JP2018184836A - 電動機の駆動方法、圧縮機の起動方法、圧縮機 - Google Patents

電動機の駆動方法、圧縮機の起動方法、圧縮機 Download PDF

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Abstract

【課題】差圧が大きくても、慣性が小さな圧縮機を容易に起動する。【解決手段】圧縮部材の回転運動もしくは旋回運動によって冷媒を圧縮する圧縮機を電動機によって駆動する。ステップS103では第1回転方向に電動機を回転させるための電機子磁束φa1を電動機に発生させる。その後、ステップS105では第2回転方向に電動機を回転させるための電機子磁束φa2を電動機に発生させる。第1回転方向は第2回転方向とは反対の方向である。第2回転方向は圧縮機に冷媒を圧縮させる電動機の回転方向である。【選択図】図10

Description

この発明は、電動機を駆動する方法に関し、例えば当該電動機は、冷媒を圧縮する圧縮機を駆動する。
圧縮機、例えば冷媒を圧縮する圧縮機を起動させるのに必要なトルク(以下「起動トルク」と称す)は、当該圧縮機が通常運転時に必要なトルク(以下「通常運転トルク」と称す)と比較して、大きい場合がある。これは、圧縮機による圧縮は、その吸入側と吐出側との差圧に打ち勝って行われるところ、起動前の冷媒(もしくは当該冷媒を用いた冷媒系統)の状態によっては当該差圧が大きい場合があるからである。
そして起動トルクが大きい場合には、圧縮機の起動が失敗し易い。起動が失敗すると、差圧が小さくなるまで起動を待機する必要がある。このような動作では、失敗した起動に要した電力が無駄であって省電力化の観点で望ましくないばかりか、冷媒を利用した電化製品、例えば空気調和機の実質的な動作の遅れによって快適性が損なわれかねない。
下掲の特許文献1では、回転軸を介してモータの回転子にクランク部を連結し、クランク部は圧縮機のピストンと連結される。そして圧縮機を容易に起動させるために、その回転子を、吸入工程の所定の起動位置に強制整列させる前に、ピストンの下死点に初期整列させる技術を開示する。
下掲の特許文献2では、レシプロ式圧縮機の慣性によるトルクを利用して起動の失敗を解消する技術が開示されている。具体的にはレシプロ式圧縮機を駆動する同期モータを逆回転させるための回転指令を所定時間付与し、その後、正回転させるための回転指令が採用される。
特許第4515432号公報 特開2007−267451号公報
特許文献1は、ピストンを用いた圧縮機についての技術である。そして慣性力の影響から、回転子は下死点の付近にあることが一般的である、とも教示する。よってモータにとっての負荷トルクを要求する圧縮機と、出力トルクを出力するモータとは、起動をしやすい位置関係で連結することが要求されると考えられる。かかる要求は、組み立て工程の工数の観点で望ましくない。しかも、差圧と回転子の位置とによっては、強制整列される起動位置へ回転子を移動させることが困難となり、位置決めを再度行うことになれば起動時間の損失をも招来するであろう。
特許文献2では回転方向を変更することで圧縮機の起動の改善を図る。回転子は逆回転して負荷トルクに打ち勝てずに一旦停止してから正回転することで、負荷トルクが減少する方向に回転することを教示する。このような回転子の逆回転からの停止は、回転子の慣性モーメントを前提としており、レシプロ式ではない圧縮機、例えばロータリ形、あるいはスクロール形の圧縮機のような、慣性の小さい方式の圧縮機への適用は困難であると考えられる。また逆回転それ自体が発生するには、回転子の位置は広さπ/2の所定の範囲(特許文献2の実施例では3π/2〜2π)であることが要求されると考えられる。
そこでこの発明では、差圧が大きくても、慣性が小さな圧縮機を容易に起動することを目的とする。
この発明にかかる電動機の駆動方法は、圧縮部材の回転運動もしくは旋回運動によって冷媒を圧縮する圧縮機を電動機によって駆動する方法である。当該方法は、前記圧縮機が停止している状態から第1回転方向に前記電動機を回転させるための第1回転磁束(φa0,φa1)を前記電動機に発生させる第1ステップ(S103)と、前記第1ステップの後、第2回転方向に前記電動機を回転させるための第2回転磁束(φa2)を前記電動機に発生させる第2ステップ(S105)とを備える。ここで、前記第1回転方向は前記第2回転方向とは反対の方向であり、前記第2回転方向は前記圧縮機に前記冷媒を圧縮させる前記電動機の回転方向である。
