JP2018187659A - レーザ溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接部の部位に応じた機械的強度の変化を抑制することのできるレーザ溶接方法の提供。【解決手段】連続照射するレーザ光(L1)の軌道(LP10)は、突き合わせた板状体同士(W1、W2)の境界部(W3)に沿って並んで配置させた複数のループ状線(LP1)と、隣接するループ状線(LP1)同士を結ぶ結線(LP2)とを含む。ループ状線(LP1)は、一方の板状体(W1)のループ開始点(LP0)から他方の板状体(W2)を通って一方の板状体(W1)のループ開始点(LP0)に戻るように延びる。結線(LP2)は、一方の板状体(W1)のループ開始点(LP0)同士を結ぶことによって、隣接するループ状線(LP1)同士を結ぶ。一方の板状体(W1)の上方から、突き合わせた板状体同士(W1、W2)の境界部(W3)に向けて、レーザ光(L1)を照射する。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ溶接方法に関する。
互いに突き合わせた一対の板状体同士に、レーザを照射して溶接する溶接方法がある。特許文献1に開示の溶接方法では、一方の板状体と他方の板状体とを行き来するよう、溶接方向に移動する回転中心を周回する螺旋形状を有する軌跡に沿って、レーザを照射して溶接する。
国際公開第2016/194322号
本発明者等は、以下の課題を見出した。
このような溶接方法を用いて溶接した場合、他方の板状体の溶接深さが、一方の板状体の溶接深さよりも浅くなることがある。そのため、溶接部の他方の板状体側の部位における機械的強度が、溶接部の一方の板状体側の部位における機械的強度と比較して小さくなることがあった。
一具体例を用いて説明する。図11に示すように、箔W93を板状体W91、板状体W92の間に挟み込ませたまま板状体W91と板状体W92とを突き合わせつつ、レーザ光L91を箔W93の上方から鉛直方向に照射する。引き続き、溶接方向である紙面奥行方向(ここで、Y軸マイナス側)に移動する回転中心を周回する螺旋形状を有する軌跡に沿って、レーザ光L91を照射する。この照射によって、箔W93、板状体W91、及び板状体W92の一部が溶解し、溶接部W94が形成する。溶接部W94の板状体W92側の溶接深さD92は、溶接部W94の板状体W91側の溶接深さD91よりも浅くなることがある。この一因として、板状体W91におけるレーザ光L91の軌跡は、板状体W92におけるレーザ光L91の軌跡と比較して長いことから、レーザ光L91によって板状体W91側に与えられる照射熱が、板状体W92側に与えられるそれよりも大きいことが考えられる。
本発明は、溶接部の部位に応じた機械的強度の変化を抑制するものとする。
本発明に係るレーザ溶接方法は、
軌道に沿うようにレーザ光を連続して照射して溶接するレーザ溶接方法であって、
前記軌道は、突き合わせた板状体同士(例えば、板状体W1、W2)の境界部に沿って並んで配置させた複数のループ状線と、隣接するループ状線同士を結ぶ結線とを含み、
前記ループ状線は、一方の板状体(例えば、板状体W1)のループ開始点から他方の板状体(例えば、板状体W2)を通って前記一方の板状体の前記ループ開始点に戻るように延び、
前記結線は、前記一方の板状体のループ開始点同士を結ぶことによって、隣接するループ状線同士を結び、
前記一方の板状体の上方に配置したレーザ発振器から、前記突き合わせた板状体同士の境界部に向けて、前記レーザ光を照射する。
このような構成によれば、レーザ光を、一方の板状体側から他方の板状体側に向かって進行するよう照射することができる。これによって、レーザの軌道の単位長さ当たりの、レーザ照射による他方の板状体への入熱量を、一方の板状体への入熱量よりも高めることができる。そのため、他方の板状体の溶接深さが、一方の板状体の溶接深さよりも浅くなり難くなるため、他方の板状体の溶接強度が、一方の板状体の溶接強度と比較して小さくなることを抑制することができる。すなわち、溶接部の部位に応じた機械的強度の変化を抑制することができる。
本発明に係るレーザ溶接方法は、溶接部の部位に応じた機械的強度の変化を抑制することができる。
