JP2018195475A - 蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】過充電時に電池内部で生成されるガスの量を増加させ、電流遮断の精度を向上させた蓄電素子の提供。【解決手段】正極と、負極と、正極と負極との間に介在されるセパレータと、セパレータに保持される電解液と、を備え、セパレータはグラファイトを含み、電解液は、有機溶媒を含み、有機溶媒は、プロピレンカーボネートを含む。過充電時に、負極表面上の電流が集中する箇所において、金属イオンが電気化学的に還元されて金属として析出し、析出した金属が樹枝状の金属デンドライトとなり、正極に向かって成長する。成長した金属デンドライトがセパレータ中のグラファイトに接触すると、グラファイトは、卑な電位に分極される。分極されたグラファイトの層間に、プロピレンカーボネートが金属イオンと共に挿入されて、還元分解される。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子に関する。
従来、正極と、負極と、正極と負極との間に介在されるセパレータと、セパレータに保持された非水電解液とを備えるリチウムイオン二次電池が知られている。
この種の電池として、熱可塑性樹脂と充填材とを含む多孔質フィルムからなるセパレータを備えた電池が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載のセパレータの充填材としては、カーボンブラック、PAN系カーボン繊維、ピッチ系カーボン繊維、カーボンナノチューブ、またはフラーレンなどが用いられる。
特開2004−139933号公報
ところで、特許文献1に記載されたような従来の電池は、過充電時に、非水電解液の一部を分解させてガスを十分に発生させ、発生させたガスによって、電池内の電流を遮断するように構成される場合がある。しかしながら、内部で生成されるガスの量が必ずしも多くない場合がある。
本実施形態は、内部で生成されるガスの量を増加させることができる蓄電素子を提供することを課題とする。
本実施形態の蓄電素子は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在されるセパレータと、セパレータに保持される電解液と、を備え、セパレータはグラファイトを含み、電解液は、有機溶媒を含み、有機溶媒は、プロピレンカーボネートを含む。
斯かる構成の蓄電素子においては、過充電時に、内部で生成されるガスの量を増加させることができる。これは、以下のメカニズムによるものであると推測される。過充電時には、負極表面上の電流が集中する箇所において、金属イオンが電気化学的に還元されて金属として析出し、析出した金属が樹枝状の金属デンドライトとなり、正極に向かって成長する。成長した金属デンドライトがセパレータ中のグラファイトに接触すると、該グラファイトは、卑な電位に分極される。分極されたグラファイトの層間に、プロピレンカーボネートが金属イオンと共に挿入されて、還元分解されることとなる。該プロピレンカーボネートが、グラファイトの外表面だけでなく、層間で還元分解されてガスになる分、蓄電素子内で生成されるガスの量を増加させることができる。
上記の蓄電素子では、セパレータは、グラファイトを含む層と、絶縁層と、を備え、絶縁層は、グラファイトを含む層の、正極および負極と対向する面にそれぞれ重ねられてもよい。
斯かる構成の蓄電素子によれば、グラファイトを含む層中のグラファイトを十分に絶縁できる。これにより、絶縁層を超えてグラファイトを含む層に到達するほど金属デンドライトが成長した場合に、蓄電素子内で生成されるガスの量をより増加させることができる。
上記の蓄電素子では、絶縁層は、絶縁粒子を含んでいてもよい。
過充電時又は蓄電素子が高温状態に晒されると、蓄電素子内が高温になる場合がある。蓄電素子が高温になった場合でも、絶縁層が絶縁粒子を含むことから、セパレータの収縮を抑制できる。従って、セパレータの空孔率の低下を抑制できる。これにより、セパレータにおける電解液および金属イオンの透過性の低下を抑制することができる。よって、蓄電素子内が高温になった場合であっても、電解液中の金属イオンやプロピレンカーボネートがグラファイトに供給されるため、該プロピレンカーボネートの還元分解反応が効率的に進む。従って、ガスをより多く発生させることができる。
上記の蓄電素子では、有機溶媒において、プロピレンカーボネートの質量とプロピレンカーボネートと比較してガスを生成しにくい環状炭酸エステルの質量との合計の質量に対するプロピレンカーボネートの質量比率は、50質量%以上100質量%以下であってもよい。
斯かる構成の蓄電素子によれば、グラファイト中にプロピレンカーボネートが挿入される確率が高まる結果、プロピレンカーボネートをより十分に分解させることができる。これにより、蓄電素子内において生成されるガスの量をより十分に増加させることができる。
上記の蓄電素子では、正極、負極、セパレータ及び電解液を含む電極体を収容する容器と、容器の外側に配置される外部端子であって、電極体と導通する外部端子と、電極体と外部端子とを繋ぐ導通経路を遮断する電流遮断部と、を備えてもよい。
斯かる構成の蓄電素子によれば、蓄電素子内で生成されるガスの量が増加した結果、容器内の圧力が許容閾値を上回ったときに、電極体と外部端子とを繋ぐ導通経路を早期に遮断することができる。
本実施形態によれば、内部で生成されるガスの量を増加させることができる蓄電素子を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図2は、同実施形態に係る蓄電素子の正面図である。 図3は、図1のIII−III線位置の断面図である。 図4は、図1のIV−IV線位置の断面図である。 図5は、同実施形態に係る蓄電素子の一部を組み立てた状態の斜視図であって、注液栓、電極体、集電体、及び外部端子を蓋板に組み付けた状態の斜視図である。 図6は、同実施形態に係る蓄電素子の電極体の構成を説明するための図である。 図7は、重ね合わされた正極、負極、及びセパレータの断面図(図6のVII−VII断面)である。 図8は、セパレータの一態様の断面図である。 図9は、図3における正極外部端子の周辺の拡大図である。 図10は、図3における正極外部端子の周辺の拡大図である。 図11は、前記正極端子の周辺の分解斜視図である。 図12は、同実施形態に係る蓄電素子を含む蓄電装置の斜視図である。
