JP2018189029A - 異常監視システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの始動時間に基づいて、エンジン始動系部品の故障の有無を監視する異常監視システムにおいて、監視精度を高める。【解決手段】車両Aの始動時間に基づいてエンジン始動系部品の故障の有無を監視する異常監視システム70である。車両Aには、始動時間と変動要因情報とを情報センター71へ送信可能なデータ送信装置が搭載されている。情報センター71には、複数の他車両B,C,D,…から始動時間および変動要因情報を受信可能なサーバー72が設けられている。サーバー72は、車両Aの始動時間が複数の他車両B,C,D,…の始動時間と比較して長い場合には、変動要因および変動要因と始動時間との相関性に関する、複数の他車両B,C,D,…と車両Aとの比較に基づいて、車両Aの始動時間の長期化が故障によるものか、使用態様によるものかを判定し、判定結果を車両Aの運転者に伝達する。【選択図】図3

Description

本発明は、異常監視システムに関し、特に、エンジン始動系部品の故障の有無を監視する異常監視システムに関するものである。
従来から、車両の状態に基づいて車両構成部品の故障の有無を監視する様々なシステムが構築されているところ、エンジン始動系部品については、エンジンの始動時間に基づいて故障の有無を監視することが多い。
例えば特許文献1には、バッテリに電気的に接続された電池の状態検出装置によって始動電圧と始動時間との関係を監視し、始動電圧が高いにもかかわらず始動時間が長くなる現象が現れた場合に、始動系の異常を警報するバッテリの状態検出装置が開示されている。
特開2009−40070号公報
上記特許文献1のものでは、始動系の電気接点が劣化すると、接点の抵抗値が変動して始動時間が長くなることに着目し、始動電圧が高いにもかかわらず始動時間が長くなる現象が現れた場合に、始動系の異常を検知するようにしている。
しかしながら、始動時間が長くなる現象は、劣化によってのみ生じる訳ではなく、例えば、エンジン水温が低い、ソーク時間が長い、といった劣化とは無関係な要因に起因して生じることもある。
また、一口に劣化といっても、使用態様等に応じて生じる通常の経年劣化と、寿命が想定外に短い劣化(所謂故障)とがあるところ、かかる経年劣化と故障とを、始動時間に基づいて明確に判別することは容易ではない。なぜなら、始動時間が長いときに、例えば、総走行距離が短かれば故障と、総走行距離が長ければ通常の経年劣化と、切り分けることも考えられるが、総走行距離が短くても、上述の如く劣化とは無関係な要因に起因して始動時間が長くなる場合があり、かかる場合に故障と誤判定するおそれがあるからである。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンの始動時間に基づいて、エンジン始動系部品の故障の有無を監視する異常監視システムにおいて、監視精度を高める技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る異常監視システムでは、複数の他車両から始動時間および始動時間に影響する変動要因を取得するとともに、これら複数の他車両における始動時間や変動要因等との比較に基づき、対象車両の始動時間の長期化が、使用態様(車両の使われ方)によるものか否かを判定するようにしている。
具体的には、本発明は、複数の車両と情報センターとを備え、対象車両におけるエンジンの始動時間に基づいてエンジン始動系部品の故障の有無を監視する異常監視システムを対象としている。
そして、上記対象車両には、始動時間と、始動時間に影響する変動要因に関する変動要因情報と、を上記情報センターへ送信可能な送信手段が搭載され、上記情報センターには、上記と同種の送信手段が搭載された複数の他車両から、始動時間および変動要因情報を受信可能なサーバーが設けられており、上記サーバーは、上記対象車両の始動時間が上記複数の他車両の始動時間と比較して長い場合には、変動要因および変動要因と始動時間との相関性に関する、当該複数の他車両と当該対象車両との比較に基づいて、当該対象車両の始動時間の長期化が故障によるものか、使用態様によるものかを判定し、当該判定結果を当該対象車両の運転者に伝達するように構成されていることを特徴とするものである。
なお、本発明において「エンジン始動系部品」とは、例えばバッテリや燃料ポンプやインジェクタ等といったエンジン始動に直接的に用いられる部品のみならず、例えばエンジン水温センサや燃圧センサ等といった、間接的ではあるがエンジン始動制御に関連する部品をも含むものである。
また、本発明において「故障」とは、耐用年数内での使用に伴って生じる通常の経年劣化とは異なり、耐用年数内であるにも拘わらず想定外の短さで寿命を迎える(作動不良等を生じる)場合を意味する。
さらに、本発明において「変動要因」とは、例えば、総走行距離や、使用負荷領域や、燃料の圧力(燃圧)や、エンジン水温や、圧縮圧等といった、それらの変動がエンジンの始動時間に影響するものを意味する。
また、本発明において「変動要因と始動時間との相関性」とは、変動要因と始動時間との関係性を表すものであり、例えば(変動要因、始動時間)を(x、y)で表した点列を直線近似して得られる近似直線の傾きや、変動要因および始動時間の標準偏差と共分散とに基づいて算出される相関係数などを挙げることができる。
以上を前提にして、本発明によれば、対象車両の始動時間が複数の他車両の始動時間と比較して同等である場合や短い場合には、サーバーにおいて当然に故障なしと判定される。
