JP2018203112A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐偏摩耗性を向上させて摩耗寿命を延ばすことのできる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】タイヤ幅方向における少なくとも一端側が周方向主溝10により区画されるリブ20と、タイヤ周方向に延びると共に、タイヤ周方向に離間してリブ20に複数形成される周方向サイプ30と、複数がタイヤ周方向に並んでリブ20に形成されると共に、一端がリブ20内で終端し、他端が周方向主溝10に開口するリブエッジサイプ35と、タイヤ周方向に延びると共に、周方向サイプ30及びリブエッジサイプ35の深さよりも浅い溝深さで形成され、タイヤ周方向に隣り合う周方向サイプ30に両端が接続される複数の第1細浅溝40と、周方向サイプ30及びリブエッジサイプ35の深さよりも浅い溝深さで形成され、一端が第1細浅溝40に接続され、他端がリブエッジサイプ35に接続される複数の第2細浅溝45と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、主に排水性を確保するためにトレッド面に溝が形成されているが、溝の配置形態は、トレッド面の摩耗特性にも関わってくる。このため、従来の空気入りタイヤの中には、溝の配置形態を工夫することにより、摩耗特性の向上を図っているものがある。例えば、特許文献1に記載された空気入りタイヤでは、タイヤ周方向に延びる主溝に挟まれたリブに、ジグザグ状の細溝を形成し、細溝の屈曲部の溝底にサイプを形成することにより、摩耗が進行しても耐横滑り性及び耐偏摩耗性が確保されることを図っている。
特開2017−7476号公報
ここで、比較的速い速度で連続走行をすることが多い車両では、新品の空気入りタイヤを装着して使用を開始した後、使用の初期段階で偏摩耗が発生した場合、偏摩耗が発生した空気入りタイヤを早期に取り外すことがある。つまり、新品からの使用開始後における初期段階で発生した偏摩耗は、その後の偏摩耗にも関わり、摩耗による空気入りタイヤの寿命にも関わってくるため、このような車両に装着される空気入りタイヤでは、新品からの使用初期の段階での偏摩耗を抑制することが重要になっている。
しかし、空気入りタイヤの新品時は、トレッド面に形成される溝の溝深さが深いため、トレッド面が路面に接地した際に、溝によって区画される陸部が大きく倒れ込み易くなっている。このため、空気入りタイヤの新品時は、陸部が大きく倒れ込むことに起因して、偏摩耗が発生し易くなっている。このように、空気入りタイヤの使用初期の段階では、偏摩耗が発生し易くなっているため、空気入りタイヤの使用初期の偏摩耗を抑制することによって使用初期の偏摩耗に起因する偏摩耗を抑制し、摩耗による空気入りタイヤの寿命を延ばすことは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐偏摩耗性を向上させて摩耗寿命を延ばすことのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延びる複数の周方向主溝と、タイヤ幅方向における少なくとも一端側が前記周方向主溝により区画されるリブと、タイヤ周方向に延びると共に、タイヤ周方向に離間して前記リブに複数形成される周方向サイプと、複数がタイヤ周方向に並んで前記リブに形成されると共に、一端が前記リブ内で終端し、他端が前記周方向主溝に開口するリブエッジサイプと、タイヤ周方向に延びると共に、前記周方向サイプ及び前記リブエッジサイプの深さよりも浅い溝深さで形成され、タイヤ周方向に隣り合う前記周方向サイプに両端が接続される複数の第1細浅溝と、前記周方向サイプ及び前記リブエッジサイプの深さよりも浅い溝深さで形成され、一端が前記第1細浅溝に接続され、他端が前記リブエッジサイプに接続される複数の第2細浅溝と、を備えることを特徴とする。
上記空気入りタイヤにおいて、前記第1細浅溝は、最大溝深さDN1が0.5mm≦DN1≦4.0mmの範囲内であることが好ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、前記第2細浅溝は、最大溝深さDN2が0.5mm≦DN2≦4.0mmの範囲内であることが好ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、前記周方向サイプは、前記周方向サイプの最大深さDSCと、前記周方向主溝の最大溝深さDとの関係が、0.50≦(DSC/D)≦0.80の範囲内であることが好ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、前記リブエッジサイプは、前記リブエッジサイプの最大深さDSEと、前記周方向主溝の最大溝深さDとの関係が、0.60≦(DSE/D)≦0.90の範囲内であることが好ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、前記第2細浅溝は、前記第1細浅溝に接続される端部側から前記リブエッジサイプに接続される端部側に向かうに従って、タイヤ回転方向における前側からタイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向にタイヤ幅方向に対して傾斜していることが好ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、前記リブエッジサイプは、前記リブ内で終端する側の端部側から前記周方向主溝に開口する端部側に向かうに従って、タイヤ回転方向における前側からタイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向にタイヤ幅方向に対して傾斜していることが好ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、前記周方向サイプと前記第1細浅溝とは、前記周方向サイプのタイヤ周方向における長さLSCと、前記第1細浅溝のタイヤ周方向における長さLN1との関係が、0.4≦(LN1/LSC)≦0.8の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、耐偏摩耗性を向上させて摩耗寿命を延ばすことができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図2は、図1のA部詳細図である。 図3は、図2のB部詳細図である。 図4は、図3のC−C方向視における周方向サイプと第1細浅溝との説明図である。 図5は、図3のE−E方向視におけるリブエッジサイプと第2細浅溝と周方向主溝との説明図である。 図6は、図3のF−F断面図である。 図7は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、周方向サイプが直線状に形成される状態を示す説明図である。 図8は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、リブエッジサイプ及び第2細浅溝がタイヤ幅方向に沿って形成される状態を示す説明図である。 図9は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、第1細浅溝に接続される2本の第2細浅溝のタイヤ周方向における位置が同じ位置となる状態を示す説明図である。 図10Aは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図10Bは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図10Cは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道線に向かう方向、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道線に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸と直交する方向をいい、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心として回転する方向をいう。また、タイヤ赤道線とは、タイヤ回転軸に直交すると共に空気入りタイヤのタイヤ幅の中心を通る平面であるタイヤ赤道面上にあって、空気入りタイヤのタイヤ周方向に沿う線をいう。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面から最も離れている部分間の距離である。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド面3を示す平面図である。図1に示す空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、トレッド面3として形成されている。トレッド面3には、タイヤ周方向に延びる周方向主溝10と、周方向主溝10の溝幅よりも狭い溝幅でタイヤ周方向に延びる周方向細溝15とが、それぞれ複数形成されている。また、トレッド面3には、複数の周方向主溝10と複数の周方向細溝15とによって、タイヤ周方向に延びる陸部であるリブ20が複数形成されている。リブ20は、タイヤ幅方向における少なくとも一端側が、周方向主溝10によって区画されている。