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態について、図1〜図11を参照しつつ説明する。蓄電素子には、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子1は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子1は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子1は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子1は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子1と組み合わされて蓄電装置100に用いられる。前記蓄電装置100では、該蓄電装置100に用いられる蓄電素子1が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子1は、図1〜図11に示すように、正極11と負極12とを含む電極体2と、電極体2を収容するケース3と、ケース3の外側に配置される外部端子7であって電極体2と導通する外部端子7と、ケース3の内圧が許容閾値を上回ったときに電極体2と外部端子7とを繋ぐ導通経路を遮断する電流遮断部8とを備える。また、蓄電素子1は、電極体2、ケース3、外部端子7及び電流遮断部8の他に、電極体2と外部端子7とを導通させる集電体5等を有する。
電極体2は、正極11と負極12とがセパレータ4によって互いに絶縁された状態で積層された積層体22が巻回されることによって形成される。
正極11は、金属箔111(正極基材)と、金属箔111の上に形成された正極活物質層112と、を有する。本実施形態では、正極活物質層112は、金属箔111の両面にそれぞれ重ねられる。正極活物質層112は、金属箔111の厚み方向の両側にそれぞれ配置される。本実施形態の金属箔111は帯状である。本実施形態の正極11の金属箔111は、例えば、アルミニウム箔である。正極11は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、正極活物質層112の非被覆部(正極活物質層112が形成されていない部位)115を有する。
正極活物質層112は、正極活物質と、バインダと、を有する。
正極11の正極活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。具体的に、正極活物質は、例えば、LiMe(Meは、1又は2以上の遷移金属を表す)によって表わされる複合酸化物(LiCo、LiNi、LiMn、LiNiCoMn等)、LiMe(XO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、Vを表す)によって表されるポリアニオン化合物(LiFePO、LiMnSiO、LiCoPOF等)である。本実施形態の正極11の活物質は、LiNi1/3Co1/3Mn1/3である。
正極活物質層112に用いられるバインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレンとビニルアルコールの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)である。本実施形態のバインダは、ポリフッ化ビニリデンである。
正極活物質層112は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有していてもよい。本実施形態の正極活物質層112は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。
負極12は、金属箔121(負極12の基材層)と、金属箔121の上に形成された負極活物質層122と、を有する。本実施形態では、負極活物質層122は、金属箔121の両面にそれぞれ重ねられる。金属箔121は帯状である。本実施形態の負極の金属箔121は、例えば、銅箔である。負極12は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、負極活物質層122の非被覆部(負極活物質層122が形成されていない部位)125を有する。
負極活物質層122は、負極活物質と、バインダと、を含む。負極活物質層122は、セパレータ4を介して正極活物質層112と向き合うように配置される。負極活物質層122の幅は、正極活物質層112の幅よりも大きい。
負極12の負極活物質は、負極12において充電反応及び放電反応の電極反応に寄与し得るものである。負極活物質としては、卑な電位で還元分解されるプロピレンカーボネートによって構造があまり劣化しないものが用いられる。プロピレンカーボネートが還元分解される電位は、例えば、0.001〜0.8V vs.Li/Liであり、この電位では、プロピレンカーボネートが金属イオンとともに、グラファイトの層間に挿入する。例えば、前記負極活物質としては、非晶質炭素(難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素)などの炭素材料、ケイ素(Si)及び錫(Sn)などのリチウムと合金化反応を生じる材料が用いられる。前記負極活物質は、粒子状である。本実施形態の負極活物質は、非晶質炭素である。より具体的には、本実施形態の負極活物質は、難黒鉛化炭素である。