実施の形態1に係る溶接装置の構成を示す概略図である。 実施の形態1に係る溶接方法を示す模式図である。 実施の形態1に係る溶接方法を示す模式図である。 実施の形態1に係る溶接方法を示す模式図である。 実施の形態1に係る溶接方法の一具体例を示すフローチャートである。 経過時間に対するプラズマ光強度を示すグラフである。 溶接部断面の一具体例を示す写真である。 照射角度に対する最大溶接深さを示すグラフである。 修正後の照射角度を求めるための溶接方法を示す概略図である。 修正後の照射角度でレーザ光を照射する溶接方法を示す概略図である。 レーザ光を照射する溶接方法を示す概略図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
(実施の形態1)
図1〜図4を参照して実施の形態1に係る溶接方法について説明する。図1は、実施の形態1に係る溶接装置の構成を示す概略図である。図2〜図4は、実施の形態1に係る溶接方法を示す模式図である。図1〜4、7、9〜11では、左手系XYZ三次元座標が規定されている。また、図4、9〜11では、ハッチングを適宜省略した。図4は、図に示す被溶接物W10の一部位の断面を示す。
(レーザ溶接装置の一具体例)
実施の形態1に係るレーザ溶接方法1は、図1に示すレーザ溶接装置100を利用して実施することができる。図1に示すように、レーザ溶接装置100は、制御系10と、多関節ロボット20と、NC機30と、溶接ヘッド40とを備える。
制御系10は、レーザ・ヘッド制御部11と、レーザ発振器12と、プラズマ光・熱放射光記録演算部13と、品質記録部14と、多関節ロボットの制御部15と、NC機の制御部16とを含む。
レーザ・ヘッド制御部11は、溶接ヘッド40から信号を受信し、レーザ発振の開始又は停止や、発振させるレーザ光の強度について指令する信号をレーザ発振器12に送る。レーザ発振器12は、レーザ・ヘッド制御部11からの信号を受けて、レーザ光を発振させて、光ファイバ12aを介して溶接ヘッド40に供給する。プラズマ光・熱放射光記録演算部13は、プラズマ光・熱放射光についての信号を溶接ヘッド40から受け取って、所定のプログラムに基づいて演算する。品質記録部14は、プラズマ光・熱放射光記録演算部13が演算した結果を示す信号を受けて、その演算結果を記録する。この演算結果として、プラズマ光・熱放射光の光強度の波形や、溶接部の品質等が挙げられる。多関節ロボットの制御部15、及びNC機の制御部16の少なくとも一方は、プラズマ光・熱放射光記録演算部13の演算結果を示す信号を受けて、この受けた演算結果に基づいて、多関節ロボット20、及びNC機30の少なくとも一方を制御する。
多関節ロボット20は、本体21と、アーム22、23とを備える。本体21は、アーム22をサーボモータ等の駆動部(図示略)を介して鉛直線(図1では、Z軸)回りに回動可能に支持する。アーム22は、サーボモータ等の駆動部(図示略)を介してアーム23と回動可能に接続されており、アーム23は、その先端に溶接ヘッド40を支持する。多関節ロボット20は、本体21と、アーム22、23とを回転駆動させることによって、溶接ヘッド40を所定の三次元空間内において移動させつつ、溶接ヘッド40に所定の姿勢をとらせることができる。
NC機30は、被溶接物W10を支持する支持面31を備え、支持面31を軸Y30(図1では、Y軸に相当)回りに回転して、所定の姿勢をとるように固定することができる。NC機30は、支持面31を軸Y30方向に移動させることができる。
溶接ヘッド40は、レーザ出射口41と、ハーフミラー42と、反射ミラー43と、透過板44と、反射ミラー45と、受光センサ46とを含む。レーザ出射口41と、ハーフミラー42と、反射ミラー43と、透過板44と、反射ミラー45と、受光センサ46とは、例えば、溶接ヘッド40等の内部の所定の位置に固定されている。受光センサ46は、例えば、フォトダイオードセンサである。溶接ヘッド40は、透過板44を所定の姿勢をとりつつ所定の軸回りに回転させることができる。溶接ヘッド40は、例えば、レーザ光L1を透過板44から軸Y30に向けて照射する。レーザ光L1の光軸と、鉛直線Z1(図4参照)との成す照射角度θ1は、例えば、0〜90°の範囲内である。レーザ光L1は、そのまま延長すると、軸Y30と交差する。レーザ光L1の光軸と、X軸との成す照射角度θ2は、例えば、0〜90°の範囲内である。ここでは、軸Y30は、溶接線に相当する。
