JP2018189990A - 地図情報生成システム、方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】新規道路の位置の正確さを向上させる技術の提供。【解決手段】移動体の移動軌跡を取得する移動軌跡取得手段と、既存道路に前記移動軌跡が近づくように前記移動軌跡の位置を補正する移動軌跡補正手段と、補正された前記移動軌跡が前記既存道路に対応しない区間を新規道路として取得する新規道路取得手段と、前記新規道路を示す情報を地図情報に追加する新規道路追加手段と、を備え、前記移動軌跡取得手段は、前記新規道路と前記新規道路の前後とにおける前記移動軌跡を取得し、前記移動軌跡補正手段は、取得された前記移動軌跡の全体を補正する、ことを特徴とする地図情報生成システムを構成する。【選択図】図3

Description

本発明は、新規道路の情報を生成する地図情報生成システム、方法およびプログラムに関する。
従来、車両の走行履歴に基づいて地図情報に存在しない新規道路の情報を生成する技術が知られている。例えば、特許文献1においては、車両の位置と地理データベースとを照合し、最初の照合しなかった場合の位置から以前照合していたリンクの分割位置を決定し、分割した点を端点とする新しいリンクを創りだす構成が開示されている。また、特許文献2においては、道路上の位置が推定できない状態の始点および終点が、道路上の位置を推定できない状態となる直前の地点および推定できる状態となった直後の地点に合うように、道路上の位置が推定できない状態における軌跡を平行移動、回転、拡大させる構成が開示されている。
特許第4559551号公報 特開2009−192480号公報
上述した従来技術においては、新規道路の位置が不正確になる場合があった。すなわち、特許文献1に開示された技術においては、最初の照合しなかった場合の位置から以前照合していたリンクの分割位置を決定しているが、最初の照合しなかった場合の位置は正確であるとは限らない。従って、最初の照合しなかった場合の位置に基づいてリンクの分割位置を決定すると、新規道路の位置が不正確になり得る。
特許文献2に開示された技術においては、道路上の位置が推定できない状態の始点および終点が、道路上の位置を推定できない状態となる直前の地点および推定できる状態となった直後の地点に合うように軌跡を補正しているが、道路上の位置を推定できない状態となる直前の地点および推定できる状態となった直後の地点が正確であるとは限らない。従って、新規道路の位置が不正確になり得る。また、検出された位置が道路上の位置であると推定するマップマッチング処理においては、検出された位置を強制的に道路上の位置に変換してしまうため、道路上の位置が推定されていたとしても、当該位置が車両の正確な位置と異なる場合がある。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、新規道路の位置の正確さを向上させる技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、地図情報生成システムは、移動体の移動軌跡を取得する移動軌跡取得手段と、既存道路に移動軌跡が近づくように移動軌跡の位置を補正する移動軌跡補正手段と、補正された移動軌跡が既存道路に対応しない区間を新規道路として取得する新規道路取得手段と、新規道路を示す情報を地図情報に追加する新規道路追加手段と、を備える。
また、上記の目的を達成するため、地図情報生成方法は、移動体の移動軌跡を取得する移動軌跡取得工程と、既存道路に移動軌跡が近づくように移動軌跡の位置を補正する移動軌跡補正工程と、補正された移動軌跡が既存道路に対応しない区間を新規道路として取得する新規道路取得工程と、新規道路を示す情報を地図情報に追加する新規道路追加工程と、を含むように構成される。
さらに、上記の目的を達成するため、地図情報生成プログラムは、移動体の移動軌跡を取得する移動軌跡取得機能と、既存道路に移動軌跡が近づくように移動軌跡の位置を補正する移動軌跡補正機能と、補正された移動軌跡が既存道路に対応しない区間を新規道路として取得する新規道路取得機能と、新規道路を示す情報を地図情報に追加する新規道路追加機能と、をコンピュータに実現させる。
以上のように、地図情報生成システム、方法、プログラムは、移動軌跡が既存道路に近づくように移動軌跡を補正した後に、既存道路に対応しない区間を新規道路として取得する。移動体の位置を特定するための現行の技術(GPS、ジャイロ等を利用した技術)においては、電波障害や誤差の累積等の各種の要因によって位置が不正確になる場合がある。このため、ある瞬間において特定された移動体の位置に着目すると、当該位置が不正確である場合があり、当該位置に基づいて新規道路と既存道路との接続位置を特定すると、新規道路の位置が不正確になる。
このように、移動体の移動軌跡を構成する移動体の位置のそれぞれは不正確になり得るが、その一方で、当該移動軌跡が移動体の複数の位置で構成されている状態において、当該移動軌跡の形状に着目すると、形状が現実の位置の軌跡と大きく異なることは少ない。例えば、GPS技術においては、マルチパスやノイズによってランダムに位置が変動し得るが、複数の位置の集合である移動軌跡に着目すれば誤差が平準化されて移動軌跡の形状が現実の位置の軌跡と大きく異なることは少ない。そこで、地図情報生成システム、方法、プログラムにおいては、移動体の特定の位置に基づいて新規道路と既存道路との接続位置を特定するのではなく、移動軌跡が既存道路に近づくように補正をした後に、移動軌跡が既存道路に対応しない区間を新規道路として特定する。このため、新規道路の位置の正確さを向上させることができる。
地図情報生成システムを示すブロック図である。 地図情報生成処理を示すフローチャートである。 道路と移動軌跡の例を示す図である。 (4A)は移動ベクトルによる移動を示す図であり、(4B)〜(4E)は新規道路の位置を取得する例を示す図である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)地図情報生成システムの構成:
(2)地図情報生成処理:
(3)他の実施形態:
(1)地図情報生成システムの構成:
図1は、本発明にかかる地図情報生成システム10の構成を示すブロック図である。地図情報生成システム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20、記録媒体30を備えており、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムとしてナビゲーションプログラムおよび地図情報生成プログラム21を実行可能である。ナビゲーションプログラムは、自立航法情報に基づいてマップマッチング処理を行って道路上の車両(移動体)の位置を特定し、当該車両の現在地を地図上に表示させる機能を備えている。
記録媒体30には、予め地図情報30aが記録されている。地図情報30aは、車両の現在地の特定等に利用される情報であり、車両が走行する道路上に設定されたノードの位置等を示すノードデータ,ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点データ,ノード同士の連結を示すリンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置および種類等を示す地物データ等を含んでいる。
本実施形態における地図情報生成システム10が搭載された車両は、ユーザI/F部40と車速センサ41とジャイロセンサ42とGPS受信部43とを備えている。ユーザI/F部40は、利用者の指示を入力し、また利用者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイからなる入力部を兼ねた表示部やスピーカー等の出力音の出力部を備えている。GPS受信部43は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在地を算出するための信号を制御部20に出力する。車速センサ41は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を制御部20に出力する。ジャイロセンサ42は、車両に作用する角加速度に対応した信号を制御部20に出力する。
制御部20は、ナビゲーションプログラムの処理により、車速センサ41およびジャイロセンサ42から出力された信号に基づいて推定される位置の軌跡である自立航法軌跡と地図情報30aとに基づいて車両の現在地が存在し得る比較対象道路を複数設定し、GPS受信部43にて取得されたGPS信号の誤差円に基づいて比較対象道路を絞り込む。そして、制御部20は、地図情報30aを参照し、絞り込まれた比較対象道路のうち、自立航法軌跡と形状が最も一致する道路を車両が走行している道路である走行道路として推定するマップマッチング処理を行い、当該マップマッチング処理によって推定された走行道路上で車両の現在地を推定する。
通常は、このようにマップマッチングしている状態で車両の現在地が推定されるが、地図情報30aに定義されていない道路である新規道路を車両が走行した場合、マップマッチングしていない状態となる。制御部20は、マップマッチングしていない状態と、マップマッチングしている状態とを認識することが可能であり、マップマッチングしていない状態において、制御部20は、マップマッチングを行うことなく現在地を推定する。本実施形態においては、マップマッチングしていない状態において、制御部20はGPS信号に基づいて推定される位置を現在地として推定する。むろん、ここで、制御部20は、車速センサ41およびジャイロセンサ42から出力された信号に基づいて推定される位置を現在地として推定しても良い。
制御部20は、マップマッチングしている状態とマップマッチングしていない状態との双方において、マップマッチングの成否に依存せずに特定可能な現在地の推移を示す移動軌跡を取得している。本実施形態において、制御部20は、GPS信号に基づいて推定された現在地を、マップマッチングの成否に依存せずに特定可能な現在地と見なしている。そして、マップマッチングが行われていた状態において、制御部20は、GPS信号に基づいて推定された現在地にマップマッチングしている状態であることを示す情報を対応付け、移動軌跡情報30bとして記録媒体30に記録する。また、マップマッチングしていない状態において、制御部20は、GPS信号に基づいて推定された現在地にマップマッチングしていない状態であることを示す情報を対応付け、移動軌跡情報30bとして記録媒体30に記録する。
地図情報生成プログラム21は、マップマッチングしていない状態での移動軌跡に基づいて新規道路を示す情報を地図情報30aに追加する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。この機能を実現するため、地図情報生成プログラム21は、移動軌跡取得部21aと移動軌跡補正部21bと新規道路取得部21cとを備えている。
移動軌跡取得部21aは、移動体の移動軌跡を取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、新規道路を取得するために既存道路と比較される対象として移動軌跡を取得する。制御部20は、新規道路上の移動軌跡を含むように移動軌跡を取得するために、マップマッチングしている状態からマップマッチングしていない状態へ変化した点と、マップマッチングしていない状態からマップマッチングしている状態へ変化した点と、の間の区間、および当該区間の前後所定距離の区間における移動軌跡を取得する。
具体的には、制御部20は、車両が既存道路、新規道路、既存道路と移行した場合の移動軌跡を取得する。すなわち、制御部20は、マップマッチングしている第1状態の後にマップマッチングしていない第2状態となり、当該第2状態の後、マップマッチングしている第3状態となった場合における移動体の移動軌跡を取得する。本実施形態においては、第1状態の長さである第1距離と第3状態の長さである第3距離が予め決められており、制御部20は、移動軌跡情報30bを参照し、マップマッチングしていない状態であることを示す情報が対応づけられた第2状態の移動軌跡の前後に、マップマッチングしている状態であることを示す情報が対応づけられた第1状態および第3状態の移動軌跡が存在し、かつ、第1状態の移動軌跡が第1距離であるとともに第3状態の移動軌跡が第3距離となっている場合に、第1状態から第3状態の移動軌跡を取得する。なお、本実施形態において、第3状態における移動軌跡を規定する第3距離の長さは第1状態の移動軌跡を規定する第1距離より短くなるように予め決められている。