負極活物質層122に用いられるバインダは、正極活物質層112に用いられたバインダと同様のものである。本実施形態のバインダは、ポリフッ化ビニリデンである。
負極活物質層122は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック等の導電助剤をさらに有してもよい。本実施形態の負極活物質層122は、導電助剤を有していない。
本実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極11と負極12とがセパレータ4によって絶縁された状態で巻回される。即ち、本実施形態の電極体2では、正極11、負極12、及びセパレータ4の積層体22が巻回される。セパレータ4は、絶縁性を有する部材である。セパレータ4は、正極11と負極12との間に配置される。これにより、電極体2(詳しくは、積層体22)において、正極11と負極12とが互いに絶縁される。また、セパレータ4は、ケース3内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ4を挟んで交互に積層される正極11と負極12との間を移動する。
セパレータ4は、帯状である。セパレータ4は、少なくともセパレータ基材41を備える。セパレータ基材41は、多孔質な材料で形成される。セパレータ基材41は、グラファイトを含む。セパレータ4は、絶縁層42を有してもよい。絶縁層42は、セパレータ基材41の、正極11及び負極12と対向する面に、それぞれ重ねられてもよい。絶縁層42の幅(帯形状の短手方向の寸法)は、セパレータ基材41の幅より広くてもよい。図8に示すように、絶縁層42は、セパレータ基材41を包んでもよい。即ち、絶縁層42は、セパレータ基材41の外表面の全体を覆うように形成されていてもよい。本実施形態では、セパレータ4は、セパレータ基材41と、絶縁層42とを有し、絶縁層42は、セパレータ基材41の、正極11及び負極12と対向する面に、それぞれ重ねられる。
セパレータ基材41は、例えば、多孔膜によって多孔質に構成される。多孔膜としては、高分子化合物、ガラス、セラミックなどが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン(PO)、又は、セルロースが挙げられる。本実施形態の多孔膜は、高分子化合物から作製される。より具体的には、ポリエチレン(PE)から作製される。
セパレータ基材41に含まれるグラファイトとしては、天然黒鉛、人造黒鉛が挙げられる。セパレータ基材41は、グラファイトを0.2mg/cm以上2.0mg/cm以下含んでいてもよい。セパレータ基材41は、グラファイト以外の導電性フィラーを含んでいてもよい。セパレータ基材41は、バインダを含んでいてもよい。
絶縁層42は、電気絶縁性を有する絶縁粒子を含んでいてもよい。絶縁層42は、バインダを含んでいてもよい。本実施形態では、絶縁層42は、絶縁粒子を含む。絶縁層42は、Liイオンなどが層内で移動できるように、絶縁粒子間の空隙によって多孔質に形成されている。絶縁粒子は、電気伝導率が10−6S/m未満の絶縁材料を95質量%以上含むものである。
絶縁層42は、絶縁粒子を50質量%以上99質量%以下含んでもよい。絶縁層42は、絶縁粒子を80質量%以上99質量%以下含むことが好ましい。
絶縁層42は、バインダを1質量%以上50質量%以下含んでもよい。絶縁層42の電気絶縁性は、セパレータ基材41の電気絶縁性よりも高い。絶縁層42の電気伝導率は、通常、10−6S/m未満である。
絶縁粒子としては、例えば、酸化物粒子、窒化物粒子、イオン結晶粒子、共有結合性結晶粒子、粘度粒子、鉱物資源由来物質あるいはそれらの人造物質の粒子などが挙げられる。酸化物粒子(金属酸化物粒子)としては、例えば、酸化鉄、SiO、Al、TiO、BaTiO、ZrO、アルミナ−シリカ複合酸化物などの粒子が挙げられる。窒化物粒子としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの粒子が挙げられる。イオン結晶粒子としては、例えば、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの粒子が挙げられる。共有結合性結晶粒子としては、例えば、シリコン、ダイヤモンドなどの粒子が挙げられる。粘土粒子としては、例えば、タルク、モンモリロナイトなどの粒子が挙げられる。鉱物資源由来物質あるいはそれらの人造物質の粒子としては、例えば、ベーマイト(アルミナ水和物)、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、マイカなどの粒子が挙げられる。なお、水和物を含む天然鉱物(例えば、上記の粘土、鉱物資源由来物質)を焼成した焼成体を採用することもできる。本実施形態では、絶縁粒子は、Al粒子である。
絶縁層42のバインダとしては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレン、又は、ポリカーボネートなどが挙げられる。
セパレータ4の幅(帯形状の短手方向の寸法)は、負極活物質層122の幅より僅かに大きい。セパレータ4は、正極活物質層112及び負極活物質層122が重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極11と負極12との間に配置される。このとき、図6に示すように、正極11の非被覆部115と負極12の非被覆部125とは重なっていない。即ち、正極11の非被覆部115が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向に突出し、且つ、負極12の非被覆部125が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向(正極11の非被覆部115の突出方向と反対の方向)に突出する。積層された状態の正極11、負極12、及びセパレータ4、即ち、積層体22が巻回されることによって、電極体2が形成される。正極11の非被覆部115又は負極12の非被覆部125のみが積層された部位によって、電極体2における非被覆積層部26が構成される。
