JP2018206639A - 電池、電池システム及び発電システム - Google Patents

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明博 織田
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修一郎 足立
祐一 利光
Yuichi Toshimitsu
祐一 利光
北川 雅規
Masaki Kitagawa
雅規 北川
酒井 政則
Masanori Sakai
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Abstract

【課題】長期間にわたって参照電極の電位に対する電解液の電位を安定して測定可能な電池、並びにこの電池を備える電池システム及び発電システムを提供する。【解決手段】正極電解液と、負極電解液と、前記正極電解液及び前記負極電解液の少なくとも一方の電位をZn/Zn2+参照電極を用いて測定する電位測定部と、を備え、前記正極電解液及び前記負極電解液の少なくとも一方はZn2+イオンを含み、前記電位測定部はZn2+イオンを含む電解液の電位を測定する電池。【選択図】図1

Description

本発明は、電池、電池システム及び発電システムに関する。
電池の一種であるフロー電池は、MWh級の大規模蓄電が可能であり、かつ、コストパフォーマンスに優れていると言われており、再生可能エネルギー分野、スマートシティー分野等での適用が期待されている。
これまで、フロー電池としては、バナジウムイオン系フロー電池(V系フロー電池)の研究が多くなされており(例えば、特許文献1参照)、既に実証プラントでの適用が試みられている。また、フロー電池としては、臭素亜鉛フロー電池も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、ヨウ化物イオン及びヨウ素分子を正極電解液の活物質とし、亜鉛イオン及び亜鉛金属を負極電解液の活物質としたZn/I系フロー電池も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2011−233372号公報 米国特許出願公開第2016/181389号明細書 米国特許第4109065号公報
特許文献1〜3に開示されているこれらフロー電池をリチウムイオン電池等と比較した場合のメリットの一つとして、電解液の電位を調べることで、充電深度(SOC、State of Charge)を容易にモニタリングできることが挙げられる。
ここで、水系電解液の電位を測定するための参照電極として、Ag/AgCl参照電極が有名であり、銀の表面を塩化銀で覆い、塩化物溶液中に浸した状態で使用される。しかしながら、このAg/AgCl参照電極を、電解液に使用すると、電解液中に溶解した活物質である臭化物イオン、臭素、バナジウムイオン、ヨウ化物イオン等が塩化物溶液中に侵入して沈殿物が生成されて問題が生じたり、Ag/AgI、Ag/AgBr等の電位がAg/AgCl参照電極の電位に影響を与えるため、Ag/AgCl参照電極の電位が安定しないという問題が生じたりするおそれがある。したがって、Ag/AgCl参照電極を長期間にわたって使用すると、参照電極の電位に対する電解液の電位を安定して測定することが困難となる。これは、参照電極としてカロメル電極を用いた場合でも同様である。
本発明の一形態は、長期間にわたって参照電極の電位に対する電解液の電位を安定して測定可能な電池、並びにこの電池を備える電池システム及び発電システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 正極電解液と、負極電解液と、前記正極電解液及び前記負極電解液の少なくとも一方の電位をZn/Zn2+参照電極を用いて測定する電位測定部と、を備え、前記正極電解液及び前記負極電解液の少なくとも一方はZn2+イオンを含み、前記電位測定部はZn2+イオンを含む電解液の電位を測定する電池。
<2> 前記正極電解液と接する正極と、前記負極電解液と接する負極と、前記正極電解液を貯留する正極電解液貯留部と、前記負極電解液を貯留する負極電解液貯留部と、前記正極と前記正極電解液貯留部との間で前記正極電解液を循環させ、前記負極と前記負極電解液貯留部との間で前記負極電解液を循環させる送液部と、をさらに備えるフロー電池である<1>に記載の電池。
<3> 前記電位測定部は、前記正極電解液貯留部及び前記負極電解液貯留部の少なくとも一方に配置されている<2>に記載の電池。
