JP2018200459A - 実像表示用部材、および表示システム - Google Patents

実像表示用部材、および表示システム Download PDF

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Abstract

【課題】表示画像が明るく、視認性に優れる実像表示用部材、および表示システムを提供する。【解決手段】極角60°における選択反射の中心波長が可視光域に存在する光反射層を1層以上有し、光反射層の、少なくとも1層がコレステリック液晶層から形成され、全てのコレステリック液晶層の螺旋センスが同一であり、式(1)を満たす実像表示用部材。R[−60,40](550)/R[−60,30](550)≧1.5式(1)。式中,R[−60,40](550)は,実像表示用部材への極角−60°の入射光に対する方位角と180°ずれた方位角における極角40°の受光角度で測定される,波長550nmにおける反射率を表し,R[−60,30](550)の30は入射光の方位角と180°ずれた方位角における極角30°の受光角度を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、実像表示用部材に関する。より詳しくは、本発明は、ヘッドアップディスプレイシステムや透明スクリーン用部材として使用できる実像表示用部材に関する。本発明はまた、上記実像表示用部材を利用した表示システムに関する。
投映像表示システムにおいてはプロジェクターにより投映される映像が投映像表示用部材により表示される。例えば、投映像表示システムの1つであるヘッドアップディスプレイシステムにおいては投映される映像と前方の風景とを同時に表示させることのできるコンバイナの機能を有する投映像表示用部材が用いられる。特許文献1においては、位相差層および複数のコレステリック液晶層を含むハーフミラーフィルムをポリビニルブチラール膜などの樹脂膜2枚に挟んで中間層を形成することが開示されている。特許文献1においては、剥離性支持体上で液晶化合物を含む液晶組成物の塗布および硬化を繰り返すことにより上記の位相差層およびコレステリック液晶層が形成されている。
特許第5973109号公報 特開2015−212800号公報
特許文献1で開示されているように、従来のヘッドアップディスプレイシステムに用いられる投映像表示用部材は、虚像表示を用いたものである。例えば、画像表示手段から出射した光は、フロントガラスに配置された投映像表示用部材で反射した後、観察者に到達する。観察者は、フロントガラスに投影された画像を見ているが、画像をフロントガラスよりも前方かつ遠方にあるように見せることが可能なため、カーナビゲーションシステム等への適用が検討されている。一方、時計や速度メーター等をフロントガラスに表示することが検討されているが、このような映像ソースの場合、フロントガラスより前方かつ遠方でなく、実像表示を用いてフロントガラスの位置に表示させることが求められている。
実像表示が可能な実像表示用部材として、例えば、特許文献2には、無機粒子を含む樹脂層を有する実像表示用部材が記載されており、表示用部材の前面側からの光は反射し、裏面側からの光は透過することで、投影した画像と背面側の光景を同時に視認可能とすることが記載されている。
このような無機粒子の散乱を利用した実像表示用部材では、全方位に光を散乱させるため、表示画像を高角で視認することが可能であるが、表示した実像が暗く、特に、フロントガラス等の外光が存在する車載環境で使用する場合には適用できないという問題があった。また、明るい表示を得るために散乱性を高くすると、実像表示用部材自体の透過率が低下し、自動車用のフロントガラスに対する垂直方向の可視光透過率が70%以上という法的制限を満たすことができなかった。
そこで本発明は、上記実情に鑑みて、表示画像が明るく、視認性に優れる実像表示用部材、および表示システムを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題解決のため、コレステリック液晶層を反射層に使用することに着眼した。さらに本発明者らが鋭意検討した結果、コレステリック液晶の配向状態を緩やかに波打たせることで、車載環境のような限られた角度で明るい実像表示を得ることが可能となることを見出し、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 極角60°における選択反射の中心波長が可視光域に存在する光反射層を1層以上有し、光反射層の、少なくとも1層がコレステリック液晶層から形成され、全てのコレステリック液晶層の螺旋センスが同一であり、下記式(1)を満たす実像表示用部材。
R[−60,40](550)/R[−60,30](550)≧1.5 式(1)
ここで、R[−60,40](550)は、実像表示用部材への極角−60°の入射光に対して、その入射光の方位角と180°ずれた方位角における極角40°の受光角度で測定される、波長550nmにおける反射率を表し、R[−60,30](550)は、実像表示用部材への極角−60°の入射光に対して、その入射光の方位角と180°ずれた方位角における極角30°の受光角度で測定される、波長550nmにおける反射率を表す。
[2] λ/2位相差層またはλ/4位相差層からなる位相差層Aを有する[1]に記載の実像表示用部材。
[3] コレステリック液晶層が、断面において走査型電子顕微鏡にて観測される明部と暗部との縞模様を有し、縞模様が波打構造を有しており、波打構造のピーク間距離の平均値が0.5μm〜50μmである[1]または[2]に記載の実像表示用部材。
ここで波打構造とは、縞模様の明部または暗部の連続線においてコレステリック液晶層の平面に対する傾斜角度の絶対値が5°以上である領域Mが少なくとも一つ存在し、領域Mを挟み、最も近い位置にある、2点の傾斜角度0°の山または谷が特定されるものを表す。
また、波打構造のピーク間距離とは、領域Mを挟み、最も近い位置にある、2点の傾斜角度0°の山または谷についてコレステリック液晶層の平面方向の距離を計測し、コレステリック液晶層の断面長軸方向の長さ100μm、全膜厚において算術平均した値を表す。
[4] 波長620〜680nmにおける積分反射率の最大反射率が15〜28%である[1]〜[3]のいずれかに記載の実像表示用部材。
[5] 光反射層の位相差層Aのある面と反対面に、さらに位相差層Bを有する[2]に記載の実像表示用部材。
[6] 位相差層Aの遅相軸と位相差Bの遅相軸とのなす狭角が、40°〜85°である[5]に記載の実像表示用部材。
[7] 第一のガラス板、第二のガラス板、および第一のガラス板と第二のガラス板との間の中間層を含み、中間層の少なくとも一部に[1]〜[6]のいずれかに記載の実像表示用部材を含む実像表示用部材。
[8] ウインドシールドガラスである[7]に記載の実像表示用部材。
[9] 中間層が樹脂膜である[7]または[8]に記載の実像表示用部材。
[10] 樹脂膜がポリビニルブチラールを含む[9]に記載の実像表示用部材。
[11] 車載用の表示システムとして使用される[1]〜[10]のいずれかに記載の実像表示用部材。
[12] [1]〜[11]のいずれかに記載の実像表示用部材と、プロジェクターとを有し、プロジェクターの入射光が入射面に平行な方向に振動するp偏光である投映像表示システム。
[13] 入射光が上記投映像表示用部材の法線に対し40°〜70°の角度で入射する、[12]に記載の投映像表示システム。
[14] 入射光が、投映像表示用部材の使用時の下方向から入射する[12]または[13]に記載の投映像表示システム。
本発明によれば、表示画像が明るく、視認性に優れる実像表示用部材、および表示システムを提供することができる。
図1は、本発明の実像表示用部材の一例を模式的に示す図である。 図2は、本発明の製造方法により製造される合わせガラスの一例を模式的に示す図である。 図3は、本発明の実像表示用部材の反射率測定方法を模式的に示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下、本発明の光学フィルムについて詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、例えば、「45°」、「平行」、「垂直」あるいは「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5度未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4度未満であることが好ましく、3度未満であることがより好ましい。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本明細書において、「同一」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。また、本明細書において、「全部」、「いずれも」または「全面」などというとき、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
可視光は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380nm〜780nmの波長域の光を示す。非可視光は、380nm未満の波長域または780nmを超える波長域の光である。
またこれに限定されるものではないが、可視光のうち、420nm〜490nmの波長域の光は、青色光であり、495nm〜570nmの波長域の光は、緑色光であり、620nm〜750nmの波長域の光は、赤色光である。赤外光のうち、近赤外光は780nm〜2500nmの波長域の電磁波である。紫外光は波長10〜380nmの範囲の光である。
本明細書において、光透過率の算出に関連して必要である光強度の測定は、例えば通常の可視スペクトルメータを用いて、リファレンスを空気として、測定したものであればよい。
本明細書において、単に「反射光」または「透過光」というときは、散乱光および回折光を含む意味で用いられる。
本発明において、積分反射率とは、対象となる物(部材)の視認側表面から光が入射するように、分光光度計(日本分光(株)製、V−550)に大型積分球装置(日本分光(株)製、ILV−471)を取り付けたものを用いて、光トラップを用いず、正反射光を含むように測定した値である。
また、選択反射波長については、上記方法により、反射領域の反射スペクトルを測定すると、波長を横軸にした山型(上に凸型)である特性反射率の波形が得られる。このとき特性反射率の最大値と最小値の平均反射率(算術平均)を求め、波形と平均反射率の2交点の2つの波長のうち、短波側の波長の値をλA(nm)、長波側の波長の値をλB(nm)とし、下記式により算出した値である。
特性反射のピーク波長=(λA+λB)/2
また、複数の物の選択反射波長が「等しい」とは、厳密に等しいことを意味するものではなく、光学的に影響のない範囲の誤差は許容される。具体的には、複数の物の選択反射波長が「等しい」とは、それぞれの物同士における選択反射波長の差が20nm以下であることを意図し、この差は15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。
なお、光の各波長の偏光状態は、円偏光板を装着した分光放射輝度計またはスペクトルメータを用いて測定することができる。この場合、右円偏光板を通して測定した光の強度がI、左円偏光板を通して測定した光の強度がIに相当する。また、照度計やスペクトルメータに円偏光板を取り付けても測定することができる。右円偏光透過板をつけ、右円偏光量を測定、左円偏光透過板をつけ、左円偏光量を測定することにより、比率を測定できる。
本明細書において、p偏光は光の入射面に平行な方向に振動する偏光を意味する。入射面は反射面(合わせガラス表面など)に垂直で入射光線と反射光線とを含む面を意味する。p偏光は電場ベクトルの振動面が入射面に平行である。本明細書において、s偏光は光の入射面に垂直な方向に振動する偏光を意味する。
本明細書において、ここで、Re(550)は、波長550nmにおける面内レターデーション(nm)を意味し、Rth(550)は、波長550nmにおける厚み方向のレターデーション(nm)を意味する。 Re(550)およびRth(550)の測定方法としては、KOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)、AXOSCAN(AXOMETRICS社製)などの位相差測定装置で測定することができる。測定波長は特に言及しないときは550nmとする。
<<実像表示用部材>>
本発明の実像表示用部材は、
極角60°における選択反射の中心波長が可視光域に存在する光反射層を1層以上有し、
下記式(1)を満たし、かつ、
上記反射層のうち、少なくともが一方コレステリック液晶層から形成され、