非被覆積層部26は、電極体2における集電体5と導通される部位である。非被覆積層部26は、巻回された正極11、負極12、及びセパレータ4の巻回中心方向視において、中空部27(図6参照)を挟んで二つの部位(二分された非被覆積層部26)261に区分される。
以上のように構成される非被覆積層部26は、電極体2の各極に設けられる。即ち、正極11の非被覆部115のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における正極11の非被覆積層部を構成し、負極12の非被覆部125のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における負極12の非被覆積層部を構成する。
ケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する。ケース3は、電極体2及び集電体5等と共に、電解液を内部空間に収容する。ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。ケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。ケース3は、ステンレス鋼及びニッケル等の金属材料、又は、アルミニウムにナイロン等の樹脂を接着した複合材料等によって形成されてもよい。
電解液は、非水溶液系電解液である。電解液は、有機溶媒と、金属イオン(Liイオン)とを含む。電解液は、有機溶媒に電解質塩を溶解させることによって得られる。有機溶媒は、プロピレンカーボネートを含む。本実施形態の有機溶媒は、プロピレンカーボネートに加え、プロピレンカーボネートと比較してガスを生成しにくい環状炭酸エステルを含んでいてもよい。該環状炭酸エステルとしては、エチレンカーボネートが好ましい。プロピレンカーボネートの含有比率は、有機溶媒の総量に対して15質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。プロピレンカーボネートと比較してガスを生成しにくい環状炭酸エステルの含有比率は、有機溶媒の総量に対して15質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。プロピレンカーボネートの質量とプロピレンカーボネートと比較してガスを生成しにくい環状炭酸エステルの質量との合計の質量に対するプロピレンカーボネートの質量比率は、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、75質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。前記有機溶媒は、プロピレンカーボネート以外に、鎖状カーボネート類、エーテル類、エステル類、およびフッ素系のホスファゼン等の低粘度溶媒を含んでいてもよい。電解質塩は、LiClO、LiBF、及びLiPF等である。本実施形態の電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジメチルカーボネートを混合した有機溶媒に、1mol/LのLiPFを溶解させたものである。
なお、「プロピレンカーボネートと比較してガスを生成しにくい環状炭酸エステル」とは、当該環状炭酸エステルに電解質塩を溶解させた電解液中にグラファイトを配置し、該グラファイトを0.01V vs.Li/Liまで分極させたときに、グラファイトを分極させる単位電気量あたりのガス生成量が、プロピレンカーボネートのそれに比較して小さいものを意味する。上記ガス生成量は、後述するラミネートセルの体積変化を測定することにより求めることができる。
過充電時において、卑な電位にグラファイトが分極されると、プロピレンカーボネート(以下、第1成分という)は、金属イオン(Liイオン)と共にグラファイト層間に挿入される。これにより、グラファイトの層間の内表面で、第1成分の一部が還元分解されてガスが生成する。ガスの生成では、グラファイトの層構造にひずみが生じて、グラファイト層の剥離が進行するようになることが知られている。このようにグラファイト層の剥離が進行すると、新たなグラファイト層の表面が現れるため、第1成分が継続的に還元分解されるようになって、ガスがより生成され易くなると推定される。一方で、エチレンカーボネート(以下、第2成分という)も、金属イオンと共にグラファイトの層間に挿入され、グラファイトの層間の内表面で、第2成分の一部が還元分解される。しかしながら、第2成分では、ガスよりも被膜が優位に形成されることが知られている。第2成分は、第1成分よりもガスを生成し難いため、グラファイトの層間にひずみを生じさせにくく、グラファイト層の剥離を進行させにくいものであると推定される。なお、グラファイト層と、第1成分または第2成分とが単に接触するのみでは、第1成分または第2成分は還元分解されず、ガスは生成しない。しかしながら、過充電時に生成された金属デンドライトにグラファイトが接触すると、グラファイトの電位が卑な電位に分極するため、上記の通り、第1成分および第2成分が還元分解されて、ガスが生成されることとなる。
ケース3は、ケース本体31の開口周縁部と、長方形状の蓋板32の周縁部とを重ね合わせた状態で接合することによって形成される。また、ケース3は、ケース本体31と蓋板32とによって画定される内部空間を有する。本実施形態では、ケース本体31の開口周縁部と蓋板32の周縁部とは、溶接によって接合される。
以下では、図1に示すように、蓋板32の長辺方向をX軸方向とし、蓋板32の短辺方向をY軸方向とし、蓋板32の法線方向をZ軸方向とする。ケース本体31は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐ板状の部材である。