この発明にかかる圧縮機の起動方法は、前記第1ステップおよび前記第2ステップによって前記圧縮機を起動する。
この発明にかかる圧縮機は、前記第1ステップおよび前記第2ステップによって起動する。
差圧が大きくても、慣性が小さな圧縮機を容易に起動する。
実施の形態にかかる電動機の駆動方法が適用される、圧縮システムを示すブロック図である。 実施の形態にかかる電動機の構成を例示する模式図である。 実施の形態にかかる電動機の駆動方法を示すベクトル図である。 実施の形態にかかる電動機の駆動方法を示すベクトル図である。 実施の形態にかかる電動機の駆動方法を示すベクトル図である。 実施の形態にかかる電動機の駆動方法を示すベクトル図である。 実施の形態にかかる電動機の駆動方法を示すベクトル図である。 実施の形態にかかる電動機の駆動方法を示すベクトル図である。 実施の形態にかかる電動機の駆動方法を示す電流波形を示す図である。 実施の形態にかかる電動機の駆動方法を示すフローチャートである。 実施の形態にかかる電動機の駆動方法を部分的に示すフローチャートである。
{構成の概略}
図1は、この実施の形態にかかる電動機の駆動方法が適用される、圧縮システムを示すブロック図である。
圧縮機4は電動機3によって駆動され、冷媒を圧縮する。圧縮機4には例えばロータリ形式、ターボ形式、スクリュー形式もしくはスクロール形の圧縮機が採用される。かかる形式の圧縮機は、圧縮部材の回転運動もしくは旋回運動によって冷媒を圧縮することが周知であるので、当該圧縮部材の図示を省略する。これらの形式では一般的に慣性が小さい。当該圧縮部材としてロータリーピストンや揺動ピストン、旋回スクロール、スクリューロータ、ターボインペラを採用できることもまた周知である。
電動機3はインバータ2によって駆動される。具体的には例えば電動機3は三相電動機であり、インバータ2から出力される三相電流Iu,Iv,Iwを入力して駆動する。電動機3は、三相電流Iu,Iv,Iwによって発生する電機子磁束と界磁磁束との相互作用により駆動する。
図2は電動機3の構成を例示する模式図である。電動機3は、三相電流Iu,Iv,Iwが流れて電機子磁束を発生させる電機子巻線3aと、界磁磁束を発生させる界磁3bとを備える。電機子巻線3aと界磁3bとは、電動機3が通常備えるものとして公知であるので、ここでは電動機3の構造について詳細な説明は省略する。以下では簡単のために、界磁磁束の大きさは一定であり、界磁3bは回転子として機能する場合を説明する。
インバータ2は指令信号Jを入力し、これに基づいて三相電流Iu,Iv,Iwを生成し、電動機3(より具体的には電機子巻線3a)に出力する。指令信号Jは、インバータ2の動作、例えばDC/AC変換のために行われるスイッチングのパターンを決定する。
このような指令信号Jから、電動機3に電機子磁束を発生させる三相電流Iu,Iv,Iwを生成する技術は、公知であるので、その詳細な説明は省略する。
制御部1は動作指令Kを入力し、これに基づいて指令信号Jを生成する。制御部1は、あるいは更に位置信号Qをも入力し、これにも基づいて指令信号Jを生成する。動作指令Kは例えば電動機3の回転速度の指令値、トルクの指令値、あるいはその両方を採用することができる。位置信号Qは電動機3の回転子の回転位置を示す信号である。位置信号Qは電動機3に位置センサ(不図示)を設けて当該位置センサから得ることができる。あるいは三相電流Iu,Iv,Iwを直接もしくは間接に測定し、これに基づいて推定される回転位置を採用することができる。いずれの場合の位置信号Qも、その生成方法は公知であるので、その詳細な説明は省略する。
但し、後述する本実施の形態にかかる起動方法に関して言えば、位置信号Qは必須ではない。位置信号Qは起動後の通常運転において採用することができる。
{実施の形態に即した課題の説明}