一方、対象車両の始動時間が複数の他車両の始動時間と比較して長い場合には、変動要因および変動要因と始動時間との相関性に関して、複数の他車両と対象車両との比較を行う。
例えば、「変動要因」として、総走行距離、燃圧およびエンジン水温が取得されている場合に、「相関性」として、複数の他車両における近似直線の傾き1(始動時間/総走行距離)、傾き2(始動時間/燃圧)、傾き3(始動時間/エンジン水温)が取得されていると仮定する。
そうして、複数の他車両との比較において、例えば、対象車両の総走行距離が長く且つT1=始動時間/総走行距離が傾き1から外れておらず、対象車両の燃圧が平均的で且つT2=始動時間/燃圧が傾き2から外れており、対象車両のエンジン水温が平均的で且つT3=始動時間/エンジン水温が傾き3から外れているという比較結果が得られたとする。この比較結果から、燃圧およびエンジン水温が平均的であることから、T2と傾き2とのズレおよびT3と傾き3とのズレは総走行距離による影響と推測されるので、当該比較結果は、対象車両の始動時間の長期化が使用態様(総走行距離)によるとの1つの判定材料になる。
また、複数の他車両との比較において、例えば、対象車両の総走行距離が平均的で且つT1が傾き1から外れており、対象車両の燃圧が低く且つT2が傾き2から外れておらず、対象車両のエンジン水温が平均的で且つT3が傾き3から外れているという比較結果が得られたとする。この比較結果から、T1と傾き1とのズレおよびT3と傾き3とのズレが燃圧による影響と推測されるので、当該比較結果は、対象車両の始動時間の長期化がインジェクタや高圧燃料ポンプ等の故障によるとの1つの判定材料になる。
さらに、複数の他車両との比較において、例えば、対象車両の総走行距離が平均的で且つT1が傾き1から外れており、対象車両の燃圧が平均的で且つT2が傾き2から外れており、対象車両のエンジン水温が平均的で且つT3が傾き3から外れているという比較結果が得られたとする。この比較結果から、これらのズレは燃圧またはエンジン水温の誤検出による影響と推測されるので、当該比較結果は、対象車両の始動時間の長期化が燃圧センサまたはエンジン水温センサの故障によるとの1つの判定材料になる。
このように、本発明では、対象車両における始動時間の長期化の原因を、変動要因および変動要因と始動時間との相関性に基づき、多角的に分析することから、対象車両の始動時間の長期化が故障によるものか、使用態様によるものかの判定精度を向上させることができ、これにより、異常監視システムにおける監視精度を向上させることができる。
そうして、判定結果を対象車両の運転者に伝達することで、対象車両に関する情報を運転者に呈示して、例えば故障個所の修理を促したり、始動時間が遅いことに違和感を覚える運転者に安心感を与えたりすることができる。
以上説明したように、本発明に係る異常監視システムによれば、エンジンの始動時間に基づく、エンジン始動系部品の故障の有無の監視精度を高めることができる。
本発明の実施形態に係る車両に搭載されるエンジンの要部を模式的に示す図である。 車両に搭載されるECUを模式的に示すブロック図である。 異常監視システムを模式的に説明する図である。 ECUに記憶されている使用負荷領域履歴の一例を模式的に示すマップ図である。 サーバーによるデータベースの処理手順を模式的に説明する図である。 車両側での制御の一例を示すフローチャートである。 情報センター側での制御の一例を示すフローチャートである。 異常監視システムによる判定結果の利用態様を模式的に説明する図であり、同図(a)は、車両の始動時間の長期化が使用態様による場合を示し、同図(b)は、車両の始動時間の長期化が故障による場合を示す。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
−車両−
図1は、本実施形態に係る車両A(図3参照)に搭載されるエンジン1の要部を模式的に示す図である。図1には1つのシリンダ11(気筒)のみを示すが、本実施形態のエンジン1は、例えば4つのシリンダ11が一列に並んだシリンダブロック12と、このシリンダブロック12の上部に取り付けられたシリンダヘッド13とを備えている。各シリンダ11内には、コネクティングロッド15を介してクランクシャフト16に連結されたピストン14が往復動可能に挿入されている。
シリンダブロック12の下部12aにはオイルOを貯留するオイルパン18が取り付けられており、このオイルパン18とシリンダブロック12の下部12aとによって、クランクシャフト16が収容されるクランクケース19が構成されている。このクランクケース19の内部には、クランクポジションセンサ91が設けられている。また、オイルパン18の底部には、オイルOの温度を検出するエンジン油温センサ92が設けられている。さらに、シリンダブロック12の側壁部には、エンジン水温を検出するエンジン水温センサ93が設けられている。
クランクケース19の内部には、チェーンなどを介してクランクシャフト16により駆動されるオイルポンプ17が設けられている。オイルポンプ17は、オイルストレーナ17aを介して、オイルパン18に貯留されているオイルOを吸い上げて、ピストン14やクランクシャフト16の軸受けなど、エンジン1の各潤滑部に供給するように構成されている。
一方、シリンダ11の上端を閉ざすシリンダヘッド13の下面には、シリンダ11毎に点火プラグ4が設けられるとともに、吸気通路2の下流端部である吸気ポート20と、排気通路3の上流端部である排気ポート30とがそれぞれ開口している。これら吸気ポート20および排気ポート30には、吸気バルブ21および排気バルブ31がそれぞれ設けられていて、これら吸気バルブ21および排気バルブ31は、動弁系の吸気カムシャフト22および排気カムシャフト32によってそれぞれ開閉されるようになっている。