蓋板32は、ケース3内のガスを外部に排出可能なガス排出弁321を有する。ガス排出弁321は、ケース3の内部圧力が所定の圧力(ケース3の破裂等が起こらない所定の値:第一の閾値)まで上昇したときに、該ケース3内から外部にガスを排出する。ガス排出弁321は、X軸方向における蓋板32の中央部に設けられる。
ケース3には、電解液を注入するための注液孔が設けられる。注液孔は、ケース3の内部と外部とを連通する。注液孔は、蓋板32に設けられる。注液孔は、注液栓326によって密閉される(塞がれる)。注液栓326は、溶接によってケース3(本実施形態の例では蓋板32)に固定される。
外部端子7は、他の蓄電素子1の外部端子7又は外部機器等と電気的に接続される部位である。外部端子7は、導電性を有する部材によって形成される。例えば、外部端子7は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。
外部端子7は、図3、図9〜11に示すように、蓋体32の外面に配置される頭部71と、頭部71から延びる軸部72と、有する。
頭部71は、蓋体32に沿って広がる板状の部位である。本実施形態の頭部71は、矩形板状である。頭部71には、バスバ等が溶接されてもよい。
軸部72は、頭部71の蓋体32側の面から蓋体32の貫通孔322を通じてケース3の内方に向かって延びる。
電流遮断部8は、例えば、図9〜図11に示すように、ケース3の内部に配置されるダイアフラム(受圧部)81を有し、ダイアフラム81が所定値以上の圧力を受けたときに外部端子7と電極体2とを繋ぐ導通経路を遮断する。本実施形態の電流遮断部8は、正極外部端子7Aと電極体2の正極11(すなわち、電極体2の正極11と電気的に導通されている集電体5)とを繋ぐ導通経路を遮断する。
具体的に、電流遮断部8は、ダイアフラム81と、ダイアフラム81と正極外部端子7Aとを導通させる遮断部導通部82と、遮断部導通部82と集電体5との間に配置されて遮断部導通部82と集電体5との間を絶縁する遮断部絶縁部83と、を有する。
遮断部導通部82は、金属等の導電性を有する部材によって形成されている。この遮断部導通部82は、蓋板32に沿って広がる板状の第一基部821と、第一基部821の周縁から立ち上がる第一周壁部822と、第一周壁部822における第一基部821と反対側の端部から第一基部821と略平行に延びる第一フランジ部823と、を有する。本実施形態の第一基部821は、矩形板状であり、蓋板32の貫通穴322と重なる位置に貫通穴824を有する。この第一基部821の貫通穴824の周縁部が、蓋板32と絶縁部材9(内部絶縁部材91及び外部絶縁部材92)と共に、正極外部端子7Aの頭部71と、軸部72の先端から頭部71方向に延びる穴721よりも大径に形成され、頭部71と反対側に設けられた大径部723と、によってZ軸方向に挟み込まれることで、遮断部導通部82と正極外部端子7Aとが導通する。
遮断部絶縁部83は、樹脂等の絶縁性を有する部材によって構成されている。この遮断部絶縁部83は、第一基部821と略平行に広がる板状の第二基部831と、第二基部831の周縁から立ち上がる第二周壁部832と、第二周壁部832における第二基部831と反対側の端部から第二基部831と略平行に延びる第二フランジ部833と、を有する。第二基部831は、第一基部821と対応する矩形板状である。この第二基部831は、中央に第一貫通穴8311を有すると共に、第一貫通穴8311の周囲に一つ以上(本実施形態の例では複数)の第二貫通穴8312を有する。第二基部831の第一貫通穴8311には、集電体5の一部が挿入されている。また、第二フランジ部833は、第一フランジ部823との間にダイアフラム81の周縁部を挟み込んだ状態で、第一フランジ部823と重なっている。このとき、第一フランジ部823とダイアフラム81の周縁部とは、気密状態で密着(密接)し、且つ、第二フランジ部833とダイアフラム81の周縁部とは、気密状態で密着(密接)している。
ダイアフラム81は、金属製の薄板状の部材であり、周縁部を第一フランジ部823と第二フランジ部833とによって挟み込まれている。これにより、遮断部導通部82とダイアフラム81とによって囲まれた空間(外部側空間811)と、遮断部絶縁部83とダイアフラム81とによって囲まれた空間(内部側空間812)とが、ダイアフラム81によって隔てられる。このとき、外部側空間811は、正極外部端子7Aの穴721と接続穴722とを通じて外部(蓄電素子1の外部)と連通し、内部側空間812は、第一貫通穴8311及び第二貫通穴8312を通じてケース3の内部空間33と連通している。
薄板状のダイアフラム81は、遮断部絶縁部83に向けて膨出しており、最も膨出している中央部813は、遮断部絶縁部83の第一貫通穴8311に挿入されている集電体5の部位(一部)と接触している(図9参照)。これにより、ダイアフラム81は、集電体5と遮断部導通部82とを導通させる。即ち、集電体5からダイアフラム81と遮断部導通部82とを経て正極外部端子7Aに繋がる導通経路が形成されている。
このダイアフラム81は、ケース3の内部圧力を第一貫通穴8311及び第二貫通穴8312を通じて受圧する。そして、ダイアフラム81は、ケース3の内部圧力が第二の閾値(ガス排出弁321の作動圧である第一の閾値より低い値)以上になったときに、図10に示すように、中央部813が集電体5から離間して遮断部導通部82に向けて膨出した状態となる。これにより、集電体5と正極外部端子7Aとを繋ぐ導通経路(即ち、正極外部端子7Aと電極体2の正極11とを繋ぐ導通経路)が遮断される。
集電体5は、ケース3内に配置され、電極体2と通電可能に直接又は間接に接続される。本実施形態の集電体5は、クリップ部材50を介して電極体2と通電可能に接続される。即ち、蓄電素子1は、電極体2と集電体5とを通電可能に接続するクリップ部材50を備える。