詳しくは、周方向主溝10は、4本がタイヤ幅方向に並んで形成されており、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道線CLの両側に位置する2本のセンター周方向主溝11と、2本のセンター周方向主溝11のそれぞれのタイヤ幅方向外側に位置し、センター周方向主溝11と隣り合う2本のショルダー周方向主溝12と、が設けられている。また、周方向細溝15は2本が形成されており、2本の周方向細溝15は、2本のショルダー周方向主溝12のそれぞれのタイヤ幅方向外側に、1本ずつ配設されている。ここでいう周方向主溝10は、溝幅が4.0mm以上20.0mm以下の範囲内になっており、溝深さが10.0mm以上28.0mm以下の範囲内になっている。また、周方向細溝15は、溝幅が1.0mm以上4.0mm以下の範囲内になっており、溝深さが8.0mm以上28.0mm以下の範囲内になっている。
また、リブ20は、2本のセンター周方向主溝11同士の間に位置してタイヤ赤道線CL上に配設されるセンターリブ21と、隣り合うセンター周方向主溝11とショルダー周方向主溝12との間に位置するセカンドリブ22と、隣り合うショルダー周方向主溝12と周方向細溝15との間に位置するショルダーリブ23と、が設けられている。即ち、センターリブ21とセカンドリブ22とは、タイヤ幅方向における両側が周方向主溝10によって区画されており、ショルダーリブ23は、タイヤ幅方向における一端側が周方向主溝10によって区画されている。
これらのように形成される各リブ20には、比較的短い長さでタイヤ幅方向に延びて一端がリブ20内で終端し、他端が周方向主溝10または周方向細溝15に開口するリブエッジサイプ35が形成されている。即ち、リブエッジサイプ35は、リブ20のタイヤ幅方向における端部に位置してリブ20のトレッド面3と、周方向主溝10の溝壁または周方向細溝15の溝壁と、が交差する部分であるリブエッジ20aに接続されている。各リブ20のリブエッジサイプ35は、タイヤ幅方向に対してタイヤ周方向に傾斜する直線状に形成されており、タイヤ幅方向における各リブ20の両端側に、それぞれ複数がタイヤ周方向に並んで配設されている。
例えば、センターリブ21には、センターリブ21を区画する2本のセンター周方向主溝11のうちの一方のセンター周方向主溝11側に位置するリブエッジサイプ35と、他方のセンター周方向主溝11側に位置するリブエッジサイプ35とが設けられており、各リブエッジサイプ35は、一端がセンターリブ21内で終端し、他端がセンター周方向主溝11に開口している。また、セカンドリブ22には、センター周方向主溝11側に位置するリブエッジサイプ35と、ショルダー周方向主溝12側に位置するリブエッジサイプ35とが設けられており、各リブエッジサイプ35は、一端がセカンドリブ22内で終端し、他端がセンター周方向主溝11またはショルダー周方向主溝12に開口している。また、ショルダーリブ23には、ショルダー周方向主溝12側に位置するリブエッジサイプ35と、周方向細溝15側に位置するリブエッジサイプ35とが設けられており、各リブエッジサイプ35は、一端がショルダーリブ23内で終端し、他端がショルダー周方向主溝12または周方向細溝15に開口している。
また、複数のリブ20のうち、ショルダー周方向主溝12よりもタイヤ幅方向内側に位置し、タイヤ幅方向における両側が周方向主溝10によって区画されるセンターリブ21とセカンドリブ22とには、それぞれ周方向サイプ30と、第1細浅溝40と、第2細浅溝45とが形成されている。2つのセカンドリブ22と、センターリブ21に形成される周方向サイプ30、第1細浅溝40、第2細浅溝45は、全て同じ形態で形成されている。
図2は、図1のA部詳細図である。周方向サイプ30とリブエッジサイプ35と第1細浅溝40と第2細浅溝45とについて、2つのセカンドリブ22とセンターリブ21とのうち、代表して1つのセカンドリブ22を用いて説明する。周方向サイプ30とリブエッジサイプ35と第1細浅溝40と第2細浅溝45とのうち、周方向サイプ30は、セカンドリブ22のタイヤ幅方向における中央付近の位置でタイヤ周方向に延びると共に、タイヤ周方向に離間してセカンドリブ22に複数形成されている。各周方向サイプ30は、それぞれタイヤ周方向に延びつつ、タイヤ周方向における中央付近の2箇所で屈曲している。即ち、周方向サイプ30は、タイヤ周方向に延びつつ、タイヤ幅方向にジグザグ状に屈曲している、或いは、タイヤ周方向に延びつつ、略クランク状に形成されている。また、リブエッジサイプ35は、タイヤ幅方向に延びて形成され、セカンドリブ22内で終端する側の端部である終端部35aと、周方向主溝10に開口する側の端部である開口端部35bとを有している。
なお、ここでいうサイプは、トレッド面3に細溝状に形成されるものであり、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、正規内圧の内圧条件で、無負荷時には細溝を構成する壁面同士が接触しないが、平板上で垂直方向に負荷させたときの平板上に形成される接地面の部分に細溝が位置する際、または細溝が形成される陸部の倒れ込み時には、当該細溝を構成する壁面同士、或いは壁面に設けられる部位の少なくとも一部が、陸部の変形によって互いに接触するものをいう。周方向サイプ30及びリブエッジサイプ35は、このように定義づけられるサイプに含まれる。
正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。
本実施形態では、周方向サイプ30は、幅が0.3mm以上0.8mm以下の範囲内になっており、深さが7.0mm以上11.5mm以下の範囲内になっている。また、リブエッジサイプ35は、幅が0.3mm以上0.8mm以下の範囲内になっており、深さが8.5mm以上13.0mm以下の範囲内になっている。
また、第1細浅溝40は、セカンドリブ22に複数形成されており、各第1細浅溝40は、タイヤ周方向に延びると共に、タイヤ周方向に隣り合う周方向サイプ30に両端が接続されている。即ち、タイヤ周方向に延びる第1細浅溝40は、周方向サイプ30と同様にセカンドリブ22のタイヤ幅方向における中央付近の位置に配設されており、タイヤ周方向における端部40aが、タイヤ周方向に延びる周方向サイプ30のタイヤ周方向における端部30aに接続されている。また、第1細浅溝40は、ジグザグ状にタイヤ周方向に延びることによりタイヤ周方向に対して傾斜する周方向サイプ30に合わせて、タイヤ周方向に延びつつ、少なくとも端部40a付近が、周方向サイプ30に合わせてタイヤ周方向に対してタイヤ幅方向に傾斜している。
第1細浅溝40は、タイヤ周方向に離間してタイヤ周方向に隣り合う、全ての周方向サイプ30同士の間の部分に配設されており、各第1細浅溝40は、タイヤ周方向における第1細浅溝40の両側に位置する周方向サイプ30の端部30aに、それぞれ端部40aが接続されている。このように形成される第1細浅溝40は、溝幅が周方向サイプ30及びリブエッジサイプ35の幅よりも広い溝幅で形成され、溝深さが周方向サイプ30及びリブエッジサイプ35の深さよりも浅い溝深さで形成されている。
