剤の局所付与、プラズマ処理、真空蒸着、親水性モノマーの重合、フィルム表面上への親水性部分のグラフティング、コロナ又は火炎処理、等の、表面処理を採用してよい。別法として、フィルム押出のときに、界面活性剤又は他の好適な作用剤を、内部特性改質添加剤として樹脂に混合してよい。典型的には、界面活性剤コーティングの局所付与に依存するよりはむしろ、フィルムの原料となるポリマー組成物内に、界面活性剤が組み込まれる。この理由は、局所付与されたコーティングは毛管マイクロチャネルの切欠きを埋めてしまう(すなわち鋭さを損なう)傾向を有する場合があり、このことにより、本開示が対象とする所望の流体の流れと干渉するからである。コーティングが施されるとき、これは、微細構造化表面上に一様な薄い層が実現されやすいように、全体に薄い。ポリエチレンフィルムに組み込み可能な界面活性剤の例示的な例は、TRITON(商標)X−100(コネチカット州DanburyのUnion Carbide Corp.から入手可能)、例えば約0.1〜0.5重量パーセントで用いられる、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール非イオン性界面活性剤である。
本開示を築造の用途に適用するときの高い耐久性要件に好適な他の界面活性剤材料には、Polystep(登録商標)B22(イリノイ州Northfield,IIIのStepan Companyから入手可能)、及びTRITON(商標)X−35(コネチカット州DanburyのUnion Carbide Corp.から入手可能)が挙げられる。
フィルム又は物品の特性を調整するために、界面活性剤又は複数の界面活性剤の混合物を、フィルムの作用表面に付与してよいか、又は、カバー物品に含浸させてよい。例えば、フィルムの作用表面の親水性を、そのような成分を有さない場合のフィルムよりも高めることが望まれる場合がある。
フィルム又は物品の特性を調整するために、親水性ポリマー又は複数のポリマーの混合物のような界面活性剤を、フィルムの作用表面に付与してよいか、又は物品に含浸させてよい。別法として、物品に親水性モノマーを添加し、その場で重合させて、相互貫入ポリマーネットワークを形成させてよい。例えば、親水性アクリレート及び開始剤を添加し、熱又は化学線によって重合させることができる。
好適な親水性ポリマーには、エチレンオキシドのホモポリマー及びコポリマー;ビニルピロリドンなどの不飽和ビニルモノマー、アクリル酸などの、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸官能性アクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートなどのヒドロキシ官能性アクリレート、ビニルアセテート及びその加水分解誘導体(例えばポリビニルアルコール)、アクリルアミド、ポリエトキシル化アクリレートなどを組み込んだ、親水性ポリマー;親水性変性セルロース、並びにでんぷん及び変性でんぷん、デキストランなどの多糖類などが挙げられる。
上記のように、フィルム又は物品の特性を調整するために、親水性シランポリマー又は複数のシランの混合物を、フィルムの作用表面に付与してよいか、又は物品に含浸させてよい。好適なシランには、米国特許第5,585,186号に開示されているアニオン性シラン、並びに非イオン性又は陽イオン性の親水性シランが挙げられる。
本明細書において検討するマイクロチャネルフィルムに好適な材料に関する追加の情報は、参照により本明細書に組み込まれている、同一所有者による米国特許出願公開第2005/0106360号に記載されている。
いくつかの実施形態では、親水性コーティングを、プラズマ蒸着によってフィルムの表面上に堆積させることができ、これはバッチ式の工程又は連続的な工程において行われてよい。本明細書で使用される場合、”プラズマ”という用語は、電子、イオン、中性分子、遊離基、並びに他の励起状態の原子及び分子を含めた反応種を含有する、部分的にイオン化された気体又は流体状態の物質を意味する。
一般に、プラズマ蒸着は、1つ以上の気体状シリコン含有化合物を充填した(大気圧に対して)圧力を下げたチャンバに、フィルムを通して移動させることを含む。フィルムに隣接して又は接触して位置付けられた電極に、電力が提供される。このことにより電界が形成され、この電界が、気体状シリコン含有化合物から、シリコンを多く含んだプラズマを形成する。次いでプラズマからのイオン化された分子が、電極に向かって加速され、フィルムの表面に衝突する。この衝突のおかげで、イオン化された分子は、親水性コーティングを形成する表面と反応し、共有結合する。親水性コーティングをプラズマ蒸着するための温度は、比較的低い(例えば約摂氏10度)。代替の蒸着技法(例えば化学気相成長)に要求される高い温度が、多層フィルムに好適な多くの材料、例えばポリイミドを劣化させることが知られているため、これは有益である。プラズマ蒸着の程度は、気体状シリコン含有化合物の組成、他の気体の存在、プラズマへのフィルムの表面の曝露時間、電極に提供される電力のレベル、気体流量、及び反応チャンバ圧などの、様々な処理要因によって決まり得る。これらの要因はそれぞれ相応に、親水性コーティングの厚さを決定するのに寄与する。