図3〜図8はこの実施の形態にかかる電動機の駆動方法を示すベクトル図である。これらの図において位相は電気角で表される。電動機3の固定座標系αβを設定する。β軸はα軸よりも位相が90度進相である。
電機子磁束φa0(図3、図4),φa1(図5、図6、図7),φa2(図8)の総称として電機子磁束φaとの表現を用いる。電機子磁束φaの位相はM軸で表される。三相電流Iu,Iv,Iwは後述する直流励磁の場合を除き、一般には電機子磁束φaとして回転磁界を発生させる。よってM軸はα軸に対して(従ってβ軸に対しても)位相が変動する。
界磁磁束φrの位相はR軸で表される。界磁磁束φrは界磁3bにより発生し、界磁3bと電機子巻線3aとは相対的に位置関係が変動する(回転する)ので、R軸はα軸に対して(従ってβ軸に対しても)位相が変動する。
技術的常識として、界磁磁束φrと電機子磁束φaとは、それぞれの絶対値が変動しなければ、両者の位相差が小さいほど電機子巻線3aと界磁3bとの間に発生するトルク(つまり電動機3に発生するトルク)は大きい。
まず、図3を利用して、解決すべき課題をこの実施の形態に即して説明する。図3に示された状況(i)は電動機3の駆動開始直後の状況であり、電機子磁束φa0が発生している。状況(i)では界磁磁束φrと電機子磁束φa0との位相差(つまりM軸とR軸との位相差)が大きく、電動機3に発生するトルクは小さい。よって圧縮機4での差圧が大きく、従って起動トルクが大きい場合には、このような位相差のままで電動機3の駆動を開始すると、失敗し易い。
なるほど、電機子磁束φa0の絶対値を増大させることにより、位相差を維持したまま起動トルクよりも大きなトルクを電動機3に発生させることは理論上は可能である。しかし電機子磁束φaを発生させる三相電流Iu,Iv,Iwの絶対値に上限を設けることが通常であることに鑑みて、電機子磁束φa0の絶対値を増大させることは実際的な制御ではない。
特許文献1,2に開示された技術では、図3に即して言えば、固定座標系αβにおいてR軸をM軸へ近づけることによってM軸とR軸との位相差を小さくしていた。しかしながら、かかる技術は上述のように、慣性が小さな圧縮機を容易に起動することは困難であろう。そこで本実施の形態では、固定座標系αβにおいてM軸をR軸へ近づけることにより、起動時の両者間の位相差を小さくする。
{本実施の形態での電機子磁束φaの振る舞い}
図4は状況(i)に続く状況(ii)を示す。状況(ii)は、M軸のα軸に対する位相を変えずに、電機子磁束φa0の絶対値を大きくした状況である。換言すると状況(i)(ii)は電動機3に直流励磁を行っている状況であり、電機子磁束φa0は回転しない電機子磁束φaである。図4において電機子磁束φaの回転方向Rbは、その向きを示すために付記したものであって、状況(ii)において電機子磁束φa0が回転していることを示すものではない。
状況(ii)は、起動トルクよりも大きなトルクを電動機3に発生させるためのものではない。通常、三相電流Iu,Iv,Iwはステップ的に出力されるのではなく、ランプ的に増大する絶対値で出力される。これは通常、電動機3が有する電機子巻線3aはコイルを形成しており、電動機3は誘導性負荷となっていることからも当然の事象である。このような三相電流Iu,Iv,Iwの絶対値の漸増によって状況(i)から状況(ii)への移行が生じる。但し、三相電流Iu,Iv,Iwがステップ的に出力されてもよい。
図9は本実施の形態における三相電流Iu,Iv,Iwの電流波形を示す。図9でタイミングを示すローマ数字は、図3〜図8で状況を示すローマ数字と対応する。時間の経過と共に状況(i)から状況(ii)へ移り、三相電流Iu,Iv,Iwはそれぞれの絶対値が漸増する。状況(i)から状況(ii)への移行において、必ずしも三相電流Iu,Iv,Iwの相互間の位相差が維持されることは必須ではない。換言すれば、状況(i),(ii)において必ずしも直流励磁が必須ではない。
状況(ii)が発生した後、電機子磁束φaは、直流励磁を行う電機子磁束φa0から、回転方向Rbに回転(図9において「逆回転」と表記)する電機子磁束φa1に変更される。具体的には三相電流Iu,Iv,Iwが交流となる。