また、周方向サイプ30と第1細浅溝40とは、周方向サイプ30のタイヤ周方向における長さLSCと、第1細浅溝40のタイヤ周方向における長さLN1との関係が、0.4≦(LN1/LSC)≦0.8の範囲内になっている。なお、周方向サイプ30と第1細浅溝40とは、それぞれ複数が設けられているが、周方向サイプ30同士や、第1細浅溝40同士で、同じ長さでなくてもよい。周方向サイプ30と第1細浅溝40とは、周方向サイプ30同士の長さLSCの関係や、第1細浅溝40同士の長さLN1の関係に関わらず、互いに接続される周方向サイプ30と第1細浅溝40とのタイヤ周方向における長さLSC、LN1の関係が、0.4≦(LN1/LSC)≦0.8の範囲内になっていればよい。
また、第2細浅溝45は、セカンドリブ22に複数形成されており、第1細浅溝40のタイヤ幅方向における両側にそれぞれ配設されてタイヤ幅方向に延びて形成されている。具体的には、第2細浅溝45は、各第1細浅溝40のタイヤ幅方向における両側に、それぞれ1本ずつが配設されている。このため、1つの第1細浅溝40には、2本の第2細浅溝45が接続されている。第1細浅溝40のタイヤ幅方向における両側に配設される第2細浅溝45は、第1細浅溝40からリブエッジサイプ35にかけて形成されており、一端が第1細浅溝40に接続され、他端がリブエッジサイプ35に接続されている。即ち、第2細浅溝45は、第1細浅溝40に接続される側の端部である内側接続部45aと、リブエッジサイプ35に接続される側の端部である外側接続部45bとを有している。内側接続部45aは、タイヤ幅方向に延びる第2細浅溝45の両端部のうち、セカンドリブ22の幅方向における中央側に位置する端部になっており、外側接続部45bは、第2細浅溝45の両端部のうち、セカンドリブ22の幅方向におけるリブエッジ20a側に位置する端部になっている。
1つの第1細浅溝40に接続される2本の第2細浅溝45は、タイヤ周方向における位置が互いに異なる位置に配設されており、即ち、1つの第1細浅溝40に接続される2本の第2細浅溝45は、タイヤ周方向にオフセットされて配設されている。換言すると、複数の第2細浅溝45は、内側接続部45aのタイヤ周方向における位置が、第1細浅溝40のタイヤ幅方向における両側に配設される第2細浅溝45同士でタイヤ周方向にオフセットされている。
また、第2細浅溝45は、タイヤ幅方向に対して傾斜するリブエッジサイプ35に合わせて、タイヤ幅方向に延びつつ、少なくともリブエッジサイプ35に接続される外側接続部45b付近が、リブエッジサイプ35に合わせてタイヤ幅方向に対してタイヤ周方向に傾斜している。本実施形態では、第2細浅溝45は、第1細浅溝40に接続される内側接続部45a付近で屈曲することにより、第2細浅溝45の大部分が、リブエッジサイプ35の傾斜角度とほぼ同じ角度で傾斜している。
第2細浅溝45の両端のうち、第1細浅溝40に接続される側の端部である内側接続部45aは、第1細浅溝40の端部40aとは異なる位置に接続されている。このため、1つの第1細浅溝40に接続される2本の第2細浅溝45は、第1細浅溝40の両端部40a同士の間における、タイヤ周方向の位置が互いに異なる位置に、内側接続部45aが接続されている。第1細浅溝40に接続される2本の第2細浅溝45同士の、タイヤ周方向における位置の相対関係は、複数の第1細浅溝40で、全て同じ関係になっている。例えば、図2では、第1細浅溝40に対して左側から接続される第2細浅溝45は、第1細浅溝40に対して右側から接続される第2細浅溝45よりも、紙面の上側に位置しているが、図示されてない第1細浅溝40においても、同じ第1細浅溝40に接続される2本の第2細浅溝45のタイヤ周方向における位置の相対関係は、全て同じ関係になっている。
また、第2細浅溝45におけるリブエッジサイプ35に接続される側の端部である外側接続部45bは、タイヤ周方向に並ぶ複数のリブエッジサイプ35のうち、1つのリブエッジサイプ35の終端部35aに接続される。つまり、リブエッジサイプ35は、セカンドリブ22のタイヤ幅方向における両端側に形成されることにより、第2細浅溝45と同様にタイヤ幅方向における第1細浅溝40の両側に配設されるため、第2細浅溝45は、第1細浅溝40を境とするタイヤ幅方向における側が同じ側に位置するリブエッジサイプ35に、それぞれ接続されている。このように形成される第2細浅溝45は、第1細浅溝40と同様に、溝幅が周方向サイプ30及びリブエッジサイプ35の幅よりも広い溝幅で形成され、溝深さが周方向サイプ30及びリブエッジサイプ35の深さよりも浅い溝深さで形成されている。
セカンドリブ22のタイヤ幅方向における両端側に形成されるリブエッジサイプ35は、タイヤ幅方向における長さWSEが、それぞれリブ20の幅Wに対して、0.05≦(WSE/W)≦0.25の範囲内となって形成されている。また、タイヤ周方向に複数が並ぶリブエッジサイプ35における、タイヤ周方向に隣り合うリブエッジサイプ35の開口端部35b同士のタイヤ周方向における距離LSEは、タイヤ周方向に隣り合う第2細浅溝45同士のタイヤ周方向におけるピッチPN2との関係が、2.5≦(PN2/LSE)≦7.5の範囲内になっている。なお、タイヤ周方向に隣り合う第2細浅溝45同士のピッチPN2は、リブエッジサイプ35の開口端部35b同士のタイヤ周方向における距離LSEの整数倍であるのが好ましい。
また、同じ第1細浅溝40に接続される2本の第2細浅溝45における内側接続部45a同士のタイヤ周方向におけるオフセット量LN2は、タイヤ周方向に隣り合うリブエッジサイプ35の開口端部35b同士のタイヤ周方向における距離LSEとの関係が、0.5≦(LN2/LSE)≦2.0の範囲内になっている。また、第2細浅溝45の内側接続部45a同士のオフセット量LN2は、周方向サイプ30のタイヤ周方向における長さLSCとの関係が、0.1≦(LN2/LSC)≦0.6の範囲内になっている。また、第1細浅溝40のタイヤ周方向における長さLN1と、当該第1細浅溝40に接続される2本の第2細浅溝45の内側接続部45a同士のタイヤ周方向におけるオフセット量LN2との関係は、0.3≦(LN2/LN1)≦0.7の範囲内になっている。
なお、この場合における内側接続部45a同士のオフセット量LN2は、タイヤ周方向における位置が異なる第2細浅溝45の内側接続部45a同士のうち、タイヤ周方向における距離が最も近い内側接続部45a同士のタイヤ周方向における距離になっている。また、第2細浅溝45の内側接続部45a同士のタイヤ周方向におけるオフセット量LN2と、タイヤ周方向に隣り合うリブエッジサイプ35の開口端部35b同士のタイヤ周方向における距離LSEとの関係は、0.8≦(LN2/LSE)≦1.5の範囲内であるのが好ましい。また、第2細浅溝45の内側接続部45a同士のタイヤ周方向におけるオフセット量LN2と、周方向サイプ30のタイヤ周方向における長さLSCとの関係は、0.2≦(LN2/LSC)≦0.5の範囲内であるのが好ましい。
セカンドリブ22には、これらのように周方向サイプ30とリブエッジサイプ35と第1細浅溝40と第2細浅溝45とが形成されることにより、これらによってブロック状に区画されたブロック部25が複数形成されている。換言すると、セカンドリブ22は、トレッド面3寄りの位置が、周方向サイプ30とリブエッジサイプ35と第1細浅溝40と第2細浅溝45とによって、複数のブロック部25に分割されている。ブロック部25は、タイヤ幅方向における一端側が、周方向サイプ30と第1細浅溝40とによって区画され、タイヤ幅方向における他端側が、周方向主溝10によって区画され、タイヤ周方向における両側がそれぞれ、リブエッジサイプ35と第2細浅溝45とによって区画されることにより、矩形に近い形状で形成されている。
ブロック部25は、周方向サイプ30及び第1細浅溝40のタイヤ幅方向両側に、それぞれ複数がタイヤ周方向に並んで形成されている。また、ブロック部25は、同じ第1細浅溝40に接続される2本の第2細浅溝45のタイヤ周方向における位置が互いに異なっていることに伴い、周方向サイプ30及び第1細浅溝40のタイヤ幅方向両側のブロック部25は、タイヤ周方向における位置が互いに異なっており、互いにタイヤ周方向にオフセットして配設されている。つまり、周方向サイプ30及び第1細浅溝40のタイヤ幅方向における一方側にタイヤ周方向に並んで配設される複数のブロック部25と、タイヤ幅方向における他方側にタイヤ周方向に並んで配設される複数のブロック部25とは、タイヤ周方向における位置が、全体的に互いにタイヤ周方向にずれて配設されている。