親水性のコーティングには、1つ以上のシリコン含有材料、例えば、シリコン/酸素材料、ダイヤモンド状ガラス(DLG)材料、及びこれらの組み合わせが挙げられる。シリコン/酸素材料の層を堆積させるのに好適な気体状シリコン含有化合物の例には、シラン(例えばSiH)が挙げられる。DLG材料の層を堆積させるのに好適な気体状シリコン含有化合物の例には、反応チャンバ56の圧力が低いときに気体状態である、気体状有機シリコン化合物が挙げられる。好適な有機シリコン化合物の例には、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラエチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビストリメチルシリルメタン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。特に好適な有機シリコン化合物の例には、テトラメチルシランが挙げられる。
気体状シリコン含有化合物を用いたプラズマ蒸着工程の完了後、気体状無機化合物は、堆積した材料から表面のメチル基を除去するためのプラズマ処理のために引き続き用いられてよい。これにより、結果的な親水性コーティングの親水特性が高まる。
本明細書において検討するようなフィルムに親水性コーティングを施すための材料及び工程に関する追加の情報は、参照により本明細書に組み込まれている、同一所有者による米国特許出願公開第2007/0139451号に記載されている。
実施例及び比較例
本開示の目的及び利点が、続く非限定的な実施例及び比較例によって、更に説明される。これらの実施例で列挙される特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限するものとして解釈されるべきではない。
例としての床材表面カバー物品
米国特許第6,372,323号に記載された工程に従って、低密度ポリエチレンポリマー(DOW 955i)を円筒状ツール上で押出エンボス加工し、マイクロチャネルフィルムを調製して、前駆体物品を得た。ツールは、図7Bに示す毛管マイクロチャネルのパターンをネガの浮き彫りとしてダイヤモンド旋盤加工して準備した。ポリマーを押出成形機内で華氏365度で溶融し、ダイを通して、華氏200度に加熱したツールロールと平滑な華氏70度のバックアップロールとの間の、500PSIのニップ圧を用いるニップ内へと移行させた。押出成形機の速度及びツールの回転速度を調製して、290マイクロメートルの全体厚さを有するフィルムを作り出した。シラン基及びシロキサン基を有する親水性コーティングを次いで、米国特許出願公開第2007/0139451号に記載の平行平板式容量結合プラズマリアクタを用いて、フィルムに付与した。チャンバは、27.75ftの通電される電極の面積及び0.5インチの電極間隔を有する。エンボス加工されたフィルムを通電される電極上に置いてから、リアクタチャンバをポンプにより1.3Pa(10mTorr)未満の基本圧力まで下げた。Ar中2%SiH混合物、及び別個にOガスを、それぞれ毎分4000標準立方センチメートル(SCCM)、及び500SCCMの速度で、チャンバ内に流入させた。圧力は990mTorrとなるように調節した。RF電力を13.56MHzの周波数及び1000ワットの印加電力でリアクタ内に結合させて、プラズマ化学気相成長(CVD)法を用いて処理を行った。エンボス加工したフィルムを反応区域の中を10フィート/分の速度で移動させることによって処理時間を制御し、結果的に曝露時間は37秒であった。この処理の後、RF電力及び気体の供給を止め、チャンバを大気圧に戻した。
結果的な前駆体物品を続いて塑性変形操作にかけて、対応する主要突条において一様でない形状を生成した。特に、前駆体物品を金属製定規(ニューヨーク州のGeneral Tools Manufacturing Cоmpany製の第1201番)の鋭い縁部に対して、縁部が主要突条の長さ方向に対して垂直になるように配置した。図8A〜図8Cに全体的に反映されているように、主要突条が鋭い縁部と接触している状態で、前駆体物品を鋭い縁部に沿って鋭い縁部の平面に対して垂直な方向に手作業で移行させた、又は操作した。図9は、形状形成操作前の、前駆体物品のSEMデジタル顕微鏡写真である。図10A〜図10Cは、形状形成操作後の、例としての床材表面カバー物品を示す、SEMデジタル顕微鏡写真である。
