JP2018186892A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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浩章 杉本
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Abstract

【課題】拡散強調撮像において、MPGパルスに起因する渦電流磁場及び残留磁場のクロスターム成分により発生する画像歪みを抑制するMRI装置を提供する。
【解決手段】傾斜磁場発生系3は、所定のパルスシーケンスに基づいてMPGパルス201, 202, 203とオフセット磁場204, 205, 206とを印加し、処理装置8は、オフセット磁場の大きさを、パルスシーケンスによって規定されるエコータイムにおいて、オフセット磁場の積分量と自軸に印加されたMPGパルスに起因する渦電流磁場及び残留磁場の軸上成分及び他軸に印加されたMPGパルスに起因する渦電流磁場及び残留磁場のクロスターム成分の積分量とが相殺されるよう設定する(S409)。
【選択図】図4

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging、以下「MRI」という)装置に関し、特に拡散強調撮像(Diffusion Weighted Imaging、以下、「DWI」という)において発生する渦電流磁場及び残留磁場による画像の歪み補正に関する。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR(nuclear magnetic resonance)信号を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に、あるいは3次元的に画像化する装置である。撮影においては、NMR信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコード、周波数エンコードが付与される。計測されたNMR信号は、2次元あるいは3次元フーリエ変換されることにより、画像に再構成される。
DWI画像におけるMPG(motion probing gradient)パルスなどの強い傾斜磁場は、渦電流磁場及び残留磁場を誘発し、画質を劣化させる。特許文献1では、Echo Time(TE)までに発生した渦電流磁場及び残留磁場の積分量を相殺するように、オフセット磁場を付加して渦電流磁場及び残留磁場を補正する。また、特許文献2では、複数のb値で撮像した複数のDWI画像において、一方のb値に対応するDWI画像の画像歪み量を求め、b値と歪み量との関係から、他のb値に対応するDWI画像の画像歪みを補正する。
特開2007−181587号公報 特開2012−157687号公報
しかしながら、特許文献1では、渦電流磁場及び残留磁場が三次元的に発生することが考慮されておらず、傾斜磁場の印加軸に直交する軸(クロスターム)の成分を補正できない。また、特許文献2では、再構成後の画像に対して処理を実行するため、渦電流磁場及び残留磁場の結果生じた画像歪みを正確に補正することが可能だが、歪んだ画像を画像処理により伸縮させる際に補間処理や推定処理が必要となるため、画像の持つ情報が損なわれ、FOV(Field of View)や距離分解能、SNR(Signal Noise Ratio)などの条件が撮像時に設定したものと異なるものとなる。
本発明の目的は、DWIにおいて、渦電流磁場及び残留磁場のクロスターム成分により発生する画像歪みを抑制するMRI装置を提供することである。
上記目的を達成するために、被検体が配置される空間に静磁場を発生させる静磁場発生系と、静磁場に重畳する傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生系と、被検体に高周波磁場パルスを照射する送信系と、送信系による高周波磁場パルスの印加に応じて被検体より放出されるエコー信号を検出する受信系と、所定のパルスシーケンスに基づいて、傾斜磁場発生系による傾斜磁場の発生、送信系による高周波磁場パルスの照射及び受信系によるエコー信号の検出を制御するシーケンサと、処理装置とを有し、傾斜磁場発生系は、DWIにおいて所定のパルスシーケンスに基づいて傾斜磁場パルスとオフセット磁場とを印加し、処理装置は、オフセット磁場の大きさを、パルスシーケンスによって規定されるエコータイムにおいて、オフセット磁場の積分量と自軸に印加されたMPGパルスに起因する渦電流磁場及び残留磁場の軸上(On Axis)成分及び他軸に印加されたMPGパルスに起因する渦電流磁場及び残留磁場のクロスターム成分の積分量とが相殺されるよう設定する。
DWIにおいて、MPGパルスに起因する渦電流磁場及び残留磁場のクロスターム成分により発生する画像歪みを抑制する。