<4> 前記電位測定部は、前記正極及び前記負極が配置されたセル内に配置されている<2>又は<3>に記載の電池。
<5> 前記Zn2+イオンの濃度は10mM〜15Mである<1>〜<4>のいずれか1つに記載の電池。
<6> 前記Zn2+イオンの濃度は50mM〜15Mである<1>〜<5>のいずれか1つに記載の電池。
<7> 前記負極電解液が負極活物質として亜鉛及び亜鉛イオンの少なくとも一方を含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載の電池。
<8> <1>〜<7>のいずれか1つに記載の電池と、前記電池の充放電を制御する制御部と、を備える電池システム。
<9> 発電装置と、<8>の電池システムと、を備える発電システム。
本発明の一形態によれば、長期間にわたって参照電極の電位に対する電解液の電位を安定して測定可能な電池、並びにこの電池を備える電池システム及び発電システムを提供することができる。
フロー電池システムの一例を示す構成図である。 フロー電池システムの他の一例を示す構成図である。 実施例1で得られたヨウ素亜鉛フロー電池における、Zn/Zn2+参照電極に対する正極電解液の電位と電池のSOCとの関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において電解液中の各成分の含有率は、電解液中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、電解液中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
また、本開示において、「含有率」とは、特に記載がなければ、各電解液の全量を100質量%としたときの、各成分の質量%を表す。
また、本開示に記載された具体的かつ詳細な内容の一部又は全てを利用せずとも本発明を実施可能であることは、当業者には明らかである。また、本発明の側面をあいまいにすることを避けるべく、公知の点については詳細な説明又は図示を省略する場合もある。
[電池]
本開示の電池は、正極電解液と、負極電解液と、前記正極電解液及び前記負極電解液の少なくとも一方の電位をZn/Zn2+参照電極を用いて測定する電位測定部と、を備え、前記正極電解液及び前記負極電解液の少なくとも一方はZn2+イオンを含み、前記電位測定部はZn2+イオンを含む電解液の電位を測定する。これにより、参照電極の長期安定性が確保され、長期間にわたって参照電極の電位に対する電解液の電位を安定して測定可能となる。この理由は、電解液中(例えば、正極電解液中)に溶解した活物質である臭化物イオン、臭素、バナジウムイオン、ヨウ化物イオン等により、Zn/Zn2+参照電極の電位が影響を受けにくく、長期にわたって参照電極の電位が安定するためである。
<正極電解液>
電池は、正極活物質を含む正極電解液を備える。正極活物質としては、バナジウムイオン、臭素イオン、臭素、ヨウ素イオン、ヨウ素、マンガンイオン、セリウムイオン、銅イオン、スズイオン、キノン、ニトロキシルラジカル、色素等が挙げられる。また、正極電解液は、正極活物質が液状媒体に溶解又は分散されているものであることが好ましい。
例えば、正極活物質としては、ヨウ素イオン及びヨウ素の少なくとも一方が好ましい。ここで、ヨウ素イオンとしては、ヨウ化物イオン(I)、三ヨウ化物イオン(I )、五ヨウ化物イオン(I )等のポリヨウ化物イオンなどが挙げられる。
正極電解液としては、イオンである正極活物質を与える化合物が液状媒体に溶解又は分散されたものであることが好ましい。正極活物質がヨウ素イオンである場合、正極活物質を与える化合物としてはヨウ素化合物が挙げられる。
ヨウ素化合物としては、CuI、ZnI、NaI、KI、HI、LiI、NHI、BaI、CaI、MgI、SrI、CI、AgI、NI、テトラアルキルアンモニウムヨージド、ピリジニウムヨージド、ピロリジニウムヨージド、スルフォニウムヨージド等が挙げられる。
正極電解液において、正極活物質の含有率は、1質量%〜80質量%であることが好ましく、3質量%〜70質量%であることがより好ましく、5質量%〜50質量%であることが更に好ましい。なお、正極活物質の含有率とは、正極活物質となる元素及び分子、並びに正極活物質を与える化合物(正極活物質となるイオン及びその対イオンの合計)の合計の含有率を表す。