集電体5は、導電性を有する部材によって形成される。図3に示すように、集電体5は、ケース3の内面に沿って配置される。集電体5は、蓄電素子1の正極11と負極12とにそれぞれ配置される。本実施形態の蓄電素子1では、集電体5は、ケース3内において、電極2の正極11の非被覆積層部26と、負極12の非被覆積層部26とにそれぞれ配置される。
正極11の集電体5と負極12の集電体5とは、異なる材料によって形成される。具体的に、正極11の集電体5は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極12の集電体5は、例えば、銅又は銅合金によって形成される。
本実施形態の蓄電素子1では、電極体2とケース3とを絶縁する袋状の絶縁カバー6に収容された状態の電極体2(詳しくは、電極体2及び集電体5)がケース3内に収容される。
次に、上記実施形態の蓄電素子1の製造方法について説明する。
蓄電素子1の製造方法では、まず、金属箔(電極基材)に活物質を含む合剤を塗布して活物質層を形成して、電極(正極11及び負極12)を作製する。次に、グラファイトを含むセパレータ基材41を作製する。続いて、セパレータ基材の上に絶縁粒子を含む組成物を塗布して絶縁層42を形成する。これにより、セパレータ4を作製する。続いて、正極11、セパレータ4、及び負極12を重ね合わせて電極体2を形成する。そして、電極体2をケース3に入れ、ケース3に電解液を入れることによって蓄電素子1を組み立てる。
電極(正極11及び負極12)の作製では、一般的な方法を採用して、金属箔に活物質層を含む合剤を塗布して活物質層(正極活物質層112及び負極活物質層122)を形成する。
セパレータ4の作製では、まず、高分子化合物を含む樹脂液中にグラファイトを分散させる。グラファイトの分散は、例えば、グラファイトを含む樹脂液に振動を加えることにより行ってもよい。振動は、各種公知の振動装置を用いて加えてもよい。振動の大きさは、樹脂液の粘性に応じて適宜調整してもよい。
次に、グラファイトが分散された樹脂液を硬化させてシート状の硬化体を得る。続いて、該シート状の硬化体を延伸して、セパレータ基材41を作製する。延伸されたセパレータ基材41に含まれるグラファイト量は、0.2mg/cm以上2.0mg/cm以下とするとよい。該シート状の硬化体の延伸条件は、樹脂液に含まれる高分子化合物の種類に応じて適宜調整してもよい。
次に、絶縁粒子を溶媒中に分散させてなるペーストをセパレータ基材41の厚み方向の両面に片面ずつ塗布する。ペーストは、絶縁粒子を80質量%以上99質量%以下含んでいてもよい。絶縁粒子の分散は、上述したグラファイトの場合と同様に行ってもよい。
続いて、塗布後のペーストを乾燥させることにより、絶縁層42を作製する。
以上のようにして、セパレータ4を作製する。
電極体2の形成では、正極11と負極12との間にセパレータ4を挟み込んだ積層体22を巻回することにより、電極体2を形成する。詳しくは、正極活物質層112と負極活物質層122とがセパレータ4を介して互いに向き合うように、正極11とセパレータ4と負極12とを重ね合わせ、積層体22を作る。次に、積層体22を巻回して、電極体2を形成する。
蓄電素子1の組み立てでは、ケース3のケース本体31に電極体2を入れ、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぎ、電解液をケース3内に注入する。ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐときには、ケース本体31の内部に電極体2を入れ、正極11と一方の外部端子7とを導通させ、且つ、負極12と他方の外部端子7とを導通させた状態で、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐ。電解液をケース3内へ注入するときには、ケース3の蓋板32の注入孔から電解液をケース3内に注入する。
上記のように構成された蓄電素子1は、正極11と、負極12と、正極11と負極12との間に介在されるセパレータ4と、セパレータ4に保持される電解液と、を備え、セパレータ4はグラファイトを含み、電解液は、有機溶媒を含み、有機溶媒は、プロピレンカーボネートを含む。
斯かる構成の蓄電素子においては、過充電時に、内部で生成されるガスの量を増加させることができる。これは、以下のメカニズムによるものであると推測される。過充電時には、負極表面上の電流が集中する箇所において、金属イオンが電気化学的に還元されて金属として析出し、析出した金属が樹枝状の金属デンドライトとなり、正極に向かって成長する。成長した金属デンドライトがセパレータ中のグラファイトに接触すると、該グラファイトは、卑な電位に分極される。分極されたグラファイトの層間に、プロピレンカーボネートが金属イオンと共に挿入されて、還元分解されることとなる。該プロピレンカーボネートが、グラファイトの外表面だけでなく、層間で還元分解されてガスになる分、蓄電素子内で生成されるガスの量を増加させることができる。
上記の蓄電素子1では、セパレータ4は、グラファイトを含む層(セパレータ基材41)と、絶縁層42と、を備え、絶縁層42は、グラファイトを含む層の、正極11及び負極12と対向する面にそれぞれ重ねられてもよい。
斯かる構成の蓄電素子1によれば、グラファイトを含む層中のグラファイトを十分に絶縁できる。これにより、絶縁層42を超えてグラファイトを含む層に到達するほど金属デンドライトが成長した場合に、蓄電素子1内で生成されるガスの量をより増加させることができる。
上記の蓄電素子1では、絶縁層42は、絶縁粒子を含んでいてもよい。