ここで、レーザ光L1、及び、溶融部W4(図4参照。)又はその近傍から発する反射光L2の経路について説明する。
まず、レーザ発振器12は、図示しない電源から電力を供給されて、レーザ光を発振し、光ファイバ12aを介してレーザ出射口41からハーフミラー42に出射する。ハーフミラー42は、この出射されたレーザ光の少なくとも一部を反射して、反射ミラー43に入射させる。反射ミラー43が、この入射させられたレーザ光を反射し、透過板44を通過させて、板状体W1の上方から、突き合わせた被溶接物W10の板状体W1、W2同士の境界部、又は箔W3に入射させる。被溶接物W10はレーザ光L1を受けて、反射光L2が溶融部W4又はその近傍から発する。反射光L2は、プラズマ光、及び熱放射光の少なくとも一方を含む。
反射光L2の少なくとも一部は、透過板44を通過して、反射ミラー43に入射する。反射ミラー43は、入射した反射光L2の少なくとも一部を反射して、ハーフミラー42を通過させて、さらに、反射ミラー45に入射させる。反射ミラー45は、入射した反射光L2の少なくとも一部を反射して、受光センサ46に入射させる。受光センサ46は、反射光L2を受光し、反射光L2の強度を電圧信号に変換する。プラズマ光・熱放射光記録演算部13は、通信ケーブル等を介して、受光センサ46が変換した信号を受信する。
(レーザ溶接方法1)
図2に示すように、実施の形態1に係るレーザ溶接方法1では、まず、被溶接物W10を所定位置に固定する。被溶接物W10は、板状体W1、W2と、箔W3とを備える。被溶接物W10は、箔W3を板状体W1と板状体W2との間に挟み込ませたまま、板状体W1、W2同士を突き合わせることによって、形成される。図2に示す一例では、箔W3が、板状体W1、W2の境界部に位置する。板状体W1、W2の主面は、水平面(図2では、XY平面)に略平行である。板状体W1の上方に配置したレーザ発振器12から、突き合わせた板状体W1、W2同士の境界部に向けて、レーザ光L1を照射する。レーザ光L1と鉛直線Z1との成す照射角度θは、0°を超えて、90°未満の範囲内である。
図3に示すように、引き続き、軌道LP10に沿うようにレーザ光L1を連続して照射して溶接する。このような軌道LP10に沿って行われる溶接は、ウォブリング溶接とも呼ばれる。軌道LP10は、溶接方向に移動する回転中心を周回する螺旋形状を有する。具体的には、軌道LP10は、突き合わせた板状体W1、W2同士の境界部に沿って並んで配置させた複数のループ状線LP1と、隣接するループ状線LP1同士を結ぶ結線LP2とを含む。言い換えると、軌道LP10は、溶接方向に移動する回転中心を周回する螺旋形状を有する一本の線である。なお、図3では、分かり易くするため結線LP2は、破線として示した。ループ状線LP1は、板状体W1のループ開始点LP0から板状体W2を通って板状体W1のループ開始点LP0に戻るように延びる。結線LP2は、板状体W1のループ開始点LP0同士を結ぶことによって、隣接するループ状線LP1同士を結ぶ。図3に示す一例において、レーザ光L1が照射する板状体W1、W2の部位は、少なくとも、Y軸マイナス側からY軸プラス側に向かって、互いに隣接する4つのループ状線LP1と、この4つのループ状線LP1を結ぶ結線LP2とに倣って移動する。
このようなレーザ溶接方法によれば、レーザ光L1を、一方の板状体W1側から他方の板状体W2側に向かって進行するよう照射することができる。これによって、レーザ光L1の軌道LP10の単位長さ当たりの、レーザ照射による他方の板状体W2への入熱量を、一方の板状体W1への入熱量よりも高めることができる。そのため、溶融部W4が凝固して形成される溶接部における他方の板状体W2の溶接深さが、一方の板状体W1の溶接深さよりも浅くなり難くなる。よって、溶接部における他方の板状体W2側の溶接強度が、溶接部における一方の板状体W1の溶接強度と比較して小さくなることを抑制することができる。すなわち、溶接部の部位に応じた機械的強度の変化を抑制することができる。
(レーザ溶接方法2)
溶接中にレーザ光L1を照射した部位から反射する反射光L2をモニタリングすることによって、溶融部W4の状態を検知し、フィードバックして照射角度を制御するところを除いて、上記したレーザ溶接方法1と同じ構成を備えるレーザ溶接方法2がある。このようなレーザ溶接方法2について、図5〜図7を用いて説明する。図5は、実施の形態1に係る溶接方法の一具体例を示すフローチャートである。図6は、経過時間に対するプラズマ光強度を示すグラフである。図7は、溶接部断面の一具体例を示す写真である。