吸気通路2においてエアクリーナ(図示せず)の下流側には、スロットルモータ23aによって駆動されるスロットルバルブ23と、サージタンク24とが設けられており、その下流側に吸気マニホールド25が接続されている。また、吸気通路2には、吸気温センサを内蔵したエアフローメータ94と、スロットルバルブ23の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ95とが設けられている。
また、吸気通路2にはインジェクタ5が設けられており、このインジェクタ5によって吸気ポート20に燃料が噴射されることで混合気が生成される。吸気行程でシリンダ11内に吸入された混合気は、イグナイタ41から高電圧を受けた点火プラグ4により点火される。なお、インジェクタ5には、当該インジェクタ5の燃料噴射圧(燃圧)を検出する燃圧センサ84が設けられている。
各インジェクタ5への燃料供給系は、燃料タンク50と、燃料供給配管51と、高圧燃料ポンプ52と、を備えている。高圧燃料ポンプ52は、例えば吸気カムシャフト22に設けられた駆動カムによってプランジャが駆動されることにより、吸入した燃料を昇圧して吐出する。なお、燃料タンク50には、当該燃料タンク50内の残燃料量を検出する燃料センサ90が設けられている。
一方、排気通路3においては、各シリンダ11の排気ポート30を集合するように排気マニホールド33が設けられている。排気マニホールド33の下流側には、例えば三元触媒など、排気を浄化するための触媒34が設けられており、その上流側には、A/Fセンサ(空燃比センサ)96が設けられ、また、下流側には酸素センサ97が設けられている。
−ECU−
図2は、車両Aに搭載されるECU10を模式的に示すブロック図である。ECU(Electric Control Unit)10は、例えばCPU(Central Processing Unit)61、CPU61が実行するプログラムおよびマップ等を予め記憶したROM(Read Only Memory)62、CPU61が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)63、電源が遮断されている間もデータを保持するバックアップRAM64、入出力インターフェース65等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んでいる。CPU61はRAM63の一時記憶機能を利用しつつ予めROM62に記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両Aの各種制御を実行する。
ECU10には、上述した燃圧センサ84、燃料センサ90、クランクポジションセンサ91、エンジン油温センサ92、エンジン水温センサ93、エアフローメータ94、スロットル開度センサ95、A/Fセンサ96、および、酸素センサ97から、各種の検出結果等を表す信号が入力される。また、ECU10には、図1に示すように、図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ99から、アクセル開度を表す信号が入力される。
さらに、ECU10には、図2に示すように、カメラ80によって撮像された車両Aの周辺の画像データや、時計81によって計測された各種操作等の開始時刻や終了時刻を表す信号や、イグニッションスイッチ85からのイグニッションオンまたはイグニッションオフを表す信号や、外気温センサ86によって検出された外気温を表す信号や、車輪速センサ87によって検出された車輪の回転速度を表す信号や、電流センサ88によって検出されたバッテリ(図示せず)の電流値を表す信号や、電圧計89によって検出されたバッテリの電圧値を表す信号などが入力される。
ECU10は、これらのセンサ等から入力される信号に基づいて種々の制御プログラムを実行することにより、エンジン1の運転制御を行う。具体的には、アクセル開度やエンジン1の負荷率および回転速度や車速等に基づいて、エンジン1の目標トルクを算出し、この目標トルクを出力するように、点火プラグ4による点火時期の制御、インジェクタ5による燃料噴射の制御、およびスロットルモータ23aによるスロットル開度の制御を実行する。また、ECU10は、スタータモータ6によるエンジン1の始動制御を実行する。
加えて、ECU10には、ナビゲーション装置82、データ送信装置7およびデータ受信装置8がそれぞれ接続されている。ナビゲーション装置82は、GPSアンテナ83を介して、複数のGPS衛星から送信された信号を受信する。ナビゲーション装置82は、GPS衛星からの信号を受信することで車両Aの現在地を特定すると、車両Aの現在地情報をECU10に出力するように構成されている。データ送信装置7は、遠隔地にある情報センター71に設けられたサーバー72(図3参照)に各種データを送信するように構成されている。情報センター71は、車両Aから送信される車両情報や、Webサイト等から取得した情報を利用して、運転者に対して種々のサービス情報を提供する施設である。一方、データ受信装置8は、サーバー72から各種データを受信するように構成されている。
以上のように構成されたエンジン1およびECU10を備える車両Aは、以下に説明する本実施形態の異常監視システム70の一部を構成している。
−異常監視システム−