MRI装置の全体構成を示すブロック図である。 DWIシーケンスにおけるMPGパルス及びオフセット磁場を説明する図である。 MPGパルスによって生じる渦電流磁場及び残留磁場を説明する図である。 実施例1の補正傾斜磁場算出処理を説明するフローチャートである。 渦電流磁場及び残留磁場の発生軸による画像の歪み方を説明する図である。 補正傾斜磁場算出方法を説明する図である。 実施例2の補正傾斜磁場算出処理を説明するフローチャートである。 全軸にMPGパルスを印加した時に生じる渦電流磁場及び残留磁場を説明する図である。 実施例3の補正傾斜磁場算出処理を説明するフローチャートである。 補正傾斜磁場の探索方法を説明する図である。
以下、添付図面に従ってMRI装置の好ましい実施形態について詳説する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、MRI装置の全体概要を図1に基づいて説明する。MRI装置は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、静磁場発生系2、傾斜磁場発生系3、送信系5、受信系6、信号処理系7、シーケンサ4、中央処理装置(CPU)8を備えて構成される。
静磁場発生系2は、被検体1の周りの空間に、垂直磁場方式であれば被検体1の体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば被検体1の体軸方向に、均一な静磁場を発生させる。このため、被検体1の周りに静磁場発生源としての永久磁石または、常電導電磁石あるいは超電導電磁石が配置されている。
傾斜磁場発生系3は、MRI装置の座標系(静止座標系)であるX,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10を有する。後述のシーケンサ4からの命令に従って、それぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加する。撮影時には、スライス面(撮影断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、そのスライス面に直交し、かつ互いに直交する2つの方向にそれぞれ位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
シーケンサ4は、高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」という)と傾斜磁場パルスとを所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段である。CPU8の制御で動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系5、傾斜磁場発生系3、および受信系6に送る。
送信系5は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体1にRFパルスを照射するものであり、高周波発振器11、変調器12、高周波増幅器13、送信側の高周波コイル(送信コイル)14aを有する。高周波発振器11から出力されたRFパルスをシーケンサ4からの指令によるタイミングで変調器12により振幅変調し、この振幅変調されたRFパルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、RFパルスが被検体1に照射される。
受信系6は、被検体1の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)14bと信号増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変換器17とを有する。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起された被検体1の応答のNMR信号は、被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出され、信号増幅器15で増幅された後、シーケンサ4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器17でディジタル量に変換されて、信号処理系7に送られる。
信号処理系7は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行うもので、RAM22やROM21等の記憶装置と、光ディスク19、磁気ディスク18等の外部記憶装置と、CRT、FPD等のディスプレイ20とを有する。受信系6からのデータがCPU8に入力されると、CPU8が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像をディスプレイ20に表示すると共に、外部記憶装置である磁気ディスク18等に記録する。
操作部25は、MRI装置の各種制御情報や信号処理系7で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボール又はマウス23やキーボード24を有する。この操作部25はディスプレイ20に近接して配置され、操作者がディスプレイ20を見ながら操作部25を通して、インタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