レーザ溶接方法1と同様に、レーザ溶接を行う。溶接中において、溶接予定の溶接ビードをその長手方向にm区間に区切って、第1区間から第m区間の溶接品質を区間ごとに判定する。ここで、m、nは自然数である。具体的には、第n区間について判定を行うことを決定する(判定区間決定ステップST1)。本ステップST1では、開始時には第1区間について判定を行うことを決定する。
続いて、溶接ビード全体を検査したか否かを判定する(溶接ビード全体検査完了確認ステップST2)。具体的には、判定区間決定ステップST1において決定した判定を行う予定のn区間が、m区間未満か否かを確認する。この確認したn区間が、m区間未満であれば、溶接ビード全体を検査していないと判定し、m区間以上であれば、溶接ビード全体を検査したと判定する。
続いて、第n区間目の反射光の光強度を計算する(n区間光強度計算ステップST3)。第n区間における時間に対する反射光のプラズマ光強度の一例を、図6に示す。ここで、反射光は、プラズマ光の他、熱放射光も含んでもよい。
続いて、反射光の光強度の振幅A1が定数A0より小さいか否かを判定する(振幅判定ステップST4)。経過時間におけるプラズマ光強度の波形の一例を、図6に示す。この経過時間は、第n区間目に相当する。
図6に示す波形OK1のように、プラズマ光強度の波形の振幅が定数A0より小さいと判定された場合(振幅判定ステップST4:YES)、当該区間である第n区間は、溶接の品質が良好であり、合格と判定される(品質合格確認ステップST51)。判定区間決定ステップST1に戻り(ステップST61)、第n区間の次の第n+1区間を判定する。
一方、図6に示す波形NG1のように、プラズマ光強度の波形が定数A0より小さくないと判定された場合(振幅判定ステップST4:NO)、当該区間である第n区間は、溶接の品質が不良であり、不合格と判定される(品質不合格確認ステップST52)。続いて、判定した第1区間から第n区間までの不合格率を計算して、計算した不合格率がB1%よりも小さいか否かを判定する(品質合格率確認ステップST62)。B1は、予め決められた0以上100以下の数値である。
不合格率がB1%よりも小さい場合(品質合格率確認ステップST62:YES)、照射角度を調整する(照射角度調整ステップST71)。なお、照射角度調整ステップST71の一具体例は、後述する。第n区間の次の第n+1区間を判定するため、判定区間決定ステップST1に戻る(ステップST61)。
一方、不合格率がB1%よりも小さくなり、つまり、B1%以上である場合(品質合格率確認ステップST62:NO)、溶接ビード全体が、不合格と判定し(溶接ビード全体不合格確認ステップST72)、溶接を終了する。
さて、ステップST61から、判定区間決定ステップST1に戻った後、上記した第n区間の判定と同様に、第n+1区間を判定する。上記したように、溶接ビード全体検査完了確認ステップST2、n区間光強度計算ステップST3、振幅判定ステップST4、ステップST61等の各ステップを繰り返す。これを繰り返すと、判定区間決定ステップST1において決定した判定を行う予定のn区間が、m区間に到達するため、溶接ビード全体を検査したと判定する(溶接ビード全体検査完了確認ステップST2:NO)。そして、溶接ビード全体が合格と判定し(溶接ビード全体合格確認ステップST31)、溶接を終了する。
(照射角度調整ステップST71の一具体例)
次に、図6〜図9を用いて、上記した照射角度調整ステップST71(図5参照)の一具体例について説明する。
照射角度調整ステップST71の一具体例では、図6に示す波形NG1のように、波形のプラズマ光強度の振幅A1が定数A0以上である。図7に示すように、予め、所定の範囲の振幅A1と、板状体W1、W2の最大溶接深さD1、D2の差分ΔD12との関係を、板状体W1、W2の溶接部断面を観察した写真に基づいて求めておく。レーザ出力、操作速度、周波数等の溶接条件を一定にして、所定の範囲の振幅A1と、板状体W1、W2の最大溶接深さD1、D2の差分ΔD12との関係を求めるとよい。振幅A1が大きくなると、板状体W1、W2の最大溶接深さD1、D2が大きくなる傾向にある。図7に示す一例では、振幅A1であれば、板状体W1の一具体例である板1の最大溶接深さD1は0.296mm、板状体W2の一具体例である板2の最大溶接深さD2は0.240mm、その差分ΔD1は0.056mmである。なお、この図7に示す一例では、溶接条件は、レーザ出力750W、操作速度40mm/sec、周波数500Hzとした。