図3は、異常監視システム70を模式的に示す図である。この異常監視システム70は、車両Aを含む複数の車両B,C,D,…と情報センター71とを備え、車両A(対象車両)におけるエンジン1の始動時間t(A)に基づいてエンジン始動系部品の故障の有無を監視するものである。
なお、エンジン1の始動時間とは、クランキングによりエンジン始動が開始されて、インジェクタ5から噴射される燃料の燃焼によりエンジン回転速度が所定回転速度に到達するまでの時間をいう。具体的には、イグニッションスイッチ85のオン(スタータモータ6のオン)から、クランクポジションセンサ91からの信号に基づいて算出されるエンジン回転速度が所定回転速度に到達するまでの時間であり、時計81によって計測される。
また、本実施形態において「エンジン始動系部品」とは、例えばバッテリや点火プラグ4やインジェクタ5や高圧燃料ポンプ52等といったエンジン始動に直接的に用いられる部品のみならず、例えばエンジン水温センサ93や燃圧センサ84等といった、間接的ではあるがエンジン始動制御に関連する部品をも含むものである。
さらに、本実施形態において「故障」とは、耐用年数内での使用に伴って生じる通常の経年劣化とは異なり、耐用年数内であるにも拘わらず想定外の短さで寿命を迎える(作動不良等を生じる)場合を意味する。具体的には、燃料供給系でいえば高圧燃料ポンプ52の燃圧不足や、燃圧センサ84の特性ズレによる燃圧誤認を、また油密不良としてインジェクタ5のノズルの開弁不良を、さらに摩擦故障としてピストンリング14a(図1参照)の摩耗による圧縮圧の低下などを挙げることができる。
そうして、これらのエンジン始動系部品に「故障」がある場合には、「故障」がない場合に比して、エンジン1の始動時間t(A)は遅れる(長くなる)ことから、本実施形態の異常監視システム70では、基本的には、時計81によって計測されたエンジン1の始動時間t(A)に基づいてエンジン始動系部品の故障の有無を監視する。
しかしながら、始動時間が長くなるという現象は、故障によってのみ生じる訳ではなく、例えば、エンジン水温が低い、ソーク時間が長い、といった劣化とは無関係な要因(使用態様)に起因して生じることもある。
また、使用態様等に応じて生じる通常の経年劣化と、故障とを、始動時間に基づいて明確に判別することは容易ではない。なぜなら、始動時間が長いときに、例えば、総走行距離が短かれば故障と、総走行距離が長ければ通常の経年劣化と、切り分けることも考えられるが、総走行距離が短くても、上述の如く劣化とは無関係な要因に起因して始動時間が長くなる場合があり、かかる場合に故障と誤判定するおそれがあるからである。
そこで、本実施形態の異常監視システム70では、複数の他車両B,C,D,…から始動時間および始動時間に影響する変動要因を取得するとともに、これら複数の他車両B,C,D,…における始動時間や変動要因等との比較に基づき、車両Aの始動時間t(A)の長期化が、使用態様等によるものか否かを判定するようにしている。
具体的には、監視対象である車両A側では、原則としてエンジン1の始動が行われる度に、ECU10がデータ送信装置(送信手段)7を介して、時計81によって計測された当該車両Aにおけるエンジン1の始動時間t(A)と、始動時間t(A)に影響する変動要因に関する変動要因情報と、を情報センター71へ送信する。
かかる「変動要因情報」の例として、以下の情報を挙げることができる。
(1)燃圧
燃圧が低ければ始動時間は長くなり、高ければ始動時間は短くなる傾向にあることから、燃圧は始動時間に影響する変動要因といえる。燃圧は、燃圧センサ84によって検出される。燃圧は、始動時間t(A)の長期化が、インジェクタ5、高圧燃料ポンプ52、燃圧センサ84の「故障」によるとの1つの判定材料になる。
(2)前回のイグニッションオフ時刻および今回のイグニッションオン時刻
今回のイグニッションオン時刻と前回のイグニッションオフ時刻との差であるソーク時間が長ければ始動時間は長くなり、短ければ始動時間は短くなる傾向にあることから、これらの時刻は始動時間に影響する変動要因といえる。前回のイグニッションオフと今回のイグニッションオンとは、時計81とイグニッションスイッチ85とによって検出される。ソーク時間は、始動時間t(A)の長期化が使用態様によるとの1つの判定材料になる。
(2a)直近前回トリップ時のエンジン水温
なお、ソーク時間を算出するのに、直近前回トリップ時のエンジン水温を用いてもよい。より詳しくは、エンジン水温センサ93によって検出された直近前回トリップ時のエンジン水温および現在のエンジン水温と、外気温センサ86によって検出される外気温とから、当該外気温下でエンジン水温の上がり方(または下がり方)を見て、ソーク時間を算出してもよい。
(3)エンジン水温(今回始動時)
エンジン水温が低ければ始動時間は長くなり、高ければ始動時間は短くなる傾向にあることから、エンジン水温は始動時間に影響する変動要因といえる。エンジン水温は、エンジン水温センサ93によって検出される。エンジン水温は、始動時間t(A)の長期化が、使用態様によるとの1つの判定材料になるとともに、エンジン水温センサ93の「故障」によるとの1つの判定材料になる。
(4)外気温
外気温が高い場合には、インジェクタ5の油密洩れが大きくなり、燃焼状態が悪化してエンジンが始動不良となる場合があることから、外気温は始動時間に影響する変動要因といえる。外気温は、外気温センサ86によって検出される。外気温は、始動時間t(A)の長期化が使用態様によるとの1つの判定材料にとともに、外気温センサ86の「故障」によるとの1つの判定材料になる。
(5)総走行距離