なお、図1において、送信側の高周波コイル14aと傾斜磁場コイル9は、被検体1が挿入される静磁場発生系2の静磁場空間内に、垂直磁場方式であれば被検体1に対向するように、水平磁場方式であれば被検体1を取り囲むようにして設置されている。また、受信側の高周波コイル14bは、被検体1に対向して、あるいは取り囲むように設置されている。
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
DWIシーケンスでは、MPG(motion probing gradient)パルスと呼ばれる強い傾斜磁場が印加される。図2の傾斜磁場パルス201,202,203はそれぞれスライス軸、位相軸、周波数軸に印加したMPGパルスである。図3のように、MPGパルス301は渦電流磁場302及び残留磁場303を誘発し、それに伴いDWI画像の画質が劣化する。
MPGパルスに起因し発生する渦電流磁場及び残留磁場の影響を補正するため、オフセット磁場を付加する。図2のオフセット磁場204,205,206がそれぞれスライス軸、位相軸、周波数軸に付加した傾斜磁場のオフセット成分を表している。パルスシーケンスによって規定されるエコータイムにおいて、MPGパルスに起因する渦電流磁場及び残留磁場の積分値が、各軸においてオフセット磁場の積分値と相殺する場合は、DWI画像においてMPGパルス起因の画像歪みは生じない。これに対して、各軸において、渦電流磁場及び残留磁場の積分値とオフセット磁場の積分値との間に差が生じるほど、DWI画像の画像歪みは大きく発生する。なお、エコータイムとはRFパルス(90°)を基準時間(t=0)としてエコー信号のピーク値が受信系にて検出される時間を指し、この値はパルスシーケンスで規定されている。
オフセット磁場は、シーケンサ4が傾斜磁場発生系3を制御することによって発生される。また、オフセット磁場204,205,206の大きさは、操作部25からの指令に基づきCPU8により設定され、その設定値がCPU8からシーケンサ4に通知され、シーケンサ4は、その設定値のオフセット磁場を発生させるように傾斜磁場電源10及びシム電源を制御する。
実施例1では、傾斜磁場軸ごとに、異なる2つのオフセット磁場を付加して撮像した2つのDWI画像の歪み量に基づいて、歪み量を最小とするオフセット磁場補正値(以後、「補正傾斜磁場」と呼ぶ)を算出する。図4を用いて説明する。
ステップS401では、MPGパルスの印加軸を位相軸、周波数軸、スライス軸のいずれかに設定する。
ステップS402では、MPGパルスを印加しないEPI(Echo Planar Imaging)撮像を実行し、画像歪みのない基準画像を取得する。
ステップS403では、DWIシーケンスに付加するオフセット磁場204,205,206を設定する。cはオフセット磁場の設定値を表し、ΔcはステップS403〜S406の繰り返しごとのオフセット磁場の変化量を表す。
ステップS404では、ステップS401で設定した印加軸に対してMPGパルスを印加し、DWIを実行して画像を取得する。取得した画像には、渦電流磁場、残留磁場及びオフセット磁場の影響による画像歪みが生じる。
図5の各画像は円柱形ファントムについて底面と平行にスライス面を設定して撮像した画像である。図5に示すように、渦電流磁場、残留磁場及びオフセット磁場の合成磁場における位相軸、周波数軸、スライス軸の各成分はそれぞれ、位相方向への拡大縮小、せん断変形、平行移動の画像歪みとして表れる。画像(1)が基準画像(EPI画像)であり、図のx方向が位相方向であり、y方向が周波数方向である。この例では、基準画像として円形のファントム断面画像が映っている。これに対して、位相軸に合成磁場の影響を受けると、画像(2)のように位相方向に拡大縮小する画像歪みが生じる。周波数軸に合成磁場の影響を受けると、画像(3)のように位相方向にせん断変形する画像歪みが表れる。スライス軸に合成磁場の影響を受けると、画像(4)のように位相方向に平行移動する画像歪みが表れる。図4のフローチャートではこの特性を利用して、画像歪み量を計測する。
すなわち、ステップS405では、歪み画像の幾何学変換により基準画像との位置合わせを行い、位置合わせできたときの変換行列を画像歪み量として記憶する。幾何学変換には拡大縮小、せん断変形、平行移動を表せるアフィン変換を用いることができる。アフィン変換を用いた座標変換は(数1)により表される。
Figure 2018186892
ここで、(数1)のx、yはそれぞれ、基準画像上の位相方向の座標、周波数方向の座標を、x’、y’はそれぞれ歪み画像上の位相方向の座標、周波数方向の座標を表す。また、α、β、γはそれぞれ、画像のx(位相)方向における拡大縮小、せん断変形、平行移動を表す。歪み画像及び基準画像の位置合わせにアフィン変換を用いることにより、合成磁場の位相軸、周波数軸、スライス軸の各成分に起因する画像歪みをそれぞれα、β、γで表せる。α、β、γを以後、「歪み量」と呼ぶ。