また、ブロック部25は、周方向サイプ30や第1細浅溝40側に位置する角部26が、全て第1細浅溝40と第2細浅溝45とによって区画されている。つまり、ブロック部25の、タイヤ幅方向における周方向サイプ30や第1細浅溝40が位置する側では、周方向サイプ30には第2細浅溝45が接続されず、第2細浅溝45は第1細浅溝40にのみ接続されている。このため、ブロック部25における、周方向サイプ30や第1細浅溝40が位置する側では、角部26は、全て第1細浅溝40と第2細浅溝45とによって区画されており、第1細浅溝40と第2細浅溝45とが交差する位置が、ブロック部25の角部26になっている。
図3は、図2のB部詳細図である。図4は、図3のC−C方向視における周方向サイプ30と第1細浅溝40との説明図である。図5は、図3のE−E方向視におけるリブエッジサイプ35と第2細浅溝45と周方向主溝10との説明図である。溝幅が周方向サイプ30やリブエッジサイプ35の幅よりも広く、溝深さが周方向サイプ30やリブエッジサイプ35の深さよりも浅い第1細浅溝40は、溝幅WN1が、0.5mm≦WN1≦2.0mmの範囲内になっており、最大溝深さDN1が、0.5mm≦DN1≦4.0mmの範囲内になっている。同様に溝幅が周方向サイプ30やリブエッジサイプ35の幅よりも広く、溝深さが周方向サイプ30やリブエッジサイプ35の深さよりも浅い第2細浅溝45は、溝幅WN2が、0.5mm≦WN2≦2.0mmの範囲内になっており、最大溝深さDN2が、0.5mm≦DN2≦4.0mmの範囲内になっている。これらの第1細浅溝40の溝幅WN1と第2細浅溝45の溝幅WN2は、ほぼ同じ大きさの幅になっており、第1細浅溝40の最大溝深さDN1と第2細浅溝45の最大溝深さDN2は、ほぼ同じ大きさの深さになっている。
なお、第1細浅溝40の最大溝深さDN1と第2細浅溝45の最大溝深さDN2は、それぞれ0.5mm≦DN1≦2.5mm、0.5mm≦DN2≦2.5mmの範囲内であるのが、より好ましい。
また、周方向サイプ30とリブエッジサイプ35とは、深さが、共にセンター周方向主溝11等の周方向主溝10の溝深さよりも浅くなっている。具体的には、周方向サイプ30は、周方向サイプ30の最大深さDSCと、周方向主溝10の最大溝深さDとの関係が、0.50≦(DSC/D)≦0.80の範囲内になっている。また、リブエッジサイプ35は、リブエッジサイプ35の最大深さDSEと、周方向主溝10の最大溝深さDとの関係が、0.60≦(DSE/D)≦0.90の範囲内になっている。
なお、周方向主溝10の最大溝深さDに対する周方向サイプ30の最大深さDSCは、0.60≦(DSC/D)≦0.70の範囲内であるのが、より好ましい。また、周方向主溝10の最大溝深さDに対するリブエッジサイプ35の最大深さDSEは、0.70≦(DSE/D)≦0.80の範囲内であるのが、より好ましい。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、車両装着時での回転方向が指定された空気入りタイヤ1になっている。この場合に指定される回転方向は、空気入りタイヤ1が装着される車両が前進する際において空気入りタイヤ1が回転する方向である。以下の説明では、タイヤ回転方向における前側とは、空気入りタイヤ1を指定方向に回転させた際における回転方向側であり、空気入りタイヤ1を車両に装着して指定方向に回転させて走行する場合において、先に路面に接地したり先に路面から離れたりする側である。また、タイヤ回転方向における後ろ側とは、空気入りタイヤ1を指定方向に回転させた際における回転方向の反対側であり、空気入りタイヤ1を車両に装着して指定方向に回転させて走行する場合において、後から路面に接地したり後から路面から離れたりする側である。
第2細浅溝45は、内側接続部45a側から外側接続部45b側に向かうに従って、タイヤ回転方向における前側からタイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向に、タイヤ幅方向に対して傾斜している。つまり、第2細浅溝45は、タイヤ回転方向における後ろ側の部分がタイヤ周方向に対してなす角度αが、鋭角になっている。
なお、本実施形態では、第2細浅溝45は、内側接続部45a付近で屈曲しているため、この場合における第2細浅溝45の角度αは、第2細浅溝45の両端部を結ぶ直線48の角度になっている。即ち、直線48は、内側接続部45aと外側接続部45bとを結ぶ直線になっており、この直線48のタイヤ周方向に対する角度が、第2細浅溝45の角度として用いられる。換言すると、第2細浅溝45は屈曲して形成されるため、両端部を結ぶ直線48が、第2細浅溝45の延在方向を示して第2細浅溝45の傾斜角度を求めるための要素として用いられる。
詳しくは、第2細浅溝45は、第1細浅溝40に対して直交して接続されており、内側接続部45aから屈曲部46までの範囲は、第1細浅溝40に対して約90°で形成される直交部47になっている。第2細浅溝45は、屈曲部46から、外側接続部45bまでの範囲が、第1細浅溝40側からリブエッジサイプ35側に向かうに従って、タイヤ回転方向における前側からタイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向に、タイヤ幅方向に対して傾斜している。このように屈曲部46を有する第2細浅溝45は、内側接続部45aと外側接続部45bとを結ぶ直線48における、タイヤ回転方向における後ろ側の部分のタイヤ周方向に対してなす角度αが、鋭角になっている。なお、第2細浅溝45の直交部47の長さは、1.0mm以上3.0mm以下の範囲内であるのが好ましい。
また、リブエッジサイプ35は、終端部35a側から開口端部35b側に向かうに従って、タイヤ回転方向における前側からタイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向に、タイヤ幅方向に対して傾斜している。つまり、リブエッジサイプ35も、第2細浅溝45と同様に、タイヤ回転方向における後ろ側の部分がタイヤ周方向に対してなす角度βが、鋭角になっている。リブエッジサイプ35の角度も、リブエッジサイプ35の両端部を結ぶ直線が、リブエッジサイプ35の延在方向を示してリブエッジサイプ35の傾斜角度を求めるための要素として用いられる。本実施形態では、リブエッジサイプ35は直線状に形成されており、両端部を結ぶ直線とリブエッジサイプ35と重なるため、リブエッジサイプ35の角度は、リブエッジサイプ35自体の角度がそのまま用いられる。
なお、タイヤ周方向に対する第2細浅溝45の角度αは、60°以上80°以下の範囲内であるのが好ましく、タイヤ周方向に対するリブエッジサイプ35の角度βも、60°以上80°以下の範囲内であるのが好ましい。また、第2細浅溝45の角度αとリブエッジサイプ35の角度βとの差は、互いに±10°の範囲内であるのが好ましい。
図6は、図3のF−F断面図である。リブエッジサイプ35は、壁部36がタイヤ径方向に対して傾斜して形成されており、壁部36は、開口部37側よりも底部38側の方が、タイヤ回転方向における前側に位置する方向に、タイヤ径方向に対してタイヤ周方向に傾斜している。
上述した説明では、セカンドリブ22を用いて周方向サイプ30、リブエッジサイプ35、第1細浅溝40、第2細浅溝45について説明したが、センターリブ21においても、周方向サイプ30、リブエッジサイプ35、第1細浅溝40、第2細浅溝45は、同様の形態で設けられている。
これらのように構成される本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、用途が重荷重用空気入りタイヤになっている。この空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、リムホイールにリム組みしてインフレートした状態で車両に装着する。リムホイールにリム組みした状態の空気入りタイヤ1は、例えばトラックやバス等の大型の車両に装着して使用され、特に操舵輪である前輪に装着される。