総走行距離が長ければ始動時間は長くなり、短ければ始動時間は短くなる傾向にあることから、総走行距離は始動時間に影響する変動要因といえる。総走行距離は、車輪速センサ87の検出結果に基づいて算出される。総走行距離は、始動時間t(A)の長期化が使用態様によるとの有力な判定材料になる。
(6)使用負荷領域履歴
過去に厳しい運転条件で使用された時間が長ければ始動時間は長くなり、短ければ始動時間は短くなる傾向にあることから、使用負荷領域履歴は始動時間に影響する変動要因といえる。使用負荷領域履歴は、例えば図4に示すように、どのようなエンジン回転速度においてどのような負荷率で車両Aが何時間TA、TB、…、TL使用されてきたかを表すものであり、マップ化されてROM62に記憶されている。使用負荷領域履歴は、始動時間t(A)の長期化が使用態様によるとの有力な判定材料になる。
なお、後述するように、他車両B,C,D,…の使用負荷領域履歴と車両Aの使用負荷領域履歴とを比較する場合には、例えば高回転−高負荷における使用時間TL同士を比較することで、車両Aが他車両B,C,D,…に比して、過去に厳しい運転条件で使用された時間が長いか否かを判定することができる。
(6a)直近前回の1トリップにおける走行距離
使用負荷領域履歴の一態様として、直近前回の1トリップにおける走行距離を採用してもよい。つまり、直近前回の1トリップにおける走行距離が余りに短いと、燃焼状態が良くなる前にイグニッションオフされた可能性が高く、今回の始動時間t(A)が長くなる一要因となり得る。
(7)エンジン油温
エンジン油温が低ければオイルOの粘性が高くなって始動時間は長くなり、高ければオイルOの粘性が低くなって始動時間は短くなる傾向にあることから、エンジン油温は始動時間に影響する変動要因といえる。エンジン油温は、エンジン油温センサ92によって検出される。エンジン油温は、始動時間t(A)の長期化が使用態様によるとの1つの判定材料になるとともに、エンジン油温センサ92の「故障」によるとの1つの判定材料になる。
(8)バッテリ電流およびバッテリ電圧
バッテリ電流およびバッテリ電圧が低ければ始動時間は長くなることから、これらは始動時間に影響する変動要因といえる。バッテリ電流およびバッテリ電圧は、電流センサ88および電圧計89によってそれぞれ検出される。バッテリ電流およびバッテリ電圧は、始動時間t(A)の長期化が、バッテリ、電流センサ88、電圧計89の「故障」によるとの1つの判定材料になる。
(9)吸入空気量
吸入空気量が少なければ始動時間は長くなり、多ければ始動時間は短くなる傾向にあることから、吸入空気量は始動時間に影響する変動要因といえる。吸入空気量は、エアフローメータ94によって検出される。吸入空気量は、始動時間t(A)の長期化が、スロットルモータ23a、エアフローメータ94の「故障」によるとの1つの判定材料になる。
(10)画像、現在地情報および燃料残量
画像、現在地情報および燃料残量は、それら単体では始動時間に影響する変動要因とはいえないが、これらを合わせることで、始動時間に影響する変動要因データの適正化に資することになる。例えば、通常であれば燃料の品質は特に問題にはならないが、地域によっては品質の低い燃料が給油される場合があり、この場合には、始動時間が明らかに遅くなるため、このような始動時間は特異点として除去するのが好ましい。もっとも、坂道等を走行していると、燃料センサ90が燃料残量の増加を検出する場合があるため、給油によって燃料残量が増えたか否かを燃料センサ90のみで判断することは容易ではない。そこで、例えば、画像によってガソリンスタンドが確認され、ナビゲーション装置82からの現在地情報によって品質の低い燃料が給油され得る地域か否かが確認され、且つ、燃料センサ90によって燃料残量の増加が確認された場合には、このような状況下での始動時間t(A)をデータベースから除去することができる。
(10a)給油後走行距離
給油後走行距離も、それ単体では始動時間に影響する変動要因とはいえないが、品質の低い燃料が給油されることで始動時間が明らかに遅くなるという現象がいつまで継続されるか、換言すると、特異点としていつまで除去するかの判定材料となることで、始動時間に影響する変動要因データの適正化に資することになる。
一方、情報センター71には、図3に示すように、サーバー72が設けられており、このサーバー72が、車両Aからの始動時間t(A)および変動要因情報を受信するとともに、車両Aと同種のECUおよびデータ送信装置が搭載された複数の他車両B,C,D,…から始動時間および変動要因情報を受信する。これにより、サーバー72には、本発明が適用される複数の車両A,B,C,D,…から、始動時間、燃圧、前回のイグニッションオフ時刻、今回のイグニッションオン時刻、直近前回トリップ時のエンジン水温、エンジン水温(今回始動時)、外気温、総走行距離、使用負荷領域履歴、直近前回の1トリップにおける走行距離、エンジン油温、バッテリ電流、バッテリ電圧、吸入空気量、画像、現在地情報、燃料残量などの情報が集積されるようになっている。
先ず、サーバー72は、車両Aの始動時間t(A)が複数の他車両B,C,D,…の始動時間と比較して長いか否かを判定する。具体的には、サーバー72は、図3(a)に示すように、複数の車両A,B,C,D,…から送信された始動時間を、横軸に始動時間を縦軸に頻度をとってヒストグラム化し、このヒストグラムに基づいて、車両Aから送信された始動時間t(A)が長いか(長期化しているか)否かを判定する。
ここで、サーバー72は、例えば車両Aの始動時間t(A)が最頻値であれば、車両Aの始動時間t(A)は長期化していないと、換言すると、「始動時間良好」と判定し、その判定結果を車両Aのデータ受信装置8に送信する。