位置合わせは2画像(基準画像及び歪み画像)間の類似度を最大とするように実行される。DWI画像(歪み画像)はEPI画像(基準画像)に比べて信号強度が小さいため、類似度には正規化相互相関を用いることが望ましい。
ステップS406では、オフセット磁場cをΔcだけ変化させ(ステップS403)、ステップS404, S405を繰り返すよう制御する。
ステップS407では、ステップS403〜ステップS405で計測したオフセット磁場と歪み量の組み合わせに基づき、補正傾斜磁場を算出する。図6のように、各傾斜磁場に異なるオフセット磁場c、c(=c+Δc)を付加した2回の撮像を実施することで、オフセット磁場c、cに対応する2つのDWI画像が得られる。オフセット磁場cで得たDWI画像の各歪み量を(α,β,γ)、オフセット磁場cで得たDWI画像の各歪み量を(α,β,γ)とすると、図6に示すように、理想的にはオフセット磁場と各歪み量は線形の関係とみなせるため、補正傾斜磁場603を算出できる。歪み量α、αから位相方向の拡大縮小歪みを最小にする位相軸の補正傾斜磁場cαを算出する式は(数2)により求められる。同様に、位相方向のせん断変形歪み量βを最小にする周波数軸の補正傾斜磁場cβ、位相方向の平行移動歪み量γを最小にするスライス軸の補正傾斜磁場cγについてもそれぞれ(数3)(数4)により求めることができる。
Figure 2018186892
Figure 2018186892
Figure 2018186892
このように、1軸に対するMPGパルス印加につき、位相軸、周波数軸、スライス軸の各軸に対する補正傾斜磁場cα、cβ、cγが算出される。
ステップS408では、ステップS401〜S407の補正傾斜磁場の算出を、MPGパルスを印加する軸を代えて、3軸のすべてに対して実行されるよう制御する。未実行の傾斜磁場軸がある場合、MPGパルス印加軸を変更し、ステップS401〜S407を実行する。MPGパルス3軸のそれぞれに対して補正傾斜磁場の算出を行うことにより、計9つの補正傾斜磁場が算出される。算出された補正傾斜磁場はMRI装置の不揮発性の記憶装置(例えば磁気ディスク18)に格納される。
ステップS409では、ステップS401〜S408の処理により算出された各補正傾斜磁場に基づいて、本撮像時に位相軸、周波数軸、スライス軸に付加するオフセット磁場Gp_offset、Gf_offset、Gs_offsetをそれぞれ(数5)、(数6)、(数7)から設定する。なお、図4において、ステップS401〜S408までは例えば、MRI装置の据え付け時やメンテナンス時に行い、これにより算出された補正傾斜磁場を磁気ディスク18に格納する。一方、MRI画像を撮像するときには図4のステップS409〜S410のみを実施し、このときは磁気ディスク18に格納されている補正傾斜磁場を読み出して本撮像の撮像条件に応じた補正傾斜磁場を算出し、本撮像を行う。すなわち、図4において、ステップS401〜S410までが常に一連のフローとして実施されるとは限らない。
Figure 2018186892
Figure 2018186892
Figure 2018186892
ここで、s、t、uはそれぞれ位相軸、周波数軸、スライス軸の調整時MPGパルス強度(MPG_adjustment)に対する本撮像時MPGパルス強度(MPG_mainscan)の比(MPG_mainscan/MPG_adjustment)を表す。また、cα_phase、cβ_phase、cγ_phaseはそれぞれ、図4のフローで求めた位相軸にMPGパルスを印加した場合における位相軸、周波数軸、スライス軸に対する補正傾斜磁場である。cα_freq、cβ_freq、cγ_freqはそれぞれ、図4のフローで求めた周波数軸にMPGパルスを印加した場合における位相軸、周波数軸、スライス軸に対する補正傾斜磁場である。cα_slice、cβ_slice、cγ_sliceはそれぞれ、図4のフローで求めたスライス軸にMPGパルス印加した場合における位相軸、周波数軸、スライス軸に対する補正傾斜磁場である。
ステップS410では、設定したオフセット磁場に基づいて傾斜磁場出力を制御し、渦電流磁場及び残留磁場を補正して本撮像を行う。
以上説明したように、本実施例によれば、MPGパルスを位相軸、周波数軸、スライス軸のいずれか1軸ずつに印加した場合において発生する渦電流磁場及び残留磁場の各傾斜磁場軸の成分を補正する補正傾斜磁場を算出することができる。これにより本撮像においてMPGパルスを複数軸に組み合わせて印加した場合においても、それぞれの軸に印加するMPGパルス強度に応じて、1軸ごとに求められた補正傾斜磁場に重みづけをして加算することで本撮像時に印加するMPGパルスに起因する渦電流磁場及び残留磁場を補正することができ、DWI画像の歪みを低減できる。
なお、b値により補正傾斜磁場は変化するため、あらかじめ複数のb値(臨床で頻度高く用いられるb値)に対して補正傾斜磁場(cα_phase、cβ_phase、cγ_phase、cα_freq、cβ_freq、cγ_freq、cα_slice、cβ_slice、cγ_slice)を算出し、MRI装置(例えば、信号処理系7の記憶装置、例えば磁気ディスク18)に記憶しておくことが望ましい。本撮像時には、CPU8が、本撮像時に設定されるb値に対して算出された補正傾斜磁場を呼び出し、(数5)〜(数7)を用いて本撮像時の撮像条件に応じたオフセット磁場を算出する。