移動軌跡補正部21bは、既存道路に移動軌跡が近づくように移動軌跡の位置を補正する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。本実施形態において、制御部20は、移動軌跡取得部21aの処理によって取得された移動軌跡(第1状態の移動軌跡と第2状態の移動軌跡と第3状態の移動軌跡とが連続した移動軌跡)の中のマップマッチングしている状態の移動軌跡に基づいて移動軌跡を補正する。このとき、制御部20は、マップマッチングしている状態の移動軌跡上の特定の位置だけではなくマップマッチングしている状態の移動軌跡の全体が既存道路に近づくように補正する。
本実施形態において、制御部20は、移動軌跡の形状を維持した状態で移動軌跡を移動する。このために、本実施形態において制御部20は、移動軌跡を定義する直交2次元座標系(例えば、緯度および経度を軸とする座標系)が形成する2次元平面内で移動軌跡を直線的に移動させる構成を採用しており、当該移動のための移動量および移動方向を規定する移動ベクトルを特定する。このとき、制御部20は、既存道路に移動軌跡を最も長く対応づけることが可能な移動を示す移動ベクトルを特定し、当該移動ベクトルで移動軌跡の位置を移動させる補正を行う。
新規道路取得部21cは、補正された移動軌跡が既存道路に対応しない区間を新規道路として取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、補正された移動軌跡と既存道路とが対応する区間は移動体が既存道路上を移動していたと見なし、補正された移動軌跡と既存道路とが対応しない区間は移動体が新規道路上を移動していたと見なす。そして、制御部20は、補正された移動軌跡と既存道路とが対応しない区間においては、移動軌跡と新規道路とがほぼ一致すると見なし、当該区間を示す情報に基づいて新規道路の位置を特定する。新規道路を取得する処理の詳細は後述する。新規道路追加部21dは、新規道路を示す情報を地図情報30aに追加する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、新規道路取得部21cの処理によって取得された新規道路の端点を示すノードデータと新規道路を示すリンクデータを生成し、生成したデータを地図情報30aに追加する。なお、新規道路の端点が既存の交差点と一致する場合、制御部20は、既存の交差点から新規道路が延びるようにリンクデータを定義する。また、新規道路の端点である交差点が既存道路上に存在する場合、制御部20は、当該既存道路を当該交差点で分割するようにノードデータとリンクデータを修正する。この結果、新規道路を示す情報が追加された地図情報30aを参照することで、新規道路を含む道路ネットワークを利用した処理、例えば、経路探索処理や経路案内処理等を実行することが可能になる。
本実施形態においては、車両の現在地を特定するためにGPS受信部43の出力信号や、車速センサ41、ジャイロセンサ42の出力信号が利用されているが、これらの現在地特定手段は、電波障害や誤差の累積等の各種の要因によって位置が不正確になる場合がある。このため、ある瞬間において特定された車両の現在地に着目すると、車両の現在地が不正確である場合があり、当該車両の現在地に基づいて新規道路と既存道路との接続位置を特定すると、新規道路の位置が不正確になる。
このように、移動軌跡を構成する、ある瞬間の車両の現在地は不正確になり得るが、その一方で、当該移動軌跡が車両の現在地の推移で構成されている状態において、当該移動軌跡の形状に着目すると、形状が現実の位置の軌跡と大きく異なることは少ない。例えば、GPS技術においては、マルチパスやノイズによってランダムに位置が変動し得るが、複数の位置の集合である移動軌跡に着目すれば誤差が平準化されて移動軌跡の形状が現実の位置の軌跡と大きく異なることは少ない。そして、本実施形態において制御部20は、ある瞬間の車両の現在地に基づいて新規道路と既存道路との接続位置を特定するのではなく、マップマッチングしている状態における移動軌跡が既存道路に近づくように補正をした後に新規道路を特定する。このため、新規道路の位置の正確さを向上させることができる。
さらに、本実施形態において、制御部20は、移動軌跡取得部21aの処理により、マップマッチングしている状態からマップマッチングしていない状態へ変化する前における移動軌跡が、マップマッチングしていない状態からマップマッチングしている状態へ変化した後における移動軌跡より長くなるようにして、移動軌跡を取得し、解析を開始することができる。従って、マップマッチングしている状態からマップマッチングしていない状態へ変化する前における移動軌跡が、マップマッチングしていない状態からマップマッチングしている状態へ変化した後における移動軌跡以下である場合と比較して、早期に移動軌跡の解析を開始することが可能になる。
さらに、特許文献1のように、車両の位置と地理データベースとを照合し、最初の照合しなかった場合の位置から以前照合していたリンクの分割位置を決定し、分割した点を端点とする新しいリンクを創りだす構成においては、既存道路に近接した並行路が存在し、照合が誤っていた場合に新規道路を誤った道路に接続してしまうおそれがある。しかし、本実施形態のように、マップマッチングしている状態としていない状態とが変化した地点の前後の軌跡を含む移動軌跡を取得し、当該移動軌跡の形状が既存道路の形状と部分的に略一致するような位置に移動軌跡を補正する構成によれば、既存道路を走行したであろう、移動軌跡の前方部分および後方部分と形状が似ている既存道路との対応付けを行ったうえで新規道路を特定することができる。従って、正確に新規道路の位置を特定することができる。