空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、トレッド面3のうち下方に位置するトレッド面3が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主にトレッド面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。また、濡れた路面を走行する際には、トレッド面3と路面との間の水が周方向主溝10等に入り込み、これらの溝でトレッド面3と路面との間の水を排出しながら走行する。これにより、トレッド面3は路面に接地し易くなり、トレッド面3と路面との間の摩擦力により、車両は走行することが可能になる。
車両の走行時には、トレッド面3における接地領域には大きな荷重が作用するが、接地領域に作用する荷重によるトレッド面3の接地圧は、車両の走行状態に応じて接地領域内における分布が変化する。即ち、トレッド面3の接地領域では、接地圧が大きい部分と、接地圧が比較的小さい部分とが発生する。トレッド面3の接地圧が位置によって異なる場合、偏摩耗が発生し易くなるが、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、リブ20のトレッド面3に周方向サイプ30、リブエッジサイプ35、第1細浅溝40、第2細浅溝45が設けられ、リブ20が複数のブロック部25に分割されている。これにより、リブ20の圧縮量の差を緩和することができ、トレッド面3の接地圧の局部的な増加を抑制することができる。
つまり、トレッド面3が接地した際において、接地圧が高い部分が発生した際に、接地圧が作用する方向に応じて周方向サイプ30、リブエッジサイプ35、第1細浅溝40、第2細浅溝45が潰れることにより、リブ20のブロック部25は、タイヤ周方向やタイヤ幅方向に変形することができる。これにより、リブ20の圧縮量が局所的に高くなることが抑制され、接地圧が分散されるため、トレッド面3の接地時における、接地圧の局所的な増加に起因する偏摩耗を抑制することができる。
また、タイヤ周方向において隣り合う周方向サイプ30同士の間には第1細浅溝40が形成され、第1細浅溝40とリブエッジサイプ35との間には第2細浅溝45が形成されているため、空気入りタイヤ1の新品時からの使用初期、即ち、走行初期の耐偏摩耗性を向上させることができる。つまり、空気入りタイヤ1の新品時は、トレッド面3が擦り減っていないので、周方向主溝10は、トレッド面3が摩耗した状態と比較して、溝深さが深くなっている。リブ20のブロック部25の一辺は、周方向主溝10によって区画されるため、リブ20を、周方向サイプ30とリブエッジサイプ35のみによって複数のブロック部25に分割した場合、周方向主溝10の溝深さが深いことにより、空気入りタイヤ1の新品時における、各ブロック部25の剛性が低くなり過ぎる可能性がある。この場合、トレッド面3の接地時に、接地圧によってブロック部25が倒れ込み過ぎることにより、ブロック部25の倒れ込み過ぎが原因となる偏摩耗が発生する可能性がある。
これに対し、タイヤ周方向において隣り合う周方向サイプ30同士の間に第1細浅溝40を形成し、第1細浅溝40に第2細浅溝45を接続して、ブロック部25の角部26を第1細浅溝40と第2細浅溝45とによって区画することにより、ブロック部25の倒れ込み過ぎを抑制することができる。つまり、第1細浅溝40と第2細浅溝45とは、溝深さが周方向サイプ30やリブエッジサイプ35の深さよりも浅いため、ブロック部25の角部26を第1細浅溝40と第2細浅溝45とによって区画することにより、ブロック部25の角部26付近での大きな変形を抑制することができる。これにより、トレッド面3の接地時に、接地圧によってブロック部25が倒れ込み過ぎることを抑制することができ、走行初期における、ブロック部25の倒れ込み過ぎが原因となる偏摩耗を抑制することができる。従って、走行初期の偏摩耗によって空気入りタイヤ1を車両から早い段階で取り外す状況になることを抑制でき、空気入りタイヤ1を継続的に使用できる走行距離が短くなることを抑制することができる。また、走行初期の偏摩耗を抑制することができるため、走行初期の偏摩耗に起因する、その後の走行の偏摩耗を抑制することができる。これらの結果、耐偏摩耗性を向上させて、摩耗による寿命である摩耗寿命を延ばすことができる。
また、第1細浅溝40は、最大溝深さDN1が0.5mm≦DN1≦4.0mmの範囲内であるため、第1細浅溝40によってより確実にブロック部25の倒れ込みを抑制すると共に、第1細浅溝40によって接地圧を分散する効果を所定期間、維持することができる。つまり、第1細浅溝40の最大溝深さDN1が、DN1<0.5mmである場合は、第1細浅溝40の最大溝深さDN1が浅過ぎるため、トレッド面3の摩耗によって、第1細浅溝40が早期に消滅してしまう可能性がある。この場合、第1細浅溝40によって接地圧を分散する効果が、走行初期の早い段階で消滅してしまうため、走行初期の偏摩耗を効果的に抑制することが困難になる可能性がある。また、第1細浅溝40の最大溝深さDN1が、DN1>4.0mmである場合は、第1細浅溝40の最大溝深さDN1が深過ぎるため、ブロック部25の倒れ込みを効果的に抑制するのが困難になり、ブロック部25の倒れ込み過ぎに起因する偏摩耗を抑制するのが困難になる可能性がある。
これに対し、第1細浅溝40の最大溝深さDN1が、0.5mm≦DN1≦4.0mmの範囲内である場合は、第1細浅溝40によってブロック部25の倒れ込みを効果的に抑制すると共に、第1細浅溝40によって接地圧を分散する効果を、空気入りタイヤ1の新品から使用開始後、所定の走行距離の間、維持することができる。例えば、空気入りタイヤ1を新品から使用開始してトレッド面3の摩耗が進行することによって、周方向主溝10の溝深さが浅くなり、ブロック部25の倒れ込みの大きさが、ブロック部25の倒れ込みに起因する偏摩耗が発生し難くなる程度に小さくなるまで、第1細浅溝40によって接地圧を分散する効果を維持することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性を向上させることができる。
また、第2細浅溝45は、最大溝深さDN2が0.5mm≦DN2≦4.0mmの範囲内であるため、第2細浅溝45によってより確実にブロック部25の倒れ込みを抑制すると共に、第2細浅溝45によって接地圧を分散する効果を所定期間、維持することができる。つまり、第2細浅溝45の最大溝深さDN2が、DN2<0.5mmである場合は、第2細浅溝45の最大溝深さDN2が浅過ぎるため、トレッド面3の摩耗によって、第2細浅溝45が早期に消滅してしまう可能性がある。この場合、第2細浅溝45によって接地圧を分散する効果が、走行初期の早い段階で消滅してしまうため、走行初期の偏摩耗を効果的に抑制することが困難になる可能性がある。また、第2細浅溝45の最大溝深さDN2が、DN2>4.0mmである場合は、第2細浅溝45の最大溝深さDN2が深過ぎるため、ブロック部25の倒れ込みを効果的に抑制するのが困難になり、ブロック部25の倒れ込み過ぎに起因する偏摩耗を抑制するのが困難になる可能性がある。
これに対し、第2細浅溝45の最大溝深さDN2が、0.5mm≦DN2≦4.0mmの範囲内である場合は、第2細浅溝45によってブロック部25の倒れ込みを効果的に抑制すると共に、第2細浅溝45によって接地圧を分散する効果を、空気入りタイヤ1の新品から使用開始後、所定の走行距離の間、維持することができる。例えば、空気入りタイヤ1を新品から使用開始してトレッド面3の摩耗が進行することによって、周方向主溝10の溝深さが浅くなり、ブロック部25の倒れ込みの大きさが、ブロック部25の倒れ込みに起因する偏摩耗が発生し難くなる程度に小さくなるまで、第2細浅溝45によって接地圧を分散する効果を維持することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性を向上させることができる。