本開示の電池が正極電解液の電位をZn/Zn2+参照電極を用いて測定する電位測定部を備える場合、正極電解液はZn2+を含み、前述の電位測定部は正極電解液の電位を測定する構成となる。正極電解液がZn2+を含む場合、Zn2+イオンの濃度は10mM〜15Mであることが好ましく、50mM〜15Mであることがより好ましい。例えば、ヨウ素化合物としてZnIを用いることにより、正極電解液にZn2+及び正極活物質であるヨウ化物イオンが含まれることになり、好ましい。
(液状媒体)
正極電解液は、正極活物質が液状媒体に溶解又は分散されたものであることが好ましい。液状媒体とは、室温(25℃)において液体の状態の媒体をいう。液状媒体としては、正極活物質を分散又は溶解可能な媒体であれば特に限定されない。
液状媒体としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のケトン系溶剤;ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル等のエーテル系溶剤;プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリエチレングリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のエステル系溶剤;アセトニトリル、N−メチルピロリジノン、N−エチルピロリジノン、N−プロピルピロリジノン、N−ブチルピロリジノン、N−ヘキシルピロリジノン、N−シクロヘキシルピロリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノエーテル系溶剤;α−テルピネン、ミルセン、アロオシメン、リモネン、ジペンテン、α−ピネン、β−ピネン、ターピネオール、カルボン、オシメン、フェランドレン等のテルペン系溶剤;水などが挙げられる。液状媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状媒体としては、水が好ましい。液状媒体として水を用いることで正極電解液を低粘度化でき、電池を高出力化できる傾向にある。
(支持電解質)
正極電解液は、更に支持電解質を含んでいてもよい。支持電解質は、正極電解液のイオン伝導率を高めるための助剤である。正極電解液が支持電解質を含むことで、正極電解液のイオン伝導率が高まり、電池の内部抵抗が低減する傾向にある。
支持電解質としては、液状媒体中で解離してイオンを形成する化合物であれば特に限定されない。支持電解質としては、HCl、HNO、HSO、HClO、NaCl、NaSO、NaClO、KCl、KSO、KClO、NaOH、LiOH、KOH、アルキルアンモニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩、アルキルピペリジニウム塩、アルキルピロリジニウム塩等が挙げられる。また、ヨウ素化合物等は、正極活物質と支持電解質とを兼ねていてもよい。これらの支持電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(pH緩衝剤)
正極電解液は、更にpH緩衝剤を含んでいてもよい。pH緩衝剤としては、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液等が挙げられる。
(導電材)
正極電解液は、更に導電材を含んでいてもよい。導電材としては、炭素材料、金属材料、有機導電性材料等が挙げられる。炭素材料及び金属材料は、例えば、粒子状であっても繊維状であってもよい。
炭素材料としては、活性炭(水蒸気賦活又はアルカリ賦活);アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛;カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンファイバー、ハードカーボン、ソフトカーボンなどが挙げられる。
金属材料としては、銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の粒子又は繊維が挙げられる。
有機導電性材料としては、ポリフェニレン誘導体等が挙げられる。
これらの導電材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(正極電解液の調製方法)
正極電解液は、例えば、正極活物質と必要に応じてその他の成分とを液状媒体に加えることにより調製することができる。正極電解液を調製する際には、必要に応じて加熱を行ってもよい。
