JP2018203053A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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俊也 原田
Toshiya Harada
俊也 原田
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Abstract

【課題】ブロックの耐久性能を向上できる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】この空気入りタイヤ1は、主溝2と、主溝2に区画された陸部3(特に、タイヤ周方向に区画されたブロック5)とを備える(図2参照)。また、陸部3が、タイヤ周方向に延在する周方向細溝6と、周方向細溝6に区画された陸部3の少なくとも一方の領域に配置された複数のサイプ7とを備える(図3参照)。また、周方向細溝6の溝断面積が、タイヤ周方向に向かうに連れて変化する。また、周方向細溝6の溝断面積が極大となる溝中心線上の点Pnと、サイプ7の周方向細溝6側の端部の点Psとを定義するときに、周方向細溝6の点Pnのタイヤ周方向の位置が、タイヤ周方向に隣り合うサイプ7の点Ps、Psの間にある(図4参照)。
【選択図】図3

Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、ブロックの耐久性能を向上できる空気入りタイヤに関する。
近年のスタッドレスタイヤでは、ブロック全体の接地圧を均一化してブロックの耐久性能(特に荷重耐久性能)を向上するために、周方向細溝が、特にショルダーブロックの中央部に配置される。かかる構成を採用する従来の空気入りタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。
特許第2812999号公報
しかしながら、上記の構成においても、ショルダーブロックの接地領域の中央部と左右のエッジ部との接地圧を比較すると、依然として中央部の接地圧が高い傾向にある。特に、複数のサイプが周方向細溝に連通しない構成では、この傾向が顕著となる。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ブロックの耐久性能を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、主溝と、前記主溝に区画された陸部とを備える空気入りタイヤであって、前記陸部が、タイヤ周方向に延在する周方向細溝と、前記周方向細溝に区画された前記陸部の少なくとも一方の領域に配置された複数のサイプとを備え、前記周方向細溝の溝断面積が、タイヤ周方向に向かうに連れて変化し、前記周方向細溝の溝断面積が極大となる溝中心線上の点Pnと、前記サイプの前記周方向細溝側の端部の点Psとを定義し、且つ、前記周方向細溝の点Pnのタイヤ周方向の位置が、タイヤ周方向に隣り合う前記サイプの点Ps、Psの間にあることを特徴とする。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、周方向細溝の溝断面積が隣り合うサイプの端部の点Ps、Psの間で極大値をとるので、隣り合うサイプと周方向細溝との間におけるブロックの踏面の接地圧が効果的に分散される。これにより、ブロックの全体の接地圧が効果的に均一化されて、ブロックの耐久性能が向上する利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図3は、図2に記載したブロックを示す拡大図である。 図4は、図3に記載した周方向細溝およびサイプを示す拡大平面図である。 図5は、図3に記載した周方向細溝およびサイプを示す断面図である。 図6は、図4に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。 図7は、図4に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。 図8は、図4に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。 図9は、図4に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。 図10は、図4に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。 図11は、図5に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。 図12は、図5に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。 図13は、図3に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。 図14は、図3に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。 図15は、図3に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。 図16は、図3に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。 図17は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。また、同図は、空気入りタイヤの一例として、乗用車用スタッドレスタイヤを示している。