なお、図4のフローでは、MPGパルスの印加軸を設定する毎に基準画像を取得するようになっている。図4のフローのように補正傾斜磁場の算出のために歪み画像を取得する回数が少ない場合は、最初に基準画像を取得し、各軸にMPGパルスを印加した場合の補正傾斜磁場を求めるようにしてもよい。一方、より高精度に補正傾斜磁場を計測するために歪み画像の取得回数を多くする場合は、図4のフロー通りに印加軸ごとに基準画像を取得する方が高精度な補正傾斜磁場の算出には望ましい。
実施例2として、MPGパルスを任意の軸に任意の強度で印加する撮像において、プリスキャンにより傾斜磁場補正値を算出し設定する方法について図7を用いて説明する。基本的な構成は実施例1と同様のため、異なる点を中心に説明する。
ステップS701では、MPGパルスを印加しないEPI撮像を実行し、画像歪みのない基準画像を取得する。ステップS702では、DWIシーケンスに付加する傾斜磁場オフセットcを設定する。実施例1と同様に、繰り返しごとにΔcだけ変化させる。
ステップS703では本撮像のシーケンスと同じMPGパルスの印加条件でDWIを行い、取得した歪み画像から画像歪み量を計測する(ステップS704)。すなわち、本撮像シーケンスでMPGパルスを複数の軸に同時印加する場合は、ステップS704でも同様にMPGパルスを複数軸に同時印加する。ここで、各傾斜磁場軸に発生する渦電流磁場及び残留磁場は図8のように、自軸に印加したMPGパルス801による渦電流磁場及び残留磁場の軸上成分802a, bと、他軸に印加したMPGパルスによる渦電流磁場及び残留磁場のクロスターム成分803a, b、804a, bとの合成磁場となる。
ステップS706では、実施例1と同様に画像歪み量から補正傾斜磁場を算出する。ただし、本撮像のシーケンスと同じMPGパルスを印加し、これに起因して各傾斜磁場軸に発生する渦電流磁場及び残留磁場の合成磁場に対する補正傾斜磁場を算出するため、ステップS707で設定される補正傾斜磁場は位相軸、周波数軸、スライス軸に対する計3つの補正傾斜磁場となる。
ステップS708では、本撮像時に位相軸、周波数軸、スライス軸に付加するオフセット磁場Gp_offset、Gf_offset、Gs_offsetを算出された3つの補正傾斜磁場として本撮像を実施することにより、画像歪みが低減された画像が取得される。
以上説明したように、本実施例によれば、MPGパルスを位相軸、周波数軸、スライス軸のうち複数軸に印加した場合においても、発生する渦電流磁場及び残留磁場の各傾斜磁場軸の成分を補正するオフセット磁場を算出し、DWI画像の歪みを低減することができる。
なお、本実施例は、本撮像に適用するb値に対して実施例1で求められる補正傾斜磁場がMRI装置に登録されていない場合に適している。本撮像時と同じMPGパルスの影響をプリスキャンにより算出できるので、実施例1のフローよりも高速に補正傾斜磁場を算出することができる。
実施例3として、詳細な傾斜磁場補正値の決定方法について図9を用いて説明する。基本的な構成は実施例1と同様のため、異なる点のみ説明する。実施例1にて説明したように、理想的にはオフセット磁場の大きさと歪み量とは線形の関係となるが、実際の装置においてはオフセット磁場と歪み量との間には非線形性が表れる。このため、実施例3では歪み量を最小とする補正傾斜磁場に収束させるよう、複数回の歪み画像を取得して補正傾斜磁場を算出する。
図10を用いて説明する。図10の横軸がオフセット磁場であり、縦軸が歪み量の絶対値である。事前に収束を判定するための閾値|dth|を設定しておく。実線1001がオフセット磁場と歪み量との関係を示し、破線1002が補正傾斜磁場の探索例を示している。オフセット磁場をc→c→c→c→cと変化させていき、オフセット磁場c5としたときの歪み量dが|d|<|dth|となったことにより、探索を終了する。このようにステップS906で、事前に設定した閾値|dth|より歪み量が小さくなるまで、ステップS903〜ステップS905を繰り返し制御し、繰り返し毎に、ステップS903において設定するオフセット磁場を逐次的に変化させる。歪み量が閾値|dth|を下回った時のオフセット磁場を補正傾斜磁場とする。
また、ステップS906において、図10の破線1002のように二分法やニュートン法を用いるのみならず、閾値|dth|を設けず、ステップS905で計測した歪み量を最小とするオフセット磁場を一定の範囲で全探索して決定してもよい。本実施例は実施例1及び実施例2に比べて計測時間が延長するため、据付調整時やメンテナンス時など、時間の制限が比較的許容される環境で実施することが望ましい。
以上、本発明の実施例を述べたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々変形可能なものである。