全てのコレステリック液晶層の螺旋センスが同一である実像表示用部材である。
R[−60,40](550)/R[−60,30](550)≧1.5 式(1)
ここで、R[−60,40](550)は、表示用部材への極角−60°の入射光に対して、その入射光の方位角と180°ずれた方位角における極角40°の受光角度で測定される、波長550nmにおける反射率を表し、R[−60,30](550)は、表示用部材への極角−60°の入射光に対して、その入射光の方位角と180°ずれた方位角における極角30°の受光角度で測定される、波長550nmにおける反射率を表す。
本発明の実像表示用部材は、支持体、位相差層、および配向膜を含んでいてもよい。図1に本発明の実像表示用部材の一例を模式的に示す。本発明の実像表示用部材は、光反射層1は少なくとも1層のコレステリック液晶層を含み、コレステリック液晶の配向性を調整する目的で配向層2を含んでもよい。本発明の実像表示用部材は、位相差層3および位相差層5を含んでいてもよく、位相差層3および位相差層5の配向性を調整する目的で配向層2を含んでもよい。また、図1に図示してないが、剥離性支持体を用いて、本発明の実像表示用部材を作製してもよい。
実像表示用部材は位相差層とコレステリック液晶構造を含む光反射層とを含む。実像表示用部材は合わせガラスの中間層に設けられることにより、例えばヘッドアップディスプレイシステムにおいて投映像表示部位をガラス板もしくは合わせガラスに形成することができる。
なお、以降、ガラス板もしくは合わせガラスを総称して、単にガラス板もしくはガラスと称する場合もある。
本明細書において、投映像表示部位とは、反射光で投映像を表示することができる部位であり、プロジェクター等から投映された投映像を視認可能に表示することができる部位であればよい。
ガラス板を実像表示システムに用いる場合、機能層の部位においてプロジェクターから投映された画像を視認可能に表示することができるとともに、画像が表示されている同じ面側から機能層を観察したときに、反対の面側にある情報または風景を同時に観察することができる。
実像表示用部材をガラス板に貼り合わせて使用する態様では、ガラス板の全面にあってもよく、またはガラス板の全面積に対し一部にあってもよい。一部である場合、その面積は、ガラス板の全面積に対し、90%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下などであってよく、1%以上、3%以上、5%以上、7%以上、10%以上であればよい。また、一部である場合、実像表示用部材はガラス板のいずれの位置に設けてもよいが、ヘッドアップディスプレイシステムとしての使用時に、観察者(例えば、運転者)から視認しやすい位置に像が示されるように設けられていることが好ましい。例えば、適用される乗り物の運転席の位置とプロジェクターを設置する位置との関係から機能層を設ける位置を決定すればよい。具体的には、運転者が見下ろす角度に配置されることが好ましい映像ソースでは、ガラス板の中心よりも下の位置に配置されることが好ましい。
ガラス板において、実像表示用部材は、曲面を有していない平面状であってもよいが、曲面を有していてもよく、全体として凹型または凸型の形状を有し、投映像を拡大または縮小して表示するようになっていてもよい。
実像表示用部材の厚みは、200μm以下であり、150μm以下であることが好ましく、130μm以下であることがより好ましく、120μm以下であることがさらに好ましい。支持体を有さない態様では、20μm以下であることが好ましく、15μm以下がさらに好ましい。
実像表示用部材は、少なくとも投映光に対して、ハーフミラーとしての機能を有しているものであればよい。しかし、例えば可視光域全域の光に対してハーフミラーとして機能していることを必要とするものではない。また、実像表示用部は、少なくとも一部の入射角の光に対して上記の機能を有していればよい。
実像表示用部材をガラス板に貼り合わせて使用する態様では、実像表示用部材は反対の面側にある情報または風景の観察を可能とするために、可視光透過性を有することが好ましい。実像表示用部は、可視光の波長域において、40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上の光透過率を有していればよい。可視光透過率が70%以上であれば、自動車用のフロントガラスの全領域で任意に使用することが可能となる。光透過率は、JIS−K7105に記載された方法で求めた光線透過率とする。
実像表示用部材は、コレステリック液晶構造を含む層および位相差層、配向層、接着層、下地層、透明層などの層を含んでいてもよい。
ガラス貼合や合わせガラスの作製に用いられる実像表示用部材は、フィルム状、シート状、または板状などであればよい。実像表示用部材は、薄膜のフィルムとしてロール状等になって形成され、その後、ガラス貼合や合わせガラスの作製に用いられてもよい。
[コレステリック液晶構造を含む層]
実像表示用部材において、コレステリック液晶構造を含む層は1つまたは2つ以上含まれていてよい。2つ以上のコレステリック液晶構造を含む層の間には、配向層、接着層などの他の層が含まれていてもよい。また、コレステリック液晶構造を含む層と位相差層との間には、下地層、透明層などの他の層が含まれていてもよい。
(コレステリック液晶構造)
コレステリック液晶構造は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている構造であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い状態となった構造であり、同時に、また外場や外力によって配向形態に変化を生じない構造であればよい。なお、コレステリック液晶構造においては、コレステリック液晶相の光学的性質が保持されていれば十分であり、液晶化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶相は、右円偏光または左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射させるとともに他方のセンスの円偏光を透過する円偏光選択反射を示すことが知られている。本明細書において、円偏光選択反射を単に選択反射ということもある。
円偏光選択反射性を示すコレステリック液晶相を固定した層を含むフィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶構造またはコレステリック液晶層については、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶構造の選択反射の中心波長λは、コレステリック相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶構造の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。なお、本明細書において、コレステリック液晶構造が有する選択反射の中心波長λは、コレステリック液晶層の法線方向から測定した円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。
上記のλ=n×Pの関係から分かるように、螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射の中心波長を調整できる。可視光領域で選択反射を示すコレステリック液晶層は可視光領域で選択反射の中心波長を有することが好ましい。n値とP値を調節して、例えば、赤色光、緑色光、青色光、に対して右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させるために、中心波長λを調節することができる。
本発明の実像表示用部材では、虚像を用いた態様のような明瞭な二重像は生じないが、表面または裏面で反射する光が実像表示用部材に再度入射することで拡散反射が生じることで、画像ボケが生じ、鮮明性が低下する。そのため、ヘッドアップディスプレイシステムのように、ガラス板に貼合されて使用される態様においては、投映光がガラス板の表面または裏面で反射することで生じる画像ボケの低減のため、コレステリック液晶構造を含む層に対して斜めに光が入射するようにガラス板が用いられることが好ましい。また、このように、斜めに光が入射する場合は、選択反射の中心波長は短波長側にシフトする。そのため、投映像表示のために必要とされる選択反射の波長に対して、上記のλ=n×Pの式に従って計算されるλが長波長側となるようにn×Pを調整することが好ましい。屈折率nのコレステリック液晶構造を含む層中でコレステリック液晶構造を含む層の法線方向(コレステリック液晶層の螺旋軸方向)に対して光線がθの角度で通過するときの選択反射の中心波長をλとするとき、λは以下の式で表される。
λ=n×P×cosθ
例えば、コレステリック液晶構造を含む層としてコレステリック液晶層およびλ/2位相差を有する位相差Aを用いるとき、屈折率1の空気中で投映像表示部位の法線に対し45°〜70°の角度でλ/2位相差を有する位相差A側から入射した光は、通常屈折率1.45〜1.80程度のλ/2位相差層を投映像表示部位の法線に対し23°〜40°の角度で透過し、屈折率1.61程度のコレステリック液晶層に入射する。コレステリック液晶層において光は26°〜36°の角度で透過するためこの角度と求める選択反射の中心波長を上記の式に挿入してn×Pを調整すればよい。
コレステリック液晶相のピッチは重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチを得ることができる。なお、螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
使用するコレステリック液晶構造を含む層の選択反射の中心波長を、投映に用いられる光源の発光波長域、およびコレステリック液晶構造を含む層の使用態様に応じて調整することにより光利用効率良く鮮明な投映像を表示することができる。特に各コレステリック液晶構造の選択反射の中心波長をそれぞれ投映に用いられる光源の発光波長域などに応じて調整することにより、光利用効率良く鮮明なカラー投映像を表示することができる。コレステリック液晶構造を含む層の使用態様としては、特にコレステリック液晶構造を含む層への投映光の入射角、投映像を観察する方向などが挙げられる。
コレステリック液晶構造としては、螺旋のセンスが右または左のいずれかであるコレステリック液晶層が用いられる。コレステリック液晶構造の反射円偏光のセンスは螺旋のセンスに一致する。選択反射の中心波長が異なるコレステリック液晶構造の螺旋のセンスは全て同じであっても、異なるものが含まれていてもよいが、同じであることが好ましい。
選択反射を示す選択反射帯の半値幅Δλ(nm)は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチPに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類や混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
選択反射の半値幅Δλは、15nm〜200nm、15nm〜150nm、または20nm〜100nm等であればよい
本発明に用いられるコレステリック液晶層は、液晶性化合物をコレステリック配向状態で固定したものが好ましい。コレステリック配向状態は、右円偏光を反射する配向状態でも、左円偏光を反射する配向状態でも、その両方を含んでいてもよい。本発明に用いられる液晶性化合物は特に限定はなく、各種公知のものを使用することができる。
また、本発明に用いられるコレステリック液晶層は、断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて観察した際、明部と暗部との縞模様を有することが好ましい。
縞模様は波打構造を有していることが好ましく、波打構造のピーク間距離の平均値が0.5μm〜50μmであることが好ましい。1.5μm〜30μmであることがより好ましく、2.5μm〜20μmであることが更に好ましい。
本発明において、波打構造とは、縞模様の明部または暗部の連続線においてコレステリック液晶層の平面に対する傾斜角度の絶対値が5°以上である領域Mが少なくとも一つ存在し、領域Mを挟み、最も近い位置にある、2点の傾斜角度0°の山または谷が特定されるものを意味する。
傾斜角度0°の山または谷とは、凸状、凹状を含むが、傾斜角度0°であれば階段状、棚状の点も含む。波打構造は、縞模様の明部または暗部の連続線において傾斜角度の絶対値が5°以上である領域Mとそれを挟む山または谷が複数繰り返すことが好ましい。