同図において、タイヤ子午線方向の断面とは、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLは、タイヤ赤道面であり、タイヤ回転軸方向にかかるタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいう。
空気入りタイヤ1は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17とを備える(図1参照)。
一対のビードコア11、11は、スチールから成る1本あるいは複数本のビードワイヤを多重に巻き廻して成る環状構造を有し、ビード部に埋設されて左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を構成する。
カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造あるいは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチールあるいは有機繊維材(例えば、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で80[deg]以上95[deg]以下のカーカス角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの長手方向の傾斜角として定義される)を有する。
ベルト層14は、一対の交差ベルト141、142と、ベルトカバー143とを積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。一対の交差ベルト141、142は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で20[deg]以上55[deg]以下のベルト角度を有する。また、一対の交差ベルト141、142は、相互に異符号のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの長手方向の傾斜角として定義される)を有し、ベルトコードの長手方向を相互に交差させて積層される(いわゆるクロスプライ構造)。ベルトカバー143は、スチールあるいは有機繊維材から成るベルトコードをコートゴムで被覆して構成され、絶対値で0[deg]以上10[deg]以下のベルト角度を有する。また、ベルトカバー143は、例えば、1本あるいは複数本のベルトコードをコートゴムで被覆して成るストリップ材であり、このストリップ材を交差ベルト141、142の外周面に対してタイヤ周方向に複数回かつ螺旋状に巻き付けて構成される。
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側にそれぞれ配置されて、ビード部のリム嵌合面を構成する。
[トレッドパターン]
図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。同図は、典型的なブロックパターンを示している。同図において、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸周りの方向をいう。また、符号Tは、タイヤ接地端であり、寸法記号TWは、タイヤ接地幅である。
図2に示すように、空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝2と、これらの周方向主溝2に区画された複数の陸部3と、これらの陸部3に配置された複数のラグ溝4とをトレッド面に備える。
主溝とは、JATMAに規定されるウェアインジケータの表示義務を有する溝であり、3.0[mm]以上の溝幅および5.0[mm]以上の溝深さを有する。また、ラグ溝とは、タイヤ幅方向に延在する横溝であり、1.0[mm]以上の溝幅および3.0[mm]以上の溝深さを有し、タイヤ接地時に開口して溝として機能する。
溝幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、溝開口部における左右の溝壁の距離の最大値として測定される。陸部が切欠部や面取部をエッジ部に有する構成では、溝長さ方向を法線方向とする断面視にて、トレッド踏面と溝壁の延長線との交点を測定点として、溝幅が測定される。また、溝がタイヤ周方向にジグザグ状あるいは波状に延在する構成では、溝壁の振幅の中心線を測定点として、溝幅が測定される。
溝深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離の最大値として測定される。また、溝が部分的な凹凸部やサイプを溝底に有する構成では、これらを除外して溝深さが測定される。
規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
また、タイヤ赤道面CLを境界とする1つの領域に配置された2本以上の周方向主溝(タイヤ赤道面CL上に配置された周方向主溝を含む。)のうち、タイヤ幅方向の最も外側にある周方向主溝を最外周方向主溝として定義する。最外周方向主溝は、タイヤ赤道面CLを境界とする左右の領域にてそれぞれ定義される。タイヤ赤道面CLから最外周方向主溝までの距離(図中の寸法記号省略)は、タイヤ接地幅TWの20[%]以上35[%]以下の範囲にある。
タイヤ接地幅TWは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離として測定される。
タイヤ接地端Tは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を加えたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置として定義される。