また、周方向サイプ30は、周方向サイプ30の最大深さDSCと、周方向主溝10の最大溝深さDとの関係が、0.50≦(DSC/D)≦0.80の範囲内であるため、トレッド面3の摩耗末期まで、ブロック部25を適度に変形させて接地圧を分散させることができ、偏摩耗を抑制することができる。つまり、周方向サイプ30の最大深さDSCと周方向主溝10の最大溝深さDとの関係が、(DSC/D)<0.50である場合は、周方向サイプ30の最大深さDSCが浅過ぎるため、トレッド面3の摩耗末期まで周方向サイプ30が存在することができず、摩耗の進行途中で周方向サイプ30が消滅してしまう可能性がある。この場合、周方向サイプ30によって接地圧を分散する効果が摩耗末期まで持続しないため、トレッド面3の偏摩耗を、摩耗末期まで効果的に抑制することが困難になる可能性がある。また、周方向サイプ30の最大深さDSCと周方向主溝10の最大溝深さDとの関係が、(DSC/D)>0.80である場合は、周方向サイプ30の最大深さDSCが深過ぎるため、トレッド面3が接地した際におけるブロック部25の変形量が大きくなり過ぎる可能性がある。この場合、ブロック部25が変形することによるブロック部25の倒れ込みが大きくなり過ぎ、偏摩耗を抑制するのが困難になる可能性がある。
これに対し、周方向サイプ30の最大深さDSCと周方向主溝10の最大溝深さDとの関係が、0.50≦(DSC/D)≦0.80の範囲内である場合は、ブロック部25の倒れ込みが大きくなり過ぎない程度に、周方向サイプ30によって摩耗末期までブロック部25を変形させることができる。これにより、トレッド面3の摩耗初期以降もトレッド面3の接地圧を分散させることができ、摩耗末期まで偏摩耗を抑制することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性を向上させることができる。
また、リブエッジサイプ35は、リブエッジサイプ35の最大深さDSEと、周方向主溝10の最大溝深さDとの関係が、0.60≦(DSE/D)≦0.90の範囲内であるため、トレッド面3の摩耗末期まで、ブロック部25を適度に変形させて接地圧を分散させることができ、偏摩耗を抑制することができる。つまり、リブエッジサイプ35の最大深さDSEと周方向主溝10の最大溝深さDとの関係が、(DSE/D)<0.60である場合は、リブエッジサイプ35の最大深さDSEが浅過ぎるため、トレッド面3の摩耗末期までリブエッジサイプ35が存在することができず、摩耗の進行途中でリブエッジサイプ35が消滅してしまう可能性がある。この場合、リブエッジサイプ35によって接地圧を分散する効果が摩耗末期まで持続しないため、トレッド面3の偏摩耗を、摩耗末期まで効果的に抑制することが困難になる可能性がある。また、リブエッジサイプ35の最大深さDSEと周方向主溝10の最大溝深さDとの関係が、(DSE/D)>0.90である場合は、リブエッジサイプ35の最大深さDSEが深過ぎるため、トレッド面3が接地した際におけるブロック部25の変形量が大きくなり過ぎる可能性がある。この場合、ブロック部25が変形することによるブロック部25の倒れ込みが大きくなり過ぎ、偏摩耗を抑制するのが困難になる可能性がある。
これに対し、リブエッジサイプ35の最大深さDSEと周方向主溝10の最大溝深さDとの関係が、0.60≦(DSE/D)≦0.90の範囲内である場合は、ブロック部25の倒れ込みが大きくなり過ぎない程度に、リブエッジサイプ35によって摩耗末期までブロック部25を変形させることができる。これにより、トレッド面3の摩耗初期以降もトレッド面3の接地圧を分散させることができ、摩耗末期まで偏摩耗を抑制することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性を向上させることができる。
また、第2細浅溝45は、内側接続部45a側から外側接続部45b側に向かうに従って、タイヤ回転方向における前側からタイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向にタイヤ幅方向に対して傾斜しているため、ブロック部25における、蹴り出し側の第1細浅溝40側の角部26を鈍角にすることができる。つまり、第2細浅溝45は、タイヤ回転方向における後ろ側の部分がタイヤ周方向に対してなす角度αが鋭角になっているため、第2細浅溝45の、タイヤ回転方向における前側の部分がタイヤ周方向に対してなす角度を鈍角にすることができ、即ち、ブロック部25における、蹴り出し側の角部26を鈍角にすることができる。これにより、ブロック部25の蹴り出し側の辺は、角部26から周方向主溝10側に向かって徐々に路面から離れるため、各ブロック部25で角部26付近が最後まで路面に接地して接地圧が局部的に高くなることを抑制することができる。従って、走行初期に、ブロック部25の蹴り出し側の角部26近傍の接地圧が高くなり過ぎて偏摩耗が発生し易くなることを抑制することができ、走行初期の耐偏摩耗性を、より確実に向上させることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性を向上させて摩耗寿命を延ばすことができる。
また、リブエッジサイプ35は、終端部35a側から開口端部35b側に向かうに従って、タイヤ回転方向における前側からタイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向にタイヤ幅方向に対して傾斜しているため、リブ20のリブエッジ20a近傍の接地圧を、効果的に分散することができる。つまり、タイヤ回転方向に並ぶ2つのブロック部25のうち、タイヤ回転方向前側のブロック部25の、タイヤ回転方向における後ろ側を区画するリブエッジサイプ35付近が接地した場合には、タイヤ回転方向前側のブロック部25が変形してタイヤ回転方向後ろ側のブロック部25に支えられることにより、接地圧が分散される。その際に、リブエッジ20a近傍は接地圧が高くなり易いため、リブエッジサイプ35のタイヤ回転方向における後ろ側の部分がタイヤ周方向に対してなす角度βが鋭角になる方向にリブエッジサイプ35を傾斜させることにより、接地圧が高くなり易いリブエッジ20a近傍の接地圧を、タイヤ回転方向に隣り合うブロック部25同士で、より確実に分散させることができる。この結果、接地圧が局部的に高くなることに起因する偏摩耗を、より確実に抑制することができ、より確実に耐偏摩耗性を向上させることができる。
また、周方向サイプ30と第1細浅溝40とは、周方向サイプ30のタイヤ周方向における長さLSCと、第1細浅溝40のタイヤ周方向における長さLN1との関係が、0.4≦(LN1/LSC)≦0.8の範囲内であるため、より確実に、走行初期のブロック部25の倒れ込み過ぎを抑えつつ、トレッド面3の接地圧を分散させることができる。つまり、周方向サイプ30の長さLSCと、第1細浅溝40のタイヤ周方向における長さLN1との関係が、(LN1/LSC)<0.4である場合は、周方向サイプ30に対して第1細浅溝40が短過ぎるため、空気入りタイヤ1の走行初期に、接地圧によってブロック部25が倒れ込み過ぎることを、効果的に抑制するのが困難になる可能性がある。この場合、走行初期における、ブロック部25の倒れ込み過ぎが原因となる偏摩耗を効果的に抑制するのが困難になる可能性がある。また、周方向サイプ30のタイヤ周方向における長さLSCと、第1細浅溝40のタイヤ周方向における長さLN1との関係が、(LN1/LSC)>0.8である場合は、周方向サイプ30に対して第1細浅溝40が長過ぎ、即ち、周方向サイプ30が短過ぎるため、ブロック部25が変形し難くなる可能性がある。この場合、トレッド面3が接地した際において接地圧が局所的に高くなる部分が発生した場合でも、接地圧を効果的に分散させることが困難になり、偏摩耗を抑制し難くなる可能性がある。
これに対し、周方向サイプ30の長さLSCと、第1細浅溝40のタイヤ周方向における長さLN1との関係が、0.4≦(LN1/LSC)≦0.8の範囲内である場合は、より確実に、走行初期のブロック部25の倒れ込み過ぎを抑えつつ、トレッド面3の接地圧を分散させることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性を向上させることができる。