ここで、以下の関係式1に基づいて、差分ΔD1をDy[mm]に代入し、修正後の照射角度θx[°]を求める。
Dy=0.0252×θx (…関係式1)
C1=0.0252[mm/°]
関係式1の係数C1は、0.0252としたが、溶接条件に応じて変更してもよい。
差分ΔD1は0.056mmである場合、関係式1を用いると、修正後の照射角度θxは、2.22°と求めることができる。
上記した関係式1を求める方法について説明する。
図9に示すように、略直線状に延びる軌道(図9では、Y軸マイナス側、言い換えると、紙面奥側)に沿ってレーザ光を連続照射して溶接するところを除いて、レーザ溶接方法1と同じ溶接方法を用いて、溶接条件の照射角度θを所定の範囲、0°以上5°以下の4つの水準として、板状体W1、W2の一具体例にそれぞれ相当する板1、2(図示略)を溶接する。溶接後に、溶接部の断面組織写真を観察して、板1の最大溶接深さD21と、板2の最大溶接深さD22とを測定した。さらに、最大溶接深さD21、D22との差分ΔD2を算出し、得られた最大溶接深さD21、D22と、差分ΔD2とを図8に示した。最小二乗法等を用いて、上記した関係式1を求めることができる。
図8に示すように、差分ΔD1は0.056mmであるため、関係式1に基づいて照射角度θが2.22°であることを求めることができる。
ここで、溶接条件の照射角度θを2.22°とし、上記したレーザ溶接方法2を用いて溶接を行った。すると、図10に示すように、板状体W1の最大溶接深さD31、板状体W2の最大溶接深さD32が殆ど同じになった。
以上、上記したレーザ溶接方法2の一具体例において、溶融部W34が凝固し、溶接部(図示略)が形成する。当該溶接部における板状体W1側の溶接強度が、当該溶接部における板状体W2側の溶接強度と比較して小さくなることを抑制することができる。すなわち、溶接部の部位に応じた機械的強度の変化を抑制することができる。
さらに、溶接中に、溶融部W34から反射される反射光L2に基づいて、照射角度θを制御するため、区間ごとに適切な照射角度θでレーザ光L1を溶融部W34に照射することができ、区間ごとに板状体W1、W2同士の最大溶接深さD31、D32の変化を抑制することができる。
上記したレーザ溶接方法1、2を用いて、ケースの蓋と箱とを接合することができる。この接合したケースは、車両用電池を保持したまま、車両に搭載することができる。このケースの蓋と箱との接合部近傍における部位は、具体的には、金属材料からなり、より具体的には、純Al又はAl合金からなる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記したレーザ溶接方法1では、板状体W1、W2に間に箔3を挟みこませたが、箔3を挟みこませることなく、板状体W1、W2同士を直接突き合わせた状態で、溶接を行なってもよい。
L1 レーザ光
LP10 軌道
LP0 ループ開始点 LP1 ループ状線
LP2 結線
W10 被溶接物
W1 板状体 W2 板状体
W3 箔

Claims (1)

  1. 軌道に沿うようにレーザ光を連続して照射して溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記軌道は、突き合わせた板状体同士の境界部に沿って並んで配置させた複数のループ状線と、隣接するループ状線同士を結ぶ結線とを含み、
    前記ループ状線は、一方の板状体のループ開始点から他方の板状体を通って前記一方の板状体の前記ループ開始点に戻るように延び、
    前記結線は、前記一方の板状体のループ開始点同士を結ぶことによって、隣接するループ状線同士を結び、
    前記一方の板状体の上方から、前記突き合わせた板状体同士の境界部に向けて、前記レーザ光を照射する、
    レーザ溶接方法。
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