また、最外周方向主溝2に区画されたタイヤ幅方向外側の陸部3をショルダー陸部として定義する。ショルダー陸部3は、タイヤ幅方向の最も外側の陸部であり、タイヤ接地端T上に位置する。
また、図2の構成では、上記のように、各陸部3が複数のラグ溝4をそれぞれ備えている。また、これらのラグ溝4が、陸部3を貫通するオープン構造を有すると共に、タイヤ周方向に所定間隔で配列されている。これにより、すべての陸部3がラグ溝4によりタイヤ周方向に分断されて、複数のブロック5から成るブロック列が形成されている。しかし、これに限らず、陸部3がタイヤ周方向に連続するリブであっても良い(図示省略)。
また、図2において、ブロック5の接地幅Wbと、タイヤ接地幅TWとが、0.15≦Wb/TWの関係を有することが好ましい。これにより、ブロック5の接地幅Wbが適正に確保される。
ブロックの接地幅Wbは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときのブロックと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離として測定される。
また、図2の構成では、周方向主溝2およびラグ溝4が格子状に配列されて、矩形状のブロック5が形成されている。しかし、ブロック5は、任意の形状を有し得る。例えば、周方向主溝2がタイヤ幅方向に振幅をもつジグザグ形状を有しても良いし、ラグ溝4が屈曲あるいは湾曲した形状を有しても良い(図示省略)。また、例えば、空気入りタイヤ1が、図2の周方向主溝2およびラグ溝4に代えて、タイヤ周方向に対して所定角度で傾斜しつつ延在する複数の傾斜主溝と、隣り合う傾斜主溝を連通させるラグ溝と、これらの傾斜主溝およびラグ溝に区画されて成る複数のブロックとを備えても良い(図示省略)。これらの構成では、ブロックが長尺かつ複雑な形状を有し得る。
[ブロックの周方向細溝およびサイプ]
図3は、図2に記載したブロックを示す拡大図である。同図は、ショルダー陸部3にある単体のブロック5の平面図を示している。
図3に示すように、ブロック5は、1本の周方向細溝6と、複数のサイプ7とを備える。
周方向細溝6は、タイヤ周方向に延在する細溝である。タイヤ接地時には、周方向細溝6によりブロック5の中央部の接地圧が減少して、ブロック5全体の接地圧が均一化される。これにより、ブロック5の耐久性能が向上する。
例えば、図3の構成では、1つのブロック5が、単一の周方向細溝6を備えている。しかし、これに限らず、例えば、ブロック5が長尺構造を有する場合には、1つのブロック5が複数の周方向細溝6を備えても良い(図示省略)。なお、周方向細溝6については、後述にて詳細に説明する。
サイプ7は、トレッド踏面に形成された切り込みであり、1.0[mm]未満のサイプ幅および2.0[mm]以上のサイプ深さを有することにより、タイヤ接地時に閉塞する。また、複数のサイプ7が、周方向細溝6に区画されたブロック5の少なくとも一方の領域に配置される。タイヤ接地時には、サイプ7が氷路面の氷路面の水膜を吸収して除去することにより、氷路面に対するブロック5の踏面の密着性(いわゆる凝着摩擦力)が向上する。これにより、タイヤの氷上性能が向上する。
サイプ幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、陸部の踏面におけるサイプの開口幅の最大値として測定される。
サイプ深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面からサイプ底までの距離の最大値として測定される。また、サイプが部分的な凹凸部を溝底に有する構成では、これらを除外してサイプ深さが測定される。
例えば、図3の構成では、サイプ7が、タイヤ幅方向に延在し、また、タイヤ周方向に振幅をもつジグザグ形状を有している。しかし、これに限らず、サイプ7がストレート形状を有しても良い。また、図3の構成では、複数のサイプ7が、周方向細溝6に区画されたブロック5の左右の領域にそれぞれ配置されている。また、これらのサイプ7が、タイヤ周方向に相互に並列に配置されている。
また、図3に示すように、複数のサイプ7が、周方向細溝6に連通しないことが好ましい。これにより、ブロック5の剛性が確保されて、ブロックの耐久性能が確保される。なお、サイプ7と周方向細溝6との位置関係については、後述にて詳細に説明する。
また、図3の構成では、すべてのサイプ7が、ブロック5の周方向主溝2側のエッジ部あるいはタイヤ接地端Tに開口することなく、ブロック5の内部で終端している。しかし、これに限らず、一部あるいはすべてのサイプ7が、ブロック5のエッジ部あるいはタイヤ接地端Tで開口しても良い(図示省略)。
[周方向細溝の枝部]
近年のスタッドレスタイヤでは、ブロック全体の接地圧を均一化してブロックの耐久性能を向上するために、周方向細溝が、特にショルダーブロックの中央部に配置される。
しかしながら、上記の構成においても、ショルダーブロックの接地領域の中央部と左右のエッジ部との接地圧を比較すると、依然として中央部の接地圧が高い傾向にある。特に、複数のサイプが周方向細溝に連通しない構成では、この傾向が顕著となる。
そこで、この空気入りタイヤは、ブロック全体の接地圧を均一化するために、以下の構成を採用する。
図4および図5は、図3に記載した周方向細溝およびサイプを示す拡大平面図(図4)および断面図(図5)である。
図3に示すように、周方向細溝6は、主部61と、複数の枝部62とを有する。