(2)地図情報生成処理:
次に、地図情報生成プログラム21による地図情報生成処理を説明する。ナビゲーションプログラムが実行されると、制御部20は、地図情報生成プログラム21による地図情報生成処理を実行する。地図情報生成処理において、制御部20は、ナビゲーションプログラムの処理により、現在地を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、車速センサ41,ジャイロセンサ42の出力信号に基づいて車両の現在地を取得する。次に、制御部20は、現在地が既存道路に適合するか否かを判定する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、ステップS100で取得した現在地の軌跡である自立航法軌跡と、GPS受信部43の出力信号が示す誤差円と、地図情報30aに基づいて、自立航法軌跡と地図情報30aが示す道路とが適合する、マップマッチングしている状態であるか否かを判定する。
ステップS105において、現在地が既存道路に適合すると判定された場合、制御部20は、マップマッチングしている状態であることを示す移動軌跡情報30bを記録する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、GPS受信部43の出力信号が示す現在地に、マップマッチングしている状態であることを示す情報を対応づけて移動軌跡情報30bとして記録媒体に記録する。ステップS105において、現在地が新規道路に適合すると判定されない場合、制御部20は、マップマッチングしていない状態であることを示す移動軌跡情報30bを記録する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、GPS受信部43の出力信号が示す現在地に、マップマッチングしていない状態であることを示す情報を対応づけて移動軌跡情報30bとして記録媒体に記録する。
次に、制御部20は、移動軌跡取得部21aの処理により、解析開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS120)。すなわち、制御部20は、移動軌跡情報30bを参照し、ステップS100で取得した現在地以前の移動経路が、マップマッチングしている第1状態の後にマップマッチングしていない第2状態となり、当該第2状態の後、マップマッチングしている第3状態となった場合における移動軌跡であるとともに、第1状態の移動軌跡の長さが第1距離であり、第3状態の移動軌跡の長さが第3距離となった場合に、解析条件が成立していると見なす。
ステップS120において、解析開始条件が成立していると判定されない場合、制御部20は、ステップS100以降の処理を繰り返す。一方、ステップS120において、解析開始条件が成立していると判定された場合、制御部20は、移動軌跡取得部21aの処理により、解析対象の移動軌跡を取得する(ステップS125)。すなわち、制御部20は、移動軌跡情報30bを参照し、現在地以前におけるマップマッチングしている状態の移動軌跡を現在地から過去にさかのぼって第3距離分取得し、さらに、過去にさかのぼってマップマッチングしていない状態の移動軌跡を取得し、さらに、過去にさかのぼってマップマッチングしている状態の移動軌跡を第1距離分取得する。
図3は、細い実線によって既存道路を示した図であり、位置Pcに存在する車両の移動軌跡の一部を太い線で示している。なお、この例において、移動軌跡にはマップマッチングしている状態の軌跡とマップマッチングしていない状態の軌跡とが含まれる。すなわち、破線の矢印Iで示す点がマップマッチングしている状態からマップマッチングしていない状態へ変化した点であり、破線の矢印Oで示す点がマップマッチングしていない状態からマップマッチングしている状態へ変化した点である。従って、移動軌跡O1,O3はマップマッチングしている状態の移動軌跡を示し、移動軌跡O2はマップマッチングいていない状態の移動軌跡を示している。また、同図3においては、移動軌跡O1の長さが第1距離、移動軌跡O3の長さが第3距離であることが想定されている。従って、図3に示す移動軌跡O1,O2,O3はステップS125にて取得される移動軌跡の例である。
次に、制御部20は、移動軌跡補正部21bの処理により、既存道路に移動軌跡を最も長く対応づけることが可能な移動を示す移動ベクトルを特定する(ステップS130)。移動ベクトルは、種々の手法で特定することが可能である。例えば、制御部20が、移動軌跡上に設定された複数の点(一定距離毎の点等)を既存道路上に設定された複数の点(移動軌跡からの延ばした垂線との交点等)まで移動させる複数のベクトルを特定する。さらに、制御部20が、複数のベクトルの1個または統計的に決められたベクトルを試行用のベクトルとして特定し、試行用のベクトルで移動軌跡を移動させた後、移動後の移動軌跡と既存道路とが一致する距離を算出する。当該距離は、例えば、移動軌跡と既存道路とが対応すると見なすことができるまで近接している区間を移動軌跡から抽出し、抽出された区間の総距離が、移動後の移動軌跡と既存道路とが一致する距離であると見なしても良い。
なお、試行用のベクトルを特定する際には、複数のベクトルの合成ベクトルを定義することによって特定しても良いし、複数のベクトルの成分の中央値や平均値等によって特定しても良い。むろん、合成ベクトルを特定する際に各種の重み付け(距離が短いベクトルほど重み付け係数が大きい等)を行ってもよい。また、大きさが過度に大きいベクトルを試行用のベクトルと見なさない構成としても良い。
以上のような処理を、複数の試行用ベクトルについて実行し、さらに、移動後の移動軌跡と既存道路とが一致する距離が最大化されるまで試行用ベクトルの特定と移動とを繰り返して実行すれば、移動軌跡と既存道路とが最も長く対応づけられた状態を生成することができる。そこで、制御部20が、移動後の移動軌跡と既存道路とが一致する距離が最大化した後、移動後の移動軌跡と移動前の移動軌跡との位置を比較すれば、既存道路に移動軌跡を最も長く対応づけることが可能な移動を示す移動ベクトルを特定することができる。