上記の記載に従って2つの試料の床材表面物品を準備し、「実施例A」及び「実施例B」として指定した。
比較例1
比較例1は、上記の実施例に記載の前駆体物品から成るものとした(すなわち、比較例1には形状形成操作を行っていない)。図9のSEMデジタル顕微鏡写真は、比較例1を示す。
比較例2
比較例2は、押出成形された低密度ポリエチレンポリマー(DOW 955i)フィルムから成るものとした。比較例2のフィルムはエンボス加工されておらず、平坦なフィルムであると考えられた。
試験−摩擦係数
実施例A、実施例B、及び比較例1の微細構造化された作用面における摩擦係数を、ASTMD2047に従い、BOT−3000Eデジタル摩擦計を用いて、対応する延長の方向(例えば図1Aにおける延長の方向D)に関して垂直方向及び平行方向において測定した。各方向において5つの測定値を採り、記録した。結果を表1に掲載する。
摩擦係数試験の結果は、実施例A及びBに関して、摩擦係数に、方向性バイアスがないことを証明している。比較例1の物品は、延長の方向と平行な(すなわち、突条及びマイクロチャネルの長さと平行な)方向において、摩擦係数の低下を呈している。一方向における摩擦のこの低下は、比較例1の物品が床材表面カバーとして用いられた場合の潜在的な滑りのリスクを提示し得る。
試験−毛管力
実施例A及び比較例1の毛管力特性を、鉛直ウィッキング高さを測定することによって推定した。実施例A及び比較例1の各々から、(延長の方向に合わせて)1cmの試料ストリップを3片切断した。これら6片のストリップを次いで、薄いアルミニウムシート上に両面接着材を用いて装着し、ストリップの基部は、作用表面が露出されるように、アルミニウムシートの底部に揃えた。この組立体を次いで、ヒドロキシピレントリスルホン酸三ナトリウム塩(Aldrich ChemicalCоmpany、H1529、70mg/500mL)を含有する脱イオン水溶液を収容している溝の中に置いた。1分後の液体の高さを、携帯型UVライト(365nm)を用いて溶液中の蛍光染料(356nm)を可視化して判定し、記録した。結果を表2に掲載する。
実施例Aと比較例1との間で、毛管力において統計上の差は観察されなかった。
試験−蒸発速度
実施例A、比較例1、及び比較例2の各々から、4つの試料が準備された。各試料の作用面(すなわち、実施例A及び比較例1の試料の微細構造化表面)上にピペットで500μLの水を置き、付与した水の塊が蒸発する時間を記録することによって、蒸発速度を評価した。結果を表3に掲載する。
実施例Aと比較例1との間で、蒸発速度において統計上の差は観察されなかった。実施例A及び比較例1のいずれも、比較例2と比較して高い蒸発速度を呈した。
本開示の床材表面カバー物品及び関連する製造の方法は、先行する設計に対して著しい改善をもたらす。毛管マイクロチャネルは液体の急速な蒸発を容易に管理及び促進し、同時に、粗面化した又は一様でない微細構造突条が、複数の方向において高い摩擦係数をもたらす。床材表面に使用されると、本開示の物品は、物品に対して歩行者が移動している方向に関係なく、また水又は他の液体の存在下で、歩行者が滑るリスクを緩和する。本開示の微細構造化フィルムは、比較的安価であり、大量生産ベースで短時間で生産可能である。
前述の説明では、本明細書の説明の一部を構成し、幾つかの具体的な実施形態が例示として示される、添付の一連の図面が参照される。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が想到され、実施することができる点を理解されたい。それゆえ、「発明を実施するための形態」は、限定的な意味で理解されるべきではない。
特に断りがない限り、本明細書及び本特許請求の範囲で使用される形状寸法、量、及び物理的特性を表す全ての数字は、いずれの場合においても「約」という語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、特に反対の記載がない限り、上記の明細書及び添付の特許請求の範囲において説明されている数値パラメータは、本明細書において開示される教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に応じて変わり得る近似値である。端点による数値範囲の使用は、その範囲内の全ての数(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)、及びその範囲内の任意の範囲を含む。