<負極電解液>
電池は、負極活物質を含む負極電解液を備える。負極活物質としては、反応系の標準酸化還元電位が正極の標準酸化還元電位よりも低い物質であればよい。例えば、正極活物質としてヨウ素イオン及びヨウ素分子のみを用いる場合、負極活物質は、反応系の標準酸化還元電位が正極の標準酸化還元電位である0.536Vよりも低い物質であればよい。負極活物質としては、亜鉛、クロム、チタン、バナジウム、鉄、スズ、鉛、ビオロゲン化合物、キノン化合物、Na等の硫黄化合物、ビタミン化合物、色素などが挙げられる。なお、負極活物質はイオンであってもよい。また、負極電解液は、負極活物質が液状媒体に溶解又は分散されているものであることが好ましい。
負極電解液としては、イオンである負極活物質を与える化合物が液状媒体に溶解又は分散されたものであることが好ましい。負極活物質が亜鉛イオンである場合、負極活物質を与える化合物としては後述の亜鉛を含む化合物が挙げられる。
負極電解液は、負極活物質として亜鉛及び亜鉛イオン(Zn2+)の少なくとも一方を含むことが好ましい。例えば、亜鉛を含む化合物の一種である塩化亜鉛は水に対する溶解度が30mol/Lと非常に高い点、亜鉛の溶解析出反応の標準酸化還元電位が−0.76Vと低い点並びに亜鉛及び亜鉛化合物は安価である点から、亜鉛及び亜鉛イオンは負極活物質として好適である。また、亜鉛を含む化合物としては、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、臭化亜鉛、フッ化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等が挙げられる。
負極電解液において、負極活物質の含有率は、1質量%〜80質量%であることが好ましく、3質量%〜70質量%であることがより好ましく、5質量%〜50質量%であることが更に好ましい。なお、負極活物質の含有率とは、負極活物質となる元素及び分子、並びに負極活物質を与える化合物(負極活物質となるイオン及びその対イオンの合計)の合計の含有率を表す。
本開示の電池が負極電解液の電位をZn/Zn2+参照電極を用いて測定する電位測定部を備える場合、負極電解液はZn2+を含み、前述の電位測定部は負極電解液の電位を測定する構成となる。負極電解液がZn2+を含む場合、Zn2+イオンの濃度は10mM〜15Mであることが好ましく、50mM〜15Mであることがより好ましい。例えば、負極活物質として亜鉛イオンを含む負極電解液を用いることにより、正極電解液にZn2+が含まれることになり、長期間にわたってZn/Zn2+参照電極の電位が安定するため好ましい。
負極電解液は、前述の正極電解液と同様、液状媒体、支持電解質、pH緩衝剤、導電材等を含んでいてもよい。使用可能な液状媒体、支持電解質、pH緩衝剤及び導電材については、正極電解液と同様であるため、その説明を省略する。
なお、正極電解液及び負極電解液について、含まれる液状媒体、支持電解質、pH緩衝剤及び導電材はそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
(負極電解液の調製方法)
負極電解液は、負極活物質と必要に応じてその他の成分とを液状媒体に加えることにより調製することができる。負極電解液を調製する際には、必要に応じて加熱を行ってもよい。
<電位測定部>
本開示の電池は、正極電解液及び負極電解液の少なくとも一方の電位をZn/Zn2+参照電極を用いて測定する電位測定部を備える。正極電解液がZn2+イオンを含む場合、電位測定部はZn2+イオンを含む正極電解液の電位を測定する構成であり、負極電解液がZn2+イオンを含む場合、電位測定部はZn2+イオンを含む負極電解液の電位を測定する構成である。なお、正極電解液及び負極電解液の両方がZn2+イオンを含む場合、電位測定部は、正極電解液及び負極電解液の両方の電位をそれぞれ測定する構成であってもよく、正極電解液及び負極電解液の一方の電位を測定する構成であってもよい。
電位測定部は、正極電解液及び負極電解液の少なくとも一方の電位をZn/Zn2+参照電極を用いて測定可能な場所に配置される。例えば、正極電解液に接する位置に電位測定部を配置することにより正極電解液の電位を測定することができ、負極電解液に接する位置に電位測定部を配置することにより負極電解液の電位を測定することができる。