1:被検体、2:静磁場発生系、3:傾斜磁場発生系、4:シーケンサ、5:送信系、6:受信系、7:信号処理系、8:中央処理装置(CPU)、9:傾斜磁場コイル、10:傾斜磁場電源、11:高周波発振器、12:変調器、13:高周波増幅器、14a:高周波コイル(送信コイル)、14b:高周波コイル(受信コイル)、15:信号増幅器、16:直交位相検波器、17:A/D変換器、18:磁気ディスク、19:光ディスク、20:ディスプレイ、21:ROM、22:RAM、23:トラックボール又はマウス、24:キーボード。

Claims (5)

  1. 被検体が配置される空間に静磁場を発生させる静磁場発生系と、
    前記静磁場に重畳する傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生系と、
    前記被検体に高周波磁場パルスを照射する送信系と、
    前記送信系による高周波磁場パルスの印加に応じて前記被検体より放出されるエコー信号を検出する受信系と、
    所定のパルスシーケンスに基づいて、前記傾斜磁場発生系による傾斜磁場の発生、前記送信系による高周波磁場パルスの照射及び前記受信系によるエコー信号の検出を制御するシーケンサと、
    処理装置とを有し、
    前記傾斜磁場発生系は、DWIにおいて前記所定のパルスシーケンスに基づいて傾斜磁場パルスとオフセット磁場とを印加し、
    前記処理装置は、前記オフセット磁場の大きさを、前記所定のパルスシーケンスによって規定されるエコータイムにおいて、前記オフセット磁場の積分量と自軸に印加されたMPGパルスに起因する渦電流磁場及び残留磁場の軸上成分及び他軸に印加されたMPGパルスに起因する渦電流磁場及び残留磁場のクロスターム成分の積分量とが相殺されるよう設定する磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1において、
    操作部を有し、
    複数のb値に対してそれぞれ、第1の軸に印加されるMPGパルスに起因する渦電流磁場及び残留磁場を相殺するために前記第1の軸に付加される第1の第1オフセット磁場情報、第2の軸に付加される第1の第2オフセット磁場情報及び第3の軸に付加される第1の第3オフセット磁場情報、前記第2の軸に印加されるMPGパルスに起因する渦電流磁場及び残留磁場を相殺するために前記第1の軸に付加される第2の第1オフセット磁場情報、前記第2の軸に付加される第2の第2オフセット磁場情報及び前記第3の軸に付加される第2の第3オフセット磁場情報、及び前記第3の軸に印加されるMPGパルスに起因する渦電流磁場及び残留磁場を相殺するために前記第1の軸に付加される第3の第1オフセット磁場情報、前記第2の軸に付加される第3の第2オフセット磁場情報及び前記第3の軸に付加される第3の第3オフセット磁場情報が記憶装置に記憶されており、
    前記処理装置は、前記操作部から入力される撮像条件にしたがい、前記撮像条件に応じたb値の前記第1〜第3の第1オフセット磁場情報、前記第1〜第3の第2オフセット磁場情報及び前記第1〜第3の第3オフセット磁場情報を前記記憶装置から呼び出して、前記オフセット磁場の大きさを設定する磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1において、
    前記処理装置は、MPGパルスを印加することなく前記受信系で検出したエコー信号に基づき取得した基準画像と前記傾斜磁場発生系によりMPGパルスを含む所定の傾斜磁場パルス及び複数の異なる大きさのオフセット磁場を印加して取得した複数の拡散強調画像とに基づき、前記複数の拡散強調画像それぞれにおける画像歪み量を計測し、計測した複数の画像歪み量から画像歪み量を最小とするオフセット磁場の大きさを算出する磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項2において、
    前記処理装置は、MPGパルスを印加することなく前記受信系で検出したエコー信号に基づき取得した基準画像と前記傾斜磁場発生系によりMPGを含む所定の傾斜磁場パルス及び複数の異なる大きさのオフセット磁場を印加して取得した複数の拡散強調画像とに基づき、前記複数の拡散強調画像それぞれにおける画像歪み量を計測し、計測した複数の画像歪み量から画像歪み量を最小とするオフセット磁場の大きさを算出し、
    画像歪み量を最小とするオフセット磁場の大きさを、前記第1〜第3の第1オフセット磁場情報、前記第1〜第3の第2オフセット磁場情報及び前記第1〜第3の第3オフセット磁場情報として前記記憶装置に記憶する磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項3または4において、
    前記拡散強調画像のアフィン変換により前記基準画像との位置合わせを行い、位置合わせできたときの変換行列を前記画像歪み量とする磁気共鳴イメージング装置。
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