主部61は、タイヤ周方向に延在する溝部であり、周方向細溝6の本体を構成する。
また、主部61の開口幅Wn1(図4参照)が、0.5[mm]≦Wn1≦3.0[mm]の範囲にあることが好ましく、1.0[mm]≦Wn1≦1.5[mm]の範囲にあることがより好ましい。これにより、主部61の開口幅Wn1が適正化される。
主部の開口幅Wn1は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、主部の開口部における左右の溝壁の距離の最大値として測定される。周方向細溝が切欠部や面取部をエッジ部に有する構成では、溝長さ方向を法線方向とする断面視にて、トレッド踏面と溝壁の延長線との交点を測定点として、主部の開口幅Wn1が測定される。したがって、切欠部や面取部が除外されて、主部の開口幅Wn1が測定される。
また、主部61の最大深さHn1(図5参照)と、主溝2の最大溝深さH0(図示省略)とが、0.05≦Hn1/H0≦0.40の関係を有することが好ましく、0.10≦Hn1/H0≦0.20の関係を有することがより好ましい。また、主部61の最大深さHn1が、0.3[mm]≦Hn1≦2.0[mm]の範囲にあることが好ましい。これにより、主部61の最大深さHn1が適正化される。また、図5の構成では、主部61の最大深さHn1が、サイプ7の最大深さHsよりも浅く、0.10≦Hn1/Hs≦0.40の関係を有している。
主部の最大深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離の最大値として測定される。
例えば、図3の構成では、ブロック5が単一の周方向細溝6を備え、周方向細溝6の主部61がブロック5のタイヤ幅方向の中央部に配置されている。具体的には、ブロック5の接地幅Wbの測定点から主部61の溝中心線までの距離W1と、ブロック5の接地幅Wbとが、0.40≦W1/Wb≦0.60の関係を有することが好ましい。これにより、ブロック5の中央部の接地圧が、周方向細溝6により効果的に緩和される。
また、図3の構成では、周方向細溝6の主部61が、ストレート形状を有している。しかし、これに限らず、主部61が、例えば、タイヤ幅方向に振幅をもつジグザグ形状あるいは波状形状、タイヤ幅方向に凸となる屈曲形状あるいは円弧形状、ステップ状の屈曲部をもつ形状などを有しても良い(図示省略)。
また、図3の構成では、周方向細溝6の主部61が、一定の開口幅Wn1(図4参照)を有している。しかし、これに限らず、主部61の開口幅Wn1がタイヤ周方向に向かうに連れて変化しても良い(図示省略)。例えば、主部61の開口幅Wn1がタイヤ周方向に向かって単調増加あるいは単調減少しても良い。
また、図3の構成では、周方向細溝6の主部61が、双方の端部にて、ブロック5のタイヤ周方向の前後のエッジ部にそれぞれ開口している。したがって、ブロック5をタイヤ周方向に貫通している。これにより、ブロック5の排水性が周方向細溝6により高められている。しかし、これに限らず、周方向細溝6の主部61が、一方の端部にてブロック5のタイヤ周方向のエッジ部に開口し、他方の端部にてブロック5の内部で終端しても良い(図示省略)。また、周方向細溝6の主部61が、双方の端部にて、ブロック5の内部で終端しても良い(図示省略)。かかる構成では、周方向細溝6の主部61がブロック5を貫通しないことにより、ブロック5のタイヤ周方向のエッジ部の剛性が確保される。
枝部62は、主部61からタイヤ幅方向に分岐して周方向細溝6の開口幅Wn(図4参照)を拡大する。これにより、周方向細溝6の溝断面積が、複数の枝部62により部分的に拡大されて、タイヤ周方向に向かうに連れて変化する。
また、枝部62の最大深さHn2(図5参照)と、主部61の最大深さHn1とが、0.10≦Hn2/Hn1≦0.50の関係を有することが好ましく、0.20≦Hn2/Hn1≦0.45の関係を有することがより好ましい。枝部62の最大深さHn2が、0.1[mm]≦Hn2≦1.0[mm]の範囲にあることが好ましい。これにより、枝部62の最大深さHn2が適正化される。
ここで、図4に示すように、周方向細溝6の溝断面積が極大となる溝中心線上の点Pnと、サイプ7の周方向細溝6側の端部の点Psとを定義する。
周方向細溝の溝断面積は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態におけるタイヤや周方向を法線方向とする断面視にて、測定される。また、周方向細溝が面取部や切欠部(上記した枝部62を含む)を有する構成では、これらが占める領域の面積も周方向細溝の溝断面積に含まれる。
周方向細溝の溝中心線は、主部61の開口幅Wn1の左右の測定点の中点の集合として定義される。
サイプの端部の点Psは、ブロックの踏面におけるサイプの終端部の点として定義される。
このとき、周方向細溝6の点Pnのタイヤ周方向の位置が、タイヤ周方向に隣り合うサイプ、7の点Ps、Psの間にある。すなわち、周方向細溝6の溝断面積が、枝部62の位置で増加して、タイヤ周方向に隣り合うサイプ7、7の端部の点Ps、Psの間で極大値をとる。
上記の構成では、(1)周方向細溝6の溝断面積が隣り合うサイプ7、7の端部の点Ps、Psの間で極大値をとるので、隣り合うサイプ7、7と周方向細溝6(の主部61)との間におけるブロック5の踏面の接地圧が効果的に分散される。これにより、ブロック5の全体の接地圧が効果的に均一化されて、ブロック5の耐久性能が向上する。
また、(2)周方向細溝6が複数の枝部62を有するので、氷路面の走行時にて、枝部62が表路面の水膜を吸収して除去することにより、氷路面に対するブロック5の踏面の密着性(いわゆる凝着摩擦力)が向上する。これにより、タイヤの氷上性能が向上する。