以上のようにして、既存道路に移動軌跡を最も長く対応づけることが可能な移動を示す移動ベクトルが特定されると、制御部20は、移動軌跡補正部21bの処理により、当該移動ベクトルによって移動軌跡の位置を移動させる(ステップS135)。すなわち、制御部20は、ステップS125にて取得された移動軌跡の各位置を移動ベクトルに従って並行移動させることで移動軌跡の位置を補正する。この結果、ステップS125にて取得された移動軌跡の形状が維持された状態で移動軌跡の位置が移動される。図4Aは、図3に示す例において、移動ベクトルに従って移動軌跡を移動させた場合の例を示す図である。
この状態において、制御部20は、補正された移動軌跡が既存道路に対応しない区間を補正された移動軌跡から切断し、切断された区間が既存道路に接続するように移動させ、当該区間の移動後の位置が新規道路の位置であると見なす処理を行う。具体的には、制御部20は、新規道路取得部21cの処理により、軌跡サンプル点および道路サンプル点を設定する(ステップS140)。すなわち、制御部20は、ステップS135において補正された移動軌跡上に所定間隔で仮想的な点である軌跡サンプル点を設定し、既存道路上に所定間隔で仮想的な点である道路サンプル点を設定する。なお、軌跡サンプル点同士の間隔および道路サンプル点同士の間隔である所定間隔は、予め決められていれば良く、新規道路の位置の特定精度として要求されるべき精度や、解析のリソース等に応じて決められていれば良い。
図4Bおよび図4Cは図4Aに示す例における領域Aの拡大図、図4Dおよび図4Eは図4Aに示す例における領域Bの拡大図である。これらの図4B〜図4Dにおいては、既存道路が実線で示され、移動軌跡が破線で示されている。新規道路は示されていない。また、軌跡サンプル点は白丸、道路サンプル点は白い矩形で示されている
次に、制御部20は、新規道路取得部21cの処理により、軌跡サンプル点と道路サンプル点とを対応づけた対を生成する(ステップS145)。すなわち、制御部20は、距離が最も近い軌跡サンプル点と道路サンプル点とを対応付け、1個の軌跡サンプル点と1個の道路サンプル点とを対にする。そして、制御部20は、それぞれの対に対の識別子を対応付け当該識別子を軌跡サンプル点と道路サンプル点に対応づけた情報をRAMに記録する。なお、軌跡サンプル点からみた最も近い道路サンプル点と、道路サンプル点から見た最も近い軌跡サンプル点とが異なる場合、これらのサンプル点同士は対とならない。この結果、車両が走行した既存道路上の道路サンプル点は周囲の軌跡サンプル点と対を構成するが、新規道路上の移動軌跡に設定された軌跡サンプル点は道路サンプル点に対応づけられていない状態となる。
図4Bおよび図4Dは、移動軌跡に対して後述する切断および移動を実施する前の拡大図であり、これらの図においては、対となった軌跡サンプル点と道路サンプル点とを太い実線で結んで示している。道路サンプル点が対応づけられていない軌跡サンプル点には太い実線が接続されていない。このように、軌跡サンプル点に対応する道路サンプル点が存在しない場合、当該軌跡サンプル点によって構成される移動軌跡上の区間は新規道路と推定される。
そこで、本実施形態において制御部20は、道路サンプル点が対応づけられていない軌跡サンプル点によって構成される移動軌跡に基づいて新規道路を取得するための処理を行うが、新規道路を取得する前に、新規道路を正確に特定するための補正を行う。具体的には、制御部20は、新規道路取得部21cの処理により、対が生成されていない、閾値以下の距離の区間が存在するか否かを判定する(ステップS150)。すなわち、制御部20は、移動軌跡上で対が生成されていない軌跡サンプル点を特定し、対が生成されていない軌跡サンプル点が連続して存在する場合、その区間を特定する。そして、制御部20は、当該区間の距離を特定して閾値と比較することで、対が生成されていない、閾値以下の距離の区間が存在するか否かを判定する。
ステップS150において、対が生成されていない、閾値以下の距離の区間が存在すると判定された場合、制御部20は、新規道路取得部21cの処理により、該当する区間を対が生成された区間に統合する(ステップS155)。すなわち、対が生成されていない、閾値以下の距離の区間は、車両の移動軌跡が曲線であるとともに既存道路が直線であるような交差点等において発生する。しかし、このような区間は、既存道路上の区間であるため、制御部20は、ステップS155において、当該区間を対が生成された区間に統合することで、当該区間が新規道路であると推定されないように補正をする。なお、ステップS150において、対が生成されていない、閾値以下の距離の区間が存在すると判定されない場合、制御部20は、ステップS155をスキップする。
さらに、制御部20は、新規道路取得部21cの処理により、対が生成されている、閾値以下の距離の区間が存在するか否かを判定する(ステップS160)。すなわち、制御部20は、移動軌跡上で対が生成されている軌跡サンプル点を特定し、対が生成されている軌跡サンプル点が連続して存在する場合、その区間を特定する。そして、制御部20は、当該区間の距離を特定して閾値と比較することで、対が生成されている、閾値以下の距離の区間が存在するか否かを判定する。
ステップS160において、対が生成されている、閾値以下の距離の区間が存在すると判定された場合、制御部20は、新規道路取得部21cの処理により、該当する区間を対が生成されていない区間に統合する(ステップS165)。すなわち、対が生成されている、閾値以下の距離の区間は、既存道路に類似した方向に延びる新規道路が既存道路の近くに新設された場合等において発生する。しかし、このような区間は、既存道路上の区間ではないため、制御部20は、ステップS165において、当該区間を対が生成されていない区間に統合することで、当該区間が既存道路であると推定されないように補正をする。なお、ステップS160において、対が生成されている、閾値以下の距離の区間が存在すると判定されない場合、制御部20は、ステップS165をスキップする。