これに対し、車両Aの始動時間t(A)が複数の他車両B,C,D,…の始動時間と比較して長い場合には、換言すると、図3(a)に示すように、車両Aの始動時間t(A)が最頻値から大きく外れている場合には、サーバー72は判定処理を継続する。具体的には、サーバー72は、変動要因および変動要因と始動時間との相関係数(相関性)に関する、複数の他車両B,C,D,…と車両Aとの比較に基づいて、車両Aの始動時間t(A)の長期化が故障によるものか、使用態様によるものかを判定する。
なお、比較対象は全車両(複数の他車両B,C,D,…)である必要はなく、例えば複数の他車両B,C,D,…のうち所定の条件に合致する車両群を比較対象としてもよい。具体的には、複数の他車両B,C,D,…のうち、例えば始動時間が車両Aと同等である車両群や、総走行距離が車両Aと同等である車両群など、複数の他車両のうち始動時間および/または変動要因が車両Aと似ている車両群を比較対象としてもよい。もっとも、以下では、車両Aとの比較対象を、全車両(複数の他車両B,C,D,…)として、サーバー72が実行する判定処理を説明する。
サーバー72は、図3(b)に示すように、集積されたデータを、変動要因毎に層別化する。なお、層別化される変動要因は、複数の車両A,B,C,D,…から直接送信された変動要因である必要はなく、例えば変動要因同士を組み合わせたり、変動要因に基づいて算出したりすることで得られた変動要因でもよい。具体的な変動要因例としては、燃圧、給油後走行距離、ソーク時間、直近前回トリップ時のエンジン水温、エンジン水温(今回始動時)、外気温、吸入空気量、バッテリ電流、バッテリ電圧、総走行距離、直近前回の1トリップにおける走行距離、使用負荷領域履歴、最高速度、平均車速、圧縮抜け回数、クランキング回転速度、A/F学習値、スロットルデポ学習値などを挙げることができる。
サーバー72は、上述の如く、画像、現在地情報、燃料残量および給油後走行距離などに基づき、層別化された変動要因毎のデータから、異常に長い始動時間を特異点として抽出(除去)し、図3(c)に示すように、適正化された変動要因毎のデータに基づき、各変動要因をヒストグラム化するとともに、各変動要因と始動時間との相関係数をヒストグラム化する。例えば、燃圧であれば、燃圧および燃圧−始動時間相関係数をヒストグラム化し、また、ソーク時間であれば、ソーク時間およびソーク時間−始動時間相関係数をヒストグラム化し、さらに、エンジン水温であれば、エンジン水温およびエンジン水温−始動時間相関係数をヒストグラム化する。なお、相関係数は、(相関係数)=(共分散)÷((始動時間の標準偏差)×(変動要因の標準偏差))で算出される。
サーバー72は、図3(d)に示すように、変動要因毎に得られた、変動要因のヒストグラムおよび変動要因−始動時間相関係数のヒストグラムを用いて、車両Aの始動時間t(A)および各変動要因との比較に基づいて、始動時間t(A)の長期化が故障によるものか、使用態様によるものかを判定する。
例えば、複数の他車両B,C,D,…との比較において、車両Aの燃圧(変動要因)が最頻値から外れ(低く)且つ相関係数が最頻値からほとんど外れておらず、車両Aのソーク時間(変動要因)が最頻値で且つ相関係数が最頻値から外れており、車両Aのエンジン水温(変動要因)が最頻値で且つ相関係数が最頻値から外れているという比較結果が得られたとする。この比較結果から、ソーク時間およびエンジン水温が最頻値であるにもかかわらず、ソーク時間およびエンジン水温の相関係数が最頻値から外れているのは、燃圧による影響と推測される。よって、この比較結果は、車両Aの始動時間t(A)の長期化がインジェクタ5や高圧燃料ポンプ52の故障によるとの1つの判定材料になる。
また、複数の他車両B,C,D,…との比較において、車両Aの燃圧が最頻値で且つ相関係数が最頻値から外れており、車両Aのソーク時間が最頻値から外れ(短く)且つ相関係数が最頻値からほとんど外れておらず、車両Aのエンジン水温が最頻値で且つ相関係数が最頻値から外れているという比較結果が得られたとする。この比較結果から、燃圧およびエンジン水温の相関係数が最頻値から外れているのは、ソーク時間による影響と推測される。よって、この比較結果は、車両Aの始動時間t(A)の長期化が使用態様(ソーク時間の短さ)によるとの1つの判定材料になる。
さらに、複数の他車両B,C,D,…との比較において、車両Aの燃圧が最頻値で且つ相関係数が最頻値から外れており、ソーク時間が最頻値で且つ相関係数が最頻値から外れており、エンジン水温が最頻値で且つ相関係数が最頻値から外れているという比較結果が得られたとする。この比較結果から、これらのズレは燃圧またはエンジン水温の誤検出による影響と推測される。よって、この比較結果は、車両Aの始動時間t(A)の長期化が燃圧センサ84またはエンジン水温センサ93の故障によるとの1つの判定材料になる。
なお、このような全車両(複数の他車両B,C,D,…)から得られた変動要因のヒストグラムおよび変動要因−始動時間相関係数のヒストグラムのみならず、例えば、図5(a)に示すように、始動時間が良好な(例えば上位20%の)車両から得られる、変動要因のヒストグラムおよび変動要因−始動時間相関係数のヒストグラムや、図5(b)に示すように、始動時間が不良な(例えば下位20%の)車両から得られる、変動要因のヒストグラムおよび変動要因−始動時間相関係数のヒストグラムを判定に用いてもよい。これらのヒストグラムも車両Aの始動時間t(A)の長期化の原因を探る上で、重要な判定材料となる。