また、図4に示すように、周方向細溝6とサイプ7とが相互に離間する構成では、周方向細溝6の枝部62からサイプ7の端部の点Psまでのタイヤ幅方向の距離D2と、周方向細溝6の主部61からサイプ7の端部の点Psまでのタイヤ幅方向の距離D1とが、0≦D2/D1≦0.80の関係を有することが好ましく、0.50≦D2/D1≦0.70の関係を有することがより好ましい。したがって、周方向細溝6の枝部62とサイプ7の端部の点Psとがタイヤ幅方向に相互にラップしないことが好ましい。また、周方向細溝6の主部61とサイプ7の点Psとのタイヤ幅方向の距離D1が、0.5[mm]≦D1≦2.0[mm]の範囲にあることが好ましい。これらにより、周方向細溝6の枝部62とサイプ7とのタイヤ幅方向の距離D2が適正化される。
また、図4において、枝部62の先端からサイプ7の端部の点Psまでのタイヤ周方向の距離L2と、タイヤ周方向に隣り合うサイプ7、7の端部の点Ps、Psのタイヤ周方向の距離L1とが、0.40≦L2/L1≦0.60の関係を有することが好ましい。すなわち、周方向細溝6の枝部62が、隣り合うサイプ7、7の端部の点Ps、Psの間の中央部に配置されることが好ましい。これにより、周方向細溝6の枝部62とサイプ7の端部とのタイヤ周方向の距離L2が適正化される。
枝部の先端は、周方向細溝の主部からのタイヤ幅方向への枝部の最大突出位置として定義される。
また、図4において、枝部62の開口幅Wn2(図4参照)と、タイヤ周方向に隣り合うサイプ7、7の点Ps、Psのタイヤ周方向の距離L1とが、0.20≦Wn2/L1≦0.60の関係を有することが好ましく、0.30≦Wn2/L1≦0.40の関係を有することがより好ましい。また、枝部62の開口幅Wn2が、0.5[mm]≦Wn2≦3.0[mm]の範囲にあることが好ましく、0.8[mm]≦Wn2≦1.5[mm]の範囲にあることがより好ましい。これにより、枝部62の開口幅Wn2が適正化される。
枝部の開口幅Wn2は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、枝部のタイヤ周方向の最大幅として測定される。
[変形例]
図6〜図10は、図4に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。これらの図において、図4に記載した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4の構成では、周方向細溝6の枝部62が、全体として矩形状を有している。しかし、これに限らず、枝部62が、円弧形状の端部(図6参照)を有しても良いし、端部側を狭めた段付き形状(図7参照)を有しても良い。また、枝部62が、タイヤ周方向に傾斜する平行四辺形状(図8参照)を有しても良いし、先端側を窄めた三角形状(図9および図10参照)を有しても良い。
また、図6の構成では、周方向細溝6の枝部62が、開口部に面取部(図中の符号省略)を有している。具体的には、枝部62の最大深さHn2(図5参照)よりも浅い面取部が、枝部62の開口部の全周に渡って形成されている。これにより、雪路面の走行時にて、枝部62への雪詰まりが抑制されて、タイヤのスノー性能が向上する。
また、図4の構成では、タイヤ周方向に隣り合う枝部62、62が相互に離間している。しかし、これに限らず、図10に示すように、タイヤ周方向に隣り合う枝部62、62が相互に連続しても良い。
図11および図12は、図5に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。これらの図において、図5に記載した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5の構成では、周方向細溝6の枝部62が、主部61からタイヤ幅方向に延在する切欠部であり、ブロック5の踏面に対して所定の段差をもって延在する底部を有している。しかし、これに限らず、枝部62の全体が、主部61に形成されたC面取り(図11参照)あるいはR面取り(図12参照)であっても良い。
図13〜図16は、図3に記載した周方向細溝の変形例を示す説明図である。これらの図において、図3に記載した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3の構成では、ブロック5がショルダーブロックであり、タイヤ接地端T上にある。しかし、これに限らず、図13に示すように、ブロック5が左右の周方向主溝2、2に区画されても良い。
また、図3の構成では、周方向細溝6の枝部62が一定の幅Wn2(図4参照)を有している。これに対して、図14の構成では、周方向細溝6が、第一の枝部62aと、第一の枝部62aよりも大きい開口面積をもつ第二の枝部62bとを有し、且つ、第二の枝部62bが、第一の枝部62aよりもブロック5のタイヤ周方向の中央部に配置されている。ブロック5のタイヤ周方向の中央部は、タイヤ周方向のエッジ部と比較して、接地圧が高い。したがって、大きい開口面積をもつ第二の枝部62bがブロック5のタイヤ周方向の中央部に配置されることにより、ブロック5の接地圧がタイヤ周方向に分散されて均一化される。
また、図3の構成では、周方向細溝6が、複数の枝部62をタイヤ幅方向の左右のエッジ部にそれぞれ有している。また、周方向細溝6の左右の枝部62が、タイヤ周方向の同位置に配置されている。しかし、これに限らず、例えば、図15に示すように、周方向細溝6の左右のサイプ7群がタイヤ周方向にオフセットして配置された構成では、周方向細溝6の左右の枝部62が、サイプ7の位置に応じてタイヤ周方向にオフセットして配置されても良い。