Zn/Zn2+参照電極の電位は参照電極に含まれるZn金属と電解液中に含まれるZn2+イオンとの平衡電位により決定される。Zn/Zn2+参照電極では、ガラス多孔質、イオン交換膜等を備えたケースにZn金属を入れて使用してもよい。これは、ケース内のZn金属表面のZn2+イオン濃度の変化を緩和するため、つまり、Zn/Zn2+参照電極の電位を安定させるためであるが、必須ではない。ケース内に入れる電解液は10mM〜15MのZn2+イオンを含むことが好ましく、50mM〜15MのZn2+イオンを含むことがより好ましい。Zn2+イオンをこの数値範囲の濃度を調整する方法は特に制限されず、例えば、ZnCl、ZnI、ZnBr、ZnSO、Zn(NO等の亜鉛の塩を用いる方法が挙げられる。好ましい亜鉛の塩は、活物質に依存し、活物質が臭素イオンを含む場合、活物質と同じ臭素イオンを含むZnBrを用いることが好ましい。
Zn金属は前処理されていても、前処理されていなくてもよい。前処理の方法としては、Zn金属表面の研磨、エッチング等が挙げられる。
Zn金属の形状、厚さ、大きさ等に特に制限はない。Zn金属の形状としては、ワイヤー状、ホイル状、板状等のいずれの形状であってもよい。
電位測定部は、Zn/Zn2+参照電極を備える構成であってもよく、Zn/Zn2+参照電極からなる構成であってもよい。また、電位測定部は、正極電解液及び負極電解液の少なくとも一方の電位を測定する際にのみ、Zn/Zn2+参照電極が配置される構成であってもよい。
<正極及び負極>
正極電解液と接する正極及び負極電解液と接する負極としては、従来公知の電池(二次電池、フロー電池等)に用いられる正極及び負極を用いてもよい。
正極及び負極としては、使用する電位範囲において電気化学的に安定な材質を用いることが好ましい。正極及び負極の形状としては、特に限定されず、メッシュ、多孔体、パンチングメタル、平板等が挙げられる。正極及び負極としては、カーボンフェルト、グラファイトフェルト、カーボンペーパー等の炭素電極;チタン、亜鉛、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、銅、青銅等の金属又は合金からなる金属板、金属メッシュ等の金属電極;などが挙げられる。
正極は、正極電解液が正極活物質としてヨウ素分子及びヨウ素イオンの少なくとも一方を含む場合、ヨウ化物イオン(I)に対する耐食性を有する電極が好ましい。ヨウ化物イオンに対する耐食性を有する電極としては、チタン等の金属から構成される電極、炭素電極などが挙げられ、コストの点から炭素電極が好ましい。
負極は、負極電解液が負極活物質として亜鉛イオンを含む場合、亜鉛電極、亜鉛メッキした金属から構成される電極、炭素電極等が好ましい。
正極及び負極の表面積を増やして電池の出力を高める点から、正極及び負極の少なくとも一方の形状を、比表面積の大きい多孔体、フェルト、ペーパー等にしてもよい。また、正極及び負極の少なくとも一方の表面にカーボンフェルト、グラファイトフェルト等を配置してもよく、正極及び負極の少なくとも一方は、電解液が透過可能な孔を有し、この孔を介して電子の授受が行われるものであってもよい。
また、カーボンフェルト、カーボンペーパー等は、熱処理、エッチング処理等により、本開示の電解液、後述の負極電解液等の濡れ性を向上させてもよい。例えば、熱処理は300℃〜1000℃にて酸素を含む雰囲気中にて0.1時間〜100時間行うことが好ましい。
<セパレータ>
電池は、正極と負極との間にセパレータを更に備えていてもよい。セパレータとしては、電池の使用条件に耐え得るもので、自己放電を抑制し得る膜であれば特に制限されず、イオン伝導性高分子膜、イオン伝導性固体電解質膜、ポリオレフィン多孔質膜、セルロース多孔質膜等が挙げられる。
イオン伝導性高分子膜としては、例えば、カチオン交換膜及びアニオン交換膜が挙げられる。カチオン交換膜としては、Nafion(ナフィオン)等が挙げられ、アニオン交換膜としては、Fumasep(登録商標)等が挙げられる。
負極活物質としてビオロゲン化合物を用いる場合、ビオロゲン化合物は中性水溶液中で安定である傾向にあり、セパレータとして中性のセパレータを用いることが好ましい。また、ナフィオンは−CF−SOHが超強酸性であるため、アルカリイオン、アルカリ土類イオン等とプロトンを置換することが好ましい。例えば、1M水酸化カリウム水溶液又は1M水酸化ナトリウム水溶液中にナフィオンを浸し、室温〜100℃にて0.5時間〜100時間処理することで−SOK基又は−SONa基をもつ中性付近のナフィオンに変えることができる。