図5は状況(ii)に続く状況(iii)を示す。状況(iii)は、状況(ii)の後、M軸が回転方向Rbに回転した状況を示す。具体的には三相電流Iu,Iv,Iwの絶対値が維持されつつ、三相電流Iu,Iv,Iwの位相が変動する。回転方向Rbは回転方向Rfと反対の方向である。回転方向Rfは圧縮機4に冷媒を圧縮させる運転(以下「圧縮運転」と称す)において電動機3が回転する方向に対応する。より具体的には界磁磁束φrが上記圧縮運転において回転する方向である。
なお、図5〜図8では状況(i)(ii)のときの(つまり電機子磁束φa0の位相を示す)M軸の位置をM’軸として、(現時点での)電機子磁束φa1の位相を示すM軸と併記した。
図3及び図4では、状況(i)(ii)においてM軸はR軸に対して回転方向Rbに沿って見て180度未満で離れる場合が示されていた。よって、電機子磁束φa1が回転方向Rbに回転することにより、M軸とR軸との間の位相差は小さくなる。図5では、しかしながらまだ、発生するトルクは小さく、R軸は維持される場合が例示される。
図6は状況(iii)に続く状況(iv)を示す。状況(iv)は、状況(iii)の後、M軸が更に回転方向Rbに回転し、R軸は維持されながらもM軸がR軸に一致した状況を示す。電機子磁束φa1の絶対値は少なくとも、M軸がR軸と一致したときに電動機3が逆回転するのに必要なトルク(以下「逆転トルク」と称す)以上のトルクを発生させる程度に大きく設定する。なお、逆転トルクは圧縮機4の差圧に因り、起動トルクと比較して小さい。
状況(iv)の後に電機子磁束φa1が回転方向Rbに回転することにより、界磁磁束φrも回転方向Rbに回転する。これにより、R軸もM軸と一致して回転方向Rbに回転する。
図7は状況(iv)に続く状況(v)を示す。状況(v)は、状況(iv)の後、電機子磁束φa1が更に回転方向Rbに回転し、R軸とM軸とが一致しつつ回転方向Rbに回転した状況を示す。図7〜図8では状況(i)〜(iv)のときの(つまり界磁磁束φrが回転方向Rbに回転する前の)R軸の位置をR’軸として、(現時点での)界磁磁束φrの位相を示すR軸と併記した。
図7は特に、M軸とM’軸とが位相角π(=180度)をなす状況を示す。つまり電機子磁束φa1が回転方向Rbに移動した位相角がπである状況を示す。このように電機子磁束φa1が回転方向Rbに位相角πで回転すれば、その間に、必ずR軸とM軸とが一致する。よって電機子磁束φa1を回転方向Rbに少なくとも位相角πで回転させる(つまり180度以上で回転させる)ことにより、R軸の位置(α軸に対する位相差)を既知とすることなく、換言すれば位置信号Qを必須とすることなく、R軸の位置を回転方向Rbに沿って移動させ、電動機3を圧縮運転とは反対の方向に回転させる。
図9では、電機子磁束φa1が回転方向Rbに位相角πよりも大きく移動した場合を例示する。
なお、R軸の位置が既知でないことを想定して、電機子磁束φa1の絶対値はその当初から、M軸がR軸と一致したときに逆転トルク以上のトルクを発生させる程度に大きく設定することが望ましい。具体的には状況(ii)において電機子磁束φa0を予め高めるべく三相電流Iu,Iv,Iwを増大させておく。
図8はR軸とM軸とが一致したのち、電機子磁束φaを回転方向Rfに回転(図9において「正回転」と表記)させる状況(vi)を示す。M軸とR軸との位相差が実質的に零となるので、三相電流Iu,Iv,Iwの絶対値が小さくても大きなトルクが発生する。よって差圧が大きくても、慣性が小さな圧縮機4が容易に起動する。
図9では、電機子磁束φa1が回転方向Rbに回転し終わってから、電機子磁束φa2が回転方向Rfに回転し始めるまでに、電機子磁束φaは回転しない直流励磁の期間が設けられる状況(vii)が例示される。この状況(vii)は三相電流Iu,Iv,Iwを測定することの便宜のために設けられ、電動機3の駆動を容易に開始することに必須の状況ではない。
{電動機を駆動させるステップの説明}
図9は本実施の形態で圧縮機4を起動させるための電動機3の駆動方法を示すフローチャートである。但し、状況(vii)については別にフローチャートを用いて簡単に説明する。圧縮機4は電動機3の駆動方法によって起動するとも言える。
図9のフローチャートを構成する各ステップは、制御部1自身が、あるいはその制御の下でのインバータ2が実行する。