また、波打構造のピーク間距離とは、領域Mを挟み、最も近い位置にある、2点の傾斜角度0°の山または谷についてコレステリック液晶層の平面方向の距離を計測し、コレステリック液晶層の断面長軸方向の長さ100μm、全膜厚において算術平均した値である。
ここで、各連続線が膜の両界面いずれかに接触し、途切れている場合は、その途切れた箇所の両端は山または谷とはみなさない。また、各連続線が図2で示すような折れ曲がり構造を有している場合、そこで連続線は途切れているものとみなし、その両端は山または谷とみなさない。
(コレステリック液晶構造の作製方法)
以下、コレステリック液晶構造の作製材料および作製方法について説明する。
コレステリック液晶構造の形成に用いる材料としては、重合性液晶化合物とキラル剤(光学活性化合物)とを含む液晶組成物などが挙げられる。必要に応じてさらに界面活性剤や重合開始剤などと混合して溶剤などに溶解した上記液晶組成物を、下層となる位相差層、下地層、コレステリック液晶層などに塗布または打滴し、コレステリック配向熟成後、液晶組成物の硬化により固定化してコレステリック液晶構造を形成することができる。塗布によってはコレステリック液晶層、打滴によって複数のコレステリック液晶ドットを含む層を作製することができる。
(重合性液晶化合物)
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶構造を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは一分子中に1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586、国際公開WO95/24455、WO97/00600、WO98/23580、WO98/52905、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、特開2001−328973号公報、WO2016/194327、およびWO2016/052367などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる場合がある。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。
(キラル剤:光学活性化合物)
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物を用いることができる。キラル剤の例としては、液晶デバイスハンドブック(第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989)、特開2003−287623号、特開2002−302487号、特開2002−80478号、特開2002−80851号、特開2010−181852号または特開2014−034581号の各公報に記載の化合物が挙げられる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤としては、イソソルビド誘導体、イソマンニド誘導体、またはビナフチル誘導体を好ましく用いることができる。イソソルビド誘導体としては、BASF社製のLC−756等の市販品を用いてもよい。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
(重合開始剤)
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報、特開2001−233842号公報、特開2000−80068号公報、特開2006−342166号公報、特開2013−114249号公報、特開2014−137466号公報、特許4223071号公報、特開2010−262028号公報、特表2014−500852号公報記載)、オキシム化合物(特開2000−66385号公報、日本特許第4454067号明細書記載)、およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。例えば、特開2012−208494号公報の段落0500〜0547の記載も参酌できる。
重合開始剤としては、アシルフォスフィンオキシド化合物またはオキシム化合物を用いることも好ましい。
アシルフォスフィンオキシド化合物としては、例えば、市販品のBASFジャパン(株)製のIRGACURE810(化合物名:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)を用いることができる。オキシム化合物としては、IRGACURE OXE01(BASF社製)、IRGACURE OXE02(BASF社製)、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカアークルズNCI−831、アデカアークルズNCI−930(ADEKA社製)、アデカアークルズNCI−831(ADEKA社製)等の市販品を用いることができる。
重合開始剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
(架橋剤)
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量を3質量%以上とすることにより、架橋密度向上の効果を得ることができ、架橋剤の含有量を20質量%以下とすることにより、コレステリック液晶構造の安定性の低下を防止できる。
(配向制御剤)
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶構造とするために寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例としては特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などが挙げられる。
なお、配向制御剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、配向制御剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
(界面活性剤)
液晶組成物は界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤は、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック構造とするために寄与する配向制御剤として機能できる化合物が好ましい。界面活性剤としては、例えば、シリコ−ン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤が挙げられ、フッ素系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤の具体例としては、特開2014−119605号公報の[0082]〜[0090]に記載の化合物、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕に記載の化合物、特開2005−99248号公報の[0092]及び[0093]中に例示されている化合物、特開2002−129162号公報の[0076]〜[0078]及び[0082]〜[0085]中に例示されている化合物、特開2007−272185号公報の段落[0018]〜[0043]等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、などが挙げられる。
なお、水平配向剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤として、特開2014−119605号公報の[0082]〜[0090]に記載の下記一般式(I)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(I)において、L11、L12、L13、L14、L15、およびL16はそれぞれ独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−、−NRCO−、−CONR−(一般式(I)中におけるRは水素原子または炭素数が1〜6のアルキル基を表す)を表す。−NRCO−、−CONR−は溶解性を減ずる効果があり、ドット作製時にヘイズが上昇する傾向がある。このため、好ましくは−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−COS−、および−SCO−であり、化合物の安定性の観点からさらに好ましくは−O−、−CO−、−COO−、および−OCO−である。上記のRがとり得るアルキル基は、直鎖状であっても分枝状であってもよい。炭素数は1〜3がより好ましく、メチル基、エチル基、およびn−プロピル基を例示することができる。
Sp11、Sp12、Sp13、およびSp14はそれぞれ独立して単結合または炭素数1〜10のアルキレン基を表し、より好ましくは単結合または炭素数1〜7のアルキレン基であり、さらに好ましくは単結合または炭素数1〜4のアルキレン基である。但し、アルキレン基の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。アルキレン基には、分枝があっても無くてもよいが、好ましいのは分枝がない直鎖のアルキレン基である。合成上の観点からは、Sp11とSp14が同一であり、かつ、Sp12とSp13が同一であることが好ましい。
11、およびA12は1〜4価の芳香族炭化水素基である。芳香族炭化水素基の炭素数は6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましく、6が特に好ましい。A11、およびA12で表される芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。そのような置換基の例として、炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基またはエステル基を挙げることができる。これらの基の説明と好ましい範囲については、下記のT11の対応する記載を参照することができる。A11、A12で表される芳香族炭化水素基に対する置換基としては、例えばメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、臭素原子、塩素原子、シアノ基などを挙げることができる。パーフルオロアルキル部分を分子内に多く有する分子は、少ない添加量で液晶を配向させることができ、ヘイズ低下につながることから、分子内にパーフルオロアルキル基を多く有するようにA11、A12は4価であることが好ましい。合成上の観点からは、A11とA12は同一であることが好ましい。
11は、下記の、二価の基または二価の芳香族複素環基を表す(上記T11中に含まれるXは、炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基またはエステル基を表し、Ya、Yb、Yc、およびYdはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)ことが好ましい。
中でも、より好ましい基を以下に示す。
さらに好ましくは、以下の基である。
最も好ましくは、以下の基である。
上記T11中に含まれるXがとり得るアルキル基の炭素数は1〜8であり、1〜5でが好ましく、1〜3がより好ましい。アルキル基は、直鎖状、分枝状、および環状のいずれであってもよく、直鎖状または分枝状であることが好ましい。好ましいアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などを例示することができる。中でもメチル基が好ましい。
上記T11中に含まれるXがとり得るアルコキシ基のアルキル部分については、上記T11中に含まれるXがとり得るアルキル基の説明と好ましい範囲を参照することができる。上記T11中に含まれるXがとり得るハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、または臭素原子が好ましい。上記T11中に含まれるXがとりうるエステル基としては、RCOO−で表される基を例示することができる。Rとしては炭素数1〜8のアルキル基を挙げることができる。Rがとりうるアルキル基の説明と好ましい範囲については、上記T11中に含まれるXがとりうるアルキル基の説明と好ましい範囲を参照することができる。エステルの具体例として、CHCOO−、およびCCOO−を挙げることができる。Ya、Yb、Yc、およびYdがとりうる炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖状であっても分枝状であってもよい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、およびイソプロピル基などを例示することができる。