ポリオレフィン膜としてはポリエチレン多孔膜、ポリプロピレン多孔膜、これらの多層膜を使用することができる。
本開示の電池は、フロー電池であってもよい。より具体的には、電池は、本開示の電解液である正極電解液を貯留する正極電解液貯留部と、負極電解液を貯留する負極電解液貯留部と、正極と正極電解液貯留部との間で正極電解液を循環させ、負極と負極電解液貯留部との間で負極電解液を循環させる送液部と、を更に備えるフロー電池であってもよい。
以下、フロー電池の各構成について説明する。
<正極電解液貯留部及び負極電解液貯留部>
フロー電池は、正極電解液を貯留する正極電解液貯留部及び負極電解液を貯留する負極電解液貯留部を備える。正極電解液貯留部及び負極電解液貯留部としては、例えば、電解液貯留タンクが挙げられる。
<送液部>
フロー電池は、正極と正極電解液貯留部との間で正極電解液を循環させ、負極と負極電解液貯留部との間で負極電解液を循環させる送液部を備える。正極電解液貯留部に貯留された正極電解液が送液部を通じて正極が配置された正極室(正極電解液反応槽)に供給され、負極電解液貯留部に貯留された負極電解液が送液部を通じて負極が配置された負極室(負極電解液反応槽)に供給される。
フロー電池では、送液部は例えば、正極室と正極電解液貯留部との間で正極電解液を循環させ、かつ負極室と負極電解液貯留部との間で負極電解液を循環させる循環経路及び送液ポンプを備えていてもよい。
液密性の点から循環経路の継ぎ手にガスケットを配置してもよい。ガスケットの素材としては特に制限はなく、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、エチレンプロピレンゴム、Hypalon、塩化ビニル等が挙げられる。また循環経路の素材としても特に制限はなく、例えば、塩化ビニル、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)、PTFE、ゴム、ガラス等が挙げられる。
正極室と正極電解液貯留部との間で循環させる正極電解液の量及び負極室と負極電解液貯留部との間で循環させる負極電解液の量は、それぞれ送液ポンプを用いて適宜調整すればよく、例えば、電池スケールに応じて適宜設定することができる。
フロー電池において、電位測定部は、正極及び負極が配置されたセル内(正極室内及び負極室内の少なくとも一方)に配置され、正極電解液及び負極電解液の少なくとも一方の電位を測定する構成であってもよい。
また、フロー電池において、電位測定部は、正極電解液貯留部及び負極電解液貯留部の少なくとも一方に配置される構成であってもよい。このとき、電位測定部が配置された貯留部に電解液の電位を測定するための作用電極を配置する。これにより、Zn/Zn2+参照電極の電位に対する電解液の電位を長期間にわたって安定して測定することができ、充電深度(SOC、State of Charge)を容易にモニタリングできる。
作用電極としては、特に制限されず、グラッシーカーボン、黒鉛等のカーボン、水銀、白金、亜鉛、鉛、スズ、銅、ニッケルなどの電極素材から構成されるものが挙げられる。作用電極としては、中でも、グラッシーカーボン、黒鉛等のカーボン電極が好ましい。
[電池システム]
本開示の電池システムは、前述の本開示の電池と、電池の充放電を制御する制御部と、を備える。本開示の電池システムは、電池がフロー電池であるフロー電池システムであってもよく、制御部は、フロー電池の充放電を制御する構成であってもよい。
(制御部)
電池システムは、電池の充放電を制御する制御部を備える。例えば、制御部は、電池システムにおける充電電圧、正極及び負極の充電電位等を制御する構成であってもよい。
なお、充電電圧は負極と正極との間の電位差を示すものであり、充電電位は基準となる一定の電位を持つ基準電極(参照電極)に対する電位差を示すものである。
[フロー電池システムの一例]