過充電時又は蓄電素子1が高温状態に晒されると、蓄電素子1内が高温になる場合がある。蓄電素子1が高温になった場合でも、絶縁層42が絶縁粒子を含むことから、セパレータ4の収縮を抑制できる。従って、セパレータ4の空孔率の低下を抑制できる。これにより、セパレータ4における電解液および金属イオンの透過性の低下を抑制することができる。よって、蓄電素子1内が高温になった場合であっても、電解液中の金属イオンやプロピレンカーボネートがグラファイトに供給されるため、該プロピレンカーボネートの還元分解反応が効率的に進む。従って、ガスをより多く発生させることができる。
上記の蓄電素子1では、有機溶媒において、プロピレンカーボネートの質量とプロピレンカーボネートと比較してガスを生成しにくい環状炭酸エステルの質量との合計の質量に対するプロピレンカーボネートの質量比率は、50質量%以上100質量%以下であってもよい。
斯かる構成の蓄電素子1によれば、グラファイト中にプロピレンカーボネートが挿入される確率が高まる結果、プロピレンカーボネートをより十分に分解させることができる。これにより、蓄電素子1内において生成されるガスの量をより十分に増加させることができる。
上記の蓄電素子1では、正極11、負極12、セパレータ4及び電解液を含む電極体2を収容する容器(ケース3)と、容器の外側に配置される外部端子7であって、電極体2と導通する外部端子7と、電極体2と外部端子7とを繋ぐ導通経路を遮断する電流遮断部8と、を備えてもよい。
斯かる構成の蓄電素子1によれば、蓄電素子1内で生成されるガスの量が増加した結果、容器内の圧力が許容閾値を上回ったときに、電極体2と外部端子7とを繋ぐ導通経路を早期に遮断することができる。
上記の蓄電素子1は、正極11、負極12、セパレータ4、及び電解液を含む電極体2を収容する容器(ケース3)と、該容器内のガスを外部に排出可能なガス排出弁321と、を備えてもよい。
斯かる構成の蓄電素子によれば、該蓄電素子1内において生成されるガスの量を増加させることができる結果、ガス排出弁321の早期開放を実現できる。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記の実施形態では、正極活物質層および負極活物質層が絶縁層を備えない電極(正極および負極)について説明したが、他の実施形態の蓄電素子では、正極活物質層および負極活物質層の少なくともいずれか一方の上に絶縁層が形成されていてもよい。
上記の実施形態では、セパレータ4が、セパレータ基材41と絶縁層42とを有する蓄電素子1について説明したが、他の実施形態の蓄電素子では、セパレータ4は、セパレータ基材41のみを有してもよい。
上記の実施形態では、正極11側の導通経路に電流遮断部8を備えた蓄電素子1について説明したが、他の実施形態では、電流遮断部8は負極12側の導通経路に備えられてもよいし、正極11及び負極12の両方の導通経路に備えられてもよいし、あるいは、電流遮断部8を備えなくてもよい。
上記の実施形態では、電流遮断部8は、ダイアフラム81と、遮断部導通部82と、遮断部絶縁部83と、を備えていたが、電流遮断部8の構成はこれに限られない。ケース3内の圧力の上昇を契機として作動するものであれば、どのような構成であってもよい。例えば、ケース3内の圧力をセンサで検知し、検知した圧力値が許容閾値を上回ったときに、電流を遮断する外部回路を備える構成であってもよい。
上記の実施形態では、セパレータ4の作製方法において、グラファイトを均一に分散させた、高分子を含む樹脂液のシート状の硬化体を延伸して、セパレータ基材41を作製する例について説明したが、セパレータ基材41を作製する例はこれに限られない。グラファイトと結着材とを溶媒中に分散させてなるペーストをシート状のポリオレフィン樹脂製などの樹脂基材に塗工した後、さらにポリオレフィン樹脂製などの樹脂基材を重ね合わせることにより、セパレータ基材41を作製してもよい。このように作製されたセパレータ4においては、樹脂基材の端部は、グラファイトが含まれる層の端部よりも突出しているとよい。
上記実施形態では、セパレータ4の作製方法において、絶縁粒子を溶媒中に分散させたペーストをセパレータ基材41の上に塗布して、絶縁層42を作製する例について説明したが、絶縁層42を作製する例はこれに限られない。セパレータ基材41の上に、延伸成形された樹脂シートを接着などで取り付けることにより、絶縁層42を作製してもよい。
上記の実施形態では、蓄電素子1が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子1の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記の実施形態では、蓄電素子1の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子1(例えば電池)は、図12に示すような蓄電装置100(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)に用いられてもよい。蓄電装置100は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材80と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子1に適用されていればよい。
<実験例>
以下に実験例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。以下の実験例は本発明をさらに詳細に説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとの質量比率を変えたときの、ガスの生成量を調べるために、供試体としてラミネートセル(面積8.0cm)を作製し、表1に示す各例に係る電解液を用いて、充放電試験を行った。ラミネートセルにおいて、作用極には活物質としてのグラファイト(球状天然黒鉛と鱗片状人造黒鉛とを、質量比で8:2に混合したもの)を含む電極を用い、対極にはLi金属を用い、セパレータには厚み20μmのポリエチレン微多孔膜を用いた。活物質としてのグラファイトを含む電極は、グラファイト、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩を96質量部:3.2質量部:0.8質量部含むスラリーを、水を溶媒に用いて作製し、当該スラリーを塗工量が0.43g/100cmとなるように銅箔の片面に塗布し、乾燥し、乾燥後の銅箔をプレスすることにより作製した。表1の各例において、電解質塩にはLiPFを用い、1mol/Lとなるように溶解した。充放電試験を行った前後のラミネートセルの体積変化の値を、各実験例におけるガスの生成量とした。ラミネートセルの体積変化は、充放電試験前後のラミネートセルをそれぞれ所定量の水を入れた水槽中に配置し、該水槽中における増加した水位の値を求めることにより算出した。