次に、制御部20は、新規道路取得部21cの処理により、対が生成されていない区間を新規道路区間として取得する(ステップS170)。例えば、制御部20は、図4Bに示す区間Znや図4Dに示す区間Znの移動軌跡を新規道路区間として取得する。以上のように、本実施形態においては、軌跡サンプル点と道路サンプル点との対応関係に基づいて、容易に新規道路区間を取得することが可能である。
さらに、以上のようにして新規道路区間が取得された状態においては、新規道路と既存道路とが不連続になり得るため、制御部20は、新規道路取得部21cの処理により、対が生成された区間の端点に新規道路区間を接続し、新規道路追加部21dの処理により、接続された新規道路を地図情報30aに記録する(ステップS175)。本実施形態において、制御部20は、道路サンプル点が対応づけられていない軌跡サンプル点が存在する移動軌跡上の区間を最も近い道路サンプル点に対して接続するように移動させる。
例えば、図4Bおよび図4Dに示す例において、道路サンプル点が対応づけられていない軌跡サンプル点が存在する移動軌跡上の区間は、軌跡サンプル点と道路サンプル点の対の中で最も新規道路側に位置する対における軌跡サンプル点SOよりも新規道路側に存在する移動軌跡上の区間Znである。そして、制御部20は、当該区間Znを移動軌跡から切り取り、最も近い道路サンプル点SRに対して接続するように移動させる。なお、この移動において区間Znの両端(図4Bに示すSOおよび図4Cに示すSO)の移動方向は一般的に異なるため、制御部20は、移動軌跡の形状を補正しても良い。当該補正は、例えば、等方性アフィン変換等によって実現可能である。図4Cは図4Bに示す区間Znを移動させた後の状態を示す図であり、図4Eは図4Dに示す区間Znを移動させた後の状態を示す図である。以上のように、道路サンプル点が対応づけられていない軌跡サンプル点が存在する移動軌跡上の区間が最も近い道路サンプル点に対して接続するように移動されると、移動後の位置を新規道路の位置と見なすことができる。そして、制御部20が、移動後の位置を新規道路の位置として地図情報30aに記録することにより、正確に新規道路の位置を定義することができる。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、移動軌跡が既存道路に近づくように移動軌跡の位置を補正した後に、補正後の移動軌跡に対応した区間を新規道路として取得する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、地図情報生成システムは車両に固定的に搭載されていても良いし、持ち運び可能な端末が車両内に持ち込まれて利用される態様であっても良い。また、車両等から取得したプローブ情報等に基づいて地図情報を生成するサーバ等によって地図情報生成システムが構成されても良い。むろん、この場合、サーバ等によって地図情報に追加された新規道路を示す情報が、車両で利用されるナビゲーション端末に配信され、当該端末が備える記録媒体上の地図情報にも当該新規道路を示す情報が追加される構成としてもよい。さらに、移動軌跡取得部21a、移動軌跡補正部21b、新規道路取得部21cの少なくとも一部が上述の実施形態と異なる制御主体で実現されても良い。例えば、移動軌跡取得部21aが現在地を特定するための制御ECU等によって実現されても良い。さらに、移動体は車両に限定されず、歩行者等であっても良い。
移動軌跡取得手段は、移動体の移動軌跡を取得することができればよい。また、移動軌跡は、移動体がある地点から他の地点まで移動した場合の軌跡であれば良く、走行中の軌跡の全てであっても良いし、一部の軌跡であっても良い。なお、移動軌跡は移動体の位置として推定された複数の位置の集合であれば良いが、既存道路との比較のためには既存道路上の移動軌跡が含まれている必要があり、新規道路が取得されるためには新規道路上の移動軌跡が含まれていることが好ましい。また、上述の実施形態において、移動軌跡はGPS受信部43の出力信号に基づいて取得された現在地の軌跡であったが、マップマッチング後の移動体の軌跡でなければ良く、むろん、自立航法軌跡であってもよい。
移動軌跡補正手段は、既存道路に移動軌跡が近づくように移動軌跡の位置を補正することができればよい。すなわち、移動軌跡取得手段によって取得された移動軌跡の中の全体に着目し、移動軌跡上の特定の位置だけではなく当該移動軌跡の全体が既存道路に近づくように補正することができればよい。このためには、例えば、移動軌跡の形状を維持した状態で移動軌跡を移動(回転移動が含まれても良い)する構成とし、移動後の移動軌跡と既存道路との差異が最も少なくなるように移動させる構成等を採用可能である。
なお、移動軌跡が既存道路に近づくように補正可能な移動法は複数個存在し得るが、移動法を複数個から1個に限定するための手法としては、種々の手法を採用可能である。例えば、上述の様に、移動後の移動軌跡と既存道路との差異が最も少なくなるように移動軌跡を移動させても良いし、各種の評価条件も考慮して移動軌跡を移動させても良い。評価条件としては、種々の条件を想定可能であり、例えば、複数の移動法における移動量や回転移動における回転角が少ないほど移動法として採用されやすくなるように移動法を評価する構成等を採用可能である。
新規道路取得手段は、補正された移動軌跡が既存道路に対応しない区間を新規道路として取得することができればよい。すなわち、補正された移動軌跡と既存道路とが対応する区間は移動体が既存道路上を移動していたと見なし、補正された移動軌跡と既存道路とが対応しない区間は移動体が新規道路上を移動していたと見なす。そして、補正された移動軌跡と既存道路とが対応しない区間においては、移動軌跡が新規道路の形状を示していると見なし、当該区間を新規道路とすればよい。
補正された移動軌跡が既存道路と対応するか否かの判定は、少なくとも、移動軌跡が既存道路上の軌跡となり得ない状態を対応していないと見なすことができるように実施されれば良く、補正された移動軌跡の座標と既存道路の座標とが完全一致する状態のみを対応すると見なす訳ではない。従って、例えば、補正された移動軌跡となり得る(矛盾が生じない)既存道路が当該補正された移動軌跡の近くに存在する場合に対応していると見なし、補正された移動軌跡となり得る既存道路が当該補正された移動軌跡の近くに存在しない場合に対応していないと見なす構成等を採用可能である。