また、図3の構成では、周方向細溝6がブロック5をタイヤ周方向に貫通し、また、サイプ7が主溝2あるいはタイヤ接地端Tに開口することなくブロック5の内部で終端している。しかし、これに限らず、図16に示すように、周方向細溝6が一方の端部にてブロック5の内部で終端しても良いし、また、一部あるいは全部のサイプ7が主溝2あるいはタイヤ接地端Tに開口しても良い。
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1は、主溝2と、主溝2に区画された陸部3(特に、タイヤ周方向に区画されたブロック5)とを備える(図2参照)。また、陸部3が、タイヤ周方向に延在する周方向細溝6と、周方向細溝6に区画された陸部3の少なくとも一方の領域に配置された複数のサイプ7とを備える(図3参照)。また、周方向細溝6の溝断面積が、タイヤ周方向に向かうに連れて変化する。また、周方向細溝6の溝断面積が極大となる溝中心線上の点Pnと、サイプ7の周方向細溝6側の端部の点Psとを定義するときに、周方向細溝6の点Pnのタイヤ周方向の位置が、タイヤ周方向に隣り合うサイプ7の点Ps、Psの間にある(図4参照)。
かかる構成では、周方向細溝6の溝断面積が隣り合うサイプ7、7の端部の点Ps、Psの間で極大値をとるので、隣り合うサイプ7、7と周方向細溝6(の主部61)との間におけるブロック5の踏面の接地圧が効果的に分散される。これにより、ブロック5の全体の接地圧が効果的に均一化されて、ブロック5の耐久性能が向上する利点がある。特に、スタッドレスタイヤでは、一般的なサマータイヤと比較して、トレッドゴム15のゴム硬さが低く、また、ブロック5が多数のサイプを有するため、ブロック5の耐久性能が相対的に低い。したがって、上記の構成をスタッドレスタイヤに適用することにより、耐久性能の向上効果を顕著に得られる。
また、この空気入りタイヤ1では、周方向細溝6の開口幅Wn(枝部62を含めた周方向細溝6の全体の開口幅として定義される。)が、点Pnの位置で極大値をとる(図4参照)。これにより、周方向細溝6の溝断面積を開口幅Wnにより調整できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、周方向細溝6が、タイヤ周方向に延在する主部61と、主部61からタイヤ幅方向に分岐して周方向細溝6の開口幅を拡幅する枝部62とを有する(図4参照)。かかる構成では、氷路面の走行時にて、枝部62が表路面の水膜を吸収して除去することにより、氷路面に対するブロック5の踏面の密着性(いわゆる凝着摩擦力)が向上する。これにより、タイヤの氷上性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、主部61の開口幅Wn1(図4参照)が、0.5[mm]≦Wn1≦3.0[mm]の範囲にある。これにより、主部61の溝開口幅Wn1が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、周方向細溝6によるブロック5の接地圧の低減作用が適正に確保される。また、上記上限により、ブロック5の接地面積が適正に確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、主部61の最大深さHn1(図5参照)と、主溝2の最大溝深さH0(図示省略)とが、0.05≦Hn1/H0≦0.40の関係を有する。これにより、主部61の最大深さHn1が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、周方向細溝6によるブロック5の接地圧の低減作用が適正に確保される。また、上記上限により、ブロック5の剛性が適正に確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、枝部62の最大深さHn2(図5参照)と、主部61の最大深さHn1とが、0.10≦Hn2/Hn1≦0.50の関係を有する。これにより、枝部62の最大深さHn2が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、枝部62による表路面の水膜除去作用が適正に確保される。また、上記上限により、ブロック5の剛性が適正に確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、枝部62の最大深さHn2(図5参照)が、0.1[mm]≦Hn2≦1.0[mm]の範囲にある。これにより、枝部62の最大深さHn2が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、枝部62による表路面の水膜除去作用が適正に確保される。また、上記上限により、ブロック5の剛性が適正に確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、陸部3の接地幅Wbの測定点から主部61の溝中心線までの距離W1と、陸部3の接地幅Wbとが、0.40≦W1/Wb≦0.60の関係を有する(図3参照)。これにより、周方向細溝6が陸部3のタイヤ幅方向の中央部に配置されて、周方向細溝6の左右における陸部3の接地面積が均一化される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、周方向細溝6の主部61および枝部62とサイプ7とが、相互に離間する(図3参照)。