また、リブエッジサイプ35は、開口部37側よりも底部38側の方が、タイヤ回転方向における前側に位置する方向にタイヤ径方向に対して傾斜しているため、リブエッジサイプ35のタイヤ回転方向前側に位置するブロック部25が変形した際に、当該ブロック部25を、リブエッジサイプ35のタイヤ回転方向後ろ側に位置するブロック部25によって、より確実に支えることができる。つまり、ブロック部25が変形をする際には、ブロック部25のトレッド面3側から変形をするため、タイヤ回転方向前側に位置するブロック部25の変形によって、当該ブロック部25からタイヤ回転方向後ろ側に位置するブロック部25に作用する力の方向は、タイヤ径方向に対して傾斜するリブエッジサイプ35の壁部36に直交する角度に近い角度になる。このため、タイヤ回転方向後ろ側に位置するブロック部25は、タイヤ回転方向前側に位置するブロック部25を、より効率よく支えることができ、トレッド面3の接地時における接地圧を、タイヤ回転方向に隣り合うブロック部25同士で、より確実に分散させることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性を向上させることができる。
また、1つの第1細浅溝40に接続される2本の第2細浅溝45は、互いにタイヤ周方向にオフセットされ、タイヤ周方向における異なる位置で第1細浅溝40に接続されるため、より確実に接地圧を分散させることができる。つまり、トレッド面3の接地時の接地圧は、溝やサイプのエッジ同士が交差する位置に集中し易くなるが、2本の第2細浅溝45が第1細浅溝40に接続される位置を、相対的にタイヤ周方向にオフセットすることにより、第1細浅溝40のタイヤ幅方向両側に位置する2つのブロック部25のそれぞれの角部26を、タイヤ周方向にオフセットさせることができる。これにより、接地圧が集中し易い部位であるブロック部25の角部26が、狭い範囲に集中することを抑制し、角部26を分散させることができるので、より確実に接地圧を分散させることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性を向上させることができる。
また、リブエッジサイプ35は、リブ20のリブエッジ20a近傍に複数がタイヤ周方向に並んで形成されているため、接地圧が高くなり易い位置の接地圧を、より確実に分散させることができる。つまり、周方向主溝10が形成されている位置には接地面が存在しないため、その分、周方向主溝10の両側に位置するリブ20のリブエッジ20a付近では、接地圧が高くなり易くなっている。リブエッジサイプ35は、接地圧が高くなり易いリブエッジ20a近傍に複数が配設されているため、リブエッジ20a近傍の接地圧が局部的に高くなった際に、接地圧が高い部分のリブエッジサイプ35が潰れてリブ20がタイヤ周方向に変形することにより、リブ20の圧縮量が局部的に高くなることを抑制することができる。これにより、接地圧を分散させることができるため、接地圧が局部的に高くなることに起因する偏摩耗を抑制することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性を向上させることができる。
また、周方向サイプ30は、屈曲しながらタイヤ周方向に延びているため、周方向サイプ30が直線状に延びる場合と比較して、周方向サイプ30の全長を長くすることができる。これにより、トレッド面3の接地時におけるブロック部25の圧縮量をより確実に緩和することができ、より確実に接地圧を分散させることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性を向上させることができる。
また、第2細浅溝45は、第1細浅溝40に対して約90°で形成される直交部47を有し、直交部47が第1細浅溝40に接続されているため、第2細浅溝45と第1細浅溝40とが、相対的に90°以外となる角度で接続される場合でも、ほぼ直交する形態で第2細浅溝45を第1細浅溝40に接続することができる。これにより、ブロック部25の角部26が鋭角になって形成されることを抑制することができる。つまり、ブロック部25の角部26が鋭角になって形成された場合、角部26に欠けが発生する可能性があるが、第2細浅溝45を、第1細浅溝40に対してほぼ直交する形態で接続することにより、ブロック部25の角部26が鋭角になって形成されることを抑制することができ、角部26の欠けを抑制することができる。この結果、耐偏摩耗性を向上させると共に、リブ20の形成するブロック部25の欠けを抑制することができる。
なお、周方向サイプ30やリブエッジサイプ35、第1細浅溝40、第2細浅溝45は、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1における形状以外の形状で形成されていてもよい。図7は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、周方向サイプ30が直線状に形成される状態を示す説明図である。上述した実施形態では、周方向サイプ30は、タイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に屈曲して形成されているが、周方向サイプ30は、例えば、図7に示すように、タイヤ周方向に沿った直線状の形状で形成されていてもよい。
図8は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、リブエッジサイプ35及び第2細浅溝45がタイヤ幅方向に沿って形成される状態を示す説明図である。また、上述した実施形態では、リブエッジサイプ35や第2細浅溝45は、タイヤ幅方向に延びつつタイヤ周方向に傾斜して形成されているが、リブエッジサイプ35や第2細浅溝45は、図8に示すように、タイヤ幅方向に沿った直線状の形状で形成されていてもよい。
図9は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、第1細浅溝40に接続される2本の第2細浅溝45のタイヤ周方向における位置が同じ位置となる状態を示す説明図である。また、上述した実施形態では、同じ第1細浅溝40に接続される2本の第2細浅溝45は、タイヤ周方向における位置が異なる位置で第1細浅溝40にそれぞれ接続されているが、図9に示すように、2本の第2細浅溝45は、タイヤ周方向における位置が同じ位置で第1細浅溝40にそれぞれ接続されていてもよい。
また、上述した実施形態では、第1細浅溝40の溝幅WN1と第2細浅溝45の溝幅WN2、及び第1細浅溝40の最大溝深さDN1と第2細浅溝45の最大溝深さDN2は、それぞれほぼ同じ大きさになっているが、これらは互いに異なっていてもよい。例えば、第2細浅溝45の最大溝深さDN2よりも、第1細浅溝40の最大溝深さDN1を深くしてもよい。つまり、第2細浅溝45は、タイヤ幅方向に近い方向に延びるため、溝幅の方向は、タイヤ周方向に近い方向になる。このため、第1細浅溝40の溝深さよりも第2細浅溝45の溝深さの方が深い場合、第2細浅溝45の溝幅方向における両側に位置するブロック部25は、空気入りタイヤ1の回転時に、第2細浅溝45の溝幅が変化する方向に動き易くなり、即ち、ブロック部25がタイヤ周方向に倒れ込み易くなる。この場合、タイヤ回転方向におけるブロック部25の後ろ側の端部が、タイヤ回転方向における前側の端部よりも多く摩耗する偏摩耗である、いわゆるヒール&トウ摩耗が発生し易くなる。これに対し、第2細浅溝45の溝深さよりも第1細浅溝40の溝深さの方が深い場合は、このような偏摩耗は発生し難くなるため、第1細浅溝40と第2細浅溝45とで溝深さを異ならせる場合は、第2細浅溝45の最大溝深さDN2よりも第1細浅溝40の最大溝深さDN1の方が深くなるようにするのが好ましい。
これらのように、概ねタイヤ周方向に向かって形成される周方向サイプ30、第1細浅溝40と、概ねタイヤ幅方向に向かって形成されるリブエッジサイプ35、第2細浅溝45とによって、リブ20を複数のブロック部25に分割し、ブロック部25の角部26を第1細浅溝40と第2細浅溝45とによって区画することができれば、周方向サイプ30、リブエッジサイプ35、第1細浅溝40、第2細浅溝45の細かな形状は問わない。
また、上述した実施形態では、第2細浅溝45に接続されるリブエッジサイプ35同士の間に、第2細浅溝45に接続されないリブエッジサイプ35が複数設けられているが、第2細浅溝45に接続されるリブエッジサイプ35以外のリブエッジサイプ35は、設けられていなくてもよい。リブエッジサイプ35は、第2細浅溝45に接続されることによりブロック部25を区画することのできるリブエッジサイプ35が少なくとも設けられていれば、それ以外のリブエッジサイプ35の有無は問わない。