ステップS101において電機子磁束φa0を発生して増加させる。ステップS101に続き、ステップS102において電機子磁束φa0の絶対値が所定値に到達したか否かが判断される。当該判断結果が肯定的となるまでステップS101が繰り返し実行される(ステップS102からステップS101への「No」の経路参照)。ステップS101の繰り返しの実行により状況(i),(ii)が実現される。ステップS101が繰り返されて実行される期間は、図9において「|φa|増加中」として示される。
ステップS102の判断結果が肯定的となれば、ステップS103が実行される(ステップS102からステップS103への「Yes」の経路参照)。ステップS103では、回転方向Rbに回転する電機子磁束Φa1を発生させる。これにより状況(iii)が実現される。ステップS103に続き、ステップS104において電機子磁束φa1が回転方向Rbに180度(ラジアン換算でπ)以上回転したか否かが判断される。当該判断結果が肯定的となるまでステップS103が繰り返し実行される(ステップS104からステップS103への「No」の経路参照)。ステップS103の繰り返しの実行により、状況(iv),(v)が実現される。
状況(iv)に至るまでは、圧縮機4は停止している状態にある。よってステップS103は、圧縮機4が停止している状態から、圧縮運転とは反対の方向に電動機3を回転させるための第1回転磁束たる電機子磁束Φa1を、電動機3に発生させる第1ステップであると見ることができる。
状況(v)が実現されれば、ステップS104の判断結果が肯定的となって、ステップS105が実行される(ステップS104からステップS105への「Yes」の経路参照)。
よって上述の第1ステップを実行する期間の、少なくとも終了時には、状況(iv),(v)が実現されると言える。そして状況(iv),(v)では、電機子磁束Φa1の磁極の方向たるM軸が、電動機3が停止している状態での界磁磁束φrの方向たるR軸と一致すると言える。
ステップS105では回転方向Rfに回転する電機子磁束Φa2を発生させる。これにより状況(vi)が実現される。
よってステップS105は、上述の第1ステップの後に、圧縮運転の方向に電動機3を回転させるための第2回転磁束を電動機3に発生させる第2ステップである、と見ることができる。
ステップS105ののち、ステップS106の判断が行なわれる。ステップS106は、圧縮機4の起動位置を所望の位置に設定するための処理である。具体的にはステップS106において、界磁磁束φrが固定座標系αβにおいて所望の位相にあるか否かが判断される。かかる判断は例えば位置信号Qに基づいて行うことができる。
当該判断結果が肯定的となるまでステップS105が繰り返し実行される(ステップS106からステップS105への「No」の経路参照)。当該判断結果が肯定的となれば、その時点で界磁磁束φrが所望の位相にあることになる。その場合、ステップS107が実行され、回転方向Rfに回転する電機子磁束を発生させる(ステップS106からステップS107への「Yes」の経路参照)。
{変形}
ステップS107により、圧縮機4に圧縮運転をさせるための電動機3の駆動を行なうことができる。よって厳密にはこのステップS107を圧縮機4の「起動」から外して考えてもよい。
圧縮機4の起動位置を所望の位置に設定することなく、ステップS106を省略することもできる。この場合、ステップS107はステップS105によって兼ねられることになる。
上述したように、三相電流Iu,Iv,Iwがステップ的に出力されてもよい。この場合、ステップS101,S102を省略することができる。換言すればステップS101は、上述の第1ステップに先立って直流磁束を電動機3に発生させる第3ステップであるということができる。
上記状況(vii)を実現するためには、ステップS104とステップ105との間で、直流励磁を行なえばよい。図11はかかる直流励磁を行なう場合のフローチャートを部分的に示す。ステップS101〜S103については図10に示されたフローチャートと同様であるので図11では省略した。