いずれにしても、既存道路と補正された移動軌跡とを対応づけた結果、補正された移動軌跡において既存道路に対応づけることができない区間が存在する場合に、当該区間を新規道路として取得することができればよい。このための構成例としては、例えば、新規道路取得手段が、補正された移動軌跡上に所定間隔で仮想的な点である軌跡サンプル点を設定し、既存道路上に所定間隔で仮想的な点である道路サンプル点を設定し、距離が最も近い軌跡サンプル点と道路サンプル点とを対応付けた場合に、道路サンプル点が対応づけられていない軌跡サンプル点が存在する移動軌跡上の区間に基づいて新規道路を取得する構成を採用可能である。
すなわち、既存道路と補正された移動軌跡とを対応づけるために、新規道路取得手段が、補正された移動軌跡上に軌跡サンプル点を設定し、既存道路上に道路サンプル点を設定する構成とする。このように、軌跡サンプル点と道路サンプル点とが設定されると、両サンプル点のうち、距離が最も近いサンプル点同士を対にすることによって対応関係を容易に定義することが可能である。そして、当該対応関係を定義した場合、新規道路を走行した場合の移動軌跡上に存在する軌跡サンプル点には道路サンプル点を対応づけることができない。従って、道路サンプル点が対応づけられていない軌跡サンプル点が存在する移動軌跡上の区間に基づいて新規道路を取得することができる。この構成によれば、容易に新規道路を取得することが可能である。
なお、軌跡サンプル点と道路サンプル点とは所定間隔で設定されていれば良い。すなわち、軌跡サンプル点の単位距離当たりの数と道路サンプル点と道路サンプル点の単位距離当たりの数を一致させることで、移動軌跡と既存道路とが一致している区間におけるサンプル点の数が移動軌跡と既存道路との双方において同一になるように設定されていれば良い。この構成によれば、軌跡サンプル点と道路サンプル点との対応関係を定義するのみで、補正された移動軌跡と既存道路とが対応している区間と対応していない区間とを明らかにすることができる。
さらに、新規道路取得手段が、道路サンプル点が対応づけられていない軌跡サンプル点が存在する移動軌跡上の区間を最も近い道路サンプル点に対して接続するように移動させ、当該区間の移動後の位置が新規道路の位置であると見なす構成としても良い。すなわち、補正された移動軌跡と既存道路との間にはわずかに位置のずれが生じている可能性があるが、実際の道路ネットワークにおいて既存道路の端点と新規道路の端点とがずれていることはないはずである。そこで、道路サンプル点が対応づけられていない軌跡サンプル点が存在する移動軌跡上の区間が最も近い道路サンプル点に対して接続するように移動させれば、移動後の位置を新規道路の位置と見なすことができる。この結果、正確に新規道路の位置を定義することができる。
さらに、移動後の移動軌跡と既存道路との差異が最も少なくなるように移動軌跡を移動させるための構成例として、移動軌跡補正手段が、既存道路に移動軌跡を最も長く対応づけることが可能な移動を示す移動ベクトルで移動軌跡の位置を移動させる補正を行う構成としても良い。すなわち、移動量と移動方向の組み合わせで定義される移動ベクトルに従って移動軌跡を移動させる補正を行うことを想定すると、移動後の移動軌跡が既存道路に対応している程度を移動ベクトル毎に評価することができる。そこで、移動後の移動軌跡を既存道路に最も長く対応づけることが可能な移動ベクトルを選定すれば、移動後の移動軌跡と既存道路との差異が最も少なくなるように移動軌跡を移動させるための移動ベクトルを容易に特定することができる。
さらに、移動軌跡取得手段が、マップマッチングしている状態からマップマッチングしていない状態へ変化した点と、マップマッチングしていない状態からマップマッチングしている状態へ変化した点と、の間の区間、および当該区間の前後所定距離の区間における移動軌跡を取得する構成であっても良い。すなわち、移動軌跡を移動させる補正を行うため、マップマッチングしている状態の移動軌跡が、マップマッチングしていない状態の移動軌跡が、マップマッチングしている状態の移動軌跡が連続している場合に、各状態の軌跡を含む移動軌跡を取得する構成とする。この構成によれば、既存道路から新規道路に移行した場合の移動軌跡または新規道路から既存道路に移行した場合の移動軌跡または既存道路、新規道路、既存道路と移行した場合の移動軌跡を解析対象とすることができる。
さらに、移動軌跡取得手段が、マップマッチングしている第1状態の後にマップマッチングしていない第2状態となり、当該第2状態の後、マップマッチングしている第3状態となった場合における前記移動体の軌跡を前記移動軌跡として取得するとともに、第3状態の移動軌跡は第1状態の移動軌跡より短くなるように設定されていても良い。このような状況は例えば、既存道路、新規道路、既存道路と移行した場合の移動軌跡を、移動軌跡取得手段が解析対象として取得した場合において、既存道路から新規道路に移行する前における既存道路上での移動軌跡が、新規道路から既存道路に移行した後における既存道路上での移動軌跡より長くなるように構成されていても良い。この構成によれば、既存道路から新規道路に移行する前における既存道路上での移動軌跡が、新規道路から既存道路に移行した後における既存道路上での移動軌跡以下である場合と比較して、早期に解析を開始することが可能になる。