開示された実施例で列挙される特定の材料及びその寸法、並びに他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限するものとして解釈されるべきではない。本主題は、構造的特徴及び/又は方法論的行為に特有の言語で説明されているが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも上述の具体的な特徴又は行為に制限されるものではないことを理解されたい。むしろ、上述の具体的な特徴及び行為は、特許請求の範囲を実施する代表的な形態として開示されるものである。

Claims (32)

  1. 床材表面で使用するための滑り防止液体管理カバー物品であって、
    反対側を向いた第1の主面及び第2の主面を画定しているフィルムと、
    前記第1の主面に形成された微細構造化表面であって、複数の主要突条と、底部表面を各々有する複数の毛管マイクロチャネルとを形成し、前記毛管マイクロチャネルのそれぞれが、間隔をあけて隣接する前記主要突条同士の間に画定されている、微細構造化表面と、を備え、
    前記主要突条の各々は、高さ及び幅よりも長い長尺体であり、
    更に、前記主要突条のうちの第1の主要突条の一部分の形状が、前記第1の主要突条の前記長さの方向において一様ではなく、
    更に、前記毛管マイクロチャネルは、前記毛管マイクロチャネルに沿った液体の自発的なウィッキングを促進するように構成されている、物品。
  2. 対応する長さと平行な方向において測定した、前記第1の主要突条の前記一部分に沿った摩擦係数が、対応する長さに対して垂直な方向における摩擦係数の10%以内である、請求項1に記載の物品。
  3. ASTM D2047に従って測定した前記第1の主要突条の前記一部分に沿った摩擦係数が、全ての方向において少なくとも0.8である、請求項1に記載の物品。
  4. 前記主要突条の各々が、対応する高さの方向において基部セグメント及び頭部セグメントを画定しており、前記基部セグメントが前記毛管マイクロチャネルのうちの対応する毛管マイクロチャネルの前記底部表面の固定端から延び、前記頭部セグメントが、前記固定端の反対側の自由端から延び、更に、前記第1の主要突条の前記一部分の前記一様でない形状が前記頭部セグメントに沿うものである、請求項1に記載の物品。
  5. 前記第1の主要突条の前記一部分に沿った前記基部セグメントの形状が、対応する長さの方向において実質的に一様である、請求項4に記載の物品。
  6. 前記第1の主要突条の前記長さの大部分に沿った前記基部セグメントの前記形状が実質的に一様であり、前記第1の主要突条の前記長さの大部分に沿った前記頭部セグメントの前記形状が一様でない、請求項5に記載の物品。
  7. 前記物品が反対側にある第1の側縁部及び第2の側縁部を画定し、更に、前記第1の主要突条が前記第1の側縁部から前記第2の側縁部まで連続して延び、また更に、前記第1の主要突条の前記長さの全体に沿った前記基部セグメントの前記形状が実質的に一様であり、前記第1の主要突条の前記長さの前記全体に沿った前記頭部セグメントの前記形状が一様でない、請求項5に記載の物品。
  8. 前記一部分に沿った前記第1の主要突条の前記頭部セグメントが、対応する長さの方向において波形をなす形状を有する、請求項4に記載の物品。
  9. 前記波形をなす形状が、前記毛管マイクロチャネルのうちの少なくとも1つの上に間欠的に張り出した前記第1の主要突条の前記頭部セグメントを含む、請求項8に記載の物品。
  10. 前記頭部セグメントが対応する基部セグメントからある延長角度で延び、更に、前記第1の主要突条の前記波形をなす形状が、90°〜120°の範囲内の局所的な延長角度の最小値を確立する、請求項8に記載の物品。
  11. 前記局所的な延長角度の最小値が91°〜120°の範囲内である、請求項10に記載の物品。
  12. 対応する高さの方向における前記第1の主要突条の前記基部セグメントの突出が線形であり、対応する基部セグメントから対応する自由端への前記第1の主要突条の前記頭部セグメントの突出が非線形である、請求項4に記載の物品。
  13. 前記第1の主要突条が反対側にある第1の側方表面及び第2の側方表面によって画定され、更に、前記対向する側方表面の各々が前記基部セグメントに沿って実質的に平面状であり、また更に、前記対向する側方表面の各々が前記頭部セグメントに沿って非平面状である、請求項4に記載の物品。
  14. 前記対向する側方表面のうちの少なくとも1つが、前記頭部セグメントに沿って粗面化される、請求項13に記載の物品。
  15. 前記複数の主要突条が、前記第1の主要突条と同一の第2の主要突条を更に含む、請求項1に記載の物品。
  16. 前記複数の主要突条の各々の少なくとも一部分の形状が、対応する長さの方向において一様でない、請求項1に記載の物品。