かかる構成では、サイプ7が周方向細溝6に連通する構成(図示省略)と比較して、ブロックの剛性が確保されて、ブロックの耐久性能が確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、枝部62の先端からサイプ7の点Psまでのタイヤ幅方向の距離D2と、主部61からサイプ7の点Psまでのタイヤ幅方向の距離D1とが、0≦D2/D1≦0.80の関係を有する(図4参照)。これにより、枝部62からサイプ7までの距離D2が適正化される利点がある。すなわち、上記下限および下限により、ブロックの剛性が適正に確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、主部61からサイプ7の点Psまでのタイヤ幅方向の距離D1(図4参照)が、0.5[mm]≦D1≦2.0[mm]の範囲にある。これにより、主部61からサイプ7までの距離D1が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、ブロックの剛性が適正に確保される。また、上記上限により、サイプ7の延在長さが確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、枝部62の先端からサイプ7の点Psまでのタイヤ周方向の距離L2と、タイヤ周方向に隣り合うサイプ7、7の点Ps、Psのタイヤ周方向の距離L1とが、0.40≦L2/L1≦0.60の関係を有する(図4参照)。これにより、枝部62の先端が隣り合うサイプ7、7の端部の中央部に配置されて、陸部3のタイヤ周方向の剛性が適正化される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、枝部62の開口幅Wn2と、タイヤ周方向に隣り合うサイプ7の点Ps、Psのタイヤ周方向の距離L1とが、0.20≦Wn2/L1≦0.60の関係を有する(図4参照)。これにより、枝部62の開口幅Wn2が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、枝部62の開口幅Wn2が確保されて、枝部62の機能が確保される。また、上記上限により、枝部62の開口幅Wn2が課題となることに起因するブロック5の剛性低下が抑制される。
また、この空気入りタイヤ1では、枝部62が、開口部に面取部(図中の符号省略)を有する(図6参照)。これにより、雪路面の走行時にて、枝部62への雪詰まりが抑制されて、タイヤのスノー性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、枝部62が、段付き形状の開口部を有する(図7参照)。かかる構成では、枝部62のエッジ成分を確保しつつ、段付き形状の幅狭部によりブロックの剛性を確保できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、枝部62が、矩形状あるいは三角形状の開口部を有する(図4、図8〜図10参照)。これにより、枝部62のエッジ作用が向上して、タイヤのスノー性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、陸部3が、ブロック5であり、周方向細溝6が、第一の枝部62aと、第一の枝部62aよりも大きい開口面積をもつ第二の枝部62bとを有し、且つ、第二の枝部62bが、第一の枝部62aよりもブロック5のタイヤ周方向の中央部に配置される(図14参照)。かかる構成では、大きい開口面積をもつ第二の枝部62bがブロック5のタイヤ周方向の中央部に配置されることにより、ブロック5の接地圧がタイヤ周方向に分散されて均一化される利点がある。
図17は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、(1)氷上制動性能および(2)耐久性能に関する評価が行われた。また、タイヤサイズ195/65R15 91Qの試験タイヤがリムサイズ15×6Jのリムに組み付けられる。
(1)氷上制動性能に関する評価では、試験タイヤが試験車両である排気量1.5[L]かつFF(Front engine Front drive)方式のSUV(Sport Utility Vehicl)に装着され、試験タイヤに230[kPa]の内圧およびJATMAの規定荷重が付与される。また、試験車両が所定の氷路面を走行し、走行速度40[km/h]からの制動距離が測定される。そして、この測定結果に基づいて従来例1を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。
(2)耐久性能に関する評価では、室内ドラム試験機(ドラム径:1707mm)が用いられ、周辺温度が38±3[℃]に設定される。また、試験タイヤに180[kPa]の内圧およびJATMA規定の最大荷重の88[%]に相当する負荷荷重が付与される。また、速度81[km/h]にて2時間走行させ、次いで2時間毎に負荷荷重を13[%]増加させて、試験タイヤが破壊したときの走行時間が測定される。そして、この測定結果に基づいて従来例1を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。
実施例1〜13の試験タイヤは、図1〜図5の構成を備える。また、トレッド幅TWがTW=150[mm]であり、ブロック5の幅WbがWb=25[mm]であり、比W1/Wb=0.50である。また、隣り合うサイプ7、7の端部の距離L1がL1=3.5[mm]である。また、主溝2の深さH0がH0=9.0[mm]であり、サイプ7の深さHsがHs=6.5[mm]である。