二価の芳香族複素環基は、5員、6員または7員の複素環を有することが好ましい。5員環または6員環がさらに好ましく、6員環が最も好ましい。複素環を構成する複素原子としては、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。複素環は、芳香族性複素環であることが好ましい。芳香族性複素環は、一般に不飽和複素環である。最多二重結合を有する不飽和複素環がさらに好ましい。複素環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環およびトリアジン環が含まれる。二価の複素環基は置換基を有していてもよい。そのような置換基の例の説明と好ましい範囲については、上記のA11とA12の1〜4価の芳香族炭化水素がとり得る置換基に関する説明と記載を参照することができる。
Hb11は炭素数2〜30のパーフルオロアルキル基を表し、より好ましくは炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基であり、さらに好ましくは3〜10のパーフルオロアルキル基である。パーフルオロアルキル基は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状または分枝状が好ましく、直鎖状がより好ましい。
m11、n11はそれぞれ独立に0から3であり、かつm11+n11≧1である。このとき複数存在する括弧内の構造は互いに同一であっても異なっていてもよいが、互いに同一であることが好ましい。一般式(I)のm11、およびn11は、A11、およびA12の価数によって定まり、好ましい範囲もA11、およびA12の価数の好ましい範囲によって定まる。
11中に含まれるoおよびpは、それぞれ独立に0以上の整数であり、oおよびpが2以上であるとき複数のXは互いに同一であっても異なっていてもよい。T11中に含まれるoは1または2が好ましい。T11中に含まれるpは1〜4のいずれかの整数が好ましく、1または2がより好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、分子構造が対称性を有するものであってもよいし、対称性を有しないものであってもよい。なお、ここでいう対称性とは、点対称、線対称、および回転対称のいずれかひとつに少なくとも該当するものを意味し、非対称とは点対称、線対称、および回転対称のいずれにも該当しないものを意味する。
一般式(I)で表される化合物は、以上述べたパーフルオロアルキル基(Hb11)、連結基−(−Sp11−L11−Sp12−L12)m11−A11−L13−および−L14−A12−(L15−Sp13−L16−Sp14−)n11−、ならびに好ましくは排除体積効果を持つ2価の基であるT11を組み合わせた化合物である。分子内に2つ存在するパーフルオロアルキル基(Hb11)は互いに同一であることが好ましく、分子内に存在する連結基−(−Sp11−L11−Sp12−L12)m11−A11−L13−および−L14−A12−(L15−Sp13−L16−Sp14−)n11−も互いに同一であることが好ましい。末端のHb11−Sp11−L11−Sp12−および−Sp13−L16−Sp14−Hb11は、以下のいずれかの一般式で表される基が好ましい。
(C2a+1)−(C2b)−(C2a+1)−(C2b)−O−(C2r)−(C2a+1)−(C2b)−COO−(C2r)−
(C2a+1)−(C2b)−OCO−(C2r)−
上式において、aは2〜30が好ましく、3〜20がより好ましく、3〜10がさらに好ましい。bは0〜20が好ましく、0〜10がより好ましく、0〜5がさらに好ましい。a+bは3〜30である。rは1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。
また、一般式(I)の末端のHb11−Sp11−L11−Sp12−L12−および−L15−Sp13−L16−Sp14−Hb11は、以下のいずれかの一般式で表される基が好ましい。
(C2a+1)−(C2b)−O−(C2a+1)−(C2b)−COO−(C2a+1)−(C2b)−O−(C2r)−O−(C2a+1)−(C2b)−COO−(C2r)−COO−(C2a+1)−(C2b)−OCO−(C2r)−COO−上式におけるa、bおよびrの定義は直上の定義と同じである。
液晶組成物中における、界面活性剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
(その他の添加剤)
その他、液晶組成物は、重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学性能を低下させない範囲で添加することができる。
コレステリック液晶構造は、重合性液晶化合物、キラル剤および重合開始剤、更に必要に応じて添加される界面活性剤等を溶媒に溶解させた液晶組成物を、位相差層、下地層、または先に作製されたコレステリック液晶層等の上に塗布または打滴し、乾燥させて塗膜を得、この塗膜に活性光線を照射してコレステリック液晶性組成物を重合し、コレステリック規則性が固定化されたコレステリック液晶構造を形成することができる。なお、複数のコレステリック液晶層からなる積層膜は、コレステリック液晶層の上記製造工程を繰り返し行うことにより形成することができる。
(溶媒)
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
(塗布、配向、重合)
液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法などが挙げられる。また、別途支持体上に塗設した液晶組成物を転写することによっても実施できる。また、液晶組成物を打滴することも可能である。打点方法としては、インクジェット法を用いることができる。
塗布または打滴した液晶組成物を加熱することにより、液晶分子を配向させる。加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している構造が得られる。
配向させた液晶化合物をさらに重合させることにより、液晶組成物を硬化することができる。重合は、熱重合、光照射を利用する光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm〜50J/cmが好ましく、100mJ/cm〜1,500mJ/cmがより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いほうが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。重合反応率は、重合性の官能基の消費割合をIR吸収スペクトルを用いて測定することにより、決定することができる。
[コレステリック液晶層]
本明細書において、コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を固定した層を意味する。コレステリック液晶層は、コレステリック液晶構造が層状に連続的に形成されている層を意味し、層のいずれの位置においても実質的に同一の光学特性を示す層である。
コレステリック液晶層およびコレステリック液晶層を複数含む機能層については、WO2016/052367におけるコレステリック液晶層および反射層の記載を参照することができる。
実像表示用部材はコレステリック液晶層を2層以上含んでいてもよく、例えば2層、3層、4層のコレステリック液晶層を含んでいてもよい。特に2層のコレステリック液晶層を含むことが好ましい。例えば、赤色波長域および緑色波長域、または、緑色波長域および青色波長域で選択反射を示す広帯域選択反射層であるコレステリック液晶層を用いて、2層のコレステリック液晶層によってもフルカラー表示を実現することができる。
実像表示用部材が位相差層を含む態様では、コレステリック液晶層は、別の層上に直接設けられていていることが好ましい。位相差層表面に、(メタ)アクリレートモノマーを含む非液晶性組成物を塗布硬化して得られた配向層を設け、その表面にコレステリック液晶層の1つを形成する手順で、投映像が実像となる投映像表示用部材として機能するガラス貼合品や合わせガラスを製造することができる積層フィルムの提供が可能である。
配向層表面にコレステリック液晶層を形成すると、配向層の物性によって、配向層に接している液晶の面内配向方位はランダムとなる。そのため、配向層表面に液晶組成物を塗布して形成されるコレステリック液晶層を配向欠陥を有する層とすることができる。そして、配向欠陥を有する液晶層上にコレステリック液晶層を形成すると、同様に配向欠陥を有する層を形成することができる。その結果、コレステリック液晶層を拡散反射性の層とすることができ、実像表示を行うことができる。拡散反射性のコレステリック液晶層については、特開2016−004211号公報およびWO2015/025909の記載を参照することができる。
[複数のコレステリック液晶ドットを含む層]
コレステリック液晶ドットは、位相差層上に直接あるいは配向層等の表面にコレステリック構造を発現する液晶組成物を、たとえばインクジェット方式などによって打滴し、その後、上述のように、乾燥、配向処理、硬化させたものである。このドットはコレステリック液晶ドットが、コレステリック液晶ドットの端部から中心に向かってコレステリック液晶ドットの最大高さまで連続的に高さが増加する部位を含むように形成されることが好ましい、また、表面におけるコレステリック液晶構造の螺旋軸方向をドット表面(例えば表面が曲面の場合は接線)に概ね垂直(70°から90°)となるようにすることが好ましい。複数のコレステリック液晶ドットを含む層についてはWO2016/194327の記載を参照することができる。
配向層としては、後述する剥離性支持体中に含まれうる配向層と同様の層を用いることができる。
[位相差層]
実像表示用部材は位相差層を含んでもよい。位相差層は、本発明の実像表示用部材において、支持体とコレステリック液晶構造を含む層との間となるように配置される。支持体を剥離したものを実像表示用部材とする態様もある。正面位相差を適宜調節した位相差層を上記コレステリック液晶構造を含む層と組み合わせて用いることにより、より高い輝度を与えることができ、またガラス等の反射を抑止することで、画像ボケも防止でき、またはより鮮明な投映像を表示することができる。
位相差層としては、重合性液晶化合物を含む液晶組成物を硬化した層を用いる。より薄膜の層とすることができるからである。位相差層は、重合性液晶化合物を一軸配向させて配向固定したフィルムであればよい。位相差層は、支持体表面もしくは配向膜表面に重合性液晶化合物を含む液晶組成物を塗布した層から形成される。塗布された液晶組成物中の重合性液晶化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、硬化によって固定化して、位相差層を形成することができる。この場合の位相差層の形成は液晶組成物中にキラル剤を添加しない以外は、上記のコレステリック液晶層の形成と同様に行うことができる。ただし、液晶組成物の塗布後のネマチック配向の際、加熱温度は50℃〜120℃が好ましく、60℃〜100℃がより好ましい。
位相差層は、高分子液晶化合物を含む組成物を、支持体表面もしくは配向膜表面に塗布して液晶状態においてネマチック配向に形成後、冷却することによって当該配向を固定化して得られる層であってもよい。
位相差層の厚みは、0.2μm〜10μmが好ましく、0.5μm〜5.0μmがより好ましく、1.0μm〜2.5μmがさらに好ましい。
位相差層としては、λ/4位相差層、λ/2位相差層、またはその間の位相差を有する層などを適宜用いることができる。位相差層としては、λ/4位相差層、λ/2位相差層を用いることが好ましい。
λ/2位相差層の正面位相差は、可視光波長域の1/2の長さ、または「中心波長×n±中心波長の1/2(nは整数)」であればよい。特にコレステリック液晶構造を含む層(例えばいずれかのコレステリック液晶)の反射波長、または光源の発光波長の中心波長の1/2の長さなどであればよい。例えば、160nm〜460nmの範囲の位相差であればよく、200nm〜410nmの範囲の位相差であることが好ましい。
λ/4位相差層の正面位相差は、可視光波長域の1/4の長さ、または「中心波長×n±中心波長の1/4(nは整数)」であればよい。特にコレステリック液晶構造を含む層(例えばいずれかのコレステリック液晶)の反射波長、または光源の発光波長の中心波長の1/4の長さなどであればよい。例えば、100nm〜230nmの範囲の位相差であればよく、110nm〜210nmの範囲の位相差であることが好ましい。