  17. 前記複数の主要突条の各々の形状が、対応する長さの全体に沿って一様でない、請求項1に記載の物品。
  18. ASTM D2047に従って測定した前記第1の主面に沿った摩擦係数が、ウェブ方向において及びクロスウェブ方向において少なくとも0.8である、請求項1に記載の物品。
  19. 前記複数の主要突条が、前記第1の主要突条に直接隣接する第2の主要突条を更に備え、前記第1の主要突条及び前記第2の主要突条が組み合わされて第1の主要チャネルを画定し、更に、前記微細構造化表面が、前記第1の主要チャネル内に配設されかつ前記第1の主要突条及び前記第2の主要突条の各々の高さよりも低い高さを有する第1の副突条を更に含み、前記第1の副突条が前記複数の毛管マイクロチャネルのうちの第1の毛管マイクロチャネルの側部を画定している、請求項1に記載の物品。
  20. 前記第1の主要突条が対応する高さの方向において基部セグメント及び頭部セグメントを画定しており、前記基部セグメントが対応する主要チャネルの前記底部表面の固定端から延び、前記頭部セグメントが、前記固定端の反対側の先端部から延び、更に、前記第1の主要突条の前記一部分の前記一様でない形状が前記頭部セグメントに沿うものであり、また更に、前記基部セグメントの高さが前記第1の副突条の高さよりも大きい、請求項19に記載の物品。
  21. 前記第2の主面上に配設された接着層を更に備える、請求項1に記載の物品。
  22. 前記接着層上に配設された剥離層を更に備える、請求項21に記載の物品。
  23. 前記フィルムが実質的に透明である、請求項1に記載の物品。
  24. 前記フィルムが線形の低密度ポリエチレン材料を含む、請求項1に記載の物品。
  25. 前記フィルムが親水性コーティングを含む、請求項1に記載の物品。
  26. 床材表面で使用するための滑り防止液体管理カバー物品を形成するための方法であって、
    反対側を向いた第1の主面及び第2の主面を画定しているフィルムと、
    前記第1の主面に形成された微細構造化表面であって、複数の主要突条と、底部表面を各々有する複数の毛管マイクロチャネルとを形成し、前記毛管マイクロチャネルのそれぞれが、間隔をあけて隣接する前記主要突条同士の間に画定されている、微細構造化表面と、を備える、前駆体物品を準備することであって、
    前記主要突条の各々は、高さ及び幅よりも長さが大きい長尺体であり、
    更に、前記主要突条のうちの第1の主要突条の全体の形状が、対応する長さの方向において実質的に一様である、前記前駆体を準備することと、
    カバー物品を提供するために、前記前駆体物品の前記第1の主要突条のセグメントの形状を、前記第1の主要突条の少なくとも一部分に沿って、対応する長さの方向において前記形状が一様でなくなるように変えることと、を含む、方法。
  27. 形状を変える前記ステップが、前記セグメントを塑性変形させることを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 形状を変える前記ステップが、前記第1の主要突条を鋭い縁部に当てることを含む、請求項26に記載の方法。
  29. 前記前駆体物品の前記第1の主要突条が対応する長さの方向において線形であり、更に、形状を変える前記ステップの後では、前記第1のセグメントが、対応する長さの前記方向において非線形である、請求項26に記載の方法。
  30. 形状を変える前記ステップの前では、前記前駆体物品は前記第1の主面に沿って、第1の方向において少なくとも0.75であり、第2の方向において0.70以下である、ASTM D2047によって測定した摩擦係数を有し、更に、形状を変える前記ステップの後では、前記カバー物品は前記第1の主面に沿って、前記第1の方向において少なくとも0.75であり、前記第2の方向において少なくとも0.75である摩擦係数を有する、請求項26に記載の方法。
  31. 形状を変える前記ステップが、前記第1の主要突条を前記第1の主要突条の前記高さのセグメントのみに沿って変形させることを含む、請求項26に記載の方法。
  32. 前記複数の主要突条が、前記第1の主要突条に直接隣接する第2の主要突条を更に備え、前記第1の主要突条及び前記第2の主要突条が組み合わされて第1の主要チャネルを画定し、更に、前記微細構造化表面が、前記第1の主要チャネル内に配設された副突条を更に含み、前記副突条の高さが前記第1の主要突条の高さよりも低く、また更に、前記副突条の前記高さを越える前記第1の主要突条の前記高さの突出が頭部セグメントを画定し、また更に、形状を変える前記ステップが前記頭部セグメント上でのみ行われる、請求項26に記載の物品。
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