従来例1、2の試験タイヤは、図1〜図5の構成において、周方向細溝6が主部61のみから成り、枝部62を有していない。
試験結果に示すように、実施例1〜13の試験タイヤでは、タイヤの氷上制動性能および耐久性能が両立することが分かる。
1:空気入りタイヤ、11:ビードコア、12:ビードフィラー、13:カーカス層、14:ベルト層、141、142:交差ベルト、143:ベルトカバー、15:トレッドゴム、16:サイドウォールゴム、17:リムクッションゴム、2:周方向主溝、3:陸部、4:ラグ溝、5:ブロック、6:周方向細溝、61:主部、62、62a、62b:枝部、7:サイプ

Claims (17)

  1. 主溝と、前記主溝に区画された陸部とを備える空気入りタイヤであって、
    前記陸部が、タイヤ周方向に延在する周方向細溝と、前記周方向細溝に区画された前記陸部の少なくとも一方の領域に配置された複数のサイプとを備え、
    前記周方向細溝の溝断面積が、タイヤ周方向に向かうに連れて変化し、
    前記周方向細溝の溝断面積が極大となる溝中心線上の点Pnと、前記サイプの前記周方向細溝側の端部の点Psとを定義し、且つ、
    前記周方向細溝の点Pnのタイヤ周方向の位置が、タイヤ周方向に隣り合う前記サイプの点Ps、Psの間にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記周方向細溝の開口幅が、点Pnの位置で極大値をとる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記周方向細溝が、タイヤ周方向に延在する主部と、前記主部からタイヤ幅方向に分岐して前記周方向細溝の開口幅を拡幅する枝部とを有する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記主部の開口幅Wn1が、0.5[mm]≦Wn1≦3.0[mm]の範囲にある請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記主部の最大深さHn1と、前記主溝の最大溝深さH0とが、0.05≦Hn1/H0≦0.40の関係を有する請求項3または4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記枝部の最大深さHn2と、前記主部の最大深さHn1とが、0.10≦Hn2/Hn1≦0.50の関係を有する請求項3〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記枝部の最大深さHn2が、0.1[mm]≦Hn2≦1.0[mm]の範囲にある請求項3〜6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記陸部の接地幅の測定点から前記主部の溝中心線までの距離W1と、前記陸部の接地幅Wbとが、0.40≦W1/Wb≦0.60の関係を有する請求項3〜7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記周方向細溝の前記主部および前記枝部と前記サイプとが、相互に離間する請求項3〜8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記枝部の先端から前記サイプの点Psまでのタイヤ幅方向の距離D2と、前記主部から前記サイプの点Psまでのタイヤ幅方向の距離D1とが、0≦D2/D1≦0.80の関係を有する請求項9に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記主部から前記サイプの点Psまでのタイヤ幅方向の距離D1が、0.5[mm]≦D1≦2.0[mm]の範囲にある請求項9または10に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記枝部の先端から前記サイプの点Psまでのタイヤ周方向の距離L2と、タイヤ周方向に隣り合う前記サイプの点Ps、Psのタイヤ周方向の距離L1とが、0.40≦L2/L1≦0.60の関係を有する請求項3〜11のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記枝部の開口幅Wn2と、タイヤ周方向に隣り合う前記サイプの点Ps、Psのタイヤ周方向の距離L1とが、0.20≦Wn2/L1≦0.60の関係を有する請求項3〜12のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記枝部が、開口部に面取部を有する請求項3〜13のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  15. 前記枝部が、段付き形状の開口部を有する請求項3〜14のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  16. 前記枝部が、矩形状あるいは三角形状の開口部を有する請求項3〜15のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  17. 前記陸部が、ブロックであり、
    前記周方向細溝が、第一の前記枝部と、前記第一の枝部よりも大きい開口面積をもつ第二の枝部とを有し、且つ、
    前記第二の枝部が、前記第一の枝部よりも前記ブロックのタイヤ周方向の中央部に配置される請求項3〜16のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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