以上のように、複数の変動要因毎に比較結果を一つ一つ積み上げていくことで、始動時間t(A)の長期化の原因を絞り込むことが可能となる。つまり、本実施形態では、車両Aにおける始動時間t(A)の長期化の原因を、変動要因および変動要因と始動時間との相関係数に基づき、多角的に分析することから、車両Aの始動時間t(A)の長期化が故障によるものか、使用態様によるものかの判定精度を向上させることができる。
そうして、例えば、燃圧が想定外に低い場合や、バッテリ電圧および電流が想定外に低い場合など、車両Aの始動時間t(A)の長期化が特定のエンジン始動系部品の故障による可能性が高い場合には、サーバー72は「故障による始動時間不良」と判定を行う。
一方、例えば、エンジン水温が低いため、ソーク時間が短いため、総走行距離が長いため、車両Aが厳しい運転状態を経てきた(使用負荷領域履歴)ためなど、車両Aの始動時間t(A)の長期化が特定の使用態様による可能性が高い場合には、サーバー72は「使用態様による始動時間不良」と判定を行う。
ここで、車両Aの始動時間t(A)の長期化が、故障によるものか使用態様によるものか微妙な場合や、複数の変動要因に起因している可能性がある場合などが当然予想されるが、これらの場合に、サーバー72は、「故障による始動時間不良」とは積極的に判定せず、一旦「使用態様による始動時間不良」との判定を行う。このようにすることで、次回以降のエンジン1の始動時までに、複数の他車両B,C,D,…からの情報送信によって更なるデータが蓄積されることになる。また、例えば、車両Aと同様の状態の他車両が特定のエンジン始動系部品の故障を修理した場合には、そのような情報も蓄積されることになる。これらを通じてサーバー72の学習が行われ、その判定精度を逐次高めることができるので、今回は積極的な判定が行われなくても、次回以降に、車両Aの始動時間t(A)の長期化が故障によるものか、使用態様によるものかの判定を行うことが可能になる。
そうして、サーバー72は、図3(e)に示すように、「始動時間良好」、「故障による始動時間不良」または「使用態様による始動時間不良」といった判定結果を車両Aのデータ受信装置8に送信する。ECU10は、インストルメントパネルに設けられたディスプレイ(図示せず)や音声を通じて、これらの判定結果を運転者に伝達する。
−フローチャート−
次に、ECU10が実行する車両A側での制御の一例を、図6に示すフローチャートを参照しながら説明するとともに、サーバー72が実行する情報センター71側での制御の一例を、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図6に示すように、先ずステップSA1では、ECU10が、イグニッションスイッチ85からの信号に基づき、クランキングが開始されたか否かを判定する。このステップSA1での判定がNOの場合には、そのままENDする。一方、このステップSA1での判定がYESの場合には、ECU10が時計81によって計測されたクランキング開始時刻を記憶し、ステップSA2に進む。
次のステップSA2では、ECU10が、エンジン始動が完了したか否かを判定する。ECU10は、クランクポジションセンサ91からの信号に基づいて算出されるエンジン回転速度が所定回転速度に到達していない場合には、否定(NO)判定を行う。一方、エンジン回転速度が所定回転速度に到達した場合には、ECU10は、肯定(YES)判定を行うとともに、時計81によって計測されたクランキング終了時刻と記憶したクランキング開始時刻に基づき始動時間t(A)を算出した後、ステップSA3に進む。
次のステップSA3では、ECU10が、車両Aの現在地がデータ送信装置7から情報センター71へ情報を送信可能な位置か否かを判定する。このステップSA3での判定がNOの場合には、情報センター71への情報の送信タイミングを待つ一方、車両Aが移動することで、ステップSA3での判定がYESになった場合には、ステップSA4に進む。
次のステップSA4では、ECU10が、車両Aの始動時間t(A)および変動要因情報を、データ送信装置7を通じて情報センター71へ送信した後、ステップSA5に進む。ここで、一旦情報センター71側での制御の説明に移る。
図7に示すように、先ずステップSB1では、サーバー72が、車両Aのデータ送信装置7から、始動時間t(A)および変動要因情報を受信したか否かを判定する。このステップSB1での判定がNOの場合には、そのままENDする。一方、このステップSB1での判定がYESの場合には、サーバー72が、複数の他車両B,C,D,…から受信した情報と共に、車両Aの始動時間t(A)および変動要因情報を集積し、ステップSB2に進む。
次のステップSB2では、サーバー72が、始動時間t(A)と他車両B,C,D,…の始動時間とを比較し、ステップSB3に進む。次のステップSB3では、サーバー72が、始動時間t(A)が他車両B,C,D,…の始動時間と比較して長いか否かを判定する。このステップSB3での判定がNOの場合には、ステップSB4に進み、サーバー72が「始動時間良好」と判定した後、ステップSB10に進む。一方、ステップSB3での判定がYESの場合には、ステップSB5に進む。
次のステップSB5では、サーバー72が、他車両B,C,D,…から受信した情報に基づき、始動時間と各変動要因との相関係数を算出した後、ステップSB6に進む。次のステップSB6では、サーバー72が、変動要因およびステップSB5で算出した相関係数を用いて、他車両B,C,D,…と車両Aとを比較した後、ステップSB7に進む。