ステップS104の判断結果が肯定的であったとき、ステップS105の実行に先立ち、ステップS108において直流励磁及び電流測定が行なわれる。当該直流励磁は図9において示されるように、三相電流Iu,Iv,Iwの値が固定される。かかる直流励磁は、上述の第1ステップの後、第2ステップの前に行う第4ステップと見ることができる。
また、当該電流測定では、インバータ2に流れる直流電流が公知の方法で検出され、その値Idが制御部1に与えられる(図1参照)。制御部1は、直流電流の値Idと、自身が生成する指令信号Jとに基づいて、三相電流Iu,Iv,Iwを推定することができる。
なお、かかる推定を行なう技術それ自体は周知であるので、ここでは詳細な説明を省略する。なお、電動機3のいずれの相においても非零の電流が流れることが、上記の推定を容易に高める観点で望ましいことは公知である。本実施の形態に即して言えば、三相電流Iu,Iv,Iwのいずれの絶対値も正であることが望ましい。
上述の第3ステップ(ステップS101に相当)、第4ステップ(ステップS108の直流励磁に相当)が圧縮機4を起動するための電動機3の駆動方法として必須では無く、当該駆動駆動方法は上述の第1ステップ(ステップS103に相当)及び第2ステップ(ステップS105に相当)を備えていれば足りると言える。
状況(i)(ii)においてM軸はR軸に対して回転方向Rbに沿って見て180度以上離れていてもよい。この場合、差圧の助勢により、ステップS103の当初において、速やかに界磁磁束φrが回転方向Rbに向かって回転し、R軸がM軸に一致する。
S101 (第3)ステップ
S103 (第1)ステップ
S105 (第2)ステップ
S108 (第4)ステップ
φa1 電機子磁束(第1回転磁束)
φa2 電機子磁束(第2回転磁束)

Claims (8)

  1. 圧縮部材の回転運動もしくは旋回運動によって冷媒を圧縮する圧縮機を電動機によって駆動する方法であって、
    前記圧縮機が停止している状態から第1回転方向に前記電動機を回転させるための第1回転磁束(φa1)を前記電動機に発生させる第1ステップ(S103)と、
    前記第1ステップの後、第2回転方向に前記電動機を回転させるための第2回転磁束(φa2)を前記電動機に発生させる第2ステップ(S105)と
    を備え、
    前記第1回転方向は前記第2回転方向とは反対の方向であり、
    前記第2回転方向は前記圧縮機に前記冷媒を圧縮させる前記電動機の回転方向である、電動機の駆動方法。
  2. 前記第1ステップを実行する期間の少なくとも終了時には、前記第1回転磁束の磁極の方向が、前記電動機が停止している状態での前記電動機の界磁磁束の方向と一致する、請求項1記載の電動機の駆動方法。
  3. 前記第1ステップに先立ち、直流磁束を前記電動機に発生させる第3ステップ(S101)
    を更に備える、請求項1または請求項2に記載の電動機の駆動方法。
  4. 前記第1ステップにおいて前記第1回転磁束(φa1)は前記第1回転方向に180度以上回転する(S103,S104)、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の電動機の駆動方法。
  5. 前記第1ステップ(S103)の後、前記第2ステップ(S105)の前に、前記電動機に対して直流励磁を行う第4ステップ(S108)
    を更に備える、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電動機の駆動方法。
  6. 前記第4ステップにおいて、非零の電流が前記電動機のいずれの相においても流れる、請求項5記載の電動機の駆動方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の電動機の駆動方法の、前記第1ステップおよび前記第2ステップによって前記圧縮機を起動する、圧縮機の起動方法。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の電動機の駆動方法の、前記第1ステップおよび前記第2ステップによって起動する圧縮機。
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