また、上述した実施形態では、センターリブ21とセカンドリブ22とで、周方向サイプ30、リブエッジサイプ35、第1細浅溝40、第2細浅溝45は、全て同じ形態で形成されているが、これらはリブ20によって異なる形態で形成されていてもよい。また、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ回転方向が指定された空気入りタイヤ1になっているが、周方向サイプ30、リブエッジサイプ35、第1細浅溝40、第2細浅溝45によってリブ20が複数のブロック部25に分割される空気入りタイヤ1は、タイヤ回転方向の指定がないものであってもよい。
また、上述した実施形態では、周方向主溝10は4本が形成されているが、周方向主溝10は4本以外でもよい。即ち、周方向主溝10によって区画されるリブ20は、5つが形成されているが、リブ20は5つ以外でもよい。周方向主溝10やリブ20の数に関わらず、周方向サイプ30、リブエッジサイプ35、第1細浅溝40、第2細浅溝45によってリブ20が複数のブロック部25に分割されると共に、ブロック部25の角部26が第1細浅溝40と第2細浅溝45とによって区画されることにより、耐偏摩耗性を向上させることができる。
〔実施例〕
図10A〜図10Cは、空気入りタイヤ1の性能試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する比較例の空気入りタイヤとについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、トレッド面3の偏摩耗性についての性能である偏摩耗性能についての試験を行った。
これらの性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが295/75R22.5サイズの空気入りタイヤ1をJATMAで規定される規定リムのリムホイールにリム組みし、空気圧をJATMAで規定される最大空気圧に調整し、2−DDの試験車両(トラクターヘッド)に装着してテスト走行をすることにより行った。偏摩耗性能の評価方法は、試験車両で50,000km走行後にトレッド面3の偏摩耗の発生度合いを測定し、測定した偏摩耗の発生度合いを、後述する従来例を100とする指数で表示した。この数値が大きいほど偏摩耗の発生度合が少なく、耐偏摩耗性に優れていることを示している。
評価試験は、従来の空気入りタイヤ1の一例である従来例と、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1〜19と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する空気入りタイヤである比較例の21種類の空気入りタイヤについて行った。これらの空気入りタイヤ1のうち、従来例の空気入りタイヤは、周方向サイプ30とリブエッジサイプ35とは有しているものの、第1細浅溝40と第2細浅溝45とは有していない。また、比較例の空気入りタイヤは、周方向サイプ30とリブエッジサイプ35、及び第1細浅溝40は有しているものの、第2細浅溝45は有していない。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1〜19は、全て周方向サイプ30、リブエッジサイプ35、第1細浅溝40、第2細浅溝45を有している。さらに、実施例1〜19に係る空気入りタイヤ1は、第1細浅溝40の最大溝深さDN1、第2細浅溝45の最大溝深さDN2、周方向主溝10の最大溝深さDに対する周方向サイプ30の最大深さDSC、周方向主溝10の最大溝深さDに対するリブエッジサイプ35の最大深さDSE、第2細浅溝45の角度αが鋭角であるか否か、リブエッジサイプ35の角度βが鋭角であるか否か、周方向サイプ30のタイヤ周方向における長さLSCに対する第1細浅溝40のタイヤ周方向における長さLN1が、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて評価試験を行った結果、図10A〜図10Cに示すように、実施例1〜19の空気入りタイヤ1は、従来例や比較例に対して、耐偏摩耗性が向上することが分かった。つまり、実施例1〜19に係る空気入りタイヤ1は、耐偏摩耗性を向上させて摩耗寿命を延ばすことができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 トレッド面
10 周方向主溝
11 センター周方向主溝
12 ショルダー周方向主溝
15 周方向細溝
20 リブ
20a リブエッジ
21 センターリブ
22 セカンドリブ
23 ショルダーリブ
25 ブロック部
26 角部
30 周方向サイプ
30a 端部
35 リブエッジサイプ
35a 終端部
35b 開口端部
36 壁部
37 開口部
38 底部
40 第1細浅溝
40a 端部
45 第2細浅溝
45a 内側接続部
45b 外側接続部
46 屈曲部
47 直交部
48 直線

Claims (8)

  1. タイヤ周方向に延びる複数の周方向主溝と、
    タイヤ幅方向における少なくとも一端側が前記周方向主溝により区画されるリブと、
    タイヤ周方向に延びると共に、タイヤ周方向に離間して前記リブに複数形成される周方向サイプと、
    複数がタイヤ周方向に並んで前記リブに形成されると共に、一端が前記リブ内で終端し、他端が前記周方向主溝に開口するリブエッジサイプと、
    タイヤ周方向に延びると共に、前記周方向サイプ及び前記リブエッジサイプの深さよりも浅い溝深さで形成され、タイヤ周方向に隣り合う前記周方向サイプに両端が接続される複数の第1細浅溝と、
    前記周方向サイプ及び前記リブエッジサイプの深さよりも浅い溝深さで形成され、一端が前記第1細浅溝に接続され、他端が前記リブエッジサイプに接続される複数の第2細浅溝と、
    を備えることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第1細浅溝は、最大溝深さDN1が0.5mm≦DN1≦4.0mmの範囲内である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第2細浅溝は、最大溝深さDN2が0.5mm≦DN2≦4.0mmの範囲内である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記周方向サイプは、前記周方向サイプの最大深さDSCと、前記周方向主溝の最大溝深さDとの関係が、0.50≦(DSC/D)≦0.80の範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記リブエッジサイプは、前記リブエッジサイプの最大深さDSEと、前記周方向主溝の最大溝深さDとの関係が、0.60≦(DSE/D)≦0.90の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第2細浅溝は、前記第1細浅溝に接続される端部側から前記リブエッジサイプに接続される端部側に向かうに従って、タイヤ回転方向における前側からタイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向にタイヤ幅方向に対して傾斜している請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記リブエッジサイプは、前記リブ内で終端する側の端部側から前記周方向主溝に開口する端部側に向かうに従って、タイヤ回転方向における前側からタイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向にタイヤ幅方向に対して傾斜している請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記周方向サイプと前記第1細浅溝とは、前記周方向サイプのタイヤ周方向における長さLSCと、前記第1細浅溝のタイヤ周方向における長さLN1との関係が、0.4≦(LN1/LSC)≦0.8の範囲内である請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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