位相差層Aがλ/2位相差層である態様では、λ/2位相差層の遅相軸方向は、実像表示システムとしての使用時の、プロジェクターの入射光の入射方向、およびコレステリック液晶層の螺旋のセンスに応じて決定することが好ましい。例えば、入射光が投映像表示部位の下(鉛直下)方向であって、コレステリック液晶構造を含む層に対してλ/2位相差層側から(本明細書において「観察者側から」ということがある)入射する場合は、投映像表示部位の鉛直上方向に対し、λ/2位相差層の遅相軸が+40°〜+65°、または−40°〜−65°の範囲にあることが好ましい。またコレステリック液晶構造を含む層におけるコレステリック液晶層の螺旋のセンスに応じて、以下のように遅相軸方向が設定されることが好ましい。上記センスが右の場合、(好ましくは、全てのコレステリック液晶層のセンスが右の場合、)投映像表示部位の鉛直上方向に対し、λ/2位相差層の遅相軸が観察者側から見て時計回りに40°〜65°、好ましくは45°〜60°の範囲にあることが好ましい。上記センスが左の場合(好ましくは、全てのコレステリック液晶層のセンスが左の場合)、投映像表示部位の鉛直上方向に対し、λ/2位相差層の遅相軸が観察者側から見て反時計回りに40°〜65°、好ましくは45°〜60°の範囲にあることが好ましい。
位相差層Aがλ/4位相差層である態様では、λ/4位相差層の遅相軸方向は、実像表示システムとしての使用時の、プロジェクターの入射光の入射方向、およびコレステリック液晶層の螺旋のセンスに応じて決定することが好ましい。例えば、入射光が投映像表示部位の下(鉛直下)方向であって、コレステリック液晶構造を含む層に対してλ/4位相差層側から(本明細書において「観察者側から」ということがある)入射する場合は、投映像表示部位の鉛直上方向に対し、λ/2位相差層の遅相軸が+130°〜+160°、または−130°〜−160°の範囲にあることが好ましい。またコレステリック液晶構造を含む層におけるコレステリック液晶層の螺旋のセンスに応じて、以下のように遅相軸方向が設定されることが好ましい。上記センスが右の場合、(好ましくは、全てのコレステリック液晶層のセンスが右の場合、)投映像表示部位の鉛直上方向に対し、λ/4位相差層の遅相軸が観察者側から見て時計回りに130°〜160°、好ましくは130°〜150°の範囲にあることが好ましい。上記センスが左の場合(好ましくは、全てのコレステリック液晶層のセンスが左の場合)、投映像表示部位の鉛直上方向に対し、λ/2位相差層の遅相軸が観察者側から見て反時計回りに130°〜160°、好ましくは130°〜150°の範囲にあることが好ましい。
位相差層Aに加え、さらに位相差層Bを有する態様では、位相差Aと位相差Bがともにλ/4位相差層もしくはλ/2位相差層であることが好ましい。また、位相差Aと位相差Bの遅相軸は、上記の位相差Aの遅相軸を上記のように設定し、かつ、2枚の位相差の遅相軸のなす狭角が40°〜85°となるように、位相差Bの遅相軸を配置することが好ましい。
本発明の実像表示用部材を合わせガラスに加工する態様では、光反射層の両面に位相差層を有することが好ましい場合がある。光反射層の両面に位相差層を有することによって、画像ボケをさらに防止することができる。特に、p偏光を入射させて投映像を形成する場合の画像ボケをさらに防止することができる。その効果は、コレステリック液晶構造を含む層におけるコレステリック液晶層の形成に低Δn重合性液晶化合物を用いた場合により顕著である。
光反射層の両面に位相差層を有することで、画像ボケをさらに防止することができる理由は、コレステリック液晶構造を含む層に含まれるコレステリック液晶層の選択反射帯域にない波長の光がコレステリック液晶層で偏光変換して合わせガラスの裏面で反射して光反射層に入射することで生じる多重像の発生を防止できるためと推定される。
コレステリック液晶構造を含む層からガラスの最外面までの距離、が0.5mm以上となると画像ボケが顕著になり得、1mm以上でより顕著となり得、1.5mm以上でより顕著となり得,2.0mm以上で特に顕著になり得る。
<支持体または剥離性支持体>
本発明の実像表示用部材は、支持体を含んでいてもよい。本発明の実像表示用部材の作製には、剥離性支持体を使用してもよい。剥離性支持体はガラス貼合時や中間膜シートまたは合わせガラスの製造の際に剥離される。
支持体または剥離性支持体としてはポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シクロオレフィン樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーンなどのプラスチックフィルムが挙げられる。
非剥離用の支持体としてはセルロース誘導体、シクロオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートを含むフィルムからなるフィルムが好ましい。
剥離性支持体としてはポリエチレンテレフタレートを含むフィルムからなるフィルムが好ましい。
非剥離支持体の厚みとしては、20μm以上であることが好ましく、40μm以上であることがより好ましい。剥離性支持体の厚みとしては、50μm以上であることが好ましく、70μm以上であることがより好ましく、80μm以上であることがさらに好ましい。機能層形成の際の基材となる剥離性支持体が50μm以上の厚みであることで、ムラのない機能層を得ることができるからである。剥離性支持体の厚みの上限は特に限定されないが、1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることがより好ましい。
剥離性支持体はラビング処理された層であることが好ましい。ラビング処理面に液晶組成物を塗布して位相差層が形成されていればよい。ラビング処理は、剥離性支持体の表面(配向層が設けられている場合は配向層の表面)を、紙、布で一定方向に、擦ることにより実施することができる。
支持体または剥離性支持体は、配向層を含んでいてもよい。配向層は位相差層の形成の際に液晶組成物が塗布される下層となる層であり、本発明の実像表示用部材において、位相差層と直接接するように、支持体または剥離性支持体に含まれていればよい。
配向層は、ポリマーなどの有機化合物(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)を用いた有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向層を用いてもよい。
配向層の厚みは、0.01μm〜5.0μmであることが好ましく、0.05μm〜2.0μmであることがさらに好ましい。
<接着層>
本発明の実像表示用部材は必要に応じて接着層を含んでいてもよい。
接着層は、コレステリック液晶層間、コレステリック液晶構造を含む層と位相差層Aとの間、コレステリック液晶構造を含む層と位相差層Bとの間等に設けられていてもよい。
接着層は可視光領域で透明であることが好ましい。また、接着層は低複屈折性であることが好ましく、また、コレステリック液晶層の平均屈折率(面内平均屈折率)との屈折率の差が小さいことが好ましい。
接着層は接着剤から形成されるものであればよい。
接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプ、特に紫外線硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。
上記の例の接着層の厚みは、0.5μm〜25μmであることが好ましく、1.0μm〜5.0μmであることがより好ましい。投映像表示部位の色ムラ等を軽減するため均一な厚みで設けられることが好ましい。
接着層は、高透明性接着剤転写テープ(OCAテープ)を用いて形成されたものであってもよい。高透明性接着剤転写テープとしては、画像表示装置用の市販品、特に画像表示装置の画像表示部表面用の市販品を用いればよい。市販品の例としては、パナック株式会社製の粘着シート(PD−S1など)、日栄化工株式会社のMHMシリーズの粘着シートなどが挙げられる。
OCAテープの厚みは1.0μm〜50μmであればよく、2.0μm〜30μmであることが好ましい。
<合わせガラス>
本発明の実像表示用部材は、合わせガラスの製造のために用いることができる。また、本発明の実像表示用部材は、合わせガラスの中間層の製造に用いることができる。本発明の実像表示用部材はハーフミラーフィルムとしての機能を合わせガラスの中間層に設けるための材料とすることができる。また、本発明の実像表示用部材は、中間層に位相差層を含む合わせガラスの製造における製造中間体である。
合わせガラスは、2枚のガラス板が中間層を介して接着している構成を有する。本発明の実像表示用部材を用いて製造される合わせガラスは、第一のガラス板、第一の樹脂膜、実像表示用部材、第二の樹脂膜、および第二のガラス板をこの順に含む。図2に合わせガラスの一例を模式的に示す。第一のガラス板31、第一の樹脂膜11、コレステリック液晶構造を含む実像表示用部材13、第二の樹脂膜12、および第二のガラス板32がこの順に配置されている。中間層21は、第一の樹脂膜11、コレステリック液晶構造を含む実像表示用部材13、第二の樹脂膜12で構成される。
合わせガラスは典型的にはウインドシールドガラスとして用いられる。本明細書において、ウインドシールドガラスは、車、電車などの車両、飛行機、船、遊具などの乗り物一般の窓ガラスを意味する。ウインドシールドガラスは乗り物の進行方向にあるフロントガラスであることが好ましい。ウインドシールドガラスは車両のフロントガラスであることが好ましい。
合わせガラスは、平面状であればよい。合わせガラスは、適用される乗り物への組み込み用に成形されていてもよく、例えば、曲面を有していてもよい。適用される乗り物用に成形された合わせガラスにおいては、通常使用時に上(鉛直上)となる方向や観察者側となる面が特定できる。なお、本明細書において、合わせガラスまたは投映像表示部位について鉛直上というときは、上記のように特定できる使用時に鉛直上となる方向を意味する。
<ガラス板>
本明細書においては、合わせガラスにおいて、外側となるガラス板を第一のガラス板といい、室内側にあるガラス板を第二のガラス板という。言い換えると、運転者(観察者側)からより遠い位置にあるガラス板を第一のガラス板といい、より近い位置にあるガラス板を第二のガラス板という。
本明細書において単にガラス板というときは、第一のガラス板および第二のガラス板のいずれをも示す意味である。
ガラス板としては、ウインドシールドガラス用の合わせガラスに一般的に用いられるガラス板を利用することができる。ガラス板の厚みについては特に制限はないが、0.5mm〜5.0mm程度であればよく、1.0mm〜3.0mmが好ましく、1.6mm〜2.3mmがより好ましい。第一のガラス板および第二のガラス板の厚みは互いに同一でも異なっていてもよい。例えば、第一のガラス板を1.9mm〜2.5mmとし、第二のガラス板を1.6mm〜1.9mmとしてもよい。
ガラス板には、その表面に撥水性、親水性、または防曇性等を付与するための表面加工が施されていてもよい。
ガラス板はウインドシールドガラスの形状に切断されていることが好ましい。また、曲面を有していることが好ましい。曲面は、切断したガラス板を、製造しようとするウインドシールドガラスと同じ曲率が付けられた治具の上に載せ、加熱(例えば、600〜700℃)することにより設けることができる。
<樹脂膜>
本明細書においては、合わせガラスがウインドシールドガラスとして用いられる際、外側となる樹脂膜を第一の樹脂膜といい、室内側にある樹脂膜を第二の樹脂膜という。言い換えると、運転者(観察者)側からより遠い位置にある樹脂膜を第一の樹脂膜といい、より近い位置にある樹脂膜を第二の樹脂膜という。
第一の樹脂膜および第二の樹脂膜は、材料、厚みなどにおいて、同一でも異なっていてもよい。材料は同一であることが好ましく、材料および厚みが同一であることがより好ましい。
本明細書において単に樹脂膜というときは、第一の樹脂膜および第二の樹脂膜のいずれをも示す意味である。
樹脂膜は第一のガラス板と同一の形状および面積を有していればよい。例えば合わせガラスの製造工程において、ロール形態から巻き出された樹脂膜が第一のガラス板および第二のガラス板に挟まれた後、トリミングされて第一のガラス板の形状となっていてもよい。
樹脂膜としては、合わせガラスの中間層に用いられるシートとして公知の樹脂膜を用いればよい。樹脂膜は樹脂を主成分として含む。主成分であるとは、中間膜シートの50質量%以上の割合を占める成分のことをいう。
樹脂は、合成樹脂であることが好ましい。例えば、樹脂は、熱可塑性樹脂であればよい。熱可塑性樹脂としては、従来から合わせガラスの中間層への用途に用いられている熱可塑性樹脂が挙げられ、例えばポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、飽和ポリエステル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。これらのうち、透明性、強度、耐光性等の観点から、ポリビニルアセタールが好ましい。
ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールを酸の存在下、アルデヒドでアセタール化した樹脂の総称であり、例えばアルデヒドとしてホルマリン(ホルムアルデヒド37%水溶液)を用いてアセタール化したポリビニルホルマール、アルデヒドとしてブタノール(ブチルアルコール)でアセタール化したポリビニルブチラール(以下、「PVB」ということがある)等が挙げられる。
上記の樹脂のうち、ポリビニルブチラールまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体であることが好ましく、ポリビニルブチラールがより好ましい。上述のようにポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールをブチルアルデヒドによりアセタール化して得ることができる。上記ポリビニルブチラールのアセタール化度の好ましい下限は40%、好ましい上限は85%であり、より好ましい下限は60%、より好ましい上限は75%である。
ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。
また、上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。ポリビニルアルコールの重合度が200以上であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下しにくく、3000以下であると、樹脂膜の成形性がよく、しかも樹脂膜の剛性が大きくなり過ぎず、加工性が良好である。より好ましい下限は500、より好ましい上限は2000である。
樹脂は、可塑剤の添加により可塑化されていることも好ましい。例えば、可塑剤としては、リン酸エステル、カルボン酸エステル、糖エステル、または重縮合エステル等が用いられる。
可塑剤の添加量は、樹脂100質量部に対し、10質量部以上80質量部以下とすることが好ましい。10質量部以上の可塑剤の添加により、熱可塑性樹脂の可塑化を十分に行うことができる。また、可塑剤の添加量を80質量部以下とすることにより、樹脂層の強度を十分に保つことができる。
樹脂膜または樹脂膜形成のための組成物は、上記可塑剤のほか、赤外線遮蔽性微粒子、接着性調整剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、脱水剤、消泡剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上を含んでいてもよい。
樹脂膜の厚みは、例えば0.1mm〜1.5mmが好ましく、0.2mm〜1.0mmがより好ましい。
<実像表示用部材の製造方法>
実像表示用部材は、支持体もしくは剥離性支持体上に位相差層および配向層を作製して得られる積層体の表面に、コレステリック液晶層を含む光反射層を設けることにより製造することができる。
製造方法としては、一定温度、一定圧力、一定時間かけて両者を圧着する方法、およびロールツーロールで圧着する方法(所定の温度の上ロールおよび所定の温度の下ロールとして一定圧力においてラミネートする)が挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。
上記の圧着の際の加熱および加圧は、例えば温度40℃以上140℃以下、好ましくは温度60℃以上120℃以下、圧力0.05MPa以上0.8MPa以下、好ましくは0.1MPa以上0.5MPa以下で行えばよい。
<中間膜シートおよび合わせガラスの製造方法>
中間膜シートとは、本発明の実像表示用部材に第一の樹脂膜を設けることを含む製造方法で製造することができる。第二の樹脂膜は、機能層の表面に第一の樹脂膜を設ける手順として挙げた手順のいずれかで設けることができる。
合わせガラスは、公知の合わせガラス作製方法を用いて製造することができる。例えば上記のように得られた中間膜シートをさらに2枚のガラス板に挟んで得られる積層体に対し、予備圧着および本圧着を行うことにより製造することができる。または、実像表示用部材の片面に第二の樹脂膜および第二のガラス板をこの順で設けること、および実像表示用部材の反対の面に、第一の樹脂膜および第一のガラス板を設けることを含む製造方法で製造することができる。第二の樹脂膜および第二のガラス板、ならびに第一のガラス板を設ける際は、第二のガラス板、第二の樹脂膜、実像表示用部材、第一の樹脂膜、および第一のガラス板をこの順で積層し、この積層体に対し、予備圧着および本圧着を行うことにより製造することができる。また、それぞれについて順次圧着をおこなってもよく、予め第一のガラス板上に第一の樹脂膜を設けたものを用いてもよい。
予備圧着は、合わせガラスの製造において各層の間の脱気のために行われる工程である。予備圧着は例えば積層体を排気系に接続したゴム袋に入れて行われる。このときの圧力は100kPa以下とすることが好ましく、1〜36kPaであることがより好ましい。予備圧着は温度70℃〜130℃において10分以上90分以下保持することにより行うことができる。
保持温度を70℃以上とすることにより予備圧着を十分にすることができる。また、保持温度を130℃以下とすることにより機能層の熱収縮が過度に進行することを抑えられることから、機能層のクラックの発生を抑えることができる。保持温度は80℃以上とすることが好ましく、90℃以上とすることがより好ましい。より確実に脱気を行うためである。また、保持温度は120℃以下であることが好ましく、110℃以下であることがより好ましい。
保持時間が10分以上であると、予備圧着を十分に行うことができる。一方、保持時間が90分以下であると、生産性がよく、機能層材の熱収縮が過度に進行することを抑えられることから、機能層のクラックの発生を抑えることができる。保持時間は、より効果的かつ効率的に予備圧着を行う観点から、20分以上60分以下とすることが好ましい。
本圧着は、各層間を樹脂膜により十分に接着するために行うものであり、例えば予備圧着により得られた予備圧着体をオートクレーブに入れ、温度を120℃以上150℃以下、圧力を0.98MPa以上1.47MPa以下として行うことができる。より好ましくは、温度を130℃以上140℃以下、圧力を1.1MPa以上1.4MPa以下として行うことである。そして、上記温度、圧力に保持する時間(保持時間)は、30分以上90分以下であることが好ましく、45分以上75分以下であることがより好ましい。
保持温度、保持圧力、または保持時間を上記の条件として本圧着を行うことにより、機能層にクラックが発生することを抑えることができ、また生産性等も優れる。
<<実像表示システム>>
実像表示システムは、本発明の実像表示用部材とプロジェクターとを含む。実像表示システムは、ヘッドアップディスプレイシステムであってもよい。合わせガラスはヘッドアップディスプレイシステムの構成部材として用いることができる。
<プロジェクター>
本明細書において、「プロジェクター」は「光または画像を投映する装置」であり、「描画した画像を投射する装置」を含む。実像表示システムにおいて、プロジェクターは、例えばガラス板に貼合された実像表示用部材や合わせガラス中の実像表示用部材に、上記のような斜め入射角度で入射できるように配置されていればよい。
実像表示システムにおいて、プロジェクターは、描画デバイスを含み、実像表示用部材にピントを合わせることで、実像表示用部材に実像を表示するものが好ましい。
[描画デバイス]
描画デバイスはそれ自体が画像を表示するデバイスであってもよく、画像を描画できる光を発するデバイスであってもよい。描画デバイスでは、光源からの光が、光変調器、レーザー輝度変調手段、または描画のための光偏向手段などの描画方式で調整されていればよい。本明細書において、描画デバイスは光源を含み、さらに、描画方式に応じて光変調器、レーザー輝度変調手段、または描画のための光偏向手段などを含むデバイスを意味する。
(光源)
光源は特に限定されず、LED(発光ダイオード、有機発光ダイオード(OLED)を含む)、放電管、およびレーザー光源などを用いることができる。これらのうち、LEDおよびレーザー光源が好ましい。直線偏光を出射する描画デバイスの光源に適しているからである。
(描画方式)
描画方式としては、使用する光源や用途に応じて選択することができ、特に限定されない。
描画方式の例としては、蛍光表示管、液晶を利用するLCD(Liquid Crystal Display)方式およびLCOS(Liquid Crystal on Silicon)方式、DLP(登録商標)(Digital Light Processing)方式、レーザーを利用する走査方式などが挙げられる。描画方式は光源と一体となった蛍光表示管を用いた方式であってもよい。
LCD方式およびLCOS方式では、各色の光が光変調器で変調、合波され、投射レンズから光が出射する。
DLP方式は、DMD(Digital Micromirror Device)を用いた表示システムであり、画素数分のマイクロミラーを配置して描画され投射レンズから光が出射する。
走査方式は光線をスクリーン上で走査させ、目の残像を利用して造影する方式であり、例えば、特開平7−270711号公報、特開2013−228674号公報の記載が参照できる。レーザーを利用する走査方式では、輝度変調された各色(例えば、赤色光、緑色光、青色光)のレーザー光が合波光学系または集光レンズなどで1本の光線に束ねられ、光線が光偏向手段により走査されて後述する中間像スクリーンに描画されていればよい。
走査方式において、各色(例えば赤色光、緑色光、青色光)のレーザー光の輝度変調は光源の強度変化として直接行ってもよく、外部変調器により行ってもよい。光偏向手段としては、ガルバノミラー、ガルバノミラーとポリゴンミラーの組み合わせ、またはMEMS(微小電子機械システム)が挙げられ、このうちMEMSが好ましい。走査方法としては、ランダムスキャン方式、およびラスタースキャン方式等が挙げられるが、ラスタースキャン方式を用いることが好ましい。ラスタースキャン方式において、レーザー光は、例えば、水平方向は共振周波数で、垂直方向はのこぎり波で駆動されることができる。走査方式は投射レンズが不要であるため、装置の小型化が容易である。
描画デバイスからの出射光は、直線偏光であっても自然光(非偏光)であってもよい。実像表示システムに含まれる描画デバイスからの出射光は、直線偏光であることが好ましい。描画方式がLCDまたはLCOSである描画デバイスおよびレーザー光源を用いた描画デバイスは、本質的には出射光が直線偏光となる。出射光が直線偏光である描画デバイスであって出射光が複数の波長(色)の光を含むものである場合は、複数の光の偏光の偏光方向(透過軸方向)は同一であるかまたは互いに直交していることが好ましい。市販の描画デバイスは、出射光の赤、緑、青の光の波長域での偏光方向が均一ではないものがあることが知られている(特開2000−221449号公報参照)。具体的には、緑色光の偏光方向が赤色光の偏光方向および青色光の偏光方向と直交している例が知られている。
[投映光(入射光)]
入射光は、投映像表示部位の法線に対し45°〜70°の斜め入射角度で入射させることが好ましい。投映光がガラスの表面または裏面で反射することで、実像表示部材にて再び拡散反射することで多重像起因の画像ボケが生じる。この画像ボケの低減方法には、ガラス面に投映光(p偏光)をブリュースター角で入射させ、ガラス表面からの反射光をゼロに近づけることが有用なためである。(例えば特表2006−512622号公報参照)。また、位相差層Aを有する実像表示用部材がガラスに貼合された態様では、屈折率1.51程度のガラスと屈折率1の空気との界面のブリュースター角は約56°であり、上記の角度の範囲でp偏光をガラス側から入射させたときに、コレステリック液晶構造を含む層にて選択反射した円偏光が位相差層Aでp偏光に変換されるため、ガラスでの反射光が少なく、画像ボケを抑制した画像表示が可能である。上記角度は50°〜65°であることも好ましい。
本発明の実像表示用部材が位相差層Aを有する態様では、入射光は、コレステリック液晶構造を含む層に対して位相差層A側から入射させ、位相差層Aを経由してコレステリック液晶構造を含む層に入射させればよい。すなわち、コレステリック液晶構造を含む層に対して位相差層Aを投映光の入射側に配置すればよい。また、入射光は、合わせガラスの上下左右等、いずれの方向から入射してもよく、観察者の方向と対応させて、決定すればよい。例えば使用時の下方向から上記のような斜め入射角度で入射していればよい。