表1において、PCはプロピレンカーボネート、ECはエチレンカーボネート、EMCはエチルメチルカーボネート、DMCはジメチルカーボネートを示している。
なお、充放電試験において、充電及び放電は、以下の条件で行った。
・充電条件:25℃において、0.47mA/cmの電流密度で0.01Vまで定電流−定電圧充電を12時間行った。
・放電条件:25℃において、0.47mA/cmの電流密度で2.00Vまで定電流放電を行った。
表1より、実験例1〜6においては、不可逆容量の比率が、実験例7と比べて、大きくなることが分かった。この結果は、実験例1〜6では、グラファイトの層間の内表面で電解液中のPCが分解することによって、グラファイトの層間に挿入されたリチウムイオンが放出されにくくなっていることを意味している。さらに、ECの質量とPCの質量との合計の質量に対するPCの質量比率が高くなるほど、この傾向が顕著に認められることが分かった。
また、実験例1〜6においては、生成されたガス量が、実験例7と比べて、多くなることが分かった。この結果は、実験例1〜6では、グラファイト層の層間の内表面において電解液中のPCが分解することによって、ガスが生成されることを意味している。さらに、ECの質量とPCの質量との合計の質量に対するPCの質量比率が高くなるほど、この傾向が顕著に認められることが分かった。
上記により、ECの質量とPCの質量との合計の質量に対するPCの質量比率が高くなるにつれて、ガスの生成量を増加させることができることが分かった。
より詳しくは、ECの質量とPCの質量との合計の質量に対するPCの質量比率が50%以上のときに、ラミネートセル内において生成されるガスの量をより増加させることができることが分かった。また、ECの質量とPCの質量との合計の質量に対するPCの質量比率が90%以上のときに、生成されるガスの量をさらに増加させることができることが分かった。
このような事象から、セパレータに含まれるグラファイトが卑な電位に分極した場合であっても、同様に、グラファイト層間の内表面で電解液中のプロピレンカーボネートが分解されることが理解できる。セパレータに含まれるグラファイトは、通常の使用状態では、卑な電位に分極しないため、プロピレンカーボネートの分解は進行しない。しかしながら、過充電時に、負極表面上から析出した金属デンドライトが成長してセパレータに含まれるグラファイトに接触すると、該グラファイトが卑な電位に分極するようになる。その結果、上記の通り、プロピレンカーボネートの分解が進み、電池内で生成されるガスの量が増加することが理解できる。つまり、本実施形態では、通常の使用状態では、プロピレンカーボネートの分解が進行しないため、ガスの生成量は少ないが、過充電時においては、プロピレンカーボネートの分解が進行するため、特異的にガスの生成量を増加させることができるという効果が奏されることが理解できる。
1:蓄電素子(非水電解質二次電池)、
2:電極体、
26:非被覆積層部、
3:ケース、 31:ケース本体、 32:蓋板、
4:セパレータ、 41:セパレータ基材、 42:絶縁層
5:集電体、 50:クリップ部材、
6:絶縁カバー、
7:外部端子、 71:頭部、72:軸部、
8:電流遮断部、
11:正極、
111:正極の金属箔(正極基材)、 112:正極活物質層、
12:負極、
121:負極の金属箔(負極基材)、 122:負極活物質層、
80:バスバ部材、
100:蓄電装置。

Claims (5)

  1. 正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在されるセパレータと、前記セパレータに保持される電解液と、を備え、
    前記セパレータはグラファイトを含み、
    前記電解液は、有機溶媒を含み、
    前記有機溶媒は、プロピレンカーボネートを含む、蓄電素子。
  2. 前記セパレータは、グラファイトを含む層と、絶縁層と、を備え、
    前記絶縁層は、前記グラファイトを含む層の、前記正極および前記負極と対向する面にそれぞれ重ねられる、請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記絶縁層は、絶縁粒子を含む、請求項2に記載の蓄電素子。
  4. 前記有機溶媒において、
    前記プロピレンカーボネートの質量と前記プロピレンカーボネートと比較してガスを生成しにくい環状炭酸エステルの質量との合計の質量に対する前記プロピレンカーボネートの質量比率は、50質量%以上100質量%以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  5. 前記正極、前記負極、前記セパレータ及び前記電解液を含む電極体を収容する容器と、
    前記容器の外側に配置される外部端子であって、前記電極体と導通する外部端子と、
    前記電極体と前記外部端子とを繋ぐ導通経路を遮断する電流遮断部と、を備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蓄電素子。
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