次のステップSB7では、サーバー72が、始動時間t(A)が特定の使用態様に起因して長いか否かを判定する。具体的には、サーバー72は、車両Aの始動時間t(A)の長期化が特定の使用態様による可能性が高い場合には肯定(YES)判定を行う。また、サーバー72は、故障によるものか使用態様によるものか微妙な場合や、複数の変動要因に起因している可能性がある場合にも肯定(YES)判定を行う。一方、サーバー72は、車両Aの始動時間t(A)の長期化が特定のエンジン始動系部品の故障による可能性が高い場合には否定(NO)判定を行う。このステップSB7での判定がYESの場合には、ステップSB8に進み、サーバー72が「使用態様による始動時間不良」と判定した後、ステップSB10に進む。一方、ステップSB7での判定がNOの場合には、ステップSB9に進み、サーバー72が「故障による始動時間不良」と判定した後、ステップSB10に進む。
次のステップSB10では、サーバー72が、ステップSB4、ステップSB8、または、ステップSB9の判定結果を車両Aに送信した後、ENDする。ここで、再び車両A側での制御の説明に移る。
図6に示すように、ステップSA5では、ECU10が、情報センター71からの情報を受信可能な状況か否かを判定する。このステップSA5での判定がNOの場合には、そのまま待機する一方、このステップSA5での判定がYESの場合には、ステップSA6に進む。
次のステップSA6では、ECU10が、判定結果を情報センター71(より正確にはサーバー72)から受信した後、ステップSA7に進み、インストルメントパネルに設けられたディスプレイや音声を通じて、これらの判定結果を運転者に伝達し、その後ENDする。
以上のように、車両Aの始動時間t(A)の長期化が故障によるものか、使用態様によるものかの判定精度を向上させることで、本実施形態の異常監視システム70では、監視結果を以下のように利用することが可能となる。
車両Aの始動時間t(A)の長期化が使用態様による場合には、例えば図8(a)で示すように、サーバー72は、運転者に「使用態様による始動時間不良」であることを伝達する(I)とともに、ディーラーに「使用態様による始動時間不良」であることを伝達する(II)。運転者からディーラーに問い合わせ等があった場合(III)には、ディーラーが詳細な使用態様や、故障には至らないまでも摩耗(経年劣化)が生じている部品等の情報を提供し(IV)、要望があれば整備を行うとともに、摩耗部品等の交換を勧める。
一方、車両Aの始動時間t(A)の長期化が故障による場合には、例えば図8(b)で示すように、サーバー72は、運転者に「故障による始動時間不良」であることを伝達する(I)とともに、ディーラーに「故障による始動時間不良」であることを伝達する(II)。また、サーバー72は、メーカーに「故障による始動時間不良」であること、および、始動時間不良発生時の詳細な車両データを送信する(III)。
メーカーは、サーバー72から受信した詳細な車両データに基づき、故障原因を解析し、ディーラーへ故障原因を報告する(IV)。
運転者からディーラーに問い合わせ等があった場合(V)には、ディーラーは故障部品等の修理が必要な旨を伝える(VI)。ディーラーは、運転者が車両Aをディーラーへ入庫するのに先立ち、メーカーへ交換部品を発注する(VII)。これにより、運転者が車両Aをディーラーへ入庫した際には、交換部品が用意されており、速やかに故障の修理を行うことができる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、データ受信装置8を用いて判定結果を受信するようにしたが、これに限らず、例えば、運転者が携帯しているスマートフォン等を用いて判定結果を受信するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、「相関性」として相関係数を採用したが、これに限らず、例えば、(変動要因、始動時間)を(x、y)で表した点列を直線近似して得られる近似直線の傾きを「相関性」として採用してもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、エンジンの始動時間に基づく、エンジン始動系部品の故障の有無の監視精度を高めることができるので、エンジン始動系部品の故障の有無を監視する異常監視システムに適用して極めて有益である。
1 エンジン
7 データ送信装置(送信手段)
70 異常監視システム
71 情報センター
72 サーバー
A 車両(対象車両)
B,C,D 他車両

Claims (1)

  1. 複数の車両と情報センターとを備え、対象車両におけるエンジンの始動時間に基づいてエンジン始動系部品の故障の有無を監視する異常監視システムであって、
    上記対象車両には、始動時間と、始動時間に影響する変動要因に関する変動要因情報と、を上記情報センターへ送信可能な送信手段が搭載され、
    上記情報センターには、上記と同種の送信手段が搭載された複数の他車両から、始動時間および変動要因情報を受信可能なサーバーが設けられており、
    上記サーバーは、上記対象車両の始動時間が上記複数の他車両の始動時間と比較して長い場合には、変動要因および変動要因と始動時間との相関性に関する、当該複数の他車両と当該対象車両との比較に基づいて、当該対象車両の始動時間の長期化が故障によるものか、使用態様によるものかを判定し、当該判定結果を当該対象車両の運転者に伝達するように構成されていることを特徴とする異常監視システム。
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