上述のように、実像表示システムにおける投映像表示の際の投映光は入射面に平行な方向に振動するp偏光であることが好ましい。プロジェクターの出射光が直線偏光ではない場合は、直線偏光フィルムをプロジェクターの出射光側に配して用いることによりp偏光としていてもよく、プロジェクターから合わせガラスまでの光路でp偏光とされていてもよい。上述のように、出射光の赤、緑、青の光の波長域での偏光方向が均一ではないプロジェクターについては、波長選択的に偏光方向を調節し、全ての色の波長域でp偏光として入射させることが好ましい。
本発明の実像表示用部材は、特に、発光波長が可視光領域において連続的でないレーザーやLED、OLEDなどを光源に用いたプロジェクターと組み合わせて用いる透明スクリーンやヘッドアップディスプレイシステムに有用である。各発光波長に合わせて、コレステリック液晶層の選択反射の中心波長を調整できるからである。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明は以下の実施例に限定され制限されるものではない。
[比較例1]
<表示用部材RS−1の作製>
市販のλ/4フィルムである「ピュアエースWR−S」(帝人(株)製)を用意し、位相差層RE−1として使用した。特許第5973109号公報記載の実施例2と同様の方法で、コレステリック液晶層からなる光反射層であるPRL−1、PRL−2、PRL−3、PRL−4を作製し、アクリル系粘着剤SK−2057(綜研化学社製)を用いて、位相差層RE−1上に積層した。さらに、RE−1をもう1枚準備し、積層面最上部に位置しているPRL−4上に、アクリル系粘着剤SK−2057(綜研化学社製)を用いて積層することで、表示用部材RS−1を作製した。
[実施例1]
<表示用部材RS−2の作製>
<配向層Y1の作製>
剥離性支持体として東洋紡株式会社製コスモシャインA−4100(PET、厚み75μm)の易接着処理していない面上に、下記の組成の配向層塗布液Y1を#3.6のワイヤーバーコーターで塗布した。その後、45℃で60秒乾燥し、25℃にて紫外線照射装置により、500mJ/cmの紫外線を照射して、剥離支持体付き配向層Y1を作製した。
(配向層塗布液Y1)
・KAYARAD PET30(日本化薬(株)製) 100質量部
・IRGACURE 907 (BASF(株)社製) 3.0質量部
・カヤキュアーDETX(日本化薬(株)製) 1.0質量部
・フッ素系水平配向剤F1 0.01質量部
・メチルイソブチルケトン 243質量部
フッ素系水平配向剤F1
<コレステリック液晶層B1、G1、R1、IR1、IR2の作製>
(コレステリック液晶層用塗布液B1、G1、R1、IR1、IR2)
下記の成分を混合し、下記組成のコレステリック液晶層形成用塗布液を調製した。
・化合物1の混合物 100質量部
・フッ素系水平配向剤F1 0.08質量部
・フッ素系水平配向剤F2 0.20質量部
・右旋回性キラル剤LC−756(BASF社製)
表1に記載
・IRGACURE OXE01(BASF社製) 1.5質量部
・メチルエチルケトン 表2に記載
化合物1の混合物(数値は質量%である)
フッ素系水平配向剤F2
上記塗布液組成のキラル剤LC−756の処方量とメチルエチルケトン量を調整してコレステリック液晶塗布液B1、G1、R1、IR1、IR2を調製した。それぞれの塗布液を用いて、以下の機能層作製時と同様に剥離性支持体上に単一層のコレステリック液晶層を作製し、反射特性を確認したところ、作製されたコレステリック液晶層はすべて右円偏光反射層であり、中心反射波長は下記表1のとおりであった。
ここで、中心反射波長は、分光光度計(日本分光(株)製、V−550)に大型積分球装置(日本分光(株)製、ILV−471)を取り付けたものを用いて、コレステリック液晶層側から光が入射するように、光トラップを用いずに測定した積分反射率をもとに算出した値である、具体的には、波長を横軸にした山型(上に凸型)である積分反射スペクトルにおける積分反射率の最大値と最小値の平均反射率(算術平均)を求め、波形と平均反射率の2交点の2つの波長のうち、短波側の波長の値をλA(nm)、長波側の波長の値をλB(nm)とし、下記式により算出した値である。
中心反射波長=(λA+λB)/2
剥離支持体付き配向層Y1の表面に、上記で調製したコレステリック液晶層用塗布液B1を#2.6のワイヤーバーコーターで塗布した。その後、95℃で60秒乾燥し、25℃にて紫外線照射装置により、500mJ/cmの紫外線を照射することで、中心波長435nmの光を反射するコレステリック液晶層B1を作製した。次いで、コレステリック液晶層B1層の表面に、上記で調製したコレステリック液晶層用塗布液G1を#2.0のワイヤーバーコーターで塗布した。その後、95℃で60秒乾燥し、25℃にて紫外線照射装置により、500mJ/cmの紫外線を照射することで、中心波長545nmの光を反射するコレステリック液晶層G1を積層した。次いで、コレステリック液晶層G1の表面に、上記で調製したコレステリック液晶層用塗布液R1を#2.0のワイヤーバーコーターで塗布した。その後、95℃で60秒乾燥し、25℃にて紫外線照射装置により、500mJ/cmの紫外線を照射することで、中心波長650nmの光を反射するコレステリック液晶層R1を積層した。次いで、上記作製したコレステリック液晶層R1の表面に、上記で調製したコレステリック液晶層用塗布液IR1を#2.6のワイヤーバーコーターで塗布した。その後、95℃で60秒乾燥し、25℃にて紫外線照射装置により、500mJ/cmの紫外線を照射することで、中心波長840nmの光を反射するコレステリック液晶層IR1を積層した。さらに、剥離支持体を剥離することで、表示用部材RS−2を作製した。
[実施例2]
<表示用部材RS−3の作製>
<位相差層RE−2〜RE−7の作製>
(位相差層形成用塗布液RE−2)
下記の成分を混合し、下記組成の位相差層形成用塗布液RE−2を調製した。
・化合物1の混合物 100質量部
・フッ素系水平配向剤F1 0.01質量部
・フッ素系水平配向剤F2 0.05質量部
・IRGACURE OXE01(BASF社製)
1.0質量部
・メチルエチルケトン 溶質濃度が25質量%となる量
剥離性支持体として東洋紡株式会社製コスモシャインA−4100(PET、厚み75μm)の易接着処理していない面に、TD方向から反時計回りに60°回転させた方向にラビング処理を施し、位相差層形成用塗布液RE−2をワイヤーバーを用いて塗布した。その後、50℃で60秒乾燥し、50℃にて紫外線照射装置により、500mJ/cmの紫外線を照射して液晶相を固定し、膜厚1.34μmの位相差層を有する、剥離支持体付き位相差層RE−2を作製した。このとき、波長550nmにおける位相差層の正面レタデーションRe(550)をAxoScan(アクソメトリクス社製)で測定したところ、Re(550)は260nmであった。
上記剥離支持体付き位相差層RE−2の作製において、表3に示した構成となるように、バー番手を変更して膜厚を調整するとともに、ラビング角度を調整した以外は同様の方法で、剥離支持体付き位相差層RE−3〜7を作製した。AxoScan(アクソメトリクス社製)にて、波長550nmにおける位相差層の正面レタデーションRe(550)を測定した結果は下記表2のとおりであった。
表示用部材RS−2の作製において、剥離性支持体A−4100の代わりに、剥離支持体付き位相差層RE−2を用いた以外は、同様の方法にて、位相差層上に配向層およびコレステリック液晶層B1、G1、R1、IR1をこの順で形成した。次いで、上記作製したコレステリック液晶層IR1の表面に、アクリル系粘着剤SK−2057(綜研化学社製)を用いて、剥離支持体付き位相差層RE−5を貼合した後、積層体の両面にある剥離支持体を両方とも剥離することで、表示用部材RS−3を作製した。
[実施例3〜13]
<表示用部材RS−4〜14の作製>
表示用部材RS−3の作製において、剥離支持体付き位相差層、配向膜、コレステリック液晶層を下表3の組み合わせとなるように変更した以外は同様の方法で、表示用部材RS−4〜14を作製した。表示用部材RS−4〜14のうち、剥離性支持体付き位相差層RE−2〜7を使用した態様では、最後に剥離性支持体を剥離してものを表示用部材とした。位相差層RE−8およびRE−9を使用した態様では、配向膜Y2上に位相差層を形成し、表示用部材を作製した。
<コレステリック液晶層G2、G4〜7の作製>
上記コレステリック液晶層G1の作製において、バー番手を#2.8に変更した以外は同様の方法で、コレステリック液晶層G2を作製した。同様にして、バー番手を変更した以外は同様の方法で、コレステリック液晶層G4〜7を作製した。
<コレステリック液晶層G3、IR3の作製>
塗布液G1および塗布液IR2において、化合物1の混合物100質量部に対し、MEK−AC−4130(日産化学工業製の平均一次粒径45nmの球形シリカ粒子)を0.1質量部追添することで、塗布液G3ならびにIR3を調整した。
コレステリック液晶層G2の作製において、塗布液をG3に変更した以外は同様の方法で、コレステリック液晶層G3を作製した。
コレステリック液晶層IR2の作製において、塗布液をIR3に変更した以外は同様の方法で、コレステリック液晶層IR3を作製した。
<コレステリック液晶層IR4〜7の作製>
上記コレステリック液晶層IR2の作製において、バー番手を変更した以外は同様の方法で、コレステリック液晶層IR4〜7を作製した。
[実施例14]
<コレステリック液晶層B2、G8、R2の作製>
(コレステリック液晶層用塗布液B2、G8、R2)
下記の成分を混合し、下記組成のコレステリック液晶層形成用塗布液を調製した。
・化合物1の混合物 100質量部
・フッ素系配向剤F3 表3に記載
・右旋回性キラル剤LC−756(BASF社製)
表3に記載
・IRGACURE OXE01(BASF社製) 1.5質量部
・メチルエチルケトン 表3に記載
・シクロヘキサノン 表3に記載
フッ素系水平配向剤F3
上記塗布液組成のフッ素系水平配向剤F3とキラル剤LC−756の処方量とメチルエチルケトン量とシクロヘキサノン量を調整してコレステリック液晶塗布液B2、G8、R2を調製した。それぞれの塗布液を用いて、以下の機能層作製時と同様に剥離性支持体上に単一層のコレステリック液晶層を作製し、反射特性を確認したところ、作製されたコレステリック液晶層はすべて右円偏光反射層であり、中心反射波長は下記表3のとおりであった。
剥離支持体付き配向層Y1の表面に、上記で調製したコレステリック液晶層用塗布液B1を#3のワイヤーバーコーターで塗布した。その後、45℃で60秒乾燥し、40℃にて紫外線照射装置により、500mJ/cmの紫外線を照射することで、中心波長482nmの光を反射するコレステリック液晶層B2を作製した。次いで、コレステリック液晶層B2層の表面に、上記で調製したコレステリック液晶層用塗布液G8を#3のワイヤーバーコーターで塗布した。その後、45℃で60秒乾燥し、40℃にて紫外線照射装置により、500mJ/cmの紫外線を照射することで、中心波長606nmの光を反射するコレステリック液晶層G1を積層した。次いで、コレステリック液晶層G8の表面に、上記で調製したコレステリック液晶層用塗布液R1を#3のワイヤーバーコーターで塗布した。その後、45℃で60秒乾燥し、40℃にて紫外線照射装置により、500mJ/cmの紫外線を照射することで、中心波長667nmの光を反射するコレステリック液晶層R1を積層した。さらに、剥離支持体を剥離することで、表示用部材RS−14を作製した。
<位相差層RE−8〜RE−9の作製>
<透明支持体Aの作製>
(エア層用セルロースエステル溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、エア層用セルロースエステル溶液を調製した。
エア層用セルロースエステル溶液の組成
・セルロースエステル(アセチル置換度2.86) 100質量部
・式(R−I)の糖エステル化合物 3質量部
・式(R−II)の糖エステル化合物 1質量部
・下記紫外線吸収剤 2.4質量部
・シリカ粒子分散液(平均粒径16nm) “AEROSIL R972”、
日本アエロジル(株)製 0.026質量部
・メチレンクロライド 339質量部
・メタノール 74質量部
・ブタノール 3質量部
(ドラム層用セルロースエステル溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、ドラム層用セルロースエステル溶液を調製した。
ドラム層用セルロースエステル溶液の組成
・セルロースエステル(アセチル置換度2.86) 100質量部
・式(R−I)の糖エステル化合物 3質量部
・式(R−II)の糖エステル化合物 1質量部
・紫外線吸収剤 2.4質量部
・シリカ粒子分散液(平均粒径16nm) “AEROSIL R972”、
日本アエロジル(株)製 0.091質量部
・メチレンクロライド 339質量部
・メタノール 74質量部
・ブタノール 3質量部