さらに、移動軌跡補正手段が、既存道路上で移動体が走行した車線を推定し、当該車線に移動軌跡が近づくように移動軌跡の位置を補正する構成を採用しても良い。この構成によれば、移動体が異なる車線を移動することに起因して移動軌跡と既存道路とが対応するか否かの判定精度が低下することを防止することができる。なお、既存道路上で移動体が走行した車線を推定するための構成としては種々の構成を採用可能である。例えば、図1に示す構成において、地図情報30aのリンクデータが車線を特定するための情報(例えば、車線数、車線の幅、車線の境界線のパターンを示す情報等)を含む構成とする。さらに、制御部20が、車両に搭載されたカメラ等のセンサによって取得した路面のペイントを示す情報と地図情報30aが示す車線を特定するための情報とを照合すれば、車両が走行している車線の位置を特定することができる。そこで、制御部20が、既存道路の位置が道路の中央ではなく、当該車線の位置であると見なし、車両が走行した車線の位置に移動軌跡が近づくように移動軌跡を補正すれば、移動軌跡の位置を正確に補正することが可能になる。
なお、新規道路の位置を特定する際に、車線と道路の中央の位置との距離に応じて新規道路の位置を調整してもよい。例えば、補正された移動軌跡は車線の位置に対応するように移動されているため、地図情報において道路の中央の位置が道路の位置として定義される場合、移動軌跡の位置と道路の中央の位置とには、ずれが生じている。そこで、当該ずれを解消するように移動軌跡の位置を補正して新規道路の位置としても良い。
さらに、本発明のように、移動軌跡が既存道路に近づくように移動軌跡の位置を補正した後、補正後の移動軌跡に対応していない区間を新規道路として取得する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のようなシステムを備えた地図情報の管理システムやナビゲーションシステム、方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
10…地図情報生成システム、20…制御部、21…地図情報生成プログラム、21a…移動軌跡取得部、21b…移動軌跡補正部、21c…新規道路取得部、30…記録媒体、30a…地図情報、30b…移動軌跡情報、40…ユーザI/F部、41…車速センサ、42…ジャイロセンサ、43…GPS受信部

Claims (8)

  1. 移動体の移動軌跡を取得する移動軌跡取得手段と、
    既存道路に前記移動軌跡が近づくように前記移動軌跡の位置を補正する移動軌跡補正手段と、
    補正された前記移動軌跡が前記既存道路に対応しない区間を新規道路として取得する新規道路取得手段と、
    前記新規道路を示す情報を地図情報に追加する新規道路追加手段と、を備え、
    前記移動軌跡取得手段は、前記新規道路と前記新規道路の前後とにおける前記移動軌跡を取得し、
    前記移動軌跡補正手段は、取得された前記移動軌跡の全体を補正する、
    ことを特徴とする地図情報生成システム。
  2. 前記移動軌跡取得手段は、
    マップマッチングしている状態からマップマッチングしていない状態へ変化した点と、マップマッチングしていない状態からマップマッチングしている状態へ変化した点と、の間の区間、および当該区間の前後の区間における前記移動体の軌跡を前記移動軌跡として取得する、
    請求項1に記載の地図情報生成システム。
  3. 前記移動軌跡取得手段は、
    マップマッチングしている第1状態の後にマップマッチングしていない第2状態となり、当該第2状態の後、マップマッチングしている第3状態となった場合における前記移動体の軌跡を前記移動軌跡として取得するとともに、
    前記第3状態の前記移動軌跡は前記第1状態の前記移動軌跡より短い、
    請求項1または請求項2に記載の地図情報生成システム。
  4. 前記新規道路取得手段は、
    補正された前記移動軌跡が前記既存道路に対応しない区間を補正された前記移動軌跡から切断し、切断された区間が前記既存道路に接続するように移動させ、当該区間の移動後の位置が前記新規道路の位置であると見なす、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の地図情報生成システム。
  5. 前記新規道路取得手段は、
    補正された前記移動軌跡上に所定間隔で仮想的な点である軌跡サンプル点を設定し、前記既存道路上に前記所定間隔で仮想的な点である道路サンプル点を設定し、
    距離が最も近い前記軌跡サンプル点と前記道路サンプル点とを対応付けた場合に、前記道路サンプル点が対応づけられていない前記軌跡サンプル点が存在する前記移動軌跡上の区間に基づいて前記新規道路を取得する、
    請求項1〜請求項4のいずれかに記載の地図情報生成システム。
  6. 前記新規道路取得手段は、
    前記道路サンプル点が対応づけられていない前記軌跡サンプル点が存在する前記移動軌跡上の区間の端点を最も近い前記道路サンプル点に対して接続するように移動させ、当該区間の移動後の位置が前記新規道路の位置であると見なす、
    請求項5に記載の地図情報生成システム。
  7. 移動体の移動軌跡を取得する移動軌跡取得工程と、
    既存道路に前記移動軌跡が近づくように前記移動軌跡の位置を補正する移動軌跡補正工程と、
    補正された前記移動軌跡が前記既存道路に対応しない区間を新規道路として取得する新規道路取得工程と、
    前記新規道路を示す情報を地図情報に追加する新規道路追加工程と、を含
    前記移動軌跡取得工程では、前記新規道路と前記新規道路の前後とにおける前記移動軌跡を取得し、
    前記移動軌跡補正工程では、取得された前記移動軌跡の全体を補正する、
    ことを特徴とする地図情報生成方法。
  8. 移動体の移動軌跡を取得する移動軌跡取得機能と、
    既存道路に前記移動軌跡が近づくように前記移動軌跡の位置を補正する移動軌跡補正機能と、
    補正された前記移動軌跡が前記既存道路に対応しない区間を新規道路として取得する新規道路取得機能と、
    前記新規道路を示す情報を地図情報に追加する新規道路追加機能と、をコンピュータに実現させ
    前記移動軌跡取得機能では、前記新規道路と前記新規道路の前後とにおける前記移動軌跡を取得する機能をコンピュータに実現させ、
    前記移動軌跡補正機能では、取得された前記移動軌跡の全体を補正する機能をコンピュータに実現させることを特徴とする地図情報生成プログラム。
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