図1は、フロー電池システムの一例を示す構成図である。フロー電池システムは、正極1aと、負極1bと、正極1a及び負極1bを隔てるセパレータ2と、各電極と電子の授受を行う双極板5と、双極板5と接触した集電板9と、を備えるフロー電池セルを備える。さらに、図1におけるフロー電池システムは、フロー電池セルとともに、正極電解液10aを貯留する正極電解液貯留部11aと、負極電解液10bを貯留する負極電解液貯留部11bと、送液ポンプ12と、循環経路13と、電源14と、外部負荷15と、作用電極17と、Zn/Zn2+参照電極16と、を備える。フロー電池システムでは、正極電解液10aは、循環経路13を通り、正極電解液貯留部11aに貯留される。また、負極電解液10bは、循環経路13を通り、負極電解液貯留部11bに貯留される。このようにして、充放電反応中には、正極電解液10a及び負極電解液10bが、送液ポンプ12を作動させることで、それぞれ正極1a及び負極1b内に流通し、正極電解液貯留部11a及び負極電解液貯留部11bに再び戻ってくるサイクルを繰り返す。充放電を行う際の制御部(図示せず)による電気的な制御は、電源14及び外部負荷15を用いて行われる。さらに、図1に示すように、作用電極17及びZn/Zn2+参照電極16を正極電解液貯留部11a内に配置して正極電解液10aに接触させ、Zn/Zn2+参照電極16に対する作用電極17の電位を測定し、参照電極に対する電解液の電位をモニタリングすることにより、フロー電池の充電深度(SOC)を容易に管理することができる。
Zn/Zn2+参照電極は、正極電解液貯留部11a内に配置される構成であってもよく、負極電解液貯留部11b内に配置される構成であってもよく、正極電解液貯留部11a内及び負極電解液貯留部11b内の両方に配置される構成であってもよい。電池が大きく劣化している場合、自己放電の大きな活物質を用いている場合等を除き、基本的に正極と負極のSOCはほぼ同じであるため、一方のSOCを把握すればすむことが多い。また、Zn/Zn2+参照電極と接触しない電解液には過剰の活物質が含まれていてもよい。但し、一方の電極における活物質の酸化還元反応が金属固体状態(Zn、Fe、Ti、Ag等)を経由し、その電極の一部でも活物質が金属固体状態で存在する場合、参照電極に対する電解液の電位は、ほぼ一定の電位を示すことから、SOCをモニタリングすることが困難となる。そのため、対極側における参照電極に対する電解液の電位のSOCをモニタリングすることが好ましい。この場合の対極における活物質の酸化還元反応は、金属固体状態を経由しないことを想定している。例えば、正極活物質としてヨウ素分子及びヨウ素イオンの少なくとも一方を含む正極電解液、及び、負極活物質として亜鉛及び亜鉛イオンの少なくとも一方を含む負極電解液を用いる場合、Zn/Zn2+参照電極は、正極電解液貯留部11a内に配置される構成が好ましい。
[フロー電池システムの他の一例]
図2は、フロー電池システムの他の一例を示す構成図である。図2におけるフロー電池システムは、Zn/Zn2+参照電極16を正極電解液貯留部11aではなく、正極室内に配置したものである。これにより、正極の電位をモニタリングできるため、正極活物質が正極の電位に対して敏感な場合、例えば、正極活物質が分解等してしまう場合、正極単独の電位で充電終了条件を制御できる構成となる。これは負極側も同様に適用できる。
[発電システム]
本開示の発電システムは、発電装置と、前述の本開示の電池システムと、を備える。本開示の発電システムは、電池システムと発電装置とを組み合わせることで、電力変動を平準化及び安定化したり、電力の需給を安定化したりすることができる。
発電システムは、発電装置を備える。発電装置としては、特に限定されず、再生可能エネルギーを用いて発電する発電装置、水力発電装置、火力発電装置、原子力発電装置等が挙げられ、中でも再生可能エネルギーを用いて発電する発電装置が好ましい。
再生可能エネルギーを用いた発電装置は、気象条件等によって発電量が大きく変動するが、電池システムと組み合わせることで変動する発電電力を平準化して電力系統に平準化した電力を供給することができる。
再生可能エネルギーとしては、風力、太陽光、波力、潮力、流水、潮汐、地熱等が挙げられるが、風力又は太陽光が好ましい。
風力、太陽光等の再生可能エネルギーを用いて発電した発電電力は、高電圧の電力系統に供給する場合がある。通常、風力発電及び太陽光発電は、風向、風力、天気等の気象によって影響を受けるため、発電電力は一定とならず、大きく変動する傾向にある。一定ではない発電電力を高電圧の電力系統にそのまま供給すると、電力系統の不安定化を助長するため好ましくない。本実施形態の発電システムは、例えば、電池システムの充放電波形を発電電力波形に重畳させることで、目標とする電力変動レベルまで発電電力波形を平準化させることができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されない。
[実施例1]
ヨウ化亜鉛(和光純薬工業株式会社)を水に溶解し、正極電解液として1Mヨウ化亜鉛水溶液20mLを調製し、かつ、負極電解液として1Mヨウ化亜鉛水溶液20mLを調製した。