(コア層用セルロースエステル溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、コア層用セルロースエステル溶液を調製した。
コア層用セルロースエステル溶液の組成
・セルロースエステル(アセチル置換度2.86) 100質量部
・式(R−II)の糖エステル化合物 8.3質量部
・式(R−II)の糖エステル化合物 2.8質量部
・上記紫外線吸収剤 2.4質量部
・メチレンクロライド 266質量部
・メタノール 58質量部
・ブタノール 2.6質量部
(共流延による製膜)
流延ダイとして、共流延用に調整したフィードブロックを装備して、3層構造のフィルムを成形できるようにした装置を用いた。上記エア層用セルロースエステル溶液、コア層用セルロースエステル溶液、および、ドラム層用セルロースエステル溶液を流延口から−7℃に冷却したドラム上に共流延した。このとき、厚みの比がエア層/コア層/ドラム層=7/90/3となるように各ドープの流量を調整した。
直径3mのドラムである鏡面ステンレス支持体上に流延した。ドラム上で34℃の乾燥風を270m/分であてた。
そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたセルロースエステルフィルムをドラムから剥ぎ取った後、両端をピンテンターでクリップした。剥離の際、搬送方向(長手方向)に5%の延伸を行った。
ピンテンターで保持されたセルロースエステルウェブを乾燥ゾーンに搬送した。始めの乾燥では45℃の乾燥風を送風し、次に110℃で5分乾燥した。このとき、セルロースエステルウェブを幅手方向に倍率を10%で延伸しながら搬送した。
ピンテンターからウェブを離脱させたあと、ピンテンターで保持されていた部分を連続的に切り取り、ウェブの幅方向両端部に15mmの幅で10μmの高さの凹凸をつけた。このときのウェブの幅は1610mmであった。搬送方向に210Nの引っ張り応力の付加をかけながら140℃で10分乾燥した。さらに、ウェブが所望の幅になるように幅方向端部を連続的に切り取り、膜厚41μmのセルロースエステルフィルムを作製した。このフィルムを、透明支持体Aとする。
<配向膜Y2の作製>
透明支持体Aの表面に、下記の組成の配向層塗布液Y2を#16のワイヤーバーコーターで塗布した。その後、60℃で60秒、さらに90℃で150秒乾燥した。次いで、塗布面側を、ラビングロールで搬送方向に平行な方向にクリアランス1.0mm、1000回転/分で回転させてラビング処理を行うことで、配向層Y2付き透明支持体を作製した。配向膜Y2と透明支持体は強力に密着しており、剥離することはできなかった。
(配向層塗布液Y2)
・下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
・水 370質量部
・メタノール 120質量部
・グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
剥離支持体付き位相差層RE−3の作製において、剥離性支持体A−4100の代わりに、配向層Y2付き透明支持体を用いた以外は同様の方法で、配向層Y2上に位相差層が形成された位相差層RE−8を作製した。波長550nmにおける位相差層の正面レタデーションRe(550)をAxoScan(アクソメトリクス社製)で測定したところ、Re(550)は140nmであった。
位相差層RE−8の作製において、バー番手を変更して膜厚を調整するとともに、ラビング角度を調整した以外は同様の方法で、膜厚1.90μmの位相差層を有する位相差層RE−9を作製した。AxoScan(アクソメトリクス社製)にて、波長550nmにおける位相差層の正面レタデーションRe(550)をAxoScan(アクソメトリクス社製)で測定したところ、Re(550)は370nmであった。
<位相差層RE−10の作製>
市販のノルボルネン系ポリマーフィルム「ZEONOR ZF14」((株)オプテス製)を、温度156℃にて、延伸倍率45%で自由端一軸延伸を行いうことで、位相差層RE−10を作製した。AxoScan(アクソメトリクス社製)にて、波長550nmにおける位相差層の正面レタデーションRe(550)をAxoScan(アクソメトリクス社製)で測定したところ、Re(550)は140nm、Rth(550)は70nmであった。
<評価>
実施例、比較例で作製した表示用部材を用いて、測定、評価を行った結果を下記表4に示す。
<積分反射率の測定>
表4に記載した位相差A側からから光が入射するように、分光光度計(日本分光(株)製、V−550)に大型積分球装置(日本分光(株)製、ILV−471)を取り付けたものを用いて、光トラップを用いず、正反射光を含むようにして、表示用部材の積分反射スペクトルを測定した。得られた積分反射スペクトルにおいて、波長620〜680nmにおける最大反射率を積分反射率とした。なお、コレステリック液晶層の選択反射中心波長は検出角度をあおることで短波シフトすることが知られている。垂直入射にて波長620〜680nmで測定される反射帯域は、極角60°から入射した場合は波長550nm前後の反射帯域に相当する。
<反射率の測定>
表4に記載した位相差A側からから光が入射するように、入射角度(極角、方位角)、受光角度(極角、方位角)、測定波長領域を適宜設定し、三次元変角分光測色システム((株)村上色彩技術研究所製、GCMS−3B)を用いて、表示用部材の反射率R[−60,40](550)およびR[−60,30](550)を測定した。ここで、R[−60,θ](550)は、加飾シートへの極角−60°の入射光に対して、その入射光の方位角と180°ずれた方位角における極角θの受光角度で測定される、波長550nmにおける反射率である。また、正面反射性が高く、R[−60,30](550)の反射光が0%の場合は、表4に「計算できない」と記載した。
<波打構造のピーク間距離の平均値の測定>
表示用部材のコレステリック液晶層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて観察すると、明部と暗部との縞模様が観察される。縞模様の波打構造から、最も近い位置にある、2点の傾斜角度0°の山または谷についてコレステリック液晶層の平面方向の距離を計測した。コレステリック液晶層の断面長軸方向の長さ100μm、全膜厚において算術平均した値を、波打構造のピーク間距離の平均値とした。
<ガラス貼合品での評価>
表示用部材の位相差A側に、アクリル系粘着剤SK−2057(綜研化学社製)を用いて縦50mm×横50mm厚み2mmのガラス板を貼合した。ガラス側にプロジェクター(セイコーエプソン(株)製、EB−G6250W)を配置し、ガラスにピントを合わせた状態で、映像の視認性を下記観点で評価した。なお、プロジェクターから出射される光が非偏光の場合とP偏光の場合の2通りについて、評価した。
A:十分に明るく、ボケのない実像が視認される。
B:明るいが、わずかにボケのある実像が視認される。
C:実像が視認されるが、暗い。
D:実像が視認できない。
<合わせガラスでの評価>
縦300mm×横300mm厚み2mmのガラス板の上に同じサイズにカッティングした積水化学社製の厚み0.38mmのPVB(ポリビニルブチラール)フィルムを設置し、その上に表示用部材を、位相差A側を下面にして設置し、その上に縦300mm×横300mm厚み2mmのガラス板を設置した。これを90℃、10kPa(0.1気圧)下で一時間保持した後に、オートクレーブ(栗原製作所製)にて115℃、1.3Mpa(13気圧)で20分間加熱して気泡を除去し、合わせガラスを得た。
表示用部材RS−1〜14を用いて作製した合わせガラスの位相差A側にプロジェクター(セイコーエプソン(株)製、EB−G6250W)を配置し、プロジェクターから出射される光をP偏光にして、ガラスにピントを合わせた状態で映像の視認性を下記観点で評価した。
A:十分に明るく、ボケのない実像が視認される。
B:明るいが、わずかにボケのある実像が視認される。
C:実像が視認されるが、暗い。
D:実像が視認できない。
<可視光透過率の評価>
上記作製した合わせガラスの透過率を輝度計BM−5A(トプコン社製)を用いて測定した。ウインドシールドガラスとして必要とされる可視光透過率70%以上を基準に、下記観点で評価した。
A:可視光透過率が80%以上である。
B:可視光透過率が70%以上80%未満である。
C:可視光透過率が70%未満であり、ウインドシールドガラスには適さない。
なお、上記表4の比較例1において、R[−60,40](550)/R[−60,30](550)は、R[−60,30](550)が0%であり計算でないため「−」とし、波打構造のピーク間距離の平均値については、波打構造を有さないため「−」と表記した。
1 光反射層
2 配向層
3 位相差層A
4 支持体
5 位相差層B
11 第一の樹脂膜
12 第二の樹脂膜
13 実像表示用部材
21 中間層
31 第一のガラス
32 第二のガラス
41 測定時における入射光
51 測定時における極角40度の反射光
52 測定時における極角30度の反射光

Claims (14)

  1. 極角60°における選択反射の中心波長が可視光域に存在する光反射層を1層以上有し、
    前記光反射層の、少なくとも1層がコレステリック液晶層から形成され、
    全てのコレステリック液晶層の螺旋センスが同一であり、
    下記式(1)を満たす実像表示用部材。
    R[−60,40](550)/R[−60,30](550)≧1.5 式(1)
    ここで、R[−60,40](550)は、実像表示用部材への極角−60°の入射光に対して、その入射光の方位角と180°ずれた方位角における極角40°の受光角度で測定される、波長550nmにおける反射率を表し、R[−60,30](550)は、実像表示用部材への極角−60°の入射光に対して、その入射光の方位角と180°ずれた方位角における極角30°の受光角度で測定される、波長550nmにおける反射率を表す。
  2. λ/2位相差層またはλ/4位相差層からなる位相差層Aを有する請求項1に記載の実像表示用部材。
  3. 前記コレステリック液晶層が、断面において走査型電子顕微鏡にて観測される明部と暗部との縞模様を有し、縞模様が波打構造を有しており、波打構造のピーク間距離の平均値が0.5μm〜50μmである請求項1または2に記載の実像表示用部材。
    ここで波打構造とは、縞模様の明部または暗部の連続線においてコレステリック液晶層の平面に対する傾斜角度の絶対値が5°以上である領域Mが少なくとも一つ存在し、領域Mを挟み、最も近い位置にある、2点の傾斜角度0°の山または谷が特定されるものを表す。
    また、波打構造のピーク間距離とは、領域Mを挟み、最も近い位置にある、2点の傾斜角度0°の山または谷についてコレステリック液晶層の平面方向の距離を計測し、コレステリック液晶層の断面長軸方向の長さ100μm、全膜厚において算術平均した値を表す。
  4. 波長620〜680nmにおける積分反射率の最大反射率が15〜28%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の実像表示用部材。
  5. 前記光反射層の前記位相差層Aのある面と反対面に、さらに位相差層Bを有する請求項2に記載の実像表示用部材。
  6. 前記位相差層Aの遅相軸と前記位相差Bの遅相軸とのなす狭角が、40°〜85°である請求項5に記載の実像表示用部材。
  7. 第一のガラス板、第二のガラス板、および第一のガラス板と第二のガラス板との間の中間層を含み、前記中間層の少なくとも一部に請求項1〜6のいずれか一項に記載の実像表示用部材を含む実像表示用部材。
  8. ウインドシールドガラスである請求項7に記載の実像表示用部材。
  9. 前記中間層が樹脂膜である請求項7または8に記載の実像表示用部材。
  10. 前記樹脂膜がポリビニルブチラールを含む請求項9に記載の実像表示用部材。
  11. 車載用の表示システムとして使用される請求項1〜10のいずれか一項に記載の実像表示用部材。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の実像表示用部材と、プロジェクターとを有し、前記プロジェクターの入射光が入射面に平行な方向に振動するp偏光である投映像表示システム。
  13. 前記入射光が上記投映像表示用部材の法線に対し40°〜70°の角度で入射する、請求項12に記載の投映像表示システム。
  14. 前記入射光が、前記投映像表示用部材の使用時の下方向から入射する請求項12または13に記載の投映像表示システム。
JP2017240404A 2017-05-29 2017-12-15 実像表示用部材、および表示システム Active JP6858113B2 (ja)

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