フロー電池用セルを用い、フロー電池として評価した。エチレンプロピレンゴム製ガスケット、カーボンフェルト(東洋紡株式会社、XF30A、面積:5cm、厚さ:4.3mm)を用いた。正極の集電体にはカーボンプラスチック、負極の集電体にはZnホイル(アルドリッチ社、厚さ:0.25mm)を用いた。セパレータにはナフィオン212(アルドリッチ社)を用いた。正極電解液及び負極電解液は約7mL・m−1にて循環した。充放電試験装置はBiologic−BCS−815(Biologic社)を用いた。電流値は0.05A(10 mA・cm−2)にて0V〜1.6Vにて充放電試験を行った。正極電解液用のタンクに、Zn/Zn2+参照電極として5mm×10cmのZnホイルを浸し、Zn/Zn2+参照電極に対する正極電解液の電位を充放電試験中にモニタリングした。結果を図3に示す。このように1サイクル目の電位を測定することで、その後の電池試験中、電解液の電位を測定するのみで電池のSOCを算出できる。1ヶ月、Zn/Zn2+参照を電解液に入れたまま電池を放置後、再度測定したが、同様なSOC−電位曲線が得られたことから、長期間にわたってZn/Zn2+参照電極が安定であることが分かった。このため、実施例1のフロー電池では、長期間にわたって参照電極の電位に対する電解液の電位を安定して測定可能である。
[比較例1]
参照電極にAg/AgCl参照電極(飽和KCl水溶液、BAS社)を用いた。SOC100%における正極電解液の電位は0.651V vs.Ag/AgClであった。次に、参照電極を正極電解液に接触させたまま電池を1ヶ月放置後、再度測定したところ、SOC100%における正極電解液の電位は1.23V vs.Ag/AgClであり、また、Ag/AgCl参照電極内に沈殿物が見られた。正極電解液の電位が変化したこと、及び沈殿物が見られたことの原因は、Iイオンが参照電極ガラス内に侵入したためと考えられ、これにより、Ag/AgCl参照電極は長期安定性にかけることが分かった。
1a 正極
1b 負極
2 セパレータ
5 双極板
9 集電板
10a 正極電解液
10b 負極電解液
11a 正極電解液貯留部
11b 負極電解液貯留部
12 送液ポンプ
13 循環経路
14 電源
15 外部負荷
16 Zn/Zn2+参照電極
17 作用電極

Claims (9)

  1. 正極電解液と、負極電解液と、前記正極電解液及び前記負極電解液の少なくとも一方の電位をZn/Zn2+参照電極を用いて測定する電位測定部と、を備え、
    前記正極電解液及び前記負極電解液の少なくとも一方はZn2+イオンを含み、前記電位測定部はZn2+イオンを含む電解液の電位を測定する電池。
  2. 前記正極電解液と接する正極と、前記負極電解液と接する負極と、前記正極電解液を貯留する正極電解液貯留部と、前記負極電解液を貯留する負極電解液貯留部と、前記正極と前記正極電解液貯留部との間で前記正極電解液を循環させ、前記負極と前記負極電解液貯留部との間で前記負極電解液を循環させる送液部と、をさらに備えるフロー電池である請求項1に記載の電池。
  3. 前記電位測定部は、前記正極電解液貯留部及び前記負極電解液貯留部の少なくとも一方に配置されている請求項2に記載の電池。
  4. 前記電位測定部は、前記正極及び前記負極が配置されたセル内に配置されている請求項2又は請求項3に記載の電池。
  5. 前記Zn2+イオンの濃度は10mM〜15Mである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電池。
  6. 前記Zn2+イオンの濃度は50mM〜15Mである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電池。
  7. 前記負極電解液が負極活物質として亜鉛及び亜鉛イオンの少なくとも一方を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電池。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電池と、
    前記電池の充放電を制御する制御部と、
    を備える電池システム。
  9. 発電装置と、
    請求項8の電池システムと、を備える発電システム。
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